JP4365598B2 - 広域プラントの最適運用制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の施設を流体供給対象とする広域プラント、例えば広域上水道プラントの運用において、原水の取水量や浄水場での総ろ過量、浄水場から配水池への送水量の時間的変動を極力低減化し、かつ、ポンプの電力消費量も極力低減化するよう最適化し、安定かつ効率的な水運用制御を実現する広域プラントの最適運用制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上水道プラント運用の意志決定支援を、計算機を用いて行う場合、対象とする配水区域の需要を予測し、その予測値に基づいて最適な運用計画を演算する。複数の施設を対象とする広域上水道プラントでは、扱う施設数が増大し、その運用方法も複雑となるため、運用計画を最適化する演算時間が膨大となってしまい、実用上支障を来す虞がある。
【0003】
上水道プラントの自動制御においては、計算機が作成した運用計画に基づいてプラントを運用し、制御する場合、浄水を安定的に生産し、かつ、断水させることなく安定的に需要家へ供給することが絶対命題となる。同時に、プラント運用上、運用コストや設備保守費等の点から効率的にプラントを運用・制御することも求められる。したがって、このような観点からの要望を満たすような最適、もしくは、これに代わり得る近似的に最適なプラント運用計画を作成できるか否かが重要なポイントとなる。
【0004】
近年、プラントの複雑化、大規模化に伴い、上述のような最適、もしくは、近似的に最適なプラント運用計画を実用的な時間内で迅速に演算することが困難な状況となっている。特に広域プラントでは、水道事業体の浄水場や配水場といった施設が散在しており、これらを一括して監視制御する広域監視の流れが定着しつつある。このような場合には、日々のプラント運用計画を迅速に演算することはますます困難となる。
【0005】
そこで、このような問題を解決するために、複雑もしくは大規模なプラントでも高速に最適、もしくは、近似的に最適な運用計画を演算し、効率的で安定的なプラント運用を実現する広域プラントの最適運用制御装置の実現が必要となる。
【0006】
上水道プラント運用の意思決定支援を、計算機を用いて行う場合、対象とする配水区域の需要予測に基づいて最適な運用計画を演算する(例えば、特許文献1参照)。複数の施設を対象とする広域上下水道プラントでは、扱う施設数が増大し、その運用方法も複雑となるため、運用計画を最適化する演算時間が膨大となってしまい、実用上支障を来す虞がある。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−128078号公報 (図1とその説明)
【特許文献2】
特開2001−55763号公報 (図2とその説明)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
管理・運用施設の統合化・広域監視化に伴い、効率的かつ安定的な上水道プラント運用を実現し、かつ、実用性を失うことなく高速に最適なプラント運用計画を作成するプラント運用制御装置の実現が必要となっている。
【0009】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、複数の施設を対象とする広域プラント運用において、原水の取水量や浄水場での総ろ過量、浄水場から配水池への送水量の時間的変動を極力低減化し、かつ、ポンプの電力消費量も極力低減化するよう、高速に最適化し、安定かつ効率的な水運用制御を実現する広域プラントの最適運用制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
複数の施設を対象とする広域プラントの運用を最適制御する、広域プラントの最適運用制御装置において、
必要な設定値および/または条件を入力するデータ入力部と、
前記プラントを運用するために用いるプロセスデータの計測値および/または種々のパラメータ設定値などのデータを蓄積する実績データベース部と、
前記データ入力部を介して入力された天候情報および前記実績データベース部に蓄積された過去の実績需要値を参照して運転該当日以降の単位時間あたりの需要量を予測する需要予測部と、
この需要予測部で得られた単位時間あたりの予測需要量および前記プラントにおけるプロセスの計測値に基づいて該当日の単位時間あたりの運用流量とその流量とする時刻からなる変数の組を遺伝子とし、運用流量とその流量とする時刻が変更されるときのみその変数の組が存在するような可変長の遺伝子の列として扱う遺伝的アルゴリズムに従って、複数の施設を対象とする広域プラントの最適もしくは最適に近い運用計画を演算する運用計画部と、
この運用計画部で得られた広域プラント運用演算結果と必要なその他のデータを出力するデータ出力部と
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の広域プラントの最適運用制御装置において、運用計画部で初期個体を生成する際、制約条件を満たす実行可能解となる初期個体がある時間内に生成できたか否かを判定し、生成できなかった場合に、初期個体の生成を中止させる初期個体生成タイマー部を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の広域プラントの最適運用制御装置において、実績データベース部に蓄積されている過去のプラント運用を初期個体として生成して運用計画部に提供する実績初期個体生成部を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項2に記載の広域プラントの最適運用制御装置において、人為的にデータ入力手段から設定したプラント運用案を初期個体として生成して運用計画部に提供するヒューリスティック初期個体生成部を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項5に係る発明は、請求項2に記載の広域プラントの最適運用制御装置において、運用計画部で得られたプラント運用計画に対し、他の最適化手法でさらに最適化演算を行うハイブリッド最適化部を備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項6に係る発明は、請求項2に記載の広域プラントの最適運用制御装置において、運用計画部で最適なプラントの運用計画が得られなかった場合に、運用計画部に、制約条件を緩和してさらに最適化演算を行わせる制約緩和運用計画部を備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項2に記載の広域プラントの最適運用制御装置において、
前記運用計画部で得られたポンプ運転台数の運用計画が時間的に見て部分的に減少するものになっているとき、最適化のための評価値と制約条件を比較しながらその運用計画を平滑化する運転台数平滑化部を備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項2に記載の広域プラントの最適運用制御装置において、
前記運用計画部で得られたポンプ運転台数の運用計画が時間的に見て部分的に増加するものになっているとき、最適化のための評価値と制約条件を比較しながらその運用計画を平滑化する運転台数平滑化部を備えたことを特徴とする。
【0018】
請求項2に記載の広域プラントの最適運用制御装置において、
前記運用計画部で得られたポンプ運転台数の運用計画が時間的に見て上り階段状になっているとき、最適化のための評価値と制約条件を比較しながらその運用計画を平滑化する上り階段平滑化部を備えたことを特徴とする。
【0019】
請求項2に記載の広域プラントの最適運用制御装置において、
前記運用計画部で得られたポンプ運転台数の運用計画が時間的に見て下り階段状になっている場合に、最適化のための評価値と制約条件を比較しながらその運用計画を平滑化する下り階段平滑化部を備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項11に係る発明は、請求項2に記載の広域プラントの最適運用制御装置において、プラントにローカル制御コントローラが存在し、プラント運用制御装置からは制御できない機器が含まれているとき、ローカル制御を模擬し、その結果を運用計画部に入力してプラントの運用計画を演算させるローカル制御模擬計画部を備えたことを特徴とする。
【0021】
請求項12に係る発明は、請求項2に記載の広域プラントの最適運用制御装置において、プラントから時間的遅れを伴う場所で必要とする流量に対してプラントから供給するとき、時間的遅れを考慮して、運用計画部で得られた運用計画に対してプラントから見た必要量を修正する時間遅れ修正部を備えたことを特徴とする。
【0022】
請求項13に係る発明は、請求項2に記載の広域プラントの最適運用制御装置において、広域プラントは広域上水道プラントであり、各下流施設の水位計画が予め定めた範囲内に収まっているか否かを定期的に監視し、満たしている場合には監視を継続し、満たしていない場合には、まずその施設のみ再計画し、その結果、他の施設の制約条件が満たされていれば再計画結果に基づいて広域プラントを運用し、他の施設の制約条件が満たされていなければその施設の上流に位置する施設も含めた再計画を逐次繰り返すための再計画判定部を備えたことを特徴とする。
【0023】
請求項14に係る発明は、請求項1に記載の広域プラントの最適運用制御装置において、所望の運用設定値がプラント運用上の制約条件を満たすか否かを確認できるようシミュレーションを行うシミュレーション部を備えたことを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明による最適運用制御装置の一実施形態を示すブロック図、図2は図1の最適運用制御装置を適用する広域上水道プラントを示す系統図である。
【0025】
<実施の形態の構成>
図2に示す広域上水道プラントでは、広域上水道施設として複数(図では8箇所)の配水池41〜48を対象とし、共通の浄水場40からこれらの配水池41〜48へ配水する。浄水場40は河川などから原水を取水ポンプなどで取水し、着水井を経て、混和池で薬品を注入し、凝集・沈澱・ろ過といった浄水化手段によって浄水化処理を行う。得られた浄水は塩素による殺菌処理を施された後、浄水池を経て、送水ポンプにより、各配水池を経由してそれぞれの配水区へ配水される。もちろん、浄水場40から直接一般家庭などの配水区域に配水されることもあり得る。図2に示す広域上水道施設においては、第1群の配水池41〜44と第2群の配水池45〜48とに大きく2分されている。図において、管路どうしをつなぐ節点が符号51で示され、また必要に応じて各管路または配水池に直列にバルブ52が介挿され、さらに各管路を流れる水の流量を測定する流量計(例えば、電磁流量計)53が必要に応じて各所に設けられている。
【0026】
図1に示す最適運用制御装置は、図2に示されている広域上水道プラントを最適運用制御するものであって、データ入力部2、データ出力部4、実績DB部(実績データベース部)6、需要予測部8、運用計画部10、初期個体生成タイマー部12、実績初期個体生成部14、ヒューリスティック初期個体生成部16、ハイブリッド最適化部18、制約緩和運用計画部20、凹平滑化部22、凸平滑化部24、上り階段平滑化部26、下り階段平滑化部28、ローカル制御模擬計画部30、時間遅れ修正部32、再計画判定部34およびシミュレーション部36を備えている。
【0027】
データ入力部2は、広域プラントの最適運用上、必要な設定値や条件を入力する入力処理手段である。データ出力部4は、最適運用制御装置による広域プラントの最適運用演算結果とその他の必要データを出力する出力処理手段である。実績DB部6は、プロセスデータの計測値や種々のパラメータ設定値などのデータを保存するデータベースである。需要予測部8は、天候情報や過去の実績需要値などから運転該当日以降の単位時間あたりの需要量を予測する。運用計画部10は、需要予測部8で得られた単位時間あたりの予測需要量とプロセスの計測値に基づいて該当日の単位時間あたりの運用水量とその流量とする時間の変数の組を遺伝子とし、運用水量とその流量とする時間が変更されるときのみその変数の組が存在するような可変長の遺伝子の列として扱う遺伝的アルゴリズムであって、複数の施設を対象とする広域プラントの最適もしくは最適に近い運用計画を演算する。
【0028】
初期個体生成タイマー部12は、初期個体を生成する際、制約条件を満たす実行可能解となる初期個体がある時間内に生成できたか否かを判定し、生成できない場合には、初期個体の生成を中止するために用いられるタイマーである。実績初期個体生成部14は、実績DB部6に蓄積されている過去のプラント運用を初期個体として使用するためのものである。ヒューリスティック初期個体生成部16は、人為的にデータ入力手段から設定したプラント運用案を初期個体として使用するための手段である。ハイブリッド最適化部18は、得られたプラント運用計画をさらに、それ以外の最適化手法で最適化演算を行う。 制約緩和運用計画部20は、最適なプラントの運用計画が得られない場合に、制約条件を緩和して最適化演算を行う。
【0029】
凹平滑化部22は、運用計画部10によって演算された運用計画が凹状になっている場合に、最適化のための評価値と制約条件を比較しながらその運用計画を平滑化する。同様に、凸平滑化部24は、運用計画が凸状になっている場合に、最適化のための評価値と制約条件を比較しながらその運用計画を平滑化する。上り階段平滑化部26は、運用計画が上り階段状になっている場合に、最適化のための評価値と制約条件を比較しながらその運用計画を平滑化する。さらに、下り階段平滑化部28は、運用計画が下り階段状になっている場合に、最適化のための評価値と制約条件を比較しながらその運用計画を平滑化する。
【0030】
ローカル制御模擬計画部30は、プラントにローカル制御コントローラがあって、プラント運用制御装置からは制御できない機器が含まれている場合に、ローカル制御を模擬し、その結果を運用計画部10に入力してプラントの運用計画を演算させる。時間遅れ修正部32は、プラントから時間的遅れを伴う場所で必要とする量に対して、プラントから供給する場合、時間的遅れを考慮して、プラントから見た必要量を修正する。
【0031】
再計画判定部34は、各施設(配水場41〜48)の制約条件が満たされているか否かを所定の手順に従って定期的に監視し、満たしている場合には監視を継続し、満たしていない施設がある場合には、まずその施設のみ再計画する。その結果、他の施設の制約条件が満たされているなら再計画結果に基づいて広域プラントを運用することとする。他の施設の制約条件が満たされないならば、その施設の上流に位置する施設も含めた再計画を逐次繰り返していく。
【0032】
シミュレーション部36は、データ入力部2から入力された所望の運用設定値がプラント運用上の制約条件を満たすか否かを確認できるようシミュレーションを行う。
【0033】
本実施形態は、以上の構成部分からなる最適運用制御装置により、複数の施設を対象とする広域上水道プラント運用において、原水の取水量や浄水場での総ろ過量、浄水場40から配水池41〜48への送水量の時間的変動を極力低減化し、かつ、ポンプの電力消費量も極力低減化するよう、高速に最適化し、安定かつ効率的な水運用制御を実現しようとするものである。
【0034】
<実施の形態の作用>
まず図1に示す最適運用制御装置の基本的機能について説明する。
需要予測部8における配水の需要予測方法としては、統計的な手法や最小自乗法、GMDH(Grouping Method of Data Handling)などの各種同定手法、ニューラルネットワークによる方法などが考えられるが、本実施形態においては特定の手法に限定されるものではなく、どの手法によってもよい。需要予測部8および運用計画部10は、1日1回以上、定刻に起動する。まず、定刻前までに、需要予測に必要なデータを、データ入力部2を介して手動又は自動で入力する。ここでデータとは、例えば、需要予測をしたい日の天気予報や最高気温または最低気温の予報といった天候情報や、それまでに得られた天候情報の実績値や需要量実績値などである。需要予測部8での需要予測の結果はある単位時間ごとに少なくとも1日の区切りの時刻分までを出力する。もちろん、必要に応じて、2日分以上にわたる需要予測を行ってもよい。
【0035】
需要予測結果とプラントの現在の計測値(浄水の送水計画であれば、配水池の水位や送水ポンプの流量、運転台数、配水量など、浄水場内での総ろ過流量の計画であれば、浄水池水位や、各ろ過池の洗浄タイミング、ろ過池洗浄水量、排水池水位など)と、送水ポンプ流量特性、配水池41〜48や浄水池40、排水池の容量(運用水位上下限値)などのパラメータに基づいて、浄水池40や配水池41〜48の運用水位上下限の逸脱や配水量予測値に不足なく、かつ、急激な総ろ過量や送水量の変化を引き起こさない水運用計画を運用計画部10が最適演算する。この際、運用コストをできるだけ低減化するように考慮することもあり得る。この場合、必要であれば、電力消費のピーク時間となる時間帯にポンプの運転可能な台数を制約することも考えられる。
【0036】
こうして、該当日の単位時間あたりの運用水量とその流量とする時間の変数の組を遺伝子とし、運用水量とその流量とする時間が変更されるときのみ、その変数の組が存在するような可変長の遺伝子の列として扱う遺伝的アルゴリズムによる運用計画部10は、プラント機器の最適な運用計画を単位時間ごとに少なくとも1日の区切りの時刻分までを出力する。もちろん、必要に応じて、2日分以上にわたる運用計画を行ってもよい。
【0037】
いま、図2の広域上水道プラントのうち、浄水池40から送水ポンプによって、配水池41〜48を経由して画配水区へ浄水を配水するプロセスを想定して説明することとする。もちろん、自然流下で浄水池40から配水池41〜48へ送水したり、配水池から配水区へ配水したりすることもあるが、ここでは、送水ポンプで送水し、配水ポンプで配水することとしても、受水池側の流量調節弁、もしくは、浄水池出側の流量調節弁のいずれかの開度設定値を離散的に設定することとすれば、それらのバルブ開度設定値の離散値がポンプ1台の吐出流量に相当すると考えることにより、一般性を失うことはない。
【0038】
また、送水プロセスに対する考え方は、浄水場40から各配水池41〜48への送水量を配水需要に見立てるとともに、ろ過池の洗浄水や場内で使用するその他水量も配水需要に含め、浄水池を配水池に、ろ過池を送水ポンプに見立て、かつ、洗浄タイミングによるろ過池の休止を送水ポンプの制約条件とみなすことにより、総ろ過流量計画にもほぼそのまま適用できるので、浄水場内での総ろ過流量計画の最適化も同様に行うことができる。もちろん、送水から総ろ過流量計画までを一括して最適化することも同様の考え方で可能である。
【0039】
ある時刻kで浄水池から配水池への送水量Qp(k)は起動する送水ポンプや配管に取り付けられたバルブの開度によって制御される。その目標となる流量を離散的に何段階かに設定することとする。これを流量ステップと呼ぶ。例えば、バルブであれ、ポンプであれ、とにかく送水量の物理的最大値が仮に100m3/hだとするなら、これを仮に5区分に分けることとすると、流量ステップは0、20、40、60、80、100m3/hとなり、これらが送水計画として取り得る送水量を表すこととなる。
【0040】
いま、回転数(回転速度)固定の固定速ポンプn台のみで送水するものとすると、固定速ポンプの台数と送水計画として取り得る送水量の離散値は1対1に対応する。説明の簡単さのため、以降この場合を想定して説明する。
【0041】
単位時間あたりの運用水量とその水量とする時間の変数の組を遺伝子とし、運用水量とその流量とする時間が変更されるときのみその変数の組が存在するような可変長の遺伝子の列として扱う遺伝的アルゴリズムでは、図3に示すように、遺伝子を表現する。
【0042】
図3では、図2に示した各施設(配水池41〜48)における各時刻での受水量を表している。いま、配水池がN個(図示の例では、8個)あるものとするとき、配水池を1から順に番号付けし、これを施設番号と呼ぶ。施設番号iの受水量計画値を(時刻、流量ステップ)の組で表現することとする。この組を遺伝子とする。したがって、時間は計画開始時刻から終了時刻までをとる整数値となり、流量ステップは予め定めた流量の離散的な目標値で実数値をとる。この遺伝子の組は、本発明に従い、計画すべき時間帯すべてに対して存在するのではなく、受水量が変更となる時刻に関してのみ持つこととする。これにより、受水量が一定の場合には遺伝子の組は1つで済むことになり、メモリ容量を節約することができ、結果的に最適解を探索する対象領域を絞ることにもつながる。このように、本発明においては、遺伝子の組(列)の長さが可変であり、これを可変長遺伝子列と呼ぶ。可変長遺伝子列では、図4に示すような受水計画が仮に施設番号1のものだとすると、図3の施設番号1のように表現することができる。
【0043】
いま、各配水池41〜48での受水計画量の総和が浄水場40からの送水計画量となるので、考えている送水計画の最適化問題を次のように定式化することとする。定式化の方法は、どのような送水計画を最適化したいかによって変わるので、一意ではないが、どのように定式化したとしても、以下に示すような組み合わせ最適化問題と呼ばれる定式化であれば、該当日の単位時間あたりの運用水量とその流量とする時刻の変数の組を遺伝子とし、運用水量とその流量とする時刻が変更されるときのみ、その変数の組が存在するような可変長の遺伝子の列として扱う遺伝的アルゴリズムによって、最適化、もしくは、近似的に最適化することができる。
【0044】
【数1】
Figure 0004365598
【数2】
Figure 0004365598
施設番号iの受水量計画を表す遺伝子(時刻、流量ステップ)と上述の目的関数および制約条件における変数との対応は、
(時刻、流量ステップ)=(k,x(k))
となる。
【0045】
このような問題は一般に組み合わせ最適化問題と呼ばれ、図3に示したように、該当日の単位時間あたりの運用水量とその流量とする時刻の変数の組を遺伝子とし、運用水量とその流量とする時刻が変更されるときのみ、その変数の組が存在するような可変長の遺伝子の列として扱う遺伝的アルゴリズムを適用することによって、最適または近似的に最適な運用計画を高速に得ることができる。その演算手順を以下に示す。
【0046】
遺伝的アルゴリズム
<STEP-1> 初期個体群の生成
ランダムに遺伝子を割り当てて生成した個体をそれぞれ予め定義した個数n個発生させる。制約条件を満足していない場合は新たにランダムに遺伝子を割り当てて生成しなおす。
<STEP-2> 各個体の評価
各個体の適応度fおよび平均適応度を計算する。
<STEP-3> 淘汰処理
制約条件を満足しない個体や予め定義した個体数以上の個体が存在する場合は、適応度の悪い(適応度の小さい)個体をその定義した個数になるまで淘汰(削除)する。
<STEP-4> 増殖処理
予め定義した個体数より個体数が少ない場合、適応度最良の個体を増殖(コピー)する。
【0047】
<STEP-5> 交叉処理
ランダムにペアリングを行う。ペアリングは全個体数に対する割合(交叉率)分だけ行い、ペアごとに、ランダムに遺伝子座(遺伝子の場所)を選び、一点交叉(選んだ遺伝子の場所から交互に遺伝子のセットを交換)させる。
<STEP-6> 突然変異処理
全個体数に対する割合(突然変異率)分だけランダムに個体を選び、各個体の任意(ランダムに決定する)の遺伝子座の遺伝子を変更させる。
<STEP-7> 終了判定処理
<STEP-2>〜<STEP-6>を繰り返す。但し、<STEP-2>においては、その世代における平均適応度が前数世代の平均適応度と比較して、ある値ε(任意に設定する値)以下またはある世代数(繰り返し回数の上限値)以上であれば、アルゴリズムを終了する。
【0048】
また、<STEP-1>〜<STEP-7>が予め定義された時間内に終了しなければ、アルゴリズムを強制的に終了する。
なお、個体とは、図3に示した1つの遺伝子列のことをいう。
【0049】
ここで、<STEP-5>で述べた「交叉」について説明する。図5に示すように、施設番号が同じ(図示の例では、「2」の)遺伝子列を2つランダムに選択する。さらに、その遺伝子の組の場所、すなわち、(時刻、流量ステップ)のある個数の場所を乱数で選択し、交換する。図5の例では、3個目と4個目の間で交換する。このとき、交換した結果、同じ時刻以降の遺伝子が含まれる新しい遺伝子列が生成することがある(図5では、下に位置する子の11時以降の流量ステップは5であるのに対し、10時以降、流量ステップ6という遺伝子が存在)。この場合には、後ろに付加された遺伝子が優先されることとする。つまり、前に現れた同じ時刻の遺伝子は後ろの遺伝子が優先され、無視されるものとする(図5では、10時から11時まで流量ステップは6であり、11時以降流量ステップは5となる)。これを全体の個体数に対して、決められた割合(交叉率)に従って操作する。これを交叉と呼ぶ。
【0050】
さらに、<STEP-6>で述べた突然変異とは、図6に示すように、ある個体(親)がランダムに選ばれたとき、例えば、遺伝子組の最後に新たな遺伝子(15,4)がランダムに突然追加・変更されることを突然変異と呼ぶ。突然変異は全体の遺伝子のうち、決められた割合(突然変異率)に従って操作される。交叉および突然変異で増加した遺伝子の組において、時刻が重なる場合には、後で付加された遺伝子の組が優先されるものとする。
【0051】
遺伝的アルゴリズムの<STEP-1>において、初期個体を生成する際、初期個体生成タイマー部12により設定した時間内に式(6)の制約条件を満足する個体を生成できなかった場合、乱数による初期個体の生成を停止し、ヒューリスティック初期個体生成部16において以下のような手順により、初期個体をヒューリスティック(経験に基づき発見的)に生成する。
【0052】
計画を作成する対象時間帯の先頭時刻、例えば、当日0時から翌日0時までの24時間(1日)の計画を作成するのであれば、当日の0:00時点での受水流量を初期値とし、1日ずっと、その初期値のまま受水した場合を考える。もし、配水池の水位が対象時間内すべてにおいて、式(6)を満たすのであれば、それを初期個体とする。ある時刻で式(6)を満たさないことが分かったら、式(6)を満たすように受水流量を変更し、以降の時間帯は変更後の流量計画とする。この操作を全時間で式(6)を満たすまで変更していく。なお、初期個体として、式(6)を満たすものが1つでも作成できれば、所定の個数nの個体が生成できなくても良いものとする。
【0053】
<STEP-1>で示したように、初期個体をランダム生成するだけでなく、過去の実績値から遺伝子列に変換し、予め定義した個数だけ初期個体として取り込むこともできる。
【0054】
広域プラントの最適運用制御装置において、データ入力部2から人為的に初期個体を設定することができる。上記の例では、実績値から遺伝子列に変換して初期個体として取り込んだが、ここでは、運転員などのユーザが人為的に入力することによって、効率的に可変長の遺伝子の列として扱う遺伝的アルゴリズムで算出する運用計画を最適解に近づけることができる。
【0055】
可変長の遺伝子の列として扱う遺伝的アルゴリズムで得た運用計画が最適化ではなく、最適解に近い近似的最適解である場合、それを他の最適化手法の初期値として入力し、最適解を算出することができる。最適化手法としては分岐限定法や動的計画法などが挙げられるが、特定のものに限定されることはない。
【0056】
運用計画部10が演算した運用計画が予め定めた時間内に完了しない場合や、予め定めたプラントの状態の上下限範囲を満たさない場合、制約緩和運用計画部20を介して、予め定めたプラントの状態の上下限範囲を制約条件から除外し、代わりに物理的な上下限範囲を新たな制約条件に設定することによって、制約条件を緩和し、さらに、運用計画の最適化演算における目的関数にプラント状態の元の上下限範囲からの逸脱量にペナルティを課すよう含めて運用計画を演算することができる。
【0057】
この最適化問題を解く演算が予め定めた時間、例えば、1分などで完了しなかった場合、もしくは、予め定めたプラントの状態の上下限範囲(例えば、配水池の運用水位上下限値)を満たさない場合は、予め定めたプラントの状態の上下限範囲を制約条件から緩和し、運用計画の最適化演算における目的関数にプラントの状態の上下限範囲からの逸脱量にペナルティを課すよう、以下のように最適運用計画を再演算する。
【0058】
【数3】
Figure 0004365598
また、式(2)に示す目的関数fに式(9)を付加し、式(8)のように変更する。
【数4】
Figure 0004365598
但し、wji(k):施設番号iの時刻kでの最適化重みj、j=5、6とする。
【0059】
遺伝的アルゴリズムの<STEP-1>において得られる最適または近似的に最適な運用計画のある時間帯について、図7(a)の左側に示すような凹状計画(ある時間帯で下に凸のグラフ形状をもって変化する場合)、あるいは同図(b)の左側に示すような凸状計画(ある時間帯で上に凸のグラフ形状をもって変化する場合)、同図(c)の左側に示すような上り階段状計画、同図(d)の左側に示すような下り階段状計画となった場合、そのときの最適化のための評価値と制約条件(目的関数や適応度)が悪化しないならば、図7(a)〜(d)のそれぞれにおいて、左図から右図への状態変化のように各計画に対し平滑化部により平滑化処理を施すことができる。このための平滑化部がそれぞれ凹平滑化部22(図7(a)参照)、凸平滑化部24(図7(b)参照)、上り階段平滑化部26(図7(c)参照)、および下り階段平滑化部28(図7(d)参照)である。これらの平滑化部は、該当日の単位時間あたりの運用水量とその流量とする時刻の変数の組を遺伝子とし、運用水量とその流量とする時刻が変更されるときのみ、その変数の組が存在するような可変長の遺伝子の列として扱う遺伝的アルゴリズムをより効果的に作用させるために、導入したヒューリスティックな操作であり、主に式(2)において、y(k)を含む項の改善に効果を発揮する。特に、最適化のための評価値と制約条件が悪化しないとき、かつ、平滑化しても制約条件を満足するときのみ平滑化を行い、そうでない場合は平滑化を行わないという点が重要である。
【0060】
プラントにローカル制御コントローラが存在し、プラント運用制御装置からは制御できない機器が含まれている場合、プラント運用制御装置にローカル制御を模擬し、その結果をプラント運用計画部10に入力してプラントの運用計画を演算するローカル制御模擬計画部30を備えることができる。
【0061】
例えば、図8に示すように、浄水池50から配水区53までの間に、第1送水ポンプ群61、第1配水池51、第2送水ポンプ群62、第2配水池52、および配水ポンプ群63が配置されているものとし、さらに浄水池50から第1配水池51への送水計画を最適化する場合、時刻kでの需要量に相当する配水区53での配水需要予測値qdi(k)に対し、いま、第1配水池51から第2配水池52への送水ポンプの起動停止といった制御は、送水計画と無関係にローカル制御がかかっているものとする。
【0062】
この場合、第2配水池52にとっての需要予測値は需要予測を行えば得られるが、第1配水池51にとっての需要予測に相当する量(第1配水池51から第2配水池52への送水量)は分からない。そこで、第2送水ポンプ群62の制御シーケンスはいろいろ考えられるが、いまは、ごく単純に第2配水池52の水位h(k)が適切に定義した第2配水池52の水位h(k)に関する上限しきい値Hmaxおよび下限しきい値Hminに対し、h(k)>Hmaxなら、第2送水ポンプ群62を全台停止させ、h(k)<Hminなら、第2送水ポンプ群62を全台起動するものとする。kは1分周期であったり、5分周期であったり、適切な計算周期を設定するものとする。なお、第2配水池52の水位h(k)の計算には、式(7)を使用すればよい。
【0063】
このようにすることによって、どのタイミングで第2送水ポンプ群62が起動もしくは停止するかが分かるので、運用計画部10で計算する最適運用計画の時間的な計画刻み(1時間単位で24時間分とか、30分単位で24時間分などの○○単位のこと)に模擬して得られた結果を整えて、運用計画部10へ入力すれば、第1送水ポンプ群61による最適もしくは近似的に最適な送水計画を得ることができる。
【0064】
例えば、時刻1:34に100m3/hの第2送水ポンプ群62が3:00まで運転するとき、運用計画部10への入力として、1時台は100×(60−34)/60=43.3m3/h、2時台は100m3/hとなる。このような演算を必要な時間分行えば、第1配水池51から見た需要予測値にあたる第2配水池52への送水量が分かり、最適もしくは近似的に最適な送水計画を演算することができる。
【0065】
このように、ローカル制御コントローラが存在し、プラント運用制御装置からは制御できない機器が含まれている場合でも、装置内でローカル制御を模擬し、その結果を運用計画部10に入力することにより、最適もしくは近似的に最適な運用計画を演算することができる。
【0066】
送水ポンプが設置されている場所と配水池が数kmにもわたり離れている場合のように、プラントから時間的遅れを伴う場所で、必要とする送水量に対してプラントから送水する場合、この時間的遅れを考慮しないと、制御上問題を生じ得る。例えば、浄水が送水ポンプの設置場所から配水池へ到達するのに10分かかるとした場合、送水量を時刻11:00に100m3/hから150m3/hに増やさないと配水池の水位が下限を下回ってしまうといった場合、10分前にその量を想定して、送水量を増やす必要がある。
【0067】
そこで、図9(a)に示すように、需要予測を10分単位で行っているとするとき、浄水が送水ポンプの設置場所から配水池へ到達するのに10分かかるとしたら、図9(b)に示すように、単純に10分すなわち1ステップ分先送りした量を需要予測値とする。図9(a)は当初の需要予測値を示すものであり、同図(b)は単純に1ステップ分先送りした状態、すなわち図上で1ステップ分だけ左側にずらした状態を示すものである。もし、送水ポンプの設置場所から浄水が配水池へ到達するのに20分かかるなら、20分すなわち2ステップ分の先送りとすればよい。そして、運用計画部10で計算する最適運用計画の計画刻み(1時間単位で24時間分とか、30分単位で24時間分などの○○単位のこと)に合わせて、需要予測値を加工して使用する。例えば、10:00〜11:00の間の需要予測値qdi(11)を1時間単位で、上述したように時間遅れを考慮して求める場合、まず、もともと10分単位で需要予測させているという仮定なので、下表に示すように、時間遅れなしの場合の10分単位での需要予測値が1日分得られる。
【0068】
【表1】
Figure 0004365598
これをそのまま踏襲して、10時台、1時間分の需要予測値を求めると、
110+120+130+120+130+130=610
になる。
【0069】
いま、10分が時間的遅れなので、10分すなわち1ステップ先送りすると、
10時台、1時間分の需要予測値は、
120+130+120+130+130+120=620
となる。これを1日分操作し、結果を運用計画部10へ入力する。
【0070】
このようにすることによって、プラントから時間的遅れを伴う場所で、必要とする流量に対してプラントから供給する場合でも、時間的遅れを考慮した運用計画を作成することができる。
【0071】
最適運用制御装置で作成した運用計画に関し、各施設の水位計画がある範囲に収まっているか否かを定期的に監視し、満たしている場合には監視を継続し、満たしていない場合には、まずその施設のみ再計画する。その結果、他の施設の制約条件が満たされるなら再計画結果に基づいて広域プラントを運用することとする。他の施設の制約条件が満たされないならば、その施設の上流に位置する施設も含めた再計画を逐次繰り返していく。これによって、数ある施設の計画と実績のずれに起因する頻繁な計画修正を防止することができる。
【0072】
また最適運用制御装置において、運転員が所望の運用設定値でプラント運用を検討する場合、式(6)に示すようなプラント運用上の制約条件(例えば、池の運用上下限水位)を満たすか否か、確認できるよう水収支シミュレーションを行うシミュレーション部36を備えるのが有用である。これは、各配水池での受水量をデータ入力部2で任意に設定し、配水量の需要予測値と配水池の現在水位をもとに、以降の水位変化をシミュレーションするものである。これにより、設定した運用上下限水位範囲に収まるか否かを確認できるため、以降の運用をどうするかについて運転員が検討するための有効なデータを提供することができる。なお、運用計画部10で算出した最適運用計画をもとに運転員が修正を加える際の検討も運用計画部10の演算結果を設定すれば可能である。
【0073】
<その他の実施の形態>
以上述べた最適運用制御は上水道プラントを制御対象として説明したが、本発明は、上水道プラントだけでなく、広い地域に散在するポンプ場から下水処理場への家庭排水などの流入量や雨水貯留施設における雨水排水ポンプ運転による雨水排水量の平滑化はもちろん、地域冷暖房プラントにおける冷温水または蒸気供給のための熱源機器や、熱プラントのエネルギー効率を考慮した最適運転、複数の発電所等からなる発電プラントの機器劣化や電力需要に則した最適プラント自動制御にも同様に適用することができる。その場合、例えば、上水道における浄水場、配水池、バルブは、それぞれ下水道における下水処理場、ポンプ場、ゲート(またはバルブ)に対応し、また、上水道における浄水場およびバルブは、それぞれ地域冷暖房プラントにおける熱源プラントおよびバルブに対応する。さらに、上水道における流量は、蒸気量等を含めて一般的には下水では下水量、地域冷暖房では蒸気量、温水量、冷水量、電力では電力量に対応する。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、複数の施設を対象とする広域プラント運用において、原水の取水量や浄水場での総ろ過量、浄水場から配水池への送水量等の時間的変動を極力低減化し、かつ、ポンプの電力消費量も極力低減化するよう、高速に最適化し、安定かつ効率的な流体運用制御を実現する広域プラントの最適運用制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による最適運用制御装置の一実施形態を示すブロック図。
【図2】図1の最適運用制御装置を適用する広域上水道プラントの一構成例を示す系統図。
【図3】可変長遺伝子列の例を説明する図。
【図4】可変長遺伝子列が表す受水流量のイメージを説明する図。
【図5】可変長の遺伝子の列を扱う遺伝的アルゴリズムの交叉方法の説明図。
【図6】可変長の遺伝子の列を扱う遺伝的アルゴリズムの突然変異方法の説明図。
【図7】凹状、凸状、上り階段状、および下り階段状の計画を説明する図。
【図8】ローカル制御を含むプロセス例を説明する図。
【図9】時間遅れ修正部を説明する図。
【符号の説明】
2 入力部
4 データ出力部
6 実績DB部
8 需要予測部
10 運用計画部
12 初期個体生成タイマー部
14 実績初期個体生成部
16 ヒューリスティック初期個体生成部
18 ハイブリッド最適化部
20 制約緩和運用計画部
22 凹平滑化部
24 凸平滑化部
26 上り階段平滑化部
28 下り階段平滑化部
30 ローカル制御模擬計画部
32 時間遅れ修正部
34 再計画判定部
36 シミュレーション部
40 浄水場
41〜48 配水池
50 浄水池
51 第1配水池
52 第2配水池
53 配水区
61 第1送水ポンプ群
62 第2送水ポンプ群
63 配水ポンプ群

Claims (14)

  1. 複数の施設を対象とする広域プラントの運用を最適制御する、広域プラントの最適運用制御装置において、
    必要な設定値および/または条件を入力するデータ入力部と、
    前記プラントを運用するために用いるプロセスデータの計測値および/または種々のパラメータ設定値などのデータを蓄積する実績データベース部と、
    前記データ入力部を介して入力された天候情報および前記実績データベース部に蓄積された過去の実績需要値を参照して運転該当日以降の単位時間あたりの需要量を予測する需要予測部と、
    この需要予測部で得られた単位時間あたりの予測需要量および前記プラントにおけるプロセスの計測値に基づいて該当日の単位時間あたりの運用流量とその流量とする時刻からなる変数の組を遺伝子とし、運用流量とその流量とする時刻が変更されるときのみその変数の組が存在するような可変長の遺伝子の列として扱う遺伝的アルゴリズムに従って、複数の施設を対象とする広域プラントの最適もしくは最適に近い運用計画を演算する運用計画部と、
    この運用計画部で得られた広域プラント運用演算結果と必要なその他のデータを出力するデータ出力部と
    を備えたことを特徴とする広域プラントの最適運用制御装置。
  2. 請求項1に記載の広域プラントの最適運用制御装置において、
    前記運用計画部で初期個体を生成する際、制約条件を満たす実行可能解となる初期個体がある時間内に生成できたか否かを判定し、生成できなかった場合に、初期個体の生成を中止させる初期個体生成タイマー部を備えたことを特徴とする広域プラントの最適運用制御装置。
  3. 請求項2に記載の広域プラントの最適運用制御装置において、
    前記実績データベース部に蓄積されている過去のプラント運用を初期個体として生成して前記運用計画部に提供する実績初期個体生成部を備えたことを特徴とする広域プラントの最適運用制御装置。
  4. 請求項2に記載の広域プラントの最適運用制御装置において、
    人為的にデータ入力手段から設定したプラント運用案を初期個体として生成して前記運用計画部に提供するヒューリスティック初期個体生成部を備えたことを特徴とする広域プラントの最適運用制御装置。
  5. 請求項2に記載の広域プラントの最適運用制御装置において、前記運用計画部で得られたプラント運用計画に対し、他の最適化手法でさらに最適化演算を行うハイブリッド最適化部を備えたことを特徴とする広域プラントの最適運用制御装置。
  6. 請求項2に記載の広域プラントの最適運用制御装置において、
    前記運用計画部で最適なプラントの運用計画が得られなかった場合に、前記運用計画部に、制約条件を緩和してさらに最適化演算を行わせる制約緩和運用計画部を備えたことを特徴とする広域プラントの最適運用制御装置。
  7. 請求項2に記載の広域プラントの最適運用制御装置において、
    前記運用計画部で得られたポンプ運転台数の運用計画が時間的に見て部分的に減少するものになっているとき、最適化のための評価値と制約条件を比較しながらその運用計画を平滑化する運転台数平滑化部を備えたことを特徴とする広域プラントの最適運用制御装置。
  8. 請求項2に記載の広域プラントの最適運用制御装置において、
    前記運用計画部で得られたポンプ運転台数の運用計画が時間的に見て部分的に増加するものになっているとき、最適化のための評価値と制約条件を比較しながらその運用計画を平滑化する運転台数平滑化部を備えたことを特徴とする広域プラントの最適運用制御装置。
  9. 請求項2に記載の広域プラントの最適運用制御装置において、
    前記運用計画部で得られたポンプ運転台数の運用計画が時間的に見て上り階段状になっているとき、最適化のための評価値と制約条件を比較しながらその運用計画を平滑化する上り階段平滑化部を備えたことを特徴とする広域プラントの最適運用制御装置。
  10. 請求項2に記載の広域プラントの最適運用制御装置において、
    前記運用計画部で得られたポンプ運転台数の運用計画が時間的に見て下り階段状になっている場合に、最適化のための評価値と制約条件を比較しながらその運用計画を平滑化する下り階段平滑化部を備えたことを特徴とする広域プラントの最適運用制御装置。
  11. 請求項2に記載の広域プラントの最適運用制御装置において、
    前記プラントにローカル制御コントローラが存在し、前記運用制御装置からは制御できない機器が含まれているとき、ローカル制御を模擬し、その結果を前記運用計画部に入力してプラントの運用計画を演算させるローカル制御模擬計画部を備えたことを特徴とする広域プラントの最適運用制御装置。
  12. 請求項2に記載の広域プラントの最適運用制御装置において、
    前記プラントから時間的遅れを伴う場所で必要とする流量に対して前記プラントから供給するとき、前記時間的遅れを考慮して、前記運用計画部で得られた運用計画に対して前記プラントから見た必要量を修正する時間遅れ修正部を備えたことを特徴とする広域プラントの最適運用制御装置。
  13. 請求項2に記載の広域プラントの最適運用制御装置において、
    前記広域プラントは広域上水道プラントであり、各下流施設の水位計画が予め定めた範囲内に収まっているか否かを定期的に監視し、満たしている場合には監視を継続し、満たしていない場合には、まずその施設のみ再計画し、その結果、他の施設の制約条件が満たされていれば再計画結果に基づいて広域プラントを運用し、他の施設の制約条件が満たされていなければその施設の上流に位置する施設も含めた再計画を逐次繰り返すための再計画判定部を備えたことを特徴とする広域プラントの最適運用制御装置。
  14. 請求項1に記載の広域プラントの最適運用制御装置において、
    所望の運用設定値が前記プラント運用上の制約条件を満たすか否かを確認できるようシミュレーションを行うシミュレーション部を備えたことを特徴とする広域プラントの最適運用制御装置。
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