JP2011008305A - 設備管理支援システム - Google Patents

設備管理支援システム Download PDF

Info

Publication number
JP2011008305A
JP2011008305A JP2009148187A JP2009148187A JP2011008305A JP 2011008305 A JP2011008305 A JP 2011008305A JP 2009148187 A JP2009148187 A JP 2009148187A JP 2009148187 A JP2009148187 A JP 2009148187A JP 2011008305 A JP2011008305 A JP 2011008305A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
environmental load
management
facility
equipment
water quality
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009148187A
Other languages
English (en)
Inventor
Misaki Sumikura
みさき 隅倉
Hiroto Yokoi
浩人 横井
Koji Kageyama
晃治 陰山
Takahiro Tachi
隆広 舘
Manabu Fukushima
学 福島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2009148187A priority Critical patent/JP2011008305A/ja
Publication of JP2011008305A publication Critical patent/JP2011008305A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A20/00Water conservation; Efficient water supply; Efficient water use
    • Y02A20/152Water filtration

Abstract

【課題】水道の場合は水質維持と安定供給の達成,下水道の場合は処理水水質の維持を優先し、ライフサイクルにおける環境負荷の排出量を低減できる設備管理支援システムを提供する。
【解決手段】環境負荷の排出量を算出する環境負荷算出手段21と、危害に環境負荷の排出量を含み、設備の危害の重篤度を設定する重篤度設定手段11と、設備の危害の発生頻度を算出する発生頻度設定手段12と、重篤度と発生頻度から危害のリスクを算出するリスク算出手段13と、管理するべき工程の候補を提示する重要管理点設定支援手段14と、設備の運用,維持管理,更新にあたり考慮するべき危害を制約条件として、設備の運転データ又は水質データに基づいて、管理するべき指標の推奨指標及び指標の管理基準の推奨値を提示する管理基準設定支援手段15とを備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、上下水道の施設の設備管理支援システムに係り、特に、水質を高度に管理でき、償却期間内の建設,運用,更新,廃棄による環境への負荷量を低減するための運用,保守点検および更新の中長期的な計画の策定を支援するための設備管理支援システムに関する。
公共インフラなど、社会環境,自然環境への影響が大きい施設では、施設を運用するにあたり安全管理と環境への配慮が必要である。上下水分野では、熱と電気を合算したエネルギー使用量が一定以上の事業所に、継続的な省エネルギー実現を求める改正省エネ法や、下水処理放流水の窒素,りんの総量規制など、環境への負荷量の低減が求められている。また、環境負荷は、設備の建設時,運用時,廃棄時を含む施設の償却期間全体での評価が必要とされている。
〔非特許文献1〕によると、浄水場からの排出される環境負荷は、運用時の電力や薬品の使用,燃料の消費に由来する温室効果ガスが大きな割合を占めている。施設の償却期間内での環境負荷の評価であるLCA(ライフサイクルアセスメント)を実施することにより、浄水場全体の処理フローの中で、全体の温室効果ガス排出量を低減するための対策が有効なプロセスや設備を把握することができる。
一方で、水道や下水道は社会生活に密接に係わっており、設備機器の故障等により広範囲に健康被害が発生する可能性がある。このため、浄水場の運転,管理では、水質の維持,安定供給が、下水処理場の運転,管理では、放流水水質の維持が優先される。
例えば、凝集剤,消毒剤などの薬品や活性炭を、温室効果ガス排出係数の小さい製品に変更すると、通常、処理水水質は変化する。以下、温室効果ガスとして、CO2を例にとり説明する。多くの場合、CO2排出量の低減と水質の向上とはトレードオフの関係にある。このため、水道では水質目標を達成できる条件下で、環境負荷評価を実施する必要がある。
〔特許文献1〕では、上下水,ガス,発電等のプラントにおいて、過去の計測データを用いたプラント挙動のシミュレーション結果に基づき、導入コストや環境負荷量を算出している。また、水質シミュレーション結果に基づき、水質目標値を維持できるように薬品の注入率を設定している。その結果により、設備の新規導入、更新時に、導入コストや環境負荷量の低減に向けた計画を策定している。
〔特許文献2〕では、水道,下水道の施設に含まれる設備機器の維持管理に必要な保守点検,更新計画を、各設備機器にとって適切な時期で中長期的にライフサイクルコストを予算内に維持できるように策定する方法が開示されている。
特開2005−258816号公報 特開2009−48384号公報
〔非特許文献1〕浄水施設を対象としたLCA実施マニュアル、財)水道技術研究センター(2008)
上記従来技術では、つぎのような課題がある。すなわち、〔特許文献1〕に記載の従来の技術では、コストを低減できる設備仕様の探索において、ライフサイクルにおける環境負荷量の低減が考慮されていない。
電力や燃料に由来する環境負荷については、使用量を低減することが、ランニングコストの低減と環境負荷の低減となるため、コスト低減対策は、環境負荷低減対策ともなる。一方、薬品に由来する環境負荷又は設備の建設,廃棄時の環境負荷については、それぞれの環境負荷排出係数が異なるため、ランニングコスト及び導入コストを低減しても、環境負荷量も低減するとは限らない。又、薬品注入以外の要因による水質の変化を考慮していない。これらの理由から、示された設備導入計画は、水質目標の達成,環境負荷低減の点で不十分である可能性がある。
又、浄水場や下水処理場から排出される環境負荷量は、流入水の水質によって変化する。環境負荷の低減を評価する際、例えば流入水水質が悪化した場合、水質維持のために必要最低限の凝集剤注入率で運転した場合でも、薬剤由来のCO2排出量が増加してしまう。このように、異なる期間や処理場間で環境負荷量を比較する際には、水質や処理規模などを考慮した評価が必要と考えられる。
〔特許文献2〕に記載の従来の技術は、ライフサイクルにおけるコストを低減できるが、環境負荷量が考慮されていない。
本発明の目的は、水道,下水道の施設の運用及び更新、導入計画策定を支援するために、水道の場合は水質維持と安定供給の達成,下水道の場合は処理水水質の維持を優先しつつ、ライフサイクルにおける排出される環境負荷量を低減できる設備管理支援システムを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、水道あるいは下水道に係る施設およびその設備の運用,維持管理,更新を支援する設備管理支援システムであって、環境負荷算出手段,重篤度設定手段,発生頻度設定手段,リスク算出手段,重要管理点設定支援手段,管理基準設定支援手段を設けたものである。
重篤度設定手段が設備の考慮するべき危害の重篤度を設定し、発生頻度設定手段が設備の危害の発生頻度を算出し、リスク算出手段が重篤度と発生頻度から危害のリスクを算出し、重要管理点設定支援手段が管理するべき工程の候補を提示し、管理基準設定支援手段が管理するべき指標を提示し、指標の管理基準を算出する。環境負荷算出手段は、設備から排出する環境負荷量を算出して設備の考慮するべき危害として環境負荷の排出を加える。管理基準の設定時には、制約条件として環境負荷量を用いる。
このとき設備の仕様及び運用データ,危害の種類及び重篤度データ,運転条件と運転条件に対する水質データ,設備からの環境負荷の排出係数データをデータベースに格納してある。
運用方法あるいは設備を変更する場合は、過去の運用データおよび水質データを用いて変更後の水質を予想し、その予想結果と管理基準とを比較して、管理基準を満たすように運用方法あるいは設備を再度変更する。又、水質の管理基準を満たし、環境負荷量を低減するように運用方法あるいは設備を変更する。
本発明によれば、水道や下水道の施設に含まれる設備機器の運転方法,更新計画を、水質目標を維持した上で、環境負荷の排出量を低減するように策定することができる。
本発明の実施例1である水処理施設の管理システムの構成図。 実施例1のフローチャートを示す図。 実施例1の計算に用いる設定値例を示す図。 実施例1の管理指標と環境負荷の関係の例を示す図。 本発明の実施例2のフローチャートを示す図。 本発明の実施例3である水処理施設の管理システムの構成図。 実施例3のフローチャートを示す図。 実施例3の環境負荷量の例を示す図。 本発明の実施例4である水処理施設の管理システムの構成図。
本発明の各実施について図面を用いて説明する。
本発明の実施例1を図1から図4により説明する。本実施例では、浄水場の設計時や設備の更新時に、水質管理計画を策定する場合を説明する。
図1は、本実施例の設備管理システムの構成図である。設備管理システムは、入力手段1と表示手段2を備えた施設3,入力手段1とネットワーク6を介して接続された水質管理計画策定部4,入力手段1とネットワーク6を介して接続され、水質管理計画策定部4と接続された環境負荷算出部5で構成されている。
水質管理計画策定部4は、データベースである危害データベース18(以下、危害DB18という),水質データベース19(以下、水質DB19という)と、データベースに接続された管理基準設定支援手段15,管理基準設定支援手段15に接続された重要管理点設定支援手段14(以下、CCP設定支援手段14という),CCP設定支援手段14に接続されたリスク算出手段13,リスク算出手段13に接続された発生頻度設定手段12と重篤度設定手段11で構成される。
環境負荷算出部5は、データベースである排出係数データベース23(以下、排出係数DB23という),設備データベース24(以下、設備DB24という)と、データベースに接続された環境負荷算出手段21で構成されている。
入力手段1は、施設3から運転データや計測データを取込み、ネットワーク6を介して取込んだ運転データや計測データを水質管理計画策定部4と環境負荷算出部5に送る。入力手段1は、水質管理計画策定部4から施設3の運転管理計画の策定支援情報を、環境負荷算出部5から排出される環境負荷量の情報を取込み、表示手段2に送る。表示手段2では、入力手段1から取込んだ情報を表示する。
環境負荷算出部5では、環境負荷算出手段21が、排出係数DB23及び設備DB24から、環境負荷の排出係数や設備データを取込み、施設の処理プロセス毎の環境負荷量を算出する。水質管理計画策定部4では、環境負荷算出手段21から環境負荷量の情報及び危害DB18,水質DB19から、危害データと水質データを取込み、重篤度設定手段11が各危害について重篤度を設定し、発生頻度設定手段12が発生頻度を設定する。リスク算出手段13は、重篤度設定手段11が設定した重篤度と、発生頻度設定手段12が設定した発生頻度からリスクを算出する。CCP設定支援手段14は、リスクに基づいて水質維持に有効なCCPの候補を選出し、管理基準設定支援手段15は、管理基準の推奨値を算出する。
図2は、本実施例のフローチャートである。図2を用いて、施設の運用,設備計画の策定を支援する方法を説明する。
ステップS110で、環境負荷算出手段21が、入力手段1,排出係数DB23及び設備DB24から運転データ,排出係数,設備,機器仕様データを取込む。ステップS111で、環境負荷算出手段21は、取込んだ運転データ,排出係数,設備,機器仕様データにより環境負荷量を算出する。ステップS112で、水質DB19から水質データを取込み、ステップS113で、算出された環境負荷量のデータと水質DB19から取込んだ水質データを用いて、重篤度設定手段11は、各危害に対する重篤度ランクを設定し、ステップS113で、発生頻度設定手段12は発生頻度ランクを設定する。ステップS115で、リスク算出手段13は、重篤度ランクと発生頻度ランクからリスクを算出する。ステップS116で、管理基準設定支援手段15が、水質データから重みを決定し、決定された重みと算出されたリスクからリスクランクを算出する。ステップS118で、CCP設定支援手段14が、水質データに基づいて各危害の消長プロファイルを作成する。
ステップS119で、これらの、各危害の消長プロファイルとリスクランクを用いて、ユーザーがCCPと管理基準を決定する。ステップS120で、結果を表示する。
環境負荷算出部5における、排出される環境負荷量の算出方法について説明する。上述したように、環境負荷はCO2である。環境負荷算出手段21は、排出係数DB23から、設備の建設時,廃棄時,電力,燃料,薬品などのCO2排出係数を取込み、設備DB24から、各設備の建設資材,構成機器などの仕様データを取込む。環境負荷算手段21は、入力手段1から取込んだ運転データを用いて、電力,燃料,薬品などの消費量を算出する。これらの環境負荷の排出源の消費量に、各排出係数を乗じて、排出される環境負荷量を数1,数2により算出する。
Figure 2011008305
Figure 2011008305
ここで、Mは施設のライフサイクルにおいて排出される環境負荷量、Mjは施設を構成する各プロセスのライフサイクルにおいて排出される環境負荷量、keは消費電力量のCO2排出係数、kqiは各種燃料のCO2排出係数、kciは各種薬品のCO2排出係数、Eは消費電力量、Qiは各種燃料消費量、Ciは各種薬品消費量である。
次に、水質管理計画策定部4におけるCCPおよび管理基準の推奨値算出方法について説明する。水質管理計画策定部4では、危害DB18から取込んだ各危害、例えばクリプトスポリジウム,クロロホルム,臭気などに加え、環境負荷算出手段21から取込んだ環境負荷も危害として扱う。これらの各危害に対して、重篤度設定手段11は、例えば健康被害などの指標に対して、影響の重篤度によって、重篤度ランクを決定する。図3に重篤度ランクの設定例を示す。環境負荷の重篤度ランクは、指標を環境破壊として、影響範囲でランク分けした。
発生頻度設定手段12は、各危害に対して、水質DB19から得た水質データを用いて、例えば境界値を逸脱したデータ数の割合として、発生頻度を算出し、発生頻度ランクを決定する。図3に発生頻度ランクの設定例を示す。環境負荷の発生頻度ランクは、CO2の場合、例えばランク5とする。
リスク算出手段13は、設定した重篤度ランクと発生頻度ランクを乗じて、各危害のリスクを数3により算出する。
Figure 2011008305
ここで、Rjは各危害のリスク、Sjは各危害の重篤度ランク、Fjは各危害の発生頻度ランクである。
管理基準設定支援手段15は、水質データから各危害の重みを設定する。重みは、例えば、通常運転時の危害物質濃度の水質基準値に対する割合を用いて、1.0から1.5の範囲で設定する。図3に重みの設定例を示す。環境負荷の重みは、例えば環境負荷排出の削減を目標とする場合は、現状維持以下にする必要があるため、割合は100%以上と考え、1.5とする。
この重みと、算出したリスクを乗じて、各危害のリスクランクを数4により算出する。
Figure 2011008305
ここで、RRjは各危害のリスクランク、Rjは各危害のリスク、Gjは各危害の重みである。
危害が環境負荷の場合、各設定項目を上述のとおりに設定すると、リスクランクは、5×5×1.5=37.5と最大値になる。
管理基準設定支援手段15は、危害物質を基準以下に維持できていることを確認できる運転又は水質の指標(以下、管理基準という)の候補を示す。例えば、運転データ又は水質データを用いて、データ間の相関を求め、相関の高い指標を、管理基準の候補とする。
ユーザーは、管理基準を選定すると、運転条件や設備仕様を変更するときに、達成を条件とする基準値(以下、管理基準の基準値という)を決定する必要がある。基準値の設定にあたり、管理基準を制約する指標(以下、管理基準制約指標という)を用いる。危害物質を管理基準制約指標とし、この危害物質の水質基準を達成できるように、管理基準の基準値を決定する。この管理基準制約指標は、上述のリスクランクを参考に決定する。
例えば、管理基準の指標として、濁度管理の面から、PACを選定した場合を考える。上述のリスクランクで最大値となった環境負荷を、管理基準制約指標としたとき、環境負荷と管理基準指標には図4のような関係があると仮定する。すなわち、PACの注入率が増加すると、PAC消費にともなう環境負荷量であるCO2排出量が増加する。このため、CO2の目標値を達成できる限界のPAC注入率を、管理基準の基準値とすることが有効である。
このように、1種類の環境負荷が複数の排出源から排出される場合、排出源毎の環境負荷を、管理基準の設定時の制約条件として用いることで、より環境負荷排出量を低減させることができる。
但し、例えば環境負荷だけを管理基準制約指標にすると、水質を維持できない可能性があるため、複数の管理基準と管理基準制約指標を用いることが望ましい。
CCP設定支援手段14は、入力手段1や水質DB19から取込んだ運転データや水質データに基づいて、施設3を構成する各プロセスや設備に対して、各危害物質の消長プロファイルを出力する。この消長プロファイルを参考にして、設備管理システムのユーザーは、特に重要な管理点であるプロセスや機器を決定し、重点的に保守,管理を行う計画を策定する。
本実施例によれば、浄水場施設の設計時や設備の更新時に、環境負荷の排出を危害として考慮することにより、環境負荷の低減と水質の維持を両立する水質管理計画を策定することができる。
本発明の実施例2を図5により説明する。本実施例では、環境負荷量の計算値に基づいて運用方法や設備を見直す計画を策定する場合を説明する。
本実施例の構成は実施例1と同様である。図5は、本実施例のフローチャートである。ステップS211で、環境負荷算出手段21が、入力手段1と排出係数DB23と設備DB24から、運転データ,排出係数,設備,機器仕様データを取込み、ステップS212で、環境負荷量を算出する。ステップS213で、この環境負荷量の計算値を、入力手段1から取込んだ環境負荷量の目標値データと比較し、計算値が目標値を上回る場合は、ステップS214で、計算値が目標値を下回るように、運用や設備を見直す案を提示する。
ステップS215で、この運用,設備の条件の場合で、管理基準設定支援手段15が、危害DB18や水質DB19から運転条件と水質のデータを取込み、ステップS216で、取込んだ運転条件と水質のデータに基づいて、各管理基準制約指標の予想値を算出する。ステップS217で、この予想値が、入力手段1から取込んだ管理基準制約指標の目標値を比較し、計算値が目標値を上回る場合は、ステップS219で、運用方法、設備を見直す。運用方法,設備を見直した場合は、再度、環境負荷量の算出に戻り、上記手順を繰返す。環境負荷量と管理基準制約指標の目標値をいずれも下回る運転条件、設備仕様が探索されたとき、計算を終了し、ステップS218で、結果を出力する。
但し、それぞれの目標値の設定の仕方により、解が得られない場合がある。この場合は、管理基準制約指標の目標値を緩和する。緩和する指標としては、環境負荷量のデータと運転データから、排出される環境負荷に対する感度を推定し、この感度が大きい水質項目を選択するとよい。
もし、環境負荷量と管理基準制約指標の計算値がともに目標値以下となる解を機械的に求める場合は、再計算の回数が多くなる可能性がある。運用,設備の見直しは、ユーザーの判断が必要なため、実用上、再計算の回数は限られる。本実施例では、環境負荷を危害として組み込んでいるので、管理基準制約指標の目標値を達成するために運用方法,設備を見直した場合は、環境負荷が増加している確率が低く、運用方法,設備の見直しを繰返す回数が少なくなる。このため、本実施例は実用的な施設管理計画の策定方法であるといえる。
本実施例によれば、浄水場施設の運転方法や設備の見直し時に、環境負荷の排出を危害として考慮することによりユーザーの負担を抑制でき、環境負荷の低減と水質の維持を両立する水質管理計画を策定することができる。
本発明の実施例3を図6から図8により説明する。水道の特徴の一つに原水水質の変動がある。本実施例では、年度間でのリスクランクの比較をより正確に行うため、原水水質を考慮して環境負荷量の指標を求める場合を説明する。
図6は、本実施例の設備管理システムの構成図である。本実施例は、実施例1と同様に構成されているが、本実施例では、環境負荷算出手段21の後段に、環境負荷規格化値算出手段22を備えている。
図7は、本実施例のフローチャートである。環境負荷規格化値算出手段22は、環境負荷算出手段21から排出される環境負荷量データと、水質DB19から流入水及び浄水の流量と水質データを取込み、除去対象物質の累積除去量あたりの環境負荷量を数5により算出する。除去対象物質としては、濁質,有機物,臭気物質,藻類,油脂などがある。水質DB19には、これらの物質の浄水場内のセンサ測定値、又は官能試験の結果を蓄積しておく。
Figure 2011008305
ここで、M′は施設のライフサイクルにおいて排出される環境負荷量の規格化値、Mjは施設を構成する各プロセスのライフサイクルにおいて排出される環境負荷量、Δmiは各除去対象物質の除去濃度、Qは累積処理流量である。
このように、水処理工程で除去された1種類以上の除去対象物質の累積量を算出し、環境負荷量として、環境負荷の排出量を除去対象物質の累積量で除した値を用いている。
又は数6に示すように、薬品ごとに薬品由来の環境負荷量を、その薬品による除去対象物質の累積量で除してもよい。
Figure 2011008305
ここで、M′は施設のライフサイクルにおいて排出される環境負荷量の規格化値、kcjは各種薬品のCO2排出係数、Cjは各種薬品消費量、Δmiは各除去対象物質の除去濃度、Qは累積処理流量である。規格化は、処理流量や需要量で環境負荷量を除してもよい。
このようにして求めた環境負荷量の規格化値を用いて、実施例1と同様の手順でリスクランクを算出し、CCPや管理基準を設定する。例えば、管理基準の指標として、濁度管理の面からPACの注入率を選定し、管理基準を見直す場合を考える。
図8に、原水濁度に対するCO2排出量の標準値と、あるLCA評価期間のCO2排出量の実績値を、原水濁度の範囲別に示す。標準値は、過去のデータから、例えば濁度を設定された水質基準に維持できたときのCO2排出量を用いる。図8に示すように、原水濁度が比較的高いTu3の範囲において、実績値では同じ濁質除去量に対して標準値よりCO2排出量が多い。この原因としては、PACを過剰に注入している可能性があり、管理基準であるPAC注入率を引き下げることが考えられる。このように、環境負荷を低減する方向で管理基準を見直すことができる。
本実施例によれば、浄水場施設の運転方法や設備の見直し時に、流入水の水質や処理規模の異なる時期や施設間で、排出される環境負荷量を評価することができる。その結果、環境負荷の低減と水質の維持を両立する水質管理計画を策定することができる。
本発明の実施例4を図9により説明する。実施例2においては、システムが提示して、ユーザーが、管理指標の選択や管理基準の設定を選択していたが、本実施例では、ユーザーが予め選択基準を設定することにより、ユーザーが選択しなくともシステムが適切な値を探索して提示する場合を説明する。
図9は、本実施例の設備管理システムの構成図である。本実施例は、実施例1と同様の構成であるが、図1に示すCCP設定支援手段14がCCP設定手段140に、管理基準設定支援手段15が管理基準設定手段150になっている。
CCP設定手段140は、入力手段1からCCP選出基準を、リスク算出手段13から第1の実施例と同様の手順で算出されたリスクランクを取込む。CCP選出基準は、例えばユーザーの判断基準に基づいて、過去の運用データと水質データを用いて算出したリスクランクの範囲を用いるとよい。CCP設定手段140は、関係する危害のリスクランクがCCP選出基準以上の項目をCCPとする。
管理基準設定手段150は、入力手段1から取込んだ管理指標設定基準とリスクランクから、管理指標を選定する。例えば、管理指標設定基準は、管理指標となりうる項目毎に、関係する危害のリスクランクを用いるとよい。又、管理基準設定手段150は、重み係数を含むリスクランクを変数とする評価関数から、各管理指標の設定値を算出する。評価関数は、各管理指標毎に過去の運用データと水質データを用いて設定するとよい。重み係数は、共通又は各管理指標ごとにユーザーの重視する項目を反映して設定する。
以下に、運転条件,設備仕様の見直し案の算出手順を示す。実施例2と同様に環境負荷量の算出と管理基準の設定値を算出する。運用,設備条件変更手段100は、各機器の操作量や設備仕様を設定された幅ずつ変更して、環境負荷量と管理基準の設定値を算出する。以上の手順を繰返し、環境負荷量と管理基準制約指標の目標値をいずれも達成する運転条件,設備仕様が探索されたとき、計算を終了する。
本実施例によれば、予めユーザーの判断基準を入力しておくことにより、水質の管理指標や管理基準を、ユーザーが判断することなく算出することができる。その結果、環境負荷の低減と水質の維持を両立する運転条件や管理基準の設定値を、自動的に探索することができる。
1 入力手段
2 表示手段
3 施設
4 水質管理計画策定部
5 環境負荷算出部
11 重篤度設定手段
12 発生頻度設定手段
13 リスク算出手段
14 CCP設定支援手段
15 管理基準設定支援手段
18 危害DB
19 水質DB
21 環境負荷算出手段
22 環境負荷規格化値算出手段
23 排出係数DB
24 設備DB
100 運用,設備条件変更手段
140 CCP設定手段
150 管理基準設定手段

Claims (8)

  1. 水道又は下水道に係る施設及びその設備の運用,維持管理および更新を支援する設備管理支援システムであって、前記設備から排出する環境負荷の排出量を算出する環境負荷算出手段と、危害に前記環境負荷の排出量を含み、前記設備の考慮するべき危害の重篤度を設定する重篤度設定手段と、前記設備の危害の発生頻度を算出する発生頻度設定手段と、前記重篤度と前記発生頻度から該危害のリスクを算出するリスク算出手段と、管理するべき工程の候補を提示する重要管理点設定支援手段と、前記設備の運用,維持管理,更新にあたり考慮するべき危害を制約条件として、前記設備の運転データ又は水質データに基づいて、管理するべき指標の推奨指標及び指標の管理基準の推奨値を提示する管理基準設定支援手段とを備えた設備管理支援システム。
  2. 施設から取込んだ運転データ,計測データ,排出係数DB及び設備DBに記憶されている環境負荷の排出係数及び設備データから施設の処理プロセス毎の環境負荷量を算出する環境負荷算出手段と、該環境負荷算出手段で算出された前記環境負荷量,環境負荷も危害として含んだ危害DB及び水質DBに記憶されている危害データ及び水質データから、各危害について重篤度を設定する重篤度設定手段及び各危害について発生頻度を算出する発生頻度設定手段と、前記重篤度設定手段により設定された重篤度及び前記発生頻度設定手段により算出された発生頻度から各危害のリスクを算出するリスク算出手段と、前記水質DBの水質データから各危害の重みを設定し、該重みと前記算出されたリスクから各危害のリスクランクを算出して有効なCCP候補を選出する管理基準設定支援手段とを備えた設備管理支援システム。
  3. 前記設備の仕様および運用データ,危害の種類および重篤度データ,運転条件と該運転条件に対する水質データ、該設備からの環境負荷の排出係数データをデータベースに格納し、前記管理基準設定支援手段が、これらのデータから該危害のリスクランクを算出し、表示手段が前記リスクランクと管理するべき指標と、該指標の管理基準を表示する請求項1に記載の設備管理支援システム。
  4. 前記運転条件又は設備仕様を変更する場合、過去の運用データおよび水質データを用いて変更後の水質を予想し、その予想結果と管理基準とを比較し、前記管理基準を満たすように、運転条件と設備仕様の変更方法を算出する運転条件,設備変更手段と、前記算出された変更方法を表示する表示手段とを備えた請求項1に記載の設備管理支援システム。
  5. 前記運転条件,設備変更手段は、前記環境負荷量が低減されるように、運転条件と設備仕様の変更方法を算出する請求項4に記載の設備管理支援システム。
  6. 前記環境負荷算出手段が、水処理工程で除去された1種類以上の除去対象物質の累積量を算出し、前記環境負荷の排出量を前記除去対象物質の累積量で除した規格化値を前記環境負荷量として提示し、該規格化値を表示する表示手段を備えた請求項1から5のいずれかに記載の設備管理支援システム。
  7. 該環境負荷が複数の原因物質に由来し、前記管理基準設定支援手段が、設備の運用,維持管理,更新にあたり考慮するべき危害として、前記環境負荷として原因物質毎の環境負荷を設定する請求項1から5のいずれかに記載の設備管理支援システム。
  8. 前記管理基準設定支援手段が、前記入力手段から入力された設定値及び前記リスクランクに基づいて、管理するべき指標を選択し、前記管理基準値を算出する管理基準設定手段を備えた請求項1から5のいずれかに記載の設備管理支援システム。
JP2009148187A 2009-06-23 2009-06-23 設備管理支援システム Pending JP2011008305A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009148187A JP2011008305A (ja) 2009-06-23 2009-06-23 設備管理支援システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009148187A JP2011008305A (ja) 2009-06-23 2009-06-23 設備管理支援システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011008305A true JP2011008305A (ja) 2011-01-13

Family

ID=43564944

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009148187A Pending JP2011008305A (ja) 2009-06-23 2009-06-23 設備管理支援システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011008305A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015118593A (ja) * 2013-12-19 2015-06-25 トヨタ自動車株式会社 設計方針導出装置および設計方針導出方法
JP2018111977A (ja) * 2017-01-11 2018-07-19 株式会社日立製作所 下水道設備の監視制御装置及び下水ポンプ場の運転制御方法
CN112581338A (zh) * 2020-12-09 2021-03-30 浙江清华长三角研究院 一种基于多维度分析的农村污水处理设施的水质监管方法及监管系统

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11338851A (ja) * 1998-05-29 1999-12-10 Sony Corp 環境影響評価方法、環境影響評価装置および環境影響評価プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP2002320958A (ja) * 2001-04-27 2002-11-05 Yaskawa Electric Corp 運転支援システム
JP2003099601A (ja) * 2001-09-25 2003-04-04 Ricoh Co Ltd リスクマネジメント方法、リスクマネジメント支援装置、および、プログラム
JP2003256554A (ja) * 2002-03-06 2003-09-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd 環境影響評価システム
JP2004126843A (ja) * 2002-10-01 2004-04-22 Felco:Kk 水処理施設における二酸化炭素排出量算出システムおよび方法
JP2006021085A (ja) * 2004-07-06 2006-01-26 Hitachi Ltd 下水処理運転支援装置、下水処理運転支援システム、下水処理運転支援方法および下水処理運転支援プログラム
JP2006223951A (ja) * 2005-02-15 2006-08-31 Hitachi Ltd 水道水の水質管理方法及び水質管理システム
JP2006350542A (ja) * 2005-06-14 2006-12-28 Hitachi Ltd 省エネルギ配水支援システム
JP2007156653A (ja) * 2005-12-01 2007-06-21 Kurita Water Ind Ltd 水処理プラントの運転管理方法および装置

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11338851A (ja) * 1998-05-29 1999-12-10 Sony Corp 環境影響評価方法、環境影響評価装置および環境影響評価プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP2002320958A (ja) * 2001-04-27 2002-11-05 Yaskawa Electric Corp 運転支援システム
JP2003099601A (ja) * 2001-09-25 2003-04-04 Ricoh Co Ltd リスクマネジメント方法、リスクマネジメント支援装置、および、プログラム
JP2003256554A (ja) * 2002-03-06 2003-09-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd 環境影響評価システム
JP2004126843A (ja) * 2002-10-01 2004-04-22 Felco:Kk 水処理施設における二酸化炭素排出量算出システムおよび方法
JP2006021085A (ja) * 2004-07-06 2006-01-26 Hitachi Ltd 下水処理運転支援装置、下水処理運転支援システム、下水処理運転支援方法および下水処理運転支援プログラム
JP2006223951A (ja) * 2005-02-15 2006-08-31 Hitachi Ltd 水道水の水質管理方法及び水質管理システム
JP2006350542A (ja) * 2005-06-14 2006-12-28 Hitachi Ltd 省エネルギ配水支援システム
JP2007156653A (ja) * 2005-12-01 2007-06-21 Kurita Water Ind Ltd 水処理プラントの運転管理方法および装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015118593A (ja) * 2013-12-19 2015-06-25 トヨタ自動車株式会社 設計方針導出装置および設計方針導出方法
JP2018111977A (ja) * 2017-01-11 2018-07-19 株式会社日立製作所 下水道設備の監視制御装置及び下水ポンプ場の運転制御方法
WO2018131303A1 (ja) * 2017-01-11 2018-07-19 株式会社日立製作所 下水道設備の監視制御装置及び下水ポンプ場の運転制御方法
CN112581338A (zh) * 2020-12-09 2021-03-30 浙江清华长三角研究院 一种基于多维度分析的农村污水处理设施的水质监管方法及监管系统
CN112581338B (zh) * 2020-12-09 2022-08-19 浙江清华长三角研究院 一种基于多维度分析的农村污水处理设施的水质监管方法及监管系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4764353B2 (ja) 設備更新計画支援システム
Longo et al. Monitoring and diagnosis of energy consumption in wastewater treatment plants. A state of the art and proposals for improvement
Cordoba et al. Using artificial neural network models to assess water quality in water distribution networks
JP4906788B2 (ja) 上下水処理場の監視制御システム
US20180327292A1 (en) System and method for wastewater treatment process control
Xie et al. An inexact chance-constrained programming model for water quality management in Binhai New Area of Tianjin, China
JP2009048384A (ja) 設備管理支援システム
KR100455654B1 (ko) 부유물질 농도 분석기와 소프트웨어 센서기술을 이용한수처리시설 방류수 유기물질농도 예측시스템
CN103018416B (zh) 供水管网水质在线监测、预测方法
JP2007229550A (ja) 下水処理場運転支援装置
JP2008059144A (ja) 運転評価システム
CN104848885A (zh) 一种对设备未来故障时间点进行预测的方法
Cherchi et al. Investigation of cost and energy optimization of drinking water distribution systems
JP6619206B2 (ja) 水道施設の維持管理支援装置及びそれを有する監視制御システム
Wu et al. LCA of an industrial luminaire using product environmental footprint method
CN101759236B (zh) 一种工业园区点源污染物的调控方法
JP2011008305A (ja) 設備管理支援システム
JP4010514B2 (ja) 水道水の水質管理方法及び水質管理システム
Guan et al. Optimization model and algorithms for design of water sensor placement in water distribution systems
Ba-Alawi et al. Process assessment of a full-scale wastewater treatment plant using reliability, resilience, and econo-socio-environmental analyses (R2ESE)
JP2003245653A (ja) 処理装置の運転支援方法、水処理装置の運転支援方法及びその装置
US11370679B2 (en) Method for predicting discharge level of effluent from decentralized sewage treatment facilities
Beelen et al. A probabilistic approach to the quantification of methane generation in sewer networks
Karamouz et al. Risk Based Conflict Resolution Model for River Water Quality Management
KR101699381B1 (ko) 하수처리장 자산관리 시스템

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110620

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121011

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121023

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130326