JP2014106841A - エネルギー管理支援装置および方法、ならびにプログラム - Google Patents

エネルギー管理支援装置および方法、ならびにプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】製品の品質に影響を与えない範囲でより一層のエネルギー削減が支援できるようにする。
【解決手段】エネルギー品質対応データ生成部105は、エネルギー関連代表値演算部104が演算したエネルギー関連代表値と、品質データ記憶部101に記憶されている品質データとを、対応する製造単位毎に関連付けてエネルギー品質対応対応データとして生成する。エネルギー管理データ記憶部102に記憶されている設備の数のエネルギー品質対応データが、生成される。表示部106は、エネルギー品質対応データ生成部105が生成したエネルギー品質対応対応データを視認可能に表示する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エネルギー管理支援装置に関し、より具体的には、製造設備において消費されるエネルギーの管理を支援するエネルギー管理支援装置および方法、ならびにプログラムに関する。
近年、半導体デバイスやフラットディスプレイパネル等の製造プロセスにおいて、製品の信頼性や生産性を向上させるために、プロセス障害を検出するFDC(Fault Detection and Classification)と呼ばれる技術が注目されている。
このFDCは、製造装置の状態(圧力、温度、流量、電圧等)をセンサによって時系列的に測定し、測定したデータを記憶し、記憶したデータを解析的または統計的な手法を用いて処理することによって、プロセス障害の有無やプロセス障害の種類など、製造装置の健常性を診断するものである(特許文献1〜4参照)。
一方、エネルギー問題に対する関心の高まりとともに、製品の品質を落とさずに、工場その他の製造設備におけるエネルギー削減が望まれている。このような試みとして、例えば、特許文献5には、エネルギー削減装置が開示されている(特許文献5参照)。
特開2004−356510号公報 特開平8−202775号公報 特開2003−114713号公報 特開2011−113195号公報 特開2011−197797号公報 特開2012−164140号公報
しかしながら、一般的に工場のエネルギー削減は、各機器の仕様により指定された所定の範囲での運転条件で実行されるため、ある程度の余裕を保たれた状態での削減範囲に留まっていた。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、製品の品質に影響を与えない範囲でより一層のエネルギー削減を支援するエネルギー管理支援装置を提供することを目的とする。
本発明に係るエネルギー管理支援装置は、製造設備を用いた一連の製造工程の実施により製造された製品の品質を示す品質データを製造単位毎に製造単位に対応させて記憶した品質データ記憶部と、製品を製造した一連の製造工程の実施に伴い製造設備で消費されるエネルギーに関するエネルギー管理パラメータの値を時系列的に測定して得られたエネルギー管理データを記憶したエネルギー管理データ記憶部と、エネルギー管理データ記憶部に記憶されているエネルギー管理データから設定された時間区間のエネルギー管理データセットを抽出するエネルギー管理データ抽出部と、ネルギー管理データセットと、品質データ記憶部に記憶されている品質データとを、対応する製造単位毎に関連付けてエネルギー品質対応データとして生成して出力するエネルギー品質対応データ生成部とを備える。
また、本発明に係るエネルギー管理支援装置は、製造設備を用いた一連の製造工程の実施により製造された製品の品質を示す品質データを製造単位毎に製造単位に対応させて記憶した品質データ記憶部と、製品を製造した一連の製造工程の実施に伴い製造設備で消費されるエネルギーに関するエネルギー管理パラメータの値を時系列的に測定して得られたエネルギー管理データを記憶したエネルギー管理データ記憶部と、エネルギー管理データ記憶部に記憶されているエネルギー管理データから設定された時間区間のエネルギー管理データセットを抽出するエネルギー管理データ抽出部と、エネルギー管理データ抽出部によって抽出されたエネルギー管理データセットの特徴を示すエネルギー関連代表値を演算するエネルギー関連代表値演算部と、エネルギー関連代表値演算部が演算したエネルギー関連代表値と、品質データ記憶部に記憶されている品質データとを、対応する製造単位毎に関連付けてエネルギー品質対応データとして生成して出力するエネルギー品質対応データ生成部とを備える。
上記エネルギー管理支援装置において、製品を製造した一連の製造工程の実施に伴い製造設備の状態を時系列的に測定して得られたプロセスパラメータを製造単位毎に製造単位に対応させて記憶したプロセスデータ記憶部と、プロセスデータ記憶部に記憶されているプロセスパラメータより設定された設定時間区間でプロセスデータセットを抽出するプロセスデータ抽出部と、プロセスデータ抽出部によって抽出されたプロセスデータセットの特徴を示すプロセスデータ代表値を演算するプロセスデータ代表値演算部と、プロセスデータ代表値演算部が演算したプロセスデータ代表値と、品質データ記憶部に記憶されている品質データとを、対応する製造単位毎に関連付けてプロセス品質対応データとして生成して出力するプロセス品質対応データ生成部とを備えるようにすればよい。
上記エネルギー管理支援装置において、エネルギー管理データ抽出部は、ユーザの指示操作により、プロセスデータ抽出部に設定される仮設定時間区間を時間区間とすればよい。
上記エネルギー管理支援装置において、プロセスデータ記憶部は、製造設備および製造設備を用いた製造工程を特定するコンテキストデータおよび製造設備に対応する製造単位毎のプロセスパラメータを、同一のフォルダー内に格納して記憶していればよい。
本発明に係るエネルギー管理支援方法は、製造設備を用いた一連の製造工程の実施により製造された製品の品質を示す品質データを製造単位毎に製造単位に対応させて記憶する品質データ記憶ステップと、製品を製造した一連の製造工程の実施に伴い製造設備で消費されるエネルギーに関するエネルギー管理パラメータの値を時系列的に測定して得られたエネルギー管理データを記憶するエネルギー管理データ記憶ステップと、エネルギー管理データ記憶ステップで記憶したエネルギー管理データから設定された時間区間のエネルギー管理データセットを抽出するエネルギー管理データ抽出ステップと、エネルギー管理データ抽出ステップで抽出されたエネルギー管理データセットの特徴を示すエネルギー関連代表値を演算するエネルギー関連代表値演算ステップと、エネルギー関連代表値演算ステップで演算したエネルギー関連代表値と、品質データ記憶ステップで記憶した品質データとを、対応する製造単位毎に関連付けてエネルギー品質対応データとして生成して出力するエネルギー品質対応データ生成ステップとを備える。
上記エネルギー管理支援方法において、製品を製造した一連の製造工程の実施に伴い製造設備の状態を時系列的に測定して得られたプロセスパラメータを製造単位毎に製造単位に対応させて記憶するプロセスデータ記憶ステップと、プロセスデータ記憶ステップで記憶したプロセスパラメータの時系列変化のなかから設定された時間区間のプロセスパラメータの変化を示すプロセスデータセットを抽出するプロセスデータ抽出ステップと、プロセスデータ抽出ステップで抽出されたプロセスデータセットの特徴を示すプロセスデータ代表値を演算するプロセスデータ代表値演算ステップと、プロセスデータ代表値演算ステップで演算したプロセスデータ代表値と、品質データ記憶ステップで記憶した品質データとを、対応する製造単位毎に関連付けてプロセス品質対応データとして生成して出力するプロセス品質対応データ生成ステップとを備えるようにするとよい。
上記エネルギー管理支援方法において、エネルギー管理データ抽出ステップでは、仮設定時間区間を時間区間とすればよい。
上記エネルギー管理支援方法において、プロセスデータ記憶ステップでは、製造設備および製造設備を用いた製造工程を特定するコンテキストデータおよび製造設備に対応する製造単位毎のプロセスパラメータを、同一のフォルダー内に格納して記憶するようにすればよい。
また、本発明に係るプログラムは、コンピュータに、製造設備を用いた一連の製造工程の実施により製造された製品の品質を示す品質データを製造単位毎に製造単位に対応させて記憶する品質データ記憶機能と、製品を製造した一連の製造工程の実施に伴い製造設備で消費されるエネルギーに関するエネルギー管理パラメータの値を時系列的に測定して得られたエネルギー管理データを記憶するエネルギー管理データ記憶機能と、エネルギー管理データ記憶機能で記憶したエネルギー管理データから設定された時間区間のエネルギー管理データセットを抽出するエネルギー管理データ抽出機能と、エネルギー管理データ抽出機能で抽出されたエネルギー管理データセットの特徴を示すエネルギー関連代表値を演算するエネルギー関連代表値演算機能と、エネルギー関連代表値演算機能で演算したエネルギー関連代表値と、品質データ記憶機能で記憶した品質データとを、対応する製造単位毎に関連付けてエネルギー品質対応データとして生成して出力するエネルギー品質対応データ生成機能とを実現させる。
以上説明したことにより、本発明によれば、製品の品質に影響を与えない範囲でより一層のエネルギー削減が支援できるようになるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態1におけるエネルギー管理支援装置の構成を示す構成図である。 図2は、本発明の実施の形態1におけるエネルギー管理支援方法を説明するフローチャートである。 図3は、本発明の実施の形態2におけるエネルギー管理支援装置の構成を示す構成図である。 図4は、本発明の実施の形態2におけるエネルギー管理支援方法を説明するフローチャートである。 図5は、プロセスデータセットの構成例を示す説明図である。 図6は、ロット毎の各プロセスデータ代表値とロット毎の品質データとの相関を示すグラフの生成過程を説明する説明図である。 図7は、ロット毎のエネルギー管理パラメータ代表値とロット毎の品質データとの相関を示すグラフの生成過程を説明する説明図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1について図1および図2を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1におけるエネルギー管理支援装置の構成を示す構成図である。また、図2は、本発明の実施の形態1におけるエネルギー管理支援装置の動作例(エネルギー管理支援方法)を説明するフローチャートである。
このエネルギー管理支援装置は、品質データ記憶部101,エネルギー管理データ記憶部102,エネルギー管理データ抽出部103,エネルギー関連代表値演算部104,エネルギー品質対応データ生成部105,および表示部106を備える。
品質データ記憶部101は、製造設備を用いた一連の製造工程の実施により製造された製品の品質に対応する品質データを製造単位毎に製造単位に対応させて記憶している。例えば、品質データ記憶部101には、製造された製品の不良率を品質データとして製造単位(ロット)毎に記憶している。なお、製造設備は、製品を製造する製造装置、製造装置に原料などを供給する供給装置、製造装置より排出される廃液などを処理する廃液処理装置、製造過程の製品および完成した製品などを搬送する搬送装置、製品を洗浄する洗浄装置、製品の検査を行う検査装置、製品の製造に利用される純水を製造する純水装置,製造現場の空調を行う空調装置など、製造工場内における一連の製造工程で用いられる、あるいは装置を設置し運転を維持したり、環境を維持したりするために用いられる各種の設備を示している。
エネルギー管理データ記憶部102は、製品を製造した一連の製造工程の実施に伴い製造設備で消費されるエネルギーに関するエネルギー管理パラメータの値を時系列的に測定して得られたエネルギー管理データを記憶している。例えば、エネルギー管理データ記憶部102には、各製造設備や、これら製造設備と共に設置されている製造関連設備の消費電力の時系列的な測定データが、設備毎に記憶されている。
エネルギー管理データ抽出部103は、エネルギー管理データ記憶部102に記憶されているエネルギー管理データから設定された時間区間のエネルギー管理データセットを製造設備および各ロットに対応付けて抽出する。時間区間は、ユーザにより入力設定されたものである。例えば、製造設備より得られるプロセスパラメータの時系列変化と、品質(品質データ)との間に高い相関が得られている時間区間を設定して用いればよい。
エネルギー関連代表値演算部104は、エネルギー管理データ抽出部103によって抽出されたエネルギー管理データセットの特徴を示す、エネルギー使用量に関連する、原単位などのエネルギー関連代表値を演算する。エネルギー関連代表値演算部104は、例えば、エネルギー管理データセットの、エネルギー管理指標となり得る原単位等あるいはそれに関連する最大値,最小値,平均値,標準偏差などをエネルギー関連代表値とする。エネルギー関連代表値演算部104は、エネルギー管理データ記憶部102に記憶されている全ての設備についてエネルギー関連代表値を演算する。
エネルギー品質対応データ生成部105は、エネルギー関連代表値演算部104が演算したエネルギー関連代表値と、品質データ記憶部101に記憶されている品質データとを、対応する製造単位毎に関連付けてエネルギー品質対応データとして生成する。エネルギー管理データ記憶部102に記憶されている設備の数のエネルギー品質対応データが、生成される。表示部106は、エネルギー品質対応データ生成部105が生成したエネルギー品質対応データを視認可能に表示する。
上述したエネルギー管理支援装置は、例えば、CPUと主記憶装置と外部記憶装置とネットワーク接続装置となどを備えたコンピュータ機器であり、主記憶装置に展開されたプログラムによりCPUが動作することで、上述した各機能が実現される。また、各機能は、複数のコンピュータ機器に分散させるようにしてもよい。
上記プログラムは、コンピュータに、製造設備を用いた一連の製造工程の実施により製造された製品の品質を示す品質データを製造単位毎に製造単位に対応させて記憶する品質データ記憶機能と、製品を製造した一連の製造工程の実施に伴い製造設備で消費されるエネルギーに関するエネルギー管理パラメータの値を時系列的に測定して得られたエネルギー管理データを記憶するエネルギー管理データ記憶機能と、エネルギー管理データ記憶機能で記憶したエネルギー管理データから設定された時間区間のエネルギー管理データセットを抽出するエネルギー管理データ抽出機能と、エネルギー管理データ抽出機能で抽出されたエネルギー管理データセットの特徴を示すエネルギー関連代表値を演算するエネルギー関連代表値演算機能と、エネルギー関連代表値演算機能で演算したエネルギー関連代表値と、品質データ記憶機能で記憶した品質データとを、対応する製造単位毎に関連付けてエネルギー品質対応データとして生成するエネルギー品質対応データ生成機能と、対応データ生成機能で生成したエネルギー品質対応データを視認可能に表示する表示機能とを実現させる。
以下、本発明の実施の形態1におけるエネルギー管理支援装置の動作例について、図2のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS101で、製造設備を用いた一連の製造工程の実施により製造された製品の品質を示す品質データを製造単位毎に製造単位に対応させ、品質データ記憶部101に記憶する(品質データ記憶ステップ)。次に、ステップS102で、製品を製造した一連の製造工程の実施に伴い製造設備で消費されるエネルギーに関するエネルギー管理パラメータの値を時系列的に測定して得られたエネルギー管理データを、エネルギー管理データ記憶部102に記憶する(エネルギー管理データ記憶ステップ)。これらは、例えば、ユーザによる入力部(不図示)の操作により行われる。
次に、ステップS103で、エネルギー管理データ抽出部103が、品質データ記憶部101に記憶されているエネルギー管理データから設定された時間区間のエネルギー管理データセットを抽出する(エネルギー管理データ抽出ステップ)。ここで、例えば、ユーザの検討などにより得られた製造設備より得られるプロセスパラメータの時系列変化と、品質(品質データ)との間に高い相関が得られている時間区間が、ユーザの操作により予め入力設定されている。
次に、ステップS104で、エネルギー関連代表値演算部104が、エネルギー管理データ抽出部103により抽出されているエネルギー管理データセットの特徴を示すエネルギー関連代表値を演算する(エネルギー関連代表値演算ステップ)。例えば、エネルギー管理データセットのエネルギー管理の指標となり得る原単位等、または関連する最大値,最小値,平均値,標準偏差などをエネルギー関連代表値としている。また、ここでは、エネルギー管理データ記憶部102に記憶されている全ての設備について、エネルギー関連代表値が演算される。ここで、「エネルギー管理データセットの特徴を示すエネルギー関連代表値の演算」では、抽出された複数パラメータのある時間幅を持ったデータセットの各パラメータの特徴量を演算する場合、複数パラメータの合成特徴量を演算する場合、および多変量的に全ての特徴量を演算する場合がある。
次に、ステップS105で、エネルギー品質対応データ生成部105が、エネルギー関連代表値演算部104により演算されたエネルギー関連代表値と、品質データ記憶部101に記憶されている品質データとを、対応する製造単位毎に関連付けてエネルギー品質対応データとして生成する(エネルギー品質対応データ生成ステップ)。ここでは、エネルギー管理データ記憶部102に記憶されている設備の数のエネルギー品質対応データが、生成される。
次に、ステップS106で、上述したことにより生成されたエネルギー品質対応データを、視認可能に表示する(表示ステップ)。例えば、横軸をエネルギー関連代表値とし、縦軸を品質データとし、所定の期間に製造されたロット毎の(エネルギー関連代表値,品質データ)がプロットされたグラフが、表示部106に表示される。また、設備毎に上記グラフが表示される。これらの各グラフ(相関図)を参照することで、品質データに高い相関を示すエネルギー代表値が特定でき、品質データに高い相関を示すエネルギー管理データが得られた設備が特定できる。
このようにして特定した設備以外の設備は、品質データに影響を及ぼさないと考えることができるので、特定した設備以外の設備については、エネルギー消費量を抑えた状態で運転できる対象とすることができる。このように、実施の形態1によれば、製品の品質に影響を与えない範囲でより一層のエネルギー削減を支援することができる。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について図3,図4を用いて説明する。図3は、本発明の実施の形態2におけるエネルギー管理支援装置の構成を示す構成図である。また、図4は、本発明の実施の形態2におけるエネルギー管理支援装置の一部の動作例(エネルギー管理支援方法)を説明するフローチャートである。
このエネルギー管理支援装置は、まず、品質データ記憶部101,エネルギー管理データ記憶部102,エネルギー管理データ抽出部103,エネルギー関連代表値演算部104,エネルギー品質対応データ生成部105,および表示部106を備える。これらは、前述した実施の形態1と同様であり、詳細な説明は省略する。
実施の形態2では、上述した実施の形態1に加えて、プロセスデータ記憶部107,プロセスデータ抽出部108,プロセスデータ代表値演算部109,プロセス品質対応データ生成部110,および区間変更部111を備える。
プロセスデータ記憶部107は、設定されているプロセスパラメータに関して製品を製造した一連の製造工程の実施に伴い製造設備の状態を時系列的に測定して得られたプロセスパラメータの変化を製造単位毎に製造単位に対応させて記憶している。例えば、圧力,温度,流量,電圧などの製造設備におけるプロセスパラメータを経時的に測定することで得られるデータ(プロセスデータ)を、製造単位(ロット)毎に対応させて記憶している。なお、このロットは、品質データ記憶部101におけるロットに対応している。
プロセスデータ抽出部108は、プロセスデータ記憶部107に記憶されているデータのなかから設定された定時間区間のプロセスパラメータの変化を示すプロセスデータセットを、製造設備および各ロットに対応付けて抽出する。設定された時間区間は、ユーザにより任意に入力設定されたものである。
プロセスデータ代表値演算部109は、プロセスデータ抽出部108によって抽出されたプロセスデータセットの特徴を示すプロセスデータ代表値を演算する。プロセスデータ代表値演算部109は、例えば、プロセスデータセットの、最大値,最小値,平均値,標準偏差などをプロセスデータ代表値とする。プロセスデータ代表値演算部109は、プロセスデータ記憶部107に記憶されている全ての設備についてエネルギー関連代表値を演算する。「プロセスデータセットの特徴を示すプロセスデータ代表値の演算」では、抽出された複数パラメータのある時間幅を持ったデータセットの各パラメータの特徴量を演算する場合、複数パラメータの合成特徴量を演算する場合、および多変量的に全ての特徴量を演算する場合がある。
プロセス品質対応データ生成部110は、プロセスデータ代表値演算部109が演算したプロセスデータ代表値と、品質データ記憶部に記憶されている品質データとを、対応する製造単位毎に関連付けてプロセス品質対応データとして生成する。プロセスデータ記憶部107(品質データ記憶部101)に記憶されているロットの数のプロセス品質対応データが、生成される。表示部106は、プロセス品質対応データ生成部110が生成したプロセス品質対応データを視認可能に表示する。
また、表示部106に表示されたプロセス品質対応データを確認したユーザにより、時間区間の変更が区間変更部111に入力されると、区間変更部111は、プロセスデータ抽出部108が抽出する区間を変更する。例えば、ユーザは、表示部106に表示されたプロセス品質対応データより、プロセスパラメータの時系列変化であるプロセスデータセットと、品質(品質データ)との間の相関の状態を判断し、上記定時間区間を適宜に設定する。
次に、本発明の実施の形態2におけるエネルギー管理支援装置の動作例について、図4のフローチャートを用いて説明する。以下では、主に、プロセスデータ記憶部107,プロセスデータ抽出部108,プロセスデータ代表値演算部109,プロセス品質対応データ生成部110,および区間変更部111の動作について説明する。
まず、ステップS201で、プロセスデータ記憶部107に、製品を製造した一連の製造工程の実施に伴い製造設備の状態を時系列的に測定して得られたプロセスパラメータの変化を、製造単位毎に製造単位に対応させて記憶する(プロセスデータ記憶ステップ)。例えば、製造設備に設けられている各センサより出力される測定結果を、例えば5秒毎などの所定の間隔でサンプリングし、このようにして得られた時系列のデータを、製造単位の情報に対応付けて記憶する。
次に、ステップS202で、ユーザの操作により区間変更部111に入力された抽出区間をプロセスデータ抽出部108に設定する。次いで、ステップS203で、プロセスデータ抽出部108が、プロセスデータ記憶部107に記憶されているプロセスパラメータの時系列変化のなかから、設定された時間区間のプロセスパラメータの変化を示すプロセスデータセットを抽出する(プロセスデータ抽出ステップ)。全てのロットについて、プロセスデータセットを抽出する。
次に、ステップS204で、プロセスデータ抽出部108により抽出されたプロセスデータセットの特徴を示すプロセスデータ代表値を演算する(プロセスデータ代表値演算ステップ)。例えば、プロセスデータセットの、最大値,最小値,平均値,標準偏差などをプロセスデータ代表値として演算する。
例えば、図5に示すように、設定された時間区間(1〜101)で抽出された温度(プロセスパラメータ)の経時的な変化(プロセスデータセット)が、プロセスデータ抽出部108により得られている。このプロセスデータセットより、最大値もしくは標準偏差をプロセスデータ代表値とする。プロセスデータ代表値としてどの様な値を用いるかは、対象のプロセスにおけるどの様な特徴を用いるかにより、適宜に設定すればよい。また、ここでは、プロセスデータ記憶部107に記憶されている全てのロットについて、プロセスデータ代表値が演算される。
次に、ステップS205で、プロセス品質対応データ生成部110が、プロセスデータ代表値演算部109により演算されたプロセスデータ代表値と、品質データ記憶部101に記憶されている品質データとを、対応するロット(製造単位)毎に関連付けてプロセス品質対応データとして生成する(プロセス品質対応データ生成ステップ)。ここでは、プロセスデータ記憶部107に記憶されているロットの数のプロセス品質対応データが、生成される。
次に、ステップS206で、上述したことにより生成されたプロセス品質対応データを、視認可能に表示する(表示ステップ)。次に、ステップS207で、表示部106に表示されたプロセス品質対応データを確認したユーザにより、プロセスパラメータの時系列変化であるプロセスデータセットと、品質(品質データ)との間の相関の状態が判断される。
例えば、図6の(a)に示すように、プロセスデータ抽出部108により、ステップS202で初期に設定されている区間で抽出されたプロセスデータセットが、ロット毎に得られている。また、プロセスデータ代表値演算部109により、図6の(b1),(b2)に示すように、各プロセスデータに対応して得られた各プロセスデータ代表値が、ロット毎に得られている。
このようにして得られているロット毎の各プロセスデータ代表値と、品質データ記憶部101に記憶されているロット毎の品質データより、プロセス品質対応データ生成部110は、図6の(c1),(c2)に示すような相関図を生成し、表示部106に表示する。この相関図を見たユーザの判断により、相関の高い関係が見つけられると、ステップS202で設定された抽出区間を、エネルギー管理データ抽出部103で用いる抽出区間として決定する。
一方、相関の高い関係が見つけられない場合(ステップS207のn)、区間変更部111が、ユーザの指示操作を受け付けてプロセスデータ抽出部108が用いる時間区間を変更し(区間変更ステップ)、ステップS203に戻り、ステップS203〜ステップS206を再度実施する。例えば、相関の高い関係が見つけられるまで、ステップS203〜ステップS206を再度実施し、相関の高い関係が見られる仮設定時間区間を決定する。
このようにして決定された時間区間を時間区間として用いて、エネルギー管理データ抽出部103が、品質データ記憶部101に記憶されているエネルギー管理データから決定(設定)された時間区間のエネルギー管理データセットを抽出する。例えば、図7の(a)に示すように、ロット毎に、決定された時間区間でエネルギー管理パラメータの値が時系列的に変化しているエネルギー管理データセットが得られる。
このようにして得られたエネルギー管理データセットより、エネルギー関連代表値演算部104がエネルギー関連代表値を演算することで、図7の(b1),(b2)に示すように、各エネルギー管理データセットに対応して得られた各エネルギー関連代表値が、ロット毎に得られる。
また、エネルギー品質対応データ生成部105により、図7の(c1),(c2)に示すような相関図が生成され、表示部106に表示される。この相関図では、品質データと対応するロットの代表値との相関が示される。これらの各相関図を参照することで、品質データに高い相関を示すエネルギー代表値が特定でき、品質データに高い相関を示すエネルギー管理データが得られたエネルギー関連パラメータが特定できエネルギー削減の方向性がわかる。
このようにして特定した設備以外の設備は、品質データに影響を及ぼさないと考えることができるので、特定した設備以外の設備については、エネルギー消費量を抑えた状態で運転できる対象とすることができる。このように、実施の形態2によれば、製品の品質に影響を与えない範囲でより一層のエネルギー削減を支援することができる。更に、製造プロセスデータに関しても、エネルギー使用量に関連する、温度、加熱時間等について品質と関連付けて解析され品質に影響を与えていないと分かったものについて、エネルギー削減を図ることができるのは言うまでもない。
ところで、各期億部に記憶するデータは、関連付けられている一群のデータが同一のデータフォルダーに格納されている状態にするとよい。例えば、プロセスデータ記憶部107に、製造設備および製造設備を用いた製造工程を特定するコンテキストデータと、製造設備に対応する製造単位毎のプロセスパラメータとを、同一のフォルダー内に格納するとよい(特許文献6参照)。このようなデータ構成とすることで、例えば、プロセスデータ抽出部108がデータを読み出すときに、製造設備および各ロットとの対応付けが容易に行えるなど、比較抽出が容易でより高速になる。また、製造設備および製造設備を用いた製造工程を特定するコンテキストデータと、製造設備に対応する製造単位毎のプロセスパラメータとを個別に記憶し、これらの関係を示す関連付けデータを別途に記憶する場合に比較して、記憶容量を抑制することが可能となる。なお、製造設備および製造設備を用いた製造工程を特定するコンテキストデータと、製造設備に対応する製造単位毎のプロセスパラメータとを、個々に保存してもよいことは言うまでもない。
以上に説明したように、本発明によれば、エネルギー管理データセットの特徴を示すエネルギー関連代表値と品質データとを、対応する製造単位毎に関連付けてエネルギー品質対応データとして生成するようにしたので、品質データに影響を及ぼさない設備などを特定することが可能となり、製品の品質に影響を与えない範囲でより一層のエネルギー削減の支援ができるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
101…品質データ記憶部、102…エネルギー管理データ記憶部、103…エネルギー管理データ抽出部、104…エネルギー関連代表値演算部、105…エネルギー品質対応データ生成部、106…表示部。

Claims (10)

  1. 製造設備を用いた一連の製造工程の実施により製造された製品の品質を示す品質データを製造単位毎に製造単位に対応させて記憶した品質データ記憶部と、
    前記製品を製造した一連の製造工程の実施に伴い前記製造設備で消費されるエネルギーに関するエネルギー管理パラメータの値を時系列的に測定して得られたエネルギー管理データを記憶したエネルギー管理データ記憶部と、
    前記エネルギー管理データ記憶部に記憶されているエネルギー管理データから設定された時間区間のエネルギー管理データセットを抽出するエネルギー管理データ抽出部と、
    前記エネルギー管理データセットと、前記品質データ記憶部に記憶されている品質データとを、対応する製造単位毎に関連付けてエネルギー品質対応データとして生成して出力するエネルギー品質対応データ生成部と
    を備えることを特徴とするエネルギー管理支援装置。
  2. 製造設備を用いた一連の製造工程の実施により製造された製品の品質を示す品質データを製造単位毎に製造単位に対応させて記憶した品質データ記憶部と、
    前記製品を製造した一連の製造工程の実施に伴い前記製造設備で消費されるエネルギーに関するエネルギー管理パラメータの値を時系列的に測定して得られたエネルギー管理データを記憶したエネルギー管理データ記憶部と、
    前記エネルギー管理データ記憶部に記憶されているエネルギー管理データから設定された時間区間のエネルギー管理データセットを抽出するエネルギー管理データ抽出部と、
    前記エネルギー管理データ抽出部によって抽出されたエネルギー管理データセットの特徴を示すエネルギー関連代表値を演算するエネルギー関連代表値演算部と、
    前記エネルギー関連代表値演算部が演算したエネルギー関連代表値と、前記品質データ記憶部に記憶されている品質データとを、対応する製造単位毎に関連付けてエネルギー品質対応データとして生成して出力するエネルギー品質対応データ生成部と
    を備えることを特徴とするエネルギー管理支援装置。
  3. 請求項1または2記載のエネルギー管理支援装置において、
    前記製品を製造した一連の製造工程の実施に伴い前記製造設備の状態を時系列的に測定して得られたプロセスパラメータを製造単位毎に製造単位に対応させて記憶したプロセスデータ記憶部と、
    前記プロセスデータ記憶部に記憶されているプロセスパラメータより設定された設定時間区間でプロセスデータセットを抽出するプロセスデータ抽出部と、
    前記プロセスデータ抽出部によって抽出されたプロセスデータセットの特徴を示すプロセスデータ代表値を演算するプロセスデータ代表値演算部と、
    前記プロセスデータ代表値演算部が演算したプロセスデータ代表値と、前記品質データ記憶部に記憶されている品質データとを、対応する製造単位毎に関連付けてプロセス品質対応データとして生成して出力するプロセス品質対応データ生成部と
    を備えることを特徴とするエネルギー管理支援装置。
  4. 請求項2記載のエネルギー管理支援装置において、
    前記エネルギー管理データ抽出部は、ユーザの指示操作により、前記プロセスデータ抽出部に設定される仮設定時間区間を前記時間区間とすることを特徴とするエネルギー管理支援装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のエネルギー管理支援装置において、
    前記プロセスデータ記憶部は、
    前記製造設備および前記製造設備を用いた製造工程を特定するコンテキストデータおよび前記製造設備に対応する製造単位毎の前記プロセスパラメータを、同一のフォルダー内に格納して記憶している
    ことを特徴とするエネルギー管理支援装置。
  6. 製造設備を用いた一連の製造工程の実施により製造された製品の品質を示す品質データを製造単位毎に製造単位に対応させて記憶する品質データ記憶ステップと、
    前記製品を製造した一連の製造工程の実施に伴い前記製造設備で消費されるエネルギーに関するエネルギー管理パラメータの値を時系列的に測定して得られたエネルギー管理データを記憶するエネルギー管理データ記憶ステップと、
    前記エネルギー管理データ記憶ステップで記憶したエネルギー管理データから設定された時間区間のエネルギー管理データセットを抽出するエネルギー管理データ抽出ステップと、
    前記エネルギー管理データ抽出ステップで抽出されたエネルギー管理データセットの特徴を示すエネルギー関連代表値を演算するエネルギー関連代表値演算ステップと、
    前記エネルギー関連代表値演算ステップで演算したエネルギー関連代表値と、前記品質データ記憶ステップで記憶した品質データとを、対応する製造単位毎に関連付けてエネルギー品質対応データとして生成して出力するエネルギー品質対応データ生成ステップと
    を備えることを特徴とするエネルギー管理支援方法。
  7. 請求項6記載のエネルギー管理支援方法において、
    前記製品を製造した一連の製造工程の実施に伴い前記製造設備の状態を時系列的に測定して得られたプロセスパラメータを製造単位毎に製造単位に対応させて記憶するプロセスデータ記憶ステップと、
    前記プロセスデータ記憶ステップで記憶したプロセスパラメータの時系列変化のなかから設定された時間区間のプロセスパラメータの変化を示すプロセスデータセットを抽出するプロセスデータ抽出ステップと、
    前記プロセスデータ抽出ステップで抽出されたプロセスデータセットの特徴を示すプロセスデータ代表値を演算するプロセスデータ代表値演算ステップと、
    前記プロセスデータ代表値演算ステップで演算したプロセスデータ代表値と、前記品質データ記憶ステップで記憶した品質データとを、対応する製造単位毎に関連付けてプロセス品質対応データとして生成して出力するプロセス品質対応データ生成ステップと
    を備える
    ことを特徴とするエネルギー管理支援方法。
  8. 請求項7記載のエネルギー管理支援方法において、
    前記エネルギー管理データ抽出ステップでは、前記仮設定時間区間を前記時間区間とすることを特徴とするエネルギー管理支援方法。
  9. 請求項7または8記載のエネルギー管理支援方法において、
    前記プロセスデータ記憶ステップでは、
    前記製造設備および前記製造設備を用いた製造工程を特定するコンテキストデータおよび前記製造設備に対応する製造単位毎の前記プロセスパラメータを、同一のフォルダー内に格納して記憶する
    ことを特徴とするエネルギー管理支援方法。
  10. コンピュータに、
    製造設備を用いた一連の製造工程の実施により製造された製品の品質を示す品質データを製造単位毎に製造単位に対応させて記憶する品質データ記憶機能と、
    前記製品を製造した一連の製造工程の実施に伴い前記製造設備で消費されるエネルギーに関するエネルギー管理パラメータの値を時系列的に測定して得られたエネルギー管理データを記憶するエネルギー管理データ記憶機能と、
    前記エネルギー管理データ記憶機能で記憶したエネルギー管理データから設定された時間区間のエネルギー管理データセットを抽出するエネルギー管理データ抽出機能と、
    前記エネルギー管理データ抽出機能で抽出されたエネルギー管理データセットの特徴を示すエネルギー関連代表値を演算するエネルギー関連代表値演算機能と、
    前記エネルギー関連代表値演算機能で演算したエネルギー関連代表値と、前記品質データ記憶機能で記憶した品質データとを、対応する製造単位毎に関連付けてエネルギー品質対応データとして生成して出力するエネルギー品質対応データ生成機能と
    を実現させるためのプログラム。
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