JP2012245422A - 水処理プロセス制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】下水処理場の処理水の水質の維持と温室効果ガス排出量を低減できる水処理プロセス制御装置を提供する。
【解決手段】水処理プロセスの好気槽1の溶存酸素濃度を計測する溶存酸素濃度計3と、好気槽1に空気を送り込むブロワ2と、溶存酸素濃度が溶存酸素濃度目標値となるようにブロワ2の風量を制御するローカル制御部10と、評価関数に基づき運転目標値を演算する運転目標値演算部11と、処理水水質の制約条件を設定する制約条件設定部12とを備え、評価関数が少なくとも水処理プロセスから排出される温室効果ガスに関する項と処理水水質に関する制約条件を緩和する項とで構成され、運転目標値の少なくとも一つが前記溶存酸素濃度目標値であることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、下水処理場の処理水の水質の維持と温室効果ガス排出量を低減するのに好適な水処理プロセス制御装置に関する。
エネルギー資源の枯渇の問題,地球温暖化と環境の問題の重要性がますます大きくなる昨今、下水処理プロセスでは、放流水の水質基準を順守する従来の運転制御に加えて、運転電力量や温室効果ガス排出量の低減が求められている。このような運転を実現するため、下水処理プロセスを数理的なモデルで表し、制御に用いる試みがなされている。
下水処理プロセスの数理モデルの例としては、例えば[特許文献1]に記載されているように、水質シミュレータに適用されている、複数の生物反応槽と最終沈殿池を、非線形の生物反応モデルと水理モデルで記述したモデルがある。
生物反応モデルは、微生物の増殖,自己分解,脱窒,硝化などのプロセスによる微生物,汚濁物質,窒素,リンなどの成分の濃度変動を表しており、一般的な例として、1995年に国際水環境協会(IWAQ)が発表した「活性汚泥モデルNo.2」(IWAQ:IWAQ Scientific and Technical Report No.3、Activated Sludge Model No.2、1995)がある。この生物反応モデルに水理モデルを組み合わせた水質シミュレータでは、ブロワやポンプなどの個々の機器の流量と変動する流入水質を入力することで、各生物反応槽や処理水の水質や水処理プロセスから排出される電力由来の温室効果ガスを求めることができる。
また、[特許文献2]に記載の水質シミュレータでは、水処理プロセスから排出される温室効果ガスの一酸化二窒素を考慮した活性汚泥モデルを組み込んでおり、このような水質シミュレータにより、電力と一酸化二窒素由来の温室効果ガスを演算することができる。
水質の維持と電力や温室効果ガスの低減を両立させる制御を行う場合、一般的に評価関数を最小化する最適制御が用いられる。上述の数理モデルを下水処理プロセスの制御に用いる場合、個々の機器の流量が操作量に、変動する流入流量や流入水質が外乱に、各生物反応槽や処理水の水質や温室効果ガスなどが制御量に相当する。
制御対象が非線形性の強い現象である場合、制御量を動的に安定して制御することは容易ではない。下水処理プロセスは流入条件や運転条件が刻々と変化する動的な現象であり、非線形性の強い現象である。
非線形性の強い現象の場合、制御を行うために、なんらかの簡略化がなされる場合が多い。例えば、[特許文献3]に記載の方法では、流入条件や運転条件を一定とする静的な条件を仮定し、簡略化して演算を実施する。この演算では、制御量である水質と運転電力を含む評価関数を、静的な条件下で最小化しているため、制御量の他に、静的な操作量を入力した結果の水質も導出できる。
実プロセスの制御では、演算で得られたポンプ流量などの制御量に加えて、好気槽の溶存酸素濃度(MLDO)といった水質も目標値として、PID制御系を含む下位の制御系でポンプやブロワなどを制御する。
他の簡略化の方法として、下水処理プロセスのモデルを線形化した線形モデルを用いる方法がある。[非特許文献1]では、線形モデルをモデル予測制御による最適制御に適用することで、動的な条件下での制御を実現している。モデル予測制御では、例えば[非特許文献2]に記載のように、ポンプ流量やブロワ風量などの操作量や、水質や温室効果ガスなどの制御量の上下限である制約条件のもとで、設定された予測区間における評価関数の合計値を最小化して最適な操作量を導出する。
特開2001−137881号公報 特開平10−43787号公報 特許第4188200号公報
山野井一郎、他3名:環境システム計測制御学会誌「EICA」第14巻第2・3合併号(2009.10) J. M. Maciejowski著、足立修一、管野政明訳、モデル予測制御 制約のもとでの最適制御、東京電機大学出版局(2005)
しかし、[特許文献3]に記載の方法では、下位の制御系の制御量として求める目標値が静的な条件下で求めた解のため、動的な外乱として刻々と変化する流入条件や時間的な影響が考慮できず、求めた解が、動的な条件下で必ずしも適切な解とならないといった課題がある。
[非特許文献1]に記載の方法では、操作量であるポンプ流量やブロワ風量を入力とし、制御量である水質や温室効果ガスを出力とする一般的な水質シミュレータを利用して動的な解としてある時刻の操作量を導出する。導出した操作量により、水質シミュレータで表される実プロセスを制御する。
しかし、水質シミュレータは実プロセスの近似モデルである。そのため、水質シミュレータでの予測結果と実プロセスの結果には乖離があり、予測された結果を再現できない場合もある。特にブロワ風量と、微生物の活性に影響するMLDOの関係は非線形性が強く、若干のブロワ風量不足によりMLDOが大きく低下し、微生物の活性が著しく低下する可能性があった。[非特許文献1]では線形モデルを用いるため、さらにその可能性が大きくなることが懸念された。
本発明の目的は、下水処理場の処理水の水質の維持と温室効果ガス排出量を低減できる水処理プロセス制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の水処理プロセス制御装置は、水処理プロセスの好気槽の溶存酸素濃度を計測する溶存酸素濃度計と、前記好気槽に空気を送り込むブロワと、前記溶存酸素濃度が溶存酸素濃度目標値となるように前記ブロワの風量を制御するローカル制御部と、評価関数に基づき運転目標値を演算する運転目標値演算部と、処理水水質の制約条件を設定する制約条件設定部とを備え、前記評価関数が少なくとも水処理プロセスから排出される温室効果ガスに関する項と前記処理水水質に関する制約条件を緩和する項とで構成され、前記運転目標値の少なくとも一つが前記溶存酸素濃度目標値であることを特徴とする。
又、前記運転目標値演算部で用いる水処理プロセスの数理モデルの入力項目が前記溶存酸素濃度で、出力項目が前記処理水水質と前記温室効果ガスであることを特徴とする。
又、前記運転目標値の少なくとも一つが循環流量であることを特徴とする。
又、前記運転目標値演算部への入力項目が少なくとも流入水の水質あるいは流入水の流量であることを特徴とする。
又、前記温室効果ガスに前記水処理プロセスから排出される一酸化二窒素を含むことを特徴とする。
又、前記一酸化二窒素の排出量を前記水処理プロセスに設置した一酸化二窒素計で計測することを特徴とする。
又、前記一酸化二窒素の排出量を前記処理プロセスの数理モデルで演算することを特徴とする。
又、前記溶存酸素濃度目標値と下限値を同一の画面で表示する出力部を備えたことを特徴とする。
又、前記処理水水質の規制値と制約値と計測値を同一の画面で表示する出力部を備えたことを特徴とする。
又、前記処理水水質と前記温室効果ガス排出量の時間履歴を同一の画面で表示する出力部を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、水処理プロセスでの処理水水質の維持と温室効果ガス低減を両立する制御を実施できる。
実施例1の水処理プロセス制御装置の構成図。 実施例1の制御状況の表示画面例を示す平面図。 実施例2の水処理プロセス制御装置の構成図。 実施例2を適用した制御試算結果を示す図。
本発明の各実施例を図面により説明する。
図1は、本発明の実施例1の水処理プロセス制御装置の構成図である。本実施例は、標準活性汚泥法に水処理プロセス制御装置を適用した例で、活性汚泥により下水を処理する好気槽1の処理を制御する。好気槽1には、底部に散気管15が設置され、外部のブロワ2から供給される空気により槽内の散気が行われる。ブロワ2の計測値は、温室効果ガス量演算部13にフィードバックされる。好気槽1には、溶存酸素濃度を計測する溶存酸素濃度計3が設置され、溶存酸素濃度計3の計測値はローカル制御部10にフィードバックされる。好気槽1には下水100が流入し、好気槽1で処理された下水は、沈殿池5で固液分離され、上澄み液が処理水101として流出する。処理水101の水質は、処理水水質センサ4で計測され、計測値は運転目標値演算部11にフィードバックされる。
ローカル制御部10は、溶存酸素濃度計3からの計測値と、運転目標値演算部11からの溶存酸素濃度の目標値を入力し、演算結果によりブロワ2を制御する。運転目標値演算部11は、制約条件設定部12で入力される処理水101およびブロワ2の制約条件と、温室効果ガス量演算部13で演算される処理プロセスから発生する温室効果ガス量と、処理水水質センサ4で計測される処理水101の水質を入力し、運転目標値となる溶存酸素濃度の目標値を演算し、ローカル制御部10に出力する。出力部14は、ローカル制御部10や運転目標値演算部11から各目標値,計測値に関する情報を取得し、モニタ等に出力する。
次に、運転目標値演算部11における溶存酸素濃度の目標値の演算方法について述べる。本実施例の最適制御には、モデル予測制御(MPC:Model Predictive Control)を用いた。モデル予測制御(以下、MPCという)では、モデルにより現時点以降の制御入力を予測し、その動きが別に設定した参照軌道(あるいは目標値)にできるだけ近づくような操作量の入力系列を求める。求めた入力系列のうち、最初のステップ入力を制御対象に印加し、これらをステップごとに繰り返す。
このように、MPC技術は、オペレータの現場での調整と類似していることから、演算結果を直感的に評価しやすく、オペレータの経験と調整が重要となる下水処理プロセスの制御に適していると考えられる。
MPC演算に用いる水処理プロセスの数理モデルには線形モデルを用いた。線形モデルは水質シミュレータに基づいて作成した近似モデルで、非線形モデルである水質シミュレータを微分して求めた。線形モデルを用いるMPCは、非線形モデルの場合と異なり、実行可能な解の導出が保証され、かつ高速であるといった特長がある。
一般的な水質シミュレータの入力は、運転機器の操作量であり、例えばブロワでは送風量が操作量である。出力は、処理水の水質や反応槽の溶存酸素濃度(MLDO)や温室効果ガス排出量である。
しかし、本実施例では、ブロワの送風量の代わりにMLDOを入力に用いている。線形モデルも同様の入出力としている。この結果、後述するように、評価関数を用いたMPC演算により、処理水の水質の制約条件と温室効果ガス排出量の目標値により、最適なMLDO目標値を演算できる。
MPCにおける評価関数について説明する。MPCでは未来の結果を予測し、その予測が操作量の制約内で最適(評価関数が最小)になるように、現時刻の操作量を決定する。評価関数fと制約を数1,数2,数3に示す。
Figure 2012245422
Figure 2012245422
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ここで、Pは予測期間内の制御回数、kは現時刻、nyは制御量の数、nuは操作量の数、rjは制御量jの目標値、yjは制御量jの予測値、ujは操作量jの予測値、Δujは操作量jの変化量、εはスラック変数、ρはスラック変数εの重み係数、yjmin,yjmaxは制御量jの制約値、wj y,wj Δu,Vjmin,Vjmaxは各評価量の重み係数である。
数1の第1項は制御量の目標値と予測値の差分を表す項、第2項は運転操作量の変化量を表す項、第3項は制約からの超過を表す項である。数2のスラック変数εは、制御量jの制約yjmin,yjmaxを緩和するための変数で、重み係数Vjmin,Vjmaxが大きい場合、“柔らかい”制約と呼ばれ、制約はより緩和される。yjが制約値を超過しない場合は、ε=0となり、運転操作量の変化量を小さくしつつ制御量は目標値に近づく。しかし、yjが制約を超過する場合はε>0となる。この場合、超過量を小さくするため、操作量が急変し、制御量が目標値から乖離することもある。この場合でも処理水水質が悪化しないように、本実施例では、線形モデルの入出力項に工夫を設けている。詳細については後述する。
数3は操作量に関する制約条件である。演算では、数3の操作量に関する制約条件の範囲内で、数2の制御量に関する緩和条件を含む制約条件を満たし、数1の評価関数を最小化する操作量を導出する。
以下に、本実施例における処理水水質の維持と温室効果ガス低減を両立する評価関数の詳細について述べる。本実施例では処理水水質を処理水全窒素とし、温室効果ガスをブロワの電力由来の二酸化炭素とする。
本実施例では、数1の第1項が温室効果ガスに関する項で、数1の第3項が処理水水質に関する制約条件を緩和する項である。数2は処理水水質の制約条件に関する項となる。処理水水質と温室効果ガス排出量は厳密なトレードオフの関係ではなく、温室効果ガス排出量を低減する操作量で処理水水質が良くなる場合もある。
したがって、処理水水質に目標値を設け、その設けた目標値より処理水水質が良好な場合や、処理水水質が悪化し、かつ温室効果ガス排出量が増加する可能性がある。また、流入条件や下水処理場に応じて処理水水質の目標値は異なると考えられ、目標値を論理的に決定することは難しい。
そこで本実施例では、温室効果ガス排出量に目標値を設ける一方で、処理水水質には目標値を設けないようにし、代わりに処理水水質には、水質規制値より下方に“柔らかい”制約を設けた。温室効果ガス排出量の目標値は、常に低減する方向に行くように、達成困難な小さな値とした。
以上により、本実施例の方法では、処理水水質が制約の上限値よりも小さい、すなわち処理水水質が良好な場合は、温室効果ガス排出量は低減する方向に向かうため、効率よく温室効果ガス排出量を低減する条件を得られる。
本実施例の温室効果ガス排出量は、ブロワ2の消費電力を二酸化炭素量に換算して導出した。この場合、温室効果ガス排出量は積分定数など状態量を有さない比例項であるため、入力がそのまま出力に反映される。このため、動的な制御は困難である。
動的な制御を行うために、実際には温室効果ガス排出量の積分値を線形モデルの出力とし、これを制御した。また、温室効果ガスをある特定の目標値に近づける制御をする必要はないことから、運用上では、運転目標値演算部11に入力する温室効果ガス排出量を固定値とし、その目標値をその固定値より小さい値とした。これにより、温室効果ガスの排出量を常に低減するように制御を行うことができる。
処理水水質を安定に制御するための工夫について述べる。安定に制御するためには、微生物の活性に大きく影響を与えるMLDOを適切に制御する必要がある。MLDOを線形モデルの出力とした場合、MLDOを制御するためには、MLDOを評価関数に組み入れる必要がある。
数1の第1項に組み入れた場合は、他の項目の最適化の影響でMLDOは目標値から乖離する場合がある。また、数1の第3項に組み入れた場合は、制約を緩和すると他の項目の最適化の影響を受け、制約を緩和しない“硬い”制約条件とすると解が得られない場合がある。解が得られる場合でもMLDOが目標値から乖離し、特に下方に乖離してMLDOが0に近づく場合、微生物の活性が大きく低下し、処理水水質が大きく悪化する。
また、演算の結果得られる出力はブロワの送風量であるが、反応槽の水質は刻々と変化するため、モデルで予測した送風量では、モデルで予測したMLDOを達成できない場合もあり、その結果、処理水水質が大きく悪化する懸念がある。これを回避するためには、ローカル制御部10でMLDOに下限値を設ける方法があるが、この場合、演算後にMLDOを別の方法で決定することになるため、必ずしも目的を達成する運転とはならない場合がある。
そこで、本実施例では、運転目標値を溶存酸素濃度の目標値とした。すなわち線形モデルの入力をMLDOとしてMLDOを最適制御の操作量とした。上述したように、MPCでは未来の結果を予測し、その予測が数3の操作量の制約内で最適(評価関数が最小)になるように、現時刻の操作量を決定する。したがって、MLDOを操作量とすることで、その制約内(下限値以上)で最適な操作量(MLDO)を求めることができ、最適制御の解により処理水水質(本実施例では処理水の全窒素濃度)を安定化することができる。
出力部14から各計測値や各目標値をモニタ等に出力することで、制御状況を容易に把握できる。モニタ表示例を図2に示す。溶存酸素濃度に関しては、あらかじめ入力した溶存酸素濃度の下限値と、運転目標値演算部11で演算した溶存酸素濃度の目標値と溶存酸素濃度計3で計測した計測値を表示した。これらを同一の画面で表示することで、溶存酸素濃度に関する制御状況を容易に把握できる。
また、これらの時間履歴をグラフ上で表示した。処理水の水質に関しては、一例として全窒素濃度の規制値と制約値と計測値を表示した。ここで制約値は数2での処理水の全窒素に関するymaxに相当する。これらを同一の画面で表示することで、処理水水質に関する制御状況を容易に把握できる。また、制御量である処理水の全窒素濃度と温室効果ガス排出量の時間履歴を同一の画面で表示した。これらの制御量の時間履歴を同一の画面上で表示することで、制御効果を容易に把握することができる。
本実施例では、温室効果ガスとして機器の電力由来の二酸化炭素としたが、生物処理の過程で大気中に放出される一酸化二窒素を加えてもよい。一酸化二窒素量の算出方法は、一酸化二窒素計を用いてもよいし、水質シミュレータを用いてもよく、あらかじめ算出した原単位を用いてもよいし、硝化量から推定してもよい。
図3は本発明の実施例2の水処理プロセス制御装置の構成図である。実施例2は、実施例1の構成要素に無酸素槽6と循環ポンプ7を加えた循環式硝化脱窒法である。また、流入する下水100の流量と水質を計測する流量計8と流入水質センサ9を設けている。
温室効果ガス量演算部13では、ブロワ2と循環ポンプ7の消費電力を二酸化炭素量に換算して温室効果ガス量を算出する。運転目標値演算部11では、制約条件設定部12で入力される処理水101の水質と運転機器の操作量に関する制約条件と、温室効果ガス量演算部13で演算される処理プロセスから発生する温室効果ガス量と、処理水水質センサ4で計測される処理水101の水質の他に、流量計8で計測される流入下水の流量と、流入水質センサ9で計測される流入下水の水質を取得して、溶存酸素濃度の目標値と循環流量の目標値を演算してローカル制御部10に出力する。ローカル制御部10では、溶存酸素濃度の目標値と循環流量の目標値に基づき、ブロワ2と循環ポンプ7を制御する。ここで、流入下水の流量と水質は、モデル予測制御における外乱項に相当し、これらを考慮することで制御精度を高めることができる。
本実施例により得られる水処理プロセスの制御試算結果を示す。制御対象を下水処理実験装置(平均の流入流量1.0L/min)とし、試算には、その代替として水質シミュレータを用いた。溶存酸素濃度(MLDO)と循環流量を操作量とした。処理水の全窒素濃度と、ブロワ2と循環ポンプ7の消費電力の二酸化炭素換算値の温室効果ガス排出量を制御量とした。
操作量の制約条件としてMLDOの下限値を1.0mg/L、循環ポンプ流量の上下限値をそれぞれ0.4L/min,1.5L/minとした。処理水の全窒素濃度の規制値を10mg/Lと想定し、制御量の制約条件として処理水の全窒素の上限値を規制値よりも小さい8mg/Lとした上でこれに緩和係数を設けた。評価関数に入力する温室効果ガス排出量を0g/dとし、その目標値を−1g/dとした。これにより、常に同程度の温室効果ガス低減を考慮できるようにした。また、本実施例の制御方式と比較する従来方式を、MLDO=2.0mg/L一定・循環比1.0一定制御とした。
試算結果を図4に示す。試算では処理水の全窒素の規制値を10mg/Lと想定した。図4(a)は従来方式、図4(b)は本実施例の制御方式を示しており、いずれも処理水の規制値を順守できた。従来方式と比較すると、本実施例の制御方式では処理水の全窒素濃度のばらつきが小さくなった。流入下水の水質と処理水の水質に応じて溶存酸素濃度と循環流量を制御した結果である。
従来方式では、規制値に対して過剰に制御しているためばらつきが大きくなっている。温室効果ガス排出量を比較すると、本実施例の制御方式では従来方式と比較して9%の温室効果ガス(電力)を低減する結果となった。
本実施例では、温室効果ガスとして機器の電力由来の二酸化炭素としたが、生物処理の過程で大気中に放出される一酸化二窒素を加えてもよい。一酸化二窒素量の算出方法は、一酸化二窒素計を用いてもよいし、水質シミュレータを用いてもよく、あらかじめ算出した原単位を用いてもよいし、硝化量から推定してもよい。
1 好気槽
2 ブロワ
3 溶存酸素濃度計
4 処理水水質センサ
5 沈殿池
6 無酸素槽
7 循環ポンプ
8 流量計
9 流入水質センサ
10 ローカル制御部
11 運転目標値演算部
12 制約条件設定部
13 温室効果ガス量演算部
14 出力部

Claims (11)

  1. 水処理プロセスの好気槽の溶存酸素濃度を計測する溶存酸素濃度計と、水処理プロセスの処理水水質を計測する処理水水質センサと、前記好気槽に空気を送り込むブロワと、水処理プロセスから発生する温室効果ガス量を演算する温室効果ガス量演算部と、前記処理水水質の制約条件を設定する制約条件設定部と、該制約条件設定部で設定された処理水水質の制約条件、温室効果ガス量演算部で演算された温室効果ガス量、前記処理水水質センサで計測された処理水水質を入力し、前記溶存酸素濃度を操作量として水処理プロセスから排出される温室効果ガスに関する項と前記処理水水質に関する制約条件を緩和する項とで構成された評価関数が最小となるように運転目標値となる溶存酸素濃度の目標値を演算する運転目標値演算部と、前記溶存酸素濃度計で計測された溶存酸素濃度が前記運転目標値演算部で演算された前記溶存酸素濃度の目標値となるように前記ブロワの風量を制御するローカル制御部とを備えたことを特徴とする水処理プロセス制御装置。
  2. 前記運転目標値演算部が、水質シミュレータを微分して求めた線形モデルで構成されるモデル予測制御における評価関数を演算することを特徴とする請求項1に記載の水処理プロセス制御装置。
  3. 前記運転目標値演算部で用いる水処理プロセスの数理モデルの入力項目が前記溶存酸素濃度で、出力項目が前記処理水水質と前記温室効果ガスであることを特徴とする請求項1記載の水処理プロセス制御装置。
  4. 前記運転目標値の少なくとも一つが循環流量であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の水処理プロセス制御装置。
  5. 前記運転目標値演算部への入力項目が少なくとも流入水の水質あるいは流入水の流量であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の水処理プロセス制御装置。
  6. 前記温室効果ガスに前記水処理プロセスから排出される一酸化二窒素を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の水処理プロセス制御装置。
  7. 前記一酸化二窒素の排出量を前記水処理プロセスに設置した一酸化二窒素計で計測することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の水処理プロセス制御装置。
  8. 前記一酸化二窒素の排出量を前記処理プロセスの数理モデルで演算することを特徴とする請求項7に記載の水処理プロセス装置。
  9. 前記溶存酸素濃度目標値と下限値を同一の画面で表示する出力部を備えたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の水処理プロセス制御装置。
  10. 前記処理水水質の規制値と制約値と計測値を同一の画面で表示する出力部を備えたことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の水処理プロセス制御装置。
  11. 前記処理水水質と前記温室効果ガス排出量の時間履歴を同一の画面で表示する出力部を備えたことを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の水処理プロセス制御装置。
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