JP2002252959A - リニア圧縮機及びその制御装置 - Google Patents

リニア圧縮機及びその制御装置

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JP2002252959A
JP2002252959A JP2001047861A JP2001047861A JP2002252959A JP 2002252959 A JP2002252959 A JP 2002252959A JP 2001047861 A JP2001047861 A JP 2001047861A JP 2001047861 A JP2001047861 A JP 2001047861A JP 2002252959 A JP2002252959 A JP 2002252959A
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Japan
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piston
linear compressor
control device
linear
displacement
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Application number
JP2001047861A
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English (en)
Inventor
Makoto Yoshida
吉田  誠
Sadao Kawahara
定夫 河原
Mitsuo Ueda
光男 植田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リニアモータが非作動時の際に、外力によっ
てピストンがシリンダに衝突することを防止するリニア
圧縮機及びその制御装置を提供する。 【解決手段】 リニアモータ3が非作動の際に、駆動用
の通電素子(U,V,X,Y)を介して、電機子の巻線
端子を短絡して、ピストン変位を制限する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリンダ内のピス
トンをリニアモータにより往復運動させ、シリンダとピ
ストンにより形成される圧縮室において、圧縮ガスを生
成するリニア圧縮機及びその制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、圧縮ガスを生成する手段として、
機械的な弾性部材又は圧縮ガスの弾性を利用したリニア
圧縮機は知られている。図12はそのリニア圧縮機の縦
断面図であり、以下これを用いてリニア圧縮機の構成を
説明する。
【0003】リニア圧縮機1は、所定の軸線に沿って並
ぶシリンダ部2と、モータ部3と、該シリンダ部2内に
配置され、上記軸線方向に沿って摺動自在に支持された
ピストン4と、その一端がピストン4の背面側に固定さ
れるピストンロッド5と、ピストンロッド5の他端側に
ばね固定部18にて支持された支持ばね(共振ばね)6
が設けられている。
【0004】シリンダ部2内には、シリンダ内周壁2a
とシリンダヘッド2bとピストン圧縮面4aにより囲ま
れた密閉空間である圧縮室10が形成されている。シリ
ンダヘッド2bには、冷媒ガス吸入通路11から圧縮室
10に低圧冷媒ガスを吸入するためのガス吸入バルブ1
2と、上記圧縮室10から冷媒ガス吐出配管へ高圧冷媒
ガスを吐き出すための吐出バルブ13がある。これらの
各バルブは、冷媒の逆流防止の役も担っている。
【0005】また、ピストンロッド5には、界磁極とな
るマグネット7が取り付けられており、上記マグネット
7と、この周囲に配された電機子コア8及び電機子巻線
9からモータ部3を形成している。そして、制御装置
(図示せず)からモータ部3の電機子巻線9へ交流電流
を供給することで、電機子とマグネット7との間で発生
する電磁力及び上記支持ばね6の共振力により、上記ピ
ストン4がその軸線方向に沿って往復運動し、これに合
せて吸入、圧縮、吐出動作を繰り返し行なっている。
【0006】また、リニア圧縮機1では、構造上、ピス
トン先端部がシリンダヘッド2bに衝突する危険性があ
る。圧縮機運転中のピストン4には圧縮室10の圧力と
ピストン4の背面圧力との差から、往復動の中心位置が
オフセットされる。よって、負荷状態が変化し、それに
よってピストン4にかかる圧力による力が増減すると、
ピストン4の振動の中心位置とストロークが変化し、条
件によってはピストン4とシリンダヘッド2bが衝突す
る可能性がある。これを回避する方法としては、位置セ
ンサによってピストンの位置を検出して、通電を遮断す
る等の方法が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、衝突の
危険性は、前述のようにリニア圧縮機の作動中のみなら
ず、非作動中でも同様にある。特に圧縮機の場合には、
ピストン4の初期位置(バネ6のたわみ量がゼロの時の
シリンダの位置)を出来るだけシリンダヘッド2b側に
近づけた方が効率が良く、この距離が小さく例えば数
(mm)程度に設定されている。従って、圧縮機の製造
過程での外力の作用や、輸送中における振動によりピス
トンとシリンダが衝突して破損する可能性がある。
【0008】さらに機械共振を利用した圧縮機において
は、非作動時であっても外部から力の周波数成分によっ
ては共振現象を起こし、ピストンの振幅が異常に大きく
なる可能性がある。
【0009】従って、圧縮機自体を自動車等の振動の大
きな部位に使用する際には、停止中も常に加振されるの
で、やはりピストンとシリンダが衝突して破損する可能
性がある。
【0010】また、リニア圧縮機は、機械共振現象を利
用しているので元来振動が大きく、この振動対策のため
のダンピング機構にコストがかかるという課題もあっ
た。
【0011】本発明は、上記課題を解決するためのもの
で、圧縮機非作動時の、ピストンとシリンダの衝突を防
止し、安価で、かつ外力によるピストンの振動を、電気
エネルギーとして積極的に利用が可能なリニア圧縮機及
びその制御装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のリニア圧縮機及びその制御装置は、 (1)密閉容器内に支持されるシリンダーと、前記シリ
ンダーの軸線方向に沿って可動自在に支持されるピスト
ンと、前記ピストンに軸線方向の力を付与するばね部材
と、電機子と界磁極を有し前記ピストンと連動して軸線
方向の推力を発生させるリニアモータと、前記電機子の
巻線端子を短絡して、ピストン変位を制限する巻線短絡
機構を備えたものである。ピストンが外力により振動し
たときに、電機子巻線に発生する誘起電圧を、巻線短絡
機構により短絡することで、界磁極と電機子との間に起
こる電機子反作用によって、ピストンの変位を制限して
いる。従って圧縮機の製造段階や輸送時のような、圧縮
機の完成若しくは取り付け前の状態で発生する、ピスト
ンとシリンダの衝突を回避することができる。
【0013】(2)巻線短絡手段が圧縮機本体から乖離
するのを防止する乖離防止手段を備えたものである。巻
線短絡手段を乖離防止手段を用いて圧縮機本体に可動自
在に取り付けることで、圧縮機とは離ればなれになら
ず、一旦端子を開放した後にもすぐに短絡することがで
き、短絡忘れ等が防止できる。
【0014】(3)リニアモータが非作動の際に、リニ
アモータ駆動用の通電素子を介して、電機子の巻線端子
を短絡して、ピストン変位を制限するものである。圧縮
機が製品や機器に組付けられた後の非作動時の状態で発
生する、ピストンとシリンダの衝突を、そのための部品
を追加することなく、安価に回避することができる。
【0015】(4)リニアモータが非作動の際に、リニ
アモータ駆動用の通電素子を介して、電機子の巻線端子
を所定のデューティー比で短絡して、ピストン変位を制
限するものである。ピストンの振動による誘起電圧を、
制御装置内の通電素子により所定のデューティー比で短
絡・開放を繰り返すことで、短絡時の電流と電機子反作
用の力を調整しながらピストンの変位を制限している。
従って通電素子に流れる電流を制限することができ、通
電素子の過電流による破損を防止しながら、ピストンと
シリンダの衝突を回避することができる。また短絡・開
放を繰り返すことで、開放時には誘起電圧を電気エネル
ギーとして回収していることになる。従って圧縮機が非
作動時の状態で発生する、ピストンとシリンダの衝突を
防止しつつ、電気エネルギーを回収することができる。
【0016】(5)ピストンの変位を検出する変位検出
手段によって検出された変位に応じて、デューティー比
を制御するものである。ピストンの変位を、衝突しない
範囲で最大に制御することで、誘起電圧を最大限電気エ
ネルギーとして回収することができる。さらに通電素子
に流れる電流も、衝突しない範囲で最小に制御すること
ができ、通電素子へのストレスが低減できる。
【0017】(6)リニアモータに流れる電流を検出す
る電流検出手段によって検出された電流に応じて、デュ
ーティー比を制御するものである。通電素子に流れる電
流を、素子の許容値を超えない範囲で最大に制御するこ
とができ、素子が破損しない範囲で最大限ピストンの変
位を制限することができる。また通電素子へのストレス
も低減することができる。
【0018】(7)制御装置に入力される電圧を検出す
る電圧検出手段によって検出された電圧に応じて、デュ
ーティー比を制御するものである。回生電圧を、素子の
耐電圧許容値を超えない範囲で、最大に制御することが
でき、素子が破損しない範囲で最大限、電気エネルギー
を回収することができる。 また電源への回生量の制御
も可能となる。
【0019】(8)リニア圧縮機を車両に搭載したもの
である。リニア圧縮機が、振動の大きい車両に搭載され
たときに、格別の衝突防止作用と、電気エネルギーの回
収作用が得られるものである。
【0020】(9)リニア圧縮機はそのピストンの軸線
方向が、車両の上下方向となるように搭載されたもので
ある。リニア圧縮機のピストンの軸線方向が、車両にお
いて最も振動の大きい上下方向に搭載されたときに格別
の衝突防止作用と、電気エネルギーの回収作用が得られ
るものである。
【0021】(10)リニア圧縮機が車両のエンジンに
取り付けられ、リニア圧縮機のピストン軸線方向が、エ
ンジンのピストン軸線方向と同方向となるように搭載さ
れたものである。リニア圧縮機が、車両のエンジンに搭
載されることで、圧縮機のダンピング機構を、エンジン
振動のダンピング機構と共用することができ、これにか
かるコストを低減することができる。さらに圧縮機のピ
ストンの軸線方向を、車両エンジンのピストンの軸線方
向と同方向にすることでエンジンのダンピング機構を効
率よく最大限活用することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明のリニア圧縮機及び
その制御装置について図面を参照しながら説明をする。
図1は、本発明における実施形態のリニア圧縮機の縦断
面図である。尚、構成部品と動作について、従来例と重
複する部分については説明を省略する。
【0023】15が、電機子巻線端子(オス)14a
を、圧縮機の製造過程や輸送途中に短絡しておくための
短絡用コネクタであり、端子(メス)14bとリード線
14cで構成されている。この短絡用コネクタ15によ
って、電機子巻線9の端子(オス)14aを短絡するこ
とによって、圧縮機が非作動のときに、外力によるピス
トンの振動を抑制することができる。
【0024】図2はこの原理を説明するためのもので、
9が電機子巻線に相当し、7がマグネット及びピスト
ン、15が短絡用コネクタに相当する。今、短絡用コネ
クタ15によって電機子巻線9の両端が短絡されたとす
ると、巻線9に閉ループが形成される。次に、この状態
でマグネット7が図中の矢印Vで示される方向へ運動す
ると、閉ループ内を鎖交する磁束φが増加方向に変化
し、フレミングの法則によってこれを打ち消す方向に誘
起電圧Eとそれによる電流Iが発生する。この電流Iによ
って発生する磁束は、マグネット7の運動を妨げる方向
であり、マグネット7は図中の矢印Fの方向に力を受け
る。すなわちこの原理によって、図1においては、圧縮
機のピストン4が振動しようとした時に、短絡電流が流
れ、振動・変位を抑制して、ピストン4とシリンダヘッ
ド2bの衝突を防止することができる。
【0025】図3(a)は、短絡しないときの変位、誘
起電圧、電流の時間変化を示した図で、変位から90°
進んだ位相で誘起電圧が発生している。短絡していない
のに電流が流れているのは、制御装置内の回路や、平滑
コンデンサ22に流れる電流のためである。図3(b)
は、短絡したときの変位、誘起電圧、電流の時間変化を
示した図で、やはり変位から90°進んだ位相で誘起電
圧が発生しているが、いずれも大きさが図3(a)の場
合と比較して小さく抑制されている。これは短絡電流に
よって変位が抑制されているためである。ここで流れる
電流は、モータのインダクタンス成分により誘起電圧か
ら若干遅れた位相となっているが、インピーダンスは図
5(a)の場合と比較して小さいので電流は大きくなっ
ている。
【0026】図1中の16は、電機子巻線端子(オス)
14aのキャップを兼ねた短絡コネクタ(短絡キャッ
プ)であり、内部にある端子(メス)14bと金属製の
キャップ本体で、キャップをした時に短絡するような構
造となっている。このような構造とすれば、キャップ機
能と短絡機能を共有することができ合理的である。
【0027】また17は、圧縮機を機器や車両等に取り
付けた後にも、短絡用コネクタ14を圧縮機本体に結び
付けておくためのひも(乖離防止手段)で、メンテナン
スの際などに再び端子が開放状態となったときにも、す
ぐに短絡できるようにしておくためのものである。
【0028】以上がリニア圧縮機の製造過程や、輸送
時、またはメンテナンスの際におけるの衝突防止策の実
施形態である。
【0029】次に、圧縮機が製品として取り付けられた
後で、かつ非作動時の衝突防止策の実施形態について説
明する。図4は、本発明の実施形態におけるリニア圧縮
機制御装置の回路構成図である。20は商用電源で、こ
れを整流ダイオード21によって整流し、平滑コンデン
サ22にてリップルの少ない直流電圧に変換している。
自動車等の車両の場合には、バッテリー23から直流電
圧が供給される。そしてこの直流電圧をU,V、X、Y
の四個の通電素子のスイッチング動作によって交流電
圧、電流に変換して、リニア圧縮機1内のモータ部3へ
供給して圧縮機1を駆動している。
【0030】図5の時間軸「圧縮機作動時」区間には、
この時の通電動作が示されており、前半の半周期は、通
電素子Uが正弦波PWMにてON−OFFし、通電素子
Xがその反転動作をして、通電素子Yが常時ONで、通
電素子Vが常時OFFとなる。このとき電流は、通電素
子Uからモータを通って通電素子Yの方向に流れる。ま
た後半の半周期は、通電素子Vが正弦波PWMにてON
−OFFし、通電素子Yがその反転動作をして、通電素
子Xが常時ONで、通電素子Uが常時OFFとなる。こ
のとき電流は通電素子Vからモータを通って通電素子X
の方向流れ、前半の半周期とは反対の方向へモータ電流
が流れて交流電流が供給されることになる。制御部24
は、通電素子(U、V、X、Y)のスイッチング動作指
令を各素子へ発するためのもので、圧縮機作動時には、
設定器25からの運転指令によって、所望された能力、
ストロークになるように各素子を制御し、圧縮機1を駆
動している。
【0031】次に、本発明の主眼である、圧縮機が非作
動時の制御について図4と図5を用いて説明をする。
今、図4における設定器25から圧縮機停止の指令が送
られたとする。この信号を受けた制御部24内の短絡・
回生制御部26は、先ず通電素子(U、V、X、Y)
を、図5の時間軸「非作動(A)」区間に示すように制
御をする。すなわち通電素子XとYをONにして、Uと
VをOFFにする。
【0032】これによって、圧縮機1内のピストン4が
外力によって振動した際には、図2で説明した原理によ
って次のいずれかのループで電流が流れる。一つは通電
素子X→ダイオードDy→モータ3→通電素子Xといル
ープ(以下ループ1と称する)で、もう一つは通電素子
Y→ダイオードDx→モータ3→通電素子Yといループ
(以下ループ2と称する)である。そしてこの電流によ
って、やはり図2で説明した原理によってピストン4
が、運動方向とは逆の力を受けるので、振動変位が抑制
され、シリンダヘッドへの衝突が防止できることにな
る。このときの変位、誘起電圧、電流の時間変化は先ほ
ど説明した図3(b)のようになる。
【0033】次に通電素子(U、V、X、Y)を、図5
の時間軸「非作動(B)」区間に示すように、通電素子
XとYは、所定のデューティー比で同タイミングにてO
N、OFFをして、通電素子UとVをOFFにした場合
について説明をする。このときにはXとYがONの時に
は前述ループ1、ループ2のいずれかで電流が流れるこ
とができるが、OFFのときにそのループでは流れるこ
とができず、この場合ダイオードDu、Dv、Dx、D
yが電流を整流して、電源方向へ電流を流すこととな
る。すなわち通電素子XとYがOFF時には、ピストン
の振動エネルギーを電源へ回生すること(以下回生状態
と称する)が可能となる。
【0034】そしてXとYのONのデューティー比を大
きくすれば、振動変位の抑制力は大きくなるが、回生状
態は時間的に短くなる。逆にONデューティー比を小さ
くすれば、振動変位の抑制力は小さくなるが、回生状態
は時間的に長くなる。このようにデューティー比を制御
することで、振動抑制力と回生状態を制御すること可能
となる。さらに通電素子(U、V、X、Y)の制御回路
がチャージポンプ式ゲート駆動回路(X,YがONのと
きに流れる電流を利用してチャージポンプコンデンサ3
0を充電し、UとVの制御電源を生成する方式)の場合
には、このチャージポンプ動作と、ピストン振動抑制の
機能が兼ねられるので格別の効果を発する。
【0035】尚、今ON、OFFする通電素子をXとY
として説明したが、図5の「非作動(C)」区間に示す
ようにUとVをON,OFFし、XとYを常時OFFに
しておいた場合にも、電流が流れるループが異なるだけ
で同様の効果が得られることは明らかである。
【0036】次にさらに細かな制御をするために、変位
センサ27、電流センサ28、電圧検出手段29を設け
た場合について説明をする。変位センサ27は、ピスト
ン4の変位を検出するためのもので、通常運転時(作動
時)の制御に用いられているものである。この信号を制
御部24に取り込むことで、非作動時の外力によって、
衝突しないギリギリの範囲まで意図的にピストンを振動
させることで、最大限の回生をかけたり、通電素子に流
れる電流を最小に制御することが可能となる。
【0037】また電流センサ28は、モータ3に流れる
電流を検出するためのもので、これも通常運転時(作動
時)の制御に用いられているものである。この信号を制
御部24に取り込むことで、通電素子に流れる電流が、
許容値を超えないように制御することができ、ピストン
振動を抑制しながら、通電素子の保護を優先に制御をす
ることができるようになる。
【0038】また電圧検出手段29は、制御装置に入力
される電圧を検出するためのもので、やはり通常運転時
(作動時)の制御にも用いられているものである。そし
てこの信号を制御部24に取り込むことで、ピストンが
振動して回生状態となったときに、回生電圧を制御した
り、また通電素子に加わる電圧が、許容値を超えないよ
うに制御をすることができるようになる。
【0039】図6は、制御部24内での基本的な制御フ
ローチャートを示した図であり、まず圧縮機の運転指令
があるかどうか判断する(ステップ101)。あれば作
動時の通電パターンを出力し(ステップ102)、なけ
れば非作動時の通電パターンを出力する(ステップ10
3)。そしてこの処理を繰り返し行なう。
【0040】図7は、図6のサブルーチン(ステップ1
03)の詳細フローを示したもので、変位センサを使用
した場合の制御の一例である。まずピストン変位を入力
し(ステップ201)、その変位が許容値より大きいか
どうか判断をする(ステップ202)。大きいときはデ
ューティー比をアップしてピストン振動を抑制し(ステ
ップ203)、許容値以下であれば所定のデューティー
比を出力する(ステップ204)。
【0041】図8は、図6のサブルーチン(ステップ1
03)の詳細フローを示したもので、電流センサを使用
した場合の制御の一例である。まず電流値を入力し(ス
テップ301)、その電流が許容値より大きいかどうか
判断をする(ステップ302)。大きいときはデューテ
ィー比をダウンして通電素子に流れる電流を抑制し(ス
テップ303)、許容値以下であれば所定のデューティ
ー比を100%として(ステップ304)最大の振動抑
制力を加える。
【0042】図9は、図6のサブルーチン(ステップ1
03)の詳細フローを示したもので、電圧検出手段を使
用した場合の制御の一例である。まず電圧値を入力し
(ステップ401)、その電圧が許容値より大きいかど
うか判断をする(ステップ402)。大きいときはデュ
ーティー比をアップして回生電圧を抑制し(ステップ4
03)、許容値以下であればデューティー比をダウンし
て回生を促進する(ステップ404)。
【0043】以上が、リニア圧縮機が非作動のときにお
ける本発明のピストン衝突防止策と、振動エネルギーの
有効活用、また回路保護策の一例である。
【0044】次に、環境対応として注目されている、自
然冷媒であるCO2を用いたカーエアコンや、燃料電池
車のエアー圧縮機として車両に搭載した際の、衝突防止
策と、作動時の振動の低減策について説明をする。
【0045】図10は、リニア圧縮機の車両への搭載図
で、ピストンの軸線方向が、車両の上下方向となるよう
に搭載されている。このように搭載された場合には、車
両において最も振動の大きい上下方向の振動エネルギー
が常時作用することとなり、非作動時のピストンの衝突
の問題がより深刻となる。しかしながら前述してきた本
発明によれば、振動抑制力を作用させることで衝突を防
止し、かつ振動エネルギーを電気エネルギーとして効率
的に回収することが可能となる。特に近年注目されてい
る、電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池車など
のエコカーにおいては、車両の燃費向上という意味から
も格別の効果が期待できる。またCO2冷媒のカーエア
コンは、従来の冷媒であるHFC134aに比較して、
冷媒の効率が悪いので、この面でも効率アップの効果が
期待できる。
【0046】また図11は、リニア圧縮機1の車両への
取付図であり、エンジン42に取り付けられており、か
つピストンの軸線が、エンジン42のピストン43の軸
線と同方向なっている。このようにすることで、リニア
圧縮機1の作動時に発生する、図12でいう上下方向の
振動をエンジンのダンピング機構40で吸収することが
可能となり、シャーシ41へのリニア圧縮機1の振動が
伝わりにくくなり、実際に乗員が感じる振動を低減する
ことが可能となる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、圧縮機の製造段階や輸
送時のような、圧縮機の完成若しくは取り付け前の状態
で発生するピストンとシリンダの衝突を回避することが
でき、製品の欠陥が減り信頼性がアップする。また、圧
縮機が製品や機器に組付けられた後の非作動時の状態で
発生するピストンとシリンダの衝突を安価に回避するこ
とができ、コストダウンが図れる。 また、圧縮機が非
作動時の状態で発生するピストンとシリンダの衝突を防
止しつつ、電気エネルギーを回収することができ、信頼
性のアップ、コストダウン、省エネ性を両立することが
できる。また、振動の大きい車両に搭載されたときに、
格別の信頼性のアップ、コストダウン、省エネ性のアッ
プを図ることができる。さらに、車両において最も振動
の大きい上下方向に搭載されたときに、格別の信頼性の
アップ、コストダウン、省エネ性のアップを図ることが
できる。さらに、車両に搭載する際の、圧縮機のダンピ
ング機構かかるコストを低減することができ、振動に対
する乗員の快適性がアップする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態によるリニア圧縮機の縦断面
【図2】本発明のピストン振動抑制の原理図
【図3】(a)従来例による電流、誘起電圧、変位の波
形図 (b)本発明の実施形態による電流、誘起電圧、変位の
波形図
【図4】本発明の実施形態による制御装置の電気回路図
【図5】本発明の実施形態による通電パターンのタイミ
ングチャート
【図6】本発明の実施形態による基本制御フローチャー
【図7】本発明の実施形態による制御フロチャート(変
位センサ)
【図8】本発明の実施形態による制御フロチャート(電
流センサ)
【図9】本発明の実施形態による制御フロチャート(電
圧検出手段)
【図10】本発明の実施形態による車両への搭載図
【図11】本発明の実施形態による車両エンジンへの搭
載図
【図12】従来のリニア圧縮機の縦断面図
【記号の説明】
1 リニア圧縮機 2 シリンダ部 3 モータ部 4 ピストン 6 支持ばね(共振ばね) 8 電機子コア 9 電機子巻線 10 圧縮室 14a 電機子巻線端子(オス) 14b 端子(メス) 14c リード線 15 短絡コネクタ(巻線短絡手段) 16 短絡キャップ(巻線短絡手段) 17 ひも(乖離防止手段) 23 バッテリー 27 変位センサ 28 電流センサ 29 電圧検出手段 30 チャージポンプコンデンサ 31 チャージポンプゲート駆動用の高耐圧IC 40 エンジンダンピング機構(板ばね) 41 シャーシー 42 エンジン 43 エンジンピストン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植田 光男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3H076 AA02 BB28 CC03 5H633 BB08 BB10 GG02 GG04 GG25 GG26 HH03 HH08 HH29 JA04 JA05 JA10

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉容器内に支持されるシリンダーと、
    前記シリンダーの軸線方向に沿って可動自在に支持され
    るピストンと、前記ピストンに軸線方向の力を付与する
    ばね部材と、電機子と界磁極を有し前記ピストンと連動
    して軸線方向の推力を発生させるリニアモータと、前記
    電機子の巻線端子を短絡してピストン変位を制限する巻
    線短絡手段を備えたリニア圧縮機。
  2. 【請求項2】 巻線短絡手段が圧縮機本体から乖離する
    のを防止する乖離防止手段を備えた請求項1記載のリニ
    ア圧縮機。
  3. 【請求項3】 車両に搭載された請求項1または2に記
    載のリニア圧縮機。
  4. 【請求項4】 ピストンの軸線方向が、車両の上下方向
    となるように搭載されたことを特徴とする請求項3記載
    のリニア圧縮機。
  5. 【請求項5】 ピストン軸線方向が、車両のエンジンの
    ピストン軸線方向と略同−方向となるように前記エンジ
    ンに取り付けられたことを特徴とする請求項3記載のリ
    ニア圧縮機。
  6. 【請求項6】 密閉容器内に支持されるシリンダーと、
    前記シリンダーの軸線方向に沿って可動自在に支持され
    るピストンと、前記ピストンに軸線方向の力を付与する
    ばね部材と、電機子と界磁極を有し前記ピストンと連動
    して軸線方向の推力を発生させるリニアモータを備えた
    リニア圧縮機を駆動制御する制御装置であって、前記リ
    ニアモータが非作動の際に、前記リニアモータ駆動用の
    通電素子を介して前記電機子の巻線端子を短絡して、ピ
    ストン変位を制限するリニア圧縮機の制御装置。
  7. 【請求項7】 電機子の巻線端子を所定のデューティー
    比で短絡して、ピストン変位を制限することを特徴とす
    る請求項6記載のリニア圧縮機の制御装置。
  8. 【請求項8】 ピストンの変位を検出する変位検出手段
    を備え、前記変位検出手段によって検出された変位に応
    じてデューティー比を制御することを特徴とする請求項
    7記載のリニア圧縮機の制御装置。
  9. 【請求項9】 リニアモータに流れる電流を検出する電
    流検出手段を備え、前記電流検出手段によって検出され
    た電流に応じてデューティー比を制御することを特徴と
    する請求項7記載のリニア圧縮機の制御装置。
  10. 【請求項10】 制御装置に入力される電圧を検出する
    電圧検出手段を備え、前記電圧検出手段によって検出さ
    れた電圧に応じてデューティー比を制御することを特徴
    とする請求項7記載のリニア圧縮機の制御装置。
  11. 【請求項11】 リニア圧縮機は、車両に搭載されてい
    ることを特徴とする請求項6から10のいずれかに記載
    のリニア圧縮機の制御装置。
  12. 【請求項12】 リニア圧縮機は、そのピストンの軸線
    方向が、車両の上下方向となるように搭載されたことを
    特徴とする請求項11記載のリニア圧縮機の制御装置。
  13. 【請求項13】 リニア圧縮機は、そのピストン軸線方
    向が、車両のエンジンのピストン軸線方向と略同−方向
    となるように前記エンジンに取り付けられたことを特徴
    とする請求項11記載のリニア圧縮機の制御装置。
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