JP2016023537A - たわみ計測方法およびたわみ計測装置 - Google Patents

たわみ計測方法およびたわみ計測装置 Download PDF

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【課題】測定したたわみ速度から載荷用車両の車両振動速度を除去することによって、たわみ計測の精度向上を図る。【解決手段】舗装路面のたわみを動的に計測するたわみ計測方法であって、車体にセンサ架台が剛結され、センサ架台にレーザドップラー振動計3および振動加速度計5が設置された載荷用車両1を走行させるステップと、載荷用車両1の走行中にレーザドップラー振動計3で各測定点のたわみ速度を取得すると共に、振動加速度計5で各測定点の振動加速度を取得するステップと、各測定点の振動加速度を示す車両振動波形に対し、離散ウェーブレット変換を行なって、車両振動波形を概略平坦とするフィルタを決定するステップと、フィルタを用いて、各測定点のたわみ速度から車両振動速度を除去するステップと、を含む。【選択図】図7

Description

本発明は、舗装路面のたわみを動的に計測するたわみ計測方法およびたわみ計測装置に関する。
近年、道路の舗装は、新設から維持修繕の時代に移行しており、迅速かつ的確に舗装路面の健全度を評価する方法が求められている。舗装路面には、“わだち掘れ”や“ひび割れ”等の破損が少ないことが必要であるが、この他に、舗装路面の支持力が設計値を満足している必要がある。すなわち、舗装路面は、車両の走行等に伴う繰り返し荷重による路盤、路床の損傷、地震動のような偶発的な作用、または地下水の影響等により、路盤、路床、路体に空洞や不等沈下といった変状が生ずる場合がある。このため、舗装路面の支持力を測定することにより、こうした変状を把握し、舗装路面の健全度を維持していく必要がある。このため、舗装路面の支持力を非破壊的に測定する舗装路面の健全度評価方法が必要とされている。
舗装路面の健全度評価に用いられる非破壊式測定機として、車載型たわみ測定機であるFWD(Falling Weight Deflector)が広く用いられている。このFWDは、静止した状態で重錘を舗装路面に落下させ、その衝撃荷重で変形する路面の形状を測定する装置であり、衝撃荷重を測定する荷重計、路面のたわみ量を測定する変位計で構成され、これらの計測器の測定結果に基づき、舗装路面の健全度を評価する。
しかしながら、FWDは、舗装路面のたわみを測定地点ごとに計測することから、舗装路面のたわみを連続的に評価することができない。従って、広域に亘る舗装路面全体の健全度を評価する場合には、地点ごとの測定を繰り返し行なう必要があり、その都度、FWDの移動、再設置、たわみ測定が必要となることから、莫大な時間と費用を要する。また、FWDによる測定は、静止状態で行なうため交通規制が必要となり、路面管理の負担が大きい。更に、漏れのない評価を行なうためには、測定地点を狭間隔に設定してたわみの測定を行なう必要があるが、その測定にも限界があり、局所的な変状を確認できない可能性もある。
このような事情により、例えば、特許文献1には、移動しながら連続的に舗装路面のたわみを測定する測定装置として、移動式たわみ測定装置が開示されている。この移動式たわみ測定装置は、走行車両の車体に搭載した変位センサやドップラーセンサを用いて、センサと路面との間の距離を測定することにより、移動しながら連続的に舗装路面のたわみ量等を計測している。
また、例えば、非特許文献1および2には、センサを車体に取り付けて、舗装路面のたわみを計測する場合、センサを取り付けた架台に制振装置を付けるなどの工夫がされている。
特表平11−503520号公報
Samer W.Katicha et al.,Estimation of Pavement TSD Slope Measurements Repeatability from a Single Measurement Series,TRB 2012 Annual Meeting Soren,Rasmussen et al.,A comparison of two years of network level measurements with the Traffic Speed Deflectometer,TRA Europe 2008,Ljubljana
しかしながら、車両が凹凸のある舗装路面上を走行する場合、その凹凸に起因して車体に生じる衝撃的な振動の影響を受ける。この衝撃的な振動は、車体のサスペンション及び重量による免震効果により、比較的周期の長い振動に変換され、振動ノイズとなる。この振動ノイズは、車体や路面の走行環境に応じて、車両位置ごとに異なって現れるため、特許文献1に開示されているように、複数の位置にセンサを設置してたわみを測定する方法では、それぞれの車両位置における振動の影響が測定結果に不規則に含まれることになり、振動ノイズを除去することが困難である。このため、特許文献1記載の移動式たわみ測定装置では、凹凸のある現実的な舗装路面の健全性を評価するにあたり、センサと路面との間で正確な測定ができず、評価結果に支障を来す恐れがある。
また、非特許文献1および2に開示されているように、車両に制振装置を搭載するためには、特殊な大型車両を用いる必要があり、測定系の構築が大掛かりになってしまう。また、日本国内では、このような大型車両が進入できない入り組んだ道路が少なくないため、舗装路面の健全性を評価することが容易ではない。
さらに、センサ架台に対し、防振材料を用いたハード的な振動対策方法が提案されているが、例えば、柔らかい防振材料を用いた場合など、防振材料の特性によっては、センサ架台に低周波の不規則振動が生じてしまう。このような不規則振動が生ずると、センサ架台に設けられたドップラー振動計のビーム照射方向が不安定となり、正確なたわみ速度が測定できなくなってしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、測定したたわみ速度から載荷用車両の車両振動速度を除去することによって、たわみ計測の精度向上を図ることができるたわみ計測方法およびたわみ計測装置を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明のたわみ計測方法は、舗装路面のたわみを動的に計測するたわみ計測方法であって、車体にセンサ架台が剛結され、前記センサ架台にレーザドップラー振動計および振動加速度計が設置された載荷用車両を走行させるステップと、前記載荷用車両の走行中に前記レーザドップラー振動計で各測定点のたわみ速度を取得すると共に、前記振動加速度計で各測定点の振動加速度を取得するステップと、前記各測定点の振動加速度を示す車両振動波形に対し、離散ウェーブレット変換を行なって、前記車両振動波形を概略平坦とするフィルタを決定するステップと、前記フィルタを用いて、前記各測定点のたわみ速度から車両振動速度を除去するステップと、を含むことを特徴とする。
このように、載荷用車両の車体にセンサ架台が剛結されるので、防振構造を採用した場合に防振材料から生ずる振動の影響が無くなり、車両振動速度を直接取得することができる。そして、各測定点の振動加速度を示す車両振動波形に対し、離散ウェーブレット変換を行なって、車両振動波形を概略平坦とするフィルタを決定し、このフィルタを用いて、各測定点のたわみ速度から車両振動速度を除去するので、防振構造を採用せずに、車両走行振動の影響を除去することができ、たわみ計測の精度を向上させることが可能となる。
(2)また、本発明のたわみ計測方法は、ウェーブレットフィルタおよびスケーリングフィルタを用いて、数式(1)で示されるウェーブレット係数wi,tおよび数式(2)で示されるスケーリング係数vi,tを算出することによって前記離散ウェーブレット変換を行ない、数式(3)で示されるスケーリング係数vi,tを算出することによってウェーブレット逆変換を行ない、前記各測定点のたわみ速度から車両振動速度を除去することを特徴とする。
このように、離散ウェーブレット変換およびウェーブレット逆変換を行なうことによって、各測定点のたわみ速度から車両振動速度を除去するので、防振構造を採用せずに、車両走行振動の影響を除去することができ、たわみ計測の精度を向上させることが可能となる。
(3)また、本発明のたわみ計測方法は、前記載荷用車両の車輪直下を原点とする局所座標系を定義し、前記載荷用車両の走行方向および載荷方向を正の方向とし、たわみ量をwとし、前記載荷用車両の走行速度をVとし、距離をxとし、時間をtとし、たわみ角をdw/dxとし、最大たわみをaとし、たわみ形状に関する係数をbとし、最大たわみの発生位置をdとし、数式(4)から数式(5)で示されるたわみ角を求め、このたわみ角と数式(6)とから数式(7)を求め、cを2abVとし、g(x)をdw/dxとして、数式(7)の両辺の対数をとって数式(8)を求め、最小自乗法を用いて評価関数J(c,b,d)を数式(9)に示すように設定し、前記評価関数J(c,b,d)が最小となるときのd、前記aおよび前記bを求めることによって、たわみ形状および最大たわみ量を算出することを特徴とする。
このように、評価関数J(c,b,d)が最小となるときのd、aおよびbを求めることによって、たわみ形状および最大たわみ量を算出するので、防振構造を採用せずに、車両走行振動の影響を除去することができ、たわみ計測の精度を向上させることが可能となる。
(4)また、本発明のたわみ計測方法は、前記載荷用車両にレーザ式変位計用架台が設けられ、前記レーザ式変位計用架台の前記載荷用車両の走行方向に並設された複数のレーザ式変位計で、前記載荷用車両の走行中に、前記各レーザ式変位計と舗装路面との距離を測定することを特徴とする。
このように、レーザ式変位計用架台の載荷用車両の走行方向に並設された複数のレーザ式変位計で、載荷用車両の走行中に、各レーザ式変位計と舗装路面との距離を測定するので、防振構造を採用せずに、車両走行振動の影響を除去することができ、たわみ計測の精度を向上させることが可能となる。
(5)また、本発明のたわみ計測装置は、舗装路面のたわみを動的に計測するたわみ計測装置であって、載荷用車両の車体に剛結されたセンサ架台と、前記センサ架台に設置されたレーザドップラー振動計および振動加速度計と、を備え、前記載荷用車両の走行中に前記レーザドップラー振動計で各測定点のたわみ速度を取得すると共に、前記振動加速度計で各測定点の振動加速度を取得し、前記各測定点の振動加速度を示す車両振動波形に対し、離散ウェーブレット変換を行なって、前記車両振動波形を概略平坦とするフィルタを決定し、前記フィルタを用いて、前記各測定点のたわみ速度から車両振動速度を除去することを特徴とする。
このように、載荷用車両の車体にセンサ架台が剛結されるので、防振構造を採用した場合に防振材料から生ずる振動の影響が無くなり、車両振動速度を直接取得することができる。そして、各測定点の振動加速度を示す車両振動波形に対し、離散ウェーブレット変換を行なって、車両振動波形を概略平坦とするフィルタを決定し、このフィルタを用いて、各測定点のたわみ速度から車両振動速度を除去するので、防振構造を採用せずに、車両走行振動の影響を除去することができ、たわみ計測の精度を向上させることが可能となる。
(6)また、本発明のたわみ計測装置は、前記載荷用車両の走行速度を測定するレーザ表面速度計を更に備えることを特徴とする。
このように、載荷用車両の走行速度を測定するレーザ表面速度計を備えるので、たわみ速度計測時に必要な載荷用車両の車両走行速度を計測することが可能となる。
(7)また、本発明のたわみ計測装置は、前記載荷用車両に設けられたレーザ式変位計用架台と、前記レーザ式変位計用架台の前記載荷用車両の走行方向に並設された複数のレーザ式変位計と、を更に備え、前記各レーザ式変位計で、前記載荷用車両の走行中に、前記各レーザ式変位計と舗装路面との距離を測定することを特徴とする。
このように、レーザ式変位計用架台の載荷用車両の走行方向に並設された複数のレーザ式変位計で、載荷用車両の走行中に、各レーザ式変位計と舗装路面との距離を測定するので、防振構造を採用せずに、車両走行振動の影響を除去することができ、たわみ計測の精度を向上させることが可能となる。
本発明によれば、載荷用車両の車体にセンサ架台が剛結されるので、防振構造を採用した場合に防振材料から生ずる振動の影響が無くなり、車両振動速度を直接取得することができる。そして、防振構造を採用せずに、車両走行振動の影響を除去することができ、たわみ計測の精度を向上させることが可能となる。
ウェーブレット解析の概念を示す図である(新井康平:ウェーブレット解析の基礎理論、森北出版株式会社、2005より抜粋)。 フーリエ解析の概念を示す図である(新井康平:ウェーブレット解析の基礎理論、森北出版株式会社、2005より抜粋)。 真のデータとノイズを含んだデータを示す図である(稲田将一,鎌田康一郎:ウェーブレットによる経済分析,金融研究,pp.1-62,2004より抜粋)。 フーリエ解析によるノイズ除去後のデータとウェーブレット解析によるノイズ除去後のデータを示す図である(稲田将一,鎌田康一郎:ウェーブレットによる経済分析,金融研究,pp.1-62,2004より抜粋)。 Haarのスケーリングフィルタ(左)とウェーブレットフィルタ(右)を示す図である(稲田将一,鎌田康一郎:ウェーブレットによる経済分析,金融研究,pp.1-62,2004より抜粋)。 D(4)のスケーリングフィルタ(左)とウェーブレットフィルタ(右)を示す図である(稲田将一,鎌田康一郎:ウェーブレットによる経済分析,金融研究,pp.1-62,2004より抜粋)。 D(12)のスケーリングフィルタ(左)とウェーブレットフィルタ(右)を示す図である(稲田将一,鎌田康一郎:ウェーブレットによる経済分析,金融研究,pp.1-62,2004より抜粋)。 D(4)とD(12)の具体的数値を示す図である(稲田将一,鎌田康一郎:ウェーブレットによる経済分析,金融研究,pp.1-62,2004より抜粋)。 Haarの離散ウェーブレット変換のピラミッドアルゴリズムを示す図である。 観測された振動波形を示す図である。 J=1でのウェーブレット係数の分布を示す図である。 J=2でのウェーブレット係数の分布を示す図である。 J=3でのウェーブレット係数の分布を示す図である。 J=4でのウェーブレット係数の分布を示す図である。 J=5でのウェーブレット係数の分布を示す図である。 J=6でのウェーブレット係数の分布を示す図である。 J=7でのウェーブレット係数の分布を示す図である。 J=8でのウェーブレット係数の分布を示す図である。 J=9でのウェーブレット係数の分布を示す図である。 J=10でのウェーブレット係数の分布を示す図である。 J=1〜5のウェーブレット係数を0としたウェーブレット逆変換結果を示す図である。 レーザドップラー振動計によるたわみ速度計測装置の概念を示す図である。 振動加速度計測データとウェーブレット解析後のデータを示す図である。 たわみ速度計測データとウェーブレット解析後のデータを示す図である。 レーザ照射位置およびレーザ照射角度の計測の様子を示す図である。 レーザドップラー振動計のレーザ照射位置と角度を示す図である。 レーザドップラー振動計の傾斜による速度の影響を示す図である。 路面状態が異なる場合のセンサ架台(水平シャフト)から路面までの距離を示す図である。 局所座標系を定義し、車両の走行方向と載荷方向を示す図である。 走行実験の計測条件を示す図である。 走行速度が時速10kmである場合の走行距離に対するセンサ架台の振動加速度を示す図である。 走行速度が時速10kmである場合の走行距離に対する舗装路面のたわみ速度を示す図である。 走行速度が時速10kmである場合のウェーブレット解析後の走行距離に対する舗装路面のたわみ速度を示す図である。 走行速度が時速30kmである場合の走行距離に対するセンサ架台の振動加速度を示す図である。 走行速度が時速30kmである場合の走行距離に対する舗装路面のたわみ速度を示す図である。 走行速度が時速30kmである場合のウェーブレット解析後の走行距離に対する舗装路面のたわみ速度を示す図である。 走行速度が時速50kmである場合の走行距離に対するセンサ架台の振動加速度を示す図である。 走行速度が時速50kmである場合の走行距離に対する舗装路面のたわみ速度を示す図である。 走行速度が時速50kmである場合のウェーブレット解析後の走行距離に対する舗装路面のたわみ速度を示す図である。 走行速度が時速10kmである場合のMWDたわみとFWDたわみとの比較結果を示す図である。 走行速度が時速30kmである場合のMWDたわみとFWDたわみとの比較結果を示す図である。 走行速度が時速50kmである場合のMWDたわみとFWDたわみとの比較結果を示す図である。 本発明の変形例1の概略構成を示す図である。 変形例2に係るたわみ量の測定原理の概要を示す説明図である。 変形例2に係るたわみ測定機の概要を示す模式図である。 各レーザ式変位計の配置状況を示す模式図である。 センサ架台が傾いた状態を示す模式図である。 たわみ状況とその測定結果の例を示す図である。
本発明者らは、載荷用車両に高精度のレーザドップラー振動計を設置したセンサ架台を取り付け、載荷用車両を走行させながら舗装路面のたわみ速度を非破壊的に測定できる「動的たわみ測定装置(MWD:Moving Wheel Deflectometer)」の研究を重ね、センサ架台に対するハード的振動対策には、防振材料がセンサ架台に不規則振動を生じさせるという弱点があることに着目し、センサ架台を載荷用車両に剛結して車両振動速度を直接取得し、離散ウェーブレット解析を用いて、レーザドップラー振動計で計測したたわみ速度から車両振動速度を除去することによって、たわみ計測の精度を向上させることができることを見出し、本発明をするに至った。
すなわち、本発明のたわみ計測方法は、舗装路面のたわみを動的に計測するたわみ計測方法であって、車体にセンサ架台が剛結され、前記センサ架台にレーザドップラー振動計および振動加速度計が設置された載荷用車両を走行させるステップと、前記載荷用車両の走行中に前記レーザドップラー振動計で各測定点のたわみ速度を取得すると共に、前記振動加速度計で各測定点の振動加速度を取得するステップと、前記各測定点の振動加速度を示す車両振動波形に対し、離散ウェーブレット変換を行なって、前記車両振動波形を概略平坦とするフィルタを決定するステップと、前記フィルタを用いて、前記各測定点のたわみ速度から車両振動速度を除去するステップと、を含むことを特徴とする。
これにより、本発明者らは、防振構造を採用せずに、車両走行振動の影響を除去することを可能とし、その結果、たわみ計測の精度を向上させることを可能とした。以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
<時系列周波数解析によるソフト的振動対策>
(A)離散ウェーブレット解析の適用理由
時系列周波数解析には、フーリエ変換・逆変換を組み合わせたフーリエ解析と、ウェーブレット変換・逆変換を組み合わせたウェーブレット解析がある。本明細書では、ウェーブレット解析のうち、離散化データを取り扱う離散ウェーブレット解析を用いてソフト的振動対策を行なう。
図1Aは、ウェーブレット解析の概念を示す図であり、図1Bは、フーリエ解析の概念を示す図である(新井康平:ウェーブレット解析の基礎理論、森北出版株式会社、2005より抜粋)。ウェーブレット解析では、図1Aに示すように、任意の時系列データを、“時間と周波数で表わされる小さな波”としてのウェーブレットの和として表現する。一方、フーリエ解析では、図1Bに示すように、任意の時系列データを、周波数成分の異なる無限に続く恒久的な波の和として表現する。
両者は、どちらか一方が常に優れているというわけではなく、例えば、時系列特性が時間を通じて不変であり、規則的な変動を繰り返す定常データに対しては、時間的な情報を無視して詳細な周波数分析を行なうフーリエ解析が効率的であると考えられる。
一方、ウェーブレット変換は、短い波の集合体としてデータを解析するため、不規則変動を示すデータに対して威力を発揮する。逆に、規則的なデータに対してわざわざウェーブレット変換を適用する必要はない。また、ウェーブレット解析には、連続ウェーブレット解析と離散ウェーブレット解析とがある。連続ウェーブレット解析では、データを連続したものとして解析するのに対し、離散ウェーブレット解析では、データを離散化させて解析するため、連続ウェーブレット解析に比べて効率的に時間周波数解析を行なうことができる。また、離散ウェーブレット解析では、元信号を高周波成分と低周波成分とに分解し、分解された低周波成分を、さらにまた高周波成分と低周波成分とに分解する、という手順でウェーブレット変換を行ない、逆方向の変換(逆変換)を行なうことで元信号を再現する。そのため、逆変換において任意の領域の周波数成分を0にすれば、その領域の周波数成分が除去された(フィルタをかけた)信号が生成される。
このようなフィルタリング処理は、フーリエ解析においても可能であり、従来はフーリエ解析が広く用いられてきた。しかし、本発明で対象としている振動データは、舗装路面の凹凸等に起因する車両の不規則振動データである。
図2Aは、真のデータとノイズを含んだ観測データの例を示す図である(稲田将一,鎌田康一郎:ウェーブレットによる経済分析,金融研究,pp.1-62,2004より抜粋)。図2Aの左側に示すように、横軸の座標が0.5である点においてピーク値2.0を取るステップ信号があるとし、これを真のデータとする。これに対し、図2Aの右側に示すように、ノイズが混入しているデータがあるとし、これを実際に観測された観測データとする。この観測データからノイズを除去して真のデータを抽出しようとする。このとき、図2Aの右側に示す観測データに対してフーリエ解析を行なうと、図2B(稲田将一,鎌田康一郎:ウェーブレットによる経済分析,金融研究,pp.1-62,2004より抜粋)の左側に示すように、緩やかな山型の信号が抽出される。これに対し、図2Aの右側に示す観測データに対してウェーブレット解析を行なうと、図2Bの右側に示すように、かなり正確に真のデータに近い信号を抽出することができる。これは、ウェーブレット解析では、様々な波形に対応するフィルタが準備されているためである。このことから、不規則なノイズを含むデータに対してフィルタリング処理を行なうには、ウェーブレット解析が適していることが分かる。
本発明で対象としている振動データは、舗装路面の凹凸等に起因する車両の不規則な振動データであり、振動特性の時間情報、すなわち、どの位置でどの程度の車両振動が発生したかを知るよりも、車両振動によるノイズをいかに早く除去できるかが重要である。つまり、たわみ計測におけるノイズを除去するには、連続ウェーブレット解析よりも効率的に時間周波数解析を行なうことができる離散ウェーブレット解析が適していると考えられる。
(B)離散ウェーブレット解析
(B−1)ウェーブレットフィルタとスケーリングフィルタ
本明細書で用いる離散ウェーブレット解析では、計測データに対して、離散ウェーブレット変換を行ない、不要な振動周波数成分(ノイズ)を0にした後に、逆変換によって、ノイズを取り除いた信号を生成する。つまり、ウェーブレット変換は、一種の線形フィルタリングであり、その変換に用いられるウェーブレットは、「ウェーブレットフィルタ」と呼ばれる。また、ウェーブレットフィルタは、一般的にhで表わされ、次の3条件を満たす必要がある。
上記数式(10)〜(12)において、Lはフィルタの長さ(サポート長と呼ぶ)である。つまり、数式(10)は、フィルタ要素を全て加えるとゼロになるという意味で、フィルタリングによって、原系列に「何も足さないし、何も引かない」ということを意味している。また、数式(11)では、フィルタのエネルギー(二乗和)を1に標準化している。最後に、数式(12)は、偶数倍シフトさせたフィルタと元のフィルタとが直交することを意味している。数式(11)は、シフトしなかった場合の内積が1であることを示しており、数式(12)とあわせて「正規直交性の条件」という。
ウェーブレット変換を実行するためには、ウェーブレットフィルタと対をなすスケーリングフィルタgが必要となる。両者は、直交鏡像関係と呼ばれる次の関係式で結ばれている。
この数式(13)から、スケーリングフィルタは、次の関係式を満たすことが確認できる。
さらに、ウェーブレットフィルタとスケーリングフィルタとの間には、次の関係が成立している。すなわち、二つの対をなすフィルタは、偶数倍のシフトに対して、互いに直交関係にある。
(B−2)各種ウェーブレット
ウェーブレットフィルタとして広く用いられているものとして、Haar(ハール)とDaubechies(ドビシー)のウェーブレットがあげられる。Haarのウェーブレットは、サポート長がL=2のフィルタで、上記数式(10)〜(14)によってウェーブレットフィルタとスケーリングフィルタとを求めることができ、数式(18)で示されるようになる。
また、図3にHaarのスケーリングフィルタとウェーブレットフィルタを示す(稲田将一,鎌田康一郎:ウェーブレットによる経済分析,金融研究,pp.1-62,2004より抜粋)。図3の左側がHaarのスケーリングフィルタであり、図3の右側がHaarのウェーブレットフィルタである。
Daubechiesのウェーブレットは、上記数式(10)〜(12)に加えて、次の数式(19)を満足するように決定される。一般的に、サポート長がLであるDaubechiesのウェーブレットは、D(L)と表記され、L=4、12のDaubechiesのウェーブレットが用いられる。
図4AにD(4)のスケーリングフィルタとウェーブレットフィルタを示す(稲田将一,鎌田康一郎:ウェーブレットによる経済分析,金融研究,pp.1-62,2004より抜粋)。図4Aの左側がD(4)のスケーリングフィルタであり、図3の右側がD(4)のウェーブレットフィルタである。また、図4BにD(12)のスケーリングフィルタとウェーブレットフィルタを示す(稲田将一,鎌田康一郎:ウェーブレットによる経済分析,金融研究,pp.1-62,2004より抜粋)。図4Bの左側がD(12)のスケーリングフィルタであり、図4Bの右側がD(12)のウェーブレットフィルタである。また、図4Cは、D(4)とD(12)のスケーリングフィルタ、ウェーブレットフィルタの具体的数値を示す図である(稲田将一,鎌田康一郎:ウェーブレットによる経済分析,金融研究,pp.1-62,2004より抜粋)。
(B−3)ウェーブレット変換・逆変換
離散ウェーブレット変換では、観測データをウェーブレットフィルタとスケーリングフィルタとを通して、「ウェーブレット係数」と「スケーリング係数」とを求める。図3、図4Aおよび図4Bに示したように、スケーリングフィルタは凸形状であるのに対し、ウェーブレットフィルタは、振動的な凹凸形状である。つまり、スケーリングフィルタは、移動平均的成分(データのトレンド)を表わしているのに対し、ウェーブレットフィルタは、階差成分(トレンドからの乖離)、言い換えると、振動成分を表わしていると言える。そして、これらのフィルタを通して得られる係数によって、観測データに含まれる振動成分とトレンド成分の情報が保存されることになる。
図5は、ピラミッドアルゴリズムを示す図である。離散ウェーブレット変換では、図5に示すピラミッドアルゴリズムによって、効率的に計算が行なわれる。図5では、Haarのウェーブレットを用いた計算例を示す。この計算方法では、データ数をN個とした場合、まず1回目の演算で、重複しない2個ずつの離散データに対してフィルタリングを行ない、N/2個のウェーブレット係数とスケーリング係数とを求める。次に、1回目の演算で求めたN/2個のスケーリング係数を用いて、(N/2)/2=(N/2)個のウェーブレット係数とスケーリング係数とを求める。そして、最終的に、一組のウェーブレット係数とスケーリング係数を得るまでこの演算を繰り返す。
これをダウンサンプリングと言うが、このときに必要となるデータ数は、N=2個で、n回の繰り返し演算を行なうこととなる。例えば、218個(262144個)のデータであれば、18回程度の繰り返し演算によって、効率的にウェーブレット係数とスケーリング係数を得ることができる。なお、観測された離散データを、X=(x1,x2,…xN-1,xN)とすると、1回目の演算のウェーブレット係数とスケーリング係数は、以下の式によって求められる。
ここで、“A mod N”は、AからNの倍数を引いて(あるいは足して)、0〜N−1の数字を作るという演算子である。また、上述したように、2回目以降の演算は、前回の演算で求めたスケーリング係数を用いてウェーブレット変換を行なう。つまり、i回目の演算では、(i−1)回目のスケーリング係数を用いることとなる。従って、数式(20)と(21)を一般化して表示すると、次のようになる。
なお、数式(22)と(23)において、「v0,N=xN」である。
また、ウェーブレット逆変換は、数式(20)〜(23)を逆方向に計算していくこととなる。いま、レベル(i+1)のウェーブレット係数wi+1とスケーリング係数vi+1から、レベルiのスケーリング係数vを再構築するならば、ダウンサンプリングによって減少したデータ数を補うために、「0」をwi+1とvi+1のデータの間に織り込んで行く。つまり、数式(24)および(25)で示されるデータを作る。これを、アップサンプリングと呼ぶ。
このようにアップサンプリングされたデータを、ウェーブレットフィルタとスケーリングフィルタを通すと、数式(26)のように、レベルiのスケーリング係数vが求められる。
なお、上述したように、ウェーブレットフィルタは振動的であるため、逆変換時に任意のウェーブレット係数を0にすることで、パスフィルタとして利用することも可能である。
(C)離散ウェーブレット解析の例
図6Aは、観測された振動波形を示す図である。一例として、この図6Aで示す振動波形のウェーブレット係数を求める。なお、データ数は、214個(16384個)で、DaubechiesウェーブレットD(12)を用いる。
上述したように、離散ウェーブレット変換では、ピラミッドアルゴリズムに従って、ダウンサンプリングを行なう。図6Aに示したデータ数は、N=2=214であるので、繰り返し演算回数は、14回となる。J=1〜10回目の離散ウェーブレット変換で得られたウェーブレット係数を、図6B〜図6Kに示す。これらの結果により、ダウンサンプリングを繰り返していくと、ウェーブレット係数の振動特性は緩やかになり、長周波成分になっていることが分かる。
また、図6B〜図6Kに示される結果により、図6Aにおいて横軸400mや1100m付近で現れているような大きな不規則振動成分は、J=1〜5のウェーブレット係数を0として逆変換(フィルタリング)を行なうと、図6Lに示す結果が得られる。図6Lを図6Aと比較すると、大きな不規則振動は除外され、比較的なめらかな信号が抽出できていることが分かる。
以上の結果により、離散ウェーブレット解析によって、容易にノイズ除去を行なうことができることが分かる。本明細書では、このような手順を採用し、レーザドップラー振動計の測定結果に含まれる不規則振動成分を除去する。
(D)離散ウェーブレット解析によるソフト的振動対策
図7は、レーザドップラー振動計によるたわみ速度計測装置の概略を示す図である。図7に示すように、本実施形態に係るレーザドップラー振動計は、載荷用車両の後輪付近の車体上に設置したセンサ架台に取り付けられている。レーザドップラー振動計は、舗装路面と車体との間の相対的な速度を測定するため、走行実験時の計測データには、路面凹凸に伴う車両振動速度Vと、載荷に伴うたわみ速度Vdefの両方が含まれてしまう。そこで、本実施形態では、センサ架台に振動加速度計を設置し、加速度計の振動波形に対して、離散ウェーブレット解析を行ない、図8Aに示すように、車両振動波形がほぼフラットになるようなフィルタのレベル(ウェーブレット係数を0にするJの上限値)を試行錯誤的に決定した。図8Aは、振動加速度計測データとウェーブレット解析後のデータを示す図である。図8Aにおいて、黒い線が計測データであり、中央付近の白い線がフィルタリング後のデータである。
そして、たわみ速度計測データに対しても振動加速度の場合と同じレベルのフィルタを使い、ウェーブレット逆変換によって得られるたわみ速度が、後軸車輪の載荷によって得られるたわみ速度Vdefと等値であるとして最大たわみを求めることとした。
なお、本実施形態では、Daubechiesウェーブレットを用いて解析を行なった。Daubechiesウェーブレットを選定した理由は、図4Bに示したように、対称なフィルタではないが、Daubechiesが考案した対称形に近いCoifletウェーブレットを用いた場合とほぼ同じ結果が得られていること、離散ウェーブレット解析では、その有用性が広く認められているためである。
図8Bは、計測データおよびフィルタリング後のデータの一例を示す図である。図8Bにおいて、黒い線が計測データであり、白い線がフィルタリング後のデータである。図8Bから分かるように、振動加速度計での計測データが0になるようなレベルのフィルタリング処理であっても、たわみ速度のトレンドは失われておらず、大きな振動成分が除去されている。以上により、離散ウェーブレット解析が、センサ架台のソフト的振動対策として有効であることが分かる。
本実施形態では、センサ架台を載荷用車両の車体に剛結する。「剛結」とは、センサ架台と車体とが剛体となるようにぶれなく結合させる意味であり、例えば、ボルトナットでの締結、嵌め込み、溶接、接着等、種々の手法を採ることができ、その手法が限定されるわけではない。載荷用車両による走行実験を行なうに当たっては、レーザドップラー振動計のレーザ照射位置および照射角度を以下のように定めた。計測は、独立行政法人土木研究所内における大型万能試験機格納庫内の鋼鉄板床上で実施した。なお、鋼鉄板は、極めて剛性が高いため、床上でたわみは生じないと仮定した。
図9は、レーザ照射位置および角度の計測の様子を示す図である。図9に示すように、レーザドップラー振動計から赤色レーザを照射した状態で、車軸中心からレーザ照射位置までの距離L(レーザ照射位置)、レーザドップラー振動計の左端からの高さH、床上でのレーザドップラー振動計の左端からのレーザ照射位置までの距離Bを計測して求めた。なお、車軸中心位置および床上でのレーザドップラー振動計の左端位置は、測量用の下げ振り子を用いて位置だしをし、レーザ照射角度θは、図9に示す「b」と「d」を用いて、数式(27)によって算出した。
図9に示すように、3台のレーザドップラー振動計を設けた場合、図10に示すような測定結果が得られた。なお、レーザドップラー振動計を鉛直方向に対して傾斜させて設置した場合、図11に示すように、計測されるべきたわみ速度dwm/dtは、車両走行速度Vの影響を受けて実際のたわみ速度よりも大きくなる。そのため、数式(28)に従って、車両速度計(レーザ表面速度計)によって計測した走行速度Vを用いて補正を行なう。
次に、本実施形態における最大たわみの推定手法について説明する。図12は、路面状態が異なる場合のセンサ架台(水平シャフト)から路面までの距離の一例を示す図である。本実施形態では、3台のレーザドップラー振動計を用いて、舗装路面のたわみ速度を計測する。ここで、図12の(a)に示す場合は、路面がシャフトと並行であるので、平坦なシャフトから路面までの距離は等しく、d=d=dである。これに対し、図12の(b)に示す場合は、路面に凹凸があるため、水平なシャフトから路面までの距離は場所により異なる。すなわち、d≠d≠dである。しかし、水平なシャフトが図12(a)と(b)において同じように上下し、その速度が等しいときは、路面の凹凸によらず、数式(29)を満たす。
ここで、dd/dtは、水平シャフトと路面との間の相対速度を示す。この相対速度は、車両振動が無いときのレーザドップラー振動計で計測されるたわみ速度に等しい。しかし、走行中に車両が振動するため、水平シャフトの鉛直方向の速度をdv/dtとすると、このときにレーザドップラー振動計で計測される舗装表面のたわみ速度dw/dtは、数式(30)の通りとなる。
従って、レーザドップラー振動計で計測されるたわみ速度から車両の振動速度dv/dtを差し引けば、載荷に伴うたわみ速度を求めることができる。
次に、載荷によるたわみ形状を、数式(12)に示す指数関数によって近似する。車両速度が大きくなると、車輪位置と最大たわみ発生位置が一致しなくなることが知られている。そこで、数式(31)では、パラメータdを導入することによって、この事実を考慮した計算を行なう。なお、本実施形態では、図13に示すように、車輪の直下を原点とする局所座標系を定義する。この局所座標系では、載荷用車両の走行方向と載荷方向を正の方向としている。
たわみ量をwとし、
載荷用車両の走行速度をVとし、
距離をxとし、
時間をtとし、
たわみ角をdw/dxとし、
最大たわみをaとし、
たわみ形状に関する係数をbとし、
最大たわみの発生位置をdとすると、たわみ角、たわみ速度および車両走行速度は、以下の通りである。
数式(31)を距離xで微分し、たわみ角を求めると、数式(33)となる。数式(33)を数式(32)に代入すると、数式(34)が得られ、ここで、
cを2abVとし、
g(x)をdw/dxとして、
数式(34)の両辺の対数をとると、数式(35)が得られる。
最小自乗法を用い、評価関数J(c,b,d)を数式(36)に示すように設定し、評価関数J(c,b,d)が最小となるときのd、aおよびbを、数式(37)および(38)を用いて、たわみ形状および最大たわみ量を算出する。
ただし、数式(37)において、XとYは以下の通りである。
ただし、数式(38)において、PとQは以下の通りである。
本発明者らは、「動的たわみ測定装置(MWD:Moving Wheel Deflectometer)」の走行実験を行なった。走行実験を行なうに当たっては、図14に示すように、計測条件を設定した。データ計測は、マルチレコーダ(東京測器研究所、TMR-200)を使用し、レーザドップラー振動計、レーザ表面速度計、振動加速度計を同期させ、USBケーブルを介して、コンピュータに計測データをリアルタイムで取り込んだ。この走行実験では、時速10km、時速30km、および時速50kmで載荷用車両を走行させて、舗装路面のたわみ速度を計測した。計測したデータに対して、上述したように離散ウェーブレット変換・逆変換を行ない、車両振動によるノイズを除去した。図15A〜図15Iは、その結果を示す図である。図15Aは、走行速度を10kmとしたときの振動加速度計で計測した振動加速度を示す。図15Bは、走行速度を10kmとしたときのレーザドップラー振動計No.1〜No.3で測定したたわみ速度を示す。レーザドップラー振動計No.1〜No.3は、照射位置Lが、それぞれ25.6cm、41.2cm、66.7cmとなっている。図15Bでは、計測したたわみ速度は、各レーザドップラー振動計での区別を付けることができない状態で示されている。図15Cは、走行速度を10kmとしたときのウェーブレット解析後のたわみ速度を示す。41.2cmおよび66.7cmの位置では、ほぼ同じ波形となっている。いずれもノイズである車両振動加速度が除去されている。
図15Dは、走行速度を30kmとしたときの振動加速度計で計測した振動加速度を示す。図15Eは、走行速度を30kmとしたときのレーザドップラー振動計No.1〜No.3で測定したたわみ速度を示す。図15Eでは、計測したたわみ速度は、各レーザドップラー振動計での区別を付けることができない状態で示されている。図15Fは、走行速度を30kmとしたときのウェーブレット解析後のたわみ速度を示す。41.2cmおよび66.7cmの位置では、ほぼ同じ波形となっている。いずれもノイズである車両振動加速度が除去されている。
図15Gは、走行速度を50kmとしたときの振動加速度計で計測した振動加速度を示す。図15Hは、走行速度を50kmとしたときのレーザドップラー振動計No.1〜No.3で測定したたわみ速度を示す。図15Hでは、計測したたわみ速度は、各レーザドップラー振動計での区別を付けることができない状態で示されている。図15Iは、走行速度を50kmとしたときのウェーブレット解析後のたわみ速度を示す。41.2cmおよび66.7cmの位置では、ほぼ同じ波形となっている。いずれもノイズである車両振動加速度が除去されている。
本実施例では、センサ架台の振動加速度がほぼ除去できるように、ウェーブレット逆変換時のウェーブレット係数(フィルタレベル)を設定し、同レベルのフィルタでたわみ速度のノイズを除去した。なお、各走行速度でのたわみ速度は、数式(28)によって速度補正を行なう前のもので、各走行速度での走行実験のうち、1回分を示した。
<最大たわみ解析結果>
図15A〜図15Iに示したように、離散ウェーブレット解析によって、ノイズを除去し、走行速度毎に最大たわみを算出し、FWD試験結果と比較した。その結果を、図16A〜図16Cに示す。なお、各図の凡例2012は、2012年度に計測した同じ場所におけるMWDたわみ、2013(1)、2013(2)は、2013年度に計測したMWDたわみを示す。
これらの結果を比較すると、離散ウェーブレット解析によってノイズを除去することによって、2012年度よりも2013年度の最大たわみの推定制度が、格段に向上しており、FWDたわみとMWDたわみがおおむね一致していることと、走行実験の再現性も高いことが分かる。特に、500m付近と1350m付近の比較的広範囲にわたって支持力が低下している箇所、つまり、FWDたわみが大きくなっている箇所は、走行速度に関わらずFWDと同程度の値となっている。
この結果、本実施例に係るMWDは、FWDと遜色のない計測精度を得ることが可能であることが分かった。
<変形例1>
次に、レーザドップラー振動計とレーザ式変位計を併用する場合の変形例について説明する。図17は、変形例1の概略構成を示す図である。変形例1では、載荷用車両の車体にレーザ式変位計用架台121が剛結されている。そして、レーザ式変位計用架台121の車両走行方向に、複数のレーザ式変位計120が並設されている。なお、図17では、レーザドップラー振動計3の取り付け位置が車体後端となっているが、本発明の本質に影響を与えるものではない。
このような構成で載荷用車両を走行させ、各レーザ式変位計120で、舗装路面との距離を測定する。レーザ式変位計用架台121が車体に剛結されているため、測定データには車両走行振動が含まれることとなるが、上述したように、本発明における時系列周波数解析により、振動除去を行なう。より具体的には、低速では、上述したように、レーザドップラー振動計3でたわみ速度を求める一方、高速では、レーザ式変位計120で変位量を求める。そして、求めたたわみ速度と変位量から、車両走行時の車両走行振動をウェーブレット解析によってソフト的に振動を除去し、舗装路面のたわみ量を求める。これにより、防振構造を採用せずに、車両走行振動の影響を除去することができ、たわみ計測の精度を向上させることが可能となる。
<変形例2>
次に、本実施形態の変形例2について説明する。変形例2では、レーザ式変位計を車軸に取り付けることによって防振を図る。図18Aは、変形例に係る舗装路面のたわみ量の測定原理を示す図である。図18A中、車両は、x軸方向に速度vで進行するものとする。Rは、車輪の半径を示す。いま、舗装路面に凹凸や傾斜がなく、また、車体自体の振動や傾きもない理想的な状況を考えると、車軸直下のたわみは、次式で与えられる。
=Δ−Δ
ただし、上式中、wは、車体の重量負荷時における前記車軸下(x=0)の舗装路面のたわみを示し、Δは、車体の重量負荷時におけるx軸と直交するy軸方向のレーザ式変位計と舗装路面との間の距離を示し、Δは、車軸位置からx軸方向に離れた位置(x=d)におけるy軸方向のレーザ式変位計と舗装路面との間の距離を示す。Δは、たわみ測定に際して、基準となる距離を示すものであり、重量負荷により生ずる舗装路面のたわみ量を含む距離Δとの差をとることで、たわみ量wを測定することができる。
図18Bおよび図18Cは、本実施形態の変形例2を示す図である。図18Bに示すように、センサ架台に複数のレーザ式変位計が連設されたたわみ測定機10が、車両100の後輪110に取り付けられている。このたわみ測定機10には、図18Cに示すように、レーザ式変位計D1〜D7が、車両100の走行方向に並設されるようにセンサ架台に支持されている。なお、図18Bでは、レーザドップラー振動計は省略されている。
レーザ式変位計D1は、車両100の走行方向における後輪110の車軸位置に設けられ、走行方向と直交する載荷方向との距離(第1距離)を測定する。また、レーザ式変位計D2は、車軸に取り付けられる車輪の半径Rに対して、レーザ式変位計D1から走行方向に所定距離だけ離れた位置に設けられている。このレーザ式変位計D2は、基準距離を測定する役割を果たし、レーザ式変位計D1から離す距離の下限としては、車輪の半径をRとすると、0.4R以上が好ましく、2R以上がより好ましい。
下限が0.4R未満であると、第1距離とレーザ式変位計D2で測定される基準距離との差分が小さく、有意義なたわみ測定を実施できない場合もある。また、下限を2R以上とすると、車輪の荷重負荷によるたわみがないか、または、そのたわみが無視できる程小さい、十分離れた位置におけるレーザ式変位計と舗装路面との間の距離を、基準距離とすることができる。そして、第1距離と基準距離との間の差分をとることで、絶対的な舗装路面のたわみ量を測定することができる。
また、レーザ式変位計D2とレーザ式変位計Dとの距離の上限としては、5R以下が好ましく、4R以下がより好ましい。上限が5Rを超えると、レーザ式変位計D2を設置するセンサ架台の長さが長くなり、そのセンサ架台の自重によるたわみにより、基準距離を正しく測定することができなくなる場合もある。なお、レーザ式変位計D2とレーザ式変位計Dとの距離の上限は、たわみ測定機10を取り付ける車輪(例えば、後輪)と異なる車輪(例えば、前輪)から受ける荷重により発生するたわみの影響を排除するため、更に、前輪と後輪との間の距離の1/2以下であることが好ましい。
本実施形態では、基準距離をレーザ式変位計D2で測定することとしている。このように基準距離をセンサ架台中に配されるレーザ式変位計で測定することによって、舗装路面の状態に応じて正確に変位量を測定することができると共に、容易にたわみ測定を行なうことができる。ただし、基準距離としては、必ずしも、レーザ式変位計D2で測定する必要はなく、レーザ式変位計D1と舗装路面との間の距離との差として、たわみ量を評価できる距離であればよい。例えば、鋼板などに車両を停止させ、レーザ式変位計D1でたわみがない状態で測定される、レーザ式変位計と鋼板との間の距離を基準距離としてもよい。また、レーザ式変位計D1から走行方向に十分離れた位置(例えば、前輪と後輪との間の車体中央部)に他のレーザ式変位計を取り付け、車両を静止した状態で、そのレーザ式変位計と舗装路面との間の距離を測定し、これを基準距離としてもよい。
ところで、車両の走行時、センサ架台は、車軸と同様、舗装路面の状態、車輪の回転運動に応じて、走行方向と直交する方向に振動し(縦揺れ)、走行方向の左右方向に振動する(横揺れ)。さらに、車両の減速、加速による舗装路面に対する荷重負荷状況及び車両の曲折運動による車軸のねじれにより、舗装路面に対する位置が水平な状態から傾斜して変動する。例えば、走行中の車両を減速すれば、重心が車両の前方にシフトしてセンサ架台が走行方向に対して右肩下がりに傾き、車両を加速すれば、重心が前記車両の後方にシフトしてセンサ架台が走行方向に対して右肩上がりに傾く。
従って、レーザ式変位計D2の測定に基づく基準距離は、走行中、常に変化する。このため、ある時刻における基準距離を、その都度、設定する必要がある。また、レーザ式変位計D2から測定される基準距離からセンサ架台の傾斜変動の影響を排除するように基準距離を校正する必要がある。
そのため、本実施形態では、走行方向においてレーザ式変位計サD1(たわみ測定変位センサ)を中心としてレーザ式変位計D2と対称位置にレーザ式変位計D3を設けた。図18Dに示すように、レーザ式変位計D2、D3を一対の組変位センサとし、一対の組変位センサのうち一の組変位センサ(レーザ式変位計D2)で測定される組変位センサと舗装路面との間の距離をd2とし、他の組変位センサ(レーザ式変位計D3)で測定される組変位センサと舗装路面との間の距離をd3としたとき、次式、d2−(d2−d3)/2で表される長さが、センサ架台の傾斜変動の影響であることから、この長さで基準距離を校正する。
従って、この場合のたわみwは、レーザ式変位計D1で測定されるレーザ式変位計と舗装路面との間の距離(第1距離)をdとして、w=d−{d−(d−d)/2}により算出される。
また、車両が停止している場合、舗装路面のたわみは、車軸を通る鉛直軸を中心として軸対称に生じ、その最大たわみは、車軸直下で生じる。一方、車両が走行している場合には、最大たわみ位置は、車両の走行速度、舗装路面の堅さ、舗装の種類で異なるものの、通常、車軸直下ではなく、鉛直軸に対する車両の後部側で生じる。また、たわみの発生状況は、鉛直軸に対する車両の前部側及び後部側で異なり、非対称となる。
そこで、最大たわみ位置を推定するため、本実施形態においては、たわみ状態測定変位センサとしてレーザ式変位計D4〜D7を設け、最大たわみ位置でのたわみ量を測定する。
すなわち、図18Eに示すように、座標軸上でレーザ式変位計D2、D4、D5の測定結果に基づく近似直線(又は近似曲線)と、レーザ式変位計D3、D6、D7の測定結果に基づく近似直線(又は近似曲線)とを算出し、これら近似直線(又は近似曲線)の交点を最大たわみ位置と推定し、レーザ式変位計D1から最大たわみ位置との距離で、レーザ式変位計D1と舗装路面との間の距離(第1距離)を補正し、最大たわみ位置でのたわみ量を測定する。
この近似直線は、たわみ測定変位センサ(レーザ式変位計D1)を中心とした走行方向の前後位置に少なくとも2つずつたわみ状態変位測定センサを設けることによって、得ることができる。また、たわみ状態測定変位センサとしては、走行方向において、車輪の半径Rに対して、1R未満の距離だけたわみ測定変位センサから離れた位置に設けることが好ましい。1R以上の位置に設けると、たわみが少ない位置での測定となり、近似直線(又は近似曲線)による最大たわみ位置の推定が困難になることがある。
なお、距離が1R未満であれば、組変位センサ(レーザ式変位計D2,D3)は、たわみ状態測定変位センサとしての機能を兼ねることができる。
上記のような近似曲線により、最大たわみ位置の推定を行なう場合、たわみ状態測定変位センサを密に配置することで、例えば、座標軸上で舗装路面のたわみ形状に応じた下に凸の高次関数又は特殊関数による近似曲線を算出し、その最底部の位置情報からより正確な最大たわみ位置を推定するようにしてもよい。また、たわみ状態測定変位センサを走行方向においてたわみ測定変位センサ(レーザ式変位計D1)を中心とする対称位置に配置することによって、より正確な最大たわみ位置を推定することができる。
なお、車輪から受ける荷重負荷の大きさに応じて、1R以上の位置に有意なたわみが存在する場合には、高精度の近似曲線を得る等の観点から、1R未満の位置のたわみ状態測定センサに加えて、1R以上の位置にたわみ状態測定センサを設けることができる。ただし、この場合も、最大たわみ位置を正しく推定する観点から、走行方向の前後位置で、1R未満の位置に少なくとも2つずつたわみ状態測定センサを配置することが好ましい。
また、本変形例2によるたわみ測定においては、車両100にロータリーエンコーダ等の測距離計を設けることで、たわみの測定と、そのたわみが生じた位置情報を同期させて、舗装路面のたわみ情報を得ることができる。舗装路面のたわみ量と位置情報とを一定の時間間隔で同時計測することで、測定位置に対応したたわみ情報が得られる。このように、レーザドップラー振動計とレーザ式変位計とを併用することによって、たわみ測定精度の向上を図ることが可能となる。
以上説明したように、本実施形態に係る動的たわみ測定装置(MWD)によれば、載荷用車両の車体にセンサ架台が剛結されるので、防振構造を採用した場合に防振材料から生ずる振動の影響が無くなり、車両振動速度を直接取得することができる。そして、防振構造を採用せずに、車両走行振動の影響を除去することができ、たわみ計測の精度を向上させることが可能となる。
1 載荷用車両
3 レーザドップラー振動計
5 振動加速度計
10 たわみ測定機
100 車両
110 後輪
120 レーザ式変位計
121 レーザ式変位計用架台

Claims (7)

  1. 舗装路面のたわみを動的に計測するたわみ計測方法であって、
    車体にセンサ架台が剛結され、前記センサ架台にレーザドップラー振動計および振動加速度計が設置された載荷用車両を走行させるステップと、
    前記載荷用車両の走行中に前記レーザドップラー振動計で各測定点のたわみ速度を取得すると共に、前記振動加速度計で各測定点の振動加速度を取得するステップと、
    前記各測定点の振動加速度を示す車両振動波形に対し、離散ウェーブレット変換を行なって、前記車両振動波形を概略平坦とするフィルタを決定するステップと、
    前記フィルタを用いて、前記各測定点のたわみ速度から車両振動速度を除去するステップと、を含むことを特徴とするたわみ計測方法。
  2. ウェーブレットフィルタおよびスケーリングフィルタを用いて、数式(1)で示されるウェーブレット係数wi,tおよび数式(2)で示されるスケーリング係数vi,tを算出することによって前記離散ウェーブレット変換を行ない、数式(3)で示されるスケーリング係数vi,tを算出することによってウェーブレット逆変換を行ない、前記各測定点のたわみ速度から車両振動速度を除去することを特徴とする請求項1記載のたわみ計測方法。
  3. 前記載荷用車両の車輪直下を原点とする局所座標系を定義し、前記載荷用車両の走行方向および載荷方向を正の方向とし、たわみ量をwとし、前記載荷用車両の走行速度をVとし、距離をxとし、時間をtとし、たわみ角をdw/dxとし、最大たわみをaとし、たわみ形状に関する係数をbとし、最大たわみの発生位置をdとし、数式(4)から数式(5)で示されるたわみ角を求め、このたわみ角と数式(6)とから数式(7)を求め、cを2abVとし、g(x)をdw/dxとして、数式(7)の両辺の対数をとって数式(8)を求め、最小自乗法を用いて評価関数J(c,b,d)を数式(9)に示すように設定し、前記評価関数J(c,b,d)が最小となるときのd、前記aおよび前記bを求めることによって、たわみ形状および最大たわみ量を算出することを特徴とする請求項1または請求項2記載のたわみ計測方法。
  4. 前記載荷用車両にレーザ式変位計用架台が設けられ、前記レーザ式変位計用架台の前記載荷用車両の走行方向に並設された複数のレーザ式変位計で、前記載荷用車両の走行中に、前記各レーザ式変位計と舗装路面との距離を測定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のたわみ計測方法。
  5. 舗装路面のたわみを動的に計測するたわみ計測装置であって、
    載荷用車両の車体に剛結されたセンサ架台と、
    前記センサ架台に設置されたレーザドップラー振動計および振動加速度計と、を備え、
    前記載荷用車両の走行中に前記レーザドップラー振動計で各測定点のたわみ速度を取得すると共に、前記振動加速度計で各測定点の振動加速度を取得し、
    前記各測定点の振動加速度を示す車両振動波形に対し、離散ウェーブレット変換を行なって、前記車両振動波形を概略平坦とするフィルタを決定し、
    前記フィルタを用いて、前記各測定点のたわみ速度から車両振動速度を除去することを特徴とするたわみ計測装置。
  6. 前記載荷用車両の走行速度を測定するレーザ表面速度計を更に備えることを特徴とする請求項5記載のたわみ計測装置。
  7. 前記載荷用車両に設けられたレーザ式変位計用架台と、
    前記レーザ式変位計用架台の前記載荷用車両の走行方向に並設された複数のレーザ式変位計と、を更に備え、
    前記各レーザ式変位計で、前記載荷用車両の走行中に、前記各レーザ式変位計と舗装路面との距離を測定することを特徴とする請求項5または請求項6記載のたわみ計測装置。
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