JP2010283000A - 半導体製造における装置異常の予兆検知方法 - Google Patents

半導体製造における装置異常の予兆検知方法 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体製造装置の装置ログ値のうち、時系列推移が数時間程度の間隔では、一定値を取ると見なすことのできるものを対象に、虚報と見逃しの発生を抑えながら、ドリフト異常の予兆検知を実現する技術を提供する。
【解決手段】半導体製造における装置異常の予兆検知方法において、装置ログ情報の履歴データとしきい値切り替え時間とメンテナンス情報を取得するステップと、直近のメンテナンスが実施されてからの経過時間としきい値切り替え時間を比較して予兆判定しきい値算出方式を選択するステップと、取得された装置ログ情報の履歴データを用いて選択された予兆判定しきい値算出方式により予兆判定しきい値を算出するステップと、取得された装置ログ情報の履歴データと算出された予兆判定しきい値を比較して予兆判定を行うステップとを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体の製造方法および製造装置および製造システムにかかり、特に製造装置による処理時における装置異常の予兆検知方法、および装置、およびシステムに関するものである。
半導体デバイスの製造技術において、半導体ウェハに転写される回路パターンの微細化に伴い、各工程で使用されている半導体製造装置が満たすべき、製造条件の変動許容範囲は年々狭くなっている。また、製造条件が変動許容範囲から逸脱すると、処理を施された半導体ウェハの回路には、動作の不具合が発生する。そのため、半導体製造装置の製造状況を監視し、変動許容範囲から逸脱していないか、あるいは、逸脱する予兆が発生していないかを監視する必要がある。
また、半導体デバイスの製造方法においては絶縁膜や酸化膜、金属膜などを半導体ウェハに形成する成膜工程や、半導体ウェハ上にレジスト(感光剤)を塗布し、レジストに光を当てることにより、レジストを所定のパターンに整形する露光工程、化学処理によって、成膜工程にて整形した膜をレジストに沿って、所定のパターンに整形するエッチング工程など多くの製造工程を、工程フローに従って繰り返し処理を行うことによりシリコンウェハ上に多層構造の半導体デバイスを形成する。半導体デバイスの製造では、多種類・多数の製造装置が必要となる。
そのため、多数の製造装置の製造状況を網羅的に監視する技術として、各製造装置の製造状況をモニターしたデータ(以降、装置ログと呼ぶ)に対し、過去の装置ログ値の変動状況から統計処理的、あるいは信号処理的な方法により、上下限しきい値を設定し、処理中の装置ログ値に異常、あるいは、予兆が発生していないかを監視する技術が必要である。
例えば、特許文献1では、過去の装置ログ値から統計的な処理により、装置ログ値の管理値、および管理上限値、管理下限値を算出し、それらで決まる管理幅により、装置ログ値の異常検知を実施するものである。また、データの蓄積状況に応じて、装置ログ値を管理する管理値、および管理上限値、管理下限値を再計算し、管理を厳しくする方向にのみ更新する方法である。
例えば、バラツキの所定倍値を管理上限値、管理下限値と比較して、管理幅以内であれば、バラツキの所定倍値を新しい管理上限値、新しい管理下限値として置き換える。
また、特許文献2は、周波数分解を燃料電池発電システムにおける異常検知に利用した技術である。本技術は、電圧データから、所定の周波数成分を抽出し、その大きさを出荷前の大きさと比較し、異常検知を実施する燃料電池発電システムにおける異常診断システムである。
特開平8−202775号公報 特開2008−10176号公報
監視対象である装置ログ値が許容変動幅を逸脱する際のパターンそれぞれに対し、取り得る異常・予兆検知について説明する。
監視対象である装置ログ値が許容変動幅を逸脱するパターンは、図2に示すように、時間的推移の観点で大きく2つに分けられる。
1つ目は、突発異常パターンである。突発異常とは、許容変動幅を逸脱する直前のデータ推移と、過去のデータ推移を区別することは困難であるが、突然許容変動幅を逸脱する異常パターンである。
2つ目は、ドリフト異常パターンである。ドリフト異常とは、データ推移が経時変化し、徐々に許容変動幅の上限、または下限に接近し、許容変動幅を逸脱する異常パターンである。
ここで、本発明が解決しようとする課題は、半導体製造装置の装置ログ値のうち、時系列推移が数時間程度の間隔では、一定値を取ると見なすことのできるものを対象に、虚報(異常とならないレベルの変動を異常とみなすこと)と見逃し(異常となるレベルの変動を異常とみなせないこと)の発生を抑えながら、ドリフト異常の予兆検知を実現することである。
予兆検知とは、次の2つの条件を満たすタイミングでの異常検知を指す。第一の条件は、検知時点で処理中であったウェハの回路に、動作の不具合が発生しないタイミングである。第二の条件は、検知した時点で、修理に必要な部材の手配を行えば、修理に要する期間を短縮できるタイミングである。
ドリフト異常パターンは、徐々に許容変動幅の上限もしくは、下限に接近するため、ドリフト異常となる変動の開始直後に検知することが出来れば、データが許容変動幅を超える前に、予兆検知を実現することが可能である。
このとき、時系列データは許容変動幅の範囲内でのドリフト変動もあるため、データが変化し始めたからといって、そのまま許容変動幅を逸脱するとは限らない。そこで、ドリフト異常の予兆検知を実現するためには、製造装置が正常に稼動している際に装置ログが取りうる変動幅を正確に見積もり、その変動幅の上下限にしきい値を設定する必要がある。
しかし、半導体製造装置の装置ログ値は、過去の装置ログ値の変動状況を利用した上下限しきい値設定に対して障害となる特徴を2つ持っている。その特徴について、以下に説明する。
1つ目はノイズの存在である。
装置ログ値は、処理中の装置状態や、測定するセンサの状態など、様々な状態が関係している。例えば、処理中の装置状態の変動状況を把握する上では、センサの状態の変動や、他の装置ログに起因した装置ログ値の変動はノイズとなる。
このように、装置ログ値は着目したいデータ以外の要素を含んでしまっており、それらは全てノイズとなる。
2つ目は、材料交換や部品交換のような製造装置のメンテナンスと関連し、値が変化することである。装置ログは、装置のメンテナンスを行うと、値が大きく異なる。図3は、メンテナンスによる装置ログの値の変動を示す概念図である。図3における網掛け領域がメンテナンスを行っている期間を示す。この期間を境に装置ログ値が低くなっていて、かつ、変動も小さくなっていることを示している。
このように、装置メンテナンスを行うと、値が大きく変化するため、装置メンテナンス前のデータ変動範囲と装置メンテナンス後のデータ変動範囲は異なる。従って、装置メンテナンス前のデータにより算出したしきい値を装置メンテナンス後のデータの監視に用いることはできない。
そのため、装置のメンテナンスが行われた場合は、装置のメンテナンスが行われた後のデータのみを用いてしきい値を再計算する必要がある。
以上のような障害を取り除く方法には色々な方法がある。
1つ目の障害を解決する方法として、統計処理や信号処理では、時系列データを推移のパターンという観点でいくつかのデータへ分割する方法がしばしば用いられる。
例えば、時系列データの分割に用いられる代表的なものに、周波数分解が挙げられる。周波数分解では、フーリエ変換を利用し、時系列データを周波数ごとの成分に分割する方法である。また、周波数分解とは厳密には一致しないが、移動平均データとその残差データに分割する方法なども挙げられる。
そこで、周波数分解を行い、各周波数成分の変動幅を正確に見積もることができれば、予兆検知のための上下限しきい値が設定できることになる。
ここで、各周波数成分の変動幅を見積もるためには、少なくとも(1/2)周期分のデータが必要である。従って、低い周波数成分を持っているデータに対しては、変動幅を見積もるのに長期間のデータが必要となる。
一方、上述したように、装置メンテナンス前のデータを装置メンテナンス後のデータを監視するためのしきい値算出用のデータに用いることが出来ない。従って、メンテナンス後から、各周波数成分の変動幅を見積もるためのデータ量が揃うまでの期間はしきい値を算出することができない。
すなわち、長期間のデータが蓄積するまでの間、しきい値設定ができず、その期間の予兆検知をすることができず、無監視となってしまう。
そのため、無監視時間を極力抑えながら、正確にデータ変動を見積もったしきい値による予兆監視方法が必要となる。
前記特許文献1は、データの蓄積状況に応じて、しきい値を算出し直し、管理を厳しくする方向にのみしきい値を更新していく異常検知方式である。
本特許文献1では、ノイズの振幅が小さい期間においてしきい値を厳しくする方向に更新してしまう可能性がある。その結果、ノイズの振幅が大きくなった場合、虚報を発生させてしまう可能性がある。
また、前記特許文献2は、周波数分解を行い、周波数成分ごとに異常検知を実施している。
このような方法を用いることで、ノイズと着目したいデータ変動を分離して、正確に評価することが可能である。
しかし、上述したように、低い周波数成分を持っているデータに対しては、変動幅を見積もるのに長期間のデータが必要となり、予兆検知をできない無監視の期間が発生してしまう。
そのため、従来技術では、虚報と見逃しの発生を抑えながら、ドリフト異常の予兆検知を実現することは困難である。
そこで、本発明の目的は、半導体製造装置の装置ログ値のうち、時系列推移が数時間程度の間隔では、一定値を取ると見なすことのできるものを対象に、虚報と見逃しの発生を抑えながら、ドリフト異常の予兆検知を実現する技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
すなわち、代表的なものの概要は、装置ログ情報の履歴データとしきい値切り替え時間とメンテナンス情報を取得するステップと、直近のメンテナンスが実施されてからの経過時間としきい値切り替え時間を比較して予兆判定しきい値算出方式を選択するステップと、取得された装置ログ情報の履歴データを用いて選択された予兆判定しきい値算出方式により予兆判定しきい値を算出するステップと、取得された装置ログ情報の履歴データと算出された予兆判定しきい値を比較して予兆判定を行うステップとを有する。
すなわち、本発明では、メンテナンスによる装置ログ値の変動に対応するため、メンテナンスを実施した際には、しきい値の再計算を行う。その際、再計算に用いるデータはメンテナンス後に得られたデータのみを用いる。そこで、本発明では、しきい値の算出方式を複数種類用意しておき、メンテナンスからの経過時間(データの蓄積状況)に応じて、算出可能なしきい値を選択する。これにより、監視することができない期間を短くする。
例えば、次のような方法が挙げられる。
過去実績上、装置が故障したことが無い短期間のデータを用い、その期間のデータで変動幅を算出可能な短期的な変動(高周波)の変動幅のみを評価して、その変動幅の定数倍で算出するしきい値(1)と、データに含まれる低周波成分の変動幅を見積もることが可能な長期間のデータを用い、しきい値(1)で評価したものと同様の短期的な変動幅と新規にデータを取得することによって算出することが可能になった長期的な変動(低周波)の変動幅を評価し、そのそれぞれの定数倍を足し合わせて算出するしきい値(2)の2つを用意しておく。
そして、図4に示すようにメンテナンス後、しきい値(1)が算出可能なデータ量が蓄積された、すなわち、メンテナンスから所定の時間が経過したら、短期的なデータを用いて、しきい値(1)を算出し、予兆検知を実施する。その後、しきい値(2)が算出可能なデータ量が蓄積された時点で、すなわち、メンテナンスから所定の時間が経過したら、しきい値(2)を算出し、しきい値(2)に切り替えて予兆検知を実施する。
これにより、無監視の時間を前者の方式でしきい値を算出するのに必要なデータが蓄積されるまでの期間に抑えることができる。また、しきい値(2)を算出するのに必要なデータが蓄積されてからは、長期的な変動も評価したしきい値にて、予兆を検知することが可能である。
上述した例では、2つのしきい値の例について述べたが、これを短期的な変動のみを評価したもの、短期的な変動と中期的な変動を評価したもの、短期的な変動と中期的な変動と長期的な変動を評価したものの3つに分けるなど、2つ以上のしきい値を用意する方法も挙げられる。
次に、予め設定しておく、複数のしきい値切り替え時間の決定方法について説明する。まず、装置ログ情報の正常な期間の履歴データを2分割し、一方のデータをしきい値算出データとし、もう一方のデータをしきい値評価データとする。
次に、複数のしきい値算出方法のそれぞれに対し、しきい値算出データを用いて、しきい値を算出し、しきい値評価データに対し、予兆判定を行う。
このとき、予兆と判定されるデータがない場合、しきい値算出データと同じデータ数が確保可能な時間を当該しきい値のしきい値切り替え時間の候補とする。上述した処理をデータの分割方法を変えながら繰り返し実行する。これにより、それぞれのしきい値に対して対応する、複数個のしきい値切り替え時間の中から1つを選び出してしきい値切り替え時間とする。選び方としては、例えば最小値を利用する方法が挙げられる。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
すなわち、代表的なものによって得られる効果として、本発明によれば、半導体製造装置において、装置ログ値のうち、時系列推移が数時間程度の間隔では、一定値を取ると見なすことのできるものに対して、メンテナンス後のデータのみを用いて、装置にドリフト異常の予兆が発生したとき、その予兆を検知することが可能である。
また、本発明では、短期間のデータを用い、短期的な変動のみを評価したしきい値と、長期間のデータを用い、長期的な変動も評価したしきい値を切り替えて用いるため、しきい値算出のデータが蓄積されるまでの無監視期間を抑えることができるので、予兆を見逃すリスクを低減することが可能となる。
本発明の一実施の形態による異常検知フローチャートを示す図である。 本発明が解決しようとする課題において、時系列データの異常パターンを示す推移図である。 本発明が解決しようとする課題において、装置メンテナンスにより値が変化する半導体製造装置の装置ログの例を示す図である。 本発明によるメンテナンス後のしきい値(1)からしきい値(2)への切替を示す図である。 本発明の一実施の形態による半導体デバイスの製造プロセスフローを示す図である。 本発明の一実施の形態による低圧CVD工程で用いられる製造装置を示す構成図である。 本発明の一実施の形態による異常検知システムを示すブロック図である。 本発明の一実施の形態による端末表示を示す図である。
以下、本発明による半導体製造における装置異常の予兆検知方法を含む、半導体デバイスの製造方法および製造システムの実施の形態を図面により説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
<半導体デバイスの製造方法>
図5および図6により、本発明の一実施の形態による半導体デバイスの製造方法の一例を説明する。図5は、本実施の形態による半導体デバイスの製造プロセスフローを示す図である。図6は、本実施の形態による低圧CVD工程で用いられる製造装置を示す構成図である。
半導体デバイスの製造方法においては、図5で示す通り、絶縁膜や酸化膜、金属膜などを半導体ウェハに形成する成膜工程や、半導体ウェハ上にレジスト(感光剤)を塗布し、レジストに光を当てることにより、レジストを所定のパターンに整形する露光工程、化学処理によって、成膜工程にて整形した膜をレジストに沿って、所定のパターンに整形するエッチング工程など多くの製造工程を、工程フロー(層1に対する工程1〜3、層2に対する工程4〜6、…、層Nに対する工程3N−2〜3N)に従って繰り返し処理を行うことによりシリコンウェハ上に多層構造の半導体デバイスを形成する。
この半導体デバイスの製造方法では、半導体ウェハに転写される回路パターンの微細化に伴い、各工程で使用される半導体製造装置の製造条件の変動許容範囲は年々狭くなっている。半導体製造工程の手順や製造条件の入力間違い、製造装置の部品の劣化や故障、材料消費に起因する変動などにより製造条件が変動許容範囲から逸脱すると、処理を施された半導体ウェハは回路の電気的動作の不具合が発生する。通常、半導体デバイスの製造工程では、製造工程毎に処理を施された半導体ウェハの抜き取り検査や製造装置の定期点検作業、または、装置ログ値(製造装置が処理を行っている際の、製造装置あるいはチャンバ内の状態をモニターしたデータ)の監視を行い、半導体デバイスの製品品質を管理している。
この抜き取り検査や製造装置の定期点検によるQC検査、あるいは、装置ログ値の監視にて、製造条件が変動許容範囲から逸脱する製造装置の不具合を検知することができる。
しかし、抜き取り検査や製造装置の定期点検によるQC検査では、製品不良が発生してから、あるいは、製造条件が変動許容範囲から逸脱してからの検知となってしまうことがある。通常、半導体製造においては、複数の半導体ウェハをまとめたロットと呼ばれる単位にて各工程の処理が行われる。そのため、上述した検知方法では、大量の不良品を製造してしまう可能性がある。
また、装置ログ値の監視では、不具合と判定するためのしきい値を設定する必要がある。通常、製造装置のメンテナンスを行うと、製造装置の状態が変化するため、不具合と判定するためのしきい値も見直しをかけないといけないことが知られている。そのため、不具合と判定するためのしきい値を算出するのに必要なデータが蓄積するまでの間は、監視することは困難であり、その期間に発生する不具合を検知できない可能性がある。
例えば、絶縁膜や酸化膜、金属膜などを半導体ウェハに形成する成膜工程のうち、低圧CVD工程と呼ばれる工程では、処理室内で異物が発生することを防止するためや、半導体ウェハ表面に、均一な膜を形成するために、真空状態で処理を行う。このような工程の処理を行う低圧CVD装置は、チャンバ(処理室)内を真空状態にするため、図6に示すように、真空ポンプが取り付けられている。この真空ポンプに異常が発生すると、処理室内の圧力が変動し、処理を行った半導体ウェハに不具合を引き起こす可能性がある。そこで、真空ポンプの駆動電力を監視し、真空ポンプの異常検知を実施している。
前述した真空ポンプでは、駆動電力データがドリフト増加(経時増加)することが知られている。このような予兆を検出するためには、真空ポンプが正常に動作している際の、電力データの変動許容範囲を算出する必要がある。
本発明者が検討したところによれば、本真空ポンプが正常に動作している際の電力データの変動許容範囲を正確に見積もるためには、数ヶ月間程度のデータを用いる必要があり、数日間程度のデータで算出した変動許容範囲で予兆検出を実施すると、数ヶ月間程度のデータで算出した場合と比較し、虚報もしくは、見逃しの発生リスクが高くなってしまう。一方、本真空ポンプは、メンテナンスから数日経つと故障する可能性を持っている。
そこで、本実施の形態では、半導体デバイスの製造ラインにおける製造装置の動作異常による製品不良の発生を抑制するため、虚報と見逃しの発生リスクを抑えながら、装置ログ値の監視が困難な期間を短縮し、予兆監視を実施する半導体デバイスの製造方法および製造システムを提供するものであり、以下において具体的に説明する。
<異常検知フローチャート>
図1により、本発明の一実施の形態による異常検知フローチャートの一例を説明する。図1は、本実施の形態による異常検知フローチャートを示す図である。
具体的には、図1は本発明によるしきい値算出方法(データの変動許容範囲の見積もり方法)により、半導体製造における製造装置の装置ログに対する予兆検知を実施する方法の1つを示すフローチャートである。本発明では、図1に示すフローを半導体ウェハの処理ごと、もしくは所定の周期の組み合わせで繰り返す。但し、所定の周期ごとに繰り返して行う場合、図1内のステップ109は実施しない。
あらかじめ設定しておく情報は、装置ごとのメンテナンス情報、装置ごとのしきい値を切り替えるメンテナンスからの経過時間、ベースラインを設定するために利用するデータ期間である。
ステップ101において、対象製造装置情報、すなわち対象装置・対象チャンバ・対象製造レシピ(該当の製品・工程で使用する製造装置の動作プログラム名称)の情報を得る。装置情報として、製造装置の名称または、コード名がある。また、同じくチャンバ情報として、チャンバの名称または、コード名がある。また、同じく製造レシピ情報として、製造レシピの名称または、コード名がある。製造装置の種類によって、同一の製造装置に複数のチャンバを有するものと、製造装置に単一のチャンバしか存在しないものがある。単一チャンバの製造装置に関しては、チャンバ情報はなくてもよい。また、同一の製造レシピでの処理しか行わない製造装置については、対象製造レシピ情報はなくてもよい。
ステップ102では、ステップ101で取得した対象装置・対象チャンバ・対象製造レシピに対応する、しきい値設定のための時間情報を取得する。しきい値設定のための時間情報として、しきい値を切り替えるメンテナンスからの経過時間やベースラインを設定するために利用するデータ期間がある。
ステップ103では、ステップ101で取得した対象装置のメンテナンスの情報を得る。メンテナンス情報として、メンテナンスが実施された日時がある。
ステップ104では、ステップ101で取得した対象装置の、現在から最も直近に実施されたメンテナンスまでの期間に、ステップ101で取得した対象製造レシピで処理を行った際の装置ログ値履歴情報を取得する。同一の製造レシピでの処理しか行わない製造装置については、現在から最も直近に実施されたメンテナンスまでの期間の装置ログ値履歴情報を取得する。
ステップ105では、ステップ103で得たメンテナンス情報を元に、メンテナンスからの経過時間を算出する。
ステップ106では、ステップ105で算出した経過時間を、ステップ102で取得した設定時間と比較し、設定時間を越えているか否かを判定する。
最初に、ステップ106の判定の結果、設定時間を越えていた場合(YES)について説明する。
ステップ1072(しきい値(2)の算出)について説明する。ステップ1072はステップ10721〜ステップ10726の6ステップからなる。
ステップ10721では、ステップ104で取得した装置ログ値履歴情報(データ)のうち、ステップ102で取得したベースラインを設定するために利用するデータ期間に該当するデータから、装置ログ毎に、データのベースラインを決定する。ベースラインは時間的に変化しない一定値とする。例えば、データの平均値、中央値、分位点などを用いる。
次にステップ10722では、装置ログごとに、ステップ104で取得した装置ログ値履歴データのベース成分を算出する。ベース成分とは、時間的に一定であるベースラインとは異なり、時間的に変動するデータを指す。ベース成分としては、データの移動平均、移動中央値、移動分位点処理したデータや、周波数分解をし、低周波成分のみを抜き出したデータなどを用いることができる。また、データをいくつかの区間に区切り、それぞれの区間ごとに平均値、中央値、分位点を算出し、その当該区間のベース成分としても良い。
次に、ステップ10723では、装置ログごとに、装置ログ値履歴データのベース成分の変動幅を算出する。ベース変動幅としては、ベース成分の最大値と最小値の差などを用いるが、外れ値の影響が懸念される場合は、例えば、99%点と1%点の差のように、分位点を用いても良い。
次にステップ10724では、装置ログごとに、装置ログ値履歴データのランダム成分を算出する。ランダム成分としては、ステップ104で取得した装置ログ値履歴データとステップ10722で算出した装置ログ値履歴データのベース成分との差などを用いる。
次にステップ10725では、装置ログごとに、上限値算出用ランダム変動幅と下限値算出用ランダム変動幅を算出する。上限値算出用ランダム変動幅として、正のランダム成分の最大値などを用いる。ここでも、外れ値の影響が懸念される場合は、例えば、正のランダム成分の99%点を上限値算出用ランダム変動幅とするなど、分位点を用いても良い。下限値算出用ランダム変動幅として、負のランダム成分の最小値の絶対値をとったものなどを用いる。ここでも、外れ値の影響が懸念される場合は、例えば、負のランダム成分の1%点の絶対値をとったものを下限値算出用ランダム変動幅とするなど、分位点を用いても良い。
次にステップ10726では、装置ログごとに、上限用しきい値(2)と下限用しきい値(2)を算出する。上限用しきい値(2)はベースラインとベース変動幅と上限用ランダム変動幅を足し合わせて用いる。必要であれば、各項に適宜、係数を掛けておいても良い。下限用しきい値(2)はベースラインからベース変動幅と下限用ランダム変動幅を引いて用いる。必要であれば、各項に適宜、係数を掛けておいても良い。
次にステップ108では、算出したしきい値を予兆検知処理のしきい値を管理するデータベースに上書き登録する。
次に、ステップ109において、該当製造装置・チャンバにおいて、ウェハ処理を実施する。
ステップ110では、ウェハ処理時の装置ログ値情報を収集する。装置ログ値情報には、製造装置・チャンバから出力される装置ログ値だけでなく、処理を実施した製品名、工程名、レシピ名も含まれる。これらの情報は該当ウェハ番号を元に半導体デバイスの製造ライン全体の情報を管理する製造管理システムから取得できる。
ステップ111では、前記ステップ110にて収集した装置ログ値情報に関して、前記ステップ108にて登録したしきい値をデータベースから取得し、ウェハの個々の装置ログ値情報毎に製造装置の加工処理の予兆検知処理を実行する。この際、上限用のしきい値のみで予兆判定を行う方法と、下限用のしきい値のみで予兆判定を行う方法と、上限用、下限用のしきい値の両方を用いて予兆判定を行う方法の3通りがある。予兆が発生したウェハに関しては、製造装置の表示端末に警告や対策内容が指示される。また、電子メール等を用いて、離れた居室にいるエンジニア等に予兆の発生を報告することもできる。
次に、ステップ106において、設定時間を越えていないと判定された場合(NO)について説明する。
ステップ1071(しきい値(1)の算出)について説明する。ステップ1071はステップ10711〜10714の4ステップからなる。
ステップ10711では、装置ログごとに、ステップ104で取得した装置ログ値履歴データのうち、ステップ102で取得したベースラインを設定するために利用するデータ期間に該当するデータから、データのベースラインを決定する。本ステップで算出されるベースラインはステップ10721で算出されるベースラインに一致する。
次にステップ10712では、装置ログごとに、装置ログ値履歴データのランダム成分を算出する。ランダム成分としては、ステップ104で取得した装置ログ値履歴データとステップ10711で算出した装置ログ値履歴データのベースラインとの差などを用いる。
次にステップ10713では、装置ログごとに、上限値算出用ランダム変動幅と下限値算出用ランダム変動幅を算出する。上限値算出用ランダム変動幅として、正のランダム成分の最大値などを用いる。ここでも、外れ値の影響が懸念される場合は、例えば、正のランダム成分の99%点を上限値算出用ランダム変動幅とするなど、分位点を用いても良い。下限値算出用ランダム変動幅として、負のランダム成分の最小値の絶対値を取ったものなどを用いる。ここでも、外れ値の影響が懸念される場合は、例えば、負のランダム成分の1%点の絶対値を取ったものを下限値算出用ランダム変動幅とするなど、分位点を用いても良い。
次にステップ10714では、装置ログごとに、上限用しきい値(1)と下限用しきい値(1)を算出する。上限用しきい値(1)はベースラインと、係数を掛けることにより重み付けられた上限用ランダム変動幅を足し合わせて用いる。ここで、用いる係数は正の実数であれば、任意の値に設定可能である。下限用しきい値(1)はベースラインと、係数を掛けることにより重み付けられた下限用ランダム変動幅を足し合わせて用いる。ここで、用いる係数は負の実数であれば、任意の値に設定可能である。
次にステップ108では、算出したしきい値を予兆検知処理のしきい値を管理するデータベースに登録する。
次に、ステップ109において、該当製造装置・チャンバにおいて、ウェハ処理を実施する。
ステップ110では、ウェハ処理時の装置ログ値情報を収集する。装置ログ値情報には、製造装置・チャンバから出力される装置ログ値だけでなく、処理を実施した製品名、工程名、レシピ名も含まれる。これらの情報は該当ウェハ番号を元に半導体デバイスの製造ライン全体の情報を管理する製造管理システムから取得できる。
ステップ111では、前記ステップ110にて収集した装置ログ値情報に関して、前記ステップ108にて登録したしきい値をデータベースから取得し、ウェハの個々の装置ログ値情報毎に製造装置の加工処理の予兆検知処理を実行する。この際、上限用のしきい値のみで予兆判定を行う方法と、下限用のしきい値のみで予兆判定を行う方法と、上限用、下限用のしきい値の両方を用いて予兆判定を行う方法の3通りがある。予兆が発生したウェハに関しては、製造装置の表示端末に警告や対策内容が指示される。また、電子メール等を用いて、離れた居室にいるエンジニア等に予兆の発生を報告することもできる。
以上の異常検知フローチャートの各処理は、後述する図7の異常検知システムを構成する予兆検知実行部701内の予兆検知処理部705でプログラムによるソフトウェアで実行され、ステップ101〜106は適用しきい値判定部706、ステップ1071,1072,108はしきい値算出部707、ステップ109〜111は予兆判定部708で実行される。
<異常検知システム>
図7および図8により、本発明の一実施の形態による異常検知システムの一例を説明する。図7は、本実施の形態による異常検知システムを示すブロック図である。図8は、本実施の形態による端末表示を示す図である。
具体的には、図7は半導体ウェハ製造における製造装置の予兆判定を行う半導体ウェハの製造方法にける実施形態の全体構成を示すブロック図である。
図7において、製造装置群711は少なくても1台以上(図7では1〜N台の例)の製造装置712から構成されている。
また、製造装置群711は種類によって、同一の製造装置に複数のチャンバを有するものと、製造装置に単一のチャンバしか存在しないものがある。そして、製造装置712の各チャンバにおいて、半導体ウェハの処理を実施する。
製造装置群711は製造管理システム709内のデータベース710に接続してあり、半導体ウェハの処理を行った際の装置ログ値、装置ログ名、チャンバ名、製造レシピ名、処理日時、製品名、工程名、装置名、メンテナンスを行った日時、および、その作業内容を、ネットワークを介して送信することができる。
製造管理システム709では、製造装置群711からネットワークを介して送信されてきた、半導体ウェハの処理を行った際の装置ログ値、装置ログ名、チャンバ名、製造レシピ名、処理日時、製品名、工程名、装置名、メンテナンスを行った日時、および、その作業内容を蓄積している。
データベース部703のデータベース704には、各装置・チャンバごとの、しきい値切り替え時間とベースライン算出期間としきい値としきい値ステータス(現在、適用中のしきい値がしきい値(1)かしきい値(2)かについて示す情報)を蓄積している。
本発明は予め設定しておいた所定の運転サイクルで自動的に実行する。入出力インターフェース702は製造管理システム709内のデータベース710と、データベース部703内のデータベース704に接続してある。予兆検知をするタイミングが来ると、入出力インターフェース702から製造管理システム709内のデータベース710に予兆判定を行う製造装置名、チャンバ名、予兆判定対象となるデータ区間をそれぞれに送信する。
製造管理システム709は予兆検知処理部705と接続されている。製造管理システム709は、入出力インターフェース702から、予兆判定を行う製造装置名、チャンバ名、予兆判定対象となるデータ区間を受け取ると、回答となるデータ(該当装置、チャンバ、期間の装置ログ値の履歴、該当装置のメンテナンス情報)を予兆検知処理部705に送信する。
一方、データベース部703も予兆検知処理部705と接続されている。データベース部703は、入出力インターフェース702から、予兆判定を行う製造装置名、チャンバ名、予兆判定対象となるデータ区間を受け取ると、回答となるデータ(該当装置、チャンバ、しきい値切り替え時間、ベースライン算出期間、しきい値)を予兆検知処理部705に送信する。
予兆検知処理部705は、製造管理システム709とデータベース部703よりデータを受け取ると、適用しきい値判定部706にて、データベース部703に登録されているしきい値を更新する必要があるかどうかを判定する。更新する必要があると判断された場合は、しきい値算出部707によって、しきい値の再計算を行う。その場合、予兆検知処理部705はデータベース部703に対し、再計算されたしきい値の値とステータスを送信する。データベース部703は再計算されたしきい値とステータスを受け取ると、データベース704内のデータを上書きする。
予兆検知処理部705内の予兆判定部708では、データベース部703から取得したしきい値、もしくは、しきい値算出部707により再計算されたしきい値と、製造管理システム709から受け取ったデータを比較し、予兆検知処理を行い、検知結果を入出力インターフェース702に対し送信する。
この際、入出力インターフェース702は通知された検知結果が予兆であった場合、電子メールにてエンジニアが使用している居室内の端末に対し、検知結果を報告する。
端末への報告方法の例を、図8に示す。予兆検知状況801は、予兆検知対象である全装置の状況を示す。正常稼動欄は正常稼動している装置台数を示す。予兆発生欄は予兆が発生している装置台数を示す。停止中欄は停止している装置台数を示す。
予兆が発生した装置の状況は、予兆発生状況802にて確認できる。装置名欄は予兆が発生している装置名を表示する。発生日欄は予兆が発生した日を表示する。発生時刻欄は予兆が発生した時刻を表示する。予兆内容欄は、予兆内容について表示する。図8はドリフト増加が発生した場合についての例である。対象ログ欄は予兆が発生した装置ログ名を表示する。図8は消費電力に予兆が発生した例を示している。しきい値欄は予兆検知に用いられたしきい値を表示する。
予兆発生状況802に表示する内容は、前へボタン803と次へボタン804を押すことにより、変更することができる。前へボタン803を押すと、現在表示中のデータよりも過去に検知された予兆発生状況を表示する。次へボタン804を押すと、現在表示中のデータよりも後に検知された予兆発生状況を表示する。グラフ805は、予兆発生状況802に表示中の内容のグラフを表示する。
<しきい値切り替え時間の算出方法>
次に、しきい値切り替え時間の算出方法について説明する。
まず、装置が正常に稼動していた期間の装置ログ情報の履歴データを2分割し、一方をしきい値算出データとし、もう一方をしきい値評価データとする。
次に、複数種類のしきい値それぞれに対し、しきい値算出データを用いて、しきい値を算出する。算出した複数のしきい値ごとに、しきい値評価データに対し、予兆検知判定を行う。この際、予兆と判定されるデータが無かった場合、しきい値算出に用いたデータと同じデータ量が得られる時間を当該しきい値算出方式に対するしきい値切り替え時間の候補とする。上記、データ分割、しきい値算出、予兆判定の処理を、しきい値算出データのデータ量が変わるように、データの分割方法を変化させながら複数回繰り返す。これにより、1つ以上のしきい値切り替え時間の候補が得られる。得られた1つ以上のしきい値切り替え時間の候補の中から、最適なしきい値切り替え時間を1つ選択する。選択方法としては、最小値、分位点などが挙げられる。
<しきい値算出に用いる定数の算出方法>
次に、しきい値算出に用いる定数の算出方法について説明する。
まず、装置が正常に稼動していた期間の装置ログ情報の履歴データを2分割し、一方をしきい値算出データとし、もう一方をしきい値評価データとする。
次に、予め用意しておいた複数種類の定数に対応して定まる複数種類の予兆判定しきい値算出方式ごとに、しきい値算出データを用いて、しきい値を算出する。算出した複数のしきい値ごとに、しきい値評価データに対し、予兆検知判定を行う。この際、予兆と判定されるデータが無かった場合、該当しきい値の算出に用いた定数を定数の候補とする。得られた1つ以上の定数の候補の中から、最適な定数を1つ選択する。選択方法としては、最小値、分位点などが挙げられる。
<実施の形態の効果>
本実施の形態によれば、半導体製造装置において、装置ログ値のうち、時系列推移が数時間程度の間隔では、一定値を取ると見なすことのできるものに対して、メンテナンス後のデータのみを用いて、装置にドリフト異常の予兆が発生したとき、その予兆を検知することが可能である。
また、本実施の形態では、短期間のデータを用い、短期的な変動のみを評価したしきい値と、長期間のデータを用い、長期的な変動も評価したしきい値を切り替えて用いる。このため、しきい値算出のデータが蓄積されるまでの無監視期間を抑えることができる。これにより、予兆を見逃すリスクを低減することができる。
さらに、本実施の形態では、しきい値の算出方式を2種類に限らず、3種類以上用意しておくことも可能であり、この場合は、メンテナンスからの経過時間(データの蓄積状況)に応じて、算出可能なしきい値を選択することにより、監視することができない期間を短くすることができる。これにより、より一層、予兆を見逃すリスクを低減することが可能となる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
本発明は、半導体の製造方法および製造装置および製造システムにかかり、特に製造装置による処理時における装置異常の予兆検知方法、および装置、およびシステムに利用可能である。
101…対象製造装置情報の選定を行うステップ、102…しきい値設定のための時間情報の取得を行うステップ、103…メンテナンス情報の取得を行うステップ、104…装置ログ値履歴情報の取得を行うステップ、105…メンテナンスからの経過時間の算出を行うステップ、106…設定時間を経過しているかどうかを判定するステップ、1071…しきい値(1)の算出を行うステップ、10711…ベースラインの算出を行うステップ、10712…ランダム成分の算出を行うステップ、10713…ランダム成分の変動幅の算出を行うステップ、10714…しきい値(1)の算出を行うステップ、1072…しきい値(2)の算出を行うステップ、10721…ベースラインの算出を行うステップ、10722…ベース成分算出を行うステップ、10723…ベース成分の変動幅算出を行うステップ、10724…ランダム成分の算出を行うステップ、10725…ランダム成分の変動幅の算出を行うステップ、10726…しきい値(2)の算出を行うステップ、108…算出したしきい値の登録を行うステップ、109…該当製造装置・チャンバにてウェハの処理の実行を行うステップ、110…ウェハ処理時の装置ログデータの収集を行うステップ、111…登録した判定しきい値に該当する装置ログの予兆検知処理の実行を行うステップ、
701…予兆検知実行部、702…入出力インターフェース、703…データベース部、704…データベース、705…予兆検知処理部、706…適用しきい値判定部、707…しきい値算出部、708…予兆判定部、709…製造管理システム、710…データベース、711…製造装置群、712…製造装置、
801…予兆検知状況、802…予兆発生状況、803…前へボタン、804…次へボタン、805…グラフ。

Claims (5)

  1. 半導体ウェハ製造工程で使用される製造装置の運転駆動に関わる情報、あるいは、処理室の内部状態に関わる情報といった装置ログ情報に、対象装置の故障につながる予兆が含まれていたかを判定する装置異常の予兆検知方法であって、
    対象となる製造装置における、1つ以上の装置ログ情報の履歴データと予め設定しておいた複数のしきい値切り替え時間と、対象となる製造装置に対し実施されたメンテナンス情報を取得するデータ収集ステップと、
    対象となる製造装置に対し実施されたメンテナンスのうち、直近のメンテナンスが実施されてからの経過時間と予め設定しておいた複数のしきい値切り替え時間を比較し、複数種類の予兆判定しきい値算出方式の中から、予兆判定しきい値算出方式を選択する算出しきい値選択ステップと、
    前記データ収集ステップにて取得された装置ログ情報の履歴データを用いて、前記算出しきい値選択ステップにて選択された予兆判定しきい値算出方式により予兆判定しきい値を算出する予兆判定しきい値算出ステップと、
    前記データ収集ステップにて取得された装置ログ情報の履歴データと、前記予兆判定しきい値算出ステップにて算出された予兆判定しきい値を比較し、予兆判定を行う予兆判定ステップとを有し、
    前記データ収集ステップと前記算出しきい値選択ステップと前記予兆判定しきい値算出ステップと前記予兆判定ステップとを、半導体ウェハの処理ごと、もしくは所定の周期の組み合わせで繰り返すことを特徴とする半導体製造における装置異常の予兆検知方法。
  2. 請求項1記載の半導体製造における装置異常の予兆検知方法において、
    前記算出しきい値選択ステップにおいては、
    メンテナンスからの経過時間が、予め設定しておいた時間を越えていない場合は、短期間の装置ログ情報の履歴データを用いて、高周波成分の変動幅を評価し、その定数倍でしきい値を算出する方式を選択し、
    メンテナンスからの経過時間が、予め設定しておいた時間を越えている場合は、長期間の装置ログ情報の履歴データを用いて、高周波成分と低周波成分の変動幅を評価し、それらを足し合わせることでしきい値を算出する方式を選択することを特徴とする半導体製造における装置異常の予兆検知方法。
  3. 請求項1記載の半導体製造における装置異常の予兆検知方法において、
    前記算出しきい値選択ステップにおいては、
    メンテナンスからの経過時間に応じて、メンテナンス後の装置ログ情報の履歴データのみで算出可能な全周波数成分のうち、予め設定しておいたいくつかの周波数成分を選び出して変動幅を算出し、それらの定数倍を足し合わせることでしきい値を算出する方式を含むことを特徴とする半導体製造における装置異常の予兆検知方法。
  4. 請求項1記載の半導体製造における装置異常の予兆検知方法において、
    前記算出しきい値選択ステップにおいては、予め設定しておいた複数のしきい値切り替え時間の決定方法において、
    装置ログ情報の履歴データを2分割し、一方をしきい値算出データとし、もう一方をしきい値評価データとするデータ分割ステップと、
    複数種類の予兆判定しきい値算出方式ごとに、しきい値算出データを用いて、予兆判定しきい値を算出し、しきい値評価データに対し予兆判定を行う、評価ステップと、
    予兆と判定されるデータがない場合、しきい値算出データと同じ時間を当該しきい値算出方式に対するしきい値切り替え時間の候補とする候補判定ステップと、
    前記データ分割ステップと前記評価ステップと前記候補判定ステップを所定の回数繰り返し、それぞれの予兆判定しきい値算出方式に対し、1つ以上のしきい値切り替え時間の候補を抽出する候補選定ステップと、
    それぞれの予兆判定しきい値算出方式に対し、前記候補選定ステップで抽出された1つ以上のしきい値切り替え時間の候補のなかから最適なしきい値切り替え時間を1つ選び出すステップとを有することを特徴とする半導体製造における装置異常の予兆検知方法。
  5. 請求項2または3記載の半導体製造における装置異常の予兆検知方法において、
    前記定数倍における定数の決定方法において、
    装置ログ情報の履歴データを2分割し、一方をしきい値算出データとし、もう一方をしきい値評価データとするデータ分割ステップと、
    予め用意しておいた複数種類の定数に対応して定まる複数種類の予兆判定しきい値算出方式ごとに、しきい値算出データを用いて、予兆判定しきい値を算出し、しきい値評価データに対し予兆判定を行う、評価ステップと、
    予兆と判定されるデータがない場合、該当しきい値に用いた定数を定数の候補とする候補選定ステップと、
    前記候補選定ステップで選定された1つ以上の定数の候補のなかから最適な定数を1つ選び出すステップとを有することを特徴とする半導体製造における装置異常の予兆検知方法。
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