JP3303475B2 - 活性汚泥循環変法の運転制御方法 - Google Patents

活性汚泥循環変法の運転制御方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は嫌気−好気活性汚泥循環
変法を用いて廃水中の有機物及び窒素を高効率に除去す
る運転制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から下水等の廃水中の有機物を効率
的に除去するとともに、閉鎖性水域の富栄養化の原因物
質と考えられている窒素及びリンを除去する方法が種々
提案されている。この富栄養化とは、水域中のN,P等
の栄養塩類の濃度が増大し、これらを栄養素とする生物
活動が活発となって生態系が変化することを指してい
る。特に湖沼等に生活排水とか工場廃水が大量に流入す
ると、上記の富栄養化が急速に進行することが知られて
いる。
【0003】近時、窒素の除去率を高めることが要求さ
れており、窒素に関する規制も厳しくなることが予想さ
れるので、これを除去することができる高度処理プロセ
スを採用する施設が増加するものと考えられる。
【0004】廃水中の窒素とかリンを除去する手段とし
て、物理化学的な方法及び生物学的方法が提案されてい
るが、物理化学的方法はコストが嵩む関係から普及して
いない現状にある。例えば物理化学的方法として実用化
されているリン除去方法に凝集沈澱及び晶析手段がある
が、この手段はコストや維持管理面で難点がある。
【0005】一方、生物学的に窒素とリンを同時に除去
する方法として、従来の活性汚泥法の変法として嫌気−
好気活性汚泥法が注目されている。この嫌気−好気活性
汚泥法とは、例えば図3に示したように、生物反応槽を
溶存酸素(以下DOと略称)の存在しない嫌気槽1a,
1bとDOの存在する複数段の好気槽2a,2b,2c
とに仕切り、この嫌気槽1a,1bにより、流入する原
水3を無酸素状態下で撹拌機構10による撹拌を行って
活性汚泥中の脱窒菌による脱窒を行い、次に好気槽2
a,2b,2cの内方に配置した散気管4にブロワ5か
ら空気を供給することにより、エアレーションによる酸
素の存在下で活性汚泥による有機物の酸化分解と硝化菌
によるアンモニアの硝化を行う。そして最終段の好気槽
2cの硝化液を硝化液循環ポンプ6を用いて嫌気槽1a
に送り込むことにより、嫌気槽1a,1bの脱窒効果が
促進される。
【0006】上記硝化菌はDO濃度が低くなると活性が
低下するので、最後段の好気槽2cのDOを測定してD
O制御装置12によりブロワ5の駆動を制御しているの
が通例である。
【0007】前記脱窒菌とは、嫌気条件下で硝酸呼吸に
よりN02−N及びN03−NをN2やNO2に還元する細
菌を指している。又、原水中のリンは嫌気槽1a,1b
内で放出され、好気槽2a,2b,2c内で活性汚泥に
取り込まれて除去される。7は最終沈澱池であり、この
最終沈澱池7の上澄液は、処理水11として図外の消毒
槽等を経由してから放流され、該最終沈澱池7内に沈降
した汚泥の一部は汚泥返送ポンプ8により嫌気槽1aに
返送され、他の汚泥は余剰汚泥引抜ポンプ9から図外の
余剰汚泥処理装置に送り込まれて処理される。
【0008】かかる嫌気−好気活性汚泥処理方法を用い
ることにより、通常の標準活性汚泥法で達成される有機
物除去効果と同程度の効果が得られる上、窒素とリンに
関しては活性汚泥法よりも高い除去率が達成される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な従来の嫌気−好気活性汚泥処理法の場合、効率的な運
転制御方法の確立が困難であり、特に好気槽における硝
化効率と、それに伴う嫌気槽における脱窒効果をともに
充分に高めることが困難であるという課題があった。
【0010】即ち、前記嫌気−好気活性汚泥法における
動作態様は、嫌気槽1a,1bにおける脱窒反応と、好
気槽2a,2b,2cにおける硝化反応とに大別するこ
とが出来るが、反応の律速となっているのは後者,即ち
硝化反応である。特に嫌気−好気活性汚泥処理法によっ
て効率的に窒素を除去するためには、嫌気槽における脱
窒と好気槽における硝化を最適な運転条件に保持するこ
とが要求される上、窒素除去工程は硝化工程に影響され
る度合が高いため、良好な窒素除去を行うためには硝化
工程が良好に行われていることが必要である。
【0011】この硝化反応は、前記したように硝化菌に
よって引き起こされるが、この硝化菌の活性は、pH,
水温等の微妙な変化により容易に影響を受けることが知
られている。又、エアレーションの時間を十分にとるた
めに、標準活性汚泥法の場合よりも生物反応槽の容積を
2〜3倍にすることが必要であり、都市部等の用地確保
が困難な条件下での採用が難しいという問題がある。
【0012】硝化が良好に進行している場合には、脱窒
反応の良否が窒素除去率を左右するので、高い窒素除去
率を維持するには硝化反応と脱窒反応のバランスを良好
に保持することが要求される。又、好気槽2a,2b,
2c内でのDO濃度は、流入負荷変動とか水量に起因し
て常に変化している。
【0013】又、窒素除去に関わる制御因子には、ML
SS(活性汚泥浮遊物)濃度,SRT(汚泥滞留時
間),DO濃度,pH,循環比,汚泥返送比,嫌気/好
気比(嫌気槽と好気槽の容積比)等があり、これらの因
子を最適に制御することが要求される。しかしながらこ
れらの制御因子は固定値として用いられていることが多
く、流入水の質的,量的変化に対応して制御されている
とは言い難い状況にある。
【0014】更に原水3の流れ方向によってもDOの濃
度分布が異なっており、上流側、即ち嫌気槽1bに近い
好気槽2aではDO濃度が低く、逆に下流側の好気槽2
cではDO濃度が高くなる傾向がある。従って複数段好
気槽2a,2b,2cの前段部分では硝化菌の活性が低
くなってしまい、好気槽全体として硝化反応が不安定に
なってしまうことになり易い。
【0015】そこで本発明はこのような嫌気−好気活性
汚泥処理が有している課題を解消して、複数段の好気槽
におけるDO濃度に起因する硝化反応の低下を防止し、
ひいては嫌気槽における脱窒反応を高めることができる
運転活性汚泥循環変法の運転制御方法を提供することを
目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、原水を嫌気槽で脱窒細菌により脱窒を行
う工程と、複数段の好気槽で硝化細菌により硝化を行う
工程と、沈澱槽で固液分離して上澄液を処理水として放
流する工程とを含む活性汚泥循環変法処理において、上
記複数段の好気槽の上流部に、pH計と全酸素消費速度
から硝化反応に伴う酸素消費速度を差し引いた値の計測
器を付設し、測定されたpH値と硝化反応に基づく酸素
消費量及び溶存酸素量とから好気槽内の硝化速度を推定
し、その値に応じて好気槽のpH制御とブロワの送風量
をコントロールするDO制御及び汚泥滞留時間であるS
RT制御を実施する活性汚泥循環変法の運転制御方法を
提供する。
【0017】上記制御における入力データとして、SR
T,水温,流入負荷,MLSS,DO,pHの6項目を
用いており、制御値としての出力項目はDO,SRT,
pHを用いる。
【0018】
【作用】かかる活性汚泥循環変法の運転制御方法によれ
ば、原水が嫌気槽もしくは嫌気条件下で脱窒され、好気
槽もしくは好気条件下での曝気と硝化細菌の作用に基づ
く硝化が行われる一方、上流側好気槽からサンプリング
された試料のpHが測定されるとともにATU−Rr計
によって硝化反応にかかる酸素消費速度〔Nt−Rr〕
と〔DO〕が測定され、これにより好気槽の活性汚泥の
硝化に伴う〔Nt−Rr〕値と〔DO〕値及びpH値と
から活性汚泥の実際の硝化速度を推定して、好気槽のp
H制御と、ブロワの送風量をコントロールするDO制御
及びSRT制御が実施される。
【0019】又、制御システムの入力データとして、S
RT,水温,流入負荷,MLSS,DO,pHの6項目
を用いており、〔Nt−Rr〕値が下限値よりも小さく
なるとDO設定値を上げる指令を出力し、逆にDO値が
充分に高い場合には、DO設定値はそのままでpHの設
定値を上げて〔Nt−Rr〕値が高くなるようにし、同
時にSRTの設定値を下げて硝化菌の流出量を減らす運
転制御を実施する。これにより流入負荷変動とか水量に
起因して流れ方向に生じるDO濃度等の分布変化に対処
することが可能となり、特に好気槽の前段部分での硝化
菌の活性の低下に基づく好気槽全体として硝化反応の不
安定化を防止して、該好気槽での硝化反応が促進され、
ひいては嫌気槽における窒素除去率が向上するという作
用が得られる。
【0020】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明にかかる活性汚
泥循環変法の運転制御方法の一実施例を、前記従来の構
成部分と同一の構成部分に同一の符号を付して詳述す
る。図1中の1a,1bは廃水の脱窒を行うための嫌気
槽、2a,2b,2cは硝化を行うための複数段の好気
槽であり、この嫌気槽1a,1bと好気槽2a,2b,
2cとは同一の生物反応槽を仕切板13で区切って分割
構成されている。
【0021】上記嫌気槽1a,1bには撹拌機構10,
10が配備され、好気槽2a,2b,2c内にはエア吹
出機構としての散気管4,4,4が配置され、外部に上
記散気管4,4,4にエアを供給するためのブロワ5が
配備されている。6は硝化液循環ポンプである。
【0022】7は最終沈澱池であり、この最終沈澱池7
には撹拌機構14が配備されている。8は汚泥の一部を
嫌気槽1aに返送する汚泥返送ポンプ、9は他の汚泥を
図外の余剰汚泥処理装置に送り込む余剰汚泥引抜ポンプ
である。この余剰汚泥引抜ポンプには通常タイマーが付
設されていて、所定時間毎に余剰汚泥の引抜動作を行う
ように設定されている。
【0023】そして本実施例では、好気槽2にpH計1
5とATU−Rr計16が付設されており、このpH計
15で測定されたpH値と、ATU−Rr計16で測定
された値に基づいて演算された〔Nt−Rr〕値17及
び〔DO〕値18とが制御部としてのファジイ制御シス
テム19に入力される。そして該ファジイ制御システム
19の出力信号により、上記好気槽2aのpH制御21
とDO制御22を実施するとともに、余剰汚泥引抜ポン
プ9をコントロールして、硝化菌の流出量を減らす等の
SRT制御23が実施される。
【0024】かかる装置の基本的作用は以下の通りであ
る。図1に示したように、先ず廃棄物としての原水3が
嫌気槽1a,1bへ流入し、水中にある撹拌機構10,
10の撹拌作用と脱窒細菌の作用に基づいて、NO3
N、NO2−NイオンのN2への還元、即ち脱窒が行われ
る。
【0025】次に原水3が好気槽2a,2b,2cに流
入して、ブロワ5の駆動に伴って散気管4,4,4から
のエアレーションによる曝気が行われ、硝化菌の作用に
基づいてアンモニア性窒素NH4−NのNO2−N又はN
3−Nへの酸化、即ち硝化が行われる。
【0026】従って硝化反応は硝化菌によるアンモニア
性窒素の酸化作用であり、硝化速度はアンモニア性窒素
の減少速度又はNOX−N(NO2−N+NO3−N)の
増加速度として表わすことができる。
【0027】他方の脱窒反応は 2NO3 -+5(H2) → N2↑+2OH-+2H2O として表わすことができる。
【0028】上記の作用時に、好気槽2aからサンプリ
ングされた試料のpH(水素イオン濃度)がpH計15
で測定されるとともにATU−Rr計16によって硝化
反応にかかる酸素消費速度〔Nt−Rr〕17と〔D
O〕18とが測定され、pH計15により測定されたp
H値と、〔Nt−Rr〕17及び〔DO〕18の値に基
づいて好気槽2aのpH制御21と、ブロワ5の送風量
をコントロールするDO制御22が実施される。
【0029】更に好気槽2cの硝化液が硝化液循環ポン
プ6を用いて嫌気槽1aに送り込まれることにより、該
嫌気槽での脱窒効果が促進される。特に廃水中のリンは
嫌気槽内で放出され、好気槽内で活性汚泥に取り込まれ
て除去される。
【0030】最終沈澱池7内に沈降した汚泥の一部は汚
泥返送ポンプ8により嫌気槽1aに返送され、他の汚泥
は余剰汚泥引抜ポンプ9により余剰汚泥処理装置に送り
込まれて処理される。最終沈澱池7の上澄液は処理水1
1として図外の消毒槽等を経由してから放流される。
【0031】上記のATU−Rr計16は、好気槽2に
おける硝化反応の進行状況をモニターするために用いら
れる。即ち、酸素利用速度(oxygen utilization rate
respiration,以下Rrと略称する)には有機物の酸化
分解の際に消費される酸素量と、活性汚泥の内生呼吸に
消費される酸素量及び硝化反応で消費される酸素量とが
含まれる。
【0032】この値は有機物の除去や内生呼吸による呼
吸速度、即ち、全酸素消費速度から硝化反応に伴う酸素
消費速度を差し引いた値として表わされる。従って硝化
反応の進行状況は、Rrと硝化抑制剤であるN−アリル
チオ尿素(化学式C482S,以下ATUと略称す
る)を添加して測定したRrの差(ATU−Rr)から
求めることができる。
【0033】上記の差を〔Nt−Rr〕とすると、 〔Nt−Rr〕=〔Rr〕−〔ATU−Rr〕・・・・・・・・・・(1) となる。つまり〔Nt−Rr〕は硝化に伴う酸素消費速
度であり、この値が小さければ硝化反応が終了し、大き
ければ硝化反応が終了していないものと判断することが
できる。
【0034】上記〔Nt−Rr〕は硝化反応に基づく酸
素消費量を表すので、この値から好気槽2a内の硝化速
度を推定することが可能である。
【0035】これら各測定装置で測定された値はファジ
イ制御システム19に入力され、好気槽の容積及び水理
学的滞留時間等から理想的硝化速度を算出し、更に好気
槽2の活性汚泥の硝化に伴う前記〔Nt−Rr〕17,
〔DO〕18及びpH値とから活性汚泥の実際の硝化速
度を推定し、特に高水温時とか薬剤添加により好気槽2
aへの流入アンモニア性窒素に対して促進しすぎた硝化
速度を調整するために、ブロワ5の送風量を適宜制御し
て、理想的硝化速度に調整することが動作上の特徴とな
っている。
【0036】そして前記(1)式における〔Nt−R
r〕の値が大きく、硝化反応を高めなければならない時
には、汚泥返送ポンプ8による最終沈澱池7から嫌気槽
1に戻す汚泥量を多くすることにより、活性汚泥浮遊物
であるMLSSを高め、且つ余剰汚泥引抜ポンプ9の制
御により汚泥滞留時間であるSRTを調整し、好気槽2
による硝化が順調に行われている場合には、硝化液循環
ポンプ6の作用に基づく好気槽2から嫌気槽1に対する
硝化液の返送量を多くし(実用上では200%まで)、
液の循環比を高めることにより、窒素の除去率を大きく
することができる。
【0037】又、夜間等の低負荷時には〔Nt−Rr〕
の値も極めて小さくなるので、好気槽における曝気量を
低くするとともに硝化液の循環量を低減するとか、ML
SSの濃度を高く保持して嫌気槽1の溶存酸素の消費量
を拡大する等の制御を実施することによって最適な運転
管理を実施することが出来る。
【0038】通常、活性汚泥処理装置に流入する下水等
の流入水においては、アンモニア性窒素のほとんどがそ
のままの形態で嫌気槽を通過する。このため、Rr計が
設置されている好気槽の最上流部ではアンモニア性窒素
の低下による硝化律速が起らない。この〔Nt−Rr〕
は水温が一定でかつアンモニア性窒素が3(mg/l)
以上存在すれば一定になることが知られている。従って
上記のようにATU−Rr計を設置して〔Nt−Rr〕
を計測することにより硝化活性の変化を直接検出するこ
とができる。
【0039】次に図2のフローチャートに基づいて、前
記ファジイ制御システム19における制御の実際例を説
明する。先ずステップ100で制御がスタートし、ステッ
プ101で窒素に関する流入負荷量を測定する。この流入
負荷量はケルダール窒素又は総窒素の濃度と流入量から
計算される。
【0040】次にステップ102で必要硝化速度、即ち、
流入負荷に対して硝化槽末端で硝化反応が完了するため
の硝化速度μ(mg/l)が演算される。ステップ103
では、予め調査した硝化速度と硝化に要する呼吸速度か
らμに相当する前記硝化反応に基づく酸素消費量Nt−
Rrを演算し、ステップ104で制御のための上下限値を
設定してステップ105では実際の〔Nt−Rr〕値を測
定する。
【0041】そしてステップ106では該測定値が設定さ
れた上下限値内にあるか否かを判定し、YESの場合には
ステップ107で新しい負荷量の測定があるか否かを判定
し、有る場合にはステップ101に戻り、ない場合にはス
テップ105に戻って次の〔Nt−Rr〕値の測定を行
う。
【0042】前記ステップ106でNO,即ち測定値が上下
限値内にない場合には、ステップ108によりファジイ制
御に移行して制御値を出力する。このファジイ制御で
は、入力データとして、SRT,水温,流入負荷,ML
SS,DO,pHの6項目が用いられ、制御値としての
出力項目はDO,SRT,pHである。
【0043】ファジイルールとしては、例えば水温変化
等で〔Nt−Rr〕値が下限値よりも小さくなると、こ
の〔Nt−Rr〕値が高くなるようにDO設定値を上げ
る指令を出力する。この時DO値が充分に高い場合に
は、DO設定値はそのままでpHの設定値を上げて〔N
t−Rr〕値が高くなるようにする。同時にSRTの設
定値を下げて硝化菌の流出量を減らす運転制御を実施す
る。SRT制御とは、硝化反応を速くために汚泥濃度を
高くして硝化菌が系外に排出されないようにし、且つ余
剰汚泥の引き抜き量を小さくする手法である。
【0044】ファジイ制御システム19には、上記入力
項目に対してそれぞれファジイメンバーシップ関数が設
定されていて、合成のためのファジイ演算が行われ、上
記SRT制御により、〔Nt−Rr〕値が設定値よりも
高くなるとDOとかpHの設定値を下げて、電力量とか
薬品投入量を減らす等の制御を実施する。
【0045】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる活性汚泥循環変法の運転制御方法によれば、原水が
嫌気槽で脱窒され、好気槽での曝気と硝化細菌の作用に
基づく硝化が行われる一方、上流側好気槽からサンプリ
ングされた試料のpHと硝化反応にかかる酸素消費速度
及びDOが測定され、これにより好気槽の活性汚泥の実
際の硝化速度を推定して、好気槽のpH制御とブロワの
送風量をコントロールするDO制御及びSRT制御を実
施することにより、流入負荷変動とか水量に起因して流
れ方向に生じるDO濃度等の分布変化に対処することが
可能となり、特に好気槽の前段部分での硝化菌の活性の
低下に基づく好気槽全体として硝化反応の不安定化を防
止して、該好気槽での硝化反応が促進され、ひいては嫌
気槽における窒素除去率が向上するという効果が得られ
る。
【0046】又、エアレーションの時間を短縮すること
ができるため、標準活性汚泥法に比して生物反応槽の容
積を格別大きくする必要がなくなり、都市部等の用地確
保が困難な条件下での採用を可能とする利点がある。特
に電力量とか薬品投入量を減少することが出来て、コス
ト面でも有利な運転を可能とする。
【0047】特に嫌気−好気活性汚泥処理法によって効
率的に窒素を除去するためには、嫌気槽における脱窒と
好気槽における硝化を最適な運転条件に保持することが
要求される上、窒素除去工程は硝化工程に影響される度
合が高いため、高い窒素除去率を維持するには硝化反応
と脱窒反応のバランスを良好に保持することが要求さ
れ、これに伴って嫌気槽における窒素除去率を向上させ
ることができる活性汚泥循環変法の運転制御方法を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例にかかる活性汚泥循環変法の運転制御
方法の一例を示す概要図。
【図2】本実施例の制御の実際を示すチャート図。
【図3】従来の嫌気−好気活性汚泥処理の一例を示す概
要図。
【符号の説明】
1a,1b…嫌気槽 2a,2b,2c…好気槽 4…散気管 5…ブロワ 6…硝化液循環ポンプ 7…最終沈澱池 8…汚泥返送ポンプ 9…余剰汚泥引抜ポンプ 13…仕切板 15…pH計 16…ATU−Rr計 19…ファジイ制御システム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 3/34 101

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原水を嫌気槽で脱窒細菌により脱窒を行
    う工程と、複数段の好気槽で硝化細菌により硝化を行う
    工程と、沈澱槽で固液分離して上澄液を処理水として放
    流する工程とを含む活性汚泥循環変法処理において、 上記複数段の好気槽の上流部に、pH計と全酸素消費速
    度から硝化反応に伴う酸素消費速度を差し引いた値の計
    測器を付設し、測定されたpH値と硝化反応に基づく酸
    素消費量及び溶存酸素量とから好気槽内の硝化速度を推
    定し、その値に応じて好気槽のpH制御とブロワの送風
    量をコントロールするDO制御及び汚泥滞留時間である
    SRT制御を実施することを特徴とする活性汚泥循環変
    法の運転制御方法。
  2. 【請求項2】 制御における入力データとして、SR
    T,水温,流入負荷,MLSS,DO,pHの6項目を
    用いて、制御値としての出力項目がDO,SRT,pH
    である請求項1記載の活性汚泥循環変法の運転制御方
    法。
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