JP6214889B2 - プロセス監視診断装置 - Google Patents

プロセス監視診断装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6214889B2
JP6214889B2 JP2013051930A JP2013051930A JP6214889B2 JP 6214889 B2 JP6214889 B2 JP 6214889B2 JP 2013051930 A JP2013051930 A JP 2013051930A JP 2013051930 A JP2013051930 A JP 2013051930A JP 6214889 B2 JP6214889 B2 JP 6214889B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
principal component
output
variable
monitoring
variables
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013051930A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014178844A (ja
Inventor
理 山中
理 山中
明弘 長岩
明弘 長岩
由紀夫 平岡
由紀夫 平岡
山本 勝也
勝也 山本
勝実 佐野
勝実 佐野
知幸 濱田
知幸 濱田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Japan Sewage Works Agency
Original Assignee
Toshiba Corp
Japan Sewage Works Agency
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Japan Sewage Works Agency filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2013051930A priority Critical patent/JP6214889B2/ja
Priority to CN201480010812.2A priority patent/CN105027014B/zh
Priority to PCT/JP2014/056439 priority patent/WO2014142152A1/ja
Publication of JP2014178844A publication Critical patent/JP2014178844A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6214889B2 publication Critical patent/JP6214889B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B23/00Testing or monitoring of control systems or parts thereof
    • G05B23/02Electric testing or monitoring
    • G05B23/0205Electric testing or monitoring by means of a monitoring system capable of detecting and responding to faults
    • G05B23/0218Electric testing or monitoring by means of a monitoring system capable of detecting and responding to faults characterised by the fault detection method dealing with either existing or incipient faults
    • G05B23/0224Process history based detection method, e.g. whereby history implies the availability of large amounts of data
    • G05B23/024Quantitative history assessment, e.g. mathematical relationships between available data; Functions therefor; Principal component analysis [PCA]; Partial least square [PLS]; Statistical classifiers, e.g. Bayesian networks, linear regression or correlation analysis; Neural networks

Description

本発明の実施形態は、プロセス監視診断装置に関する。
下水処理プロセス、汚泥消化プロセス、浄水プロセス、給配水プロセスなどの水処理/水運用プロセス、石油化学プロセス、あるいは、半導体製造プロセスなどのプロセスの運転管理では、プロセスの所定目標性能を達成した上で省エネルギ・省コストに繋がる運用が求められる。
ここで所定目標性能の例としては、下水処理プロセスでは放流水質基準の遵守、汚泥消化プロセスでは生成エネルギー(メタンや水素など)の安定的発生、浄水プロセスでは消毒・殺菌などによる給配水水質基準の遵守、石油化学プロセスでは石油など精製製品歩留まりの所定目標値達成、半導体製造プロセスでは半導体製品歩留まりの所定目標値の達成などが挙げられる。
また、省エネ・省コスト運用の例としては、下水処理プロセスではブロワやポンプの駆動電力や薬品注入量の削減、汚泥消化プロセスでは生成エネルギ−効率の最大化、浄水プロセスでは薬品注入量の最小化、石油化学プロセスや半導体製造プロセスでは歩留まりの最大化などがあげられる。
このためには、所定目標を達成できないような状態に陥らない様に目標性能に関するプロセスの状態を監視し、所定目標の達成を阻害する様な状態変化や異常状態を素早く検知し事前に対策をとることが運転管理上の重要なポイントとなる。また、所定目標の達成を制約とした上で省エネ・省コストにつながる運用を行うためには、目標性能や省エネ・省コストに関するプロセス状態を常に良好な状態に保ち、良好な状態から逸脱しそうなプロセス状態変化を素早く検知する必要がある。
このようなプロセスの状態変化や異常を診断する方法として、主に石油化学プロセスの分野で発展してきた「多変量統計解析手法」を用いた多変量統計的プロセス監視(MSPC:Multi-Variate Statistical Process Control)と呼ばれる方法が知られている。MSPCの中で最も良く利用される手法として、主成分分析(PCA:Principal Component Analysis)と潜在変数射影法/部分最小二乗法(PLS:Projection to LatentStructure/Partial Least Square)が知られている。
PCAとPLSの2つの代表的な手法の共通点(類似点)と相違点は主に以下の2つである。
共通点:多数の計測データからプロセスデータ間の相関情報を利用して数個の要約統計量の時系列データを生成し、生成された少数の統計量データによってプロセス状態の変化を検出し、その後にその要因となる変数を推定する。PCAでもPLSでも要約統計量の生成方法の考え方は共通であり、相関の強いデータ集合(データの部分空間)を生成し、この部分空間内のデータの分布指標であるT2統計量と呼ばれる統計量と、この部分空間からの乖離指標であるQ統計量と呼ばれる統計量を用いることが多い。
相違点:PCAでは、監視診断モデルを構築するための監視項目(変数)を全て同列に扱い、説明変数(入力)と結果変数(出力)を区別しないが、PLSでは説明変数(入力)と結果変数(出力)を区別する。
すなわち、PCAを用いた診断手法とPLSを用いた診断手法とは互いに類似した診断手法であるが、入出力を区別するか否かで使い分けられている。たとえば、半導体プロセスや石油化学プロセスなどの生産ラインでは、最終的な製品品質(結果変数/出力)の良否(≒正常/異常)を診断したいが、この製品品質をオンラインで計測することが困難である場合や、計測できてもその信頼性が低い場合には、PLSやこれに関連するPCR(主成分回帰)などを用いて診断を行うことが多い。
特に、複数の説明変数/入力同士の相関が弱く互いの独立性が高い場合には、古典的なMLR(重回帰分析)を用いることもある。一方、プラントで生じ得る様々な異常状態を汎用的に検出・診断したい場合には、PCAが主に用いられる。
たとえば、上下水処理プロセスでは、センサドリフト、センサ故障・センサメンテナンス、ポンプ・ブロワ・バルブ等機器の経年劣化、ポンプ・ブロワ・バルブ等機器の異常停止(誤操作による停止も含む)、流入水質・取水水質の異常、流入水・取水への毒物の混入、放流水質・供給水質の異常、プロセスの各種処理異常、各種制御系の異常、などの様々な異常が生じ得るがこれらの異常を汎用的に検出し、どのようなタイプの異常であるかを同定する際にはPCAベースの診断を用いることができる。
特開平7−068905号公報 特開2003−096467号公報 特開2005−249816号公報
「Mia Hubert , Peter J. Rousseeuw , Karlien V , "ROBPCA: a New Approach to Robust Principal Component Analysis (2005) "Technometrics」 「C Croux, A Ruiz-Gazen ,High breakdown estimators for principal components: the projection-pursuit approach revisited ,Journal of Multivariate Analysis」 「 K.-R. Muller, S. Mika, G. Ratsch, K. Tsuda, andB. Scholkopf. An introduction to kernel-based learning algorithms. IEEE Trans. Pattern Anal. Machine Intell.,12(2):181-201, March 2001.」 「B. Scholkopf, A. J. Smola, and K.-R. Muller. Nonlinear component analysis as a kernel eigenvalue problem. Neural Computation, 10(5):1299-1319, 1998.」 C.Rosen "Monitoring Wastewater Treatment Systems", Lic.Thesis, Dept. of Industrial Electrical Engineering and Automation, Lund University, Lund, Sweden (1998)
上記のように、結果変数と説明変数とを区別するPLSベースの手法と結果変数と説明変数を区別しないPCAベースの手法を使い分けることができるが、実際のプラントで診断システムを実現しようとする際には、次の様な課題に直面することがある。
課題1:結果変数と説明変数とを区別して診断したいが、結果変数と説明変数とを予め選定しておくことが困難であり、診断システムを開発しながら結果変数と説明変数とを定義したい。
課題2:プラント運用時に状況に応じて監視すべき結果変数を適宜切り替えたい。
課題3:必ずしも結果変数を特定して診断したいわけではないが、不必要な診断を行いたくない。たとえば、センサがメンテナンス中で異常状態になっている状況でのアラーム発報は不要である。すなわち、過度に汎用的な異常診断ではなく、いくつかの結果変数に関連する異常診断のみを行いたい。
具体的に説明する。実際の診断システム開発の初期段階では、「所定目標性能達成と省エネルギ・省コスト運用に関連する診断システムを開発したい」という抽象的かつ漠然とした要求のみがある場合が多い。下水処理プロセスを例にとると、所定性能とは「放流水質の遵守」に該当し、省エネルギ・省コスト運用とは「ポンプ、ブロワ、攪拌機などの動力コストと薬品費などの薬品コストあるいは汚泥処分費などの処理コストを低減できる運用」などが対応する。
しかし、開発初期段階では、このような漠然とした要求があるだけであり、この中の何にターゲットを絞るべきかが明確でない場合がある。これを明確化するためには、おおまかに以下の項目を順に明らかにする必要がある。
(1)処理場を管理する管理者にとって優先順位の高い要求は何か。
(2)優先順位の高い要求の中で最も効果が高いと見込める具体的ターゲットは何か。
(3)絞ったターゲットに対し、どの変数を結果変数として監視すればよいか。
(4)結果変数に影響を与えそうな説明変数の候補は何か。
実際の開発では、上記ステップを1回だけ行って開発が完了することは稀であり、(1)〜(4)を繰り返し行う場合が多い。また、(3)〜(4)のステップを部分的に何度も繰り返す必要がある場合もある。さらに、(1)の優先順位がプラント管理者やプラント運転状況に依存して変化し、それに応じて(2)〜(4)のステップを頻繁に変更させる必要があることも多い。
このような状況で、結果変数と説明変数とを区別するPLS(およびPCRやMLR)を用いて診断モデルを構築すると、診断モデルの構築に非常に開発工数がかかり、これに伴い開発コストが増加する。加えて、プラントの運転状況やプラント管理者の好みに応じて性能指標としての結果変数の変更を伴う場合には、複数の結果変数に対する診断モデルを繰り返し構築する必要があり、診断モデルのメンテナンスに多大の労力とコストを必要とする。
また、このようなケースに対応するためには、診断モデルの構築を行うことのできる専門技術者が専任で対応する必要があるが、(複数人の)専門家がある特定プラントの診断システム開発に専任できる組織的な仕組みを構築することは技術マネジメントの観点から、実際には大変困難であることが多い。その結果、多変量解析を用いた診断技術がいかに原理的に優れたものであっても、これらの診断技術の多方面の産業分野への普及が阻害される可能性も高い。
一方、PCAに基づく方法では、結果変数と説明変数とを区別しないため、複数のモデルを構築する必要はなく、一旦一つの診断システムを開発できれば、PLSに基づく方法と比較して診断モデルの維持にかかるコストは小さい。しかし、PCAに基づく方法は、ある特定の結果変数に着目した診断方法としてはPLSと比較すると適していない。
本発明は、上記の事情を鑑みて成されたものであって、結果変数と説明変数とを区別しないPCAによるプロセス異常診断システムをベースとしながら、結果変数を適宜指定した場合に、その結果変数に強く関連する要因変数を抽出できるプロセス監視診断装置を提供することを目的とする。
実施形態によるプロセス監視診断装置は、対象プロセスの状態量や操作量を所定の周期で計測可能な少なくとも2つのプロセスセンサを有する任意のプロセスを監視するプロセス監視診断装置であって、前記プロセスセンサによって計測される複数の計測変数の時系列データを収集し、予め保持しておくデータ収集・保存手段と、入力と出力とを区別しない多変量解析により、前記計測変数と同じ数の主成分を定義可能な主成分演算手段と、前記複数の計測変数の中から、1又は複数の出力変数を指定する出力変数指定手段と、前記主成分演算手段の中から、前記出力変数指定手段によって指定された出力変数に影響を持つ主成分を抽出する出力関連主成分抽出手段と、前記出力関連主成分抽出手段によって抽出した主成分を用いて、予め定義した異常検出用の要約統計量を計算し監視する要約統計量監視手段と、前記要約統計量監視手段によって監視されている統計量に対する異常か否かの判断を行う要約統計量異常判定手段と、を備える。
実施形態のプロセス監視診断装置の一構成例について説明するための図である。 図1に示すプロセス監視診断装置において出力変数に強く関連する主成分抽出手段の一例を説明するための図である。 図1に示すプロセス監視診断装置において出力変数を複数選択した場合の主成分抽出手段の一例を説明するための図である。 図1に示すプロセス監視診断装置において、主要な主成分を一次抽出した上で、出力変数に強く関連する主成分抽出手段の一例を説明するための図である。 図1に示すプロセス監視診断装置において、出力変数と相関の小さいプロセス診断構成変数を出力関連主成分しから除去する一例を説明するための図である。 出力変数と、Q統計量および/またはT2統計量の異常点とをオーバラップさせて監視する表示の一例を示す図である。 出力変数と、Q統計量および/またはT2統計量の異常点とをオーバラップさせて監視する切り替え表示の一例を示す図である。 複数のプロセス診断メニュー一覧とプロセス監視の監視画面との連携概念の一例を説明するための図である。
以下、実施形態のプロセス監視診断装置について、図面を参照して説明する。
図1に、本実施形態に係るプロセス監視診断装置および監視対象プロセスの一構成例を示す。本実施形態に係るプロセス監視診断装置は、窒素およびリン除去を目的とした下水高度処理プロセス1を監視対象とする監視装置である。
監視対象である下水高度処理プロセス1は、最初沈殿池101と、嫌気槽102と、無酸素槽103と、好気槽104と、最終沈殿池105と、アクチュエータと、操作量センサと、プロセスセンサと、を備えている。
アクチュエータおよびその操作量センサは、最初沈殿池余剰汚泥引きぬきポンプ111Pおよびその引き抜き流量センサ111Sと、好気槽104に酸素を供給するブロワ112Bおよびその供給空気流量センサ112Sと、循環ポンプ113Pおよびその循環流量センサ113Sと、返送汚泥ポンプ114Pおよびその返送流量センサ114Sと、最終沈殿池余剰汚泥引きぬきポンプ115Pおよびその引き抜き流量センサ115Sと、を含む。
プロセスセンサは、雨量センサ121と、流入下水量を計測する下水流入量センサ122と、流入下水に含まれる全窒素量を計測する流入TNセンサ123と、流入下水に含まれる全リン量を計測する流入TPセンサ124と、流入下水に含まれる有機物量を計測する流入UVセンサ(あるいは流入CODセンサ)125と、嫌気槽102のORPを計測する嫌気槽ORPセンサ126と、嫌気槽102のpHを計測する嫌気槽Hセンサ127と、無酸素槽103のORPを計測する無酸素槽ORPセンサ128と、無酸素槽103のpHを計測する無酸素槽pHセンサ129と、好気槽104のリン酸濃度を計測するリン酸センサ1210と、好気槽104の溶存酸素濃度を計測するDOセンサ1211と、好気槽104のアンモニア濃度を計測するアンモニアセンサ1212と、反応槽102〜104の少なくとも1ヶ所の槽で活性汚泥量を計測するMLSSセンサ1213と、反応槽102〜104の少なくとも1ヶ所の槽で水温を計測する水温センサ1214と、最終沈殿池105から引きぬかれる汚泥量の固形物濃度を計測する余剰汚泥SSセンサ1215と、最終沈殿池105から放流される放流水のSS濃度を計測する放流SSセンサ1216と、最終沈殿池105の汚泥界面レベルを計測する汚泥界面センサ1217と、放流下水量を計測する下水放流量センサ1218と、放流下水に含まれる全窒素量を計測する放流TNセンサ1219と、放流下水に含まれる全リン量を計測する放流TPセンサ1220と、放流下水に含まれる有機物量を計測する放流UVセンサ(あるいは放流CODセンサ)1221とを含む。
各種アクチュエータ111P、112B、113P、114P、115Pは、所定の周期で動作している。操作量センサ111S〜115Sと各種プロセスセンサ121〜1221とは所定の周期で計測を行っている。
本実施形態に係るプロセス監視診断装置は、プロセス計測データ収集・保存部2と、過去データ(オフラインデータ)抽出部3と、プロセス監視モデル構築・供給部4と、現在データ(オンラインデータ)抽出部5と、プロセス監視・診断部6と、プロセス監視・診断部6によって検出された状態変化や異常兆候とその要因変数候補に関する情報をプラント管理者やオペレータに通知することのできるユーザインタフェース部7と、を備えている。
プロセス計測データ収集・保存部2は、操作量センサ111S〜115Sおよびプロセスセンサ121〜1221から所定の周期で得られるプロセスデータを収集し保持する。
過去データ(オフラインデータ)抽出部3は、プロセス計測データ収集・保存部2に保存された各種時系列データの中から、過去のオフラインデータを抽出する。
プロセス監視モデル構築・供給部4は、過去データ(オフラインデータ)抽出部3で抽出されたオフラインデータを用いて、予めプロセスの監視・診断モデルをオフラインで構築する。
プロセス監視モデル構築・供給部4は、監視モデル構成変数定義部41と、主成分演算部42と、出力変数指定部43と、出力関連主成分抽出部44と、統計量および寄与量定義部45と、統計量しきい値設定部46と、を備えている。
監視モデル構成変数定義部41は、プロセス計測データ収集・保存部2から過去データ(オフラインデータ)抽出部3を通して抽出された計測変数の過去の時系列データの情報から、プロセス監視モデル構築に必要な監視項目を選定し、必要に応じて監視項目から新たに管理指標等の変数を合成してn個の監視モデルの入力変数を定義する。
主成分演算部42は、データ中のアウトライア除去、フィルタリング、正規化(スケーリング)などの適切な前処理を行った後に、PCA、ロバストPCA、カーネルPCAなどを用いてn個の主成分を演算する。
出力変数指定部43は、監視モデル構成変数定義部41で定義した監視モデル構成変数の中からユーザが監視したい出力変数を指定する。
出力関連主成分抽出部44は、出力変数指定部43で指定された出力変数と強い関係を持つ主成分のみを抽出する。
統計量および寄与量定義部45は、出力関連主成分抽出部44で抽出した主成分を用いて、異常検出用の要約統計量であるQ統計量とHotellingのT2統計量と、監視モデル構成変数定義部41で定義した構成変数のこのQ統計量とHotellingのT2統計量に対する寄与量を各々定義する。
統計量しきい値設定部46は、統計量および寄与量定義部45で定義した2つの統計量に対するしきい値を設定する。
現在データ(オンラインデータ)抽出部5は、プロセス計測データ収集・保存部2に保存された各種時系列データの中から,現在のオンラインデータを抽出する。
プロセス監視・診断部6は、現在データ(オンラインデータ)抽出部5で抽出されたオンラインデータとプロセス監視モデル構築・供給部4で構築されたプロセス監視モデルとを用いて、プロセスの状態を監視し、状態変化や異常兆候を検出する。
プロセス監視・診断部6は、変数選定部61と、統計量監視部62と、統計量異常判定部63と、要因変数推定部64と、を備えている。
変数選定部61は、プロセス計測データ収集・保存部2から現在データ(オンラインデータ)抽出部5を通して抽出された計測変数の現時点の時系列データに対し、監視モデル構成変数定義部41で定義した変数を取り出し、演算する。
統計量監視部62は、変数選定部61で選択された変数の現在のデータに対して、欠測値やアウトライアを除去、正規化などの適切な前処理を行った上で、統計量および寄与量定義部45で決定したQ統計量およびHotellingのT2統計量計算式に従ってこれらの統計量を計算する。
統計量異常判定部63は、統計量監視部62で監視されている統計量が統計量しきい値設定部46で定義したしきい値を超えた場合にプロセスの状態変化や異常兆候を検出する。
要因変数推定部64は、統計量異常判定部63でQ統計量やHotellingのT2統計量の変化が検出された場合に、その変化要因となる構成変数の寄与量を統計量および寄与量定義部45で定義した式に従って計算し、要因となる変数を推定する。
ユーザインタフェース部7は、プロセス監視・診断部6によって検出された状態変化や異常兆候とその要因変数候補に関する情報をプラント管理者やオペレータに通知することが可能である。ユーザインタフェース部7は、オペレータに情報を通知する表示部や、オペレータが指令を入力するマウスおよびキーボード等の入力手段を備えている。
まず、下水高度処理プロセス1では、操作量センサ111S〜115Sと、プロセスセンサ121〜1221とによって、所定の周期でプロセスの情報が計測されている。これらの計測情報は、プロセス計測データ収集・保存部2によって、予め決められたフォーマットに従って、時系列データとして保存されている。
本実施形態のプロセス監視診断装置を構築する際は、まず、このプロセス計測データ収集・保存部2に保存されている、所定の期間にわたる過去のプロセスデータを、過去データ(オフラインデータ)抽出部3で抽出する。この過去データ(オフラインデータ)抽出部3で抽出した所定の期間に亘る過去のプロセスデータを用いて、プロセス監視モデル構築・供給部4ではプロセス監視モデルを構築する。
図1の監視モデル構成変数定義部41では、プロセス監視モデルを構築するために必要な計測変数を定義し、抽出する。通常下水処理プロセスでは、操作量センサ111S〜115Sとプロセスセンサ121〜1221とで計測されている項目だけでなく、フィードバック制御の目標値やブロワ112Bやポンプ111P、113P、114P、115Pなどの機器に関する計測変数、あるいは、時間と共に積算されている積算量など通常数千項目にもおよぶ計測変数が存在する。この中には、プロセスの監視診断に対してノイズとなる有用情報を持たない変数も数多く存在するので、これらの変数を除外して適切な変数を監視モデルの構成変数として定義する。
除外すべき変数の例としては、積算量などは単調に増加する変数であるため、プロセス監視モデル構築用の入力データとして選定すると、プロセス監視モデルが正しく構築できないため、除外する。
また、複数のポンプやブロワが用意されているようなケースで、稀にしか起動しないブロワやポンプの流量データをそのまま入力すると、ほとんどの時間帯において0であるため、監視モデルを正しく構築することができないため、これらも除外する。
これらの変数を除去した上で、監視診断に対して有用な計測変数を選定する。例えばこの場合、操作量センサ111S〜115Sとプロセスセンサ121〜1221とで計測されている計測変数を選定する。また、必要に応じて各種計測変数から運転員にとって有用な管理指標やプロセスの状態変化や異常兆候の早期検出に有用な指標を監視データから合成する。
例えば、最初沈殿池余剰汚泥引きぬきポンプ111Pおよびその引き抜き流量センサ111S、好気槽104に酸素を供給するブロワ112Bおよびその供給空気流量センサ112S、循環ポンプ113Pおよびその循環流量センサ113S、返送汚泥ポンプ114Pおよびその返送流量センサ114S、最終沈殿池余剰汚泥引きぬきポンプ115Pおよびその引き抜き流量センサ115Sなどで計測されている流量と、ポンプ111P、113P、114P、115Pやブロワ112Bの定格容量や回転数などの情報から各々のポンプやブロワで消費される電力量と、を計算し、流入下水量を計測する下水流入量センサ122で計測している流入量でこれらの電力量を割ることによって、各ポンプ111P、113P、114P、115Pやブロワ112Bで消費される電力原単位(エネルギー原単位)を合成して構成変数として加えることができる。
また、反応槽102〜104の少なくとも1ヶ所の槽で活性汚泥量を計測するMLSSセンサ1213と、最終沈殿池105から引きぬかれる汚泥量の固形物濃度を計測する余剰汚泥SSセンサ1215と、最終沈殿池余剰汚泥引きぬきポンプ115Pおよびその引き抜き流量センサ115Sの情報と反応槽102〜104の容積とからSRT(汚泥滞留時間)やA−SRT(好気槽汚泥滞留時間)などを求めて、構成変数の一つとすることもできる。
さらに、放流下水量を計測する下水放流量センサ1218と、放流下水に含まれる全窒素量を計測する放流TNセンサ1219、あるいは、放流下水に含まれる全リン量を計測する放流TPセンサ1220、あるいは、放流下水に含まれる有機物量を計測する放流UVセンサ(あるいは放流CODセンサ)1221で計測されている水質濃度との積によって放流負荷量を計算し、これを構成変数の一部とすることもできる。
次に、主成分演算部42では、欠測データやアウトライアの除去や、物理的な次元の異なる複数の監視項目(監視モデル構成変数)の正規化などを適切に行った上で、主成分を演算する。この際、通常は多変量解析として良く知られているPCAを用いるが、データの中にアウトライアなどが多量に含まれることが想定される場合には、例えば非特許文献1、非特許文献2などのアウトライアに対するロバスト性を考慮した様々なロバストPCAアルゴリズムを用いてもよい。
また、監視モデル構成変数定義部41で定義したデータ間に強い非線形の相関が想定される様な場合には、例えば、非特許文献3、非特許文献4などに記載されているカーネルPCAなどの非線形性を考慮したPCAを用いても良い。
さらに、非線形性とアウトライアの問題が両方存在している場合には、ロバストPCAとカーネルPCAを組み合わせた方法を用いることも可能である。
本実施形態における主成分演算部42では、出力変数と入力変数とを区別しないで構成変数と同じ数のn個の主成分が計算できる。なお、以降の説明では通常のPCAを用いた場合で説明を行う。
通常のPCAを用いると、n個の構成変数とm個のサンプル(時系列データ)とからなる行列XεRm×nはPCAによって以下の様に分解される。(ただし、Xは正規化されているとする。)
X = Σi=1n ti*piT
= TaPaT
= Σi=1p ti*piT+Σi=p+1n ti*piT
= TPT + E (1)
TaεRm×nはm個のサンプル(あるいは時系列データ)とn個の主成分数とからなるスコア行列と呼ばれる行列であり、PaεRn×nはn個の構成変数とn個の主成分との関係を示すローディング行列と呼ばれる行列である。
TεRm×pは、p<<n個の主成分で打ち切ったTaの部分行列であり通常はスコア行列と呼んでいる。同様に、PεRn×pはn個の変量に対してp<<n個で打ち切った主成分との関係を表すPaの部分行列であり、通常はこのPをローディング行列と呼んでいる。また、EεRm×nはm個のサンプル(あるいは時系列データ)とn個の変量とからなる誤差行列であり、p<<nで主成分を打ち切った場合の誤差を表す。
本実施形態では、TaとTと、PaとPとを明確に区別し、TaとPaとを各々スコア行列、ローディング行列と呼び、TとPとの事は主要スコア行列、主要ローディング行列と呼ぶことにする。
次に、出力変数指定部43では、プラント管理者などのユーザが特に注目した出力変数を、監視モデル構成変数定義部41で定義した変数の中から選択する。この際、プラント管理者が注目する出力変数は、必ず監視モデル構成変数定義部41の中の構成変数として定義しておく必要がある。
出力変数としては、プラントの主たる性能指標と考えられる水質として、放流リン濃度、放流窒素濃度、放流COD濃度、あるいは、これらを負荷量として考えた放流リン負荷量、放流窒素負荷量、放流COD負荷量などを指定することができる。また、生物反応槽内の特定の水質や管理状態に興味がある場合には、好気槽アンモニア濃度や好気槽リン酸濃度、あるいは嫌気槽ORP値、無酸素槽ORP値などを出力変数としても良い。
さらに、プラント運転コスト低減を指向するのであれば、好気槽104に酸素を供給するブロワ112Bおよびその供給空気流量センサ112S、循環ポンプ113Pおよびその循環流量センサ113S、返送汚泥ポンプ114Pおよびその返送流量センサ114S、最終沈殿池余剰汚泥引きぬきポンプ115Pおよびその引き抜き流量センサ115Sなどの流量と、ポンプ111P、113P、114P、115Pやブロワ112Bの定格および運転状態(起動台数や回転数など)とから、ポンプ111P、113P、114P、115Pやブロワ112Bでの電力量を計算し、電力量や単位処理量あたりの電力量である電力原単位(エネルギー原単位)を出力変数としても良い。
このように、出力変数指定部43では、プラントの性能に関わる水質やコストに関わる指標を選択して、定義を行う。
図2に、本実施形態のプロセス監視診断装置において出力変数に強く関連する主成分抽出手段の一例を説明する図を示す。
出力関連主成分抽出部44では、ある出力変数を選定して、その出力変数が強い影響を持つ主成分のローディング行列を抽出する。図2では、変数の数n=15の場合を示しており、この時、主成分のローディング行列Paは15×15の行列であらわされる。なお、この行列のi行、j列の要素をPa(i,j)と記載することにする。
ここで、今出力変数として第10番目の出力変数(たとえば電力量)に着目することにする。すなわち、図2では、1の横軸方向(監視項目が並ぶ方向)の10番目の項目に着目する。この変数は、例えば、電力量や放流リン濃度などプラント運転員が実際に監視を行いたい変数である。次にこの着目した10番目の変数の縦軸方向(主成分項目が並ぶ方向)を見ると、各主成分に対するこの出力変数の寄与の大きさがわかる。
Pa(i,j)は、ローディング行列Paが正規直交行列になるという性質から、その要素は−1から1までの範囲の値をとり、また、Paのi行の第i主成分(以下、Pa(i,:)と記述)の2乗和Σ_{j=1}^{15}Pa(i,j)は1となる。これはすなわち、Pa(i,j)の平均値が1/n=1/15であることを意味するから、例えば、Pa(i,10)>1/15である主成分iを出力変数に強く関連する主成分として抽出することができる。
他の基準としては、主成分Pa(i,:)毎に、その絶対値の平均値PMa(i,:):=(Σ_{j=1}^{15}|Pa(i,j)|)/15を計算し、|Pa(i,10)|>PMa(i,:)/15である主成分iを出力変数関連主成分とすることもできる。
あるいは、Pa(i,10)の絶対値をiについてソートし、大きい値のものから予め決めたある個数k<<n個の主成分を抽出するという様な基準を持つこともできる。このような基準を設定することによって、出力関連主成分抽出部44では、出力変数に強く関係する主成分から成る行列を構成する。
図3に、プロセス監視診断装置において出力変数を複数選択した場合の主成分抽出手段の一例を説明するための図を示す。
この場合、出力変数指定部43は、複数の計測変数の数未満の複数個の出力変数を定義し、出力関連主成分抽出手段44は、各出力変数に影響を持つ主成分を抽出した後にその論理和で定義される主成分を出力関連主成分とする。
すなわち、出力関連主成分の抽出にあたっては、2つ以上の複数の出力に関連する主成分を抽出することもできる。例えば、放流水質として、放流リン濃度と放流窒素濃度に着目したい場合には、例えば、図3に示すように第6番目の放流リンと第15番目の放流窒素とに着目して、上記と同様の方法によって出力変数に強く関連する主成分を抽出することもできる。このような抽出方法は、放流水質の様に複数の監視項目を総合して判断したい様な場合には特に有効になる。
図4に、プロセス監視診断装置において、主要な主成分を一次抽出した上で、出力変数に強く関連する主成分抽出手段の一例を説明するための図を示す。
この場合、出力関連主成分抽出部44は、主成分の累積寄与率あるいは各主成分方向の固有値の値に基づいて1又は複数の主な主成分を抽出した後、抽出した主な主成分の中から出力変数指定部43によって指定された出力変数に影響を持つ主成分を抽出する。
すなわち、図4に示す様に第1主成分から、例えば、累積寄与率80%〜90%ぐらいまでの主要な主成分を順次上から抽出するという方法で主成分を選択している。さらに、同様に累積寄与率などの基準で主要な主成分を抽出した上で、その中から図3あるいは図3に示すような判断基準によって、出力変数に強く関連する出力関連主成分を抽出することも可能である。
主成分分析で得られる主成分は第1主成分方向への変動が最も大きく、第n(この場合第15)主成分の変動はあまりないと考えられる。従って、従来の累積寄与率などの指標で抽出した主要な主成分以外の主成分に対しては、仮に選択した出力変数の影響が強かったとしてもその方向への変動自身が小さいため、むしろ無視した方が良い場合もある。
このような考えに従って、累積寄与率などで主要な主成分を一次抽出した上で、出力変数に関連する主成分を抽出してもよい。
さらに、出力関連主成分をユーザが判断して選択するようにすることも可能である。この場合、出力関連主成分抽出部44は、主成分演算部42で定義された複数の計測変数と同じ数の主成分のローディング行列を表示する主成分表示手段(図示せず)と、主成分表示手段で表示されたローディング行列に基づいて出力関連の主成分をユーザの指示に従って選定する主成分選定手段と、を備える。
例えば、図2乃至図4に示す様な図を監視画面上で提示し、各図の右に示した様なチェックボックスBXを設けて、どの主成分を選択するかを人間が判断して対応するチェックボックスにチェックを入れることにより主成分選定手段へ選定を指示し、主成分の選択をサポートする仕組みを持つこともできる。
この様にして、出力関連主成分からなるローディング行列を下記の様に定義する。なお、主成分分析の計算は、通常、正規化(標準化)された変数からなるXの分散共分散行列を計算した後に、特異値分解を用いてローディング行列とスコア行列を求める。
例えば、図2に示す例では、第8、第9、第12、第14、第15番目の主成分から成るローディング行列Poutputを次の様に構成する。
Poutput=[Pa(8,1),Pa(8,2),…,Pa(8,15),
Pa(9,1),Pa(9,2),…,Pa(9,15),
Pa(12,1),Pa(12,2),…,Pa(12,15),
Pa(14,1),Pa(14,2),…,Pa(14,15),
Pa(15,1),Pa(15,2),…,Pa(15,15)]
なお、出力関連主成分抽出部44に対して、以下の様な修正行うこともできる。出力関連主成分、ローディング行列Poutputを抽出すると、その主成分に対して、ほとんど寄与しない監視変数がある場合も多い。
例えば、図2で抽出したローディング行列Poutputについては、図5に点線で囲んだ、第1番目、第3番目、第5番目、第7番目、第8番目、第11番目、第12番目の変数はほとんど影響を与えていない。これは、選択した第10番目の出力変数とこれらの変数にはほとんど相関が無いことを意味するため、選択した出力変数の異常とこれらの変数の異常はほとんど関連が無いことを意味する。
そこで、出力関連主成分抽出部44によって抽出した主成分の、各計測変数の各主成分への影響の大きさを表すローディング(因子負荷)の絶対値が、所定値以下の影響の小さい計測変数の値をゼロに置換し、対応する計測変数を入力項目から除外するように修正を加えてもよい。
すなわち、出力関連主成分Poutputの中から、これらの変数に対応する係数Pa(i,j)=0、i=8、9、12、14、15、j=1、3、5、7、8、11、12、という様に、予めゼロに設定しておけば、出力変数に関する異常の要因をより明確にたどりやすくなる。
このようにすることによって、ローディング行列が正規直交行列であるという性質は失われるものの、出力変数とほぼ無関係と思われる変数の影響を予め除去しておくことができる。
一方、ローディング行列が正規直交行列であるという性質を維持するためには、主成分分析を行う前に、主成分分析の計算に用いる分散共分散1(相関行列)C=X’*Xから出力変数と他の変数との相関係数を求め、出力変数(図2では10番目)との相関が非常に弱い変数を除去したCの部分行列だけを用いて主成分分析を行えばよい。
この場合、出力関連主成分抽出部44は、主成分演算部42の演算を実行する前に、主成分計算実行直前に演算される相関行列あるいは分散共分散行列の中から、出力変数指定部43によって指定された出力との相関が所定値以上のものを抽出し、相関行列あるいは分散共分散行列の部分行列を抽出する高相関変数抽出手段(図示せず)を有する。
例えば、出力変数が10番目の変数である場合は、Cの10列目(Cは対称行列なので10行目でも良い)の値が所定の値(=相関の有無を識別するしきい値)以下になる行(列)を見つける。
例えば、その行が1番目、3番目、5番目、7番目、8番目、11番目、12番目、であったとすると、10番目の出力変数と、1番目、3番目、5番目、7番目、8番目、11番目、12番目の変数との相関が小さいと判断できる。この場合、Cの1番目、3番目、5番目、7番目、8番目、11番目、12番目の行および列を除去したCの部分行列Crを用いて主成分分析を実施する。
こうすることによって、予め出力変数との関係の弱い変数を除外した上で、ローディング行列の正規直交性を保つことができる。出力関連成分抽出部44は、上記のような修正手段も含め、出力変数と強い相関を持つローディング行列Poutputを抽出する。
次に、統計量および寄与量定義部45では、出力と強い相関を持つローディング行列Poutputを用いてQ統計量やHotellingのT2統計量を計算する計算式を以下の様に定義する。
Q統計量:Q(x(t))=x(t)(I−PoutputPoutput)x(t) (3)
HotellingのT2統計量:T2(x(t))=xT(t)PoutputΛoutput−1Poutputx(t) (4)
ここで,Λoutputは,主成分分析による出力関連の主成分の分散を対角要素として持つ行列であり、分散を正規化していることを意味する。また,Iは適当なサイズの単位行列である。また,x(t)は,行列Xのt番目の要素である。実際のプロセス監視では,このx(t)がオンラインで計測されてくるプロセスデータに置き換わって計算される。(3)式と(4)式とが統計量および寄与量定義部45で定義される統計量である。
さらに、(3)式や(4)式で定義された統計量に対する各診断モデルの入力変数の寄与量の定義式を設定する。寄与量の定義方法も複数あるが、例えば、以下の様に定義することができる。
Q統計量の寄与量:Qcont(n,t)=x(t,n)F(:,n)F(:,n)x(t,n) (5)
F=(I−PoutputPoutput
HotellingのT2統計量の寄与量:Tcont(n,t)=x(t)PoutputΛ−1Poutput(:,n)x(t,n) (6)
ここで,nはn番目変数という意味であり,tはある時刻を表す変数である。
従来の方法は、(3)〜(6)式のPoutputをPで置き換えたものであり、従来手法では、各主成分方向に対するデータの分散の大きさに応じてPaからPを抽出して、統計量や寄与量を定義しているのに対し、本実施形態ではPaからある特定の出力変数に関係の強い主成分を、Poutputを抽出して統計量や寄与量を定義している。これにより、ある特定の出力に関連する異常の検出とその要因推定精度を向上できる。
また、従来の監視診断手法をローディング行列Pをローディング行列Poutputに置換している以外は、従来法と同様の方法で実施でき、ローディング行列Poutputの決定手段は上記から明らかな様に、単に主成分を選択するという手段だけで実行されているため、指定する出力を変更すれば、単に抽出する主成分が変化するという以外の変更は生じない。従って、従来とほぼ同じ程度の労力で、すなわち、診断モデルを出力変数に応じて繰り返し構築するという様な複雑な作業を回避して、プロセス監視診断装置を構築することができる。
次に、統計量しきい値設定部46では、(3)式と(4)式とのしきい値を設定する。このしきい値の設定値は状態変化や異常兆候の検出に大きく関わるため、その設定方法は重要であるが、本実施形態では、典型的な設定方法について説明する。
仮に、過去のオフラインデータに対して何ら事前情報が無い場合には、デフォルトの設定法として、Q統計量の統計的信頼限界値とHotellingのT2統計量に関する統計的信頼限界値を用いることができる(たとえば非特許文献5)
これらは、以下の様に書くことができる。
Qlimitの理論計算式:Qlimit=Θ[(cα(2Θ 1/2)/Θ+1+(Θ(h−1))/(Θ )]1/h (7)
h0:=1−2ΘΘ/3Θ
Θ:=λp+1 +λp+2 +………+λ
ここで、pはモデルの中に残された変数の数である。cαは,信頼区間の限界が1−αである場合の標準正規分布の標準偏差のずれ(例:α=0.01の場合,2.53,α=0.05の場合,1.96)である。また、λはΛの対角要素である(つまり,Θは,誤差項に含まれる各成分のi乗和である。)。
なお、本実施形態では、Pの代わりにPoutputを用いているため、Θ=λp+1 +λp+2 +…+λ で用いられているλ、j=p+1,p+2,…,nは必ずしもモデルの中に残されたλ、k=1,2,…,pよりも小さい値になるわけではない。
T2limitの理論計算式:
T2limit=p(m−1)/(m−p)F(p,m−p,α)(8)
ここで、pは選択した(=モデルの中に残された)変数の数であり,mは全変数の数である。F(p,m−p,α)は,自由度が(p,m−p)であり,信頼限界をα(=0.01あるいは0.05とすることが多い)とした場合のF分布である。
このように(7)式や(8)式に基づいて統計量のしきい値を設定することができる。
上記の手順に従って、プロセス監視モデル構築・供給部4でプロセス監視モデルを構築した後、次にプロセス監視・診断部6では,プロセス監視モデル構築・供給部4で構築したプロセス監視モデルを供給してもらい、このプロセス監視モデルを用いてプロセスの監視を行う。
まずプロセス計測データ収集・保存部2で収集している診断を行いたい時点(以下現時点あるいは現在という)のオンラインデータを現在データ(オンラインデータ)抽出部5で抽出する。この現在データ(オンラインデータ)抽出部5で抽出した現在データを用いて、プロセス監視・診断部6ではプロセス状態の監視を行い、状態に変化があったり異常の兆候が認められたりした場合にはそれを検出する。
変数選定部61では、監視モデル構成変数定義部41で定義した変数に対応する現時点のデータを取り出し、各変数の平均や分散などを用いて適当に正規化しておく。また、必要に応じて、アウトライアの除去を行っておく。
次に統計量監視部62では、(3)式と(4)式とで定義したQ統計量とT2統計量とのX(t)に代入することによって現時点のQ統計量とT2統計量を監視する。この統計量は時間の経過と共に時々刻々と変化するので、時系列グラフ(トレンドグラフ)の様な形で監視してもよい。
図6に、出力変数と、Q統計量および/またはT2統計量の異常点とをオーバラップさせて監視する表示の一例を示す。本実施形態では、特定の出力変数に対する異常要因を推定することを主目的としているため、図6に示す様に、出力変数の時系列データ上にQ統計量および/またはT2統計量による異常点をオーバラップさせて表示することが好ましい。図6では、Q統計量および/またはT2統計量の異常点を、出力変数のグラフにオーバラップしてプロットされている。
このような表示を行うことによって、電力量や水質などの物理量を監視しながら、その異常点と統計量の異常点を重ねてみることによって、出力変数に関係する異常(図6中A)かそれ以外の異常(図6中B)かを定性的にではあるが、視覚的に判断することが可能になる。
図7に、出力変数と、Q統計量および/またはT2統計量の異常点とをオーバラップさせて監視する切り替え表示の一例を示す。図7に示すような診断のオン(ON)/オフ(OFF)操作画面を設けると、出力変数に対するトレンドグラフの監視画面と本実施形態のプロセス診断画面とのリンクをユーザの判断によってスイッチすることができる。ここでは「プロセス診断ON」のボタンをクリックすると、出力変数のグラフに異常点がプロットされて表示されるように表示が切り替わり、「プロセス診断OFF」のボタンをクリックすると、出力変数のグラフのみが表示されるように表示が切り替わ
図8に、複数のプロセス診断メニュー一覧とプロセス監視の監視画面との連携概念の一例を説明するための図を示す。図8に示すように、複数の出力変数に関する診断メニューを予め準備しておくこともできる。
図8では、デフォルトとして、通常のPCAによる汎用的なプロセス診断を行う様にしている。この際、Q統計量および/またはT2統計量の時系列データによってプロセス診断が行われている。この時、例えばプロセス診断メニュー上でブロワ原単位診断のボタンをクリックすると、図8の左上のQ統計量および/またはT2統計量の時系列データが、図8の左下のブロワ原単位にQ統計量および/またはT2統計量の異常点をオーバラップさせて表示する機能に切り替わる。
このような表示画面を有することによって、ユーザが状況に応じてフレキシブルにプロセス診断を実施することができる。以上の様な方法によって統計量によるプロセス監視を行うことができる。
次に、統計量異常判定部63では、現時点のQ統計量あるいはT2統計量が統計量しきい値設定部46で設定したしきい値、例えば(7)式と(8)式とで定義したしきい値を超えた場合に、プロセスに状態変化が生じたと判断する。これが統計量異常判定部63の最低限の機能であるが、この機能は以下の様に修正可能である。
例えば、設定した出力変数に対する上下限値も設定できる様にしておき、出力変数の上下限値を超過して、かつ統計量の異常が生じている点を出力変数に関連する異常であるという判定ロジックを組み込んでも良い。
また、プロセス診断モデルとして、予め従来の第1主成分からいくつかの上位の主成分のローディング行列Pを用いた診断モデルによるQ統計量および/またはT2統計量と、出力変数に強く関連する主成分のローディング行列Poutputを用いた診断モデルによるQ統計量および/またはT2統計量の2組のものを用意しておき、以下の様な異常判定を行うこともできる。
判定A:PのQおよびT2統計量正常、かつ、ローディング行列PoutputのQおよびT2統計量正常、かつ、出力変数管理値以内 ⇒ プロセスは正常
判定B1:PのQまたはT2統計量異常、かつ、ローディング行列PoutputのQおよびT2統計量正常、かつ、出力変数管理値以内 ⇒ 出力変数には関係しないプロセス異常
判定B2:PのQまたはT2統計量異常、かつ、ローディング行列PoutputのQまたはT2統計量異常、かつ、出力変数管理値以内 ⇒ 出力変数には関係しないプロセス異常
判定C:PのQおよびT2統計量正常、かつ、ローディング行列PoutputのQおよびT2統計量正常、かつ、出力変数管理値以外 ⇒ 出力変数の単独異常
判定D:PのQおよびT2統計量正常、かつ、ローディング行列PoutputのQまたはT2統計量異常、かつ、出力変数管理値以内 ⇒ 出力変数が異常になる兆候あり
判定E:PのQおよびT2統計量正常、かつ、ローディング行列PoutputのQまたはT2統計量異常かつ出力変数管理値以外 ⇒ 出力変数異常
判定F:PのQまたはT2統計量異常、かつ、ローディング行列PoutputのQまたはT2統計量異常、かつ、出力変数管理値以外 ⇒ 恐らく出力変数に関連する異常
判定不能:PのQまたはT2統計量異常、かつ、ローディング行列PoutputのQまたはT2統計量異常、かつ、出力変数管理値以外 ⇒ 不明
上記の様な統計量を用いた異常判定を行い、その旨をユーザインタフェース部7を通してオペレータあるいはプロセス管理者に通知する。この場合、例えば、しきい値を超える回数が連続してr回(rは正の整数)続いた場合にオペレータに通知するなどのルールを入れてアラームの頻発を避けるようにしておいてもよい。
次に、要因変数推定部64は、統計量異常判定部63で何らかの異常が検出された場合に、その要因となるプロセス診断構成変数を推定する。この際、指定した出力変数に関連する異常という判断がなされた場合にのみ要因となる変数を推定しても良い。
この際、例えば(5)式と(6)式とに基づいてプロセス診断構成変数の各変数の寄与量を各々計算する。そして、例えば
(a)寄与量の最も大きいものを状態変化要因変数とする
(b)寄与量の大きいものから順に3個を状態変化要因変数とする
(c)寄与量の値が、寄与量の平均±k*寄与量の標準偏差、k:パラメータ、を超えたものを状態変化要因変数とする
などのルール(a)〜(c)を予め決めておくことによって、状態変化の要因と考えられる計測変数あるいは指標を推定し、ユーザインタフェース部7を通して推定した指標をオペレータあるいはプロセス管理者に通知する。
ユーザインタフェース部7では、上述の様に異常の検出結果と要因変数推定結果を提示するだけでなく、先述したとおり、Q統計量やT2統計量などの統計量データの時系列グラフ(トレンドグラフ)を常に監視できるようにしておいてもよい。
また、上述したとおり、図6乃至図8に示すような監視画面を備えていることが好ましい。また、図2の様な出力関連の主成分を抽出するための表示手段も持っていることが好ましい。さらに、ユーザが画面上でチェックボックスをクリックする際等、指令を入力するときに使用するマウスやキーボード等の入力手段を備えていることが好ましい。
本実施形態によると、プラント運転管理者が監視したい特定のプロセス変数に着目して、その変数に関する異常兆候と要因を容易に推定することが可能になる。すなわち、本実施形態に係るプラント監視診断装置では、PCAを用いた実質的に一つの監視診断モデルを用いるだけで、監視したい出力変数の指定とそれに対応する主成分の選択という手段を付加して、極めて容易にプラント運転管理者が監視したい特定のプロセス監視項目の異常兆候と要因を容易に推定することができる。
これにより、PLSなどの予め入出力を明確に定義しておかなければ診断モデルを構築できないという非柔軟性を排除し、フレキシブルに、ユーザであるプラント運転管理者へ必要とする診断情報を提供することができる。
上記のように本実施形態によれば、結果変数と説明変数とを区別しないPCAによるプロセス異常診断システムをベースとしながら、結果変数を適宜指定した場合に、その結果変数に強く関連する要因変数を抽出できるプロセス監視診断装置を提供し、特に、結果変数の変更に対して柔軟性を持ち、診断システムの開発やメンテナンスにかかる工数やコストについて、通常のPCAによる異常診断システムと同程度の工程やコストで実現できるプロセス監視診断装置を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
Pa、P…ローディング行列、BX…チェックボックス、Poutput…ローディング行列(出力関連主成分)、Cr…部分行列、1…下水高度処理プロセス、2…プロセス計測データ収集・保存部、3…過去データ抽出部、4…プロセス監視モデル構築・供給部、5…現在データ抽出部、6…プロセス監視・診断部、7…ユーザインタフェース部、41…監視モデル構成変数定義部、42…主成分演算部、43…出力変数指定部、44…出力関連主成分抽出部、45…統計量および寄与量定義部、46…統計量しきい値設定部、61…変数選定部、62…統計量監視部、63…統計量異常判定部、64…要因変数推定部101…最初沈殿池、102…嫌気槽、103…無酸素槽、104…好気槽、102〜104…反応槽、105…最終沈殿池、111P…ポンプ、111S…抜き流量センサ、111S〜115S…操作量センサ、112B…ブロワ、112S…供給空気流量センサ、113P…循環ポンプ、113S…循環流量センサ、114P…返送汚泥ポンプ、114S…返送流量センサ、115P…ポンプ、115S…抜き流量センサ、121〜1221…プロセスセンサ、121…雨量センサ、122…下水流入量センサ、123…流入TNセンサ、124…流入TPセンサ、125…流入UVセンサ(流入CODセンサ)、126…嫌気槽ORPセンサ、127…嫌気槽Hセンサ、128…無酸素槽ORPセンサ、129…無酸素槽pHセンサ、1210…リン酸センサ、1211…DOセンサ、1212…アンモニアセンサ、1213…MLSSセンサ、1214…水温センサ、1215…余剰汚泥SSセンサ、1216…放流SSセンサ、1217…汚泥界面センサ、1218…下水放流量センサ、1219…放流TNセンサ、1220…放流TPセンサ、1221…放流UVセンサ(放流CODセンサ)。

Claims (11)

  1. 対象プロセスの状態量や操作量を所定の周期で計測可能な少なくとも2つのプロセスセンサを有する任意のプロセスを監視するプロセス監視診断装置であって、
    前記プロセスセンサによって計測される複数の計測変数の時系列データを収集し、保持するデータ収集・保存手段と、
    入力と出力とを区別しない多変量解析により、前記計測変数と同じ数の主成分を定義可能な主成分演算手段と、
    前記複数の計測変数の中から1又は複数の出力変数を指定する出力変数指定手段と、
    前記主成分演算手段の中から、前記出力変数指定手段によって指定された出力変数に影響を持つ主成分を抽出する出力関連主成分抽出手段と、
    前記出力関連主成分抽出手段によって抽出した主成分を用いて、予め定義した異常検出用の要約統計量を計算し監視する要約統計量監視手段と、
    前記要約統計量監視手段によって監視されている統計量に対する異常か否かの判断を行う要約統計量異常判定手段と、を備えることを特徴とするプロセス監視診断装置。
  2. 前記多変量解析は、主成分分析、ロバスト主成分分析、カーネル主成分分析、のいずれかであることを特徴とする請求項1記載のプロセス監視診断装置。
  3. 前記要約統計量異常判定手段によって異常と判定された場合に、前記要約統計量に対する各計測変数の寄与量を計算し要因となる変数を推定する要因変数推定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載のプロセス監視診断装置。
  4. 前記出力変数指定手段は、前記複数の計測変数の数未満の複数個の出力変数を定義し、
    前記出力関連主成分抽出手段は、各出力変数に影響を持つ主成分を抽出した後にその論理和で定義される主成分を出力関連主成分とすることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のプロセス監視診断装置。
  5. 前記出力関連主成分抽出手段は、主成分の累積寄与率あるいは各主成分方向の固有値の値に基づいて1又は複数の主な主成分を抽出した後、前記主な主成分の中から前記出力変数指定手段によって指定された出力変数に影響を持つ主成分を抽出することを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のプロセス監視診断装置。
  6. 前記出力関連主成分抽出手段は、前記主成分演算手段で定義された前記複数の計測変数と同じ数の主成分のローディング行列を表示する主成分表示手段と、前記主成分表示手段で表示されたローディング行列に基づいて出力関連の主成分をユーザの指示に従って選定する主成分選定装置と、を備えることを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載のプロセス監視診断装置。
  7. 前記出力関連主成分抽出手段によって抽出した主成分の、各計測変数の各主成分への影響の大きさを表すローディングの絶対値が、所定値以下の計測変数の値をゼロに置換し、対応する計測変数を入力項目から除外するように修正を加えることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載のプロセス監視診断装置。
  8. 前記主成分演算手段の演算を実行する前に、主成分計算実行直前に演算される相関行列あるいは分散共分散行列の中から、前記出力変数指定手段によって指定された出力との相関が所定値以上のものを抽出し、前記相関行列あるいは前記分散共分散行列の部分行列を抽出する高相関変数抽出手段をさらに有することを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載のプロセス監視診断装置。
  9. 前記出力変数指定手段で指定した出力変数を時系列データとして監視する表示装置を備え、
    前記表示装置は前記要約統計量異常判定手段によって異常と判定された箇所を前記出力変数のグラフに重複して表示可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載のプロセス監視診断装置。
  10. 前記表示装置は、前記出力変数のグラフを表示する異常診断オフ表示と、前記要約統計量異常判定手段によって異常と判定された箇所を前記出力変数のグラフに重複して表示する異常診断オン表示とを切替え可能であることを特徴とする、請求項9記載のプロセス監視診断装置。
  11. 複数の出力変数から所定の出力変数を選択可能なプロセス診断メニューを表示する診断メニュー表示および選択手段を備え、
    前記診断メニュー表示および選択手段は、前記プロセス診断メニュー上で前記所定の出力変数を指定すると、指定された前記出力変数に関するプロセス診断モデルを構築し、それに対応する診断結果を表示することを特徴とする、請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載のプロセス監視診断装置。
JP2013051930A 2013-03-14 2013-03-14 プロセス監視診断装置 Active JP6214889B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013051930A JP6214889B2 (ja) 2013-03-14 2013-03-14 プロセス監視診断装置
CN201480010812.2A CN105027014B (zh) 2013-03-14 2014-03-12 工序监视诊断装置
PCT/JP2014/056439 WO2014142152A1 (ja) 2013-03-14 2014-03-12 プロセス監視診断装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013051930A JP6214889B2 (ja) 2013-03-14 2013-03-14 プロセス監視診断装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014178844A JP2014178844A (ja) 2014-09-25
JP6214889B2 true JP6214889B2 (ja) 2017-10-18

Family

ID=51536803

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013051930A Active JP6214889B2 (ja) 2013-03-14 2013-03-14 プロセス監視診断装置

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6214889B2 (ja)
CN (1) CN105027014B (ja)
WO (1) WO2014142152A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI767576B (zh) * 2020-02-21 2022-06-11 美商奈米創尼克影像公司 用於製造程序之系統、方法及媒介

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104808626B (zh) * 2015-04-20 2018-01-02 中国石油化工股份有限公司青岛安全工程研究院 化工装置开车时工艺参数的报警方法
CN104914821B (zh) * 2015-04-20 2017-12-12 中国石油化工股份有限公司青岛安全工程研究院 化工装置精馏系统开车时的报警方法
CN105809923A (zh) * 2016-03-08 2016-07-27 胡秀娟 净水系统数据采集方法及系统
WO2017152359A1 (zh) * 2016-03-08 2017-09-14 胡秀娟 净水系统数据采集方法及系统
JP6504089B2 (ja) * 2016-03-10 2019-04-24 横河電機株式会社 工程監視装置、工程監視システム、工程監視方法、工程監視プログラム及び記録媒体
CN105675838B (zh) * 2016-04-15 2017-12-15 北京工业大学 基于数据驱动的a2/o流程出水总磷智能检测方法
WO2017184073A1 (en) * 2016-04-18 2017-10-26 Sembcorp Industries Ltd System and method for wastewater treatment process control
US11455203B2 (en) 2016-09-14 2022-09-27 Nec Corporation Abnormality detection support device, abnormality detection support method, and program
JP7059526B2 (ja) * 2017-06-30 2022-04-26 横河電機株式会社 水処理施設における運転監視装置
JP6811896B2 (ja) * 2018-04-19 2021-01-13 三菱電機株式会社 異常設備を特定する装置、方法、およびコンピュータプログラム
US11460364B1 (en) * 2019-02-07 2022-10-04 Starrycom Sensing Technologies Inc. Multiplexed inductive tactile sensor array
CN110333474A (zh) * 2019-06-28 2019-10-15 中国电力科学研究院有限公司 一种在线检测互感器计量异常状态的方法和系统
CN110687895B (zh) * 2019-10-24 2022-11-18 上海工程技术大学 一种基于自适应核主成分分析的化工过程故障检测方法
CN111083662B (zh) * 2019-12-18 2020-10-27 深圳市快鱼环保技术有限公司 基于云计算的水质监测物联网系统
CN113048402A (zh) * 2019-12-27 2021-06-29 柯思科技股份有限公司 中低压管线监控系统及其方法
CN113741224B (zh) * 2021-11-08 2022-02-08 南京铖联激光科技有限公司 一种基于上位机的监控系统和方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3495129B2 (ja) * 1995-03-03 2004-02-09 株式会社東芝 プラント異常検知装置
JP4289602B2 (ja) * 2003-03-31 2009-07-01 三菱化学株式会社 プロセス監視方法
JP4468269B2 (ja) * 2005-08-30 2010-05-26 株式会社東芝 プロセス監視装置及びその方法
CN101251754B (zh) * 2008-03-13 2010-06-02 西安交通大学 一种多工序加工过程误差流的处理及控制方法
JP5793299B2 (ja) * 2010-12-28 2015-10-14 株式会社東芝 プロセス監視診断装置
JP2012155361A (ja) * 2011-01-21 2012-08-16 Toshiba Corp プロセス監視装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI767576B (zh) * 2020-02-21 2022-06-11 美商奈米創尼克影像公司 用於製造程序之系統、方法及媒介
TWI823382B (zh) * 2020-02-21 2023-11-21 美商奈米創尼克影像公司 用於增材或減材製造程序之系統、方法及媒介

Also Published As

Publication number Publication date
WO2014142152A1 (ja) 2014-09-18
CN105027014B (zh) 2017-09-05
CN105027014A (zh) 2015-11-04
JP2014178844A (ja) 2014-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6214889B2 (ja) プロセス監視診断装置
JP5284433B2 (ja) プロセス監視・診断・支援装置
WO2014073261A1 (ja) プロセス監視診断装置、プロセス監視診断プログラム
Torregrossa et al. A data-driven methodology to support pump performance analysis and energy efficiency optimization in Waste Water Treatment Plants
JP5813317B2 (ja) プロセス状態監視装置
Aguado et al. Multivariate SPC of a sequencing batch reactor for wastewater treatment
JP2008059270A (ja) プロセス異常診断装置及びプロセス監視システム
JP5793299B2 (ja) プロセス監視診断装置
Wang Robust data-driven modeling approach for real-time final product quality prediction in batch process operation
Garcia-Alvarez et al. Fault detection and isolation in transient states using principal component analysis
Yoo et al. Multi‐model statistical process monitoring and diagnosis of a sequencing batch reactor
JP6933899B2 (ja) プラント運転支援装置、プラント運転支援方法、及びプラント運転支援プログラム
JP4604987B2 (ja) 水処理プラントの運転管理方法および装置
JP6606003B2 (ja) プロセス診断装置、プロセス診断方法及びコンピュータプログラム
Villez et al. Shape anomaly detection for process monitoring of a sequencing batch reactor
Zhou et al. Sub-period division strategies combined with multiway principle component analysis for fault diagnosis on sequence batch reactor of wastewater treatment process in paper mill
US20090259331A1 (en) Automated system for checking proposed human adjustments to operational or planning parameters at a plant
JP2024001315A (ja) プロセス監視装置、プロセス監視方法及びプログラム
JP5722371B2 (ja) ノウハウ可視化装置及びノウハウ可視化方法
JP2012155361A (ja) プロセス監視装置
Marais et al. Comparing statistical process control charts for fault detection in wastewater treatment
JP2014106841A (ja) エネルギー管理支援装置および方法、ならびにプログラム
Du et al. Generalized polynomial chaos-based fault detection and classification for nonlinear dynamic processes
Kaneko et al. Data density-based fault detection and diagnosis with nonlinearities between variables and multimodal data distributions
JP6749219B2 (ja) プラント運転データ解析システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161004

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170530

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170725

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170822

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170920

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6214889

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150