JP2006125001A - 水運用計画装置及び方法,プログラム,記録媒体並びに水運用計画サービス用のサーバ - Google Patents

水運用計画装置及び方法,プログラム,記録媒体並びに水運用計画サービス用のサーバ Download PDF

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Abstract


【課題】 水質の異なる複数の水源から取水する水道施設において、水輸送や水処理などのコストを最小化できる水運用計画の立案を実現可能にする。
【解決手段】 各水源7A,7Bから取水する際の水道施設6における水輸送コストを、原水購入費用を含めて演算する水輸送コスト演算手段と、この水輸送コスト演算手段で演算された水輸送コストに基いて水道施設6における水輸送量の計画値を演算する水輸送量計画値演算手段とを具備した水運用計画装置1によって水道施設の水運用計画を立案する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の水源から取水する水道施設における水運用計画を立案する装置や方法等に関する。
安全な水の安定供給は、水道施設に課せられた重要な役割である。表流水(河川,ダム,湖沼など),地下水,伏流水などの水源から取水した原水は、浄水場で水処理が施されて濁質や有害物質を除去され、配水池や配水管路網を経て末端需要者に供給される。水道施設では、一般に、複数の水源から取水し、複数の浄水場あるいは複数の水処理系統を有するとともに複数の配水池を有しており、配水管路網は広域に分散配置されており、これらの各部がコンピュータシステムにより統合管理されている。水道水の需要量(水需要量)は、社会経済活動により大きく変動する特徴がある。これに対応し、水資源の有効活用と水道施設群の効率的運用を実現するには、水需要量の予測値や、配水池から需要者へ送る水の量(配水量)や、浄水場から配水池に送る水の量(送水量)や、水源から取水する原水の量(取水量)を予め計画し、この計画に沿った運用を行うことが有効である。これらを水運用計画と呼び、計画値は少なくとも将来24時間分を立案させる必要がある。
水道水源には、水利権の関係上取水量が制約されている水源や、水道用水供給事業者からの受水(購入)による水源や、汚濁が進行している水源や、井戸水などの清浄な水源などがある。水運用計画では、このような複数の水源から選択的に効率よく取水して、水質基準確保及び安定供給の確保を前提に、造水コストや輸送コストを最低限に抑える計画手法が求められる。
特に、取水計画では、浄水場の水処理に関するコストを考慮しなければならない。水質変動のある水源から取水する場合には、高濁度時などの水質悪化時に取水すると当然水処理コストは高額となる。一方、井戸水のように常に清浄な水では処理コストを低くできる。このように、条件の異なる複数の水源から取水では、水処理コストを考慮した取水量の調整が不可欠である。
取水量計画の従来技術としては、原水の汚濁物質濃度を計測して取水量を制限する方法(例えば、特許文献1参照)や、複数の井戸からの取水量や配水池からの配水流量をシミュレートする方法(例えば、特許文献2参照)や、運用コストが最小となる取水流量,浄水生産量及び送水流量を求める水運用計画装置(例えば、特許文献3参照)や、消費動力を制約条件に抑える水配制御方法(例えば、特許文献4参照)や、上水道施設全体の運用コストを計算する上水道水運用評価装置(例えば、特許文献5参照)が提案されている。
特開2004−42016号公報(段落番号0008〜11、図1) 特開平11−203268号公報(段落番号0006、図1〜4) 特開平8−128078号公報(段落番号0015〜22、図1〜5) 特開2003−202924号公報(段落番号0024、図3) 特開2002−266380号公報(要約)
特開2004−42016号公報(特許文献1)には、原水の汚濁物質濃度が高い時には取水量を低減させるように取水制御を実施して薬品量を低減することが記載されているが、取水量計画の立案方法についてはなんら記載されていない。
特開平11−203268号公報(特許文献2)に記載の技術は、複数の井戸や配水池を対象に取水量・配水流量をシミュレートするのみで、水処理に関わる電力量や薬品量などのコストはシミュレートされていない。また、清浄な井戸水のみを対象としているため、水質が変動する水源を持つ浄水場の取水計画立案には適用できない。
特開平8−128078号公報(特許文献3)に記載の技術は、浄水生産コストを浄水場毎に流量原単位(円/m)により計算しており、水質変動時の水処理の薬品量や電力量の変化は計算することはできない。このため、原水水質変動を浄水生産コストに反映できないという課題がある。また、複数の水質の異なる水源からの取水量を計画立案において、水源毎の取水量を適正に求めることができないという課題がある。さらに、浄水場内に様式の異なる水処理系統が複数存在する場合についてもコストを算出できないという課題がある。さらに、浄水生産コストは少なくとも電力量と薬品量を計算せねばならないが、特許文献3に記載の技術ではなんら考慮されていない。
特開2003−202924号公報(特許文献4)に記載の技術は、水輸送に関わる消費動力のみをコストとして扱っており、水処理に必要な薬品量や薬品コストは計算できないという課題がある。また、複数の水源からの取水量をどのように決定するかについてはなんら記載されておらず、水質が変動する水源を持つ浄水場の取水計画立案には適用できない。
特開2002−266380号公報(特許文献5)に記載の技術は、施設全体の運用コストを計算しているが、原水購入費は考慮されておらず、原水の購入費が変わる広い範囲等での取水計画に適用できない。
以上のように、水質の異なる複数の水源から取水する水道施設における最適な水運用計画は、上記従来技術では実現できない。
本発明の目的は、水質の異なる複数の水源から取水する水道施設において、水輸送や水処理などのコストを最小化できる水運用計画の立案を実現可能にすることにある。
上記の目的を達成するために、本発明に係る第1の水運用計画装置は、複数の水源から取水する水道施設の水運用計画を立案する水運用計画装置において、各水源から取水する際のこの水道施設における水輸送コストを原水購入費用を含めて演算する水輸送コスト演算手段と、この水輸送コスト演算手段で演算された水輸送コストに基いてこの水道施設における水輸送量の計画値を演算する水輸送量計画値演算手段とを備えたことを特徴とすることを特徴とする。
また、この水道施設は、少なくとも一つ以上の水処理系列から構成され、この水処理系列のプロセスは、少なくとも粉末活性炭注入,凝集,沈殿,ろ過,消毒,輸送のうち何れかのプロセスを含むことを特徴とする。
次に、本発明に係る第1の水運用計画方法は、複数の水源から取水する水道施設の水運用計画を立案する水運用計画方法において、各水源から取水する際のこの水道施設における水輸送コストを原水購入費用を含めて演算する水輸送コスト演算ステップと、この水輸送コスト演算ステップで演算された水輸送コストに基いてこの水道施設における水輸送量の計画値を演算する水輸送量計画値演算ステップとを有することを特徴とする。
次に、本発明に係る第1の水運用計画立案のためのプログラムは、コンピュータを、複数の水源から取水する水道施設において各水源から取水する際の水輸送コストを原水購入費用を含めて演算する水輸送コスト演算手段と、この水輸送コスト演算手段で演算された水輸送コストに基いてこの水道施設における水輸送量の計画値を演算する水輸送量計画値演算手段として機能させることを特徴とする。
次に、本発明に係る第1のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータを、複数の水源から取水する水道施設において各水源から取水する際の水輸送コストを原水購入費用を含めて演算する水輸送コスト演算手段と、この水輸送コスト演算手段で演算された水輸送コストに基いてこの水道施設における水輸送量の計画値を演算する水輸送量計画値演算手段として機能させる水運用計画立案のためのプログラムを記録したことを特徴とする。
次に、本発明に係る第2の水運用計画装置は、複数の水源から取水する水道施設の水運用計画を立案する水運用計画装置において、各水源の水質と各水源からの取水量とを入力として、水処理に必要な薬品量を演算する薬品量演算手段と、各水源からの取水量を入力として、水処理及び/または水輸送に必要な電力量を演算する電力量演算手段と、この薬品量演算手段で演算された薬品量とこの電力量演算手段で演算された電力量と原水購入費用とに基いて取水コストを演算する取水コスト演算手段とを備えたことを特徴とする。
また、この薬品量演算手段は、薬品量原単位と取水量とを積算する手段を具備し、この薬品原単位は、少なくとも一つ以上の水質項目を変数とする関数であることを特徴とする。
また、この水道施設は、少なくとも一つ以上の水処理系列から構成され、この水処理系列のプロセスは、少なくとも粉末活性炭注入,凝集,沈殿,ろ過,消毒,輸送のうち何れかのプロセスを含むことを特徴とする。
次に、本発明に係る第2の水運用計画方法は、複数の水源から取水する水道施設の水運用計画を立案する水運用計画方法において、各水源の水質と各水源からの取水量とを入力として、水処理に必要な薬品量を演算する薬品量演算ステップと、各水源からの取水量を入力として、水処理及び/または水輸送に必要な電力量を演算する電力量演算ステップと、この薬品量演算ステップで演算された薬品量とこの電力量演算ステップで演算された電力量と原水購入費用とに基いて取水コストを演算する取水コスト演算ステップとを有することを特徴とする。
次に、本発明に係る第2の水運用計画立案のためのプログラムは、コンピュータを、複数の水源から取水する水道施設における各水源からの取水量とを入力として、水処理に必要な薬品量を演算する薬品量演算手段と、各水源からの取水量を入力として、水処理及び/または水輸送に必要な電力量を演算する電力量演算手段と、この薬品量演算手段で演算された薬品量とこの電力量演算手段で演算された電力量と原水購入費用とに基いて取水コストを演算する取水コスト演算手段として機能させることを特徴とする。
次に、本発明に係る第2のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータを、複数の水源から取水する水道施設における各水源からの取水量とを入力として、水処理に必要な薬品量を演算する薬品量演算手段と、各水源からの取水量を入力として、水処理及び/または水輸送に必要な電力量を演算する電力量演算手段と、この薬品量演算手段で演算された薬品量とこの電力量演算手段で演算された電力量と原水購入費用とに基いて取水コストを演算する取水コスト演算手段として機能させる水運用計画立案のためのプログラムを記録したことを特徴とする。
次に、本発明に係る水運用計画サービス用のサーバは、複数の水源から取水する水道施設を所有する業者側のコンピュータにネットワークで接続される水運用計画サービス用のサーバにおいて、この水道施設の施設データとこの水道施設における薬品及び/または電力の原単位のデータと原水購入費用のデータとを格納した格納手段と、このコンピュータからこのネットワークを介して前記水道施設のプロセスデータを受信したことに基き、そのプロセスデータと、この格納手段から読み出したデータとに基いて、各水源から取水する際の水輸送コストを演算する水輸送コスト演算手段と、この水輸送コスト演算手段で演算された水輸送コストに基いてこの水道施設における水輸送量計画値を演算する水輸送量計画値演算手段と、この水輸送量計画値演算手段で演算された水輸送量計画値を、このネットワークを介してこのコンピュータに配信する配信手段とを備えたことを特徴とする。
本発明に係る第1の水運用計画装置,水運用計画方法,プログラム,記録媒体によれば、複数の水源から取水する水道施設(さらには、複数の水源から取水し、複数の水処理系列を有する水道施設)における水輸送量(各水源からの取水量,配水池への送水量,配水池からの配水量等)の計画値を、取水コストが最小となるように求めることができる。また、汚濁が激しい水源の取水を減らし、他の水源の取水を増やすような場合にも、コストを定量的に示すことができるので、意思決定を支援することができる。
また、近年問題となっている渇水、地震などの災害、水源汚染事故、管路の破裂などの対策として浄水場や配水池間の水融通を実施することが大きなテーマになっているが、水融通には膨大な工事費用が必要であるため、最適な工事を実施せねばならない。そこで、計画設計段階において本発明を用いて様々の条件で水運用計画を試行することにより、効果を定量的に検証できる。
本発明に係る第2の水運用計画装置,水運用計画方法,プログラム,記録媒体によれば、複数の水源からの取水量計画値を求める過程で、水処理に必要な薬品量と、水輸送や水処理に必要な電力量とを計算できるので、省コストの観点からだけでなく、省資源・省エネルギーの観点からも、複数の水源からの取水量計画値を適切に決定することができる。
本発明に係る水運用計画サービス用のサーバによれば、水道施設所有事業者にとって、水輸送計画値の提供サービスをいつでもどこでも受けられ、水運用計画の立案の負担を軽減することができる。また、水運用計画の立案に関連する高度な管理を計画サーバに委ねることができるので、職員確保の負担を軽減できる。
さらに、複数の水道施設所有事業者の水運用計画を共通の計画サーバで管理することにより、複数の水道施設所有事業者の間での水運用計画に関するコミュニケーションを図ることができ、特に、広域な水環境に関する意識が高まる。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、本発明を取水量計画値の立案に適用した例である。
図1は、本発明を適用した水運用システムの全体概略構成の一例を示す図である。この水運用システムは、計画サーバ1と、端末2と、監視制御サーバ3と、ネットワーク4と、コントローラ5と、水道施設6とで構成されている。
水道施設6は、水質の異なる二つの水源(河川,ダムなど表流水)7A及び7Bから取水するものであり、水源7A,7Bに一対一に対応した二つの水処理系列(系列Aと系列B)から成る浄水場と、二つの配水池とを有している。
水処理系列Aを例にとって、水道施設6の構成及び機能を説明する。水源7Aから取水設備61Aにより取水された原水60Aは、着水井62A,凝集沈殿池63A,砂ろ過池65A,塩素消毒池67Aを経て送水68になり、配水池74に送られる。
原水センサ8Aは、浄水場への導水路に設置されており、原水60Aの流量及び水質を計測する。取水設備61Aは、例えばポンプなどの、原水を圧送する水輸送装置で構成される。原水中の臭気成分や有機物が高いときには、薬品注入設備70から粉末活性炭を着水井62Aに注入して吸着除去する。凝集沈殿池63Aでは、薬品注入設備71より凝集剤,酸剤,アルカリ剤などの薬品を注入し、原水中の濁質成分を凝集させてフロックと呼ばれる濁質の塊を形成させた後に、このフロックを沈殿池で沈降させて除去する。センサ64Aは、凝集沈殿池63Aの出口の水の流量及び水質を計測する。
砂ろ過池65Aでは、凝集沈殿池63Aで除去できなかった濁質やマンガンなど重金属を除去する。薬品注入設備72から塩素を注入することにより、溶解性のマンガンや鉄が酸化されて不溶性物質に変化し、砂ろ過池65Aのろ過砂層内に捕捉される。ろ過砂は、自動的に洗浄して補足物資により目詰まりを防止している。センサ66Aは、砂ろ過池65Aの出口の水の流量及び水質を計測する。
砂ろ過池65Aの後、塩素消毒池67Aの入口で、薬品注入設備73から殺菌を目的に再び塩素が注入される。塩素注入により、送水68や配水69に殺菌力を持つ残留塩素を溶解させて末端蛇口までの安全を保持する。水道水の水質基準として、残留塩素は0.1mg/L以上と定められている。また、pH調整を目的にしてアルカリ剤が注入される。
このようにして得られる塩素消毒池67Aの出口の水は、浄水と呼ばれる。この浄水は、ポンプ77で加圧されて送水68となり、二つの配水池74に貯水された後に、自然流下またはポンプで加圧されることにより、配水69として水道管路(図示略)を経て需要家に供給される。センサ75は送水68の流量及び水質を計測し、センサ76は配水池74の水質を計測する。また、水道管路上に設けられたセンサ(図示略)が、配水69の流量及び水質を計測する。
なお、水質には、濁度,臭気,色度,pH,紫外線吸光度,有機物濃度,電気伝導度,アンモニア性窒素などセンサで自動計測できる項目と、微量な有機物や化学物質,重金属,微生物など自動計測できない項目とがあり、後者の項目については、人手により採水を行い水質分析装置を用いて計測する。また、原水60Aの流量及び水質については、原水センサ8Aを直接水源7Aに設置して計測する場合や、水源7Aの管理事業者からデータを入手する場合もある。
水処理系列Bは、水処理系列Aと同一の構成であり、水源7Bから取水設備61Bにより取水された原水60Bが、着水井62B,凝集沈殿池63B,砂ろ過池65B,塩素消毒池67Bを経て、水処理系列Aからの浄水と混合されて送水68になり、配水池74に送られる。図では各薬品注入設備70〜73から水処理系列Bへの矢印の図示を省略しているが、水処理系列Aに対するのと同様にして、着水井62Bには薬品注入設備70から粉末活性炭が注入され、凝集沈殿池63Bには薬品注入設備71から薬品が注入され、砂ろ過池65B,塩素消毒池67Bの入口ではそれぞれ薬品注入設備,7273から塩素が注入される。原水センサ8Bは原水60Bの流量及び水質を計測し、センサ64Bは凝集沈殿池63Bの出口の水の流量及び水質を計測し、センサ66Bは砂ろ過池65Bの出口の水の流量及び水質を計測する。
コントローラ5は、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリやCPUや通信インタフェースなどから成っており、データの送受信や制御を高速に実行する装置である(長期間のデータ保存機能やディスプレイ,キーボードなどのヒューマンインタフェースは備えていない)。このコントローラ5は、センサ8A,8B,64A,64B,66A,66B,75,76及び水道管路上のセンサで計測された水質・流量のデータや、薬品注入設備70,71,72及び73で注入される薬品量のデータや、水道施設6内の装置の状態信号・故障信号などのプロセスデータを収集すると共に、水道施設6の各プロセスを制御して原水60A及び60Bから送水68や配水69を生成させる働きをする。
コントローラ5は、ネットワーク(例えばLAN)4を介して計画サーバ1,端末2及び監視制御サーバ3に接続されており、収集したプロセスデータを監視制御サーバ3に送信したり、監視制御サーバ3から水道施設6内の装置の起動・停止を命令する情報や制御設定値の情報を受信する。計画サーバ1,端末2及び監視制御サーバ3は、例えば水道施設6を管理する管理棟内に設置されている。
監視制御サーバ3は、24時間稼動できる工業用パソコンから成っており、以下の機能を有している。
1)コントローラ5から受信したプロセスデータを計画サーバ1に送信したり、計画サーバ1から水運用計画値のデータを受信する機能
2)日・月・年のデータベース機能
3)水道施設6の各センサの計測データや、水道施設6内の装置の故障や起動停止の情報や、計画サーバ1から受信した水運用計画値のデータを、画面表示して運転者に提示する機能
4)マウス,タッチパネル,キーボード,ライトペンなどの入力デバイスにより、画面表示を変更したり、コントローラ5を介して水道施設6内の装置の起動・停止や制御設定値の設定・変更を行う機能
計画サーバ1は、コンピュータ(ワークステーションまたはパーソナルコンピュータ)に、水運用計画立案のためのプログラムをインストールしたものである。このプログラムは、例えばCD−ROM等の記録媒体に格納したものであってもよく、あるいはまたWebサイトからダウンロードするようになっていてもよい。計画サーバ1は、監視制御サーバ3からプロセスデータを受信し、このプロセスデータ等に基いて水道施設6の将来の水運用計画を立案して、端末2及び監視制御サーバ3にその計画値のデータを配信する。
端末2は、コンピュータまたはネットワークに接続可能な携帯端末から成っており、計画サーバ1から水運用計画値などのデータを受信するために使用される。また、端末2は、各浄水場あるいは各水処理系列からの送水量計画値を設定してその設定値情報を計画サーバ1に送信するためにも使用される。この送水量計画値の設定は、例えば、配水区域や浄水場の点検などの状況により、送水量を人為的に指定せざるを得ないような場合に行われる。
次に、図2は、計画サーバ1の詳細な構成を示す図である。計画サーバ1は、CPU10,施設データベース11,プロセスデータベース12,計画値データベース13,原単位データベース16,データ入出力端末(キーボード,マウス及びディスプレイ)14,ネットワークインタフェース15及びメモリ(ROM)17を備えている。
メモリ17には、送水量演算20,配水量演算21,取水量演算22,取水総コスト演算23,薬品量演算24,電力量演算25,水需要量演算28,WEBサーバ機能26及びデータ収集27の各機能を実現するためのプログラム群(水運用計画立案プログラム)が記憶されており、CPU10がこのプログラム群を実行して計画サーバ1に各機能を実現させる。
ネットワークインタフェース15は、ネットワーク4に接続された監視制御サーバ3やコントローラ5や端末2と通信する機能を有している。各データベース11〜13,16には、ネットワーク4から送られてきた情報や、メモリ17に記憶されたプログラム群を実行して生成された情報や、データ入出力端末14から設定された情報が格納される。
プロセスデータベース12には、監視制御サーバ3から送られてきたプロセスデータが格納される。プロセスデータとは、前述のように、水道施設6内の各センサで計測された水質・流量のデータや、注入される活性炭量・薬品量のデータや、水道施設6内の各装置の状態信号・故障信号などである。さらに、水道施設6の管理範囲外である水源7Aや7Bの水位などのデータが、水源7Aや7Bを管理している事業者と通信回線を接続して収集されて、プロセスデータベース12に格納される。また、例えば人手による水質試験データや観測データなどのコントローラ5から送信不可能なデータが、端末2で入力されてネットワーク4から送られたり、あるいはデータ入出力端末14で入力されて、プロセスデータベース12に格納される。
施設データベース11には、水道施設6の土木構造,配管,導水路,薬品注入設備,水処理機械設備,ポンプ設備,計装(計測用のセンサ及び制御用のコントローラ)などの情報が保存される。
原単位データベース16には、薬品注入設備の電力量の原単位(単位薬品量あたりの電力量)や、水処理機械設備,ポンプ設備など造水に関わる装置の電力量の原単位(単位取水量あたりの電力量)や、水処理系列の各プロセスに注入される個々の薬品の原単位(単位取水量あたりの薬品量)や、水利権で定められている水源から取水するときのコスト(原水購入費用)や、水道用水供給事業者から受水するときのコストや、電力事業者との電力契約条件などの情報が格納されている。
薬品原単位は、例えば後出の式(3)や式(4)に示すように、プロセスデータベース12に格納される水質データの項目のうちの少なくとも一つ以上の項目を変数に持つ関数で表されている。
なお、薬品原単位は、プロセスデータベース12に格納された運用実績値の統計解析演算により自動的に算出あるいはチューニングされるが、ジャーテストなど実験的データを用いて決定してもよい。また、凝集沈殿反応,塩素消費反応,重金属酸化反応などに基づいて薬品原単位の演算式を決定してもよい。
また、電力原単位は、プロセスデータベース12に格納された装置毎の電力量と原水流量あるいは薬品注入量の実績値とを用いて、縦軸を電力量原単位(kWh/m)とし、横軸を流量あるいは薬品注入量(m/h)として相関図で表してもよいし、装置の仕様から計算式を作成してもよい。
データ収集27は、ネットワークインタフェース15を介して監視制御サーバ3から送信されてくる水道施設6のプロセスデータを収集してプロセスデータベース12に格納する機能である。
水需要量演算28は、配水区域の当日あるいは翌日あるいは複数日の水需要量を予測する機能であり、例えば一日の総水需要量予測値あるいは時間単位の水需要量予測値を演算する。演算手法は、天候,最高気温,曜日,祝日,休日,過去の水需要量実績値などに基づいて統計処理で計算するという手法であってもよいし、他の公知な手法を用いてもよい。演算に必要なデータは、プロセスデータベース12や計画値データベース13から抽出するほか、端末2やデータ入出力端末14からも入力させる。水需要量演算28で演算して得られた水需要量予測値のデータは、計画値データベース13に格納される。
配水量演算21は、水需要量演算28によって演算された水需要量予測値を満足するための配水量計画値を演算する機能である。この配水量計画値の演算は、まずいずれか一つの配水池(図1の水道施設6では二つの配水池74のうちの一つ)に対して、水需要量予測値と配水池の貯留量との確保を条件として、配水池への流入量(送水量),配水池からの流出量(配水量),配水池の水位,水道管路の流量を演算し、残りの全ての配水池に対しても一つ一つ同様にして送水量,配水量,配水池水位及び管路流量を演算する、というようにして行われる。
この配水量計画値の演算に必要な配水池や管路等の情報は施設データベース11から抽出し、過去の実績はプロセスデータベース12や計画値データベース13から抽出する。このときに、点検や増設改造工事により使用できない配水池,送水管路系統,配水管路系統,浄水場の送水能力などの情報は、予め端末2やデータ入出力端末14から入力して施設データベース11に反映しておくことが望ましい。演算して得られた配水量計画値(配水池毎の送水量,配水量,配水池水位及び管路流量)のデータは、計画値データベース13に格納される。
送水量演算20は、配水量演算21によって演算された配水量計画値を満足するための送水量計画値を演算する機能である。この演算は、施設データベース11から抽出した複数の配水池と複数の浄水場あるいは水処理系列(図1の水道施設6では二つの配水池74と二つの水処理系列A,B)との接続ルートを決定し、浄水場あるいは水処理系統毎に各配水池への送水量を決定するというようにして行われる。演算して得られた配水池毎の送水量計画値のデータは、計画値データベース13に格納される。
取水量演算22は、送水量演算20によって演算された送水量計画値を満足するような水源毎の取水量計画値を演算する機能である。この演算は、薬品量演算24,電力量演算25及び取水コスト演算23を用いることにより、水源から取水して送水を生成する間に必要な電力量,水処理で使用する薬品量,水利権などの取水に関る費用を合計し、総コストを最小化するようにして行われる。演算して得られた水源毎の取水量計画値(図1の水道施設6の場合には、水源7A,7Bと水処理系列A,Bとが一対一に対応しているので、水処理系列毎の原水流量計画値と同じ意味になる)のデータは、計画値データベース13に格納される。
薬品量演算24は、各浄水場あるいは各水処理系列(図1の水道施設6では二つの配水池74と二つの水処理系列A,B)毎に、注入される粉末活性炭,凝集剤,塩素,アルカリ剤などの薬品量を演算する機能である。この演算は、プロセスデータベース12に格納されている原水の水質データと、原単位データベース16に格納されている薬品原単位のデータと、各水源からの取水量のデータとを用いて行われる。
電力量演算25は、各浄水場あるいは各水処理系列(図1の水道施設6では二つの配水池74と二つの水処理系列A,B)毎に、設置されている装置の電力量を演算する機能である。この演算は、取水量計画値、原単位データベース16に格納されている電力量原単位のデータと、各水源からの取水量のデータとを用いて行われる。
取水コスト演算23は、複数の水源(図1の水道施設6では二つの水源7A及び7B)から取水して送水に至るまでの取水コストを演算する機能である。この演算は、薬品量演算24によって演算された薬品量のデータと、電力量演算25によって演算された電力量のデータと、原単位データベース16に格納されているコスト原単位やコストのデータと、各水源からの取水量のデータとを用いて行われる。
WEBサーバ機能26は、施設データベース11,プロセスデータベース12,計画値データベース13及び原単位データベース16に格納されたデータのうち外部に参照を許可したデータを編集し、編集したデータをネットワーク4を介してWEBコンテンツとして提供する機能である。
例えば、利用者が、端末2にインストールされているブラウザで計画サーバ1にアクセスし、ユーザID及びパスワードを入力して水運用計画値のデータを要求すると、WEBサーバ機能23は、要求されたデータを検索・編集して、編集したデータを端末2に提供する。
また、WEBサーバ機能26は、配水量演算21や送水量演算20や取水量演算22によって演算された計画値等のデータを電子メールで端末2に通知するようになっている。これにより、利用者は、計画サーバ1にアクセスしなくてもこれらの計画値等を確認することができる。
このWEBサーバ機能26により、広域なエリアに分散配置されている水道施設の維持管理者全員で最新の水運用計画を共有できるので、運用の効率化とトラブルへの迅速な対応とを実現することができる。
図3は、計画サーバ1による水運用計画立案フローの一例を示したものである。最初に、ステップS40で水需要量演算28(図2)によって水需要予測値を求め、次に、ステップS41で配水量演算21(図2)によって各配水池の配水量計画値を求める。次に、ステップS42で送水量演算20(図2)によって各浄水場あるいは各水処理系列からの送水量計画値を求め、次に、ステップS43で取水量演算22(図2)によって各水源からの取水量計画値を求める。
次のステップ44では、ステップ41で求めた全ての配水池の配水量計画値とステップ40で求めた水需要予測値とが所定の偏差以内であるか、配水池の配水池水位が所定の基準範囲内であるか、浄水場の水処理能力や水輸送能力を逸脱した急激な変動が発生していないかなどの条件を判定する。
条件を満足する場合は、ステップS45に進み、各ステップS41,S42,S43で求めた計画値を有効として計画値データベース13(図2)に格納するととともに、監視制御サーバ3にこれらの計画値のデータを配信したり、WEBサーバ機能26(図2)によって端末2にこれらの計画値のデータを配信する。
条件を満足しない場合は、ステップS41に戻って各配水池の配水量計画値を変更した後、ステップS42,S43で配水量計画値,取水量計画値を求め直して再びステップ44で判定を行う。
図3には、水需要量,配水量,送水量,取水量の順に計画立案する例を示したが、例えば取水量を先にしてもよいし、水道施設の実情に合わせて計画立案順序を決定してもよい。
また、前述のように端末2からは各浄水場あるいは各水処理系列からの送水量計画値の設定情報を計画サーバ1に送信することができるようになっており、利用者が端末2でユーザID及びパスワードを入力して送水量計画値を設定すると、計画サーバ1では、この設定情報に基いて取水量演算22によって各水源からの取水量計画値が求められる。
図4は、取水量演算22による図1の水道施設6の取水量計画値の演算フローの一例を示したものである。なお、この例では、送水量計画値として1時から24時までの1時間毎の送水量計画値Y(i)(i=1〜24)を用いるものとする。
図3のステップS42で配水量計画値が求められるか、あるいは前述のように端末2で配水量計画値が設定されると、まずステップS100で、プロセスデータベース12(図2)から各水源あるいは各取水原水の水質データを読み出す。この水質データは、水源が表流水や地下水の場合には、濁度,pH,有機物濃度,臭気,紫外線吸光度,色度,アンモニア性窒素,水温,微生物量などであり、水源が水道用水事業者からの受水の場合には、pH,残留塩素,濁度,色度などである。プロセスデータベース12に格納されていない水質データは、端末2あるいはデータ入出力端末14(図2)から入力させる。
次に、ステップS101で、施設データベース11から抽出したデータに基き、各水処理系列A,Bでの1時間毎の排水量(洗浄用に用いられたりオーバーフローすることにより、送水68となることなく排出される水量)を算出して、式(1)により1時間毎の総取水量計画値を求める。
X(i) = Y(i) + Wa (i) + Wb(i) …(1)
だだし、X(i):時間iにおける水源7A及び7Bからの総取水量計画値(i=1〜24)、Y(i):時間iにおける水処理系列A及びBからの総送水量計画値(i=1〜24)、Wa:(i)時間iにおける水処理系列Bの排水量(i=1〜24)、Wb(i):時間iにおける水処理系列Bの排水量(i=1〜24)
次のステップS102では、プロセスデータベース12から前日の取水量実績値あるいは計画値を読み出し、総取水量計画値に占める水源Aと水源Bとの割合を決定して、式(2)を満足するように水源Aからの取水量計画値と水源Bからの取水量計画値とを求める。
X(i) = Xa(i) + Xb(i) …(2)
だだし、X(i):時間iにおける水源7A及び7Bからの総取水量計画値(i=1〜24)、Xa(i):時間iにおける水源7Aからの取水量計画値(i=1〜24)、Xb(i):時間iにおける水源7Bからの取水量計画値(i=1〜24)
次のステップS103では、薬品量演算24(図2)により、プロセスデータベース12に格納されている原水の水質データと、原単位データベース16に格納されている薬品原単位のデータと、ステップS102で求められた1時間毎の水源A,Bからの取水量計画値とを用いて、各水処理系列A,Bにおける1時間毎の薬品注入量を求める。
ステップS103での水処理系列Aにおける粉末活性炭注入量の演算式の一例を、式(3)に示す。
Da(i)=Xa(i)×(Koa×Toa(i)+Coa) …(3)
ただし、Da(i):水処理系列Aの時間iにおける粉末活性炭注入量(i=1〜24)、Xa(i):時間iにおける水源7Aからの取水量計画値(i=1〜24)、(Koa×Toa(i)+Coa):粉末活性炭原単位、Toa(i):水処理系列Aの時間iにおける原水臭気(i=1〜24)、Koa:水質係数、Coa:定数
また、ステップS103での水処理系列Aにおける凝集剤注入量の演算式の一例を、式(4)に示す。
Pa(i)=Xa(i)×(Kla×Tua(i)+K2a×pHa(i)+ K3a×TOCa(i)+Cla) …(4)
ただし、Pa(i):水処理系列Aの時間iにおける凝集剤注入量(i=1〜24)、Xa(i):水処理系列Aの時間iにおける取水量計画値(i=1〜24)、(K1a×Tua(i)+K2a×pHa(i)+ K3a×TOCa(i)+Cla):凝集剤原単位、Tua(i):水処理系列Aの時間iにおける原水濁度(i=1〜24)、pHa(i):水処理系列Aの時間iにおける原水のpH(i=1〜24)、TOCa(i):水処理系列Aの時間iにおける原水有機物(i=1〜24)、K1a,K2a,K3a:水質係数、
Cla:定数
次のステップS104では、電力量演算25(図2)により、施設データベース11に格納されているポンプなどの装置のデータと、原単位データベース16に格納されている水輸送に関わる装置の電力原単位(単位取水量当たりの電力量)及び薬品輸送及び薬品生成に関わる装置の電力原単位(単位薬品量当たりの電力量)のデータと、ステップS102で求められた1時間毎の水源A,Bからの取水量計画値とを用いて、各水処理系列A,Bにおける1時間毎の電力量を求める。
ステップS104での水処理系列Aの取水設備61Aにおける電力量の演算式の一例を、式(6)に示す。
E1a(i) = Xa(i)×M(Xa(i)) …(6)
ただし、E1a(i):水処理系列Aの時間iにおける電力量(i=1〜24)、Xa(i):水処理系列Aの時間iにおける取水量計画値(i=1〜24)、M(Xa(i)):取水量Xa(i)(m/h)における取水設備の電力量原単位(kWh/m
また、ステップS104での水処理系列Aの薬品注入装置70における電力量の演算式の一例を、式(7)に示す。
E2a(i) = Da(i)×MD(Da(i)) …(7)
ただし、E2a(i):水処理系列Aの時間iにおける電力量(i=1〜24)、Da(i):水処理系列Aの時間iにおける粉末活性炭注入量(i=1〜24)、MD(Da(i)):粉末活性炭注入量Da(i)(m/h)における薬品注入装置70の電力量原単位(kWh/m)(i=1〜24)
次のステップS105では、取水コスト演算機能23により、水源から取水して送水に至るまでの取水コストを演算する。すなわち、原単位データベース16から、例えば、水利権保有者あるいは他の事業者に支払う場合、あるいは他の事業者から送水を受水する場合の水量1m当りの単価などのデータを読み出す。また、薬品1m当りの単価や電力量1kWh当りの単価などのコスト原単位のデータを読み出す。電力量のコスト原単位については、電力事業者との個別契約情報も反映する。そして、これらの単価と、ステップS102で演算した取水量計画値と、ステップS103で演算した薬品注入量と、ステップS104で計算した電力量との積算計算によって、水源から取水して送水に至るまでの取水コストを演算する。
次のステップS106では、前述の式(2)における水源7Aからの取水量計画値と水源7Bからの取水量計画値との割合を変化させながらステップS102,S103,S104及びS105の演算を繰り返し実行させることにより、取水した原水60A,60Bの流量の組合せに対応した取水コストを演算する。そして、例えば、原水60A,60Bの流量の組合せの全てのケースの中から、取水コストが最小値を示す組合せを最適な取水量計画値として抽出する。次のステップS107では、この抽出された取水量計画値を、計画値データベース13(図2)に格納する。
図5は、本発明を適用した水運用システムの全体概略構成の別の例を示す図であり、図1と共通する部分には同一符号を付している。このシステムでは、水道施設10は、図1に示した水源7A及び7B(表流水)に加えて、水道用水事業者の所有する浄水場である水源7Cから取水するようになっている。水源7A,7B,7Cには、三つの水処理系列(系列A,系列B及び系列C)が一対一に対応している。水処理系列Aは、図1の水道施設6の水処理系列Aと同一構成である。水処理系列Bは、図1の水道施設6の水処理系列Bのうちの砂ろ過池65Bの部分を膜ろ過池78に置き換えた構成をしている。
水処理系列Cでは、水源7Cから取水した原水60C(浄水)が、受水設備61Cに貯水された後、塩素消毒池67Cを経て、水処理系列A,Bからの浄水と混合されて送水68になり、配水池74に送られる。
原水センサ8Cは、浄水場への導水路に設置されており、原水60Cの流量及び水質を計測する。センサ66Cは、塩素消毒池67Cの入口出水の流量及び水質を計測する。
水道施設10のその他の構成は、図1に示した水道施設6と同一である。計画サーバ1,端末2,監視制御サーバ3,ネットワーク4,コントローラ5も、それぞれ図1と同じものである。
このシステムでも、コントローラ5で収集した水道施設10のプロセスデータを計画サーバ1のプロセスデータベース12(図2)に格納するとともに、水道施設10についての施設データや原単位データを施設データベース11(図2)や原単位データベース16(図2)に格納すれば、計画サーバ1において、送水量演算20(図2,図3のステップS42)によって各水処理系列A,B,Cからの送水量計画値を求め、取水量演算22(図2,図3のステップS43)によって各水源70A,70B,70Cからの取水量計画値を求めることができる。したがって、やはり、取水コストが最小となるように各水源70A,70B,70Cからの取水量計画値を求めることができ、端末2や監視制御サーバ3の表示画面でこの取水量計画値を把握することができる。
図6は、この図5の水運用システムにおいて、端末2における取水量計画値の表示画面の一例を示した図である。計画立案時刻400と、1時間毎の各水源A,B,C(図5の水源70A,70B,70C)からの取水量計画値及び送出量計画値401と、各水源A,B,Cの水質402とが表示されるようになっており、送水量計画値と各水源の水質との両方を確認しながら各水源からの取水量計画量を把握することができる。
図1や図5に示した水道施設6や水道施設10以外に、複数の水道用水供給事業者からの送水を原水(受水)とするケースや、複数の水源が全て井戸水であり水処理系列は塩素消毒池67のみから成るケースや、複数の水源からの原水を一つの水処理系列で処理するケースや、オゾン処理や粒状活性炭処理を施すケースや、配水池において追加塩素処理を施すケースなどもあるが、いずれのケースでも、全く同様にして、複数の水源からの取水量計画値を、取水コストが最小となるように求めることができる。
また、この取水量計画値を求める過程で、水処理に必要な薬品量と、水輸送及び水処理に必要な電力量とを計算できるので、省コストの観点からだけでなく、省資源・省エネルギーの観点からも、複数の水源からの取水量計画値を適切に決定することが可能である。
また、汚濁が激しい水源の取水を減らし、他の水源の取水を増やすような場合にも、コストを定量的に示すことができるので、意思決定を支援することができる。
また、近年問題となっている渇水、地震などの災害、水源汚染事故、管路の破裂などの対策として浄水場や配水池間の水融通を実施することが大きなテーマになっているが、水融通には膨大な工事費用が必要であるため、最適な工事を実施せねばならない。そこで、計画設計段階において本発明を用いて様々の条件で水運用計画を試行することにより、効果を定量的に検証できる。
以上の例では、図3及び図4に示したように、計画サーバ1が、水運用計画の立案処理として、取水コストに基いて取水量計画値を演算している。しかし、これに限らず、取水量以外の水輸送量(例えば、配水量または送水量)の計画値を、その水輸送のコストに基いて演算するようにしてもよい。
また、以上の例では、図1や図5に示したように、コントローラ5,監視制御サーバ3及び計画サーバ1を設け、監視制御サーバ3を介してコントローラ5と計画サーバ1との間でデータを送受信している。しかし、例えば小規模な水道施設(プロセスデータ等のデータ量が少ない水道施設)の水運用計画を立案するような場合には、監視制御サーバ3を省略して、コントローラ5と計画サーバ1との間で直接データを送受信したり、さらには、1台のコンピュータでコントローラ5,監視制御サーバ3及び計画サーバ1の機能を兼ねるようにしてもよい。
また、以上の例では計画サーバ1としてコンピュータを用いているが、これに限らず、上述の水運用計画立案プログラムに相当するファームウェアを格納した専用LSIを有する装置を計画サーバ1として用いるようにしてもよい。
ところで、本発明は、ビジネスモデルとしても実現することができる。そこで、図7に、本発明をビジネスに適用した水運用計画サービスシステムの概要を示す。ここでは、水道施設所有事業者30,管理センタ31及び維持管理会社32がビジネスの当事者である。
水道施設所有事業者30は、飲料水を製造・配水する施設を所有する事業者であり、水道事業体に代表される。維持管理会社32は、水道施設所有事業者30との契約により水道施設の運転管理業務を実施する事業主体である。管理センタ31は、水運用計画提供サービスを行う事業主体である。
このシステムでは、図1や図5に示した計画サーバ1が、管理センタ31側に設置される。そして、図1や図5に示した監視制御サーバ3及び端末2が水道施設所有事業者30側(水道施設の管理棟など)に備えられるとともに、維持管理会社32側にも端末2が備えられる。
水道施設所有事業者30と管理センタ31との間では契約を締結するが、この契約は、水道施設所有事業者30からみると、水道施設のプロセスデータや施設データを提供して取水量計画値などの水輸送計画値の情報の提供を受けるものであり、管理センタ31からみると、プロセスデータを収集して水輸送計画値の情報を提供するサービスを行うものである。管理センタ31からの情報の提供回数,情報の内容,契約期間,測定場所などは、両者の合意によって設定されることになる。
ここで、監視制御サーバ3は、水道施設所有事業者30の所有でもよいし、管理センタ31から貸与または支給されるものとしてもよい。また、管理センタ31と水道施設所有事業者30との契約対象(道施設所有事業者30からプロセスデータや施設データを提供する対象)は、浄水場のみでもよいし、送水施設や配水施設や給水施設を含めるとしてもよい。
また、維持管理会社32と管理センタ31との間でも契約を締結するが、この契約は、維持管理会社32からみると、水輸送計画値の情報の提供を受けるものであり、管理センタ31からみると、水輸送計画値の情報を提供するサービスを行うものである。ここでも、管理センタ31からの情報の提供回数,情報の内容,契約期間,測定場所などは、両者の合意によって設定されることになる。この結果、維持管理会社32側でも、端末2により、水輸送計画値の情報を得ることができる。
水道施設所有事業者30や維持管理会社32と管理センタ31との間の情報伝達は、ネットワーク(例えばインターネットのような広域ネットワーク),電子データメディア等の情報伝達手段を介して行われる。計画サーバ1には、契約者のみアクセスできるように所定のセキュリティが施されている。計画サーバ1は、水道施設所有事業者30からプロセスデータや施設データなどをネットワークを介して受信すると、取水量計画値などの水輸送計画値を演算して、その計画値の情報を、水道施設所有事業者30側の監視制御サーバ3・端末2及び維持管理会社32側の端末2に配信する。
なお、ここでは水道施設所有事業者30と管理センタ31と維持管理会社32との三つの事業主体を当事者として挙げた。しかし、管理センタ31と維持管理会社32とを同じ一つの事業主体が兼ねる(その一つの事業主体が、水道施設所有事業者30との契約により、水運用計画提供サービスを行うとともに水道施設の運転管理業務を実施する)ようにしてもよい。あるいはまた、水道施設所有事業者30が管理センタ31を兼ねる(水道施設所有事業者30が、維持管理会社32との契約により、水運用計画を提供するともに水道施設の運転管理業務の提供を受ける)ようにしてもよい。また、水道施設所有事業者30自身が水道施設の運転管理業務を実施する場合には、水道施設所有事業者30と管理センタ31との二つの事業主体のみを当事者とすればよい。
また、ここでは各当事者としてそれぞれ一つずつの事業主体を挙げたが、一つの管理センタ31が複数の水道施設所有事業者や複数の維持管理会社との間で契約を締結して運用計画提供サービスを行うようにしてもよい。
図8は、管理センタ31が三つの水道施設所有事業者との間で契約を締結して運用計画提供サービスを行う場合の水運用計画サービスシステムの構成例を示す。三つの水道施設所有事業者30A,30B,30Cと、それらの水道施設所有事業者の水道施設の運転管理業務を実施する維持管理会社32とが、ネットワーク(例えばインターネット)34に接続され、ネットワーク4を介して、管理センタ31側に設置されている計画サーバ1にアクセスする。
水道施設所有事業者30A,30B,30Cは、それぞれ、複数の水源(図示略)から取水する水道施設6A,6B,6Cを所有している。水道施設所有事業者30A側には、ネットワーク4と接続される監視制御サーバ3A及び端末2A(図1や図5に示した監視制御サーバ3及び端末2と同じもの)が備えられており、水道施設6Aのプロセスデータなど(図示は省略するが、図1や図5のコントローラ5に相当する装置で収集されて監視制御サーバ3Aに送られたもの)を監視制御サーバ3Aから計画サーバ1に送信し、計画サーバ1から配信される水輸送計画値の情報を監視制御サーバ3A及び端末2Aで受信する。
同様に、水道施設所有事業者30B,30Cでも、それぞれ監視制御サーバ3B,3C及び端末2B,2Cを備えており、水道施設6B,6Cのプロセスデータなどを計画サーバ1に送信し、計画サーバ1から配信される水輸送計画値の情報を監視制御サーバ3B,3C及び端末2B,2Cで受信する。
管理センタ31の計画サーバ1は、水道施設所有事業者30Aからプロセスデータなどを受信すると、水道施設6Aについての水輸送計画値を演算して、その計画値の情報を、水道施設所有事業者30A側の監視制御サーバ3A・端末2A及び維持管理会社32側の端末2に配信する。
また、計画サーバ1は、水道施設所有事業者30Bからプロセスデータなどを受信すると、水道施設6Bについての水輸送計画値を演算して、その計画値の情報を、水道施設所有事業者30B側の監視制御サーバ3B・端末2B及び維持管理会社32側の端末2に配信する。
また、計画サーバ1は、水道施設所有事業者30Cからプロセスデータなどを受信すると、水道施設6Cについての水輸送計画値を演算して、その計画値の情報を、水道施設所有事業者30C側の監視制御サーバ3C・端末2C及び維持管理会社32側の端末2に配信する。
こうした水運用計画サービスシステムによる具体的な効果としては、水道施設所有事業者,維持管理会社にとっては、水輸送計画値の提供サービスをいつでもどこでも受けられ、水運用計画の立案の負担を軽減できることが挙げられる。また、水運用計画の立案に関連する高度な管理を管理センター側の計画サーバに委ねることができるので、職員確保の負担を軽減できる。さらに、複数の水道施設所有事業者の水運用計画を共通の計画サーバで管理することにより、複数の水道施設所有事業者の間での水運用計画に関するコミュニケーションを図ることができ、特に、広域な水環境に関する意識が高まる。
また、管理センタにとっては、人口の変化,水処理プロセスの変化,水源の水質の変化などによって水運用計画を変更する必要が生じたとしても、計画サーバのプログラムを変更するだけで容易に対応することができ、変更した事項も容易に把握することができる。
また、こうした水運用計画サービスシステムによれば、広域に分散配置された水道施設の適切な運転と、水道水供給業務の円滑化や効率化とを実現することができ、さらに危機管理,設備投資などに対して適切に助言対処することができる。しかも、サービス利用者(水道施設所有事業者,維持管理会社)は、コンピュータソフトウェアの購入やセットアップやさらにバージョンアップ対応などを行う必要がなく、低コストで水運用計画情報を入手することができる。
また、広域な水運用計画の立案には、各水道施設所有事業者が個別に職員を必要十分に確保する必要がある。しかし、こうした職員の確保は、事業者の財政状況や人員構成などの条件が揃わなければならず、事業遂行上の大きな負担となっている。上述の水運用計画サービスシステムによれば、水運用計画の立案と配信とを、柔軟に低コストで実現することができる。
なお、本発明は、複数の水源から取水する水道施設の水運用計画を立案するだけでなく、複数の汚水源から汚水が流入する下水処理施設や産業排水処理施設の水処理計画の立案のためにも応用してよい。
本発明を適用した水運用システムの全体概略構成の一例を示す図である。 計画サーバの構成を示す図である。 水運用計画立案の手順を示すフロー図である。 取水量計画値の演算手順を示すフロー図である。 本発明を適用した水運用システムの全体概略構成の別の例を示す図である。 取水量計画値の表示画面の一例を示す図である。 本発明を適用した水運用計画サービスシステムの概要を示す図である。 本発明を適用した水運用計画サービスシステムの構成例を示す図である。
符号の説明
1…管理サーバ、 2…端末、 3…監視制御サーバ、 4…ネットワーク、 5…コントローラ、 6…水道施設、 10…CPU、 11…施設データベース、 12…プロセスデータベース、 13…計画値データベース、 14…データ入出力端末、 15…ネットワークインタフェース、 16…原単位データベース、 17…メモリ、 20…送水量演算、 21…配水量演算、 22…取水量演算、 23…取水コスト演算、 24…薬品量演算、 25…電力量演算、 26…WEBサーバ機能、 27…データ収集、 28…水需要量演算、 30…水道施設所有事業者、 31…管理センタ、 32…維持管理会社

Claims (12)

  1. 複数の水源から取水する水道施設の水運用計画を立案する水運用計画装置において、
    各々の前記水源から取水する際の前記水道施設における水輸送コストを、原水購入費用を含めて演算する水輸送コスト演算手段と、
    前記水輸送コスト演算手段で演算された水輸送コストに基いて前記水道施設における水輸送量の計画値を演算する水輸送量計画値演算手段と
    を備えたことを特徴とする水運用計画装置。
  2. 請求項1に記載の水運用計画装置において、
    前記水道施設は、少なくとも一つ以上の水処理系列から構成され、
    前記水処理系列のプロセスは、少なくとも粉末活性炭注入,凝集,沈殿,ろ過,消毒,輸送のうち何れかのプロセスを含むことを特徴とする水運用計画装置。
  3. 複数の水源から取水する水道施設の水運用計画を立案する水運用計画方法において、
    各々の前記水源から取水する際の水輸送コストを、原水購入費用を含めて演算する水輸送コスト演算ステップと、
    前記水輸送コスト演算ステップで演算された水輸送コストに基いて前記水道施設における水輸送量の計画値を演算する水輸送量計画値演算ステップと
    を有することを特徴とする水運用計画方法。
  4. コンピュータを、
    複数の水源から取水する水道施設において各々の前記水源から取水する際の前記水道施設における水輸送コストを、原水購入費用を含めて演算する水輸送コスト演算手段と、
    前記水輸送コスト演算手段で演算された水輸送コストに基いて前記水道施設における水輸送量の計画値を演算する水輸送量計画値演算手段と
    して機能させることを特徴とする水運用計画立案のためのプログラム。
  5. コンピュータを、
    複数の水源から取水する水道施設において各々の前記水源から取水する際の水輸送コストを、原水購入費用を含めて演算する水輸送コスト演算手段と、
    前記水輸送コスト演算手段で演算された水輸送コストに基いて前記水道施設における水輸送量の計画値を演算する水輸送量計画値演算手段と
    して機能させる水運用計画立案のためのプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  6. 複数の水源から取水する水道施設の水運用計画を立案する水運用計画装置において、
    各々の前記水源の水質と各々の前記水源からの取水量とを入力として、水処理に必要な薬品量を演算する薬品量演算手段と、
    各々の前記水源からの取水量を入力として、水処理及び/または水輸送に必要な電力量を演算する電力量演算手段と、
    前記薬品量演算手段で演算された薬品量と、前記電力量演算手段で演算された電力量と、原水購入費用とに基いて取水コストを演算する取水コスト演算手段と
    を備えたことを特徴とする水運用計画装置。
  7. 請求項6に記載の水運用計画装置において、
    前記薬品量演算手段は、薬品量原単位と取水量とを積算する手段を具備し、
    前記薬品原単位は、少なくとも一つ以上の水質項目を変数とする関数であることを特徴とする水運用計画装置。
  8. 請求項6または7に記載の水運用計画装置において、
    前記水道施設は、少なくとも一つ以上の水処理系列から構成され、
    前記水処理系列のプロセスは、少なくとも粉末活性炭注入,凝集,沈殿,ろ過,消毒,輸送のうち何れかのプロセスを含むことを特徴とする水運用計画装置。
  9. 複数の水源から取水する水道施設の水運用計画を立案する水運用計画方法において、
    各々の前記水源の水質と各々の前記水源からの取水量とを入力として、水処理に必要な薬品量を演算する薬品量演算ステップと、
    各々の前記水源からの取水量を入力として、水処理及び/または水輸送に必要な電力量を演算する電力量演算ステップと、
    前記薬品量演算ステップで演算された薬品量と、前記電力量演算ステップで演算された電力量と、原水購入費用とに基いて取水コストを演算する取水コスト演算ステップと
    を有することを特徴とする水運用計画方法。
  10. コンピュータを、
    複数の水源から取水する水道施設における各々の前記水源からの取水量とを入力として、水処理に必要な薬品量を演算する薬品量演算手段と、
    各々の前記水源からの取水量を入力として、水処理及び/または水輸送に必要な電力量を演算する電力量演算手段と、
    前記薬品量演算手段で演算された薬品量と、前記電力量演算手段で演算された電力量と、原水購入費用とに基いて取水コストを演算する取水コスト演算手段と
    して機能させることを特徴とする水運用計画立案のためのプログラム。
  11. コンピュータを、
    複数の水源から取水する水道施設における各々の前記水源からの取水量とを入力として、水処理に必要な薬品量を演算する薬品量演算手段と、
    各々の前記水源からの取水量を入力として、水処理及び/または水輸送に必要な電力量を演算する電力量演算手段と、
    前記薬品量演算手段で演算された薬品量と、前記電力量演算手段で演算された電力量と、原水購入費用とに基いて取水コストを演算する取水コスト演算手段と
    して機能させる水運用計画立案のためのプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  12. 複数の水源から取水する水道施設を所有する業者側のコンピュータにネットワークで接続される水運用計画サービス用のサーバにおいて、
    前記水道施設の施設データと、前記水道施設における薬品及び/または電力の原単位のデータと、原水購入費用のデータとを格納した格納手段と、
    前記コンピュータから前記ネットワークを介して前記水道施設のプロセスデータを受信したことに基き、該プロセスデータと、前記格納手段から読み出したデータとに基いて、各々の前記水源から取水する際の水輸送コストを演算する水輸送コスト演算手段と、
    前記水輸送コスト演算手段で演算された水輸送コストに基いて前記水道施設における水輸送量計画値を演算する水輸送量計画値演算手段と、
    前記水輸送量計画値演算手段で演算された水輸送量計画値を、前記ネットワークを介して前記コンピュータに配信する配信手段と
    を備えたことを特徴とする水運用計画サービス用のサーバ。
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