JP2006223951A - 水道水の水質管理方法及び水質管理システム - Google Patents

水道水の水質管理方法及び水質管理システム Download PDF

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Abstract

【課題】 水道の水質管理に食品製造の衛生管理で用いられるHACCP手法を適用する際、食品での標準的な導入方法に、水道の特徴や浄水場固有の情報を反映した形で重要管理点の設定を行うことで、水道に適した、より高度な管理が可能となる水質管理システムを提供する。
【解決手段】 HACCPシステム100が、危害DB11と水質DB12のデータを用いて、重篤度設定手段21と発生頻度設定手段22によりそれぞれ重篤度と発生頻度を設定し、リスク算出手段23によりリスクを算出し、さらに、重要管理点設定支援手段24においてリスクから得られる危害の優先順位に従って重要管理点候補を抽出し、水質管理者が重要管理点を設定すること及び上水道施設200における水質管理をすることを支援する。
【選択図】 図2

Description

本発明は浄水場の水質管理に係り、特にHACCP(Hazard Analysis Critical Control Point:危害分析及び重要管理点手法)の概念に基づき管理を行う場合に、水道事業体や水質管理者がHACCP導入の際に行う必要がある危害分析及び重要管理点(Critical Control Point、以下CCPと記述)設定を支援する方法及びCCP設定を支援する機能を有する水質管理方法及び水質管理システムに関する。
近年、食品の安全性の管理が重要となっており、検査体制の強化や、食品の産地を表示するなどの情報公開がなされている。水道は重要なライフラインの一つであり、水道の安全性を常に維持管理するのが水道事業体の責務である。水道においては安全・安心な水や、おいしい水に対する需要家の要求があり、各地の浄水場では活性炭やオゾンなどを用いた高度処理がなされている。しかし、水源水質が悪化傾向にあると同時に、油の流出やアンモニア性窒素流入などの水質事故は毎年一定件数発生している。
一方、国内では市町村合併及び水道事業への補助金削減の流れから、複数の水道事業体の統合・広域化の議論が行われている。水道事業の広域化に伴い、維持管理のための人員削減や外部への委託がなされると予想される。このような状況において、一定以上の水質管理レベルを合理的に維持するための管理手法が求められている。
水道システムの水質管理方法の従来例としては、特許文献1がある。ここでは、中央監視センターを設け、複数の水道事業体を対象として、水源、浄水場、配水施設の水質をモニターし、これらの情報を元に水質管理することとしている。管理のための計測項目としては、水源で油、濁度、有害物(バイオアッセイ)、浄水場でプロセスデータ、濁度、配水施設で残塩、濁度、色度などである。この方法により、管理が一元化され、各事業体における水質管理の精度を向上させることができるとしている。
一方、このような管理手法とは異なる衛生管理手法として、食品製造における衛生管理手法であるHACCPを水道に適用しようとする動きがある。HACCPは食品衛生管理のグローバルスタンダードとしてその有用性が認められているが、国内において水質管理への適用はなされていない。
HACCPの導入は、(1)危害分析、(2)CCPの設定、(3)CL(Critical Limit、管理基準)の設定、(4)モニタリング方法の設定、(5)改善措置の設定、(6)検証方法の設定、(7)記録の維持管理の順で行うのが標準的である。CCPは食品製造における衛生管理上特に重点的に管理を行う必要がある工程である。製造時はCCPを連続的、または相当な頻度でモニタリングし、記録する。
このように食品製造におけるHACCPの導入手順は確立されているが、さらに効率的な導入のために、特許文献2において食品衛生管理支援装置が提案されている。ここでは、食品製造施設をHACCP対応施設として構築するための支援を目的として、施設基準、製造品目、製造工程、設備の各データを用いて施設システム図を作成したり、製造品目、HACCPシステム図、CCP選定基準などを用いて、CCPとして管理すべきポイントを決定する。
特開2002−11460号公報(段落0013〜0025、図1、図2) 特開2002−191297号公報(段落0014〜0017、図3)
特許文献1では、濁度、油、農薬、クリプトスポリジウムなどの検査、モニタリングについて記載されているが、水道において水質項目として管理する必要がある項目は200項目以上ある。しかも、全国の各浄水場によって水源・水系が異なるため、環境中から原水に混入する物質や生物、また、工場や下水処理場などの施設から排出され原水を汚染する物質・生物はそれぞれの浄水場で異なる。したがって、各浄水場において設備の整備を行う際、浄水場毎に対象とする水質項目の優先順位を設定する必要があるが、特許文献1にあるシステムでは監視対象の選定を対象としていない。
例えば、水質管理者の経験などにより選定する場合は、定量的な判断基準でないため、各浄水場の危害発生の特徴に対して必ずしも適切な監視体制・設備が構築されない可能性がある。そのため、特許文献1のシステムでは必ずしも適切に危害を網羅して水質管理がなされるわけではないという問題があった。
一方、特許文献2に記載の従来技術では、食品を対象として、製造品目毎のHACCP方式におけるCCP選定基準に基づいて、CCPとして管理するべきポイントを決定している。しかし、水道においては、原水水質が各浄水場で異なるため、食品のように製造品目が決まれば管理対象となる危害が決定できるわけではないという問題がある。
本発明が解決するべき課題は、各浄水場にHACCPを導入する際に、水道における特徴である、原水水質の差異及び変動、水質項目の多様性及び供給の連続性を事前に考慮し、適切にCCP候補設定を行うことができる支援システムを提供することである。
前記の問題点を解決するために、本発明では、水道の水質管理方法であって、過去の計測データを解析対象として、水道水の摂取または利用において考慮する必要がある危害の重篤度を設定し、水質管理を行う対象とする上水道施設における危害の発生頻度を算出し、重篤度と発生頻度から危害のリスクを算出し、リスクを用いて重要管理点候補を設定する危害の優先順位を決定し、優先順位に従って重要管理点候補を列挙する水道の水質管理方法及び水道の水質管理方法を備え、データ入力手段、表示手段、データベース及び解析システムから構成される水道の水質管理システムを構成する。
このような構成によれば、水道の水質管理及び上水道施設における危害を分析し、重要管理点候補を列挙することができる。
本発明によれば、水道の水質管理にHACCP手法を導入することにより水質管理の高度化が図れるだけでなく、危害分析でCCP候補設定の対象となる危害を適切に優先順位付けすることで、管理体制・設備を過不足なく設定し、水質の管理ができる。
図1は、本実施形態における水道におけるHACCPシステム100の最も基本的な構成を示す図である。本実施形態におけるHACCPシステム100は、予め集めた水質検査結果情報などを利用して、HACCPにおいて必要な(1)危害分析、(2)CCPの設定、(3)CL(Critical Limit、管理基準)の設定、(4)モニタリング方法の設定、(5)改善措置の設定、(6)検証方法の設定、(7)記録の維持管理の7つの手順のうち、(1)危害分析及び(2)CCPの設定を重点的に支援するシステムであるが、加えて、(7)記録の維持管理についても省力化を可能にする。そして、図1に示す構成を基本にして必要な拡張を行えば、HACCP手法に対応した様々な実施形態をとることが可能である。
図1では、本実施形態におけるHACCPシステム100の基本構成を示す。HACCPシステム100は、データ入力手段1と表示手段2とデータベース10と解析システム20から構成される。データ入力手段1は、HACCPシステム100において、データベース10などに必要な情報を入力するために用いるもので、通常の計算機のキーボードなどを用いても構成できる。表示手段2は、データベース10の内容に基づいて危害分析を行った結果やCCP候補を水道の水質管理者などに知らせるためのもので、通常の計算機システムのディスプレイなどで構成することもできる。
データベース10は、実施形態に応じて必要な情報を収納することができるもので、HACCPシステム100のそれぞれの実施形態において、データベース10に収容するデータベースの種類が変わる。たとえば、HACCPシステム100において、危害分析やCCP設定支援を行うためには、データベース10に、危害情報やCCP候補になるような浄水設備についての情報などを含んでいることが望ましい。データベース10に含まれる具体的なデータベースの内容については、後記するそれぞれの実施形態例の説明の中で述べる。
解析システム20は、実施形態に応じて必要な解析手段を備え、CPU(Central Processing Unit:中央演算装置、図示せず)やメモリ(図示せず)などを含む通常の計算機によって構成できる。HACCPシステム100において、危害分析やCCP設定支援を行うためには、解析システム20は、例えば危害分析を行うための解析手段やCCP設定のための支援手段を含んでいることが望ましい。
水道の水質管理に対してHACCPの手法を適用するためには、前記したように従来技術にあったような食品製造に対するHACCPの適用と同様のやり方では必ずしも充分に対応できない。背景技術の説明でも述べたように、水道の水質管理においては、水道における特徴である、原水水質の差異及び変動、供給の連続性及び水質項目の多様性に対応できなければならない。
また、水道は浄水を連続して供給することが原則なので、設備の故障などにより断水にならないように設備を維持管理することも重要な課題であり、このような設備の故障や維持管理に備える対応も含めて解析システム20が対応する。具体的には、図3や図4におけるファクター算出手段25や図4における故障情報DB14(故障情報データベース、以後、DBと表記したものは「データベース」を表す)及び点検・メンテナンスDB19を備えて、上水道施設200の故障やメンテナンス状況を管理し、定期的な危害分析及びCCPの設定ないしは水のトレーサビリティ取得に用いることができるデータを保存する。
水道の水質は、100以上の項目によって管理されているが、これらの項目の情報は取水する原水の水質に応じて連続的に変化する。このため、データベース10において水質の変化を記録及び管理できる構成をとる。この必要からも、HACCPシステム100は、前記上水道施設200と解析システム20及びデータベース10が何らかの形で連動する構成をとる。
本実施形態では、水道の特質へ対応した上で、HACCP方式を導入することが可能となる。後記する実施形態例は、新規に建設される上水道施設に加えて、既に稼動中の上水道施設に対してもHACCPの方式を新規に適用することを前提として説明する。これ以後、データベース10と解析システム20についてより具体的に示したHACCPシステム100の実施形態例を3つ示す。
<<実施形態例1>>
図2は、本実施形態例における、水道におけるHACCPシステム100における機能ブロック図である。本実施形態例は、比較的小規模な水道事業体でも運用できるような比較的簡易な構成の例である。本実施形態例によるHACCPシステム100は、データ入力手段1、表示手段2、データベース10及び解析システム20から構成される。データベース10は、危害DB11、水質DB12を備え、解析システム20は、重篤度設定手段21、発生頻度設定手段22、リスク算出手段23及びCCP設定支援手段24を含んで構成される。
〔データベースの構成〕
危害DB11は水道において発生する可能性がある危害及び危害原因物質について、項目、危害の重篤度、基準値が記録されている。項目としては、例えば病原菌、クリプトスポリジウムなど健康被害を生じさせる生物学的要因、各種重金属や有機物など化学的要因、異物の混入など物理的要因がある。通常の食品のHACCPにおいては危害として健康被害を考慮するが、水道においてはこれ以外に、水質基準項目の設定根拠になっている着色や異臭味などの利水障害、浄水プロセスの障害となり需要家への供給量に影響を与える処理障害についても危害として取り扱い、危害DB11に含める。危害DB11に含まれる項目の例を表1に示す。
Figure 2006223951
なお、危害DB11に含まれる項目は浄水場ごとにその事情を反映して調整する必要があり、実際には前記の表1に示された例よりはるかに多数のデータを利用するので、データベース10による管理が望ましい。
危害の重篤度は、ある危害原因物質により危害が生じた場合の影響に応じて定量的に設定する。例えば、発ガン性物質や急性毒性など致死が想定されるものは高く、ある種の農薬のように普通物として扱われるものは重篤度を低く設定する。本実施形態例においては、危害の重篤度は、例えば後記する重篤度の基準に従って5段階にランク分けして記録する。そして、基準値は、水質管理上の基準となる濃度などを表し、これを逸脱すると異常(非定常状態)と判断されるものである。危害の発生頻度は、本実施形態例では水質DB12の情報をもとに5段階にランク分けを行っている。
基準値は、ある危害が発生した、またはある確率で危害が生じる可能性が生じたことを判断する値である。危害原因物質の濃度により設定するが、水質基準値、半数致死量、各種のガイドラインでの設定値などから設定する。
水質DB12には過去に測定された原水、浄水などの水質試験結果が記録されている。このデータベースに含まれている項目をまとめたものを表2に示す。
Figure 2006223951
水質DB12には、上水道施設の運用開始前又は運用中に行われる水質検査の結果を随時記録していき、定期的な危害分析やCCP設定などに必要なデータを集積し、保存しておく。
〔解析システムの解析手段〕
重篤度設定手段21では、危害DB11のデータを参照して、人に及ぼす危害の重篤度を5段階のランクに分類する。重篤度のランクは例えば図5に示すように、(1)影響なし又は検出不能、(2)少数に危害を与える、(3)多数に危害を与える、(4)少数が致死、(5)多数が致死とすることができる。本実施形態例では、この5段階の重篤度のランクを利用し、リスクの算出などに用いる。リスクの算出に際しては、それぞれのランクについて計算用の値を設定する。本実施形態例においては、前記の5段階のランクに対して、仮に重篤度の低いものから順に1から5の数値を割り当てて説明している。
発生頻度設定手段22は、水質DB12の水質検査データと危害DB11の基準値を比較し、ある一定以上のレベルに達した測定回数または期間の回数を算出し、さらに、年間の危害の発生頻度などの必要な頻度情報を算出する。そして、必要な場合には、この頻度情報に対応する頻度ランクを設定する。頻度ランクとしては例えば図5に示すように5段階に設定し、(1)1回/5年、(2)1回/年、(3)1回/月、(4)1回/週、(5)1回/日とすることができる。
リスク算出手段23は、リスクを算出する。本実施形態例では、重篤度と発生頻度の積((重篤度)×(発生頻度))を、対象とする浄水場におけるこの危害原因物質による危害のリスクとする。
CCP設定支援手段24は、一定のリスク以上の項目について、リスクの高い順にCCP候補を設定する。CCP候補は対象とする危害原因物質の除去性能が高い工程とこれに関連する工程を選択する。そして、このCCP候補を表示手段2によって、水道の水質管理者に提示し、CCP候補をCCPに設定するかどうかの決定を支援する。水道の水質管理者は、CCP候補をCCPに設定するか否かをデータ入力手段1によって入力する。
なお、データ入力手段1は、これ以外にも、危害DB11、水質DB12へのデータ入力を行う際に用いる。また、表示手段2は、危害DB11、水質DB12の内容や各危害のリスク及びCCP候補などを表示する際にも用いる。
図2におけるCCP設定の例では、危害に対するCCP205を浄水場202(図2の例では浄水場202のB工程)に設定し、CCPでのモニタリング情報をHACCPシステム100にて記録・保管している。この例では、原水に対する浄水処理工程の2番目のB工程が問題となっている危害物質に対する除去効果が高いため、過去に行われた危害分析とCCP設定においてCCP設定支援手段24によってCCP候補として挙げられた工程(図2の例ではB工程)を管理者がCCPとして設定した状態を表している。このような設定状態においては、水質DB12にCCPにおけるモニタリングの結果が記録される。そして、この結果の情報は、次回の危害分析やCCP設定の際に利用される。
本実施形態例では、危害の発生頻度の算出に水質検査データを用いたが、この他にも、例えば機器の故障による危害物質除去性能への影響を考慮して、故障頻度を危害の発生頻度に加えることもできる。
<<実施形態例2>>
実施形態例1では、基本的な機能のみでHACCPシステム100を構成した例を示したが、本実施形態例では、より詳細な解析が可能になる構成を示す。図3は、本実施形態例によるHACCPシステム100における機能ブロック図である。本実施形態例では、実施形態例1と同様に、HACCPシステム100をデータ入力手段1、表示手段2、データベース10、解析システム20から構成する。データベース10は、危害DB11、水質DB12に加えてファクター情報DB13を備える。解析システム20は、重篤度設定手段21、発生頻度設定手段22、リスク算出手段23、CCP設定支援手段24に加えてファクター算出手段25で構成する。
〔データベースの構成〕
危害DB11及び水質DB12は実施形態例1と同じなので説明を省略する。
ファクター情報DB13には、水道の特徴をCCP候補設定に反映するため、需要家のリスクを高める可能性や、危害としての需要家の認識などに関する情報を記録する。例えば、機器の故障情報や機器の寿命予測、水源への有害物質の排出量データや、需要家からの水質・水量に関する苦情・問い合わせの情報、PI(Performance Indicator;業務指標)などがある。これらの情報から、ファクター算出手段25において機器故障による危害原因物質除去不良による危害発生の可能性や、有害物質の排出による原水汚染のポテンシャル増加の可能性などをファクターとして算出する。
〔解析システムの解析手段〕
実施形態例2における解析手段のうち、重篤度設定手段21、発生頻度設定手段22及びリスク算出手段23は、実施形態例1と同じなので説明を省略する。CCP設定支援手段24についても、同様の機能を持っているが、実施形態例2で新たに加わったファクター算出手段25からの情報も扱うので、実施形態例1とは異なる機能について説明する。
ファクター算出手段25は、ファクター情報DB13の情報を用いて各危害原因物質のリスクへ適用するファクターを算出する。ファクターとして考慮する項目は前述の機器故障、有害物質排出量、需要家からの苦情・問い合わせなどを単独で用いても複数考慮してもいずれでもよい。例えば、機器故障を考慮する場合、ファクター情報DB13には各機器の故障頻度と故障した場合に処理に影響が生じる操作及び影響の度合いを記録しておく。これらの情報を用い、各機器に対して、故障発生頻度の算出及び各危害原因物質への影響度の抽出を行う。さらに、これらの指標を表す値としてファクターを算出する。
CCP設定支援手段24は、まず、リスク算出手段23とファクター算出手段25からそれぞれ得られるリスクとファクターを用いて評価指標を算出する。評価指標をリスクレベルと呼ぶ。リスクレベルは例えば(1)式乃至(3)式のような関数で表すことができる。
Figure 2006223951
ここで、RLをリスクレベル、Rをリスク、Fnをn番目の項目に関するファクターとする。
ファクターの算出に(1)式を用いる場合としては、同種の複数の要因が危害発生に影響する場合がある。例えば、水中浮遊物の凝集処理に関連する機器として、凝集剤注入ポンプやフロッキュレータがある。これらのそれぞれの故障によるファクターFiが得られるが、最終的なリスクレベルRLを計算するためのファクターを算出する際には、全機器のファクターFiの平均値を用いればよい。
ファクターとして(2)式を用いるケースとしては、異なる種類の情報を用いてそれぞれファクターを算出して、それらの複数のファクターから全体的なファクターを求める場合がある。例えば、機器故障による危害発生への影響と、需要家の苦情による危害発生はそれぞれ異なる種類の情報から得られる個別のファクターである。これらのファクターをともに考慮して最終的なファクターを算出する際には、(2)式に示すようなファクターの積を用いる。
その他にも、様々な形の式が考えられるが、(1)式に類似した場合で、全ての機器のファクターFiの平均値が問題になるのではなく、そのFiの中で最大が問題になる場合がある。たとえば、連続する複数の工程のうちで最も故障頻度が高い工程があれば、その最大の故障頻度が全体の故障頻度に大きく影響する。このような場合には、平均ではなく(3)式を用いて最大を求めることもできる。
実施形態例2では、前記のような構成において、実施形態例1と同様に、浄水場202に設定されたCCPでのモニタリング情報をHACCPシステム100にて記録・保管する。
<<実施形態例3>>
前記した実施形態例1及び実施形態例2は、実際の浄水場にHACCPを適用するための枠組みを示しているが、本実施形態例では、さらに詳細な解析を行うための手段を具体化した実施形態例を示す。
図4は本実施形態例によるHACCPシステム100における機能ブロック図である。本実施形態例によるHACCPシステム100も、データ入力手段1、表示手段2、データベース10及び解析システム20を有する構成をとっている。データベース10は、危害DB11、水質DB12、故障情報DB14、需要家情報DB15、PRTRDB16、除去性能DB17、プロセスDB18及び点検・メンテナンスDB19を備える。また、解析システム20は、重篤度設定手段21、発生頻度設定手段22、リスク算出手段23、CCP設定支援手段24、ファクター算出手段25及び危害原因物質濃度算出手段26を含んで構成される。
〔データベースの構成〕
本実施形態例においては、実施形態例2においてファクター情報DB13が担っていた役割を専門化した多くの種類のデータベースとして再構成して、大量のデータを効率よく扱えるようにした。本実施形態例においてデータベース10に収められている各データベース及びそのデータベースに含まれる項目の一覧を表3に示す。
Figure 2006223951
表3に示すように、本実施形態例では、8種類のデータベースを利用する。それぞれのデータベースの含んでいる項目の数はまちまちであるが、少ないもので3項目、多いものでは8項目の項目を含む。なお、各データベースに含まれる項目は、より詳細に定義することもでき、表3に挙げた例に限定されない。
危害DB11及び水質DB12は実施形態例1及び実施形態例2と同じなので、説明を省略する。
故障情報DB14は、機器の故障情報として、故障年月日、故障機器名、停止期間などの情報に加え、各機器が故障した場合に影響が生じる工程及び影響度も格納する。機器故障による影響度は、A(影響大)、B(影響中)及びC(影響小)の3ランクに分類する。表3に示したとおり、故障情報DB14は、故障発生日、故障機器、稼動開始日、停止期間など、機器故障により影響が生じる工程、機器故障による影響度、発生頻度のランク分けのための閾値及び機器故障による重みを項目として含む。
需要家情報DB15は、需要家からの水質・水量に関する苦情・問い合わせの情報や、これらと各危害原因物質の関連の情報などを格納する。表3に示すように、本実施形態例において需要家情報DB15に収められている項目は、苦情内容、苦情発生日、苦情と危害原因物質との関連及び苦情割合のランク分けのための閾値である。なお、苦情と危害原因物質との関連は、ある危害が発生した場合に、各危害原因物質が寄与している程度を表す。寄与の割合は正確な値が得られればそれを用いるのが望ましいが、概略の値しか得られない場合は、5段階のランク((1)10%以下、(2)30%程度、(3)50%程度、(4)70%程度、(5)90%以上)に分類してもよい。
PRTRDB16は、水源への有害物質の排出量データとしてPRTR(Pollutant Release and Transfer Register:化学物質排出移動量届出)のデータを格納する。表3に示したように、PRTRDB16が含む項目は、事業所の所在地、排出先水系、排出化学物質及び排出量である。
除去性能DB17は、水道プロセスにおける単位処理工程での各危害原因物質の除去性能が記録されている。除去性能のデータとしては、文献値やHACCPの導入対象である浄水場における実測データの他、モデル計算によって得られる除去性能を用いることも可能である。除去性能DB17に収められている項目は、表3に示すとおり、除去の対象となる危害原因物質、処理工程、除去率(%)及び処理後の危害物質の濃度を基本とする。加えて、関連する処理工程及び処理工程組み合わせ時の除去率(%)を含めることも可能であり、本実施形態ではこれらも対象とする。ここでいう処理工程とは、例えば、凝集沈殿、急速ろ過、マンガン砂ろ過、オゾン処理などの個別の浄水処理工程を指す。
プロセスDB18には、HACCPの導入対象である浄水プロセスとその仕様の他、流量や凝集剤などの薬剤注入率といったプロセスデータ及び給排水系統を含めた上水道施設の施設・設備情報を記録する。プロセスDB18に収められている具体的な項目は、表3に示すとおり、処理工程、処理工程での添加薬剤、流量、水圧、薬剤注入率、計測日時、給配水管網(管路長、内径、材質を含む)及び各池の容量である。
点検・メンテナンスDB19には、各設備の点検・メンテナンス項目、実施の頻度などを記録する。表3に示すとおり、これらを設備・機器ごとにまとめて記録しておく。
〔解析システムの解析手段〕
本実施形態例においては、実施形態例2において解析システム20が備えた解析手段に加えて、新たに危害原因物質濃度算出手段26を備える。また、その他の解析手段についても、実施形態例2よりもデータベース10が細分化及び詳細化したことに伴って、若干の差異が生じている。
危害原因物質濃度算出手段26では、浄水処理や給水・配水処理過程において生成または減衰する危害原因物質濃度を評価する。浄水処理や給水・配水処理過程で生成する危害原因物質としては、水中の有機物と残留塩素が反応して生じる消毒副生成物や、臭化物イオンとオゾンの共存により生成する臭素酸の他、給水において鉛管から溶出する鉛などがある。これらについて、水道の水質管理者は危害の大きさを把握する必要がある。一方、減衰する危害原因物質としては、残留塩素が代表的で、残留塩素濃度の低下は臭気の低減になる。ただし、病原菌の不活化の効果も低下し、病原菌のリグロウスのポテンシャルを高めてしまうため、残留塩素については、減衰すればよいわけではない。危害原因物質濃度算出手段26では、水質DB12とプロセスDB18のデータを用いて、水質DB12に含まれる原水などの危害原因物質の濃度からプロセスDB18に含まれる処理手法のデータによって各処理工程での危害原因物質の濃度を追跡し、前記のような危害原因物質濃度を算出する。
重篤度設定手段21及び発生頻度設定手段22は、実施形態例1及び実施形態例2における重篤度設定手段21及び発生頻度設定手段22と同じであるので、ここでは説明を省略する。
リスク算出手段23も実施形態例1及び実施形態例2におけるリスク算出手段23と同様のリスクを計算する手段である。本実施形態例でも、重篤度と発生頻度の積((重篤度)×(発生頻度))を、対象とする浄水場におけるこの危害原因物質による危害のリスクとするが、リスクの算出に際して、本実施形態例では、前記危害原因物質濃度算出手段26によって求めた情報を反映する点が異なる。
本実施形態例におけるファクター算出手段25は、実施形態例2とは参照するデータベースが異なる。実施形態例2におけるファクター算出手段25は、ファクター情報DB13を参照していたが、本実施形態例におけるファクター算出手段25は、故障情報DB14、需要家情報DB15、PRTRDB16及び除去性能DB17の情報を用いて、各危害原因物質のリスクへ適用するファクターをそれぞれ算出する。
〔機器故障に関するファクター算出方法〕
図6に機器故障を考慮する場合のファクター算出フローを示す。まず、故障情報DB14のデータを用い、各機器の故障頻度を算出する(S101)。次に、故障頻度から図5に示すランクに対応するように5段階に発生頻度をランク分けする(S102)。一方、除去性能DB17(実施形態例2においては、ファクター情報DB13)から各機器が故障した際に影響が生じる危害原因物質を抽出(S103)し、危害DB11から抽出された危害原因物質への影響度(ランク)の抽出(S104)を行う。最後に、発生頻度のランクと影響度(ランク)の組み合わせに応じたファクターを設定する(S105)。
〔需要家の苦情などに関するファクター算出方法〕
図7に需要家の苦情・問い合わせを考慮する場合のファクター算出フローを示す。まず、需要家情報DB15(実施形態例2においては、ファクター情報DB13)のデータを用い、各苦情・問い合わせの発生割合を算出する(S201)。次に、苦情発生割合のランクを図5に示すランクに対応するようにランク分けする(S202)。一方、需要家情報DB15(実施形態例2においては、ファクター情報DB13)から各苦情・問い合わせに関連する危害原因物質(又は配管系統由来の危害であるか)を抽出し(S203)、抽出された危害原因物質による影響度(または影響度のランク)を危害DB11から抽出する(S204)。最後に、発生頻度のランクと影響度(または影響度のランク)の組合せに応じたファクターを設定する(S205)。
〔有害物質の排出量に関するファクター算出方法〕
図8に水源への有害物質の排出量データを考慮する場合のファクター算出フローを示す。ここでは、各有害物質の排出量、排出する事業所の所在地、排出先(河川、海洋など)がPRTRDB16に記録されているものとする。
まず、HACCP導入の対象としている浄水場の水系(支流を含む)と、取水口よりも上流にあり有害物質の排出が原水水質に影響を与える市町村を設定する(S301)。次に、PRTRDB16(実施形態例2にあってはファクター情報DB13)から、該当する地域の事業所から排出される有害物質と排出量を抽出し、有害物質毎に排出量を集計する(S302)。次に、集計した排出量と浄水場の年間取水量を用いて平均濃度を算出する(S303)。ここでの濃度算出には取水量を用いたが、河川流量やそれらの量の関数でもよい。最後に、危害DB11から各有害物質の濃度基準値を読み出し、S303で得た濃度との比を算出し、この値が該当するランクに応じたファクターを設定する(S304)。
本実施形態例では、ファクター算出に用いる有害物質の排出量に関するデータとして、年度毎の排出量として全国の都道府県を対象に年に1回の割合でデータが公開されているPRTRデータを用いることとしたが、PRTR以外にも、関連する流域を含む範囲での有害物質の排出量を調査し、ファクターの設定に用いることができる。
このようにリスク算出手段21とファクター算出手段22からそれぞれ得られるリスクとファクターを用いて、CCP設定支援手段24は、評価指標であるリスクレベルを算出する。リスクレベルは、その内容に応じて、前記した(1)式乃至(3)式などで計算できる。そして、一定のリスクレベル以上の項目について、リスクレベルの高い順にCCP候補とする。この際、対象とする危害原因物質の除去性能が高い工程とこれに関連する工程をCCP候補として選択する。
〔CCP候補の選択の動作〕
CCP候補の選択は、HACCPシステム100にとって、重要な機能である。この機能によって、水道事業についてHACCPの枠組みの利点を活用することができる。
浄水場におけるCCP候補の設定方法処理の大まかな流れについて図9に示す。CCP候補の設定は、取水レベル処理フローによるCCP候補設定(S401)から処理工程レベル処理フローによるCCP候補設定(S402)を経て保守レベル処理フローによるCCP候補設定(S403)への流れで行う。そして、それぞれのレベルでCCP候補を選択する。
〔取水レベルでのCCP候補設定〕
図10は、CCP設定支援手段において行われる取水レベルでの処理フローを示す説明図である。まず、過去において取水した原水についてのデータを取り出して、危害原因物質の濃度の変動が設定した基準より大きいか否かを調べる(S501)。この結果、基準の範囲内に収まっている場合(S501のNo)、取水レベルでは特に対処の必要はないので、処理工程レベルへ処理を移す(S506)。基準を超えた変動があった場合は(S501のYes)、さらに、その変動が突発的なものであるか否か、すなわち、水質事故にあたるようなものか否か、を管理者に確認することによって調べる(S502)。この確認はデータ入力手段1及び表示手段2を用いて行う。
この結果、突発的な水質事故にあたるものだと判断された場合(S502のYes)、取水段階をCCP候補に設定して、水質管理者にCCP候補として通知し、さらに濃度上昇の予測手段を確保する(S503)。この濃度上昇の予測手段は、水質管理者による汚染の情報入手及び新規のモニタリング手段の確保などである。そして、この処置の終了後は処理工程レベルへ処理を移す(S506)。
S502において、水質事故に該当するようなものではないと判断された場合(S502のNo)、その危害原因物質の濃度の変動幅が浄水施設の許容範囲内にあるかどうかを調べる(S504)。その結果、許容範囲内にある場合(S504のYes)、処理工程レベルへ処理を移す(S506)。許容範囲内にない場合(S504のNo)、浄水場内の処理工程の変更及び機器の追加を行う(S505)。これらの処置が終われば、次の処理工程レベルへと処理を移す(S506)。なお、CCP候補が設定された場合には、その原因となった危害の情報を処理工程のレベルの処理へ伝達する。
〔処理工程レベルでのCCP候補設定〕
図11は、CCP設定支援手段において行われる処理工程レベルでの処理フローを示す説明図である。処理工程レベルでの処理は、図11に示すように、取水レベルでの前記危害の情報を受け取って処理を行う。
処理工程レベルでは、はじめに、取水レベルフロー実行時に生成した危害情報を元に、取水レベルからの危害情報の危害のリストを作る(S601)。そして、この危害のリストの中から1つを選んで分析対象とし、その選んだ危害をリストから除く(S602)。
そして、その危害の影響を解析する対象となる浄水場の全ての処理工程のリストを管理者の入力によって作り、これを記憶する(S603)。このとき、たとえば、食品におけるHACCPの導入時と同様に、図13の例に示す浄水場の処理工程の工程フローを作成しておいて、この工程フローのデータ中の処理工程を用いてもよい。そして、この浄水場の処理工程のリストから前の工程から順に1つを選び、その工程を分析対象として、工程のリストから除く(S604)。
次に、この時点で分析対象になっている危害が、この時点で対象になっている処理工程によって前記危害を許容レベル以下にまで低下させられるものであるかどうかを調べる(S605)。なお、本実施形態例では判断の根拠としては、除去性能DB17から該当する工程及び危害原因物質に対する除去性能を取り込み、一定の基準値、例えば95%以上の除去率が得られる工程であれば、その工程は対象危害を許容レベル以下にまで低下させることができるものと判定する。
ステップS605の判定の結果、対象危害を許容レベル以下にまで低下させることができるものである場合(S605のYes)、その工程をCCP候補にして(S610)、ステップS607に処理を進める。ステップS605において、対象危害を許容レベル以下にまで低下させることができないものである場合(S605のNo)、さらに、除去性能DB17に他の工程と組合せて、許容レベルに低下させる記載があるか否かを調べる(S606)。例えば、凝集剤注入工程(図13の攪拌池303及びフロッキュレータ304)、沈殿工程(図13の薬品沈殿池305)及びろ過工程(図13の急速ろ過池306)のような組み合わせは、許容レベルまで濁度を下げる効果がある。そして、除去性能DB17に組合せて許容レベルに低下させる記載がある場合は(S606のYes)、その工程をCCP候補にして(S610)、ステップS607に処理を進める。そのような記載がなかった場合は(S606のNo)、そのままステップS607の処理に進む。
そして、ステップS607では、工程のリストは空か否かを調べて、まだ分析すべき工程があれば(S607のNo)、ステップS604から次の工程について同様にCCP候補であるかどうかを調べる。対象となっている危害について、全ての工程や処理を調べ終わって、工程や処理のリストが空の場合(S607)、危害のリストは空か否かを調べて(S608)、まだ分析すべき危害がリストに残っている場合(S608のNo)、ステップS602から再び分析を続行する。危害のリストに分析すべき危害が残っていない場合(S608のYes)、CCP候補を出力して(S609)、浄水場の処理工程における問題の所在を管理者に通知し、終了する。
〔保守レベルでのCCP候補設定〕
図12はCCP設定支援手段において行われる保守レベルでの処理フローを示す説明図である。保守レベルにおけるCCP候補設定の処理では、まず、故障情報DB14から機器故障により影響が生じる工程の情報を検索して、その工程に関連する機器のリストを作成する(S701)。そして、S701で作った機器のリストから1つを選んで分析対象とし、これをリストから除く(S702)。
そして、その機器について、故障の頻度が設定した基準より高いか否かを調べる(S703)。その結果、基準より故障頻度が低い場合は(S703のNo)、障害とならないので、ステップS707から分析を続行する。基準より故障頻度が高い場合は、次に故障による処理性能の低下の度合いが基準より大きいか否かを調べる(S704)。
その結果、基準より処理性能が低下しない場合は(S704のNo)、やはり障害とならないので、ステップS707から分析を続行する。基準よりも処理性能が低下する場合は(S704のYes)、表示手段2及びデータ入力手段1を介して水質管理者に問うことで、機器の交換を行うか否かを判定する(S705)。このやり取りの結果、機器の交換を行う場合(S705のYes)、問題は回避されるので、ステップS707から分析を続行する。この機器を交換しない場合(S705のNo)、表示手段2を介して水質管理者に機器の保守頻度を上げるように決定を促す表示を行い、かつ、その機器の点検・保守をCCP候補にする(S706)。ここまでの過程で、一つの機器に対応する分析が終了する。
その後、分析対象となる機器のリストを調べて(S707)、まだリストに対象となる機器がある場合は(S707のNo)、S702から処理を繰り返す。対象とする工程に関連する機器ついての分析が終了し、リストが空の場合は(S707のYes)、ここまでに判明したCCP候補を出力し(S708)、処理を終了する。
〔浄水場施設における工程フローの作成支援〕
ここでは、浄水場施設における工程フローの作成支援を行う場合の作成支援例を示し、この説明に伴って、第3の実施形態例においてCCP候補を設定した結果の例を示す。浄水場設備に対してHACCPの枠組みを適用するには、図13の例に示すような浄水場施設における工程フローなどを作成することが有用である。このような工程フローを示す図自体は、通常の作図のためのツール(CAD)などによって作成することも可能であるが、例えば本実施形態のHACCPシステム100に工程フローを入力する手段を備えることもできる。このような構成をとれば、工程フローのデータをデータベースに貯蔵して、各種の分析に用いることが可能となる。
図13の例は、ある水道事業体が公表している浄水場の工程の情報を元に作成した工程フローの例である。図13に示すとおり、原水300、凝集剤320、塩素剤(次亜塩素酸ナトリウム)330、オゾン340及び塩素剤(塩素ガス)350を原材料として、浄水及び浄水汚泥が生じるまでのプロセスが網羅されている。
図13の例で取り上げた浄水場では、まず、原水300を取水施設301から取り入れて、着水井302に貯蔵する。着水井302から流量を制御しながら原水を攪拌池303に送り、ここで原水300に凝集剤320と塩素剤330(次亜塩素酸ナトリウム)を一定量注入する。
ここで注入した凝集剤320は、貯蔵庫で受入(321)及び保管(322)し、一定量を計量した上で(323)、攪拌池において注入される。同様に塩素剤330も貯蔵庫で受入(331)及び保管(332)し、一定量を計量された上で(333)、攪拌池において注入される。
攪拌池303にて処理を開始した原水は、フロッキュレータ304によってさらにゆっくりと攪拌されて、フロック(水中浮遊物、固まり)がより大きくなるように凝集を促し、薬品沈殿池305において、沈殿するフロックと上澄みの水とを分離する。そして、この水を急速ろ過池306でろ過して、フロックのない状態の水とする。
なお、薬品沈殿池305においてフロックが沈んでできた泥は、排泥池361に排出し、これを濃縮槽362でさらに濃縮し、脱水機363において水分を取り除いて、浄水汚泥として排出する。
急速ろ過池306における処理を施された水は、さらにオゾン処理307と粒状活性炭吸着池308の2段階の高度浄水の処理を行う。このとき用いられるオゾン340は、オゾン発生装置で発生し(341)、所定の量を計量されて(342)、高度浄水設備において注入される。
高度浄水処理が終わった水には、混和池309において塩素剤(塩素ガス)350を注入し、殺菌を行う。このとき注入される塩素剤350は、専用の貯蔵施設において、受入(351)、保管(352)され、一定量を計量された後(353)、混和池309に送られる。塩素剤350によって処理された水は、水道水として利用可能な浄水であり、これを浄水池310に貯水する。そして、送水施設311及び配水施設312を介して、水道水の需要家へと配水される。
図13の例に示すように、浄水場の全ての工程について工程フローのデータとして記述して、これをHACCPシステム100のデータベース10で管理しておけば、このデータを対象として、CCP候補を設定することも可能になる。
例えば、病原体に対するCCP候補になる工程としては、塩素剤を注入する混和池309がCCP候補になりうる。そして、濁度監視のCCP候補となる工程としては、攪拌池303、フロッキュレータ304、薬品沈殿池305及び急速ろ過池306がCCP候補になりうる。
ここまで説明してきた実施形態によれば、浄水場における水質管理の高度化、適正化を図ることができる。しかも、食品製造においては製造を中止するような非定常な状態でも給水を続けなければならない浄水場運用にも配慮した水質管理・CCP候補設定ができるとともに、除去性能を基準としたCCP候補の設定・絞込みが行われるため、より高度かつ合理的な水質管理が可能となる。また、水系や取水場所によって異なる原水水質の検査結果を用いて一定の手順で算出する危害のリスクに加え、同様に水系、浄水場及び給水地域によって異なる既存の設備・機器や、需要家水道の特徴を反映したファクターを付加する構成にすることで、よりHACCPを導入する浄水場に適合した危害原因物質の優先順位でCCP候補の設定ができる。
加えて、HACCPシステムで収集するモニタリングデータも用いて、季節毎や月毎などの定期的な危害の特徴に対応したCCP候補の設定を行うことが容易になる。さらに、これまでは浄水場ごとに個別の基準で管理されてきた水道の水質管理にHACCP手法を導入することにより水質管理の高度化が図れるだけでなく、危害分析でCCP候補設定の対象となる危害を適切に優先順位付けすることで、管理体制・設備を過不足なく設定し、水質の管理ができる。
水道におけるHACCPシステムの基本形態を示す機能ブロック図である。 水道におけるHACCPシステムの一実施形態例を示す機能ブロック図である。 水道におけるHACCPシステムの一実施形態例を示す機能ブロック図である。 水道におけるHACCPシステムの一実施形態例を示す機能ブロック図である。 リスク算出手段において行われるランク分けの一例を示す説明図である。 ファクター算出手段において行われる処理フローの一例を示す説明図である。 ファクター算出手段において行われる処理フローの一例を示す説明図である。 ファクター算出手段において行われる処理フローの一例を示す説明図である。 CCP設定支援手段において行われる処理フロー例の概略を示す説明図である。 CCP設定支援手段において行われる取水レベルでの処理フローを示す説明図である。 CCP設定支援手段において行われる処理工程レベルでの処理フローを示す説明図である。 CCP設定支援手段において行われる保守レベルでの処理フローを示す説明図である。 HACCPシステムに用いることができる工程フローの一例を示す説明図である。
符号の説明
1 データ入力手段
2 表示手段
10 データベース
11 危害データベース(危害DB)
12 水質データベース(水質DB)
13 ファクター情報データベース(ファクター情報DB)
14 故障情報データベース(故障情報DB)
15 需要家情報データベース(需要家情報DB)
16 化学物質排出移動量届出データベース(PRTRDB)
17 除去性能データベース(除去性能DB)
18 プロセスデータベース(プロセスDB)
19 点検・メンテナンスデータベース(点検・メンテナンスDB)
20 解析システム
21 重篤度設定手段
22 発生頻度設定手段
23 リスク算出手段
24 重要管理点設定支援手段(CCP設定支援手段)
25 ファクター算出手段
26 危害原因物質濃度算出手段
100 HACCPシステム
200 上水道施設
202 浄水場

Claims (10)

  1. データ入力手段と表示手段とデータベースと解析システムとを備えた計算機システムが実行する水道の水質管理方法であって、
    前記解析システムは、水道水の水質管理に関しての重篤度設定手段、発生頻度設定手段、リスク算出手段及び重要管理点設定支援手段を備え、
    重篤度設定手段が水道水の摂取または利用において考慮する必要がある危害の重篤度を設定し、
    発生頻度設定手段が水質管理を行う対象とする上水道施設における危害の発生頻度を算出し、
    リスク算出手段が前記重篤度と前記発生頻度から危害のリスクを算出し、
    重要管理点設定支援手段が前記リスクを用いて重要管理点候補を設定する危害の優先順位を決定し、
    前記重要管理点設定支援手段が優先順位に従って重要管理点候補を設定すること
    を特徴とする水質管理方法。
  2. 水道の水質に関する危害情報を記憶したデータベースと水道水及び原水の水質検査結果を記憶したデータベースとを用いること
    を特徴とする請求項1の水質管理方法。
  3. データ入力手段と表示手段とデータベースと解析システムとを備えた計算機システムが実行する水道の水質管理方法であって、
    前記解析システムは、水道水の水質管理に関しての重篤度設定手段、発生頻度設定手段、リスク算出手段、ファクター算出手段及び重要管理点設定支援手段を備え、
    重篤度設定手段が水道水の摂取または利用において考慮する必要がある危害の重篤度を設定し、
    発生頻度設定手段が水質管理を行う対象とする上水道施設における危害の発生頻度を算出し、
    リスク算出手段が重篤度と発生頻度から危害のリスクを算出し、
    ファクター算出手段が危害を管理するための優先順位を決定するために用いるファクタ ーを算出し、
    重要管理点設定支援手段が前記リスク及び前記ファクターを用いて危害を管理するための優先順位を決定し、
    前記重要管理点設定支援手段が前記優先順位に従って重要管理点候補を設定すること
    を特徴とする水質管理方法。
  4. 水道の水質に関する危害情報を記憶したデータベースと水道水及び原水の水質検査結果を記憶したデータベースと危害を管理するための優先順位を決定するために用いるファクターを記憶したデータベースとを用いること
    を特徴とする請求項3の水質管理方法。
  5. データ入力手段と表示手段とデータベースと解析システムとを備えた計算機システムが実行する水道の水質管理方法であって、
    前記解析システムは、水道水の水質管理に関しての重篤度設定手段、危害原因物質濃度算出手段、発生頻度設定手段、リスク算出手段、ファクター算出手段及び重要管理点設定支援手段を備え、
    重篤度設定手段が水道水の摂取または利用において考慮する必要がある危害の重篤度を設定し、
    危害原因物質濃度算出手段が水道の水質を悪化させる危害原因物質の濃度を算出し、
    発生頻度設定手段が前記危害原因物質の濃度を用いて水質管理を行う対象とする上水道施設における危害の発生頻度を算出し、
    リスク算出手段が重篤度と発生頻度から危害のリスクを算出し、
    ファクター算出手段が危害を管理するための優先順位を決定するために用いるファクタ ーを決定するファクターを算出し、
    重要管理点設定支援手段が前記リスク及び前記ファクターを用いて危害を管理するための優先順位を決定し、
    前記重要管理点設定支援手段が前記優先順位に従って重要管理点候補を設定すること
    を特徴とする水質管理方法。
  6. 水道の水質に関する危害情報を記憶したデータベースと水道水及び原水の水質検査結果を記憶したデータベースを用い、
    故障情報を記憶したデータベース、水の需要家に関する情報を記憶したデータベース、水源における汚染物質の移動量に関する情報を記憶したデータベース、各浄水プロセスの除去性能を記憶したデータベース、各浄水プロセスの処理方法に関する情報を記憶したデータベース又は点検・メンテナンスについての情報を記憶したデータベースのうちの1つ以上のデータベースを用いること
    を特徴とする請求項5の水質管理方法。
  7. 原水における危害原因物質の濃度の変化及び浄水処理における危害原因物質の発生を検知する方法と危害原因物質の除去性能が高い処理工程を選定する工程を重要管理点候補とすること
    を特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の水質管理方法。
  8. 原水中の危害原因物質の濃度が浄水場における危害原因物質の処理能力を逸脱する状態を非定常状態とし、
    前記非定常状態の原因となる危害物質について、原水における危害原因物質の濃度の計測を行う手段又は危害原因物質の濃度の変動に関する情報を入手する手段を重要管理点候補とすること
    を特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の水質管理方法。
  9. 機器の不具合または故障した状態を非定常状態とし、
    非定常状態になるリスクが所定の境界値を越える機器の点検・メンテナンスを重要管理点候補とすること
    を特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の水道の水質管理方法。
  10. データ入力手段と表示手段とデータベースと解析システムとを備えた計算機システムを含み、前記計算機システムと上水道施設との情報通信が可能な水質管理システムであって、
    前記解析システムは、水道水の水質管理に関しての重篤度設定手段、発生頻度設定手段、リスク算出手段及び重要管理点設定支援手段を備え、
    重篤度設定手段が水道水の摂取または利用において考慮する必要がある危害の重篤度を設定し、
    発生頻度設定手段が水質管理を行う対象とする上水道施設における危害の発生頻度を算出し、
    リスク算出手段が前記重篤度と前記発生頻度から危害のリスクを算出し、
    重要管理点設定支援手段が前記リスクを用いて重要管理点候補を設定する危害の優先順位を決定し、
    前記重要管理点設定支援手段が優先順位に従って重要管理点候補を設定すること
    を特徴とする水道の水質管理システム。
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