JP6650805B2 - 食品用粉末状日持ち向上剤 - Google Patents

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Description

本発明は、食品用粉末状日持ち向上剤に関する。
従来から、加工食品の製造においては、食品の保存性を向上させる目的で、有機酸や有機酸塩が用いられており、中でも日持ち向上効果の高さから、酢酸や酢酸塩が頻繁に用いられている。また、取り扱いの便宜性や、保存性が良い等の利点を持つことから、酢酸や酢酸塩を含有する粉末状製剤も幅広く利用されている。
しかしながら、酢酸や酢酸塩を主剤とする日持ち向上剤は、酢酸に由来する強い酸味および酸臭や、酢酸塩に由来にする苦味や渋味が、食品の風味を変化させてしまうため、食品の風味に影響が出ないように、日持ち向上剤における酢酸や酢酸塩の含有量を抑えたり、マスキング効果のある成分を多量に含有する等の方法がとられている。例えば、特許文献1には、酢酸ナトリウム、酢酸、食酢、粉末酢酸から選ばれた1もしくは2以上からなる食品用静菌料、と、ベタインとを含む食品用静菌組成物が提案されている。しかしながら、マスキング効果のある成分を多量に配合することにより、日持ち向上効果が低下してしまうといった問題が生じていた。
一方、粉末製剤においては、粉末の固結化等、保管安定性の悪化がしばしば問題となり、その対策として一般的には、炭酸カルシウムやリン酸三カルシウム等の固結防止剤を配合する方法がとられるが、保管温度や期間によっては、粉末製剤のpH変動による性能低下や、酸性成分と反応することによるガス発生、溶解性の悪化等の問題が生じる場合があった。
特開2001−346559号公報
本発明の目的は、優れた保存効果を持ち、かつ食品の味質に与える影響が少なく、さらに保管安定性の良い食品用粉末状日持ち向上剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、酢酸ナトリウム、酢酸、高度分岐環状デキストリン、並びにカルボキシル基と水酸基を有し、水酸基数/カルボキシル基数が0.5以上である有機酸の塩を組み合せ、かつ酢酸根とpHを特定の範囲に調整することで、優れた保存効果を持ち、かつ食品の味質に与える影響が少なく、さらに粉末の固結化が防止された食品用粉末状日持ち向上剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、酢酸ナトリウム、酢酸5〜15重量%、高度分岐環状デキストリン2〜30重量%、並びにカルボキシル基と水酸基を有し、水酸基数/カルボキシル基数が0.5以上である有機酸の塩を含有する食品用粉末状日持ち向上剤であって、日持ち向上剤の酢酸根が60〜68重量%であり、かつ1重量%水溶液を調製した際のpHが4.5〜5.8である、食品用粉末状日持ち向上剤を提供する。
本発明の食品用粉末状日持ち向上剤に用いる酢酸ナトリウムは、食品に対して使用可能なものであれば特に限定されず、例えば食品添加物として市販されるものであってもよい。本発明の食品用粉末状日持ち向上剤における酢酸ナトリウムの割合は、その全量に対して、60〜80重量%であることが好ましく、63〜78重量%であることがより好ましく、68〜75重量%であることがさらに好ましい。本発明の食品用粉末状日持ち向上剤における酢酸ナトリウムの割合が60重量%未満の場合、得られる日持ち向上剤の日持ち向上効果が不十分となる傾向にあり、本発明の食品用粉末状日持ち向上剤における酢酸ナトリウムの割合が80重量%を超える場合、得られる日持ち向上剤の苦味や後味等の味質に影響する傾向がある。
本発明の食品用粉末状日持ち向上剤に用いる酢酸は、食品に対して使用可能なものであれば特に限定されず、例えば食品添加物として市販されるものであってもよい。本発明の食品用粉末状日持ち向上剤における酢酸の割合は、その全量に対して、5〜15重量%であることが好ましく、8〜14重量%であることがより好ましく、10〜13重量%であることがさらに好ましい。本発明の食品用粉末状日持ち向上剤における酢酸の割合が5重量%未満の場合、得られる日持ち向上剤の日持ち向上効果が不十分となる傾向にあり、本発明の食品用粉末状日持ち向上剤における酢酸の割合が15重量%を超える場合、得られる日持ち向上剤の酸味や酸臭が強くなる傾向がある。
本発明の食品用粉末状日持ち向上剤に用いる高度分岐環状デキストリンは、高度に分岐した構造を有し、分子内に環状構造を有するデキストリンであって、食品に対して使用可能なものであれば特に限定されない。高度分岐環状デキストリンは、例えば、α−1,4−グルコシド結合およびα−1,6−グルコシド結合を有する糖類に糖転移酵素を作用させることにより生成され得る。市販品の高度分岐環状デキストリンとしては、クラスターデキストリン(登録商標)(グリコ栄養食品株式会社製)が挙げられる。本発明の食品用粉末状日持ち向上剤に用いる高度分岐環状デキストリンの割合は、その全量に対して、2〜30重量%であることが好ましく、4〜16重量%であることがより好ましく、5〜12重量%であることがさらに好ましい。本発明の食品用粉末状日持ち向上剤における高度分岐環状デキストリンの割合が2重量%未満の場合、得られる日持ち向上剤が固結しやすく保管安定性が悪くなり、また矯味効果が劣る傾向があり、本発明の食品用粉末状日持ち向上剤における高度分岐環状デキストリンの割合が30重量%を超える場合、得られる日持ち向上剤の日持ち向上効果が不十分となる傾向がある。
本発明の食品用粉末状日持ち向上剤は上記成分に加え、カルボキシル基と水酸基を有し、水酸基数/カルボキシル基数が0.5以上である有機酸の塩を含有し、水酸基数/カルボキシル基数が4〜5であることが好ましい。これらの有機酸の塩は、食品に対して使用可能なものであれば特に限定されず、例えば、グルコン酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ガラクトン酸ナトリウム、キシロン酸ナトリウム等が挙げられる。その中でも、味質や入手性の点で、グルコン酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウムが好ましく、本発明の食品用粉末状日持ち向上剤における酢酸由来の酸味や酸臭をより効果的に低減させる点で、グルコン酸ナトリウムを使用することがより好ましい。本発明の食品用粉末状日持ち向上剤におけるこれらの成分の割合は、その全量に対して、0.5〜4重量%または0.5〜3.5重量%であることが好ましく、1〜3重量%であることがより好ましく、1.5〜2.5重量%であることがさらに好ましい。

本発明の食品用粉末状日持ち向上剤は、酢酸根(CHCOO)の割合が60〜68重量%に調整されたものであり、61〜67重量%であることがより好ましく、62〜66重量%であることがさらに好ましい。本発明の食品用粉末状日持ち向上剤における酢酸根の割合が60重量%よりも低い場合、得られる日持ち向上剤の日持ち向上効果が不十分となる傾向にあり、また、本発明の食品用粉末状日持ち向上剤における酢酸根の割合が68重量%よりも高い場合、得られる日持ち向上剤の酸味や酸臭が強くなり、食品の味質に影響傾向がある。
また、本発明の食品用粉末状日持ち向上剤は、1重量%水溶液を調製した際のpHが4.5〜5.8に調整されたものであり、4.8〜5.7であることが好ましく、4.9〜5.6であることがより好ましく、5.0〜5.5であることがさらに好ましい。本発明の食品用粉末状日持ち向上剤の1重量%水溶液のpHが5.8よりも高い場合、得られる日持ち向上剤の日持ち向上効果が不十分となる傾向にあり、また、本発明の食品用粉末状日持ち向上剤の1重量%水溶液のpHが4.5よりも低い場合、得られる日持ち向上剤の酸味や酸臭が強くなり、食品の味質に影響する傾向がある。
本発明の食品用粉末状日持ち向上剤は、各原料を撹拌、混練、加熱等の工程を経て粉末化することで得られる。その製造方法は特に限定されず、全ての原料を同時に加えて撹拌、混練し粉末を得てもよいが、効率良く、短時間で、酸味や酸臭が抑制されるとともに酢酸が均一に分散した食品用粉末状日持ち向上剤を製造することができる点で、以下の工程を含むことが好ましい。
本発明の食品用粉末状日持ち向上剤の好ましい製造方法としては、
(A)無水酢酸ナトリウム、酢酸水溶液および高度分岐環状デキストリンを撹拌または混練しながら品温が50〜80℃に達するまで加熱して混合物を得る工程;
(B)工程(A)で得られた混合物を撹拌または混練しながら品温が10〜40℃に達するまで冷却して固形物を得る工程
(C)工程(B)で得られた固化物を粉砕して食品用粉末製剤を得る工程;および
(D)工程(C)で得られた食品用粉末製剤を、酢酸ナトリウム、高度分岐環状デキストリン並びにカルボキシル基と水酸基を有し、水酸基数/カルボキシル基数が0.5以上である有機酸の塩と混合する工程を含む方法が例示される。
以下、該製造方法の各工程について記載する。
工程(A)および(B)は、同じ装置内で行ってもよく、それぞれ別の装置で行ってもよい。また、工程(A)および(B)は、撹拌装置を備えた一般的な反応容器内で行っても良いが、短時間での製造が可能となる点および同じ装置で粉末化をも行うことができる点で、ニーダー等の混練装置を用いるのが好ましい。混練装置としては、ジャケット等の温度調節機構を備えた回分式および連続式の混練装置が使用可能であり、例えば、コニーダー、双腕型ニーダー、リボン型混合機、スクリュー型混合機、マラー型混合機、放射ロッド型混合機、ピンミキサー、ボテータ、セルフクリーニング型混合機、らいかい機、ミックスマラー、マルチマル、ウェットパンミル、速練機、万能ミキサ、カッターミキサ、シュギーミキサ、エクストルーダー、コンテイニュアスニーダー等が例示される。その中でもコニーダー、双腕型ニーダー、コンテイニュアスニーダー等のいわゆるニーダーと称せられるものが好ましい。工程(A)の加熱および工程(B)の冷却のために、水(湯)、水蒸気、空気、各種熱媒オイル、各種冷媒ガス等、当該技術分野において公知の熱交換媒体を使用することができる。使用する熱交換媒体は、上記ジャケット等の温度調節機構に適合するものである限り、特に限定されない。
工程(A)においては、本発明の食品用粉末状日持ち向上剤の原料である無水酢酸ナトリウム、酢酸水溶液および高度分岐環状デキストリンを最初に反応容器あるいは混練装置に投入してもよいし、撹拌または混練を行いつつ、各成分を順次投入してもよい。
工程(A)において、原料を十分に混和させるため、撹拌または混練しながら品温が50〜80℃に達するまで加熱を行う。その後、工程(B)において、工程(A)で得られた混合物を十分に固化させるため、撹拌または混練しながら品温が10〜40℃に達するまで冷却を行う。工程(A)における加熱は、品温が55〜75℃に達するまで行うことが好ましく、品温が60〜73℃に達するまで行うことがより好ましい。また、工程(B)における冷却は、品温が15〜39℃に達するまで行うことが好ましく、品温が20〜38℃に達するまで行うことがより好ましい。
工程(C)は、工程(B)において得られた固化物を粉砕し、食品用粉末製剤を得る工程である。粉砕装置としては、当該技術分野において公知の種々の粉砕装置が利用可能であり、これらに限定されないが、例えば、ジェットミル、パワーミル、ピンミル、セラミックボールミル、石臼、ブレンダー等が挙げられる。また、製造装置として、コニーダー、双腕型ニーダー、コンテイニュアスニーダー等の混練装置を用いた場合には、工程(A)および(B)に引き続いて同一装置内でそのまま混練を継続することによって粉砕・粉末化を行い、食品用粉末製剤を得てもよい。所望の粒子径を有する食品用粉末製剤を得るために、粉砕により得られた粉末を必要に応じて分級(例えば篩別)してもよい。
工程(D)は、工程(C)で得られた食品用粉末製剤にさらに酢酸ナトリウム、高度分岐環状デキストリン並びにカルボキシル基と水酸基を有し、水酸基数/カルボキシル基数が0.5以上である有機酸の塩を添加して混合する工程である。この工程で、後述する固結防止のための成分や他の成分をさらに混合してもよい。工程(D)は、通常、撹拌装置を備えた一般的な混合容器で行う。
工程(A)において用いる無水酢酸ナトリウムの割合は、工程(A)における混合物の全量に対し、40〜80重量%であることが好ましく、55〜75重量%であることがより好ましく、60〜70重量%であることがさらに好ましい。無水酢酸ナトリウムの割合が工程(A)の混合物全量に対し40重量%未満の場合、乾燥した粉末を得ることが困難となる傾向がある。
工程(A)において使用する酢酸水溶液の濃度は、30〜95%が好ましく、50〜90%がより好ましく、70〜80%がさらに好ましい。酢酸水溶液は、例えば、食酢や氷酢酸から濃縮や希釈することによって得られた水溶液であってもよい。使用する酢酸の濃度が30重量%未満の場合、乾燥した粉末を得ることが困難になる傾向がある。
工程(A)において用いる酢酸の割合は、無水酢酸ナトリウム1重量部に対し、0.2〜1.5重量部であることが好ましく、0.3〜0.8重量部であることがより好ましく、0.4〜0.7重量部であることがさらに好ましい。
工程(A)において用いる高度分岐環状デキストリンの割合は、無水酢酸ナトリウム1重量部に対し、0.005〜0.3重量部が好ましく、0.01〜0.2重量部がより好ましく、0.02〜0.1重量部がさらに好ましい。
本発明の食品用粉末状日持ち向上剤は、リン酸水素二カルシウム無水物、リン酸水素二カルシウム二水和物、硫酸カルシウム二水和物およびクエン酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸三カルシウムからなる群より選ばれる1種類以上の成分を添加することで、より効果的に粉末の固結化を防止することが出来る。中でも、保管中にガスが発生しない点、液体への溶解性が良い点、入手性の点等から、リン酸水素二カルシウム二水和物、および/または硫酸カルシウム二水和物を用いるのが好ましい。これら固結化を防止する成分を本発明の食品用粉末状日持ち向上剤を併用する場合、該成分の割合は特に限定されないが、目安としては、本発明の食品用粉末状日持ち向上剤全量に対して、0.5〜2.5重量%程度である。
本発明の食品用粉末状日持ち向上剤の、食品に対する添加量は、食品の種類や状態によって得られる保存効果や味質への影響が異なるため、希望する保存効果や味質が得られるように適宜調整すればよい。一つの様態として、本発明の食品用粉末状日持向上剤は、食品全量に対して0.2〜1.2重量%、好ましくは0.4〜0.8重量%を目安に添加すればよい。食品への添加方法は特に限定されないが、例えば、原料に直接添加する方法、予め水などに溶解させてから原料に添加する方法等が挙げられる。
本発明の食品用粉末状日持ち向上剤は水に溶けやすく、水溶液は透明であるため、対象となる食品を選ばず、広範囲の飲食品に用いることが出来る。例えば、かまぼこ、ちくわ、はんぺん、魚肉ハム、魚肉ソーセージ等の水産練り製品類、いかの塩辛等の水産発酵食品類、ハム、ソーセージ、ベーコン、ハンバーグ、ミンチボール等の畜肉製品類、コロッケ、トンカツ、フライドチキン、チキンナゲット、魚フライ、唐揚げ等のフライ製品類、チャーハン、炊き込み御飯等の米飯類、中華麺、パスタ、うどん、そば等の麺類、ポテトサラダ、餃子、シュウマイ、卵焼き、煮物、和え物等の惣菜類、浅漬け、キムチ等の漬物類、カレーパンや中華饅頭の詰め物、サンドイッチの具材等のフィリング類、カスタードクリーム、ホイップクリーム、フラワーペースト等のクリーム類、カステラ、スポンジケーキ、饅頭、餡等の菓子類、果汁、ジャム等の果実加工品類、しょう油、ソース、タレ、つゆ等が挙げられるが、日持ち向上効果がより発揮されやすいことから、特に畜肉製品類や惣菜類に対して好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1〜6および比較例1〜6
表1に示す組成の各製剤を調製し、以下の試験に供した。なお、表1に記載の食品用粉末製剤は下記の工程で製造し、これをグルコン酸ナトリウム等の表1に示す他の成分と混合機により混合し、食品用粉末状日持ち向上剤を得た。
[食品用粉末製剤の製造方法]
無水酢酸ナトリウム9.45kg、酢酸(酢酸濃度75%)5.25kg、高度分岐環状デキストリン(クラスターデキストリン:グリコ栄養食品株式会社製)0.3kgを混合攪拌機ニーダー(30NDMV−Qr:株式会社品川工業所製)に投入し、2分間混練した後、ジャケットに蒸気(蒸気温度120℃)を入れることにより加熱を開始し、引き続き混練した。加熱しながら約5分間混練し、品温が70℃に達した時点で加熱を停止すると共に同ジャケット内を冷水(冷水温度15℃)に置換することにより冷却しながら引き続き混練した。冷却しながら約20分間混練し、品温が35℃に達した時点で固化した為、混練を停止し、固化物13.5kgを回収した。得られた固形物は、パワーミルで粉砕後、分級し、食品用粉末製剤を得た。
Figure 0006650805
保存性試験
フードプロセッサーに、牛豚ミンチ96.0gと、事前に水46.1gで膨張させたハンバーグヘルパー(ハウス食品株式会社製)2.2g、および表1に記載の製剤A、GおよびH(実施例1、比較例1および2)を全量に対して0.6%入れ、1分間混合した後、1個あたり15g(φ30mm円盤)となるように成形した。成形したハンバーグのたねをIHホットプレート上で1分半毎に裏返しながら、230℃で5分間加熱し、ハンバーグを作成した。加熱後のハンバーグは、無菌バット上で放冷させた後、無菌袋に入れてヒートシールし、30℃で保存した。保存24時間後および48時間後の一般生菌数を測定し、菌数が10CFU/gに達するまでの日数を有効保存日数とした。
製剤A(実施例1)を添加したハンバーグは、製剤GおよびH(比較例1および2)を添加したハンバーグに比べ、保存48時間後の一般生菌数が少なく、有効保存日数も改善されていた。結果を表2に示す。
Figure 0006650805
官能試験
表1に記載の製剤A、B(実施例1、2)およびI〜L(比較例3〜6)を、水道水に溶かして1重量%水溶液を作成し、パネラー8名により、水溶液の酸味の強さを、1点(酸味を全く感じない)、2点(酸味をほとんど感じない)、3点(酸味を少し感じる)、4点(酸味を感じる)、5点(酸味を強く感じる)の評点で評価し、評点の平均が3以下である場合を、酸味が抑制されていると判断した。
製剤AおよびB(実施例1および2)の1重量%水溶液は、製剤I〜L(比較例3〜6)の1重量%水溶液に比べ、酸味の強さが抑制されていた。結果を表3に示す。
Figure 0006650805
表1に記載の製剤A、C〜F(実施例1、3〜6)およびL(比較例6)を用い、下記の通り固結性試験を行った。
固結性試験
各製剤を40gずつマヨネーズ瓶に量り取り、37℃および40℃の恒温器内に4週間保管し、2週間後および4週間後の固結性を観察した。なお、固結性の評価は下記の基準で行った。
[評価基準]
−:固結なし、+:軽微な固結あり、++:固結あり
製剤A(実施例1)は、37℃での保管において、固結することなく、安定して保管することが出来た。一方、40℃での保管において、製剤A(実施例1)は固結が確認されたが、さらに、リン酸水素二カルシウム二水和物(実施例3)、硫酸カルシウム二水和物(実施例4)、リン酸水素二カルシウム無水物(実施例5)、または炭酸カルシウム(実施例6)を添加することで、固結化が改善された。製剤L(比較例6)については、固結化が防止されなかった。結果を表4に示す。
Figure 0006650805

Claims (6)

  1. 酢酸ナトリウム、酢酸5〜15重量%、高度分岐環状デキストリン2〜30重量%、並びにカルボキシル基と水酸基を有し、水酸基数/カルボキシル基数が0.5以上である有機酸の塩0.5〜3.5重量%を含有する食品用粉末状日持ち向上剤であって、有機酸の塩がグルコン酸ナトリウムおよび/またはリンゴ酸ナトリウムであり、日持ち向上剤の酢酸根が60〜68重量%であり、かつ1重量%水溶液を調製した際のpHが4.5〜5.8である、食品用粉末状日持ち向上剤。
  2. 酢酸ナトリウムの割合が60〜80重量%である、請求項1に記載の食品用粉末状日持ち向上剤。
  3. 有機酸の塩がグルコン酸ナトリウムまたはリンゴ酸ナトリウムである、請求項1または2に記載の食品用粉末状日持ち向上剤。
  4. 有機酸の塩がグルコン酸ナトリウムである、請求項1〜3いずれかに記載の食品用粉末状日持ち向上剤。
  5. さらに、リン酸水素二カルシウム二水和物、および/または硫酸カルシウム二水和物を含有する、請求項1〜4いずれかに記載の食品用粉末状日持ち向上剤。
  6. 請求項1〜4いずれかに記載の食品用粉末状日持ち向上剤の製造方法であって、
    (A)無水酢酸ナトリウム、酢酸水溶液および高度分岐環状デキストリンを撹拌または混練しながら品温が50〜80℃に達するまで加熱して混合物を得る工程;
    (B)工程(A)で得られた混合物を撹拌または混練しながら品温が10〜40℃に達するまで冷却して固形物を得る工程;
    (C)工程(B)で得られた固化物を粉砕して食品用粉末製剤を得る工程;および
    (D)工程(C)で得られた食品用粉末製剤を、酢酸ナトリウム、高度分岐環状デキストリン並びにカルボキシル基と水酸基を有し、水酸基数/カルボキシル基数が0.5以上である有機酸の塩と混合する工程
    を含む方法。
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