JP6705731B2 - コンプレッサおよびエアサスペンションシステム - Google Patents

コンプレッサおよびエアサスペンションシステム Download PDF

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Description

本発明は、例えば4輪自動車等の車両に搭載されるコンプレッサおよびエアサスペンションシステムに関する。
4輪自動車等の車両には、車高調整を行うエアサスペンションに作動気体を供給するコンプレッサが搭載されているものがある。この種のコンプレッサとして、モータの駆動によりピストンを往復動させ圧縮空気を発生させる圧縮部と、該圧縮部からの圧縮空気を乾燥させてエアサスペンション等に乾燥した圧縮空気を送るエアドライヤと、該エアドライヤへの圧縮空気の給排を制御するソレノイドバルブとを有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−204711号公報
ここで、特許文献1に記載されたコンプレッサは、ソレノイドバルブがモータとエアドライヤとに対して並列した状態で配置されている。このため、コンプレッサが大型化して、車両搭載性が低下するという問題がある。また、ソレノイドバルブをシリンダヘッドにボルト等を用いて固定しなければならないので、ソレノイドバルブをシリンダヘッドに取付ける作業の作業性が低下するという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、ソレノイドバルブの組付作業の作業性を向上すると共に、車両搭載性の向上を図ることができるコンプレッサおよびエアサスペンションシステムを提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明のコンプレッサは、内部にモータが収容されたケーシングと、前記ケーシングから突出して前記モータの駆動により往復動する出力軸と、前記出力軸の突出端側に設けられたピストンと、前記ピストンが摺動可能に設けられ圧縮室を形成するシリンダと、前記シリンダに接続されたシリンダヘッドと、前記シリンダヘッドに接続され内部に乾燥剤が充填されたエアドライヤと、前記エアドライヤへの圧縮空気の給排を制御するソレノイドバルブと、を備え、前記ソレノイドバルブは、前記シリンダの径方向外側に位置して前記ケーシングと前記シリンダヘッドとの間に挟持状態で固定されることを特徴としている。
また、本発明のエアサスペンションシステムは、車体と車軸との間に介装され空気の給排に応じて車高調整を行うエアサスペンションと、前記エアサスペンションから排出された空気を貯留するタンクと、前記エアサスペンションと前記タンクとの間に設けられたコンプレッサとを備え、前記コンプレッサは、内部にモータが収容されたケーシングと、前記ケーシングから突出して前記モータの駆動により往復動する出力軸と、前記出力軸の突出端側に設けられたピストンと、前記ピストンが摺動可能に設けられ圧縮室を形成するシリンダと、前記シリンダに接続されたシリンダヘッドと、前記シリンダヘッドに接続され内部に乾燥剤が充填されたエアドライヤと、前記エアドライヤへの圧縮空気の給排を制御するソレノイドバルブと、を備え、前記ソレノイドバルブは、前記シリンダの径方向外側に位置して前記ケーシングと前記シリンダヘッドとの間に挟持状態で固定されることを特徴としている。
本発明によれば、ソレノイドバルブの組付作業の作業性の向上およびコンプレッサの小型化を図ることができる。
本実施の形態によるコンプレッサを示す斜視図である。 コンプレッサの正面図である。 コンプレッサの平面図である。 図2中のコンプレッサを矢示IV−IV方向からみた側面図である。 図2中のコンプレッサのシリンダ、貯留切換バルブ、給排切換バルブ等を矢示V−V方向からみた断面図である。 図5中のシリンダ、貯留切換バルブ、給排切換バルブ等を拡大して示す断面図である。 コンプレッサを用いたエアサスペンションシステムを示す空気圧回路図である。
以下、本発明の実施の形態によるコンプレッサおよびエアサスペンションシステムを、図1〜図7に従って詳細に説明する。
図1において、コンプレッサ1は、リニアモータ2、シリンダ9およびピストン10を有する圧縮部8、エアドライヤ16、排気バルブ19、貯留切換バルブ22、および給排切換バルブ32を含んで構成されている。なお、以下では、コンプレッサ1のエアドライヤ16側である軸方向一側を左側(図1、図2中の左側)とし、コンプレッサ1のリニアモータ2側である軸方向他側を右側(図1、図2中の右側)として説明する。また、図3中の上側である径方向一側をコンプレッサ1の前側とし、下側である径方向他側をコンプレッサ1の後側として説明する。
リニアモータ2は、コンプレッサ1の右端側に位置して、コンプレッサ1の駆動源として設けられている。このリニアモータ2は、リニアモータ2の外殻を構成するモータケース3およびリニアベース4と、電機子5、可動子6、ばね(図示せず)等から構成されている。リニアモータ2は、本発明のモータを構成するもので、電機子5のコイル5Bに電流を印加することにより、可動子6を軸方向に往復動させて、ピストン10に往復動の駆動力を発生させるものである。
モータケース3は、例えばアルミニウム材料等の金属材料からなる中空容器として、左端側が開口し右端側が閉塞した有底円筒状に形成されている。モータケース3の内部には、電機子5、可動子6、ばね等が収容されている。モータケース3の開口端側には、その開口を塞ぐようにリニアベース4が係合されている。換言すると、このリニアベース4には、モータケース3がネジ止め等で固定されている。モータケース3とリニアベース4とは、本発明のケーシングを構成している。なお、モータケース3とリニアベース4とを別体で形成したが、これらを一体に形成してもよい。
図1ないし図3に示すように、リニアベース4は、モータケース3が図示しないボルト等により取付けられるモータケース取付部4Aと、モータケース取付部4Aから左側(後述の圧縮部8側)に向けて突出する突出部4Bとにより全体として凸状に形成されている。モータケース取付部4Aと突出部4Bとの境界位置でリニアベース4の後面4Cには、リニアベース4の内側に向けて前,後方向に延びる後述の吸込口7が設けられている。
また、突出部4Bの上面4B1には、後述のエアサスペンション給排口40とタンク給排口30とが前,後方向に離間して設けられている。エアサスペンション給排口40は、リニアベース4の内側に向けて上,下方向に延び、後述の給排切換バルブ32の内側通路部39に接続されている。一方、タンク給排口30は、リニアベース4の内側に向けて上,下方向に延び、後述の貯留切換バルブ22の内側通路部29に接続されている。
突出部4Bの左側面4B2には、中央部に圧縮部8の右端側が接続されている。また、突出部4Bの左側面4B2には、圧縮部8の前側に位置して後述の貯留切換バルブ22の右端側が接続されている。さらに、突出部4Bの左側面4B2には、圧縮部8の後側に位置して後述の給排切換バルブ32の右端側が接続されている。また、突出部4Bの左側面4B2には、圧縮部8の径方向外側に位置して例えば図示しない4個のめねじ孔が左,右方向に延びて形成されている。これらめねじ孔には、後述のシリンダヘッド14をリニアベース4に取付けるためのボルト15が螺合される。
電機子5は、固定子として、モータケース3内に固定されて設けられている。この電機子5は、例えば圧粉磁心や積層された電磁鋼板、磁性体片により形成された略筒状のコア5Aと、コア5Aに巻回された複数のコイル5Bとによって構成されている。
一方、可動子6は、電機子5の内周側に位置して、モータケース3の軸方向に沿って延びている。図6に示すように、可動子6は、リニアモータ2の中心軸線に沿ってモータケース3内に配置され、左端側がモータケース3から突出している。可動子6は、非磁性体を用いて形成されたフレーム6Aと、該フレーム6Aに平板状に配置された複数の永久磁石6Bとによって構成されている。この可動子6は、本発明の出力軸を構成するもので、電機子5のコイル5Bに電流を印加することによって、モータケース3内を往復動するものである。
吸込口7は、リニアベース4の後面4Cに設けられている。この吸込口7は、コンプレッサ1の吸込み行程において、外部からリニアベース4内に空気を吸込むものである。吸込口7の前端側(リニアベース4内の端部)には、逆止弁7A(図7にのみ図示)が設けられている。一方、吸込口7の後端側には、後述の吸込管路46が接続されている。
圧縮部8は、リニアモータ2とエアドライヤ16との間に位置して設けられている。この圧縮部8は、リニアベース4の突出部4Bの左側面4B2のほぼ中央部に設けられている。そして、圧縮部8は、シリンダ9、ピストン10、吸気弁11、弁板12、吐出弁13、およびシリンダヘッド14を含んで構成されている。圧縮部8は、リニアモータ2の可動子6の往復動によりピストン10を駆動して、外気を圧縮して圧縮空気(作動気体)を発生させるものである。
シリンダ9は、その左端側が弁板12により閉塞され、その右端側がリニアベース4の突出部4Bに固定して設けられている。シリンダ9は、例えばアルミニウム材料を用いて円筒状に形成され、その内部にはピストン10が往復動可能(摺動可能)に収容されている。これにより、シリンダ9内は、図6に示すように、ピストン10によってモータケース3内と連通する非圧縮室9Aとシリンダヘッド14側の圧縮室9Bとに画成されている。
ピストン10は、可動子6の突出端側に設けられている。このピストン10は、シリンダ9内を往復動可能に挿嵌されている。ピストン10は、シリンダ9内に非圧縮室9Aと圧縮室9Bとを画成するものである。そして、ピストン10は、連結具10Aを介してリニアモータ2の可動子6の突出端側に接続されている。ピストン10の左端側は、シリンダ9の内面側に摺動可能に当接してシリンダ9内を非圧縮室9Aと圧縮室9Bとに画成している。ピストン10はリニアモータ2(モータケース3)の軸線方向に沿うように設けられ、可動子6の往復動と連動してシリンダ9内を往復動する。言い換えると、ピストン10は、リニアモータ2の可動子6の移動方向の軸線上に配置されている。
ここで、ピストン10には、非圧縮室9Aと圧縮室9Bとを連通させる連通孔10Bが設けられており、該連通孔10Bには吸気弁11がネジ11A留め、もしくはカシメられている。この吸気弁11は、コンプレッサ1の吸込み行程において連通孔10Bを開弁して非圧縮室9Aと圧縮室9Bとを連通させ、圧縮行程において連通孔10Bを閉塞して非圧縮室9Aと圧縮室9Bとを遮断させるものである。
弁板12は、シリンダ9の左端側を閉塞するように取付けられている。この弁板12は、シリンダ9と後述のシリンダヘッド14との間に設けられ、左端側が吐出弁13が離着座する弁座12Aとなっている。吐出弁13は、弁板12の弁座12Aに離着座するリード弁を構成している。吐出弁13は、コンプレッサ1の吸込行程では弁座12Aに着座して圧縮室9Bとエアドライヤ16内とを遮断し、圧縮行程では弁座12Aから離座して圧縮室9Bとエアドライヤ16内とを連通させる。
シリンダヘッド14は、弁板12を介してシリンダ9の左端側に接続されている。このシリンダヘッド14には、圧縮空気が吐出される吐出孔14Aがピストン10の軸方向に貫通して形成されている。吐出孔14Aは、左端側がエアドライヤ16の右端側に連通し、右端側が吐出弁13を介して圧縮室9Bに連通している。また、シリンダヘッド14には、周方向に離間して互いに並行に延びる取付孔14B,14Cが形成されている。取付孔14Bには、後述の貯留切換バルブ22のコア27が取付けられている。一方、取付孔14Cには、後述の給排切換バルブ32のコア37が取付けられている。取付孔14Bの左端側には、エアドライヤ16のエアドライヤ側通路16Cに連通されるタンク供給通路14Dが形成されている。また、取付孔14Cの左端側には、吐出孔14Aに連通するエアサス供給通路14Eが形成されている。
シリンダヘッド14の後面14Fには、後述の排気口21がシリンダヘッド14内に向けて前,後方向に延びている。この排気口21は、後述の排気管路47と接続され、後述の排気バルブ19からの空気を外部に向けて排気するものである。一方、シリンダヘッド14の右側面14Gには、下端側の中央部に位置して圧縮部8の左端側が接続されている。また、シリンダヘッド14の右側面14Gには、圧縮部8の前側に位置して後述の貯留切換バルブ22の左端側が接続されている。また、シリンダヘッド14の右側面14Gには、圧縮部8の後側に位置して後述の給排切換バルブ32の左端側が接続されている。さらに、シリンダヘッド14の右側面14Gには、圧縮部8の上側に位置して後述の排気バルブ19が設けられている。
シリンダヘッド14には、例えば左側面から右側面14Gに向けて貫通する段付状の貫通孔(図示せず)が周方向に離間して4個形成されている。これら貫通孔は、リニアベース4の前記めねじ孔に対応する位置にそれぞれ設けられている。そして、シリンダヘッド14は、各ボルト15を前記貫通孔にそれぞれ貫通させて、リニアベース4のめねじ孔に螺合することにより、リニアベース4に取付けられている。ボルト15は、本発明の締結部材を構成し、軸部が左,右方向に長尺に形成されている。従って、シリンダヘッド14は、左,右方向に離間した状態でリニアベース4に取付けられている。そして、シリンダヘッド14とリニアベース4との間に形成されたシリンダ周囲空間Sには、排気バルブ19、貯留切換バルブ22、および給排切換バルブ32が配設されている。また、シリンダヘッド14の左側面には、後述のエアドライヤ16が4個のボルト17で固定されている。
これにより、エアドライヤ16は、シリンダヘッド14に接続されている。即ち、エアドライヤ16は、コンプレッサ1の左端側に位置し、圧縮部8を挟んでリニアモータ2とは反対側に設けられている。このエアドライヤ16は、ボルト17をシリンダヘッド14のめねじ孔(図示せず)に螺合させることにより、シリンダヘッド14に取付けられている。
エアドライヤ16は、外筒16Aと内筒16Bとにより二重筒構造を形成している。内筒16B内には、吸込口7から流入した外気に含まれる水分を吸着する乾燥剤18が充填されている。外筒16Aと内筒16Bとの間は、乾燥状態の圧縮空気が流通するエアドライヤ側通路16Cとなっている。このエアドライヤ側通路16Cは、左端側が内筒16Bの左端側で内筒16B内に連通し、右端側がタンク供給通路14Dに連通している。
排気バルブ19は、リニアベース4とシリンダヘッド14との間に形成されたシリンダ周囲空間S内に配設されている。この排気バルブ19は、シリンダヘッド14の右側面14Gにボルト20を用いて取付けられている。排気バルブ19は、シリンダヘッド14の後面14Fに形成された排気口21を大気(外気)に対して連通、遮断させる弁である。排気バルブ19は、ON/OFF式(開閉式)の電磁弁(ソレノイドバルブ)により構成され、排気口21を開いて圧縮空気の排出を許す開位置(a)と、排気口21を閉じて圧縮空気の排出を遮断する閉位置(b)とに選択的に切換えられる。
即ち、排気バルブ19は、常時は閉弁して排気口21に対して遮断されている。そして、排気バルブ19が開弁した場合には、シリンダヘッド14の吐出孔14Aと排気口21とを連通させる。これにより、圧縮空気は、シリンダヘッド14の吐出孔14Aから排気バルブ19、排気口21、および排気管路47を介して大気中に排出(放出)される。
次に、リニアベース4とシリンダヘッド14との間に配設された貯留切換バルブ22および給排切換バルブ32について説明する。なお、貯留切換バルブ22と給排切換バルブ32とは、同じ構成のソレノイドバルブであるので、以下貯留切換バルブ22について詳しく説明し、給排切換バルブ32についてはその説明を省略する。
貯留切換バルブ22は、圧縮部8の外周側(シリンダ9の径方向外側)に位置して、リニアベース4とシリンダヘッド14との間に挟持状態で固定されている。具体的には、貯留切換バルブ22は、圧縮部8の後側に位置して圧縮部8と並列して配設されている。そして、貯留切換バルブ22は、シリンダヘッド14をリニアベース4に取付けるためのボルト15が締結されることにより、リニアベース4とシリンダヘッド14との間に挟持される。即ち、ボルト15をリニアベース4のめねじ孔に締結(螺合)していくと、リニアベース4とシリンダヘッド14との間のシリンダ周囲空間Sの左,右方向の長さ寸法が狭まるので、貯留切換バルブ22は、リニアベース4とシリンダヘッド14との間に挟持状態で固定される。
これにより、貯留切換バルブ22は、ボルト等の取付部材を用いることなく組付けることができるので、組付作業の作業性を向上することができる。また、貯留切換バルブ22を取付けるためのフランジ等を設ける必要がないので、貯留切換バルブ22の全体形状を可及的に小さくすることができ、ひいてはコンプレッサ1を小型化することができる。
貯留切換バルブ22の軸線は、ピストン10の軸線と沿うように並行に配置されている。言い換えると、貯留切換バルブ22は、ピストン10の移動方向と平行に、またはピストン10の移動方向と貯留切換バルブ22の動作方向が同方向となるように配置されている。貯留切換バルブ22は、後述の弁体26を駆動して、後述のタンク給排口30をコア27側の通気路27Aと後述の第1バイパス通路31とのいずれか一方に選択的に連通,遮断する。貯留切換バルブ22は、圧縮室9Bから吐出された圧縮空気を貯留する後述のタンク48とエアドライヤ16との間に設けられた本発明の第1ソレノイドバルブを構成している。そして、貯留切換バルブ22は、弁筒ケース23、弁保持筒24、コイル25、弁体26、コア27、弁ばね28、および内側通路部29を含んで構成されている。
貯留切換バルブ22の弁筒ケース23は、有蓋筒状体として形成されリニアベース4とシリンダヘッド14との間に設けられている。この弁筒ケース23は、円筒状の筒部23Aと、筒部23Aの右端側を閉塞する環状の蓋部23Bと、筒部23Aの左端側を閉塞する環状の波形ワッシャ23C(蓋部材)とを含んで構成されている。図6に示すように、蓋部23Bは、リニアベース4の左側面4B2に当接することにより筒部23Aの右端側を閉塞している。
一方、波形ワッシャ23Cは、シリンダヘッド14の右側面14Gに当接することにより筒部23Aの左端側を閉塞する蓋部材である。この場合、波形ワッシャ23Cは、本発明の弾性部材を構成するもので、貯留切換バルブ22の軸方向に弾性を付与するものである。即ち、波形ワッシャ23Cは、製造公差等により筒部23Aとリニアベース4との間に発生する隙間および筒部23Aとシリンダヘッド14との間に発生する隙間を吸収させることができる。これにより、貯留切換バルブ22をリニアベース4とシリンダヘッド14との間に挟持状態で固定させることができる。なお、筒部23Aの右端側に蓋部23Bを設け、左端側に波形ワッシャ23Cを設けた場合を説明したが、これに限らず、蓋部23Bを波形ワッシャとし、波形ワッシャ23Cを蓋部としてもよく、また両方を波形ワッシャとしてもよい。
弁保持筒24は、弁筒ケース23の内側に配設されている。この弁保持筒24は、右端側が弁筒ケース23の蓋部23Bから突出した弁座部24Aとなっており、後述の第1バイパス通路31に気密に嵌合されている。弁保持筒24と弁筒ケース23との間には、弁保持筒24の外周側にコイル25が巻回されている。コイル25に電流を印加することにより、弁体26を軸方向(図6中のコア27側)に移動させる。
貯留切換バルブ22の弁体26は、弁保持筒24内にコア27と対向して配設されている。図6に示すように、弁体26は、弁保持筒24の弁座部24Aとコア27との間に位置して弁保持筒24内に摺動可能に挿嵌されている。弁体26の右端側は、弁座部24Aに離着座する第1弁部26Aとなっている。一方、弁体26の左端側は、後述の通気路27Aに離着座する第2弁部26Bとなっている。そして、弁体26とコア27との間には、弁ばね28が配設されている。弁ばね28は、弁体26を弁保持筒24の弁座部24A側へと常時付勢している。
コア27は、弁体26の左側に位置して弁保持筒24内を左,右方向に延びている。このコア27は、左端側が弁筒ケース23の波形ワッシャ23Cから突出してシリンダヘッド14の取付孔14Bに嵌合している。コア27の中心側には、小径の通気路27Aが軸方向に穿設されている。通気路27Aは、弁体26の第2弁部26Bが離着座することにより開閉される。通気路27Aは、エアドライヤ16と後述のタンク48とを繋ぐ通路を形成している。一方、弁体26の外周側には、弁保持筒24との間に位置して弁体26の軸方向に延びて周方向に離間した複数の溝からなる内側通路部29が形成され、該内側通路部29は、第1弁部26Aの外周側となる位置でタンク給排口30(補給管路49)と常時連通している。
内側通路部29は、第2弁部26Bの開閉によりコア27の通気路27Aに対して連通,遮断される。また、内側通路部29は、第1弁部26Aが弁保持筒24の弁座部24Aに離着座して開閉することにより、第1バイパス通路31に対して連通,遮断される。これにより、内側通路部29、タンク給排口30および補給管路49は、コア27の通気路27Aまたは第1バイパス通路31のいずれか一方に選択的に連通,遮断される。一方、コア27の通気路27Aは、タンク供給通路14Dを介してエアドライヤ16のエアドライヤ側通路16Cに常時連通している。これにより、コア27の通気路27Aには、エアドライヤ16内で乾燥された圧縮空気が流通(供給)される。
貯留切換バルブ22は、第1バイパス通路31または通気路27Aを後述のタンク48に対して選択的に接続するため、例えば3ポート2位置の電磁式方向切換弁により構成されている。即ち、貯留切換バルブ22は、タンク給排口30および後述の補給管路49を通じて圧縮空気をタンク48に給排する給排位置(c)と、タンク48内の圧縮空気を第1バイパス通路31を通じて圧縮部8の圧縮室9Bに供給する切換位置(d)とに選択的に切換えられる。
タンク給排口30は、貯留切換バルブ22の上方に位置して、リニアベース4の突出部4Bの上面4B1に上,下方向に延びて形成されている。このタンク給排口30の一方側は、貯留切換バルブ22の内側通路部29に接続され、タンク給排口30の他方側は、補給管路49と接続されている。タンク給排口30は、圧縮室9Bで圧縮してエアドライヤ16で乾燥させた圧縮空気をタンク48に向けて供給したり、タンク48から排気された圧縮空気を貯留切換バルブ22を介して後述の給排切換バルブ32側に排出したりする。
第1バイパス通路31は、リニアベース4内に位置して、貯留切換バルブ22の右端側に設けられている。第1バイパス通路31の左端側には、貯留切換バルブ22の弁保持筒24が嵌合されている。第1バイパス通路31の左端側は、貯留切換バルブ22に接続され、第1バイパス通路31の右端側は、非圧縮室9Aに接続されている。第1バイパス通路31は、貯留切換バルブ22が切換位置(c)に切換えられたときに、タンク48内の圧縮空気を非圧縮室9A内に向けて流通させるものである。第1バイパス通路31には、圧縮空気の逆流を防止する逆止弁31Aが設けられている。
給排切換バルブ32は、圧縮部8の外周側(シリンダ9の径方向外側)に位置して、リニアベース4とシリンダヘッド14との間に挟持状態で固定されている。具体的には、給排切換バルブ32は、圧縮部8の前側に位置して圧縮部8と並列して配設されている。即ち、圧縮部8、貯留切換バルブ22、および給排切換バルブ32は、並列している。そして、給排切換バルブ32は、シリンダヘッド14をリニアベース4に取付けるためのボルト15が締結されることにより、リニアベース4とシリンダヘッド14との間に挟持される。
これにより、給排切換バルブ32は、ボルト等の取付部材を用いることなく組付けることができるので、組付作業の作業性を向上することができる。また、給排切換バルブ32を取付けるためのフランジ等を設ける必要がないので、給排切換バルブ32の全体形状を可及的に小さくすることができ、ひいてはコンプレッサ1を小型化することができる。
給排切換バルブ32は、弁体36を駆動して、後述のエアサスペンション給排口40をコア37側の通気路37Aと後述の第2バイパス通路41とのいずれか一方に選択的に連通,遮断する。給排切換バルブ32は、車体と車軸(いずれの図示せず)との間に介装され空気の給排に応じて車高調整を行う後述のエアサスペンション42と圧縮室9Bとの間に設けられた本発明の第2ソレノイドバルブを構成している。そして、給排切換バルブ32は、貯留切換バルブ22と同様に、弁筒ケース33、弁保持筒34、コイル35、弁体36、コア37、弁ばね38、内側通路部39を含んで構成されている。
給排切換バルブ32の弁筒ケース33は、貯留切換バルブ22の弁筒ケース33と同様に、筒部33A、蓋部33B、および波形ワッシャ33Cを含んで構成されている。波形ワッシャ33Cは、本発明の弾性部材を構成するもので、製造公差等により筒部33Aとリニアベース4との間に発生する隙間および筒部33Aとシリンダヘッド14との間に発生する隙間を吸収させることができる。これにより、給排切換バルブ32をリニアベース4とシリンダヘッド14との間に挟持状態で固定させることができる。なお、蓋部33Bを波形ワッシャとし、波形ワッシャ33Cを蓋部としてもよく、また両方を波形ワッシャとしてもよい。
弁保持筒34は、弁筒ケース33の内側に配設され、先端側の弁座部34Aが後述の第2バイパス通路41側に気密に嵌合されている。弁体36は、右端側が弁座部34Aに離着座する第1弁部36Aとなり、左端側がコア37の通気路37Aに離着座する第2弁部36Bとなっている。
内側通路部39は、第2弁部36Bの開閉によりコア37の通気路37Aに対して連通,遮断される。また、内側通路部39は、第1弁部36Aが弁保持筒34の弁座部34Aに離着座して開閉することにより、第2バイパス通路41に対して連通,遮断される。これにより、内側通路部39、エアサスペンション給排口40および給排管路43は、コア37の通気路37Aまたは第2バイパス通路41のいずれか一方に選択的に連通,遮断される。一方、コア37の通気路37Aは、エアサス供給通路14Eを介して吐出孔14Aに常時連通している。これにより、コア37の通気路37Aには、後述のタンク48から排出された圧縮空気が流通(供給)される。
給排切換バルブ32は、第2バイパス通路41または通気路37Aを後述のタンク48に対して選択的に接続するため、例えば3ポート2位置の電磁式方向切換弁により構成されている。即ち、給排切換バルブ32は、エアサスペンション42内の圧縮空気を第2バイパス通路41を通じて圧縮部8の圧縮室9Bに供給する切換位置(e)と、エアサスペンション給排口40および後述の給排管路43を通じて圧縮空気をエアサスペンション42(空気圧機器)に給排する給排位置(f)とに選択的に切換えられる。
エアサスペンション給排口40は、給排切換バルブ32の上方に位置して、リニアベース4の突出部4Bの上面4B1に上,下方向に延びて形成されている。このエアサスペンション給排口40の一方側は、給排切換バルブ32の内側通路部39に接続され、エアサスペンション給排口40の他方側は、給排管路43と接続されている。エアサスペンション給排口40は、タンク48から排気された圧縮空気をエアサスペンション42に向けて供給したり、エアサスペンション42から排気された圧縮空気を給排切換バルブ32を介して後述の貯留切換バルブ22側および排気バルブ19側に排出したりする。
第2バイパス通路41は、リニアベース4内に位置して、給排切換バルブ32の右端側に設けられている。第2バイパス通路41の左端側には、給排切換バルブ32の弁保持筒34が嵌合されている。第2バイパス通路41の左端側は、給排切換バルブ32に接続され、第2バイパス通路41の右端側は、非圧縮室9Aに接続されている。第2バイパス通路41は、給排切換バルブ32が切換位置(e)に切換えられたときに、各エアサスペンション42内の圧縮空気を非圧縮室9A内に向けて流通させるものである。第2バイパス通路41には、圧縮空気の逆流を防止する逆止弁41Aが設けられている。
次に、図7に示すように、本実施の形態におけるコンプレッサ1を、4輪自動車等の車両のエアサスペンションシステムに適用する場合を例に挙げて詳細に説明する。このエアサスペンションシステムは、コンプレッサ1、エアサスペンション42、給排管路43、給排気バルブ45、タンク48、および補給管路49を含んで構成されている。
エアサスペンション42は、車両の前,後と左,右の車輪(いずれも図示せず)にそれぞれ対応するように、車両の車軸側と車体側(いずれも図示せず)との間に4個設けられている。なお、エアサスペンション42は、車両の前だけまたは後だけ設けるようにしてもよい。各エアサスペンション42は、圧縮空気が供給または排出されると、このときの給排量(圧縮空気量)に応じて上,下に拡張または縮小して車両の車高調整を行い、車体を上,下方向に移動可能に支持するものである。これらエアサスペンション42は、給排管路43、各分岐管路44を介してコンプレッサ1に接続されている。
給排管路43は、一側がコンプレッサ1のエアサスペンション給排口40に接続され、他側が各分岐管路44に接続されている。この給排管路43および各分岐管路44は、各エアサスペンション42に対する圧縮空気の給排を行うものである。
給排気バルブ45は、各エアサスペンション42とコンプレッサ1との間に位置して、各分岐管路44の途中に設けられている。この給排気バルブ45は、排気バルブ19とほぼ同様に、ON/OFF式の電磁弁(ソレノイドバルブ)により構成され、各分岐管路44を開いて各エアサスペンション42に対する圧縮空気の給排を許す開位置(g)と、各分岐管路44を閉じて各エアサスペンション42に対する圧縮空気の給排を遮断する閉位置(h)とに選択的に切換えられる。
吸込管路46は、コンプレッサ1の吸込口7に接続されている。この吸込管路46は、常時大気と連通し、吸気フィルタ46Aから吸込んだ空気をコンプレッサ1に対して流入させるものである。一方、排気管路47は、コンプレッサ1の排気口21に接続されている。この排気管路47は、排気バルブ19が開弁した場合に排気口21から圧縮空気を大気中に排出(放出)する。
タンク48は、コンプレッサ1のエアドライヤ16から吐出された大気圧を超えて加圧された圧縮空気を貯留するものである。タンク48とコンプレッサ1とは補給管路49を介して接続され、コンプレッサ1から吐出した圧縮空気は、補給管路49を通じてタンク48内に蓄えられる。そして、タンク48内に蓄えられた圧縮空気(または、コンプレッサ1から吐出される圧縮空気)は、給排管路43、分岐管路44を通じて各エアサスペンション42に供給される。
本実施の形態によるコンプレッサ1およびエアサスペンションシステムは上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、タンク48内に圧縮空気が充分に蓄えられていない場合(即ち、タンク48内の圧力が基準の設定圧力よりも低い場合)には、排気バルブ19を閉位置(b)、給排気バルブ45を閉位置(h)、および貯留切換バルブ22を給排位置(d)に保持した状態で、コンプレッサ1を作動(即ち、圧縮運転)させる。
これにより、コンプレッサ1の圧縮部8は、吸気フィルタ46A、吸込管路46を通じて外気を吸込み、この空気を加圧(圧縮)してエアドライヤ16に向けて吐出する。この圧縮空気は、エアドライヤ16によって乾燥された後、エアドライヤ16内のエアドライヤ側通路16C、タンク供給通路14D、通気路27A、タンク給排口30、補給管路49を介してタンク48内に蓄えられる。そして、例えばタンク48内の圧力が所定の設定圧力に達すると、リニアモータ2(即ち、コンプレッサ1)を停止させる。これにより、タンク48内には充分な量の圧縮空気を充填して貯留しておくことができる。
次に、車高を上げる場合には、例えばコンプレッサ1を停止させたままの状態でも、タンク48内の圧縮空気を各エアサスペンション42に供給することができる。即ち、この場合には、排気バルブ19を閉位置(b)、給排切換バルブ32を給排位置(f)に保持した状態で、貯留切換バルブ22を切換位置(c)に切換える。そして、給排気バルブ45を開位置(g)に切換える。これにより、タンク48内の圧縮空気が給排管路43に導出され、この圧縮空気は、分岐管路44を通じて各エアサスペンション42内に供給される。このように、タンク48内に蓄えられた圧縮空気を各エアサスペンション42内に供給して各エアサスペンション42を迅速に伸長させることができるので、例えばコンプレッサ1によって生成した圧縮空気を直接的に各エアサスペンション42内に供給する場合に比較して、車高を素早く上昇させることができる。
このとき、車両に積載物を搭載して各エアサスペンション42に高い圧力がかかっている場合(特に、タンク48内の圧力よりもエアサスペンション42側が高圧となるような場合)には、タンク48内の圧縮空気よりもさらに高い圧力の圧縮空気を、各エアサスペンション42に供給して車高を上げる必要がある。このような場合には、シリンダ9内でピストン10を往復動させることにより、タンク48内の圧縮空気をコンプレッサ1でさらに圧縮し、高い圧力の圧縮空気を各エアサスペンション42に供給させることができる。
車高の上げ動作が完了した後には、給排気バルブ45を閉位置(h)に切換えて分岐管路44を閉じる。これにより、各エアサスペンション42に対する圧縮空気の流通を阻止して、各エアサスペンション42は伸長状態を保ち、車高を上げた状態に保つことができる。
一方、車高を下げる場合には、排気バルブ19を閉位置(b)、貯留切換バルブ22を給排位置(d)に保持した状態で、給排切換バルブ32を切換位置(e)、給排気バルブ45を開位置(g)に切換える。この状態で、コンプレッサ1のリニアモータ2を駆動し始めると、各エアサスペンション42内の圧縮空気は、分岐管路44、給排管路43を通じて第2バイパス通路41に排出(導出)される。そして、第2バイパス通路41に導出された圧縮空気は、モータケース3内(非圧縮室9A内)へと流通する。
このときに、コンプレッサ1によって圧縮空気(エアサスペンション42からの排出気体)を再圧縮してタンク48に向けて吐出してもよい。また、圧縮空気を実質的に圧縮することなく、単にモータケース3内からタンク48に向けて流通させるだけでもよい。即ち、コンプレッサ1のリニアモータ2の運転状態は、タンク48内と各エアサスペンション42内との圧力差によって決められる。圧縮部8の圧縮室9Bから吐出(または、流出)された圧縮空気は、エアドライヤ16、コア27の通気路27A、補給管路49を通じてタンク48内に補給される。この結果、各エアサスペンション42から圧縮空気が排出され、各エアサスペンション42が縮小状態に移行することにより、車高を下げることができる。
ここで、タンク48内の圧力が予め決められた設定圧力の上限値まで上昇した場合には、排気バルブ19を閉位置(b)から開位置(a)に切換える。これにより、各エアサスペンション42からの圧縮空気を、分岐管路44、給排管路43、吐出孔14A、排気口21を介して排気管路47から外部に直接的に排出することができる。
なお、車高を下げる場合に、各エアサスペンション42内の圧力よりもタンク48内の圧力が低い場合には、排気バルブ19を閉位置(b)、給排切換バルブ32を給排位置(f)、貯留切換バルブ22を給排位置(d)に保持した状態で、圧縮部8を経由せずに、各エアサスペンション42からコア37の通気路37A、エアドライヤ16のエアドライヤ側通路16C、コア27の通気路27A、補給管路49を通じて圧縮空気をタンク48に排出させるように流通させることができる。
次に、貯留切換バルブ22と給排切換バルブ32とをリニアベース4とシリンダヘッド14との間に組付ける作業について説明する。
まず、貯留切換バルブ22の蓋部23Bから突出した弁保持筒24の弁座部24A側をリニアベース4内に形成された第1バイパス通路31に嵌合させる。また、貯留切換バルブ22の波形ワッシャ23Cから突出したコア27をシリンダヘッド14の取付孔14Bに嵌合させる。同様に、給排切換バルブ32の蓋部33Bから突出した弁保持筒34の弁座部34A側をリニアベース4内に形成された第2バイパス通路41に嵌合させる。また、給排切換バルブ32の波形ワッシャ33Cから突出したコア37をシリンダヘッド14の取付孔14Cに嵌合させる。
次に、4本のボルト15をシリンダヘッド14の左側面から右側面14Gに向けて貫通する段付状の貫通孔(図示せず)にそれぞれ貫通させて、リニアベース4の左側面4B2に形成されためねじ孔に螺合させる。この場合、各ボルト15の頭部は、前記貫通孔の段付部(図示せず)により抜止めされる。また、ボルト15の軸部は、圧縮部8の径方向外側に位置して圧縮部8、貯留切換バルブ22、および給排切換バルブ32の軸方向と平行に延びている。
そして、各ボルト15とめねじ孔とを締結することにより、貯留切換バルブ22と給排切換バルブ32とをリニアベース4とシリンダヘッド14との間に挟持状態で固定することができる。この場合、例えば製造公差等により発生する虞があるシリンダヘッド14と貯留切換バルブ22との間の隙間およびシリンダヘッド14と給排切換バルブ32との間の隙間は、シリンダヘッド14の右側面14Gと当接するそれぞれの波形ワッシャ23C,33Cにより吸収させることができる。
かくして、本実施の形態によれば、貯留切換バルブ22と給排切換バルブ32とは、シリンダ9の径方向外周側に位置してリニアベース4とシリンダヘッド14との間に挟持状態で固定している。即ち、シリンダ9の径方向外周側のシリンダ周囲空間Sを利用して貯留切換バルブ22と給排切換バルブ32とを設けている。これにより、コンプレッサ1の小型化を図ることができる。
また、貯留切換バルブ22と給排切換バルブ32とは、シリンダヘッド14をリニアベース4に取付けるためのボルト15の締結力により固定されているので、貯留切換バルブ22と給排切換バルブ32とを取付けるための専用のボルト等を用いる必要がない。従って、貯留切換バルブ22と給排切換バルブ32との組付作業の作業性を向上することができる。また、貯留切換バルブ22の弁筒ケース23および給排切換バルブ32の弁筒ケース33にボルト等を取付けるためのフランジを形成する必要がないので、各弁筒ケース23,33を可及的に小さく形成することができる。これにより、コンプレッサ1の小型化を図ることができるので、コンプレッサ1の車両搭載性を向上することができる。
また、貯留切換バルブ22と給排切換バルブ32とは、リニアベース4とシリンダヘッド14とに接触しているので、貯留切換バルブ22および給排切換バルブ32からの熱伝導率を向上することができる。これにより、貯留切換バルブ22と給排切換バルブ32との放熱性が増加するので、貯留切換バルブ22と給排切換バルブ32との寿命を向上させることができる。
また、貯留切換バルブ22とシリンダヘッド14との間および給排切換バルブ32とシリンダヘッド14との間には、それぞれ波形ワッシャ23C,33Cを設けている。これにより、貯留切換バルブ22と給排切換バルブ32とのがたつきを抑制することができるので、コンプレッサ1の信頼性を向上することができる。
なお、上述した実施の形態では、排気バルブ19をボルト20によりシリンダヘッド14に取付けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば排気バルブ19をボルト20を用いることなく、貯留切換バルブ22と給排切換バルブ32と同じように、リニアベース4とシリンダヘッド14とに挟持状態で固定させてもよい。
また、上述した実施の形態では、コンプレッサ1をクローズドタイプのエアサスペンションシステムに用いた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばタンク48を使用することなく、圧縮空気を外部に排気するオープンタイプのエアサスペンションシステムに用いられるコンプレッサに適用することもできる。即ち、貯留切換バルブ22と給排切換バルブ32とを備えていないコンプレッサの排気バルブをリニアベース4とシリンダヘッド14との間に挟持状態で固定させてもよい。
また、上述した実施の形態では、コンプレッサ1にリニアモータ2を用いた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばリニアモータ2に代えて回転式の電動モータを用いてもよい。
また、上述した実施の形態では、波形ワッシャ23C,33Cを用いてシリンダヘッド14と貯留切換バルブ22との間およびシリンダヘッド14と給排切換バルブ32との間の隙間を吸収させた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば波形ワッシャ23C,33Cに代えて、例えば弾性を有する他のワッシャを用いてもよい。
また、上述した実施の形態では、コンプレッサ1を4輪自動車等の車両に搭載する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、コンプレッサ1をエアシリンダ等の空気圧機器を駆動するものに適用してもよい。
次に、上記実施の形態に含まれるコンプレッサおよびエアサスペンションシステムとして、例えば以下に述べる態様のものが考えられる。
コンプレッサの第1の態様としては、内部にモータが収容されたケーシングと、前記ケーシングから突出して前記モータの駆動により往復動する出力軸と、前記出力軸の突出端側に設けられたピストンと、前記ピストンが摺動可能に設けられ圧縮室を形成するシリンダと、前記シリンダに接続されたシリンダヘッドと、前記シリンダヘッドに接続され内部に乾燥剤が充填されたエアドライヤと、前記エアドライヤへの圧縮空気の給排を制御するソレノイドバルブと、を備え、前記ソレノイドバルブは、前記シリンダの径方向外側に位置して前記ケーシングと前記シリンダヘッドとの間に挟持状態で固定されている。
コンプレッサの第2の態様としては、前記第1の態様において、前記シリンダヘッドと前記ソレノイドバルブとの間または前記ケーシングと前記ソレノイドバルブとの間には、前記ソレノイドバルブの軸方向に弾性を付与する弾性部材が設けられている。
コンプレッサの第3の態様としては、第1,第2の態様において、前記シリンダヘッドは、前記ケーシングに複数の締結部材を用いて取付けられ、前記ソレノイドバルブは、前記各締結部材を締結することにより前記ケーシングと前記シリンダヘッドとの間に挟持されている。
コンプレッサの第4の態様としては、前記第1ないし第3のいずれかの態様において、前記ソレノイドバルブは、前記圧縮室から吐出された圧縮空気を貯留するタンクと前記エアドライヤとの間に設けられる第1ソレノイドバルブと、車体と車軸との間に介装され空気の給排に応じて車高調整を行うエアサスペンションと前記圧縮室との間に設けられる第2ソレノイドバルブとからなり、前記第1ソレノイドバルブと前記第2ソレノイドバルブとは、前記シリンダの径方向外側に配置されている。
エアサスペンションシステムの第1の態様としては、車体と車軸との間に介装され空気の給排に応じて車高調整を行うエアサスペンションと、前記エアサスペンションから排出された空気を貯留するタンクと、前記エアサスペンションと前記タンクとの間に設けられたコンプレッサとを備えたエアサスペンションシステムにおいて、前記コンプレッサは、内部にモータが収容されたケーシングと、前記ケーシングから突出して前記モータの駆動により往復動する出力軸と、前記出力軸の突出端側に設けられたピストンと、前記ピストンが摺動可能に設けられ圧縮室を形成するシリンダと、前記シリンダに接続されたシリンダヘッドと、前記シリンダヘッドに接続され内部に乾燥剤が充填されたエアドライヤと、前記エアドライヤへの圧縮空気の給排を制御するソレノイドバルブと、を備え、前記ソレノイドバルブは、前記シリンダの径方向外側に位置して前記ケーシングと前記シリンダヘッドとの間に挟持状態で固定されている。
1 コンプレッサ
2 リニアモータ(モータ)
3 モータケース(ケーシング)
4 リニアベース(ケーシング)
6 可動子(出力軸)
9 シリンダ
9B 圧縮室
10 ピストン
14 シリンダヘッド
15 ボルト(締結部材)
16 エアドライヤ
18 乾燥剤
22 貯留切換バルブ(第1ソレノイドバルブ)
23C,33C 波形ワッシャ(弾性部材)
32 給排切換バルブ(第2ソレノイドバルブ)
42 エアサスペンション
48 タンク

Claims (5)

  1. 内部にモータが収容されたケーシングと、
    前記ケーシングから突出して前記モータの駆動により往復動する出力軸と、
    前記出力軸の突出端側に設けられたピストンと、
    前記ピストンが摺動可能に設けられ圧縮室を形成するシリンダと、
    前記シリンダに接続されたシリンダヘッドと、
    前記シリンダヘッドに接続され内部に乾燥剤が充填されたエアドライヤと、
    前記エアドライヤへの圧縮空気の給排を制御するソレノイドバルブと、を備え、
    前記ソレノイドバルブは、前記シリンダの径方向外側に位置して前記ケーシングと前記シリンダヘッドとの間に挟持状態で固定されることを特徴とするコンプレッサ。
  2. 前記シリンダヘッドと前記ソレノイドバルブとの間または前記ケーシングと前記ソレノイドバルブとの間には、前記ソレノイドバルブの軸方向に弾性を付与する弾性部材が設けられたことを特徴とする請求項1に記載のコンプレッサ。
  3. 前記シリンダヘッドは、前記ケーシングに複数の締結部材を用いて取付けられ、
    前記ソレノイドバルブは、前記各締結部材を締結することにより前記ケーシングと前記シリンダヘッドとの間に挟持されることを特徴とする請求項1または2に記載のコンプレッサ。
  4. 前記ソレノイドバルブは、前記圧縮室から吐出された圧縮空気を貯留するタンクと前記エアドライヤとの間に設けられる第1ソレノイドバルブと、車体と車軸との間に介装され空気の給排に応じて車高調整を行うエアサスペンションと前記圧縮室との間に設けられる第2ソレノイドバルブとからなり、
    前記第1ソレノイドバルブと前記第2ソレノイドバルブとは、前記シリンダの径方向外側に配置されたことを特徴とする請求項1、2または3に記載のコンプレッサ。
  5. 車体と車軸との間に介装され空気の給排に応じて車高調整を行うエアサスペンションと、
    前記エアサスペンションから排出された空気を貯留するタンクと、
    前記エアサスペンションと前記タンクとの間に設けられたコンプレッサとを備えたエアサスペンションシステムにおいて、
    前記コンプレッサは、
    内部にモータが収容されたケーシングと、
    前記ケーシングから突出して前記モータの駆動により往復動する出力軸と、
    前記出力軸の突出端側に設けられたピストンと、
    前記ピストンが摺動可能に設けられ圧縮室を形成するシリンダと、
    前記シリンダに接続されたシリンダヘッドと、
    前記シリンダヘッドに接続され内部に乾燥剤が充填されたエアドライヤと、
    前記エアドライヤへの圧縮空気の給排を制御するソレノイドバルブと、を備え、
    前記ソレノイドバルブは、前記シリンダの径方向外側に位置して前記ケーシングと前記シリンダヘッドとの間に挟持状態で固定されることを特徴とするエアサスペンションシステム。
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