JP6630366B2 - 圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば4輪自動車等の車両に搭載される圧縮機に関する。
4輪自動車等の車両には、車高調整を行うための圧縮機が搭載されているものがある。この種の圧縮機として、回転式モータの出力軸に結合されるクランク機構にてピストンを往復動させ圧縮空気を発生させる圧縮部と、該圧縮部からの圧縮空気を乾燥させてエアスプリング等に乾燥した圧縮空気を送るエアドライヤと、を有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−264375号公報
ここで、特許文献1に記載された圧縮機は、回転式モータによるクランク機構を用いているので、圧縮部が回転式モータの出力軸に対して直角にレイアウトされ、圧縮機全体として凸形状となってしまう。このため、圧縮機が大型化して、車両搭載性が低下するという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、リニアモータを用いることにより、全体の小型化および車両搭載性の向上を図ることができる圧縮機を提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明の圧縮機は、往復動する可動子を有するリニアモータと、該リニアモータの一端側で前記可動子に接続されて往復動するピストンと、該ピストンを摺動可能に収容し圧縮室を形成するシリンダと、を有する圧縮部と、前記圧縮部の前記圧縮室の吐出部に接続され内部に乾燥剤が充填されたエアドライヤと、からなり、該エアドライヤは、前記可動子および前記ピストンの移動方向の軸線上に配置されることを特徴としている。
本発明によれば、リニアモータを用いることにより、全体の小型化および車両等への搭載性を向上することができる。
第1の実施の形態による圧縮機の全体構成を示す断面図である。 図1中のII部の拡大図である。 図2中の吐出弁を単体で示す平面図である。 吐出弁を図3中の矢示IV−IV方向からみた断面図である。 第1の実施の形態による圧縮機を用いたエアサスペンション機構を示す空気圧回路図である。 第2の実施の形態による圧縮機の全体構成を示す断面図である。 図6中のVII部の拡大図である。 第2の実施の形態による圧縮機を用いたエアサスペンション機構を示す空気圧回路図である。
以下、本発明の実施の形態による圧縮機を、添付図面に従って詳細に説明する。
まず、図1は本発明の第1の実施の形態を示している。図1において、圧縮機1は、リニアモータ2、シリンダ10およびピストン11を有する圧縮部9、エアドライヤ17を含んで構成されている。なお、以下では、圧縮機1のエアドライヤ17側(図1中の左側)を一端側とし、圧縮機1のリニアモータ2側(図1中の右側)を他端側とする。
リニアモータ2は、圧縮機1の他端側に位置して、圧縮機1の駆動源として設けられている。このリニアモータ2は、リニアモータ2の外殻を構成するモータケース3およびリニアベース4と、電機子5、可動子6、ばね7等から構成されている。リニアモータ2は、電機子5のコイル5Bに電流を印加することにより、可動子6を軸方向に往復動させて、ピストン11に往復動の駆動力を発生させるものである。
モータケース3は、例えばアルミニウム材料等の金属材料からなる中空容器として、一端側が開口し他端側が閉塞した有底円筒状に形成されている。モータケース3の内部には、電機子5、可動子6、ばね7等が収容されている。モータケース3の開口端側には、その開口を塞ぐようにリニアベース4が係合されている。換言すると、このリニアベース4には、モータケース3がネジ止め等で固定されている。
電機子5は、固定子として、モータケース3内に固定されて設けられている。この電機子5は、例えば圧粉磁心や積層された電磁鋼板、磁性体片により形成された略筒状のコア5Aと、所定の方向に巻かれてコア5A内に収納された複数のコイル5Bとによって構成されている。
一方、可動子6は、電機子5の内周側に位置して、モータケース3の軸方向(図1中の左,右方向)に沿って延びている。即ち、可動子6は、リニアモータ2の中心軸線に沿ってモータケース3内に配置されている。可動子6は、磁性体を用いて平板状に形成されたヨーク6Aと、該ヨーク6Aの表面および裏面に平板状に配置された複数の永久磁石6Bとによって構成されている。この可動子6は、電機子5のコイル5Bに電流を印加することによって、モータケース3内を往復動するものである。
ばね7は、リニアモータ2の他側に位置して、モータケース3内に設けられている。ばね7の一端側は電機子5の一端側に連結具7Aを用いて固定され、ばね7の他端側は可動子6の他端側に連結具7Bを用いて軸方向に移動可能に取付けられている。このばね7は、例えば圧縮コイルばねにより形成され、可動子6を圧縮機1の他端側に向けて取り付けている。この場合、ばね7は、可動子6が往復動するのに合わせて、軸方向に伸縮する。
吸込口8は、リニアモータ2の他端側に位置して、モータケース3の底部に設けられている。この吸込口8は、圧縮機1の吸込み行程において、外部からモータケース3内に空気を吸込むものである。吸込口8は、後述の吸込管路25と接続されている。
圧縮部9は、リニアモータ2とエアドライヤ17との間に位置して設けられている。圧縮部9は、シリンダ10と、ピストン11と、吸気弁12と、弁板13と、シリンダヘッド14と、吐出弁16とを含んで構成されている。この圧縮部9は、リニアモータ2の可動子6の往復動によりピストン11を駆動して、外気を圧縮して圧縮空気(作動気体)を発生させるものである。
シリンダ10は、その一端側が弁板13により閉塞され、その他端側がリニアベース4に固定して設けられている。シリンダ10は、例えばアルミニウム材料を用いて円筒状に形成され、その内部にはピストン11が往復動可能(摺動可能)に収容されている。これにより、シリンダ10内は、図2に示すように、ピストン11によってモータケース3内と連通する非圧縮室10Aとシリンダヘッド14側の圧縮室10Bとに画成されている。
ピストン11は、シリンダ10内を往復動可能に挿嵌されている。このピストン11は、シリンダ10内に非圧縮室10Aと圧縮室10Bとを画成するものである。ピストン11は、ピストンピン11Aおよび連結具11Bを介して、リニアモータ2の可動子6の一端側と接続されている。これにより、ピストン11はリニアモータ2(モータケース3)の軸線方向に沿うように設けられ、可動子6の往復動と連動してシリンダ10内を往復動する。言い換えると、ピストン11はリニアモータ2の可動子6の移動方向の軸線上に配置されている。
ここで、ピストン11には、非圧縮室10Aと圧縮室10Bとを連通させる連通孔11Cが設けられており、該連通孔11Cには吸気弁12がネジ12A留め、もしくはカシメられている。この吸気弁12は、圧縮機1の吸込み行程において連通孔11Cを開弁して非圧縮室10Aと圧縮室10Bとを連通させ、圧縮行程において連通孔11Cを閉塞して非圧縮室10Aと圧縮室10Bとを遮断させるものである。
弁板13およびシリンダヘッド14は、シリンダ10の一端側を閉塞するように該シリンダ10の一端側に取付けられている。このシリンダヘッド14は、圧縮空気が吐出される吐出部としてエアドライヤ17の他端側と係合することにより、エアドライヤ17の他端側開口を閉塞している。また、シリンダヘッド14とリニアベース4との間には、シリンダ10をシリンダヘッド14とリニアベース4との間に挟持し固定するための固定具15が複数設けられている。
吐出弁16は、弁板13とシリンダヘッド14との間に位置して設けられ、弁板13の弁座13Aに離着座するリード弁を構成している。吐出弁16は、図3および図4に示すように、弾性(ばね性)を有する円形の薄板からなり、弁板13とシリンダヘッド14との間に挟持される基部16Aと、円形の切欠き16Bと、該切欠き16Bにより形成される弁体16Cとにより構成されている。弁体16Cは、周方向の一部が基部16Aと一体化されているので、圧縮機1の吸込行程では弁座13Aに着座して圧縮室10Bとエアドライヤ17内とを遮断し、圧縮行程では弁座13Aから離座して圧縮室10Bとエアドライヤ17内とを連通させる。
エアドライヤ17は、圧縮機1の一端側に位置し、圧縮部9を挟んでリニアモータ2とは反対側に設けられている。この場合、エアドライヤ17は、その軸線方向がピストン11の軸線方向に沿うように直列に配置されている。即ち、エアドライヤ17の軸線とピストン11の軸線とは、ほぼ一直線上に延びている。さらに言い換えると、エアドライヤ17は、リニアモータ2の可動子6およびピストン11の移動方向の軸線上に配置されている。そして、エアドライヤ17は、ハウジング17Aと、フィルタ17B1,17B2と、乾燥剤17Cと、スプリング17Dと、排気パイプ17Eとを含んで構成されている。エアドライヤ17は、圧縮機1から後述の各エアサスペンション21に圧縮空気を供給するときに、乾燥状態の圧縮空気(乾燥エア)を供給するものである。
ハウジング17Aは、例えばアルミニウム材料等の金属材料からなる中空容器として、一端側が閉塞し他端側が開口した有底円筒状に形成されている。ハウジング17Aの他端側はシリンダヘッド14と係合され、これによりハウジング17Aの開口端を閉塞している。ハウジング17A内は、フィルタ17B1,17B2によって画成され、フィルタ17B1,17B2内には乾燥剤17Cが充填されている。このフィルタ17B1,17B2は、乾燥剤17Cの一部が外部に流出するのを防止するものである。また、フィルタ17B2とシリンダヘッド14との間には、フィルタ17B2を常時圧縮機1の一端側に向けて付勢するスプリング17Dが設けられている。
排気パイプ17Eは、フィルタ17B1,17B2間でフィルタ17B1,17B2を貫通し、エアドライヤ17の一端側と他端側とを連通して設けられている。この排気パイプ17Eの一端側は後述の排気バルブ20を介して排気口19と連通し、排気パイプ17Eの他端側はフィルタ17B2とシリンダヘッド14との間の空間に連通している。排気パイプ17Eは、排気口19に向けて圧縮空気(乾燥剤17Cにより水分が吸着されていない非乾燥状態の圧縮空気)を外部の大気中に排気する方向に流通させるものである。
給排口18は、エアドライヤ17の一端側に位置して、ハウジング17Aの底部のうち周方向一側に設けられている。この給排口18は、後述の給排管路22と接続され、圧縮室10Bで圧縮した圧縮空気をエアドライヤ17で乾燥させた状態で、エアサスペンション21に向けて供給したり、エアサスペンション21から排気された乾燥状態の圧縮空気をエアドライヤ17のハウジング17A内へと排出したりするものである。
一方、排気口19は、エアドライヤ17の一端側に位置して、ハウジング17Aの底部のうち周方向他側に設けられている。この排気口19は、後述の排気管路26と接続され、排気パイプ17Eからの圧縮空気を外部に向けて排気するものである。ここで、排気口19と排気パイプ17Eとの間には、排気バルブ20が設けられている。
この排気バルブ20は、排気管路26に接続された排気口19を大気(外気)に対して連通、遮断させる弁である。この排気バルブ20は、ON/OFF式(開閉式)の電磁弁により構成され、排気口19を開いて排気パイプ17Eからの圧縮空気の排出を許す開位置(a)と、排気口19を閉じて排気パイプ17Eからの圧縮空気の排出を遮断する閉位置(b)とに選択的に切換えられる。即ち、排気バルブ20は、常時は閉弁して排気パイプ17Eを排気口19に対し遮断している。そして、排気バルブ20が開弁した場合、排気パイプ17Eを排気口19に連通させ、排気パイプ17E内の圧縮空気を排気口19、排気管路26を介して大気中に排出(放出)する。
次に、図5を用いて、第1の実施の形態における圧縮機1を、4輪自動車等の車両のエアサスペンション機構に適用する場合を例に挙げて詳細に説明する。このエアサスペンション機構は、圧縮機1、エアサスペンション21、給排管路22、給排気バルブ24等を含んで構成されている。
エアサスペンション21は、エアスプリングとして、車両の前,後と左,右の車輪(いずれも図示せず)にそれぞれ対応するように、車両の車軸側と車体側(いずれも図示せず)との間に4つ設けられている。なお、エアサスペンション21は、車両の前だけ、または後だけ設けるようにしてもよい。各エアサスペンション21は、圧縮空気が供給または排出されると、このときの給排量(圧縮空気量)に応じて上,下に拡張または縮小して車両の車高調整を行い、車体を上,下方向に移動可能に支持するものである。これらのエアサスペンション21は、給排管路22、各分岐管路23を介して圧縮機1に接続されている。
給排管路22は、その上流側に位置する一端側が圧縮機1の給排口18に接続され、その下流側に位置する他端側が各分岐管路23に接続されている。この給排管路22および各分岐管路23は、各エアサスペンション21に対する圧縮空気の給排を行うものである。
給排気バルブ24は、各エアサスペンション21と圧縮機1との間に位置して、各分岐管路23の途中に設けられている。この給排気バルブ24は、排気バルブ20とほぼ同様に、ON/OFF式の電磁弁により構成され、各分岐管路23を開いて各エアサスペンション21に対する圧縮空気の給排を許す開位置(c)と、各分岐管路23を閉じて各エアサスペンション21に対する圧縮空気の給排を遮断する閉位置(d)とに選択的に切換えられる。
吸込管路25は、圧縮機1の吸込口8に接続されて設けられている。この吸込管路25は、常時大気と連通し、吸気フィルタ25Aから吸込んだ空気を圧縮機1に対して流入させるものである。
一方、排気管路26は、圧縮機1の排気口19に接続されて設けられている。この排気管路26は、常時大気と連通し、排気バルブ20が開弁した場合に排気口19を介して排気パイプ17Eと連通し、排気パイプ17E内の圧縮空気を大気中に排出(放出)する。
第1の実施の形態による圧縮機1は上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、リニアモータ2の電機子5のコイル5Bに電流を印加すると、可動子6の永久磁石6Bは軸方向に推力を受け、可動子6全体を圧縮機1の一端側に向けて摺動させる。このとき、ばね7は縮小されているので、電流の向きを反転することにより、ばね7の付勢力により可動子6は圧縮機1の他端側に向けて摺動する。この可動子6の往復動の推力が連結具11Bを介してピストン11に伝えられる。そして、ピストン11はシリンダ10内を往復動し、ピストン11がシリンダヘッド14から離れる吸込み行程と、ピストン11がシリンダヘッド14に近づく圧縮行程とを交互に繰り返す。
この場合、ピストン11の吸込み行程では、圧縮室10B内が負圧傾向となると、これによって吸気弁12が開弁する。これにより、非圧縮室10Aと圧縮室10Bとはピストン11に設けられた連通孔11Cを介して連通するから、モータケース3の吸込口8からモータケース3内を介して非圧縮室10Aに流入した外気が、連通孔11Cを経由して圧縮室10B内に吸込まれる。
一方、ピストン11の圧縮行程では、圧縮室10B内の圧力が上昇し、圧縮室10B内の圧力が吐出弁16の開弁圧力よりも高くなると、吐出弁16の弁体16Cが開弁する。これにより、圧縮室10B内の圧縮空気は、エアドライヤ17内に流入する。そして、エアドライヤ17は、圧縮空気を乾燥剤17Cに接触させることにより水分を吸着して除去し、乾燥した圧縮空気を給排口18を介してエアサスペンション21に向けて供給する。
ここで、各エアサスペンション21に圧縮空気を供給して、各エアサスペンション21により車高を上げる場合には、給排気バルブ24を閉位置(d)から開位置(c)に切換える。この状態で圧縮機1を作動することより、圧縮空気を給排管路22および分岐管路23を介して各エアサスペンション21に供給する。車高の上げ動作が完了した後には、給排気バルブ24を閉位置(d)に切換えて分岐管路23を閉じる。これにより、各エアサスペンション21に対する圧縮空気の流通を遮断して、各エアサスペンション21は伸長状態を保ち、車高を上げた状態に保つことができる。
一方、車高を下げる場合には、給排気バルブ24を開位置(c)に切換えるとともに、排気バルブ20を閉位置(b)から開位置(a)に切換える。これにより、各エアサスペンション21内の圧縮空気は、分岐管路23、給排管路22を介して圧縮機1内に導出される。給排口18を介して圧縮機1内に流入した圧縮空気は、エアドライヤ17内を逆流して乾燥剤17Cに吸着された水分を奪い取り、この乾燥剤17Cを再生する。そして、圧縮空気は、排気パイプ17E、排気バルブ20、排気口19、排気管路26を通じて外部に排出(放出)される。この結果、各エアサスペンション21から圧縮空気が排出され、各エアサスペンション21が縮小状態に移行することにより、車高を下げることができる。
かくして、第1の実施の形態によれば、圧縮機1は、リニアモータ2の軸線とピストン11の軸線とエアドライヤ17の軸線とがそれぞれ沿うように、例えば一直線上に配置して構成されている。言い換えると、リニアモータ2の可動子6の移動方向およびピストン11の移動方向の軸線上にエアドライヤ17を配置している。これにより、リニアモータ2、圧縮部9、エアドライヤ17を圧縮機1の軸方向に直列して設けることができるので、圧縮機1の径方向寸法を小さくして小型化を図ることができ、圧縮機1を薄型化して直線形状にすることができる。この結果、圧縮機1の径方向寸法の小型化により、レイアウト設計の自由度を高めて、省スペース化を図ることができるので、圧縮機1の車両搭載性を高めることができる。
次に、図6ないし図8は本発明の第2の実施の形態を示している。第2の実施の形態の特徴は、圧縮機をクローズドタイプのエアサスペンション機構に用いたことにある。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図6において、圧縮機31は、リニアモータ32、圧縮部35、エアドライヤ37、貯留切換バルブ38、給排切換バルブ48を含んで構成されている。
リニアモータ32は、圧縮機31の他端側に位置して、圧縮機31の駆動源として設けられている。このリニアモータ32は、第1の実施の形態のリニアモータ2とほぼ同様に、モータケース3、リニアベース4、電機子5、可動子6、ばね7等から構成されている。また、リニアモータ32の他端側には、圧縮機31の吸込み行程において、外部からモータケース3内に空気を吸込むための吸込口33および吸気バルブ34が設けられている。
ここで、リニアベース4には、後述の第1バイパス通路47および第2バイパス通路57等が追加して設けられている。これらのバイパス通路47,57等は、必ずしもリニアベース4に一体化して設ける必要はなく、これらは別部材により構成してもよい。
一方、吸込口33は、リニアモータ2の他端側に位置して、モータケース3の底部に設けられている。この吸込口33の一端側は吸気バルブ34を介してモータケース3内と連通し、吸込口33の他端側は吸込管路25が接続されている。
吸気バルブ34は、外気を吸込む吸込み弁として、吸込口33とモータケース3内との間に設けられている。吸気バルブ34は、その軸線方向がピストン11の軸線方向に沿うように配置されている。この吸気バルブ34は、吸込口33を外気に対して連通、遮断させる弁である。吸気バルブ34は、排気バルブ20とほぼ同様に、ON/OFF式の電磁弁により構成され、吸込口33を開いて圧縮機31による気体の吸込みを許す開位置(e)と、吸込口33を閉じて圧縮機31による気体の吸込みを遮断する閉位置(f)とに選択的に切換えられる。即ち、吸気バルブ34は、常時は閉弁して圧縮機31のモータケース3内を外気に対して遮断している。そして、吸気バルブ34が開弁した場合、モータケース3内を外気と連通させ、吸気フィルタ25Aから吸込んだ空気を圧縮機31に対して流入させる。
圧縮部35は、リニアモータ32とエアドライヤ37との間に位置して設けられている。圧縮部35は、第1の実施の形態の圧縮部9とほぼ同様に、シリンダ10と、ピストン11と、吸気弁12と、弁板13と、吐出弁16と、シリンダヘッド36とを含んで構成されている。
シリンダヘッド36は、シリンダ10の一端側を閉塞するように該シリンダ10の一端側に取付けられている。このシリンダヘッド36は、圧縮空気が吐出される吐出部としてエアドライヤ37の他端側と係合することにより、エアドライヤ37の他端側開口を閉塞している。このシリンダヘッド36には、周方向に離間して互いに並行に延びる取付孔36A,36Bが、シリンダヘッド36の軸方向の一端側と他端側とを貫通して形成されている。この取付孔36A,36Bのうち、取付孔36Aには、後述の貯留切換バルブ38のコア43が取付けられて、取付孔36Bには、後述の給排切換バルブ48のコア53が取付けられている。
エアドライヤ37は、圧縮機31の一端側に位置し、圧縮部35を挟んでリニアモータ32とは反対側に設けられている。この場合、エアドライヤ37は、その軸線方向がピストン11の軸線方向に沿うように直列に配置されている。即ち、エアドライヤ37の軸線とピストン11の軸線とは、ほぼ一直線上に延びている。そして、エアドライヤ37は、第1の実施の形態のエアドライヤ17とほぼ同様に、ハウジング37Aと、フィルタ17B1,17B2と、乾燥剤17Cと、スプリング17Dと、排気パイプ17Eとを含んで構成されている。しかし、この場合のエアドライヤ37は、第1の実施の形態のエアドライヤ17と異なり、ハウジング37Aが外筒37A1と内筒37A2とにより二重筒構造を形成している。
ハウジング37Aは、例えばアルミニウム材料等の金属材料からなる中空容器として、一端側が閉塞し他端側が開口した有底筒状に形成されている。ハウジング37Aの他端側はシリンダヘッド36と係合され、これによりハウジング37Aの開口端を閉塞している。この場合、ハウジング37Aは、該ハウジング37Aの外殻をなす外筒37A1と、該外筒37A1と同軸に設けられた内筒37A2とにより構成されている。この外筒37A1と内筒37A2との間は、乾燥状態の圧縮空気が流通する環状の通路37A3となっている。
ここで、外筒37A1の底部には、前記第1の実施の形態と同様に、排気口19および排気バルブ20が設けられている。しかし、第1の実施の形態で述べた給排口18は、外筒37A1の底部側に設けておらず、環状の通路37A3が給排口を構成している。一方、内筒37A2内は、フィルタ17B1,17B2によって画成され、フィルタ17B1,17B2内には乾燥剤17Cが充填されている。
貯留切換バルブ38は、第1電磁弁として、圧縮部35の外周側(シリンダ10の径方向外側)に位置して、シリンダヘッド36とリニアベース4との間に設けられている。この貯留切換バルブ38の軸線は、ピストン11の軸線と沿うように並行に配置されている。言い換えると、貯留切換バルブ38は、ピストン11の移動方向と平行に、またはピストン11の移動方向と貯留切換バルブ38の動作方向が同方向となるよう配置されている。貯留切換バルブ38は、後述の弁体42を駆動して、タンク給排口46をコア43側の通気路43Aと後述の第1バイパス通路47とのいずれか一方に選択的に連通,遮断する。
ここで、貯留切換バルブ38は、図7に示す如く、有蓋筒状体として形成されリニアベース4とシリンダヘッド36との間に設けられた弁筒ケース39と、該弁筒ケース39の内側に配設され、先端側の弁座部40Aが第1バイパス通路47側に気密に嵌合された弁保持筒40と、該弁保持筒40と弁筒ケース39との間に位置して該弁保持筒40の外周側に巻回されたコイル41と、後述の弁体42、コア43を含んで構成されている。
貯留切換バルブ38の弁体42は、弁保持筒40内にコア43と対向して配設されている。この弁体42は、図7に示す如く弁保持筒40の弁座部40Aとコア43との間に位置して弁保持筒40内に摺動可能に挿嵌され、その先端側には弁座部40Aに離着座する第1弁部42Aが設けられている。そして、弁体42とコア43との間には、弁ばね44が配設され、該弁ばね44は、弁体42を弁保持筒40の弁座部40A側へと常時付勢している。
コア43の中心側には、小径の通気路43Aが軸方向に穿設され、コア43と軸方向で対向する弁体42の基端側には、通気路43Aを開閉する第2弁部42Bが設けられている。この通気路43Aは、エアドライヤ37と後述のタンク58とを繋ぐ通路を形成する。一方、弁体42の外周側には、弁保持筒40との間に位置して弁体42の軸方向に延びた複数の溝からなる内側通路部45が形成され、該内側通路部45は、第1弁部42Aの外周側となる位置でタンク給排口46(補給管路59)と常時連通している。
ここで、内側通路部45の一側(上流側)は、第2弁部42Bの開,閉弁によりコア43側の通気路43Aに対して連通,遮断される。また、内側通路部45の他側(下流側)は、第1弁部42Aが弁保持筒40の弁座部40Aに離着座して開,閉弁することにより、第1バイパス通路47に対して連通,遮断される。これにより、内側通路部45、タンク給排口46および補給管路59は、コア43側の通気路43Aまたは第1バイパス通路47のいずれか一方に選択的に連通,遮断される。
一方、コア43の通気路43Aは、エアドライヤ37の外筒37A1と内筒37A2との間に形成された環状の通路37A3に常時連通している。これにより、コア43の通気路43Aには、エアドライヤ37内で乾燥された圧縮空気が流通(供給)されるものである。
貯留切換バルブ38は、圧縮機31の吸込側(即ち、第1バイパス通路47)または吐出側(通気路43A)を後述のタンク58に対して選択的に接続するため、例えば3ポート2位置の電磁式方向切換弁により構成されている。即ち、貯留切換バルブ38は、タンク給排口46および後述の補給管路59を通じて圧縮空気をタンク58に給排する給排位置(g)と、タンク58内の圧縮空気を第1バイパス通路47を通じて圧縮機31の吸込側に供給する切換位置(h)とに選択的に切換えられる。
タンク給排口46は、圧縮部35の外周側に位置して、貯留切換バルブ38の他端側に設けられている。このタンク給排口46の一方側は貯留切換バルブ38に接続され、タンク給排口46の他方側は補給管路59と接続されている。タンク給排口46は、圧縮室10Bで圧縮しエアドライヤ37で乾燥させた圧縮空気をタンク58に向けて供給したり、タンク58から排気された圧縮空気を貯留切換バルブ38、環状の通路37A3を介して後述の給排切換バルブ48側に排出したりするものである。
第1バイパス通路47は、リニアベース4内に位置して、貯留切換バルブ38の他端側に設けられている。第1バイパス通路47の一方側は貯留切換バルブ38に接続され、第1バイパス通路47の他方側は非圧縮室10A(リニアベース4)内に接続されている。この第1バイパス通路47は、貯留切換バルブ38が切換位置(h)に切換えられたときに、タンク58内の圧縮空気を非圧縮室10A内に向けて流通させるものである。第1バイパス通路47には、圧縮空気の逆流を防止する逆止弁47Aが設けられている。この逆止弁47Aは、吸気バルブ34と並列関係をなす吸気弁を構成している。
給排切換バルブ48は、第2電磁弁として、圧縮部35の外周側(シリンダ10の径方向外側)に位置して、シリンダヘッド36とリニアベース4との間に設けられている。給排切換バルブ48は、貯留切換バルブ38とは圧縮部35の外周側で互いに並行に延びるように異なる位置に設けられている。この給排切換バルブ48の軸線は、ピストン11の軸線と沿うように並行に配置されている。言い換えると、給排切換バルブ48は、ピストン11の移動方向と平行に、またはピストン11の移動方向と給排切換バルブ48の動作方向が同方向となるよう配置されている。給排切換バルブ48は、後述の弁体52を駆動して、エアサスペンション給排口56をコア53側の通気路53Aと第2バイパス通路57とのいずれか一方に選択的に連通,遮断する。
ここで、給排切換バルブ48は、貯留切換バルブ38とほぼ同様に、有蓋筒状体として形成されリニアベース4とシリンダヘッド36との間に設けられた弁筒ケース49と、該弁筒ケース49の内側に配設され、先端側の弁座部50Aが後述の第2バイパス通路57側に気密に嵌合された弁保持筒50と、該弁保持筒50と弁筒ケース49との間に位置して該弁保持筒50の外周側に巻回されたコイル51と、後述の弁体52、コア53を含んで構成されている。
給排切換バルブ48の弁体52は、弁保持筒50内にコア53と対向して配設されている。この弁体52は、図7に示す如く弁保持筒50の弁座部50Aとコア53との間に位置して弁保持筒50内に摺動可能に挿嵌され、その先端側には弁座部50Aに離着座する第1弁部52Aが設けられている。そして、弁体52とコア53との間には、弁ばね54が配設され、該弁ばね54は、弁体52を弁保持筒50の弁座部50A側へと常時付勢している。
コア53の中心側には、小径の通気路53Aが軸方向に穿設され、コア53と軸方向で対向する弁体52の基端側には、通気路53Aを開閉する第2弁部52Bが設けられている。この通気路53Aは、エアドライヤ37とエアサスペンション21とを繋ぐエアスプリング通路を形成する。一方、弁体52の外周側には、弁保持筒50との間に位置して弁体52の軸方向に延びた複数の溝からなる内側通路部55が形成され、該内側通路部55は、第1弁部52Aの外周側となる位置でエアサスペンション給排口56(給排管路22)と常時連通している。
ここで、内側通路部55の一側(上流側)は、第2弁部52Bの開,閉弁によりコア53側の通気路53Aに対して連通,遮断される。また、内側通路部55の他側(下流側)は、第1弁部52Aが弁保持筒50の弁座部50Aに離着座して開,閉弁することにより、後述の第2バイパス通路57に対して連通,遮断される。これにより、内側通路部55、エアサスペンション給排口56および給排管路22は、コア53側の通気路53Aまたは第2バイパス通路57のいずれか一方に選択的に連通,遮断される。
一方、コア53の通気路53Aは、エアドライヤ37の外筒37A1と内筒37A2との間に形成された環状の通路37A3に常時連通している。これにより、コア53の通気路53Aには、エアドライヤ37内で乾燥された圧縮空気が流通(供給)されるものである。
給排切換バルブ48は、圧縮機31の吸込側(即ち、第2バイパス通路57)または吐出側(通気路53A)をエアサスペンション21に対して選択的に接続するため、例えば3ポート2位置の電磁式方向切換弁により構成されている。即ち、給排切換バルブ48は、エアサスペンション給排口56、給排管路22および分岐管路23を通じて圧縮空気を各エアサスペンション21に給排する給排位置(i)と、各エアサスペンション21内の圧縮空気を後述の第2バイパス通路57を通じて圧縮機31の吸込側に供給する切換位置(j)とに選択的に切換えられる。
エアサスペンション給排口56は、圧縮部35の外周側に位置して、給排切換バルブ48の他端側に設けられている。このエアサスペンション給排口56の一方側は給排切換バルブ48に接続され、エアサスペンション給排口56の他方側は給排管路22と接続されている。エアサスペンション給排口56は、圧縮室10Bで圧縮した圧縮空気を各エアサスペンション21に向けて供給したり、各エアサスペンション21から排気された圧縮空気を排気パイプ17Eを介して外部に排出したりするものである。
第2バイパス通路57は、リニアベース4内に位置して、給排切換バルブ48の他端側に設けられている。第2バイパス通路57の一方側は給排切換バルブ48に接続され、第2バイパス通路57の他方側は非圧縮室10A(リニアベース4)内に接続されている。この第2バイパス通路57は、給排切換バルブ48が切換位置(j)に切換えられたときに、各エアサスペンション21内の圧縮空気を非圧縮室10A内に向けて流通させるものである。第2バイパス通路57には、圧縮空気の逆流を防止する逆止弁57Aが設けられている。この逆止弁57Aは、吸気バルブ34と並列関係をなす吸気弁を構成している。
次に、図8を用いて、第2の実施の形態における圧縮機31を、4輪自動車等の車両のエアサスペンション機構に適用する場合を例に挙げて詳細に説明する。このエアサスペンション機構は、圧縮機31、エアサスペンション21、給排管路22、給排気バルブ24、タンク58、補給管路59等を含んで構成されている。
タンク58は、圧縮機31のエアドライヤ37から吐出された大気圧を超えて加圧された圧縮空気を貯留するものである。タンク58と圧縮機31とは後述の補給管路59を介して接続され、圧縮機31から吐出した圧縮空気は、補給管路59を通じてタンク58内に蓄えられる。そして、タンク58内に蓄えられた圧縮空気(または、圧縮機31から吐出される圧縮空気)は、給排管路22、分岐管路23を通じて各エアサスペンション21に供給される。
補給管路59は、タンク給排口46とタンク58との間を接続し、圧縮空気をタンク58に補給するための管路である。補給管路59には、タンク58に対する圧縮空気の給排を切換えるタンクバルブ60が設けられている。
タンクバルブ60は、補給管路59に設けられ、例えばON/OFF式の電磁弁により構成されている。タンクバルブ60は、補給管路59を開いてタンク58に対する圧縮空気の給排を許す開位置(k)と、補給管路59を閉じてタンク58に対する圧縮空気の給排を遮断する閉位置(l)とに選択的に切換えられる。
圧力センサ61は、図8に示すように、貯留切換バルブ38とエアドライヤ37との間に位置して通気路43Aの途中等に設けられている。この圧力センサ61は、通気路43Aの圧力を検出することにより、タンク58内の圧縮空気の圧力を検出する。
第2の実施の形態による圧縮機31は上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
ここで、タンク58内に圧縮空気が充分に蓄えられていない場合(即ち、タンク58内の圧力が基準の設定圧力よりも低い場合)には、タンクバルブ60および吸気バルブ34を閉位置(l),(f)から開位置(k),(e)に切換え、排気バルブ20および給排気バルブ24を閉位置(b),(d)に保持したまま、貯留切換バルブ38を給排位置(g)に切換えた状態で、圧縮機31を作動(即ち、圧縮運転)させる。
これにより、圧縮機31の圧縮部35は、吸気フィルタ25A、吸込管路25を通じて外気を吸込み、この空気を加圧(圧縮)してエアドライヤ37に向け吐出する。この圧縮空気は、エアドライヤ37によって乾燥された後、ハウジング37A内の通路37A3、通気路43A、タンク給排口46、補給管路59、タンクバルブ60を介してタンク58内に蓄えられる。そして、例えばタンク58内の圧力が所定の設定圧力に達すると、リニアモータ32(即ち、圧縮機31)を停止させ、タンクバルブ60および吸気バルブ34を共に閉位置(l),(f)に切換える。これにより、タンク58内には充分な量の圧縮空気を充填して貯留しておくことができる。
次に、車高を上げる場合には、例えば圧縮機31を停止させたままの状態でも、タンク58内の圧縮空気を各エアサスペンション21に供給することができる。即ち、この場合には、タンクバルブ60を閉位置(l)から開位置(k)に切換え、貯留切換バルブ38および給排切換バルブ48を給排位置(g),(i)に保持した状態で、給排気バルブ24を開位置(c)に切換える。これにより、タンク58内の圧縮空気が給排管路22に導出され、この圧縮空気は、分岐管路23を通じて各エアサスペンション21内に供給される。このように、タンク58内に蓄えられた圧縮空気を各エアサスペンション21内に供給して各エアサスペンション21を迅速に伸長させることができるので、例えば圧縮機31によって生成した圧縮空気を直接的に各エアサスペンション21内に供給する場合に比較して、車高を素早く上昇させることができる。
このとき、車両に積載物を搭載して各エアサスペンション21に高い圧力がかかっている場合(特に、タンク58内の圧力よりもエアサスペンション21側が高圧となるような場合)には、タンク58内の圧縮空気よりもさらに高い圧力の圧縮空気を、各エアサスペンション21に供給して車高を上げる必要がある。そのため、貯留切換バルブ38を切換位置(h)に切換えて、タンク58内の圧縮空気を、第1バイパス通路47および逆止弁47A(吸気弁)を介して圧縮機31の非圧縮室10A内(モータケース3内)に流通させる。これにより、シリンダ10内ではピストン11の往復動により、タンク58内の圧縮空気を圧縮機31でさらに圧縮でき、高い圧力の圧縮空気をエアドライヤ37、給排切換バルブ48等を介して各エアサスペンション21に供給することができる。
車高の上げ動作が完了した後には、給排気バルブ24を閉位置(d)に切換えて分岐管路23を閉じる。これにより、各エアサスペンション21に対する圧縮空気の流通を阻止して、各エアサスペンション21は伸長状態を保ち、車高を上げた状態に保つことができる。
一方、車高を下げる場合には、タンクバルブ60および給排気バルブ24を開位置(k),(c)に切換え、貯留切換バルブ38を給排位置(g)に保持し、給排切換バルブ48を給排位置(i)から切換位置(j)に切換える。この状態で、圧縮機31をリニアモータ32により動かし始めると、各エアサスペンション21内の圧縮空気は、分岐管路23、給排管路22を通じて第2バイパス通路57に排出(導出)される。そして、第2バイパス通路57に導出された圧縮空気は、モータケース3内へと流通する。
このときに、圧縮機31によって圧縮空気(エアサスペンション21からの排出気体)を再圧縮してタンク58に向けて吐出してもよい。また、圧縮空気を実質的に圧縮することなく、単にモータケース3内からタンク58に向けて流通させるだけでもよい。即ち、圧縮機31の運転状態は、タンク58内とエアサスペンション21内との圧力差によって決められる。圧縮部35の圧縮室10Bから吐出(または、流出)された圧縮空気は、エアドライヤ37、通気路43A、補給管路59を通じてタンク58内に補給される。この結果、各エアサスペンション21から圧縮空気が排出され、各エアサスペンション21が縮小状態に移行することにより、車高を下げることができる。
ここで、タンク58内の圧力が予め決められた設定圧力の上限値まで上昇した場合、例えば圧力センサ61からの検出信号に基づいて、タンクバルブ60を閉位置(l)に戻す。この上で、給排切換バルブ48を切換位置(j)から給排位置(i)に切換えると共に、排気バルブ20を閉位置(b)から開位置(a)に切換える。これにより、各エアサスペンション21からの圧縮空気を、分岐管路23、給排管路22、通気路53A、排気パイプ17E、排気口19を介して排気管路26から外部に直接的に排出することができる。
なお、車高を下げる場合に、各エアサスペンション21内の圧力よりもタンク58内の圧力が低い場合には、給排切換バルブ48を給排位置(i)に切換えたままの状態で、第2バイパス通路57、圧縮部35を経由せずに、各エアサスペンション21から通気路53A、エアドライヤ37の通路37A3、通気路43A、補給管路59を通じて圧縮空気をタンク58に排出させるように流通させることができる。
かくして、第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。第2の実施の形態では、貯留切換バルブ38は、圧縮部35の外周側に位置して、貯留切換バルブ38の軸線がピストン11の軸線に沿うように並行に配置されている。これにより、貯留切換バルブ38を圧縮部35に近付けてコンパクトに配置することができる。この結果、圧縮機31の径方向小型化を図ることができるので、レイアウト設計の自由度を高めて、省スペース化を図ることができ、圧縮機31の車両搭載性を高めることができる。
また、給排切換バルブ48は、圧縮部35の外周側に位置して、給排切換バルブ48の軸線がピストン11の軸線に沿うように並行に配置されている。これにより、給排切換バルブ48を圧縮部35に近付けてコンパクトに配置することができる。この結果、圧縮機31の径方向小型化を図ることができるので、レイアウト設計の自由度を高めて、省スペース化を図ることができ、圧縮機31の車両搭載性を高めることができる。
また、吸気バルブ34は、その軸線方向がピストン11の軸線方向に沿うように配置されている。これにより、リニアモータ32、圧縮部35、エアドライヤ37、吸気バルブ34を圧縮機1の軸方向に直列して設けることができるので、圧縮機31の径方向小型化を図ることができ、圧縮機31を薄型化して直線形状にすることができる。この結果、圧縮機31の小型化により、レイアウト設計の自由度を高めて、省スペース化を図ることができるので、圧縮機31の車両搭載性を高めることができる。
なお、前記第1の実施の形態では、圧縮機1を、タンクを使用しない外気を吸排気するオープンタイプのエアサスペンション機構に用いる構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、圧縮機をクローズドタイプのエアサスペンション機構に用いる構成としてもよい。なお、オープンタイプでタンクを用いたものにも適用できる。
また、前記第1の実施の形態では、リニアモータ2のモータケース3およびエアドライヤ17のハウジング17Aを円筒状に形成した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、モータケースおよびハウジングを円筒状以外の形状に形成してもよい。この点は第2の実施の形態についても同様である。
また、前記第1の実施の形態では、リニアモータ2の中心軸線と圧縮部9の中心軸線とエアドライヤ17の中心軸線が一致するように、それぞれを配置する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、圧縮部の中心軸線とエアドライヤの中心軸線とが、リニアモータの中心軸線に対して僅かにオフセットされた配置を排除するものではない。また、リニアモータの中心軸線とエアドライヤの中心軸線とが、圧縮部の中心軸線に対してオフセットしてもよいし、リニアモータの中心軸線と圧縮部の中心軸線とが、エアドライヤの中心軸線に対してオフセットしてもよい。この点は第2の実施の形態についても同様である。
また、前記第2の実施の形態では、圧力センサ61を通気路43Aに設ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、圧力センサをタンクに設ける構成としてもよいし、それ以外の箇所に設ける構成としてもよい。
また、前記第1、第2の実施の形態では、圧縮機1,31を4輪自動車等の車両に搭載する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、圧縮機をエアシリンダ等の空気圧機器を駆動する圧縮機等に適用してもよい。
次に、上記実施の形態に含まれる発明について、以下に述べる。即ち、本発明は、エアドライヤと、該エアドライヤが吐出する作動気体を貯留するタンクとを繋ぐ通路と、該通路に設けられる第1電磁弁と、を有し、第1電磁弁は、圧縮部の外周側であって、その軸線がピストンの軸線に沿うように配置される構成としている。これにより、圧縮機の径方向小型化を図ることができ、圧縮機の車両搭載性を高めることができる。
また、本発明は、通路を分岐してエアドライヤと車体を上,下方向に移動可能に支持するエアスプリングとを繋ぐエアスプリング通路と、該エアスプリング通路に設けられる第2電磁弁と、を有し、第2電磁弁は、圧縮部の外周側であって、その軸線が前記ピストンの軸線に沿うように配置される構成としている。これにより、圧縮機の径方向小型化を図ることができ、圧縮機の車両搭載性を高めることができる。
また、本発明は、リニアモータの他端側には、外気を吸込む吸込み弁をその軸線がピストンの軸線に沿うように配置する構成としている。これにより、圧縮機の径方向小型化を図ることができ、圧縮機の車両搭載性を高めることができる。
以上の実施形態に基づく圧縮機としては、例えば以下に記載する態様のものがあげられる。
圧縮機の第1の態様としては、往復動する可動子を有するリニアモータと、該リニアモータの一端側で前記可動子に接続されて往復動するピストンと、該ピストンを摺動可能に収容し圧縮室を形成するシリンダと、を有する圧縮部と、前記圧縮部の前記圧縮室の吐出部に接続され内部に乾燥剤が充填されたエアドライヤと、からなり、該エアドライヤは、前記可動子および前記ピストンの移動方向の軸線上に配置される。
圧縮機の第2の態様としては、第1の態様において、前記エアドライヤと、該エアドライヤが吐出する作動気体を貯留するタンクとを繋ぐ通路と、該通路に設けられる第1電磁弁と、を有し、前記第1電磁弁は、前記圧縮部の外周側であって、前記ピストンの移動方向と前記第1電磁弁の動作方向が同方向となるように配置される。
圧縮機の第3の態様としては、上記第2の態様において、前記通路を分岐して前記エアドライヤと車体を上,下方向に移動可能に支持するエアスプリングとを繋ぐエアスプリング通路と、該エアスプリング通路に設けられる第2電磁弁と、を有し、前記第2電磁弁は、前記圧縮部の外周側であって、前記ピストンの移動方向と前記第2電磁弁の動作方向が同方向となるように配置される。
圧縮機の第4の態様としては、上記第1〜第3の態様のいずれかにおいて、前記リニアモータの他端側には、外気を吸込む吸込み弁を前記ピストンの移動方向と前記吸込み弁の動作方向が同方向となるように配置する。
以上、本発明の幾つかの実施形態のみを説明したが、本発明の新規の教示や利点から実質的に外れることなく例示の実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者には容易に理解できるであろう。従って、その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含むことを意図する。上記実施形態を任意に組み合わせても良い。
本願は、2015年12月24日付出願の日本国特許出願第2015−251840号に基づく優先権を主張する。2015年12月24日付出願の日本国特許出願第2015−251840号の明細書、特許請求の範囲、図面、及び要約書を含む全開示内容は、参照により本願に全体として組み込まれる。
特開平11−264375号公報の明細書、特許請求の範囲、図面、及び要約書を含む全開示内容は、参照により本願に全体として組み込まれる。
1,31 圧縮機
2,32 リニアモータ
6 可動子
9,35 圧縮部
10 シリンダ
10B 圧縮室
11 ピストン
12 吸気弁
14,36 シリンダヘッド(吐出部)
17,37 エアドライヤ
17C 乾燥剤
21 エアサスペンション(エアスプリング)
34 吸気バルブ(吸込み弁)
38 貯留切換バルブ(第1電磁弁)
43A 通気路(タンク通路)
48 給排切換バルブ(第2電磁弁)
53A 通気路(エアスプリング通路)
58 タンク

Claims (4)

  1. 往復動する可動子を有するリニアモータと、
    該リニアモータの一端側で前記可動子に接続されて往復動するピストンと、該ピストンを摺動可能に収容し圧縮室を形成するシリンダと、を有する圧縮部と、
    前記圧縮部の前記圧縮室の吐出部に接続され内部に乾燥剤が充填されたエアドライヤと、からなり、
    該エアドライヤは、前記可動子および前記ピストンの移動方向の軸線上に配置される圧縮機。
  2. 前記エアドライヤと、該エアドライヤが吐出する作動気体を貯留するタンクとを繋ぐ通路と、該通路に設けられる第1電磁弁と、を有し、
    前記第1電磁弁は、前記圧縮部の外周側であって、前記ピストンの移動方向と前記第1電磁弁の動作方向が同方向となるように配置されることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  3. 記エアドライヤと車体を上,下方向に移動可能に支持するエアスプリングとを繋ぐエアスプリング通路と、該エアスプリング通路に設けられる第2電磁弁と、を有し、
    前記第2電磁弁は、前記圧縮部の外周側であって、前記ピストンの移動方向と前記第2電磁弁の動作方向が同方向となるように配置されることを特徴とする請求項2に記載の圧縮機。
  4. 前記リニアモータの他端側には、外気を吸込む吸込み弁を前記ピストンの移動方向と前記吸込み弁の動作方向が同方向となるように配置することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の圧縮機。
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