JP2922665B2 - 調節計器の異常検出装置 - Google Patents

調節計器の異常検出装置

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JP2922665B2
JP2922665B2 JP3080844A JP8084491A JP2922665B2 JP 2922665 B2 JP2922665 B2 JP 2922665B2 JP 3080844 A JP3080844 A JP 3080844A JP 8084491 A JP8084491 A JP 8084491A JP 2922665 B2 JP2922665 B2 JP 2922665B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は調節計器の異常検出装置
に係り、プロセス制御による自動運転を行う石油、化
学、原子力などのプラント等に利用できる。
【0002】
【背景技術】従来より、化学プラント等においては、塔
槽類や配管類を含むプロセス系を予め設定された状態に
維持するプロセス制御が行われている。通常のプロセス
制御においては、多数の調節計器を用いて各部の状態値
(流量、レベル、温度、圧力等)を計測し、所定の設定
値に一致するように各部の調節弁等を調節する。しか
し、このような制御系の一部に不良あるいは異常が発生
すると系全体の適切な制御が困難になる。
【0003】例えば、調節計器には指示値と状態値との
間に狂い(誤指示)を生じることがある。誤指示は即座
に致命的な障害ではないが、設定値と照合する状態値が
不正確になることで、系全体を正しく調整することが困
難になる。
【0004】つまり、設定値がA であれば状態値および
指示値もAになるのが正常であるが、調節計器に誤指示
が生じて指示値がA'=A+aになったとすると、制御系は指
示値を設定値A に戻すべく誤差a だけ絞るように働く。
このように指示値を機械的に一定に保とうとする動作を
繰り返すと、最後には調節弁が完全に閉じられるという
ような異常が発生する可能性もある。さらに、先の絞り
により調節計器の指示値はA=A'-aに戻るが、実際の状態
値はA"=A-aとなって本来の設定値A とは逆に偏差a が生
じた状態で維持されることになる。このような偏差a が
継続されると、系全体に異常が及ぶ可能性もある。
【0005】これらの異常を回避するために、プラント
等では各部の調節計器を運転時にも監視する必要があ
る。監視には作業員の目視による検査も行われている
が、前述した誤指示などは一見しただけでは判別しにく
いため、異常検出装置による自動監視が行われている。
このような異常検出装置としては、設定値と実際の状態
値との偏差を検出し、この偏差が予め設定しておいた判
定値を超えた時点で警報を出すもの等が用いられてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述のような
異常検出装置においては、監視動作毎に設定値と状態値
との偏差を計算し、判定値と比較していたため、偏差が
ある程度大きくなるまで異常として検出されないという
問題や、大きな変動があった場合に誤発報するという問
題があった。
【0007】また、偏差の計算には、物質の出入り差
(物質収支)や熱量の出入り差(熱収支)が多く用いら
れるが、塔槽類のレベル計のように少しの誤差が積算さ
れていく場合、物質収支差では異常の検出が遅れるとい
う問題があった。
【0008】本発明の目的は、調節計器の異常を迅速か
つ適確に検出できる調節計器の異常検出装置を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、調節計器の状
態値を一定周期で読み込み、この状態値と予め設定され
た調節計器の設定値との偏差を求める偏差演算部と、こ
の偏差演算部で求められた一周期前の前偏差および一周
期前までの積分値を記憶した前偏差メモリおよび前積分
値メモリと、前記偏差演算部で求められた偏差と前偏差
メモリの前偏差とを比較して、現在の偏差が前偏差と同
じか前偏差よりも増加していた際には現在の偏差を積分
して前積分値メモリに記憶し、現在の偏差が前偏差より
も減少していた際には現在の偏差の積分を省略する条件
積分演算部と、この条件積分演算部で積分され前記前積
分値メモリに記憶された積分値を予め設定された判定値
と比較して異常を検出する異常判定部とを備えたことを
特徴とする。
【0010】ここで、偏差の積分にあたっては、一般に
多用される近似的な積分方式を利用すればよく、簡単な
累積方式あるいは各時点での偏差の状態に応じて偏差を
積算する方式等を用いてもよい。
【0011】また、一定周期で調節計器の設定値を監視
し、現在の設定値が前周期の設定値に対して変動した際
には前記積分ないし比較を省略し、変動に対する過剰反
応を回避できるようにすることが望ましい。
【0012】
【0013】
【作用】このような本発明においては、状態値と設定値
とが一致していれば各時点での偏差は零であり、偏差の
積分値も零のままであるが、調節計器に誤指示等の異常
が発生して状態値が設定値から変化すると、その偏差と
前偏差メモリの前偏差とが比較され、現在の偏差が前偏
差と同じか前偏差よりも増加していた際には現在の偏差
が積分され前積分値メモリに記憶される。 そのため、偏
差が一過性の場合には積分値は当該偏差の値で維持され
るが、継続的な偏差が生じた場合には積分値は時間の経
過に伴って急速に増大する。従って、偏差の積分値が予
め設定された判定値を超えた時点で異常と判定すること
により、微小な偏差であっても継続すれば確実かつ迅速
に検出できる。また、一過性の変動等は検出されないこ
とになり、適切な異常判定を行うことができる。
【0014】一方、現在の偏差が前偏差よりも減少して
いた際には現在の偏差の積分が省略される。つまり、現
在の偏差が前偏差よりも減少していた際には、異常回避
操作が行われ、修復が開始されたと判断し、現在の偏差
の積分が省略される。従って、それ以降は、積分値が増
大しないので、早期に不用意なアラーム等の発生を防ぐ
ことができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1において、化学プラントの反応槽10には入
口側配管11が接続され、この配管11には流量調整弁12が
配置されている。また、反応槽10には出口側配管13が接
続され、この配管13には吐出ポンプ14および流量調整弁
15が配置されている。流量調整弁15には PID(比例積分
微分制御)式のコントローラ16が接続され、コントロー
ラ16は流量計17の検出値に応じて調節弁15の開度を加減
し、出口側配管13における流量を一定に維持する。
【0016】一方、反応槽10にはレベル計18が配置さ
れ、その出力はPID 式のコントローラ19に接続されてい
る。コントローラ19は、レベル計18で検出した状態値PV
(指示値)が外部設定された設定値SVに一致するような
操作量MVを出力して流量調整弁12の開度を加減し、入口
側配管11からの流入量を調節して反応槽10の内部液面を
一定に維持する。なお、コントローラ19の設定はP=30,
I=2000s, D=0s となっている。ここで、コントローラ19
には設定値SVを外部設定するための操作卓20が接続され
るとともに、これらには本発明に基づく異常検出装置21
が接続されている。
【0017】図2に示すように、異常検出装置21は変動
監視手段30および異常検出手段40とから構成されてい
る。変動監視手段30はサンプリングクロックタイマ31に
設定された一定周期(例えば10秒間隔)で変動判定部32
を繰返し起動する。
【0018】変動判定部32は起動に伴って設定値入力部
33からコントローラ19の設定値SVを読み込むとともに、
前設定値メモリ34から前設定値SVold を読み込み、SV=S
Voldの比較を行う。ここで、前設定値メモリ34は変動判
定部32の動作終了毎に入力部33の出力が記録されるもの
であり、前設定値SVold は一周期前の設定値SVを表す。
従って、設定値SVが前設定値SVold と異れば設定に変更
があったとしてそのまま動作を終了してサンプリング周
期の待機に戻るが、各々が等しければ変更がないとして
異常検出手段40を起動する。
【0019】異常検出手段40は偏差演算部41を有し、偏
差演算部41は起動に伴って状態値入力部42からレベル計
18の状態値PVを読み込み、偏差E =PV-SVを演算し、この
値E を条件積分演算部43に送る。
【0020】条件積分演算部43は前偏差メモリ44から前
偏差Eoldを読み込むとともに、前積分値メモリ45から前
積分値Soldを読み込む。ここで、前偏差メモリ44および
前積分値メモリ45は条件積分演算部43の動作終了毎にそ
れぞれ演算部41, 43の出力が記録されるものであり、前
偏差Eoldおよび前積分値Soldはそれぞれ一周期前の偏差
E および積分値S を表す。
【0021】このうち、偏差E および前偏差Eoldに基づ
いて、条件積分演算部43はEold×E ≦0 の比較を行う。
そして、Eold×E ≦0 つまり偏差E と前偏差Eoldとで符
号が異れば、偏差が非定常的であるとして積分値S =0
にリセットする。しかし、Eold×E >0 つまり偏差E と
前偏差Eoldとの符号が同じであれば、同じ傾向の偏差が
継続して発生したとして積分値S の演算を行う。
【0022】すなわち、同じ偏差Eおよび前偏差Eoldを
用い、条件積分演算部43は|E|≧|Eold|の比較を行
う。そして、|E|≧|Eold|であれば偏差が増大傾向
にあるとして前積分値Soldに偏差E を積算して積分値S
とする。しかし、|E||Eold|であれば偏差が減少
傾向にあるとして前積分値Soldをそのまま積分値S と
し、各々の処理により設定された積分値S を偏差E とと
もに異常判定部46に送る。
【0023】異常判定部46は判定値メモリ47から判定値
D を読み込むとともに、送られた積分値S および偏差E
の積の絶対値|E × S|を求め、この絶対値|E × S|
と判定値D とを比較し、絶対値|E × S|が判定値D と
同じか超えていたら異常告知手段48を起動する。なお、
異常告知手段48としては反応槽10の周辺の警報器あるい
は操作卓20の表示器の表示等が用いられている。
【0024】このような本実施例の異常検出装置では次
のような処理を行う。図3に示すように、異常検出装置
21は通常、変動監視手段30により一定周期で設定値の変
動監視を行う。すなわち、一定のサンプリング時間を待
機した後(処理P1)、設定値SVを読み込み(処理P2)、
SVとSVold とを比較し(処理P3)、その結果、設定値SV
に変更があれば待機(処理P1)に戻る。
【0025】そして、設定値に変更がなければ異常検出
手段40により偏差の積分値に基づく異常検出を行う。す
なわち、偏差E =PV-SVを求め(処理P4)、Eold×E ≦0
により偏差E の継続を検査し(処理P5)、継続していな
ければ積分値S=0 とする(処理P6)。一方、継続してい
れば|E |≧|Eold|により偏差の増加または減少を検
査し(処理P7)、偏差が増加していれば積分値S=Sold+
E を求め(処理P8)、偏差が減少していれば積分値S=So
ldを設定する(処理P9)。続いて、積分値S と偏差E の
積の絶対値|E × S|を求めたうえ判定値D と比較し
(処理P10 )、絶対値|E × S|が判定値D より小さけ
れば待機(処理P1)に戻るが、絶対値|E × S|が判定
値D より大きくなった時点で異常発生を告知する(処理
P11 )。
【0026】次に、図4〜図8により本実施例において
レベル計18に誤指示が生じた際の異常検出について説明
する。正常な状態では、レベル計18における状態値およ
び指示値は一致しており、コントローラ19により設定値
SVに対応した値PVに維持されている(図4参照)。
【0027】ここで、時刻t においてレベル計18に誤指
示が発生し、指示値が PV'<PVになったとすると、見掛
け上の反応槽10内のレベルPVがPV' まで低下したことに
なり、低下したレベルをPVまで復元するためにコントロ
ーラ19は誤差PV'-PVの分だけ入口側の流量を増す。
【0028】すなわち、調整弁12は時刻t まで開度VAで
あるが、時刻t を過ぎるとコントローラ19により開度V
A' まで開かれる(図5参照)。このため、入口側配管1
1からの時間あたり流入量VIは時刻t まで略一定である
が、調整弁12の開度に応じて段差状に増加し、時刻t を
過ぎると流入量VI' となる(図6参照)。その結果、反
応槽10を通過する物質収支VB(%=出入口流量差/出入
口流量平均)は時刻t まで略一定であるが、流入量の増
加分に応じて順次上昇し、時刻t を過ぎると収支VB' は
単調増加を始めることになる(図7参照)。
【0029】これらの誤指示に基づく異常を検出するた
めに、本実施例の異常検出装置21は、指示値の変化PV→
PV' による偏差の変化E=PV-SV →E'=PV'-SV に基づいて
前述した図3のような処理を行う。図8に示すように、
時刻t までは、指示値PV≒設定値SVより正負に振れるが
偏差E=PV-SV ≒0 であり、積分値S は偏差E の符号反転
毎に0 となり正負に振れるが略0 であり、積分値S に基
づく絶対値ISI も0 付近の値である。一方、時刻t を過
ぎると、指示値PV' <設定値SVより偏差E'=PV'-SV <0
となり、積分値S は負の偏差E'が順次積算されたものと
なり、以降の絶対値IS'Iは急激に単調増加する。従っ
て、この値が判定値D を超えた時点t'において警報が行
われることになる。
【0030】このような本実施例によれば、以下に示す
ような効果がある。すなわち、誤指示による変化PV→P
V' に対し、設定値SVとの偏差E を求め、さらに偏差の
積分値S を求めることにより、指示値PVが微小かつ一定
であっても積分値S は顕著な変化を示すことになり、こ
の積分値S と判定値D との比較により異常検出を迅速か
つ確実に行うことができる。
【0031】特に、単なる偏差E の検出および比較を行
う場合には、前述のような誤指示による偏差E=PV'-SVは
略一定で検出しにくいのに対し、本実施例では積分を行
うことで確実な検出が行える。
【0032】また、前述のような誤指示の検出として
は、指示値の変化PV→PV' の他に、開度の変化VA→VA'
、流入量の変化VI→VI' 、物質収支の変化VB→VB' の
検査を行うことが考えられる。このような各種の検査に
おいては、異常部位であるレベル計18と検出部位の間の
相関が大きく、検出精度が低下するほか異常部位の特定
が難しいことがある。また、前述した他の検査方式では
開度や流量等を正確に検出することが難しいうえ、検出
を行うために別途計器を用いる必要がある。これに対
し、本実施例ではレベル計18の指示値PVとコントローラ
19の設定値SVとを直接用いるため、前述のような各種の
検査においても確実な異常検出を行うことができる。
【0033】一方、変動監視手段30により一定周期で設
定値SVを監視し、現在の値が前周期の値に対して変動し
た際には以降の処理を省略するため、一過性の変動に対
する過剰反応や設定値SVの変更に伴う不必要な反応を回
避することができ、確実な異常検出が行える。
【0034】また、異常検出手段40においては、条件積
分演算部43により連続する同符号の偏差E のみを積算す
るようにしたため、偏差E が一過性の場合や単なる変動
等は検出しないようにでき、確実な異常検出が行える。
【0035】さらに、本実施例では、条件積分演算部43
において、同符号の偏差E が連続する場合であっても、
|E |≧|Eold|により偏差の増加または減少を検査し
て積分の実行を切り換えているため、変動が回復する際
などの積分値S の不必要な累積に起因する誤発報を回避
することができる。
【0036】すなわち、偏差の増加または減少による切
替えを行わない場合、設定値SVに対して指示値PVが許容
しうる範囲内で変動したとすると(図9(A) 参照)、そ
の変動が略0 に戻る時点T11 まで積分値S の累積が続け
られる(図9(B) 参照)。従って、このような変動によ
る発報を防止するためには、先の変動による積分値S の
最大値Smaxより大きな値D1を判定値D とする必要があ
る。
【0037】しかし、このように設定された判定値D1
用いた場合、本来検出すべき誤指示による継続的な偏差
E (図10(A) 参照)が発生しても、この偏差E が積分値
S に累積されて判定値D1に達する時点T12 までに時間が
かかり(図10(B) 参照)、警報が遅くならざるを得な
い。
【0038】これに対し、本実施例では、|E |≧|Eo
ld|により偏差の増加または減少を検査し、偏差E が増
加していれば積分値S を累積するが、減少していれば累
積を行わないため、同様な変動があっても積分値S の累
積は変動の増加が止まる時点T21 までに限られ(図11
(A) 参照)、この時点T21 での積分値S が最大値Smaxと
なるため、十分小さな値D2<D1を判定値D とすればよく
なる。
【0039】従って、このような判定値D2を用いれば、
本来の継続的な偏差E (図12(A) 参照)が発生しても、
早い時点T22 で警報を発することができる。つまり、本
実施例では、偏差の増加または減少を検査して積分の実
行を切り換えることにより、変動が回復する際などの誤
発報の可能性を低減し、かつ検出時の感度を高め、迅速
な異常検出が行えるようにできる。
【0040】なお、変動に起因する誤発報の防止手段と
して、偏差E が増加傾向の際に積分値S に累積し、減少
傾向となった際に積分値S からその時点の偏差e を差し
引いてゆくことも考えられるが、本来の指示誤差が有る
場合でも、連続的な細かな振れを伴う場合など、積分値
S の累積が十分に行われにくくなり、やはり異常検出が
遅れることになる。従って、異常検出の安定性、確実
さ、迅速さを考慮すれば、本実施例のように構成するこ
とが望ましい。
【0041】加えて、本実施例では、異常判定部46にお
いて、積分値Sと偏差E との積の絶対値|E × S|を求
め、積分値S 自体ではなく、この絶対値|E × S|と判
定値D との比較を行って警報を出すようにしているた
め、変動の挙動が複雑な場合などの積分値S の不必要な
累積に起因する誤発報を回避することができる。
【0042】すなわち、設定値SVに対する指示値PVの変
動のピーク(時点T31 )が許容範囲内であるが、その後
に小さな振れ(時点T33 )を伴うもの(図13(A) 参照)
であったとする。
【0043】このような場合、本実施例の条件積分演算
部43は、変動の増加傾向の間(時点T30 〜T31 の間およ
び時点T32 〜T33 の間)において積分値S の累積を行う
ことになる(図13(B) 参照)。ここで、異常判定部46が
積分値S 自体を判定するものであり、かつ判定値D がピ
ークのみで振れのない変動に基づいて設定された値D3
あったとすると、その後の振れに伴う積分値S の増加に
よって誤発報が生じることがある。
【0044】しかし、本実施例の異常判定部46では、積
分値S と偏差E との積の絶対値|E × S|を用いてお
り、この絶対値|E × S|は各時点での偏差E を反映
し、変動のピークの時点T31 が最大となり、その後の振
れはその時点T33 での偏差E が小さい分、先のピーク時
点での値より小さくなることになる(図13(C) 参照)。
【0045】従って、本実施例では、異常判定にあたっ
て積分値S と偏差E との積の絶対値|E × S|を用い、
これに対応した値D4を判定値D として用いることによ
り、変動の挙動が複雑な場合などでも誤発報の可能性を
低減することができ、確実な異常検出を行うことができ
る。
【0046】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、以下に示すような変形をも含むものであ
る。すなわち、異常検出手段40においては偏差演算部41
からの偏差E に対し、条件積分演算部43で符号に応じた
積分演算を行い、特に符号反転の際には積分値S を0 に
するという処理を行ったが、単純な積分演算あるいは他
の積算方式等を採用してもよく、前偏差メモリ44や前積
分値メモリ45等の付随構成も実施の際に適宜変更すれば
よい。
【0047】また、変動監視手段30により異常検出手段
40を設定値SVに変更がない場合に限り一定周期毎に起動
させるように構成したが、変動監視手段30は適宜省略し
てもよい。この場合、異常検出手段40を一定周期毎に自
動起動させ、かつ設定値SVに変更があった際のみ判定動
作を省略する機能をもたせ、設定値SVの変更による不必
要な検出を避けるように構成することが望ましい。
【0048】さらに、異常検出手段40の条件積分演算部
43においては、積分値S の累積にあたって、Eold×E >
0 により偏差の正負を判定するとともに、|E |≧|Eo
ld|により偏差の増減を判定したが、本考案はこれに限
らず、偏差の増減は適宜省略してもよい。
【0049】また、異常検出手段40の異常判定部46にお
いては、異常の判定にあたって、現時点での積分値S と
偏差E との積の絶対値|E × S|を用い、これに対応し
て設定された判定値D との比較を行ったが、本考案はこ
れに限らず、現時点での積分値S と対応する判定値D と
を比較するようにしてもよい。
【0050】図14には、本考案の他の実施例が示されて
いる。本実施例の異常検出手段40A は、基本的に前記実
施例の異常検出手段40と同様な構成を備えているが、条
件積分演算部43A および異常判定部46A が異なる。すな
わち、本実施例の条件積分演算部43A では、与えられた
偏差E および前偏差Eoldから、各々の正負が同じであれ
ばそのまま積分値S に累積を行う。また、本実施例の異
常判定部46A では、与えられた積分値S を直接、判定値
D と比較して異常判定を行う。
【0051】このような本実施例においては、基本的に
前記実施例と同様な処理が行われ、その処理による効果
も同様なものである。ただし、前記実施例の処理を示す
図3に対し、本実施例では条件積分演算部43A であるた
め処理P7, P9が省略され、異常判定部46A であるため処
理P10 の内容が変わるため、この点に関しては前記実施
例と同じ効果は望めない。しかし、積分値S を利用した
異常判定により従来装置よりは確実かつ正確な異常検出
が行えることになり、構成が簡略になる点を考慮すれ
ば、このような形態での利用も有効なものである。
【0052】また、前記実施例においてはレベル計18を
監視する異常検出装置21について説明したが、本発明は
各種の調節計器の異常検出に適用できるものである。例
えば、前記実施例における出口側の流量計17の異常検出
に適用してもよく、この場合、流量計17の検出値とコン
トローラ16の設定値との偏差演算および積分を行い、所
定の判定値との比較を行えばよい。さらに、異常検出装
置21は別個に配置されるものに限らず、コントローラ19
に内蔵させる等としてもよい。
【0053】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば設
定値と状態値との偏差の積分値により異常に基づく変化
を顕著化して検出することができ、かつ変動等による影
響を適宜回避することが可能となるため、調節計器の異
常を迅速かつ適確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す回路図。
【図2】同実施例の要部構成を示すブロック図。
【図3
同実施例の処理を示すフローチャート。 【図4】同実施例での誤指示を示すグラフ。
【図5】同実施例での前記誤指示に対応した開度調整を
示すグラフ。
【図6】同実施例での前記開度調整に対応した流量変化
を示すグラフ。
【図7】同実施例での前記開度調整に対応した物質収支
変化を示すグラフ。
【図8】同実施例での異常判定における偏差の累積を示
すグラフ。
【図9】同実施例で偏差増減判定を行わない場合の動作
を示すグラフ。
【図10】同実施例で偏差増減判定を行わない場合の動作
を示すグラフ。
【図11】同実施例で偏差増減判定を行う場合の動作を示
すグラフ。
【図12】同実施例で偏差増減判定を行う場合の動作を示
すグラフ。
【図13】同実施例での異常判定における方式毎の動作を
示すグラフ。
【図14】本発明の他の実施例を示すブロック図。
【符号の説明】
18 調整計器であるレベル計 21 異常検出装置 30 変動監視手段 40 異常検出手段 SV 設定値 PV, PV' 状態値および指示値 E 偏差 Eold 前周期の偏差 S 積分値 Sold 前周期の積分値 D 判定値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新家 利彦 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三菱重工業株式会社内 (72)発明者 船越 亮平 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三菱重工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−44906(JP,A) 特開 昭54−67177(JP,A) 特開 昭60−258611(JP,A) 特開 昭60−57413(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G05B 23/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 調節計器の状態値を一定周期で読み込
    み、この状態値と予め設定された調節計器の設定値との
    偏差を求める偏差演算部と、 この偏差演算部で求められた一周期前の前偏差および一
    周期前までの積分値を記憶した前偏差メモリおよび前積
    分値メモリと、 前記偏差演算部で求められた偏差と前偏差メモリの前偏
    差とを比較して、現在の偏差が前偏差と同じか前偏差よ
    りも増加していた際には現在の偏差を積分して前積分値
    メモリに記憶し、現在の偏差が前偏差よりも減少してい
    た際には現在の偏差の積分を省略する条件積分演算部
    と、 この条件積分演算部で積分され前記前積分値メモリに記
    憶された積分値を予め設定された判定値と比較して異常
    を検出する異常判定部とを備えた ことを特徴とする調節
    計器の異常検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の調節計器の異常検出装置
    において、一定周期で調節計器の設定値を監視し、現在
    の設定値が前周期の設定値に対して変動した際には前記
    積分ないし比較を省略することを特徴とする調節計器の
    異常検出装置。
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