JPH08302759A - 広域上水道における送水運用制御方法 - Google Patents

広域上水道における送水運用制御方法

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JPH08302759A
JPH08302759A JP13715195A JP13715195A JPH08302759A JP H08302759 A JPH08302759 A JP H08302759A JP 13715195 A JP13715195 A JP 13715195A JP 13715195 A JP13715195 A JP 13715195A JP H08302759 A JPH08302759 A JP H08302759A
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water
water supply
pump
supply operation
pond
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JP13715195A
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English (en)
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Keihachiro Tanaka
啓八郎 田中
Atsushi Sadaki
淳 定木
Masahiro Ito
雅浩 伊藤
Norio Kohama
憲夫 小浜
Kiyokazu Sakane
清和 坂根
Yasuaki Matsunaga
泰明 松永
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 〔目的〕 河川などの取水場から取水し、複数の浄水場
まで導水して浄化し、この浄化した浄水を複数のポンプ
場のポンプ運転台数を制御して供給する広域上水道シス
テムにおいて、ポンプ動力費用を含む送水運用の経済性
とこの送水運用の安定・安全性との向上を図る。 〔構成〕 流入量や流出量の変動によって影響を受けた
浄水池(1,2,5,6…) の水位を測定し、この測定した浄水
池の水位と、送水運用計画立案期間の各時点における予
測需要水量とに応じて、ポンプ動力費用を含む送水運用
の経済性と、送水運用の安定・安全性とを評価指標とし
て、送水運用の経済性と安定・安全性とを実現するよう
な最適送水量を動的計画法を適用して算定し、この算定
した送水量に基づいてポンプの稼働計画を決定して実行
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、広域に分散配置された
取水場や浄水場やポンプ場を持つ大規模な広域上水道に
おける送水運用制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】複数の河川・湖沼・貯水池などの取水源
から取水し、複数の浄水場まで導水して浄化し、この浄
化した浄水を複数のポンプ場などを介して供給する大規
模な上水道、すなわち広域に分散配置された浄水池やポ
ンプ場をもつ大規模送水系統では、送水運用の一層の経
済性と一層の安定・安全性の実現が要求される。ここ
で、送水運用の経済性は、ポンプ動力費用の節減や漏水
量の削減を図ることによって実現される。また、送水運
用の安定・安全性は、ポンプやバルブなどの機器の損傷
を最小にして、安全な水質の水を十分な水量と適切な水
圧で連続的に供給することによって実現される。
【0003】従来、送水運用の経済性と安定・安全性と
を実現するための送水運用の最適化に関する研究が種々
進められてきた。例えば、水道協会雑誌第 510号には、
ポンプ場でのポンプ運転台数の制御を前提として、一日
の平均的生活における需要水量は朝の洗濯と夕方の風呂
という需要水量の極大値が2個存在するので、4個の極
値をもつと考え、送水量の調整時刻をこれらの極値と関
連させて浄水池の水位変動が少なくなるように送水量を
決定する上水道送水系の多目的関数最適運用法が公表さ
れている。
【0004】また、電気学会論文誌C第98号には、広域
上水道系を対象として、流量収支式と圧力平行式を基本
として損失水頭式を線形近似して流量と圧力との関係を
表し、線形計画法を適用して圧力と流量を同時に決定す
る方法が公表されている。
【0005】しかしながら、上記従来の送水運用手法
は、浄水の安全な供給が確保されるという技術的条件の
みの課題の解決方法が主体となっており、送水運用の経
済性と安定・安全性という二つの主要な目的間の調整に
ついてはこれが不十分なため、未だ実際の送水運用制御
に適用されるには至っていない。
【0006】ところで、実際の広域上水道の送水運用で
は、従来より、多重無線回路を用いて各ポンプ場や浄水
池から送られてきた池水位の検出情報をもとに送水シス
テムの状態を監視し、送水運用の経済性と安定・安全性
を実現するように熱練した送水運用の操作者が経験に基
づいて各ポンプ場のポンプ稼働計画などを決定して実行
する遠隔手動制御が行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法では、熟練した送水運用の操作者が必要であり、浄
水池などの水位の変化に応じて送水運用の経済性と安定
・安全性を実現するには手間のかかる調整を繰り返さな
ければならないという問題がある。
【0008】従って、本発明の目的は、ポンプ動力費用
などの経済性と安定・安全性とを評価指標とした最適な
送水運用計画を自動的に立案して実行することにより、
送水運用の一層の経済性と安定・安全性を実現すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明においては、複数の河川・湖沼・貯水池などの
取水場から取水し、複数の浄水場まで導水し、浄化した
水を複数のポンプ場のポンプ運転台数を制御して供給す
る広域上水道の送水運用制御方法において、浄水池への
流入量や浄水池からの流出量の変動によって影響を受け
た浄水池の水位を測定し、この測定された浄水池の水位
と、送水運用計画立案期間の各時点における予測需要水
量とに応じて、ポンプ動力費用を含む送水運用の経済性
と送水運用の安定・安全性とを評価指標として、送水運
用の経済性と安定・安全性を実現するような最適送水量
を動的計画法を適用して算定し、この算定した送水量に
基づいてポンプ稼働計画などを決定して実行する。
【0010】
【作用】図2に模式的に示す大規模広域上水道の送水系
統の浄水池の水位H(t)は、この浄水池への流入量U(t)
と、この浄水池からの流出量D(t)の変動の影響を集約し
て表わす送水系統の状態量として実測により検出され
る。浄水池からの流出量D(t)は、需要水量として予測可
能である。図2に示すように、浄水池の水量バランスか
ら S・dH(t)/dt=U(t)-D(t) (1) が成り立つ。ここで、S は浄水池の池面積[m2]、H(t)
は浄水池の水位[m]、 U(t)は浄水池への流入量[m3
/hr ]、D(t)は浄水池からな流出量[m3/hr ]である。
【0011】kΔt≦t≦(K+1)Δt で、U(t)とD(t)が
一定であるとして式(1) を積分し、 V(k)=SH( kΔt)、 U(K)=U(kΔt)Δt 、 D(k)=D(kΔt)Δt (2) とおくと、送水系統の基本式として次式を得る。 V(k+1)=V(k)+U(k)-D(k) (3) ここで、Δt はサンプリング時間[hr]、K は時間ステ
ップ[ −] 、V(k)は時間ステップ Kでの浄水池の池残水
量[m3]である。
【0012】送水運用計画立案期間のはじめの時点から
おわりの時点まで、送水運用の上下限範囲内の水位を保
ちながら指定された時刻に指定された目標の池残水量
(または池水位)を実現することと、計画立案期間のポ
ンプ動力費用の和を小さくすることとはトレードオフの
関係にある。この関係を表わす次式を評価関数Jとして
用いる。
【0013】 ここで、M 、Q 、R は正の重み係数、Vr(K) は時間ステ
ップk での浄水池の目標池残水量[m3]、UOは送水運用
計画立案期間K=1,2,…,Nの N期間のポンプ動力費用の和
を小さくする送水量[m3/hr ]である。
【0014】式(4) の評価関数の右辺第1項は、指定さ
れた送水運用計画立案期間のおわりの時点K=N+1 におい
て池残水量V(N+1)と目標池残水量Vr(N+1) との差を小さ
くするためのものである。右辺第2項は、送水運用計画
立案期間のはじめの時点K=1からおわりの時点K=N まで
の池残水量V(K)を目標池残水量Vr(K) に近づけるための
ものである。右辺第3項は、計画立案期間のはじめの時
点K=1 からおわりの時点K=N までの送水量U(K)をポンプ
動力費用の和を小さくする送水量UOに近づけるためのも
のである。従って、式(4) の評価関数Jを最小にするよ
うな最適送水量Uo (K) は、動的計画法を適用して、送
水運用の経済性と安定・安全性とを実現するような最適
送水量として次式により与えられる。
【0015】 U o (K)=β(K)/α(K)-G(K)V(K) (5) ここで 境界条件は
【0016】式(5) は、最適送水量 Uo (K) がゲインG
(K)の状態フィードバック制御とプログラム制御β(K)/
α(K) からなることを示している。最適送水量 Uo (K)
の計算は、まず、G(K)およびβ(K)/α(K) を境界条件
(7) と式(6) とにより逆時間方向(K=N,K=N-1, …,K=1)
に計算して記憶しておき、次に、最適送水量 Uo (K) を
上記記憶済みの値G(K)、β(K)/α(K) に基づき式(5) よ
り正時間方向(K=1,K=2, …,K=1) に決定することによっ
て行われる。
【0017】送水運用計画立案期間K=1,2,…,Nの N期間
のポンプ動力費用の和を小さくする送水量UOは次のよう
にして決定される。送水運用計画立案期間のはじめの時
点K=1 における池残水量V(1)とおわりの時点K=N+1 にお
ける目標池残水量Vr(N+1) および送水運用計画立案期間
の各時点K における需要水量D(K)は与えられているもの
とする。送水運用計画立案期間K=1,2,…,Nの N期間のポ
ンプ動力費用の和 ZNを最小とする最適送水量パターン
( U(K)、K=1,2,…,N )は、 のもとで ZN =f(U(1))+f(U(2))+ …+f(U(N)) (9) を最小とする計画問題に帰着されて与えられる。
【0018】ここで、ポンプの水道力は吐出量の三乗に
比例するので、動力費用を次式で表す。 f(U)= αo +α1U+α2U2 +α3U3 (10) さらに、 C =Vr(N+1)−V(1)+[ D(1)+D(2)+ …+D(N)] (11) を定義すると、式(9) で与えられる ZN の最小値は、一
般に、 U(1)=U(2)=… =U(N)=C/N (12) で与えられる。従って、送水運用計画立案期間K=1,2,
…,Nの N期間におけるポンプの動力費用の和を最小とす
る送水量U0を、 U0=U(1)=U(2)= … =U(N)=C/N (13) で決定して与える。
【0019】ポンプ場では多くの場合ポンプの運転台数
を制御しており、ポンプ吐出量は階段状の不連続な値を
とる。前述した動的計画法を適用して計算した最適送水
量パターン(Uo (k) 、K=1,2,…,N) は、離散時間系にお
ける連続量として与えられ、ポンプ運転台数制御時のポ
ンプ吐出量として多くの場合とり得ない値となってお
り、とり得る値( 量子化された値) に直す必要がある。
そこで、動的計画法によって得た最適値を以下に示す手
法によって量子化し、この量子化値を最適値に代ってと
り得るとして用いることにする。
【0020】最適送水量パターンに追従したポンプの運
転台数の頻繁な切換えは機器に損傷をもたらす恐れがあ
る。このポンプの運転台数の頻繁な切換えを抑制するた
めに、図3に示すようなヒステリシス・リレー要素を用
いる。最適水量U o (k) を間に挟む二つの運転ポンプ段
階を UH, UL とし、 UoH , UoL を次式で定義する。 ω( 0 <ω<0.5 ) は定数である。
【0021】K>1のとき、最適水量 Uo (k) を次式に
基づき運転ポンプ段階、すなわち量子化値W(k)に変換す
る。 ただし、送水運用計画立案期間のはじめの時点k=1 で
は、次式に基づき量子化値 W(k)に変換する。 式(15)から、 UoL< Uo (k) < UoH のときは運転ポン
プ段階は切替わらず、前時間ステップの運転ポンプ段階
を保持することになる。
【0022】従って、(a)サンプリング時間ごとに浄水
池への流入量や浄水池からの流出量の変動によって影響
を受けた浄水池の水位を測定し、(b)この測定によって
検出された浄水池の水位を用いて式(2),(3) より池残水
量を求め、(c)この池残水量と送水運用計画立案期間の
各時点における予測需要水量とに応じて送水運用計画立
案期間におけるポンプ動力費用の和を小さくする流量を
式(11)、(13)で求め、(d)式(4) の評価関数を最小にす
る最適送水量を式(5),(6),(7) で計算し、(e)式(14),(1
5),(16)で最適送水量の量子化処理を行って、この量子
化値を最適送水量に代わってとり得る値としてポンプ稼
働計画などを決定して実行することにより、ポンプなど
の機器の損傷を最小にして、送水運用の一層の経済性と
安定・安全性を実現することができる。以下、本発明を
実施例と共に更に詳細に説明する。
【0023】
【実施例】図1は、本発明の一実施例を適用する広域上
水道システムを簡略化して模式的に示している。図中、
太線は送水管路、点線は全送水施設間の送水情報を伝送
するマイクロ波のディジタル回線を用いた多重無線回
線、白丸で囲んだPは送水ポンプ、二重枠は全送水施設
からの送水情報を収集して監視し、送水運用計画を立案
してポンプ場などでのポンプの運転台数や、浄水池など
での送水流量や受水流量などの遠隔制御を行う送水運用
制御システムである。
【0024】浄水場1,2において、図示しない取水場
において河川などから取水して導水されてきた水が浄化
される。この浄化済みの浄水は、ポンプ場3,4などで
加圧され、浄水池5,6に圧送される。浄水池5,6か
らは、地形の高低を利用した自然流下などによって水道
事業者9,11などに浄水が送水される。また、送水管
路上の水道事業者7,8,10などにもポンプ場で加圧
された浄水が受水される。
【0025】送水運用制御システム12、浄水場1,2及
びポンプ場3,4には幹線系無線局が設置され、浄水池
5,6には支線系無線局が設置されている。ポンプ場
3,4の浄水池及び浄水池5,6での測定によって検出
された各浄水池の水位などの送水情報が、多重無線回線
を介して送水運用制御システム12に伝達される。送水運
用制御システム12は、全ての送水施設の運転状況を監視
・把握すると共に、送水情報に基づいて送水運用計画を
立案し、ポンプ場などでのポンプの運転台数や浄水池な
どでの送水流量や受水流量などの送水運転制御設定値を
浄水場1,2 、ポンプ場3,4 及び浄水池5,6 に伝達する。
浄水場1,2 、ポンプ場3,4 及び浄水池5,6は、送水運用
制御システム12から受けた送水運転情報に基づいて、ポ
ンプ場などでのポンプの運転台数や、浄水池などでの送
水流量や受水流量などの送水弁や受水弁などの開度制御
を行う。
【0026】送水運転制御システムは、図1に示すよう
に、需要水量予測手段、送水運転計画手段、送水
運転制御手段で構成される。需要水量予測手段は、水需
要に影響を与える曜日、天候、気温、特殊日( 正月、5
月の連休、盆、暮) などの要因が、需要水量にどの程度
の影響を与えるかを事前に、あるいは逐次推定し、これ
らの要因をもとに統計的な手法を用いて、日単位及び時
間単位の需要水量を予測する。さらに、需要水量予測値
について、毎正時、当日の累積予測値と累積実績値に誤
差が発生しているか否かを判定し、もし誤差が発生して
いれば残りの時間について予測値の修正を行う。
【0027】送水運転計画手段は、送水運用管理者によ
って与えられた浄水池などの朝7時の目標満水率、
浄水池などの0時の適正水位、ポンプ場などでのポン
プの吐出量の変化量の最小化、を目的関数として、送水
運用計画立案期間を需要水量の多い昼間と少ない夜間と
に分け、時間単位予測需要水量と当時点での浄水池など
の水位に応じて、式(2) より池残水量を、式(11)、(13)
より送水運用計画立案期間K=1,2,…,Nの N期間における
ポンプ動力費用の和を小さくする流量を求め、式(4) の
評価関数を最小にする最適送水量を式(5),(6),(7) で計
算し、式(14),(15),(16) で最適送水量の量子化処理を
行って、この量子化値を最適送水量に代わってとり得る
値としてポンプ稼働計画などを決定して送水運転制御手
段に与える。
【0028】本実施例では、最下流の浄水池より始めて
上流に遡りながら送水運用計画を立案してゆく例を図1
を参照しながら説明する。
【0029】(1) 浄水池6の受水計画の立案 浄水池6は、浄水場2とポンプ場4から受水し、高低差
を利用した自然流下によって水道事業者11に送水する。
なお、ポンプ場4で昇圧された浄水は、浄水池6だけで
なく、送水管路上の水道事業者10にも送水される。
【0030】ステップ1:浄水池6への流入量や浄水池
6からの流出量の変動の影響を受けた浄水池6の水位を
測定し、この測定によって検出された池水位H6[m] を用
いて池残水量V6[m3]を次式より求める。 V6(k)=S6H6( k Δt ) (17) ここで、S6は浄水池6の池面積[m2]である。
【0031】ステップ2:図1に模式的に示した浄水池
6の送水系統を、 V6(k+1)=V6(k)+ U6(k)−D6(k) (18) ただし、 U6(k)= D2(k) + D4(k), D6(k)=D10(k) +D11(k) (19) で表わす。ここで、D2は浄水場2の送水量[m3/hr] 、D4
はポンプ場4の送水量[m3/hr] 、D10 は水道事業者10の
需要水量の予測値[m3/hr] 、D11 は水道事業者11の需要
水量の予測値[m3/hr] 、U6は浄水池6の等価受水量[m3/
hr] 、D6は浄水池6の等価送水量[m3/hr] である。
【0032】需要水量の多い昼間と少ない夜間とのそれ
ぞれの送水運用計画立案期間K=1,2,…,Nの N期間にポン
プ動力費用の和を最小とする送水量U0[m3/hr] を、 C6=Vr6(N+1) −V6(1)+[ D6(1)+D6(2)+…+D6(N)] (20) として式(13)で求める。ここで、Vr6(N+1)は浄水池6の
送水運用計画立案期間のおわりの時点K=N +1 における
目標池残水量[m3]である。 ステップ3: 式(18)で表される送水系統に対して、式
(4) の評価関数を最小にするような最適送水量を式(5),
(6),(7) で計算し、式(14),(13),(15)で最適受水量の量
子化処理を行って最適受水量子化値W6(k)[m3/hr]を決定
する。
【0033】ステップ4: 送水運用方針で決定される浄
水池6の受水量と浄水場2の送水量との関係を用いて浄
水場2の最適送水量子化値W2(k)[m3/hr]を決定する。 ステップ5: ポンプ場4の最適送水量子化値W4(k)[m3/h
r]を次式で決定する。 W4(k)= W6(k)−W2(k) (21) ステップ6: 最適送水量子化値 W2(k)、W4(k) を用いて
浄水場2とポンプ場4のポンプ稼働計画を立案する。
【0034】(2)浄水池5の受水計画の立案 浄水池5はポンプ場3から受水し、自然流下による水道
事業者9への送水を行う。なお、ポンプ場3において昇
圧された浄水は、送水管路上の水道事業者8とポンプ場
4と,浄水池5にも送水される。
【0035】ステップ1: 浄水池5とポンプ場4への流
入量や、浄水池5とポンプ場4からの流出量の変動の影
響を受けた浄水池5の水位と、ポンプ場4の池水位とを
測定し、この測定によって検出された池水位H5[m] とH4
[m] とを用いて浄水池5の池残水量V5[m3]と、ポンプ場
4の池残水量V4[m3]とを次式によって求める。 V5(k)= S5 H5(kΔt) V4(k)= S4 H4(kΔt) (22) ここで、S5は浄水池5の池面積[m2]、S4はポンプ場4の
池面積[m2]である。
【0036】ステップ2: 図1に模式的に示したポン
プ場4の送水系統を、 V4(k+1)=V4(k)+ U4(k)−D4(k) (23) ただし、 D4(k)= D8(k) + W4(k) (24) で表わす。ここで、U4はポンプ場3からポンプ場4への
送水量[m3/hr] 、D8は水道事業者8の需要水量の予測値
[m3/hr] 、W4はポンプ場4の最適送水量子化値[m3/hr]
、D4はポンプ場4の等価送水量[m3/hr] である。
【0037】需要水量の多い昼間と少ない夜間とのそれ
ぞれの送水運用計画立案期間K=1,2,…,NのN 期間におけ
るポンプ動力費用の和を最小とする送水量U0[m3/hr]
を、 C4=Vr4(N+1) −V4(1)+[ D4(1)+D4(2)+…+D4(N)] (25) として式(13)で求める。ここで、ここで、Vr4(N+1)はポ
ンプ場4 の送水運用計画立案期間のおわりの時点K=N +
1 における目標池残水量[m3]である。
【0038】ステップ3 : 式(23)で表される送水系統に
対して、式(4) の評価関数を最小にするようなポンプ場
3からポンプ場4への最適送水量を式(5),(6),(7) で計
算し、ポンプ場4の最適受水量U4(k)[m3/hr]を次式で決
定する。 U4’(k)= U4(k)−D8(k) (26)
【0039】ステップ4 : 図1に模式的に示した浄水場
5の送水系統を V5(k+1)=V5(k)+D3(k) −D5(k) (27) ただし、 D5(k)= U4(k)+D9(k) (28) で表わす。ここで、D3はポンプ場3の送水量[m3/hr] 、
U4はポンプ場3からポンプ場4への最適送水量[m3/hr]
、D9は水道事業者9の需要水量の予測値[m3/hr] 、D5
は浄水池5の等価送水量[m3/hr] である。
【0040】需要水量の多い昼間と少ない夜間とのそれ
ぞれの送水運用計画立案期間K=1,2,…,NのN 期間におけ
るポンプ動力費用の和を最小とする送水量U0[m3/hr]
を、 C5=Vr5(N+1) −V5(1)+[ D5(1)+D5(2)+…+D5(N)] (29) として式(13)で求める。ここで、ここで、Vr5(N+1)は浄
水池5の送水運用計画立案期間のおわりの時点K=N +1
における目標池残水量[m3]である。
【0041】ステップ5:式(27)で表わされる送水系統
に対して、式(4) の評価関数を最小にするような最適送
水量を式(5),(6),(7) で計算し、式(14),(15),(16)で最
適送水量の量子化処理を行ってポンプ場3の最適送水量
子化値W3(k)[m3/hr]を決定し、次式から浄水池5の最適
受水量U5(k)[m3/hr]を決定する。 U5(k)= W3(k)−U4(k) (30) ステップ6: 最適送水量量子化値W3(k) を用いて、ポン
プ場3のポンプ稼働計画を立案する。
【0042】(3)ポンプ場3の受水計画の立案 ポンプ場3は浄水場1から受水し、ポンプで加圧して浄
水池5とポンプ場4とに送水する。なお、浄水場1にお
いて昇圧された浄水は、送水管路上の水道事業者7とポ
ンプ場3とに送水される。
【0043】ステップ1: ポンプ場3への流入量やポン
プ場3からの流出量の変動の影響を受けたポンプ場3の
浄水池の水位を測定し、この測定によって検出された池
水位H3[m] を用いてポンプ場3の池残水量V3[m3]を次式
によって求める。 V3(k)= S3 H3(kΔt) (31) ここで、S3は浄水池3の池面積[m2]である。
【0044】ステップ2: 図1に模式的に示したポン
プ場3の送水系統を、 V3(k+1)=V3(k)+ D1(k)−D3(k) (32) ただし、 D3(k)= D7(k)+ W3(k) (33) である。ここで、 D1(k)は浄水場1の送水量[m3/hr] 、
D7(k)は水道事業者7の需要水量の予測値[m3/hr] 、W
3(k) はポンプ場3の最適送水量子化値[m3/hr]、D3(k)
はポンプ場3の等価送水量[m3/hr] である。
【0045】需要水量の多い昼間と少ない夜間とのそれ
ぞれの送水運用計画立案期間K=1,2,…,NのN 期間におけ
るポンプ動力費用の和を最小とする送水量U0[m3/hr]
を、 C3=Vr3(N+1) −V3(1)+[ D3(1)+D3(2)+…+D3(N)] (34) として式(13)で求める。ここで、Vr3(N+1)はポンプ場3
の送水運用計画立案期間のおわりの時点K=N +1 におけ
る目標池残水量[m3]である。
【0046】ステップ3: 式(32)で表される送水系統に
対して、式(4) の評価関数を最小にするような最適送水
量を式(5),(6),(7) で計算し、式(14),(15),(16)で最適
送水量の量子化処理を行って浄水場1の最適送水量子化
値W1(k)[m3/hr]を決定する。 ステップ4: 最適送水量子化値W1(k) を用いて、浄水池
1のポンプ稼働計画を立案する。
【0047】送水運転制御機能は、ポンプ稼働計画など
に基づいて、ポンプ場などでのポンプの運転台数や浄水
池などでの送水流量や受水流量などの送水運転制御設定
値を求め、送水運転制御設定値を浄水場1,2 、ポンプ場
3,4 及び浄水池5,6 に伝達する。浄水池1,2 、ポンプ場
3,4 、浄水池5,6 には、ポンプの運転台数を制御するた
めの電気制御シーケンサーと、送水流量や受水流量を制
御するための計装制御ループが設けられており、送水運
転制御機能から伝達される送水運転制御設定値、すなわ
ちポンプ運転台数の設定値に基づいた電気制御シーケン
サーによるポンプ運転台数の制御と、送水流量や受水流
量の設定値に基づいた計装制御ループによるPID(比例、
積分、微分) 制御則を用いた送水弁や受水弁の開閉制御
が行われる。
【0048】上述したような送水運転制御によってポン
プ場などでのポンプ運転台数と、浄水池などでの送水流
量や受水流量とが最適値に保持されるたとによって、ポ
ンプや弁などの機器の損傷を最小にしながら経済的な送
水運用と安定・安全な送水運用が実現される。
【0049】なお、上記実施例においては、送水運用計
画は最下流の浄水池の受水計画から起算し、順次上流に
遡りながら立案するようにしたが、逆に最上流の浄水場
の送水計画から起算し順次下流に移行しながら送水計画
を立案してもよい。
【0050】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、ポンプ動力費用などの経済性と安定・安全性とを
評価指標とした送水運用計画を自動的に立案・実行する
構成であるから、送水運用の経済性と安定・安全という
トレードオフの関係にある送水運用目的間の調整が実現
される。この結果、ポンプ動力費用が削減され、ポンプ
や弁などの機器損傷が最小化され、安全な水を十分な水
量と適切な水圧で、連続的に供給する最適な送水運用が
実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の送水運用制御方法を適用す
る広域上水道システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の広域上水道システム内の浄水池の水位H
(t)と、これへの流入量U(t)及びこれからの流出量D(t)
との関係を説明するための概念図である。
【図3】運転ポンプ段階を切換えるヒステリシスリレー
要素を説明するための概念図である。
【符号の説明】
1,2 浄水場 3,4 ポンプ場 5,6 浄水池 7 〜11 送水管路上の水道事業者の需要水量 12 送水運用制御システム
フロントページの続き (72)発明者 小浜 憲夫 東京都千代田区大手町二丁目6番3号 新 日本製鐵株式会社内 (72)発明者 坂根 清和 東京都千代田区大手町二丁目6番3号 新 日本製鐵株式会社内 (72)発明者 松永 泰明 東京都千代田区大手町二丁目6番3号 新 日本製鐵株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】河川、湖沼、貯水池などの取水場から取水
    し、複数の浄水場まで導水して浄化し、この浄化した浄
    水を複数のポンプ場のポンプ運転台数を制御して供給す
    る広域上水道の送水運用制御方法において、 浄水池への流入量や浄水池からの流出量の変動によって
    影響を受けた浄水池の水位を測定し、 この測定した浄水池の水位と、送水運用計画立案期間の
    各時点における予測需要水量とに応じて、ポンプ動力費
    用を含む送水運用の経済性と送水運用の安定・安全性と
    を評価指標として、送水運用の経済性と安定・安全とを
    実現するような最適送水量を動的計画法を適用して算定
    し、 この算定した送水量に基づいてポンプの稼働計画を決定
    して実行することを特徴とする広域上水道における送水
    運用制御方法。
JP13715195A 1995-05-11 1995-05-11 広域上水道における送水運用制御方法 Withdrawn JPH08302759A (ja)

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