JP5336947B2 - バッチ式製造プロセスの監視方法及び監視装置 - Google Patents

バッチ式製造プロセスの監視方法及び監視装置 Download PDF

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本発明は、製造プロセスの監視方法及び監視装置に関し、特に、統計的品質管理手法(SPC:Statistical Process Control)を用いた製造プロセスの監視方法及び監視装置に関する。
従来より、バッチプロセスである半導体デバイスの製造プロセスにおいては、製造装置から製造条件を表す装置ログデータを収集し、この装置ログデータを監視することにより、安定稼動状態下での製造装置で製品が製造されているか否かを判定している。装置ログデータは、半導体デバイスの製造装置から一定時間毎、例えば1秒間毎に出力されるが、従来は、収集された装置ログデータから一定期間毎の最大値、最小値又は平均値等の特徴量を算出し、この特徴量が管理限界範囲内にあるか否かによって製造プロセスが正常であるか否かを判断していた。
しかしながら、近年、半導体デバイスの微細化に伴って、処理時間が短縮化しており、特徴量のみによっては製品の出来映えを予測することが困難になってきている。例えば、成膜プロセスにおいては、薄膜化が進むと成膜時間が短くなり、製造条件の一時的な変動が製品の出来映えに大きな影響を与えるようになる。しかし、上述の従来の技術では、折角、装置ログデータを一定時間毎に収集しても、平均値等の特徴量に落とし込む段階で時間の情報が失われてしまう。このため、製造条件の一時的な変動を監視することができず、良否判定精度が低いという問題がある。より具体的に言えば、従来の監視装置は、例えば1バッチ中の温度、圧力等の平均値が管理限界範囲内にあれば、製造装置は正常に稼働していると判断していたため、プロセス中の微小な変動を検出することはできなかった。
一方、特許文献1には、操業チャートデータに対してウェーブレット変換を行ってウェーブレット係数を算出し、このウェーブレット係数を用いて回帰モデルを作成し、解析を行う技術が開示されている。しかしながら、この方法では、予め測定された製品の出来映えデータが必要であるという問題点がある。
特開2004−288144号公報
本発明の目的は、時系列データとして収集される製造条件の一時的な変動を監視することができ、良否判定精度が高いバッチ式製造プロセスの監視方法及び監視装置を提供することである。
本発明の一態様によれば、製品のバッチ式製造装置から入力された時系列の装置ログデータをバッチ毎にウェーブレット変換し、複数の周波数成分についてウェーブレット係数を求める工程と、各前記周波数成分についてのウェーブレット係数及び前記各周波数成分についてそれぞれ取得された第1の負荷行列を用いて、前記各周波数成分について前記ウェーブレット係数のホッテリングT統計量又は残差Q統計量を求め、前記ホッテリングT統計量又は残差Q統計量に基づいて前記各周波数成分が正常であるか異常であるかを判定し、正常と判定された周波数成分のウェーブレット係数の値を0とすると共に異常と判定された周波数成分のウェーブレット係数の値はそのままとした一組の採用ウェーブレット係数を生成する工程と、前記一組の採用ウェーブレット係数を逆ウェーブレット変換して再生波形データを求める工程と、前記再生波形データ及び前記一組の採用ウェーブレット係数に対応する第2の負荷行列を用いて前記再生波形データのホッテリングT統計量又は残差Q統計量を求め、前記再生波形データのホッテリングT統計量又は残差Q統計量に基づいて前記再生波形データが正常であるか異常であるかを判定する工程と、を備えたことを特徴とするバッチ式製造プロセスの監視方法が提供される。
本発明の他の一態様によれば、製品のバッチ式製造装置から入力された時系列の装置ログデータをウェーブレット変換し、複数の周波数成分についてウェーブレット係数を求め、各前記周波数成分についてのウェーブレット係数及び前記各周波数成分についてそれぞれ取得された第1の負荷行列を用いて、前記各周波数成分について前記ウェーブレット係数のホッテリングT統計量又は残差Q統計量を求め、前記ホッテリングT統計量又は残差Q統計量に基づいて前記各周波数成分が正常であるか異常であるかを判定し、正常と判定された周波数成分のウェーブレット係数の値を0とすると共に異常と判定された周波数成分のウェーブレット係数の値はそのままとした一組の採用ウェーブレット係数を生成し、前記一組の採用ウェーブレット係数を逆ウェーブレット変換して再生波形データを求め、前記再生波形データ及び前記一組の採用ウェーブレット係数に対応する第2の負荷行列を用いて前記再生波形データのホッテリングT統計量又は残差Q統計量を求め、前記再生波形データのホッテリングT統計量又は残差Q統計量又は残差Qに基づいて前記再生波形データが正常であるか異常であるかを判定する演算部と、各前記周波数成分についての前記第1の負荷行列、及び、前記ウェーブレット係数の値をそのままとした周波数成分の組合せの全てについての前記第2の負荷行列が記憶された記憶部と、を備え、前記演算部は、前記再生波形データのホッテリングT統計量又は残差Q統計量を求める際に、前記記憶部に記憶された複数の前記第2の負荷行列から、前記周波数成分の組合せが前記一組の採用ウェーブレット係数と同じである第2の負荷行列を選択して使用することを特徴とするバッチ式製造プロセスの監視装置が提供される。
本発明によれば、時系列データとして収集される製造条件の一時的な変動を監視することができ、良否判定精度が高いバッチ式製造プロセスの監視方法及び監視装置を実現することができる。
本発明の実施形態におけるバッチ式製造プロセスの監視システムを例示するブロック図である。 図1に示す監視装置を例示するブロック図である。 本実施形態におけるモデル構築動作を例示するフローチャート図である。 本実施形態におけるモデル構築動作を例示するフローチャート図である。 本実施形態における異常判定動作を例示するフローチャート図である。 本実施形態における異常判定動作を例示するフローチャート図である。 横軸に時間をとり、縦軸に物理量をとって、良品の装置ログデータを例示するグラフ図である。 横軸に時間をとり、縦軸にウェーブレット係数の値をとって、一つのバッチの装置ログデータから得られる一組のウェーブレット係数を例示するグラフ図である。 ローディング1を例示する図である。 (a)は周波数成分を選択する前のウェーブレット係数を例示するグラフ図であり、(b)は周波数成分を選択した後の選択ウェーブレット係数を例示するグラフ図である。 横軸に時間をとり、縦軸に物理量をとって、良品再生波形データを例示するグラフ図である。 ローディング2を例示する図である。 横軸に時間をとり、縦軸に物理量をとって、監視対象となる装置ログデータを例示するグラフ図である。 横軸に時間をとり、縦軸に物理量をとって、再生波形データを例示するグラフ図である。 (a)及び(b)は、横軸にバッチ履歴をとり、縦軸にホッテリングT統計量又は残差Q統計量をとって、本実施形態に係る監視方法を例示するグラフ図である。 本実施形態の変形例に係る監視装置の演算部を例示するブロック図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態における製造プロセスの監視システムを例示するブロック図であり、
図2は、図1に示す監視装置を例示するブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係る監視システム100においては、製品を製造する製造装置101が設けられている。製造装置101は、例えば、半導体デバイスの製造ラインの一部を構成する装置であり、例えば、シリコンウェーハ上に薄膜を形成するプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)装置である。なお、本明細書において「製品」というときは、製造装置において所定の処理がなされた後の部材をいい、いわゆる完成品の他に中間製品も含むものとする。例えば、上述の例でいえば、薄膜が形成されたシリコンウェーハも「製品」に含まれる。監視システム100には、複数種類の製造装置101が設けられていてもよい。
また、監視システム100には、ホストコンピューター102が設けられている。ホストコンピューター102は、製造装置101に製造プロセスを実行させるための命令を出力する。更に、監視システム100には、製造装置101が正常に稼働しているか否かを監視する監視装置1が設けられている。更にまた、監視システム100には、端末コンピューター103が設けられている。端末コンピューター103は、監視装置1から出力された警報等が入力されて、これを表示するものである。端末コンピューター103は、例えば、製造装置101の担当技術者が保有するパーソナルコンピューターである。
更にまた、監視システム100には、MES(Manufacturing Execution System:製造実行システム)系LAN(Local Area Network:構内通信網)105及びFD(Fault Detection:欠陥探知)システム系LAN104が設けられている。そして、製造装置101、ホストコンピューター102及び監視装置1は、MES系LAN105に接続されている。また、監視装置1及び端末コンピューター103は、FDシステム系LAN104に接続されている。
図2に示すように、監視装置1には、演算部2及び記憶部3が設けられている。演算部2は後述する一連の演算処理を行う部分であり、記憶部3は後述する所定の情報を記憶する部分である。演算部2が行う処理内容及び記憶部3に記憶される情報の内容については後述する。監視装置1は、例えば、汎用のサーバによって構成されている。この場合、演算部2は、例えば、CPU(central processing unit:中央演算処理装置)によって構成されており、記憶部3は、例えば、HDD(hard disk drive:ハードディスクドライブ)によって構成されている。但し、後述の変形例に示すように、演算部2は専用のハードウェアによって構成されていてもよい。
次に、本実施形態に係る監視装置の動作、すなわち、本実施形態に係る製造プロセスの監視方法について説明する。
以下、本実施形態に係る監視方法の特徴を概略的に説明する。本実施形態に係る監視方法は、下記(1)、(2)の動作に分けることができる。
(1)装置ログデータを解析して製造条件の異常を検出する異常判定動作
(2)(1)の異常判定動作に用いる負荷行列を取得するモデル構築動作
(1)異常判定動作
監視装置1が、半導体デバイスの製造装置101から装置ログデータを収集する。装置ログデータとは、温度、圧力等の物理量の測定値が時間軸に沿って配列された時系列データである。装置ログデータからは物理量の測定値は読み取ることができるが、周波数特性を抽出することはできない。一方、装置ログデータをフーリエ変換すると、周波数特性は抽出できるが、時系列的な情報が失われてしまう。そこで、本実施形態においては、装置ログデータをウェーブレット変換することにより、時間的に局在する周波数成分を検出する。そして、ウェーブレット変換後のデータから正常な周波数成分を除去し、異常な周波数成分のみを残した上で、逆ウェーブレット変換することにより、異常な部分が誇張された再生波形データを得ることができる。この再生波形データを監視することにより、製造条件の一時的な変動も精度よく検出することができる。
この場合、ウェーブレット変換後のデータにおいて、ある周波数成分が正常であるか異常であるかの判定は、各周波数成分のウェーブレット係数を主成分分析(PCA:principal component analysis)し、ホッテリングT統計量(Hotelling's T2)及び残差Q統計量を求めることによって判定する。なお、ホッテリングT統計量とは、主成分空間における分布中心からの距離を表す指標であり、残差Q統計量とは、主成分に取り込めなかった情報の総量を表す指標である。各周波数成分のウェーブレット係数について、ホッテリングT統計量及び残差Q統計量のうち少なくとも一方が管理限界範囲を超えていれば異常と判定し、ウェーブレット係数の値をそのままとする。一方、ホッテリングT統計量及び残差Q統計量の双方が管理限界範囲内にあれば正常と判定し、ウェーブレット係数の値を0とする。これにより、正常な周波数成分が除去される。また、再生波形データが正常であるか異常であるかの判定も、再生波形データ全体を主成分分析し、ホッテリングT統計量及び残差Q統計量を求めることによって判定する。
(2)モデル構築動作
上述の異常判定において、各周波数成分のウェーブレット係数について迅速にホッテリングT統計量及び残差Q統計量を計算するために、予め各周波数成分について第1の負荷行列(ローディング1)を求めておく。第1の負荷行列は、良品の装置ログデータをウェーブレット変換して周波数成分毎に良品のウェーブレット係数を求め、これを周波数成分毎に主成分分析することより取得する。この第1の負荷行列と監視対象となる装置ログデータのウェーブレット係数とからホッテリングT統計量又は残差Q統計量を算出する。
また、再生波形データについて迅速にホッテリングT統計量及び残差Q統計量を計算するために、予め第2の負荷行列(ローディング2)を求めておく。第2の負荷行列は、選択された周波数成分の組合せによって異なるため、全ての組合せについて第2の負荷行列を求めておき、周波数成分の組合せに応じて1つの第2の負荷行列を選択して使用する。周波数成分の任意の組合せについての第2の負荷行列は、上述の良品のウェーブレット係数からこの組合せの周波数成分を選択し、これを逆ウェーブレット変換することにより良品の再生波形データを求め、これを主成分分析することによって取得する。この第2の負荷行列と監視対象となる装置ログデータの再生波形データとからホッテリングT統計量又は残差Q統計量を算出する。
以下、本実施形態に係る監視方法を詳細に説明する。
図3及び図4は、本実施形態におけるモデル構築動作を例示するフローチャート図であり、
図5及び図6は、本実施形態における異常判定動作を例示するフローチャート図である。
また、図7〜図15は、各段階のデータを例示する模式図である。すなわち、
図7は、横軸に時間をとり、縦軸に物理量をとって、良品の装置ログデータを例示するグラフ図であり、
図8は、横軸に時間をとり、縦軸にウェーブレット係数の値をとって、一つの装置ログデータから得られる一組のウェーブレット係数を例示するグラフ図であり、
図9は、ローディング1を例示する図であり、
図10(a)は周波数成分を選択する前のウェーブレット係数を例示するグラフ図であり、(b)は周波数成分を選択した後の選択ウェーブレット係数を例示するグラフ図であり、
図11は、横軸に時間をとり、縦軸に物理量をとって、良品再生波形データを例示するグラフ図であり、
図12は、ローディング2を例示する図であり、
図13は、横軸に時間をとり、縦軸に物理量をとって、監視対象となる装置ログデータを例示するグラフ図であり、
図14は、横軸に時間をとり、縦軸に物理量をとって、再生波形データを例示するグラフ図であり、
図15(a)及び(b)は、横軸にバッチ履歴をとり、縦軸にホッテリングT統計量又は残差Q統計量をとって、本実施形態に係る監視方法を例示するグラフ図である。
先ず、モデル構築動作について説明する。
上述の如く、モデル構築は異常判定の準備段階となる作業である。
先ず、図3のステップS11に示すように、図1に示す監視装置1の演算部2(図2参照)が製造装置101からMES系LAN105を介して装置ログデータを収集する。ステップS11においては、良品の装置ログデータのみを収集する。また、この装置ログデータは、後の工程で主成分分析の対象とするため、ある程度の量が必要である。
図7に示すように、装置ログデータとは、例えば、プラズマCVD処理における温度、圧力及び電流値等の物理量の測定値が時間軸に沿って配列されたデータである。演算部2は、これらの物理量の測定値を、製造装置101において一連のプロセスが開始してから終了するまでの時間範囲にわたって、一定の時間毎、例えば1秒毎に読み込み、1つの装置ログデータを構成し、記憶部3に記憶させる。例えば、図7に示す例では、1つの装置ログデータは、1バッチ分のプロセスに相当する32個の測定値を含んでいる。そして、図7に示すような装置ログデータが、複数個の製品、例えば、数百枚のウェーハについてそれぞれ取得される。
また、図3のステップS12に示すように、演算部2に分解レベルLが入力される。分解レベルとは、ウェーブレット変換において分解する周波数レベルを示すパラメータであり、監視対象となる装置ログデータの特性等に応じて任意に設定することができる。本実施形態においては、分解レベルLを例えば5とする。
そして、ステップS13に示すように、演算部2が、装置ログデータをウェーブレット変換する。これにより、ステップS14に示すように、各周波数成分のウェーブレット係数が算出される。図8は、横軸に時間をとり、縦軸にウェーブレット係数の値をとって、プロット数が32である装置ログデータをウェーブレット変換した結果を示すグラフ図である。図8に示すD1は、周波数が最も高い周波数成分のウェーブレット係数を示している。これらのウェーブレット係数は、隣り合う2つの時点のデータに基づいて算出されたものであり、全部で16個ある。また、D2は、次に周波数が高い周波数成分のウェーブレット係数を示している。これらのウェーブレット係数は、連続する4時点のデータに基づいて算出されたものであり、全部で8個ある。更に、D3及びD4は、連続する8時点及び16時点のデータに基づいて算出された4個及び2個のウェーブレット係数を示している。このように、周波数のレベルが1段下がる毎に、ウェーブレット係数の個数は約半分になる。そして、Aは、元の装置ログデータから上述のウェーブレット係数に相当する部分を除いた残りの部分を、2個のウェーブレット係数として示している。ステップS13及びS14においては、図8に示すような一組のウェーブレット係数が、複数個の製品、例えば、数百枚のウェーハについてそれぞれ算出される。
次に、ステップS15及びS16を、各周波数成分について実施する。ステップS15においては、演算部2が、ある周波数成分のウェーブレット係数を主成分分析する。すなわち、この周波数成分におけるウェーブレット係数の数をmとし、k番目(kは1〜mの整数)のウェーブレット係数をwとし、算出する主成分の数をnとし、j番目(jは1〜nの整数)の主成分をpcjとし、ウェーブレット係数wに乗じる係数をajkとすると、下記数式1を満足するような係数aj1〜ajmを求める。そして、算出する全ての主成分pc1〜pcnについての係数「ajk」を求めることにより、ステップS16及び図9に示すように、第1の負荷行列を取得する。この第1の負荷行列を「ローディング1」として記憶部3に記憶させる。
Figure 0005336947
そして、ステップS15及びS16に示す処理を、周波数成分の数だけ繰り返すことにより、周波数成分毎に第1の負荷行列を取得する。例えば、図8に示す例では、周波数成分は「D1」、「D2」、「D3」、「D4」、「A」の5種類であるため、ステップS15及びS16を5回繰り返す。図9に示すように、各周波数成分についての第1の負荷行列は、係数「ajk」からなるn行m列の行列となる。
次に、図4のステップS21に示すように、演算部2が、周波数成分の組合せを計算する。具体的には、各周波数成分を採用する場合を「1」、採用しない場合を「0」で表現した数字列を取得する。周波数成分の数は分解レベルLと等しいため、組合せ数Mは、M=2となる。例えば、分解レベルLが5である場合、周波数成分の数も5であるため、M=2=32となる。
次に、演算部2は、ステップS22〜S27を、周波数成分の組合せのそれぞれについて実施する。
先ず、ステップS22に示すように、ステップS21で取得した数字列に従って、図8に示すウェーブレット係数を周波数成分毎に選択する。これにより、ステップS23に示すように、選択ウェーブレット係数が生成される。例えば、上記数字列が「01001」である場合は、図10(a)に示すように、周波数成分D1は非選択、周波数成分D2は選択、周波数成分D3は非選択、周波数成分D4は非選択、周波数成分Aは選択される。そして、選択された周波数成分については、ウェーブレット係数の値をそのままとし、非選択の周波数成分については、ウェーブレット係数の値を0とする。この結果、図10(b)に示すような選択ウェーブレット係数が生成される。
次に、ステップS24に示すように、図10(b)に示す選択ウェーブレット係数を逆ウェーブレット変換する。これにより、ステップS25及び図11に示すように、装置ログデータと同じ形式の時系列データが再生される。以下、この時系列データを「良品再生波形データ」という。良品再生波形データは、収集された装置ログデータの数、すなわち、製品数と同じ数だけ取得される。図11に示すように、この良品再生波形データは、図7に示す装置ログデータをウェーブレット変換し(ステップS13)、いくつかの周波数成分を選択し(ステップS22)、逆ウェーブレット変換した(ステップS24)ものであるため、図7に示す装置ログデータと比較して、波形が少し異なっている。
次に、ステップS26に示すように、良品再生波形データを主成分分析する。すなわち、ある良品再生波形におけるデータの数をsとし、k番目(kは1〜sの整数)のデータをxとし、算出する主成分の数をtとし、j番目(jは1〜tの整数)の主成分をpcjとし、データxに乗じる係数をbjkとすると、下記数式2を満足するような係数bj1〜bjsを求める。そして、算出する全ての主成分pc1〜pctについての係数「bjk」を求めることにより、ステップS27及び図12に示すように、第2の負荷行列を取得することができる。この第2の負荷行列を記憶部3に記憶させる。
Figure 0005336947
そして、ステップS22〜S27に示す処理を、周波数成分の組合せの数だけ繰り返すことにより、組合せ毎に第2の負荷行列を取得する。例えば、周波数成分が「D1」、「D2」、「D3」、「D4」、「A」の5種類である場合は、組合せ数MはM=2=32であるため、ステップS22〜S27を32回繰り返す。図12に示すように、各周波数成分の組合せについての第2の負荷行列は、係数「bjk」からなるt行s列の行列となる。以上により、モデル構築動作が終了する。この段階で、監視装置1の記憶部3には、ローディング1及びローディング2が記憶されている。
次に、異常判定動作について説明する。
異常判定動作は、実際に製造装置101を監視する動作である。
図5のステップS31に示すように、監視装置1(図1参照)の演算部2(図2参照)が製造装置101からMES系LAN105を介して装置ログデータを収集する。この装置ログデータは、監視対象となるデータであり、異常が含まれているか否かは未知である。図13に、ステップS31において収集される装置ログデータを示す。説明の便宜上、この装置ログデータは、不良品の装置ログデータであるものとする。なお、図13には、比較のために、良品の装置ログデータ(図7参照)も重ねて示す。図13において、良品の装置ログデータは黒丸(●)で示し、不良品の装置ログデータは白丸(○)で示す。良品の装置ログデータは、図7に示したデータと同じものである。
また、図5のステップS32に示すように、演算部2に分解レベルLが入力される。この分解レベルLの値は、図3のステップS12において入力された分解レベルの値と同じである。すなわち、本実施形態においては、例えば、L=5である。
次に、ステップS33に示すように、演算部2が、ステップS31において入力された装置ログデータをウェーブレット変換する。これにより、ステップS34に示すように、各周波数成分のウェーブレット係数を求める。このウェーブレット係数の形式は、図8に示すものと同様である。また、ステップS35に示すように、演算部2が、上述のモデル構築(図3のステップS16参照)において取得したローディング1(図9参照)を記憶部3から読み出す。
次に、演算部2は、ステップS36〜S42を、周波数成分のそれぞれについて実施する。
先ず、演算部2は、1つの周波数成分についてウェーブレット係数を主成分分析する。この主成分分析は「マルチウェイPCA」によって行う。すなわち、演算部2は、1つの周波数成分のウェーブレット係数wと、この周波数成分に対応する第1の負荷行列の係数aを用いて、上記数式1に示す演算を行い、ホッテリングT統計量及び残差Q統計量、すなわち、主成分pc1〜pcnの値を算出する。
そして、ステップS36及びS37に示すように、主成分スコアからホッテリングT統計量を算出し、ステップS38に示すように、このホッテリングT統計量が管理限界範囲内にあるかどうかを判定する。なお、管理限界範囲は、統計的に計算された範囲とし、例えば、(平均値±Nσ)以内の範囲とする。σは標準偏差であり、Nは任意の数、例えば、3又は4である。一方、ステップS39及びS40に示すように、主成分スコアから残差Q統計量を算出し、ステップS41に示すように、この残差Q統計量が管理限界範囲内にあるかどうかを判定する。そして、ステップS42に示すように、ホッテリングT統計量及び残差Q統計量のうち少なくとも一方が管理限界範囲を超えた場合は、この周波数成分は異常であると判断し、ウェーブレット係数の値をそのままとする。一方、ホッテリングT統計量及び残差Q統計量の双方が管理限界範囲内であった場合は、この周波数成分は正常であると判断し、ウェーブレット係数の値を全て0とする。
これにより、この周波数成分について、新たなウェーブレット係数を取得する。例えば、図8に示す周波数成分D1について、値が図8に示す値そのままか又は0とされた16個の新たなウェーブレット係数を生成する。この新たなウェーブレット係数を「採用ウェーブレット係数」という。そして、演算部2は、全ての周波数成分について上述のステップS36〜S42に示す処理を繰り返すことにより、全周波数成分についてそれぞれ採用ウェーブレット係数を取得する。
次に、図6のステップS43に示すように、全周波数成分の採用ウェーブレット係数を統合(マージ)する。これにより、ステップS44に示すように、全周波数成分に対応する一組の採用ウェーブレット係数を生成する。この一組の採用ウェーブレット係数は、例えば図10(b)に示すようなものとなる。
次に、ステップS45に示すように、ステップS44において生成された一組の採用ウェーブレット係数を逆ウェーブレット変換する。これにより、ステップS46に示すように、装置ログデータと同じ形式の再生波形データを求める。図14に、この再生波形データを示す。なお、図14には、周波数成分の組合せがこの再生波形データと同じである良品再生波形データも併せて示している。図14において、良品の再生波形データは黒丸(●)で示し、不良品再生波形データは白丸(○)で示す。再生波形データは、図11に示したデータと同じものである。図14に示す再生波形データは、図13に示す装置ログデータと比較して、波形が少し異なっている。これは、図14に示す再生波形データは、装置ログデータがウェーブレット変換された段階で、正常と判定された周波数成分を除去しているためである。
一方、ステップS47に示すように、上述の一組の採用ウェーブレット係数において採用された周波数成分、すなわち、ウェーブレット係数の値がそのままとされた周波数成分の組合せを表す数字列を取得する。例えば、図10(b)に示す一組の採用ウェーブレット係数の場合は、周波数成分D2及びAが選択されており、周波数成分D1、D3、D4が非選択であるから、これを表す数字列は「01001」となる。
次に、ステップS48及びS49に示すように、演算部2は、ステップS47において取得した数字列に基づいて、記憶部3に記憶された複数のローディング2から、上述の一組の採用ウェーブレット係数(ステップS44)に対応する1つのローディング2(第2の負荷行列)を読み出す。すなわち、演算部2は、ステップS44において生成された一組の採用ウェーブレット係数において選択されている周波数成分の組合せと同一の周波数成分の組合せが選択されて(ステップS22)算出された(ステップS26)ローディング2を読み出す。
次に、ステップS50〜S55に示すように、演算部2が再生波形データを主成分分析し、その結果を評価する。この主成分分析には、「マルチウェイ(Multiway) PCA」を採用する。すなわち、演算部2は、再生波形データの各データxと読み出されたローディング2(第2の負荷行列)に記載された係数bを用いて、上記数式2の演算を行い、主成分スコア、すなわち、主成分pc1〜pcnの値を算出する。そして、ステップS50及びS51に示すように、主成分スコアからホッテリングT統計量を算出し、ステップS52に示すように、このホッテリングT統計量が管理限界範囲内にあるかどうかを判定する。一方、ステップS53及びS54に示すように、主成分スコアから残差Q統計量を算出し、ステップS55に示すように、この残差Q統計量が管理限界範囲内にあるかどうかを判定する。
そして、ホッテリングT統計量及び残差Q統計量のうち少なくとも一方が管理限界範囲を超えた場合には、製造装置に異常が発生したと判断し、ステップS56に進み、警報を発する。具体的には、演算部2が、FDシステム系LAN104を介して、端末コンピューター103に対してアラームメールを送信する。また、必要に応じて、MES系LAN105を介してホストコンピューター102に対して警報を出力し、ホストコンピューター102が製造装置101を停止する。
一方、ホッテリングT統計量及び残差Q統計量の双方が管理限界範囲内であった場合は、警報を発することなく、今回の異常判定動作を終了する。以後、製造装置101から新たな装置ログデータが入力されてくる度に、ステップS31〜S56に示す異常判定動作を実施する。このようにして、図15(a)及び(b)に示すように、製造チャンス毎にホッテリングT統計量及び残差Q統計量を取得し、これらに基づいて製造条件が正常か異常かを判定することにより、製造装置101の状態を継続的に監視することができる。
なお、演算部2が製造装置101に異常が発生したと判断した場合には、アラームメールを発信すると共に、図14に示す再生波形データ及び良品再生波形データを出力してもよい。例えば、これらのデータをウェブに掲載し、端末コンピューター103からアクセスできるようにしてもよい。これにより、担当技術者が端末コンピューター103を介してこれらのデータを認識し、異常の原因を特定する際の判断材料とすることができる。
この場合、担当技術者は、端末コンピューター103が受信したアラームメールを見て異常の発生を認識し、図14に示す再生波形データを参照して、異常の原因を特定する。例えば、図14に示す例では、異常製品の装置ログデータは、良品の装置ログデータと比較して、プロセスの前半において低過ぎ、後半において高過ぎたことがわかる。なお、図13に示す生の装置ログデータにおいては、出来映えに大きな影響を及ぼす部分が強調されていないため、この装置ログデータから上述の見解を引き出すことは困難である。また、担当技術者は、再生波形データについてドリルダウン解析を行うこともできる。例えば、不良品が発見された場合に、その不良品を製造したバッチにおいて、どの信号の何秒目の部分が製品の品質に影響を与えたかを解析することができ、異常の原因を特定することができる。
以上の説明に基づいて、演算部2の機能をまとめて表現すると、以下のようになる。すなわち、上述の如く、演算部2は、半導体デバイスの製造装置101から入力された監視対象となる時系列の装置ログデータをウェーブレット変換し(ステップS33)、複数の周波数成分についてウェーブレット係数を求める。また、演算部2は、各周波数成分についてのウェーブレット係数及び各周波数成分についてそれぞれ取得された第1の負荷行列を用いて、各周波数成分についてウェーブレット係数の主成分スコアを求め、この主成分スコアに基づいて各周波数成分が正常であるか異常であるかを判定し、正常と判定された周波数成分のウェーブレット係数の値を0とすると共に異常と判定された周波数成分のウェーブレット係数の値はそのままとした一組の採用ウェーブレット係数を生成する(ステップS43)。更に、演算部2は、この一組の採用ウェーブレット係数を逆ウェーブレット変換して再生波形データを求め(ステップS45)、この再生波形データ及び一組の採用ウェーブレット係数に対応する第2の負荷行列(ローディング2)を用いて再生波形データの主成分スコアを求め、この再生波形データのホッテリングT統計量及び残差Q統計量に基づいて再生波形データが正常であるか異常であるかを判定する。このとき、演算部2は、再生波形データのホッテリングT統計量及び残差Q統計量を求める際に、記憶部3に記憶された複数の第2の負荷行列から、周波数成分の組合せが上述の一組の採用ウェーブレット係数と同じである第2の負荷行列を選択して使用する(ステップS48)。
また、演算部2は、ローディング1及びローディング2を取得するためのモデル構築も行う。すなわち、演算部2は、良品の装置ログデータをウェーブレット変換することにより(ステップS13)、複数の周波数成分について良品のウェーブレット係数をそれぞれ求め、各周波数成分について良品のウェーブレット係数をそれぞれ主成分分析することによってローディング1を生成する(ステップS15)。また、演算部2は、上述の良品のウェーブレット係数のうち、選択された周波数成分についてはウェーブレット係数の値をそのままとし、残りの周波数成分についてはウェーブレット係数の値を0とした一組の選択ウェーブレット係数を、選択する周波数成分の組合せの全てについて生成する(ステップS22)。そして、このようにして生成した複数組の選択ウェーブレット係数をそれぞれ逆ウェーブレット変換することにより複数の良品再生波形データを求め(ステップS24)、これらの複数の良品再生波形データをそれぞれ主成分分析することにより複数のローディング2を生成する(ステップS26)。
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態によれば、監視装置1が装置ログデータを一旦ウェーブレット変換し、正常な周波数成分を除去した上で逆ウェーブレット変換しているため、異常な部分が誇張された再生波形データを得ることができる。これにより、製造条件の一時的な変動も取り込みつつ、予測精度が高い監視を行うことができる。すなわち、装置から収集されるログ波形を平均値に集約せず、波形レベルで製造装置の異常を監視することができるため、製造条件の異常を見逃す確率を低減できる。この結果、従来は電気特性評価等の最終検査をするまで検出できなかった不良品を、最終検査前に早期に発見することができるようになり、不良品が大量に発生することを未然に防止できる。
また、異常判定後に寄与プロットによるドリルダウン解析を行い、異常の発生要因を早期に特定し、改善することが可能となる。これにより、異常が検出されてから、不良要因解析を行い、不良要因を特定してメンテナンス等を実行するまでの時間を短縮することができる。
更に、本実施形態においては、再生波形データの監視をホッテリングT統計量及び残差Q統計量により行っているため、捨象される情報量を抑えつつ、管理項目数を2つに絞ることができる。この結果、管理項目数が少ないため処理を高速化することができると共に、捨象される情報量が少ないため異常を正確に検出することができる。同様に、本実施形態においては、周波数成分の判定もホッテリングT統計量及び残差Q統計量を用いて行っているため、周波数成分の判定を高速且つ正確に実施することができる。
更にまた、本実施形態によれば、予めモデル構築を行い、周波数成分の判定に使用する第1の負荷行列と、再生波形データの監視に使用する第2の負荷行列を求め、記憶部3に記憶させている。これにより、入力された装置ログデータの異常判定を高速に行うことができる。また、第2の負荷行列を予め周波数成分の組合せ毎に求め、記憶部3に記憶させておき、異常判定動作において、入力された装置ログデータに応じて選択しているため、監視対象となる装置ログデータにおいて周波数成分がどのように組み合わされていても、異常を正確に検出することができる。
更にまた、本実施形態においては、装置ログデータの異常判定動作に担当技術者が介在する必要がなく、自動的に監視を継続することができる。また、モデル構築は、製造プロセスが変わらない限り、通常は1回だけ行えばよい。これにより、半導体デバイスの生産ラインを構成する多数の製造装置を効率的に監視することができる。
更にまた、本実施形態によれば、異常が検出されたときに担当技術者に対してアラームメールを送信することにより、担当技術者に異常の発生を確実に知らせることができる。また、このとき、再生波形データ及び良品波形データを併せて出力することにより、担当技術者が製造条件の変動状態を直感的に把握することができる。この結果、担当技術者が異常の原因を特定する作業を支援できる。
次に、本実施形態の変形例について説明する。
図16は、本変形例に係る監視装置の演算部を例示するブロック図である。
前述の実施形態においては、監視装置1(図1参照)の演算部2(図2参照)は汎用サーバによって構成されていたが、本変形例においては、演算部12は専用のハードウェアによって構成されている。但し、演算部12の機能は、演算部2の機能と同じである。
すなわち、図16に示すように、本変形例に係る監視装置の演算部12においては、データ収集部21、ウェーブレット変換部22、マルチウェイPCA部25a、異常判定部23、波形再生部24、マルチウェイPCA部25b、異常判定部26及びメール送信部27が設けられている。データ収集部21は、図3のステップS11及び図5のステップS31に示す装置ログデータの入力処理を行う。ウェーブレット変換部22、マルチウェイPCA部25aは、図3のステップS13〜S16に示すウェーブレット変換及び周波数成分毎の主成分分析によるローディング1の取得、並びに、図5のステップS33〜S37、S39、S40に示すウェーブレット変換及び周波数成分毎の主成分分析によるホッテリングT統計量及び残差Q統計量の算出を行う。異常判定部23は、図5のステップS38、S41に示すように、ホッテリングT統計量及び残差Q統計量がそれぞれ管理限界範囲内にあるか否かの判定を行う。波形再生部24は、図4のステップS21〜S25、図5のステップS42及び図6のステップS43〜S46に示す逆ウェーブレット変換を行う。マルチウェイPCA部25bは、図6のステップS50、S51、S53、S54に示す主成分分析を行う。異常判定部26は、図6のステップS52及びS55に示すように、ホッテリングT統計量及び残差Q統計量がそれぞれ管理限界範囲内にあるか否かを判定する。メール送信部27は、図6のステップS56に示すアラームメールの送信を行う。本変形例における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の実施形態と同様である。
以上、実施形態及びその変形例を参照して本発明を説明したが、本発明はこれらの実施形態及び変形例に限定されるものではない。前述の実施形態又は変形例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含有される。
1 監視装置、2 演算部、3 記憶部、12 演算部、21 データ収集部、22 ウェーブレット変換部、23 異常判定部、24 波形再生部、25b マルチウェイPCA部、26 異常判定部、27 メール送信部、100 監視システム、101 製造装置、102 ホストコンピューター、103 端末コンピューター、104 FDシステム系LAN、105 MES系LAN

Claims (5)

  1. 製品のバッチ式製造装置から入力された時系列の装置ログデータをバッチ毎にウェーブレット変換し、複数の周波数成分についてウェーブレット係数を求める工程と、
    各前記周波数成分についてのウェーブレット係数及び前記各周波数成分についてそれぞれ取得された第1の負荷行列を用いて、前記各周波数成分について前記ウェーブレット係数のホッテリングT統計量及び残差Q統計量を求め、前記ホッテリングT統計量及び残差Q統計量に基づいて前記各周波数成分が正常であるか異常であるかを判定し、正常と判定された周波数成分のウェーブレット係数の値を0とすると共に異常と判定された周波数成分のウェーブレット係数の値はそのままとした一組の採用ウェーブレット係数を生成する工程と、
    前記一組の採用ウェーブレット係数を逆ウェーブレット変換して再生波形データを求める工程と、
    前記再生波形データ及び前記一組の採用ウェーブレット係数に対応する第2の負荷行列を用いて前記再生波形データの主成分スコアを求め、前記再生波形データのホッテリングT統計量及び残差Q統計量に基づいて前記再生波形データが正常であるか異常であるかを判定する工程と、
    を備えたことを特徴とするバッチ式製造プロセスの監視方法。
  2. 前記各周波数成分が正常であるか異常であるかの判定は、
    前記各周波数成分について、前記ウェーブレット係数の主成分スコアに基づいてホッテリングT統計量及び残差Q統計量を算出し、
    前記ホッテリングT統計量及び前記残差Q統計量の双方が管理限界範囲内であった周波数成分を正常と判定すると共に、前記ホッテリングT統計量及び前記残差Q統計量のうち少なくとも一方が前記管理限界範囲を超えた周波数成分を異常と判定する
    ことを特徴とする請求項1記載のバッチ式製造プロセスの監視方法。
  3. 前記再生波形データが正常であるか異常であるかを判定する工程は、
    前記再生波形データの主成分スコアに基づいてホッテリングT統計量及び残差Q統計量を算出する工程と、
    前記ホッテリングT統計量及び前記残差Q統計量の双方が管理限界範囲内にある場合に前記再生波形データを正常と判定し、前記ホッテリングT統計量及び前記残差Q統計量のうち少なくとも一方が前記管理限界範囲を超えた場合に前記再生波形データを異常と判定する工程と、
    を有することを特徴とする請求項1または2に記載のバッチ式製造プロセスの監視方法。
  4. 製品の製造装置から入力された装置ログデータをウェーブレット変換し、複数の周波数成分についてウェーブレット係数を求め、各前記周波数成分についてのウェーブレット係数及び前記各周波数成分についてそれぞれ取得された第1の負荷行列を用いて、前記各周波数成分について前記ウェーブレット係数の主成分スコアを求め、ホッテリングT統計量及び残差Q統計量に基づいて前記各周波数成分が正常であるか異常であるかを判定し、正常と判定された周波数成分のウェーブレット係数の値を0とすると共に異常と判定された周波数成分のウェーブレット係数の値はそのままとした一組の採用ウェーブレット係数を生成し、前記一組の採用ウェーブレット係数を逆ウェーブレット変換して再生波形データを求め、前記再生波形データ及び前記一組の採用ウェーブレット係数に対応する第2の負荷行列を用いて前記再生波形データの主成分スコアを求め、前記再生波形データのホッテリングT統計量及び残差Q統計量に基づいて前記再生波形データが正常であるか異常であるかを判定する演算部と、
    各前記周波数成分についての前記第1の負荷行列、及び、前記ウェーブレット係数の値をそのままとした周波数成分の組合せの全てについての前記第2の負荷行列が記憶された記憶部と、
    を備え、
    前記演算部は、前記再生波形データのホッテリングT統計量及び残差Q統計量を求める際に、前記記憶部に記憶された複数の前記第2の負荷行列から、前記周波数成分の組合せが前記一組の採用ウェーブレット係数と同じである第2の負荷行列を選択して使用することを特徴とするバッチ式製造プロセスの監視装置。
  5. 前記演算部は、
    良品の装置ログデータをウェーブレット変換することにより、前記複数の周波数成分について良品のウェーブレット係数をそれぞれ求め、各前記周波数成分について前記良品のウェーブレット係数をそれぞれ主成分分析することによって前記第1の負荷行列を生成し、
    良品のウェーブレット係数のうち、選択された周波数成分についてはウェーブレット係数の値をそのままとし、残りの周波数成分についてはウェーブレット係数の値を0とした一組の選択ウェーブレット係数を、選択する周波数成分の組合せの全てについて生成し、前記生成した複数組の前記選択ウェーブレット係数をそれぞれ逆ウェーブレット変換することにより複数の良品再生波形データを求め、前記複数の良品再生波形データをそれぞれ主成分分析することにより前記複数の第2の負荷行列を生成する
    ことを特徴とする請求項4記載のバッチ式製造プロセスの監視装置。
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