JP2007156653A - 水処理プラントの運転管理方法および装置 - Google Patents

水処理プラントの運転管理方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】多数の細目データを個別に監視することなく、水処理プラントの異常を迅速かつ正確に検知できる水処理プラントの運転管理方法および装置を提供する。
【解決手段】水処理プラント100の過去の水処理量と過去の原単位とから回帰式を求め、現在の水処理量についての実測値をこの回帰式に代入して原単位の推定値を得る。得られた推定値を、実際の原単位と比較して、水処理プラント100全体の異常の有無を判断する。同様に、水処理プラント100を構成するプラント要素のそれぞれについて、水処理プラント100全体の水処理量と各プラント要素の原単位(細目原単位)との相関関係を示す回帰式(細目原単位回帰式)に基づき、細目原単位の推定値を得る。得られた細目原単位の推定値を、実際の細目原単位と比較し、推定値と実測値との間に相違のあるプラント要素を異常のあるプラント要素として抽出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、水処理プラントの運転管理方法および装置に関し、特に、多種類の水処理機器を含む複雑な構成を有する超純水製造用等の水処理プラントの運転管理方法および装置に関する。
従来、液晶または半導体製品等の電子部品の製造には、極めて純度の高い超純水が用いられている。超純水は工業用水、市水、または湖沼水等を原水とし、原水に含まれる不純物を順次除去することにより製造される。このため、超純水を製造するためには原水に含まれる様々な不純物を除去する複数の水処理機器が必要とされ、超純水製造用の水処理プラントは多種類の水処理機器を含む複雑な構成となる。
上記超純水製造用の水処理プラントに限らず、各種工場に設けられるプラントは複数の機器類、並びにこれら機器を接続する配管および配線等を含んで構成される。したがって、プラントを構成する機器類、配管、および配線等の部材のいずれかに不具合が生じた場合、プラント全体に影響が及び、不具合の内容によってはプラント全体の運転を停止せざるを得ない場合もある。特に、電子部品製造工場等に設けられる超純水製造用の水処理プラントの場合、水処理プラントが停止すると電子部品の製造ラインを停止せざるを得なくなるため、経済的な損失が大きい。
このため従来、各種計測機器をプラントに配備し、計測機器により取得された種々のデータに基づき、プラントの運転状況を監視する運転管理が行われている。ここで上述したとおり、プラントは多種多様な機器類を含んで構成されるため、個々の機器類を監視対象として、これら機器類の稼動状況を個別に計測する場合、プラントの運転管理のために測定すべき項目が多くなる。
このため、個々の測定項目について得られるデータ(以下、「細目データ」)の変動に基づいてプラント全体またはプラントを構成する幾つかの処理システムに異常があるか否かを迅速に検知することは困難である。すなわち、膨大な量の細目データの全てを監視することは実質的に不可能である。一方、少数の細目データを選んで監視して細目データに異常が認められた場合に対応するようにする場合、プラントの不具合を事前に察知することができない場合がある。例えば、処理水の水質データを監視する細目データとする場合、水質変動を検知した時は既にプラント異常が生じており、対応が遅れる。
そこで、プラント全体または一連の処理システムの全体を監視対象と捉え、プラントまたは各処理システムの全体の運転状態を示すデータ(以下、「概観データ」)に基づいてプラントの運転管理を行う方法もある。例えば特許文献1には、任意の処理システムまたはプラント全体について、単位処理水量あたりの電力使用料(電力費用原単位)を概観データとして用いてプラントの運転状況を判断する方法が開示されている。
特許文献1に開示された方法では、任意の処理システム、またはプラント全体の電力費用原単位について、実際の計測から得られた値(以下、「実測値」)を、プラントが本来発揮するはずの能力を示す値(以下、「計画値」)と比較することにより、プラントの運転状態を診断する。特許文献1に記載された方法では、概観データに基づいてプラントの運転状態を判断するため、多数の細目データを監視する必要がなく、プラント全体または各処理システムにおける異常の兆候を検知することができる。また、複数のプラントを一元的に管理することも容易となる。
さらに、実測値と比較される計画値は、各機器の標準的な処理能力に基づいて求められるプラントの設計値を、運転条件等で修正して算出される。このため計画値は、プラントが本来発揮すべき能力を示し、特許文献1に開示された方法によれば、プラントに要求されている能力に対する能力評価を行うこともできる。
特開2004−54418号公報
ところで、さまざまな性状の原水を処理する水処理プラントでは、プラントを構成する各種水処理機器が実際に奏する処理能力は、原水の性状、プラントの稼動率、劣化状況等に影響される。また、プラントを構成する水処理機器の種類、数、配列も、原水の性状や要求水質等に応じてプラントごとに異なる。このため、本来同一の処理能力を奏するように製造されている同一種類の水処理機器でも、実際の処理能力はプラントごとによって必ずしも同一ではない。
このため、計画値と実測値とを比較する特許文献1の方法では、水処理プラントに異常があるか否かを正確に判断できない場合がある。すなわち、例えば実際に得られた電力費用原単位について実測値と計画値とを比較したところ、両者が近似している場合でも、プラントに異常が生じている場合があり、逆に実測値と計画値がある程度相違していても異常が生じていない場合もある。また、概観データに基づいてプラントの運転管理を行う特許文献1の方法では、細目データの変動を逐一、監視しないため、異常原因を特定することが困難である。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、水処理プラントの異常を迅速かつ正確に検知できる水処理プラントの運転管理方法を提供することを目的とする。本発明はまた、多数の細目データを個別に常時監視することなく、プラント全体の異常の有無を迅速に判定することを可能とし、かつ、プラントに異常がある場合に異常原因を速やかに特定できる水処理プラントの運転管理方法および装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下を提供する。
(1) 水処理プラントを構成する複数のプラント要素ごとに求められる複数の細目原単位を和して求められる原単位を用いて前記水処理プラントを運転管理する水処理プラントの運転管理方法であって、 前記水処理プラントの現在の実測水処理量または実測原単位を、前記水処理プラントの過去の水処理量および過去の原単位から求められた回帰式に代入することにより、前記水処理プラントの推定原単位または推定水処理量を算出する推定値算出工程と、 前記実測水処理量と前記推定水処理量とを比較する、または前記実測原単位と前記推定原単位とを比較することにより、前記水処理プラントの異常の有無を判定する異常判定工程と、を含む水処理プラントの管理方法。
本発明は、水処理プラント全体の現在の運転状態を示す実測値と比較する計算上の値として、水処理プラントの過去の水処理量と原単位とから得られた回帰式を用いて算出された値(以下、「推定値」)を用いる。本発明において推定値を算出するために用いられる回帰式は、水処理プラントの運転状況を示す過去の実測値のうち、水処理プラントが正常に運転されている場合の値に基づいて得られたものである。回帰式を算出するために用いられる過去の実測値は特に、水処理プラントの現在の稼動状況に近い直近のものとすることが好ましい。「直近の過去の実測値」は、データの取得間隔等を考慮して、例えば過去1ヶ月の実測値でもよいし、過去1週間、場合によっては過去1時間の複数の実測値であってよい。
このように本発明では、回帰式は水処理プラントが正常に稼動している場合の水処理量と原単位との相関関係を反映し、かつ水処理プラントの実際の稼動状況を反映したものとなる。したがって、回帰式に基づき算出された推定値を現実測値と比較することにより、設計値をベースとして算出された計測値と現実測値とを比較する場合に比して、水処理プラントの異常の有無について、現実の水処理プラントの特性(原水性状、稼動率、部材等の劣化状況)を反映した正確な判断ができる。
なお、本明細書において、現在の運転状態を示す実測値を「現実測値」、過去の運転状態を示す実測値を「過去実測値」と称する場合がある。現実測値は、運転中の水処理プラントの運転状態を把握するために用いられ、過去実測値は現実測値と比較する推定値を算出するために必要な回帰式を求めるために用いられる。
また、本明細書において、「原単位」とは水処理プラント全体で単位量あたりの水を処理するために要する対価、すなわち代償を意味する。対価は、費用として算出すればよく、この場合の水処理プラント全体の原単位は数式1に従って算出される。また、二酸化炭素排出量を対価に見立て、単位量あたりの水を処理するために要する環境負荷を数値化した原単位を数式2に従って算出し、この原単位を利用して水処理プラントの運転管理を行ってもよい。以下、特に両者を区別する場合、費用を対価として算出する原単位を「費用原単位」、環境負荷を対価として算出する原単位を「環境負荷原単位」と称する場合がある。
Figure 2007156653
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(1)では、水処理プラント全体での原単位と水処理量の過去実測値から、両者の相関関係を示す回帰式を求めておき、水処理量の現実測値(実測水処理量)から原単位の推定値(推定原単位)を求める。一方、原単位の現実測値(実測原単位)も求め、原単位の推定値と現実測値、すなわち推定原単位と実測原単位とを比較する。これにより本発明では、多種類の計測機器で収集される多岐に渡る細目データを監視することなく、迅速かつ正確に水処理プラント全体の異常の有無を検知できる。
なお、回帰式は原単位と水処理量との相関関係を示す式であるため、水処理量の現実測値を回帰式に代入する代わりに、原単位の現実測値(実測原単位)を回帰式に代入して水処理量の推定値(推定水処理量)を求めてもよい。この場合、水処理量の現実測値と推定値、すなわち実測水処理量と推定水処理量とを比較することから、水処理プラント全体の異常の有無を判断すればよい。
(2) 前記複数のプラント要素それぞれについて、現在の実測細目原単位または実測水処理量を、過去の細目原単位および過去の水処理量から求められた細目原単位回帰式に代入することにより、推定水処理量または推定細目原単位を算出する細目推定値算出工程と、 前記複数の細目原単位のそれぞれについて、前記実測水処理量と前記推定水処理量とを比較する、または前記実測細目原単位と前記推定細目原単位とを比較することにより、前記複数の細目原単位の中から異常値を示す細目原単位を抽出する異常抽出工程と、をさらに含む(1)に記載の水処理プラントの管理方法。
水処理プラントは、多種類の水処理機器と、これら水処理機器に薬品や電力等を供給する様々な付帯設備を含み、一定の概念に従って複数の要素に区分することができる。例えば、廃水を回収して再利用する超純水製造プラントであれば、水処理プラントを構成する機器類等を処理目的に着目して「用水処理システム」、「一次純水システム」、「二次純水システム」、「排水処理システム」、および「汚泥処理システム」等に区分することができる。これらの処理システムはさらに、処理の内容ごとに「砂ろ過ユニット」、「脱炭酸塔ユニット」、「活性炭ユニット」、「膜分離装置ユニット」、および「電気脱イオン装置ユニット」等に細分でき、水処理のために支払われる対価もかかる区分ごとに分けて把握できる。
上記処理目的に着目した区分において、「用水処理システム」は回収水および河川水等を水道水程度の水質まで浄化する機器類で構成される処理システムで、「一次純水システム」は水道水レベルの水を原料(原水)として一次純水を製造する機器類で構成される処理システム、「二次純水システム」は一次純水から二次純水を製造する機器類で構成される処理システムである。また、「排水処理システム」は、廃水を下水道等に排出できるように処理する機器類で構成される処理システム、「汚泥処理システム」は水処理に伴い発生する汚泥を処理する機器類で構成される処理システムである。
一方、特に費用原単位を使用する場合、単価の違いに着目して単価が同じ原料等を扱う機器類をまとめることで、水処理プラントを複数のプラント要素に区分することもできる。具体的には、水処理プラントは、水道水を原料として使用することにより水道水使用量に水道水単価を乗じた費用を発生させる機器類、下水放流する廃水を排出することにより下水放流量に下水処理単価を乗じた費用を発生させる機器類、電力を使用することにより電力使用量に電気単価を乗じた費用を発生させる機器類、薬品を使用することにより薬品使用量に薬品単価を乗じた費用を発生させる機器類、および廃棄物として処理される汚泥を発生させることにより廃棄物(汚泥)発生量に廃棄物処理単価を乗じた費用を発生させる機器類等に区分できる。
水処理プラントを上記のように複数のプラント要素に区分して把握すれば、水処理プラント全体での水処理に要する対価は、各プラント要素で発生した対価の合計となる。例えば、水処理プラントを処理目的に応じて区分した場合、水処理プラント全体の原単位は、数式3で示されるように各プラント要素の原単位(細目原単位)の和となる。また、水処理プラントを単価の違いに着目して区分した場合、水処理プラント全体の費用原単位は、数式4で示される値となる。
Figure 2007156653
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そこで(2)では、各プラント要素の原単位(細目原単位)を求め、水処理プラント全体での過去の水処理量と各プラント要素の過去の細目原単位とから、両者の相関関係を示す回帰式(細目原単位回帰式)を求める。そして、現在の水処理プラント全体での水処理量(実測水処理量)から、全てのプラント要素について、当該プラント要素の原単位(細目原単位)の推測値(推定細目原単位)を求める。一方、各プラント要素の現在の原単位(実測細目原単位)も求め、各プラント要素について、細目原単位の推定値と実測値、すなわち推定細目原単位と実測細目原単位とを比較する。これにより、推定値と実測値との間に齟齬があるプラント要素を異常のあるプラント要素として抽出できる。
ここで、細目原単位回帰式は細目原単位と水処理量との相関関係を示す式であるため、実測値水処理量を回帰式に代入する代わりに、細目原単位の現実測値(実測細目原単位)を回帰式に代入して水処理量の推定値(推定水処理量)を求めてもよい。この場合、各細目原単位について水処理量の現実測値と推定値とを求め、実測水処理量と推定水処理量とを比較して、齟齬がある細目原単位を抽出することから、異常値を示している細目原単位を特定すればよい。
このように、(2)では水処理プラントを、原単位を構成する複数の細目原単位に対応する複数のプラント要素の集合と捉え、複数のプラント要素全てについて細目原単位または水処理量のどちらかの実測値と推定値とを比較することで、実測値と推定値との齟齬があるプラント要素を異常のあるプラント要素として抽出できる。
(3) 前記複数の細目原単位のそれぞれについて過去に抽出された齟齬同士の関係性を、過去に前記複数の細目原単位のそれぞれについて抽出された齟齬同士の関係性および前記水処理プラントの異常原因が関連付けられたデータベースと照合することにより、異常原因を推定する原因推定工程をさらに含む(2)に記載の水処理プラントの管理方法。
本発明者は、水処理プラントの異常原因に応じて、(2)で抽出された各プラント要素の齟齬同士の関係が異なることを知見し、(3)を想到した。すなわち、例えば凝集剤等の薬剤を受け入れ各機器に供給するシステム(薬品受入システム)の細目原単位について実測値と推定値とに齟齬があり、水処理に伴い発生する汚泥を処理するシステム(汚泥処理システム)の細目原単位についても齟齬がある場合、凝集処理に関係する部分の異常が水処理プラントの異常原因となっている可能性があるといった関係性があることを知見した。
そこで(3)では、各プラント要素についての実測値と推定値との齟齬の相関関係を、水処理プラントの異常原因と関連付けてデータベース(異常原因データベース)に蓄積しておき、(2)で抽出された各プラント要素についての齟齬に関する情報を前記異常原因データベースと照らし合わせる。これにより、(3)では、個々の細目データの変動を逐一、監視することなく異常原因を推定することができる。
(4) 前記水処理プラントは、前記細目原単位を変動させる要因となる運転条件の計測を行う複数の計測機器を含み、 前記原因推定工程で推定された異常原因に関係する運転条件について、前記水処理プラントの過去の水処理量と過去の運転条件とから運転条件回帰式を求め、前記実測水処理量または現在の前記水処理プラントについて実際に測定された実測運転条件を前記運転条件回帰式に代入することにより、推定運転条件または前記推定水処理量を算出する推定運転条件算出工程と、 前記推定運転条件と前記実測運転条件とを比較する、または前記実測水処理量と前記推定水処理量とを比較することで異常のある運転条件を特定する異常特定工程と、をさらに含み、 前記異常のある運転条件について運転管理を行う(3)に記載の水処理プラントの管理方法。
(4)では、水処理プラントに取り付けられ、個々の機器類等の稼動状況を個別に計測する計測機器から得られる多種類の細目データから、異常原因推定工程で異常原因と推定された運転条件に関するデータを選び、かかるデータを解析することで異常原因を特定する。このように(4)によれば、個々の細目データの全てを調べることなく、異常原因を特定して水処理プラントの管理を行うことができる。
例えば、水処理プラントを単価の違いごとに複数のプラント要素に区分して各プラント要素の原単位の実測値と推定値とを比較した結果、薬品の細目原単位と廃棄物の細目原単位について、実測細目原単位が推定細目原単位を上回り(または、水処理プラントを処理の内容で区分して各プラント要素の原単位の実測値と推定値とを比較した結果、凝集沈殿ユニットの実測細目原単位が推定細目原単位を上回り)、異常原因推定工程で、凝集沈殿ユニットでの薬注量が増加して汚泥が増加していることが異常原因と推定されたとする。かかる場合、異常原因と推定された運転条件として、例えば凝集剤タンクの貯留レベル、凝集剤注入時間、原水量、原水水質を選ぶ。
そこで、これらのそれぞれについて前記水処理プラントが正常に運転されている場合の過去の水処理量と各運転条件に関する過去の細目データから、水処理プラントが正常に運転されている場合(つまり、異常がある場合のデータを除いた場合)の過去の水処理量と運転条件との関係を示す回帰式(運転条件回帰式)を求める。その上で、運転条件回帰式に異常運転時に実際に測定された値である実測水処理量を代入し、本来の運転条件を示す値(推定運転条件)を求め、異常運転時の実際の運転条件と推定運転条件とを比較して異常原因を特定する。ここでは例えば、各運転条件の過去のデータから求められた推定運転条件と実測運転条件とを比較し、原水量および水質の運転条件は変化していない一方、凝集剤タンクの減少速度が速く、凝集剤注入時間が長いという変化が認められれば、薬注過剰を以上原因と特定できる。
(5) 水処理プラントの過去の水処理量および過去の原単位から求められる回帰式が記憶された回帰式データベースを有する記憶部と、 現在の前記水処理プラントについて実際に測定された実測水処理量または実測原単位を前記回帰式に代入することにより、推定原単位または推定水処理量を算出し、前記実測水処理量と前記推定水処理量とを比較する、または前記実測原単位と前記推定原単位とを比較することにより、前記水処理プラントの異常の有無を判定する異常判定処理を行う制御部と、を備える情報処理装置を含む水処理プラントの管理装置。
(6) 前記回帰式データベースは、前記原単位を複数の細目に区分して前記原単位を構成する複数の細目原単位のそれぞれについて、過去の細目原単位と前記水処理プラントの過去の水処理量とから求められる細目原単位回帰式をさらに記憶しており、 前記制御部は、前記実測水処理量または現在の前記水処理プラントについて実際に測定された実測細目原単位を前記細目原単位回帰式に代入することにより、推定細目原単位または前記推定水処理量を算出し、前記複数の細目原単位のそれぞれについて、前記実測水処理量と前記推定水処理量とを比較する、または前記実測細目原単位と前記推定細目原単位とを比較することにより、前記複数の細目原単位の中から異常値を示す細目原単位を抽出する異常抽出処理をさらに行なう(5)に記載の水処理プラントの管理装置。
(7) 前記記憶部は、過去に前記複数の細目原単位のそれぞれについて抽出された齟齬同士の関係性および前記水処理プラントの異常原因が関連付けられた異常原因データベースをさらに有し、 前記制御部は、過去に前記複数の細目原単位のそれぞれについて抽出された齟齬同士の関係性を、前記異常原因データベースに記憶された情報と照合することにより、異常原因を推定する原因推定処理をさらに行なう(6)に記載の水処理プラントの管理装置。
(8) 前記水処理プラントは、前記細目原単位を変動させる要因となる運転条件の計測を行う複数の計測機器を含み、 前記回帰式データベースは、前記水処理プラントの過去の水処理量と過去の運転条件とから求められる運転条件回帰式を記憶しており、 前記制御部は、前記実測水処理量または現在の前記水処理プラントについて実際に測定された実測運転条件を前記運転条件回帰式に代入することにより、推定運転条件または前記推定水処理量を算出し、前記推定運転条件と前記実測運転条件とを比較する、または前記実測水処理量と前記推定水処理量とを比較することで異常のある運転条件を特定する異常特定処理をさらに行なう(7)に記載の水処理プラントの管理装置。
本発明によれば、多数の計測機器から収集される多種類の細目データを元にした複雑な演算処理を行うことなく、水処理プラントの総合的な運転状況を把握し、異常の変調を迅速かつ的確に把握できる。このため、水処理プラントの異常を早期に発見して、運転停止につながる不具合の発生を予防できる。
次に、図面を用いて本発明について詳細に説明する。図1は、本発明を実施するために水処理プラント(以下、単に「プラント」)100に取り付けられる水処理プラントの運転管理装置(以下、単に「管理装置」)1の構成を示す模式図である。
管理装置1は、計測機器10と、コンピュータで構成される情報処理装置20とを含んで構成される。図2は、情報処理装置20の構成を示す模式図であり、図2に示すように情報処理装置20は、入力部110と、制御部120と、記憶部130と、出力部150とを備え、適宜、通信部140を備える。
入力部110は、各計測機器10で計測された複数種類の計測値等を入力する装置である。入力部110は、例えば計測機器10から自動送信された計測値を受け付ける装置であってよく、キーボードまたはマウス等のようにプラント100の管理員により入力される種々の情報を受け付ける装置であってもよい。
制御部120は、入出力制御デバイスと、演算処理デバイスとを含み、例えば中央演算処理装置(CPU)で構成される。入出力制御デバイスは、記憶部130に記憶されたプログラムコード等の情報を必要に応じて読み出し、演算処理デバイスは入力部110に入力された情報および記憶部130から読み出された情報等を処理して推定値等を算出する。
記憶部130は、各種データベースおよびプログラムコード等が制御部により記憶される装置であり、例えば、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)等のメモリ、フレキシブルディスク等の磁気ディスク、CD−ROM等の光ディスク等で構成される。記憶部130では、計測機器10で計測された計測値等が入力部110を介してそのまま、あるいは制御部120で演算処理されて記憶される。本実施形態では、入力部110から入力された現在または過去の実測値は実測値データベースに記憶され、制御部120による演算処理により算出された推定値は推定値データベースに記憶される。
また、推定値を算出するための回帰式が記憶された回帰式データベース、および後述する原因推定工程S6で用いられる異常原因データベース等も記憶部130に保持されている。さらに、記憶部130にはプラント100の運転状況を診断するために必要な処理を行うためのプログラムコード等も記憶されている。
出力部150は、制御部120で処理された情報が出力される装置であり、例えば、文字等として出力された情報を表示するモニタ、液晶ディスプレイ、またはプリンタ等で構成される。通信部140は、計測機器10で計測された実測値、および出力部150から出力された情報を制御部120とともに必要に応じて伝送する装置であり、通信回線を含んで構成される。なお、「通信回線」には電話回線のような有線の伝送路で構成されるもののみならず、無線の伝送路で構成されるものも含むものとする。
計測機器10は、プラント100の運転状態またはプラント100を構成する機器類等の稼動状況を個別に計測する装置であり、例えば流量計、圧力計、pH計、および界面計等が挙げられる。計測機器10としては、自動で所定の計測を行い、計測結果を電子情報として出力して自動送信する自動送信機能を備える機器(特に「自動計測機器」と称する場合がある)を好適に用いることができる。ただし、計測機器10には、所定の計測結果を表示するだけの機器(特に「表示機器」と称する場合がある)が含まれるものとする。なお、プラント100には同一記号で示された複数の計測機器10が取り付けられているが、図1では、一部の計測機器10については参照符号を省略している。
プラント全体100についての水処理量、および原単位を算出するために必要なデータ等の情報、並びに、後述するプラント要素のそれぞれについての原単位(細目原単位)を算出するために必要なデータ等の情報は、これら計測機器10およびプラントの管理員により収集され、入力部110から入力される。また、プラント100を構成する複数の水処理機器の稼動状況に関するデータ等の情報も、これら計測機器10および管理員により収集され、入力部110から入力される。
プラント100は、排水を回収して再利用する超純水製造用の水処理プラントであり、処理目的に着目すれば、用水処理システム111、一次純水システム112、二次純水システム113、排水処理システム114、汚泥処理システム115、電力供給システム116、および薬品受入システム117に区分できる。ただし、本実施態様では、プラント100全体の原単位は、単価の違いで区分されたプラント要素ごとの細目原単位の和として把握されるものとする。
そのため、プラント100は、水道水を原料として使用するプラント要素、廃水を処理するプラント要素、汚泥のような産業廃棄物を発生させるプラント要素、電力を使用するプラント要素、および薬品を受け入れて各機器に送るプラント要素に区分し、これらのプラント要素ごとの原単位(細目原単位)を算出するため計測機器10を取り付ける。具体的には、一次純水システム112に原水として導入される水道水量を測定する水道メーター10A、排水処理システム114から下水放流される下水発生量を計測する下水メーター10B、汚泥処理システム115から排出され産業廃棄物として処理される汚泥発生量を計測する廃棄物計量計10C、電力供給システム116で使用される電力使用量を測定する電気メーター10D、および薬品受入システム117から各機器類に送られる薬品注入量を計測する薬注計10Eがプラント100内に設けられている。
次に、本発明に係るプラント100の管理方法について説明する。この例では、原単位として費用原単位を算出するものとする。プラント100は、単価の違いに着目して区分され、本実施態様では費用原単位は、数式5に示す式で求められる値である。式中、水道水原単位、下水原単位、廃棄物原単位、電力原単位、および薬品原単位はそれぞれ、数式6、数式7、数式8、数式9、および数式10に示す式で求められる値である。なおここでは、プラント100全体での水処理量とは、プラント100全体で処理され使用された水の量、すなわち、ユースポイント200で使用された超純水使用量である。本実施態様では、超純水使用量は、ユースポイント200に流量計10Fを取り付けることで求められる。
Figure 2007156653
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Figure 2007156653
なお、費用原単位は上記式によって求められるものに限定されない。例えば、用水処理システム111、排水処理システム114、および汚泥処理システム115ごとに細目原単位を求め、費用原単位を、用水処理システム111での細目原単位(費用)、排水処理システム114での細目原単位(費用)、および汚泥処理システム115での細目原単位(費用)の和として求めてもよい。
図3は、本発明で実行される情報処理手順を示すフロー図である。まず、プラント100の現在の運転状況を示す情報(現実測値)が上記計測機器10等により測定され、情報処理装置20に入力される入力受付処理(入力受付処理工程S1)が実行される。現実測値は、通信部140を介して計測機器10から自動送信されて入力されてもよく、プラント100の管理員により入力部110に入力されてもよい。
すなわち、「現実測値」には、プラント100に取り付けられた計測機器10による計測で得られた計測値のみならず、プラント100の管理員が巡回点検の際に収集する情報が含まれる。管理員が収集する情報としては、表示機器に表示され管理員が巡回点検中に読み取るデータ(表示データ)、および管理員が巡回点検中に手作業で計測を行うことにより得られる水質分析結果等のデータ(手計測データ)等がある。
入力受付処理工程S1では、プラント100全体についての現在の実測水処理量および現在の実測原単位、プラント要素ごとの現在の原単位(実測細目原単位)、並びに個別の水処理機器の稼動状況を示す細目データ(実測運転条件)が入力される。実測水処理量、実測原単位、および実測細目原単位等は、管理員によって入力されてもよく、細目データを制御部120で演算処理した出力結果として入力されるようにしてもよい。
次に、入力受付処理工程S1で入力された現実測値に基づき、まずプラント100全体について水処理量または原単位の推定値が算出される(推定値算出工程S2)。図4は、推定値算出工程S2における処理の流れを示す図である。この図に示すように、推定値算出工程S2では、まず、プラント100全体の水処理量と原単位との相関関係を示す回帰式(全体回帰式)が制御部120の入出力制御デバイスにより記憶部130から読み出される(回帰式読出処理S10)。また、制御部120の入出力制御デバイスにより、入力部110に入力された実測水処理量(または実測原単位)記憶部130からが読み出されて前記全体回帰式に代入される(実測値読出処理S11)。そして、制御部120の演算処理デバイスにより、例えば数式11に基づいてプラント100全体での原単位(または水処理量)の推定値が算出される(推定値算出処理S12)。
Figure 2007156653
上記推定値算出工程S2で用いる全体回帰式は、プラント100の過去の原単位実測値(過去実測値)および過去の実測水処理量(過去実測水処理量)を回帰させることで求められる。かかる全体回帰式は、入力受付処理工程S1に先立って求め、あらかじめ記憶部130に記憶されるようにしておく。
次に、上記推定値算出工程S2で算出された原単位(または水処理量)の推定値と、入力受付処理工程S1で入力された原単位(または水処理量)の現在の実測値とが制御部120により比較され、両者間の齟齬の有無が判断される(異常判定工程S3)。異常判定工程S3では、推定原単位(または推定水処理量)と実測原単位(または実測水処理量)との比較結果が所定の条件、例えば数式12に示すような条件を定めておき、当該条件に該当すれば異常があると判断するように構成したプログラムコード等を用いて異常有無を判定できる。
Figure 2007156653
そして、異常判定工程S3で異常ありと判定された場合、細目推定値算出工程S4に進む。細目推定値算出工程S4では、複数のプラント要素のすべてについて、プラント100全体での実際の水処理量(実測水処理量)または各プラント要素の実際の原単位(実測細目原単位)に基づき、各プラント要素の原単位の推定値(推定細目原単位)またはプラント全体の水処理量の推定値(推定水処理量)が算出される。
細目推定値算出工程S4における処理の流れは、図4に示す推定値算出工程S2と同様であり、プラント100全体の水処理量と各プラント要素の原単位(細目原単位)との相関関係を示す回帰式(細目原単位回帰式)が制御部120の入出力制御デバイスにより記憶部130から読み出される。そして、制御部120の演算処理デバイスにより、入力部110に入力された実測水処理量(または実測細目原単位)が前記細目原単位回帰式に代入され、当該プラント要素の細目原単位(またはプラント100全体での水処理量)の推定値が算出される。
かかる細目推定値算出工程S4では、各プラント要素の全てについて推定値が算出される。数式13は、細目原単位として電力原単位の推定原単位を求める細目原単位回帰式を示す。かかる回帰式は、プラント100の過去の実測水処理量(過去実測水処理量)と、電力原単位の過去の実測値を回帰させることで求められる。細目原単位回帰式は、各プラント要素について、入力受付処理工程S1に先立って求め、あらかじめ記憶部130に記憶させておく。
Figure 2007156653
上記細目推定値算出工程S4で算出された各プラント要素の細目原単位(またはプラント100全体の水処理量)の推定値と、入力受付処理工程S1で入力されたプラント要素の細目原単位(またはプラント100全体の水処理量)の現在の実測値とが制御部120により比較される(異常抽出工程S5)。異常抽出工程S5では、推定細目原単位(または推定水処理量)と実測細目原単位(または実測水処理量)との比較が各プラント要素について行われる。かかる比較においては、推測値と実測値との関係が所定の条件、例えば数式14に示す条件に該当する場合、当該プラント要素が異常原因を有すると判断するように構成したプログラムコード等が用いられる。
Figure 2007156653
次に、推定値と実測値が相違したプラント要素同士の関係性とプラント100の異常原因とを関連付けた異常原因データベースを用いて異常原因の推定を行う(原因推定工程S6)。異常原因データベースは、プラント100についての過去のデータ、論理考察、および経験知等を適宜考慮して、プラント異常の原因ごとにプラント要素同士の異常がどのように現れるかをデータベース化したものである。
異常原因データベースに記録された情報としては、例えば、薬品原単位および廃棄物原単位について推定値と実測値とが相違する場合、廃水水質(濁度)の悪化、凝集被処理液のpH調整不良による凝集不良の発生、または凝集剤の注入異常が異常原因と推定される、というものである。かかる情報が蓄積された異常原因データベースは、入力受付処理工程S1の実行に先立ち、あらかじめ記憶部130に記憶させておく。
原因推定工程S6では、異常抽出工程S5での処理結果、各プラント要素において判定された推定値と実測値との間の齟齬の有無をパターン化して、上述した異常原因データベースと、齟齬の有無についてのパターンとを比較して異常原因についての推定結果を判断する。
次に、異常原因と推定された水処理操作に係る機器またはその付帯設備について、これらの実際の稼動状況を示す運転条件の実測値を、プラント100全体での実際の水処理量から推定される推定値とを比較する。ここではまず、異常原因と推定される機器等の稼動状況についての過去の実測値と、過去の水処理プラントの水処理量とに基づいて算出された回帰式(運転条件回帰式)を用い、当該機器等の現在の運転条件(またはプラント100の水処理量)から推定される運転条件を求める(推定運転条件算出工程S7)。
次に、推定された運転条件(または水処理量)と実際の運転条件(または水処理量)とを比較することで、異常のある運転条件を特定する(異常特定工程S8)。
例えば上記の例では、異常原因と推定された水処理操作に係る機器等についての運転条件を示す細目データとしては、凝集剤貯槽のタンクレベル増減速度、沈殿槽流入水量、および被処理水水質、pH調整剤添加後の被処理水pHが挙げられる。そこで、プラント100が正常に運転されている場合におけるプラント100全体での水処理量(過去実測水処理量)と、その時のタンクレベル増減速度から回帰式を得、異常が検知されている現在の水処理量(またはタンクレベル増減速度)から、正常である場合に予想されるタンクレベル増減速度(または水処理量)を示す推定運転条件を求める。沈殿槽流入水量、および被処理水水質についても同様に実測値と推定値を求める。
そして、異常特定工程S8でこれら実測値と推定値とを比較することで、例えばタンクレベル増減速度と処理水質とについて実測値が推定値より大きくなっていることを確認することで、凝集処理の異常が原因と特定できる。このように、本発明によれば全体から細部に向かってデータ解析を行うことで、多数の細目データを逐一監視することなく、プラント100全体の異常の兆候を迅速に把握できる。
本発明は、超純水製造装置等の水処理プラントの運転管理に適用できる。
本発明の一実施形態に係る水処理プラントの運転管理装置の模式図である。 前記実施形態に係る管理装置の情報処理装置の構成を示す模式図である。 前記実施形態に係る管理装置による処理手順図である。 前記実施形態に係る管理装置による詳細な処理手順を示す図である。
符号の説明
1 水処理プラントの運転管理装置
10 計測機構
20 コンピュータ(情報処理装置)
100 水処理プラント
111 用水処理システム
112 一次純水システム
113 二次純水システム
114 排水処理システム
115 汚泥処理システム
116 電力供給システム
117 薬品受入システム
200 ユースポイント

Claims (8)

  1. 水処理プラントを構成する複数のプラント要素ごとに求められる複数の細目原単位を和して求められる原単位を用いて前記水処理プラントを運転管理する水処理プラントの運転管理方法であって、
    前記水処理プラントの現在の実測水処理量または実測原単位を、前記水処理プラントの過去の水処理量および過去の原単位から求められた回帰式に代入することにより、前記水処理プラントの推定原単位または推定水処理量を算出する推定値算出工程と、
    前記実測水処理量と前記推定水処理量とを比較する、または前記実測原単位と前記推定原単位とを比較することにより、前記水処理プラントの異常の有無を判定する異常判定工程と、を含む水処理プラントの管理方法。
  2. 前記複数のプラント要素それぞれについて、現在の実測細目原単位または実測水処理量を、過去の細目原単位および過去の水処理量から求められた細目原単位回帰式に代入することにより、推定水処理量または推定細目原単位を算出する細目推定値算出工程と、
    前記複数の細目原単位のそれぞれについて、前記実測水処理量と前記推定水処理量とを比較する、または前記実測細目原単位と前記推定細目原単位とを比較することにより、前記複数の細目原単位の中から異常値を示す細目原単位を抽出する異常抽出工程と、をさらに含む請求項1に記載の水処理プラントの管理方法。
  3. 前記複数の細目原単位のそれぞれについて過去に抽出された齟齬同士の関係性を、過去に前記複数の細目原単位のそれぞれについて抽出された齟齬同士の関係性および前記水処理プラントの異常原因が関連付けられたデータベースと照合することにより、異常原因を推定する原因推定工程をさらに含む請求項2に記載の水処理プラントの管理方法。
  4. 前記水処理プラントは、前記細目原単位を変動させる要因となる運転条件の計測を行う複数の計測機器を含み、
    前記原因推定工程で推定された異常原因に関係する運転条件について、前記水処理プラントの過去の水処理量と過去の運転条件とから運転条件回帰式を求め、前記実測水処理量または現在の前記水処理プラントについて実際に測定された実測運転条件を前記運転条件回帰式に代入することにより、推定運転条件または前記推定水処理量を算出する推定運転条件算出工程と、
    前記推定運転条件と前記実測運転条件とを比較する、または前記実測水処理量と前記推定水処理量とを比較することで異常のある運転条件を特定する異常特定工程と、をさらに含み、
    前記異常のある運転条件について運転管理を行う請求項3に記載の水処理プラントの管理方法。
  5. 水処理プラントの過去の水処理量および過去の原単位から求められる回帰式が記憶された回帰式データベースを有する記憶部と、
    現在の前記水処理プラントについて実際に測定された実測水処理量または実測原単位を前記回帰式に代入することにより、推定原単位または推定水処理量を算出し、前記実測水処理量と前記推定水処理量とを比較する、または前記実測原単位と前記推定原単位とを比較することにより、前記水処理プラントの異常の有無を判定する異常判定処理を行なう制御部と、を備える情報処理装置を含む水処理プラントの管理装置。
  6. 前記回帰式データベースは、前記原単位を複数の細目に区分して前記原単位を構成する複数の細目原単位のそれぞれについて、過去の細目原単位と前記水処理プラントの過去の水処理量とから求められる細目原単位回帰式をさらに記憶しており、
    前記制御部は、前記実測水処理量または現在の前記水処理プラントについて実際に測定された実測細目原単位を前記細目原単位回帰式に代入することにより、推定細目原単位または前記推定水処理量を算出し、前記複数の細目原単位のそれぞれについて、前記実測水処理量と前記推定水処理量とを比較する、または前記実測細目原単位と前記推定細目原単位とを比較することにより、前記複数の細目原単位の中から異常値を示す細目原単位を抽出する異常抽出処理をさらに行う請求項5に記載の水処理プラントの管理装置。
  7. 前記記憶部は、過去に前記複数の細目原単位のそれぞれについて抽出された齟齬同士の関係性および前記水処理プラントの異常原因が関連付けられた異常原因データベースをさらに有し、
    前記制御部は、過去に前記複数の細目原単位のそれぞれについて抽出された齟齬同士の関係性を、前記異常原因データベースに記憶された情報と照合することにより、異常原因を推定する原因推定処理をさらに行う請求項6に記載の水処理プラントの管理装置。
  8. 前記水処理プラントは、前記細目原単位を変動させる要因となる運転条件の計測を行う複数の計測機器を含み、
    前記回帰式データベースは、前記水処理プラントの過去の水処理量と過去の運転条件とから求められる運転条件回帰式を記憶しており、
    前記制御部は、前記実測水処理量または現在の前記水処理プラントについて実際に測定された実測運転条件を前記運転条件回帰式に代入することにより、推定運転条件または前記推定水処理量を算出し、前記推定運転条件と前記実測運転条件とを比較する、または前記実測水処理量と前記推定水処理量とを比較することで異常のある運転条件を特定する異常特定処理をさらに行う請求項7に記載の水処理プラントの管理装置。
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