JP6645908B2 - 水処理設備の維持管理支援装置及び維持管理支援システム - Google Patents

水処理設備の維持管理支援装置及び維持管理支援システム Download PDF

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Description

本発明は、水処理設備内に設置される各種機器の運転管理及び維持管理を支援する装置に係り、特に、シミュレータを用いてユーザーへ支援情報を提供する水処理設備の維持管理支援装置及び維持管理支援システムに関する。
例えば水道事業では、河川水や地下水等を原水とし、浄水処理や消毒処理を行った後に、最終的には配管を経由して上水を需要家に供給している。水道事業におけるユーザーの業務には、水処理施設の運転、施設・設備機器の保守、給配水の調整などが含まれる。
水処理施設の多くは河川水等の表流水を水源としており、原水水質は季節や天候により変化する。そのため、浄水処理のユーザーは原水水質に応じた運転調整が必要である。平常時は監視制御装置により予め決められたロジックで自動運転が実施できるが、豪雨や渇水等の非定常的な事象に対しては、ユーザーのノウハウに基づいた運転管理がなされることもある。このような対応方法は、社会インフラとして、水道水の供給停止をできる限り避けるために有効な対応と考えられてきた。
一方、ノウハウを有するユーザー、いわゆる熟練職員数は退職により今後減少することが予想されている。また、水処理施設は高度成長期に建設されたものが多く、更新時期を迎えるものの、財政状況によっては継続して使用されることも考えられる。この様な状況下では、装置の不具合の増加やノウハウの減少等により、結果的に、水道サービスの質が低下するリスクが高まってしまうことが予想される。
更に、上水道事業や下水道事業は今後、維持管理の広域化が進むと予想される。その場合、より効率良く複数の施設を維持管理するには、統一した維持管理方法や各施設の管理基準を適切に設定する必要が生じる。
そこで、例えば、特許文献1では、P&ID図(配管計装系統図)に基づき系統を構成する各機器のID、機器間を接続する接続点及び配管にIDを付し、また、機器毎に圧力等の状態量を設定し、系統内機器の動作による流体・圧力の伝搬のシミュレーションを実行し、その結果を表示する技術が提案されている。
特開2006−244072号公報
しかしながら特許文献1に記載される構成では、単に、流体の圧力伝搬をシミュレーションするものであり、薬剤添加或いは生物処理等による処理工程については何ら考慮されておらず、これら処理工程を含む水処理設備の維持管理支援装置又は維持管理支援システムに適用するには、十分ではない。
そこで、本発明は、薬剤添加或いは生物処理等を含む水処理設備内の各種機器の運転管理又は維持管理の支援を好適に行い得る水処理設備の維持管理支援装置又は維持管理支援システムを提供する。
上記課題を解決するため、本発明の水処理設備の維持管理支援装置は、水処理設備の維持管理業務を支援する維持管理支援装置であって、予め格納される又は入力される配管計装系統図を読み込み管理する配管計装系統管理部と、薬剤添加及び/又は生物処理を含む水処理設備の単位操作をモデル化した水処理単位工程モジュールと、少なくとも配管を含む構造体内を通流する流体の流量又は圧力をモデル化したモジュールと、前記配管を含む構造体の接続関係を選定しシミュレータを生成するシミュレータ構築部を備え、前記シミュレータにより前記水処理設備の少なくとも水質を含む管理基準を求める水処理設備の維持管理支援装置であって、前記水処理設備を構成する設備機器又はプラントの運転操作或は保守点検業務に係る標準業務を格納する標準業務データベースと、標準業務における薬剤添加量又は水質基準値を管理基準として格納する管理基準データベースと、前記水処理設備の複数の水処理工程のうち下流側の水処理工程における管理基準を満たす、前記下流側の水処理工程よりも上流側の水処理工程における管理基準の最大値を前記シミュレータにより求め、求めた管理基準の最大値と対応する水処理工程の実測値に基づき、前記下流側の水処理工程よりも上流側の水処理工程における管理基準を求める管理基準探索部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の水処理設備の維持管理支援システムは、少なくとも、水処理設備に接続され当該水処理設備を監視する監視制御装置と、気象情報を提供する気象情報提供サーバと、前記水処理設備の維持管理業務を支援する維持管理支援装置を有し、ネットワークにより相互に通信可能に接続される維持管理支援装置システムであって、前記維持管理支援装置は、予め格納される又は入力される配管計装系統図を読み込み管理する配管計装系統管理部と、薬剤添加及び/又は生物処理を含む水処理設備の単位操作をモデル化した水処理単位工程モジュールと、少なくとも配管を含む構造体内を通流する流体の流量又は圧力をモデル化したモジュールと、前記配管を含む構造体の接続関係を選定しシミュレータを生成するシミュレータ構築部を備え、前記シミュレータにより前記水処理設備の少なくとも水質を含む管理基準を求める水処理設備の維持管理支援システムにおいて、前記維持管理支援装置は、前記水処理設備を構成する設備機器又はプラントの運転操作或は保守点検業務に係る標準業務を格納する標準業務データベースと、標準業務における薬剤添加量又は水質基準値を管理基準として格納する管理基準データベースと、前記水処理設備の複数の水処理工程のうち下流側の水処理工程における管理基準を満たす、前記下流側の水処理工程よりも上流側の水処理工程における管理基準の最大値を前記シミュレータにより求め、求めた管理基準の最大値と対応する水処理工程の実測値に基づき、前記下流側の水処理工程よりも上流側の水処理工程における管理基準を求める管理基準探索部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、薬剤添加或いは生物処理等を含む水処理設備内の各種機器の運転管理又は維持管理の支援を好適に行い得る水処理設備の維持管理支援装置又は維持管理支援システムを提供することが可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施例に係る実施例1の維持管理支援装置の機能ブロック図である。 図1に示すシミュレータ構築部の処理フロー図である。 図1に示す管理基準探索部の処理フロー図である。 図1に示す表示部の表示画面の一例であって、シミュレータ構築時における流入/流出点設定モードにおける表示画面例である。 図1に示す表示部の表示画面の一例であって、シミュレータ構築時における機器とモジュール設定モードにおける表示画面例である。 図1に示す表示部の表示画面の一例であって、シミュレータ構築時における設定確認モードにおける表示画面例である。 図1に示す表示部の表示画面の一例であって、管理基準探索時における逸脱率設定モードにおける表示画面例である。 図1に示す表示部の表示画面の一例であって、管理基準探索時におけるシミュレーション条件確認モードにおける表示画面例である。 図1に示す表示部の表示画面の一例であって、管理基準探索時における結果の確認・格納モードにおける表示画面例である。 本発明の他の実施例に係る実施例2の維持管理支援装置の機能ブロック図である。 本発明の他の実施例に係る実施例3の維持管理支援システムの全体概略構成図である。
本明細書において、「水処理設備」とは、例えば、河川等の水源より取水される被処理水を飲料水へと処理する上水道設備、生活廃水或いは工業用排水等の被処理水を処理する下水道設備、更には、海水を原水として取水し脱塩処理等を行う海水淡水化設備、また、再生水製造設備等を含むものとする。
また、本明細書において、「被処理水に添加する薬剤」とは、例えば、被処理水を凝集させ、被処理水に含まれる砂或は有機物等の夾雑物質をフロック形成により除去するための凝集剤、又は、被処理水を殺菌するために添加される塩素、或いは、被処理水のpHを調整するために添加されるpH調整剤等が含まれる。
本明細書において、「管理基準」とは、水処理設備を構成する設備機器或いはプラントを健全に運転するために必要とされる、計測器による計測結果の境界値、または、ユーザー(作業員)の五感による調査結果の境界(状態)を含むものとする。運転操作或いは点検業務においては、これらの管理基準が所定の範囲内にあることが望ましい。例えば、管理基準として、水道水の濁度が2.0度以下、ろ過水濁度が0.1度以下、薬品の注入率、回転機器の振動の有無(異常の有無)等である。
また、「標準業務」とは、水処理設備を構成する設備機器或いはプラントを運転する場合に、最低限実施する必要がある運転操作又は保守点検業務を含むものとする。プラントの水処理プロセス(水処理工程)や機器の型式に応じて標準となる業務内容は異なる場合がある。例えば、標準業務として、凝集剤注入により形成されたフロックの状態を観察する業務、或いはジャーテストを実施し、その結果に基づき凝集剤の注入率を調整する業務等である。また、モーターやポンプの振動、異音を毎日確認する業務、被処理水である原水や沈殿処理水の水質(例えば、濁度、pH等)測定業務等も標準業務に含まれる。
以下では、上水道設備を水処理設備の一例として、図面を用いて本発明の実施例について説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る実施例1の維持管理支援装置の機能ブロック図である。図1に示すように、維持管理支援装置1は、入力I/F13、出力I/F14、通信I/F15、パラメータ設定部16、シミュレータ構築部17、管理基準探索部18、シミュレーション実行部19、P&ID管理部21、水処理モジュール管理部22、及び流量・圧力モジュール管理部23を備え、これらは内部バス28介して相互に接続されている。また、維持管理支援装置1は、シミュレータ構築部17により生成されたシミュレータ20を格納する記憶部25、プロセス・水質データDB24、管理基準DB26、及び標準業務DB27を有する。ここで、パラメータ設定部16、シミュレータ構築部17、管理基準探索部18、シミュレーション実行部19、P&ID管理部21、水処理モジュール管理部22、及び流量・圧力モジュール管理部23は、例えば、図示しない各種プログラムを格納するROM、演算過程のデータを一時的に格納するRAM、或いは外部記憶装置等の記憶装置、ROMに格納された各種プログラムを読み出し実行し、実行結果をRAM又は外部記憶装置に格納するCPU等のプロセッサにより実現される。
維持管理支援装置1は、ユーザーによる各種設定入力を可能とする入力部11、及び、詳細後述するユーザーへの支援情報等を表示する表示部12を備える。また、通信I/F15は、水処理設備2である上水道施設における各種プロセスデータ、水質データ及び警報データ(警報出力)等を、監視制御装置3を介して取得する。
P&ID管理部21は、上水道施設に関する配管計装系統図であるP&ID(Piping & Instrumentation Diagram:以下、P&IDと称する)図を管理する機能を有する。P&ID図には、監視制御装置3或いはローカルの制御装置(図示せず)の計装フロー、すなわち、計測地点とその種類、制御対象の機器、各機器の運転に用いる入力信号と出力信号の接続状態が記されている。
水処理モジュール管理部22は、浄水処理或いは消毒処理等の単位操作をモデル化した計算モジュールを備える。ここで、浄水処理としては、沈砂処理、急速攪拌処理、フロック形成処理、沈殿処理、砂ろ過処理、膜ろ過処理、粉末活性炭処理、粒状活性炭処理、オゾン処理、前塩素処理、中塩素処理、消毒処理等がある。各計算モジュールでは、処理対象とする水質項目の濃度、流量、温度、薬剤注入量、モデルに関与する水質項目、計測データ等を入力とし、単位処理工程出口の水質を出力する。ここでモデルは、物理、化学又は生物の作用を表現した物理モデル、或いは統計を活用した統計モデルのいずれでも良い。
流量・圧力モジュール管理部23は、関連する設備機器として、配管や池等の土木構造、ポンプ、バルブ、堰等の計算モジュールを備える。これら各計算モジュールでは、監視制御装置3及び通信I/F15を介して取得される計測データとモデルを用いて、流量又は圧力を出力する。
シミュレータ構築部17は、内部バス28を介して、P&ID管理部21、水処理モジュール管理部22及び流量・圧力モジュール管理部23へアクセスし、これらが有する各計算モジュール(以下では、単にモジュールと称する場合もある)を用いてシミュレータ20を生成する。シミュレータ構築部17は、内部バス28を介して、生成されたシミュレータ20を記憶部25の所定の記憶領域に格納する。なお、シミュレータ構築部17の処理フローについては後述する。
パラメータ設定部16は、シミュレータ構築部17により生成されたシミュレータ20のチューニングを実行する。このとき、既に運転履歴(過去の運転実績)のある水処理設備2に関しては、パラメータ設定部16は内部バス28を介してプロセス・水質データDB24へアクセスし、プロセス・水質データDB24より水処理設備2の過去の運転実績を取得する。そして、パラメータ設定部16は、取得した水処理設備2の過去の運転実績に基づき、上述の各計算モジュールのモデルで用いられる係数をチューニングする。なお、プロセス・水質データDB24への水処理設備2の運転実績の格納は、オンラインであれば、所定の周期にて監視制御装置3より通信I/F15を介して水処理設備2の運転実績が取得され、プロセス・水質データDB24の所定の領域に格納される。一方、オフラインの場合には、ユーザーにより入力部11から水処理設備2の運転実績がバッチにて入力され、入力I/F13及び内部バス28を介してプロセス・水質データDB24の所定の領域に格納される。また、チューニングされたシミュレータ20は、水処理設備2の維持管理に供される。
シミュレーション実行部19は、内部バス28を介して記憶部25にアクセスし、記憶部25に格納されるシミュレータ20を読み出し、シミュレータ20を用いてシミュレーションを実行する。シミュレーションに用いる初期データは、上述のように、所定の周期にて監視制御装置3より通信I/F15を介して水処理設備2の運転実績がオンラインで取得され、プロセス・水質データDB24の所定の領域に格納されていれば、その値を用いて将来の運転操作計画に基づく水質や水量を推定することができる。このプロセス・水質データDB24には、少なくともP&ID図に示されている計測項目の計測結果が格納されている。格納頻度は、毎分が望ましいが、毎秒から数時間の頻度であっても良い。水質データはP&ID図に示されるオンラインの計測以外に、水質試験として分析されることがある。この測定頻度は通常、毎時間から数カ月に一回と様々である。これらユーザーによる水質試験又は分析にて得られた結果をプロセス・水質データDB24に格納する構成としても良い。なお、本実施例では、シミュレーション実行部19が、シミュレータ20を記憶部25より読み出し実行する構成としたがこれに限られるものではない。例えば、シミュレーション実行部19が、内部バス28を介して記憶部25に格納されるシミュレータ20に対し稼働指令(コマンド)を出力し、記憶部25内でシミュレータ20を稼働させる構成としても良い。
一方、オフラインの場合、P&ID図に示されていてシミュレーションに必要な初期値の入力をユーザーが入力部11を介して行なうことで、外的条件の変動による水処理設備2である上水道設備の状態変化や、運転条件の変更に伴う水処理設備2である上水道設備内の影響を予測することが可能である。
管理基準DB26に格納される各計装や流量又は薬品注入量等の運転条件、又は水質のユーザーによる分析項目に関する管理基準値と、シミュレーション実行部19によるシミュレーション結果と比較することで、管理基準に対して水処理設備2である上水道設備の状態が、正常か異常かが判断される。仮に、シミュレーション結果が管理基準値を逸脱していれば、発生確率が高い異常としてユーザーへ警報を出力することができる。なお、ここでユーザーへの警報出力は、表示部12の表示画面上にメッセージとして警告表示、又は図示しないスピーカーからの音声或いはブザー出力、若しくは図示しない警告灯の点灯等により行われる。
管理基準DB26に格納される管理基準値は、水処理設備2である上水道設備を構成する各設備機器の計装の種類及び場所に応じてユーザーが予め設定しておくことができる。しかし、水処理設備2である上水道設備を構成する各設備機器の運転に十分な知見や経験が少ないユーザーにとっては、管理基準値を設定することは困難なため、経験に頼るよりもデータに基づき管理基準値を設定することが望ましい。更に、複数の類似した施設、例えば、水処理設備2である上水道設備を構成する、複数の浄水場を維持管理する際には、浄水場毎のプロセスや設備機器の違いはあるものの、共通する指標で管理することがユーザーの作業効率を向上させる上で有効である。そのため、本実施例では、維持管理支援装置1が標準業務DB27及び管理基準探索部18を有する構成としている。シミュレータ構築部17により生成されたシミュレータ20を、シミュレーション実行部19により稼働させ、標準業務に関連して設定された管理基準値がある場合は、その管理基準値に対して当該浄水場の計装で得られる値を、管理基準探索部18が探索する構成としている。管理基準探索部18の処理フローについては後述する。標準業務に関連する管理基準の項目としては、例えば、着水井での濁度やpH、凝集剤の注入率の上下限値、沈殿処理水濁度、ろ過池出口での濁度や残留塩素濃度、浄水池出口での残留塩素濃度やpH等がある。標準業務は典型的な浄水処理プロセス等で管理すべき項目であり、管理基準はその値であるが、個々の浄水場は計装や薬剤注入の項目や点数が異なる。そこで、管理基準探索部18は、シミュレータ20によりこれらを考慮したシミュレーションを実行し、標準業務の操作等に対応する新たな管理基準を求める。
図2に、シミュレータ構築部17の処理フロー図を示す。この処理フローでは、経路と分岐に従って系列を作成すると共に、水処理単位工程とポンプのモジュールをそれぞれ割り付けていく。まずステップS11では、入力部11を介してユーザーにより設定入力されたP&ID図における流入点及び流出点を、入力I/F13及び内部バス28を介して、シミュレータ構築部17が取得する。ここで流入点とは、P&ID図内で、被処理水である原水が最初に流入する地点を指す。また、流出点とは、水処理設備2である上水道設備において、最も下流側で水道水が到達する地点を指す。流入点は、水源が複数ある場合は複数点となる。また、流出点は、浄水池が複数ある場合或いは送水管が複数個所にて分岐している場合は複数点となる。
次に、ステップS12では、ステップS11にて取得されたP&ID図に示される配管の接続関係から系列を抽出する。ここで系列とは、一連の水処理工程の繋がりを指す。例えば、上水道設備を構成する通常の浄水場であれば、着水井から混和池までは同一の経路(分岐無し)で、その後、フロック形成池・沈殿池の上流側で分岐し、複数のフロック形成池・沈殿池へ送水される。複数のフロック形成池・沈殿池からの上澄み液は、それぞれフロック形成池・沈殿池の下流側に配される複数のろ過池へ送水される。このように、浄水場における水処理工程の繋がりにおいて、分岐数が変化することがある。ステップS12では、シミュレータ構築部17は、流入点から流出点までの繋がりのなかで分岐する系列を、取得されたP&ID図に基づき抽出する。
ステップS13では、シミュレータ構築部17は、一の系列に繋がる計装設備をP&ID図から抽出する。その後、ステップS14にて、ステップS13にて抽出された一の系列における計装設備にポンプやバルブ類を、取得されたP&ID図に基づき抽出し、当該一の系列に割り当てる。
そして、ステップS15では、シミュレータ構築部17は、内部バス28を介して水処理モジュール管理部22へアクセスし、水処理モジュール管理部22から水処理単位工程(モジュール)を選択する。ここで、水処理単位工程(モジュール)の選択は、P&ID図に示される池の名称(例えば、フロック形成池・沈殿池、ろ過池等)を用いて対応する水処理単位工程(モジュール)を抽出することで行われる。また、シミュレータ構築部17は、内部バス28を介して流量・圧力モジュール管理部23にアクセスし、流量・圧力モジュール管理部23から上述のステップS14にて抽出されたポンプ、バルブ類に対応する計算モジュールを選択する。
ステップS16では、シミュレータ構築部17は、選択された水処理単位工程(モジュール)及びポンプ、バルブ類に対応する計算モジュールに、予め設定されたP&ID図に示される計装、制御信号を優先順位に従って割り付ける。なお、水処理モジュール管理部22には、予め計装及び制御信号の入出力を含む水処理単位工程(モジュール)が準備されている。例えば、フロック形成池・沈殿池であれば、入口、池中央部、出口及び集水部における、濁度、流量、次亜塩素酸濃度、pH等の水質項目における計装が割り付けられる。ここで、割り付けにおける優先順位は、濁度を一例とした場合、出口の優先順位が入口の優先順位よりも高く設定される。仮に、P&ID図に示される計測地点が認識できない場合は、前後関係及び優先順位に従って、選択された水処理単位工程(モジュール)及びポンプ、バルブ類に対応する計算モジュールに、計装及び制御信号を割り当てる。
次に、ステップS17では、P&ID図に存在するがモジュールに設定されていない計装、制御信号があった場合、シミュレータ構築部17はモジュール側に追加する。逆に、P&ID図に存在しないがモジュールに予め設定されていた計装、制御信号がある場合、シミュレータ構築部17はモジュール側から削除する(ステップS18)。この時、シミュレーションには最低限必要な入出力が存在するため、対応する計測地点がない場合、シミュレータ構築部17は内部バス28及び出力I/F14を介して表示部12の表示画面上に警告を表示する。
続いて、ステップS19では、抽出された一の系列における計装設備に割り付けられた計測地点における入力信号と出力信号の接続関係の検証を行う。検証は、抽出された一の系列に割り付けられたモジュール毎に、予めダミーの入力データを設定しておき、ダミーの入力データが入力された時に当該モジュールより出力される出力信号が、上述のステップS18までで割り付けられた出力信号(制御信号)に対し所定の範囲の値となっているかを確認する。例えば砂ろ過工程であれば、計測地点である砂ろ過池の入口における濁度0.3度に対し、計測地点である砂ろ過池の出口における濁度が0.01度以下となれば、シミュレーション上は正しい接続関係になっていると判断できる。仮に、接続関係に異常があると判断された場合は、シミュレータ構築部17は内部バス28及び出力I/F14を介して表示部12の表示画面上に警告を表示することで、ユーザーへ警報を出力する(ステップS20)。このように警報を出力することにより、ユーザーによる修正を促す。
ステップS21では、シミュレータ構築部17は分岐の有無を判定する。判定の結果、分岐がある場合には、上記一の系列以外に分岐する他の系列が存在することから、ステップS12へ戻り、シミュレータ構築部17は、未だモジュールが割り付けられていない分岐をP&ID図に示される配管の接続関係から選択し、当該分岐する他の系列を抽出する。そして、抽出された他の系列に対しステップS21までの処理を実行する。ここで、分岐数がn個の場合、ステップS12からステップS21までの処理がn回繰り返し実行される。最終的に全ての分岐(分岐数:n個)に対してモジュールの割り付けが完了、すなわち、n個の系列に対するモジュールの割り付けが完了すると、ステップS22へ進む。
ステップS22では、シミュレータ構築部17は内部バス28及び出力I/F14を介して表示部12の表示画面上に設定確認画面を表示(詳細後述する)し、ユーザーが目視により接続関係をチェック可能な状態とする。以上により、シミュレータ構築部17による処理が終了し、シミュレータ20が生成される。シミュレータ構築部17は、生成したシミュレータ20を、内部バス28を介して記憶部25の所定の記憶領域に格納する。
図3は、管理基準探索部18の処理フロー図である。管理基準探索部18は、水処理工程(水処理プロセス)の最下流側を起点として、標準業務の管理基準(範囲)に対して、上述のシミュレータ構築部17により生成されたシミュレータ20によるシミュレーション結果と、監視制御装置3及び通信I/F15を介して取得される実測値との大小関係を比較し、水処理工程(水処理プロセス)に応じて管理基準DB26に格納される管理基準を更新する。以下では、最下流側の水処理工程をi番目の処理工程、最下流側の水処理工程より1段上流側の水処理工程をi−1番目の処理工程とし、管理基準DB26に格納される管理基準が水質基準値であり、i番目の処理工程における水質基準値A及びi−1番目の処理工程における水質基準値Ai−1が上限値の場合を一例として説明する。
図3に示すように、まずステップS31では、管理基準探索部18は、入力部11を介してユーザーにより入力された許容される逸脱率(R)を、入力I/F13及び内部バス28を介して受け付ける。ここで、逸脱率(R)は、管理基準DB26に格納される水質基準値の上限値を100%としたとき、例えば、120%として設定入力される。すなわち、水質基準値の上限値を2割超えるまでは、許容することを意味する。なお、水質基準値の上限値を超える許容値を規定する逸脱率(R)は、水処理設備2である上水道設備における水質管理の管理基準を緩めに設定でき、過剰な薬剤の添加によるコストの増大を抑制することが可能となる。また、上水道設備全体としてみた場合、不要な制御動作を低減でき、設備機器への負荷を低減することも可能となり、結果として、水処理設備2である上水道設備に設置される設備機器の長寿命化を図ることが可能となる。また、特に、説明しないが、水質基準値の下限値に対しても同様に逸脱率(R)を設定しても良い。
ステップS32では、管理基準探索部18は、内部バス18を介して管理基準DB26へアクセスし、下流側からi番目、すなわち、最下流側の水処理工程における標準業務の管理基準として水質基準値(A)を取得する。ここで、最下流側の水処理工程とは、P&ID図に示される最下流の工程であり、上述の図2におけるステップS11において流出点とした水処理工程に対応する。例えば、浄水場内の浄水池をi番目の水処理工程とした場合、標準業務に関する管理基準である水質基準値としては、濁度或いは残留塩素が設定される。そして、例えば、濁度の上限値として0.1度、残留塩素濃度の上限値として0.4mg/Lが管理基準DB26内に格納されている。
ステップS33では、管理基準探索部18は、内部バス28を介してプロセス・水質データDB24へアクセスし、i―1番目の水処理工程での標準業務における実績値を所定の期間分取得する。そして、管理基準探索部18は、取得した所定の期間分の実績値の中央値(Ni―1)を算出する(ステップS35)。例えば、i―1番目の水処理工程が後塩素工程である場合、塩素剤の注入率が実績値の中央値(Ni―1)に相当する。
一方、ステップS34では、管理基準探索部18は、内部バス18を介してシミュレーション実行部19に対し、シミュレータ構築部17により生成されたシミュレータ20を稼働させるよう稼働指令を出力する。シミュレーション実行部19は、シミュレータ20を稼働させシミュレーションにより、管理基準である水質基準値(A)が満足される下流側i―1番目の工程の操作量や計測値の範囲を算出する。なお、本実施例ではシミュレーション回数は制限しないが、シミュレーションにより操作量や計測値が非現実的な値が得られた場合においても、継続してシミュレーションが実行されることを防止する処置を加えてもよい。管理基準探索部18は、シミュレーションにより得られた、下流側i―1番目の水処理工程における管理基準値である水質基準値(Ai−1)に基づき、管理基準である水質基準値(A)を満足する水質基準値の最大値(Mi−1)を探索する。ここで、探索される水質基準値(A)を満足する水質基準値の最大値(Mi−1)は、下流側i―1番目の水処理工程における管理基準値である水質基準値(Ai−1)に対し、次の不等式の関係を満たす。
(Mi−1)≦R×(Ai−1
ここで、例えば、逸脱率(R)として120%がユーザーにより設定入力されている場合は、上記不等式におけるRの値は、“1.2”となる。
ステップS36では、管理基準探索部18は、ステップS34にて得られた、下流側i―1番目の水処理工程における管理基準値である水質基準値(Ai−1)及び水質基準値(A)を満足する水質基準値の最大値(Mi−1)と、ステップS35にて算出した実績値の中央値(Ni―1)との大小関係を比較し、以下に示すように新規管理基準値である水質基準値(Ai−1)’を設定する。なお、本実施例では、(Ai−1)、(Mi−1)、及び(Ni―1)は、いずれも正の値を取る標準業務である場合を想定する。
(1)仮に、Mi−1>Ni−1>Ai−1であれば、新規水質基準値Ai−1’=Ni−1
(2)仮に、Mi−1>Ai−1>Ni−1であれば、新規水質基準値Ai−1’=Ai−1
(3)仮に、Ai−1>Mi−1>Ni−1であれば、新規水質基準値Ai−1’=Mi−1
(4)仮に、Ni−1>Mi−1であれば、新規水質基準値Ai−1’=Ni−1
とする。ここで新規水質基準値Ai−1’は更新後の管理基準値である。
なお、上記(1)及び(2)では逸脱率R≧1ときであり、上記(3)では逸脱率R<1のときである。また、ステップS36において、実績値の中央値(Ni―1)を導入する理由は、この実績値の中央値(Ni−1)より低い値を、仮に新規水質基準値Ai−1’とした場合、水処理設備2である上水道設備の管理基準が厳しくなることを意味し、上述した、例えば、過剰な薬剤の添加を招きかねない点を考慮したものである。よって、ステップS36では、上記(1)〜(4)のいずれの条件の場合においても、実績値の中央値(Ni−1)以上の値を、新規水質基準値Ai−1’として更新する構成としている。
ステップS37では、管理基準探索部18は、内部バス28及び出力I/F14を介して表示部12の表示画面上に新規水質基準値Ai−1’を表示し、ユーザーが目視により新規水質基準値Ai−1’を確認可能な状態とする。
最終的にユーザーにより新規水質基準値Ai−1’が確認された後に、管理基準探索部18は、内部バス28を介して管理基準DB26の所定の領域に、新規水質基準値Ai−1’を追加格納する。管理基準探索部18は、ステップS31〜ステップS37までの処理を、流出点である最下流側の水処理工程から上流側に向かって繰り返し実行し、流入点である最上流側の水処理工程まで処理を実行し処理を終了する。
以下では、上述のシミュレータ構築部17によるシミュレータ構築時における表示部12の表示画面上に表示する表示形態について説明する。
図4に、シミュレータ構築時における流入/流出点設定モードにおける表示画面例を示す。図4に示すように、表示部12の表示画面30は、モードの種別を表示する第1表示領域31、第2表示領域32、及び、一連の水処理工程の繋がりを指す系列における水処理工程の名称及び当該水処理工程における流入点と流出点を表示する第3表示領域33から構成される。また、表示画面30の下部には、コマンド入力領域として、「保存」ボタン、「キャンセル」ボタン、及び「次へ」ボタンが表示さている。
図4に示すように、第1表示領域31には、現在表示されている画面が「流入/流出点設定」モードである旨が表示され、第2表示領域32には、水処理設備2である上水道設備を構成する浄水場のP&ID図が表示されている。なお、図4では、浄水場に加え配水池が表示されている例を示している。第2表示領域32に表示される浄水場のP&ID図では、上流側より順に、着水井、混和池、No.1フロック形成池・沈殿池、No.1ろ過池、及び配水池が配され、これらが配管により接続されていることを示している。また、混和池とNo.1フロック形成池・沈殿池とを接続する配管より分岐し、No.2フロック形成池・沈殿池、及びNo.2ろ過池が配され、No.2ろ過池からの上澄み水が、No.1ろ過池からの上澄み水と合流し配水池へと送水される接続関係か示されている。混和池、No.1フロック形成池・沈殿池、及びNo.1ろ過池にて第1の系列が構成され、混和池、No.2フロック形成池・沈殿池、及びNo.2ろ過池にて第2の系列が構成されている。第2表示領域32の右側には、第2表示領域32内に表示されるP&ID図の範囲を、ユーザーによる「広域」から「詳細」へ段階的に所望の表示範囲に変更し得る領域が設けられている。図4は、上述の図2のステップS11にて、流入点として「混和池 流入弁」が、流出点として「ろ過池 流入弁」が取得された場合に相当する。また、図4に示す表示画面例は、上述の図2に示すステップS11〜ステップS14までの処理に対応する。この表示状態において、ユーザーによりマウス等の入力部11によりマウスポインタが「次へ」ボタン上に移動され、クリックされると、図5に示す表示状態に表示画面30が遷移する。
図5は、シミュレータ構築時における機器とモジュール設定モードにおける表示画面例である。図5の上図に示すように、第1表示領域31には、現在表示されている画面が「機器とモジュール設定」モードである旨が表示され、第2表示領域32には、「名称」、「モジュール名」、「対象機器」、「入力項目」、「P&ID対応」、「P&ID」、及び「選択」の項目が表形式にて表示されている。また、表示画面30の下部には、コマンド入力領域として、「戻る」ボタン、「編集」ボタン、「保存」ボタン、及び「次へ」ボタンが表示さている。図5に示す第2表示領域32では、「名称」が“1系−凝集沈殿”、すなわち、上述の図4の第2表示領域32に表示されるP&ID図における第1系列のNo.1フロック形成池・沈殿池では、「モジュール名」が“floc”であり、「対象機器」として、“流量計”、“濁度計”、及び“フロッキュレータ”が含まれる旨表示されている。また、“流量計”の「入力項目」は“流量”、“濁度計”の「入力項目」は“濁度”、及び“フロッキュレータ”の「入力項目」は“回転数”である旨表示されている。項目「P&ID対応」欄に示されるように、“流量計”及び“濁度計”はP&ID図に存在するが、“フロッキュレータ”はP&ID図に存在しない旨表示され、項目「P&ID」欄には、“流量計”についてのコードが“F−101”であり、“濁度計”についてのコードが“F−102”であることが表示されている。
また、「名称」が“1系−ろ過”、すなわち、上述の図4の第2表示領域32に表示されるP&ID図における第1系列のNo.1ろ過池では、「モジュール名」が“filter”であり、「対象機器」として、“砂ろ過池”、及び“流量計”が含まれる旨表示されている。また、“砂ろ過池”の「入力項目」は“濁度”、及び“流量計”の「入力項目」は“流量”であり、これらは、項目「P&ID対応」欄に示されるように、P&ID図に存在することが表示されている。項目「P&ID」欄には、“砂ろ過池”についてのコードが“S−101”であり、“流量計”についてのコードが“S−102”であることが表示されている。
この表示状態において、ユーザーによりマウス等の入力部11によりマウスポインタが「編集」ボタン上に移動されクリックされると、「編集」ボタンがアクティブとなると、図5の下図に示すモジュール設定又は編集のためのダイアログボックス34が、例えば、ポップアップウィンドウとして表示部12の画面上に表示される。図5の下図に示すように、ダイアログボックス34は、プルダウンにてモジュールを選択可能な領域、「入力項目設定」欄を有する。「入力項目設定」欄は、「入力項目」、「P&ID選択」、及び「ユーザー設定値」から構成され、ユーザーにより入力され、「設定」ボタンがアクティブにされると、ユーザーにより入力されたモジュール設定又は編集内容が、図5の上図の第2表示領域32内に反映される。この状態で、図5の上図に示す「保存」ボタンがユーザーによりアクティブにされると、ユーザーにより入力されたモジュール設定又は編集内容が確定する。また、「戻る」ボタンがアクティブにされると、図4に示した「流入/流出点設定」モードに戻る。ユーザーによりマウス等の入力部11によりマウスポインタが「次へ」ボタン上に移動され、クリックされると、図6に示す表示状態に表示画面30が遷移する。なお、図5に示す表示画面例は、上述の図2に示すステップS15〜ステップS18までの処理に対応する。
図6は、シミュレータ構築時における設定確認モードにおける表示画面例である。図6に示すように、第1表示領域31には、現在表示されている画面が「設定確認」モードである旨が表示され、第2表示領域32には、図4の第2表示領域32に表示されるP&ID図に対応する。そして、第3表示領域33に表示される、名称が“1系−凝集沈殿”、流入点が“混和池 流入弁”、及び流出点が“ろ過池 流入弁”にそれぞれ対応する第2表示領域32内の、点線で囲まれた“混和池”、“電磁流量計”、及び“No.1フロック形成池・沈殿池”が他と識別可能に表示された状態を示している。このように、他と識別可能に表示する態様としては、異なる色、ハイライト表示、又はブリンク表示等が挙げられる。図6に示す表示状態にて、ユーザーによりマウス等の入力部11によりマウスポインタが「保存」ボタン上に移動され、クリックされると、第1系列の接続関係のチェックが完了する。図6に示す表示画面例は、上述の図2に示すステップS19又はステップS22の処理に対応する。
次に、上述の管理基準探索部18による管理基準探索時における表示部12の表示画面上に表示する表示形態について説明する。
図7に、管理基準探索時における逸脱率設定モードにおける表示画面例を示す。図7に示すように、表示部12の表示画面30は、モードの種別を表示する第1表示領域31、第2表示領域32、一連の水処理工程の繋がりを指す系列における水処理工程の名称及び当該水処理工程における流入点と流出点を表示する第3表示領域33、及び第4表示領域35から構成される。また、表示画面30の下部には、コマンド入力領域として、「キャンセル」ボタン及び「次へ」ボタンが表示さている。
図7に示すように、第1表示領域31には、現在表示されている画面が「逸脱率設定」モードである旨が表示され、第2表示領域32には、水処理設備2である上水道設備を構成する浄水場のP&ID図が表示されている。なお、図7では、浄水場に加え配水池が表示されている例を示している。第2表示領域32に表示される浄水場のP&ID図では、第1系列のみを示している。すなわち、上流側より順に、着水井、混和池、No.1フロック形成池・沈殿池、No.1ろ過池、及び配水池が配され、これらが配管により接続されていることを示している。また、第3表示領域33には、名称が“1系−凝集沈殿”、流入点が“混和池 流入弁”、及び流出点が“ろ過池 流入弁”である旨表示され、これらにそれぞれ対応する第2表示領域32内の、点線で囲まれた“混和池”、“電磁流量計”、及び“No.1フロック形成池・沈殿池”が他と識別可能に表示された状態を示している。また、第4表示領域35には、「管理点」、「管理値(上限)」、「管理値(下限)」、「設定方法」、及び「選択」の項目が表形式にて表示されている。図7に示す例では、「管理点」が“沈殿水 濁度計測・濁度”であり、「管理値(上限)」が“1”、「管理値(下限)」が“−”、「設定方法」が“ユーザー”の場合が選択された状態を示している。ここで、「管理値(上限)」が“1”とは、管理基準DB26に格納される管理基準値である水質基準値、ここでは濁度を100%とすることを意味する。また、第3表示領域33の右側に表示される「許容される逸脱率」の欄には、ユーザーにより120%が逸脱率(R)として設定入力された状態、すなわち、水質基準値(濁度)の上限値を2割超えるまでは、許容するよう設定入力された状態を示している。図7に示す表示画面例は、上述の図3に示すステップS31及びステップS32までの処理に対応する。図7に示す表示状態において、ユーザーによりマウス等の入力部11によりマウスポインタが「次へ」ボタン上に移動され、クリックされると、図8に示す表示状態に表示画面30が遷移する。
図8は、管理基準探索時におけるシミュレーション条件確認モードにおける表示画面例である。図8に示すように、第1表示領域31には、現在表示されている画面が「シミュレーション条件確認」モードである旨が表示され、第2表示領域32には、「名称」、「モジュール名」、「対象機器」、「入力項目」、「P&ID」、及び「データ、設定値」の項目が表形式にて表示されている。また、第4表示領域35には、モデル概要、モデル式、及びトレンドデータのグラフが表示されている。表示画面30の下部には、コマンド入力領域として、「戻る」ボタン、「編集」ボタン、「保存」ボタン、及び「次へ」ボタンが表示さている。図8に示す第2表示領域32では、「名称」が“1系−凝集沈殿”、すなわち、上述の図7の第2表示領域32に表示されるP&ID図における第1系列のNo.1フロック形成池・沈殿池では、「モジュール名」が“floc”であり、「対象機器」として、“流量計”、“濁度計”、及び“フロッキュレータ”が含まれる旨表示されている。また、“流量計”の「入力項目」は“流量”、“濁度計”の「入力項目」は“濁度”、及び“フロッキュレータ”の「入力項目」は“回転数”である旨表示されている。項目「P&ID」欄には、“流量計”についてのコードが“F−101”であり、“濁度計”についてのコードが“F−102”であり、“フロッキュレータ”については、P&ID図に存在しないことから“−”が表示されている。“流量計”の「データ、設定値」は実績値であるデータの計測期間が“2014/4/1−2015/3/31”までの1年間であり、“濁度計” の「データ、設定値」は実績値であるデータの計測期間が“2014/4/1−2015/3/31”までの1年間であることを示している。上述の第4表示領域35のうちトレンドデータのグラフには、No.1フロック形成池・沈殿池に設置される濁度計による1年間分の濁度の計測値(実績値)及びNo.1フロック形成池・沈殿池へ流入する被処理水の流量計測値(実績値)の1年間分の値が、トレンドとして表示される。図8に示す表示画面例は、上述の図3に示すステップS33の処理に対応する。図8に示す表示状態において、ユーザーによりマウス等の入力部11によりマウスポインタが「次へ」ボタン上に移動され、クリックされると、図9に示す表示状態に表示画面30が遷移する。
図9は、管理基準探索時における結果の確認・格納モードにおける表示画面例である。図9に示すように、第1表示領域31には、現在表示されている画面が「結果の確認・格納」モードである旨が表示され、第2表示領域32には、1年間分の実績値(濁度の計測値、流量計測値)及びシミュレーションによる1年間分の計算値(濁度の計算値、流量計算値)が表示される。そして、第3表示領域33には、図7と同様に、名称が“1系−凝集沈殿”、流入点が“混和池 流入弁”、及び流出点が“ろ過池 流入弁”が表示され、その右側に表示される「許容される逸脱率」の欄には、ユーザーにより120%が逸脱率(R)として設定入力された状態、すなわち、水質基準値(濁度)の上限値を2割超えるまでは、許容するよう設定入力された状態を示している。第4表示領域35には、図7に示した状態に、シミュレーションにより得られた「管理値(上限)」が“0.3”及び「管理値(下限)」が“0.01”が表示された状態を示している。図9に示す表示画面例は、上述の図3に示すステップS37の処理に対応する。
以上の通り本実施例によれば、薬剤添加或いは生物処理等を含む水処理設備内の各種機器の運転管理又は維持管理の支援を好適に行い得る水処理設備の維持管理支援装置を提供することが可能となる。
また、本実施例によれば、P&ID図と水処理の単位工程のモジュールを用いてシミュレータを簡易に構築でき、また、そのシミュレータを用いて標準業務の管理基準値を対象とする水処理設備を構成する設備機器に適切な値に更新することができる。
図10は、本発明の他の実施例に係る実施例2の維持管理支援装置の機能ブロック図である。本実施例では、上述の実施例1に示した維持管理支援装置に、更に配管仕様DBを設けた点が、実施例1と異なる。図10において、実施例1と同様の構成要素に同一符号を付し、以下では実施例1と重複する説明を省略する。
図10に示すように、維持管理支援装置1aは、配管仕様DB29を有する。配管仕様DB29は、配管の仕様に関する情報として、配管の長さ、内径、配管が設置(埋設)される位置の3次元位置情報、接続関係、及び接続地点の3次元位置情報を予め格納している。ここで、配管が設置(埋設)される位置又は接続地点の3次元位置情報は、図示しない例えばGIS(Geographic Information System)より取得される、緯度、経度、及び標高からなる3次元座標情報である。
また、水処理モジュール管理部22は、浄水処理或いは消毒処理等の単位操作をモデル化した計算モジュールに加え、配管内での水質の変化を算出するための機能を有する。ここで、配管内での水質の変化の要因として、例えば、残留塩素の分解、消毒副生成物の生成、細菌の増殖や不活化等が挙げられる。P&ID図には配管、特に給配水用の配管部分が必ずしも正確に表示されているわけではない。そこで、シミュレータ構築部17は、内部バス28を介して配管仕様DB29へアクセスし、配管仕様DB29に格納される、配管の長さ、内径、配管が設置(埋設)される位置の3次元位置情報、接続関係、及び接続地点の3次元位置情報等を用いて、高精度のシミュレータ20を生成する。特に、水処理設備2である上水道設備を構成する複数の施設が広域に点在し、これらの施設が配管により接続されている場合、単一の施設内でのシミュレーションのみでは十分とは言えない。本実施例の維持管理支援装置1aでは、シミュレーション実行部19が、上述のように配管仕様DB29に格納される情報をも用いてシミュレータ構築部17が生成したシミュレータ20に基づき、配管を介して到達する水の水質、水量、水圧等をその輸送時間を考慮して、シミュレーションするため、常時、標準業務DB27に格納される標準業務及び、当該標準業務における管理基準DB26に格納される管理基準値を満足するように、監視制御装置3を介して、水処理設備2である上水道設備を構成する複数の施設又は設備機器を運転することができるようになる。
本実施例によれば、実施例1の効果に加え、広域に点在する施設間の関連を、水の輸送時間を考慮し、シミュレーションできるため、水処理設備2全体をより適正化、すなわち、消費エネルギーの観点或は、需要家への上水の供給の観点からもより効率的な維持管理が可能となる。
図11は、本発明の他の実施例に係る実施例3の維持管理支援システムの全体概略構成図である。上述の実施例1に示した維持管理支援装置1を、ネットワークを介して、気象情報提供サーバ及びダム監視制御装置と通信可能とし、更には、ネットワーク及び監視制御装置を介して水処理設備に接続するよう構成した点が実施例1と異なる。図11において、実施例1と同様の構成要素に同一符号を付し、以下では実施例1と重複する説明を省略する。
図11に示すように、維持管理支援装置システム10は、維持管理支援装置1、監視制御装置3、気象情報提供サーバ4、ダム監視制御装置5、及びこれらを相互に通信可能に接続するネットワーク6を備える。水処理設備2である上水道設備は、監視制御装置3及びネットワーク6を介して維持管理支援装置1と通信可能に接続されている。図11では、一つの水処理設備2及びが監視制御装置3を示しているが、これに限られるものではなく、複数の水処理設備2がそれぞれ複数の監視制御装置3を介してネットワーク6に接続される構成としても良く、また、複数の水処理設備2が一つの監視制御装置3を介してネットワーク6に接続される構成としても良い。
図11に示すように、シミュレータ構築部17は、P&ID管理部21より内部バス28を介して自らの維持管理責任範囲である水処理設備2のP&ID図を取得する構成に加え、ネットワーク6に他の複数の水処理設備2が監視制御装置3を介して接続されている場合においては、上記他の複数の水処理設備2である上水道設備を構成する設備機器又は施設のP&ID図を、ネットワーク6及び通信I/F15を介して取得する。ここで、通信I/F15は、図示しないファイアウォール等を介してネットワーク6に接続されている。水処理設備2である上水道設備における浄水処理の場合、河川水やダムからの放流水は水道水の原料(原水)とみなすことができる。これら河川水やダムからの放流水である原水の水質は、降雨等の気象条件、ダムの放流、堰の開閉、護岸工事等によって変化する。本実施例の維持管理支援装置システム10を構成する維持管理支援装置1は、これら降雨等の気象条件、ダムの放流、堰の開閉、護岸工事等の情報を含め、シミュレータ構築部17がシミュレータ20を生成する。
気象情報提供サーバ4が格納する、降雨の強度、降雨地域、降雨予報、過去の累積降雨量は重要な情報である。これらの情報を指標化した、例えば、累積降雨量或は短期間の特定地域の降雨量度は、ネットワーク6を介して気象情報提供サーバ4より、維持管理支援装置システム10を構成する維持管理支援装置1に取得される。ネットワーク6を介して維持管理支援装置1に取得される、例えば、累積降雨量或は短期間の特定地域の降雨量度は、水処理設備2である上水道設備の管理基準の場合分けおいて有効な情報となる。例えば、濁質を沈殿除去するための凝集剤の注入率の範囲を管理基準値として設定し、管理基準DB26の所定の領域に格納する。また、処理量を低下(取水を制限)させ、水処理設備2である上水道設備を構成する浄水場内での処理時間を通常時よりも長くするという管理方法を、標準業務の一つとして標準業務DB27へ格納することにより、水処理設備2を、より適切に維持管理することが可能となる。
また、ダム監視制御装置5からの出力又はダム監視制御装置5が保有するダムのP&ID図を、ネットワーク6を介して維持管理支援装置システム10を構成する維持管理支援装置1が取得し、P&ID管理部21がダムのP&ID図も含め管理する。これにより、シミュレータ構築部17は、ダムのP&ID図に基づきダムの制御情報を含め、シミュレータ20を生成することが可能となる。なお、シミュレータ構築部17が、ダムのP&ID図に基づきダムの制御情報を含め、シミュレータ20を生成することに代えて、パラメータ設定部16が、ダム監視制御装置5からの出力であるダムの制御情報に基づき、実施例1にて説明した各計算モジュールのモデルで用いられる係数をチューニングする構成としても良い。
なお、上述のように、維持管理支援装置システム10を構成する維持管理支援装置1が、ネットワーク6を介して取得する、気象情報提供サーバ4より取得する累積降雨量或は短期間の特定地域の降雨量度、及び、ダム監視制御装置5からの出力又はダム監視制御装置5が保有するダムのP&ID図を用いることで、水処理設備2における原水水質の把握が容易になる。また、逆に原水水質を悪化させない運転を、他の水道事業体(機関)が管理する水処理設備2を構成する施設に対して、通信I/F15及びネットワーク6を介して要求を送信することも可能となる。
更に、被処理水である原水としての河川水の管理のみならず、水処理設備2において使用する薬剤或や吸着剤(凝集剤)の製造工程の情報を取り込み、購入時期や価格の調整により、水処理設備2の維持管理コストの低減を図ることもできる。
また、被処理水である原水としての河川水等の情報を取り込むだけでなく、他の水道事業体(期間)が管理する浄水場等の情報を、ネットワーク6を介して取り込むことにより、送配水系が連結している水事業体の間であれば、それぞれの水事業体(期間)が保有し管理する水処理設備2の運転を調整することも可能となる。例えば、他の水事業体が保有し管理する水処理設部2より、上記連結された送配水系を介して混合される処理水(上水)の水質を考慮し、水質基準値を満足し得る最低限の水処理工程(プロセス)を実行するにとどめ、水処理設備2の運転コストの低減を図ることが可能となる。
なお、本実施例では、維持管理支援装置システム10を構成する維持管理支援装置として、実施例1に示した維持管理支援装置1を用いる場合を一例として説明したがこれに限られず、実施例2に示した維持管理支援装置1aを用いても良い。
本実施例によれば、実施例1の効果に加え、ネットワークを介して相互に通信可能に接続される気象情報提供サーバ及びダム監視制御装置から取得される原水水質の情報や他のP&ID図を有するダム等の施設も考慮したシミュレーションを実行でき、全体最適化による水処理設備の運転コストの低減や、より早い段階での対策立案が可能となり水質を安定化させることができる。
実施例1〜実施例3では、水処理設備の一例として上水道設備を説明したが、上述したようにこれに限られず、生活廃水或いは工業用排水等の被処理水を処理する下水道設備、更には、海水を原水として取水し脱塩処理等を行う海水淡水化設備、また、再生水製造設備等にも同様に適用できる。なお、下水道設備、海水淡水化設備、又は再生水製造設備に上述の実施例3を適用する場合においては、ダム監視制御装置は不要となる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
1,1a・・・維持管理支援装置
2・・・水処理設備
3・・・監視制御装置
4・・・気象情報提供サーバ
5・・・ダム監視制御装置
6・・・ネットワーク
10・・・維持管理支援装置システム
11・・・入力部
12・・・表示部
13・・・入力I/F
14・・・出力I/F
15・・・通信I/F
16・・・パラメータ設定部
17・・・シミュレータ構築部
18・・・管理基準探索部
19・・・シミュレーション実行部
20・・・シミュレータ
21・・・P&ID管理部
22・・・水処理モジュール管理部
23・・・流量・圧力モジュール管理部
24・・・プロセス・水質データDB
25・・・記憶部
26・・・管理基準DB
27・・・標準業務DB
28・・・内部バス
29・・・配管仕様DB
30・・・表示画面
31・・・第1表示領域
32・・・第2表示領域
33・・・第3表示領域
34・・・ダイアログボックス(モジュール設定画面)
35・・・第4表示領域

Claims (6)

  1. 水処理設備の維持管理業務を支援する維持管理支援装置であって、
    予め格納される又は入力される配管計装系統図を読み込み管理する配管計装系統管理部と、
    薬剤添加及び/又は生物処理を含む水処理設備の単位操作をモデル化した水処理単位工程モジュールと、
    少なくとも配管を含む構造体内を通流する流体の流量又は圧力をモデル化したモジュールと、
    前記配管を含む構造体の接続関係を選定しシミュレータを生成するシミュレータ構築部を備え、
    前記シミュレータにより前記水処理設備の少なくとも水質を含む管理基準を求める水処理設備の維持管理支援装置であって、
    前記水処理設備を構成する設備機器又はプラントの運転操作或は保守点検業務に係る標準業務を格納する標準業務データベースと、
    標準業務における薬剤添加量又は水質基準値を管理基準として格納する管理基準データベースと、
    前記水処理設備の複数の水処理工程のうち下流側の水処理工程における管理基準を満たす、前記下流側の水処理工程よりも上流側の水処理工程における管理基準の最大値を前記シミュレータにより求め、求めた管理基準の最大値と対応する水処理工程の実測値に基づき、前記下流側の水処理工程よりも上流側の水処理工程における管理基準を求める管理基準探索部と、を備えることを特徴とする水処理設備の維持管理支援装置。
  2. 請求項に記載の水処理設備の維持管理支援装置において、
    前記水処理単位工程モジュールは、少なくとも、沈砂処理、急速攪拌処理、フロック形成処理、沈殿処理、砂ろ過処理、膜ろ過処理、粉末活性炭処理、粒状活性炭処理、オゾン処理、前塩素処理、中塩素処理、及び消毒処理のうちいずれか一つをモデル化したものであることを特徴とする水処理設備の維持管理支援装置。
  3. 請求項に記載の水処理設備の維持管理支援装置において、
    前記シミュレータ構築部は、前記配管計装系統図における配管を含む構造体の接続関係から一連の水処理工程の繋がりである系列を抽出し、当該抽出された系列に含まれる前記水処理単位工程モジュールを選択し、当該選択された水処理単位工程モジュールに基づきシミュレータを生成することを特徴とする水処理設備の維持管理支援装置。
  4. 請求項に記載の水処理設備の維持管理支援装置において、
    前記配管の仕様に関する情報を格納する配管仕様データベースを備え、
    前記シミュレータ構築部は、前記配管仕様データベースに格納される、前記抽出された系列に含まれる配管に対応する配管の仕様に関する情報に基づきシミュレータを生成することを特徴とする水処理設備の維持管理支援装置。
  5. 少なくとも、水処理設備に接続され当該水処理設備を監視する監視制御装置と、気象情報を提供する気象情報提供サーバと、前記水処理設備の維持管理業務を支援する維持管理支援装置を有し、ネットワークにより相互に通信可能に接続される維持管理支援装置システムであって、
    前記維持管理支援装置は、予め格納される又は入力される配管計装系統図を読み込み管理する配管計装系統管理部と、薬剤添加及び/又は生物処理を含む水処理設備の単位操作をモデル化した水処理単位工程モジュールと、少なくとも配管を含む構造体内を通流する流体の流量又は圧力をモデル化したモジュールと、前記配管を含む構造体の接続関係を選定しシミュレータを生成するシミュレータ構築部を備え、前記シミュレータにより前記水処理設備の少なくとも水質を含む管理基準を求める水処理設備の維持管理支援システムにおいて、
    前記維持管理支援装置は、前記水処理設備を構成する設備機器又はプラントの運転操作或は保守点検業務に係る標準業務を格納する標準業務データベースと、標準業務における薬剤添加量又は水質基準値を管理基準として格納する管理基準データベースと、前記水処理設備の複数の水処理工程のうち下流側の水処理工程における管理基準を満たす、前記下流側の水処理工程よりも上流側の水処理工程における管理基準の最大値を前記シミュレータにより求め、求めた管理基準の最大値と対応する水処理工程の実測値に基づき、前記下流側の水処理工程よりも上流側の水処理工程における管理基準を求める管理基準探索部と、を備えることを特徴とする水処理設備の維持管理支援システム。
  6. 請求項に記載の水処理設備の維持管理支援システムにおいて、
    前記維持管理支援装置は、前記ネットワークを介して前記気象情報提供サーバより取得される少なくとも降雨の強度、降雨地域、降雨予報、及び過去の累積降雨量のうちいずれか一つに基づき前記標準業務における薬剤添加量の範囲を求め、当該求めた薬剤添加量の範囲を管理基準として前記管理基準データベースに格納することを特徴とする水処理設備の維持管理支援システム。
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