JPH08323393A - 循環式硝化脱窒法の水質シミュレーション装置 - Google Patents
循環式硝化脱窒法の水質シミュレーション装置Info
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- JPH08323393A JPH08323393A JP13300595A JP13300595A JPH08323393A JP H08323393 A JPH08323393 A JP H08323393A JP 13300595 A JP13300595 A JP 13300595A JP 13300595 A JP13300595 A JP 13300595A JP H08323393 A JPH08323393 A JP H08323393A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 循環式硝化脱窒法における最適な反応槽の設
計と効率的で安定した運転管理を行うための水質シミュ
レーション装置を得ることを目的とする。 【構成】 原水を嫌気槽で脱窒細菌により脱窒を行う工
程と、複数段の好気槽で硝化細菌により硝化を行う工程
と、好気槽内の硝化液を嫌気槽に送り込む工程と、沈澱
池で固液分離して上澄液を処理水として放流する工程を
含む循環式硝化脱窒法を用いた処理において、上記処理
における反応プロセスに関与する物質の反応モデルマト
リックスと、反応速度式、反応速度定数及び各係数値に
基づいて処理状態を動力学モデルに基づいて計算し、そ
の結果を表示することによってプラントの運転を制御す
るための出力を得るようにした循環式硝化脱窒法の水質
シミュレーション装置を提供する。
計と効率的で安定した運転管理を行うための水質シミュ
レーション装置を得ることを目的とする。 【構成】 原水を嫌気槽で脱窒細菌により脱窒を行う工
程と、複数段の好気槽で硝化細菌により硝化を行う工程
と、好気槽内の硝化液を嫌気槽に送り込む工程と、沈澱
池で固液分離して上澄液を処理水として放流する工程を
含む循環式硝化脱窒法を用いた処理において、上記処理
における反応プロセスに関与する物質の反応モデルマト
リックスと、反応速度式、反応速度定数及び各係数値に
基づいて処理状態を動力学モデルに基づいて計算し、そ
の結果を表示することによってプラントの運転を制御す
るための出力を得るようにした循環式硝化脱窒法の水質
シミュレーション装置を提供する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は循環式硝化脱窒法の処理
状態を動力学モデルに基づいて計算し、その結果を表示
することによってプラントの運転を制御する水質シミュ
レーション装置に関するものである。
状態を動力学モデルに基づいて計算し、その結果を表示
することによってプラントの運転を制御する水質シミュ
レーション装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から下水等の廃水中の有機物を効率
的に除去するとともに、閉鎖性水域の富栄養化の原因物
質と考えられている窒素及びリンを除去する方法が種々
提案されている。特に近時は窒素の除去率を高めること
が要求されており、窒素に関する規制も厳しくなること
が予想されるので、これを除去することができる高度処
理プロセスを採用する施設が増加するものと考えられ
る。
的に除去するとともに、閉鎖性水域の富栄養化の原因物
質と考えられている窒素及びリンを除去する方法が種々
提案されている。特に近時は窒素の除去率を高めること
が要求されており、窒素に関する規制も厳しくなること
が予想されるので、これを除去することができる高度処
理プロセスを採用する施設が増加するものと考えられ
る。
【0003】廃水中の窒素とかリンを除去する手段とし
て、物理化学的な方法及び生物学的方法が提案されてい
るが、物理化学的方法はコストが嵩む関係から普及して
いない現状にある。例えば物理化学的方法として実用化
されているリン除去方法に凝集沈澱及び晶析手段がある
が、この手段はコストや維持管理面で難点がある。
て、物理化学的な方法及び生物学的方法が提案されてい
るが、物理化学的方法はコストが嵩む関係から普及して
いない現状にある。例えば物理化学的方法として実用化
されているリン除去方法に凝集沈澱及び晶析手段がある
が、この手段はコストや維持管理面で難点がある。
【0004】一方、生物学的に窒素とリンを同時に除去
する方法として、従来の活性汚泥法の変法として循環式
硝化脱窒法が注目されている。この循環式硝化脱窒法と
は、図5に示したように、生物反応槽を溶存酸素(以下
DOと略称)の存在しない嫌気槽1a,1bとDOの存
在する複数段の好気槽2a,2b,2cとに仕切り、こ
の嫌気槽1a,1bにより、流入する原水3を無酸素状
態下で撹拌機構10による撹拌を行って活性汚泥中の脱
窒菌による脱窒を行い、次に好気槽2a,2b,2cの
内方に配置した散気管4にブロワ5から空気を供給する
ことにより、エアレーションによる酸素の存在下で活性
汚泥による有機物の酸化分解と硝化菌によるアンモニア
の硝化を行う。
する方法として、従来の活性汚泥法の変法として循環式
硝化脱窒法が注目されている。この循環式硝化脱窒法と
は、図5に示したように、生物反応槽を溶存酸素(以下
DOと略称)の存在しない嫌気槽1a,1bとDOの存
在する複数段の好気槽2a,2b,2cとに仕切り、こ
の嫌気槽1a,1bにより、流入する原水3を無酸素状
態下で撹拌機構10による撹拌を行って活性汚泥中の脱
窒菌による脱窒を行い、次に好気槽2a,2b,2cの
内方に配置した散気管4にブロワ5から空気を供給する
ことにより、エアレーションによる酸素の存在下で活性
汚泥による有機物の酸化分解と硝化菌によるアンモニア
の硝化を行う。
【0005】そして最下流側の好気槽2cの硝化液を硝
化液循環ポンプ6を用いて初段の嫌気槽1aに送り込む
ことにより、嫌気槽1a,1bの脱窒効果が促進され
る。硝化菌はDO濃度が低くなると活性が低下するの
で、最下流側の好気槽2cのDOを測定して図外のDO
制御装置によりブロワ5の駆動を制御しているのが通例
である。
化液循環ポンプ6を用いて初段の嫌気槽1aに送り込む
ことにより、嫌気槽1a,1bの脱窒効果が促進され
る。硝化菌はDO濃度が低くなると活性が低下するの
で、最下流側の好気槽2cのDOを測定して図外のDO
制御装置によりブロワ5の駆動を制御しているのが通例
である。
【0006】前記脱窒菌とは、嫌気条件下で硝酸呼吸に
よりN02−N及びN03−NをN2やNO2に還元する細
菌を指している。又、原水中のリンは嫌気槽1a,1b
内で放出され、好気槽2a,2b,2c内で活性汚泥に
取り込まれて除去される。7は最終沈澱池であり、この
最終沈澱池7の上澄液は、処理水11として図外の消毒
槽等を経由してから放流され、該最終沈澱池7内に沈降
した汚泥の一部は汚泥返送ポンプ8により嫌気槽1aに
返送され、他の汚泥は余剰汚泥引抜ポンプ9から図外の
余剰汚泥処理装置に送り込まれて処理される。
よりN02−N及びN03−NをN2やNO2に還元する細
菌を指している。又、原水中のリンは嫌気槽1a,1b
内で放出され、好気槽2a,2b,2c内で活性汚泥に
取り込まれて除去される。7は最終沈澱池であり、この
最終沈澱池7の上澄液は、処理水11として図外の消毒
槽等を経由してから放流され、該最終沈澱池7内に沈降
した汚泥の一部は汚泥返送ポンプ8により嫌気槽1aに
返送され、他の汚泥は余剰汚泥引抜ポンプ9から図外の
余剰汚泥処理装置に送り込まれて処理される。
【0007】かかる循環式硝化脱窒法を用いることによ
り、通常の標準活性汚泥法で達成される有機物除去効果
と同程度の効果が得られる上、窒素とリンに関しては活
性汚泥法よりも高い除去率が達成される。
り、通常の標準活性汚泥法で達成される有機物除去効果
と同程度の効果が得られる上、窒素とリンに関しては活
性汚泥法よりも高い除去率が達成される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な従来の循環式硝化脱窒法の場合、効率的で安定した運
転管理と、これを行うための最適な反応槽の設計が難し
いという問題点がある。即ち、前記循環式硝化脱窒法
は、生物反応槽の前段を無酸素状態下で撹拌だけ行い、
後段で曝気を行うことにより生成された硝酸性窒素を前
段に循環させて流入水中の有機物を使って脱窒を行うこ
とが特徴となっていて、標準活性汚泥法に比して反応容
積が増大する反面で運転操作は複雑になるという面があ
る。
な従来の循環式硝化脱窒法の場合、効率的で安定した運
転管理と、これを行うための最適な反応槽の設計が難し
いという問題点がある。即ち、前記循環式硝化脱窒法
は、生物反応槽の前段を無酸素状態下で撹拌だけ行い、
後段で曝気を行うことにより生成された硝酸性窒素を前
段に循環させて流入水中の有機物を使って脱窒を行うこ
とが特徴となっていて、標準活性汚泥法に比して反応容
積が増大する反面で運転操作は複雑になるという面があ
る。
【0009】循環式硝化脱窒法の運転管理のポイント
は、硝化液循環量、硝化菌が増殖するために必要な
汚泥滞留時間(SRT)、好気槽の溶存酸素濃度とそ
の分布、の3点を指標として挙げることができる。しか
しながらこれらの運転管理上の指標は、流入下水の水質
とか量によって変化し、更に水温とか季節の要因によっ
ても影響を受け易いため、多くは操作員の勘とか経験に
頼って運転を行っているのが実情である。この循環式硝
化脱窒法は標準活性汚泥法に比して適用の歴史が浅いた
めに熟練した操作員が少なく、試行錯誤的な運転が行わ
れている。
は、硝化液循環量、硝化菌が増殖するために必要な
汚泥滞留時間(SRT)、好気槽の溶存酸素濃度とそ
の分布、の3点を指標として挙げることができる。しか
しながらこれらの運転管理上の指標は、流入下水の水質
とか量によって変化し、更に水温とか季節の要因によっ
ても影響を受け易いため、多くは操作員の勘とか経験に
頼って運転を行っているのが実情である。この循環式硝
化脱窒法は標準活性汚泥法に比して適用の歴史が浅いた
めに熟練した操作員が少なく、試行錯誤的な運転が行わ
れている。
【0010】更に具体的に述べると、循環式硝化脱窒法
の動作態様は上記したように嫌気槽における脱窒反応と
好気槽における硝化反応とに大別されるが、反応の律速
となっているのは硝化反応である。特に循環式硝化脱窒
法によって効率的に窒素を除去するためには、嫌気槽に
おける脱窒と好気槽における硝化を最適な運転条件に保
持することが要求され、しかも窒素除去工程は硝化工程
に影響される度合が高いため、良好な窒素除去を行うた
めには硝化工程が良好に行われていることが必要であ
る。
の動作態様は上記したように嫌気槽における脱窒反応と
好気槽における硝化反応とに大別されるが、反応の律速
となっているのは硝化反応である。特に循環式硝化脱窒
法によって効率的に窒素を除去するためには、嫌気槽に
おける脱窒と好気槽における硝化を最適な運転条件に保
持することが要求され、しかも窒素除去工程は硝化工程
に影響される度合が高いため、良好な窒素除去を行うた
めには硝化工程が良好に行われていることが必要であ
る。
【0011】硝化反応は硝化菌によって引き起こされる
が、この硝化菌の活性は、pH,水温等の微妙な変化に
より容易に影響を受けることが知られている。又、生物
反応槽の容積を小さくするためには硝化反応速度を高め
る手段を施すことが肝要であり、そのために余剰汚泥の
引抜量を小さくして反応槽内の汚泥濃度を高めるSRT
制御が有効であるが、この方法は最終沈澱池での固液分
離効率を低下させて流出水中の汚泥浮遊物濃度を高めて
しまう危険性がある。
が、この硝化菌の活性は、pH,水温等の微妙な変化に
より容易に影響を受けることが知られている。又、生物
反応槽の容積を小さくするためには硝化反応速度を高め
る手段を施すことが肝要であり、そのために余剰汚泥の
引抜量を小さくして反応槽内の汚泥濃度を高めるSRT
制御が有効であるが、この方法は最終沈澱池での固液分
離効率を低下させて流出水中の汚泥浮遊物濃度を高めて
しまう危険性がある。
【0012】そこで本発明は循環式硝化脱窒法が有して
いる課題を解消して、最適な反応槽の設計と効率的で安
定した運転管理を行うための水質シミュレーション装置
の提供を目的とするものである。
いる課題を解消して、最適な反応槽の設計と効率的で安
定した運転管理を行うための水質シミュレーション装置
の提供を目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、原水を嫌気槽で脱窒細菌により脱窒を行
う工程と、複数段の好気槽で硝化細菌により硝化を行う
工程と、好気槽内の硝化液を嫌気槽に送り込む工程と、
沈澱池で固液分離して上澄液を処理水として放流する工
程を含む循環式硝化脱窒法を用いた処理において、上記
循環式硝化脱窒法の反応プロセスに関与する物質の反応
モデルマトリックスと、反応速度式、反応速度定数及び
各係数値に基づいて処理状態を動力学モデルに基づいて
計算し、その結果を表示することによってプラントの運
転を制御するための出力を得るようにした循環式硝化脱
窒法の水質シミュレーション装置を提供する。
成するために、原水を嫌気槽で脱窒細菌により脱窒を行
う工程と、複数段の好気槽で硝化細菌により硝化を行う
工程と、好気槽内の硝化液を嫌気槽に送り込む工程と、
沈澱池で固液分離して上澄液を処理水として放流する工
程を含む循環式硝化脱窒法を用いた処理において、上記
循環式硝化脱窒法の反応プロセスに関与する物質の反応
モデルマトリックスと、反応速度式、反応速度定数及び
各係数値に基づいて処理状態を動力学モデルに基づいて
計算し、その結果を表示することによってプラントの運
転を制御するための出力を得るようにした循環式硝化脱
窒法の水質シミュレーション装置を提供する。
【0014】前記動力学モデルの対象物質は、溶解性B
OD(SB)、硝酸性窒素(SNO)、アンモニア性窒素
(SNH)、溶解性有機窒素(SORN)、BOD資化菌
(XH)、硝化菌(XA)、溶存酸素(SO)、アルカリ
度(SALK)である。
OD(SB)、硝酸性窒素(SNO)、アンモニア性窒素
(SNH)、溶解性有機窒素(SORN)、BOD資化菌
(XH)、硝化菌(XA)、溶存酸素(SO)、アルカリ
度(SALK)である。
【0015】更に請求項3により、前記動力学パラメー
タとしての反応速度,変換係数と、運転条件としての操
作量と、水質,水量データとしてBOD,総窒素,水量
と、反応槽と沈澱池の初期値と、計算条件としての計算
対象の期間及び計算ステップ出力仕様,微小時間,温度
補正値と、最終沈澱池と反応槽の各係数値を利用して動
力学モデルに基づいて循環式硝化脱窒法の処理状態を計
算し、運転を制御するための出力を得るようにした循環
式硝化脱窒法の水質シミュレーション装置を提供する。
タとしての反応速度,変換係数と、運転条件としての操
作量と、水質,水量データとしてBOD,総窒素,水量
と、反応槽と沈澱池の初期値と、計算条件としての計算
対象の期間及び計算ステップ出力仕様,微小時間,温度
補正値と、最終沈澱池と反応槽の各係数値を利用して動
力学モデルに基づいて循環式硝化脱窒法の処理状態を計
算し、運転を制御するための出力を得るようにした循環
式硝化脱窒法の水質シミュレーション装置を提供する。
【0016】
【作用】かかる循環式硝化脱窒法の水質シミュレーショ
ン装置によれば、原水が嫌気槽で脱窒され、好気槽での
曝気と硝化細菌の作用に基づく硝化が行われるとともに
好気槽内の硝化液が嫌気槽に送り込まれるという動作態
様時に、反応プロセスに関与する物質の反応モデルマト
リックスと、反応速度式、反応速度定数及び各係数値に
基づいて処理状態が動力学モデルに基づいて計算され、
その結果が表示されることによってプラントの運転を制
御するための操作量等各種の出力が得られて、プラント
の運転計画とか操作員の訓練に役立つデータ及び反応槽
の設計上での有効な情報が提供される。
ン装置によれば、原水が嫌気槽で脱窒され、好気槽での
曝気と硝化細菌の作用に基づく硝化が行われるとともに
好気槽内の硝化液が嫌気槽に送り込まれるという動作態
様時に、反応プロセスに関与する物質の反応モデルマト
リックスと、反応速度式、反応速度定数及び各係数値に
基づいて処理状態が動力学モデルに基づいて計算され、
その結果が表示されることによってプラントの運転を制
御するための操作量等各種の出力が得られて、プラント
の運転計画とか操作員の訓練に役立つデータ及び反応槽
の設計上での有効な情報が提供される。
【0017】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明にかかる循環式
硝化脱窒法の水質シミュレーション装置の一実施例を、
前記従来の構成部分と同一の構成部分に同一の符号を付
して詳述する。
硝化脱窒法の水質シミュレーション装置の一実施例を、
前記従来の構成部分と同一の構成部分に同一の符号を付
して詳述する。
【0018】本実施例では反応プロセスの動力学モデル
を作成し、計算機を使用したシミュレーションを行うこ
とにより、最適な反応槽の設計と、効率的で且つ安定し
た運転を行うための情報を得ることを主眼としている。
を作成し、計算機を使用したシミュレーションを行うこ
とにより、最適な反応槽の設計と、効率的で且つ安定し
た運転を行うための情報を得ることを主眼としている。
【0019】本実施例では以下の仮定を設けて循環式硝
化脱窒法の動力学モデルを作成し、運転を管理するシス
テムを構築した。
化脱窒法の動力学モデルを作成し、運転を管理するシス
テムを構築した。
【0020】(1)浮遊性物質はすべてBOD資化菌と
硝化菌とする。
硝化菌とする。
【0021】(2)脱窒菌はBOD資化菌と同一とし、
亜硝酸菌と硝酸菌はまとめて硝化菌とする。
亜硝酸菌と硝酸菌はまとめて硝化菌とする。
【0022】(3)自己分解では溶解性のBOD成分と
有機性窒素が生成される。
有機性窒素が生成される。
【0023】(4)溶解性のBODは酸素呼吸による反
応と酸素を使用しない吸着を想定した反応と脱窒反応で
除去される。
応と酸素を使用しない吸着を想定した反応と脱窒反応で
除去される。
【0024】構築した反応モデルを反応プロセスと関与
する物質のマトリックスで表現すると、表1のようにな
る。
する物質のマトリックスで表現すると、表1のようにな
る。
【0025】
【表1】
【0026】本モデルの対象物質は溶解性BOD
(SB)、硝酸性窒素(SNO)、アンモニア性窒素(S
NH)、溶解性有機窒素(SORN)、BOD資化菌
(XH)、硝化菌(XA)、溶存酸素(SO)、アルカリ
度(SALK)である。反応プロセスは表1中に記載した
ように酸素呼吸のBOD除去,吸着のBOD除去,
脱窒反応,硝化反応,BOD資化菌の自己分解,
硝化菌の自己分解,酸素供給,とした。
(SB)、硝酸性窒素(SNO)、アンモニア性窒素(S
NH)、溶解性有機窒素(SORN)、BOD資化菌
(XH)、硝化菌(XA)、溶存酸素(SO)、アルカリ
度(SALK)である。反応プロセスは表1中に記載した
ように酸素呼吸のBOD除去,吸着のBOD除去,
脱窒反応,硝化反応,BOD資化菌の自己分解,
硝化菌の自己分解,酸素供給,とした。
【0027】次に表1に示す各反応プロセスにおける反
応速度式を表2に示す。
応速度式を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】酸素呼吸のBOD除去速度(RBO)は基質
濃度とBOD資化菌について一次式とし、溶存酸素(D
O)についてはMonod式で表し、吸着のBOD除去
速度(RBA)は酸素呼吸のものからDOの項を除いた式
で表した。
濃度とBOD資化菌について一次式とし、溶存酸素(D
O)についてはMonod式で表し、吸着のBOD除去
速度(RBA)は酸素呼吸のものからDOの項を除いた式
で表した。
【0030】脱窒速度(RAN)は有機物による一次式を
採用した。その他硝酸性窒素についてはMonod式、
DOについては逆Monod式で表した。硝化速度(R
ON)はアンモニア性窒素とDOのMonod式で、pH
についてはアルカリ度を考慮した(5)〜(7)式で律
速を受けるものとした。自己分解速度(RbH,RbA)は
一般には硝化菌の方がBOD資化菌よりも遅いとされて
いるが、実験値と比較したモデル式の計算結果からBO
D資化菌の値に近くなったので、同じ式を採用した。
又、DOの影響を考慮して(10)式で表した。酸素供
給速度(OSR)は総括酸素移動係数に(12)式のよう
な送風量の関数を導入して表した。
採用した。その他硝酸性窒素についてはMonod式、
DOについては逆Monod式で表した。硝化速度(R
ON)はアンモニア性窒素とDOのMonod式で、pH
についてはアルカリ度を考慮した(5)〜(7)式で律
速を受けるものとした。自己分解速度(RbH,RbA)は
一般には硝化菌の方がBOD資化菌よりも遅いとされて
いるが、実験値と比較したモデル式の計算結果からBO
D資化菌の値に近くなったので、同じ式を採用した。
又、DOの影響を考慮して(10)式で表した。酸素供
給速度(OSR)は総括酸素移動係数に(12)式のよう
な送風量の関数を導入して表した。
【0031】表3により反応速度定数と各係数値につい
て示す。反応速度定数と飽和定数のほとんどと、BOD
資化菌と硝化菌の収率については、シミュレーションの
結果と実測値を比較してトライアンドエラーで決定し
た。そして収率とか換算係数は理論式から求めた。
て示す。反応速度定数と飽和定数のほとんどと、BOD
資化菌と硝化菌の収率については、シミュレーションの
結果と実測値を比較してトライアンドエラーで決定し
た。そして収率とか換算係数は理論式から求めた。
【0032】
【表3】
【0033】理論式ではBOD資化菌と硝化菌の組成式
をC5H7O2Nと仮定して算出した。又、送風効率に関
する係数は(12)式を仮定して、汚泥混合液の呼吸速
度とDO濃度を計測して求めた。本シミュレーションの
処理フローを図1に示し、上記のモデルを使用して図2
に示す室内実験装置の概略図に対してシミュレーション
を行った。
をC5H7O2Nと仮定して算出した。又、送風効率に関
する係数は(12)式を仮定して、汚泥混合液の呼吸速
度とDO濃度を計測して求めた。本シミュレーションの
処理フローを図1に示し、上記のモデルを使用して図2
に示す室内実験装置の概略図に対してシミュレーション
を行った。
【0034】先ず図2の構成を説明すると、図中の1
a,1bは廃水の脱窒を行うための嫌気槽、2a,2
b,2c,2dは硝化を行うための複数段の好気槽であ
り、この嫌気槽1a,1bと好気槽2a,2b,2c,
2dとは同一の生物反応槽を仕切板13,13で区切っ
て分割構成されている。
a,1bは廃水の脱窒を行うための嫌気槽、2a,2
b,2c,2dは硝化を行うための複数段の好気槽であ
り、この嫌気槽1a,1bと好気槽2a,2b,2c,
2dとは同一の生物反応槽を仕切板13,13で区切っ
て分割構成されている。
【0035】14は濃厚原水貯留槽、15は原水混合槽
であり、この原水混合槽15に水道水の配管16が接続
されている。濃厚原水貯留槽14には原水汲上げポンプ
P1が配備され、原水混合槽15には原水撹拌ポンプP2
と原水供給ポンプP3とが配備されている。
であり、この原水混合槽15に水道水の配管16が接続
されている。濃厚原水貯留槽14には原水汲上げポンプ
P1が配備され、原水混合槽15には原水撹拌ポンプP2
と原水供給ポンプP3とが配備されている。
【0036】上記嫌気槽1a,1bと好気槽2a,2
b,2c,2dには、各々撹拌機構12,12が配備さ
れている。好気槽2a,2b,2c,2d内にはエア吹
出機構としての散気管4,4,4,4が配置され、外部
に上記散気管4,4,4,4にエアを供給するためのブ
ロワ5が配備されている。P5は硝化液循環ポンプであ
る。
b,2c,2dには、各々撹拌機構12,12が配備さ
れている。好気槽2a,2b,2c,2d内にはエア吹
出機構としての散気管4,4,4,4が配置され、外部
に上記散気管4,4,4,4にエアを供給するためのブ
ロワ5が配備されている。P5は硝化液循環ポンプであ
る。
【0037】7は最終沈澱池、17は処理水貯留槽、1
8は余剰汚泥貯留槽であり、最終沈澱池7には撹拌機構
19が配備されている。P6は余剰汚泥引抜ポンプ、P7
は汚泥返送ポンプ、P8は処理水排出ポンプであり、余
剰汚泥引抜ポンプP6は所定時間毎に余剰汚泥の引抜動
作を行って余剰汚泥貯留槽18に送り込むように設定さ
れている。
8は余剰汚泥貯留槽であり、最終沈澱池7には撹拌機構
19が配備されている。P6は余剰汚泥引抜ポンプ、P7
は汚泥返送ポンプ、P8は処理水排出ポンプであり、余
剰汚泥引抜ポンプP6は所定時間毎に余剰汚泥の引抜動
作を行って余剰汚泥貯留槽18に送り込むように設定さ
れている。
【0038】更に初段の好気槽2aには溶存酸素濃度計
20(DO計20と略称)が配置され、終段の好気槽2
dにはDO計21とpH計22が配置されている。本実
施例では反応槽の全容積が60リットルであり、各槽は
図示したように順次水位差をつけて逆混合を防止してお
り、前段の嫌気槽1a,1bの合計容積は16リット
ル、後段の好気槽2a,2b,2c,2dの合計容積は
44リットルとした。
20(DO計20と略称)が配置され、終段の好気槽2
dにはDO計21とpH計22が配置されている。本実
施例では反応槽の全容積が60リットルであり、各槽は
図示したように順次水位差をつけて逆混合を防止してお
り、前段の嫌気槽1a,1bの合計容積は16リット
ル、後段の好気槽2a,2b,2c,2dの合計容積は
44リットルとした。
【0039】かかる装置の基本的作用は以下の通りであ
る。先ず濃厚原水貯留槽14内に予め試料原水としてペ
プトンと肉エキスを主成分とした人工下水を貯留してお
き、この原水を原水汲上げポンプP1によって汲み上げ
て原水混合槽15に流入し、原水撹拌ポンプP2の作用
により配管16により送り込まれる水道水と混合してか
ら原水供給ポンプP3の駆動に伴って嫌気槽1aから嫌
気槽1bへ流入し、撹拌機構12による撹拌作用と脱窒
細菌の作用に基づいて、NO3−N、NO2−Nイオンの
N2への還元、即ち脱窒が行われる。
る。先ず濃厚原水貯留槽14内に予め試料原水としてペ
プトンと肉エキスを主成分とした人工下水を貯留してお
き、この原水を原水汲上げポンプP1によって汲み上げ
て原水混合槽15に流入し、原水撹拌ポンプP2の作用
により配管16により送り込まれる水道水と混合してか
ら原水供給ポンプP3の駆動に伴って嫌気槽1aから嫌
気槽1bへ流入し、撹拌機構12による撹拌作用と脱窒
細菌の作用に基づいて、NO3−N、NO2−Nイオンの
N2への還元、即ち脱窒が行われる。
【0040】次に原水は好気槽2a,2b,2c,2d
に順次流入して、ブロワ5の駆動に伴って散気管4,
4,4,4に供給される空気のエアレーションによる曝
気が行われ、硝化細菌の作用に基づいてアンモニア性窒
素NH4−NのNO2−N又はNO3−Nへの酸化、即ち
硝化が行われる。
に順次流入して、ブロワ5の駆動に伴って散気管4,
4,4,4に供給される空気のエアレーションによる曝
気が行われ、硝化細菌の作用に基づいてアンモニア性窒
素NH4−NのNO2−N又はNO3−Nへの酸化、即ち
硝化が行われる。
【0041】上記の作用時に、好気槽2aにおける溶存
酸素濃度がDO計20によって測定され、同様に好気槽
2d内の溶存酸素濃度とpHとがDO計21とpH計2
2によって測定される。
酸素濃度がDO計20によって測定され、同様に好気槽
2d内の溶存酸素濃度とpHとがDO計21とpH計2
2によって測定される。
【0042】更に好気槽2dの硝化液が硝化液循環ポン
プP5を用いて嫌気槽1aに送り込まれることにより、
該嫌気槽1a,1bの脱窒効果が促進される。特に廃水
中のリンは嫌気槽1a,1b内で放出され、好気槽2
a,2b,2c,2d内で活性汚泥に取り込まれて除去
される。
プP5を用いて嫌気槽1aに送り込まれることにより、
該嫌気槽1a,1bの脱窒効果が促進される。特に廃水
中のリンは嫌気槽1a,1b内で放出され、好気槽2
a,2b,2c,2d内で活性汚泥に取り込まれて除去
される。
【0043】好気槽2d内の余剰汚泥は、余剰汚泥引抜
ポンプP6により引き抜かれて余剰汚泥貯留槽18に一
旦貯留され、最終沈澱池7内に沈降した汚泥の一部は汚
泥返送ポンプP7により嫌気槽1aに返送される。更に
最終沈澱池7の上澄液は、処理水貯留槽17に貯留され
てから処理水排出ポンプP8の駆動に伴って処理水11
として図外の消毒槽等を経由してから放流される。
ポンプP6により引き抜かれて余剰汚泥貯留槽18に一
旦貯留され、最終沈澱池7内に沈降した汚泥の一部は汚
泥返送ポンプP7により嫌気槽1aに返送される。更に
最終沈澱池7の上澄液は、処理水貯留槽17に貯留され
てから処理水排出ポンプP8の駆動に伴って処理水11
として図外の消毒槽等を経由してから放流される。
【0044】次に図1に基づいて本シミュレーションの
処理フローを説明する。先ずステップ100により動力学
パラメータとしての反応速度とか変換係数の入力を行
い、ステップ101で運転条件としての操作量等制御の種
類の入力を行う。次にステップ102で水質,水量データ
としてBOD、総窒素、水量等の入力を行い、ステップ
103で反応槽及び沈澱池の初期値の入力を行う。
処理フローを説明する。先ずステップ100により動力学
パラメータとしての反応速度とか変換係数の入力を行
い、ステップ101で運転条件としての操作量等制御の種
類の入力を行う。次にステップ102で水質,水量データ
としてBOD、総窒素、水量等の入力を行い、ステップ
103で反応槽及び沈澱池の初期値の入力を行う。
【0045】ステップ104では計算条件としての計算対
象の期間、計算ステップ出力仕様を入力し、ステップ10
5で微小時間の入力データを設定する。更にステップ106
で温度補正を行い、ステップ107で最終沈澱池の計算を
行う。ステップ108では反応槽の計算によって動力学モ
デルの計算を行い、ステップ109でDO制御等の計算を
行う。又、ステップ200で計算値を出力する。この出力
結果とステップ109の計算結果はステップ105にフィード
バックされて入力データとして設定される。
象の期間、計算ステップ出力仕様を入力し、ステップ10
5で微小時間の入力データを設定する。更にステップ106
で温度補正を行い、ステップ107で最終沈澱池の計算を
行う。ステップ108では反応槽の計算によって動力学モ
デルの計算を行い、ステップ109でDO制御等の計算を
行う。又、ステップ200で計算値を出力する。この出力
結果とステップ109の計算結果はステップ105にフィード
バックされて入力データとして設定される。
【0046】図2に示す実験は、濃厚原水貯留槽14に
下水処理場の返送汚泥を流入して、水温を15℃に設定
して人工下水で馴養し、その後49日間、週1回反応槽
の各槽からサンプリングして、主として窒素関係の水質
分析を行った。運転条件と流入水基質濃度を表4に示
す。
下水処理場の返送汚泥を流入して、水温を15℃に設定
して人工下水で馴養し、その後49日間、週1回反応槽
の各槽からサンプリングして、主として窒素関係の水質
分析を行った。運転条件と流入水基質濃度を表4に示
す。
【0047】
【表4】
【0048】流入水の水理学的滞留時間は一部の期間を
除き8時間である。反応槽は各槽につき完全混合モデル
を仮定し、この仮定と逆混合がない構造とを考慮して、
嫌気槽1a,1bでの硝化反応と、好気槽2a,2b,
2c,2dでの脱窒反応はないものとした。
除き8時間である。反応槽は各槽につき完全混合モデル
を仮定し、この仮定と逆混合がない構造とを考慮して、
嫌気槽1a,1bでの硝化反応と、好気槽2a,2b,
2c,2dでの脱窒反応はないものとした。
【0049】そして最終沈澱池7では反応がなく、流出
ss成分は沈澱池流入汚泥量に比例するものとした。こ
の比例係数は今回は週1回の流出ss成分実測値から計
算し、その間の日については直線補間をして求めた。
又、流入水TOC濃度はシミュレーション用のデータと
して予め調べておいた人工下水のC−BODとの相関か
らBODに変換して求めた。
ss成分は沈澱池流入汚泥量に比例するものとした。こ
の比例係数は今回は週1回の流出ss成分実測値から計
算し、その間の日については直線補間をして求めた。
又、流入水TOC濃度はシミュレーション用のデータと
して予め調べておいた人工下水のC−BODとの相関か
らBODに変換して求めた。
【0050】実験はブロワ5からの送風量を実験期間を
通じて一定とする定風量運転と、DO計20,21の指
示値によって送風量を変化させるDO制御運転の2種類
で実施した。
通じて一定とする定風量運転と、DO計20,21の指
示値によって送風量を変化させるDO制御運転の2種類
で実施した。
【0051】入力データのうち流入水質は週1回の分析
値から直線補間で他の日の水質を計算し、時間による変
化はないとした。計算は表1に示す物質について、各反
応槽と沈澱池での収支式をとり、それぞれの微分方程式
を解くことで行った。
値から直線補間で他の日の水質を計算し、時間による変
化はないとした。計算は表1に示す物質について、各反
応槽と沈澱池での収支式をとり、それぞれの微分方程式
を解くことで行った。
【0052】〔実施例1〕図3に定風量運転の窒素関係
とMLSSの実測値と主なシミュレーション結果を示
す。実験では9日目で流入負荷を減らして循環量を増や
し、21日目で元の状態に戻したが、その影響は脱窒反
応のNOX除去障害として現れている。
とMLSSの実測値と主なシミュレーション結果を示
す。実験では9日目で流入負荷を減らして循環量を増や
し、21日目で元の状態に戻したが、その影響は脱窒反
応のNOX除去障害として現れている。
【0053】そして負荷が低い間に硝化菌が減少し、元
の状態に戻した時には硝化反応が終了しない状態となっ
た。その後硝化菌は僅かながら増加傾向にあったが、4
1日目の流入水停止のトラブルによりほとんど増加しな
くなった。シミュレーションはこの間の大きな変化を良
く表している。
の状態に戻した時には硝化反応が終了しない状態となっ
た。その後硝化菌は僅かながら増加傾向にあったが、4
1日目の流入水停止のトラブルによりほとんど増加しな
くなった。シミュレーションはこの間の大きな変化を良
く表している。
【0054】〔実施例2〕図4にDO制御運転のシミュ
レーション結果を示す。この例では反応槽出口のDOを
5.0(mg/l)になるように断続的に送風量を変化
させて運転を実施した。尚、図4では実施例1のシミュ
レーション結果に加えて反応槽の好気槽入口のDO濃度
変化も示した。シミュレーションは9日〜21日の負荷
に対して実測のDO濃度変化の傾向を良く表している。
レーション結果を示す。この例では反応槽出口のDOを
5.0(mg/l)になるように断続的に送風量を変化
させて運転を実施した。尚、図4では実施例1のシミュ
レーション結果に加えて反応槽の好気槽入口のDO濃度
変化も示した。シミュレーションは9日〜21日の負荷
に対して実測のDO濃度変化の傾向を良く表している。
【0055】以上説明したように、本実施例によれば構
築したモデルが実測値に合うように係数値を調整するこ
とによって処理状況がかなり正確に表現されるので、こ
のモデルを利用して循環式硝化脱窒法の最適な運転法を
探索することができる。
築したモデルが実測値に合うように係数値を調整するこ
とによって処理状況がかなり正確に表現されるので、こ
のモデルを利用して循環式硝化脱窒法の最適な運転法を
探索することができる。
【0056】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる循環式硝化脱窒法の水質シミュレーション装置によ
れば、原水が嫌気槽で脱窒され、好気槽での曝気と硝化
細菌の作用に基づく硝化が行われるとともに好気槽内の
硝化液が嫌気槽に送り込まれるという動作態様時に、反
応プロセスに関与する物質の反応モデルマトリックス
と、反応速度式、反応速度定数及び各係数値に基づいて
処理状態が動力学モデルに基づいて計算され、その結果
に基づいてプラントの運転を制御するための操作量等各
種の出力を得ることができて、効率的で安定した運転管
理を行うためのプラントの運転計画とか操作員の訓練に
役立つデータが得られる外、これを行うための最適な反
応槽の設計に資する有効な情報をえることができる。
かる循環式硝化脱窒法の水質シミュレーション装置によ
れば、原水が嫌気槽で脱窒され、好気槽での曝気と硝化
細菌の作用に基づく硝化が行われるとともに好気槽内の
硝化液が嫌気槽に送り込まれるという動作態様時に、反
応プロセスに関与する物質の反応モデルマトリックス
と、反応速度式、反応速度定数及び各係数値に基づいて
処理状態が動力学モデルに基づいて計算され、その結果
に基づいてプラントの運転を制御するための操作量等各
種の出力を得ることができて、効率的で安定した運転管
理を行うためのプラントの運転計画とか操作員の訓練に
役立つデータが得られる外、これを行うための最適な反
応槽の設計に資する有効な情報をえることができる。
【0057】特に従来の循環式硝化脱窒法における運転
管理のポイントである硝化液循環量とか汚泥滞留時間及
び好気槽のDO分布等の指標は、流入下水の水質とか
量、水温とか季節の要因によって影響を受け易いという
問題があったが、本発明の水質シミュレーション装置は
上記の要因に影響されない客観的なデータが得られるの
で、操作員の勘とか経験に頼らずに効率的で安定したプ
ラントの運転管理を行うことができる。
管理のポイントである硝化液循環量とか汚泥滞留時間及
び好気槽のDO分布等の指標は、流入下水の水質とか
量、水温とか季節の要因によって影響を受け易いという
問題があったが、本発明の水質シミュレーション装置は
上記の要因に影響されない客観的なデータが得られるの
で、操作員の勘とか経験に頼らずに効率的で安定したプ
ラントの運転管理を行うことができる。
【図1】本発明にかかるシミュレーションの処理フロー
図。
図。
【図2】本実施例を適用した室内実験装置の概略図。
【図3】定風量運転時の主なシミュレーション図。
【図4】DO制御運転時の主なシミュレーション図。
【図5】従来の循環式硝化脱窒法の一例を示す概要図。
1a,1b…嫌気槽 2a,2b,2c,2d…好気槽 4…散気管 5…ブロワ 6…硝化液循環ポンプ 7…最終沈澱池 8…汚泥返送ポンプ 9…余剰汚泥引抜ポンプ 12…撹拌機構 14…濃厚原水貯留槽 15…原水混合槽 17…処理水貯留槽 18…余剰汚泥貯留槽 20,21…DO計 22…pH計
Claims (3)
- 【請求項1】 原水を嫌気槽で脱窒細菌により脱窒を行
う工程と、複数段の好気槽で硝化細菌により硝化を行う
工程と、好気槽内の硝化液を嫌気槽に送り込む工程と、
沈澱池で固液分離して上澄液を処理水として放流する工
程を含む循環式硝化脱窒法を用いた処理において、 上記循環式硝化脱窒法の反応プロセスに関与する物質の
反応モデルマトリックスと、反応速度式、反応速度定数
及び各係数値に基づいて処理状態を動力学モデルに基づ
いて計算し、その結果を表示することによってプラント
の運転を制御するための出力を得ることを特徴とする循
環式硝化脱窒法の水質シミュレーション装置。 - 【請求項2】 前記動力学モデルの対象物質は、溶解性
BOD(SB)、硝酸性窒素(SNO)、アンモニア性窒
素(SNH)、溶解性有機窒素(SORN)、BOD資化菌
(XH)、硝化菌(XA)、溶存酸素(SO)、アルカリ
度(SALK)である請求項1記載の循環式硝化脱窒法の
水質シミュレーション装置。 - 【請求項3】 前記動力学パラメータとしての反応速
度,変換係数と、運転条件としての操作量と、水質,水
量データとしてBOD,総窒素,水量と、反応槽と沈澱
池の初期値と、計算条件としての計算対象の期間及び計
算ステップ出力仕様,微小時間,温度補正値と、最終沈
澱池と反応槽の各係数値を利用して動力学モデルに基づ
いて循環式硝化脱窒法の処理状態を計算し、運転を制御
するための出力を得ることを特徴とする請求項1,2記
載の循環式硝化脱窒法の水質シミュレーション装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13300595A JPH08323393A (ja) | 1995-05-31 | 1995-05-31 | 循環式硝化脱窒法の水質シミュレーション装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13300595A JPH08323393A (ja) | 1995-05-31 | 1995-05-31 | 循環式硝化脱窒法の水質シミュレーション装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08323393A true JPH08323393A (ja) | 1996-12-10 |
Family
ID=15094565
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13300595A Pending JPH08323393A (ja) | 1995-05-31 | 1995-05-31 | 循環式硝化脱窒法の水質シミュレーション装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08323393A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001137881A (ja) * | 1999-11-10 | 2001-05-22 | Hitachi Ltd | 下水処理シミュレーション装置 |
WO2008156151A1 (ja) | 2007-06-19 | 2008-12-24 | Kobelco Eco-Solutions Co., Ltd. | シミュレーション方法、シミュレーション装置、生物処理方法、ならびに、生物処理装置 |
JP2009112924A (ja) * | 2007-11-05 | 2009-05-28 | Kobelco Eco-Solutions Co Ltd | シミュレーション方法、シミュレーション装置、生物処理方法、ならびに、生物処理装置 |
CN102502896A (zh) * | 2011-10-26 | 2012-06-20 | 同济大学 | 一种优化硫酸法钛白粉用水系统的方法 |
JP2020006341A (ja) * | 2018-07-11 | 2020-01-16 | Jfeエンジニアリング株式会社 | 汚水処理方法および装置 |
CN114275889A (zh) * | 2021-12-30 | 2022-04-05 | 南京大学 | 一种反硝化工艺有机氮与无机氮的协同优化控制方法 |
-
1995
- 1995-05-31 JP JP13300595A patent/JPH08323393A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001137881A (ja) * | 1999-11-10 | 2001-05-22 | Hitachi Ltd | 下水処理シミュレーション装置 |
WO2008156151A1 (ja) | 2007-06-19 | 2008-12-24 | Kobelco Eco-Solutions Co., Ltd. | シミュレーション方法、シミュレーション装置、生物処理方法、ならびに、生物処理装置 |
EP2181966A1 (en) * | 2007-06-19 | 2010-05-05 | Kobelco Eco-Solutions Co., Ltd. | Simulation method, simulation apparatus, biological treatment method and biological treatment apparatus |
EP2181966A4 (en) * | 2007-06-19 | 2014-02-19 | Kobelco Eco Solutions Co Ltd | SIMULATION METHOD, SIMULATION APPARATUS, BIOLOGICAL PROCESSING METHOD, AND BIOLOGICAL PROCESSING APPARATUS |
JP2009112924A (ja) * | 2007-11-05 | 2009-05-28 | Kobelco Eco-Solutions Co Ltd | シミュレーション方法、シミュレーション装置、生物処理方法、ならびに、生物処理装置 |
CN102502896A (zh) * | 2011-10-26 | 2012-06-20 | 同济大学 | 一种优化硫酸法钛白粉用水系统的方法 |
JP2020006341A (ja) * | 2018-07-11 | 2020-01-16 | Jfeエンジニアリング株式会社 | 汚水処理方法および装置 |
CN114275889A (zh) * | 2021-12-30 | 2022-04-05 | 南京大学 | 一种反硝化工艺有机氮与无机氮的协同优化控制方法 |
CN114275889B (zh) * | 2021-12-30 | 2022-11-11 | 南京大学 | 一种反硝化工艺有机氮与无机氮的协同优化控制方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20040921 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050201 |