JP3634403B2 - オキシデーションディッチにおける脱窒・脱リン方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は小規模下水の処理方式であるオキシデーションディッチ法において、脱窒・脱リンを適正に処理する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
小規模下水は、流入水量の時間変動が大きく、下水処理場を管理する技術者が少ないことから、維持管理が容易で、負荷変動に強いオキシデーションディッチ法が近年普及しつつある。また大規模な下水処理場に用いられている標準活性汚泥法に比べ、処理時間や汚泥の対流時間が長いため、脱窒が進みやすいという特長を持つ。
【0003】
【発明が解決するための課題】
図2は従来のオキシデーションディッチのフローを示したもので、流入下水aはポンプ井1に流入後、原水ポンプ2により沈砂槽3を介して直接曝気槽7へと流入する。ポンプ井1の容量は小さいため、流入下水aの負荷変動は曝気槽7、さらには沈殿槽9にそのまま伝わる。一般の小規模下水では時間平均水量に対して時間最大水量が2〜3倍程度に大きく変動する。そのため沈殿槽は1日、1平方メートル当たり20〜30立法メートル程度の水面積負荷の標準活性汚泥法に対して従来のオキシデーションディッチ法では1日、1平方メートル当たり8立法メートル程度の水面積負荷しかとれず、さらに曝気槽の滞留時間が24〜36時間と長いため、広いスペースを必要とした。また曝気槽内では流れに沿って好気ゾーンと嫌気ゾーンを形成させることにより、硝化と脱窒を進めるものの、負荷の変動が大きく、安定したゾーン形成が難しい。そこで高い脱窒性能を得るために、またこの負荷変動に対応するため、沈殿槽の水面積が1日、1平方メートル当たり8立法メートル程度の小さい値となるように水面積を広く取る必要があることから、処理場全体のスペースが大きくなるという問題があった。また、従来のオキシデーションディッチ法は富栄養化のもう一つの指標であるリンに対してはあまり脱リン効果がなく、また脱窒性能に対しても流入負荷の変動を考慮して曝気量を適切に制御しなければ、安定した脱窒性能が得られないという欠点があった。
【0004】
本発明は、従来のオキシデーションディッチよりも設置スペースが小さく、安定した脱窒・脱リン性能が得られる処理方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を解決するためになしたもので、循環水路状の曝気槽に機械式の曝気機を設けて高濃度の活性汚泥により下水を処理するオキシデーションディッチ法において、曝気槽において間欠曝気を行って好気と嫌気を時間配分して交互に繰り返すとともに、曝気槽の前段に流量調整槽を設け、沈殿槽で沈殿させた汚泥を流量調整槽に返送し、流入下水と混合して汚泥を1〜4時間完全嫌気状態にした後、該流量調整槽から曝気槽への流入水量を一定にして流入させることを要旨とする。
また、必要に応じて前記流量調整槽には撹拌機を設けて流入下水と返送汚泥を十分撹拌混合することを要旨とする。
【0006】
【作用】
本発明はオキシデーションディッチの曝気槽の前段に流量調整槽を設けて流入負荷変動を吸収し、調整槽からは一定流量で曝気槽に汚水を供給することにより自然流下する沈殿槽に対しても負荷を一定とする。曝気槽は嫌気好気の交互運転とし、沈殿槽の沈殿汚泥を調整槽に返送して、流入下水と混合して汚泥を1〜4時間完全嫌気状態とした後、曝気槽に送水する。これにより、返送汚泥を調整槽において完全嫌気状態とした後、曝気槽に送水して好気状態とするため、生物学的な脱リン作用によりリンを除去することができ、また曝気槽で好気・嫌気の交互運転を行いながら調整槽から一定流量で汚水を供給するため、従来のオキシデーションディッチよりも安定した脱窒性能が得られ、曝気槽や沈殿槽の容量を小さくすることができる。
【0007】
【実施例】
以下本発明オキシデーションディッチにおける脱窒・脱リン方法の一実施例を図1に基づいて説明する。
図1は本発明の処理フローを示したもので、流入下水aは通常地下深くに設けられたポンプ井1に流入する。ポンプ井1に設けた原水ポンプ2により下水を揚水し、沈砂槽3へ送りこの沈砂槽3において下水中の砂分やスクリーンかすを除去した後、流量調整槽4へと流入させる。なお、下水中の砂分やスクリーン渣を除去する前処理の方法や位置は、処理の規模や立地条件により適宜選ばれるものである。
【0008】
流量調整槽4には撹拌機5と流調ポンプ6を設け、この流量調整槽4からは流調ポンプ6により曝気槽7に汚水を送水し、機械式曝気機8により間欠的に曝気処理を行い、汚泥混合液として曝気槽7からオーバーフローさせ、沈殿槽9へと流入させる。この曝気槽7の形状は図1に示したような長円形に限定されず、また曝気機8も図1に示したスクリュー形に限定されることなく、種々のものを用いることができる。なお曝気機8は曝気と嫌気撹拌を交互に行うことができる方式が好ましいが、嫌気撹拌できない場合には曝気機を間欠運転する方法を用いてもよい。
【0009】
沈殿槽9において固液分離された上澄水は処理水bとして排出し、沈殿槽9内にて沈殿した汚泥cは排泥管、汚泥返送ポンプ10により汚泥マス11を介して調整槽4へと返送dする。また汚泥マス11を介して、汚泥の一部は余剰汚泥eとして汚泥処理設備12に移送する。汚泥処理設備12はリンを取り込んだ汚泥から、リンが再放出するのを防ぐため、機械式の濃縮を用いたり、短時間で重力濃縮を行って脱水処理するなど、リン含有汚泥に適した処理設備を設けるものとする。
【0010】
次に本発明の動作・作用を説明する。
本発明の方法は、調整槽4から曝気槽7への流入水量を一定とすることにより、曝気槽において所定の間隔で曝気を行うことにより、好気と嫌気の時間配分を形成して硝化と脱窒を進める。従来のオキシデーションディッチのように連続曝気を行いながら好気ゾーン、嫌気ゾーンを形成させて硝化と脱窒を進める方法に対して、このように間欠曝気により硝化と脱窒を進める方法では1.5倍程度大きい硝化速度、及び脱窒速度が得られることから、より効率的に硝化・脱窒を進めることができる。
【0011】
また本発明の方法では沈殿槽で沈殿させた汚泥を流量調整槽4に返送して撹拌機5により流入下水と混合することにより、汚泥を完全嫌気の状態に保つ。このとき返送汚泥の微生物体内に蓄積されていたポリリンが溶解性のリン酸の形で体外に排出され、水中のリン濃度が一時的に上昇する。生物脱リンのメカニズムにおいては、このような微生物からのリン放出の過程が重要であり、効果的に脱リンを行うために完全嫌気の状態が1〜4時間となるように調整槽の最低水位における容量を設定する。次にリン放出した汚泥は流調ポンプ6により曝気槽7に送水し、曝気機8の運転時に好気状態になったときに水中のリン酸が汚泥微生物の体内に取り込まれ、ポリリンとして蓄積されるが、このときに取り込まれるリンの量は調整槽において放出された量よりも多く、従って流入下水中に存在していたリン酸が汚泥微生物に取り込まれたことになる。
【0012】
なお、曝気槽では間欠曝気を行って好気と嫌気を交互に繰り返すが、曝気槽における嫌気状態では調整槽同様、無酸素の状態ではあるが、好気時における硝化反応により硝酸性窒素のように窒素酸化物が存在し、完全嫌気状態とはならないため、汚泥からのリン放出は生じない。なお、汚泥微生物によるリン酸の摂取速度は硝化や脱窒に比べて速いため、曝気槽における必要滞留時間は硝化脱窒速度に左右される。前述のように間欠曝気では従来のオキシデーションディッチのように好気、嫌気のゾーンを形成させる連続曝気方式に比べると、硝化・脱窒速度が速くなるのに加えて、脱窒反応に必要な有機物が流入下水の形で常に一定流量で曝気槽に供給されるため、12〜20時間程度で硝化脱窒を行うことができる。
【0013】
一方、硝化脱窒を効率的に進めるためには、硝化菌、脱窒菌を高濃度に保つ必要があることから、汚泥の滞留時間を長くして、曝気槽のMLSSを1リットル当たり2500mg以上の高濃度で運転する必要があるが、このような条件ではバルキングや放線菌による発泡が生じやすい。バルキングの原因生物である糸状菌や放線菌は好気性菌であるため、嫌気状態に保つと活性を失い、やがて死滅する。
【0014】
本発明の方法によると曝気槽の前段に流量調整槽を設けて、返送汚泥を完全嫌気条件下に数時間保つため、糸状菌や放線菌の増殖を抑制することができ、硝化脱窒に適した運転を保持することができる。
【0015】
【発明の効果】
本発明オキシデーションディッチにおける脱窒・脱リン方法は、曝気槽において間欠曝気を行って好気と嫌気を時間配分して交互に繰り返すとともに、曝気槽の前段に流量調整槽を設け、沈殿槽で沈殿させた汚泥を流量調整槽に返送し、流入下水と混合して汚泥を1〜4時間完全嫌気状態にした後、該流量調整槽から曝気槽への流入水量を一定にして流入させるようになし、また必要に応じて前記流量調整槽には撹拌機を設けて流入下水と返送汚泥を十分撹拌混合するようにしているため、
(1)従来のオキシデーションディッチに比べ、硝化・脱窒を効率的に行うことができるため、各槽の容量を小さくして、設置スペースを小さくすることができる。
(2)従来のオキシデーションディッチでは、脱リン性能が50%以下であったのに対し、80%以上の高い脱リン性能が得られる。
(3)バルキングや放線菌による発泡スカムなど、固液分離障害が、従来のオキシデーションディッチに比べて発生しにくい。
等の数々の利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明オキシデーションディッチにおける脱窒・脱リン方法の処理フローを示した説明図である。
【図2】従来のオキシデーションディッチの処理フローを示した説明図である。
【符号の説明】
1 ポンプ井
2 原水ポンプ
3 沈砂槽
4 流量調整槽
5 撹拌機
6 流調ポンプ
7 曝気槽
8 機械式曝気機
9 沈殿槽
10 汚泥返送ポンプ
11 汚泥マス
12 汚泥処理設備
a 流入下水
b 処理水
c 汚泥
d 返送汚泥
e 余剰汚泥
Claims (2)
- 循環水路状の曝気槽に機械式の曝気機を設けて高濃度の活性汚泥により下水を処理するオキシデーションディッチ法において、曝気槽において間欠曝気を行って好気と嫌気を時間配分して交互に繰り返すとともに、曝気槽の前段に流量調整槽を設け、沈殿槽で沈殿させた汚泥を流量調整槽に返送し、流入下水と混合して汚泥を1〜4時間完全嫌気状態にした後、該流量調整槽から曝気槽への流入水量を一定にして流入させることを特徴とするオキシデーションディッチにおける脱窒・脱リン方法。
- 流量調整槽には撹拌機を設けて流入下水と返送汚泥を十分撹拌混合することを特徴とする第1項記載のオキシデーションディッチにおける脱窒・脱リン方法。
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