JP4469305B2 - 水質管理システム - Google Patents

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Description

本発明は浄水場の水質管理に係り、特にHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point、危害分析および重要管理点手法)の概念に基づき管理を行う場合に、水道事業体や水質管理者がHACCP導入の際に行う必要がある、CCP(Critical Control Point、重要管理点)でのモニタリング値に対するCL(Critical Limit、管理基準)の設定機能を有する水質管理システムに関する。
近年、食品の安全性の管理が重要となっており、検査体制の強化や、食品の産地を表示する等の情報公開がなされている。水道は重要なライフラインの一つであり、水道の安全性を常に維持管理するのが水道事業体の責務である。水道においては安全・安心な水や、おいしい水に対する需要家の要求があり、各地の浄水場では活性炭やオゾン等を用いた高度処理がなされている。しかし、水源水質が悪化傾向にあると同時に、油の流出やアンモニア性窒素流入等の水質事故は毎年一定件数発生している。一方、国内では市町村合併および水道事業への補助金削減の流れから、複数の水道事業体の統合・広域化の議論が行われている。水道事業の広域化に伴い、維持管理のための人員削減や外部への委託がなされると予想される。
このような状況において、一定以上の水質管理レベルを合理的に維持するための管理手法が求められている。
WHOの飲料水質ガイドラインが2004年9月に改訂され、新たに水安全計画が盛り込まれた。この中で水質管理方法として、食品製造における衛生管理手法であるHACCPについて触れられており、国内でも水道に適用しようとする動きがある。HACCPは食品衛生管理のグローバルスタンダードとしてその有用性が認められている。HACCPの導入は、(1)危害分析、(2)CCPの設定、(3)CL(管理基準)の設定、(4)モニタリング方法の設定、(5)改善措置の設定、(6)検証方法の設定、(7)記録の維持管理の順で行うのが標準的である。重要管理点は食品製造における衛生管理上特に重点的に管理を行う必要がある工程である。製造時は重要管理点を連続的、または相当な頻度でモニタリングし、記録する。このように食品製造におけるHACCPの導入手順は確立されている。
前記した(3)CLの設定においては、科学的な根拠に基づく1つ以上の値(例えば、上限値、下限値)が設定される。食品製造においては、製造方法が予め決められており、また、原材料の品質も安定しているため、適正な管理の範囲として上下限値が設定されるのが通常である。ただし、食品によって適正な温度範囲は異なるため、この管理を容易にするための手段として特許文献1において、食品温度管理装置が提案されている。ここでは、食品毎の温度管理基準およびその他の付属情報を、製造されている食品の名称と関連付けて登録し、登録された基準に適合したか否かを監視している。
一方、水道システムの水質管理方法の従来例としては、特許文献2に開示されている例がある。ここでは、中央監視センターを設け、複数の水道事業体を対象として、水源、浄水場、配水施設の水質をモニターし、これらの情報を元に水質管理することとしている。水質データにおける異常の有無が判定され、異常があった場合は浄水システムや配水管路網の改善等の対策がとられることになっている。この管理方法により、管理が一元化され、各事業体における水質管理の精度を向上させることができるとしている。
また、濁度の管理システムに関する従来例としては、特許文献3がある。ここでは、浄水場で得られた計測データから処理水の濁度を予測し、さらに計測データと濁度の予測値から投入すべき凝集剤の投入率を求めることで、水質の制御を行っている。濁度予測と凝集剤投入率設定においては、入力データを量子化し単位入力空間ごとにその履歴データを代表する事例を作成し、これを予測や制御に用いることとしている。
特許文献1では、HACCPに基づく複数の種類の食品製造における温度管理を、食品毎に温度設定値を変えて、容易に温度設定値が把握できるような装置構成にしてある。食品製造の場合は原料品質が安定しており、かつ、製造手順が食品毎に定まっているため、重要管理点におけるモニタリングの管理基準値は上下限値の設定で十分であった。
しかし、水道プロセスをHACCPの対象とした場合、原料である原水水質の変動は、特に表流水において大きいため、浄水プロセスでは薬剤の注入量を原水水質に応じて適切に調整する必要がある。また、水温等のパラメータに応じて残塩(残留塩素、以後、「残塩」と記述)の分解速度や消毒副生成物の生成速度は変化するため、浄水プロセスでの運転条件を適切に調整する必要がある。
このため、水道においては管理基準とするべき範囲が変化するが、これまでのHACCPによる管理では、同一の食品製造に対して管理基準をある条件にしたがって変化させるという考え方はなかった。
同様に、特許文献2でも水質モニタリングの結果が異常であると判断された場合に改善措置がなされるが、この場合の異常と診断する管理基準の設定については明確に示されていない。
また、特許文献3では、濁度管理のための凝集剤投入率制御方法を示している。ここで設定される凝集剤投入率は、目標とする水質を得るために設定される値である。しかし、これを設定するには管理基準が必要である。
管理基準は、それぞれの指標において、需要家に対して危害を発生させない範囲がどの程度であるかを示す基準である。つまり、浄水システムの制御を行う以前に、浄水システムの重要なポイントにおいて、危害の発生がないように安全性を担保できる管理基準を設定しておく必要がある。そして、水道に関わる多種多様な危害の中で、通常の浄水場でもモニタリング体制が整っており特許文献3の制御の対象となっている濁度だけでなく、通常は連続測定がなされていない他の多くの危害物質についても合理的な根拠に基づいた管理基準の設定が必要である。
管理基準は、需要家へのアカウンタビリティを果たす上でも重要な値である。水質が管理基準値を超えていないことを需要家に示す必要があるが、例えば、特許文献3のような制御による凝集剤の投入率を基準としてしまうと、投入率は逐次変化するためデータを示された需要家側が混乱してしまう可能性がある。
浄水場における一般的な管理方法として、季節毎に操作条件を変更することがなされている。しかし、季節や水温といったグループ分けに用いた項目以外の原因によって、重要管理点でのモニタリングの管理基準から逸脱した場合は、需要家への説明のための情報が不十分になり、アカウンタビリティを十分果たすことができない。
特開2002-22544号公報 特開2002-11460号公報 特開2002-119956号公報
そこで、本発明の課題は、水道にHACCPを導入した際に、適当なグループ毎に管理基準となる指標の値を設定することで、水道の特徴である原水水質の変動を考慮した管理が可能で、かつ、需要家へのアカウンタビリティの向上が図れる水質管理システムを提供することである。
水質管理システムが、水道の水質を監視し、水道の水質についての指標をグループに分けて管理し、そのグループが統計学的に等質のものか否かを検定し、等質でないと判定された各グループに対してHACCPにおける管理基準を設定する。そして、過去の測定データと前記の設定した管理基準を読み込んで、現在の水質データを診断し、管理基準に適合しない場合には警報を発し、過去のデータから現在の水質データと類似している水質データを検索する。このデータに対して統計処理を施して統計量を算出し、この統計量を基準として再度診断を行って、診断結果が不適正の場合には再度警報を発し、適正および不適正の診断結果をデータベースに記録する。さらに、データベースに記録された診断結果を用いて、管理基準および重要管理点等を再検証する。
この構成によれば、統計学的および科学的根拠に基づいて、水道の水質を合理的に管理し、水質の管理基準を適正なものに維持することができる。
本発明によれば、HACCPによる管理を水道に適用し、水道の水質を管理するための管理基準を客観的な判断基準に応じて柔軟に変化させることにより、固定された水質基準による場合より高度な水質管理を実現することができる。
本発明には、管理基準を決定する方法において2つの実施形態がある。第1の実施形態は、主としてヒストグラムを用いて管理基準を設定する基本的な実施形態であり、第2の実施形態は、残塩を対象として相関性が高いデータに対してモデルを利用して管理基準を設定する実施形態である。以下、これらの実施形態における管理基準について説明した後に、2つの実施形態を順次説明する。
[管理基準]
ここでの水道に関する管理基準は、HACCPにおける管理基準(CL)を浄水場で作られる水道水に対して適用したものであり、水道水の水質に関するそれぞれの指標において、需要家に対して危害を発生させない範囲がどの程度であるかを示す基準である。例えば、水温が高い時期の浄水場における残塩の管理基準は、0.7mg/L以上というように決めることができる。管理基準は、法令によって定められている水質基準とは矛盾しない基準であり、一般に水質基準より厳しく定められていて、最悪でも、水質基準と同じ基準になる。
水質基準は、常に一定であり、季節によって変動すること等はない。それに対して、管理基準は、季節等によって変動するが、いずれの場合にも、必ず水質基準を満たし、それぞれの場合において、最善の結果を得るように設定される。ただし、管理基準は、浄水場における浄水システムの制御の目標値のように頻繁に調整されたり、通常のHACCPの管理基準のように常に一定値を取る場合とは異なり、所定の長さの期間等において一定値をとる。
<<第1の実施形態>>
[システム構成]
本発明の第1の実施形態を図1に基づいて説明する。図1は、第1の実施形態における水質管理システムのシステム構成を説明する図である。本実施形態では水道における危害物質として濁度を対象とし、管理基準の設定対象として凝集剤注入に関する指標としている。本実施形態による水質管理システム1は、濁度管理基準演算手段2、診断手段3、濁度計11、流量計13、水質・プロセスDB21、管理基準DB22、診断結果DB23、凝集剤注入装置20、凝集剤注入量計測装置31、入力装置32、出力装置33から構成される。
濁度管理基準演算手段2は、濁度の管理基準を決定する演算手段である。具体的な管理基準の決定のための処理については、後記する。診断手段3は、各データと管理基準との比較および類似の傾向を示した過去のデータの平均等の統計量との比較によって診断する。
濁度計11は、浄水プロセス内の着水井101において、原水濁度を測定する。凝集剤注入量計測装置31は、混和池102において凝集剤注入装置20によって注入される凝集剤の注入量を計測する。流量計13は混和池102への流量を計測する。
水質・プロセスDB21は、過去の水質およびプロセスデータを日時の情報とともに記録する。本実施形態では濁度、凝集剤注入量、流量および沈殿池104の出口における濁度の測定結果が記録されている。管理基準DB22は、ALT比および沈殿池出口濁度の管理基準を記録する。なお、ALT比とは、原水中の濁度に対する注入された凝集剤中のアルミニウムの比である(mg-Al/度)。診断結果DB23は、前記の診断手段3が行った診断の結果を保存する。入力装置32は、濁度管理基準演算手段2への情報入力に用いるものであり、キーボードやマウス等である。出力装置33は、濁度管理基準演算手段2における演算結果およびDBの情報を表示するための装置であり、CRT等のディスプレイ装置である。
着水井101から給配水施設108までは、浄水場の中で水が流れていく経路にあたる設備である。まず、着水井101は、取水口から取り込んだ原水を受け入れる設備である。混和池102は、凝集剤等の薬品を原水に混ぜるための設備である。フロック形成池103は、混和池102で原水に投入した凝集剤によって、フロックと呼ばれる水中に懸濁する微粒子を集合させた沈殿物の形成を促進するための施設であり、沈殿池104は、これによってできたフロックを沈殿させる施設である。急速ろ過池105は、さらに沈殿をろ過して浄化を行う施設であり、塩素混和池106では、このろ過された水に塩素を加えて殺菌する施設である。浄水池107は、こうして得られた浄水を一時的に貯蔵し、給配水施設108がこの浄水を需要家109に配水する。
[管理基準設定の処理]
図2は、管理基準の設定を新たに行う場合の水質管理システムの処理フロー図である。
まず、ステップS101において、CCPで危害が適切に制御されているか否かを判断するための指標(指標1)を設定する。浄水プロセスにおける管理基準としては、残塩(残留塩素)、濁度、色度、各危害物質濃度のように単一の測定によって得られる指標や、ALT比のように複数の指標(凝集剤の注入率、原水濁度)から求める指標がある。また、指標1の管理基準を設定する上で満足するべき指標(指標2)とその値(境界値)を与える。例えば、危害物質が濁度で、凝集剤の注入率の管理基準を設定するとき、「凝集剤の注入(指標1に該当)によって沈殿水濁度(指標2に該当)は1度以下(境界値に該当)が得られること」という条件を与える。ここで与えられる指標2の濁度の値は、需要家109が用いる給水栓で少なくとも水質基準を満たすように設定する必要がある。
次に、ステップS102において水質・プロセスDB21から、指標を算出する上で必要な対象情報を読み込む。指標1、指標2の直接の測定値またはこれらを算出するために必要なデータである。管理基準値の設定対象を凝集剤注入に関する指標とした本実施形態の場合、例えば、指標1としてALT比、指標2として沈殿水濁度、使用データとして、日時、凝集剤注入量、処理流量、原水濁度、沈殿水濁度とできる。
次に、ステップS103において、管理基準設定方法の選択を行う。なお、ステップS103の処理の詳細は後記する。そして、選択した方法に従ってステップS104で管理基準を算出する。なお、具体的な例に対する管理基準の算出方法については、後記する。続いてステップS105において、グループ分け実施の判断を入力する。
グループ分けを行わない場合は(S105の「グループ分けをしない」)、算出した管理基準を管理基準DB22に記録し(S111)、処理を終了する。一方、グループ分けを行う場合(S105の「グループ分けをする」)、ステップS106で季節や水温、運転条件等のグループ分けの分類を入力する。本実施形態で対象とする例では、季節(春夏秋冬)による分類を行うものとする。そして、ステップS107では、検定における有意水準の入力を行う。
次に、ステップS108では、ステップS107で入力した有意水準を用いてグループ間でデータの有意差を検定する。ここで、このような処理を行うのは、それぞれのグループ間で統計的に差異がある場合にのみ個別の管理基準を設定するのが合理的であるためである。そして、有意差がない場合には(S108の「有意差がない」)、グループを統合し(S109)、管理基準の算出を行って(S110)、再びステップS108から処理を繰り返す。そして、有意差がある場合には(S108の「有意差がある」)、管理基準DB22に管理基準を記録して(S111)、処理を終了する。
ステップS108において、グループ間の統計的な差異を調べるには、F検定、t検定およびウェルチ(Welch)検定(Welchの方法によるt検定)を用いる。F検定は、量的なデータにおいて、2つの標本(グループに該当)分散間の相違が母分散間においても相違として認められるのかについて推測する方法である。t検定は、量的なデータにおいて、2つの標本平均間の相違が母平均間においても相違として認められるのかについて推測する方法であるが、この方法は、前提として、F検定等により、母分散について調べた上で、母分散が等しい場合に適用できる。そして、等しくない場合には、ウェルチ(Welch)検定(Welchの方法によるt検定)が適用可能である。t検定またはウェルチ検定によって母平均に相違がないという検定結果が得られた母集団(グループ)は、統計学的には同一の性質を持った集団であると考えられるので、本実施形態では、それらを母集団が同一のものとして扱う。すなわち、グループを集約する。
具体的には、まず、母分散比の検定と母平均の差の検定を行う。この母分散比の検定には公知のF検定を用いる。F検定の結果、母分散が等しいと判定された場合、母平均の差の検定にはt検定を用いる。一方、母分散が異なると判断された場合は、母平均の差の検定でウェルチ(Welch)検定(Welchの方法によるt検定)を行う。t検定またはウェルチ検定の結果、母平均に差異があると判定されたグループについて、ステップS103の管理基準設定方法の選択の方法(詳細は後記)によりそれぞれ管理基準を算出する。差異があると判定されなかった場合(差異がないと判定された場合)、差異がなかった複数のグループを1つに集約し、その新たなグループでの管理基準を求める。
なお、管理基準の設定は本実施形態における水質管理システム1による水質管理の準備段階や適用後の定期的な検証段階に実施する。
図3は、管理基準設定方法の選択の処理について説明する図である。この処理は、図2におけるステップS103での管理基準設定方法の選択の処理である。管理基準設定方法はステップS101で設定した指標1、指標2について、指標間(指標1−指標2)の相関による判定を行う(S201)。なお、この判定は、最小二乗法や回帰分析を行うことによって、指標1と指標2の間の相関係数を求め、その絶対値が所定の値より大きいか否かで相関が高いか否かを判定する。このとき、指標1と指標2の直接の相関だけでなく、モデルを用いて相関を評価することもできる。
判定の結果、相関が高い場合(S201の「相関高い」)、前記の最小二乗法や回帰分析の結果得られた回帰式より管理基準を算出し(S202)、処理を終了する。具体的には、境界値の条件を満たす管理基準を算出する。回帰式に対して指標2について満足しているべき境界値を与えたときの指標1の値が管理基準になる。
そして、相関が低い場合(S201の「相関低い」)、所定の数と比較してデータ数による判定を行う(S203)。その判定の結果、データ数が少ないと判定された場合(S203の「データ数少ない」)、ステップS205に進む。データ数が多いと判定された場合(S203の「データ数多い」)、指標2の全データが境界値(S101で指定)を満足しているか否かを判定する(S204)。判定の結果、全データが境界値を満足している場合(S204の「満足」)、ステップS205に進む。満足していない場合(S204の「満足しない」)、そのデータからヒストグラムを作成し、管理基準を算出する(S206)。すなわち、所定の割合以上のデータが条件を満たす範囲を求めて管理基準を設定する。そして、処理を終了する。
ステップS205では、最も安全側の値または範囲を管理基準に設定し、処理を終了する。
例えば、指標2が給水栓での水質、境界値が水質基準(濁度が2度)である場合、通常はこの水質は満足されているはずであるので、ステップS204の判定でも全データが境界値を満足しているはずである。しかし、指標2が浄水場内の工程(例えば急速ろ過池等)に関する指標の場合は、後段に危害物質の除去性能を期待できる工程があるため、そこで設定されている境界値から逸脱する場合が生じる。そのため、ステップS204の判定で全データが境界値を満足している場合であっても、ステップS205において最も安全側の値または範囲を管理基準に設定する。
図4は、ステップS206におけるヒストグラムから管理基準を求める方法の概略を示す図である。この処理においては、具体的には、まず、管理基準を設定する指標1(ALT比)を横軸(第1の軸)、指標1が指標2の条件を逸脱する割合(沈殿水が管理基準を逸脱する割合)を縦軸(第2の軸)としたヒストグラムを作成する。次に、ヒストグラムの分布を関数でフィッティングする。そして、指標2の条件を逸脱する割合が所定値(例えば5%)以下になる範囲を求め、安全側の閾値を管理基準に設定する。
図5は、ヒストグラムから管理基準を求める処理を説明する図である。
この処理では、まず、指標1の階級の幅を設定する(S401)。そして、横軸に指標1、縦軸に指標1が指標2の条件を逸脱する割合としたヒストグラムを作成する(402)。そして、ヒストグラムの分布を最適な関数でフィッティングする(S403)。このとき、関数は、直線で示される関数以外に、多項式、正規分布関数、ロジスティック曲線を描く関数等から選択する。あるいは、最適な関数を自動的に算出させるようにしてもよい。
次に、許容される逸脱率の設定を行う(S404)。そして、フィッティング結果と許容される逸脱する割合から管理基準を決定し(S405)、処理を終了する。
また、前記の方法では、ヒストグラムの同じ幅の階級ごとに条件を逸脱する割合を示したが、これ以外にも、指標1の下限または上限から各階級までの範囲で、逸脱する割合を求め、これを縦軸としたグラフから管理基準を求めることもできる。
例えば、指標1を0−5、5−10、10−15と階級分けし、指標1の下限または上限から各階級までの範囲に該当する0−5、0−10、0−15(または15−10、15−5、15−0)においてそれぞれ逸脱する割合(縦軸)を求める。この値からグラフを求め、逸脱率が所定値以下となる範囲を基にして管理基準を求めることもできる。
一方、ステップS203でデータ数が少ないと判断された場合、ステップS206の方法ではヒストグラムの分布が明確でない場合が生じ、科学的・統計的に根拠のある管理基準を設定する方法としては不適当である。この場合、ステップS205において、データから得られる最も安全側の値を管理基準に設定する。
本実施形態では、管理基準は、前記のヒストグラムによる方法、モデルによる方法(後記)およびデータをプロットして最も安全側の曲線を決定する方法(後記)の3つの方法で設定することとしたが、管理基準を設定する必要があるにもかかわらず過去の水質分析データがない場合が想定できる。この場合、文献や他の浄水場での管理基準を参考に設定者の判断で暫定的な管理基準を設定し、水質分析データが整った段階で再度管理基準設定を行う必要がある。
[水質管理システムの動作]
図6は、管理基準を設定し、水質管理を行っている際の水質管理システムの処理フローを説明する図である。
まず、ステップS301において水質・プロセスDB21からデータを読み込む。本実施形態の場合は、日時に加え、濁度計11、凝集剤注入量計測装置31および流量計13でそれぞれ測定した原水濁度、凝集剤注入量、流量のデータを読み込む。続いてステップS302において、管理基準DB22から読み込んだ日時や水質または運転条件に対応するグループにおける管理基準を読み込む。
次に、ステップS303において各データと管理基準との比較を行う。具体的には、水質、プロセスデータから算出する指標1(ALT比)と管理基準とを比較する。指標1が管理基準の範囲内の場合は(S303の「範囲内」)、処理を終了する。一方、管理基準の範囲を逸脱する場合は(S303の「逸脱」)、出力装置33に警報を表示する(S304)。
続いて、ステップS305において原水水質の類似日抽出を行う。本実施形態では、原水濁度の項目について検索を実施し、例えば計測値の+10%から−10%の範囲内にあるデータを抽出する。なお、類似日抽出の検索の対象となる項目は予め管理基準DB22に記録しておく。
その後、ステップS306において、抽出された類似日での統計量を算出する。このステップでの処理対象は、対象となる評価関数すなわち指標1の値であり、算出する統計量は、平均値、標準偏差、最大値、最小値とする。これを受けて、ステップS307において、こうして得られた指標1に関する平均値等の統計量との比較による診断を行う。比較対象の指標1の値が類似日の指標1の範囲内であれば(S307の「範囲内」)、類似日の指標1の統計量を表示して(S310)、ステップS309に進む。一方、逸脱する場合は(S307の「逸脱」)、警報と類似日の指標1の統計量を表示して(S308)、ステップS309に進む。
最後に、ステップS309において、類似日の統計量とステップS307における診断の結果を診断結果DB23に記録して、処理を終了する。なお、こうして記録した診断結果は、HACCPにおける前記した(3)の管理基準の設定以外に、前記した(6)の検証方法の設定を行う場合に、管理基準(CL)や重要管理点(CCP)を検証するためにも用いることができる。また、需要家への説明が必要な場合にも、診断結果DB23の記録を提示することができ、需要家に対するアカウンタビリティの向上に貢献する。
第1の実施形態では、濁度を例にとって、水質管理システム1における管理基準の設定の処理および水質管理システム1の動作を示した。この構成によれば、水道にHACCPを適用することにより、水質管理の高度化が図れる。
また、本実施形態では、重要管理点における危害物質に関連するモニタリングの管理基準を、(1)グループ分けおよび管理基準の設定を、定量的な根拠をもって行い、(2)上記の管理基準を逸脱した場合に、モニタリングデータを使って、現在の水質・プロセス条件が含まれる過去のデータを抽出し、抽出されたデータを用いて管理基準の指標とその統計量を算出する。そのため、(a)管理基準を用いて、その時々(条件)に応じて、達成できるまたは達成の目標としている数値を需要家に提示でき、(b)グループ化した管理基準を用いて管理を行うことで、管理基準を逸脱した時、その時々(条件)に応じた適切な改善措置を実施でき、(c)原水水質の突発的な変化等によりグループ化した管理基準を逸脱した場合、同様な原水水質等の条件下における管理基準の指標と比較することで、現在の水質管理状態を診断できる。
したがって、需要家に対して、水質管理状況に関するアカウンタビリティが向上する。
<<第2の実施形態>>
本発明の第2の実施形態は、細菌類の繁殖を防止する残塩(残留塩素)に対応する、水質の管理基準を設定し、水質を管理する。そして、ここでは、モデルの使用に基づく水質の管理基準の設定方法の使用例を示す。
[システム構成]
図7は、第2の実施形態のシステム構成を説明する図である。第2の実施形態では、水道における危害物質として一般細菌・大腸菌を対象とし、これらによる危害を防止する上で、塩素混和池での処理後の浄水(今回、浄水池内の水とする)における残塩を指標1とするものである。なお、残塩は給水栓における消毒効果の維持の観点から給水栓で0.1mg/L以上が義務付けられている。
本実施形態は、第1の実施形態における水質管理システム1を変形したものであるので、共通の構成要素を多く含む。これらの同一の構成要素には、同一の符号を付して、第1の実施形態と異なること以外の説明を省略する。
本実施形態における水質管理システム1は、診断手段3、残塩管理基準演算手段4、残塩計(残留塩素計)14a,14b、水温計15、水質・プロセスDB21、管理基準DB22、診断結果DB23、入力装置32、出力装置33から構成される。このうち、C、残塩計14a,14bおよび水温計15は、第1の実施形態には含まれていなかったものである。
残塩管理基準演算手段4は、後記する残塩の原水のモデルに基づいて、滞留時間から残塩の量の変化を予測し、これに基づいて管理基準を算出する手段である。残塩計14a,14bは、浄水処理工程中の残塩の量を測るためのセンサーであり、残塩計14aは、急速ろ過池105の出口付近において残塩を計測し、残塩計14bは、浄水池107において残塩を計測する。また、水温計15は、浄水池107において水温を計測する。
本実施形態の浄水プロセスにおいては、塩素混和池106において後塩素(浄水プロセスの後半で注入される塩素剤)が注入され、浄水池107の残塩計14bで測定される残塩濃度を最終的に調整するものとする。水質・プロセスDB21は、過去の水質およびプロセスデータを日時の情報とともに記録する。本実施形態では、水質・プロセスDB21は、浄水池の残塩、急速ろ過池出口の残塩、給水栓での残塩、水温、後塩素注入率の測定結果が記録されている。管理基準DB22は、浄水池・給水栓における残塩の管理基準値を記録する。
[モデルを用いた管理基準の設定]
浄水池における残塩の管理基準の設定は、第1の実施形態に記載の管理基準の設定処理と同様の手順に従う。そして、第1の実施形態における濁度に代えて、指標1として浄水池の残塩、指標2として給水栓残塩を設定する。このとき、給水栓の残塩を評価するモデルとして、例えば、以下のような式(1)が挙げられる。
c=c0 exp(−kt), k=k0 exp(−E/RT) 式(1)
ここで、cは残塩濃度、c0は初期残塩濃度、k0,Eは定数、Rは気体定数、Tは水温、tは経過時間である。
式(1)に示されたモデルで浄水池の残塩と給水栓の残塩との関係を精度よく表せる場合、図3におけるステップS202においては、式(1)と給水栓までの水道水の滞留時間と浄水池の残塩とを用いて、給水栓での残塩濃度を満たす浄水池残塩を算出することができる。そして、このような処理によって給水栓での残塩濃度を予測することで、浄水池の残塩についての安全側の値を管理基準として設定する。これ以後の管理基準の算出やグループ化、運用時の管理方法の処理は、第1の実施形態と多くの部分で共通するので、第1の実施形態と異なっている部分以外は説明を省略する。
残塩を対象とする場合、残塩の分解速度に対する水温の影響が大きいため、水温によりグループ化を行い、グループ間に差異がある場合はそれぞれのグループで管理基準を設ける。
なお、前記の式(1)の残塩が減衰するモデル以外にも、消毒副生成物が生成するモデルや、そのほか、浄水場の処理工程における浄水処理に伴う危害物質の濃度変化を表現したモデルを用いることができる。すなわち、前記の減衰モデル以外に、危害物質の生成による指標の値の変化を表すモデルや対象工程の処理における危害物質についての指標の値の変化を表すモデルを用いてもよい。いずれのモデルを用いる場合にも、式(1)に示したような危害物質等の変化を表現する変換関数を用意して、前記の減衰モデルと同様の扱いをすればよい。
[相関が低いデータを用いた管理基準の設定]
次に、第2の実施形態における、相関が低いデータを用いて、浄水池107での残塩に関する管理基準の設定例を示す。システムの構成や管理基準設定の手順は前記と同様であるので、モデルを用いた管理基準の設定と異なる部分を説明する。
ここでは、S103において指標1である浄水池107の残塩と指標2である給水栓の残塩の相関が低く、かつ、データ数は多いが、給水栓ではいずれも境界値(0.1mg/L以上)を満たす場合の例を対象として、処理を説明する。この場合の管理基準は、図3のステップS205に示したのと同様に、最も安全側の範囲を管理基準に設定する。すなわち、給水栓における残塩が、最悪の場合でも、その境界値である0.1mg/Lを下回ることがないように浄水池107の残塩の指標の値を設定する。
図8は、浄水場における残塩の指標を対象として管理基準を設定する例を示す図であり、(a)は、低水温期(摂氏10度以下)の例、(b)は、中水温期(摂氏10度から摂氏20度)の例、(c)は、高水温期(摂氏20度より高温)の例である。ここでは、浄水場(浄水池107)における残塩の指標と給水栓における残塩の指標の相関が低い場合に対しての管理基準の設定の処理を示している。
残塩の分解速度は水温に影響を受けるため、前記のモデルを用いた設定の場合と同様、水温を指標として選んでグループを形成し、それぞれの範囲に対して管理基準を求める必要がある。この例では、水温を低水温期(摂氏10度以下)、中水温期(摂氏10度から摂氏20度)、高水温期(摂氏20度より高温)をグループとして、それぞれのグループに対する管理基準を設定している。
図8(a)の例では、横軸(第1の軸)に浄水池(浄水場)107の残塩の指標、縦軸(第2の軸)に給水栓の残塩の指標をとっている。図8(a)において、給水栓での残塩が条件を満たすための範囲は、原点を通る直線より上の範囲である。そして、この直線の傾きを0から変化させていき、プロットされたデータが最初にこの直線上にのったときにこの直線を固定すると、この直線は最も安全側の場合の横軸に浄水池107の残塩の指標と縦軸に給水栓の残塩の指標との対応関係を示す。
従って、最も安全側の値としての管理基準は、この直線と給水栓残塩が0.1mg/Lの直線が交わる点における浄水場残塩の値によって決まる。この値より浄水場残塩が多ければ、浄水場残塩と給水栓残塩の関係がこのデータと同様である限りにおいては、給水栓残塩の値が0.1mg/Lを下回ることはない。この例における管理基準の算出方法は、図8(b)および図8(c)についても同様である。
なお、図8の例では、原点を通る直線を用いたが、他の形の関数で指標相互間の関係を表現してもよい。例えば、原点を通らない直線を用いてもよいし、多項式、正規分布関数、ロジスティック曲線を描く関数等の関数を用いてもよい。適切に相互間の関係を表現できるものであればどのような関数でもよく、関数の種類は限定されない。
また、本実施形態では、残塩に関する指標の管理基準の設定とその指標の計測値を管理する水質管理システム1を示したが、水質管理システム1は、第1の実施形態で対象とした濁度に関する指標と本実施形態で示した残塩に関する指標を同時に扱える形に構成してもよい。この場合は、より実際的で高度な水質管理が可能になる。
第2の実施形態によれば、残塩についても、管理基準を設定し、高度な水質管理が可能となる。そして、指標間の相関が高い場合には、具体的なデータに対する統計処理等を行わなくても、モデルの利用によって精度よく管理基準を設定できる。そして、指標間の相関が低い場合には、当該指標に関するデータを解析して、最も安全側になるように管理基準を設定することができる。
なお、本発明の実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、変形をすることができる。例えば、濁度や残塩の指標だけでなく、例えば、トリクロロエチレン等、そのほかの危害物質に関しての指標も扱えるようにしてもよい。
第1の実施形態における水質管理システムのシステム構成を説明する図である。 管理基準の設定を新たに行う場合の水質管理システムの処理フロー図である。 管理基準設定方法の選択の処理について説明する図である。 ヒストグラムから管理基準を求める方法の概略を示す図である。 ヒストグラムから管理基準を求める処理を説明する図である。 管理基準を設定し、水質管理を行っている際の水質管理システムの処理フローを説明する図である。 第2の実施形態における水質管理システムのシステム構成を説明する図である。 浄水場における残塩の指標を対象として管理基準を設定する例を示す図であり、(a)は、低水温期(摂氏10度以下)の例、(b)は、中水温期(摂氏10度から摂氏20度)の例、(c)は、高水温期(摂氏20度より高温)の例である。
符号の説明
1 水質管理システム
2 濁度管理基準演算手段
3 診断手段
4 残塩管理基準演算手段
11 濁度計
13 流量計
14a,14b 残留塩素計
15 水温計
20 凝集剤注入装置
21 水質・プロセスDB(水質・プロセスデータベース)
22 管理基準DB(管理基準データベース)
23 診断結果DB(診断結果データベース)
31 凝集剤注入量計測装置
32 入力装置
33 出力装置
101 着水井
102 混和池
103 フロック形成池
104 沈殿池
105 急速ろ過池
106 塩素混和池
107 浄水池
108 給配水施設
109 需要家

Claims (7)

  1. 水道の水質を管理する水質管理システムであって、
    前記水質管理システムが、
    過去の水質分析結果およびプロセスデータを格納する水質・プロセスデータベースと、
    水質の許容範囲として設定される管理基準を格納する管理基準データベースと、
    各データと管理基準との比較および類似の傾向を示した過去のデータの平均を含む統計量との比較によって診断を行う診断手段と、
    前記管理基準を設定する演算手段とを備え、
    前記演算手段が、
    水道の水質管理指標をグループに分割し、
    統計処理を行ってグループ間での相違を検定し、
    相違があるグループごとに前記管理基準を設定して前記管理基準データベースに記録し、
    前記診断手段が、
    前記管理基準データベースに記録されている管理基準を参照して、水質を診断すること
    を特徴とする水質管理システム。
  2. 請求項1に記載の水質管理システムであって、
    前記水質管理システムが、水道の水質を監視する監視手段と、水道の水質を制御する手段とをさらに備え、
    前記監視手段が、水道水の水質指標を計測し、
    前記演算手段が、計測した値を用いて管理基準を再設定すること
    を特徴とする水質管理システム。
  3. 請求項1または請求項2に記載の水質管理システムであって、
    前記水質管理システムが、計測値が類似した過去の日時を検索する検索手段と、検索された日時における管理基準の指標の統計量を算出する手段をさらに備え、
    前記診断手段が、前記管理基準を逸脱したと診断した場合に、
    前記検索手段が、前記水質指標の計測値と類似した過去の日時を検索し、
    検索された日時における前記水質指標の統計量を算出し、
    前記診断手段が、前記統計量を基準として前記水質指標を再度診断すること
    を特徴とする水質管理システム。
  4. 請求項3に記載の水質管理システムであって、
    前記演算手段が、前記管理基準の設定対象である第1の水質指標を第1の軸とし、第1の水質指標が前記計測した値を用いて求めた第2の水質指標において満たすべき条件を逸脱する割合を第2の軸としてヒストグラムを作成し、
    所定の関数を前記ヒストグラムにフィッティングさせて管理基準設定用関数を決定し、
    前記管理基準設定用関数と前記第2の水質指標において満たすべき条件とを用いて前記管理基準を設定すること
    を特徴とする水質管理システム。
  5. 請求項3に記載の水質管理システムであって、
    前記水質管理システムが、危害物質の生成による指標の値の変化を表す変換関数、危害物質の減衰による指標の値の変化を表す変換関数、および、対象工程の処理における危害物質についての指標の値の変化を表す変換関数の少なくとも1つを備え、
    前記演算手段が、前記変換関数を用いて、前記管理基準の設定対象である第1の水質指標の値から第2の水質指標の値を算出し、
    前記変換によって算出された前記第2の水質指標の値と前記第2の水質指標において満たすべき条件を用いて前記管理基準を設定すること
    を特徴とする水質管理システム。
  6. 請求項3に記載の水質管理システムであって、
    前記演算手段が、前記管理基準の設定対象である第1の水質指標を第1の軸とし、計測して求めた第2の水質指標を第2の軸として、前記第1の水質指標から前記第2の水質指標へ対応の分布を示すプロットを作成し、
    前記第2の水質指標において満たすべき条件を前記プロットのすべての点が満たすように所定の関数を前記プロットにフィッティングさせて変換関数を決定し、
    前記変換関数と前記第2の水質指標において満たすべき条件とを用いて前記管理基準を設定すること
    を特徴とする水質管理システム。
  7. 請求項1に記載の水質管理システムであって、
    前記水道の水質管理指標をグループに分割する場合に行う統計処理は、
    予め設定された検定基準を用いて前記グループ間で母分散が同じか否かをF検定によって判定し、
    前記F検定によって母分散が同じと判定された場合に、前記予め設定された検定基準にしたがってt検定を用いて前記グループ間で母平均が同じか否かを判定し、
    前記F検定によって母分散が同じではないと判定された場合に、前記予め設定された検定基準にしたがってウェルチ検定を用いて前記グループ間で母平均が同じか否かを判定し、
    前記母平均が同じである場合に、グループを統合すること
    を特徴とする水質管理システム。
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