JP6619206B2 - 水道施設の維持管理支援装置及びそれを有する監視制御システム - Google Patents

水道施設の維持管理支援装置及びそれを有する監視制御システム Download PDF

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Description

本発明は、水道施設や設備機器の運転管理及び維持管理を支援する装置に係り、特に、ユーザー(作業員)の行動を示す情報を収集し、これと運転条件或いは運転結果の情報とを関連付け、ユーザー(作業員)対し支援情報を提供する維持管理支援装置及びそれを有する水道施設の監視制御システムに関する。
水道事業は、河川水や地下水等を原水とし、浄水処理や消毒処理を行った後に、最終的には配管を経由して上水を需要家に供給している。水道事業における作業員の業務には、水処理施設の運転、施設・設備機器の保守、給配水の調整等が含まれる。
水処理施設の多くは河川水等の表流水を水源としており、原水水質は季節や天候により変化する。そのため、浄水処理の作業員は原水水質に応じ上記設備機器の運転調整を行う必要がある。平常時は、監視制御装置により所定の制御ロジックにて、上記設備機器が自動運転される。しかし、豪雨や渇水等の非定常的な事象が生じた場合、作業員のノウハウに基づき運転管理がなされることもある。このような対応方法は、社会インフラとして、水道水の供給停止をできる限り避けるために有効な対応と考えられてきた。
一方、ノウハウを有する作業員、いわゆる熟練職員数は退職により今後減少することが予想されている。また、水道施設は高度成長期に建設されたものが多く、更新時期を迎えるものの、財政状況によっては継続して使用されることも考えられる。この様な状況下では、装置の不具合の増発やノウハウの減少等により、結果的に、水道サービスの質が低下するリスクが高まるってしまうことが予想される。
しかし、熟練者のノウハウは暗黙知が多く、この熟練者のノウハウの見える化が強く望まれている。そこで、例えば、初期ワークフローに対し、熟練職員の行動に基づき新たなワークフローを追加するワークフロー管理装置を開示する特許文献1が提案されている。特許文献1に記載されるワークフロー管理装置では、初期ワークフローが設定されると共に、行動と位置データとが相互に関連付けられた行動コーパスが設定される。そして、熟練者の視野画像と熟練者が装着している視野カメラの識別情報とに基づき熟練者の位置データを生成し、当該位置データに対応する行動が上記行動コーパスから抽出される。そして、抽出された行動を初期ワークフローに追加することでワークフローを更新し、変更後のワークフローを表示する。
特開2012―146202号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、熟練者の行動が絶対的(適正)であるとの前提のもと、単にワークフローを更新するものであり、ワークフロー更新の結果、すなわち、更新されたワークフローに基づく行動又は操作の結果をフィードバックする点については、何ら考慮されていない。
そこで、本発明は、活動度に基づく過去の実績とシミュレーションによる予測により、水道施設の維持管理の適正化及び適正水質の安定供給を可能とし得る水道施設の維持管理支援装置及びそれを有する監視制御システムを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の水道施設の維持管理支援装置は、監視制御装置及び少なくとも1つの水道施設とネットワークを介して接続される水道施設の維持管理支援装置であって、(1)少なくとも、前記水道施設内で作業する作業員の移動距離をモニタリングする映像取得部からの移動距離と、作業員の会話を含む音声信号を取得する音声取得部からの音声信号と、に基づき前記作業員の活動度を求める指標算出部と、(2)水道施設内の各種設備の過去の運転条件及び作業内容並びに運転結果を相互に関連付けて格納する活動記録データベースと、(3)前記監視制御装置より得られる前記各種設備の現在の運転条件と前記活動記録データベースに格納される情報及び前記作業員の活動度に基づき、前記各種設備が非定常状態か否かを判定すると共に対応する過去の運転条件に基づき、所定時間経過後の前記水道施設の状態を予測するシミュレーション部と、を備え、前記シミュレーション結果が、少なくとも所定の水質を満たす運転条件及び/又は作業内容を提示することを特徴とする。
また、本発明の水道施設の監視制御システムは、少なくとも1つの水道施設とネットワークを介して接続され、前記水道施設内の各種設備を監視する監視制御装置を有する水道施設の監視制御システムであって、(1)前記水道施設内で作業する作業員の移動距離をモニタリングする映像取得部と、(2)作業員の会話を含む音声信号を取得する音声取得部と、(3)前記各種設備の過去の運転条件及び作業内容並びに運転結果を相互に関連付けて格納する活動記録データベースと、(4)前記作業員の移動距離及び前記音声信号に基づき前記作業員の活動度を求める指標算出部と、(5)前記監視制御装置より得られる前記各種設備の現在の運転条件と前記活動記録データベースに格納される情報及び前記作業員の活動度に基づき、前記各種設備が非定常状態か否かを判定すると共に対応する過去の運転条件に基づき、所定時間経過後の前記水道施設の状態を予測するシミュレーション部と、を備え、シミュレーション結果が、少なくとも所定の水質を満たす運転条件に基づき前記水道施設を運転制御することを特徴とする。
本発明によれば、活動度に基づく過去の実績とシミュレーションによる予測により、水道施設の維持管理の適正化及び適正水質の安定供給を実現できる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施例に係る水道施設の監視制御システムの全体構成図である。 図1に示す維持管理支援装置の機能ブロック図である。 図2に示す活動記録データベースのデータ構造を説明する図である。 図2に示す相関処理部の処理フロー図である。 図2に示す支援情報検索部の処理フロー図である。
本明細書において「水道施設」とは、上水道施設及び下水道施設を含むものであり、上水道施設のみ或いは下水道施設のみの場合も含むものとする。
以下、図面を用いて本発明の実施例について説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る水道施設の監視制御システムの全体構成図である。図1に示すように、監視制御システム1は、維持管理支援装置2、監視制御装置3、外部サーバ4、上水道施設5a、下水道施設5b、及びこれらを相互に通信可能に接続するネットワーク6を備える。図1では、それぞれ一つの上水道施設5a及びが水道施設5bを示しているが、これに限られるものではなく、複数の上水道施設5a及び複数の下水道施設5b、一つの上水道施設5a、或いは一つの下水道施設5bが、ネットワーク6を介して、維持管理支援装置2、監視制御装置3、及び外部サーバ4に接続される構成としても良い。
上水道施設5aは、取水施設11、浄水・汚泥処理施設12、送配水施設13、及び管網施設14を備える。取水施設11は、図示しない取水ポンプを有し、河川或いは地下水等を原水として取込み、浄水・汚泥処理施設12へ送水する。浄水・汚泥処理施設12は、図示しない浄水場及び導水ポンプ等を有し、浄水場に導入された原水に対し塩素等の薬剤を注入し、浄化後の原水(上水)を導水ポンプ及び導水管にて送配水施設13へ送水する。送配水施設13は、図示しない送水ポンプ及び貯水槽(配水池)等を有し、配水池に貯水される上水を、自然流下又は送水ポンプにより管網施設14へ送水する。管網施設14は、配水ポンプ(図示せず)及び配水管網を有し、配水ポンプ及び配水管網を介して各水需要家へ上水を供給する。これら、取水施設11、浄水・汚泥処理施設12、及び送配水施設13は、作業員が容易にアクセス可能な施設である。一方、管網施設14は、地下に埋設される配水管網を有するため、配水管網へのアクセスは掘削等を必要とする。取水施設11、浄水・汚泥処理施設12、及び送配水施設13に設置される機器(設備)、或いは、管網施設14に設置される圧力計、流量計又は水質計(図示せず)等のうち、通信機能を有する機器は、ネットワーク6を介して、維持管理支援装置2及び監視制御装置3と通信することができる。また、維持管理支援装置2及び/又は監視制御装置3は、ネットワーク6に接続される外部サーバ4より各種情報を取得できる。
また、図1に示すように、取水施設11には、例えば監視カメラ等の映像取得部7aが設置されると共に、例えばマイク或いは電話等の音声取得部8aが設置されている。映像取得部7aによる撮像視野は、取水施設11内の各種機器(設備)及び、当該設備を操作する作業員を同時に撮像可能な視野範囲に設定することが望ましい。同様に、浄水・汚泥処理施設12には、映像取得部7b及び音声取得部8bが設置され、送配水施設13には、映像取得部7c及び音声取得部8cが設置されている。なお、これら映像取得部7a〜7c及び音声取得部8a〜8cは、各施設の規模或いは、当該施設内で作業する作業員の人数に応じて、適宜その設置台数を決定すれば良い。上水道施設5a内で作業する作業員は、それぞれ携帯端末9a,9bを所持している。携帯端末9a,9bは、例えば、スマートフォン、タブレット或いはウェアラブルコンピュータ等である。携帯端末9a,9bが備えるGPS(Global Positioning System)機能により、上水道施設5a内における作業員の地理的な位置が取得され、ネットワーク6を介して維持管理支援装置2へ送信される。また、携帯端末9a,9bが備える撮像機能又は音声取得機能により、取水施設11、浄水・汚泥処理施設12、及び送配水施設13に設置される映像取得部7a〜7c又は音声取得部8a〜8cではカバーされない場所での映像信号或いは音声信号が取得され、ネットワーク6を介して維持管理支援装置2へ送信される。なお、携帯端末9a,9bは、それを所持する作業員の特定、すなわち作業員を識別することも可能である。
下水道施設5bは、少なくとも、最初沈殿池15、生物処理槽16、及び最終沈殿池17を備える。最初沈殿池15は、生活廃水或いは工業用排水等の下水(原水)を導入し、重力沈降により原水に含まれる汚泥は最初沈殿池15の底面へと沈殿する。最初沈殿池15内の汚泥は汚泥掻寄機(図示せず)により汚泥ピットへ掻き寄せられると共に、上澄み液は生物処理槽16へ導入される。生物処理槽16は、内部に活性汚泥を有し、活性汚泥により最初沈殿池15より流入する下水の硝化及び/又は脱窒を行う。硝化及び/又は脱窒後の下水は活性汚泥と共に最終沈殿池17へと流入する。最終沈殿池17は、硝化及び/又は脱窒後の下水中の活性汚泥を、重力沈降により最終沈殿池17の底面へと沈殿させ上澄み液を排出する。最終沈殿池17の底面に沈殿する活性汚泥は、図示しない汚泥掻寄機により汚泥ピットへと掻き寄せられ、汚泥返送ポンプ(図示せず)により生物処理槽16へ返送される。生物処理槽16へ返送された活性汚泥は、再び、最初沈殿池15より流入する下水の硝化及び/又は脱窒に供される。これら、最初沈殿池15及び最終沈殿池17に設置される汚泥掻寄機(図示せず)及び、生物処理槽16内の活性汚泥中の微生物に空気を供給するための曝気装置(図示せず)等のうち、通信機能を有する機器は、ネットワーク6を介して、維持管理支援装置2及び/又は監視制御装置3と通信することができる。
また、図1に示すように、最初沈殿池15には、映像取得部7d及び音声取得部8dが設置されている。映像取得部7dによる撮像視野は、汚泥掻寄機(図示せず)及び最初沈殿池15内で作業する作業員を同時に撮像可能な視野範囲に設定することが望ましい。同様に、生物処理槽16には、映像取得部7e及び音声取得部8eが設置され、最終沈殿池17には、映像取得部7f及び音声取得部8fが設置されている。なお、これら映像取得部7d〜7f及び音声取得部8d〜8fは、最初沈殿池15、生物処理槽16、及び最終沈殿池17の規模に応じて、設置台数を適宜設定すれば良い。下水道施設5b内で作業する作業員は、それぞれ携帯端末9c,9dを所持しており、GPS機能により下水道施設5b内での作業員の地理的な位置が取得され、ネットワーク6を介して維持管理支援装置2へ送信される。また、上述の上水道施設5aにおける場合と同様に、映像取得部7d〜7f及び音声取得部8d〜8fではカバーされない場所での映像信号或いは音声信号が、携帯端末9c,9dにより取得され、ネットワーク6を介して維持管理支援装置2へ送信される。
維持管理支援装置2が取り扱う情報は、上水道施設5a及び下水道施設5b内で作業する作業員(ユーザー)の活動度を算出するための情報、各設備の運転状況、及び運転結果を確認するための情報である。なお、以下では、説明の便宜上、一つの上水道施設5aがネットワーク6を介して、維持管理支援装置2、監視制御装置3、及び外部サーバ4と相互に通信可能に接続される場合を一例として説明する。
維持管理支援装置2は、外部サーバ4からネットワーク6を介して、河川の水位、ダムの放流量、気象条件(降雨量、降雨予想、気温)等の一般に公開されている情報を、観測点又は観測領域の情報或いは日時の情報と共に取得する。これらの情報は、無料で入手可能なサーバからのみならず、有料にて詳細な情報を提供するサーバから購入しても良い。
また、維持管理支援装置2は、監視制御装置3からネットワーク6を介して、上水道施設5aにおけるプロセスデータ、水質データ及び警報データ(警報出力)を取得する。監視制御装置3から取得される情報のうち、取水施設11からは、取水ポンプの電流及び電圧、取水量、吐出圧、油検知の有無、取水濁度、取水pH等が取得される。浄水・汚泥処理施設12からは、導水ポンプの電流及び電圧、吐出圧、流量、損失水頭、薬剤やガスの注入率、水温、濁度、pH、汚泥排出時刻、汚泥濃度等が取得される。また、送配水施設13からは、送水ポンプの電流及び電圧、吐出圧、流量、水質、配水池の水位、並びに薬剤の注入率等が取得される。管網施設14からは、配水ポンプの電流及び電圧、吐出圧、流量、並びに水質等が取得される。
映像取得部7a〜7cは、作業員(ユーザー)の動きを検出するための動画を取得する。そのため、設置場所としては、作業員(ユーザー)が移動或いは操作を行う地点がその撮像視野内に含まれるようにする。例えば、浄水・汚泥処理施設12であれば、浄水場の管理室、出入口、水質分析室、操作盤付近、ポンプ室、薬液タンク付近、駐車場等が挙げられる。なお、映像取得部7a〜7cは、上述の場所を俯瞰して観察できる位置に据え付けることが望ましい。
また、音声取得部8a〜8cは、作業員(ユーザー)が会話や電話をしている時の音声信号を取得する。そのため、設置場所としては、複数の作業員(ユーザー)が集合する場所や、電話での会話が想定される場所が含まれるようにする。例えば、浄水・汚泥処理施設12であれば、浄水場の管理室、操作盤付近、ポンプ室、守衛所、事務室等が挙げられる。音声取得部8a〜8cは、設置された場所の音声信号を取得する形態以外にも、携帯端末9a,9bのアプリケーション或いは外線/内線機器のアプリケーションとして、電話による会話の音声信号を取得する形態としても良い。
図2は、図1に示す維持管理支援装置2の機能ブロック図である。図2に示すように、維持管理支援装置2は、通信I/F21、指標算出部22、相関処理部23、活動記録データベース(DB)24、支援情報検索部25、及びシミュレーション部26を備え、これらは、内部バス27を介して相互に接続されている。ここで、指標算出部22、相関処理部23、支援情報検索部25、及びシミュレーション部26は、例えば、図示しない各種プログラムを格納するROM、演算過程のデータを一時的に格納するRAM、或いは外部記憶装置等の記憶装置、ROMに格納された各種プログラムを読み出し実行し、実行結果をRAM又は外部記憶装置に格納するCPU等のプロセッサにより実現される。
通信I/F21は、ネットワーク6を介して、上水道施設5a、監視制御装置3、及び外部サーバ4と通信する。詳細は後述するが、活動記録データベース(DB)24は、上水道施設5aに設置される映像取得部7a〜7c、音声取得部8a〜8c、携帯端末9a,9bより、ネットワーク6、通信I/F21、及び内部バス27を介して、上述の情報を格納する。また、同様に、活動記録データベース(DB)24は、監視制御装置3が管理する上述のプロセスデータ、水質データ、及び警報データ(警報出力)のうち、作業員(ユーザー)により予め設定された所定の項目のデータを定期的に格納する。更に、活動記録データベース(DB)24は、外部サーバ4から取得した所定の項目のデータを定期的に格納する。
指標算出部22は、作業員(ユーザー)の活動度Aを算出する。本実施例では活動度Aを以下の通り定義する。
(1)移動に伴う活動度A1
指標算出部22は、映像取得部7a〜7cからの映像信号(動画)を取込み、当該映像信号に含まれる複数の画像フレーム(例えば、30フレーム/sec)の撮像視野範囲内でのフレーム差分に基づき、単位時間当たりの作業員(ユーザー)の移動距離を算出する。また、携帯端末9a,9bが有するGPS機能を用いて、映像取得部7a〜7cの撮像視野範囲外における作業員(ユーザ)の移動距離を算出する。ここでは、如何なる態様にて作業者が移動したかは考慮せず、活動度A1(−)を以下の式(1)にて求める。
A1 = k1 × ΣLi ・・・(1)
ここでLi:i番目の移動における移動距離(m)、k1:定数(1/m)である。
(2)会話に伴う活動度A2
指標算出部22は、音声取得部8a〜8cからの音声信号に基づき、作業員(ユーザー)らによる会話が継続していると認識できた時間、及び会話への参加人数を求め、活動度A2(−)を以下の式(2)にて求める。なお、音声取得部8a〜8cは音声認識機能を有することが望ましい。
A2 = k2 × Σ(Ci・Ti) ・・・(2)
ここで、Ci:i番目の会話での参加人数(人)、Ti:i番目の会話の会話時間(min)、m:定数(−)、k2:定数(min/人)である。
(3)作業に伴う活動度A3
上水道施設5aを構成する各施設(設備)の運転操作、機器の保守点検、水質分析、メールのやり取り、Webや資料の調査等の業務は、移動距離又は音声による会話が少ないものの、その結果が上水道施設5aを構成する各施設(設備)の処理性能や不具合対応の判断材料になる点で重要度が高い。そこで、指標算出部22は、以下の式(3)〜式(7)により活動度A3を求める。
監視制御装置3又は操作盤からの操作回数(A31)
所定の場所における作業員の滞在時間(A32)
メール受発信数(A33)
所定のWebサイトへのアクセス時間またはアクセス中のPC又は携帯端末の操作時間(A34)
A3 = A31 + A32 + A33 + A34 ・・・(3)
A31 = Σ(k31i×Di) ・・・(4)
A32 = Σ(k32i×Ei) ・・・(5)
A33 = k33×F ・・・(6)
A34 = Σ(k34i×Hi) ・・・(7)
ここで、Di:端末i又は操作盤からの操作回数(回)、Ei:場所iにおける滞在時間(min)、F:メール発信回数(回)、Hi:Webサイトiの閲覧時間(min)、k31i(1/回),k32i(1/min),k33(1/回),k34i(1/min):定数である。
上述の「移動に伴う活動度A1」、「会話に伴う活動度A2」、及び「作業に伴う活動度A3」用い、指標算出部22は、活動度Aを以下の式(8)にて求める。
A = A1 + A2 + A3 ・・・(8)
この活動度Aを所定の期間だけ算出し、比較的活動度Aが低い時期を平常状態、活動度Aが高い時期を非定常状態と判定することに使用する。
なお、本実施例では、活動度Aを、「移動に伴う活動度A1」、「会話に伴う活動度A2」、及び「作業に伴う活動度A3」の和として求めているが、必ずしもこれに限られない。例えば、「移動に伴う活動度A1」、「会話に伴う活動度A2」、及び「作業に伴う活動度A3」を、それぞれ単独で活動度Aとして用いても良く、また、これら2つの組み合わせ(和)を活動度Aとして用いても良い。
また、活動度Aの入力項目又は算出方法としては、必ずしも上述に限られない。例えば、作業員(ユーザー)のステイタス(休日、或いは異なる部署の職員が対応に当たっている等)を定数に反映しても良い。また、所定の作業員(ユーザー)、例えば熟練職員の活動のみを収集し、収集結果を活動度データベース(DB)24に格納するよう構成しても良い。また、作業員(ユーザー)の活動度を上昇させる原因となる外的な事象のみを用いて活動度Aを推定しても良い。この場合、外的な事象としては、気象条件又は機器の不具合発生等が相当する。
次に相関処理部23の動作につき説明する。相関処理部23は、指標算出部22により得られる活動度Aと、活動記録データベース(DB)24に格納される他の情報とを関連付けし、活動記録データベース(DB)24に記録する。図4は図2に示す維持管理支援装置2を構成する相関処理部23の処理フロー図である。
図4に示すように、相関処理部23は、内部バス27を介して指標算出部22より算出された活動度Aを時刻と共に取得する(ステップS11)。次に、ステップS12では、相関処理部23は、取得された活動度Aが所定の閾値ε以上であるか否かを判定する。ここで所定の閾値εの値として、例えば。非定常状態における過去の活動度Aの中間値又は過去の活動度Aの平均値が用いられる。
ステップS12における判定の結果、活動度Aが所定の閾値εより小さい場合はステップS13へ進む。ステップS13では、相関処理部23は、活動度Aが所定の閾値εより低下してから所定の時間(t)が経過したか否かを判定する。既に所定の時間(t)を経過していればステップS11へ戻り、一方、未だ所定の時間(t)を経過していなければステップS14へ進む。ここで所定の時間(t)は、例えば、1時間から48時間の間で適宜設定される。なお、このようにステップS13にて、所定の時間(t)経過の有無の判定を行う理由として、指標算出部22より取得される活動度Aの変化が瞬時的な場合であった場合を想定している。すなわち、活動度Aが一時的に低下し、所定の閾値εより小さくなった後、活動度Aが所定の閾値ε以上となる場合も生じ得る。よって、活動度Aが所定の閾値εより小さくなった時点から、所定の時間(t)経過した場合のみステップS11へ戻る構成としているのである。また、逆に、所定の時間(t)経過前においては、後に活動度Aが所定の閾値ε以上となることも想定されるため、この場合においては、ステップS14へ進む構成としている。
また、ステップS12における判定の結果、活動度Aが所定の閾値ε以上である場合、ステップS14へ進む。
ステップS14では、相関処理部23は、所定時間(t)前又は後に、上水道施設5aに何らかの異常が発生しているか否かを判定する。ここで、上水道施設5aの異常には、取水施設11、浄水・汚泥処理施設12、及び送配水施設13における各水処理工程後の処理水の水質悪化が含まれる。また、取水ポンプ、導水ポンプ、送水ポンプ、及び配水ポンプ等の設備機器の性能劣化が含まれる。更に、外部要因である原水水質の悪化或いは自然災害(台風、集中豪雨、地震等)の発生も含まれる。これらの異常の有無は、いずれも何らかの定量的な判定条件を設ける。例えば水質目標値、機器の効率、震度、降雨量、警報出力等である。なお、ここで所定時間(t)として、例えば、1時間から48時間の間で適宜所望の時間を設定すれば良い。相関処理部23は、上述の定量的な判定条件により、上水道施設5aに異常が発生したこと、或いは異常が発生したいたことを検出した場合にはステップS15へ進み、一方、異常の発生が検出されなかった場合にはステップS17へ進む。
ステップS15では、相関処理部23は、上述のステップS11にて活動度Aを取得した日時を非定常状態時間とする。次にステップS16において、相関処理部23は、内部バス27を介して活動記録データベース(DB)24へアクセスし、非定常状態時間に対応する日時の所定のデータ項目にフラグを立てる。ここで、フラグを立てるデータ項目としては、活動記録データベース(DB)24に格納される全ての項目として良いが、必ずしもこれに限られない。例えば、少なくとも、上述のステップS14にて、上水道施設5aにて発生した異常に対応するデータ項目が含まれていれば良い。
次に、ステップS17において、相関処理部23は、作業員(ユーザー)による処理中止の判断がなされ、その入力を受け付けたか否か、すなわち、維持管理支援装置2の動作を停止すべきか否かを判定する。判定の結果、維持管理支援装置2の動作を停止すべき場合には、相関処理部23は処理を終了する。一方、判定の結果、維持管理支援装置2の動作を継続すべき場合には、ステップS11へ戻り、相関処理部23は上述の一連の処理を繰り返し実行する。
なお、上述のステップS16にて、活動記録データベース(DB)24内のフラグを立てるデータ項目を、特定の熟練職員(ユーザー)が実施した、施設・設備に対する操作又は作業内容のみとしても良い。
図3は、図2に示す活動記録データベース(DB)24のデータ構造を説明する図である。図3では、特に、上述の維持管理支援装置2を構成する相関処理部23により、指標算出部22より取得される活動度Aに紐付けられるデータ項目を示している。
図3に示すように、活動記録データベース(DB)24は、少なくとも、項目「活動度に係る施設・設備、作業内容及び外部情報」及び「結果:フィードバック情報」を有し、図3に示す例では、6つの分類に分類分けされた状態を示している。ここで、項目「活動度に係る施設・設備、作業内容及び外部情報」には、施設・設備に対する過去の作業内容を運転条件とし、また、当該運転条件による施設・設備の運転結果を運転履歴(図示せず)として格納される。また、項目「結果:フィードバック情報」に格納される情報は、活動度Aに紐付けられるデータ項目を示しており、このフィードバック情報が結果として、項目「活動度に係る施設・設備、作業内容及び外部情報」の欄に格納される運転条件(作業内容)毎に対応して格納されている。
例えば、分類1、すなわち、項目「No.1」では、項目「活動度に係る施設・設備、作業内容及び外部情報」に格納される運転条件は、「凝集剤注入率の手動調整」、「ジャーテスト実施」、「上流の水道事業体との連絡(濁度の時間変化等の確認)」、「取水設備の臨時点検及び保守」、「ろ過池の洗浄回数」、及び「汚泥処理設備の調整」である。これら6つの運転条件(作業内容)に紐付けられるデータ項目は、項目「結果:フィードバック情報」に格納される「沈殿池処理水濁度上昇」であり、例えば、濁度が「1度」以上に上昇したことをフィードバック情報とする。
また、分類3、すなわち、項目「No.3」では、項目「活動度に係る施設・設備、作業内容及び外部情報」に格納される運転条件は、「計画流量に対する実際の流量」、「配水池、ポンプ場の設備の臨時点検及び保守」、「給水部門との連絡」、及び「手動による取水制限」である。これら4つの運転条件(作業内容)に紐付けられるデータ項目は、項目「結果:フィードバック情報」に格納される「配水池の水位低下」及び「警報出力」であり、「配水池の水位低下」は、例えば、配水池の水位が下限値を下回ったことを示し、警報出力と共にフィードバック情報とされる。
分類5、すなわち、項目「No.5」では、自然災害である外部要因の例を示しており、項目「活動度に係る施設・設備、作業内容及び外部情報」に格納される運転条件は、「地震の発生」、「管路等の上水道施設の破損状況の調査」、「災害時(地震)マニュアルの参照」、「自治体の災害部局又は外部水道関連団体との連絡」、及び「給水車による給水活動」である。これら5つの運転条件(作業内容)に紐付けられるデータ項目は、項目「結果:フィードバック情報」に格納される「上水道施設の稼働時間低下」及び「警報出力」であり、例えば、上水道施設における3日間の稼働時間が、水運用計画に基づく運転計画における稼働時間の50%に低下したことを示し、警報出力と共にフィードバック情報とされる。
次に、図2に示した維持管理支援装置2を構成するシミュレーション部26について説明する。シミュレーション部26は、活動記録データベース(DB)24に格納される情報に基づき、提示する支援情報の優先順位の判定根拠とするために用いられる。シミュレーション部26は、上水道施設5aにおける各機器・プロセスをモデル化し、水量、水圧、及び水質のうち少なくとも一つをシミュレーションする機能を備える。ここで、上水道施設5aにおける各機器・プロセスに対応する各モデルは、それぞれの機器が健全な状態で、原水水質又は取水量の入力値に応じた各処理の計算結果を出力できる。これに加えて、各モデルは、機器に不具合が生じる等、設計仕様よりも性能が劣化した場合の計算も可能であり、劣化の程度は作業員(ユーザー)が適宜設定する。
本実施例では、シミュレーション部26は、上述の図4に示すステップS12にて、相関処理部23により活動度Aが所定の閾値ε以上に増加したことが判定されると、内部バス27を介して相関処理部23から起動指令を受け稼働する。シミュレーション部26への入力条件は、取水ポンプ、導水ポンプ、送水ポンプ、及び配水ポンプ等の設備機器の不具合発生、或いは、外部情報の値(例えば、降雨量等を含む気象条件等)が悪化したことを想定した条件とするとする。
図5は、図2に示す、維持管理支援装置2を構成する支援情報検索部25の処理フロー図である。支援情報検索部25は、上述の相関処理部23により活動記録データベース(DB)24にフラグ立てを行った所定のデータ項目(図4のステップS16)に対応する運転操作を提示する機能を有する。
図5に示すように、支援情報検索部25は、内部バス27を介して指標算出部22より得られる活動度Aを時刻と共に取得する。その後、支援情報検索部25は、取得された活動度Aが所定の閾値ε以上であるか否かを判定する(ステップS21)。ここで所定の閾値εの値として、例えば。非定常状態における過去の活動度Aの中間値又は過去の活動度Aの平均値が用いられる。ステップS21における判定結果が「活動度Aが所定の閾値ε以上」である場合、次のステップS22へ進む。一方、判定結果が「活動度Aが所定の閾値εより小さい」場合、ステップS29へ進む。なお、本ステップS21において、支援情報検索部25が、内部バス27を介して指標算出部22より活動度Aを取得し所定の閾値εと比較し判定する構成に代えて、次の構成としても良い。すなわち、上述の図4に示した、相関処理部23による「活動度Aが所定の閾値ε以上であるか否か」の判定結果(図4のステップS12)を、内部バス27を介して取得する構成としても良い。
ステップS22では、支援情報検索部25は内部バス27を介して活動記録データベース(DB)24を参照する。そして、活動記録データベース(DB)24内に格納される過去事例(過去の実績データ)の中から、「活動度Aが所定の閾値ε以上」である過去事例を複数抽出する。
次に、ステップS23では、抽出された複数の過去事例の中から、上水道施設5aを構成する、取水施設11、浄水・汚泥処理施設12、送配水施設13、及び管網施設14に設置されるポンプ等の設備機器の現在の運転条件と類似する運転条件を有する過去事例を検索する。ここで、類似性を判断する指標として、運転系列、流量、原水水質(例えば、濁度等)、警報出力の有無(予め、警報出力の有無に応じて所定の数値を割り当てる)等をパラメータとし、これらパラメータ毎に現在値と抽出された複数の過去事例との差分を求める。そして、抽出された過去事例毎に、各パラメータにおける差分を合計し、当該合計値と所定の閾値を比較することで、最も類似する過去事例を抽出する。ここで、上記各パラメータの現在値は、通信I/F21及びネットワーク6を介して監視制御装置3より取得される。なお、これに限らず、パラメータ毎に現在値と抽出された過去事例との差分を求めることに代えて、現在値及び抽出された複数の過去事例毎に上記所定のパラメータをそれぞれ集計し、集計結果が現在値に最も近い過去事例を抽出するよう構成しても良い。
続いて、ステップS24では、支援情報検索部25は、シミュレーション用の入力データセットを取得する。具体的には、現在の運転条件或いは水質条件を初期条件とし、当該初期条件を通信I/F及びネットワーク6を介して、支援情報検索部25が監視制御装置3より取得する。また、過去の類似する運転条件については、ステップS23にて検索し抽出された過去事例における運転条件を、支援情報検索部25が内部バス27を介して活動記録データベース(DB)24から読み出し取得する。
そして、ステップS25では支援情報検索部25は、ステップS24の処理により得られたシミュレーション用の入力データセット(現在及び類似する過去事例の運転条件)を、内部バス27介してシミュレーション部26へ出力する。シミュレーション部26は、支援情報検索部25より得られたシミュレーション用の入力データセットを用いて、所定時間(t)後の上水道施設5aの状態を算出する。ここで、所定時間(t)として、例えば、1時間から48時間が設定される。シミュレーション部26は、1時間から48時間後までのシミュレーションを実行し、各時刻における上水道施設5aの状態を予測する。実行されるシミュレーションの内容は、上水道施設5aを構成する、取水施設11、浄水・汚泥処理施設12、送配水施設13、及び管網施設14を対象とし、それぞれの各施設における設備機器の運転による水量、水圧及び水質を計算する。これら上水道施設5aを構成する各施設のシミュレーションは連携することが望ましいが、過去事例における非定常状態の影響範囲が一部の施設に限られる場合は、シミュレーションも該当する施設に限定しても、特に問題とならない。
ステップS26では、シミュレーション部26は、内部バス27を介してシミュレーション結果を支援情報検索部25へ出力する。支援情報検索部25は、シミュレーション部26から取得されたシミュレーションの結果に基づき、所定項目の出力値が予め定めた目標範囲を満足しているかどうかを判定する。ここで所定項目の出力値とは、処理水量、貯水槽(配水池等)への処理、警報出力の状況、及び使用エネルギー(例えば、各種ポンプによる消費電力)であり、それぞれ目標範囲を満足するかを支援情報検索部25が判定する。判定の結果、満足する項目がある場合は、次のステップS27へ進む。一方、判定の結果、満足する項目が存在しない場合、ステップS29へ進む。
ステップS27では、支援情報検索部25は、適正度の指標を算出する。ここで適正度の指標とは、上述のステップS26で用いた所定項目の出力値と、予め設定される目標値との差分を規格化することで得られる数値のことである。
ステップS28では、支援情報検索部25は、ステップS27にて算出した適正度の指標を、作業員(ユーザー)に提示する。具体的には、算出した適正度の指標を、内部バス27及び入出力I/F(図示せず)を介して、図示しない維持管理支援装置2に備えられる表示部に表示する。また、支援情報検索部25が、算出した適正度の指標を、内部バス27及び通信I/F21を介してネットワーク6へ出力し、ネットワーク6に接続される上水道施設5a内に設置される図示しない無線通信端末により、作業員(ユーザー)が所持する携帯端末9a,9bの表示部に表示する。
ステップS29では、支援情報検索部25は、作業員(ユーザー)による処理中止の判断がなされ、その入力を受け付けたか否か、すなわち、維持管理支援装置2の動作を停止すべきか否かを判定する。判定の結果、維持管理支援装置2の動作を停止すべき場合には、支援情報検索部25は処理を終了する。一方、判定の結果、維持管理支援装置2の動作を継続すべき場合には、ステップS21へ戻り、支援情報検索部25は上述の一連の処理を繰り返し実行する。
なお、シミュレーション部26が実行するシミュレーションの手法は、上述の手法に限らず、既知のシミュレーション法を用いても良く、また、新しいプロセス或いは設備機器を対象とする場合、当該新規プロセス或いは設備機器に対応するモデルを構築する。
例えば、上述の図3における分類1、すなわち、項目「No.1」において項目「結果:フィードバック情報」に示した沈殿処理水濁度に関連する活動度Aが増加した場合、シミュレーション部26は、沈殿処理プロセスの水処理シミュレーションを実行する。この場合、支援情報検索部25は、上述のステップS24(図5)において、監視制御装置3及び維持管理支援装置2を構成する活動記録データベース(DB)24より、原水水質(濁度、水温、pH)、水量、凝集剤注入率、急速攪拌用のフラッシュミキサの運転条件、緩速攪拌用のフロッキュレータの運転条件、沈殿処理水水質(濁度、pH)を取得し、内部バス27を介してシミュレーション部26へ出力する。支援情報検索部25は、シミュレーション部26より内部バス27を介して取得されるシミュレーション結果を、実際の沈殿処理水濁度(例えば、目標範囲を0〜1度として)と比較し、運転の適正度を判定する。
なお、本実施例では、図1に示したように監視制御装置3と維持管理支援装置2をそれぞれ設ける構成としたが、これに限られるものではない。例えば、上述した維持管理支援装置2の機能を監視制御装置3に組み込むよう構成しても良い。
本実施例によれば、活動度に基づく過去の実績とシミュレーションによる予測により、水道施設の維持管理の適正化及び適正水質の安定供給を実現できる。
また、本実施例によれば、熟練職員(熟練ユーザー)の暗黙知を含めたノウハウを活動度として検出し、具体的な運転操作と関連付けることで、ノウハウの見える化が可能である。また、活動度が高い非定常状態において、過去の実績とシミュレーションによる将来予測に基づいて、運転条件を適正なものから順に提示することにより、維持管理の適正化、非熟練作業員(非熟練ユーザー)の操作ミスの軽減ができ、最終的には適正水量・水質による安定供給が可能という効果がある。
本実施例では、上述の実施例1に示した構成に加え、図1に示すネットワーク6に、外部情報として、水道施設(上水道施設5a及び/又は下水道施設5b)を管理する水道関連機関に設置されるサーバ或いは上記水道関連機関の関係者が操作可能な電子端末が接続される点が実施例1と異なる。その他の点は実施例1と同様であり、以下では実施例1と重複する説明を省略する。
図1に示す監視制御システム1は、ネットワーク6に接続される、上水道施設5a及び/又は下水道施設5bを管理する水道関連機関に設置されるサーバ(図示せず、以下、サーバと称する)或いは上記水道関連機関の関係者が操作可能な電子端末(図示せず、以下、電子端末と称する)を更に備える。
維持管理支援装置2は、ネットワーク6を介して、監視制御装置3、外部サーバ4、及びサーバ或いは電子端末と通信し、各種情報を取得可能に構成されている。ここで、上記水道関連機関としては、例えば、同じ水系の他の水道事業体、財団法人、政府系機関、水道関連設備機器を提供する企業、及び、市民がある。これらのサーバ或いは電子端末よりネットワーク6を介して、維持管理支援装置2は、外部情報として、河川情報、水質、気象、疫病の流行、事故の状況、保守・補修に用いる設備機器、運転手順、保守手順等の情報を取得する。具体的には、上述の図2に示した通信I/F21を介して上記各種情報を取り込み、内部バス27を介して活動記録データベース(DB)24の所定の記憶領域に格納する。
また、図1に示す上水道施設5aを構成する、取水施設11に設置される音声取得部8a、浄水・汚泥処理施設12に設置される音声取得部8b、及び送配水施設13に設置される音声取得部8cは、それぞれ音声認識機能を備える。そして、音声取得部8a,8b,8cのうち、少なくともいずれか一つにて、上記水道関連機関と作業員(ユーザー)が会話或いは電話にて連絡していることを、音声認識機能により認識すると、維持管理支援装置2を構成する指標算出部22(図2)は、活動度計算時の係数を大きく配分する。これは、水道サービスを継続する上で、広域や多分野の助力又は情報が必要であることを示しており、上水道施設5aを構成する施設・設備の非定常状態の程度が大きいと判断できるためである。具体的には、実施例1にて説明した「会話に伴う活動度A2」を算出するための上述の式(2)における定数k2の値を高く設定し、指標算出部22が活動度Aを算出する。
本実施例によれば、実施例1による効果に加え、上記水道関連機関が保有する情報及び運転操作等の対処方法等を、ネットワークを介して取得でき、より広範なノウハウの見える化が可能となる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
1・・・監視制御システム
2・・・維持管理支援装置
3・・・監視制御装置
4・・・外部サーバ
5・・・水道施設
5a・・・上水道施設
5b・・・下水道施設
6・・・ネットワーク
7a,7b,7c,7d,7e,7f・・・映像取得部
8a,8b,8c,8d,8e,8f・・・音声取得部
9a,9b,9c,9d・・・携帯端末
11・・・取水施設
12・・・浄水・汚泥処理施設
13・・・送配水施設
14・・・管網施設
15・・・最初沈殿池
16・・・生物処理槽
17・・・最終沈殿池
21・・・通信I/F
22・・・指標算出部
23・・・相関処理部
24・・・活動記録データベース(DB)
25・・・支援情報検索部
26・・・シミュレーション部
27・・・内部バス

Claims (8)

  1. 監視制御装置及び少なくとも1つの水道施設とネットワークを介して接続される水道施設の維持管理支援装置であって、
    前記水道施設内で作業する作業員の移動距離をモニタリングする映像取得部からの作業員の単位時間当たりの移動距離と、作業員の会話を含む音声信号を取得する音声取得部からの作業員の会話継続時間との、少なくともひとつに基づき前記作業員の活動度を指標化して求める指標算出部と、
    水道施設内の各種設備の過去の運転条件及び作業内容並びに運転結果を相互に関連付けて格納する活動記録データベースと、
    前記監視制御装置より得られる前記各種設備の現在の運転条件と前記活動記録データベースに格納される情報及び前記作業員の指標化された活動度に基づき、前記各種設備が非定常状態か否かを判定すると共に対応する過去の運転条件に基づき、所定時間経過後の前記水道施設の状態を予測するシミュレーション部と、を備え、
    シミュレーション結果が、少なくとも所定の水質を満たす運転条件及び/又は作業内容を提示することを特徴とする水道施設の維持管理支援装置。
  2. 請求項1に記載の水道施設の維持管理支援装置において、
    前記指標算出部により得られる前記作業員の活動度が所定の閾値以上である場合の前記各種設備の運転条件に類似する過去の運転条件を、前記活動記録データベースより検索する支援情報検索部を有することを特徴とする水道施設の維持管理支援装置。
  3. 請求項2に記載の水道施設の維持管理支援装置において、
    前記支援情報検索部は、前記作業員の活動度が所定の閾値以上である場合の前記過去の運転条件と、前記監視制御装置より得られる前記各種設備の現在の運転条件とを、前記シミュレーション部に出力することを特徴とする水道施設の維持管理支援装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のうち、いずれか1項に記載の水道施設の維持管理支援装置において、
    前記指標算出部により求められる前記作業員の活動度は、
    少なくとも、前記映像取得部から得られる作業員の移動距離に基づき算出される単位時間当たりの移動距離に基づく第1の活動度と、前記音声取得部からの音声信号に基づき認識される会話の継続時間に基づく第2の活動度と、作業員による前記各種設備の保守点検作業及び/又は水質分析作業に要する時間に基づき算出される第3の活動度の2つ以上の和に基づき算出されることを特徴とする水道施設の維持管理支援装置。
  5. 少なくとも1つの水道施設とネットワークを介して接続され、前記水道施設内の各種設備を監視する監視制御装置を有する水道施設の監視制御システムであって、
    前記水道施設内で作業する作業員の移動距離をモニタリングする映像取得部と、
    作業員の会話を含む音声信号を取得する音声取得部と、
    前記各種設備の過去の運転条件及び作業内容並びに運転結果を相互に関連付けて格納する活動記録データベースと、
    前記作業員の単位時間当たりの移動距離及び前記音声信号として作業員の会話継続時間の1つ以上に基づき前記作業員の活動度を指標化して求める指標算出部と、
    前記監視制御装置より得られる前記各種設備の現在の運転条件と前記活動記録データベースに格納される情報及び前記作業員の指標化された活動度に基づき、前記各種設備が非定常状態か否かを判定すると共に対応する過去の運転条件に基づき、所定時間経過後の前記水道施設の状態を予測するシミュレーション部と、を備え、
    シミュレーション結果が、少なくとも所定の水質を満たす運転条件に基づき前記水道施設を運転制御することを特徴とする水道施設の監視制御システム。
  6. 請求項5に記載の水道施設の監視制御システムにおいて、
    前記指標算出部により得られる前記作業員の活動度が所定の閾値以上である場合の前記各種設備の運転条件に類似する過去の運転条件を、前記活動記録データベースより検索する支援情報検索部を有することを特徴とする水道施設の監視制御システム。
  7. 請求項6に記載の水道施設の監視制御システムにおいて、
    前記支援情報検索部は、前記作業員の活動度が所定の閾値以上である場合の前記過去の運転条件と、前記監視制御装置より得られる前記各種設備の現在の運転条件とを、前記シミュレーション部に出力することを特徴とする水道施設の監視制御システム。
  8. 請求項5乃至請求項7のうち、いずれか1項に記載の水道施設の監視制御システムにおいて、
    前記指標算出部により求められる前記作業員の活動度は、
    少なくとも、前記映像取得部から得られる作業員の移動距離に基づき算出される単位時間当たりの移動距離に基づく第1の活動度と、前記音声取得部からの音声信号に基づき認識される会話の継続時間に基づく第2の活動度と、作業員による前記各種設備の保守点検作業及び/又は水質分析作業に要する時間に基づき算出される第3の活動度の2つ以上の和に基づき算出されることを特徴とする水道施設の監視制御システム。
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