JP5416729B2 - 水道中央監視制御装置、水道監視制御システムおよび水道監視制御プログラム - Google Patents

水道中央監視制御装置、水道監視制御システムおよび水道監視制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、水道中央監視制御装置、水道監視制御システムおよび水道監視制御プログラムに係り、特にコスト評価に関して最適な運用計画を求め、その運用計画に基づいて水道施設を制御する水道中央監視制御装置、水道監視制御システムおよび水道監視制御プログラムに関する。
本技術分野の背景技術として、特許文献1および特許文献2がある。特許文献1には、上水道施設全体の運用コスト(薬品コストおよび電力コスト)を計算することで上水道施設全体の運用コストを評価できる上水道運用評価装置を提供すると記載されている。
特許文献2には、設備構成および運転方法の変更によるポンプおよび送風機の消費電力量の差を精度良く評価することができると記載されている。
特開2002−266380 特開2007−249374
特許文献1には、上水道運用評価装置の仕組みが記載されている。しかし、特許文献1の上水道運用評価装置は、取水量・送水量・配水量の日量に比例したコスト評価しか行なうことができない。
このような上水道運用評価装置では、例えば、配水量に代表されるように、流量とコスト(消費電力)の間に非線形性があり、また一日の中での流量の変化が大きい評価対象において、コストの評価誤差が大きい場合がある。また、一般的なポンプの台数制御ルールでは、配水量の増加時と減少時で同じ配水量でもポンプ運転台数が異なり、コスト(消費電力)も異なる場合があり、この現象はヒステリシスと呼ばれる。特許文献1の上水道運用評価装置では、ヒステリシスを考慮できず、コストの評価誤差が大きい場合がある。言い換えると流量に対するコストの多値性を考慮できない。また、上記の誤差により、評価を行なう上水道運用計画や、その計画に基づく制御にさらなる改善の余地が残る場合がある。
また、特許文献2には、エネルギー診断装置の仕組みが記載されている。しかし、特許文献2のエネルギー診断装置は、複数台のポンプを連携して制御する施設でのエネルギー評価に際して、個別のポンプの吐出量まで与えるか、あるいは個別ポンプの吐出量を計算するシミュレーション装置を用意しなければならない。
このようなエネルギー診断装置では、例えば、エネルギー診断装置による評価を利用して、水道施設全体で消費エネルギーを最小化する施設運用方法を最適化技術で求める際に、個別ポンプの吐出量まで運用方法を定めるために探索空間が莫大となる、あるいは個別ポンプの吐出量を計算するシミュレーション装置の計算量が多い、との理由で最適化計算の計算時間が増大する場合がある。
そこで、本発明は、流量とコストの非線形性・多値性を考慮でき、また計算負荷を抑えたコスト計算を用いて、運用コストが最小となる水道運用計画の立案ならびに施設制御を行なう中央監視制御装置を提供する。例えば、特に配水ポンプ施設で顕著な流量とコストの対応の非線形性や、ポンプ台数運転のヒステリシスを考慮したコスト評価に関して最適な運用計画を求め、その運用計画に基づいて水道施設を制御する中央監視制御装置を提供する。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、取水ポンプ施設、送水ポンプ施設、配水ポンプ施設などを制御対象とする水道中央監視制御装置101であって、制御対象施設のポンプ号機ごとの機器特性を記憶する機器特性記憶部121と、制御対象施設で各ポンプ号機の運転方式などを定める制御ルールを記憶する制御ルール記憶部122と、機器特性記憶部と制御ルール記憶部の情報をもとに、制御対象施設ごとにコストモデルを構築し、コストモデル記憶部123に格納するコストモデル構築部111と、コストモデル記憶部123に記憶されたコストモデルを用いて水道運用計画データの運用コストを評価するコスト計算部112と、コスト計算部112で評価される運用コストを最小とする最適な水道運用計画データを作成する運用計画最適化部113と、最適な運用計画データを制御対象施設へと送信する通信部142と、運転員とのインタフェースを行なうヒューマンインタフェース部141とを有し、コストモデルは、制御対象施設のポンプ運転台数を状態とする状態遷移関係と、各状態での制御対象施設の吐出流量を入力としてコストを与える関数とからなり、コスト計算部112はコストモデルの状態遷移表現を実行する状態遷移機械によって構成される。
本発明によれば、配水ポンプ施設で顕著な流量とコストの非線形性や、ポンプ台数運転のヒステリシスを考慮したコスト評価に関して最適な運用計画を求め、その運用計画に基づいて水道施設を制御する中央監視制御装置および水道監視制御システムを提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
上水道監視制御システムのブロック図である。 制御対象施設の制御対象設備の構成を説明するブロック図である。 上水道中央監視制御装置のハードウェアブロック図である。 機器特性テーブルを説明する図である。 機器特性テーブルの要素である流量−揚程特性のグラフである。 機器特性テーブルの要素である流量−効率特性のグラフである。 制御ルールテーブルを説明する図である。 制御ルールテーブルの要素である吐出圧力設定のグラフである。 制御ルールテーブルの要素である管路モデルのグラフである。 制御ルールテーブルの要素であるポンプ台数切替流量テーブルの例である。 コストモデル記憶部に記憶されるコストモデルテーブルを説明する図である。 コストモデルテーブルの要素であるコストモデルの状態遷移関係を表す状態遷移図である。 コストモデルテーブルの要素であるコストモデルの流量−コスト関係のグラフである。 コストモデルテーブルの要素であるコストモデルの状態遷移関係を表す状態遷移図である。 コストモデルテーブルの要素であるコストモデルの流量−コスト関係のグラフである。 コストモデルテーブルの要素であるコストモデルの状態遷移関係を表す状態遷移図である。 コストモデルテーブルの要素であるコストモデルの流量−コスト関係のグラフである。 コストモデルテーブルの要素であるコストモデルの状態遷移関係を表す状態遷移図である。 コストモデルテーブルの要素であるコストモデルの流量−コスト関係のグラフである。 コストモデル構築処理のフローチャートである。 運用計画データである。 施設制約データである。 機器特性・制御ルール更新部の処理を説明するフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、実施例を用い図面を参照しながら詳細に説明する。なお、実質同一部位には同じ参照番号を振り、説明は繰り返さない。本実施例では、機器特性と制御ルールからコストモデルを構築する上水道ポンプ運用最適化装置を説明する。しかし、水道は、上水道には限らず、工業用水道(工水)、雨水・再生水等の中水道、農業用水道を含む。
図1において、上水道監視制御システム500は、上水道中央監視制御装置101と、制御対象施設151と、制御対象施設152とから構成されている。
上水道中央監視制御装置101は、コストモデル構築部111と、コスト計算部112と、運用計画最適化部113と、需要予測部114と、機器特性・制御ルール更新部115と、機器特性記憶部121と、制御ルール記憶部122と、コストモデル記憶部123と、施設制約記憶部124と、運用計画記憶部125と、実績運用データ記憶部126と、ヒューマンインタフェース部141と、通信部142とを有する。また、上水道中央監視制御装置101は、監視・制御の対象である制御対象施設151、制御対象施設152と通信部142を介して接続されている。
制御対象施設151は、遠隔施設制御装置161と制御対象設備(ポンプ)171、を有する。同様に、制御対象施設152は、遠隔施設制御装置162と制御対象設備(バルブ)172、を有する。
図1にて上水道中央監視制御装置101は、制御対象施設151、制御対象施設152の2つの施設のみと接続されているが、一般には導送配水ポンプ施設、浄水場、配水場などの多数の制御対象の施設と接続される。ここで制御対象の施設とは、上水道中央監視制御装置101にネットワークを介して接続された水道施設である。制御対象の施設は、上水道中央監視制御装置101にて計測情報を収集すること、また上水道中央監視制御装置101から制御方法に関する情報を送信すること、そのいずれかまたは両者を行なう施設である。
コストモデル構築部111は、制御対象施設151などの、一つまたは複数のポンプから構成された制御対象の施設ごとに、機器特性記憶部121に格納された当該制御対象施設の各ポンプの機器特性と、制御ルール記憶部122に格納された当該制御対象施設の制御ルールとを読み出し、その機器特性と制御ルールに基づいて当該制御対象施設のコストモデルを構築する。また、コストモデル構築部111は、構築したコストモデルをコストモデル記憶部123に格納する。
コスト計算部112は、コストモデル記憶部123から読みだしたコストモデルに基づき、運用計画最適化部113から与えられる運用計画データ340に対して、その運用計画データ340で制御を行なうことに要するコストを計算して、コストデータ131として出力する。ただし、運用計画データ340は制御対象の全施設の運用方法を示す情報であるため、コスト計算部112は、制御対象施設ごとにコストモデル記憶部123からコストモデルを読みだし、当該施設の運用方法を運用計画データ340から抽出して当該施設のコストを計算する。コスト計算部112は、続いて全ての制御対象施設について加算してコストデータを算出する。制御対象の全施設の運用コストは、式1で表すことができる。
Figure 0005416729
ここで、
Ctotal:制御対象の全施設の運用コスト[kWh]
j:制御対象の施設を表すインデックス
M:制御対象の施設の総数
C(j):制御対象の施設jの運用コスト[kWh]
である。
各施設jの運用コストC(j)の計算方法についてはコストモデルの説明とあわせて図11の説明にて後述する。
制御対象施設ではないが、運用コストを考慮したい施設がある場合は、当該施設を制御対象施設とみなして同様に運用コストを算出・加算することができる。上水道中央監視制御装置101と接続されていない施設だがその運用コストを考慮したい施設がある場合などが該当する。
コストデータ131は、上記制御対象の全施設の運用コストCtotalを含むコスト情報からなり、制御対象の全施設の運用コストCtotalのほかに、各制御対象施設のコスト情報等を含んでもよい。
なお本実施例にてコストとは、ポンプ運転(施設運用)に要する消費電力量を指す。ただし、時間帯ごとの単価の変化も考慮した消費電力量の購入費用(電力料金)や、消費電力量の温室効果ガス換算値等、消費電力量を変換して得られる指標を用いることもできる。
運用計画最適化部113は、施設制約記憶部124から運用計画の満たすべき制約条件を読み出し、需要予測部114から得た地域ごとの上水道の需要予測値を制約条件とし、これらの制約条件を満たす運用計画の候補を運用計画データ340として出力する。さらに運用計画最適化部113は、先に出力した運用計画データ340に対してコスト計算部112が算出したコストデータ131を参照し、よりコストを小さくする別の運用計画の候補を探索し、運用計画データ340を出力する処理を繰り返す。上記の処理を何らかの停止条件が満たされるまで繰り返すことで、運用計画最適化部113はコストを最小化する運用計画を算出する。
運用計画最適化部113は、算出した最適な運用計画データを、運用計画記憶部125に格納する。利用するコストモデルや施設制約の詳細に依存するが、運用計画最適化部113の機能は、数理計画法としての最適化問題として記述できる。運用計画最適化部113の機能は、シンプレックス法や分枝限定法を利用した数理最適化手法や、遺伝的アルゴリズムなどのメタヒューリスティクス手法などを用いて実装できる。
機器特性・制御ルール更新部115は、実績運用データ記憶部126に蓄積された実績運用データから、制御対象施設のポンプの機器特性情報を更新し、機器特性記憶部121の記憶内容を更新する。また、制御対象施設の送水管路モデルなどの情報を更新し、制御ルール記憶部122の記憶内容を更新する。
ヒューマンインタフェース部141は、機器特性記憶部121、制御ルール記憶部122およびコストモデル記憶部123に格納された各種情報や、最適な運用計画データに対してコスト計算部112が算出したコストデータ131をディスプレイ装置などを通じて表示し、上水道中央監視制御装置101の操作オペレータに提示する。ヒューマンインタフェース部141は、図示しないディスプレイ装置を含んでもよい。
通信部142は、運用計画記憶部125に格納された最適な運用計画データを制御対象施設151や制御対象施設152などの各制御対象施設に送信する。また、通信部142は、各制御対象施設から実績運用データを収集し、実績運用データ記憶部126に格納する。運用実績データとは、制御対象のポンプ施設の吐出流量、吐出圧力等を指す。
制御対象施設151では、遠隔施設制御装置161が受信した運用計画データをポンプ等の制御対象設備への制御信号へと変換し、制御対象設備(ポンプ)171の運転状態へと反映させる。また、遠隔施設制御装置161は吐出流量や吐出圧力等の計測情報を各計測機器から収集し、上水道中央監視制御装置101へと送信する。制御対象施設152等においても同様の処理が行なわれ、上水道中央監視制御装置101が作成した最適な運用計画を施設の運転状態へと反映させることで水道施設の運転を最適化する。
図2を参照して、制御対象施設の制御対象設備(ポンプ)171の構成を説明する。図2において、ポンプ1号機201およびポンプ2号機202は可変速ポンプ、ポンプ3号機203は固定速ポンプである。吐出弁211はポンプ1号機201の吐出弁、吐出弁212はポンプ2号機202の吐出弁、吐出弁213はポンプ3号機203の吐出弁である。吸込み井221は、ポンプ201〜203へ水を供給する。計測器231は、吐出流量ならびに吐出圧力の計測器である。各設備を接続している矢印線は施設内の管路を表す。
この制御対象設備(ポンプ)171に対して、図1の遠隔施設制御装置161は、吐出弁211の開度設定を含むポンプ1号機201の稼働・停止信号、ポンプ1号機201の回転数、吐出弁212の開度設定を含むポンプ2号機202の稼働・停止信号、ポンプ2号機202の回転数、吐出弁213の開度設定を含むポンプ3号機203の稼働・停止信号、を制御信号として送信する。
また、遠隔施設制御装置161は、ポンプ1号機201の稼働・停止状態、ポンプ1号機201の回転数、吐出弁211の開度情報、ポンプ1号機201の消費電力、ポンプ2号機202の稼働・停止状態、ポンプ2号機202の回転数、吐出弁212の開度情報、ポンプ2号機202の消費電力、ポンプ3号機203の稼働・停止状態、吐出弁213の開度情報、ポンプ3号機203の消費電力、吸込み井221の水位情報、計測器231からの吐出流量および吐出流量情報を収集する。
消費電力計が設置されていない場合、消費電力の計測は、電流計による電流の計測値と力率の計測値を組み合わせて電力を推定することとしてもよい。
図3を参照して、上水道中央監視制御装置のハードウェア構成を説明する。図3において、上水道中央監視制御装置101は、中央処理装置(CPU)110と、メモリ120と、メディア入出力部130と、入力部140と、通信制御部142と、表示部145と、周辺機器IF部180と、バス190とから構成されている。
CPU110は、メモリ120上のプログラムを実行する。メモリ120は、プログラム、テーブル等を一時記憶する。メディア入出力部130は、プログラム、テーブル等を保持する。入力部140は、キーボード、マウス等である。通信制御部142は、図1の通信部142である。通信制御部142は、ネットワーク400と接続されている。表示部145は、図1の説明のディスプレイである。周辺機器IF部180は、プリンタ等のインタフェースである。バス190は、CPU110、メモリ120、メディア入出力部130、入力部140、通信制御部142、表示部145、周辺機器IF部180を相互接続する。
図1と図3との対比から明らかなように、図1のコストモデル構築部111、コスト計算部112、運用計画最適化部113、需要予測部114、機器特性・制御ルール更新部115は、CPU110がプログラムを実行することで実現している。
図4を参照して、機器特性記憶部121に格納される機器特性テーブルを説明する。図4において、機器特性テーブル300は、施設301と、ポンプ号機302と、流量−揚程特性303と、流量−効率特性304と、可変速305と、規格化した回転数の制御範囲306とから構成されている。
機器特性テーブル300は、制御対象施設のポンプ号機ごとに、流量−揚程特性、流量−効率特性、回転数制御可能かどうか(可変速かどうか)の真偽値、可変速の場合は規格化した回転数の制御範囲、のそれぞれについて情報を保持している。
図5を参照して、機器特性記憶部121に格納される機器特性情報のうち、一台の特定のポンプの流量−揚程特性(Q−H特性曲線)を説明する。
先に図4を参照して述べたとおり、機器特性テーブル300は、制御対象施設のポンプ号機ごとに同様の流量−揚程特性303を保持する。上水道向けに多く用いられる渦巻きポンプでは、流量−揚程特性は、式2または式3のいずれかによる近似が知られている。
H=A・Q^2+B・Q+C …(式2)
H=A・Q^B+C …(式3)
ここで、
H:ポンプの全揚程[m]
Q:ポンプの吐出流量[m^3/h]
A、B、C:式ごとに独立な係数
^:べき乗
である。上記の式で流量−揚程特性を近似する場合は、近似式の種別と係数A、B、Cを保持すればよい。あるいは、複数の代表的な流量および揚程のペアをデータとして保持し、それらのデータを直線でつないだ折れ線で流量−揚程特性を近似することとしてもよい。
回転数制御を行なうポンプの場合、図5の実線と破線の曲線のように、流量−揚程特性は、回転数の変化によって異なる曲線をとる。そのため機器特性情報として回転数ごとの流量−揚程特性を保持しなければならない。回転数制御の効果は、一般に次の式4または式5(ポンプの相似則)で近似される。
H/S^2=一定 …(式4)
Q/S=一定 …(式5)
ここで、
S:回転数[rpm]
である。回転数ごとの流量−揚程特性の保持の方法としては、上記相似則での近似を用いることができる。あるいは、複数の代表的な回転数における流量−揚程特性を保持し、その他の回転数に関しては補間を行なって流量−揚程特性を近似することとしてもよい。
図6を参照して、機器特性記憶部121に格納される機器特性情報のうち、一台の特定のポンプの流量−効率特性を説明する。
流量−揚程特性と同様に、先に図4を参照して述べたとおり、機器特性テーブル300は、制御対象施設のポンプ号機ごとに同様の流量−効率特性304を保持する。上水道向けに多く用いられる渦巻きポンプでは、流量−効率特性は次の式6または式7のいずれかによる近似が知られている。
η=A・Q^2+B・Q …(式6)
η=A・Q^3+B・Q^2+C・Q …(式7)
ここで、
η:ポンプの効率[−]
Q:ポンプの吐出流量[m^3/h]
A、B、C:式ごとに独立な係数
である。上記の式で流量−揚程特性を近似する場合は、近似式の種別と係数A、B、Cを保持すればよい。あるいは、複数の代表的な流量および効率のペアをデータとして保持し、それらのデータを直線でつないだ折れ線で流量−効率特性を近似することとしてもよい。
ここでポンプの効率とは、ポンプが吐出する水に行なった仕事率を、ポンプ駆動のために供給された電力で除した値を指す。すなわち、一般にポンプの機械仕様に記載されるポンプ機械効率と、電動機の効率、回転数制御であればインバータ等制御機器の効率を掛け合わせた値を指す。効率特性の保持方法としては、ポンプ機械効率と、電動機効率と、インバータ効率とを別に保持することとしてもよい。
回転数制御を行なうポンプの場合、図6の実線と破線の曲線のように、流量−効率特性は、回転数の変化によって異なる曲線をとる。流量−揚程特性と同様に、回転数制御の効果はポンプの相似則で近似することができる。あるいは、代表的な回転数における流量−効率特性を保持し、その他の回転数については補間を行なって流量−効率特性を近似することとしてもよい。
機器特性記憶部121に格納される機器特性により、一台のポンプに対して、その運転状態を定めたときの電力(コスト)を評価できる。ポンプが吐出する水に行なった仕事率は、吐出流量と揚程の積であらわされることから、ポンプ駆動に必要な電力は、式8で表現できる。
E=k・Q・H/η …(式8)
ここで、
E:ポンプ駆動に必要な電力[kW]
Q:ポンプの吐出流量[m^3/h]
H:ポンプの全揚程[m]
η:ポンプの効率[−]
k:比例係数[kWh/m^4]
である。
ただし、運転状態を定めるとは、図5、図6の特性を用いて上記の式のQ(吐出流量)、H(全揚程)、η(効率)を定めることを指す。同一施設内の他のポンプの運転状態、並びに施設から水を送る管路・配水区等の特性に応じて運転状態は変化する。可変速ポンプの場合は、回転数の選択も運転状態に影響する。
図7を参照して、制御ルール記憶部122に格納される制御ルールテーブルを説明する。図7において、制御ルールテーブル310は、施設311と、運転台数切替流量テーブル320と、ポンプ号機運転順序313と、流量/圧力制御の有無314と、流量/圧力制御の方式315とから構成される。
制御ルールテーブル310は、制御対象施設ごとに、ポンプ運転台数制御の切替流量テーブル、ポンプ号機の運転順序決定方式、吐出流量および吐出圧力の制御の有無、吐出流量および吐出圧力の制御の方式、のそれぞれについて情報を保持している。ポンプ号機の運転順序決定方式とは、施設に複数台あるポンプ号機をどのような順序で起動し、あるいは停止するかを定めた制御ルールを指す。この制御ルールは、一般にポンプの運転時間を均等化する目的で設定される。また、施設に可変速ポンプ号機がある場合は、可変速ポンプ号機を利用することが消費電力を下げる効果を持つため、固定速ポンプより優先して利用されることが一般的である。ポンプ運転台数制御の切替流量テーブル、ポンプ号機の運転順序決定方式の情報は、図11を参照して後述するポンプ施設の運転台数に関する状態遷移の遷移条件を定める他の情報で置き換えることもできる。
ポンプ台数運転制御以外の吐出流量および吐出圧力制御を行なわない施設の場合、運転するポンプ号機を定めることで運転状態が確定する。しかし可変速ポンプ号機がある場合や、バルブ制御を行なう場合、吐出流量および吐出圧力制御の代表的な方式に、吐出圧力を設定する方式、および吐出流量を設定する方式、の2つの方式がある。例えば可変速ポンプ号機を備える配水ポンプ施設では、吐出圧力の設定を目標にポンプ回転数の制御を行ない、吐出流量は配水区の需要量に任せて変化することを許容する。ここで例えば制御対象施設151が上記配水ポンプ施設とした場合、この吐出圧力の設定方式が例えば遠隔施設制御装置161に記憶されている。この吐出圧力の設定方式の内容を制御ルール記憶部122でも保持する。詳細は図8Aの説明にて後述する。一方、送水ポンプ施設では、吐出流量の設定を目標にポンプ回転数やバルブ開度の制御を行ない、吐出圧力は円滑な送水が可能な範囲で任意に変化することを許容する。ただし、回転数制御を行なう施設では、一般的に、バルブ(吐出弁)でのエネルギーロスを減らすために、吐出弁の開度調整による吐出流量や吐出圧力の調整は行なわない。ここで、制御対象施設151が可変速ポンプ号機を備える上記送水ポンプ施設とした場合、吐出流量を設定目標とした回転数の制御を推定するためには、制御対象施設151からの送水先の管路のモデル(流量−圧力特性)が必要となる。この送水管路モデルを制御ルール記憶部122でも保持する。詳細は図8Bの説明にて後述する。
図8Aを参照して、制御ルール記憶部122に格納される制御ルール情報のうち、吐出圧力設定方式を説明する。
先に図7の制御ルールテーブルにて述べたとおり、吐出圧力設定による制御を行なう施設(配水ポンプ施設など)について、同様の吐出圧力設定方式を保持する。図8Aは、代表的な吐出圧力設定方式の一つである推定末端圧一定制御と呼ばれる方式を示す。この方式は、吐出圧力を吐出流量(または吐出流量に何らかの平均化処理をかけた値)から式9で定める。
P=P0+C・Q^1.85 …(式9)
ここで、
P:吐出圧力[kPa]
Q:吐出流量[m^3/h]
P0、C:係数
である。この方式のように、吐出流量のみから吐出圧力を決定する任意の方式を利用できる。任意の吐出流量に対して一定の吐出圧力を設定する吐出圧力一定制御を用いることもできる。一方で、他の施設の吐出流量などに依存して吐出圧力を決定する方式でも、図11の説明にて詳細を述べる方法によって取り扱うことができる。
図8Bを参照して、制御ルール記憶部122に格納される制御ルール情報のうち、管路モデルを説明する。
先に図7の制御ルールテーブルにて述べたとおり、可変速ポンプ号機を含む制御対象施設で、吐出流量設定による回転数制御を行なう施設(送水ポンプ施設など)について、同様の管路モデルを保持する。管路モデルは、当該施設から水を送る先の管路に対して、吐出流量Q[m^3/h]を流す際に必要となる吐出圧力P[kPa]の関係を表す。代表的なモデルとして、管路での圧力損失としてヘーゼン・ウィリアムス式を仮定した式10を用いる。
P=P0+C・Q^1.85 …(式10)
ここで、
P:吐出圧力[kPa]
Q:吐出流量[m^3/h]
P0、C:係数
である。係数P0は、当該施設の標高と、送水先(管路の出口)の標高差に依存し、Cは管路の長さと口径等に依存する。
図8Aの圧力設定方式と、図8Bの管路モデルとで式の形が同一の式の例を挙げたが、設定の意味合いは異なる。圧力設定方式の情報は、任意性を持って定められる制御パラメータであるのに対して、管路モデルの情報は実制御対象のモデルである。
図9を参照して、制御ルール記憶部122に格納される制御ルール情報のうち、ポンプ運転台数を切り替える流量を定めた運転台数切替流量テーブルを説明する。図9において、運転台数切替流量テーブル320は、停止後ポンプ運転台数321と、起動後ポンプ運転台数322と、ポンプ停止流量323と、ポンプ起動流量324とから構成される。
運転台数切替流量テーブル320は、吐出流量が増加していく際に、ポンプ運転台数を増加させる目安となる流量と、吐出流量が減少していく際に、ポンプ運転台数を減少させる目安となる流量の情報を保持している。台数を増加させる流量と台数を減少させる流量がもし同じだった場合、その流量前後で吐出量が小刻みに変化する場合にポンプの起動・停止が頻発してポンプや電気機器などの劣化が早まるおそれがある。そのため台数を増加させる流量と台数を減少させる流量を変えた制御を行なうことが一般的である。このことにより同じ吐出流量でもポンプの運転台数が異なる現象はヒステリシスと呼ばれる。図9の例ではポンプ号機を指定しない記述となっているが、特性の異なる複数のポンプを有する施設の場合などでは、具体的なポンプ号機を指定したテーブルとなっていてもよい。
図10を参照して、コストモデル記憶部123に格納されるコストモデルテーブルを説明する。図10において、コストモデルテーブル330は、施設331と、種別332と、コストモデル333とから構成される。
コストモデルテーブル330は、制御対象の施設331ごとに、少なくとも一つの種別332と、コストモデル情報333とを格納している。ここで種別332とは、コストモデルの精密さ、あるいは近似の程度を表す項目である。種別332、およびコストモデル333の内容の詳細については、図11から図14の説明において後述する。
図11を参照して、コストモデル記憶部123に格納されるコストモデル情報のうち、可変速ポンプ2台と固定速ポンプ1台からなるある施設のコストモデルを説明する。この施設は、図2に示した制御対象設備で、図4および図7における配水ポンプ場Bであり、ここではこの施設を制御対象施設151とする。この施設151は、可変速ポンプ2台(1号機、2号機)と固定速ポンプ1台(3号機)の合計3台のポンプを備えている。
遠隔施設制御装置161の行なう制御について説明する。吐出流量が図9の切替流量テーブルに記載された流量閾値をまたいで変化した場合、ポンプ運転台数を変化させる。1台ポンプが運転されているとき、吐出流量が11m^3/minを超えた場合に2台目のポンプを起動させる。
可変速ポンプである1号機あるいは2号機を優先して運転し、3号機は既に2台が稼働している場合にのみ追加で運転する。ただし必ず1台以上のポンプを運転する。1号機と2号機とが運転されていて、そのうちの1台を停止する場合、ポンプ稼働時間を平均化するため累積運転時間の長い号機を停止する。図8Aに示した圧力設定(推定末端圧一定)となるよう、1号機と2号機の回転数を制御する。
本実施例におけるコストモデルは、施設のポンプ運転状態の変化を抽象化した状態遷移関係と、その各状態において消費電力を施設の吐出流量から算出する関数(以下、消費電力関数)と、からなる。図11Aは、状態遷移関係を表す状態遷移図、図11Bは、各状態での消費電力関数を重ねて表示したグラフである。
図11Aにおいて、状態AX、AY、B、Cとは、施設の各ポンプ号機が稼働中か、あるいは運転中か、の情報を表す。具体的には、状態AXは、1号機が稼働中、2号機と3号機が停止中の運転状態を表す。図11Aは先述した遠隔施設制御装置161のポンプ台数に関わる制御を再現した状態遷移図である。吐出流量が図9の運転台数切替流量テーブル320に記載の閾値をまたいで変化した場合、状態遷移する。具体的には、状態Bにおいて流量が閾値より減少しポンプを1台停止させる場合、遠隔施設制御装置161は、1号機と2号機の累積運転時間の大小に応じて状態AXあるいは状態AYに遷移する。
図11Bの各グラフは、各状態において吐出流量を定めた場合の消費電力を表す。状態ごとに消費電力関数を設定することで、状態によって同じ流量でも消費電力が異なる現象(ヒステリシス)を再現できる。各状態において消費電力を施設の吐出流量から算出する関数は、必ずしも施設の吐出流量のみの関数である必要はない。ポンプ施設の吸込み側にある吸込井の水位や、他の施設の吐出流量にパラメータとして依存する関数であってもよい。
図11のコストモデルでは、ポンプ消費電力の非線形性や、台数運転ヒステリシスによる多値性も含めて精緻なコスト評価を行なうことができる。これに対して、特許文献1に記載の配水量(吐出流量)に比例するコストモデルを用いた場合は、図11Bにみられる非線形性や多値性を再現することができない。
全ての吐出流量の範囲でみると下に凸の曲線となっているため、吐出流量が小さい場合や大きい場合に誤差が大きくなる。小さい吐出流量や、ヒステリシスによる多値性の影響する吐出流量では、比例コストモデルは相対的に20%以上も過大あるいは過小に偏った評価値となりえる。
図11Bの例では、1号機ポンプのみが稼働している状態AXと、2号機ポンプのみが稼働している状態AYとで異なる消費電力関数を持っている。これは1号機と2号機の機器特性が異なることによる消費電力の違いを表現している。1号機と2号機がたとえ同型のポンプであっても、経年変化によって機器特性に差異が生じることもある。図11Aのような運転状態を考慮したコストモデルを用いることで、こうした場合においても精緻なコストの評価が行なえる。
コスト計算部112では、制御対象施設ごとにステートマシン(状態遷移機械)をもち、コストモデルの状態遷移関係をシミュレートしながら、状態に応じた消費電力関数でコスト(消費電力)を計算し、各時間のコスト(消費電力)を積分することで当該施設のコスト(消費電力量)を算出する。
コストモデルは、吐出流量の瞬時値から消費電力の瞬時値を評価するものであるが、運用計画データ340に一般的に用いられる10分から1時間程度の平均値に対してもそのまま適用する。一般的に、上水道施設の吐出流量の変化は比較的ゆるやかで、10分程度では大きくは変化しないこと、また水源からの取水や配水池への送水などでは1時間に1回以下の頻度でしか吐出流量を切り替えないことから上記の適用方法でも精度は保たれる。また、10分程度より短い時間ではポンプの起動・停止にかかる過渡現象の影響が大きいため、10分程度以上の平均化流量を用いることが望ましい。
先述したとおり、本実施例のコストモデルの評価対象はポンプの消費電力を賄うのに要する電力料金としてもよい。一般に電力料金は、電力消費の少ない夜間に単価が低い。夜間の単価は昼間の1/3程度となることもあり、活用が望ましい。上水道運用計画を日量ではなく1時間単位以下のピッチで立案することで、単価の変化を含めた電力料金の評価が可能で、夜間電力を活用する上水道運用計画が立案できる。
図12を参照して、コストモデル記憶部123に格納されるコストモデル情報のうち、図11と同一の施設の別のコストモデルを説明する。図11と同様に、図12Aは、状態遷移関係を表す状態遷移図、図12Bは、各状態での消費電力関数を重ねて表示したグラフである。
図12のコストモデルは、図11のコストモデルを近似的に簡単化したコストモデルの例である。図12Aにおいて、状態A、B、Cとは、施設のポンプ運転台数の情報を表す。具体的には、状態Aは、ポンプ運転台数が1台という運転状態を表す。
状態Aは、図11Aの状態AXおよび状態AYを統合した状態、状態Bは、図11Aの状態Bと同等の状態、状態Cは、図11Aの状態Cと同等の状態を表現している。状態の統合により、状態Aにおける消費電力関数は、状態AXおよび状態AYのそれぞれの消費電力関数の値を平均化した関数としている。平均化により、1号機ポンプと2号機ポンプの機器特性の差異を考慮したコスト評価は行なえなくなるが、モデルが簡単化されることにより、ポンプ号機の累積運転時間を考慮する必要がなくなるなど、コスト評価が簡便となるメリットがある。
運用計画最適化部113にて多数の運用計画データ340を生成して評価する際、コスト評価の簡便化によって、コスト評価に要する計算量が削減されることや、最適化問題のクラスが変わることでより高速な最適化手法が利用可能になる。もし1号機ポンプと2号機ポンプの機器特性に有意な差異がない場合、図11のコストモデルと比べて、コスト評価に新たな誤差を生じさせることなく、より簡単なモデルに図12のコストモデルはなっている。
図13を参照して、コストモデル記憶部123に格納されるコストモデル情報のうち、図11と同一の施設の別のコストモデルを説明する。図13において、図11と同様に、図13Aは、状態遷移関係を表す状態遷移図、図13Bは、各状態での消費電力関数を重ねて表示したグラフである。
図13のコストモデルは、図12のコストモデルをさらに近似的に簡単化したコストモデルの例である。図13Aにおいて、状態は状態Aの一つだけであり、状態遷移のないモデルとなっている。また、図13Bにおいて、消費電力関数は、図12Bの複数の消費電力関数を、単一の区分的に線形な関数(折れ線)で近似した関数である(区分線形近似)。なお、図13Bにおいて、破線は、近似前の図12Bの消費電力関数を表す。
状態遷移のないモデルにより、ポンプ運転台数の差異によるコストの多値性は考慮できない。また非線形な関数を区分線形近似することによる誤差も生じる。しかしながら、図12の説明でも述べたとおりコストモデルを簡素化することによるメリットは、高まる。本実施例で、コストモデルは、運用計画データ340の評価に用いられることを考えると、一定の評価誤差は許容される。なぜならば、需要予測部114から出力される需要予測値にも誤差はあるため、需要予測値から計算される運用計画データ340も、制御時には必然的に誤差を生じるためである。
全ての制御対象施設のコストモデルにおいて、図13のように消費電力関数を区分線形近似すると、運用計画最適化部113およびコスト計算部112を、線形計画問題、あるいは混合整数線形計画問題の最適化エンジンによって実装することができる。このため、高速解法が可能で、最適な運用計画の立案に要する計算時間を短縮することができる。
図14を参照して、コストモデル記憶部123に格納されるコストモデル情報のうち、固定速ポンプ3台からなる施設の流量−エネルギーコストモデルを説明する。の例である。この施設では、回転数制御やバルブ開度制御を基本的に行なわず、ポンプの起動・停止のみで吐出流量や吐出圧力を制御している。
図14Aは、状態遷移関係を表す状態遷移図、図14Bは各状態での消費電力関数を重ねて表示したグラフである。図14Aにおける状態A、B、Cは、図12Aと同様に、ポンプ運転台数を表す情報である。上述のように回転数制御やバルブ制御を行なわない場合、一般的に吐出流量は、ポンプ運転状態に応じた離散的な値のみをとる。図14Bの消費電力関数も、ポンプ運転状態に応じた離散的な吐出流量にのみ消費電力の値をとる関数となっている。
一方、この施設において図13のように状態遷移の除去および区分線形近似によるモデルの簡単化を行なう場合、図14Bの破線で示す消費電力関数を選ぶことができる。
図15を参照して、コストモデル構築部111における、一つの制御対象施設に対してコストモデルを構築する処理フローを説明する。ここではまず、図11から図13で説明した施設151について、コストモデルの構築処理を説明する。
状態遷移関係の構築のステップ1401で、コストモデル構築部111は、制御ルール記憶部122に格納されている情報を用いて、当該施設の各ポンプ号機の稼働・停止状態を再現する状態遷移関係を作成する。図7の制御ルールテーブル310では、運転台数切替流量テーブル320と、ポンプ号機運転順序313とを用いる。また、図11Aの説明で述べたような、各状態の間で状態遷移する条件を決定し、各状態の担当する吐出流量の範囲を定める。
図14のように、固定ポンプの台数運転制御のみを行なう場合、図8Bの管路モデルと、各状態での稼働中のポンプ号機の機器特性を用いて、状態で実現する吐出流量を求める。複数台ポンプが並列で運転している際の、合成された流量−揚程特性は、次のように求められる。揚程がH1のとき1号機ポンプの吐出流量がQ11、2号機ポンプの吐出流量がQ12とすると、1号機ポンプと2号機ポンプが稼働している際には、揚程がH1のとき吐出流量はQ11+Q12となる。上記のような合成された流量−揚程特性と、図8Bの管路モデルとの交点が、状態で実現される吐出流量となる。
消費電力関数の算出のステップ1402で、コストモデル構築部111は、状態遷移関係の構築のステップ1401で得た各状態について、消費電力を施設の吐出流量から算出する関数(消費電力関数)を定める。ある状態を選ぶと、吐出流量の範囲(下限値および上限値)と、稼働するポンプの号機一覧とが決まっている。吐出流量を、上記範囲内で固定した場合を考える。ポンプ回転数制御やバルブ制御があれば、図7の制御ルールテーブル310で示した吐出圧力と吐出流量の制御方式315に則って、固定した吐出流量を実現する制御パラメータを定める。その制御パラメータに応じた、各ポンプ号機の消費電力を図6の説明で述べたように機器特性情報から算出し、各ポンプ号機の消費電力を総和して施設の消費電力として定める。
図11のコストモデルで、状態Cを考える。担当する範囲内にて吐出流量Qを固定する。すると図8Aの吐出圧力設定(推定末端圧一定)から、制御目標の吐出圧力Pが定まる。一般的には吐出圧力Pは単位変換することでポンプの揚程Hと近似できるので、ポンプの揚程Hが定まる。より厳密には、ポンプ吸込み井の水位に応じた補正が加わるため、こうした補正の影響を考慮してもよい。
機器特性情報(流量−揚程特性)から、揚程Hのときの固定速3号機ポンプの吐出流量Q3が定まる。図7の配水ポンプ場Bの行に記載の通り、残る流量(Q−Q3)を可変速ポンプ1号機および2号機で同一流量ずつに担当すればよい。ポンプ1号機および2号機のそれぞれについて、機器特性情報(流量−揚程特性)から揚程がHでありかつ流量が(Q−Q3)/2となる回転数S1、S2が定まる。こうして求めた揚程H、流量Q1、Q2、Q3から、各ポンプ号機の効率η1、η2、η3も求まり、図6の説明で述べた式にて各ポンプ号機の消費電力E1、E2、E3を算出できる。吐出流量Qのときの当該施設の消費電力は、E1+E2+E3と定める。
モデルの簡素化のステップ1403で、コストモデル構築部111は、必要に応じて、図11のコストモデルから図12のコストモデル、さらに図13のコストモデルで説明したような、コストモデルの簡素化を行なう。簡素化の観点は、状態遷移関係の簡単化と、消費電力関数の簡単化がある。
図11のコストモデルでは、状態AXと状態AYは、担当する吐出流量の範囲がほぼ同一で、また消費電力関数も同一の吐出流量では差が小さく、互いに類似した状態と言える。これはポンプ1号機とポンプ2号機が互いに同型のポンプであるような場合に実現される。吐出流量の範囲の差分と、消費電力関数の差が一定の閾値以下であるような、互いに類似した状態を見出し、それらの状態を統合することで図12のコストモデルへとモデルを簡素化できる。
一方で、消費電力関数は非線形関数であるが、区分的に線形な関数で近似することができる。具体的には、任意にいくつかの吐出流量を選択し、選択した吐出流量における点をグラフ上で結んだ折れ線は、一つの区分線形近似となる。近似の精度を各吐出流量における差の2乗和として評価し、この2乗和が最小となるような近似を求めてもよい。
このようにして得られたコストモデルは、簡素化の程度、すなわち、コストモデルの精密さ、あるいは近似の程度とともに、コストモデル記憶部123に格納する。
図16を参照して、運用計画最適化部113に格納される最適な運用計画データ340を説明する。図16において、運用計画データ340は、種別341と、時刻342と、計画流量343とから構成される。
運用計画データ340は、各制御対象施設に対して、将来の30分刻みの各期間における吐出流量の計画値の情報を有する。なお制御対象施設でなくとも、ポンプ運用と関連の深い項目、具体的には配水池の水位などについて、将来の各時刻の計画値を含めることとしてもよい。
図17を参照して、施設制約記憶部124に格納される施設制約情報を説明する。図17において、施設制約情報350は、種類351と、項目352と、内容353とから構成される。
施設制約情報350は、制御対象施設などの各施設にて、運用計画データ340が満たすべき制約の情報を格納している。図17に示す通り、制約として、ポンプ施設の吐出流量の範囲(上下限値)や、ポンプ施設の吐出流量の切替回数の上限、ポンプ施設の吐出流量の変化量の最大値、配水池の水位の範囲(上下限値)、制御対象施設の間の接続関係などが挙げられる。
図18を参照して、機器特性・制御ルール更新部115の処理フローを説明する。なお、図2に示した制御対象設備171をもつ制御対象施設151を取り上げて説明する。
流量−揚程特性の更新のステップ1701で、機器特性・制御ルール更新部115は、図5に示した流量−揚程特性を、更新する。ここでは、流量−揚程特性を式11
H=f(Q,A,B,C) …(式11)
ただし、
H:揚程[m]
Q:吐出流量[m^3/h]
でモデル化し、係数A、B、Cを定めると流量−揚程特性が定まる。また、回転数制御は、ポンプの相似則でモデル化する。すなわち、定格回転数S0を用いて、回転数Sのときの流量−揚程特性は式12
H=f(Q×S/S0,A,B,C)×S^2/S0^2…(式12)
でモデル化する。関数fの具体例としては、図5の説明で取り上げた式2、式3を用いることができる。
実績運用データ記憶部126より、過去1か月間など、一定期間の運用実績データから、吐出圧力P、吐出流量Q、吸込み井の水位、各ポンプ号機の稼働・停止状況、各可変速ポンプ号機の回転数を抽出する。吐出圧力Pと吸込み井の水位から、ポンプの揚程Hを推定する。各ポンプ号機において、係数A、B、Cを仮に定めた場合、実績の稼働・停止状況および回転数を用いて、揚程Hのときの吐出流量Q1、Q2、Q3が推定できる。その推定吐出流量の総和Q1+Q2+Q3と、実績吐出流量Qの差の自乗(Q−Q1−Q2−Q3)^2を、運用実績データについて和をとった値(残差自乗和)が最小となるように各ポンプ号機の係数A、B、Cを定めればよい。
残差自乗和を最小にする係数の決定手法には、滑降シンプレックス法などの一般的な最適化手法を用いることができる。
流量−効率特性の更新のステップ1702で、機器特性・制御ルール更新部115は、図6に例を示した流量−効率特性を、更新する。ここでは、流量−効率特性を式13
η=g(Q,A,B,C) …(式13)
ただし、
η:効率[−]
Q:吐出流量[m^3/h]
でモデル化し、係数A、B、Cを定めると流量−効率特性が定まる。また、回転数制御はポンプの相似則でモデル化する。すなわち、定格回転数S0を用いて、回転数Sのときの流量−揚程特性は、式14
η=g(Q×S/S0,A,B,C) …(式14)
でモデル化する。このとき消費電力は、
E=k・Q・H/η …(式15)
ただし
E:消費電力[kW]
k:比例係数[kWh/m^4]
H:揚程[m]
とモデル化できる。関数gの具体例としては、図5の説明で取り上げた式2、式3を用いることができる。
実績運用データ記憶部126より、過去1か月間など、一定期間の運用実績データから、吐出圧力P、吐出流量Q、各ポンプ号機の稼働・停止状況、各可変速ポンプ号機の回転数、各ポンプの消費電力を抽出する。吐出圧力Pと吸込み井の水位から、ポンプの揚程Hを推定する。各ポンプ号機において、係数A、B、Cを仮に定めた場合、実績の稼働・停止状況および回転数、先に更新した流量−揚程特性を用いて、揚程Hのときの吐出流量Q1、Q2、Q3と、消費電力E1、E2、E3が推定できる。その推定消費電力E1、E2、E3と、対応する実績消費電力の差の自乗を、運用実績データについて和をとった値(残差自乗和)が最小になるように各ポンプ号機の係数A、B、Cを定めればよい。
残差自乗和を最小にする係数の決定手法には、例えば滑降シンプレックス法などの一般的な最適化手法を用いることができる。
機器特性・制御ルール更新部115による機器特性情報の更新処理により、機器の劣化に伴う特性変化に対応したコストの評価が行なえる。また、ポンプ施設の新設や改修を行なったときに、当初はポンプ仕様に記載の特性値を設定して評価を始めて、運用実績が蓄積するにしたがってより運用実態に合った機器特性情報に更新していくことができる。
本実施例では機器特性記憶部121に格納される機器特性情報のみの更新を扱ったが、図8Bに例を示した管路モデルなど、制御ルール記憶部122に格納される情報を実績運用データから更新してもよい。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
101…上水道中央監視制御装置、110…中央処理装置(CPU)、111…コストモデル構築部、112…コスト計算部、113…運用計画最適化部、114…需要予測部、115…機器特性・制御ルール更新部、120…メモリ、121…機器特性記憶部、122…制御ルール記憶部、123…コストモデル記憶部、124…施設制約記憶部、125…運用計画記憶部、126…実績運用データ記憶部、130…メディア入出力部、140…入力部、141…ヒューマンインタフェース部、142…通信部、145…表示部、180…周辺機器IF部、190…バス、400…ネットワーク、500…上水道監視制御システム。

Claims (8)

  1. 取水ポンプ施設と、送水ポンプ施設と、配水ポンプ施設とを制御対象とする水道中央監視制御装置において、
    前記制御対象施設のポンプ号機ごとの機器特性を記憶する機器特性記憶部と、前記制御対象施設で各ポンプ号機の運転方式などを定める制御ルールを記憶する制御ルール記憶部と、前記機器特性記憶部と前期制御ルール記憶部の情報をもとに、前記制御対象施設ごとにコストモデルを構築し、コストモデル記憶部に格納するコストモデル構築部と、前記コストモデル記憶部に記憶されたコストモデルを用いて水道運用計画データの運用コストを評価するコスト計算部と、前記コスト計算部で評価される運用コストを最小とする最適な水道運用計画データを作成する運用計画最適化部と、前記最適な運用計画データを前記制御対象施設へと送信する通信部と、運転員とのインタフェースを行なうヒューマンインタフェース部とを有し、
    前記コストモデルは、制御対象施設のポンプ運転台数を状態とする状態遷移関係と、各状態での制御対象施設の吐出流量を入力としてコストを与える関数とからなり、
    前記コスト計算部は、前記コストモデルの状態遷移表現を実行する状態遷移機械によって構成されることを特徴とする水道中央監視制御装置。
  2. 請求項1に記載の水道中央監視制御装置であって、
    さらに、実績運用データ記憶部と機器特性・制御ルール更新部とを有し、
    前記通信部は、制御対象施設から運転実績に関する情報を収集して前記実績運用データ記憶部に格納し、
    前記機器特性・制御ルール更新部は、前記運用実績に関する情報から、前記機器特性記憶部に記憶された機器特性情報、および前記制御ルール記憶部に記憶された制御ルール情報を更新することを特徴とする水道中央監視制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の水道中央監視制御装置であって、
    前記コストモデル構築部は、制御対象施設のポンプ号機の稼働・停止状態ごとに独立の状態を有する状態遷移表現をもつコストモデルを、類似した状態を統合することで状態遷移表現を簡素化したコストモデルへ変換する機能を有し、各状態での制御対象施設の吐出流量を入力としてコストを与える関数を、区分的に線形な関数で近似する機能を有することを特徴とする水道中央監視制御装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の水道中央監視制御装置であって、
    前記コストモデルの制御対象施設の吐出流量を入力としてコストを与える関数は、前記機器特性記憶部に記憶された、ポンプの吐出流量と揚程との関係を表す特性と、ポンプの吐出流量と効率との関係を表す特性と、を用いて、前記制御ルール記憶部に記憶された、吐出流量あるいは吐出圧力を設定する制御方式により定まる可変速ポンプの回転数と、バルブの減圧幅とを用いて計算されることを特徴とする水道中央監視制御装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の水道中央監視制御装置であって、
    前記制御ルール記憶部に記憶された、配水ポンプ施設の吐出圧力を設定する制御方式として、推定末端圧力一定制御、あるいは吐出圧力一定制御を用いることを特徴とする水道中央監視制御装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の水道中央監視制御装置であって、
    前記コスト計算部で評価し、前記運用計画最適化部で最小化する運用コストは、
    水道施設の運用に要する消費電力、
    あるいは前記消費電力を賄うための電力料金、
    あるいは前記消費電力の温室効果ガス換算値のいずれかであることを特徴とする水道中央監視制御装置。
  7. 請求項1から請求項6に記載の水道中央監視制御装置を計算機サーバで実現し、
    通信ネットワークを介して制御対象施設と接続することで、
    水道中央監視制御装置が運用計画データを制御対象施設に送信し、実績運用データを制御対象施設から収集するよう構成された水道監視制御システム。
  8. 取水ポンプ施設と、送水ポンプ施設と、配水ポンプ施設とを制御対象とする水道監視制御プログラムにおいて、
    コンピュータを
    前記制御対象施設のポンプ号機ごとの機器特性を記憶する機器特性記憶部と、前記制御対象施設で各ポンプ号機の運転方式などを定める制御ルールを記憶する制御ルール記憶部と、前記機器特性記憶部と前期制御ルール記憶部の情報をもとに、前記制御対象施設ごとにコストモデルを構築し、コストモデル記憶部に格納するコストモデル構築部と、前記コストモデル記憶部に記憶されたコストモデルを用いて水道運用計画データの運用コストを評価するコスト計算部と、前記コスト計算部で評価される運用コストを最小とする最適な水道運用計画データを作成する運用計画最適化部と、前記最適な運用計画データを前記制御対象施設へと送信する通信部と、運転員とのインタフェースを行なうヒューマンインタフェース部と、として機能させ、
    前記コストモデルは、制御対象施設のポンプ運転台数を状態とする状態遷移関係と、各状態での制御対象施設の吐出流量を入力としてコストを与える関数とからなり、
    前記コスト計算部は、前記コストモデルの状態遷移表現を実行する状態遷移機械によって構成されることを特徴とする水道監視制御プログラム。
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