JP2021142477A - 監視制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】上水道設備において、非定常時における対応品質を向上させることができる 監視制御システムを提供することである。【解決手段】実施形態の監視制御システムは、原水水質予測部と、浄水水質予測部と、非定常判定部と、情報提供部と、を持つ。原水水質予測部は、上水道施設が設置されている地域等に関する情報に基づいて、前記上水道施設に流入する原水の水質を予測する。浄水水質予測部は、前記上水道施設の機器に関する情報と、前記原水水質予測部における予測結果と、に基づいて前記上水道施設から出力される浄水の水質を予測する。非定常判定部は、前記浄水水質予測部の予測結果に基づいて、定常状態なのか非定常状態なのか、について判定する。情報提供部は、前記非定常判定部の判定結果を出力部又は他の情報処理装置に出力する。【選択図】図3

Description

本発明の実施形態は、監視制御システムに関する。
上下水道事業は公共性が高く、住民生活に直結した重要な社会インフラサービスである。しかし、上下水道事業は、その持続性を確保する上で、様々な課題を抱えている。例えば以下のような課題がある。上下水道事業は、その公共性から、市町村等の地方公共団体にて実施されることが原則である。近年は、公共投資が落ち込んでいることや、水道使用料による収入が人口減少に沿って減少していること等が原因となり、多くの地方公共団体で財政逼迫が顕在化している。その結果、例えば老朽化施設の更新費用確保が困難になるなどの問題が生じている。
上下水道を取り巻く環境も変化してきている。例えば、気候変動の影響で突発的なゲリラ豪雨が頻発化していることなどを原因として、施設へ流入する水量や水質が通常と異なる、いわゆる“非定常時”が多く発生している。そのため、“非定常時”における施設運用が重要となってきている。このような大雨や施設内の機器故障といった“非定常時”の運用に対しては、現状、熟練運転員のノウハウに頼った対応が行われている。しかしながら、上述の財政逼迫の影響も受けて、新たな人材を確保することが困難となっている。そのため、公共性の高い上下水道事業の品質を技術継承によって将来的に維持していくことが困難になってきている。このような背景から、リスクの高い“非定常時”においても、運転員のノウハウに頼ることなく、上下水道事業の持続性を担保するため、運転継続時間を最大化できることが監視・制御システムに要求されると考えられる。
上下水道施設で利用されている従来の監視・制御システムでは、施設内の各設備が故障した際に発生させる異常状態を伝える信号を集約し、設備毎に表示している。そのため、“非定常時”であるか否かの判断やその後の対処などは、運転員に委ねられていた。技術継承を継続することが困難な状況では、運転員の省人化が加速していくものと考えられる。運転員が介入する頻度の少ない自動運転や、複数機場を集約管理することで効率的な連携運転を行うことについて要求が増してくると考えられる。このような省人運転を実現する上で、“非定常時”の判断やその後の対処を支援する監視制御システムへの要求が高まっている。
特開2008−14230号公報 特許第4829083号公報
本発明が解決しようとする課題は、上水道設備において、非定常時における対応品質を向上させることができる監視制御システムを提供することである。
実施形態の監視制御システムは、原水水質予測部と、浄水水質予測部と、非定常判定部と、情報提供部と、を持つ。原水水質予測部は、上水道施設が設置されている地域、又は、前記上水道施設の水源に関連する地域に関する情報に基づいて、前記上水道施設に流入する原水の水質を予測する。浄水水質予測部は、前記上水道施設の機器に関する情報と、前記原水水質予測部における予測結果と、に基づいて前記上水道施設から出力される浄水の水質を予測する。非定常判定部は、前記浄水水質予測部の予測結果に基づいて、前記上水道施設の状態が予め定められた基準で運転できる定常状態なのか、前記上水道施設の状態が予め定められた基準で運転できない非定常状態なのか、について判定する。情報提供部は、前記非定常判定部の判定結果を出力部又は他の情報処理装置に出力する。
実施形態の上水道施設100の概略図である。 上水道施設100が含まれる上水システム1の構成例を示すシステム構成図である。 上水道施設100の監視制御システム30の構成例を示す図である。 原水水質予測部361の処理の具体例を示す図である。 浄水水質予測部362の処理の具体例を示す図である。 監視制御システム30の処理の第一の具体例の概略を示す図である。 監視制御システム30の処理の第二の具体例の概略を示す図である。 監視制御システム30の処理の第三の具体例の概略を示す図である。 給水可能量演算部364の処理の具体例を示す図である。
以下、実施形態の監視制御システムを、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態の上水道施設100の概略図である。まず、上水道施設100の概略について説明する。上水道施設100の目的は、対象とする給水区域が必要とする水需要に応じて、河川やダム等の取水源から取水した原水を浄水処理して配水することにある。原水は、河川やダムの取水源から取水される。沈砂池91にて原水から土砂が取り除かれ、着水井にて原水の水量が調整されて原水の水質の測定が行われる。薬品混和池93にて原水に対し凝集剤等の薬品が投入される。薬品が投入された水には、フロック形成池94にてフロックを形成するために撹拌などの処理が施される。その後、沈殿池95にて大きなフロックが沈殿され水から取り除かれる(沈殿処理)。大きなフロックが取り除かれた水は、急速ろ過池96にてろ過処理や滅菌処理が施され、浄水池97に貯水される。浄水池97に蓄えられている水は、最終的に浄水として給水区域に対して配水される。
水需要は日変動を有しており、夏と冬などの季節に応じても変動する。そのため、一般的に上水道施設は想定される最大の水需要に対して一定の余裕を持った施設能力を持つように設計される。例えば、水道施設設計指針では、施設が浄水処理できる計画浄水量は、計画一日最大給水量(水需要)のほかに浄水場内の作業水量等を見込んで決定する、と規定されている。計画一日最大給水量以上の配水を実施することは、施設能力を越えることになる。そのため、計画一日最大給水量以上の配水を実施する状態は、“非定常“な状態であるといえる。このように、上水道施設において施設能力を超える水需要あるいは原水水質の流入があり、水質の管理値および水需要に対する処理量を担保できない状態を、非定常状態であると定義する。一方、上水道施設の状態が予め定められた基準で運転できる状態を、定常状態であると定義する。
以上のことから、水需要は上水道施設を運用する上で重要な指標といえる。そのため、過去の水需要の傾向や統計情報などに基づいて今後の水需要を予測することも行われている。水需要の予測の最も単純な方法の一つとして、前日に集計した水需要に基づいて当日の水需要を予測する方法や、1年前あるいは数年前の同日の水需要に基づいて当日の水需要を予測する方法もある。通常、これらの方法で予測された水需要が、施設能力を示す計画一日最大給水量を越えることはほとんどない。しかし、現実の問題では、計画一日最大給水量が実際の施設能力を示しているとは限らない。
例えば、上述した図1に示されるような上水道施設100は、一般的にメンテナンス時に備えて、複数の系列に分割されている。上水道施設100によっては、主要機器(プラント機器10)であるポンプやバルブ、電動機、インバータなどの故障によって、1又は複数の系列が休止となっている場合がある。この場合、休止となっている系列に応じて、上水道施設100の施設能力は低下する。例えば、5つの系列を備える上水道施設100において、1つの系列が休止である場合、施設能力は80%程度となってしまう。また、稼働している系列においても、なんらかの要因で使用できない機器が存在する場合には、それらの機器の状態に応じて施設能力は低下する可能性がある。さらに、主要機器の故障だけでなく、一時的に利用できなくなる機器や施設なども浄水場(上水道施設)には多く存在する。例えば、ろ過池や急速ろ過池96などは、処理能力を回復させる目的で逆洗といった工程が必要であり、逆洗が行われている期間はその施設を一時的に利用できなくなる。また、上水道施設100に設けられた調整池の水位が高い場合や低い場合は、次の施設に一時的に送水することができず、実質的に利用できないのと同じような状態に陥ることがある。このように、様々な要因によって、上水道施設100のあるタイミングにおける実際の施設能力が、計画一日最大給水量が示す施設能力よりも低くなる可能性がある。そのような場合には、一時的な稼働率の低下を考慮しない判断基準に基づいて非定常であるか否かが判定されてしまうと、問題が生じてしまうおそれがある。従来は、このような複雑な判断を運転員が経験に基づいて行うといったことが日常的になされていた。しかしながら、運転員の省人化は加速度的に進んでおり、人主体によるこのような判断を継続することは今後、困難となっていく。そのため、本実施形態は、上水道施設100が非定常時であるか否かの判定性能を向上させ、より現実の状態に即した基準で非定常時であるか否かの判定を可能とするシステムを提供する。
図2は、上水道施設100が含まれる上水システム1の構成例を示すシステム構成図である。上水システム1は、1又は複数の上水道施設100、ネットワーク40、1又は複数の取水源施設50及び情報提供サーバ60を含む。
上水道施設100には、複数のプラント機器10、制御装置20及び監視制御システム30が備えられる。制御装置20は、複数のプラント機器10と通信可能に接続される。制御装置20と複数のプラント機器10とは、有線通信で接続されてもよいし、無線通信で接続されても良い。監視制御システム30は、制御装置20と通信可能に接続される。制御装置20と監視制御システム30とは、有線通信で接続されてもよいし、無線通信で接続されても良い。
プラント機器10は、監視制御システム30の監視対象となる設備に設けられた個々の装置である。本実施形態では、監視制御システム30の監視対象は、上水道施設100に設けられた水処理プラントである。そのため、プラント機器10は、例えばポンプ、ろ過機、貯水槽、調整機構(例えば調整弁)である。プラント機器10は、自装置の状態を表す信号を制御装置20に出力する。このような信号の出力は、プラント機器10そのものが行ってもよいし、プラント機器10に設けられた1以上のセンサが行ってもよい。出力される信号は、例えばセンサと制御装置20とをつなぐ電線の電圧の高低によってデジタル値を表してもよい。出力される信号は、例えばセンサと制御装置20とをつなぐ電線を流れる電流の大きさによってアナログ値を表してもよい。プラント機器10自身によって出力される信号が示す情報の具体例として、プラント機器10が動作しているか否かを示す情報、プラント機器10が動作している継続時間(運転時間)などがある。プラント機器10に設けられるセンサの具体例として、温度センサ、湿度センサ、加速度センサ、加重センサ、赤外線センサ、画像センサがある。
制御装置20は、例えばPLC(Programmable Logic Controller)等の情報処理装置を用いて構成される。制御装置20は、プラント機器10から出力された信号を取得する。制御装置20は、少なくとも1台のプラント機器10から信号を取得する。制御装置20は、複数台のプラント機器10から信号を取得してもよい。制御装置20は、1台のプラント機器10から複数種の信号を取得してもよい。制御装置20は、取得された信号に基づいて、プラント機器10の状態を表す状態情報を生成する。制御装置20は、例えば取得された信号の電流値を統一的にカウント値(例えば800〜4000)という単位に変換することによって状態情報を生成してもよい。状態情報が具体的にどのような状態の情報を示すかは、監視対象となる設備やプラント機器10の種別に応じて適宜決定される。制御装置20は、生成された状態情報(例えばカウント値)を所定の順番で並べることでプロセス情報を生成する。制御装置20は、生成されたプロセス情報を監視制御システム30へ伝送する。プロセス情報は、状態情報の種別を示す識別情報(以下「プロセスID」という。)と、プラント機器10の識別情報(以下「機器ID」という。)と、をさらに含んでもよい。
監視制御システム30は、1又は複数台の情報処理装置を用いて構成される。監視制御システム30に用いられる情報処理装置は、例えばサーバ装置やメインフレームや可搬性の高い情報処理装置(例えばタブレットやスマートフォン等)である。監視制御システム30は、制御装置20を介してプラント機器10の動作を制御するための制御信号を出力する。制御信号の出力は、例えば監視制御システム30を操作する操作者の操作にしたがって行われてもよい。また、予め定められた所定の条件(例えば緊急時の条件)が満たされたことに応じて、操作者の操作の有無に関わらず、条件に対応付けられた制御信号(例えば危険回避のための緊急停止信号など)が出力されてもよい。監視制御システム30は、他の装置からネットワーク40を介して情報を受信する。
また、監視制御システム30は、受信された情報に基づいて、上水道施設100に流入する原水の水質を予測する。監視制御システム30は、予測された水質あるいは水需要量に基づいて、上水道施設100の状態が定常状態であるか非定常状態であるか判定する。監視制御システム30は、判定結果を操作者に対して出力することや、判定結果に応じて予め定められた処理を実行する。詳細については後述する。
ネットワーク40は、インターネット等の広域網であってもよいし、LAN(Local Area Network)等の閉域網であってもよい。ネットワーク40は、複数のネットワークを組み合わせることで構築されたネットワークであってもよい。
取水施設50は、上水道施設100に対して流入する原水を、水源から取得する施設である。取水施設50には、1又は複数のセンサ51と取水源サーバ52とが設置される。センサ51は、原水に関する情報を取得する。センサ51は、例えば原水の水質に関する情報を取得するセンサであってもよいし、原水の水量や流入量に関する情報を取得するセンサであってもよい。取水源サーバ52は、センサ51から原水に関する情報を取得する。取水源サーバ52は、センサ51から得られた情報を、ネットワーク40を介して監視制御システム30に送信する。
情報提供サーバ60は、1又は複数の情報処理装置を用いて構成される。情報提供サーバ60は、ネットワーク40を介して他の装置に対して種々の情報を提供する。情報提供サーバ60は、上水道施設100や取水施設50が設置されている地域、又は、取水施設50が設置されている水源に関連する地域(例えば河川であれば上流流域)の情報を提供する。例えば、情報提供サーバ60は、上水道施設100や取水施設50が設置されている地域の気象情報を提供する装置として構成されてもよい。例えば、情報提供サーバ60は、取水施設50が設置されている水源において生じた事象(例えば事故など)に関する情報を提供する装置として構成されてもよい。例えば、情報提供サーバ60は、取水施設50が設置された河川等の水源に水を排水する水田に関する情報を提供する装置として構成されてもよい。例えば、情報提供サーバ60は、上水道施設100が対象としている給水区域における交通情報を提供する装置として構成されてもよい。情報提供サーバ60は、その他どのような情報を提供する装置として構成されてもよい。情報提供サーバ60によって提供される情報と監視制御システム30における処理との組合せの具体例について後述する。なお、情報提供サーバ60は、提供する情報に応じて1又は複数の装置として構成されてもよい。例えば、上水システム1において、気象情報と交通情報とが用いられる場合には、情報提供サーバ60は、気象情報を提供する装置と、交通情報を提供する装置と、のように提供される情報毎に異なる装置として構成されてもよい。
図3は、上水道施設100の監視制御システム30の構成例を示す図である。監視制御システム30は、第一通信部31、第二通信部32、入力部33、出力部34、記憶部35及び制御部36を備える装置として構成される。
第一通信部31は、通信を行うネットワークインターフェースである。第一通信部31は、制御装置20と通信する。第一通信部31は、制御装置20と無線通信を行ってもよいし、有線通信を行ってもよい。
第二通信部32は、通信を行うネットワークインターフェースである。第二通信部32は、ネットワーク40を介して他の装置と通信する。第二通信部32は、無線通信を行うことでネットワーク40に接続されてもよいし、有線通信を行うことでネットワーク40に接続されてもよい。
入力部33は、例えばキーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。入力部33は、操作者の指示を監視制御システム30に入力する際に操作者によって操作される。入力部33は、入力装置を監視制御システム30に接続するためのインタフェースであっても良い。この場合、入力部33は、入力装置において操作者の入力に応じ生成された入力信号を監視制御システム30に入力する。入力部33は、マイク及び音声認識装置を用いて構成されてもよい。この場合、入力部33は操作者によって発話された文言を音声認識し、認識結果の文字列情報を監視制御システム30に入力する。入力部33は、操作者の指示を監視制御システム30に入力可能な構成であればどのように構成されてもよい。
出力部34は、監視制御システム30に接続された不図示の出力装置を介し、監視制御システム30の操作者に対してデータの出力を行う。出力装置は、例えば画像や文字を画面に出力する装置を用いて構成されても良い。例えば、出力装置は、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescent)ディスプレイ等を用いて構成できる。また、出力装置は、画像や文字をシートに印刷(印字)する装置を用いて構成されても良い。例えば、出力装置は、インクジェットプリンタやレーザープリンタ等を用いて構成できる。また、出力装置は、文字を音声に変換して出力する装置を用いて構成されても良い。この場合、出力装置は、音声合成装置及び音声出力装置(スピーカー)を用いて構成できる。出力装置は、LED(Light Emitting Diode)等の発光装置を用いて構成されてもよい。この場合、出力装置は判定結果に対して予め対応付けられた態様で発光装置を発光させてもよいし、判定結果に対して予め対応付けられた位置の発光装置を発光させてもよい。
記憶部35は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部35は、監視制御システム30が動作するために必要となる情報や設定を記憶する。
制御部36は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーとメモリとを用いて構成される。制御部36は、記憶部35に予め記憶されているプログラムを読み出して実行する。制御部36は、プログラムの実行により、設備制御部360、原水水質予測部361、浄水水質予測部362、非定常判定部363、給水可能量演算部364、水需要予測部365、制御モード判定部366及び情報提供部367として機能する。
設備制御部360は、上水道施設100の各装置を制御する。設備制御部360は、例えば入力部33を介して入力された操作に応じて、制御対象となるプラント機器10と制御内容を決定し、決定された情報を制御装置20に指示してもよい。設備制御部360は、制御部36における他の処理(例えば非定常判定部363の処理)の結果に応じて、制御対象となるプラント機器10と制御内容を決定し、決定された情報を制御装置20に指示してもよい。
原水水質予測部361は、取水源サーバ52から得られる情報や、情報提供サーバ60から得られる情報に基づいて、上水道施設100に流入する原水の水質について予測する。
浄水水質予測部362は、各プラント機器10に関する情報と、原水の水質の予測結果と、に基づいて現在の上水道施設100の施設状況で処理される浄水の水質を予測する。
非定常判定部363は、上水道施設100の設備の状態が定常状態であるのか、非定常状態であるのか判定する。非定常判定部363は、上水道施設100の設備の所定時間後(例えば5分後、1時間後、3時間後など)の状態に関して、定常状態であるのか、非定常状態であるのか予測してもよい。
非定常判定部363は、例えば浄水水質予測部362の予測結果に基づいて判定を行ってもよい。非定常判定部363は、例えば浄水水質予測部362の予測結果に加えてさらに他の情報を用いて判定を行ってもよい。例えば、非定常判定部363は、上水管理水質情報をさらに用いて判定を行ってもよい。この場合、非定常判定部363は、浄水水質予測部362の予測結果が上水管理水質情報に定められている基準を悪い方に越えている場合には、非定常状態であると判定する。非定常判定部363は、例えば給水可能量演算部364の演算結果に基づいて判定を行ってもよい。非定常判定部363は、例えば給水可能量演算部364の演算結果に加えてさらに他の情報を用いて判定を行ってもよい。
非定常判定部363は、非定常状態であると判定した場合には、非定常状態において作業員が行うべき作業の内容を示す情報を判定してもよい。例えば、記憶部35は、浄水水質予測部362によって予測される水質の項目と、各項目の値が予め定められている閾値を悪い方に越えてしまった場合に行われるべき対処の内容と、が対応付けられた対処テーブルを記憶してもよい。非定常判定部363は、このような対処テーブルと、浄水水質予測部362の予測結果と、に基づいて、閾値を悪い方に超えてしまった項目に対応付けられている対処の内容を読み出し、読み出された情報を情報提供部367に出力する。このような情報は、情報提供部367によって出力部34や他の情報処理装置に対して出力される。
給水可能量演算部364は、上水道施設100の処理能力を示す計画一日最大給水量と、各プラント機器10に関する情報と、に基づいて現在の上水道施設100の施設状況で処理される浄水の水量を予測する。
水需要予測部365は、上水道施設100が対象としている給水区域における水の需要量を予測する。言い換えれば、水需要予測部365は、上水道施設100に対して要求される浄水の量(以下「水需要」という。)を予測する。水需要予測部365は、例えば情報提供サーバ60によって提供される情報に基づいて水需要を予測する。
制御モード判定部366は、非定常判定部363の判定結果に基づいて、上水道施設100を自動制御モードで制御するか、マニュアル制御モードで制御するか、について判定する。制御モード判定部366は、判定結果を設備制御部360に渡す。設備制御部360は、判定結果に応じた制御モードで上水道施設100を動作させる。自動制御モードと判定された場合には、設備制御部360は、操作者の操作にかかわらず、予め定められたルールに応じて上水道施設100の各プラント機器10を制御する。マニュアル制御モードと判定された場合には、設備制御部360は、操作者の操作に応じて上水道施設100の各プラント機器10を制御する。
自動制御モードには複数の制御モードが定義されていてもよい。例えば、非定常状態であっても上水道施設100の稼働を維持させるためのフェイルセーフモードと、定常状態である場合に予め定められた最適化条件を満たすように上水道施設100を稼働させる最適化モードと、が定義されていてもよい。この場合、制御モード判定部366は、非定常判定部363によって非定常状態であると判定された場合に、自動制御モードのフェイルセーフモードで動作すると判定してもよい。非定常判定部363によってより程度の悪い非定常状態であると判定されてもよい。例えば、原水の濁度が1,000度を超えているような場合である。このような場合には、上水道施設100として浄水の管理水質を満たせない可能性があるため、取水を停止するといった自動制御が行われてもよい。
制御モード判定部366は、他の上水道施設100との連携動作を行う連携モードとして動作すべきか否か判定してもよい。制御モード判定部366が連携モードで動作すると判定すると、設備制御部360は連携モードでの制御を開始する。連携モードでは、設備制御部360は、自システムで取得される各情報(プラント機器10の情報や、取水源サーバ52から取得される情報等)や、非定常判定部の判定結果等の情報を、他の上水道施設100に対して提供する。また、他の上水道施設100において水需要に対して上水の供給量が少ないことが判定された場合には、その上水道施設100や、その上水道施設100が対象としている給水区域に対して上水を提供するように設備制御部360が動作する。
情報提供部367は、制御部36における処理の結果を示す情報を、出力部34に出力することによって操作者に対して上水道施設100の情報を提供する。情報提供部367は、複数の作業員が有している持ち歩き可能な情報処理端末に対しても情報を送信してもよい。この場合、各情報処理端末は、情報提供部367から送信された情報を、画像や音声によって出力し作業員にその情報を伝える。例えば、非定常判定部363が非定常状態になっていることや、非定常状態になる可能性が高いこと、などを示す情報を出力部34に出力する。例えば、情報提供部367は、非定常判定部363によって非定常時に行うべき対処として判定された対処情報を出力部34に出力する。
図4は、原水水質予測部361の処理の具体例を示す図である。図4に示される各入力情報の値は、対応付けられている分類に示される情報の具体例である。図4に示される情報や値の一部又は全部が原水水質予測部361において用いられてもよい。原水水質予測部361において用いられる情報や値は、取水源サーバ52によって取得されネットワーク40を介して監視制御システム30に対して送信される。
原水水質予測部361は、天気情報(気象情報)が雨を示す場合には、原水の水質が悪化すると予測してもよい。降水量と原水の水質の悪化指数とが予め定義されていてもよい。この場合、原水水質予測部361は、天気情報の一部として取得される降水量に基づいて、原水水質の悪化指数を取得し、取得された悪化指数に基づいて原水水質を推定してもよい。この場合、降水量が多いほど水質が悪化することを示す悪化指数が得られてもよい。水質を示す指数として、濁度が用いられてもよい。例えば、ゲリラ豪雨などのように局所的大雨によって降水量が多くなった場合には、実際の原水の濁度が1,000度を越えてしまう場合もある。
上水道施設100の取水源施設50の上流における降水量と、取水源施設50の周辺における降水量と、ではそれぞれ異なる値として原水水質予測部361において使用されてもよい。例えば、上流における降水量が多い場合には、土の中の色度成分、有機物などが水に多く混入することに基づいて水質が予測され、取水源施設50の周辺における降水量が多い場合には、通常の原水と水質が異なり、雨水が取水に多く混入することに基づいて水質が予測されてもよい。
上水道施設100の取水源施設50の上流にダムが設置されている場合には、そのダムにおける降水量が所定の閾値を超えた場合には、水質がより悪化すると原水水質予測部361によって予測されてもよい。この場合は、情報提供サーバ60は、上水道施設100の取水源施設50の上流のダム周辺の降水量等の気象情報を提供する。このように予測される理由は、ダムは一定量までは貯水できるが、ダムから放流が行われてしまい、それまで乾いていた河川に急に多くの水が流入するために、様々な水質悪化の要因となる成分が水と供に流れてくるためである。
原水水質予測部361は、天気情報の風速に基づいて水質を予測してもよい。風速と原水の水質の悪化指数とが予め定義されていてもよい。この場合、原水水質予測部361は、天気情報の一部として取得される風速に基づいて、原水水質の悪化指数を取得し、取得された悪化指数に基づいて原水水質を推定してもよい。この場合、風速が速いほど水質が悪化することを示す悪化指数が得られてもよい。
原水水質予測部361は、取水源の水位情報に基づいて水質を予測してもよい。例えば、原水水質予測部361は、取水源の水位が低いほど低い水質であると予測し、取水源の水位が高いほど高い水質であると予測してもよい。
原水水質予測部361は、取水施設50が設置された河川等の水源に水を排水する水田に関する情報に基づいて水質を予測してもよい。原水水質予測部361は、例えば水田の水位が高い状態から低い状態に変化した場合には、水質が悪化すると予測してもよい。その理由は、水田の水位が高い状態から低い状態に変化した場合には、水田の水が河川等の水源に排水されている可能性があるためである。水田の水には、藻や農薬などが混入している可能性があり、そのような水が水源に流入することにより水質が悪化する可能性があるためである。
原水水質予測部361は、取水施設50付近の気温に基づいて水質を予測してもよい。気温と原水の水質の悪化指数とが予め定義されていてもよい。この場合、原水水質予測部361は、気温に基づいて、原水水質の悪化指数を取得し、取得された悪化指数に基づいて原水水質を推定してもよい。この場合、気温が高いほど水質が悪化することを示す悪化指数が得られてもよい。例えば、気温が高いほど水面と底とで温度の差が出てしまい対流が起こって、底に沈んでいた物質が取水中に混入してしまう可能性が高まるためである。
原水水質予測部361は、取水施設50が設置された河川等の水源の付近における事故の情報に基づいて水質を予測してもよい。事故の種別に応じて水質の悪化について複数の程度で予測が行われてもよい。また、事故の種別に応じて水質の悪化の種別が異なるように予測が行われてもよい。
また、情報提供サーバ60から提供されない情報や、取水源施設50において計測されていない情報は、予め導出しておいた関係性に関する情報(例えば、導電率とアルカリ度は相関関係にあるといった情報)で補完されてもよい。
図5は、浄水水質予測部362の処理の具体例を示す図である。図5に示される各入力情報の値は、対応付けられている分類に示される情報の具体例である。図5に示される情報や値の一部又は全部が浄水水質予測部362において用いられてもよい。浄水水質予測部362において用いられる情報や値は、上水道施設100のプラント機器10等の装置によって取得され制御装置20を介して監視制御システム30に対して送信される。
主要機器の情報とは、プラント機器10のうち、浄水水質に大きく影響を与えるプラント機器10に関する情報である。主要機器が故障である場合には、浄水水質予測部362は、より低い水質であると予測する。浄水水質予測部362は、故障が生じている主要機器の数がより多いほど、より低い水質であると予測する。例えば、浄水水質予測部362は、次亜塩素酸などの薬品注入ポンプに異常があった場合は、浄水の残留塩素濃度の管理基準を下回ってしまう恐れがあるため、浄水水質が低いと判定してもよい。
上水道施設100において複数の処理系列が設けられている場合には、系列毎にその系列の状態を示す情報が得られてもよい。その場合、浄水水質予測部362は、系列毎に水質を予測してもよい。
以下、浄水水質予測部362の処理の具体例について詳細に説明する。
浄水水質予測部362は、各プラント機器10の稼働可能状況を示す情報に基づいて、供給可能な浄水水質を予測してもよい。例えば、各プラント機器10において、故障の発生やメンテナンスなどによってそのプラント機器10が稼働できない状態に陥っている可能性がある。また、各プラント機器10において、故障の発生やメンテナンスなどによって、稼働自体はできるものの、100%の状態で稼働できない状態に陥っている可能性もある。より具体的には、例えば、電気設備の点検では、電源を落とさざるを得ず、その場合は、それに関係するプラント機器10は稼働不可能となってしまう。また、電力会社から停電を予定されるようなこともある。そのため、浄水水質予測部362は、各プラント機器10が全て100%の稼働状態であった場合の浄水水質(仮想浄水水質)を考え、仮想浄水水質と各プラント機器10の稼働可能状況を示す情報と、に基づいて浄水水質を予測する。仮想浄水水質は、例えば浄水施設毎に予め定められていてもよい。各プラント機器10の稼働可能状況を示す情報と、その場合に給水可能な浄水水質とが対応付けられたテーブルが予め記憶部35に記録されていてもよい。この場合、浄水水質予測部362は、入力された各値とテーブルとに基づいて、浄水水質を予測してもよい。
このような各プラント機器10の稼働可能状況を示す情報の具体例として、薬品注入ポンプの稼働可能状態、移送ポンプの稼働可能状態、主要配管バルブの稼働可能状態、流量調整バルブの稼働可能状態、汚泥掻き寄せ機の稼働可能状態がある。薬品注入ポンプのより詳細な具体例として、次亜注入ポンプ、凝集剤注入ポンプ、酸性剤注入ポンプ、アルカリ性剤注入ポンプなどがある。移送ポンプのより詳細な具体例として、取水ポンプ、ろ過ポンプ、送水ポンプ、排水ポンプなどがある。
浄水水質予測部362は、取水源の水質の情報に基づいて、供給可能な浄水水質を予測してもよい。この場合、取水源の水質の情報として、図4の“取水源水質情報”に分類されている各入力情報の一部又は全部が用いられてもよい。例えば、取水源の水質に応じて、最大限に水質が低くなった場合の濁度の値(濁度の限界値)が定まる。取水源の水質が悪いほど、最大限に水質が低くなった場合の濁度の限界値が低くなる。そのため、このような取水源の水質に基づいて、浄水水質を予測することができる。このような観点に基づき、各水質に関する値と、その値である場合に供給される浄水水質とが対応付けられたテーブルが予め記憶部35に記録されていてもよい。この場合、浄水水質予測部362は、入力された各値とテーブルとに基づいて、給水可能な浄水水質を予測してもよい。
浄水水質予測部362は、取水源の情報に基づいて、供給可能な浄水水質を予測してもよい。この場合、取水源の情報として、図4の“取水源情報”に分類されている各入力情報の一部又は全部が用いられてもよい。例えば、取水源の状態に応じて、最大限に水質が低くなった場合の濁度の値(濁度の限界値)が定まる。例えば、天気の気温や湿度に応じて水質が変化し、濁度を低くする限度が決まる。また、降水量が多い場合や台風などで風速が高い場合には、原水の濁度が高くなってしまうため、最大限に低くした濁度の値が高くなってしまう。また、航空写真により、原水の色を判断し、その色に基づいて原水の水質を推定できる。推定された原水の水質に基づいて、最大限に低くした濁度の値が定まる。また、化学工場事故など原水の水質に悪影響を与えるインシデントの情報に基づいて、最大限に低くした濁度の値が定まる。このように、取水源の情報に基づいて取水源の水質を推定し、その推定結果(取水源の水質)が悪いほど、最大限に水質が低くなった場合の濁度の限界値が低くなる。そのため、このような取水源の水質に基づいて、浄水水質を予測することができる。このような観点に基づき、取水源に関する各値と、その値である場合に供給される浄水水質とが対応付けられたテーブルが予め記憶部35に記録されていてもよい。この場合、浄水水質予測部362は、入力された各値とテーブルとに基づいて、給水可能な浄水水質を予測してもよい。
浄水水質予測部362は、地震情報に基づいて、供給可能な浄水水質を予測してもよい。この場合、地震情報として、上水道施設100から所定の距離に位置する震源地に関する地震の情報や、上水道施設100が給水対象としている地域に関する地震の情報が用いられる。より具体的な地震情報として、震度やマグニチュードや震源深さの情報が用いられてもよい。例えば、震度やマグニチュードが大きいほど、上水道施設100と震源との距離が短いほど、浄水水質が低下するような演算が行われる。例えば、地震やマグニチュードや震源深さの情報に基づいて、最大限に水質が低くなった場合の濁度の値(濁度の限界値)が定まる。また、浄水水質を表す関数として、震度やマグニチュードや震源深さの値に関する線形又は非線形の関数が予め定義されていてもよい。このような関数は、例えば記憶部35に記録されていてもよい。この場合、浄水水質予測部362は、地震に関する情報と関数とに基づいて浄水水質を予測する。地震に関する各値と、その値である場合の浄水水質とが対応付けられたテーブルが予め記憶部35に記録されていてもよい。この場合、浄水水質予測部362は、入力された各値とテーブルとに基づいて、浄水水質を予測してもよい。
浄水水質予測部362は、上水道施設100に対して供給可能なエネルギーに関する情報(供給可能エネルギー情報)に基づいて、供給可能な浄水水質を予測してもよい。この場合、供給可能エネルギー情報として、供給可能な電力の量、供給可能なガスの量、供給可能な重油の量、供給可能な蒸気の量、等の情報が用いられてもよい。上水道施設100に対して供給されるエネルギーが、通常時よりも少なくなってしまうことで上水道施設100の機器が最大限に動作できなくなる場合には、最大限に動作できる場合のエネルギー量から現在の供給量の差に基づいて補正係数が計算され、その補正係数を最高の浄水水質に乗じる形で計算される。また、浄水水質を表す関数として、供給可能な電力の量、ガスの量、重油の量、蒸気の量等に関する線形又は非線形の関数が予め定義されていてもよい。このような関数は、例えば記憶部35に記録されていてもよい。この場合、浄水水質予測部362は、供給可能エネルギー情報と関数とに基づいて浄水水質を予測する。供給可能エネルギー情報に関する各値と、その値である場合に浄水水質に影響を与える程度(例えば想定されているエネルギーが全て供給されている場合の最高の浄水水質に対して何パーセントであるかを示す値)とが対応付けられたテーブルが予め記憶部35に記録されていてもよい。この場合、浄水水質予測部362は、入力された各値とテーブルとに基づいて、浄水水質を演算してもよい。
給水可能量演算部364は、上水道施設100において調達可能な薬品に関する情報(薬品調達情報)に基づいて、供給可能な浄水水質を予測してもよい。この場合、薬品調達情報として、調達可能な各薬品の量を示す情報が用いられてもよい。各薬品の具体例として、硫酸、苛性ソーダ、次亜塩素酸、凝集剤がある。上水道施設100において調達可能な薬品が通常時よりも少なくなってしまうことで、上水道施設100の機器が最大限に動作できなくなる場合には、最大限に動作できる場合の各薬品の量から現在の量の差に基づいて補正係数が計算され、その補正係数を最高の浄水水質に乗じる形で計算される。また、浄水水質を表す関数として、調達可能な各薬品の量等に関する線形又は非線形の関数が予め定義されていてもよい。このような関数は、例えば記憶部35に記録されていてもよい。この場合、浄水水質予測部362は、薬品調達情報と関数とに基づいて浄水水質を予測する。薬品調達情報に関する各値と、その値である場合に浄水水質に影響を与える程度(例えば想定されている全ての薬品が供給されている場合の最高の浄水水質に対して何パーセントであるかを示す値)とが対応付けられたテーブルが予め記憶部35に記録されていてもよい。この場合、浄水水質予測部362は、入力された各値とテーブルとに基づいて、浄水水質を演算してもよい。
図6は、監視制御システム30の処理の第一の具体例の概略を示す図である。図6に示す例では、監視制御システム30の制御部36が行う処理のうち、原水水質予測部361、浄水水質予測部362及び非定常判定部363における各処理が実行される。このように制御部36が機能する場合、給水可能量演算部364及び水需要予測部365は必ずしも実装されていなくてもよい。
まず、原水水質予測部361が原水の水質を予測する。浄水水質予測部362は、原水水質予測部361によって予測された原水水質と、図5に示されるような上水道施設100の設備に関する情報と、に基づいて浄水水質を予測する。非定常判定部363は、浄水水質予測部362の予測結果に基づいて、上水道施設100の状態が定常状態であるか、非定常状態であるか、について判定する。このとき、非定常判定部363は、例えば予め定められている上水管理水質情報にさらに基づいて判定してもよい。
図7は、監視制御システム30の処理の第二の具体例の概略を示す図である。図7に示す例では、監視制御システム30の制御部36が行う処理のうち、非定常判定部363、給水可能量演算部364及び水需要予測部365における各処理が実行される。
まず、給水可能量演算部364と、水需要予測部365は、それぞれ給水可能量と水需要とを求める。非定常判定部363は、給水可能量演算部364の演算結果と、水需要予測部365の予測結果と、に基づいて、上水道施設100の状態が定常状態であるか、非定常状態であるか、について判定する。
図8は、監視制御システム30の処理の第三の具体例の概略を示す図である。図8に示す例では、監視制御システム30の制御部36が行う処理のうち、原水水質予測部361、浄水水質予測部362、非定常判定部363、給水可能量演算部364及び水需要予測部365における各処理が実行される。
まず、原水水質予測部361が原水の水質を予測する。浄水水質予測部362は、原水水質予測部361によって予測された原水水質と、図5に示されるような上水道施設100の設備に関する情報と、に基づいて浄水水質を予測する。また、給水可能量演算部364と、水需要予測部365は、それぞれ給水可能量と水需要とを求める。
非定常判定部363は、浄水水質予測部362の予測結果と、給水可能量演算部364の演算結果と、水需要予測部365の予測結果と、に基づいて、上水道施設100の状態が定常状態であるか、非定常状態であるか、について判定する。このとき、非定常判定部363は、例えば予め定められている上水管理水質情報にさらに基づいて判定してもよい。
図9は、給水可能量演算部364の処理の具体例を示す図である。図9に示される各入力情報の値は、対応付けられている分類に示される情報の具体例である。図9に示される情報や値の一部又は全部が給水可能量演算部364において用いられてもよい。給水可能量演算部364において用いられる情報や値は、情報提供サーバ60によって取得されネットワーク40を介して監視制御システム30に対して送信される。
給水可能量演算部364は、各プラント機器10の稼働可能状況を示す情報に基づいて、供給可能な水の量(給水可能量)を演算してもよい。例えば、各プラント機器10において、故障の発生やメンテナンスなどによってそのプラント機器10が稼働できない状態に陥っている可能性がある。また、各プラント機器10において、故障の発生やメンテナンスなどによって、稼働自体はできるものの、100%の状態で稼働できない状態に陥っている可能性もある。より具体的には、例えば、電気設備の点検では、電源を落とさざるを得ず、その場合は、それに関係するプラント機器10は稼働不可能となってしまう。また、電力会社から停電を予定されるようなこともある。そのため、給水可能量演算部364は、各プラント機器10が全て100%の稼働状態であったとしたら給水できる量(仮想給水可能量)を取得し、仮想給水可能量と各プラント機器10の稼働可能状況を示す情報と、に基づいて給水可能量を演算する。仮想給水可能量は、例えば1日計画最大給水量として取得されてもよい。各プラント機器10の稼働可能状況を示す情報と、その場合に給水可能な量の割合(例えば仮想給水可能量に対して何パーセントであるかを示す値)とが対応付けられたテーブルが予め記憶部35に記録されていてもよい。この場合、給水可能量演算部364は、入力された各値とテーブルとに基づいて、給水可能量を演算してもよい。
このような各プラント機器10の稼働可能状況を示す情報の具体例として、薬品注入ポンプの稼働可能状態、移送ポンプの稼働可能状態、主要配管バルブの稼働可能状態、流量調整バルブの稼働可能状態、汚泥掻き寄せ機の稼働可能状態がある。薬品注入ポンプのより詳細な具体例として、次亜注入ポンプ、凝集剤注入ポンプ、酸性剤注入ポンプ、アルカリ性剤注入ポンプなどがある。移送ポンプのより詳細な具体例として、取水ポンプ、ろ過ポンプ、送水ポンプ、排水ポンプなどがある。
給水可能量演算部364は、取水源の水質の情報に基づいて、供給可能な水の量(給水可能量)を演算してもよい。この場合、取水源の水質の情報として、図4の“取水源水質情報”に分類されている各入力情報の一部又は全部が用いられてもよい。取水源の水質が悪いほど、処理に多くの時間を要することがあるため、単位時間当たりの給水可能量は減ってしまう可能性がある。そのため、このような取水源の水質に基づいて、給水可能量を演算することができる。
より具体的には以下の通りである。設備容量を変えることなく、水に対する一つの処理に要する時間(滞留時間)を延ばすことは、処理流量を減らすことになる。その結果、単位時間当たりの給水可能量が減ることになる。例えば、臭気が発生した際には、普段の処理では実施されない活性炭注入という処理を加える必要が生じる。また、油が混入した場合や、濁度が所定の閾値以上に高い場合には、所定の水質の基準を満たした水を作り出すことができないと判断され、取水停止という措置が行われる場合もある。取水停止が実施される場合は、その実施期間に応じて、給水可能量は目減りすることになる。このような観点に基づき、各水質に関する値と、その値である場合に給水可能量に影響を与える程度(例えば水質が最良である場合の給水可能量に対して何パーセントであるかを示す値)とが対応付けられたテーブルが予め記憶部35に記録されていてもよい。この場合、給水可能量演算部364は、入力された各値とテーブルとに基づいて、給水可能量を演算してもよい。
給水可能量演算部364は、地震情報に基づいて、供給可能な水の量(給水可能量)を演算してもよい。この場合、地震情報として、上水道施設100から所定の距離に位置する震源地に関する地震の情報や、上水道施設100が給水対象としている地域に関する地震の情報が用いられる。より具体的な地震情報として、震度やマグニチュードや震源深さの情報が用いられてもよい。例えば、震度やマグニチュードが大きいほど、上水道施設100と震源との距離が短いほど、給水可能量が減少するような演算が行われる。例えば、地震が生じていない時の最大の給水可能量に対して、地震の影響による補正係数を乗じるような演算が行われてもよい。また、給水可能量を表す関数として、震度やマグニチュードや震源深さの値に関する線形又は非線形の関数が予め定義されていてもよい。このような関数は、例えば記憶部35に記録されていてもよい。この場合、給水可能量演算部364は、地震に関する情報と関数とに基づいて給水可能量を演算する。地震に関する各値と、その値である場合に給水可能量に影響を与える程度(例えば地震が生じていない時の最大の給水可能量に対して何パーセントであるかを示す値)とが対応付けられたテーブルが予め記憶部35に記録されていてもよい。この場合、給水可能量演算部364は、入力された各値とテーブルとに基づいて、給水可能量を演算してもよい。
給水可能量演算部364は、上水道施設100に対して供給可能なエネルギーに関する情報(供給可能エネルギー情報)に基づいて、供給可能な水の量(給水可能量)を演算してもよい。この場合、供給可能エネルギー情報として、供給可能な電力の量、供給可能なガスの量、供給可能な重油の量、供給可能な蒸気の量、等の情報が用いられてもよい。上水道施設100に対して供給されるエネルギーが、通常時よりも少なくなってしまうことで上水道施設100の機器が最大限に動作できなくなる場合には、最大限に動作できる場合のエネルギー量から現在の供給量の差に基づいて補正係数が計算され、その補正係数が最大給水可能量に乗じる形で計算される。また、給水可能量を表す関数として、供給可能な電力の量、ガスの量、重油の量、蒸気の量等に関する線形又は非線形の関数が予め定義されていてもよい。このような関数は、例えば記憶部35に記録されていてもよい。この場合、給水可能量演算部364は、供給可能エネルギー情報と関数とに基づいて給水可能量を演算する。供給可能エネルギー情報に関する各値と、その値である場合に給水可能量に影響を与える程度(例えば想定されている100%のエネルギーが供給されている場合の最大の給水可能量に対して何パーセントであるかを示す値)とが対応付けられたテーブルが予め記憶部35に記録されていてもよい。この場合、給水可能量演算部364は、入力された各値とテーブルとに基づいて、給水可能量を演算してもよい。
給水可能量演算部364は、上水道施設100において調達可能な薬品に関する情報(薬品調達情報)に基づいて、供給可能な水の量(給水可能量)を演算してもよい。この場合、薬品調達情報として、調達可能な各薬品の量を示す情報が用いられてもよい。各薬品の具体例として、硫酸、苛性ソーダ、次亜塩素酸、凝集剤がある。上水道施設100において調達可能な薬品が通常時よりも少なくなってしまうことで、上水道施設100の機器が最大限に動作できなくなる場合には、最大限に動作できる場合の各薬品の量から現在の量の差に基づいて補正係数が計算され、その補正係数が最大給水可能量に乗じる形で計算される。また、給水可能量を表す関数として、調達可能な各薬品の量等に関する線形又は非線形の関数が予め定義されていてもよい。このような関数は、例えば記憶部35に記録されていてもよい。この場合、給水可能量演算部364は、薬品調達情報と関数とに基づいて給水可能量を演算する。薬品調達情報に関する各値と、その値である場合に給水可能量に影響を与える程度(例えば想定されている全ての薬品が供給されている場合の最大の給水可能量に対して何パーセントであるかを示す値)とが対応付けられたテーブルが予め記憶部35に記録されていてもよい。この場合、給水可能量演算部364は、入力された各値とテーブルとに基づいて、給水可能量を演算してもよい。
給水可能量演算部364は、気象情報に基づいて、供給可能な水の量(給水可能量)を演算してもよい。この場合、気象情報として、天気種別(晴れ、くもり、雪、雨など)、気温、湿度、降水量、河川水位などの情報が用いられてもよい。
雨が降ると、河川の泥を巻き上げて濁度が上がってしまうことがある。このように、天気種別や降水量は、原水の水質に影響を及ぼす可能性がある。また、降水があると河川水位が変化する。そのため、河川水位は、原水の水質と相関関係がある。そして、上述したように原水の水質と給水可能量とには相関関係がある。すなわち、原水の水質が悪い場合には、給水可能量が低下する可能性がある。そのため、給水可能量を表す関数として、気象情報の各値に関する線形又は非線形の関数が予め定義されていてもよい。このような関数は、例えば記憶部35に記録されていてもよい。この場合、給水可能量演算部364は、気象情報と関数とに基づいて給水可能量を演算する。気象情報に関する各値と、各値の組合せにおける給水可能量とが対応付けられたテーブルが予め記憶部35に記録されていてもよい。この場合、給水可能量演算部364は、入力された各値とテーブルとに基づいて、給水可能量を演算してもよい。
給水可能量演算部364は、交通情報に基づいて、供給可能な水の量(給水可能量)を演算してもよい。この場合、交通情報として、車のワイパー稼動情報などの情報が用いられてもよい。
車のワイパーは、雨が降った際に稼働されることが一般的である。そのため、車のワイパーの稼働情報に基づいて、降雨量が推定されてもよい。特に、車のワイパーが複数段階の速さで稼働できる場合には、稼働の速度が速い程降水量が多く、稼働の速度が遅い程降水量が少ないと推定されてもよい。
上述したように、雨が降ると、河川の泥を巻き上げて濁度が上がってしまうことがある。このように、降水量は、原水の水質に影響を及ぼす可能性がある。また、上述したように原水の水質と給水可能量とには相関関係がある。すなわち、原水の水質が悪い場合には、給水可能量が低下する可能性がある。そのため、給水可能量を表す関数として、車のワイパー稼働情報の値に関する線形又は非線形の関数が予め定義されていてもよい。このような関数は、例えば記憶部35に記録されていてもよい。この場合、給水可能量演算部364は、気象情報(車のワイパー稼働情報)と関数とに基づいて給水可能量を演算する。車のワイパー稼働情報と給水可能量とが対応付けられたテーブルが予め記憶部35に記録されていてもよい。この場合、給水可能量演算部364は、入力されたワイパー稼働情報とテーブルとに基づいて、給水可能量を演算してもよい。
水需要予測部365は、気象情報に基づいて、水需要量を予測してもよい。この場合、気象情報として、天気種別(晴れ、くもり、雪、雨など)、気温、湿度、降水量、河川水位などの情報が用いられてもよい。
例えば晴れの日は各地でイベント等が開催されるなど経済活動が活発化されるため、水需要量が増大する可能性が高い。一方、雪や雨の日は、場合によってはイベントが中止されるなどして経済活動が停滞し、水需要量が減少する可能性が高い。また、気温や湿度が高い場合には、飲料水としての水需要量やプールなどにおける水需要量が増大する可能性が高い。逆に、降雪地域では、降雪量が多い場合には、道路の融雪のために水需要量が増える可能性が高い。これらの地域に応じて得られる相関関係に基づいて、水需要予測部365は、水需要量を予測してもよい。
気象情報の各値に関する線形又は非線形の関数が予め定義されていてもよい。このような関数は、例えば記憶部35に記録されていてもよい。この場合、水需要予測部365は、気象情報と関数とに基づいて水需要量を演算する。気象情報の各値と、各値の組合せにおける水需要量の予測値とが対応付けられたテーブルが予め記憶部35に記録されていてもよい。この場合、水需要予測部365は、入力された各値とテーブルとに基づいて、水需要量を演算してもよい。
水需要予測部365は、交通情報に基づいて、水需要量を演算してもよい。この場合、交通情報として、鉄道運行情報、バス運行情報、旅客機運航情報、有料道路混雑情報、SA/PA混雑情報などの情報が用いられてもよい。
以下、水需要予測部365の処理の具体例について説明する。水需要予測部365は、人の移動を示す交通情報(鉄道運行情報、バス運行情報、旅客機運航情報など)に基づき、人の移動先を推定し、移動先となった場所での人の増加指数を計算することによって水需要量を推定してもよい。水需要予測部365は、移動先となった場所で人数が増加すると推定されれば、その増加数に応じて水需要量が増加すると推定してもよい。
水需要予測部365は、有料道度混雑情報やSA/PA混雑情報に基づいて、有料道路における施設(SAやPAなど)の利用者数を推定し、その利用者数に応じてそれらの施設における水需要量を推定してもよい。水需要予測部365は、例えば利用者数が多いほど水需要量も増加すると推定してもよい。
水需要量を表す関数として、交通情報の値に関する線形又は非線形の関数が予め定義されていてもよい。このような関数は、例えば記憶部35に記録されていてもよい。この場合、水需要予測部365は、交通情報と関数とに基づいて水需要量を演算する。交通情報と水需要量とが対応付けられたテーブルが予め記憶部35に記録されていてもよい。この場合、水需要予測部365は、入力された交通情報とテーブルとに基づいて、水需要量を演算してもよい。
水需要予測部365は、消費者行動情報に基づいて、水需要量を演算してもよい。この場合、消費者行動情報として、ホテル宿泊情報、テレビ番組のリアルタイム視聴率などの情報が用いられてもよい。
以下、水需要予測部365の処理の具体例について説明する。水需要予測部365は、ホテルの宿泊情報(予約情報、空室情報、リアルタイム情報など)に基づいて、そのホテル近隣の地域における人の増加指数を計算し、増加指数に応じて水需要量を推定してもよい。水需要予測部365は、人が増加すると推定されれば、その増加数に応じて水需要量が増加すると推定してもよい。
水需要予測部365は、テレビ番組のリアルタイム視聴率に基づいて、各テレビ局の視聴者の絶対数を推定してもよい。所定のタイミング(例えば各テレビ局においてCMが流れた時点など)で、そのテレビ局の番組の視聴者の所定割合の人が水需要を増加させると推定し、水野需要量を推定してもよい。より具体的には、水需要予測部365は、各テレビ局においてCMが流れた時点など)で、そのテレビ局の番組の視聴者の所定割合の人数がトイレに行くと推定し、そのトイレの利用に応じた水の需要量を推定してもよい。
水需要量を表す関数として、消費者行動情報の値に関する線形又は非線形の関数が予め定義されていてもよい。このような関数は、例えば記憶部35に記録されていてもよい。この場合、水需要予測部365は、消費者行動情報と関数とに基づいて水需要量を演算する。消費者行動情報と水需要量とが対応付けられたテーブルが予め記憶部35に記録されていてもよい。この場合、水需要予測部365は、入力された消費者行動情報とテーブルとに基づいて、水需要量を演算してもよい。
水需要予測部365は、イベント情報に基づいて、水需要量を演算してもよい。この場合、イベント情報として、コンサート開催情報、ライブイベント開催情報、スポーツイベント情報、プール施設の運用情報、祭りの開催情報などの情報が用いられてもよい。
以下、水需要予測部365の処理の具体例について説明する。水需要予測部365は、イベント情報に基づき、そのイベントが開催される地域に対する人の移動を推定し、移動先となった場所での人の増加指数を計算することによって水需要量を推定してもよい。水需要予測部365は、移動先となった場所で人数が増加すると推定されれば、その増加数に応じて水重要量が増加すると推定してもよい。
水需要量を表す関数として、イベント情報の値に関する線形又は非線形の関数が予め定義されていてもよい。このような関数は、例えば記憶部35に記録されていてもよい。この場合、水需要予測部365は、イベント情報と関数とに基づいて水需要量を演算する。イベント情報と水需要量とが対応付けられたテーブルが予め記憶部35に記録されていてもよい。この場合、水需要予測部365は、入力されたイベント情報とテーブルとに基づいて、水需要量を演算してもよい。
水需要予測部365は、通報情報に基づいて、水需要量を演算してもよい。この場合、通報情報として、119番に対する通報に関する情報、水道管のトラブルに関する情報などの情報が用いられてもよい。
以下、水需要予測部365の処理の具体例について説明する。水需要予測部365は、119番の通報情報に基づき、その通報の対象となった地域(消防車が出動した先の地域)において消火活動による水の需要が増大することに応じて水需要量を推定してもよい。
水需要予測部365は、水道管のトラブルに関する情報に基づき、その通報の対象となった地域(水道管のトラブルが生じている地域)において、漏水に伴う水の需要量が急激に増大することに応じて水需要量を推定してもよい。
水需要量を表す関数として、通報情報の値に関する線形又は非線形の関数が予め定義されていてもよい。このような関数は、例えば記憶部35に記録されていてもよい。この場合、水需要予測部365は、通報情報と関数とに基づいて水需要量を演算する。通報情報と水需要量とが対応付けられたテーブルが予め記憶部35に記録されていてもよい。この場合、水需要予測部365は、入力された通報情報とテーブルとに基づいて、水需要量を演算してもよい。
水需要予測部365は、病院情報に基づいて、水需要量を演算してもよい。この場合、病院情報として、病床稼働率、病院稼働率、患者数の統計値などの情報が用いられてもよい。
以下、水需要予測部365の処理の具体例について説明する。水需要予測部365は、病床稼働率、病院稼働率、患者数の統計値などの情報に基づき、それらの情報の対象となっている地域において治療等の病院の活動による水の需要が増大することに応じて水需要量を推定してもよい。
水需要量を表す関数として、病院情報の値に関する線形又は非線形の関数が予め定義されていてもよい。このような関数は、例えば記憶部35に記録されていてもよい。この場合、水需要予測部365は、病院情報と関数とに基づいて水需要量を演算する。病院情報と水需要量とが対応付けられたテーブルが予め記憶部35に記録されていてもよい。この場合、水需要予測部365は、入力された病院情報とテーブルとに基づいて、水需要量を演算してもよい。
水需要予測部365は、集合住宅建設情報に基づいて、水需要量を演算してもよい。この場合、集合住宅建設情報として、集合住宅建設情報や、集合住宅解体情報などの情報が用いられてもよい。
以下、水需要予測部365の処理の具体例について説明する。水需要予測部365は、集合住宅建設情報や集合住宅解体情報などの情報に基づき、それらの情報の対象となっている集合住宅の建設現場の地域において、建設工事や解体工事に伴う水の需要が増大することに応じて水需要量を推定してもよい。水需要予測部365は、集合住宅建設情報などの情報に基づき、それらの情報の対象となっている集合住宅の建設現場の地域において、集合住宅の利用開始に伴う水の需要が増大することに応じて水需要量を推定してもよい。水需要予測部365は、集合住宅解体情報などの情報に基づき、それらの情報の対象となっている集合住宅の解体現場の地域において、集合住宅の利用終了に伴う水の需要が減少することに応じて水需要量を推定してもよい。
水需要量を表す関数として、集合住宅建設情報の値に関する線形又は非線形の関数が予め定義されていてもよい。このような関数は、例えば記憶部35に記録されていてもよい。この場合、水需要予測部365は、集合住宅建設情報と関数とに基づいて水需要量を演算する。集合住宅建設情報と水需要量とが対応付けられたテーブルが予め記憶部35に記録されていてもよい。この場合、水需要予測部365は、入力された集合住宅建設情報とテーブルとに基づいて、水需要量を演算してもよい。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、浄水水質予測部362及び非定常判定部363を持つことにより、非定常時における対応品質を向上させることが可能となる。例えば、浄水水質予測部362によって予測された浄水水質に基づいて非定常であるか否か判定されるため、実際に浄水水質が悪化してしまうよりも前に非定常になる可能性が高いことを判定することができる。そのため、非定常になってしまった際の対応について作業員が時間的な余裕をもって実行することが可能となる。
また、以下のような効果もある。上水道サービスの持続性を担保するためには、運転員のノウハウに頼ることなく、運転継続時間を最大化できることが監視制御システムに要求される。従来の技術では、上水道施設内の異常状態を伝える信号を設備毎に表示していたため、“非定常時”であるかの判断やその後の対処などは、運転員の判断に委ねられていた。これに対し、本実施形態では、非定常判定部363によって“非定常時”が判断される。そのため、非定常時の判断をより正確に行うことが可能となる。
(変形例)
監視制御システム30は、複数の装置を用いて構成されてもよい。例えば、入力部33及び出力部34を備えたユーザー端末(例えばタブレット装置など)と、第一通信部31、第二通信部32、記憶部35及び制御部36を備えた支援装置と、を用いて監視制御システム30が構成されてもよい。制御部36は、複数の装置に分けて構成されてもよい。例えば、設備制御部360及び情報提供部367を備える装置と、原水水質予測部361、浄水水質予測部362、非定常判定部363、給水可能量演算部364、水需要予測部365及び制御モード判定部366を備える装置と、に分けて制御部36が構成されてもよい。
浄水水質予測部362は、上述した濁度に応じた水質に限らず、有機物濃度に応じた水質や、pHに応じた水質や、水の色度に応じた水質や、水の臭気に応じた水質を予測してもよい。また、水質に応じた運用コストを予測してもよい。いずれの値を予測する場合も、上述した説明における各情報を用いることが可能である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…プラント機器、20…制御装置、30…監視制御システム、31…第一通信部、32…第二通信部、33…入力部、34…出力部、35…記憶部、36…制御部、360…設備制御部、361…原水水質予測部、362…浄水水質予測部、363…非定常判定部、364…給水可能量演算部、365…水需要予測部、366…制御モード判定部、367…情報提供部、40…ネットワーク、50…取水施設、51…センサ、52…取水源サーバ、60…情報提供サーバ

Claims (4)

  1. 上水道施設が設置されている地域、又は、前記上水道施設の水源に関連する地域に関する情報に基づいて、前記上水道施設に流入する原水の水質を予測する原水水質予測部と、
    前記上水道施設の機器に関する情報と、前記原水水質予測部における予測結果と、に基づいて前記上水道施設から出力される浄水の水質を予測する浄水水質予測部と、
    前記浄水水質予測部の予測結果に基づいて、前記上水道施設の状態が予め定められた基準で運転できる定常状態なのか、前記上水道施設の状態が予め定められた基準で運転できない非定常状態なのか、について判定する非定常判定部と、
    前記非定常判定部の判定結果を出力部又は他の情報処理装置に出力する情報提供部と、
    を備える監視制御システム。
  2. 前記非定常判定部は、前記上水道施設が非定常状態であると判定した場合には、さらに前記上水道施設においてなされるべき対処の内容に関する情報を判定し、
    前記情報提供部は、前記対処の内容に関する情報をさらに出力する、請求項1に記載の監視制御システム。
  3. 前記非定常判定部における判定結果に基づいて、前記上水道施設が自動で制御される自動制御モードで動作すべきか、前記上水道施設が人によって制御されるマニュアル制御モードで動作すべきか判定する制御モード判定部をさらに備える、請求項1又は2に記載の監視制御システム。
  4. 前記情報提供部は、前記上水道施設に関する情報を、他の上水道施設の監視制御システムに対して提供する、請求項1から3のいずれか一項に記載の監視制御システム。
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