JP6629369B2 - ハイブリッドモード光源を用いてフォーカストラッキングが改善したシステム及び方法 - Google Patents

ハイブリッドモード光源を用いてフォーカストラッキングが改善したシステム及び方法 Download PDF

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Description

<関連出願の相互参照>
本出願は、2017年3月7日に出願された米国特許仮出願第62/468,360号の利益を主張するものであり、当出願の全内容を参照により本明細書に援用するものとする。また本出願は、2017年3月5日に出願されたオランダ国特許出願第N2018853号の利益を主張するものであり、当出願の全内容を参照により本明細書に援用するものとする。
生物学の分野では、例えば光学顕微鏡及びスキャナで使用される、撮像システム及び技術の改善から多くの利点が得られている。これらの撮像システムを用いた撮像中に、正確に焦点合わせを行うことが撮像作業を効果的にするために重要となり得る。さらに、試料に対するシステムの焦点合わせに関連するレイテンシーを減少させることで、システムの動作速度を向上させる。
既存の多数の走査システムは、マルチビームフォーカストラックシステムを利用して、所与の試料に対する焦点距離を求める。マルチビームシステムは、対物レンズを用いて、試料に対して2つのビームを焦点合わせする。焦点合わせされたビームは試料の表面から反射され、反射したビームは撮像センサに向けられる。反射されたビームは撮像センサ上にスポットを形成し、スポット間の距離を利用して焦点距離を求めることができる。
既存のシステムに対して、焦点合わせの精度とシステムが焦点を調整する速度とを向上させる設計が絶えず試みられている。システムがより良い結果を得るためには精度の向上が重要となり得る。システムの焦点決定を高速化でき、ひいてはシステムの走査動作完了を高速化できるため、レイテンシーの低減は重要な検討事項となり得る。
本明細書で開示される技術の様々な例は、光学システムのフォーカストラッキングの精度を改善するシステム及び方法を提供する。更なる例は、光学的スキャナのフォーカストラッキングに関連するレイテンシーを減少させるシステム及び方法を提供する。いくつかの例では、撮像システムは、レーザダイオード光源と、光源からのフォーカストラッキングビームを試料容器のある位置に向けるとともに試料から反射されるフォーカストラッキングビームを受けるように位置付けられる対物レンズと、を備える。さらに、撮像センサは、試料容器の位置から反射されるフォーカストラッキングビームを受ける複数の画素位置を更に有することができ、反射されるフォーカストラッキングビームは撮像センサにスポットを生成する。レーザダイオード光源を、自然放射増幅光(“ASE”)モードの動作出力レベルを上回るが、単一動作モードに関する出力レベルを下回る出力レベルで動作させることができる。
更なる例では、レーザダイオード光源が動作する出力レベルで、入力電流は、レーザダイオードに関するレージングしきい電流を約2%−1%上回り得る。さらに、例示のみを目的として、レーザ動作電流が、しきい電流を約0.6ミリアンペア−3.0ミリアンペア上回って設定され得る。別の例では、レーザ動作電流が、しきい電流を約0.6ミリアンペア−3.0ミリアンペア上回って設定され得る。
いくつかの例では、レーザ出力が、約5%でのレーザスペクトル全幅が2ナノメートルよりも広くなるように設定され得る。例示のみを目的として、他の例では、レーザ出力が、約5%でのレーザスペクトル全幅が3ナノメートルよりも広くなるように設定され得る。さらに、レーザダイオード光源が動作する出力レベルは、所与の周波数におけるレーザダイオードの出力の支配的ピークの正規化強度がレーザダイオードの出力の任意の第2ピークの正規化強度よりも約15−100%大きくなるように選択され得る。例示のみを目的として、他の例では、レーザダイオード光源が動作する出力レベルは、所与の周波数におけるレーザダイオードの出力の支配的ピークの正規化強度がレーザダイオードの出力の第2ピークの正規化強度よりも約15−25%大きくなるように選択され得る。別の例示のみを目的として、レーザダイオード光源が動作する出力レベルは、所与の周波数におけるレーザダイオードの出力の支配的ピークの正規化強度がレーザダイオードの出力の第2ピークの正規化強度よりも約15−100%大きくなるように選択され得る。更なる例示のみを目的として、所与の周波数におけるレーザダイオードの出力の支配的ピークの正規化強度がレーザダイオードの出力の第2ピークの正規化強度よりも約15−200%大きくなる。
付加的な例において、撮像システムは、光源からのフォーカストラッキングビームを、試料容器の位置から反射されて撮像センサに少なくとも2つのスポットを形成する、少なくとも2つのフォーカストラッキングビームに分割するビームスプリッタを更に備えることができ、レーザダイオード光源が動作する出力レベルは、撮像センサ上の少なくとも2つのスポットのスポット間隔安定性が約±25ナノメートル未満であるように選択される。例示のみを目的として、別の例では、撮像センサ上の少なくとも2つのスポットのスポット間隔安定性が約±18ナノメートル未満である。
さらに、例示を目的として、レーザダイオード光源が動作する出力レベルが、撮像センサ上のスポットのフリンジング量が、プロファイルにわたってピークに達する最高点の約10%未満であるように選択され得る。他の例では、レーザダイオード光源が動作する出力レベルが、撮像センサのスポットのフリンジング量が、所定の量よりも多いスポット間隔安定性に影響を及ぼすように選択される。
いくつかの例では、撮像システムは、撮像センサに通信可能に結合して、撮像センサから出力信号を受け取り、撮像センサ上のスポットの位置の経時的な標準偏差を減少させる、窓付きSINCフィルタ又はブラックマン窓フィルタを更に備えることができる。
例示のみを目的として、レーザダイオード光源が動作する出力レベルが、撮像センサがビームを感知する露光時間の長さがフォーカストラッキングに対する所定のレイテンシー要求を満たすことを制限する時間以下となる最小電力として選択され得る。さらに、例示のみを目的として、撮像センサが要求する露光時間が、約250マイクロ秒未満であり得る。
他の例では、撮像システムは、レーザダイオード光源と、撮像システム内で、光源からのフォーカストラッキングビームを受けて、フォーカストラッキングビームを少なくとも2つのフォーカストラッキングビームに分割する位置に配置されるビームスプリッタと、光源からの少なくとも2つのフォーカストラッキングビームを試料容器のある位置に向けるとともに試料から反射されるフォーカストラッキングビームの反射を受けるように位置付けられる対物レンズと、試料容器の位置から反射されるフォーカストラッキングビームを受ける複数の画素位置を有する撮像センサと、を備えることができ、反射される少なくとも2つのフォーカストラッキングビームは撮像センサに少なくとも2つのスポットを生成し、レーザダイオード光源が動作する出力レベルが、撮像センサ上の少なくとも2つのスポットのスポット間隔安定性が約20ナノメートル未満であるように選択される。さらに、更なる例示のみを目的として、レーザダイオード光源が動作する出力レベルが、撮像センサ上の少なくとも2つのスポットのスポット間隔安定性が約15ナノメートルから17ナノメートルまでの間であるように選択される。
更なる例では、撮像システムは、撮像センサに通信可能に結合して、撮像センサから出力信号を受け取り、撮像センサ上の少なくとも2つのスポットの位置の経時的な標準偏差を減少させる、窓付きSINCフィルタ回路又はブラックマン窓フィルタ回路を更に備えることができる。さらに、例示のみを目的として、レーザダイオード光源が動作する出力レベルが、撮像センサ上のスポットのフリンジング量がプロファイルにわたってピークに達する最高点の約10%未満となるものであり得る。他の例では、レーザダイオード光源は、撮像センサ上のスポットのフリンジング量が所定の量よりも大きいスポット間隔安定性に影響を及ぼすように動作する。
他の例では、レーザダイオード光源が動作する出力レベルが、撮像センサ上の少なくとも2つのスポットのそれぞれの標準偏差が撮像センサの画素サイズの10%未満であるように選択され得る。他の例では、撮像センサ上の少なくとも2つのスポットのスポット間隔安定性が撮像センサの画素サイズの約5%未満である。他の例では、レーザダイオード光源が動作する出力レベルが、撮像センサがビームを感知するのに必要な露光時間の長さがフォーカストラッキングに対する所定のレイテンシー要求を満たすことを制限する時間以下となる最小電力として選択され得る。さらに、いくつかの例では、撮像センサが要求する露光時間を、約250マイクロ秒未満とすることができる。
例示のみを目的として、レーザダイオードは、撮像センサ上のフォーカストラッキングビームスポットのフリンジングを減少させる低出力レベルで動作することができる。他の例では、レーザ出力は、フリンジの発生に対応する出力を下回って設定される。さらに、レーザ動作電流が、しきい電流を約0.6ミリアンペア−3.0ミリアンペア上回って設定され得る。さらに、レーザ出力が、約5%でのレーザスペクトル全幅が2ナノメートルよりも広くなるように設定され得る。他の例では、レーザ出力が、約5%でのレーザスペクトル全幅が3ナノメートルよりも広くなるように設定される。
本明細書で説明するシステム及び方法の例に従う構成を、例示を目的として示す、添付図面と関連する以下の詳細な説明から、開示された技術の他の構成及び態様が明らかになるであろう。当該概要は、本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、本発明の範囲は本願に添付される特許範囲のみによって定められる。
本明細書で開示する技術を、1つ以上の実装例に従って、以下の図面を参照して詳細に説明する。読み手が開示された技術を容易に理解するために、これらの図面を提供する。これらの図面によって網羅することを意図するものではなく、開示する事項を開示された形態に寸分違わず限定することを意図するものでもない。実際に、各図は、説明のみを目的として提供され、開示された技術の実装例を単に描写する。さらに、説明を明瞭及び平易にするため、図面中の要素は必ずしも縮尺通りに描かれていないことに留意すべきである。
本明細書で開示するシステム及び方法を実装できる、画像走査システムの一例の単純化されたブロック図を示す。 図2A及び2Bは、フォーカストラッキングを行う光学システムの例を示す。特に、図2Aは、本明細書で説明するシステム及び方法の一実装例に従う、フォーカストラッキングに対する光学設計例を示す。図2Bは、図2Aに表す光学システムの一部に対する別の視点を示す図である。 図3Aは、撮像され複数層を含む、1つ以上の試料を収容するように構成される試料容器の例を示す。図3Bは、いくつかの環境における、複層試料容器の複数面から所望の反射及び不必要な反射が生み出される例を示す図である。図3Cは、撮像センサ上の不必要な反射の影響の例を示す図である。図3Dは、本明細書で開示する技術の応用例に従うブロッキング構造を配置することにより、撮像センサにおける雑音を減少させることを示す図である。 図4Aは、本明細書で説明するシステム及び方法の一実装例に従い、フォーカストラッキングビームが向けられる複数の画素(説明の明瞭化のため図示しない)を備える撮像センサの一部を示す。図4Bは、面S2及びS3から撮像センサまで反射される左右のフォーカスビームの強度を、ビームウエストをフォーカストラッキングビームの光路に沿って位置付けするようコリメートレンズを調整した、様々な焦点調整で示す図である。図4Cは、面S2及びS3から撮像センサまで反射される左右のフォーカスビームの強度を、ビームウエストをフォーカストラッキングビームの光路に沿ってより最適に位置付けるようコリメートレンズを調整した、様々な焦点調整で示す図である。 図5Aは、フォーカストラッキングビームを、試料平面に集束させ、撮像センサ上に焦点合わせするように実装されるレンズの例を示す図である。図5Bは、フォーカストラッキングビームを撮像センサに集束させるように実装されるダハプリズムの例を示す図である。 フォーカストラッキングビームのビームウエストを選択された位置に配置するように位置付けられたレンズを含む構成の例を示す図である。 本明細書で説明するシステム及び方法を実装できるフォーカストラッキングシステムの例を示す図である。 一例における反射されたフォーカストラッキングビームの空間的関係を示す図である。 一例における反射されたフォーカストラッキングビームの空間的関係を示す図である。 面S4からの左右のフォーカストラッキングビームの反射を阻止するビームブロッカの配置例を示す図である。 図7の構成例において、図10に示すように配置されたビームブロックを用いて、反射されたフォーカストラッキングビームのビームスプリッタにおける空間的関係を示す図である。 図7の構成例において、図10に示すように配置されたビームブロックを用いて、反射されたフォーカストラッキングビームのビームスプリッタにおける空間的関係を示す図である。 一例における上部ペリスコープミラー及びビームスプリッタから反射するビームを示す図である。 一例における上部ペリスコープミラー及びビームスプリッタから反射するビームを示す図である。 図15Aは、面S2及びS4から反射し、対物レンズから戻り、スプリッタに向かうフォーカストラッキングビームの例を示す上面図である。図15Bは、図15Aの近景であり、面S4から反射されるビームをスプリッタの後面でブロッキング部材によって阻止できる様子を示す図である。図15Cは、スプリッタの後面に位置付けられるブロッキング部材の例の上面図である。図15Dは、反射フォーカストラッキングビームのビーム経路に存在する幅4ミリメートルのブロッキング構造のスプリッタでの表示を示す図である。 図16A及び16Bは、図8−10を参照して説明した実装例に従い、フィルタ/スプリッタでS4の反射を阻止するのに使用できるビームブロッカの例を示す図である。 図17Aは、一例におけるビームスプリッタに設置されるビームブロッカの破断図を示す。図17Bは、ビームスプリッタに設置されるビームブロッカの背面図を示す。 図18Aは、面S1から反射されるビームを阻止するために使用できる開口部の例を示す。図18Bは、開口部をビーム軸に直交するビームスプリッタの前に配置する配置例を示す。 試料の上部で焦点合わせするときの、ビームからの上部ペリスコープミラーにおけるスポットを示す。 試料の底部で焦点合わせするときの、ビームからの上部ペリスコープミラーにおけるスポットを示す。 S2に焦点を合わせて、キャプチャレンジの上部を撮像するときの、S2,S3反射ビームに対するカメラのスポットを示す。 S2に焦点を合わせて、キャプチャレンジの底部を撮像するときの、S2,S3反射ビームに対するカメラのスポットを示す。 S3に焦点を合わせて、キャプチャレンジの上部を撮像するときの、S2,S3反射ビームに対するカメラのスポットを示す。 S3に焦点を合わせて、キャプチャレンジの底部を撮像するときの、S2,S3反射ビームに対するカメラのスポットを示す。 図25Aは、一例における、レーザダイオードがレージングモードで動作するときの、撮像センサ上のビームスポットでのスポットフリンジ変動を示す図である。図25Bは、一例における、レーザダイオードが低消費電力モードで動作するときの、撮像センサ上のビームスポットでのスポット輪郭を示す図である。 ASEモードで動作するレーザダイオードの例を示す図である。 レージングモードで動作するレーザダイオードの例を示す図である。 ハイブリッドモードで動作するレーザダイオードの例を示す図である。 レーザダイオードがレージングモードで動作するよう給電されるときのスポットの大きさの不安定性を示す図である。 図30Aは、レーザダイオードがハイブリッドモードで動作するときの、スポットの動きの例を示す。図30Bは、レーザダイオードがハイブリッドモードで動作するときの、スポットの動きの例を示す。 5%でのスペクトル幅と設定電力との間の関係を求めるために試験した、様々なレーザ光源のスペクトル幅の例を示す図である。
本願に含まれるいくつかの図は、開示された技術の、様々な視野角からの各種例を示す。添付の説明文が、「上面図」、「底面図」又は「側面図」等の様々な視野に言及することがあるが、このような言及は単なる説明であり、別に明示しない限り、特定の空間的方向で開示された技術を実装又は使用することを意味し又は要求するものではない。
開示される技術を変形及び変更して実施することができることが理解されるはずであり、開示される技術は特許請求の範囲及びその均等物のみによって限定されることが理解されるはずである。
本明細書で開示される技術の様々な実施例は、光学的スキャナのフォーカストラッキングに関連するレイテンシーを改善し又は減少させるシステム及び方法を提供する。様々な付加的な実施例は、光学的スキャナのフォーカストラッキングの精度を向上させるシステム及び方法を提供する。更なる例は、両態様を組み合わせる。例えば、いくつかの例では、試料容器からの不所望の反射による迷光が、撮像センサに到達しないように、またフォーカストラッキングビームの検出を妨げないようにする、システム及び方法が提供される。いくつかの応用例において、走査システムの試料容器は、2つ以上の他の層に挟まれた試料層を含むことができる。このような応用例では、複層試料容器に現れる面はそれぞれ、ビームを対物レンズまで、走査システムの復路に反射することができる。ある場合には試料層からの反射よりも強くなり得る不所望の反射は、撮像センサにおいて信号雑音比を減少させて、他のあらゆる光学ノイズに囲まれた実フォーカストラッキングビームの検出を困難とすることがある。また、不所望の反射又は散乱したビームは、撮像センサにおいて、フォーカストラッキングスポットと重なりコヒーレントに干渉し、フリンジが現れ、そのためフォーカストラッキングの精度を落とすことがある。本明細書で開示するシステム及び方法の例は、開口部、ブロッキングバー又は他のブロック部材を、信号経路に沿った1カ所以上の地点に配置し、光学的に不透明な構造をもたらして、他の表面から反射した不所望のビームが撮像センサに到達することを阻止することができる。
他の例として、更なる構成は、レンズ又は他の少なくとも一部が湾曲した光学素子等の光学構造を、光路に含んで、フォーカストラッキングレーザビームを成形することができる。様々な例において、対物レンズの前の光路に光学素子を挿入して、ビームウエストをシステム内に位置付けることで、この構成を実装することができる。特にいくつかの実装では、1つ以上のフォーカストラッキングビームのビームウエストを光路に沿った所望の位置に配置するために、光学素子を、光路に、光ファイバーの出力から所定の距離を置いて位置付ける。光路に沿ったビームウエストの位置を、試料容器の対象の複数面から反射したフォーカストラッキングビームから得られたスポットが、撮像センサ面において互いに同じ大きさ又は実質的に同じ大きさとなるように、選択して、フォーカストラッキングの精度及びレイテンシーを改善することができる。更なる実装では、ビームウエストを光路に沿って最適に配置するために、調整機構を設けて、光学素子の位置を調整することができる。
他の更なる例として、更なる実装は、フォーカストラッキングビーム用光源の構成及び調整を含む。特に、レーザダイオード光源の動作出力レベルを調整し設定して、撮像センサ上のフォーカストラッキングビームスポットのフリンジングを減少させて、より安定で整合的なスポット配置をもたらす、いくつかの例を構成することができる。レーザダイオードが準レージングモード、又は動作ASEモード及び動作レージングモードの両態様を組み合わせたハイブリッドモードで動作するように、レーザの出力レベルを設定することができる。出力レベルを、レーザダイオードが、単一の主要スペクトルピーク及び無視しうる第2ピークを有する、高コヒーレンス光であると通常考えられる光を放出する出力を下回る上端と、レーザが時間的コヒーレントでない光(自然放射増幅光、ASEとも呼ばれる)を完全に放出する出力を上回る下端との範囲内で設定することができる。
本明細書で開示するシステム及び方法の更なる例を説明する前に、システム及び方法を実装できる環境の例を説明することが有益である。このような環境の一例は、図1に示すような撮像走査システムの環境である。撮像走査システムの例は、ある領域の画像を取得又は生成する装置を含むことができる。図1に概形が示される例は、バックライト設計実装の撮像構成の例を示す。
図1の例に見られるように、被検試料が試料容器110に配置され、試料容器110は対物レンズ142下方の試料ステージ170上に位置付けられる。光源160及び関連する光学系により光ビーム、例えばレーザ光を、試料容器110上における選択された試料位置に向けて照射する。試料の蛍光発光及び結果的に生じる光を対物レンズ142により集光し、光検出器140に入射させて蛍光を検出する。試料ステージ170を対物レンズ142に対して移動させることにより、試料容器110上における次の試料位置を対物レンズ142の焦点に位置決めする。試料ステージ170の対物レンズ142に対する移動は、試料ステージ自体、対物レンズ、光学ステージ全体、又はこれらの任意の組み合わせの移動により達成することができる。更なる例として、固定された試料上で撮像システム全体を移動させることもできる。
流体配送モジュール又はデバイス100により、試薬(例えば、蛍光性のヌクレオチド、緩衝液、酵素、切断試薬等)の流れを試料容器110及びウエイストバルブ120に導く。特定の例では、試料容器110を、試料容器110上の複数の試料位置に核酸配列のクラスターを含むフローセルとして実装することができる。シークエンシングされる試料を他の任意要素とともにフローセルの基板に付着させることができる。
システムは更に、温度ステーションアクチュエータ130と、試料容器110内における流体温度条件を制御可能とするヒータ/クーラ135とを備える。試料容器110のシーケンシングをモニタし、又は追跡するために、カメラシステム140を配備することができる。カメラシステム140は、例えば、電荷結合デバイス(CCD)型カメラとして構成することができ、これは、フィルタ切り替えアセンブリ145内における各種フィルタ、対物レンズ142及びフォーカシングレーザ/フォーカシングレーザアセンブリ150と協働させることができる。カメラシステム140はCCDカメラに限定されるものではなく、他のカメラやイメージセンサ技術も使用可能である。
光源160(例えば、複数のレーザを任意的に含むアセンブリにおける励起レーザ)又は他の光源を配備して、試料内における蛍光シーケンス反応を、光ファイバインターフェース161(任意的に、1つ又は複数の再撮像レンズや、光ファイバマウント等を含む)を介して照射することができる。図示例においては、低出力のランプ165、合焦レーザ150及び反転ダイクロイック185も配備されている。幾つかの実施形態において、合焦レーザ150は、撮像の間はスイッチオフされる。他の実施形態において、代替的な合焦形態は、データ収集と同時に表面で反射された散乱ビームの位置を検出するための第2焦点カメラ(図示せず)を含むことができ、これは象限検出器又は位置感知センサ(PSD)等のセンサで構成することができる。
バックライトデバイスとして開示されているが、他の例として、レーザ又は他の光源からの光を、対物レンズ142を通して試料容器110内における試料に照射する構成とすることもできる。試料容器110を試料ステージ170上に載置して、試料容器110を対物レンズ142に対して移動及び整列させることができる。試料ステージ170は、これを三次元における任意の方向に移動可能とする1つ又は複数のアクチュエータを備えることができる。例えば、デカルト座標系に関して、ステージ170を対物レンズに対してx方向、y方向及びz方向に移動可能とするアクチュエータを設けることができる。これにより、試料容器110上における1つ以上の試料位置を対物レンズ142に対して最適整合状態に位置決めすることができる。
本例においては、光学素子を試料容器110に対して焦点方向(z軸又はz方向)に位置決め制御するために合焦(z軸)部品175が設けられている。合焦部品175は、光学ステージ、試料ステージ又はこれら双方に物理的に結合される1つ又は複数のアクチュエータを含むことができ、該アクチュエータにより試料ステージ170上の試料容器110を光学素子(例えば、対物レンズ142)に対して移動させて撮像操作のために適正な合焦状態を提供する構成とすることができる。例えば、アクチュエータは、ステージに対する直接的又は間接的な、機械的、磁気的、流体的又はその他の取付け手段により、或いは接触により、対応するステージに物理的に結合することができる。1つ又は複数のアクチュエータは、ステージをz方向に移動させると共に試料ステージを同一面内に維持する(即ち、光軸に対して垂直なレベル又は水平高度を維持する)ように構成することができる。1つ又は複数のアクチュエータは、ステージをチルトさせるように構成することもできる。これは、例えば、試料容器110を、その面の傾斜が補償されるよう、動的にレベル合わせすることで行うことができる。
システムの合焦とは一般に、対物レンズの焦点面を、撮像すべき試料に対して選択された試料位置において整列させることを意味する。しかしながら、合焦とは、試料表示の所望の特性、例えばテスト試料画像の所望の先鋭度又はコントラストを得るためのシステム調整も意味する。対物レンズの焦点面視野における使用可能な深度は非常に小さい(時には、約1μm以下のオーダ)ため、合焦部品175は、撮像される表面に密接に追従する。試料容器は、器材への取付け状態で完全に平坦ではないため、合焦部品175は、走査方向(y軸と称する。)に移動させる間にそのプロファイルに追従するようにセットアップすることができる。
撮像される試料位置におけるテスト試料から発せられる光は、1つまたは複数の検出器140に向けることができる。検出器は、例えばCCDカメラを含むことができる。開口を位置決め配置して、焦点エリアから発せられる光のみを検出器に向けて通過可能とすることができる。開口は、焦点エリア外のエリアから発せられる光の成分を取り除くことにより画質を向上させるために設けることができるものである。発光フィルタをスイッチングアセンブリ145内に配備して、決定された発光波長のみを記録し、かつレーザ迷光をカットアウトすることができる。
様々な応用例において、試料容器110は、1つ以上の基板を含むことができ、当該基板上に試料が設けられる。例えば、多数の異なる核酸配列を分析するシステムの場合、試料容器110は、試料容器110は、シークエンシングされる核酸が結合し、付着し又は関連づけられる、1つ以上の基板を含むことができる。様々な実装では、基板は、核酸を付着できる、任意の不活性基板又はマトリクスを含むことができる。当該基板は例えば、ガラス表面、プラスチック表面、ラテックス、デキクストラン、ポリスチレン表面、ポリプロピレン表面、ポリアクリルアミドゲル、金表面及びシリコンウエハである。いくつかの応用例では、基板は、基板容器110の至る所に存在するマトリクス又はアレイに形成される複数の位置のチャンネル又は他の区域内に存在する。
図示しないが、操作を制御するためのコントローラを設けることができる。コントローラは、システムの作動要件、例えば、合焦、ステージ移動及び撮像操作を制御するように構成することができる。各種の実施形態において、コントローラは、ハードウェア、コンピュータで読取可能な命令若しくはアルゴリズム、又はこれらの組み合わせを使用する構成とすることができる。例えば、幾つかの実施形態において、コントローラは、1つ又は複数のCPU又はプロセッサと、関連するメモリーを含むことができる。他の例として、コントローラは、作動を制御するためのハードウェア又は回路を含むことができる。例えば、この回路は、フィールドプログラマブルゲートアレー(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)、プログラマブルロジックアレー(PLA)、プログラマブルアレーロジック(PAL)、或いは他の同様なプロセッシングデバイス又は回路の1種又は複数種を含むことができる。更に他の実施形態として、コントローラは、この回路と、1つ又は複数のプロセッサの組み合わせを含むこともできる。
一般に、焦点合わせ作業に関して、集束レーザによって生み出されるフォーカスビームが試料位置から反射されて、必要な焦点を測定し、それから試料ステージが光学ステージに対して移動して、光学ステージの焦点を現在の試料位置に合わせる。試料ステージの光学ステージに対する焦点合わせのための移動は一般に、z軸又はz方向に沿った移動として説明される。用語「z軸」及び「z方向」は、z軸が焦軸を指す顕微鏡検査及び撮像システムの技術で矛盾なく使用されることを意図する。したがって、z軸上の移動は、焦軸の長さの増加又は減少をもたらす。z軸上の平行移動を、例えば試料ステージを光学ステージに対して移動させることで(例えば試料ステージ若しくは光学素子又はこれら両方を移動させることによって)行うことができる。かくして、対物レンズ、光学ステージ若しくは試料ステージ又はこれらの組み合わせを駆動することによって、z軸上の平行移動を行うことができる。この駆動は、1つ以上のサーボ若しくはモータ、又は対物レンズ若しくは試料ステージ又はこれら両方と機能的に連絡する他のアクチュエータによって行うことができる。様々な実装では、アクチュエータは、試料ステージを光学ステージに対して傾斜させて、例えば試料容器を光学撮像軸に直交する平面上に効果的に向けるように構成され得る。動的に傾斜させて試料容器上の試料位置を効果的に向けることで、試料容器を、要求されるようにz軸にほとんど又は全く移動させることなく、x及びy方向に移動させ走査することができる。
図2A及び2Bからなる図2は、フォーカストラッキングを行う光学システムの例を示す。特に、図2Aはフォーカストラッキングを行う光学的設計の一例を示す。図2Bは、図2Aに表す光学システムの一部に対する別の視点を示す図である。混乱を避け読み手の理解を手助けするために、図2Aに表す例には、この例の場合にはセンタービームである単一のビームが図示されている。複数のビーム(例えば3つのビーム)によるシステムを動作させることができる。3つのビームによるシステムは、例えばルックアヘッドフォーカストラッキング又はルックビハインドフォーカストラッキングをもたらすことができる。
以下図2Aを参照して、レーザ270は、ビームを焦点合わせする光を生成し、システムに光学的に結合される。レーザ270からの光を、ファイバーによって、例えばビームスプリッタプリズム272(横変位ビームスプリッタ等)に結合することができる。必要に応じて、例えば光源を選択するために、フィルタを含むことができる。プリズム272は、伝送ビームを分割して、実質的に平行であり強度がほぼ等しい2つのスポットを形成する。プリズム272を、焦点合わせモデルにおいて示差測定を行うために含めることができる。
回折格子274は、入力ビームの複製コピーを生成する。他の構成では、ビームスプリッタキューブ又は複数レーザ光源を使用して、複数ビームを生成することができる。ビームが3つのシステムの場合には、回折格子274は、2つの入力ビームのそれぞれに対して3つの出力ビームを生成することができる。1つの入力ビームに対する例を図2Bに示す。回折格子は(図2Bにも示すように)分岐するビームを生成できるため、フラットトップ又はドーブプリズム276は複数のビームを向け直すことができる。いくつかの実装では、ビームが対物レンズ142の瞳で集束し、ビームが試料容器で試料容器と直交するようにプリズムを構成する。3つの出力ビーム構成に対するこの例を図2Bに示す。試料容器からの受信信号は、ビームスプリッタ277を通って戻り、ミラー279で反射する。ビーム対のそれぞれが分岐しているため、受光プリズム280及び282はスポットを撮像センサ284の焦平面で統合する。いくつかの例では、受光プリズム280及び282を、顕微鏡対象から出た光線を屈折させ向けて撮像センサアレイに適合させるドーブ及びダハプリズム(ルーフプリズム)として実装することができる。ダハプリズムを使用して、戻りビームを屈折させてスポットを撮像センサの焦平面のスポット対で統合することができ、ドーブプリズムを使用して、前後スポット対に屈折させて焦平面の全スポット対を統合することができる。3ビームルックアヘッドにおいて、3つのビームは、ダハプリズムの2つのプリズム半部のそれぞれを通過する。しかしながら、他の軸ではビームが分岐しているため、ドーブプリズムを設けてビームを修正する。
図2を参照して上述した様々な例において、プリズムを使用する様々な光学要素を実装することができる。レンズを使用して当該光学要素の一部又は全部を実装することができるが、プリズム要素は一般に、対応レンズ要素と比較して位置ずれに対してより感度が低いため、プリズムが好ましい場合がある。また、プリズムは一般にレンズシステムよりも小型であり素子の数が少ないため、プリズムはレンズシステムよりも好ましい場合がある。
図1及び2の例における対物レンズ142は、試料容器に一般に円形の視野を提供する。ある実装では、視野の中心が撮像される試料の現在位置である。この視野内の走査方向は、x軸方向又はy軸方向のいずれかである。議論を行うために、走査方向がy軸方向であると仮定する。LED又はレーザ光源等の光源は、フォーカシングビームを生成する。図示した例では、3つのビームを使用して、すなわち1つのビームを現在の試料位置に対して使用するとともに2つの付加的なビームをルックアヘッド及びルックビハインドフォーカストラッキングに対して使用して、3点差分オフアクシス焦点予測評価(a three-point differential off-axis predictive focus estimation)を提供する。これら2つの付加的なビームを使用して、光学ステージと試料容器の試料位置との間の、z軸に沿う焦点距離を求めることができる。
図1及び2で説明するシステムは、本明細書で説明するシステム及び方法を実装できるシステムの例を示す。システム例の文脈において、システム及び方法を本明細書で随時説明するが、当該説明はシステム及び方法を実装可能な単なる例である。本明細書で説明するシステム及び方法を、当該例及び他のスキャナ、顕微鏡及び他の撮像システムとともに実装できる。
既存の走査システムは、焦点合わせ作業用コリメート光を使用する。このようなシステムでは、ビームの全長にわたってほぼ不変の径を維持するコリメート光が、対物レンズに向けられている。コリメートビームが対物レンズに伝達される当該システムの例を、(上述した)図2Aに示す。対物レンズは、コリメート光を試料に焦点合わせする。試料から反射された光は、対物レンズを通って戻り、再びコリメート(平行化)される。反射されコリメートされたビームはその後、システムの撮像センサ(例えば図2Aの例の撮像センサ284)に向けられる。焦点合わせのために、撮像センサにおける反射されたビームの位置を求める。例えば、2ビームシステムにおいて、撮像システム上のスポット位置間の距離を測定してフォーカシングを求める。
コリメート光の光源及び走査システムは既知であるが、本発明では、様々な応用例でコリメート光がフォーカストラッキング作業に悪影響を及ぼし得ることを発見した。悪影響の一つは、フォーカストラッキングビームに対してコリメート光を使用することに起因する、スポットの大きさに関するものである。コリメート光は、全光路にわたって比較的不変の径を保つため、フォーカストラッキングビームは、撮像センサ上で比較的大きなスポットを撮像する。より大きなスポットは撮像センサ上でより多数の画素を含み、これにより測定する必要がある撮像センサの画素の行数を増加させる。そのため、フォーカストラッキング作業に必要な時間が増加する。
対物レンズを使用して複数の異なる面で焦点合わせを行い、対物レンズがこれら異なる面の間の距離に等しい分だけ移動しない場合には、システムに別の悪影響が起きる。このシナリオでは、異なる面から反射されるフォーカストラッキングビームに対して、撮像センサ上に現れるスポットの大きさが異なることがあり、このことがフォーカストラッキング作業に影響を与えることがある。図3は、このような現象の例を示す図である。特に、図3は、撮像される1つ以上の試料を含む試料容器が複数層を有する例を示す。以下図3を参照して、試料容器330は3つの層334,338及び336を含む。この3層の例では、層の間に4つの面が存在する。これらの面は、面S1,S2,S3及びS4で図示される。この例では、焦点合わせ作業のためにフォーカストラッキングビーム333,335(2ビームシステムでは2つのビームが存在する)を試料容器330に焦点合わせする対物レンズ332も図示される。
フォーカストラッキング作業に関して、撮像ビームを、ある場合には面S2に焦点合わせし、他の場合には面S3に焦点合わせすることが重要となり得る。面S2と面S3との間が距離Xだけ離れて固定されていると仮定する。いくつかの応用例では、焦点を面S2と面S3との間で変えるときに、対物レンズ332の動作によって、対物レンズは距離X超又は距離X未満の距離を移動することがある。その結果、面S2及びS3から反射したフォーカストラッキングビーム333,335は異なる径で再びコリメートされ、S2のビームがS3からのビームとは異なる大きさのスポットをもたらすことがある。
この例を図4に示す。特に、図4は、フォーカストラッキングビームが向けられる複数の画素(明瞭化するため図示しない)を含む撮像センサ362の一部を示す。図の左側はシナリオ360であり、撮像センサの一部362を、2ビームシステムで2つのフォーカストラッキングビームのそれぞれから生じるビームスポット34,36とともに示す。スポット34は、2つの撮像面の一方(この例ではS2と仮定する)から反射された左右のビームからなり、スポット36は、2つの撮像面の他方(この例ではS3と仮定する)から反射された左右のビームからなる。この例では図示したように、対物レンズの動きに基づいて、対物レンズに入射する前にともにコリメートされ実質的に同じビーム径を有する、2つのフォーカストラッキングビームが、今度は異なる径を有し、それ故に撮像センサで異なる大きさのスポットを生み出す。より大きな2つのスポットのそれぞれはより多数の画素を含み、それ故に測定する必要がある撮像センサの画素の行数を増加させる。これにより、フォーカストラッキング作業に必要な時間が増加する。これらの理由から、図4の右側に図示されるシナリオ361のような、面S2及びS3それぞれから反射される左右のビームからのスポット34, 36の大きさが実質的に同じであり比較的小さいシナリオが望ましい。
既存のシステムは、フォーカストラッキングビームを撮像センサに集束させ、センサ上のスポットの大きさを減少又は最小化させる、フォーカスレンズを使用することができる。しかしながら、レンズは光学システムに曲面をもたらし、レンズの位置合わせをわずかに変化させ、この変化はセンサ上のフォーカストラッキングビームの配置の誤差をもたらすおそれがある。当該変化はシステムの熱的変動によって起き得る変化を含む。レンズの移動又は変化は、複数フォーカストラッキングビームに異なる影響を与える横方向の移動をもたらすことがある。したがって、図2を参照して上述したように、いくつかの例では、フォーカシングレンズをダハプリズムと交換する。
図5Aは、フォーカストラッキングビームを撮像センサに集束させるように実装されるフォーカシングレンズの例を示す図である。以下図5Aを参照して、光源(例えば図2のレーザダイオード270)からの光がファイバーによってコリメートレンズ400に伝達される(レーザ及びファイバーは図示しない)。コリメートされた光は、例えばビームスプリッタプリズム382(例えば図2のビームスプリッタプリズム272)によって、2つのビームに分割される。説明上不要な混乱を避けるため、レンズ370及び撮像センサ398において2つのフォーカストラッキングビーム394,395が図示されている。しかしながら、図5Aの残りの部分では、2つのフォーカストラッキングビームの1つのみを図示している。
ビームスプリッタプリズム382からのフォーカストラッキングビームは、スプリッタ384を通過し、ミラー386によって反射され、対物レンズ390を通る。対物レンズは、ビームを試料容器392(例えば図3の試料容器330)の試料に焦点合わせする。この例では、フォーカストラッキングビームが試料容器392の面S2から反射される。反射したビーム(依然として1つのビーム394のみを図示する)は、対物レンズ390を通って戻り、ミラー386及びビームスプリッタ384によって反射されてレンズ370に向けられる。戻りビーム394,395はこの時点で分岐しているため、戻りビーム394,395が撮像センサ398で集束するように、レンズ370が実装される。また、フォーカストラッキングビーム394,395は平行光(コリメート光)であるため、レンズ370は、ビームを撮像センサ398上でより小さなスポットに焦点合わせする付加的な機能をもたらす。しかしながら、レンズ370の横方向配置の変化が撮像センサ398上のビームの位置決めに影響を及ぼすため、これらの変化はフォーカストラッキング誤差を生じさせる。
図5Bは、レンズ370をダハプリズム396と交換して、レンズ370の横方向配置の変化がもたらす問題を回避する例を示す図である。レンズ370をダハプリズム396と交換することで、レンズの横方向位置に対するシステムの鋭敏性を減少又は除去する。熱及び他の変動によるプリズムの変化は、撮像センサ398上のフォーカストラッキングビーム394,395のスペーシングに影響を与えない。プリズムの角度偏差はガラスの角度によって完全に決定されるため、ダハプリズム396の横方向変位はビームに影響を及ぼさない。
レンズ370の代わりにダハプリズム396を設けることで、フォーカストラッキングシステムの精度を向上させることができる。スポット間の間隔を用いて、対物レンズから試料容器までの距離を測定するため、ビームの間隔が試料容器への距離のみに依拠する場合に、より高いレベルの精度が得られる。例えばレンズ370の横方向配置の不正確性によってもたらされる、ビームの間隔に影響を及ぼす他の変動は、フォーカストラッキングシステムの精度に悪影響を及ぼす。したがって、横方向変位が存在するときでさえもフォーカストラッキングビームに対して同じ角度を与えるダハプリズムを備えることで、システムの精度に大いに利し得る。
レンズを除くことによる不利益が存在する。レンズが除去されているため、フォーカストラッキングビーム(本例ではビーム394,395)がセンサに焦点合わせされない。したがって、様々な例において、既存の走査システムのようにコリメート光を使用するのではなく、フォーカストラッキングビームを焦点合わせして、ウエストを光路に沿った所与の位置に配置する。これにより、撮像センサ上のスポットをより小さくする。例えば一応用例では、コリメートレンズ400をファイバーの出力部から、そうでなければファイバーからの光がコリメートされるであろう距離よりも遠ざける。コリメートレンズ400が配置される光路に沿った位置は、ビームウエストが配置され光路に沿った位置である必要がある。レンズ370をダハプリズム398と交換したにもかかわらず、反射されたフォーカストラッキングビーム394,395を撮像センサ398にスポットの大きさを減少させて焦点合わせすることができるように、コリメートレンズ400を位置付けてウエストをもたらすことができる。
ビームウエストが光路に配置されるようにコリメートレンズ400を移動させることによる他の利点は、図4Aを参照して上述したように、スポットの大きさの不均衡を減少又は除去するのに役立ち得ることである。試料から戻り、対物レンズを通り、残りの光路を経る光が、センサに当たり、シナリオ361に図示されるような実質的に同じ大きさのスポットを形成するように、レンズ400を設けて光路に配置することができる。特に、いくつかの例において、レンズをファイバー出力部からある距離をおいて位置付けて、ビームウエストをコリメータから所定の距離だけ離して配置し、試料容器の必要な上面及び下面から撮像センサまで伝播するビームの径のバランスを保つ。
一応用例では、ビームウエストをコリメータから690ミリメートル−700ミリメートルの距離に位置付けて、撮像センサに当たるビームの径のバランスを保つとともに径を減少させる。いくつかの例では、スポットの大きさを約400マイクロメートルまで減少させることができる。他の例では、スポットの大きさを300マイクロメートルから500マイクロメートルまでの範囲にすることができる。更に他の例では、他の大きさのスポットを利用することができる。
さらに、ビームウエストを光路に配置するためのコリメートレンズ400の動きは、撮像センサに当たる光の強度のバランスを保つのに役立ち得る。図4Bは、面S2及びS3から撮像センサまで反射される左右のフォーカスビームの強度を、ビームウエストを最適でない位置に提供するようコリメートレンズを調整した、様々な焦点調整で示す図である。この図では、縦軸がスポットの輝度であり、横軸がフォーカシングステージの位置である。図の左側の青の縦線は、一実装例において、S2の反射に対する最適フォーカシング位置を示す。同様に、図の右側の青の縦線は、一実装例において、S3の反射に対する最適フォーカシング位置を示す。この図が示すように、S2ビームの平均スポット輝度はS2フォーカシング位置で約170である一方、S3ビームの平均スポット輝度はS3フォーカシング位置で約85である。したがって、S2及びS3に関するスポット強度はバランスが取れていない。
図4Cは、面S2及びS3から撮像センサまで反射される左右のフォーカスビームの強度を、ビームウエストをフォーカストラッキングビームの光路に沿ってより最適に位置付けるようコリメートレンズを調整した、様々な焦点調整で示す図である。ここでは、ビームウエストは光路に沿って位置付けられ、S2及びS3の反射ビームの強度はよりバランスがとれている。特に、この図は、左右のS2ビームの平均スポット輝度がS2ベストフォーカス位置で約125であることを示す。この図は、左右のS3ビームの平均スポット輝度がS3ベストフォーカス位置で約130であることも示す。図4Bと4Cとを比較すると、ビームウエストの光路に沿った配置が、S2及びS3フォーカストラッキングビームの強度のバランスに影響を及ぼし得ることが示される。
図6は、フォーカストラッキングビームのビームウエストを選択位置に配置するように位置付けられたレンズを含む構成の例を示す図である。この例では、レーザ光源(例えばレーザ光源270)等の光源(図示せず)からの光が、フェルール434によってレンズハウジングアセンブリに接続される光ファイバーケーブル432によって伝播される。フェルール434は、挿入部436に固着されたマウンティングブロック435に装着される。所与の焦点距離のレンズ440は、ファイバー432の出力部から所定の離間距離を置いて配置され、レンズハウジングアセンブリによってこの離間距離を維持することができる。この例では、ファイバーからの光が、本体部438に装着された挿入部436の開口部を通って進む。レンズ440の焦点距離と、ファイバー432の出力部からのレンズ440の距離とを選択して、ビームウエストを光路に沿った所望の位置に配置する。上述したように、また以下より詳細に説明するように、ファイバーの出力部とレンズ440との間の距離を選択して、ビームウエストを所望の位置に配置する。
この例では、レンズ440とファイバーの出力部との間の間隔は14.23ミリメートルであり、この間隔はレンズ表面とファイバーとの間の作動距離である。レンズの有効焦点距離は15.7ミリメートルである(この距離は、レンズ主面に関するため、レンズの背面焦点距離よりも長い)。レンズ頂点から光路上のレンズの焦点までの距離である、コリメータのレンズの背面焦点距離が13.98ミリメートルであるため、背面焦点距離は14.23ミリメートルよりも短い。
図示した例において、挿入部436は、本体部438が画定する空洞内に摺動可能に装着され、本体部438の空洞内に摺動可能に装着される挿入部436によって、ファイバーの出力部とレンズ40との間の距離を調整できる。止めねじ442又は他の係止機構を備えて、挿入部436を本体438内の定位置に係止することができる。摺動可能な挿入部436を使用することで、システムを調節して、撮像センサ上のスポットの大きさを調整又は最適化することができる。これにより、最終的なシステム構成を調節又はインフィールド調整できる。図6に示す例では、レンズ440は平凸レンズである。しかしながら、当業者は、本明細書を読解した後に、例えば両凸レンズを含む、他のレンズ構造を使用することができることを理解するであろう。
いくつかの応用例では、レンズは、ビームウエストを対物レンズ内に位置付けるように構成される。特に、いくつかの応用例では、レンズは、ビームが試料に当たる前にビームウエストを対物レンズ内に位置付けるように構成される一方、他の応用例では、レンズは、ビームが試料から反射した後にビームウエストを対物レンズ内に位置付けるように構成される。他の応用例では、レンズは、ビームウエストが、反射したビームが対物レンズを出た後の対物レンズの前に、又は対物レンズと試料との間に生じるように構成される。レンズの配置を、例えばモデル化ソフトウェアを使用する反復プロセスによって決定して、撮像センサ上で所望の大きさ及びバランスのスポットを得られる。
スポットの大きさのバランスを取ることに加えて、一般により小さなスポットを利用して焦点決めの速度を向上させる。撮像センサから情報を読み取るのに必要な時間は、フォーカストラッキングシステムのレイテンシーに影響を及ぼす。特に、所与の画素密度を有するセンサに関して、より大きなスポットは、より多数の画素を覆い、スポット径内の各画素からデータを読み取るためにより長い時間が必要となる。したがって上述したように、ビーム径のバランスを保つために使用されるレンズを用いて、撮像センサに当たるスポットの大きさを減少させることもでき、それにより、焦点決め作業のためにスポット位置(又は複数ビームの焦点合わせに関する位置)を求めるのに必要な時間を減少させることができる。
図3を参照して上述したように、いくつかの応用例では、複数の試料容器を使用して、走査システムが撮像する試料を担持することができる。上述した例で説明したように、撮像される試料を層338の溶液に含有させることができる。撮像を行うために、少なくとも層334は、撮像に使用されるビームに対して光学的に透過的である必要がある。層336も、光学的に透過的とすることができる。したがって、面S1,S2,S3及びS4は一般的に反射的である。なお、撮像ビームが層338の試料に到達するために重要であるため、面に反射防止コーティングを使用することは望ましくない。したがって、フォーカストラッキング及び撮像作業の間の、面S1及びS4からの不必要な反射は、システムで不必要な光学雑音を生み出すことがあり、撮像センサで集められるビームであるS1及びS4からの反射ビームを弱めることがある。
図3Bは、いくつかの環境における、複層試料容器の複数面から不必要な反射が生み出される例を示す図である。この例に見られるように、3層試料容器は、面S1,S2,S3及びS4を含む。明瞭化のため、単一のフォーカストラッキングビーム465を図示する。しかしながら、他の応用例では、複数のフォーカストラッキングビームを使用することができる。例えば後述する例では、2つのフォーカストラッキングビームが記載されたシステムを説明する。この例で見られるように、ビームが、面S1,S2,S3及びS4のそれぞれから反射される。試料は面S2とS3との間に存在するため、面S2及びS3はシステムが焦点合わせするように設計される面である。したがって、面S1から反射したビーム467と、面S4から反射したビーム469とは、有益な情報を返さず、不必要な反射となる。面S2及びS3からの反射が、フォーカストラッキングのために着目する反射である。したがって、面S1及びS4から反射する光が検出器に到達する場合、当該光がフォーカストラッキングビーム反射の検出を妨げ得る雑音をもたらすことがある。
図3Cは、撮像センサ上の不必要な反射の影響の例を示す図である。不必要な反射の結果、この例で見られるように、フォーカストラッキングビームがもたらすスポット482に加えて、撮像センサ上に現れる相当な量の雑音が存在する。また他の例では、不必要な反射が、撮像センサ上に追加的なスポットとして現れることがある。図3Dは、以下説明する例に従うブロッキング構造を配置することにより、撮像センサにおける雑音を減少させることを示す図である。
この問題は、面S1及びS4からの反射の強度が、試料からの反射よりも大きい状況で悪化する。試料容器が光学的に透過的であることが重要となるため、反射防止コーティングが試料容器上に設けられていない。また、ガラス面からの反射は、生体試料からの反射よりも強くなりやすい。そのうえ、試料容器が面S2及びS3上にナノウェル又は他の同様のパターンを含む応用例では、ナノウェル又は他の同様のパターンが、これらの面からの反射を更に減少させることがある。したがって、面S1及びS4からの不必要な反射の強度は、面S2及びS3からの反射よりも強くなりやすい。例えば、いくつかの応用例では、面S1からの反射の強度は、面S2及びS3からの反射の100倍(又は更に大きい)ことがある。この課題を改善し、フォーカストラッキング作業からこれらの不必要な反射を取り除くために、ブロッキング構造を、試料と撮像センサとの間の光路に沿う所定の位置に備え、不必要な光が撮像センサに到達することを阻止する、様々な例を実装することができる。
図7は、本明細書で説明するシステム及び方法の例を実装できる走査システムの他の例を示す図である。以下図7を参照し、この例はレーザ光源等の光源(図示せず)を含む。例えば、一応用例では、光源は、ファイバカプラー及び図6等に示す例のようなレンズ構造を用いてシステムに結合されるレーザダイオードとして構成され得る。他の例として、光源を、フォーカストラッキング作業用のコリメート光をもたらすコリメータを有するレーザダイオードとして構成することができる。
この例では、レーザからの光を、光を2つの平行なビームに分離する横方向変位プリズム522に導く。単一のフォーカストラッキングビーム又は3つ以上のフォーカストラッキングビームを有する他の構成を実装することができる。動作中、フォーカストラッキングビームは、ビームスプリッタ524を通って送出され、上部ペリスコープミラー526及び下部ペリスコープミラー528から反射される。フォーカストラッキングビームは、ペリスコープ窓530及び(ダイクロイックフィルタとして実装することもできる)ビームスプリッタ532を通って伝達する。ビームはその後ミラー536から反射され、対物レンズ538によって試料容器540に焦点合わせされる。試料容器からの反射は、対物レンズを通って戻り、ビームがビームスプリッタ524から反射されるまで同じ経路をたどる。ビーム同士がわずかに離れることがあるため、ダハプリズム546を設けて、ビームを平行方向に又はわずかに集束する構成に向け直して、ビームをともに撮像センサの比較的小さな区域に向けることができる。この例では、カメラ回動ミラー548は、フォーカストラッキングビームを撮像センサ550に向ける。本明細書で説明するブロッキング構造の例は、この構成例に関して説明しているが、当業者は本明細書を読解した後、ブロッキング構造の様々な幾何学的形状又は配置を、様々に構成されたシステムで利用して、複数面試料容器からの不必要な反射を阻止する方法を認識するであろう。
図7のシステム例を形成して、システムの面S1−S4から反射されるビームの経路を決定して、面S1及びS4からの不必要な反射が撮像センサに到達することを阻止できる、復路に沿った位置を特定する。このモデル化の結果としての、経路に沿った様々な位置におけるビームの空間的な関係を図8,9,11,12,19,20,21,22,23及び24に示す。これらの図が示すように、面S1−S4から反射されたビームの空間的関係は、システムの復路にわたって変化する。複数ビームの位置は復路の丈に沿って相対的に変化し、複数ビームの位置は目標に対する試料容器の配置によっても変化する。前方方向及び戻り方向に進む焦点合わせビームが存在し、両方向に進む撮像ビームも存在することが、複雑性を増加させている。したがって、所望のフォーカストラッキング及び撮像ビームへの干渉を阻止しながら、ブロッキング構造を、不必要な反射が撮像センサ上のノイズに影響することを効果的に阻止する光路内の定位置に構成することはささいな仕事ではない。
図8及び9は、図7の構成例において、例えば図3Bに示す複層試料容器を用いた、反射されたフォーカストラッキングビームのビームスプリッタ532における空間的関係を示す図である。図8及び9は、21ミリメートル×21ミリメートル区域内のビームを示す。図8は、システムが試料ウェルの面S2の最上部に焦点合わせするように構成されるときの、ビームスプリッタ532における複数ビームの空間的関係を示す一方、図9は、システムが試料ウェルの面S3の底部に焦点合わせするように構成されるときの、ビームスプリッタ532における複数ビームの空間的関係を示す。これらの図は、S2及びS3で焦点合わせされたシステムに関して、ビームスプリッタ532における反射されたビームを示す。当該ビームは、以下の3つの空間的グループの面に当たり、この3つのグループとは、面S1、S2及びS3からの左方フォーカストラッキングビームの反射である第1グループと、面S1、S2及びS3からの右方フォーカストラッキングビームの反射である、第1グループから物理的に離れた第2グループと、面S4からの左右のフォーカストラッキングビームの反射である、これら2つのグループの間の区域に存在するグループと、である。ビーム間の当該空間的関係に関して、面S2及びS3からの所望の反射を抑制せずに通過させつつ、面S1からの左右の反射を効果的に阻止する開口部の構成を用いることは困難であろう。しかしながら、面S4からの反射が、他の反射に対して空間的に良好に分離されているため、面S4からの反射を復路に沿うこの位置で阻止することができる。
図10は、一実装例に従い、面S4からの左右のフォーカストラッキングビームの反射を阻止するビームブロッカの配置例を示す図である。この例は、図8及び9に示したようにビームスプリッタ532で互いに集束する面S4からの反射424を示す。この例は、ブロッキング構造を備えて、面S4からのこれら反射を、面S2及びS3からの所望の反射に干渉すること無しに、阻止できる様子も示す。図示した例では、ビームスプリッタ532のフォーカストラッキングモジュール側で、幅4ミリメートルのオブスキュレーションを用いて、この例を実装することができる。
図11及び12は、図7の構成例において、例えば図3Bに示す複層試料容器を用いた、反射された複数フォーカストラッキングビームのビームスプリッタ532における空間的関係を示す図である。図11及び12は、25ミリメートル×25ミリメートル区域内のビームを示す。図11は、システムが試料ウェルの面S2の最上部に焦点合わせするように構成されるときの、上部ペリスコープミラー526における複数ビームの空間的関係を示す一方、図12は、システムが試料ウェルの面S3の底部に焦点合わせするように構成されるときの、上部ペリスコープミラー526における複数ビームの空間的関係を示す。この例において、面S4から反射されるフォーカストラッキングビームの反射が、復路のこの点に到達する前に、ビームスプリッタ523で阻止され、面S4からのスポットは存在しない。より重要なことには、この例は、面S1から反射されるビームが、面S2及びS3からの所望の反射から空間的に良好に分離されることを示す。
このビームの空間的配置に関して、開口部を利用して、S2及びS3から反射されたビームを通過させ、最終的には撮像センサに到達できるようにしつつ、S1の反射を阻止することができる。図13及び14は、上部ペリスコープミラー526及びビームスプリッタ524から反射されるビームを示す。図示するように、ビームが上部ペリスコープミラー526で阻止されない場合、ビームはビームスプリッタ524から反射されてダハプリズム546の縁に当たるであろう。このモデル化が示すように、20ミリメートル×20ミリメートルの開口部を上部ペリスコープミラー526に配置することで、面S1から反射されるビームを阻止することができる。あるいは、上部ペリスコープミラー526の大きさを20ミリメートル×20ミリメートルの寸法まで小さくして、面S1から反射されるビームが撮像センサまで戻らないようにできる。他の応用例において、又は開口部の他の配置位置では、実装される開口部の大きさを、S1ビームの位置に基づいて変えることができる。他の実装例では、開口部の幅は20.8ミリメートルである。この幅を選択して、S2の画像を約−20マイクロメートルから+30マイクロメートル(一応用例におけるS2に対するベストフォーカスに関する)に、S3の画像を約−25マイクロメートルから+25マイクロメートル(一応用例におけるS3に対するベストフォーカスに関する)に調整する。
図15Aは、試料から反射し、対物レンズ538を通り、ビームスプリッタ532に向かうフォーカストラッキングビームを示す上面図を提供する。ミラー536は図15Aに図示されていないが、図15Aはビームスプリッタ532に向かって反射される反射フォーカストラッキングビームを示す。この例は、ビームスプリッタ532の背面に位置付けられるビームブロッカによって阻止されるS4の反射ビームも示す。ビームブロッカは図15Aに示されていないが、図16A及び16Bに実例を提示している。
図15Bは、図15Aの近景を提供し、ビームスプリッタ532の後面に存在する面S4から反射されるフォーカストラッキングビームの例を示す。この例が示すように、面S4から反射されるフォーカストラッキングビームはブロッキング部材562によって阻止される。またこの例が示すように、ブロッキング部材562の前面は、ビームスプリッタ532の後面と実質的に平行に向けられている。一実装例では、ブロッキング部材562がシステムにビームスプリッタ532の後面から50マイクロメートルだけ離れて配置される。他の例では、他の間隔スペーシングを設けることができる。例えば、いくつかの実装では、スペーシングを25マイクロメートル−100マイクロメートルの範囲とすることができる。この例はブロッキング部材562が矩形断面を有するものとして示すが、他の形状又は幾何学的形状を利用してブロッキング部材562を実装することができ、図16A及び16Bを参照してこの例を以下示す。
図15Cは、撮像システムの一部の中に位置付けられるブロッキング部材とスプリッタとの例の上面図を示す。この例では、ブロッキング部材562をブームスプリッタ532の後面に位置付けて面S4から反射されるビームを阻止する。対物レンズ538から現れる反射ビームは、ミラー526によってビームスプリッタ532に向かって反射される。ブロッキング部材562は、面S4から反射されるビームを阻止するように位置付けられ、幅が十分に小さく面S2及びS3から反射されるビームを妨げない。
図示した例では、ブロッキング部材562の幅は4ミリメートルであり、長さは2ミリメートルであり、対物レンズ538の光軸からわずかにオフセットしている。しかしながら、ブロッキング部材562は、ハウジング565に装着された下部ペリスコープミラー528の中心と位置合わせされており、特に、一実装例では、ブロッキング部材562は、対物レンズ光軸の1.1ミリメートル左方にオフセットして、ブロッキング部材562が面S4から反射されるビームに対して中心に配置されることを確保する。
図15Dは、反射フォーカストラッキングビームのビーム経路に存在する幅4ミリメートルのブロッキング構造のスプリッタにおける表示を示す図である。この例が示すように、ブロッキング構造(長方形631によって表される)の4ミリメートルの幅は、図15Dの中心に示される面S4から反射されるフォーカストラッキングビームを阻止するのに十分な幅である。またこの例が示すように、ブロッキング部材の幅が、不必要な反射ビームを阻止するのに十分な幅とであるが、S2及びS3の撮像に対して可能な限り大きなキャプチャレンジを依然として提供するように選択される。焦点合わせのわずかな変化が、スプリッタのビームの位置に対応する変化を起こし得るため、ブロッキング部材の幅を、理想的な焦点合わせ条件でビームを阻止するのに必要な幅よりもいくぶん広く選択することができる。言い換えれば、ブロッキング部材の幅を、フォーカシングシステムの既定の不正確さを許容するのに十分な幅とすることができる。
図16A及び16Bは、図8−10を参照して説明した実装例に従い、スプリッタ532でS4の反射を阻止するのに使用できるビームブロッカの例を示す図である。図17及び18は、図16A及び16Bに示すビームブロッカの配置例を示す図である。図16Aの左側は、(ビームの視点から見た)ビームブロッカ620の背面図を示し、図16Aの右側は、ビームブロッカ620の斜視図を示す。ビームブロッカ620は、反射ビームが通過できる開口部624を画定するフレーム部622を含む。ブロッキング表面630を含むビームブロッキング部材626は、延長アーム628によって、S4からの不必要な反射ビームを阻止する定位置に支持される。図示した例では、延長アーム628は、フレーム部622の両側に取り付けられ、付着し、結合され又は接続される細長い構造部材であり、ビームブロッキング部材626は、延長アーム628の両先端部にわたって延在する。
フレーム部622及び延長アーム628は、ビームブロッキング部材626をビームスプリッタ532の定位置に、面S2及びS3からの反射を妨げることなく装着できる装着構造を提供する。ビームブロッカ620を、一体構造として鋳造し、成形し、機械加工し又は組み立てることができる。他の例では、ビームブロッカ620を構成する複数要素を、互いに取り付けられ、結合し、固定され又は接続されて、結果として組立体を形成する別個の構成要素とすることができる。ビームブロッカ620を、システム内で他の不必要な反射を妨げる光吸収面、不透明面を用いて実装することができる。例えば、ビームブロッカ620を、黒アルマイト加工処理されたアルミニウム又は他の光吸収材料若しくは光吸収コーティング材料を用いて製造することができる。ビームブロッカ620を、特定の応用例に対する大きさとすることができる。一応用例では、ビームブロッカ620を、幅30ミリメートル高さ21ミリメートルの開口部と、長さ25ミリメートルの延長アーム628と、幅2.8ミリメートル長さ21ミリメートルのブロッキング面とを提供する大きさとする。
以下図16Bを参照して、上図682はビームブロッカ620の上面図であり、下図683はビームブロッカ620のAにおける側方断面図である。延長アーム628の前縁にはテーパーが付けられて、図17(後述する)に更に示すように、ビームスプリッタ532の角度に適合する。ビームブロッキング部材は、三角形断面を有し、到来するビームに対して平坦ブロッキング面630を提供する方向に向けられる。ビームブロッカ620を、光吸収材料を利用して製造することができるが、不必要なビームに対して三角形断面を差し出すことで、復路からの吸収されない任意の光を反射する効果を持つことができる。
図17Aは、ビームスプリッタ532に設置されるビームブロッカ620の破断図を示す。以下図17Aを参照して、動作中、面S1,S2,S3及びS4から反射するフォーカストラッキングビームが、対物レンズから進み、ミラー536から反射し、ビームスプリッタ532に向けられる。ブロッキング部材626のブロッキング面630(図16A及び16B参照)は、S4の反射がビームスプリッタ532を過ぎて継続することを阻止する。この例では、延長アーム628の大きさを、ブロッキング部材626がビームスプリッタ532の表面又はその付近に配置されるための大きさとしていることが示される。この図は、ブロッキング部材626のブロッキング面630をビームスプリッタ532に隣接して配置させるとともに、ブロッキング部材626の角度をビームスプリッタ532の角度と実質的に等しくする、延長アーム628のテーパーが付けられた前部の角度も示す。いくつかの例では、ブロッキング部材626を、ブロッキング面630がビームスプリッタ532と接触する関係となるように位置付ける。他の例では、ブロッキング部材626を、ブロッキング面630がビームスプリッタ532の面から小さな距離だけ、例えば50マイクロメートルから500マイクロメートルだけ離れるように位置付ける。
代替的な例では、ブロッキング要素をビームスプリッタ532の裏面に、図16及び17に示す構造無しに配置することができる。例えば、いくつかの例では、不透明な材料のストリップをビームスプリッタ532の後面に取り付けることができる。他の例では、不透明な又は光学的に吸収性のコーティングを細いストライプでビームスプリッタ532の後部に塗布することができる。
走査動作のために、例えば赤色及び緑色撮像ビームとすることができる撮像ビームは、矢印690で示すように右側からシステムに入る。これらのビームは、ビームスプリッタ532の前面から反射されてミラー536に向かう。ミラー536は、撮像ビームを対物レンズに下向きに反射する。したがって、ブロッキング部材626の位置も、(ビームスプリッタ532の前面によって)試料に向けて反射される撮像ビームを妨げないように選択される。
この例は、ブロッキング部材626が、三角形断面を示し、ブロッキング部材626の後縁にテーパーが付けられて鋭角で交差することも示す。ブロッキング面630が面S4からの反射を阻止し又は実質的に阻止するのに適切な大きさである限り、ブロッキング部材626に他の断面形状を用いることができる。しかしながら、ブロッキング部材626の後方に向かって断面が減少する図示した幾何学的形状は、ブロッキング部材626が所望のビームに関して不必要に妨害するおそれを最小化できる。
図17Bは、ビームスプリッタ532に設置されるビームブロッカ620の背面図を示す。図17Bは、ボルト732を用いて定位置に装着されるフレーム部622を示す。図17Bは、開口部624によってもたらされ、ブロッキング部材626が面S4からの光を当該光がビームスプリッタ532を出る前に阻止しながら、面S2及びS3から反射する光(及び、当該光路で後に阻止される、面S1から反射する光)を通す窓を示す。
図18Aは、面S1から反射されるビームを阻止するために使用できる開口部の例を示す。一例では、開口部を、ペリスコープ開口部のフォーカストラッキングモジュールの内壁に配置することができる。上述したように、一実装例では、開口部は20.8ミリメートル×20.8ミリメートルであるが、他の例では、異なる開口部の大きさを提供することができる。ブロッキング部材と同様に、開口部の大きさを、S2及びS3の反射ビームに対して、「ベストフォーカス」を考慮して可能な限り大きなキャプチャレンジを提供しつつ、不必要な反射を阻止するように選択することができる。図18Bは、ビーム軸に直交するビームスプリッタ524の前に存在する開口部740の配置例を示す。
図19及び20は、S4の反射を阻止する付加的なビームブロッカ620と、S1の反射を阻止する20.8ミリメートル×20.8ミリメートルの開口部との成果を示す。図19は、試料の上部(面S2)で焦点合わせするときの、ビームからの上部ペリスコープミラー526におけるスポットを示し、図20は、試料の底部(面S3)で焦点合わせするときの、ビームからの上部ペリスコープミラー526におけるスポットを示す。
ここまで、面S2及びS3での対物レンズの焦点合わせに関して説明したが、理想的な焦点合わせは必ずしも達成されず、それ故に、試料の上部よりも上までで、試料の下部よりも下までのキャプチャレンジを占める例を実装することができる。例えば、試料の上面及び下面から+/−25マイクロメートルの焦点合わせを許容する「ベストフォーカス」を想定して、上述したモデルを実施する。この「ベストフォーカス」のモデリングにより、上述した構造が、ベストフォーカス作業下で面S1及びS4からの不必要な反射を阻止するのに十分であることを確証した。
図21−24は、例示的「ベストフォーカス」キャプチャレンジの上部及び底部における、撮像センサにおけるスポットの配置を示す図である。この例では、キャプチャレンジを+/−25マイクロメートルとしてモデリングを実施した。これらの図は、撮像センサの11.26ミリメートル×11.26ミリメートルの区域を示す。図21は、S2から1.064ミリメートルの対物位置でS2に焦点合わせを行い、キャプチャレンジの上部を撮像するときの、S2,S3反射ビームに対するカメラのスポットを示す。図22は、S2から1.014ミリメートルの対物位置でS2に焦点合わせを行い、キャプチャレンジの底部を撮像するときの、S2,S3反射ビームに対するカメラのスポットを示す。図21及び22は、理想的な焦点位置からの+/−25マイクロメートルの変動を示す。図23は、S3に焦点を合わせて、キャプチャレンジの上部を撮像するときの、S2,S3反射ビームに対するカメラのスポットを示す。図24は、S3に焦点を合わせて、キャプチャレンジの底部を撮像するときの、S2,S3反射ビームに対するカメラのスポットを示す。
上述したように、複数ビームシステムに関するフォーカストラッキング動作時に、撮像センサ上のフォーカストラッキングビームの複数スポット間のスポット間隔又は距離を測定して、焦点合わせを行う。したがって、スポット間隔の安定性は、正確な測定を行う際に重要な要因となり得る。スポット間隔の安定性は、フォーカシングステージ(zステージと呼ばれることもある)の動き、時間の関数としてのスポット品質/形状、及びスポット間隔を分解するために使用されるセントロイドアルゴリズムの分解能等の要因によって影響され得る。スポット間隔安定性に対する問題は、スポットが本質的にフリンジを含むことである。レーザのモードホッピングの結果、フリンジパターンが変化し、フォーカストラッキングモジュールのスポット間隔安定性に影響を及ぼすスポット輪郭の経時的な変動を引き起こすことがある。このことの例を図25Aに示す。図25Aはスポットのフリンジ変動を示す。この例は、動作電力12ミリワット、露光時間250マイクロ秒、定位置の光学密度1.0(OD1.0)NDフィルタにおける、レーザに対するスポットのフリンジ変動を表す。
自然放射増幅光(ASE)と一般に呼ばれるモードのレーザ動作は、よりきれいなスポット輪郭を提供する傾向がある。この例を図25Bに示す。この例は、500マイクロワットで動作し、250マイクロ秒(us)の露光で動作する、同一のレーザダイオード(NDフィルタは存在しない)に対するものである。このモードでは、光源が、時間的に非干渉性の光を放射し、光はレーザというよりむしろLEDのように振る舞い、5から10ナノメートルの半値全幅の強度(full width at half maximum intensity)で帯域幅が光学的に広い。しかしながら、ASEモードの動作に対していくつか欠点が存在する。なぜならば、一般的な既存の撮像システムはこのようなモードで動作しないからである。第1に、ASEモードはレーザダイオード用のレージングモードではなく、それ故に出力電力が非常に低い。ASEモードは一般に、レーザ処理が起きる発振(レージング)閾値を下回るモードとして定義される。そうであるから、出力は時間的に非干渉的であり、広域スペクトルにわたる周波数成分を含む。
図26は、ASEモードで動作するレーザダイオードの例を示す図である。この例では、レーザダイオードが0.17ミリワットで動作し、広い波長帯にわたる周波数成分を有し、(レージングモードで動作するダイオードと比較したときに)比較的平坦なスペクトルを示す。単一の動作モードは存在せず、出力は干渉性ではない。光源の非干渉性は、弱め合う干渉及び色収差等の不要な効果をもたらすことがある。さらに、ASEモードで動作することは単純に非実用的となることがある。なぜならば、十分な強度のビームを生成する十分な放射電力が存在しないからである。しかしながら、レーザがASEモードで動作できる他の応用例が存在する。このモードでは、レーザダイオードは、よりLEDのように振る舞う傾向があり、そうであるから、特定の応用例に対して有益となり得る。
図27は、レージングモードで動作する同一のレーザダイオードの例を示す図である。図27の上側の図は、0.96ミリワットで動作する同一のレーザダイオードを示し、図27の下側の図は、1.22ミリワットで動作する同一のレーザダイオードを示す。両方の場合で、出力は高干渉性であり、動作周波数で事実上単一の支配的ピークと、ほとんど無視される第2ピークとを有する。このことは、支配的ピークを持たないASEモードとは対照的に際立っている。
図28は、ハイブリッドモードで動作するレーザダイオードの例を示す図である。図28は、この例において0.43ミリワットで動作するレーザを示す。この電力レベルでは、少数の支配的なピークを形成し始めるが、依然として強い第2ピークが存在する。この図が示すように、レーザダイオードは、強いレージングモードではないが、完全なASEモードでもない。電力レベルは依然として既に定義したレージング閾値を上回り得るが、出力は完全な干渉性ではない。
ASEモードは十分な電力が無い出力を生み出し得るため、ASEモードの動作は動作上実用的ではない。しかしながら、図25Aを参照して上述したように、レージングモードで走査システムを動作させると、スポット測定の不安定性をもたらす時間的に変化するフリンジが生成される。
この例を図29に示す。図29は、本明細書で説明するシステム及び方法の一例に従って、レーザダイオードに給電してレージングモードで動作させるときの、スポットの形態の不安定性を表す。この図に示すように、撮像センサ上の左方のビームスポットの標準偏差は1.619画素であり、撮像センサ上の右方のビームスポットの標準偏差は0.518画素である。しかしながら、左右のスポットに関するグラフが示すように、各ビームに関して、あるフレームから次のフレームまでのスポットの動きは急激となり得て、実際に数画素変位し得る。2つの隣接するフレームの左方スポットのビーム輪郭は、図29の右側の輪郭画像に示される。これらの輪郭画像は、ビームのスポット配置の偏差が経時的に起きる様子を示す。
焦点は、撮像センサ上の左右のスポット間の距離を測定することで決定されるため、スポット配置の偏差はフォーカストラッキングの不正確さをもたらすことがある。図29の上2つのグラフに示す左右のビームの動きの影響を、図29の下のグラフに示す。このグラフは、同じ数のフレームにわたる、左右のスポット間の距離の変化(ここではΔXと呼ばれる)を示す。このグラフは標準偏差が1.178画素であることを示し、このことは95%信頼区間(ガウス母集団に関して2×標準偏差に近似する)が+/−141ナノメートル(±141ナノメートル)のスポット間隔の安定性をもたらす。図に示すように、この値は、(1.178×1.96)/16.36 μm=+/-141nmとして求められる。この係数16.36は、単位が画素/マイクロメートルのフォーカストラッキングゲインを示す。この係数は、対物レンズから試料までの距離が1マイクロメートル変わるたびに得られるスポット間隔の画素の数を表す。この係数は、スポット間隔(画素)の微小変化(a delta)を、z方向スペース(ナノメートル)の微小変化に変換するために使用される。
発明者は、フリンジパターンの干渉が、図3Aに示すような試料容器の多階層構造によって起きることを発見した。発明者は、このことが、多層ガラス試料容器内での複数ビーム及び/又は散乱光の重畳の結果であることを更に発見した。他の事項を変えることなく試料容器の位置(例えばX及びY方向の位置)を変えることで、フリンジの動きの結果が変わり得る。
図30A及び30Bは、レーザダイオードがハイブリッドモードで動作するときの、スポットの動きの付加的な例を示す。特に、図30A及び30Bは、レーザがモードホッピングせず安定している、より最適なシナリオを示す。図30Aに示すように、左方のスポットの標準偏差は0.069画素まで低下し、右方のスポットの標準偏差は0.064画素まで低下する。図30Aの上2つのグラフが示すように、フレームからフレームへのスポットの動きが一般に1画素未満である。この動きは付加的であり得るため、左右スポット間の差ΔXの標準偏差を0.122画素とすることができる。これにより、スポット間隔の安定性を+/-14.6nm ((0.122*1.96)/16.36 μm=+/-14.6nm) まで減少させる。ここで、16.36とは、FTMゲインであり、単位は画素/マイクロメートルである。これは、対物レンズがz軸方向に1マイクロメートル移動するときに得られる、ΔXの画素量である。これを使用して、画素次元のΔXをマイクロメートル次元のzスペースに変換することができ、そしてマイクロメートル次元のzスペースを画素次元のΔXに変換することができる。さらに、1.96は、誤差分布の95%信頼区間を表す標準偏差に関する増倍率である(ガウス分布であると仮定している)。
図30Bの例において、左方のスポットの標準偏差は0.069画素まで低下し、右方のスポットの標準偏差も0.069画素まで低下する。図30Bの上2つのグラフは、フレームからフレームへのスポットの動きが一般に1画素未満であることを示す。この動きは付加的であり得るため、左右スポット間の差ΔXの標準偏差を0.127画素とすることができる。これにより、スポット間隔の安定性を+/-15.2nm ((0.127*1.96)/16.36 μm=+/-15.2nm) まで減少させる。
上述したように、レーザを既存のASEモードで動作させることは実用的ではない。まさに説明したように、レージング閾値を超える電力レベルで動作するレーザダイオードによって精度が悪化し、このことは特に(例えば電力変動による)モードホッピングが起きるときに当てはまる。しかしながら、発明者は、レーザをASEモードと完全なレージングモードとの間のハイブリッドモードで動作させることで、撮像センサでの測定に十分なビーム強度が提供され、スポット配置の安定性が向上して測定精度が改善することを発見した。いくつかの例では、レーザダイオードのレージング閾値をわずかに超えて動作することで、このモードを達成することができる。例えば、このことは、レージング曲線のニーをわずかに過ぎて起きることがあり、依然として電力のかなりの部分がASE状態であるのに十分な低さである。これにより、大量の光が依然としてより広いスペクトル幅を持ち、干渉性が著しく低下した出力を生み出す。
レーザをハイブリッドモードで動作させることは、同じ効果を達成しようとするために使用され得る他の光源と比較して、有利になり得る。レーザダイオードは、当該分野において様々な企業がこの種類の装置を大量に製造しているため、信頼性が高く低コストとなるため、望ましい光源となる傾向がある。レーザダイオードをより低い電力モードで動作させることで、レーザダイオードが達成できる一般的に高い平均故障時間の等級を向上させることさえできる。したがって、装置が、(レーザダイオードの特徴及び非常に低い動作電力と組み合わせて)非常に長い寿命と非常に高い平均故障時間の等級とを有し、製造コストが低く、干渉性が試料容器の複層構造によって引き起こされる干渉フリンジを除去するのに十分な小ささであるという成果を達成することができる。
表1は、様々な代替的実装解決策に関するスポット間隔の安定性を示す表である。第1グループの測定は、レーザ電力が12ミリワットでありレージングモードで動作し、光を弱めるNDフィルタが存在し、露光時間が250マイクロ秒であることを想定する。ここで、重心又はスポット間隔の安定性は、ノイズフロア1に対しては396.02ナノメートルであり、ノイズフロア2に対しては146.0ナノメートルである。表1に示すように、2次元又は1次元ガウシアンフィルタリングを追加する場合に、安定性が向上する。ガウシアンフィルタを追加して、フリンジの影響を軽減し、より一定のスポット輪郭をもたらすことができる。また表1は、レーザダイオードの電力が0.5ミリワットまで減少するとともに、重心誤差が減少して、安定性がより高くなっていることを示す。特に、この例では、重心誤差が、ノイズフロア1に対しては14.6ナノメートルに減少し、ノイズフロア2に対しては15.2ナノメートルに減少する。
この例において、レーザダイオードを、12ミリワットと対照的に0.5ミリワットで動作させることは、レーザが厳密なレージングモードではないことを意味する。しかしながら、この電力レベルは、レーザダイオードがASEモードでは動作しなくなるのに十分な高さである。その代わりに、この電力範囲では、レーザがハイブリッドモード又は準レージングモードで動作していると言うことができる。このことは、レーザの動作に関して普通ではない。通常の状態で、レーザを明らかにレージングモードと同一視できるモードで動作させようとし、既存のシステムはレージング閾値を超える電力レベルでレーザダイオードを無理なく動作させている。レーザをこのハイブリッドモードで動作させることは、反直感的でありレーザ動作において変則的である。
図31は、様々なレーザ光源に対する5%フルスペクトル幅(5%でのFW)の関係の例を示す図である。このチャートに見られるように、設定電力が減量するときに、5%でのFWが向上する。したがって、レーザを、このハイブリッドモードで動作させて、撮像センサでの妥当な時間長の検出に十分なスポット強度を提供するとともに、スポット配置の不必要な不安定性をもたらすフリンジパターンを生成しないようにレーザ電力を十分制限するように、レーザ電力を設定する様々な例が構成される。より低い強度は、撮像センサでの十分な読み出しのためにより長い露光時間を必要とするため、レーザ電力を減少させることは、フォーカストラッキングシステムのレイテンシーに悪影響を与えることがある。それ故に、十分な強度が提供されているか判定するときに、フォーカストラッキング測定の完了に必要な時間の長さと、システムに対するレイテンシーの目標が十分達成されているかとを考慮することが有益となり得る。上述した事項を達成するためにレーザに供給する電力量は、指定されたレーザダイオード、(レイテンシーを考慮した)撮像センサの感度及び速度、システムの要求レイテンシー及びシステムの要求精度に依拠する。
所与周波数のレーザダイオード出力の支配的ピークの正規化強度が、レーザダイオード出力の任意の第2ピークよりも15%−100%大きくなるように、レーザを動作させるレーザ電力が設定される、他の例を実装することができる。他の例では、所与周波数のレーザダイオード出力の支配的ピークの正規化強度が、レーザダイオード出力の第2ピークの正規化強度よりも15%−25%大きくなるように、レーザダイオード光源を動作させる電力レベルが選択される。更に他の例では、所与周波数のレーザダイオード出力の支配的ピークの正規化強度が、レーザダイオード出力の複数第2ピークの正規化強度よりも15%−100%大きくなるように、レーザダイオード光源を動作させる電力レベルが選択される。更なる例では、所与周波数のレーザダイオード出力の支配的ピークの正規化強度が、レーザダイオード出力の第2ピークの正規化強度よりも15%−200%大きくなるように、レーザダイオード光源を動作させる電力レベルが選択される。
光源を動作させる電力を設定するために使用できる他の特長は、所定のフォーカストラッキングレイテンシー要求を満たしながら、システムが許容できる露光時間を最大限にできることである。一般的に言って、レーザを動作させる電力を減少させたときには、スポットフリンジングも減少し、フォーカストラッキング精度が向上する。しかしながら、特定の電力量を下回ると、撮像センサで提供される強度が、スポットを検出できる強度、又はレイテンシー要求を満たす十分に短い露光時間で検出できる強度に足りなくなる。したがって、設定電力を、必要な対応露光時間が、フォーカストラッキング動作におけるシステムレイテンシーを許容する最大限の露光時間であり又は当該露光時間付近である点まで、減少させることができる。これまで提供した例では、0.5ミリワットで動作する光源に対する露光時間は250マイクロ秒である。
以上、開示された技術の各種例について記載したが、これは単に例示としての提示に過ぎず、限定的なものではないことが理解されるはずである。同様に、各種の線図は開示された技術に関する構造形態を例示するものであり、開示された技術において含むことのできる特徴及び機能の理解に資するものとして提示するものである。開示された技術は、図示例の構造形態に限定されるものではなく、所望の機能は、各種の変形的な構造又は形態によって具現することができる。実際、代替となり得る機能的、論理的又は物理的な区分又は形態を、本明細書で開示された技術において開示する発明の機能を発揮させるために採択し得ることは、当業者において明白である。また、本願において開示する以外の複数の異なる構成モジュールを各種区分に適用することができる。更に、フローチャート、操作関連の記載、又は方法関連の請求項に関して、ステップを提示した順序は、特に明記しない限り、開示された技術の記載された機能性を同一の順序で実施する必要があることを意味するものではない。
開示された技術は、各種の構成例及び実施例について記載したものであるが、1つ又は複数の個別的な例における特徴、態様及び機能は、これらについて記載した特定の例にその可用性が限定されるものではなく、単独で、又は組み合わせて、開示された技術の1つ又は複数の他の例にも適用可能であり、当該他の例が記載されているか否かを問わず、また、当該特徴が、記載された例の一部として提示されているか否かを問うものではないことが理解されるはずである。そして、本明細書で開示された技術の保護範囲は上述した例により限定されるものではない。
本願における用語及び語句並びにこれらの変形は、特に明記しない限り、開放的であって閉鎖的ではないと解釈すべきである。例えば、「含む」とは、「含むが、限定されるものではない」ことを意味する。「例」とは、論じている客体の例示列挙を意味し、網羅的又は限定的列挙ではない。「ある」又は「1つの」とは、「少なくとも1つ」或いは「1つ又は複数」を意味するべきである。また、「既存の」、「伝統的な」、「通常の」、「標準的な」、「既知の」等の用語は、記載される客体を所定の時点におけるものに限定する趣旨ではなく、現時点において、或いは将来の時点において公知であって利用可能な、従来の、伝統的な、通常の、又は標準的な客体を含むものと解すべきである。本願における用語「備える」は、オープンエンドであり、記載した要素を含むだけでなく、任意の付加的要素も含むことを意図する。同様に、当業者にとって明白な、又は既知の技術に言及する場合、そのような技術は、現時点において、或いは将来の時点において当業者にとって明白又は公知となる技術を含むものである。
用語「連結する」は、直接的に又は間接的に結合し、接続し、固定し、接触させ、連接させることを指し、物理的、光学的、電気的、流体的、機械的、化学的、磁気的、電磁気的、光学的、通信上若しくは他の連結又はこれらの組み合わせ等の様々な連結形態を指すことができる。ある連結形態を特定する場合、このことは他の連結形態を除外することを意味するものではない。例えば、「他の構成要素に物理的に連結する一構成要素」との記載は、2つの構成要素が物理的に付着している又は2つの構成要素が接触している(直接的に又は間接的に)ことに言及できるが、例えば両構成要素を通信可能に連結する通信リンク(例えばRFリンク又は光リンク)といった、両構成要素間の他の連結形態を除外するものではない。同様に、様々な用語自身は、相互排他的であることを意図するものではない。例えば、とりわけ流体的連結、磁気的連結又は機械的連結を、物理的連結の形態とすることができる。
いくつかの例における「1つ又は複数の」、「少なくとも」又は「限定されるものではない」等の拡張的語句は、そのような語句がない場合に想定される事項のみに狭義解釈すべきでないことを意味する。「構成要素」とは、その一部として記載された要素又は機能の全てが共通パッケージとして構成されることを意味するものではない。実際、構造要素を含む構成要素の各種要素のいずれか又はすべては、単一パッケージとして、又は個別に保守できるものであり、複数のグループ又はパッケージで組み合わせ得るものである。
上述した概念の全ての組み合わせ(互いに排他的でない限り)は、本願において開示された発明の一部と解すべきである。特に、特許請求の範囲に記載された主題の全ての組み合わせは、本願において開示された発明の一部と解すべきである。
本明細書及び特許請求の範囲において、「実質的に」及び「約」とは、例えば処理に際しての変動に起因する僅かなバラツキを含ませる意図で使用する用語である。これらの用語は、例えば、±5%以内、±2%以内、±1%以内、±0.5%以内、±0.2%以内、±0.1%以内又は±0.05%以内を指すことがある。
更に、本願において開示される各種例は、例示的な図等に関連して記載したものである。本明細書を読了した当業者には明らかであるが、図示の例及び各種変形例は、図示例に限定されずに実施し得るものである。例えば、ブロック線図及びその関連記載は、特定の構造又は形態を必須とするものと解釈されるべきではない。

Claims (23)

  1. 単一の支配的ピークを持たない波長帯にわたる周波数成分を有する自然放射増幅光(“ASE”)モードと、動作周波数で単一の支配的ピークを有するレージングモードとで動作可能なレーザダイオード光源と、
    前記レーザダイオード光源からのフォーカストラッキングビームを試料容器のある位置に向けるとともに前記試料容器の前記位置から反射される前記フォーカストラッキングビームを受けるように位置付けられる対物レンズと、
    前記試料容器の前記位置から反射されるフォーカストラッキングビームを受ける複数の画素位置を有する撮像センサと、
    を備え、
    反射される前記フォーカストラッキングビームは前記撮像センサにスポットを生成し、
    前記レーザダイオード光源は、前記ASEモードの動作出力レベルを上回りレージングモードの動作出力レベルを下回る出力レベルで動作する、撮像システム。
  2. 前記レーザダイオード光源が動作する前記出力レベルで、入力電流は、前記レーザダイオード光源に関するレージングしきい電流を約2%−10%上回る、請求項1に記載の撮像システム。
  3. レーザ動作電流が、しきい電流を約0.6ミリアンペア−3.0ミリアンペア上回って設定される、請求項1に記載の撮像システム。
  4. 前記レーザダイオード光源のレーザ出力が、約5%でのレーザスペクトル全幅が2ナノメートルよりも広くなるように設定される、請求項1に記載の撮像システム。
  5. 前記レーザダイオード光源が動作する前記出力レベルは、所与の周波数における前記レーザダイオード光源による出力の支配的ピークの正規化強度が前記レーザダイオード光源による出力の任意の第2ピークの正規化強度よりも約15−100%大きくなるように選択される、請求項1に記載の撮像システム。
  6. 前記レーザダイオード光源が動作する前記出力レベルは、所与の周波数における前記レーザダイオード光源による出力の支配的ピークの正規化強度が前記レーザダイオード光源による出力の第2ピークの正規化強度よりも約15−25%大きくなるように選択される、請求項1に記載の撮像システム。
  7. 前記レーザダイオード光源が動作する前記出力レベルは、所与の周波数における前記レーザダイオード光源による出力の支配的ピークの正規化強度が前記レーザダイオード光源による出力の第2ピークの正規化強度よりも約15−100%大きくなるように選択される、請求項1に記載の撮像システム。
  8. 前記レーザダイオード光源からの前記フォーカストラッキングビームを、前記試料容器の前記位置から反射されて前記撮像センサに少なくとも2つのスポットを形成する、少なくとも2つのフォーカストラッキングビームに分割するビームスプリッタを更に備え、
    前記レーザダイオード光源が動作する前記出力レベルは、前記撮像センサ上の前記少なくとも2つのスポットのスポット間隔安定性が約±18ナノメートル未満であるように選択される、請求項1に記載の撮像システム。
  9. 前記レーザダイオード光源が動作する前記出力レベルが、前記撮像センサ上の前記スポットのフリンジング量が、前記スポットのプロファイルにわたってピークに達する最高点の約10%未満であるように選択される、請求項1に記載の撮像システム。
  10. 前記撮像センサに通信可能に結合して、前記撮像センサから出力信号を受け取り、前記撮像センサ上の前記スポットの位置の経時的な標準偏差を減少させる、窓付きSINCフィルタ又はブラックマン窓フィルタを更に備える、請求項1に記載の撮像システム。
  11. 前記レーザダイオード光源が動作する前記出力レベルが、フォーカストラッキングに対する所定のレイテンシー要求を満たす最小電力として選択される、請求項1に記載の撮像システム。
  12. 前記撮像センサが要求する前記露光時間が、約250マイクロ秒未満である、請求項11に記載の撮像システム。
  13. 単一の支配的ピークを持たない波長帯にわたる周波数成分を有する自然放射増幅光(“ASE”)モードと、動作周波数で単一の支配的ピークを有するレージングモードとで動作可能なレーザダイオード光源と、
    撮像システム内で、前記レーザダイオード光源からのフォーカストラッキングビームを受けて、前記フォーカストラッキングビームを少なくとも2つのフォーカストラッキングビームに分割する位置に配置されるビームスプリッタと、
    前記レーザダイオード光源からの前記少なくとも2つのフォーカストラッキングビームを試料容器のある位置に向けるとともに前記試料容器から反射される前記少なくとも2つのフォーカストラッキングビームの反射を受けるように位置付けられる対物レンズと、
    前記試料容器の前記位置から反射されるフォーカストラッキングビームを受ける複数の画素位置を有する撮像センサと、
    を備え、
    反射される前記少なくとも2つのフォーカストラッキングビームは前記撮像センサに少なくとも2つのスポットを生成し、
    前記レーザダイオード光源が動作する出力レベルが、ASEモードの動作出力レベルを上回りレージングモードの動作出力レベルを下回り、前記撮像センサ上の前記少なくとも2つのスポットのスポット間隔安定性が約20ナノメートル未満であるように選択される、撮像システム。
  14. 前記レーザダイオード光源が動作する前記出力レベルが、前記撮像センサ上の前記少なくとも2つのスポットのスポット間隔安定性が約15ナノメートルから17ナノメートルまでの間であるように選択される、請求項13に記載の撮像システム。
  15. 前記撮像センサに通信可能に結合して、前記撮像センサから出力信号を受け取り、前記撮像センサ上の前記少なくとも2つのスポットの位置の経時的な標準偏差を減少させる、窓付きSINCフィルタ回路又はブラックマン窓フィルタ回路を更に備える、請求項13に記載の撮像システム。
  16. 前記レーザダイオード光源が動作する前記出力レベルが、前記撮像センサ上の前記少なくとも2つのスポットのそれぞれのフリンジング量が、前記少なくとも2つのスポットのそれぞれのプロファイルにわたってピークに達する最高点の約10%未満となるものである、請求項13に記載の撮像システム。
  17. 前記レーザダイオード光源が動作する前記出力レベルが、前記撮像センサ上の前記少なくとも2つのスポットのそれぞれの位置の標準偏差が前記撮像センサの画素サイズの10%未満であるように選択される、請求項13に記載の撮像システム。
  18. 前記レーザダイオード光源が動作する前記出力レベルが、前記撮像センサ上の前記少なくとも2つのスポットのスポット間隔安定性が前記撮像センサの画素サイズの約5%未満であるように選択される、請求項13に記載の撮像システム。
  19. 前記レーザダイオード光源が動作する前記出力レベルが、フォーカストラッキングに対する所定のレイテンシー要求を満たす最小電力として選択される、請求項13に記載の撮像システム。
  20. 前記撮像センサが要求する露光時間が、約250マイクロ秒未満である、請求項19に記載の撮像システム。
  21. 前記レーザダイオード光源が動作する前記出力レベルは、前記少なくとも2つのスポットに対するフリンジの発生に対応する出力を下回って設定される、請求項13に記載の撮像システム。
  22. 前記レーザダイオード光源に対するレーザ動作電流が、しきい電流を約0.6ミリアンペア−3.0ミリアンペア上回って設定される、請求項13に記載の撮像システム。
  23. 前記レーザダイオード光源が動作する前記出力レベルが、約5%でのレーザスペクトル全幅が2ナノメートルよりも広くなるように設定される、請求項13に記載の撮像システム。
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