JP4647250B2 - 水処理運転支援装置及び水処理運転支援ソフトウェア、水処理プラント - Google Patents

水処理運転支援装置及び水処理運転支援ソフトウェア、水処理プラント Download PDF

Info

Publication number
JP4647250B2
JP4647250B2 JP2004192813A JP2004192813A JP4647250B2 JP 4647250 B2 JP4647250 B2 JP 4647250B2 JP 2004192813 A JP2004192813 A JP 2004192813A JP 2004192813 A JP2004192813 A JP 2004192813A JP 4647250 B2 JP4647250 B2 JP 4647250B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
target
item
setting
items
priority
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004192813A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006015180A (ja
Inventor
文智 木村
直樹 原
剛 武本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2004192813A priority Critical patent/JP4647250B2/ja
Publication of JP2006015180A publication Critical patent/JP2006015180A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4647250B2 publication Critical patent/JP4647250B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Landscapes

  • Activated Sludge Processes (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Description

本発明は、活性汚泥プロセスの設計や運転維持管理を支援するのに好適な水処理運転支援装置及び水処理運転支援ソフトウェア、それらを用いる水処理プラントに関する。
下水や工場排水などの汚水は活性汚泥と呼ばれる微生物群によって浄化されており、この処理を活性汚泥プロセスと称している。現在稼動している下水処理場は活性汚泥プロセスが主流で、有機物の除去を主目的とした標準活性汚泥法を採用している。標準活性汚泥法は、流入下水中の有機物を生物反応槽で活性汚泥に摂取あるいは酸化分解させた後、後段に設けられた最終沈殿池で活性汚泥を沈降させて上澄み液を放流する。
近年、閉鎖性水域での窒素・リンの総量規制を受け、従来の標準活性汚泥法で設計されている現有施設では、窒素・リンの規制値をクリアする処理水を得ることが困難である。そのために、下水中からの窒素やリンを除去する高度処理方式の導入が進められている。生物学的な窒素・リン除去機構を利用した下水高度処理法は、生物反応槽に溶存酸素の存在しない嫌気状態を作り出し、好気状態と組合せてリン除去、窒素除去を実現する方法であり、リン・窒素除去プロセスを組み合わせた「嫌気―無酸素―好気法」が代表的な処理法である。
このような下水高度処理法は、有機物、窒素・リン除去に関連する各種微生物の生息環境を適切に維持することによって性能が発揮される。しかし、下水高度処理法は複雑で、また、複数の操作項目があり、互いに干渉する場合がある。
しかし、これまで有機物、窒素・リンの複雑な反応過程を算出し提示できる方法がなく、下水高度処理の設計や運転は経験と勘に依存し、運転員への負担が増加している。さらに、環境面と財政面から省エネルギーも課題となっており、運転員には水質と省エネルギーの両面を考慮した維持管理が要求されている。
これらの課題に対し、生物反応をモデル化し、数値シミュレーションによって活性汚泥プロセスの特性を評価する方法が提案されている。生物反応のモデルの例として、海外では国際水協会(IWA)が発表した活性汚泥モデルASM No.2(1995)等が提案されている(特許文献1の従来の技術の欄参照)。これらの活性汚泥モデルを利用して、例えば特許文献1や特許文献2のような下水処理プロセスシミュレータによって、水中のリンや窒素などの物質濃度を計算する方法が提案されている。また、下水処理場の省エネルギーに関する提案方法としては、例えば特許文献3などがある。
特開2001−334287号公報 特開2003−300093号公報 特開2003−10835号公報
下水処理は公衆衛生の確保と水環境の改善に加えて、省エネルギー対策、廃棄物(汚泥)の削減、リサイクル対策、騒音対策、臭気対策など様々の要求を満足せねばならない。下水処理場の運転目標(目標項目と目標値)においても、有機物、窒素、リンといった放流水質だけではなく、微生物濃度、窒素やリンの総量、使用電力量、汚泥日令、MLSS(mixed liquor suspended solid:混合液浮遊物質濃度)など多様化している。例えば、処理水の全窒素を10mg/L以下、かつ使用電力量を最小にするといった運転目標や、例えば、低水温時の硝化菌量を増やすために汚泥日令を12日以上にするなど、地域の事情により様々な運転目標があげられる。運転目標は処理場の置かれた環境(季節及び流入変動、運転方針)によっても変化する。このように、下水処理場は経年あるいは経日変化する複数の運転目標を有しており、これらの運転目標を同時に達成する、または予め検討された優先順位に沿って達成するよう運用せねばならない。
処理場ではこれらの運転目標を満足するために、複数の操作条件(操作項目と操作量)を変化させて運転している。前記の操作項目には、例えばDO(dissolved oxygen:溶存酸素)/風量、硝化液循環量、返送汚泥量、余剰汚泥量、薬品添加量などがある。しかし、これらの複数の操作条件はお互いに干渉する場合があるために、単純に増減するだけでは、運転目標を満足することができない。例えば、処理水の全窒素を所定の濃度以下にすることを運転目標とした場合、嫌気―無酸素―好気法の代表的な操作項目であるDOと硝化液循環量について、硝化液循環量を増やすことで無酸素槽での脱窒量が増え窒素除去性能を向上できる一方、硝化液の循環により持ち込まれるDOも増加することから脱窒反応が阻害されるため、DOについては低下させることが必要となる。反対に、DOを高めることで好気槽での硝化反応が促進され、無酸素槽での脱窒量が増え窒素除去性能を向上できる一方、硝化液の循環により持ち込まれるDOも増加するために硝化液循環量については減少させる必要がある。
このように、下水処理プロセスでは、複数の運転目標を満足するために、DO/風量、硝化液循環量、返送汚泥量、余剰汚泥量、薬品添加量などの複数の操作条件を組み合わせて運転している。したがって、最適運転を実現するためには、まず、水質と複数の操作条件との関係を定量的に把握し、その上で、複数の運転目標を満足する最適な操作条件の組み合わせを導出する必要がある。
特開2001-334287号公報に記載の従来技術は、窒素除去を最大にするDO計の配置や仕様の最適条件を探索する方法であるが、最適操作条件の組み合わせを導出する方法、及び放流水質以外の運転目標を満足する操作条件の探索については何ら記載されておらず、最適運転の実現には課題がある。
特開2003−300093号公報に記載の従来技術では、各水質目標を満足する操作量の最小値を抽出して、複数の水質を満足する最適操作条件を演算することを記載している。しかし、前述したように、複数の操作条件は互いに干渉する場合があるため、最適な操作量はかならずしも最小値に当たるわけではない。例えば前述したように、好気槽DOを高めて硝化液循環量を減らす方法、または好気槽DOを低くして硝化液循環量を増やす方法のどちらでも無酸素槽の脱窒量を維持することが可能である。この場合のように、DO、硝化液循環量の最適操作量はお互いに干渉する場合があるために、本従来技術のように単純に最小値を抽出するだけでは、複数の運転目標を満足する最適操作条件の組み合わせを導出することができない。したがって、最適運転の実現には課題がある。
一方、特開2003−10835号公報に記載の従来技術では、複数の操作量の使用電力について演算しているが、最適操作条件の決定について何ら記載されていない。
本発明は、上記従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の運転目標を満足する最適な操作条件の組み合わせを導出することができる水処理運転支援装置及び水処理運転支援ソフトウェア、水処理プラントを提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、複数の操作条件を調節して運転され、リン・窒素除去プロセスを組み合わせた下水高度処理法により水処理を行う下水処理プラントの水処理運転支援装置において、操作手段による入力に基づき、複数の運転目標としての処理水質を含む複数の運転目標項目と各運転目標項目の目標値とを設定する運転目標設定手段と、操作手段による入力に基づき、前記設定された複数の運転目標項目に対して、複数の運転目標項目の目標値を満足できる操作量の組み合わせが複数抽出された場合に、最終的にどの運転目標項目を優先して最適操作条件とするかの優先順位を設定する優先順位設定手段と、前記複数の操作条件のうち、調節対象とする複数の操作条件としての複数の操作項目と各操作項目の操作量の演算範囲を設定する操作条件設定手段と、前記操作条件設定手段により設定された前記複数の操作項目と各操作項目の操作量の演算範囲に基づき、前記操作項目毎に前記演算範囲内の操作量を用いてシミュレーション計算を行い、少なくとも前記運転目標設定手段により設定された前記複数の運転目標項目のそれぞれの値、前記操作項目毎に前記演算範囲内の操作量の全ケースについて演算するモデル演算手段と、前記モデル演算手段により演算された前記演算範囲内の操作量の全ケースについての前記複数の運転目標項目のそれぞれのの中から前記運転目標設定手段により設定された前記各運転目標項目の目標値を満足する複数の操作項目毎の操作量の組み合わせを抽出し、その組み合わせの中から前記優先順位設定手段により設定された優先順位のうち優先順位が最も高い運転目標項目において、運転目標項目の値が最も良い操作量の組み合わせを最適操作条件として抽出する最適操作条件演算手段と、少なくとも前記最適操作条件演算手段の抽出結果を表示する表示手段とを備えたものとする。
本発明の水処理運転支援装置においては、オペレータが運転目標設定手段により複数の運転目標項目と各運転目標項目の目標値を設定し、優先順位設定手段によりそれら設定された複数の運転目標項目に対して優先順位を設定し、操作条件設定手段により複数の操作条件(複数の操作項目と各操作項目の操作量の演算範囲)を設定すると、モデル演算手段により、設定された複数の操作条件に基づき、操作項目毎に演算範囲内の操作量を用いてシミュレーション計算が行われ、操作項目毎に演算範囲内の操作量の全ケースについて、少なくとも設定された複数の運転目標項目のそれぞれの値が演算され、最適操作条件演算手段により、モデル演算手段の演算値と設定された複数の運転目標項目の目標値とが比較されて複数の運転目標項目の目標値を満足する複数の操作条件の組み合わせ(複数の操作項目毎の操作量の組み合わせ)が抽出され、その組み合わせの中から優先順位設定手段により設定された優先順位のうち優先順位が最も高い運転目標項目において、運転目標項目の値が最も良い操作量の組み合わせが最適操作条件として抽出される。このとき、表示手段には少なくとも抽出された最適操作条件(最も優先順位の高い運転目標項目に対応する操作量の組み合わせ)が表示される。オペレータはこの抽出された最適操作条件に基づき、水処理プロセスの運転を行う。
このようにすることで、複数の運転目標を満足する最適な操作条件の組み合わせを導出することができる。
(2)上記(1)において、好ましくは、前記運転目標設定手段は、目標項目を設定する目標項目設定手段及び目標値を設定する目標値設定手段を有するものとする。
(3)上記(2)において、さらに好ましくは、前記目標項目設定手段により、処理水質、総量、使用電力量、汚泥日令、SRT、及びMLSSのうち少なくとも1つを目標項目として設定可能であるものとする。
(4)上記(1)乃至(3)のいずれかにおいて、また好ましくは、前記操作条件設定手段は、操作項目を設定する操作項目設定手段及び操作量の演算範囲を設定する操作量設定手段を有するものとする。
(5)上記(4)において、さらに好ましくは、前記操作量設定手段により、操作量の最大値、最小値、及び間隔を設定可能であるものとする。
(6)上記目的を達成するために、また本発明は、複数の操作条件を調節して運転され、リン・窒素除去プロセスを組み合わせた下水高度処理法により水処理を行う下水処理プラントの水処理運転支援ソフトウェアであって、操作手段による入力に基づき、複数の運転目標としての処理水質を含む複数の運転目標項目と各運転目標項目の目標値とを設定する運転目標設定手順と、操作手段による入力に基づき、前記設定された複数の運転目標項目に対して、複数の運転目標項目の目標値を満足できる操作量の組み合わせが複数抽出された場合に、最終的にどの運転目標項目を優先して最適操作条件とするかの優先順位を設定する優先順位設定手順と、前記複数の操作条件のうち、調節対象とする複数の操作条件としての複数の操作項目と各操作項目の操作量の演算範囲を設定する操作条件設定手順と、前記操作条件設定手順により設定された前記複数の操作項目と各操作項目の操作量の演算範囲に基づき、前記操作項目毎に前記演算範囲内の操作量を用いてシミュレーション計算を行い、前記操作項目毎に前記演算範囲内の操作量の全ケースについて、少なくとも前記運転目標設定手段により設定された前記複数の運転目標項目のそれぞれの値を演算するモデル演算手順と、前記モデル演算手順により演算された前記演算範囲内の操作量の全ケースについての前記複数の運転目標項目のそれぞれのの中から前記運転目標設定手順により設定された前記各運転目標項目の目標値を満足する複数の操作項目毎の操作量の組み合わせを抽出し、その組み合わせの中から前記優先順位設定手段により設定された優先順位のうち優先順位が最も高い運転目標項目において、運転目標項目の値が最も良い操作量の組み合わせを最適操作条件として抽出する最適操作条件演算手順と、少なくとも前記抽出された最適操作条件を表示する表示手順とを、コンピュータに実行させるものとする。
(7)上記目的を達成するために、また本発明は、複数の操作条件を調節して運転され、リン・窒素除去プロセスを組み合わせた下水高度処理法により水処理を行う下水処理プラントの水処理運転支援ソフトウェアを記録した記録媒体であって、操作手段による入力に基づき、 複数の運転目標としての処理水質を含む複数の運転目標項目と各運転目標項目の目標値とを設定する運転目標設定手順と、操作手段による入力に基づき、前記設定された複数の運転目標項目に対して、複数の運転目標項目の目標値を満足できる操作量の組み合わせが複数抽出された場合に、最終的にどの運転目標項目を優先して最適操作条件とするかの優先順位を設定する優先順位設定手順と、前記複数の操作条件のうち、調節対象とする複数の操作条件としての複数の操作項目と各操作項目の操作量の演算範囲を設定する操作条件設定手順と、前記操作条件設定手順により設定された前記複数の操作項目と各操作項目の操作量の演算範囲に基づき、前記操作項目毎に前記演算範囲内の操作量を用いてシミュレーション計算を行い、前記操作項目毎に前記演算範囲内の操作量の全ケースについて、少なくとも前記運転目標設定手順により設定された前記複数の運転目標項目のそれぞれの値を演算するモデル演算手順と、前記モデル演算手順により演算された前記演算範囲内の操作量の全ケースについての前記複数の運転目標項目のそれぞれのの中から前記運転目標設定手順により設定された前記各運転目標項目の目標値を満足する複数の操作項目毎の操作量の組み合わせを抽出し、その組み合わせの中から前記優先順位設定手段により設定された優先順位のうち優先順位が最も高い運転目標項目において、運転目標項目の値が最も良い操作量の組み合わせを最適操作条件として抽出する最適操作条件演算手順と、少なくとも前記抽出された最適操作条件を表示する表示手順とを、コンピュータに実行させるものとする。
(8)上記目的を達成するために、また本発明は、複数の操作条件を調節して運転され、リン・窒素除去プロセスを組み合わせた下水高度処理法により水処理を行う水処理プラントにおいて、操作手段による入力に基づき、複数の運転目標としての処理水質を含む複数の運転目標項目と各運転目標項目の目標値とを設定する運転目標設定手段と、操作手段による入力に基づき、前記設定された複数の運転目標項目に対して、複数の運転目標項目の目標値を満足できる操作量の組み合わせが複数抽出された場合に、最終的にどの運転目標項目を優先して最適操作条件とするかの優先順位を設定する優先順位設定手段と、前記複数の操作条件のうち、調節対象とする複数の操作条件としての複数の操作項目と各操作項目の操作量の演算範囲を設定する操作条件設定手段と、前記操作条件設定手段により設定された前記複数の操作項目と各操作項目の操作量の演算範囲に基づき、前記操作項目毎に前記演算範囲内の操作量を用いてシミュレーション計算を行い、前記操作項目毎に前記演算範囲内の操作量の全ケースについて、少なくとも前記運転目標設定手段により設定された前記複数の運転目標項目のそれぞれの値を演算するモデル演算手段と、前記モデル演算手段により演算された前記演算範囲内の操作量の全ケースについての前記複数の運転目標項目のそれぞれのの中から前記運転目標設定手段により設定された前記各運転目標項目の目標値を満足する複数の操作項目毎の操作量の組み合わせを抽出し、その組み合わせの中から前記優先順位設定手段により設定された優先順位のうち優先順位が最も高い運転目標項目において、運転目標項目の値が最も良い操作量の組み合わせを最適操作条件として抽出する最適操作条件演算手段と、少なくとも前記最適操作条件演算手段の抽出結果を表示する表示手段とを備えるものとする。
本発明によれば、複数の運転目標を満足する最適な操作条件の組み合わせを導出することができる。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本実施形態は本発明を下水処理プラントの活性汚泥プロセスの運転支援に適用した例である。
図1は本実施形態の水処理運転支援装置の全体概略構成を下水処理プラントの活性汚泥プロセスと共に示す図である。図1に示すプラント100は、嫌気槽1a,無酸素槽1b,好気槽1cの3槽を有する生物反応槽1を備えており、好気槽1cから無酸素槽1bに汚泥を循環させるいわゆる「嫌気―無酸素―好気法」で処理するプロセスである。流入汚水は沈砂池(図示せず)にて土砂、ゴミなど大きな固形物を沈降除去したのち、最初沈殿池(図示せず)に流入する。最初沈殿池では固形物を沈降除去し、有機物、アンモニア性窒素、リンなどを含む上澄み液は生物反応槽1への流入水2として送られる。生物反応槽1には最初沈殿池からの流入水2と返送汚泥管3からの返送汚泥(活性汚泥)が流入し、撹拌混合が行われる。一方、生物反応槽1には、送気管4、散気装置5を介してブロワ6から空気が送気される。さらに、生物反応槽1では、循環ポンプ7によって循環汚泥管8を介して好気槽1cから無酸素槽1bへ汚泥を循環する。
嫌気槽1aには溶存酸素(DO)と硝酸性窒素(NO)がともに存在しない状態であり、主にリン(PO-P)の放出反応が進行する。この放出反応は、活性汚泥が体内に貯蔵していたリンを加水分解して下水中に放出することによって行われる。又、活性汚泥はリン放出と同時に有機物を吸着し菌体内に貯蔵する。この生物反応によって、嫌気槽1aではリンが増加し、有機物が減少する。
無酸素槽1bには嫌気槽1aから流出した下水と返送汚泥の混合水、及び好気槽1cからの循環水が流入し、機械撹拌設備(図示せず)で撹拌混合される。無酸素槽1bでは好気槽1cから硝酸性窒素(NO)が循環され、かつ溶存酸素の存在しない環境になり、硝酸性窒素は還元されて窒素ガス(N)として大気中に放出される。これを脱窒反応と呼んでいる。
好気槽1cの底部には前記の散気装置5が設置されており、ブロワ6から送気管4を介して送気された空気が散気装置5によって散気し、好気槽1c内の下水と活性汚泥からなる混合液を撹拌するとともに酸素を供給する。送気管4に設けられる開閉弁10は好気槽への風量を調節する。ブロワ6は、事前に設定した風量を送風する制御方式や、好気槽1cに設けられた溶存酸素濃度(DO)計11の値が所定値に維持するように送風する制御方式によって運転される。好気槽1c内の混合液の汚濁物質は、酸素供給により活発化した活性汚泥の働きにより処理される。例えば、活性汚泥は有機物を吸着し、供給された空気中の酸素を吸収して有機物を酸化分解して炭酸ガスと水にする。また、リンは好気条件において、活性汚泥中の菌体内に貯蔵され、嫌気槽1aで放出された以上に貯蔵されて流入下水中の濃度よりも減少する。また、アンモニア性窒素は硝酸性窒素に酸化される。これを硝化反応と呼んでいる。なお、これら有機物、リン、アンモニア性窒素などの汚濁物質の一部は活性汚泥の増殖にも利用される。MLSS計12は、生物反応槽内の混合液濃度を計測し、汚泥管理に使われる。
好気槽1cの混合液は最終沈殿池13に導かれる。最終沈殿池13では、活性汚泥を重力沈降させ、上澄み液を塩素やオゾンなどの消毒剤14により消毒した後、放流管15によって放流する。最終沈殿池13の沈降汚泥の一部は返送ポンプ16によって返送汚泥管3を介して生物反応槽1へ送られ、残りの汚泥は余剰ポンプ17によって余剰汚泥管18を介して系外へ排出される。返送ポンプ16は、返送汚泥量の制御や、返送汚泥量と流入下水量の比率の制御によって運転される。循環ポンプ7は、循環液量の制御や、循環液量と流入下水量の比率の制御によって運転される。余剰ポンプ17は、余剰汚泥量の制御や、余剰汚泥量と流入下水量の比率の制御によって運転される。
このように、生物学的に窒素やリンを除去するプロセスでは、嫌気槽1aと無酸素槽1bでのリン放出と脱窒、好気槽1cでのリン過剰摂取と硝化のそれぞれの機能を十分に発揮させる適切な維持管理が必要となる。また、降雨時、雨水が流入すると、リンの放出・貯蔵状態の悪化により処理水リンが高くなることもある。このような場合、生物反応槽1の出口に凝集剤19を注入して物理化学的リン除去プロセスが併用される。
以上のような構成である嫌気―無酸素―好気法のプラント100を対象とした運転支援システム(水処理運転支援装置)20の構成について、引き続き図1にて説明する。
運転支援システム20は、例えばキーボード、マウス等である運転目標設定手段21、優先順位設定手段22、及び操作条件設定手段23と、例えばコンピュータ等であるモデル演算手段24及び最適操作条件演算手段25と、例えばディスプレイ等である表示手段26から構成される。
図2に、運転目標設定手段21及び優先順位設定手段22で設定入力を行う際の表示手段26の表示の一例を示す。
オペレータは、運転目標設定手段21を用いて、プラント100の運転目標である目標項目と目標値を処理場の運転方針に従い設定する。目標項目の設定は、図2に示す運転目標設定エリア(目標項目設定手段、目標値設定手段)30において、予め設定された目標項目、すなわち、処理水質(有機物(BOD,COD)、窒素、リン、SS(suspended solid:浮遊物質量)、大腸菌、透視度等)、総量(COD、窒素、リン)、使用電力量、SRT(sludge retention time:固形物滞留時間)、汚泥日令、及びMLSS(mixed liquor suspended solid:混合液浮遊物質濃度)から選択することによって行う。なお、目標項目はこれに限らず他の項目を含んでもよい。また目標項目の設定は上記選択に限らず手入力としてもよい。目標項目は複数項目選択することが可能である。また、目標値の設定は、同様に運転目標設定エリア30において、選択された目標項目の目標値をキーボード等によって設定入力することにより行う。ここでは、処理水窒素及び使用電力量の2つの運転目標が設定入力された例が示されている。
さらにオペレータは、選択した2つの運転目標に対し、優先順位設定手段22を用いて優先順位を設定する。優先順位の設定は、図2に示す優先順位設定エリア31において、例えば運転目標設定エリア30の目標項目中から順番に選択(クリック)することによって行う。なお、これに限らず、運転目標の一覧を移動させて並べ替えることによって設定してもよいし、それぞれの運転目標に重みを設定するようにしても良い。以上の運転目標や優先順位の設定入力は、クリアボタン32をクリックするとクリアされ、再度運転目標及び優先順位の設定をやり直すことができる。ここでは、運転目標について、優先順位1番目は「処理水T−N10mg/L以下」、優先順位2番目は「使用電力量2500Kw/日以下」と設定された例が示されている。これら運転目標設定手段21及び優先順位設定手段22にて設定入力された情報は、最適操作条件演算手段25に送られる。
次に、オペレータは、操作条件設定手段23を用いて、プラント100の調節対象となる操作条件として操作項目と操作量を入力する。図3に、操作条件設定手段23で設定入力を行う際の表示手段26の表示の一例を示す。操作項目の設定は、図3に示す操作条件1エリア(操作項目設定手段)35(又は操作条件2エリア36)において、予め設定された操作項目、すなわち、DO(dissolved oxygen:溶存酸素)、風量、循環率、返送率、余剰汚泥量、流入水量、ステップ流入比、PAC(ポリ塩化アルミニウム)注入率、及び消毒剤注入率から選択することによって行う。なお、操作項目はこれに限らずその他の項目を含んでもよい。操作量の設定は、操作条件1エリア35内の操作量エリア(操作量設定手段)37(又は操作条件2エリア36内の操作量エリア38)において、操作量の最大値と最小値(演算範囲)と間隔(演算の間隔)をキーボード等によって入力することにより行う。このように、操作量の最大値と最小値だけでなくその間の演算間隔を入力できるようにすることにより、コンピュータに不要な演算を行わせることを防止でき、コンピュータの演算機能やメモリの節約、及び演算時間の短縮を図ることができる。
なお、操作量の入力方法は上記に限らず、事前に保持している値を自動的に与えるようにしてもよい。例えば、プラント100の操作量の現状設定値を基準値とし、基準値の0.5〜1.5倍をそれぞれ、操作量エリア37,38の最大値と最小値とするように自動的に与えるといった具合である。これら操作条件の設定は、複数行うことが可能である。ここでは、2つの操作条件、すなわちDOと循環率を設定した例が示されている。操作条件2の循環率とは、流入水量に比例するように硝化液循環量を制御することである。なおここでは、2つの操作条件の例を示したが、1つの操作条件、または3つ以上の操作条件を設定しても良い。この操作条件設定手段23にて設定入力された情報は、モデル演算手段24に送られる。
モデル演算手段24は、操作条件設定手段23で設定入力された操作条件に基づき、輸送モデルと生物モデルを用いて計算を実行し、生物反応槽1、最終沈殿池13、返送汚泥、及び余剰汚泥の各種水質、各種総量、使用電力量、SRT、汚泥日令、及びMLSS等を計算する。ここでの生物モデルには国際水協会(IWA)が発表した活性汚泥モデルを適用してもよいし、化学反応式から作成したモデル、実験的に求められたモデル、統計モデルを適用してもよい。また、ここでは図2に示す予め設定された目標項目の全てについて計算するようにしたが、運転目標設定手段21で設定入力された目標項目のみついて計算するようにしてもよい。
最適操作条件演算手段25は、運転目標設定手段21及び優先順位設定手段22によって設定された運転目標と優先順位に従い、モデル演算手段24にて得られた計算結果に基づいて、運転目標を満足できる最適操作条件を演算する(詳細は後述)。
表示手段26は、モデル演算手段24の計算結果、及び最適操作条件演算手段25によって得られた最適操作条件と水質、使用電力量等の運転目標との関係等を表示する。
図4は、モデル演算手段24及び最適操作条件演算手段25によって行われる最適操作条件の演算手順を示したフロー図である。なお、この図4は、上述したように運転目標として図2で説明した「処理水T-N」と「使用電力量」が選択され、操作条件として図3で説明した「DO」と「循環率」が設定されている例を示したものである。
ステップS1,S2,S3,S4はモデル演算手段24の演算フローである。まずステップS1ではDO操作量を設定する。図3に示す設定によれば、DO操作量は、0.6,0.8,1.0,1.2,1.4,1.6mg/Lの6ケースとなる。
ステップS2では、循環率操作量を設定する。図3に示す設定によれば、循環率操作量は0,50,100,150,200,250%の6ケースとなる。
ステップS3では、ステップS1、S2で設定されたDO操作量と循環率操作量を用いてシミュレーション計算を行い、各種処理水質、各種総量、使用電力量、SRT、汚泥日令、及びMLSS等を計算する。モデル計算に必要な情報は、ステップS1、S2によって入力したDOと循環率のデータの他、流入水量と流入水質、プロセスの施設構造(寸法と反応槽区分割)、MLSS、返送汚泥量、余剰汚泥量などがあり、これらの情報は操作条件設定手段23により入力される。ステップS1,S2,S3の繰り返しによって図3で設定されたDO操作量と循環率操作量の設定値全ケースに対して計算を行う。
ステップS4では、ステップS3の全ての計算結果を格納する。また、ステップS3での計算結果を表示手段26に表示する。図5はこのときの表示手段26による表示の一例を示したものである。この図5に示すように、操作条件と操作条件に基づく風量、循環量、使用電力量と処理水質などの計算結果が表示される。なお、この図5に示すデータの他、総量、SRT、汚泥日令、MLSS等についての計算結果も同様に表示することができる。このようにして、DO操作量と循環率操作量の設定値全ケースに対応する計算結果を確認することができる。
図4に戻り、ステップS5,S6,S7は最適操作条件演算手段25の演算フローである。まずステップS5では、ステップS4の計算結果から1つ目の運転目標である「処理水T−N10mg/L以下」を満足できるDO操作量と循環率操作量の組み合わせを抽出する。また、抽出結果を表示手段26に表示する。図6はこのときの表示手段26による表示の一例を示したものである。この図6のエリア40の相関図には、DO操作量をX軸に、循環率操作量を異なる記号(○、●、△、▲、□、■)に、DO操作量と循環率操作量によって得られた処理水T−NをY軸に示す。エリア41には相関図の循環率操作量の記号説明を示している。さらに、エリア42には処理水T−N10mg/L以上、エリア43(図中斜線部)には処理水T−N10mg/L以下の2つ区域を区別して表示する。すなわち、エリア43内にあるDO操作量と循環率操作量の領域は、1つ目の運転目標である「処理水T−N10mg/L以下」を満足する操作量の組み合わせである。このエリア43に示すように、処理水T−N10mg/L以下を満足できるDO操作量と循環率操作量の組み合わせは複数あり、それらは必ずしも、単純に最小値、または最大値に相当するわけではないことがわかる。また、相関図のX軸データは、X軸データ項目エリア44のDO又は循環率の項目をクリックすることによって切り替えられるようになっている。ここではDOがクリックされているため、エリア40の相関図ではX軸にDO操作量を示している。
なお、ここではX軸にDO操作量を示したが、循環率操作量としてもよいのは言うまでもない。この場合、エリア41にはDO操作量の記号説明が表示される。なお、相関図のほか、図5に示すような数値データの一覧表を示してもよい。このようにしてグラフや数値として操作量を表示することにより、運転目標を満足できる操作条件を様々な角度から見ることができる。
図4に戻り、ステップS6では、ステップS5で抽出した運転目標「処理水T−N10mg/L以下」を満足できるDO操作量と循環率操作量の組み合わせから、2つ目の運転目標である「使用電力量2500Kw/日以下」を満足できるDO操作量と循環率操作量の組み合わせをさらに抽出する。また、抽出結果を表示手段26に表示する。
ステップS7では、ステップS6で抽出した運転目標「使用電力量2500Kw/日以下」を満足できるDO操作量と循環率操作量の組み合わせから、運転目標の優先順位にしたがって最適操作条件を抽出する。また、抽出結果を表示手段26に表示する。図7はこのときの表示手段26による表示の一例を示したものである。この図7のエリア45には、2つの運転目標である「処理水T−N10mg/L以下」と「使用電力量が2500kw/d以下」を満足できるDO操作量と循環率操作量の組み合わせを示す。すなわち、ステップS6での抽出結果がこのエリア45に示す組み合わせである。なお、ここでは処理水T−Nの少ない順に並べて一覧表示している。そして、図2に示したように優先順位の1番目に「処理水T−N10mg/L以下」が設定されている場合には、エリア45の一覧表から処理水T−Nが最も少ない操作条件を最適操作条件と判定し、最適操作条件エリア46に表示する。すなわち、図2に示す優先順位の設定は、複数の運転目標を満足できる操作量の組み合わせが複数抽出された場合に、最終的に何を優先して最適操作条件としたいかを設定するものである。ここでは、優先順位の1番目に「処理水T−N10mg/L以下」が設定されており、使用電力よりも処理水の窒素濃度を優先して最適操作条件としたいという運転方針であるため、最も処理水T−Nが小さくなる操作量を抽出して最適操作条件とする。
反対に、図2に示す優先順位1番目に「使用電力量2500kw/d以下」、優先順位2番目に「処理水T−N10mg/L以下」が設定された場合には、処理水の窒素濃度よりも使用電力を優先して最適操作条件としたいという運転方針であるため、最も使用電力量が小さくなる操作量を抽出して最適操作条件とする。この場合の最適操作条件演算手段25によるステップS7での抽出結果を図8に示す。図8はこのときの表示手段26による表示の一例を先の図7と対比して示したものである。エリア47には、2つの運転目標である「処理水T−N10mg/L以下」と「使用電力量が2500kw/d以下」を満足できるDO操作量と循環率操作量の組み合わせが、使用電力量の少ない順に並べて一覧表示されている。このエリア47の一覧表から使用電力量が最も少ない操作条件を最適操作条件と判定し、最適操作条件エリア48に表示する。
なお、以上の最適操作条件エリア46,48に示す最適操作条件をプラント100の操作項目の操作コントローラに反映することで自動制御を行うことができる。ここでの操作コントローラは例えば、図1に示すブロワ6、循環ポンプ7のコントローラ等である。
以上説明したように、本実施形態においては、2つの運転目標「処理水T−N10mg/L以下」と「使用電力量が2500kw/d以下」を満足する複数の操作条件の組み合わせから、優先順位設定手段22により設定された運転目標の優先順位にしたがって最適操作条件を抽出する。このようにすることで、複数の運転目標を満足する最適な操作条件の組み合わせを導出することができる。
また本実施形態では、運転目標項目として、各種処理水質のみでなく、総量、使用電力量、SRT、汚泥日令、MLSSといったように多様な項目を設定入力することが可能である。これにより、地域環境や運転方針により多様化した処理プロセスの運転目標に対応して運転支援を行うことができる。
なお、以上では、運転目標として「処理水T−N10mg/L以下」と「使用電力量が2500kw/d以下」を設定し、操作条件としてDOと循環率を設定した場合を例としたが、運転目標及び操作条件の設定はこの他にも処理場の周囲環境や運転方針等に応じて様々に設定することが可能である。例えば、汚泥処理費用を押さえて、汚泥排出量を最小にしたい場合において、微生物濃度であるMLSSを高めて微生物の自己分解を増加させることで汚泥排出量を減らすことが考えられる。この場合、運転目標設定手段21にて運転目標としてMLSSを選択入力し、操作条件設定手段23にて操作条件として返送率と余剰汚泥量を選択入力した上、モデル演算手段24、最適操作条件演算手段25で演算を行い、表示手段26に結果を表示する。表示手段26には、MLSSと返送率及び余剰汚泥操作量との関係や、返送率と余剰汚泥量の最適操作量を表示する。
また、優先順位設定手段22において、前述したように運転目標の優先順位の代わりに各運転目標項目に重みをつけて入力し、モデル演算手段24、最適操作条件演算手段25にてそれぞれの重みを反映して最終的に最適操作条件を決定する方法も同様に実現できる構成としても良い。
またさらに、以上では、本発明をリン・窒素の同時除去プロセスである嫌気―無酸素―好気法に適用した例を示したが、リン除去プロセスである嫌気―好気法、または、リン・窒素の同時除去プロセスである2段嫌気―好気法など、他の水処理方式にも同様に適用することができる。
また、微生物の生化学反応の他に、化学物質を用いた化学反応によって浄化する水処理プロセスについても適用できる。例えば、生物反応後の処理水に複数の化学物質を投入したり、化学物質と微生物との反応について問題となる場合に対応できる。
またさらに、以上の実施形態では、本発明の水処理運転支援装置(運転支援システム20)を備えた下水処理プラントについて説明したが、本発明の機能を有しない既設の水処理プラントに対しても、例えば本発明の機能をコンピュータに実現させるプログラムからなるソフトウェア又はこのソフトウェアを格納した記録媒体(例えばCD−ROM等)を既設のコンピュータに使用(インストール)することにより、既設コンピュータを運転支援装置とすることができる。これにより、例えば職員や専門技術者の少ない事業体等の水処理プラントであっても、適切な運転と業務の円滑化と効率化を図ることができる。
本発明の水処理運転支援装置の一実施形態の全体概略構成を下水処理プラントの活性汚泥プロセスと共に示す図である。 本発明の水処理運転支援装置の一実施形態を構成する運転目標設定手段及び優先順位設定手段により設定入力を行う際の表示手段による表示の一例を示す図である。 本発明の水処理運転支援装置の一実施形態を構成する操作条件設定手段で設定入力を行う際の表示手段による表示の一例を示す図である。 本発明の水処理運転支援装置の一実施形態を構成するモデル演算手段及び最適操作条件演算手段によってなされる最適操作条件の演算手順を示したフロー図である。 本発明の水処理運転支援装置の一実施形態を構成するモデル演算手段による演算結果の表示手段による表示の一例を示す図である。 本発明の水処理運転支援装置の一実施形態を構成する最適操作条件演算手段による演算結果の表示手段による表示の一例を示す図である。 本発明の水処理運転支援装置の一実施形態を構成する最適操作条件演算手段による演算結果の表示手段による表示の一例を示す図である。 優先順位設定手段により使用電力量を優先順位1番目に設定した場合における、最適操作条件演算手段による演算結果の表示手段による表示の一例を示す図である。
符号の説明
20 運転支援システム(水処理運転支援装置)
21 運転目標設定手段
22 優先順位設定手段
23 操作条件設定手段
24 モデル演算手段
25 最適操作条件演算手段
26 表示手段
30 運転目標設定エリア(目標項目設定手段、目標値設定手段)
35,36 操作条件エリア(操作項目設定手段)
37,38 操作量エリア(操作量設定手段)
100 プラント

Claims (8)

  1. 複数の操作条件を調節して運転され、リン・窒素除去プロセスを組み合わせた下水高度処理法により水処理を行う下水処理プラントの水処理運転支援装置において、
    操作手段による入力に基づき、複数の運転目標としての処理水質を含む複数の運転目標項目と各運転目標項目の目標値とを設定する運転目標設定手段と、
    操作手段による入力に基づき、前記設定された複数の運転目標項目に対して、複数の運転目標項目の目標値を満足できる操作量の組み合わせが複数抽出された場合に、最終的にどの運転目標項目を優先して最適操作条件とするかの優先順位を設定する優先順位設定手段と、
    前記複数の操作条件のうち、調節対象とする複数の操作条件としての複数の操作項目と各操作項目の操作量の演算範囲を設定する操作条件設定手段と、
    前記操作条件設定手段により設定された前記複数の操作項目と各操作項目の操作量の演算範囲に基づき、前記操作項目毎に前記演算範囲内の操作量を用いてシミュレーション計算を行い、前記操作項目毎に前記演算範囲内の操作量の全ケースについて、少なくとも前記運転目標設定手段により設定された前記複数の運転目標項目のそれぞれの値を演算するモデル演算手段と、
    前記モデル演算手段により演算された前記演算範囲内の操作量の全ケースについての前記複数の運転目標項目のそれぞれのの中から前記運転目標設定手段により設定された前記各運転目標項目の目標値を満足する複数の操作項目毎の操作量の組み合わせを抽出し、その組み合わせの中から前記優先順位設定手段により設定された優先順位のうち優先順位が最も高い運転目標項目において、運転目標項目の値が最も良い操作量の組み合わせを最適操作条件として抽出する最適操作条件演算手段と、
    少なくとも前記最適操作条件演算手段の抽出結果を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする水処理運転支援装置。
  2. 請求項1に記載の水処理運転支援装置において、前記運転目標設定手段は、目標項目を設定する目標項目設定手段及び目標値を設定する目標値設定手段を有することを特徴とする水処理運転支援装置。
  3. 請求項2記載の水処理運転支援装置において、前記目標項目設定手段により、処理水質、総量、使用電力量、汚泥日令、SRT、及びMLSSのうち少なくとも1つを目標項目として設定可能であることを特徴とする水処理運転支援装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の水処理運転支援装置において、前記操作条件設定手段は、操作項目を設定する操作項目設定手段及び操作量の演算範囲を設定する操作量設定手段を有することを特徴とする水処理運転支援装置。
  5. 請求項4に記載の水処理運転支援装置において、前記操作量設定手段により、操作量の最大値、最小値、及び間隔を設定可能であることを特徴とする水処理運転支援装置。
  6. 複数の操作条件を調節して運転され、リン・窒素除去プロセスを組み合わせた下水高度処理法により水処理を行う下水処理プラントの水処理運転支援ソフトウェアであって、
    操作手段による入力に基づき、複数の運転目標としての処理水質を含む複数の運転目標項目と各運転目標項目の目標値とを設定する運転目標設定手順と、
    操作手段による入力に基づき、前記設定された複数の運転目標項目に対して、複数の運転目標項目の目標値を満足できる操作量の組み合わせが複数抽出された場合に、最終的にどの運転目標項目を優先して最適操作条件とするかの優先順位を設定する優先順位設定手順と、
    前記複数の操作条件のうち、調節対象とする複数の操作条件としての複数の操作項目と各操作項目の操作量の演算範囲を設定する操作条件設定手順と、
    前記操作条件設定手順により設定された前記複数の操作項目と各操作項目の操作量の演算範囲に基づき、前記操作項目毎に前記演算範囲内の操作量を用いてシミュレーション計算を行い、前記操作項目毎に前記演算範囲内の操作量の全ケースについて、少なくとも前記運転目標設定手段により設定された前記複数の運転目標項目のそれぞれの値を演算するモデル演算手順と、
    前記モデル演算手順により演算された前記演算範囲内の操作量の全ケースについての前記複数の運転目標項目のそれぞれのの中から前記運転目標設定手順により設定された前記各運転目標項目の目標値を満足する複数の操作項目毎の操作量の組み合わせを抽出し、その組み合わせの中から前記優先順位設定手段により設定された優先順位のうち優先順位が最も高い運転目標項目において、運転目標項目の値が最も良い操作量の組み合わせを最適操作条件として抽出する最適操作条件演算手順と、
    少なくとも前記抽出された最適操作条件を表示する表示手順とを、コンピュータに実行させるための水処理運転支援ソフトウェア。
  7. 複数の操作条件を調節して運転され、リン・窒素除去プロセスを組み合わせた下水高度処理法により水処理を行う下水処理プラントの水処理運転支援ソフトウェアを記録した記録媒体であって、
    操作手段による入力に基づき、 複数の運転目標としての処理水質を含む複数の運転目標項目と各運転目標項目の目標値とを設定する運転目標設定手順と、
    操作手段による入力に基づき、前記設定された複数の運転目標項目に対して、複数の運転目標項目の目標値を満足できる操作量の組み合わせが複数抽出された場合に、最終的にどの運転目標項目を優先して最適操作条件とするかの優先順位を設定する優先順位設定手順と、
    前記複数の操作条件のうち、調節対象とする複数の操作条件としての複数の操作項目と各操作項目の操作量の演算範囲を設定する操作条件設定手順と、
    前記操作条件設定手順により設定された前記複数の操作項目と各操作項目の操作量の演算範囲に基づき、前記操作項目毎に前記演算範囲内の操作量を用いてシミュレーション計算を行い、前記操作項目毎に前記演算範囲内の操作量の全ケースについて、少なくとも前記運転目標設定手順により設定された前記複数の運転目標項目のそれぞれの値を演算するモデル演算手順と、
    前記モデル演算手順により演算された前記演算範囲内の操作量の全ケースについての前記複数の運転目標項目のそれぞれのの中から前記運転目標設定手順により設定された前記各運転目標項目の目標値を満足する複数の操作項目毎の操作量の組み合わせを抽出し、その組み合わせの中から前記優先順位設定手段により設定された優先順位のうち優先順位が最も高い運転目標項目において、運転目標項目の値が最も良い操作量の組み合わせを最適操作条件として抽出する最適操作条件演算手順と、
    少なくとも前記抽出された最適操作条件を表示する表示手順とを、コンピュータに実行させる水処理運転支援ソフトウェアを記録した記録媒体。
  8. 複数の操作条件を調節して運転され、リン・窒素除去プロセスを組み合わせた下水高度処理法により水処理を行う水処理プラントにおいて、
    操作手段による入力に基づき、複数の運転目標としての処理水質を含む複数の運転目標項目と各運転目標項目の目標値とを設定する運転目標設定手段と、
    操作手段による入力に基づき、前記設定された複数の運転目標項目に対して、複数の運転目標項目の目標値を満足できる操作量の組み合わせが複数抽出された場合に、最終的にどの運転目標項目を優先して最適操作条件とするかの優先順位を設定する優先順位設定手段と、
    前記複数の操作条件のうち、調節対象とする複数の操作条件としての複数の操作項目と各操作項目の操作量の演算範囲を設定する操作条件設定手段と、
    前記操作条件設定手段により設定された前記複数の操作項目と各操作項目の操作量の演算範囲に基づき、前記操作項目毎に前記演算範囲内の操作量を用いてシミュレーション計算を行い、前記操作項目毎に前記演算範囲内の操作量の全ケースについて、少なくとも前記運転目標設定手段により設定された前記複数の運転目標項目のそれぞれの値を演算するモデル演算手段と、
    前記モデル演算手段により演算された前記演算範囲内の操作量の全ケースについての前記複数の運転目標項目のそれぞれのの中から前記運転目標設定手段により設定された前記各運転目標項目の目標値を満足する複数の操作項目毎の操作量の組み合わせを抽出し、その組み合わせの中から前記優先順位設定手段により設定された優先順位のうち優先順位が最も高い運転目標項目において、運転目標項目の値が最も良い操作量の組み合わせを最適操作条件として抽出する最適操作条件演算手段と、
    少なくとも前記最適操作条件演算手段の抽出結果を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする水処理プラント。
JP2004192813A 2004-06-30 2004-06-30 水処理運転支援装置及び水処理運転支援ソフトウェア、水処理プラント Expired - Fee Related JP4647250B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004192813A JP4647250B2 (ja) 2004-06-30 2004-06-30 水処理運転支援装置及び水処理運転支援ソフトウェア、水処理プラント

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004192813A JP4647250B2 (ja) 2004-06-30 2004-06-30 水処理運転支援装置及び水処理運転支援ソフトウェア、水処理プラント

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006015180A JP2006015180A (ja) 2006-01-19
JP4647250B2 true JP4647250B2 (ja) 2011-03-09

Family

ID=35789893

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004192813A Expired - Fee Related JP4647250B2 (ja) 2004-06-30 2004-06-30 水処理運転支援装置及び水処理運転支援ソフトウェア、水処理プラント

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4647250B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5276960B2 (ja) * 2008-05-21 2013-08-28 株式会社日立製作所 プラント運転システム
CN102502896A (zh) * 2011-10-26 2012-06-20 同济大学 一种优化硫酸法钛白粉用水系统的方法
JP6754680B2 (ja) * 2016-11-24 2020-09-16 オルガノ株式会社 加圧浮上分離装置の運転方法および加圧浮上分離装置
JP6763831B2 (ja) * 2017-07-03 2020-09-30 横河電機株式会社 制御システム及び制御方法
KR101962566B1 (ko) * 2018-01-04 2019-07-17 두산중공업 주식회사 연속회분식 반응조를 활용한 저 에너지 혐기성 암모늄 산화 시스템 및 이 시스템을 위한 선행 스케줄링 방법
JP7191708B2 (ja) * 2019-01-18 2022-12-19 株式会社東芝 制御装置、制御方法及びコンピュータプログラム
JP2020163300A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 栗田工業株式会社 水処理装置の管理システム
JP7207596B1 (ja) 2022-06-16 2023-01-18 富士電機株式会社 運転支援装置、運転支援方法及びプログラム
JP2024041288A (ja) * 2022-09-14 2024-03-27 株式会社日立製作所 水処理プラントの運転制御装置並びに水処理プラントの運転制御方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003300093A (ja) * 2002-04-04 2003-10-21 Hitachi Ltd 水処理プロセスの運転支援システム及び制御システム

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003300093A (ja) * 2002-04-04 2003-10-21 Hitachi Ltd 水処理プロセスの運転支援システム及び制御システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006015180A (ja) 2006-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Hreiz et al. Multi-objective optimal control of small-size wastewater treatment plants
Fernández et al. Reduction of aeration costs by tuning a multi-set point on/off controller: A case study
JP4334317B2 (ja) 下水処理システム
JP5188451B2 (ja) 水処理設備
JP5717188B2 (ja) 排水処理方法及び排水処理装置
JP4647250B2 (ja) 水処理運転支援装置及び水処理運転支援ソフトウェア、水処理プラント
Gu et al. Optimization and control strategies of aeration in WWTPs: A review
JP3823863B2 (ja) 水処理プロセスの運転支援システム及び制御システム
JP4117274B2 (ja) 活性汚泥方式排水処理方法及び活性汚泥方式排水処理装置
JP6404999B2 (ja) 有機排水処理装置
JP3487092B2 (ja) 生物学的水処理装置の制御方法
Torà et al. Fast start-up and controlled operation during a long-term period of a high-rate partial nitrification activated sludge system
JP4367037B2 (ja) 水質情報演算処理装置
JP6158691B2 (ja) 有機排水処理装置、有機排水の処理方法及び有機排水処理装置の制御プログラム
WO2017207011A1 (en) Control of n2o-emissions by aeration
JP4180773B2 (ja) 下水を活性汚泥法により処理する下水処理場の設計支援装置
Shen et al. Mathematical simulation of feedforward control for nutrient removal in anaerobic–anoxic–oxic processes
JP7158912B2 (ja) 調整区画制御装置、調整区画制御方法、コンピュータプログラム及び有機排水処理システム
JPH07136687A (ja) 低水温期における活性汚泥循環変法の運転制御方法
JP4376382B2 (ja) 下水処理シミュレーション装置
JP2001198590A (ja) 活性汚泥水処理装置のシミュレーション方法および装置
JP2001009497A (ja) 生物学的水処理方法および設備
JPH08323393A (ja) 循環式硝化脱窒法の水質シミュレーション装置
KR100810960B1 (ko) 표준활성슬러지시설을 이용한 경제적인 질소, 인 제거장치
Soliman et al. A study of A2/O process in El-Berka WWTP by replacing the anaerobic selector with UASB and adopting a hybrid system in the oxic zone

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060525

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081118

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100119

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100323

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101207

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101208

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131217

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4647250

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees