JPH06187030A - 時系列モデルによる制御系異常診断方法、及び表示方法 - Google Patents

時系列モデルによる制御系異常診断方法、及び表示方法

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JPH06187030A
JPH06187030A JP4336994A JP33699492A JPH06187030A JP H06187030 A JPH06187030 A JP H06187030A JP 4336994 A JP4336994 A JP 4336994A JP 33699492 A JP33699492 A JP 33699492A JP H06187030 A JPH06187030 A JP H06187030A
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JP
Japan
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control system
time series
controlled object
input
abnormality
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Application number
JP4336994A
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English (en)
Inventor
Kenji Fujii
健司 藤井
Teruji Sekozawa
照治 瀬古沢
Takuji Nishitani
卓史 西谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、入出力データのみから構築可
能な時系列モデルを用いることにより、簡単な構造で適
切な異常検出を行う制御系の異常診断方法を提供するこ
とにある。 【構成】制御対象102への入出力データから、モデル
構築部108において制御対象102の正常状態を表す
モデル、及びすべての異常状態を表すモデルを予め作成
しておく。制御系稼働時における制御対象102の出力
の測定値と、正常モデルによる出力の推定値、及び各異
常モデルによる出力の推定値を、診断部109で比較す
ることにより、制御対象102の異常診断を行う。もし
くは、制御系稼働時における制御対象102の入出力デ
ータから、現在の制御対象102のモデルをリアルタイ
ムに作成し、作成された制御対象モデルと正常モデル、
及び各異常モデルとのモデル間の距離を、診断部109
で比較することにより、制御対象102の異常診断を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制御系稼働時におい
て、各時刻における制御対象の状態が異常かどうかを判
定、及び異常ならばその対象が如何なる異常状態にある
のかを特定するという制御対象の異常診断に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、異常診断を行う対象のモデルを求
めておき、正常状態のモデルから算出される特性値と、
実際の観測値から得られる特性値の比較により異常を検
出する方法として、「異常の検出と予知」山崎弘郎著p.
188には、カルマンフィルタによる異常検出法が記載
されている。
【0003】カルマンフィルタによる異常判定法とは、
簡単に言えば、制御対象の状態方程式に観測データを与
えた場合、カルマンフィルタによって生成される残渣系
列が正規性白色雑音系列になることを利用して、カイ2
乗検定を行い、制御対象の異常を判定しようとするもの
である。以下では、カルマンフィルタによる異常判定法
の概略について説明する。
【0004】対象とするシステムで、制御対象の内部状
態を示す変数である状態変数が、入力に対してどのよう
な応答をし、またそれに応じて出力がどのように応答す
るかがわかっているとき、これを状態方程式で表してお
く。今、入出力変数の数はそれぞれ1とし、状態変数の
数はnとする。時刻tにおける入力,出力,状態変数
を、それぞれ u(t),y(t),x1(t),…,xn(t) とし、状態変数ベクトルを、
【0005】
【数1】
【0006】とすると、状態方程式は、
【0007】
【数2】
【0008】
【数3】
【0009】ここに、Φ :物理パラメータ(状態方
程式作成時に値が決定されるパラメータ)を成分に持つ
(n,n)行列 Γ1 :物理パラメータを成分に持つ(n,1)行列 Γ2 :物理パラメータを成分に持つ(n,1)行列 C :物理パラメータを成分に持つ(1,n)行列 v(t):時刻tにおける外乱 w(t):時刻tにおける観測雑音 で表される。但し、v(t),w(t)はそれぞれq,rの
分散を持ち、ともに平均0の互いに独立な白色雑音系列
とする。観測データ {y(l),u(l),l=t,t−1,…} に基づく、時刻t+1における状態変数の最適推定値を
それぞれ、 X1(t+1|t),…,Xn(t+1|t) とし、同条件に基づく、時刻t+1における状態変数ベ
クトルの予測推定値を、
【0010】
【数4】
【0011】とする。制御対象が正常のときは、観測デ
ータ {y(l),u(l),l=t,t−1,…} が観測されれば、カルマンフィルタにより、数4は次の
逐次型アルゴリズムで与えられる。
【0012】
【数5】
【0013】
【数6】
【0014】
【数7】
【0015】
【数8】
【0016】ここに、P(t|t−1):状態変数ベクト
ルの推定誤差の分散共分散行列であり、数4、及びP
(t|t−1)の初期値はそれぞれ、
【0017】
【数9】
【0018】
【数10】
【0019】で与えられる。このとき、イノベーション
過程と呼ばれるカルマンフィルタの残渣系列ν(t)は、
【0020】
【数11】
【0021】で定義される。残渣系列ν(t)は、平均値
0,分散s(t)をもつ互いに独立な正規性白色雑音系列
になる。よって、数2、及び数3で表される制御対象の
異常検知のためには、この性質を用いて、残渣系列の白
色性検定(カイ2乗検定)を行えばよい。
【0022】今、N個の入出力データから、
【0023】
【数12】
【0024】を定義すると、制御対象が正常のときは、
l(t)は自由度Nのカイ2乗分布に従い、制御対象が異
常のときは、相対的に残渣が大きくなるから、l(t)は
自由度Nのカイ2乗分布に従わなくなる。そこで、χ
2(N,α)を、カイ2乗分布の上側100α%(αは、
例えば0.05 のように非常に小さな値をとる。)点の
限界値、即ち、 l(N)≧lα となる確率がαであるようなlαの値をχ2(N,α)と
すると、 l(N)≧χ2(N,α) ならば、制御対象は異常と認知される。また逆に、 l(N)<χ2(N,α) ならば、制御対象は正常と認知される。
【0025】つまり、l(t)が自由度Nのカイ2乗分布
の100(1−α)%の信頼区間に入っていれば、制御対
象は正常であると判定し、信頼区間外だと、制御対象は
異常であると判定される。
【0026】以上、従来技術であるカルマンフィルタに
よる異常判定法の概略をみてきたが、制御対象が、入出
力変数と状態変数を用いて、状態方程式で表現可能な場
合においては、カルマンフィルタによる異常判定法は有
効である。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】上述のカルマンフィル
タによる方法は、制御対象の内部状態が既知、即ち制御
対象が入出力変数と状態変数の状態方程式で表現できる
という仮定のもとで使用できる。しかし、実際には、そ
の内部状態については未知である場合が存在する。この
とき、上述のカルマンフィルタによる方法は全く使えな
い、ということが従来技術の問題点であった。
【0028】本発明の目的は、制御対象をブラックボッ
クスと考えたときでも、その入出力データのみから作成
可能なモデルである時系列モデルを用いることにより、
簡単な構造で適切な異常検出を行う制御系の異常診断方
法を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明の異常診断方法では、制御対象のモデル作成におい
て、その入出力時系列データのみから比較的高速に作成
でき、また未知パラメータが比較的少なくてすむARM
Aモデルを用いた異常診断の手段を提供する。ARMA
モデルとは、自己回帰移動平均モデル(Auto Regressiv
e Moving Average Model)の略で、目的変数、即
ち、 y(t):時刻tにおける出力 を、説明変数、即ち、 y(t−1),…,y(t−n):時刻tよりn時刻前まで
の過去の出力データu(t) :時刻
tにおける入力 u(t−1),…,u(t−m):時刻tよりm時刻前まで
の過去の入力データによって表現したモデルである。こ
のとき、目的変数は、説明変数の線形結合として、
【0030】
【数13】
【0031】ここに、a(i):未知パラメータ(i=
1,2,…,n) b(j):未知パラメータ(j=0,1,…,m) e(t):説明変数だけでは説明しきれない部分の推定誤
差 と表される。n,mは、モデルの次数といわれる。数1
3には、未知パラメータa(i),b(j)が含まれている
が、N組の入出力データの測定値 {y(t),u(t),t=1,2,…,N} から、未知パラメータの値を決定する。これをパラメー
タの同定という。
【0032】未知パラメータは、モデルが測定入出力デ
ータに最もよくあてはまるように、即ち推定誤差e(t)
が全体にわたってできるだけ小さくなるように定められ
る。よって、t=1,…,Nにおける推定誤差の平方和
【0033】
【数14】
【0034】を最小にするようにして未知パラメータを
定める。これを最小2乗法という。
【0035】最小2乗法により、新しく求められたパラ
メータがそれぞれ、 α(1),α(2),…,α(n),β(1),β(2),…,β
(m) で与えられたとき、推定式
【0036】
【数15】
【0037】として、ARMAモデルは定義される。こ
のモデル作成の過程をみてもわかるとおり、対象の入出
力データのみからモデルは作成される。
【0038】また、次数n,mの決定には、AIC評価
規準を用いる。AIC評価規準は、パラメータ同定の際
に算出された推定誤差の平方和の最小値
【0039】
【数16】
【0040】を用いて、次のように定式化される。
【0041】
【数17】
【0042】実際のモデルの次数の決定は次のように行
う。AIC評価基準の値が小さいほど、よいモデルと考
えられるので、実際にモデルの次数m,nを適当に動か
して、その都度モデルを作成し、各モデルに対応するA
IC評価基準の値を算出する。その中で、AIC評価基
準の値が最小になるときのモデルを最良のモデルとす
る。これからもわかるとおり、モデルの次数も対象の入
出力データのみから決定される。
【0043】本発明の異常診断では、制御対象の入出力
データのみから異常診断を行うための推論装置を用意す
る。推論装置は、大きく分けてモデル構築部,モデル格
納部,診断部の3つの構成要素からなる。ここで、モデ
ル構築部,モデル格納部,診断部のいずれも比較,演算
機能を持っている。制御対象の異常診断を行うための事
前の準備として、モデル構築部で制御対象のモデルを予
め作成しておく。
【0044】まず、正常な状態にある制御対象の、時刻
t(t=1,…,N)における入力値u(t)と出力値y
(t)を測定し、それを用いて上記の方法で、正常な状態
にある制御対象のモデル(正常モデル)を作成する。
【0045】次に、異常な状態にある制御対象のモデル
(異常モデル)を作成する。制御対象に起こりうる異常
の種類がp種類あるとすれば、各異常状態に1からpま
での順番をつけて、異常1の状態,異常2の状態,…,
異常pの状態等と呼び、各異常状態にある制御対象につ
いてもモデルを作成しておく。異常k(k=1,…,
p)の状態にある制御対象の、時刻t(t=1,…,
N)における入力値u(t)と出力値y(t)を測定し、そ
れを用いて上記の方法で、異常kの状態にある制御対象
のモデル(異常kモデル)を作成する。モデル構築部で
予め作成されたモデルは、モデル格納部に格納してお
く。
【0046】この正常モデル、及び異常モデルを用い
て、制御系稼働時における2つの異常診断の手段を提供
する。1つは、モデル推定値比較法であり、1つは、モ
デル間距離比較法である。モデル推定値比較法とは、測
定値と正常モデルによる推定値を比較することにより、
制御対象の異常を判定し、測定値と異常モデルによる推
定値を比較することにより、制御対象の異常を特定しよ
うとする方法である。モデル間距離比較法とは、測定値
から現在の制御対象モデルをリアルタイムに作成し、作
成された制御対象モデルと正常モデルの距離を評価指標
として制御対象の異常を判定し、作成された制御対象モ
デルと異常モデルの距離を評価指標として制御対象の異
常を特定しようとする方法である。以下、この2つの方
法について概要を説明する。
【0047】まず、第1の手段であるモデル推定値比較
法について概要を説明する。制御系稼働時、推論装置に
おいて、各サンプリング時刻ごとに制御対象の入出力デ
ータを採取する。採取された入出力データをモデル格納
部に格納されていた正常モデルに代入し、正常モデルに
よる制御対象の出力の推定値を算出する。この推定値
は、制御対象が正常の状態であるときの出力の期待値で
ある。よって、この出力の推定値と測定された出力値と
を、診断部で比較することにより、制御対象の異常の判
定が可能になる。即ち、2つの値が近ければ、制御対象
は正常であり、2つの値が離れていれば、制御対象は異
常であると考える。具体的には、過去数時刻における推
定誤差の忘却係数付き平方和を、評価指標として考え
る。この評価指標と、予め定めておいた閾値とを比較す
ることにより、制御対象の異常の判定が可能になる。
【0048】次に、異常と判定された制御対象の異常状
態を特定する方法を説明する。異常と判定されてからの
制御対象の入出力データを、モデル格納部に格納されて
いた各異常kモデル(k=1,…,p)に代入し、各異
常kモデルによる制御対象の出力の推定値を算出する。
この推定値は、制御対象が異常kの状態であるときの出
力の期待値である。よって、この各異常モデルによる出
力の推定値と測定された出力値とを、診断部で比較する
ことにより、制御対象の異常の特定が可能になる。即
ち、測定値と異常kモデルによる推定値が最も近けれ
ば、制御対象は異常kの状態にあると考える。具体的に
は、過去数時刻における各異常モデルによる推定誤差の
忘却係数付き平方和を、評価指標として考える。この評
価指標のなかで、値が最も小さくなるような異常モデル
の表す異常状態を、現在の制御対象の異常とみなすこと
により、制御対象の異常の特定が可能になる。
【0049】次に、第2の手段であるモデル間距離比較
法について概要を説明する。モデル間距離比較法におい
ては、モデルどうしの近さを表す評価指標として、モデ
ル間の距離を定義しておく。実施例で詳しく述べるが、
モデル間の距離は、各モデルのインパルス応答の差の平
方和をもって定義とする。2つのモデルの距離が小さけ
れば、2つのモデルの表す状態はほぼ同じと考え、この
距離が大きければ、2つのモデルの表す状態は違ってい
ると考える。制御系稼働時、推論装置において、各サン
プリング時刻ごとに制御対象の入出力データを採取す
る。採取されたデータから、モデル構築部において、時
刻tにおける制御対象のモデルをリアルタイムに作成す
る。この新しく作成された制御対象のモデルと、モデル
格納部に格納されていた正常モデルとの距離を、診断部
において考慮することにより、制御対象の異常の判定が
可能になる。即ち、距離が小さければ、制御対象モデル
と正常モデルの表す状態はほぼ同じと考え、制御対象は
正常であるとみなす。距離が大きければ、制御対象モデ
ルと正常モデルの表す状態は違っていると考え、制御対
象は異常であるとみなす。具体的には、この距離と、予
め定めておいた閾値とを比較することにより、制御対象
の異常の判定が可能になる。
【0050】次に、異常と判定された制御対象の異常状
態を特定する方法を説明する。異常と判定されてからの
制御対象のモデルと、モデル格納部に格納されていた各
異常kモデル(k=1,…,p)との距離を、診断部に
おいて考慮することにより、制御対象の異常の特定が可
能になる。即ち、制御対象モデルと異常kモデルとの距
離が最も小さければ、制御対象モデルと異常kモデルの
表す状態はほぼ同じと考え、制御対象は異常kであると
みなす。これより、制御対象の異常の特定が可能にな
る。
【0051】尚、このモデル間の距離という概念を導入
することにより、異常モデルどうしの距離も算出でき
る。これにより、次のような展開可能性が考えられる。
例えば、いくつかの異常モデルの距離が小さいときは、
それらの異常モデルの表現する異常状態は、同じような
原因で起きるのではないか、とか同時に起こりやすいの
ではないか、という推論が可能になる。また、現在の制
御対象の異常状態が、上記異常状態のいずれかであると
特定されたとき、上記異常状態の残りの異常状態をもっ
て、第2の異常状態の候補,第3の異常状態の候補など
を挙げることができる。
【0052】
【作用】制御系稼働時、推論装置によって各サンプリン
グ時刻ごとに採取された制御対象の入出力データから、
制御対象の異常診断を行う。以下、推論装置の構成要素
が、どのように機能することにより、制御対象の異常診
断が実現されているかについて説明する。
【0053】本発明によれば、採取された制御対象の入
出力データを、モデル格納部に格納されていた正常モデ
ルに代入することにより、正常モデルによる出力値の推
定値を算出する。実際の制御対象の出力値の測定値と、
正常モデルによる出力の推定値との推定誤差の忘却係数
付き平方和を、評価指標として診断部で算出する。この
評価指標は、測定値と推定値がどれほどかけ離れている
かという程度を示すもので、算出された評価指標が予め
定めておいた閾値より小さい値をとるとき、制御対象は
正常と判定する。逆に、算出された評価指標が予め定め
ておいた閾値以上の値をとるとき、制御対象は異常と判
定する。
【0054】このとき、先程採取された制御対象の入出
力データを、モデル格納部に格納されていた各異常モデ
ルに代入することにより、各異常モデルによる出力値の
推定値を算出する。実際の制御対象の出力値の測定値
と、各異常モデルによる出力の推定値との推定誤差の忘
却係数付き平方和を、評価指標として診断部で算出す
る。各評価指標の中で値が最も小さくなるような異常モ
デルの表現する異常状態を、現在の制御対象の異常とし
て特定する。
【0055】もしくは、本発明によれば、制御対象の入
出力データから、現在の制御対象のモデルを、モデル構
築部においてリアルタイムで作成する。作成された制御
対象モデルと、モデル格納部に格納されていた正常モデ
ルとの距離を、診断部で算出する。このモデル間の距離
は、各モデルの表現する状態の類似度を示しており、算
出された距離が予め定めておいた閾値より小さい値をと
るとき、制御対象は正常と判定する。逆に、算出された
距離が予め定めておいた閾値以上の値をとるとき、制御
対象は異常と判定する。
【0056】このとき、先程作成された制御対象モデル
と、モデル格納部に格納されていた各異常モデルとの距
離を、診断部で算出する。各モデル間の距離の中で値が
最も小さくなるような異常モデルの表現する異常状態
を、現在の制御対象の異常として特定する。このとき、
上記の距離が最も小さくなる異常モデルに近い距離をも
つ異常モデルの表現する異常状態を、第2,第3の異常
状態の可能性として、挙げることが可能である。
【0057】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面に基づいて説
明する。図1は、本発明の異常診断システムの全体構成
を示す図である。制御装置101、及び制御対象102
によって構成される制御系において、制御対象102の
異常を推論装置103で推論し、その結果を表示装置1
04で表示することにより、制御対象の異常を監視者に
知らせる。但し、本発明でいう制御系とは、制御装置と
いう狭い意味ではなく、制御装置101、及び制御対象
102によって構成される制御システムという広い意味
に用いる。
【0058】本実施例における制御系の説明を、図1と
図2を用いて詳しく行う。図1における制御対象102
は、図2におけるバルブ201,配管202,センサ2
03からなる。配管202に流れる水の流量をセンサ2
03により検出し、制御対象102の出力値(制御量)
として制御装置101に、流量の目標値とともに入力さ
れる。制御装置101では、制御量とその目標値の偏差
が0になるように、PI制御則に従って制御装置101
の出力値(操作量)が算出される。算出された操作量
は、再び制御対象102に戻され、バルブの開度を決定
する。決定されたバルブ201の開度に従い、配管20
2を流れる水の量も決定される。以下、これが繰り返さ
れる。ここで、バルブ201、及びセンサ203は1次
遅れ系とし、配管202は、1次遅れ系+むだ時間系と
する。このとき、制御対象102の構成要素であるバル
ブ201,配管202,センサ203の異常により、制
御対象102には、次のような異常が起こりうる。
【0059】バルブ201の異常に関しては、バルブ全
開固着,バルブ全閉固着,バルブ固着の3つの異常が起
こりうる。バルブ全開固着とは、バルブが操作量に依存
せず、徐々に100%の開度になるまで開いていくとい
う異常である。バルブ全閉固着とは、バルブが操作量に
依存せず、徐々に0%の開度になるまで閉まっていくと
いう異常である。バルブ固着とは、バルブが操作量に依
存せず、現在のバルブの開度を保持するという異常であ
る。
【0060】配管202の異常に関しては、配管の閉
塞,配管からの漏れ,配管への外乱の3つの異常が起こ
りうる。配管の閉塞とは、配管が徐々に詰まっていき、
水が流れなくなるという異常である。配管からの漏れと
は、配管にあいた穴が徐々に大きくなって行き、水が漏
れていくという異常である。配管への外乱とは、一定量
の水が配管に侵入するという異常である。
【0061】センサ203の異常に関しては、センサ上
限固着,センサ下限固着の2つの異常が起こりうる。セ
ンサ上限固着とは、センサが突然、流量の上限値を保持
するという異常である。センサ下限固着とは、センサが
突然、流量の下限値、即ち0を保持するという異常であ
る。本実施例は、上で述べたような異常、即ち流量制御
系における制御対象の構成要素であるバルブ,配管,セ
ンサの異常の診断の例を示したものである。
【0062】異常診断は、図1における推論装置103
で行う。推論装置103において、制御対象102の異
常の有無が判定され、その異常の種類が特定されたなら
ば、直ちに推論装置103は、その結果を表示装置10
4に表示し、監視者に知らせる。
【0063】以下、推論装置103で行われる異常診断
の手段について説明する。推論装置103は、システム
制御部105,データ採取部106,モデル構築部10
7,モデル格納部108,診断部109,診断結果表示
部110、及びシステムバス111によって構成され
る。推論装置103の構成要素間のデータの受渡しは、
すべてシステムバス111を介して行う。よって、本文
中の推論装置103の構成要素間のデータの受渡しの説
明において、「システムバス111を介して」という説
明は省略する。また、推論装置103の構成要素におけ
る処理は、すべてシステム制御部105によって制御さ
れている。よって、本文中の推論装置103の構成要素の
一連の処理の説明において、「システム制御部105に
より」という説明は省略する。
【0064】本実施例の異常診断では、制御対象102
の状態を表すモデルを予め作成しておく処理と、制御系
稼働時に制御対象102の異常の有無を判定、更にその
異常の種類を特定する処理の2つの処理から成る。
【0065】まず、前者の処理が、推論装置103によ
ってどのように実現されているかについて説明する。制
御対象102には、正常,バルブ全開固着,バルブ全閉
固着,バルブ固着,配管の閉塞,配管からの漏れ,配管
への外乱,センサ上限固着、及びセンサ下限固着の9種
類の状態が起こりうる。これらの制御対象102の各状
態を表すARMAモデルをすべて作成しておく。
【0066】制御対象102の入出力データを、データ
採取部106により検出し、モデル構築部107に入力
される。モデルの作成の方法は、課題を解決するための
手段で述べているので、ここではどのようなデータを用
いて、どのようにモデルが作成されたかについて説明す
る。正常な状態にある制御対象102の、操作量と制御
量のグラフが図11に示されている。横軸は時間、縦軸
は流量(最大流量が1,最小流量が0になるように正規
化している)を表す。操作量を入力,制御量を出力とし
て、時刻t=100から130における入出力データ
が、図1におけるデータ採取部106により検出され、
モデル構築部108に入力される。モデル構築部108
では、図11に示される入出力データから正常モデルを
作成する。正常モデルは、
【0067】
【数18】
【0068】と表される。作成された正常モデルは、図
3に示すように、モデル格納部108に格納する(正常
モデル301)。
【0069】異常モデルについても同様に行う。制御対
象102には、先程説明したように、バルブ全開固着,
バルブ全閉固着,バルブ固着,配管の閉塞,配管からの
漏れ,配管への外乱,センサ上限固着,センサ下限固着
の異常が起こりうる。これらの各異常状態にある制御対
象102の、操作量と制御量のグラフが、それぞれ図1
2〜図19に示されている。横軸は時間、縦軸は流量
(最大流量が1,最小流量が0になるように正規化して
いる)を表す。操作量を入力,制御量を出力として、時
刻t=100から130におけるそれぞれの図に示され
る入出力データから、各異常モデルをモデル構築部10
7において作成し、作成された各異常モデルをモデル格
納部108に格納する。モデル格納部108に格納され
た各異常モデルは、それぞれ次のように表される。バル
ブ全開固着モデル302は、
【0070】
【数19】
【0071】バルブ全閉固着モデル303は、
【0072】
【数20】
【0073】バルブ固着モデル304は、
【0074】
【数21】
【0075】配管の閉塞モデル305は、
【0076】
【数22】
【0077】配管からの漏れモデル306は、
【0078】
【数23】
【0079】配管への外乱モデル307は、
【0080】
【数24】
【0081】と表される。センサ上限固着,センサ下限
固着については非線形性が強く、精度のよいモデルが作
成できない。しかし、制御対象102がセンサ上限固着
の状態になったときは、出力は常に1.0 となり、制御
対象102がセンサ下限固着の状態になったときは、出
力は常に0.0 となるから、モデルは次のように表すこ
とができる。センサ上限固着モデル308は、
【0082】
【数25】
【0083】と表され、センサ下限固着モデル309
は、
【0084】
【数26】
【0085】と表される。
【0086】以上に示したように、制御対象102の各
状態を表現するARMAモデルは、その入出力時系列デ
ータのみから作成される。従来技術では、制御対象の内
部状態が既知、即ち制御対象が入出力変数と状態変数の
状態方程式で表されるという仮定のもとで、モデルの作
成が可能であった。モデル構築部107では、その仮定
がなくともモデル作成が可能になり、従来技術に対して
改良がなされている。
【0087】次に、本実施例の異常診断における後者の
処理、即ち制御系稼働時に制御対象102の異常の有無
を判定、更にその異常の種類を特定する処理が、推論装
置103によってどのように実現されているかについて
説明する。これには、モデル推定値比較法とモデル間距
離比較法の2通りの方法がある。
【0088】まずモデル推定値比較法を、図4に基づい
て説明する。図4は、図1の推論装置103において、
逐次行われる処理を詳しく示したものである。制御系稼
働時、制御対象102の操作量、及び制御量が、それぞ
れ入力値、及び出力値としてデータ採取部106よりサ
ンプリング時毎に検出される。時刻tにおける入力値を
u(t),出力値をy(t)とする。検出された(過去値も
含む)入出力データをモデル格納部108に送り、格納
されていた正常モデル301に代入することにより、時
刻tにおける正常状態にある制御対象の出力値の推定値
Y(t)を算出する。算出された推定値Y(t)と検出され
た測定値y(t)を、診断部109の異常判定部A401
に入力し、ここで制御対象102の異常の有無の判定を
行う。
【0089】この異常判定部A401において行われる
異常判定処理の流れを、図5に基づいて説明する。ステ
ップ501で推定値Y(t)と測定値y(t)を読み込み、
測定値y(t)が、推定値Y(t)からどれくらい離れてい
るか、その度合いを示す評価指標E(t)をステップ50
2で算出する。評価指標E(t)は、推定値Y(t)と測定
値y(t)との残渣 e(t)=Y(t)−y(t) を用いて、過去k時刻までの残渣e(t)の重み付き平均
として定義され、その式は、
【0090】
【数27】
【0091】ここに、ρ:忘却係数(0<ρ<1) と定義される。これにより、現時刻の残渣だけでなく、
過去の時刻の残渣をも考慮にいれることが出来るので、
突発的な雑音などにより残渣が急激に大きくなった場合
でも、評価指標E(t)が急に大きくなることを防いでい
る。算出された評価指標E(t)と、予め定めておいた閾
値δとをステップ503で比較し、 E(t)<δ であれば、ステップ504に進む。ステップ504にお
いて、制御対象102は正常状態にあると診断し、その
診断結果と評価指標E(t)の値を診断結果表示部110
に送る。以上で異常判定部A401における異常判定処
理は終了する。このとき、診断結果表示部110では、
入力されたデータを表示装置104に表示する。表示方
法については、後述する。以上で、時刻tにおける制御
対象102の異常診断は終了し、続いて次の時刻t+1
における異常診断を開始する。
【0092】もしステップ503において、 E(t)≧δ であれば、ステップ505に進む。ステップ505にお
いて、制御対象102は異常状態にあると診断し、評価
指標E(t)の値を診断結果表示部110に送る。以上で
異常判定部A401における異常判定処理は終了し、続
いて異常の種類の特定処理に移る。尚、閾値δは次のよ
うに決定する。評価指標E(t)を構成するe(t)に正規
性を仮定すれば、変数変換することにより評価指標E
(t)の分布(確率密度関数)が求まる。この分布に対し
て、適当な信頼区間を実現するような限界値を閾値とす
ればよい。
【0093】再び、図4に戻り、モデル推定値比較法に
おける異常の種類の特定法について説明する。先程デー
タ採取部106より検出された(過去値も含む)入出力
データをモデル格納部108に送り、格納されていたバ
ルブ全開固着モデル302,バルブ全閉固着モデル30
3,バルブ固着モデル304,配管の閉塞モデル305,配
管からの漏れモデル306,配管への外乱モデル307
に代入する。但し、センサ上限固着モデル308とセン
サ下限固着モデル309は、常にその出力が一定である
ので、データ採取部106より検出された入出力データ
を代入する必要がない。各異常モデルによる時刻tにお
ける制御対象の出力値の推定値を、それぞれ順に Yi(t) (i=1,…,8) としたとき、算出された推定値Yi(t)と検出された測
定値y(t)を、診断部109の異常特定部A402に入
力し、ここで制御対象102の異常の種類の特定を行
う。
【0094】この異常特定部A402において行われる
異常特定処理の流れを、図6に基づいて説明する。ステ
ップ601で各推定値Yi(t)と測定値y(t)を読み込
み、測定値y(t)が、各推定値Yi(t)からどれくらい
離れているか、その度合いを示す評価指標Ei(t)(i
=1,…,8)をステップ602で算出する。各E
i(t)は、推定値Yi(t)と測定値y(t)との残渣 ei(t)=Yi(t)−y(t) (i=1,…,8) を用いて、過去k時刻までの残渣ei(t)の重み付き平
均として定義され、その式は、
【0095】
【数28】
【0096】ここに、ρ:忘却係数(0<ρ<1) となる。算出された各評価指標Ei(t)のなかで、その
最小値を与えるi=i0(i0 は1,…,8のいずれか
をとる)をステップ603で算出する。ステップ604
において、制御対象102はi0 に対応する異常状態
(異常i0 )にあると診断し(例えばi0 =2であれ
ば、制御対象102は、バルブ全閉固着状態にあると診
断する)、その診断結果と各評価指標Ei(t)(i=
1,…,8)の値を診断結果表示部110に送る。以上
で異常特定部A402における異常特定処理は終了す
る。このとき、診断結果表示部110では、入力された
データを表示装置104に表示する。表示方法について
は、後述する。以上で、時刻tにおける制御対象102
の異常診断は終了し、続いて次の時刻t+1における異
常診断を開始する。
【0097】ここで、モデル推定値比較法における表示
装置104の表示方法を、図27を用いて説明する。診
断結果が正常であるとき、診断結果表示部110には、
時刻tにおける診断結果、正常モデル301による評価
指標E(t)の値,入出力データu(t),y(t)が入力さ
れる。診断結果が異常(異常i0 )であるとき、診断結
果表示部110には、上記データに加えて、各異常モデ
ル302〜309による評価指標Ei(t)(i=1,
…,8)の値が入力される。これらのデータを表示装置
104に表示する方法を、図27を用いて説明する。図
27は、表示装置104の画面構成を示す図である。窓
2701では、正常モデル301による評価指標E(t)
の値を、ヒストグラムにより表示する。窓2701にお
ける点線は、閾値を示しており、これにより評価指標E
(t)の値が閾値からどれくらい離れているか、即ち制御
対象102がどの程度正常であるか、又はどの程度異常
であるかが視覚的にわかる。窓2702では、診断結果
が異常であるときに限り、各異常モデル302〜309
による評価指標Ei(t)(i=1,…,8)の値を、ヒ
ストグラムにより表示する。これにより、異常の第2の
候補,第3の候補がわかり(2番目,3番目に値の小さ
い評価指標Ei(t)に対応する異常を、それぞれ第2,
第3の候補とすればよい)、より的確な異常に対する対
処が可能になる。但し、診断結果が正常であるときは、
異常モデル302〜309による評価の必要がないの
で、窓2702には特に何も表示しない。窓2703で
は、測定された操作量、及び制御量を、時刻tまでの時
系列データとしてグラフにより表示する。窓2704で
は、診断結果を表示する。図27の例では、バルブ全開
固着が診断結果として示されている。
【0098】次に、制御対象102の異常の有無を判
定、更にその異常の種類を特定する第2の方法であるモ
デル間距離比較法を図7に基づいて説明する。図7は、
図1の推論装置103において、逐次行われる処理を詳
しく示したものである。制御系稼働時、制御対象102
の操作量、及び制御量が、それぞれ入力値、及び出力値
としてデータ採取部106よりサンプリング時毎に検出
される。時刻tにおける入力値をu(t),出力値をy
(t)とする。検出された(過去値も含む)入出力データ
をモデル構築部107に送り、時刻tにおける制御対象
モデル701を作成する。制御対象モデル701は、
【0099】
【数29】
【0100】と表される。モデルのパラメータの同定に
は、新しくデータが追加されても改めて計算し直す必要
のない、即ち、新しくデータが得られる度に、直前のパ
ラメータの推定値を修正していく逐次形最小2乗法を用
いる。得られた制御対象モデル701と、モデル格納部
108に格納されていた正常モデル301を、診断部1
09の異常判定部B702に入力し、ここで制御対象1
02の異常の有無の判定を行う。
【0101】この異常判定部B702において行われる
異常判定処理の流れを、図8に基づいて説明する。ステ
ップ801で、時刻tにおける制御対象モデル701と
正常モデル301を読み込み、制御対象モデル701
が、正常モデル301からどれくらい離れているか、そ
の度合いを示すモデル間の距離d(t)をステップ802
で算出する。
【0102】ここで、2つのモデルA,B間の距離を次
のように定義する。
【0103】モデルA:
【0104】
【数30】
【0105】ここに、αA(1),…,αA(nA):パラメ
ータ βA(0),…,βA(mA):パラメータ nA,mA:モデルの次数 モデルB:
【0106】
【数31】
【0107】ここに、αB(1),…,αB(nB):パラメ
ータ βB(0),…,βB(mB):パラメータ nB,mB:モデルの次数 モデルA,モデルB間の距離は、モデルどうしの相違点
を定式化するのが自然な考え方である。一般にモデル
A,モデルBは、そのパラメータが異なるが、モデルの
次数(パラメータの個数)もまた一般に異なるので比較
が困難である。そこで、モデルA,モデルBを、それぞ
れ次のように変形する。
【0108】モデルA:
【0109】
【数32】
【0110】ここに、hA(0),hA(1),…:インパル
ス応答パラメータ モデルB:
【0111】
【数33】
【0112】ここに、hB(0),hB(1),…:インパル
ス応答パラメータ モデルを変形することにより、新しく得られたパラメー
タは、モデルのインパルス応答に対応している。よっ
て、2つのモデル間の距離d(t)を、0時点からある適
当な時点qまでの、2つのモデルによるインパルス応答
の差の平方和、即ち、
【0113】
【数34】
【0114】ここに、q:制御系設計時に決定されるパ
ラメータ として定義する。インパルス応答hA(i),hB(i)は、
各モデルに、 u(t−i)=1 u(t−k)=0 (k=0,1,…,i−1,i+
1,i+2,…) を入力したときの出力値である。よって、この2つのモ
デル間の距離の定義は、同じ入力を行った場合の出力値
の比較であり、またパラメータの比較にもなっている。
【0115】異常判定処理の説明の続きに戻る。算出さ
れたモデル間の距離d(t)と、予め定めておいた閾値δ
とをステップ803で比較し、 d(t)<δ であれば、ステップ804に進む。ステップ804にお
いて、制御対象102は正常状態にあると診断し、その
診断結果とモデル間の距離d(t)の値を診断結果表示部
110に送る。以上で異常判定部B702における異常
判定処理は終了する。このとき、診断結果表示部110
では、入力されたデータを表示装置104に表示する。
表示方法については、後述する。以上で、時刻tにおけ
る制御対象102の異常診断は終了し、続いて次の時刻
t+1における異常診断を開始する。
【0116】もしステップ803において、 d(t)≧δ であれば、ステップ805に進む。ステップ805にお
いて、制御対象102は異常状態にあると診断し、モデ
ル間の距離d(t)の値を診断結果表示部110に送る。
以上で異常判定部B702における異常判定処理は終了
し、続いて、異常の種類の特定処理に移る。尚、閾値δ
は次のように決定する。モデル間の距離d(t)を構成す
るパラメータの偏差に正規性を仮定すれば、変数変換す
ることによりモデル間の距離d(t)の分布(確率密度関
数)が求まる。この分布に対して、適当な信頼区間を実
現するような限界値を閾値とすればよい。
【0117】再び、図7に戻り、モデル間距離比較法に
おける異常の種類の特定法について説明する。先程モデ
ル構築部107より作成された制御対象モデル701
と、モデル格納部108に格納されていた各異常モデル
を、診断部109の異常特定部B703に入力し、ここ
で制御対象モデル701と各異常モデルとのモデル間の
距離を算出することにより、制御対象102の異常の種
類の特定を行う。しかし、センサ上限固着モデル30
8,センサ下限固着モデル309は、出力y(t)が入力
に依存せず、常に一定値1.0,0.0をとるようなモデ
ルであるので、制御対象モデル102とのモデル間の距
離が定義できない。よって、センサ上限固着、及びセン
サ下限固着の異常に対しては、モデル推定値比較法を用
いる。そのために、異常特定部B703への入力とし
て、上記モデル群に加えて、データ採取部106より検
出された(過去値も含む)出力データと、センサ上限固
着モデル308による時刻tにおける出力値の推定値 Y7(t)=1.0 と、センサ下限固着モデル309による時刻tにおける
出力値の推定値 Y8(t)=0.0 も入力する。
【0118】この異常特定部B703において行われる
異常特定処理の流れを図10に基づいて説明する。ステ
ップ901で、各推定値Yi(t)(i=7,8)と測定
値y(t)を読み込み、測定値y(t)が、各推定値Y
j(t)からどれくらい離れているか、その度合いを示す
評価指標Ei(t)(i=7,8)をステップ902で算
出する。算出されたE7(t)と予め定めておいた閾値δ
とをステップ903で比較し、 E7(t)<δ であれば、ステップ904に進む。ステップ904にお
いて、制御対象102は異常7に対応する異常状態、即
ちセンサ上限固着状態にあると診断し、その診断結果と
各評価指標Ei(t)(i=7,8)の値を診断結果表示
部110に送る。以上で異常特定部B703における異
常特定処理は終了する。このとき、診断結果表示部11
0では、入力されたデータを表示装置104に表示す
る。表示方法については、後述する。以上で、時刻tに
おける制御対象102の異常診断を終了し、続いて次の
時刻t+1における異常診断を開始する。
【0119】もしステップ903において、 E7(t)≧δ であれば、ステップ905に進む。算出されたE8(t)
と予め定めておいた閾値δとをステップ905で比較
し、 E8(t)<δ であれば、ステップ906に進む。ステップ906にお
いて、制御対象102は異常8に対応する異常状態、即
ちセンサ下限固着状態にあると診断し、その診断結果と
各評価指標Ei(t)(i=7,8)の値を診断結果表示
部110に送る。以上で異常特定部B703における異
常特定処理は終了する。このとき、診断結果表示部11
0では、入力されたデータを表示装置104に表示す
る。表示方法については、後述する。以上で、時刻tに
おける制御対象102の異常診断を終了し、続いて次の
時刻tにおける異常診断を開始する。
【0120】もしステップ905において、 E8(t)≧δ であれば、ステップ907に進む。ステップ907で、
時刻tにおける制御対象モデル701と各異常モデル3
02〜307を読み込み、制御対象モデル701が各異
常モデル302〜307からどれくらい離れているか、
その度合いを示すモデル間の距離di(t)(i=1,
…,6)をステップ908で算出する。算出された各モ
デル間の距離di(t)のなかで、その最小値を与えるi
=i0(i0は1,…,6のいずれかをとる)をステップ
909で算出する。ステップ910において、制御対象
102はi0 に対応する異常状態(異常i0 )にあると
診断し(例えば、i0 =4であれば、制御対象102
は、配管の閉塞状態にあると診断する)、その診断結果
と各モデル間の距離di(t)(i=1,…,6)の値
と、各評価指標Ei(t)(i=7,8)の値を診断結果
表示部110に送る。以上で異常特定部B703におけ
る異常特定処理は終了する。このとき、診断結果表示部
110では、入力されたデータを表示装置104に表示
する。表示方法については、後述する。以上で、時刻t
における制御対象102の異常診断は終了し、続いて次
の時刻t+1における異常診断を開始する。
【0121】ここで、モデル間距離比較法における表示
装置104の表示方法を、図28を用いて説明する。診
断結果が正常であるとき、診断結果表示部110には、
時刻tにおける診断結果、正常モデル301と制御対象
モデル701とのモデル間の距離d(t)の値,入出力デ
ータu(t),y(t)が入力される。診断結果がセンサ上
限固着、又はセンサ下限固着であるとき、診断結果表示
部110には、上記データに加えて、各異常モデル30
8,309による評価指標Ei(t)(i=7,8)の値
が入力される。診断結果が上記以外の異常であるとき、
診断結果表示部110には、更に上記データに加えて、
各異常モデル302〜307と制御対象モデル701と
のモデル間の距離di(t)(i=1,…,6)の値が入
力される。これらのデータを表示装置104に表示する
方法を、図28を用いて説明する。図28は、表示装置
104の画面構成を示す図である。窓2801では、正
常モデル301と制御対象モデル701とのモデル間の
距離d(t)の値を、ヒストグラムにより表示する。窓2
801における点線は、閾値を示しており、これにより
モデル間の距離d(t)の値が閾値からどれくらい離れて
いるか、即ち制御対象102がどの程度正常であるか、
又はどの程度異常であるかが視覚的にわかる。窓280
2では、診断結果が異常であるときに限り、各異常モデ
ル308,309による評価指標Ei(t)(i=7,
8)の値を、ヒストグラムにより表示する。窓2802
における点線は、閾値を示しており、これにより評価指
標Ei(t)(i=7,8)の値が閾値からどれくらい離
れているか、即ち制御対象102がどの程度センサ上限
固着,センサ下限固着状態であるか、又はそうでないか
が視覚的にわかる。但し、診断結果が正常であるとき
は、異常モデル302〜309による評価の必要がない
ので、窓2702には特に何も表示しない。窓2803
では、診断結果がセンサ上限固着,センサ下限固着以外
の異常であるときに限り、各異常モデル302〜307
と制御対象モデル701とのモデル間の距離di(t)
(i=1,…,6)の値を、ヒストグラムにより表示す
る。これにより、異常の第2の候補,第3の候補がわか
り(2番目,3番目に値の小さい評価指標Ei(t)に対
応する異常を、それぞれ第2,第3の候補とすればよ
い)、より的確な異常に対する対処が可能になる。但
し、診断結果が正常であるときや、センサ上限固着,セ
ンサ下限固着であるときは、異常モデル302〜307
による評価の必要がないので、窓2803には特に何も
表示しない。窓2804では、測定された操作量、及び
制御量を、時刻tまでの時系列データとしてグラフによ
り表示する。これにより、入出力関係が視覚的に表示で
きる。窓2805では、診断結果を表示する。図28の
例では、配管の閉塞が診断結果として示されている。
【0122】他にもモデル間距離比較法における表示装
置104の表示方法で、有効な方法がある。これを図2
9を用いて説明する。モデル格納部108には、制御対
象102の測定入出力データから、パラメータ同定によ
り作成されたモデルとして、正常モデル301,バルブ
全開固着モデル302,バルブ全閉固着モデル303,バル
ブ固着モデル304,配管の閉塞モデル305,配管か
らの漏れモデル306,配管への外乱モデル307が格納さ
れている。更に、制御系稼働時、モデル構築部108に
おいて、制御対象モデル701が作成される。これらの
正常モデル301,異常モデル302〜307、及び制
御対象モデル701の関係を、より視覚的に表現する。
図29に示すように、xy平面上において、正常モデル
301、及び異常モデル302〜307を、それぞれ円2
901〜2907で表す。制御対象モデル701は、点
2908で表す。円の半径と配置は、次のように決定す
る。
【0123】まず円の半径について説明する。モデル間
距離比較法において、異常判定部B702で、正常モデ
ル301と制御対象モデル701とのモデル間の距離d
(t)を算出した。算出されたモデル間の距離d(t)と、
予め定めておいた閾値δとを比較することにより、制御
対象102の異常の有無の判定を行った。よって、この
閾値δは、制御対象102が正常であると診断されるた
めの限界値を表している。この閾値δを円の半径とする
ことにより、正常モデル301の守備範囲(制御対象7
01とのモデル間の距離がこの範囲内にあれば、制御対
象102は正常であると診断するような範囲)を、円2
091の内部として表すことができる。また、異常モデ
ル302〜307の守備範囲もほぼ同じであると考えれ
ば、すべての円2901〜2907の半径を等しく置く
ことができる。
【0124】次に円の配置について説明する。即ち、そ
の中心の座標の配置について説明する。そのために、次
のように記号を定義する。モデル301〜307の表す
円の中心の座標をそれぞれMi(xi,yi)(i=1,
…,7)で表し、Mi によって表されるモデルと、Mj
によって表されるモデルとのモデル間の距離を、 d(i,j)(i,j=1,…,7) で表す。xy平面におけるMi,Mjのユークリッド距離
を、 D(i,j)(i,j=1,…,7) で表す。このとき、Mi(xi,yi)(i=1,…,7)を
配置する2通りの方法を示す。
【0125】まず最初の方法は、
【0126】
【数35】
【0127】を最小にするようにxi,yi(i=1,
…,7)を決定し、Mi(xi,yi)を配置する方法であ
る。数35は、i,j=1,2,…,7に対して、Mj
とMi で表されるモデル間の距離と、Mj とMi のユー
クリッド距離との差の2乗和が最小になるようにMi
配置するという意味である。もしMi が表示装置104
の画面に入らなければ、x軸とy軸のスケールを適当に
変えて、Mi が表示装置104の画面に入るようにす
る。この方法によれば、各Mi の表すモデル同士のモデ
ル間の距離と、各Mi 同士のユークリッド距離とが、ほ
ぼ等しくなるように対応する。しかし、数35を最小に
するxi,yi(i=1,…,7)を求めるためには、数
35をxi,yi(i=1,…,7)で偏微分し、偏微分
して得られる式を0に等しくおいて、xi,yi(i=
1,…,7)についての連立方程式を解くことが必要で
ある。そこで、比較的簡単な計算法により、Mi(xi
i)(i=1,…,7)の配置を決定できる方法につ
いて説明する。
【0128】この方法は、図30に示すアルゴリズムに
従って、Mi(xi,yi)をi=1から順番にi=7まで
配置していく。ステップ3001において、M1(x1
1)がほぼ表示装置104の画面の中央に来るよう
に、x1,y1を適当に決定する。ステップ3002にお
いて、i=2とする。ステップ3003において、判定
条件i>7を満足していないので、ステップ3004に
進む。ステップ3004において、
【0129】
【数36】
【0130】を最小にするように適当に配置する。数3
6は、j=1,2,…,i−1に対して、Mj とMi
表されるモデル間の距離と、Mj とMi のユークリッド
距離との差の2乗和が最小になるようにMi を配置する
という意味である。ステップ3005で、iをインクリ
メントし、ステップ3003の判定条件i>7を満足す
るまで、iをインクリメントしながら、ステップ300
4を繰り返す。即ち、M7 の配置が決定するまで、ステ
ップ3004を繰り返す。もしMi が表示装置104の
画面に入らなければ、x軸とy軸のスケールを適当に変
えて、Mi が表示装置104の画面に入るようにする。
この方法においても、各Mi の表すモデル同士のモデル
間の距離と、各Mi 同士のユークリッド距離とが、ほぼ
等しくなるように対応する。数36を最小にするxi
iを求めるためには、数36をxi,yi(i:fi
x)で偏微分し、偏微分して得られる式を0に等しくお
いて、xi,yiについての連立方程式を解くことが必要
である。これは、2変数の2つの方程式からなる連立方
程式であるので、第1の方法に比べて計算がはるかに簡
単である。
【0131】最後に、制御対象モデル701の表す点2
908の配置について説明する。これは、上記Mi(i=
1,…,7)の配置の説明において述べた2通りの方法
を適用すればよい。制御対象モデル701の表す点29
08を、M8(x8,y8)とおき、Mi によって表される
モデルと、Mj によって表されるモデルとのモデル間の
距離を、 d(i,j)(i,j=1,…,8) で表す。xy平面におけるMi,Mjのユークリッド距離
を、 D(i,j)(i,j=1,…,8) で表す。このとき、第1の方法を適用すれば、
【0132】
【数37】
【0133】を最小にするようにxi,yi(i=1,
…,8)を決定し、Mi(xi,yi)を配置すればよい。
また、第2の方法を適用すれば、図30に示すアルゴリ
ズムにおいて、ステップ3003の判定条件をi>8と
すればよい。M8 の配置が決まれば、図29に示すよう
に、M8 と各Mi(i=1,…,7)とを線分で結合する
ことにより、各モデル間の距離の関係が更に視覚的にわ
かるようになる。
【0134】制御系稼働時、上記モデル間の関係を、図
29に示す表示方法でリアルタイムに表示装置104に
表示することにより、制御対象102の状態が現在どの
状態であり、どの状態に変化しようとしているかという
制御対象102の状態の動きが視覚的にわかる。
【0135】以上、制御系稼働時に制御対象102の異
常診断を実現するための手段として、モデル推定値比較
法とモデル間距離比較法について述べた。ここでは、2
つの異常診断方法の違いについて説明をする。
【0136】制御対象102は異常状態にあると判定
し、その異常の種類を特定する場合を考える。モデル推
定値比較法は、測定入出力データを各異常モデルに入力
し、算出されたそれぞれの推定値と測定出力データとを
比較することにより、制御対象102が現在どのような
異常状態にあるか診断するものである。異常モデルは、
そのモデル作成に用いられた入力信号に対しては、その
モデル作成に用いられた出力信号に近い値を推定するも
のの、違う入力信号に対しては、どのような値を推定す
るかわからない。よって、モデル推定値比較法は、制御
対象102の異常状態を誤診断する可能性がある。なぜ
なら、モデル推定値比較法において、異常モデルによる
推定出力データは、その異常モデルへの入力信号、即ち
測定入出力データに大きく依存しているからである。
【0137】一方、モデル間距離比較法は、測定入出力
データから制御対象モデル701を作成し、各異常モデ
ルとのモデル間の距離を比較することにより、制御対象
102が現在どのような異常状態にあるか診断するもので
ある。モデル間の距離は、モデルのインパルス応答列を
用いて定義した。ここで、インパルス応答列は、特定の
入力信号に対する出力信号ではなく、入力信号が全領域
をとりうる場合の出力信号と考えられる。よって、測定
入出力データから作成された制御対象モデル701と異
常モデルとのモデル間の距離は、測定入出力データにそ
れぞれ依存しない。よって、モデル間距離比較法は、制
御対象102の異常状態を誤診断する可能性は小さいと
いえる。
【0138】また、モデル推定値比較法においては、測
定入出力データに雑音が加わった場合、その診断結果に
直接影響が及ぶ。よって、雑音にフィルタをかけること
等により、雑音を除去、もしくは小さくする必要があ
る。
【0139】一方、モデル間距離比較法は、制御系稼働
時に測定された入出力データから制御対象モデル701
を作成し、正常モデル,異常モデルとのモデル間の距離
を比較することにより、制御対象102の異常診断を行
うものであった。これは、測定入出力データに雑音が加
わった場合、測定入出力データをそのまま使うのではな
く、制御対象モデルを作成することにより、推定誤差が
できるだけ小さくなるように定められる(最小2乗
法)。よって、雑音の影響はある程度軽減される。
【0140】更に、モデル間距離比較法において、モデ
ル間の距離を定義した。これにより、実際に制御系を稼
働させなくとも、先見情報としてどのモデルとどのモデ
ルは似ているかがわかり、即ちどの異常とどの異常は見
誤りやすいかが予めわかる。例えば、正常モデル30
1,バルブ全開固着モデル302,バルブ全閉固着モデ
ル303,バルブ固着モデル304,配管の閉塞モデル
305,配管からの漏れモデル306,配管への外乱モ
デル307のインパルス応答が、それぞれ図20〜図2
6に示されている。図21,図22,図23より、バル
ブ全開固着モデル302,バルブ全閉固着モデル30
3,バルブ固着モデル304のインパルス応答の波形は
比較的似いている。即ち、これらのモデルは距離が近い
関係にあるといえる。よって、この3つの異常は、似た
ような特性を持っている。実際、この3つの異常は、バ
ルブの故障が原因であるという共通点を持っている。ま
た、図24,図25,図26より、配管の閉塞モデル3
05,配管からの漏れモデル306,配管への外乱モデ
ル307のインパルス応答の波形は比較的似ている。即
ち、これらのモデルは距離が近い関係にあるといえる。
よって、この3つの異常は、似たような特性を持ってい
る。実際、この3つの異常は、配管の故障が原因である
という共通点を持っている。
【0141】また、モデル間の距離を用いて、非線形な
制御対象も時系列モデルで表すことができる。制御対象
を線形な領域に区分し、それぞれの領域を時系列モデル
で表せばよい。その線形な領域に区分する方法は、次の
ように行う。制御対象を細かい領域に区分し、その区分
された領域をそれぞれ時系列モデルで表す。次に適当な
2つのモデルを選び、モデル間の距離を算出し、その距
離が予め定められていた閾値より小さければ、上記2つ
のモデルに対応する領域は同じ領域とみなし、新たに時
系列モデルで表す。この処理を全ての領域に対して行う
ことにより、制御対象が適切に区分線形化された領域ご
とに時系列モデルで表すことができる。
【0142】このとき、制御系稼働時に得られる制御対
象の入出力データから、現在の制御対象の状態を表す時
系列モデルを作成し、上記モデルとのモデル間の距離を
算出することにより、現在制御対象はどの領域にあるか
ということがわかる。即ち、制御対象は上記モデル間の
距離を最小にする、予め作成しておいた時系列モデルの
表す領域に存在している。
【0143】以下では、本発明の処理のうち、図1にお
けるモデル構築部107について説明を付け加える。2
つの異常診断の方法、即ちモデル推定値比較法とモデル
間距離比較法においては、予め正常モデル、及び異常モ
デルを作成しておくことが必要であった。更に、モデル
間距離比較法においては制御対象モデルの作成も必要で
あった。これらのモデルの作成は、すべてモデル構築部
107において、制御対象102の入出力データ、即ち
操作量と制御量を用いて行われる。よって以下では、N
組の入出力時系列データ {u(t),y(t)} (t=1,…,N) から時系列モデルを作成する手法、及びモデルの次数を
決定する方法について説明する。
【0144】課題を解決するための手段で述べたよう
に、モデルは、
【0145】
【数38】
【0146】ここに、a(i):未知パラメータ(i=
1,2,…,n) b(j):未知パラメータ(j=1,2,…,m) e(t):推定誤差 と表される。n,mは、モデルの次数である。数38を
ベクトル表現すると、
【0147】
【数39】
【0148】となる。ここで、パラメータベクトルは、
【0149】
【数40】
【0150】と定義でき、測定値ベクトルは、
【0151】
【数41】
【0152】と定義できる。
【0153】パラメータベクトルの同定には、最小2乗
法を用いる。即ち、N組の入出力データの測定値 {y(t),u(t)、t=1,2,…,N} によって算出された推定誤差の平方和J(θ)
【0154】
【数42】
【0155】を最小にするようにパラメータを決定す
る。数42をベクトル表現すると、
【0156】
【数43】
【0157】となる。ここで、測定出力ベクトルは、
【0158】
【数44】
【0159】と定義でき、データ行列は、
【0160】
【数45】
【0161】と定義できる。
【0162】推定誤差J(θ)を最小にする条件は、
【0163】
【数46】
【0164】である。数43をθで微分すれば、
【0165】
【数47】
【0166】であるから、数42と数43からθを求め
ると、次式になる。
【0167】
【数48】
【0168】ここで、
【0169】
【数49】
【0170】は、正則行列であると仮定しておく。この
方法は、測定入出力データからなる数45で表される行
列の逆行列を計算して得られるバッチ処理である。これ
は、繰り返し計算を必要としないが、新しくデータが追
加されると、改めて計算し直さなければならない。よっ
て、実際のパラメータ同定には、各時刻毎に逆行列を計
算しながらパラメータを推定するのでなく、N時刻の推
定値θ(N)は、1時刻前の推定値θ(N−1)に、
【0171】
【数50】
【0172】に比例する修正量を加えることによって生
成できる逐次形最小2乗法を用いる。
【0173】その逐次計算アルゴリズムは、
【0174】
【数51】
【0175】
【数52】
【0176】ここに、θ(0)=(0,0,…,0) P(0)=αI (αは十分大きな正数、Iは単位行
列) で表すことができる。
【0177】次に、モデルの次数を決定する方法につい
て説明する。モデルの次数n,mの決定には、最小AI
C法を用いる。最小AIC法とは、モデルの適合度を測
る尺度であるAIC評価規準を用いることにより、モデ
ルの次数を決定する方法である。即ち、最尤法によって
同定されたモデルが複数個あるときに、AIC評価規準
の値を各モデルに対して算出し、その値が小さいほどよ
いモデルと考える。出力y(t)の正規分布の仮定の下
で、最尤法と最小2乗法は一致するので、最小2乗法で
同定したモデルは最尤法で同定したモデルと考えてよ
い。
【0178】N組の入出力データの測定値 {y(t),u(t)、t=1,2,…,N} によって同定されたモデルを、
【0179】
【数53】
【0180】とするとき、モデルによる推定誤差の平方
【0181】
【数54】
【0182】を用いて、AIC評価規準は次のように定
式化される。
【0183】
【数55】
【0184】もし、ある2つのモデルが同程度に適合し
ているなら、第1項の推定誤差は等しいから、第2項の
パラメータ数が少ない方がAIC評価規準の値は小さく
なり、良いモデルとみなされる。これは、できるだけ少
ないパラメータで表示されるモデルがよいことを意味し
ている。
【0185】実際のモデルの次数の決定は次のように行
う。まず、モデルの次数n,mを適当に決めて、モデル
を同定し、AIC評価規準の値を算出する。次に、モデ
ルの次数n,mを適当に変えて、モデルを同定し、AI
C評価規準の値を算出する。これを繰り返し、AIC評
価規準が最小になるときのモデルを最良のモデルとす
る。
【0186】モデルの次数の動かし方は、図10のアル
ゴリズムに従う。これを、表1の例を用いて説明する。
【0187】
【表1】
【0188】一般に、モデルの次数が大きくなれば、推
定誤差の平方和(数54)は小さくなり、それに伴いA
IC評価規準の値も小さくなる。一般に、ある程度モデ
ルが適合してくると、AIC評価規準の定義式(数5
5)における第1項(推定誤差の平方和に対応してい
る)
【0189】
【数56】
【0190】が小さくなる割合より、第2項(モデルの
次数の和に対応している)
【0191】
【数57】
【0192】が大きくなる割合の方が大きくなる。よっ
て、表1の例において、n=2,m=2のときAIC評
価規準の値は11.9 で、n,mがそれより大きくなる
とAIC評価規準の値も11.9 より大きくなっているの
で、n=2,m=2のときAIC評価規準の値は最小であ
ると考えてよい。
【0193】この考え方に基づいたモデルの次数の動か
し方を図10に示す。ここで、次数n,mのモデルによ
るAIC評価規準の値を、AIC(n,m)と表す。ステ
ップ1001より、n=1,m=1とし、 AIC(1,1)=16.9 を算出する。ステップ1002より、 AIC(2,1)=15.3 AIC(1,2)=15.8 を算出する。ステップ1003より、 AIC(1,1):AIC(2,1) AIC(1,1):AIC(1,2) を比較する。 AIC(1,1)<AIC(2,1) AIC(1,1)<AIC(1,2) AIC(1,1)より、AIC(2,1)やAIC(1,2)
の方が小さいので、次数はまだ増やしても構わない。よ
って、ステップ1004へ進む。ここでは、 AIC(2,1):AIC(1,2) を比較し、より小さい方のAIC評価規準に対応するモ
デルの次数を現在の次数とする。AIC(1,2)よりA
IC(2,1)の方が小さいので、ステップ1006より、n
=2,m=1とする。以上の過程により、モデルの次数
n=1,m=1が、新しくn=2,m=1に変更され
た。再び、ステップ1002に戻り、 AIC(3,1)=13.3 AIC(2,2)=11.9 を算出する。ステップ1003より、 AIC(2,1):AIC(3,1) AIC(2,1):AIC(2,2) を比較する。 AIC(2,1)>AIC(2,2) AIC(2,1)より、AIC(2,2)の方が小さいの
で、次数はまだ増やしても構わない。よって、ステップ
1004へ進む。ここでは、 AIC(3,1):AIC(2,2) を比較し、より小さい方のAIC評価規準に対応するモ
デルの次数を現在の次数とする。AIC(3,1)よりA
IC(2,2)の方が小さいので、ステップ1005より、n
=2,m=2とする。以上の過程により、モデルの次数
n=2,m=1が、新しくn=2,m=2に変更され
た。再び、ステップ1002に戻り、 AIC(3,2)=12.6 AIC(2,3)=13.7 を算出する。ステップ1003より、 AIC(2,2):AIC(3,2) AIC(2,2):AIC(2,3) を比較する。 AIC(2,2)>AIC(3,2) AIC(2,2)>AIC(2,3) より、AIC評価規準の値は最小と考え、ステップ10
07へ進む。ここで、最適なモデルの次数n=2,m=
2が決定され、モデルの次数決定のアルゴリズムは終了
する。以上のようにして、AIC評価規準の値を最小と
するモデルの次数が決定される。
【0194】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、異
常判定、及び特定を行う診断装置への入力は、制御対象
の入出力データのみであり、特別なセンサを必要とする
ことなく、制御対象の異常の有無の判定、及び異常の種
類の特定が適切に行われるようになる。また本発明によ
れば、制御系を稼働させなくとも先見情報として、異常
の特性がわかるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】制御系の全体構成図。
【図2】制御対象の構成図。
【図3】モデル格納の概念を示す図。
【図4】モデル推定値比較法の構成。
【図5】図4の異常判定部Aで行われる処理。
【図6】図4の異常特定部Aで行われる処理。
【図7】モデル間距離比較法の構成。
【図8】図7の異常判定部Bで行われる処理。
【図9】図7の異常特定部Bで行われる処理。
【図10】モデルの次数決定アルゴリズム。
【図11】正常時の入出力データの測定結果。
【図12】バルブ全開固着時の入出力データの測定結
果。
【図13】バルブ全閉固着時の入出力データの測定結
果。
【図14】バルブ固着時の入出力データの測定結果。
【図15】配管の閉塞時の入出力データの測定結果。
【図16】配管からの漏れ時の入出力データの測定結
果。
【図17】配管への外乱時の入出力データの測定結果。
【図18】センサ上限固着時の入出力データの測定結
果。
【図19】センサ下限固着時の入出力データの測定結
果。
【図20】正常モデルのインパルス応答。
【図21】バルブ全開固着モデルのインパルス応答。
【図22】バルブ全閉固着モデルのインパルス応答。
【図23】バルブ固着モデルのインパルス応答。
【図24】配管の閉塞モデルのインパルス応答。
【図25】配管からの漏れモデルのインパルス応答。
【図26】配管への外乱モデルのインパルス応答。
【図27】モデル推定値比較法による診断結果の表示画
面構成。
【図28】モデル間距離比較法による診断結果の表示画
面構成。
【図29】モデル間距離比較法による診断結果の別の表
示画面構成。
【図30】図29に示すモデルを表す円、及び点の配置
方法のアルゴリズム。

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制御対象への入出力信号が測定可能な制御
    系において、上記入出力信号に基づき、制御対象の時系
    列モデルを予め作成しておく処理と、制御系稼働時に測
    定される制御対象の入出力信号に対する、上記時系列モ
    デルによる、制御対象の出力信号の推定値を算出する処
    理と、上記推定値と出力信号の上記測定値とを比較する
    処理と、上記比較した結果に基づき、制御対象の異常を
    診断する処理と、からなることを特徴とする制御系異常
    診断方法。
  2. 【請求項2】制御対象への入出力信号が測定可能な制御
    系において、上記入出力信号に基づき、制御対象の時系
    列モデルを予め作成しておく処理と、制御系稼働時に測
    定される制御対象の入出力信号に基づき、制御対象の時
    系列モデルを作成する処理と、予め作成しておいた上記
    時系列モデルと、制御系稼働時に作成された上記時系列
    モデルとを比較する処理と、上記比較した結果に基づ
    き、制御対象の異常を診断する処理と、からなることを
    特徴とする制御系異常診断方法。
  3. 【請求項3】前記制御対象の異常を診断する処理は、前
    記時系列モデルを予め作成しておく処理を、正常時の制
    御対象から測定される入出力信号に基づき、正常時の制
    御対象の状態を表す時系列モデルを予め作成しておく処
    理とすることにより、制御対象の異常の有無を判定する
    処理からなることを特徴とする請求項1項記載の制御系
    異常診断方法。
  4. 【請求項4】前記制御対象の異常を診断する処理は、前
    記時系列モデルを予め作成しておく処理を、正常時の制
    御対象から測定される入出力信号に基づき、制御対象の
    正常状態を表す時系列モデルを予め作成しておく処理と
    することにより、制御対象の異常の有無を判定する処理
    からなることを特徴とする請求項2項記載の制御系異常
    診断方法。
  5. 【請求項5】前記制御対象の異常を診断する処理は、前
    記時系列モデルを予め作成しておく処理を、各異常時の
    制御対象から測定される入出力信号に基づき、制御対象
    の各異常状態を表す時系列モデルをそれぞれ予め作成し
    ておく処理とすることにより、制御対象の異常の種類を
    特定する処理からなることを特徴とする請求項1項記載
    の制御系異常診断方法。
  6. 【請求項6】前記制御対象の異常を診断する処理は、前
    記時系列モデルを予め作成しておく処理を、各異常時の
    制御対象から測定される入出力信号に基づき、制御対象
    の各異常状態を表す時系列モデルをそれぞれ予め作成し
    ておく処理とすることにより、制御対象の異常の種類を
    特定する処理からなることを特徴とする請求項2項記載
    の制御系異常診断方法。
  7. 【請求項7】制御対象への入出力信号が測定可能な制御
    系において、正常時の制御対象から測定される入出力信
    号に基づき、制御対象の正常状態を表す時系列モデルを
    予め作成しておく処理と、制御系稼働時に測定される制
    御対象の入出力信号に対する、上記時系列モデルによ
    る、制御対象の出力信号の推定値を算出する処理と、上
    記推定値と、出力信号の上記測定値とを比較する評価指
    標を算出する処理と、上記評価指標が予め定められてい
    た閾値より小さければ、制御対象は正常であると判定す
    る処理と、上記評価指標が上記閾値以上であれば、制御
    対象は異常であると判定する処理と、からなることを特
    徴とする制御系異常診断方法。
  8. 【請求項8】制御対象への入出力信号が測定可能な制御
    系において、各異常時の制御対象から測定される入出力
    信号に基づき、制御対象の各異常状態を表す時系列モデ
    ルをそれぞれ予め作成しておく処理と、制御系稼働時に
    測定される制御対象の入出力信号に対する、上記各時系
    列モデルによる、制御対象の出力信号の各推定値をそれ
    ぞれ算出する処理と、上記各推定値と、出力信号の上記
    測定値とを比較する各評価指標をそれぞれ算出する処理
    と、上記各評価指標のなかで、その最小値を与える評価
    指標算出に用いられた、予め作成しておいた上記時系列
    モデルの表す異常状態を、制御対象の異常であると特定
    する処理と、からなることを特徴とする制御系異常診断
    方法。
  9. 【請求項9】制御対象への入出力信号が測定可能な制御
    系において、正常時の制御対象から測定される入出力信
    号に基づき、制御対象の正常状態を表す時系列モデルを
    予め作成しておく処理と、制御系稼働時に測定される制
    御対象の入出力信号に基づき、制御対象の時系列モデル
    を作成する処理と、予め作成しておいた制御対象の正常
    状態を表す時系列モデルと、制御系稼働時に作成された
    上記時系列モデルとのモデル間の距離を算出する処理
    と、上記モデル間の距離が予め定められていた閾値より
    小さければ、制御対象は正常であると判定する処理と、
    上記モデル間の距離が上記閾値以上であれば、制御対象
    は異常であると判定する処理と、からなることを特徴と
    する制御系異常診断方法。
  10. 【請求項10】制御対象への入出力信号が測定可能な制
    御系において、各異常時の制御対象から測定される入出
    力信号に基づき、制御対象の各異常状態を表す時系列モ
    デルをそれぞれ予め作成しておく処理と、制御系稼働時
    に測定される制御対象の入出力信号に基づき、制御対象
    の時系列モデルを作成する処理と、予め作成しておいた
    制御対象の各異常状態を表す時系列モデルと、制御系稼
    働時に作成された上記時系列モデルとの各モデル間の距
    離をそれぞれ算出する処理と、上記各モデル間の距離の
    なかで、その最小値を与えるモデル間の距離算出に用い
    られた、予め作成しておいた上記時系列モデルの表す異
    常状態を、制御対象の異常であると特定する処理と、か
    らなることを特徴とする制御系異常診断方法。
  11. 【請求項11】前記評価指標は、現時刻から過去の適当
    な時刻までに得られた、出力信号の前記推定値と出力信
    号の前記測定値との推定誤差の忘却係数付き平方和であ
    ることを特徴とする請求項7項記載の制御系異常診断方
    法。
  12. 【請求項12】前記評価指標は、現時刻から過去の適当
    な時刻までに得られた、出力信号の前記推定値と出力信
    号の前記測定値との推定誤差の忘却係数付き平方和であ
    ることを特徴とする請求項8項記載の制御系異常診断方
    法。
  13. 【請求項13】前記モデル間の距離は、比較すべき2つ
    の前記時系列モデルの0時刻から適当な時刻までに得ら
    れたインパルス応答列の差の忘却係数付き平方和である
    ことを特徴とする請求項9項記載の制御系異常診断方
    法。
  14. 【請求項14】前記モデル間の距離は、比較すべき2つ
    の前記時系列モデルの0時刻から適当な時刻までに得ら
    れたインパルス応答列の差の忘却係数付き平方和である
    ことを特徴とする請求項10項記載の制御系異常診断方
    法。
  15. 【請求項15】前記予め定められていた閾値は、前記評
    価指標が、現時刻から過去の適当な時刻までに得られ
    た、出力信号の前記推定値と、出力信号の前記測定値と
    の推定誤差の忘却係数付き平方和であるとし、上記推定
    誤差に正規性を仮定することにより、上記推定誤差の分
    布を求めたとき、その分布に対して適当な信頼区間を実
    現するような限界値であることを特徴とする請求項7項
    記載の制御系異常診断方法。
  16. 【請求項16】前記予め定められていた閾値は、前記モ
    デル間の距離が、比較すべき2つの前記時系列モデルの
    0時刻から適当な時刻までに得られたインパルス応答列
    の差の忘却係数付き平方和であるとし、上記インパルス
    応答列の差に正規性を仮定することにより、上記インパ
    ルス応答列の差の分布を求めたとき、その分布に対して
    適当な信頼区間を実現するような限界値であることを特
    徴とする請求項9項記載の制御系異常診断方法。
  17. 【請求項17】制御対象への入出力信号が測定可能であ
    り、上記入出力信号から得られた情報を表示する手段を
    有する制御系において、正常時の制御対象から測定され
    る入出力信号に基づき、制御対象の正常状態を表す時系
    列モデルを予め作成しておく処理と、制御系稼働時に測
    定される制御対象の入出力信号に対する、上記時系列モ
    デルによる、制御対象の出力信号の推定値を算出する処
    理と、上記推定値と、出力信号の上記測定値とを比較す
    る評価指標を算出する処理と、上記評価指標が予め定め
    られていた閾値より小さければ、制御対象は正常である
    と判定する処理と、上記評価指標が上記閾値以上であれ
    ば、制御対象は異常であると判定する処理と、上記評価
    指標と上記閾値とをヒストグラムによって表示する処理
    と、制御系稼働時に測定される上記入出力信号を、時系
    列データとしてグラフに表示する処理と、上記診断結果
    を表示する処理と、からなることを特徴とする制御系異
    常診断結果表示方法。
  18. 【請求項18】前記評価指標は、現時刻から過去の適当
    な時刻までに得られた、出力信号の前記推定値と出力信
    号の前記測定値との推定誤差の忘却係数付き平方和であ
    ることを特徴とする請求項17項記載の制御系異常診断
    結果表示方法。
  19. 【請求項19】前記予め定められていた閾値は、前記評
    価指標が、現時刻から過去の適当な時刻までに得られ
    た、出力信号の前記推定値と、出力信号の前記測定値と
    の推定誤差の忘却係数付き平方和であるとし、上記推定
    誤差に正規性を仮定することにより、上記推定誤差の分
    布を求めたとき、その分布に対して適当な信頼区間を実
    現するような限界値であることを特徴とする請求項17
    項記載の制御系異常診断結果表示方法。
  20. 【請求項20】制御対象への入出力信号が測定可能であ
    り、上記入出力信号から得られた情報を表示する手段を
    有する制御系において、各異常時の制御対象から測定さ
    れる入出力信号に基づき、制御対象の各異常状態を表す
    時系列モデルをそれぞれ予め作成しておく処理と、制御
    系稼働時に測定される制御対象の入出力信号に対する、
    上記各時系列モデルによる、制御対象の出力信号の各推
    定値をそれぞれ算出する処理と、上記各推定値と、出力
    信号の上記測定値とを比較する各評価指標をそれぞれ算
    出する処理と、上記各評価指標のなかで、その最小値を
    与える評価指標算出に用いられた、予め作成しておいた
    上記時系列モデルの表す異常状態を、制御対象の異常で
    あると特定する処理と、上記各評価指標をヒストグラム
    によって表示する処理と、制御系稼働時に測定される上
    記入出力信号を、時系列データとしてグラフに表示する
    処理と、上記診断結果を表示する処理と、からなること
    を特徴とする制御系異常診断結果表示方法。
  21. 【請求項21】前記評価指標は、現時刻から過去の適当
    な時刻までに得られた、出力信号の前記推定値と出力信
    号の前記測定値との推定誤差の忘却係数付き平方和であ
    ることを特徴とする請求項20項記載の制御系異常診断
    結果表示方法。
  22. 【請求項22】制御対象への入出力信号が測定可能であ
    り、上記入出力信号から得られた情報を表示する手段を
    有する制御系において、正常時の制御対象から測定され
    る入出力信号に基づき、制御対象の正常状態を表す時系
    列モデルを予め作成しておく処理と、制御系稼働時に測
    定される制御対象の入出力信号に基づき、制御対象の時
    系列モデルを作成する処理と、予め作成しておいた制御
    対象の正常状態を表す時系列モデルと、制御系稼働時に
    測定された上記時系列モデルとのモデル間の距離を算出
    する処理と、上記モデル間の距離が予め定められていた
    閾値より小さければ、制御対象は正常であると判定する
    処理と、上記モデル間の距離が上記閾値以上であれば、
    制御対象は異常であると判定する処理と、上記モデル間
    の距離と上記閾値とをヒストグラムによって表示する処
    理と、制御系稼働時に測定される上記入出力信号を、時
    系列データとしてグラフに表示する処理と、上記診断結
    果を表示する処理と、からなることを特徴とする制御系
    異常診断結果表示方法。
  23. 【請求項23】前記モデル間の距離は、比較すべき前記
    2つの時系列モデルの0時刻から適当な時刻までに得ら
    れたインパルス応答列の差の忘却係数付き平方和である
    ことを特徴とする請求項22項記載の制御系異常診断結
    果表示方法。
  24. 【請求項24】前記予め定められていた閾値は、前記モ
    デル間の距離が、比較すべき前記2つの時系列モデルの
    0時刻から適当な時刻までに得られたインパルス応答列
    の差の忘却係数付き平方和であるとし、上記インパルス
    応答列の差に正規性を仮定することにより、上記インパ
    ルス応答列の差の分布を求めたとき、その分布に対して
    適当な信頼区間を実現するような限界値であることを特
    徴とする請求項22項記載の制御系異常診断結果表示方
    法。
  25. 【請求項25】制御対象への入出力信号が測定可能であ
    り、上記入出力信号から得られた情報を表示する手段を
    有する制御系において、各異常時の制御対象から測定さ
    れる入出力信号に基づき、制御対象の各異常状態を表す
    時系列モデルをそれぞれ予め作成しておく処理と、制御
    系稼働時に測定される制御対象の入出力信号に基づき、
    制御対象の時系列モデルを作成する処理と、予め作成し
    ておいた制御対象の各異常状態を表す時系列モデルと、
    制御系稼働時に測定された上記時系列モデルとの各モデ
    ル間の距離をそれぞれ算出する処理と、上記各モデル間
    の距離のなかで、その最小値を与えるモデル間の距離算
    出に用いられた、予め作成しておいた上記時系列モデル
    の表す異常状態を、制御対象の異常であると特定する処
    理と、上記各モデル間の距離をヒストグラムによって表
    示する処理と、制御系稼働時に測定される上記入出力信
    号を、時系列データとしてグラフに表示する処理と、上
    記診断結果を表示する処理と、からなることを特徴とす
    る制御系異常診断結果表示方法。
  26. 【請求項26】前記モデル間の距離は、比較すべき前記
    2つの時系列モデルの0時刻から適当な時刻までに得ら
    れたインパルス応答列の差の忘却係数付き平方和である
    ことを特徴とする請求項25項記載の制御系異常診断結
    果表示方法。
  27. 【請求項27】制御対象への入出力信号が測定可能であ
    り、上記入出力信号から得られた情報を表示する手段を
    有する制御系において、正常時の制御対象から測定され
    る入出力信号に基づき、制御対象の正常状態を表す時系
    列モデルを予め作成しておく処理と、各異常時の制御対
    象から測定される入出力信号に基づき、制御対象の各異
    常状態を表す時系列モデルをそれぞれ予め作成しておく
    処理と、制御系稼働時に測定される制御対象の入出力信
    号に基づき、制御対象の時系列モデルを作成する処理
    と、予め作成しておいた制御対象の正常状態を表す上記
    時系列モデルと、各異常状態を表す上記時系列モデルに
    対応するぞれぞれの円と、制御系稼働時に作成された上
    記時系列モデルに対応する点とを、上記平面上に配置す
    る処理と、もし上記各円、及び上記点が、上記平面内に
    入りきらなければ、上記平面内に入るように、上記平面
    のスケールを適当に調整する処理と、からなることを特
    徴とする制御系異常診断結果表示方法。
  28. 【請求項28】前記各円と前記点を配置する処理は、上
    記各円の中心点と上記点のすべての点、又はいくつかの
    点からなる集合に対して、上記集合におけるすべての点
    を前記平面上に配置するときの、任意の2点間のユーク
    リッド距離を算出する処理と、上記2点に対応する時系
    列モデルのモデル間の距離を算出する処理と、上記集合
    のすべての2点の組合せに対して、上記各2点間のユー
    クリッド距離の比例関係と、上記各2点に対応する時系
    列モデルのモデル間の距離の比例関係とが、できるだけ
    一致するように、上記各円と上記点を配置する処理と、
    からなることを特徴とする請求項27項記載の制御系異
    常診断結果表示方法。
  29. 【請求項29】前記円の半径は、前記制御系異常診断結
    果表示方法が、更に、予め作成しておいた制御対象の正
    常状態を表す前記時系列モデルと、制御系稼働時に作成
    された前記時系列モデルとのモデル間の距離が、予め定
    められていた閾値より小さければ、制御対象は正常であ
    ると判定する処理と、上記モデル間の距離が上記閾値以
    上であれば、制御対象は異常であると判定する処理と、
    からなるとき、上記閾値と等しいことを特徴とする請求
    項27項記載の制御系異常診断結果表示方法。
  30. 【請求項30】前記各円と前記点を配置する処理は、上
    記各円の中心点と上記点のすべての点、又はいくつかの
    点からなる集合に対して、上記集合におけるすべての点
    を前記平面上に配置するときの、任意の2点間のユーク
    リッド距離を算出する処理と、上記2点に対応する時系
    列モデルのモデル間の距離を算出する処理と、上記集合
    のすべての2点の組合せを選んだときの、上記ユークリ
    ッド距離と上記モデル間の距離の差の平方和を最小にす
    るように上記円、及び上記各点を配置する処理と、から
    なることを特徴とする請求項27項記載の制御系異常診
    断結果表示方法。
  31. 【請求項31】前記各円と前記点を配置する処理は、上
    記各円の中心点と上記点のすべての点、又はいくつかの
    点からなる集合に対して、上記集合におけるすべての点
    を前記平面上に配置するときの、任意の2点間のユーク
    リッド距離を算出する処理と、上記2点に対応する時系
    列モデルのモデル間の距離を算出する処理と、上記集合
    から任意の2点を選んだときの、上記ユークリッド距離
    と上記モデル間の距離の差の平方和を最小にするように
    上記2点に対応する上記円、又は上記各点を配置する処
    理と、上記集合から先に配置した各点を除く任意の1点
    を選んだときの、先に配置した各点との、上記ユークリ
    ッド距離と上記モデル間の距離の差の平方和を最小にす
    るように新たに配置すべき上記点に対応する上記円、又
    は上記点を配置する処理と、上記処理に従って、上記集
    合のすべての点に対応する上記円、又は上記点を配置す
    る処理と、からなることを特徴とする請求項27項記載
    の制御系異常診断結果表示方法。
  32. 【請求項32】前記制御対象の異常を診断する処理は、
    更に、前記時系列モデルを予め作成しておく処理を、各
    異常時の制御対象から測定される入出力信号に基づき、
    制御対象の各異常状態を表す時系列モデルをそれぞれ予
    め作成しておく処理とし、上記時系列モデルどうしの、
    モデル間の距離を算出する処理と、制御系を稼働させな
    くとも、先見情報として上記制御対象の各異常間の関係
    を知る処理と、からなることを特徴とする請求項1項記
    載の制御系異常診断方法。
  33. 【請求項33】前記制御対象の異常を診断する処理は、
    更に、前記時系列モデルを予め作成しておく処理を、各
    異常時の制御対象から測定される入出力信号に基づき、
    制御対象の各異常状態を表す時系列モデルをそれぞれ予
    め作成しておく処理とし、上記時系列モデルどうしの、
    モデル間の距離を算出する処理と、制御系を稼働させな
    くとも、先見情報として上記制御対象の各異常間の関係
    を知る処理と、からなることを特徴とする請求項2項記
    載の制御系異常診断方法。
  34. 【請求項34】前記制御対象の異常を診断する処理は、
    更に、予め作成しておいた上記時系列モデルどうしの、
    モデル間の距離を算出する処理と、制御系を稼働させな
    くとも、先見情報として上記制御対象の各異常間の関係
    を知る処理と、からなることを特徴とする請求項8項記
    載の制御系異常診断方法。
  35. 【請求項35】前記制御対象の異常を診断する処理は、
    更に、予め作成しておいた上記時系列モデルどうしの、
    モデル間の距離を算出する処理と、制御系を稼働させな
    くとも、先見情報として上記制御対象の各異常間の関係
    を知る処理と、からなることを特徴とする請求項10項
    記載の制御系異常診断方法。
  36. 【請求項36】時系列モデル作成におけるその次数決定
    において、ある次数n,mに対するAIC評価規準の値
    をAIC(n,m)とするとき、AIC(n+1,m),A
    IC(n,m+1)の小さい方の値に対応する次数にn,
    mを変更する処理と、上記処理に従って、n,mの変更
    を繰り返し、AIC(n,m)がAIC(n+1,m),A
    IC(n,m+1)のいずれよりも小さくなると上記処理
    を終了し、n,mを上記時系列モデルの次数として決定
    する処理と、からなることを特徴とする時系列モデルの
    次数決定方法。
  37. 【請求項37】対象の入出力信号が非線形な関係にある
    ときの対象の時系列モデル作成において、対象への入力
    信号を適当な領域に分割し、上記各領域の入力信号に対
    する対象の出力信号を算出する処理と、上記各領域ごと
    に算出された入出力信号から時系列モデルを作成する処
    理と、上記各時系列モデル間の距離を算出する処理と、
    上記モデル間の距離が予め定められた閾値以下であれ
    ば、その2つのモデルの表す領域を統合し、その領域に
    対して新たに時系列モデルを作成する処理と、上記処理
    を、任意の2つの時系列モデルのモデル間の距離が上記
    閾値より大きくなるまで繰り返す処理と、からなること
    を特徴とする非線形な対象の時系列モデルによる表現方
    法。
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