JP2003300093A - 水処理プロセスの運転支援システム及び制御システム - Google Patents
水処理プロセスの運転支援システム及び制御システムInfo
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Abstract
運転条件の決定を支援できる水処理プロセスの運転支援
システム及び制御システムを提供することにある。水処
理プロセスの最適運転を提供する。 【解決手段】複数の水質項目及び水質目標値を入力する
目標値入力手段101と、複数の運転条件を選択する運
転選択手段102と、複数の水質項目の水質計算値を出
力するモデル演算手段103と、個々の水質項目の目標
値を満足する設定値を演算する第1演算手段104と、
複数の水質目標値を満足するための最適設定値を演算す
る第2演算手段105と、該第1演算手段及び該第2演
算手段の出力の表示手段とを具備し、最適設定値を演算
する。
Description
ト、産業廃水処理プラント、浄水処理プラント等の保有
する水処理プロセスの運転や設計を適切に実施するため
の水処理プロセスの運転支援システムに関する。
群によって汚水を浄化しており、この処理を活性汚泥プ
ロセスと称している。現在、稼動している下水処理場の
大半は活性汚泥プロセスで、有機物の除去を主目的とし
た標準活性汚泥法を採用している。標準活性汚泥法は、
流入下水中の有機物を生物反応槽で活性汚泥に摂取ある
いは酸化分解させた後に最終沈殿池で活性汚泥を沈降さ
せて上澄み液を放流する。
の規制強化が進められているが、従来の標準活性汚泥法
で設計された現有施設では、りん・窒素の規制値をクリ
アする処理水を得ることが困難である。下水中からの窒
素やりんを除去可能な方法は下水高度処理法と呼称さ
れ、りん・窒素同時除去プロセスは上記2つのプロセス
を組み合わせた「嫌気―無酸素―好気法」が代表的な処
理法である。
ん、窒素除去に関連する各種微生物の生息環境を適切に
維持することによって性能が発揮される。しかし、下水
高度処理法は複雑で、また、複数の運転操作項目があ
り、互いに干渉する。例えば、操作量の1つである循環
液量を高めると窒素除去性能は向上するが、逆に、りん
除去性能は低下するなど、一つの操作量をとっても適切
に設定することは困難なことである。これは、これまで
有機物、りん、窒素の複雑な反応過程を計算して処理水
水質を提示できる方法がなく、設計や運転を経験と勘に
依存していたためでもある。
によって活性汚泥プロセスの特性を評価する方法が提案
されている。特開2000−107744号公報に記載
のクライアントサーバーシステム、特開2001−33
4287号公報に記載のシミュレーション装置が知られ
ている。
セスは複雑で、これを数値で表すと非線形の多変数のモ
デルとなる。例えば、嫌気―無酸素―好気法の代表的な
操作量である溶存酸素(DO)を増加すると、処理水の有
機物、りん、窒素は単純に増加する訳ではなく、それぞ
れが非線形的な増減を示す。また、返送汚泥、循環量、
余剰汚泥量などDO以外の操作量を変化させてもDOと同様
に、処理水の有機物、りん、窒素は非線形的な変動を示
す。従って、複数の処理水質を目標値範囲内に維持する
ための適切な操作量を導出するためには、まず、複数の
処理水質と操作量の関係を定量的に把握し、さらに最適
な条件を決定しなければならない。
シミュレータセンサによる水質予測値と操作量の関係を
パターン化して操作量の目標値を演算することができる
事が記載されている。しかし、操作量の目標値を求める
ことや、処理水質を目標値範囲内に維持すること、更に
は操作量を最適にすることについて記載されておらず、
これでは目標水質を常に維持できる運転を実現できない
という課題がある。また、探索条件と過程を理解しやす
いように表示することが非常に重要であるにも拘らず、
なんら考慮されていないので、運転者の信頼を得る最適
な運転支援を実施できない。
目ならびにその目標値は、放流先の汚濁動向、採用して
いる活性汚泥プロセスの方式、条例など様々の要因を勘
案して設定されるため、個々の水処理プラント毎に異な
っている。また、水処理プラントの方式は無数に存在
し、操作可能な条件も多様である。従って水処理プラン
トの運転を適正に行うには、処理水質を計算できるだけ
でなく、複数の処理水質目標値と複数の操作量の関連を
計算できるような機能が必要である。
数の操作量を自由に設定できる機能と、最適な操作量の
決定根拠を示す機能が必要であるが、特開2000−1
07744号公報では記載されておらず、最適運転の実
現に課題がある。
は、窒素除去を最大にする機器の配置や仕様の最適条件
を探索する方法である。しかし、水質目標を窒素のみと
して計算しており、有機物やりんが目標に加わった場合
には対応できないという課題がある。
複数の水質目標値、複数の操作量を入力でき、最適の運
転条件を決定できる機能が必要である。また、同時に、
運転者が利用しやすいように最適条件の定義を明確に
し、個々の操作量が処理水質に与える影響を理解しやす
く表示するべきであるが、従来技術では考慮されていな
いという課題がある。
ので、その目的とするところは複数の目標水質を満たす
適切な運転条件の決定を支援できる水処理プロセスの運
転支援システム及び制御システムを提供することにあ
る。
明は、複数の操作量を調節して運転される水処理プロセ
スにおいて、複数の水質項目と水質項目毎の水質目標値
を入力する目標値入力手段と、複数の操作量のうち調節
すべき操作量を選択して運転条件を定める運転選択手段
と、運転選択手段により選択された操作量を入力して複
数の水質項目の水質計算値を出力するモデル演算手段
と、モデル演算手段によって計算された複数の水質計算
値から複数の水質項目毎の水質目標値を満足する選択さ
れた操作量の設定値を演算する第1演算手段と、第1演
算手段で演算された複数の水質項目毎の操作量設定値を
入力して複数の水質項目毎の水質目標値を満足する最適
設定値を演算する第2演算手段と、複数の水質項目と選
択された操作量の関係を表示する表示手段とを具備した
ことを特徴とする。
ち一つを調節すべき操作量として選択して運転条件を定
めることを特徴とする。
に水質目標値を満足する最小値の操作量を設定値として
出力することを特徴とする。
入力した複数の操作量設定値の最大値を最適設定値とし
て出力することを特徴とする。
なる操作量と複数の水質項目との関係をグラフ表示する
ことを特徴とする。
段で演算された複数の設定値および第2演算手段で演算
された最適設定値を表示することを特徴とする水処理プ
ロセスの運転支援システム。
目として少なくとも処理水の有機物、窒素、りんを入力
することを特徴とする水処理プロセスの運転支援システ
ム。
質項目毎の水質目標値は、絶対値あるいは除去率を設定
することを特徴とする。
流入量として加えられるものであって、表示手段は、最
適なステップ流入量と流入水量との比を表示することを
特徴とする。
複数台のコントローラにより制御される水処理プロセス
であって、第2演算手段で演算された最適設定値を選択
された一つ操作量を調節するコントローラの設定値とす
ることを特徴とする。
によって操作量の最適設定値を求めているので、水処理
の処理水質を容易に目標値以下に維持することができる
ようになる。
図1は活性汚泥プロセスのひとつである嫌気−無酸素−
好気法(通称、A2O法と称されている)に適用した例で
ある。
槽1B、と好気槽1Cから成る生物反応槽1、最終沈殿池
2、水中撹拌機5、返送汚泥設備7、余剰汚泥設備8、
送風機9、循環設備10、凝集剤貯留槽12、凝集剤注
入設備11から構成されている。
下水13は図示しない最初沈殿池で粗大な狭雑物が除去
された後、生物反応槽1に流入する。最初沈殿池では固
形物を沈降除去し、有機物、アンモニア性窒素、りんな
どを含む上澄み液は生物反応槽1への流入下水13とし
て送られる。
水13と返送汚泥設備7からの返送汚泥(活性汚泥)1
4が流入し、撹拌混合が行われる。一方、好気槽1Cに
は、送風機9から空気18が送気される。さらに、生物
反応槽1では、循環設備10によって好気槽1Cから無
酸素槽1Bへ循環液(汚泥)19を循環する。
最終沈殿池2から返送汚泥設備7を介して高濃度の活性
汚泥を含有する返送汚泥14が供給される。流入下水1
3と返送汚泥14は水中撹拌機5Aで撹拌混合される。
嫌気槽1Aは溶存酸素(DO)と硝酸性窒素がともに存在
しない嫌気状態である。嫌気槽1Aにおいて、活性汚泥
は細胞内に蓄積しているりんを加水分解して液中に放出
する。このりん放出時に、活性汚泥は有機物を吸着し、
細胞内に蓄積する。このため、嫌気槽1Aではりんが増
加し、有機物が減少する。
酸素槽1Bに導かれる。無酸素槽1Bでは循環設備10
により循環液19として還流された好気槽1Cの混合液
と、嫌気槽1Aの混合液とが水中撹拌機5Bにより撹拌
混合される。無酸素槽1Bは溶存酸素を含む循環液19
が流入するが殆ど酸素のない状態となり、循環液19に
含まれている硝酸性窒素を嫌気槽1Aから導かれた混合
液中の有機物、あるいは活性汚泥が細胞内に蓄積してい
た有機物を利用して脱窒反応が主に進行する。脱窒反応
では硝酸性窒素が還元し窒素ガスとして大気に放出され
るため、無酸素槽1Bでは硝酸性窒素と有機物が減少す
る。
好気槽1Cに導かれる。好気槽1Cの底部には散気管6
が設置されており、送風機9からの空気18を噴射し、
混合液を攪拌するとともに活性汚泥の酸素源を供給す
る。好気状態化の好気槽1Cにおいて、活性汚泥は蓄積
した有機物及び混合液中の有機物を水と炭酸ガスに酸化
分解する。また、アンモニア性窒素を硝酸性窒素に酸化
する硝化反応が進行する。さらに、混合液中のりんを細
胞内に摂取する。この摂取量は、通常、嫌気槽1Aで放
出した以上(過剰摂取)となるため、プロセス全体では
りんが減少し、除去されたことになる。
ンモニア性窒素が減少し、硝酸性窒素が増加する。好気
槽1Cの流出部混合液の一部を循環液19とするため、
循環液19には有機物やりんが殆どなく、硝酸性窒素が
含まれる。
導かれ、混合液中の活性汚泥が重力沈降する。最終沈殿
池2の上澄液は処理水16として消毒殺菌後、河川や海
洋に放流される。沈殿した活性汚泥は高濃度となり、大
部分を返送汚泥設備7により返送汚泥14として生物反
応槽1の嫌気槽1Aに戻す。生物反応槽1では反応に対
応して活性汚泥中の微生物が増殖し、活性汚泥濃度を増
加させるが、この増殖分に相当する汚泥を余剰汚泥17
として余剰汚泥設備8を介してプロセス系外に排出す
る。余剰汚泥17中に保持されているりんは、プロセス
全体のりん除去量に相当する。
するプロセスでは、嫌気槽1Aや無酸素槽1Bでのりん放
出と脱窒、好気槽1Cでのりん過剰摂取と硝化のそれぞ
れの機能を十分に発揮させる適正な維持管理が必要とな
る。これらの活性汚泥の処理機能は、流入下水の水質や
流量、プラントの運転条件、あるいは活性汚泥の管理条
件で変化し、徐々に、あるいは突発的に除去不良を招く
ようになる。
16のりんが流入下水13より高くなる場合もある。こ
のような場合、凝集剤貯槽12から凝集剤注入設備11
を介して生物反応槽1の出口に凝集剤を注入して物理化
学的にりんを除去する方式が併用されている。
量の比率によって返送量コントローラ201によって制
御される。循環設備10は、循環液19と流入下水13
の流量比率によって循環量コントローラ202で制御さ
れる。余剰汚泥設備8は、タイマーとプリセット量によ
って余剰汚泥量コントローラ206によって制御され
る。送風機9は、好気槽1Cの溶存酸素計42を所定値
に保つ方式によって空気量コントローラ204によって
制御される。
4〜206と監視制御システム200はネットワーク2
10によって接続されており、監視制御システム200
からコントローラ201、202、204〜206の設
定値や制御パラメータを変更することが出来る。
転支援を行う運転支援システム100について説明す
る。
101、運転選択手段102、モデル演算手段103、
第1演算手段104、第2演算手段105、表示手段1
06から構成される。
とする水質項目及び水質目標値を入力する。水質項目と
は例えば、有機物(易分解性と難分解性)、アンモニア
性窒素、硝酸性窒素、全窒素、りん、浮遊物濃度、アル
カリ度、溶存酸素、水温などである。水質目標値は24時
間変動パターンや24時間を通して一定値として与えられ
る。また、水質項目の計測場所は処理水16のほか生物
反応槽1の各所で行うようにすることもできる。
転条件のなかで最適化したい条件を選択し、同時に選択
した運転条件の探索範囲を設定する。目標値入力手段1
01と運転選択手段102において必要なデータはキー
ボード、マウスなどを用いて入力する。
程をソフトウエアで模擬したモデルに基づいて、運転選
択手段102で選択された運転条件の操作量を逐次変化
させて、目標値入力手段101で入力した水質項目の変
化を計算する。水質計算のモデルには国際水環境協会
(IAWQ)が発表した刊行物IAWQ Scientific and Tec
hnical Report No.3,「Activated Sludge Mo
del No.2」(活性汚泥モデル2)(1995年)
などの公知のモデルを適用してもよいし、化学反応式か
ら作成したモデル、実験的に求めたモデル、統計モデル
を適用してもよい。
03で計算された複数の水質計算値と操作量から、個々
の水質項目ごとに最適条件を満足する操作量を演算して
水質項目毎の設定値を出力する。設定値の数は少なくと
も、目標値入力手段101で入力された水質項目の数だ
け存在する。ここで最適条件とは、例えば水質目標値を
満足しかつ最小値となる操作量である。操作量を最小値
にすると、制御対象設備の使用電力量を低く抑えた低コ
スト運転が実現できる。
って計算された複数の設定値から、複数の水質目標値を
満足するための最適設定値を演算する。例えば、水質目
標値をクリアすることを優先させるには、複数の設定値
の最大値を最適設定値として出力する。最適設定値は表
示手段106に表示する。また、運転支援システム10
0と監視制御システム200と接続し、コントローラ2
01〜206に設定する。
0を構成する手段の入出力情報を表示する。モデル演算
手段103による複数の水質計算値と操作量の関係、第
1演算手段104による個々の水質項目ごとの設定値や
最適条件、第2演算手段105による最適設定値などで
ある。また、第1演算手段104の出力である複数の設
定値と、第2演算手段105の出力である1つの最適設
定値とを同一画面上に順次表示することで、運転者に最
適設定値とその計算過程を一目で把握することが出来
る。表示する情報はテキスト形式でもよいし、散布図、
トレンドグラフ、一覧表、除去率、円グラフなどの各種
形式に添って編集を行い表示してもよい。
1演算手段104、モデル演算手段103による最適設
定値の計算のフロー図を示す。図2において、目標値入
力手段101から水質項目として処理水有機物、処理水
全窒素、処理水りんが入力されたものとして説明する。
おいて、カウンタi=1とし、選択された運転条件の操
作量x(i)に初期値を設定する。ステップ111に移行
して数値モデルにより水質項目の水質計算値y1(i)、
y2(i)、y3(i)を計算する。ここで、y1(i)、y2
(i)、y3(i)は、それぞれ処理水有機物、処理水全窒
素、処理水りんに対応する。
らステップ112に移行してカウンタiを1アップし、
操作量x(i)に増分Δxを加算する。増分Δxは一定で
も良いし、水質計算値と目標値の差が大きいときには増
分を大きくするなどのように自動的に変更しても良い。
モデル演算手段130はステップ111、ステップ11
2の処理を繰り返して実行し、操作量x(i)が探索範囲
の上限に達したらステップ113に移行する。繰返し回
数がN回の場合、ステップ113では、それぞれN個の操
作量と水質計算値が保存される。
個の操作量x(i)とN個の水質計算値y1(i)から(1)
式の最適条件を満たす操作量を探索し、抽出した操作量
を設定値x1として出力する。 IF ( 水質y1(i )≦目標値 AND 操作量x(i )=最小値 ) THEN ( 設定値x1=x(i ) ) (式1)
ベルの異なる複数の目標値を最適条件の要因としてもよ
い。また、操作量xを最小値にすることは動力費の低減
につながるが、低コスト運転方法にはこの他にも、設備
を構成する機器の仕様から決定してもよい。例えば、定
格出力による運転の継続、機器の切り替え頻度が小さい
運転、機器寿命の長い負荷による運転、夜間電力、電
池、自家発電機の運用と連動して最適コストとなる運転
などである。このステップ114は水質項目の数だけ繰
り返される。本実施例では3回繰り返されて、処理水有
機物、処理水全窒素、処理水りんそれぞれの設定値x
1、x2、x3が求まる。ステップ115では水質項目
ごとの設定値x1、x2、x3を格納する。
いて設定値x1、x2、x3の最大値を抽出し、ステッ
プ117において最適設定値Xsとして出力する。表示手
段106は、最適設定値Xs、目標値入力手段101、モ
デル演算手段130、第1演算手段104、第2演算手
段105の計算過程や計算結果を表示する。
例を示す。図3は水質項目として処理水の有機物、全窒
素、りんの目標値を入力する画面の一例である。
する場合には、処理水質ボタン201をマウスなどで選
択した後に入力する。なお、mg/LのLはリットルであ
る。また、除去率(%)を入力する場合には除去率ボタ
ン202を選択してから除去率を入力する。本実施例で
は水質項目を処理水質にしているが、生物反応槽1の任
意の地点としてもよく、また、水質項目毎に濃度または
除去率を選択できるような構成にすることもできる。
す。図4は最適化したい運転条件と探索範囲を入力する
画面の一例である。
リックすることで選択できる。最適設定値を探索する範
囲は、入力エリア212に選択された運転条件ごとに最
小値と最大値として与える。また、探索範囲は監視制御
システム200で保持している値を自動的に与えてもよ
く、運転条件は複数選択することもできる。
5は水質項目を処理水の有機物、全窒素、りんの3個の
条件で、運転条件としてDOが選択された場合の最適設定
値を表示する画面の一例である。
質計算値と操作量との関係をエリア221に、第1演算
手段104の計算結果である水質項目ごとのDO設定値x
1、x2、x3をエリア222に、第2演算手段105
計算結果であるDO最適設定値Xsをエリア223にそれぞ
れ表示し、これらを矢印でつなぐことで最適設定値の導
出過程を示している。
水質計算値を縦軸にして、両者の関係をグラフで表示し
ている。グラフ上で有機物、全窒素、りんの水質目標値
を満足するDO設定値x1、x2、x3の対応を破線で示
している。これによって、運転者は、DOの変化に伴って
水質がどのように変動するのかを把握でき、さらに、DO
最適設定値Xsの導出根拠を理解できる。
空気量コントローラ204に最適設定値Xsをそのまま設
定してもよいし、経験的な余裕度合いを反映して増減を
加えてから設定することも可能である。本実施例ではエ
リア221には水質項目毎に1つの目標値であるが、複
数の目標値と対応する複数の設定値を表示することもで
きる。
である嫌気−好気−無酸素−再曝気法(AOAO法)の運転
支援及び制御システムに適用した一実施例である。
し、AOAO法は嫌気槽1A、好気槽1B、無酸素槽1C、再
曝気槽1Dから成る生物反応槽1、最終沈殿池2、最初
沈殿池3、水中撹拌機5、散気装置6、返送汚泥設備
7、余剰汚泥設備8、送風機9、ステップ流入設備21
から構成されている。図6は最初沈殿池3を図示してい
る。ステップ流入設備21は流入下水13の一部を分岐
してステップ流入水20として、無酸素槽1Cに注入す
る例を示している。
は嫌気槽1Aで撹拌混合される。嫌気槽1Aにおいて、
活性汚泥はりん放出と同時に有機物を吸着するため、り
んが増加し、有機物が減少する。
る。好気槽1Bの底部には散気管6Bが設置されており、
送風機9からの空気18を噴射して混合液を攪拌すると
ともに活性汚泥の酸素源を供給する。好気状態化の好気
槽1Bにおいて、活性汚泥は蓄積した有機物及び混合液
中の有機物を水と炭酸ガスに酸化分解する。また、アン
モニア性窒素を硝酸性窒素に酸化する硝化反応が進行す
る。さらに、混合液中のりん酸を細胞内に摂取する。従
って、好気槽1Bでは有機物、りん、アンモニア性窒素
が減少し、硝酸性窒素が増加する。
よって導かれたステップ流入水20と、好気槽1Bの混
合液とが水中撹拌機5Bにより撹拌混合される。ステッ
プ流入量とは、流入下水の一部を生物反応槽1の途中の
無酸素槽に流入するもので、主に脱窒反応に必要な有機
物の供給を目的とする。ステップ流入水20は流入下水
13と同じ成分なので、有機物、アンモニア性窒素、り
んなどを含んでいる。
り、好気槽1Bの混合液に含まれていた硝酸性窒素をス
テップ流入20中の有機物、あるいは活性汚泥が細胞内
に蓄積していた有機物を利用して脱窒反応が主に進行す
る。このため、無酸素槽1Cでは硝酸性窒素が減少す
る。一方、ステップ流入水20に含まれている有機物、
アンモニア性窒素は増加する。また、活性汚泥のりん放
出によってりんも増加する。
る。好気槽1Dの底部には散気管6が設置されており、
送風機9からの空気18を噴射し、混合液を攪拌すると
ともに活性汚泥の酸素源を供給する。好気槽1Dでは有
機物、りん、アンモニア性窒素が減少し、硝酸性窒素が
増加する。
9は、図1のA2O法の実施例と同様にコントローラ20
2,206,204によって制御される。ステップ流入
設備21は、流入下水13とステップ流入の比を所定値
に保つ方式や一定流量に保つ方式によってステップ流量
コントローラ207によって制御される。これらコント
ローラと監視制御システム200はネットワーク210
によって接続されており、監視制御システム200から
コントローラの設定値や制御パラメータを変更すること
が出来る。
も、運転支援システム100は、A2O法の実施例と同様
な構成で最適設定値を出力できる。また、運転支援シス
テム100によって計算した最適設定値は、監視制御シ
ステム200と接続し、コントローラに設定することも
できる。
流入下水31としているが、最初沈殿池3に流入前の下
水としても良く、また、最初沈殿池3から引抜かれた汚
泥にすることもできる。また、ステップ流入水20はメ
タノールなどの有機物にすることもできる。
例を示す。図7は水質項目として処理水の有機物、全窒
素、りんの除去率が入力され、運転条件としてステップ
流入量が選択された場合の最適設定値を表示する画面の
一例である。
算結果である操作量と水質計算値をエリア231に、第
1演算手段104の計算結果である水質項目ごとの設定
値をエリア232に、第2演算手段105計算結果であ
る最適設定値をエリア233にそれぞれ表示する。エリ
ア231にはステップ比(r1:r2)を横軸に水質除
去率を縦軸にして、両者の関係をグラフで表示してい
る。r1は流入下水31でr2はステップ流入水20で
ある。
援を行うのであるが、操作量と目標とする水質との関係
によって操作量の最適設定値を求めているので、水処理
の処理水質を容易に目標値以下に維持することができる
ようになる。
と目標とする水質との関係を定量的に表示し、また、最
適な設定値を自動的に表示することができるので、運転
者はより高度な判断が可能になる。
援について説明したが、上水道施設の運転支援に適用す
る場合でも、個別の情報内容や項目は異なるが、基本的
な方式の枠組みは全く同様に適用することができる。本
発明によって最適運転を実施できれば、余分な動力費の
削減、余分な人件費の抑制の効果がある。
質との関係によって操作量の最適設定値を求めているの
で、水処理の処理水質を容易に目標値以下に維持するこ
とができるようになる。
ロー図である。
画面表示例である。
である。
る。
る。
…撹拌機、6…散気板、7…返送汚泥設備、8…余剰汚
泥設備、9…送風機、10…循環設備、11…凝集剤注
入設備、12…凝集剤、13…流入下水、16…処理
水、17…余剰汚泥、18…空気、19…循環液、20
…ステップ流入設備、21…ステップ流入、30…デー
タ設定装置、31…流量計、42…DO計、100…運転
支援システム、101…目標値入力手段、102…運転
選択手段、103…モデル演算手段、104…第1演算
手段、105…第2演算手段、106…表示手段、20
0…監視制御システム、201、202、204〜20
7…コントローラ、210…ネットワーク。
Claims (9)
- 【請求項1】複数の操作量を調節して運転される水処理
プロセスにおいて、複数の水質項目と水質項目毎の水質
目標値を入力する目標値入力手段と、前記複数の操作量
のうち調節すべき操作量を選択して運転条件を定める運
転選択手段と、前記運転選択手段により選択された操作
量を入力して前記複数の水質項目の水質計算値を出力す
るモデル演算手段と、前記モデル演算手段によって計算
された複数の水質計算値から前記複数の水質項目毎の水
質目標値を満足する前記選択された操作量の設定値を演
算する第1演算手段と、前記第1演算手段で演算された
前記複数の水質項目毎の操作量設定値を入力して前記複
数の水質項目毎の水質目標値を満足する最適設定値を演
算する第2演算手段と、前記複数の水質項目と前記選択
された操作量の関係を表示する表示手段とを具備したこ
とを特徴とする水処理プロセスの運転支援システム。 - 【請求項2】請求項1において、前記運転選択手段は、
前記複数の操作量のうち一つを調節すべき操作量として
選択して運転条件を定めることを特徴とする水処理プロ
セスの運転支援システム。 - 【請求項3】請求項1において、前記第1演算手段は、
前記複数の水質項目毎に水質目標値を満足する最小値の
操作量を設定値として出力することを特徴とする水処理
プロセスの運転支援システム。 - 【請求項4】請求項1において、前記第2演算手段は、
前記第1演算手段から入力した複数の操作量設定値の最
大値を最適設定値として出力することを特徴とする水処
理プロセスの運転支援システム。 - 【請求項5】請求項1において、前記表示手段は、少な
くとも前記第1演算手段で演算された複数の設定値およ
び前記第2演算手段で演算された最適設定値を表示する
ことを特徴とする水処理プロセスの運転支援システム。 - 【請求項6】請求項1において、前記目標値入力手段
は、複数の水質項目として少なくとも処理水の有機物、
窒素、りんを入力することを特徴とする水処理プロセス
の運転支援システム。 - 【請求項7】請求項1において、前記目標値入力手段で
入力する複数の水質項目毎の水質目標値は、絶対値ある
いは除去率を設定することを特徴とする水処理プロセス
の運転支援システム。 - 【請求項8】請求項1において、水処理プロセスは有機
物をステップ流入量として加えられるものであって、前
記表示手段は、最適なステップ流入量と流入水量との比
を表示することを特徴とする水処理プロセスの運転支援
システム。 - 【請求項9】複数の操作量を演算して調節する複数台の
コントローラにより制御される水処理プロセスにおい
て、複数の水質項目と水質項目毎の水質目標値を入力す
る目標値入力手段と、前記複数の操作量のうち一つを調
節すべき操作量を選択して運転条件を定める運転選択手
段と、前記運転選択手段により選択された操作量を入力
して前記複数の水質項目の水質計算値を出力するモデル
演算手段と、前記モデル演算手段によって計算された複
数の水質計算値から前記複数の水質項目毎の水質目標値
を満足する前記選択された操作量の設定値を演算する第
1演算手段と、前記第1演算手段で演算された前記複数
の水質項目毎の操作量設定値を入力して前記複数の水質
項目毎の水質目標値を満足する最適設定値を演算する第
2演算手段と、前記複数の水質項目と前記選択された操
作量の関係を表示する表示手段とを具備し、前記第2演
算手段で演算された最適設定値を前記選択された一つ操
作量を調節する前記コントローラの設定値とすることを
特徴とする水処理プロセスの制御システム。
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