JP6603156B2 - 下水道設備運転支援装置、そのシステムおよび方法 - Google Patents

下水道設備運転支援装置、そのシステムおよび方法 Download PDF

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本発明は、下水道施設における設備の運転計画を立案する下水道設備運転支援装置、そのシステム及びその方法に関する。
下水道施設では、家庭や工場から排出された汚水の収集から浄化、放流までの過程において、揚水ポンプやブロワ(送風機)などの下水設備によって多くの電力が消費される。下水道が使用する電力量は国内で消費される電力の約0.7%を占めるとされており、下水道事業者の電力使用量および電力コストの削減ニーズは非常に高い。そのため下水道施設では、電力使用量の削減やピークシフトを行うような効率的なポンプ等各下水設備の運転計画を立案し、上記運転計画に従った各設備の制御が行われている。上記のような制御は下水処理場や下水ポンプ場などの各施設単位で行われてきたが、近年は下水道施設個別の制御だけではなく、複数下水施設の各設備をトータルで制御する技術も開発されている。例えば、特許文献1には、下水処理場のエネルギー使用量や環境負荷を最小化するように、下水管路上に多数配置されたポンプ場のポンプ運転計画を立案する技術が記載されている。
特開2006−4097号公報
特許文献1に記載の技術では、使用エネルギー量や環境負荷が最小になるように複数の下水ポンプ場の最適な運転計画を立案するとしている。しかしながら、特許文献1における環境負荷とは、ポンプの起動に要するエネルギー使用に伴うCO2排出量を指しており、水環境に対する悪影響、例えば処理水質の悪化による放流先河川の水質悪化や周辺環境における悪臭発生などを示してはいない。そのため特許文献1に記載の技術では、電力使用量やCO2排出量を最小化するようなポンプ運転計画を立案できるとしても、例えばポンプ運転シフトによって長期間の汚水貯留が行われた場合の汚水の腐敗や、処理水質の悪化や悪臭の発生などに対処することは難しい。
本発明の目的は、水環境に対する環境負荷を低減することができる下水設備の運転計画の立案を提供することにある。
本発明による下水道設備運転支援装置は、好ましくは、下水処理場における下水設備の運転計画を立案する下水道設備運転支援装置であって、該下水設備の運転に伴う水環境負荷を定量化したペナルティ値を計算する式を制約条件に含み、かつ下水設備の電力使用量および該ペナルティ値を最小化する目的関数からなる設備運転計画問題を定式化する計画問題設定部と、前記設備運転計画問題を解いて前記下水設備の運転計画を立案する計画問題求解部と、前記計画問題求解部により立案された運転計画を該下水処理場へ配信する運転計画配信部と、
を有する下水道設備運転支援装置として構成される。
また、上記下水道設備運転支援装置において動作する下水道設備運転支援方法として把握される。更に、当該下水道設備運転支援装置及び下水処理場における監視制御装置を含む、下水道設備運転支援システムとして把握される。
本発明によれば、水環境に対する環境負荷を低減できる下水設備の運転計画の立案が可能となる。
一実施形態における下水道設備運転支援システムの全体構成の概略図。 一実施形態における下水処理場における主な下水設備の構成図。 一実施形態における施設情報管理テーブル141を示す図。 一実施形態における設備情報管理テーブル142を示す図。 一実施形態におけるペナルティ管理テーブル143を示す図。 一実施形態における計測データ管理テーブル145を示す図。 一実施形態における制約緩和管理テーブル144を示す図。 一実施形態における設備運転計画案の一例を示す図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は下水道設備運転支援システムの全体構成を示す。
下水道設備運転支援システム100は、複数の下水管網13、複数の下水処理場10−1〜10−6、複数の下水処理場とネットワーク120を介して接続される下水道設備運転支援装置101が含まれる。
家庭や工場から排出される汚水は、下水管網13を経て下水処理場10−j(j=1、…、6)まで輸送される。下水管網13は排水区域11−k(k=1、…、6)ごとに分割されており、各排水区域11−kの汚水はそれぞれ対応する下水処理場10−jに流入するようになっている。各下水処理場10では汚水の処理を行い、処理水を河川12−i(i=1、2)に放流する。図示の例では、下水処理場10−1〜10−3が処理水を河川12−1に放流し、処理場10−4〜10−6が処理水を河川12−2に放流している。以後、下水処理場、排水区域、および河川を特に区別する必要がない場合、それぞれ下水処理場10、排水区域11、河川12と記すことにする。下水処理場10には、各下水設備の監視および制御を行うための監視制御装置200が設置されている。各下水処理場10の監視制御装置200はネットワーク120を介して下水道設備運転支援装置101と相互に接続される。
下水管網上には、実際には下水処理場だけでなく、汚水の流下を支援する中継ポンプ場などの下水道施設も設置されている(図示なし)。本実施形態では、説明の簡単化のため、終末処理場である下水処理場10のみを運転支援の対象とするが、下水処理場以外の下水道施設を運転支援の対象としてもよい。
図2は、下水処理場10における主な下水設備の構成を示す。
下水管網13を経由して下水処理場10に流入した汚水は沈砂池206に一旦貯留され、砂やゴミの除去が行われた後、揚水ポンプ201によって反応槽207に送られる。反応槽207では、汚水に微生物の入った汚泥(活性汚泥)を混ぜ、ブロワ202より空気を送り込むことで微生物の活動を活発化させ汚水中の有機物を分解する。反応槽207で処理された水は塩素接触槽208において塩素消毒され、河川12に放流される。また反応槽207に沈殿した汚泥は汚泥貯留槽209に一旦貯留され、濃縮機や脱水機などの汚泥処理設備203によって水分の少ない土状の脱水ケーキにされ、焼却や埋め立て処分される。
監視制御装置200は、流量計205による汚水流入量の監視、および揚水ポンプ201、ブロワ202、汚泥処理設備203等の下水設備の運転状況の監視とそれらの制御を行い、また揚水ポンプ201を運転する運転員の管理も行う。各下水設備から得られる監視データ及び運転員に関するデータはネットワーク120を介して下水道設備運転支援装置100へ送信され、下水道設備運転支援装置100で一元管理される。
下水道設備運転支援装置100は、監視データに基づいて下水処理場10の各下水設備の運転計画を立案する。ここで揚水ポンプ201の運転計画は、所定時刻単位(例えば30分単位)ごとのポンプ揚水量を示すものである。また監視制御装置200は、反応槽207内のDO(溶存酸素量)計測値(DO計の図示なし)に基づいてブロワ202のDO目標値制御を行っているため、ブロワ202の運転計画は、所定時刻単位ごとのDO目標値を示すものである。汚泥処理設備203の運転計画は、所定時刻単位ごとの汚泥処理量を示すものである。下水道設備運転支援装置100で立案された運転計画案は、各下水処理場10の監視制御装置200へ配信される。監視制御装置200は、配信された運転計画案に従って各下水設備の制御を行う。下水処理場10には運転員が在勤しており、運転員は自らの設備運転ノウハウに基づいて、監視制御装置200を介して上記運転計画やDO目標値を変更して下水設備の運転制御を行うことができる。
下水処理場10は、実際には上記以外にも多くの下水処理設備を備えている。本実施形態では、説明の簡単化のため、電力使用量が大きな主な下水設備である揚水ポンプ201、ブロワ202、汚泥処理設備203を制御対象とするが、他の設備を制御対象とすることもできる。
次に、下水道設備運転支援装置101の構成について説明する。
下水道設備運転支援装置101は一般的なコンピュータであり、ハードウェア構成として、プログラムを実行して情報処理するプロセッサ(CPU)と、データやプログラムを記憶する半導体メモリやハードディスク等の記憶装置と、キーボードやマウス等の入力部121と、ディスプレイやプリンタ等の表示部122を有する。
プログラムがCPUで実行されることで、施設情報登録部123、データ収集部124、流入量予測部125、ポンプ運転領域算出部126、制約緩和設定部127、計画問題設定部128、計画問題求解部129、運転計画配信部130、等の各機能が実現される。記憶装置は、施設情報管理テーブル141、設備情報管理テーブル142、ペナルティ管理テーブル143、制約緩和管理テーブル144、計測データ管理テーブル145を記憶する。
施設情報登録部123は、入力部121より入力された下水処理場10とその下水設備に関する情報を所定のテーブルに登録する。データ収集部124は、各下水処理場10の監視制御装置200より送信された計測データ、設備運転データを収集する。流入量予測部125は、各下水処理場10に流入する1日の汚水流入量を予測する。ポンプ運転領域算出部126は、過去に行われた揚水ポンプの運転領域を算出する。制約緩和設定部127は、下水処理場10全体の設備運転計画問題において、制約条件を緩和する下水処理場を設定する。計画問題設定部128は、下水処理場10全体の設備運転計画問題を定式化する。計画問題求解部129は、上記定式化された設備運転計画問題を求解する。運転計画配信部130は、上記計画問題を解いて得られた設備運転計画案を各下水処理場10に配信する。
施設情報管理テーブル141は、下水処理場10に関する情報を管理するテーブルである(図3参照)。設備情報管理テーブル142は、下水処理場10内の下水設備に関する情報を管理するテーブルである(図4参照)。ペナルティ管理テーブル143は、下水処理場10の下水設備の運転に伴う水質悪化や悪臭発生などの水環境負荷に関する情報を管理するテーブルである(図5参照)。制約緩和度管理テーブル144は、下水処理場10全体の設備運転計画問題における制約条件の緩和に関する情報を管理するテーブルである(図6参照)。計測データ管理テーブル145は、下水処理場10の計測データ、設備運転データを管理するテーブルである(図7参照)。
本実施形態では、下水道設備運転支援装置101において、以下の処理(1)〜(8)の処理を実行することにより、水環境に対する環境負荷を低減した下水設備の運転計画の立案を行うことができるようになる。
(1)下水処理場とその下水設備等に関する情報の登録
(2)下水処理場の計測データ、設備運転データの収集
(3)下水処理場への汚水流入量の予測
(4)運転員に対応した揚水ポンプ運転領域の算出
(5)全下水処理場の設備運転計画問題の定式化
(6)設備運転計画問題の制約条件の緩和
(7)設備運転計画問題の求解
(8)設備運転計画案の配信
以下、図3〜8も参照しながら、処理(1)〜(8)の実現方法について、説明する。
(1)下水処理場とその下水設備等に関する情報の登録
まず、下水処理場とその下水設備等に関する情報の登録を行う処理について説明する。下水道設備運転支援装置101の管理者は、入力部121より、各下水処理場10の識別情報(処理場ID)、日平均処理量(放流量)、日平均電力使用量、放流先河川の識別情報(河川ID)を入力する。下水道設備運転支援装置101の施設情報登録部123は、入力された各下水処理場のエントリごとに、上記入力情報を施設情報管理テーブル141に登録する。図3に、施設情報管理テーブル141の一例を示す。
そして下水道設備運転支援装置101の管理者は、入力部121より、各下水処理場内の下水設備の識別情報(設備ID)、種別(揚水ポンプ、ブロワ、汚泥処理設備)、所属する下水処理場の識別情報、設備運転制約を入力する。下水設備の種別ごとに入力する設備運転制約は異なる。種別が揚水ポンプの場合は、揚水量パターン、沈砂池貯留量上限、ポンプ電力量計算式を入力する。ここで揚水量パターンとは、揚水ポンプの構成によって定まる揚水量の取りうる値であり、例えば揚水ポンプ201が10m3/分のポンプ3台から構成される場合、揚水量パターンは「10m3/分、20m3/分、30m3/分」となる。沈砂池貯留量上限とは、沈砂池206に貯留可能な汚水の上限であり、揚水ポンプ201は汚水貯留量が上記上限を超えないようにポンプ運転を行う必要がある。ポンプ電力量計算式とは、ポンプ揚水量によって定まる揚水ポンプ201の電力使用量の計算式である。本来は揚水量と揚程によって電力量が求まるが、本実施形態では簡易的に揚水量のみでポンプ電力量を計算するものとする。
また、下水設備の種別がブロワの場合は、ブロワ電力量計算式を入力する。ブロワ電力量計算式とは、反応槽207への汚水流入量(ポンプ揚水量)、ブロワのDO目標値によって定まるブロワ202の電力使用量の計算式である。ブロワ電力量計算式として、過去の実績データを用いてブロワ電力量を計算する統計モデルを構築しておけばよい。またはブロワ電力量計算式として、例えば国際水協会(IWA)が開発した活性汚泥モデル(ASM、Activated Sludge Model)を利用する方法も考えられる。これは反応槽内の物質(炭素、窒素、リン)の収支と微生物(活性汚泥)の各種反応を数式化することで処理水質や必要DO量、余剰汚泥発生量などの予測を行うものである。活性汚泥モデルのアルゴリズムは公知であり、例えばスイス連邦科学技術協会(EAWAG)が開発したAQUASIMなどのASM計算ソフトが提供されているため、本実施形態では詳細な説明を省略する。ASMにより必要DO量が算出され、DO目標値との比較により供給される酸素量が算出され、ブロワ電力量を計算することができる。
また、下水設備の種別が汚泥処理設備の場合は、汚泥処理量上限、汚泥貯留槽貯留量上限、汚泥処理設備電力量計算式を入力する。ここで汚泥処理量上限とは、汚泥処理設備203が処理可能な汚泥量の上限であり、汚泥処理設備203は上記上限値を超えた汚泥処理を行うことができない。汚泥貯留槽貯留量上限とは、汚泥貯留槽209に貯留可能な汚泥の上限であり、汚泥処理設備203は汚泥貯留量が上記上限を超えないよう運転を行う必要がある。汚泥処理設備電力量計算式とは、汚泥処理量によって定まる汚泥処理設備203の電力使用量の計算式である。
施設情報登録部123は、上記入力された各下水設備のエントリごとに、上記入力情報を設備情報管理テーブル142に登録する。図4に、設備情報管理テーブル142の一例を示す。
後述するように、下水道設備運転支援装置101では、下水設備の運転に伴う水質悪化や悪臭発生などの水環境負荷を少なくするような各下水処理場10の各下水設備の運転計画を立案する。そのため、ここでは各下水設備の運転に伴う水環境負荷を定量化したペナルティ指標を扱うものとする。下水道設備運転支援装置101の管理者は、入力部121より、各下水処理場内の各下水設備に関して、下水設備の運転に伴う水質悪化や悪臭発生などの水環境負荷を定量化したペナルティ計算式(関数)とペナルティの上限値を入力する。ペナルティの上限値を超える運転領域は運転不可領域となる。後述するように、ペナルティ計算式(関数)は、ペナルティ計算式管理テーブル143に登録される(図5参照)。
揚水ポンプ201は、電力使用量ピークシフトのためにポンプ運転をシフト(後ろ倒し)した場合、沈砂池206への汚水貯留が長期化し、水質悪化や悪臭が発生する可能性がある。よって揚水ポンプ運転に関するペナルティとして、平均汚水貯留時間が長いほどペナルティが上昇するようなペナルティ計算式とする。ペナルティ計算式は、過去の実績データを用いて統計的に作成するか、または運転員のノウハウに基づいて作成するものとする(後述の他の設備に関するペナルティ計算式の作成に関しても同様)。
またブロワ202は、電力使用量削減のためにDO目標値を低く設定した場合、反応槽207内の微生物への酸素供給量が減少し、水質悪化が発生する可能性がある。よってブロワ運転に関するペナルティとして、DO目標値が低いほどペナルティが上昇するようなペナルティ計算式を入力する。ここで、上記揚水ポンプ運転シフト(汚水長期貯留)に伴う水質が所定以上に悪化していた場合、ブロワのDO目標値低減による水質悪化が更に大きくなる可能性がある。よって揚水ポンプ運転に関するペナルティとブロワ運転に関するペナルティに依存関係をもたせ、揚水ポンプ運転に関するペナルティ値が所定の基準値A以上である場合は、ブロワ運転に関するペナルティ値を通常より高くするようにペナルティ計算式を入力する。
また汚泥処理設備203は、電力使用量ピークシフトのために汚泥処理をシフト(後ろ倒し)した場合、汚泥貯留槽209への汚泥貯留長期化により汚泥が腐敗し、悪臭発生や濃縮性、脱水性が悪化する可能性がある。よって汚泥処理設備運転に関するペナルティとして、平均汚泥貯留時間が長いほどペナルティが上昇するようなペナルティ計算式を入力する。
施設情報登録部123は、上記のように入力された下水設備ごとのペナルティ計算式をペナルティ管理テーブル143に登録する(図5参照)。なお、管理者はペナルティ計算式を関数形式で入力してもよいし、グラフ形式で入力してもよい。
上記のようにして、施設情報登録部123によって、下水処理場とその下水設備等に関する情報の登録処理が行われる。
(2)下水処理場の計測データ、設備運転データの収集
下水処理場10の監視制御装置200は、流量計205による下水処理場10への汚水流入量、および揚水ポンプ201の運転状況(揚水量)の監視と、揚水ポンプ201を運転した運転員の管理を行っている。そして監視制御装置200は、所定周期(例えば30分間隔)ごとに、監視により得られた計測データ(例えば流入量や揚水量等の監視データ)及び設備運転データ(例えば運転員データ)を、ネットワーク120を介して下水道設備運転支援装置101へ送信する。下水道設備運転支援装置101のデータ収集部124は、受信した下水処理場10ごとの計測データ及び設備運転データを収集し、この収集したデータを計測データ管理テーブル145に登録する。図6に、計測データ管理テーブル145の一例を示す。
このようにして、データ収集部124によって、下水処理場の計測データ及び設備運転データの収集処理が行われる。
(3)下水処理場への汚水流入量の予測
この処理は、所定周期(例えば毎日深夜0時)ごとに実施される。後述するように、下水道設備運転支援装置101では、各下水処理場10への汚水流入予測量に基づいて各下水処理場10の各設備の運転計画を立案する。そのため、ここでは各下水処理場10への汚水流入量予測を行う。一般に汚水流入量は、生活排水や工場・事業場排水によるものであるため、同一曜日、同一時間帯ごとに同様の汚水流入トレンドを示す傾向にある。下水道設備運転支援装置101の流入量予測部125は、計測データ管理テーブル145より、下水処理場10ごとの過去1か月分の流入量データの中から当日と同じ曜日の24時間分の流入量データを抽出し、時刻ごとの平均を取って下水処理場10ごとの当日24時間分の流入量予測データを作成する。
このようにして、流入量予測部125によって、下水処理場への汚水流入量の予測が行われる。
(4)運転員に対応した揚水ポンプ運転領域の算出
この処理は、上記汚水流入量予測処理(3)と連動して、上記処理(3)が行われた直後に実施される。運転員は揚水ポンプ201の運転方法が大きく変化するのを好まない傾向にある。そこで、下水道設備運転支援装置101では、後述するように、運転員が過去に行ったポンプ運転と類似したポンプ運転計画の立案を行う。ここでは運転員が過去に行った揚水ポンプ運転領域の算出を行う。ここで揚水ポンプ運転領域とは、揚水量のそれぞれのパターン値(揚水ポンプの構成によって定まる揚水量の取りうる値)の変化率の取りうる範囲(実績)を示す。
下水道設備運転支援装置101の管理者は、入力部121より、下水処理場10ごとの当日の運転員を入力する。運転員が初心者である場合や当日担当する下水処理場での運転経験がない場合は、当該下水処理場で運転経験のあるベテラン運転員を入力してもよい。下水道設備運転支援装置101のポンプ運転領域算出部126は、計測データ管理テーブル145より、下水処理場10ごとの過去1年分の揚水量データの中から、上記下水処理場10に対応する上記運転員の行った全ての揚水量データを抽出する。そしてポンプ運転領域算出部126は、設備情報管理テーブル142を参照し、当該下水処理場10に対応する揚水ポンプ201のパターン値を求め、上記抽出した全ての揚水量データに基づいて、上記パターン値の変化率の取りうる範囲(上下限値)を算出し、これを下水処理場10−jにおける当日の運転員の揚水ポンプ運転領域とする。これを数式で表すと以下のようになる。
・揚水量パターン={P(j、1)、P(j、2)、…、P(j、n)}(n:パターン数)
・時刻tのときの揚水量x1(j、t)=P(j、k)(k=1、…、n)のとき、
Pmin(j、k)≦x1(j、t+1)−x1(j、t)≦Pmax(j、k)
上記のようにして、ポンプ運転領域算出部126によって、運転員に対応した揚水ポンプ運転領域の算出処理が行われる。
(5)全下水処理場の設備運転計画問題の定式化
この処理は、上記揚水ポンプ運転領域算出処理(4)と連動して、上記処理(4)が行われた直後に実施される。下水道設備運転支援装置101の計画問題設定部128は、各下水処理場10に流入する汚水流入予測量を適正に処理し、かつ運転員が過去に行った揚水ポンプ運転と類似した(過去の運転領域から逸脱しない)ポンプ運転となり、かつ下水設備の運転に伴う水質悪化や悪臭発生などの水環境負荷を低減し、かつ全下水処理場、全下水設備のトータル電力量およびピーク電力量を低減するような設備運転計画の立案を行う。そのため、下水道設備運転支援装置101の計画問題設定部128は、上記処理(3)において算出した各下水処理場10の汚水流入量予測値、上記処理(4)において算出した各下水処理場10の運転員のポンプ運転領域、および設備情報管理テーブル142、ペナルティ管理テーブル143に登録された情報に基づいて、全下水処理場10の設備運転計画問題を以下のように定式化する。
[決定変数]
・x1(j、t):下水処理場10−jにおける揚水量
・x2(j、t):下水処理場10−jにおけるブロワDO目標値
・x3(j、t):下水処理場10−jにおける汚泥処理量
ここに、t:時刻
[制約条件]
・下水処理場10−jの沈砂池の水収支式
V(j、t+1)=V(j、t)+Q(j,t)−x1(j、t)
ここに、V(j、t):下水処理場10−jの沈砂池の汚水貯留量
Q(j、t):下水処理場10−jの汚水流入量予測値
・下水処理場10−jの沈砂池貯留量の上限制約
V(j、t)≦Vmax
・下水処理場10−jの汚泥貯留槽の汚泥収支式
W(j、t+1)=W(j、t)+S(j、t)−x3(j、t)
ここに、W(j、t):下水処理場10−jの汚泥貯留槽の汚泥貯留量
S(j、t):下水処理場10−jの反応槽からの汚泥引抜量(設定値)
・下水処理場10−jの汚泥貯留槽貯留量の上限制約
W(j、t)≦Wmax
・下水処理場10−jの汚泥処理量の上限制約
x3(j、t)≦x3max
・下水処理場10−jの揚水ポンプの電力使用量計算式e1
e1(j、t)=F1(j、x1(j、t))
・下水処理場10−jの揚水ポンプの電力使用量計算式e2
e2(j、t)=F2(j、x1(j、t)、x2(j、t))
・下水処理場10−jの汚泥処理設備の電力使用量計算式e3
e3(j、t)=F3(j、x3(j、t))
・下水処理場10−jの揚水ポンプに関するペナルティ計算式g1
g1(j、t)=G1(j、h1(j、t))
g1(j、t)≦g1max(揚水ポンプに関するペナルティ上限値)
汚水平均貯留時間h1(j、t)=V(j、t)/x1(j、t)
・下水処理場10−jのブロワに関するペナルティ計算式g2
g2(j、t)=G2(j、x2(j、t))
g2(j、t)≦g2max(ブロワに関するペナルティ上限値)
・下水処理場10−jの汚泥処理設備に関するペナルティ計算式g3
g3(j、t)=G3(j、h2(j、t))
g3(j、t)≦g3max(汚泥処理設備に関するペナルティ上限値)
汚泥平均貯留時間h2(j、t)=W(j、t)/x3(j、t)
・下水処理場10−jの運転員のポンプ運転領域制約
揚水量パターン={P(j、1)、P(j、2)、…、P(j、n)}(n:パターン数)
時刻tのときの揚水量x1(j、t)=P(j、k)(k=1、…、n)のとき、
Pmin(j、k)≦x1(j、t+1)−x1(j、t)≦Pmax(j、k)
[目的関数]
J=ΣΣeT(j、t)+ΣΣgT(j、t)+max{eA(t)}→min
ここに、eT(j、t)=e1(j、t)+e2(j、t)+e3(j、t)
(下水処理場10−jの時刻tの全設備のトータル電力量)
gT(j、t)=g1(j、t)+g2(j、t)+g3(j、t)
(下水処理場10−jの時刻tの全設備のトータルペナルティ)
eA(t)=ΣeT(j、t)
(時刻tの全処理場、全設備のトータル電力量)
上記定式化した設備運転計画問題において、境界条件として各下水処理場10に流入する汚水流入予測量を与えており、また制約条件に制約条件に当日の運転員(またはベテラン運転員)が過去に行ったポンプ運転領域制約を含んでおり、また目的関数Jの第1項は全施設、全設備のトータル電力量の削減項、第2項は全施設、全設備のトータルペナルティの削減項、第3項は全施設、全設備のトータル電力ピーク値削減項となるように定式化されている。よって上記設備運転計画問題を解くことにより、各下水処理場10に流入する汚水流入予測量を適正に処理し、かつ当該運転員が過去に行った揚水ポンプ運転またはベテラン運転員が過去に行ったベストプラクティスとなる揚水ポンプ運転と類似した(過去の運転領域から逸脱しない)ポンプ運転となり、かつ下水設備の運転に伴う水質悪化や悪臭発生などの水環境負荷を低減し、かつ下水処理場の電力使用量およびピーク電力使用量を低減する設備運転計画を得ることができるようになる。
このようにして、計画問題設定部128によって、全ての下水処理場の設備運転計画問題の定式化処理が行われる。
(6)設備運転計画問題の制約条件の緩和
この処理は、設備運転計画問題定式化処理(5)と連動して、上記処理(5)が行われた直後に実施される。上記処理(5)において定式化した設備運転計画問題は、下水設備に関する標準的な制約条件だけでなく、当日運転員のポンプ運転領域制約や環境負荷に関するペナルティ制約など多くの制約を含んでいる。そのため全ての制約条件を満たす実行可能領域が狭くなり、その結果設備の電力ピークシフト運転や電力削減運転が実行可能領域に入らなくなり、下水処理場の電力使用量およびピーク電力使用量を十分削減した設備運転計画案を立案できなくなる可能性がある。そこで、一部の下水処理場10においてポンプ運転領域制約やペナルティ制約を緩和して上記設備運転計画問題の実行可能領域を拡大し、下水処理場の電力使用量やピーク電力使用量を十分削減した設備運転計画案を立案できるようにする。
下水道設備運転支援装置101の制約緩和設定部127は、毎日のポンプ運転領域制約を緩和した下水処理場10とペナルティ制約を緩和した下水処理場10を制約緩和管理テーブル144で管理しており、制約緩和管理テーブル144を参照して、直近の所定期間内において制約緩和を行う下水処理場が特定の処理場に集中しないよう、当日制約緩和する下水処理場10をローテーションで決定する。ポンプ運転領域制約の緩和と、ペナルティ制約の緩和は、複数の下水処理場を対象とすることができる。図7に、制約緩和管理テーブル144の一例を示す。
このときポンプ運転領域制約の緩和により、ピーク電力使用量を削減(ピークシフト)したポンプ運転が可能となるが、電力使用量が少ない処理場のポンプ運転領域制約を緩和しても電力ピークシフトの効果は少ない。そのため制約緩和設定部127は、施設情報管理テーブル141を参照して、日平均電力使用量が所定値以上である電力使用量の大きな下水処理場の中から、その個数またはトータル電力使用量が所定値以上となるようにポンプ運転領域制約を緩和する下水処理場10を選定する。これにより電力ピークシフト効果が拡大し、下水処理場のピーク電力使用量を十分削減した設備運転計画を立案できるようになる。
またペナルティ制約の緩和により、電力使用量やピーク電力使用量を削減した揚水ポンプ、ブロワ、汚泥処理設備の運転が可能となるが、同じ河川に処理水の放流を行っている処理場にペナルティ制約の緩和が集中すると、上記河川の水質悪化リスクが高まる可能性がある。そのため制約緩和設定部127は、施設情報管理テーブル141を参照して各処理場と日平均汚水処理量(放流量)および放流先河川の対応関係を識別し、同一河川を放流先とする下水処理場の個数またはトータル放流量が所定値以下となるようにペナルティ制約を緩和する下水処理場10を選定する。これにより、電力使用量やピーク電力使用量を十分削減し、かつ同一河川に水質悪化リスクが集中しないような設備運転計画を立案できる。
そして制約緩和設定部127は、制約緩和の対象となる下水処理場10に関して、以下のようにして制約条件の緩和を行う。上記処理(5)において定式化した下水処理場10−jの運転員のポンプ運転領域制約について、揚水ポンプ201のパターン値の変化率の取りうる範囲(上下限)を所定値αだけ拡大するようにして制約条件を緩和する。これを数式で表すと以下のようになる。
・下水処理場10−jの運転員のポンプ運転領域制約
揚水量パターン={P(j、1)、P(j、2)、…、P(j、n)}(n:パターン数)
時刻tのときの揚水量x1(j、t)=P(j、k)(k=1、…、n)のとき、
Pmin(j、k)−α≦x1(j、t+1)−x1(j、t)≦Pmax(j、k)+α
また、上記処理(5)において定式化した下水処理場10−jの揚水ポンプ、ブロワ、汚泥処理設備のペナルティ制約について、ペナルティ上限値を所定値βだけ拡大するようにして制約条件を緩和する。これを数式で表すと以下のようになる。
・下水処理場10−jの揚水ポンプに関するペナルティ計算式g1
g1(j、t)=G1(j、h1(j、t))
g1(j、t)≦g1max+β(揚水ポンプに関するペナルティ上限値)
汚水平均貯留時間h1(j、t)=V(j、t)/x1(j、t)
・下水処理場10−jのブロワに関するペナルティ計算式g2
g2(j、t)=G2(j、x2(j、t))
g2(j、t)≦g2max+β(ブロワに関するペナルティ上限値)
・下水処理場10−jの汚泥処理設備に関するペナルティ計算式g3
g3(j、t)=G3(j、h2(j、t))
g3(j、t)≦g3max+β(汚泥処理設備に関するペナルティ上限値)
汚泥平均貯留時間h2(j、t)=W(j、t)/x3(j、t)
上記のように制約条件を緩和することにより設備運転計画問題の実行可能領域が拡大され、この設備運転計画問題を解くことにより、下水処理場の電力使用量やピーク電力使用量を十分削減した設備運転計画案を立案できる。この場合制約条件を緩和する下水処理場を上記のように選定しているため、電力使用量やピーク電力使用量を十分削減し、かつ同一河川に水質悪化リスクが集中しないような設備運転計画を立案できる。
このようにして、制約緩和設定部127によって、設備運転計画問題の制約条件の緩和処理が行われる。
(7)設備運転計画問題の求解
この処理は、設備運転計画問題の制約条件緩和の処理(6)と連動して、上記処理(6)が行われた後に実施される。下水道設備運転支援装置101の計画問題求解部129は、GA(遺伝的アルゴリズム)、混合整数計画法などのソルバーを利用して、上記処理(5)(6)で示した制約条件のもとで、目的関数を最小化するような、1日24時間分の決定変数(各下水処理場10のポンプ揚水量、ブロワDO目標値、汚泥処理量)を探索し、最適な設備運転計画案を決定する。
このようにして、計画問題求解部129によって、設備運転計画問題の求解処理が行われる。
(8)設備運転計画案の配信
この処理は、設備運転計画問題求解処理(7)と連動して、上記処理(7)が行われた後に実施される。下水道設備運転支援装置101の運転計画配信部130は、上記処理(7)によって設備運転計画問題を解いて得られた設備運転計画案を、それぞれ対応する下水処理場10の監視制御装置200に配信する。
図8に示すように、設備運転計画案は、揚水ポンプ運転計画、ブロア運転計画、汚泥処理設備運転計画について、時間経過ごとの各運転パラメータの推移を計画値として表している。
下水処理場10の運転員は、監視制御装置200に配信された当該下水処理場10の設備運転計画案を確認し、この計画案に従って各下水設備の制御を行う。この場合、運転員は自らの設備運転ノウハウに基づいて、事前に許容された最小限の範囲で上記運転計画を変更して各設備の制御を行うこともできる。
以上述べたように、本実施形態によれば、設備運転計画問題は、境界条件として各下水処理場10に流入する汚水流入予測量を与えており、また制約条件に当日の運転員(またはベテラン運転員)が過去に行ったポンプ運転領域制約を含む。また、目的関数Jの第1項は全施設、全下水設備のトータル電力量の削減項、第2項は全施設、全下水設備のトータルペナルティの削減項、第3項は全下水施設、全下水設備のトータル電力ピーク値削減項となるように定式化されている。この設備運転計画問題を解くことにより、各下水処理場10に流入する汚水流入予測量を適正に処理し、かつ当該運転員が過去に行った揚水ポンプ運転またはベテラン運転員が過去に行ったベストプラクティスとなる揚水ポンプ運転と類似した(過去の運転領域から逸脱しない)ポンプ運転となり、かつ下水設備の運転に伴う水質悪化や悪臭発生などの水環境負荷を低減し、かつ下水処理場の電力使用量およびピーク電力使用量を低減する設備運転計画の立案が可能となる。
また、制約条件を緩和しているため、設備運転計画問題の実行可能領域が拡大され、下水処理場の電力使用量やピーク電力使用量を十分削減した設備運転計画案を立案できるようになる。このとき制約条件を緩和する下水処理場が特定の処理場に集中しないよう、かつポンプ運転領域制約を緩和する下水処理場に電力使用量の大きな処理場が含まれるよう、かつペナルティ制約を緩和する下水処理場の放流先が特定の河川に集中しないよう制約を緩和しているため、電力使用量やピーク電力使用量を十分削減し、かつ同一河川に水質悪化リスクが集中しないような設備運転計画の立案が可能となる。
なお、上述した実施形態では、下水道設備運転支援システム100は複数の下水処理場10などから構成され、下水道設備運転支援装置101は複数の処理場10に関する設備運転計画を立案するものとしたが、これに限定されない。例えば変形例においては、上記処理(5)におけるポンプ運転領域制約やペナルティ制約を考慮した下水処理場の設備運転計画立案については、1つの下水処理場を対象としたものでもよい。ただし上記処理(6)における制約条件の緩和については、複数処理場の中からいくつかの処理場を選定しその制約条件を緩和するものであるため、複数の下水処理場を対象とする。
100…下水道設備運転支援システム、 101…下水道設備運転支援装置、
10−1〜10−6、10…下水処理場、 11−1〜11−6、11…排水区域、
12−1、12−2、12…河川、 13…下水管網、
120…ネットワーク、 121…入力部、 122…表示部、
123…施設情報登録部、 124…データ収集部、 125…流入量予測部、
126…ポンプ運転領域算出部、 127…制約緩和設定部、 128…計画問題設定部、
129…計画問題求解部、 130…運転計画配信部、
141…施設情報管理テーブル、 142…設備情報管理テーブル、
143…ペナルティ管理テーブル、 144…制約緩和管理テーブル、
145…計測データ管理テーブル。

Claims (11)

  1. 下水処理場における下水設備の運転計画を立案する下水道設備運転支援装置であって、
    該下水設備の運転に伴う水質悪化又は悪臭の環境負荷を定量化したペナルティ値を計算する式を制約条件に含み、かつ下水設備の電力使用量および該ペナルティ値を最小化する目的関数からなる設備運転計画問題を定式化する計画問題設定部と、
    前記設備運転計画問題を解いて前記下水設備の運転計画を立案する計画問題求解部と、
    前記計画問題求解部により立案された運転計画を該下水処理場へ配信する運転計画配信部と、を有し、
    前記ペナルティ値を計算する式は、
    前記下水設備の揚水ポンプ運転に関するペナルティとして、平均汚水貯留時間が長いほどペナルティが上昇するようなペナルティ計算式、または
    前記下水設備のブロワ運転に関するペナルティとして、DO(溶存酸素量)目標値が低いほどペナルティが上昇するようなペナルティ計算式、または
    前記下水設備の汚泥処理設備運転に関するペナルティとして、平均汚泥貯留時間が長いほどペナルティが上昇するようなペナルティ計算式、である
    ことを特徴とする下水道設備運転支援装置。
  2. 該下水処理場の下水設備の運転を行った運転員と、下水処理場への流入量及び揚水量に関するデータを用いて下水設備の運転領域を算出する運転領域算出部と、
    前記計画問題設定部は、該運転設備算出部により算出される運転領域内で該下水設備を制御するための制約条件を含めて、該設備運転計画問題を定式化する、
    請求項1記載の下水道設備運転支援装置。
  3. 該下水処理場の下水設備の運転を行った運転員と、下水処理場への流入量及び揚水量に関するデータを収集するデータ収集部と、
    該データ収集部により取得される、下水処理場の流入量と揚水量を含む計測データと、該下水設備の制御を行った運転員に関する情報を含む設備運転データとを管理する計測データ管理テーブルを有し、
    前記運転領域算出部は、該計測データ管理テーブルで管理されるデータを用いて、下水設備の運転領域を算出する、
    請求項2記載の下水道設備運転支援装置。
  4. 前記下水処理場が複数存在する場合において、複数の下水処理場の中から、同一水系に処理水の放流を行っている下水処理場の数が所定値以下となるように、またはその水系別トータル放流量が所定値以下となるように、下水処理場を選定する制約緩和設定部を有し、前記計画問題設定部は、該制約緩和設定部により選定された該下水処理場における該ペナルティに関する制約条件を緩和するように該設備運転計画問題を定式化する、
    請求項1記載の下水道設備運転支援装置。
  5. 前記下水道施設が複数存在する場合において、複数の下水処理場の中から、電力使用量が所定値以上となる下水処理場の数が所定値以上となるように、または下水処理場のトータル電力使用量が所定値以上となるように、下水処理場を選定する制約緩和設定部を有し、
    前記計画問題設定部は、該制約緩和設定部により選定された該下水処理場における前記運転領域に関する制約条件を緩和するように該設備運転計画問題を定式化する、
    請求項2記載の下水道設備運転支援装置。
  6. 前記下水道設備運転支援装置は更に、
    該下水処理場の日平均処理量、日平均電力使用量、放流先河川の識別情報に関する情報を管理する施設情報管理テーブルと、
    該下水処理場における下水設備の設備運転制約に関する情報を管理する設備情報管理テーブルと、
    該下水処理場における下水設備の運転に伴う水環境負荷を表すペナルティ値を該下水設備の運転状況または他の下水設備の運転に対応するペナルティ値を用いて計算するペナルティ計算式とペナルティの上限値に関する情報を管理するペナルティ管理テーブルと、を有し、
    前記計画問題設定部は、前記ペナルティ管理テーブルに登録された情報に基づいて、該設備運転計画問題を定式化する、
    請求項1記載の下水道設備運転支援装置。
  7. 前記下水道設備運転支援装置は更に、
    該下水処理場の、流入量や揚水量の計測データ、運転員データを含む設備運転データを管理する計測データ管理テーブルと、
    該下水処理場への汚水流入量を予測する流入量予測部と、
    前記計測データ管理テーブルより、該下水処理場ごとの過去の揚水量データから、該下水処理場に対応する該運転員の行った揚水量データを抽出し、かつ、
    前記設備情報管理テーブルを参照して、該下水処理場に対応する揚水ポンプのパターン値を求め、
    抽出した全ての揚水量データに基づいて、該パターン値の変化率の取りうる範囲を算出して、該下水処理場における当日の運転員の揚水ポンプ運転領域を算出するポンプ運転領域算出部と、を有し、
    前記計画問題設定部は、前記流入量予測部により算出される該下水処理場の汚水流入量と、該ポンプ運転領域算出部により算出された該運転員の揚水ポンプ運転領域、及び前記設備情報管理テーブルに登録された情報に基づいて該設備運転計画問題を定式化する、
    請求項6記載の下水道設備運転支援装置。
  8. 前記下水道設備運転支援装置は更に、
    複数の該下水処理場を含む設備運転計画問題におけるペナルティ制約条件の緩和に関する情報を管理する制約緩和度管理テーブルと、
    前記制約緩和度管理テーブルを参照して、複数の下水処理場の中から、同一水系に処理水の放流を行っている下水処理場の数が所定値以下となるように、またはその水系別トータル放流量が所定値以下となるように、下水処理場を選定する制約緩和設定部を有し、
    前記計画問題設定部は、該制約緩和設定部により選定された該下水処理場における該ペナルティに関する制約条件を緩和するように該設備運転計画問題を定式化する、
    請求項7記載の下水道設備運転支援装置。
  9. 揚水ポンプと、ブロアと、汚泥処理設備とのいずれか1又は複数の下水設備を用いて下水処理を行う下水処理場における汚水流入量、及び該下水設備の監視及び制御を行う監視制御装置と;
    該監視制御装置とネットワークを介して接続される下水道設備運転支援装置であって、該下水道設備運転支援装置は;
    該下水設備の運転に伴う水質悪化又は悪臭の水環境負荷を定量化したペナルティ値を計算する式を制約条件に含み、かつ下水設備の電力使用量および該ペナルティ値を最小化する目的関数からなる設備運転計画問題を定式化する計画問題設定部と、
    前記設備運転計画問題を解いて前記下水設備の運転計画を立案する計画問題求解部と、
    前記計画問題求解部により立案された運転計画を該下水処理場の該監視制御装置へ配信する運転計画配信部を有し、
    前記監視制御装置は、取得した該運転計画に基づいて該下水設備の運転制御を行い、
    前記ペナルティ値を計算する式は、
    前記下水設備の揚水ポンプ運転に関するペナルティとして、平均汚水貯留時間が長いほどペナルティが上昇するようなペナルティ計算式、または
    前記下水設備のブロワ運転に関するペナルティとして、DO(溶存酸素量)目標値が低いほどペナルティが上昇するようなペナルティ計算式、または
    前記下水設備の汚泥処理設備運転に関するペナルティとして、平均汚泥貯留時間が長いほどペナルティが上昇するようなペナルティ計算式、である
    ことを特徴とする下水道設備運転支援システム。
  10. 下水処理場における下水設備の運転計画を立案する下水道設備運転支援方法であって、
    該下水設備の運転に伴う水質悪化又は悪臭の水環境負荷を定量化したペナルティ値を計算する式を制約条件に含み、かつ下水設備の電力使用量および該ペナルティ値を最小化する目的関数からなる設備運転計画問題を定式化する計画問題設定ステップと、
    前記設備運転計画問題を解いて前記下水設備の運転計画を立案する計画問題求解ステップと、
    前記計画問題求解ステップにより立案された運転計画を該下水処理場へ配信する運転計画配信ステップと、を有し、
    し、
    前記ペナルティ値を計算する式は、
    前記下水設備の揚水ポンプ運転に関するペナルティとして、平均汚水貯留時間が長いほどペナルティが上昇するようなペナルティ計算式、または
    前記下水設備のブロワ運転に関するペナルティとして、DO(溶存酸素量)目標値が低いほどペナルティが上昇するようなペナルティ計算式、または
    前記下水設備の汚泥処理設備運転に関するペナルティとして、平均汚泥貯留時間が長いほどペナルティが上昇するようなペナルティ計算式、である
    ことを特徴とする下水道設備運転支援方法。
  11. 該下水処理場の下水設備の運転を行った運転員と、下水処理場への流入量及び揚水量に関するデータを用いて下水設備の運転領域を算出する運転領域算出ステップを更に有し、
    前記計画問題設定ステップでは、該運転設備算出ステップにより算出される運転領域内で該下水設備を制御するための制約条件を含めて、該設備運転計画問題を定式化する、
    請求項10記載の下水道設備運転支援方法。
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