JP6907972B2 - プラント制御調整装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プラント設備におけるプラント制御調整装置に関する。
従来のプラント制御、特にプロセス系のフィードバック制御における制御性能の評価手法として、下記非特許文献1,2に記載されるような、最小分散ベンチマークあるいは「ハリス指標」と呼ばれる手法が広く知られており、この手法を用いてプラントの変動を検知することが可能となる。
プラントの変動を検知することができれば、この変動をセルフチューニングにおける調整タイミングの自己診断に用いるか、又は、調整タイミングを管理者に通知することができる。
ハリス指標は、用いるデータがプラントの計測値のみであることから新たに計測センサを取り付ける必要がなく、また、ノイズの減衰を測定するためにシステム内に特定の周波数を注入したり、あるいは、例えばステップ入力等の特定の指令値を入力したり、そのためにプログラム変更や装置の改造を行うといった操作をすることなく、操業運転を一切止めずに、従来やり取りしているデータ、及び、そこに含まれる雑音のみで評価を行うことができる優れた手法である。
Lane Desborough et al. "Performance Assessment Measures for Univariate Feedback Control" The Canadian Journal of Chemical Engineering Vol.70, 12, 1992 P.1186-1197 丸田 浩、他4名、"第1章 最小分散制御をベンチマークとする手法"、[online]、日本学術振興会プロセスシステム工学 第143委員会 ワークショップ No.25 最終報告書、P.224−234、[平成29年12月5日検索]、インターネット〈http://ws25.pse143.org/Part3.pdf〉 大西 義浩、他1名、"制御誤差の低周波成分評価に基づいたスマートPID制御システムの設計"、平成29年 電気学会産業応用部門大会 2‐OS1‐2、[II‐55]−[II‐58]
しかしながら、ハリス指標は、「分散」という統計的手法を用いるため、時系列データが多く必要とされ、また、時系列データが多く必要であることから、プラントの変動があった際に、その変動が指標に反映されるまでに相応の時間を要する。
さらに、ハリス指標は、むだ時間への依存度も高いため、むだ時間を正確に測ることができない、あるいは、単純に長いプラントには機能しづらく、また、安価な装置においては大量の時系列データを維持することができないため、適用自体が難しくなる。
そこで、上記非特許文献3に開示されるように、雑音の周波数帯全域を利用するのではなく、システムの応答に関わる低域成分のみを、LPF(ローパスフィルタ)を通して抽出することで、反映速度を向上させる手法、並びに、忘却係数を用いてデータ量を圧縮する手法が考案されている。
しかし、上記非特許文献3は、数式シミュレーションのみであり、実際にこれを行うには、LPFのカットオフ周波数をどこで切るべきか、性能の評価基準をどこに定めるか等、具体的な問題は解決されていない。
本発明は、上記技術的課題に鑑み、プラント変動に対しコントローラの調整を適切に行うことができる、プラント制御調整装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための第1の発明に係るプラント制御調整装置は、
設定値SVに基づきプラントに対して操作量MVの入力を行うPIDコントローラ、及び、該プラントの出力に外乱Dが加わった出力yに対して処理を行う処理部を備え、該出力yに対して該処理が行われた計測値PVに基づき、該プラントに対してフィードバック制御を行うプログラマブルコントローラに接続される、プラント制御調整装置であって、
前記設定値SVが一定の場合にSVトリガ信号を出力するデータ記憶部と、
前記操作量MV、前記計測値PV、前記プログラマブルコントローラの設定データ、及び、前記プログラマブルコントローラの内部データに基づき、前記プラントの同定モデル及び規範モデルを作成し、該規範モデルを用いて前記PIDコントローラの制御パラメータを調整する演算を行うパラメータ最適化部と、
前記パラメータ最適化部によって調整された制御パラメータを、前記PIDコントローラに入力するパラメータ送信部と、
前記設定データに基づき、周波数データとしての、前記計測値PVについての遮断周波数を決定するとともに、前記内部データに基づき、前記計測値PVについての忘却係数Mを決定する周波数決定部と、
前記計測値PV、前記SVトリガ信号、前記遮断周波数、及び、前記忘却係数Mを用いて、前記PIDコントローラの制御性能が低下していると判断すると調整トリガ信号を出力する制御性能評価部とを備え、
前記パラメータ最適化部は、
前記調整トリガ信号が入力されると前記PIDコントローラの制御パラメータを調整する演算を行う
ことを特徴とする。
上記課題を解決するための第2の発明に係るプラント制御調整装置は、
上記第1の発明に係るプラント制御調整装置において、
前記制御性能評価部は、
前記遮断周波数に基づき構成され、前記計測値PVに対してフィルタ処理を行うバンドパスフィルタと、
前記SVトリガ信号が入力されると、前記計測値PVに基づき、定常時のパワースペクトルである定常パワースペクトルσyst 2を計測するとともに、前記忘却係数Mを用いて前記計測値PVを圧縮し、値σy 2とする定常パワースペクトル・圧縮演算部と、
前記定常パワースペクトルσyst 2及び前記計測値PVが圧縮された値σy 2に基づき、制御性能指標ζを演算する指標演算部と、
前記性能指標ζに関する値が予め設定したしきい値を超えた場合に、前記調整トリガ信号を出力するデータ評価部と備える
ことを特徴とする。
上記課題を解決するための第3の発明に係るプラント制御調整装置は、
上記第2の発明に係るプラント制御調整装置において、
前記周波数決定部は、
前記遮断周波数を演算する上側遮断周波数・下側遮断周波数演算及びBPF設計部と、
前記内部データに基づき、前記忘却係数Mを算出する忘却係数算出部とを備え、
前記遮断周波数は、上側遮断周波数fc1及び下限遮断周波数fc2から成り、
前記上側遮断周波数・下側遮断周波数演算及びBPF設計部は、
前記上側遮断周波数fc1に、前記同定モデル又は前記規範モデルに含まれる時定数、及び、前記設定データに基づき決定された、周波数データとしてのカットオフ周波数fcfを用い、
前記下限遮断周波数fc2を、前記忘却係数Mと、前記設定データのうち前記計測値PVのサンプリング周期ΔT、分解能reso、及び、上限又は下限limupとに基づき、前記内部データが1未満となったときの時間である下限遮断周期の逆数として求める
ことを特徴とする。
上記課題を解決するための第4の発明に係るプラント制御調整装置は、
上記第3の発明に係るプラント制御調整装置において、
前記上側遮断周波数・下側遮断周波数演算及びBPF設計部は、
前記時定数に基づき、第1カットオフ周波数候補fcaを算出し、
前記設定データに基づき、第2カットオフ周波数候補fcb及び下限周波数fminを算出し、
前記第1カットオフ周波数候補fca及び前記第2カットオフ周波数候補fcbのうち、前記下限周波数fminのn3倍の周波数より高い方、又は、両方とも前記下限周波数fminのn3倍の周波数より高い場合には、その中で周波数の低い方を、前記カットオフ周波数fcfとして求め、1≦n3≦100とする
ことを特徴とする。
上記課題を解決するための第5の発明に係るプラント制御調整装置は、
上記第4の発明に係るプラント制御調整装置において、
前記上側遮断周波数・下側遮断周波数演算及びBPF設計部は、
前記時定数をTとすると、下記(A)式により前記第1カットオフ周波数候補fcaを算出し、
前記設定データから、前記処理部による前記処理が移動平均処理である場合の移動平均点数m、及び、サンプリング周期ΔTを読み取り、該移動平均処理に用いる移動平均フィルタのカットオフ周波数の1/10を前記第2カットオフ周波数候補fcbとして、下記(B)式のように該第2カットオフ周波数候補fcbを算出する
ことを特徴とする。
Figure 0006907972
本発明に係るプラント制御調整装置によれば、プラント変動に対しコントローラの調整を適切に行うことができる。
フィードバック制御系に本発明の実施例1に係るプラント制御調整装置が設けられた状態を示すブロック図である。 本発明の実施例1に係るプラント制御調整装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1における制御性能評価部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1における周波数決定部の構成を示すブロック図である。 パワースペクトル密度(PSD)分布の一例を表すグラフである。 プラント変動が起きた場合のPSD分布の変化の一例を示すグラフである。 PSD分布のうち高域成分をカットし、必要な周波数領域のPSDのみを取り出した状態を示すグラフである。 本発明の実施例2に係るプラント制御調整装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例2における周波数決定部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例3に係るプラント制御調整装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例3における制御性能評価部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例3における周波数決定部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例3における、上記図5Cに対応したグラフであり、選択した各次数の周波数成分の線のみを計算する状態を表している。 本発明の実施例3における、選択した各次数の周波数に対して、重み係数を配分した状態を表すグラフである。 本発明の実施例4に係るプラント制御調整装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例4における制御性能評価部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例4における周波数決定部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例4の周波数領域における出力分散を示すグラフである。 本発明の実施例4における、上記図5C,11Aに対応したグラフであり、実線部分は、nが大きい場合のpv(n)の値を示している。 本発明の実施例4における、白色雑音が付与されたPV信号と、PV信号に忘却係数M=0.99で求めたその時々のpvを計算回数1000回までプロットしたグラフである。 本発明の実施例4における、pvとPVの実平均値との比を示したグラフである。
以下、本発明に係るプラント制御調整装置について、実施例にて図面を用いて説明する。
[実施例1]
まず、本実施例に係るプラント制御調整装置の構成について説明する。図1は、フィードバック制御系に本実施例に係るプラント制御調整装置(プラント制御調整装置6)が設けられた状態を示すブロック図である。
図1に示すフィードバック制御系は、プログラマブルコントローラ(PLC)1、分散制御装置(DCS)2及びプラント3から成る。また、プログラマブルコントローラ1は、PIDコントローラ4及び処理部5を備えている。
PIDコントローラ4は、プラントPの出力の目標rに基づき、プラント3へ入力uを入力する。このときの入力uの値を操作量MVとする。プラント3は入力uが入力されると出力yを出力する。なお、目標rの値である設定値SVは、プログラマブルコントローラ1の上位の制御装置である分散制御装置2から入力されるか、あるいは、作業者が入力する。
処理部5は、プラント3の出力に外乱Dwを加えた出力yに対し、処理Hを加える。この処理Hとは、プログラマブルコントローラ1側で一般にデータトレンドを見るために入れることが多い移動平均処理である。出力yに処理Hが加えられた後の値を計測値PVとし、目標r(設定値SV)に計測値PVを加算したものをPIDコントローラ4に再入力し、プラント3に対してフィードバック制御を行う。
ここで、プラント3の出力に加わる外乱Dwは、例えば温度調整器であれば、室温の変化等の外的要素と計測雑音等を一括して表しており、白色雑音wが伝達特性Dを通ってきたものとして表現する。
プラント制御調整装置6は、このようなフィードバック制御系に設けられる。その際、分散制御装置2、あるいは、プログラマブルコントローラ1に接続されたパソコン(いわゆるローダPC)上において実現されるものとしてもよい。また、プラント制御調整装置6のうち一部の負荷の軽い機能(構成)については、プログラマブルコントローラ1上にて行うものとしてもよい。
図2は、プラント制御調整装置6の構成を示すブロック図である。図2に示すように、プラント制御調整装置6は、データ記憶部11、パラメータ最適化部12、パラメータ送信部13、周波数決定部(FD)14、制御性能評価部(ACP)15、及び、評価データ保存部15aを備えている。
データ記憶部11は、操作量MV及び計測値PVの各データを記憶(揮発性サイクリックメモリによる一時的な記憶(記録)及び不揮発性メモリ等による長期的な記憶(保存))する。また、データ記憶部11は、記憶した計測値PVを、パラメータ最適化部12及び制御性能評価部15に入力し、記憶した操作量PVを制御性能評価部15に入力する。さらに、データ記憶部11は、設定値SVの値が変化したか否かを判断し、設定値SVの変化が止まったとき(設定値SVが一定の場合)にSVトリガ信号を制御性能評価部15に入力する(図2中のSVトリガ)。
パラメータ最適化部12は、操作量MV及び計測値PVの各データ、並びに、プログラマブルコントローラ1の設定データに基づき、プラント3の同定モデルを作成して、この同定モデルを用いてPIDコントローラ4の制御パラメータを最適化し、この同定モデル及び制御パラメータを記憶する(パラメータ最適化部12は、同定モデルだけでなく、実施例2で説明する規範モデルも作成するが、本実施例では省略する)。また、パラメータ最適化部12は、後述する調整トリガ信号が入力されるとPIDコントローラ4の制御パラメータを調整する演算を行う。
パラメータ送信部13は、パラメータ最適化部12によって最適化された制御パラメータを、PIDコントローラ4に入力する。
制御性能評価部15は、計測値PV及びSVトリガ信号を用いて、制御性能を評価し、調整トリガ信号を出力する。さらに、制御性能評価部15は、後述する周波数決定部14から入力される周波数データを用いて、制御性能評価の精度を向上させる。
なお、負荷が比較的軽い制御性能評価部15や、保存領域が確保されている場合のデータ記憶部11は、プログラマブルコントローラ1側に設けてもよい。
図3は、制御性能評価部15の構成を示すブロック図である。図3に示すように制御性能評価部15は、平均値演算部21、LPF(ローパスフィルタ)22、分散演算部23、最小分散演算部24、ハリス指標演算部25、及び、データ評価部26を備えている。
平均値演算部21では、データ記憶部11からSVトリガ信号が入力されると、データ記憶部11から入力される計測値PVから計測値PVの平均値を求める。そして、計測値PVから計測値PVの平均値を差し引く。
LPF22は、周波数データに基づきフィルタパラメータが設計され、平均値演算部21により算出された値のフィルタ処理を行うものである。なお、再同定が行われるなどにより周波数データ自体が更新されるまで、LPF22のフィルタパラメータは固定される。
分散演算部23は、データ記憶部11からSVトリガ信号が入力されると、LPF22によりフィルタ処理が行われた計測値PVに基づき、分散(出力分散)σy 2を算出する。
最小分散演算部24は、データ記憶部11からSVトリガ信号が入力されると、計測値PVから外乱Dを推定し、推定した外乱Dから最小分散σMV 2を求め、評価のベンチマークとする。
ハリス指標演算部25では、分散演算部23から入力される出力分散σy 2と、最小分散演算部24から入力される最小分散σMV 2に基づき、ハリス指標ηを求め、評価データとしてデータ評価部26及び評価データ保存部15aに出力する。評価データ保存部15aでは、この評価データを保存する。
データ評価部26は、評価データ保存部15aから入力される過去の評価データを基にベンチマークを作成し、該ベンチマークと、ハリス指標演算部25から入力される最新の評価データとの差分を求め、該差分がしきい値を超えた場合に、調整トリガ信号を発生する。
また、図2に示す周波数決定部14は、パラメータ最適化部12により求められるデータである同定モデル、及び、プログラマブルコントローラ1の設定データを参照することで、カットオフ周波数、及び、次数のデータを決定し、これら周波数データを、制御性能評価部15に入力するものである。なお、制御性能評価部15は、これら周波数データを用いることで精度を向上させることができる。
図4は、周波数決定部14の構成を示すブロック図である。周波数決定部14は、第1LPFカットオフ周波数候補演算部27、第2LPFカットオフ周波数候補・下限周波数演算部28、及び、周波数比較決定部29を備えている。
第1LPFカットオフ周波数候補演算部27は、パラメータ最適化部12から入力される同定モデルに基づき、第1LPFカットオフ周波数候補fcaを計算する。
第2LPFカットオフ周波数候補・下限周波数演算部28は、プログラマブルコントローラ1の設定データに基づき、第2LPFカットオフ周波数候補fcb及び下限周波数fminを算出する。
周波数比較決定部29は、上記LPFカットオフ周波数候補fca,cbのうち、より周波数の低い方をLPFカットオフ周波数fcfとし、このLPFカットオフ周波数fcfを制御性能評価部15に入力する。下限周波数fminのn1倍の周波数より高い方、又は、両方とも下限周波数fminのn1倍の周波数より高い場合には、その中で周波数の低い方を、LPFカットオフ周波数fcfとする。なお、n1については、1≦n1≦100とする。
以下では、プラント制御調整装置6が設けられたフィードバック制御系についてより詳述する。
図1に示す離散系のシステム構成のとき、出力yは下記(1)式で表される。
Figure 0006907972
制御性能評価部15において出力yの分散σy 2をとるとき(図1〜3では、出力yではなく計測値PVが制御性能評価部15に入力されるものと表しているが、処理Hが1であれば計測値PVと出力yは等しくなる)、定値制御により設定値SVが一定であれば、右辺rの項は0になる。すなわち、出力yの分散σy 2は全て外乱によってもたらされるものと考えることができる。よって、外乱にトレンドが無いのであれば、出力yからARIMAモデルによる相関分析で外乱伝達関数Dを推定することができる。
ハリス指標演算部25では、出力の分散σy 2を用い、最小分散制御を行ったときの分散σMV 2をベンチマークとして、下記(2)式からハリス指標ηを求める。
Figure 0006907972
最小分散σMV 2は可能な限り外乱成分を制御で抑え込むことで達成できる分散の最小値であり、σy 2=σMV 2を達成するとき、ハリス指標ηは最大の1となる。また、最小分散σMV 2は、PIDコントローラ4の制御パラメータに依存しない理論値であるため、これをベンチマークとして、制御系の評価が可能となる。
最小分散σMV 2は、最小分散演算部24において、設定値SVが一定であるとき、すなわちデータ記憶部11からSVトリガ信号が入力される場合に、計測値PVから外乱Dを推定し、外乱Dに基づき求められるものであり、これを評価のベンチマークとする。最小分散σMV 2は毎回計算する必要はなく、調整毎、1日毎、あるいは1週間毎など、システムに対して十分に長い周期を予め設定しておいて更新を行う。
ここで、PIDコントローラ4ではなく、プラント3の伝達特性が変動したとき(例えば、外気温が低下して吸気ファンによる冷却効果が上がった場合など)を考える。
プラント3の伝達特性が変動したとき、PIDコントローラ4がその変動に対応するため、出力yについては、設定値SVになるように平均値が保たれるが、外乱の伝達が変化していることから分散は変動する。
プラント3が吸気ファンである場合、ゲインが過大となって出力yが振動的となり、より分散が大きくなり、平均値は保たれているものの、消費電力は増大する。逆にゲインが過少となれば、最終的に平均値を保つことができなくなるほど制御性能が悪化していく。
つまり、出力分散σy 2の変化、すなわちハリス指標ηの変化は、制御パラメータを再調整すべきタイミングを示すことになる。これを利用して、制御性能評価部15は、ハリス指標ηが予め定めたしきい値を超えた場合に調整トリガ信号をパラメータ最適化部12に出力する。これによりプラント制御調整装置6はセルフチューニングを実行する。
N個のデータyn(n=1,2,…,N)の分散σy 2は、分散演算部23において、下記(3)式によって求める。
Figure 0006907972
すなわち、平均値演算部21において平均値を求め、これをデータynから予め引いておけば、分散σy 2は、上記(3)式のように二乗和を1/N倍したものとなる。
図5Aは、パワースペクトル密度(PSD)分布の一例を表すグラフであり、横軸が周波数、縦軸がPSDを示している。分散σy 2は、図5Aに示すような周波数領域のPSDの面積を表すことになる。
さらに、すでに説明したとおり、設定値SVが一定であれば、出力yの分散σy 2は外乱要素のみとなるので、このPSDは外乱の周波数解析に等しい。よって、定常的な外乱(白色雑音)のみであれば、プラント変動が起きない限りPSDの面積は一定(時間的な変化がない状態)となる。
図5Bは、プラント変動が起きた場合のPSD分布の変化の一例を示すグラフであり、横軸が周波数、縦軸がPSDを示している。図5Bに示すように、PSDはプラント変動によってグレーで表した部分が増加している(下記図5Cのグレー部分も同じ意味)。
プラント変動によりPSDの面積が変化することを、分散σy 2の変化を検出することに利用するためには、変動幅が相当大きくなければ、PSDの変化が検知できるレベルにならないことが経験的にわかっている。
これは、図5Bに示すように、プラント変動が特に見えにくい高域成分の分散に占める割合がそれなりに大きいことが原因で、高域成分の変化による増減分の中にプラント変動による増減分(図5Bにおけるグレーの増加部分)が埋もれやすいことにある。
実際は、処理部5による処理H(移動平均)によってシステムに対して高域成分は削ぎ落とされるが、この移動平均は、トレンドデータのために視覚的な滑らかさの目的で置かれることもあるため、ここで必要としているフィルタ効果としては弱い。よって、図5Cに破線で示す部分のように、高域成分をより大きくカットして、必要な周波数領域のみを取り出す必要がある。
そこで、図2に示す同定モデルが、1次遅れ系の下記(4a)式、1次遅れ系と積分系の合成による2次遅れ系の下記(4b)式、一般化2次遅れ系の下記(4c)式、又は、2次遅れ系と積分系の合成による3次遅れ系の下記(4d)式のいずれかで表現される場合、図4の第1LPFカットオフ周波数候補演算部27において、同定モデルの時定数の逆数又は固有角速度の1/10を第1LPFカットオフ周波数候補として、下記(5a)式又は下記(5b)式のように算出する。
Figure 0006907972
また、上述の第1LPFカットオフ周波数候補fcaを求める動作と並行して、図4の第2LPFカットオフ周波数候補・下限周波数演算部28では、プログラマブルコントローラ1の設定データから、処理Hの移動平均点数m、及び、サンプリング周期ΔTを読み取り、下記(6)式によって、移動平均フィルタのカットオフ周波数fcmを求め、移動平均カットオフ周波数fcmの1/10を第2LPFカットオフ周波数候補fcbとして、下記(7)式のように算出する。
Figure 0006907972
ただし、サンプリング周波数fsは、プログラマブルコントローラ1の設定データから求められる。また、第2LPFカットオフ周波数候補fcbについて、処理H(移動平均)がない場合は、サンプリング周波数fsの1/2倍を用い、fcb=(1/2)fsとする。
さらに、周波数比較決定部29では、上記LPFカットオフ周波数候補fca,cbのうち、より周波数の低い方をLPFカットオフ周波数fcfとし、このLPFカットオフ周波数fcfを制御性能評価部15に入力する。
制御性能評価部15では、LPFカットオフ周波数fcfに基づき、例えば下記(8)式のような1次のLPF1の値を有するLPF22を形成し、これにより計測値PVの低域成分のみを抽出する。なお、所望の特性に近いものが得られるように、より高次のフィルタやFIR(finite impuls response:有限パルス応答)フィルタにすることも考えられる。
Figure 0006907972
ただし、周波数の低域成分は、下記(9)式に示す如く、データ長(サンプリング周期ΔT×データ点数Ns)で下限周波数fminが決まる。LPFカットオフ周波数fcfは少なくとも下限周波数fminの10倍以上となる。
Figure 0006907972
したがって、第2LPFカットオフ周波数候補・下限周波数演算部28では、プログラマブルコントローラ1の設定データに基づき、第2LPFカットオフ周波数候補fcbとともに下限周波数fminも計算しておき、LPFカットオフ周波数fcfの決定の際に考慮する。
本実施例によれば、制御性能評価にあたり行う低周波成分の抽出において、同定モデルを利用したLPFのカットオフ周波数を決定することで、プラント変動に対しコントローラの調整を適切なタイミングで行うことができる。
[実施例2]
本実施例に係るプラント制御調整装置は、実施例1において説明したLPFカットオフ周波数fcfの選定において、同定モデルに代えて規範モデルRを用い、規範モデルRの時定数TRの逆数を第1カットオフ周波数候補fcaに用いるものである。以下、実施例1と異なる部分を中心に説明する。
図6は、本実施例に係るプラント制御調整装置(プラント制御調整装置7)の構成を示すブロック図である。また、図7は、周波数決定部34の構成を示すブロック図である。
図6に示すように、プラント制御調整装置7は、データ記憶部11、パラメータ最適化部32、パラメータ送信部13、周波数決定部(FD)34、制御性能評価部(ACP)15、及び、評価データ保存部15aを備えている。
パラメータ最適化部32は、実施例1にて説明したごとく求めた同定モデルに基づき、さらに、規範モデルRを生成する。
周波数決定部34は、第1LPFカットオフ周波数候補演算部37、第2LPFカットオフ周波数候補・下限周波数演算部28、及び、周波数比較決定部29を備えている。
第1LPFカットオフ周波数候補演算部37は、パラメータ最適化部32が生成する規範モデルRに基づき、第1LPFカットオフ周波数候補fcaを算出する。
第2LPFカットオフ周波数候補・下限周波数演算部28は、実施例1同様、プログラマブルコントローラ1の設定データに基づき、第2LPFカットオフ周波数候補fcb及び下限周波数fminを算出する。
周波数比較決定部29は、第1LPFカットオフ周波数候補演算部37で算出した第1LPFカットオフ周波数候補fcaと、第2LPFカットオフ周波数候補・下限周波数演算部28で算出した第2LPFカットオフ周波数候補fcbのうち、下限周波数fminの10倍の周波数より高い方、又は、両方とも下限周波数fminの10倍の周波数より高い場合には、その中で周波数の低い方を、LPFカットオフ周波数fcfとする。
パラメータ最適化部32は、規範モデルRを、プラント3のN次プラントモデル+PIDコントローラ4の近似として、下記(10)式で示す1次遅れのN乗の形で作成し、この規範モデルRを用いてPIDコントローラ4の制御パラメータを最適化する。下記(10)式における規範モデルRの次数Nは、プラント3の次数及びPIDコントローラ4の次数により決定される。
Figure 0006907972
第1LPFカットオフ周波数候補演算部37は、第1LPFカットオフ周波数候補fcaを下記(5c)式のように算出する。
Figure 0006907972
実施例1では、プラント3の次数を2次系+積分系までの3次としていたが、プラント3の次数がさらに高い場合でも、上記(10)式を用いることにより時定数1つで表現することができるため、第1LPFカットオフ周波数候補fcaを一意に定めることができる。
ただし、規範モデルRはシステム(プラント3+PIDコントローラ4)に対して、高速か低速かを、ユーザーあるいは上位制御システム(分散制御装置2、あるいは、対象のプログラマブルコントローラ1の上位にさらにプログラマブルコントローラが設けられている場合にはそのプログラブルコントローラ)が定めた時定数の設定に基づいて決定する場合があるため、必ずしも規範モデルRの応答がシステムの特性を表現するわけではない。
しかしながら、速いシステムに対して規範モデルRを敢えて遅く設定することはできるが、その逆に、システムの限界を超えるほど規範モデルRを速く設定することは、システムの安定性を欠くため、一般的に調整で行うことはない。
よって、本来のシステム周波数、すなわち、プラント3の変動による周波数成分の変動領域を低く見積もることはあっても、高く見積もることはできないので、規範モデルRに基づき作成したLPFカットオフ周波数fcfは、指標算出において不要な高域成分側の除去として機能することになる。
このようにして、本実施例では、実施例1における同定モデルを規範モデルに代用することができる。
実施例1,2では、同定モデルあるいは規範モデルの中に含まれる時定数によって第1LPFカットオフ周波数候補fcaを決定している。そして、実施例2は、実施例1で記載した上記(5a)式の時定数TPの部分を上記(10)式の時定数TRに代えたものである。
この点について説明を補足する。まず、時定数は1次遅れ及び2次遅れの式に含まれる係数であり、3次以上の式では、限定された状況下でのみしか、時定数を表現することができない。
同定モデルは、実データに基づき式が表されるものである。そして、その式が上記(4a)〜(4d)式の何れかの形で記述される場合のみ、上記(5a)又は(5b)式から時定数TPを表すことができる。
それに対して規範モデルは、ユーザーあるいは上位制御システムによって決定された時定数TRを用いて、1次遅れ又は2次遅れの式を作成するものであり、時定数TRが先に決定されている。
そして、実施例1の同定モデルを用いる場合にしても、実施例2の規範モデルを用いる場合にしても、パラメータ最適化部12,32から周波数決定部14,34に対しては、時定数を抽出せずにモデルごと入力し、周波数決定部14、34内の第1LPFカットオフ周波数候補演算部27,37において、モデルに含まれる時定数を用いて第1LPFカットオフ周波数候補fcaを決定する。同定モデル及び規範モデルの時定数を纏めてTとすれば、第1LPFカットオフ周波数候補fcaは下記(5d)式で表されることになる。
Figure 0006907972
[実施例3]
実施例1,2は、制御性能評価部及び周波数決定部を備え、分散を用いて周波数成分を「面」で計算していたが、本実施例に係るプラント制御調整装置は、制御性能評価部45及び周波数決定部44を備え、これを特定の周波数成分の「線」で計算する。以下、実施例1,2と異なる部分を中心に説明する。
図8は、プラント制御調整装置8の構成を示すブロック図である。図8に示すように、プラント制御調整装置8は、データ記憶部11、パラメータ最適化部12、パラメータ送信部13、周波数決定部(FD)44、制御性能評価部(ACP)45、及び、評価データ保存部45aを備えている。
制御性能評価部45は、計測値PV、SVトリガ信号、及び、基底周波数fbaseを用いて、PIDコントローラ4の制御性能が低下していると判断すると調整トリガ信号を出力する。より詳しくは、基底周波数fbase、及び、そのn倍周波数の正弦波及び余弦波を生成し、生成した正弦波及び余弦波と計測値PVとの積和演算を行い、特定の周波数成分のみを計測値PVから抽出する。そして、抽出した周波数成分から性能指標を計算して評価を行い、調整トリガ信号を出力する。なお、n倍周波数の波を基底周波数fbaseのn次調波と呼び、基底周波数fbase及びn次調波は後述の周波数決定部44によって決定する。
図9は、本実施例における制御性能評価部45の構成を示すブロック図である。図9に示すように、制御性能評価部45は、正弦波・余弦波発生器51、定常パワースペクトル演算部54、指標演算部55、及び、データ評価部56を備えている。
正弦波・余弦波発生器51は、基底周波数fbase及び次数nに基づき、基底周波数fbase及びそのn倍周波数の正弦波及び余弦波を生成する。その後計測値PVとの積和演算を行う。これにより、基底周波数fbaseとそのn次調波成分のみを取り出すことができる。
定常パワースペクトル演算部54は、SVトリガ信号が入力された場合に、計測値PVに基づき、計測値PVの定常パワースペクトルを計測しておき、これをベンチマークとして、実施例1における最小分散σMV 2の代わりに使用する。この計測値PVの定常パワースペクトルをσyst 2とする。これも最小分散σMV 2と同様に、SVトリガ信号を確認した上で、システム時定数に対して十分に長い周期で更新を行う。
指標演算部55は、基底周波数fbaseとそのn次調波成分に、重み配分をかけたものを計測値PVのパワースペクトルσy 2と見做し、このパワースペクトルσy 2、及び、定常パワースペクトル演算部54から入力される定常パワースペクトルσyst 2に基づき、下記(2c)式から指標ξを求め、評価データとして出力する。出力された評価データは図示しない記憶部に保存される。
Figure 0006907972
データ評価部56は、最新の評価データと過去の評価データとの比較を行い、予め設定したしきい値を超えた場合に調整トリガ信号を発生する。
一方、周波数決定部44は、実施例1,2同様、プログラマブルコントローラ1の設定データから、移動平均処理のカットオフ周波数fcm、及び、下限周波数fminを計算し、それを基に基底周波数fbase、及び、次数nを決定する。また、同時に重みを決定する。そして、これらを制御性能評価部45に入力する。
図10は、本実施例における周波数決定部44の構成を示すブロック図である。図10に示すように、周波数決定部44は、最大周波数・下限周波数演算部58、次数決定部59、及び、重み配分演算部60を備えている。
最大周波数・下限周波数演算部58は、移動平均のカットオフ周波数fcm、及び、サンプリング周波数fsを読み取り、移動平均のカットオフ周波数fcmから端数を切り捨てた周波数(例えばfcm=4.47Hzであれば4Hz)、あるいは、サンプリング周波数fsの1/2の周波数(1/2)fsから端数を切り捨てた周波数を、最大周波数fmaxとして算出する。なお、端数を切り捨てる処理については、計算上の利便性を向上させるためのものであり、本実施例に必須の処理ではない。
また、最大周波数・下限周波数演算部58は、最大周波数fmaxに対して、0.1倍、0.01倍、・・・のようにして、0.1倍(10次)ずつ下げた周波数の中から、下限周波数fminを下回らない周波数を選択する。そしてこのとき、選択した中で最小の周波数を基底周波数fbaseとする(すなわち、基底周波数fbaseは、最大周波数fmaxと下限周波数fminとの間において決定される)。なお、下限周波数fminは、設定データに基づき実施例1における(9)式により求められる。
次数決定部59は、基底周波数fbaseのn倍、つまりn次調波の次数nを決定する。なお、最大周波数fmaxを含む他の周波数(基底周波数fbase以外の周波数)は、基底周波数fbaseのn倍、つまりn次調波とする。
ただし、制御性能評価部45に備わる正弦波・余弦波発生器51の特性によっては、正確でキリの良い周波数を発生することができず、単純に切り捨てや0.1倍を行うことができないことがある。
そのため、最大周波数・下限周波数演算部58及び次数決定部59において決定される基底周波数fbase及び次数nは、正弦波・余弦波発生器51において発生することができる最も近い周波数に丸めて近似してもよい。
ちなみに、最大周波数fmaxが基底周波数fbaseと100倍以上離れていない場合は、次数決定部59において、最大周波数fmaxに対して下げる次数幅を10次から変更する。これにより、下限周波数fminを下回らない周波数を必ず3点以上選択する。
重み配分演算部60は、次数決定部59により選択した各次数の周波数に対して、重み係数を配分する。こうすることで、一般的なフーリエ変換によるスペクトル分析でガウス窓等の窓関数を使うのと同じように、抽出する周波数のうち、最大周波数・下限周波数演算部58から入力された下限周波数fmin、及び、サンプリング周波数の1/2である(1/2)fsに近い周波数ほど重みを下げて、ダイナミックレンジを上げることができる。
こうして決定した基底周波数fbase、次数n、及び、重み分配を周波数データとして周波数決定部44から制御性能評価部45に入力する。
制御性能評価部45は、周波数決定部44で決定した周波数データを基に、正弦波及び余弦波を発生させ、計測値PVと積和演算することで、基底周波数fbaseとそのn次調波成分のみを取り出すことができる。
この取り出した成分に周波数決定部44で決定した重み配分をかけたものを計測値PVのパワースペクトルσy 2と見做して性能評価を行う。
ただし、実施例1,2と比べて極端にパワースペクトルσy 2が下がるため、最小分散σMV 2を用いると、最小分散σMV 2よりもパワースペクトルσy 2が小さくなり、上記(2)式で表されるηが1を超えてしまう可能性がある。そこで、定常パワースペクトル演算部54において、定常パワースペクトルσyst 2求め、これを最小分散σMV 2の代わりに用いるのである。
図11Aは、図5Cに対応したグラフであり、選択した各次数の周波数成分の線のみを計算する状態を表している。また、図11Bは、選択した各次数の周波数に対して、重み係数を配分した状態を表すグラフである。なお、図11A,11Bには、参考のため、Fmin,Fbase,Fmax,Fcm,(1/2)Fsの値(特に、Fcm<(1/2)Fsの場合の一例)を表している。
図11Bにおける実線部分の合計が、本実施例におけるパワースペクトルσy 2となる。ちなみに、図11A,11Bにおける破線部分を含めた全体の面積が、実施例1,2で説明した分散σy 2となる。すなわち、実施例1,2では、分散を用いて周波数成分を面で計算していたが、本実施例では、これを、選択した各次数の周波数成分の線で計算することになる。このように本実施例では、分散を用いないため応答が速くなる。
よって、本実施例によれば、モデルデータ及び分散を利用することなく、特定周波数成分のみを抽出することで、高速な評価応答を実現することができる。
[実施例4]
本実施例に係るプラント制御調整装置は、制御性能評価部において、計測値PVを実施例1,2で用いたLPF22の代わりにBPF(バンドパスフィルタ)72に通し、BPF72の出力データを圧縮し、評価データとして指標演算を行うものであり、これにより、実施例1〜3に比べてデータ量を抑制することができる。以下、実施例1〜3と相違する部分を中心に説明する。
図12は、プラント制御調整装置8の構成を示すブロック図である。図12に示すように、プラント制御調整装置8は、データ記憶部11、パラメータ最適化部12、パラメータ送信部13、周波数決定部(FD)64、制御性能評価部(ACP)65、及び、評価データ保存部65aを備えている。
図13は、本実施例における制御性能評価部65の構成を示すブロック図である。制御性能評価部65は、計測値PV、SVトリガ信号、遮断周波数、及び、忘却係数Mを用いて、PIDコントローラの制御性能が低下していると判断すると調整トリガ信号を出力するものである。図13に示すように、制御性能評価部65は、BPF72、定常パワースペクトル・圧縮演算部74、指標演算部75、及び、データ評価部76を備えている。
BPF72は、周波数決定部64の設計する遮断周波数に基づき構成され、計測値PVに対してフィルタ処理を行う。
定常パワースペクトル・圧縮演算部74は、SVトリガ信号が入力されると、計測値PVに基づき、定常時のパワースペクトルである定常パワースペクトルσyst 2を計測するとともに、忘却係数Mを用いてPVデータを圧縮し、実施例1〜3における出力分散(又はそのみなし量)に相当するσy 2を演算する。
指標演算部75は、定常パワースペクトルσyst 2及び上記みなし量σy 2に基づき、下記(2d)式を用いて制御性能指標ζを演算する。
Figure 0006907972
データ評価部76は、最新の評価データと過去の評価データとの比較を行い、予め設定したしきい値を超えた場合に調整トリガ信号を発生する。この点については、実施例1におけるデータ評価部26の説明と同様である。すなわち、評価データ(制御性能指標ζ)に関する値が予め設定したしきい値を超えた場合に、調整トリガ信号を出力するということである。
図14は、本実施例における周波数決定部64の構成を示すブロック図である。周波数決定部64は、プログラマブルコントローラ1の設定データに基づき、周波数データとしての、計測値PVについての遮断周波数を決定するとともに、プログラマブルコントローラ1の内部データ(データ型)に基づき、計測値PVについての忘却係数Mを決定するものである。図14に示すように、周波数決定部64は、上側遮断周波数・下側遮断周波数及びBPF設計部78、忘却係数算出部79を備えている。
上側遮断周波数・下側遮断周波数演算及びBPF設計部78は、同定モデル又は規範モデル(図12,14では、同定モデルのみ記載している)に含まれる時定数、及び、プログラマブルコントローラ1の設定データに基づき、BPF72を構成するための遮断周波数を演算する。遮断周波数は、上側遮断周波数fc1及び下限遮断周波数fc2から成る。
忘却係数算出部79は、プログラマブルコントローラ1の内部データ(データ型)に基づき、ハードウェア上の制約を元にデータを圧縮するために有効な忘却係数Mを算出する。
実施例1〜3においては、いずれも下限周波数fminを求める際に上記(9)式を用いるが、下限周波数fminは、データ点数Nsというハードウェアの制約によって決まる値である。
図15は、周波数領域における出力分散σy 2を示すグラフである。図15の横軸には、下限周波数fmin、サンプリング周波数の1/2である(1/2)fs又は移動平均のカットオフ周波数fcm、LPFカットオフ周波数fcが記載されている。なお、LPFカットオフ周波数fcfは、実施例3においてはn次調波周波数のひとつを示している。
図15において、fminを下限、(1/2)fs又はfcmを上限と考えると、LPFカットオフ周波数fcf(又はn次調波周波数)は、この上下限の間に設定されることになる。また、出力分散σy 2そのものもこの上下限の間の周波数帯域が計算されていることに等しい。
このとき、右端である上限は、サンプリング周波数fsで決定されるため、機器の処理速度制性能に大きく依存し、容易にはさらなる高周波帯域へと拡張することはできないが、下限は計測値PVのデータ点数Nsで決定されるため、データ保存容量を大きくとることができれば、さらに延ばすことができる。
しかし、保存容量もまたハードウェアによる制約であるから、保存データを圧縮することで同等の効果を得たい。そこで、定常パワースペクトル・圧縮演算部74において、計測値PV(BPF72を通過した後のPV)に対して下記(11)式の処理を行う。
Figure 0006907972
忘却係数Mは、1に近いが1より小さい数(例えば0.99等)である。ひとつ前の計算結果pv(n−1)に忘却係数Mをかけた値と、現在の計測値PVを足してpv(n)とする。
ここで、初項a、公比rの等比数列Sを考えると、下記(12)式の等比数列の和の公式より、r<1であればa/(1−r)に収束するので、下記(13)式のように、Sに(1−r)をかければ初項aを求めることができる。
この等比数列Sの一定のa=PVcとして同様に考えれば下記(14)式のように収束する。下記(14)式も下記(13)式同様に、両辺に(1−M)をかけると、下記(15)式になるので、収束した計測値PVcを取り出すことができる。
実際にはPVが一定ということはないが、こうして過去のPVデータを参照しつつも、古いPVデータほど影響力が弱まる形で積算することができる。
Figure 0006907972
図17は、白色雑音が付与されたPV信号と、PV信号に忘却係数M=0.99で求めたその時々のpvを計算回数1000回までプロットしたグラフである。また、図18は、pvとPVの実平均値との比を示したグラフである。
実際のデータとしては、使用するデータが現在値と前回の計算結果のみで、400点(回)目の計算で誤差3%、500点(回)目で誤差1%程度になる。
本実施例では、定常パワースペクトル・圧縮演算部74において、実施例1〜3のように分散、パワースペクトルを求める計算は行っていないが、上記(11)式を用いて計算を行うことで、nが大きければ、pv(n)の値が実施例1〜3における分散、パワースペクトルに相当する値σy 2になる。図16は、上記図5C,11Aに対応したグラフである。図16の実線部分は、このpvの値を示している。
このようにして、本実施例では、誤差収束までの時間をかける点は変わらないが、大量のデータを保持する必要がなくなる。
また、忘却係数Mは1に近いほど上記(11)式より前回計算結果pv(n−1)の項が1/(1−M)倍に大きくなるので、プログラマブルコントローラ1の内部データ(データ型)のビット数や計測値PVの上下限と分解能に応じて忘却係数Mが決まる。なお、分解能とは、内部データが持つ最小単位のことであり、上下限は、計測器や変換器などによってかかる制限である。
下記(16),(17)式のkMは内部データを保持することができる上限の倍率を表し、Bitはビット数、PVpeakは動作領域を表す。
Figure 0006907972
例えばプログラマブルコントローラ1の内部データが16ビットの場合、216=65536に対して、計測値PVの分解能が0.1%で上下限が200%ならば±2000が動作領域になるので、倍率上限は65536/4000=16.384、切り捨てで16倍となる。これによって、上記(17)式により忘却係数Mは15/16=0.9375よりも小さい値であるので、分解能0.1%にあわせて小数点第2位以下を切り捨てで0.93となる。
しかし、実施例1,2の手法のように出力分散σy 2を用いる場合、平均値演算が必要になり、一定のデータを要求してしまう(図3の平均値演算部21では、平均値を求めるために過去のPVのデータを保持し続けている)。
そこで、本実施例では、保持するデータ量を抑えるため、LPF22の代わりにBPF72を用いる。BPF72は特定帯域の周波数成分のみを通すため、直流分が取り除かれて、平均値との差分を取る必要がなくなる。
上側遮断周波数・下側遮断周波数演算及びBPF設計部78は、BPF72の上側遮断周波数fc1として、実施例1,2のLPF22と同じカットオフ周波数fcf(同定モデル又は規範モデルに含まれる時定数、及び、前記設定データに基づき決定された、周波数データとしてのカットオフ周波数fcf)を用い、下限遮断周波数fc2は、忘却係数M、及び、設定データ(設定データのうち、計測値PVのサンプリング周期ΔT、分解能reso、及び、上限又は下限limup)に基づき、内部データが1未満になったときの時間を下限遮断周期とし、その逆数として求める。
上記(14)式で極限を取らない場合の右辺の最終第n項、すなわち最古のデータ成分pvnは下記(18)式で表す。ここで、pv(1)が上限値limupにあるとき、データ点数nがいくつになると(18)式の最古のデータ成分pvnが分解能以下すなわち0になるかを、対数をとって下記(19)式に表す。
Figure 0006907972
例えば、上述の例に倣って、内部データが、ΔT:1s,reso:0.1%,limup:200%,M:0.93であった場合、n=105のとき、内部データは0.98となり、1を切る、すなわち、最小単位より小さいのでゼロ扱いとなる。n×ΔT=105sで最古のデータ成分pvnが消滅するので、これが下側遮断周期であり、上記(20)式に示すように逆数をとり、さらに切り上げを行って0.01Hzが下側遮断周波数fc2となる(ただし、切り上げは本実施例に必須の構成ではない)。
以上を用いて、上側遮断周波数・下側遮断周波数演算及びBPF設計部78は、BPF72の値を設計する。周波数決定部64は、その周波数データ及び忘却係数Mを制御性能評価部65に送る。
制御性能評価部65は、上記周波数データを基にBPF72を構成して計測値PVをフィルタ処理し、フィルタ出力は、忘却係数Mを用いて圧縮する。圧縮されたデータは、既に直流分と平均化が取り除かれているので、二乗によって出力分散σy 2に変換される。
ただし、この出力分散σy 2は、分散値としては小さくなることから、最小分散σMV 2を指標として用いることができないため、実施例3同様に定常パワースペクトルσyst 2を記憶しておき、指標演算においては定常パワースペクトルσyst 2をベンチマークとして計算する。
定常パワースペクトルσyst 2は、やはり実施例3同様に、SVトリガ信号を確認しつつ、システム時定数に対して十分に長い周期で更新を行う。
なお、本実施例において、上側遮断周波数・下側遮断周波数演算及びBPF設計部78は、BPF72の上側遮断周波数fc1として、実施例1,2のLPF22と同じカットオフ周波数fcfを用いると説明したが、すなわち、上側遮断周波数・下側遮断周波数演算及びBPF設計部78は、同定モデル又は規範モデルに基づき、第1カットオフ周波数候補fcaを算出し、プログラマブルコントローラ1の設定データに基づき、第2カットオフ周波数候補fcb及び下限周波数fminを算出し、第1カットオフ周波数候補fca及び第2カットオフ周波数候補fcbのうち、下限周波数fminのn3倍の周波数より高い方、又は、両方とも下限周波数fminのn3倍の周波数より高い場合には、その中で周波数の低い方を、カットオフ周波数fcfとして求める。なお、このとき1≦n3≦100とする。
また、上側遮断周波数・下側遮断周波数演算及びBPF設計部78は、時定数をTとすると、下記(21)式により前記第1カットオフ周波数候補fcaを算出し、設定データから、処理部5による処理が移動平均処理である場合の移動平均点数m、及び、サンプリング周期ΔTを読み取り、移動平均処理に用いる移動平均フィルタのカットオフ周波数の1/10を第2カットオフ周波数候補fcbとして、下記(22)式のように第2カットオフ周波数候補fcbを算出する。
Figure 0006907972
本実施例によれば、実施例1,2において低周波数成分のために保存するデータ量を抑制することができる。
本発明は、プラント制御調整装置として好適である。
1 プログラマブルコントローラ(PLC)
2 分散制御装置(DCS)
3 プラント
4 PIDコントローラ
5 処理部
6 (本発明の実施例1に係る)プラント制御調整装置
7 (本発明の実施例2に係る)プラント制御調整装置
8 (本発明の実施例3に係る)プラント制御調整装置
9 (本発明の実施例4に係る)プラント制御調整装置
11 データ記憶部
12 (実施例1における)パラメータ最適化部
13 パラメータ送信部
14 (実施例1における)周波数決定部(FD)
15 (実施例1における)制御性能評価部(ACP)
15a 評価データ保存部
21 平均値演算部
22 LPF(ローパスフィルタ)
23 分散演算部
24 最小分散演算部
25 ハリス指標演算部
26 (実施例1における)データ評価部
27 第1LPFカットオフ周波数候補演算部
28 第2LPFカットオフ周波数候補・下限周波数演算部
29 周波数比較決定部
32 (実施例2における)パラメータ最適化部
34 (実施例2における)周波数決定部(FD)
37 第1LPFカットオフ周波数候補演算部
44 (実施例3における)周波数決定部(FD)
45 (実施例3における)制御性能評価部(ACP)
45a 評価データ保存部
51 正弦波・余弦波発生器
54 定常パワースペクトル演算部
55 (実施例3における)指標演算部
56 (実施例3における)データ評価部
58 最大周波数・下限周波数演算部
59 次数決定部
60 重み配分演算部
64 (実施例4における)周波数決定部(FD)
65 (実施例4における)制御性能評価部(ACP)
65a 評価データ保存部
72 BPF(バンドパスフィルタ)
74 定常パワースペクトル・圧縮演算部
75 (実施例4における)指標演算部
76 (実施例4における)データ評価部
78 上側遮断周波数・下側遮断周波数及びBPF設計部
79 忘却係数算出部

Claims (5)

  1. 設定値SVに基づきプラントに対して操作量MVの入力を行うPIDコントローラ、及び、該プラントの出力に外乱Dが加わった出力yに対して処理を行う処理部を備え、該出力yに対して該処理が行われた計測値PVに基づき、該プラントに対してフィードバック制御を行うプログラマブルコントローラに接続される、プラント制御調整装置であって、
    前記設定値SVが一定の場合にSVトリガ信号を出力するデータ記憶部と、
    前記操作量MV、前記計測値PV、前記プログラマブルコントローラの設定データ、及び、前記プログラマブルコントローラの内部データに基づき、前記プラントの同定モデル及び規範モデルを作成し、該規範モデルを用いて前記PIDコントローラの制御パラメータを調整する演算を行うパラメータ最適化部と、
    前記パラメータ最適化部によって調整された制御パラメータを、前記PIDコントローラに入力するパラメータ送信部と、
    前記設定データに基づき、周波数データとしての、前記計測値PVについての遮断周波数を決定するとともに、前記内部データに基づき、前記計測値PVについての忘却係数Mを決定する周波数決定部と、
    前記計測値PV、前記SVトリガ信号、前記遮断周波数、及び、前記忘却係数Mを用いて、前記PIDコントローラの制御性能が低下していると判断すると調整トリガ信号を出力する制御性能評価部とを備え、
    前記パラメータ最適化部は、
    前記調整トリガ信号が入力されると前記PIDコントローラの制御パラメータを調整する演算を行う
    ことを特徴とするプラント制御調整装置。
  2. 前記制御性能評価部は、
    前記遮断周波数に基づき構成され、前記計測値PVに対してフィルタ処理を行うバンドパスフィルタと、
    前記SVトリガ信号が入力されると、前記計測値PVに基づき、定常時のパワースペクトルである定常パワースペクトルσyst 2を計測するとともに、前記忘却係数Mを用いて前記計測値PVを圧縮し、値σy 2とする定常パワースペクトル・圧縮演算部と、
    前記定常パワースペクトルσyst 2及び前記計測値PVが圧縮された値σy 2に基づき、制御性能指標ζを演算する指標演算部と、
    前記性能指標ζに関する値が予め設定したしきい値を超えた場合に、前記調整トリガ信号を出力するデータ評価部と備える
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラント制御調整装置。
  3. 前記周波数決定部は、
    前記遮断周波数を演算する上側遮断周波数・下側遮断周波数演算及びBPF設計部と、
    前記内部データに基づき、前記忘却係数Mを算出する忘却係数算出部とを備え、
    前記遮断周波数は、上側遮断周波数fc1及び下限遮断周波数fc2から成り、
    前記上側遮断周波数・下側遮断周波数演算及びBPF設計部は、
    前記上側遮断周波数fc1に、前記同定モデル又は前記規範モデルに含まれる時定数、及び、前記設定データに基づき決定された、周波数データとしてのカットオフ周波数fcfを用い、
    前記下限遮断周波数fc2を、前記忘却係数Mと、前記設定データのうち前記計測値PVのサンプリング周期ΔT、分解能reso、及び、上限又は下限limupとに基づき、前記内部データが1未満となったときの時間である下限遮断周期の逆数として求める
    ことを特徴とする請求項2に記載のプラント制御調整装置。
  4. 前記上側遮断周波数・下側遮断周波数演算及びBPF設計部は、
    前記時定数に基づき、第1カットオフ周波数候補fcaを算出し、
    前記設定データに基づき、第2カットオフ周波数候補fcb及び下限周波数fminを算出し、
    前記第1カットオフ周波数候補fca及び前記第2カットオフ周波数候補fcbのうち、前記下限周波数fminのn3倍の周波数より高い方、又は、両方とも前記下限周波数fminのn3倍の周波数より高い場合には、その中で周波数の低い方を、前記カットオフ周波数fcfとして求め、1≦n3≦100とする
    ことを特徴とする請求項3に記載のプラント制御調整装置。
  5. 前記上側遮断周波数・下側遮断周波数演算及びBPF設計部は、
    前記時定数をTとすると、下記(A)式により前記第1カットオフ周波数候補fcaを算出し、
    前記設定データから、前記処理部による前記処理が移動平均処理である場合の移動平均点数m、及び、サンプリング周期ΔTを読み取り、該移動平均処理に用いる移動平均フィルタのカットオフ周波数の1/10を前記第2カットオフ周波数候補fcbとして、下記(B)式のように該第2カットオフ周波数候補fcbを算出する
    ことを特徴とする請求項4に記載のプラント制御調整装置。
    Figure 0006907972
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