JP5763827B1 - 橋梁通行可否判定システム - Google Patents

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Abstract

【課題】橋梁の点検調査に要する時間を短縮し、目視点検では把握できない橋梁の応答変位について把握する安価で精度の高い橋梁通行可否判定を可能とし、通信回線の混雑に影響されずに、橋梁の点検結果を把握する橋梁通行可否判定システムを提供する。【解決手段】橋桁と、橋桁の端部に隣接している構造物とに、それぞれ設置されている橋桁側計測ノード及び構造物側計測ノードと、橋梁への通行可否を判定する橋梁監視サーバ装置とを通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続し、サーバ装置が備える積分値算出手段が、橋桁側計測ノードと構造物側計測ノードそれぞれの振動による加速度値を2回積分し、SINCフィルタが積分値から加速度値の低周波数成分を除去し、相対変位量算出手段が各計測ノードの相対変位量を算出し、判定手段が相対変位量と予め定められている相対変位量の閾値とを比較して、橋梁への通行可否を判定する橋梁通行可否判定システム。【選択図】図1

Description

この発明は、地震等による災害発生時における橋梁への通行の可否を判定する橋梁通行可否判定システムに関する。
従来、地震等による災害発生時における橋梁への通行可否の判定は、緊急点検により行われていた。緊急点検とは、災害発生時に点検調査員が各橋梁を巡回・点検して被災状況を把握し、各橋梁の点検結果から通行可否を判定するものである。
また、特許文献1には、通行判定対象の橋梁に光ファイバによる変位計を設置し、橋桁の移動量を公衆インターネット等により遠隔モニタリングを行い、災害発生時に即時に通行可否を判定する発明が提案されている。
さらに、特許文献2には、サーボ型加速度センサを用いて加速度を計測し、計測した加速度値を2回積分することにより地すべりによる変位を求める発明が提案されている。
なお、加速度センサの低周波数帯のノイズを除去するため、特許文献2の発明ではカルマンフィルタが使用されているが、非特許文献1には、バターワースフィルタによる前記ノイズを除去する手法が知られている。
特開2007−120178号公報 特開2006−194822号公報
速度波形・変位波形の求め方、気象庁、インターネット(URL: http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/kyoshin/kaisetsu/calc_wave.htm)
上述した緊急点検による橋梁への通行可否判定では、
・点検作業員による橋梁点検が完了するまで橋梁の被災状況が分からないため、通行可否を判定するまで時間を要する。
・管理する橋梁が多数ある場合、多数の点検作業員を確保することが困難であり、橋梁の被災状況の把握に時間を要する。
・地震発生中の橋梁の応答変位が把握できないため、地震後の点検作業員による目視点検では橋梁にどの程度の負荷がかかっているのか確認することが困難である。
・災害発生後は携帯電話通信網等の通信回線の混雑により、点検作業員から事業所に対して点検結果の報告を速やかに行うことが困難である。
という課題が発生する。
そこで、この発明は、
・橋梁の点検調査に要する時間を短縮し、速やかに通行可否判定を行う橋梁通行可否判定システムを提供すること
・目視点検では把握できない橋梁の応答変位について把握する、安価で精度の高い橋梁通行可否判定システムを提供すること
・通信回線の混雑に影響されずに、橋梁の点検結果を把握する橋梁通行可否判定システムを提供すること
を目的とする。
上記課題を解決するため、以下の発明を提案する。
請求項1の発明は、
橋梁における橋桁と、当該橋桁の端部に隣接している構造物とにそれぞれ設置されている橋桁側計測ノード及び構造物側計測ノードと、
前記橋桁側計測ノードと、前記構造物側計測ノードが計測する前記橋桁及び前記構造物それぞれの振動による加速度値を取得して、当該加速度値から、前記橋桁及び前記構造物の状態を推定し、前記橋梁への通行可否を判定する橋梁監視サーバ装置とが、
通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続されてなる橋梁通行可否判定システムであって、
前記橋梁監視サーバ装置は、
前記橋桁側計測ノードと、前記構造物側計測ノードのそれぞれから取得した前記加速度値を2回積分し、前記橋桁側計測ノードと、前記構造物側計測ノードそれぞれの前記振動による加速度値の積分値を算出する積分値算出手段と、
前記算出されたそれぞれの積分値から、前記加速度値の低周波数成分を除去するSINCフィルタと、
前記低周波数成分が除去されたそれぞれの積分値に基づいて、前記構造物側計測ノードを基準とした前記橋桁側計測ノードの相対変位量又は前記橋桁側計測ノードを基準とした前記構造物側計測ノードの相対変位量を算出する相対変位量算出手段と、
前記算出された相対変位量と、予め定められている前記相対変位量の閾値とを比較して、前記橋梁への通行可否を判定する判定手段とを備え、
前記橋桁側計測ノードは、橋軸が延びる方向に交差する方向で少なくとも2個配置した第一の橋桁側計測ノードと第二の橋桁側計測ノードとを備えてなり、
前記SINCフィルタは、前記加速度値の全周波数成分に対して遅延時間を一定にして前記算出されたそれぞれの積分値から、前記加速度値の低周波数成分を除去する
ことを特徴とする橋梁通行可否判定システムである。
請求項2の発明は、
前記構造物側計測ノードが設置される前記構造物は橋台である
ことを特徴とする請求項1記載の橋梁通行可否判定システムである。
請求項3の発明は、
前記構造物側計測ノードは、橋軸が延びる方向に交差する方向で少なくとも2個配置した第一の構造物側計測ノードと第二の構造物側計測ノードとを備えてなる
ことを特徴とする請求項1又は2記載の橋梁通行可否判定システムである。
請求項4の発明は、
前記橋梁監視サーバ装置は、
前記低周波数成分が除去されたそれぞれの積分値に基づいて、定められた基準点に対する前記橋桁側計測ノードと、前記構造物側計測ノードそれぞれの絶対変位量を算出する処理を行う絶対変位量算出手段をさらに備えており、
前記判定手段は、
前記算出された絶対変位量と、予め定められている前記絶対変位量の閾値とを比較して、前記橋梁への通行可否を判定する
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の橋梁通行可否判定システムである。
請求項5の発明は、
前記橋桁側計測ノードと前記構造物側計測ノードは、それぞれMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)加速度センサを備えており、これを用いて、前記橋桁及び前記構造物それぞれの振動による加速度値を計測する
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の橋梁通行可否判定システムである。
請求項の発明は、
前記橋桁側計測ノードと、前記構造物側計測ノードと、前記橋梁監視サーバ装置との間の通信ネットワークを介した相互に通信可能な接続は、
データ中継ノードを介して行われており、
前記橋桁側計測ノードと、前記構造物側計測ノードと、前記データ中継ノードとが、IEEE802.11規格の無線通信網によってリアルタイムで相互に通信可能に接続されている
ことを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の橋梁通行可否判定システムである。
請求項の発明は、
前記データ中継ノードは、携帯電話通信網又は衛星通信網のいずれかの通信ネットワークを選択して、前記橋桁側計測ノードと、前記構造物側計測ノードから取得した前記加速度値を前記橋梁監視サーバ装置へ転送する情報転送手段
を備えていることを特徴とする請求項記載の橋梁通行可否判定システムである。
請求項の発明は、
前記情報転送手段は、前記携帯電話通信網の混雑時に前記橋梁監視サーバ装置への通信を前記衛星通信網に自動で切替える通信ネットワーク切替機能を備えている
ことを特徴とする請求項記載の橋梁通行可否判定システムである。
この発明によれば、
・橋梁の点検調査に要する時間を短縮し、速やかに通行可否判定を行う橋梁通行可否判定システムを提供することができる。
・目視点検では把握できない橋梁の応答変位について把握する、安価で精度の高い橋梁通行可否判定システムを提供することができる。
・通信回線の混雑に影響されずに、橋梁の点検結果を把握する橋梁通行可否判定システムを提供することができる。
本発明の橋梁通行可否判定システムの構成の一例を表す概念図である。 本発明に用いられる計測ノードのその他の配置例を表した図であって、(a)橋桁側に2個、橋台側に2個設置した図、(b)双方の橋桁側に2個ずつ設置した図である。 本発明に用いられる計測ノード及びデータ中継ノードの構成の一例を表す図である。 本発明に用いられる計測ノードが計測する加速度の方向を表す図である。 本発明に用いられる橋梁監視サーバ装置の構成の一例を表す図である。 (a)本発明に用いられる加速度センサで計測した設計地震動の加速度値を表す図である。(b)レーザ変位計で計測した変位波形と、図(a)図示の加速度値の低周波数帯のノイズを除去せずに算出した変位波形とを表す図である。(c)図(b)図示のレーザ変位計による変位波形と、本発明によって算出された変位波形とがほぼ一致している状態を表す図である。(d)図(c)図示における誤差を表す図である。 本発明による橋梁通行可否判定処理フローの一例を表す図である。 本発明による橋梁通行不可判定が事業者側端末に送信され、事業者側端末にアラートが表示されている一例を表す図である。 事業者側端末に表示されるアラート表示の他の例を表す図である。 事業者側端末に表示されるアラート表示の他の例を表す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態の一例を説明する。
1.本発明の構成
本発明は、橋梁における橋桁と、当該橋桁の端部に隣接している構造物とに、それぞれ設置されている橋桁側計測ノード及び構造物側計測ノードと、前記橋梁への通行可否を判定する橋梁監視サーバ装置とが、通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続されてなる。
前記橋桁側計測ノードと、前記構造物側計測ノードが計測する前記橋桁及び前記構造物それぞれの振動による加速度値を取得して、当該加速度値から、前記橋桁及び前記構造物の状態を推定し、前記橋梁への通行可否を判定する橋梁通行可否判定システムである。
本明細書において、「橋桁の端部に隣接している構造物」には、
・図1及び図2(a)図示の橋台202
・図1及び図2(a)図示の橋台202が隣接している橋桁201の端部とは反対側の橋桁201の端部に隣接している橋桁(図示していない)
・図2(b)図示の複数径間の橋梁200における橋桁201aの端部に隣接している橋桁201b
・図2(b)図示の橋桁201bが隣接している橋桁201aの端部とは反対側の橋桁201aの端部に隣接している橋桁(図示していない)
等が含まれる。
本発明の橋梁通行可否判定システム100において、前記橋桁側計測ノードは、橋桁201に、橋軸が延びる方向に交差する方向で少なくとも2個配置した第一の橋桁側計測ノード301と第二の橋桁側計測ノード303とを備えてなる。
橋桁201の端部に隣接している構造物が図1又は図2(a)図示の橋台202の場合、前記構造物側計測ノードは、橋台202に一つ配置した第一の構造物側計測ノード302を備えてなる。又は、橋台202に、橋軸が延びる方向に交差する方向で少なくとも2個配置した第一の構造物側計測ノード302と第二の構造物側計測ノード304とを備えてなる構成にすることもできる。いずれの構成でも、地震等の振動が発生した場合、橋台202が地盤と一体となって振動すると考えられ、図4図示の鉛直方向軸周りに回転することが少ないので、同等の精度で前記橋梁への通行の可否を判定することができる。
橋桁201の端部に隣接している構造物が図2(b)図示の橋桁201bの場合、前記橋梁への通行可否判定精度の観点から、前記構造物側計測ノードは、橋桁201bに、橋軸が延びる方向に交差する方向で少なくとも2個配置した第一の構造物側計測ノード302と第二の構造物側計測ノード304とを備えてなる構成が好ましい。
橋梁通行可否判定システム100は、無線通信規格で定められている無線通信網500aを介して、第一の橋桁側計測ノード301及び第二の橋桁側計測ノード303と、第一の構造物側計測ノード302及び第二の構造物側計測ノード304と相互に通信可能に接続されているデータ中継ノード305を備えている。
橋梁通行可否判定システム100は、携帯電話通信網又は衛星通信網の通信ネットワーク500bを介して、データ中継ノード305と相互に通信可能に接続されている橋梁監視サーバ装置400を備えている。
なお、橋梁監視サーバ装置400は、インターネット通信網等の通信ネットワーク500cを介して事業者側端末600と相互に通信可能に接続されている。事業者側端末600には、事業者の本社及び支社で使用される本社端末600a及び支社端末600b、災害等における橋梁200の復旧等を計画・実施する管制センターや管理事務所で使用される管制センター端末600c及び管理事務所端末600d等が含まれる。
2.計測ノード及び中継ノードの構成
図3は、第一の橋桁側計測ノード301及び第二の橋桁側計測ノード303と、第一の構造物側計測ノード302及び第二の構造物側計測ノード304(以下、これらを総称して「計測ノード300」ということがある。)と、データ中継ノード305の構成の一例を表す図である。
計測ノード300とデータ中継ノード305とは、IEEE802.11規格の無線通信網500aによってリアルタイムで相互に通信可能に接続されている。これは、橋梁の被災によって、通信手段が破断され計測データの送受信が困難となること等を考慮したものである。
本発明では、図1及び図2図示のように、橋桁201と、橋桁201の端部に隣接している前記構造物とに、それぞれ複数の橋桁側計測ノード及び一又は複数の構造物側計測ノードが設置される。
計測ノード300は、橋桁201と、橋桁201の端部に隣接している前記構造物の、振動による加速度値を計測する加速度計測手段311を備えている。
本明細書において、「振動による加速度値」には、地震動による加速度値や、その他の要因で常時発生している振動による加速度値が含まれる。
加速度計測手段311には、従来公知の種々の加速度センサを用いることができるが、本発明では、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)加速度センサを採用した。
加速度計測手段311は、図4に示す橋軸方向(X方向)、橋軸と直角方向(Y方向)及び鉛直方向(Z方向)についての前記振動による加速度値を計測する。図1図示の形態では、加速度計測手段311は、橋桁201に設置されている第一の橋桁側計測ノード301及び第二の橋桁側計測ノード303と、橋台202に設置されている第一の構造物側計測ノード302それぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の前記振動による加速度値を計測する。
計測ノード300の各計測ノードは、各加速度計測手段311が計測した各計測ノードの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の前記振動による加速度値をデータ中継ノード305へ送信する情報送信手段310を備えている。
データ中継ノード305は、計測ノード300の各計測ノードから送信された前記振動による加速度値を受信する情報受信手段312を備えている。
データ中継ノード305は、受信した前記振動による加速度値を橋梁監視サーバ装置400へ転送する情報転送手段313を備えている。
情報転送手段313は、携帯電話通信網又は衛星通信網のいずれかの通信ネットワーク500bを選択して、受信した前記振動による加速度値を橋梁監視サーバ装置400へ転送する。
また、情報転送手段313は、地震発生時における携帯電話通信網の混雑時には前記衛星通信網に自動で切替える通信ネットワーク切替機能を備えている。
特許文献1で提案されている発明では、
・光ファイバによる変位計と光ファイバの敷設工事費用が高額である
・災害発生時に光ファイバが破断するおそれがある
・公衆インターネット環境が構築されていない地域に導入することが困難である
という課題が発生する。
この発明では、加速度計測手段311として、安価なMEMS加速度センサを採用することにより、光ファイバによる変位計を用いたシステムよりも極めて安価な橋梁通行可否判定システムを構築することができる。
また、計測ノード300とデータ中継ノード305とを、IEEE802.11規格の無線通信網500aによってリアルタイムで相互に通信可能に接続することにより、光ファイバの敷設工事が不要となり、地震等による災害発生時においても通信回線が破断することがない。
さらに、前記衛星通信網による通信ネットワーク500bは日本全土をカバーしているので、公衆インターネット環境が構築されていないいかなる地域にも本発明の橋梁通行可否判定システムを導入することができる。
3.橋梁監視サーバ装置の構成
図5は、橋梁監視サーバ装置400の構成の一例を表す図である。橋梁監視サーバ装置400は、計測ノード300が計測する橋桁201及び橋桁201の端部に隣接している前記構造物それぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の前記振動による加速度値を取得して、当該加速度値から、橋桁201及び前記構造物の状態を推定し、橋梁200への通行可否を判定するサーバ装置である。
橋梁監視サーバ装置400は、通信ネットワーク500bを介してデータ中継ノード305との間で相互に情報通信を行い、通信ネットワーク500cを介して事業者側端末600と相互に情報通信を行う情報送受信手段401を備えている。
橋梁監視サーバ装置400は、所定のデータベース(以下「DB」という。)である記憶手段403を備えている。
記憶手段403は、橋梁200に関する情報が記憶されている橋梁DB403aを備えている。橋梁200に関する情報には、橋梁200の名称、橋梁形式、位置、全長、管理者等の情報が含まれる。
記憶手段403は、計測ノード300に関する情報が記憶されている計測ノードDB403bを備えている。計測ノード300に関する情報には、計測ノードのID、設置されている橋梁200の名称、設置位置等の情報が含まれる。計測ノード300に関する情報は、橋梁200に関する情報に関連付けられて記憶される。
記憶手段403は、加速度計測手段311が計測した、橋桁201及び橋桁201の端部に隣接している前記構造物それぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の前記振動による加速度値及び、当該加速度値についての閾値が記憶されている加速度DB403cを備えている。前記振動による加速度値及び前記加速度値についての閾値は、橋梁200に関する情報に関連付けられて記憶される。
記憶手段403は、後述する絶対変位量算出手段406が算出する橋桁201及び当該橋桁201の端部に隣接している前記構造物の橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の絶対変位量及び、当該絶対変位量についての閾値が記憶されている絶対変位量DB403dを備えている。前記絶対変位量及び前記絶対変位量についての閾値は、橋梁200に関する情報に関連付けられて記憶される。
記憶手段403は、後述する相対変位量算出手段407が算出する、当該橋桁201に隣接する前記構造物を基準とした橋桁201の端部の橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の相対変位量と、当該構造物に隣接する橋桁201を基準とした前記構造物の端部の橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の相対変位量及び、当該相対変位量についての閾値が記憶される相対変位量DB403eを備えている。前記相対変位量及び前記相対変位量についての閾値は、橋梁200に関する情報に関連付けられて記憶される。
橋梁監視サーバ装置400は、加速度計測手段311が計測した、橋桁201及び橋桁201の端部に隣接している前記構造物それぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の前記振動による加速度値を取得して、当該加速度値を2回積分する処理を行う積分値算出手段404を備えている。
前記振動による加速度値を積分する処理には、シンプソンの公式が用いられる。シンプソンの公式では加速度値をaとすると、1回積分により速度vが算出される。
前記速度vを1回積分すると変位xが算出される。
この実施形態では、積分値算出手段404は、第一の橋桁側計測ノード301及び第二の橋桁側計測ノード303と、第一の構造物側計測ノード302及び第二の構造物側計測ノード304が計測した橋桁201及び橋桁201の端部に隣接している前記構造物それぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の前記振動による加速度値を上記の数式を用いて積分処理を2回行い、橋桁201及び前記構造物それぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の前記振動による加速度値の積分値を算出する。
橋梁監視サーバ装置400は、積分値算出手段404が行った2回積分処理によって算出された前記積分値から、前記振動による加速度値の低周波数成分を除去するフィルタ処理を行う積分値補正手段405を備えている。
前記振動による加速度値の低周波数成分を除去する手法として、上述したように、特許文献2で提案されているカルマンフィルタを使用した加速度センサの低周波数帯のノイズを除去する発明や、非特許文献1で提案されているバターワースフィルタによる前記ノイズを除去する手法が知られている。
特許文献2で提案されている発明及び非特許文献1に記載の手法では、
・低周波数帯のノイズ除去としてカルマンフィルタを用いる場合、当該フィルタを高価なサーボ型加速度センサのみに適用することを推奨していることから、サーボ型加速度センサよりも安価な加速度センサにカルマンフィルタを適用することができない可能性がある。
・低周波数帯のノイズ除去としてバターワースフィルタを用いる場合、振動の周波数成分ごとに異なる遅延時間が生じ、当該遅延時間の補正を時間領域で容易に行えないため、変位量の測定精度が低下する。
・加速度センサは低周波数帯の精度が悪いことが知られており、フィルタ処理によって低周波数帯を除去する必要がある。バターワースフィルタの特性として、除去する低周波数帯を広くするパラメータ設定を行うと、周波数成分ごとに対する遅延時間が大きくなるので、変位量の測定精度が低下する。また、バターワースフィルタは、全ての周波数成分に対して、遅延時間を一定に設定することが不可能である。
・バターワースフィルタをサーボ型加速度センサに適用する場合、除去する低周波数帯を狭く設定して遅延時間が小さくなるように設定することができるが、サーボ型加速度センサ以外の加速度センサに適用すると、加速度センサによっては遅延時間が小さくなるように設定することが困難となる。
という課題が発生する。
そこで、この発明では、積分値補正手段405にSINCフィルタを採用した。SINCフィルタは、振動のすべての周波数成分に対して遅延時間が一定となる設定が可能なフィルタ手段である。SINCフィルタによって前記遅延時間の補正を時間領域で容易に行えるため、低周波数成分の精度が低い前記MEMS加速度センサに適用することができ、後述する変位量算出の精度は高くなる。
また、上記のような特性を有するSINCフィルタを前記サーボ型加速度センサよりも安価な前記MEMS加速度センサに適用することで、サーボ型加速度センサを用いたシステムよりも極めて安価な橋梁通行可否判定システムを構築することができる。
積分値補正手段405による前記フィルタ処理を行うためには、SINCフィルタの係数hを事前に求める必要がある。このSINCフィルタの係数hは、次数をM、通過帯域をω〜ωとすると、以下の式により求められる。
このSINCフィルタの係数hにより前記積分値について、前記振動による加速度値の低周波数成分が除去される。低周波数成分が除去された橋桁201及び前記構造物それぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の変位量yは以下のようになる。
なお、積分値補正手段405を計測ノード300に備える構成にし、計測ノード300内で前記フィルタ処理を行うようにすることもできる。
積分値補正手段405による前記フィルタ処理の検証として、振動台を用いた検証試験を行った。振動台への入力加速度を設計地震動とし、本発明に用いられるMEMS加速度センサが計測した設計地震動の加速度値から算出した変位とレーザ変位計で計測した変位との比較を行った。
図6(a)は、本発明に用いられるMEMS加速度センサで計測した設計地震動の加速度値を表す図である。図6(a)図示の加速度値を2回積分して算出した変位と、レーザ変位計で計測した変位との比較を図6(b)に表す。
図6(b)図示のように、加速度値の低周波数成分のフィルタ処理が行われていないため、MEMS加速度センサについての変位波形と、レーザ変位計についての変位波形とが一致していないことが確認できる。
そこで、図6(a)図示のMEMS加速度センサで計測した加速度値の波形にSINCフィルタによる低周波数成分の除去を行うと、図6(c)に示されるように、フィルタ処理を行ったMEMS加速度センサについての変位波形と、レーザ変位計についての変位波形とがほぼ一致していることが確認できた。また、誤差についても図6(d)図示のように、極めて微細な数値範囲であることが確認できた。
このように、振動のすべての周波数成分に対して遅延時間が一定となる設定が可能であり、遅延時間の補正を時間領域で容易に行えるSINCフィルタを低周波数成分の精度が低いMEMS加速度センサに適用することで、後述する橋桁201と、当該橋桁の端部に隣接している前記構造物の橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の前記絶対変位量及び前記相対変位量を正確に算出することができる。
橋梁監視サーバ装置400は、積分値補正手段405によってフィルタ処理された橋桁201及び橋桁201の端部に隣接している前記構造物それぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の前記振動による加速度値の積分値に基づいて、橋桁201と前記構造物それぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の絶対変位量を算出する処理を行う絶対変位量算出手段406を備えている。
本明細書において、「橋桁201及び橋桁201の端部に隣接している前記構造物それぞれの絶対変位量」とは、橋桁201及び橋桁201の端部に隣接している前記構造物それぞれの、定められた基準点に対する変位量である。
この実施形態では、前記定められた基準点を地球の中心とし、当該基準点に対する第一の橋桁側計測ノード301及び第二の橋桁側計測ノード303それぞれの変位量が橋桁201の絶対変位量である。
また、前記地球の中心を基準点として、当該基準点に対する第一の構造物側計測ノード302及び第二の構造物側計測ノード304それぞれの変位量が前記構造物の絶対変位量である。
算出された橋桁201及び橋桁201の端部に隣接している前記構造物の絶対変位量は、橋梁200に関する情報に関連付けられて絶対変位量DB403dに記憶される。
橋梁監視サーバ装置400は、積分値補正手段405によってフィルタ処理された橋桁201及び橋桁201の端部に隣接している前記構造物それぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の前記振動による加速度値の積分値に基づいて、橋桁201と前記構造物それぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の相対変位量を算出する処理を行う相対変位量算出手段407を備えている。
本明細書において、「橋桁201及び橋桁201の端部に隣接している前記構造物それぞれの相対変位量」とは、当該橋桁201に隣接している前記構造物を基準とした橋桁201の端部の変位量及び、橋桁201を基準とした前記構造物の変位量である。
この実施形態では、第一の構造物側計測ノード302及び第二の構造物側計測ノード304を基準とした第一の橋桁側計測ノード301及び第二の橋桁側計測ノード303の変位量が、橋桁201の相対変位量である。
また、第一の橋桁側計測ノード301及び第二の橋桁側計測ノード303を基準とした第一の構造物側計測ノード302及び第二の構造物側計測ノード304の変位量が、橋桁201の端部に隣接している前記構造物の相対変位量である。
したがって、この実施形態では以下の相対変位量が算出される。
a)第一の構造物側計測ノード302を基準点とした第一の橋桁側計測ノード301の変位量
b)第二の構造物側計測ノード304を基準点とした第一の橋桁側計測ノード301の変位量
c)第二の構造物側計測ノード304を基準点とした第二の橋桁側計測ノード303の変位量
d)第一の構造物側計測ノード302を基準点とした第二の橋桁側計測ノード303の変位量
e)第一の橋桁側計測ノード301を基準点とした第一の構造物側計測ノード302の変位量
f)第二の橋桁側計測ノード303を基準点とした第一の構造物側計測ノード302の変位量
g)第二の橋桁側計測ノード303を基準点とした第二の構造物側計測ノード304の変位量
h)第一の橋桁側計測ノード301を基準点とした第二の構造物側計測ノード304の変位量
算出された橋桁201及び橋桁201の端部に隣接している前記構造物の相対変位量は、橋梁200に関する情報に関連付けられて相対変位量DB403eに記憶される。
なお、b)、d)、f)、h)で表される相対変位量によって、橋梁200の「ねじれ」の状態を把握することができる。
橋梁監視サーバ装置400は、計測ノード300が計測した第一の橋桁側計測ノード301及び第二の橋桁側計測ノード303と、第一の構造物側計測ノード302及び第二の構造物側計測ノード304それぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の前記振動による加速度値、絶対変位量算出手段406が算出した橋桁201及び前記構造物それぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の絶対変位量、相対変位量算出手段407が算出した橋桁201及び前記構造物それぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の相対変位量に基づいて、橋梁200への通行可否を判定する判定手段408を備えている。判定手段408は、以下の判定処理部で構成される。
(加速度判定部)
判定手段408を構成する加速度判定部408aでは、計測ノード300の各計測ノードが計測した第一の橋桁側計測ノード301及び第二の橋桁側計測ノード303と、第一の構造物側計測ノード302及び第二の構造物側計測ノード304それぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の前記振動による加速度値が、加速度DB403cに記憶されている前記加速度値についての閾値を超えているか否かの判定処理が行われる。
加速度判定部408aは、前記各計測ノードが計測した第一の橋桁側計測ノード301及び第二の橋桁側計測ノード303と、第一の構造物側計測ノード302及び第二の構造物側計測ノード304それぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の前記振動による加速度値のうち、一の振動による加速度値が前記加速度値についての閾値を超えた場合、橋梁200への通行不可と判定する。
(絶対変位判定部)
判定手段408を構成する絶対変位判定部408bでは、絶対変位量算出手段406が算出した橋桁201及び前記構造物それぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の絶対変位量が、絶対変位量DB403dに記憶されている前記絶対変位量についての閾値を超えているか否かの判定処理が行われる。
絶対変位判定部408bは、絶対変位量算出手段406が算出した第一の橋桁側計測ノード301及び第二の橋桁側計測ノード303と、第一の構造物側計測ノード302及び第二の構造物側計測ノード304それぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の絶対変位量のうち、一の絶対変位量が前記絶対変位量についての閾値を超えた場合、橋梁200への通行不可と判定する。
(相対変位判定部)
判定手段408を構成する相対変位判定部408cでは、相対変位量算出手段407が算出した橋桁201及び前記構造物それぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の相対変位量が、相対変位量DB403eに記憶されている前記相対変位量についての閾値を超えているか否かの判定処理が行われる。
相対変位判定部408cは、相対変位量算出手段407が算出した上記a)乃至h)の相対変位量のうち、一の相対変位量が前記相対変位量についての閾値を超えた場合、橋梁200への通行不可と判定する。
橋梁監視サーバ装置400は、判定手段408の各判定部が橋梁200への通行不可と判定した場合に、所定のアラート情報を生成する処理を行うアラート情報生成手段409を備えている。
判定手段408の加速度判定部408aが橋梁200への通行不可と判定した場合、アラート情報生成手段409は、地震動の検知に関するアラート情報を生成する。当該アラート情報には、橋梁名、計測ノードのID、当該計測ノードが計測した前記振動による加速度値、前記加速度値についての閾値等が含まれる。生成された前記アラート情報は、事業者側端末600に送信される。
判定手段408の絶対変位判定部408b又は相対変位判定部408cが橋梁200への通行不可と判定した場合、アラート情報生成手段409は、橋梁200の異常に関するアラート情報を生成する。当該アラート情報には、橋梁名、計測ノードのID、橋桁201と前記構造物それぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の絶対変位量、相対変位量及びこれら変位量についての閾値等が含まれる。生成された前記アラート情報は、事業者側端末600に送信される。
図8乃至図10は、アラート情報生成手段409が生成した前記アラート情報が、事業者側端末600に表示される状態の例を表す図である。事業者側端末600には、前記地震動の検知に関するアラート情報や、橋梁の異常に関するアラート情報が表示されている。
事業者端末600を使用する事業者は、前記地震動の検知に関するアラート情報や、橋梁の異常に関するアラート情報を直ちに把握して、橋梁の通行可否判定を迅速に行うことができる。
特に本発明では、目視点検では把握できない地震発生中における橋桁と前記構造物それぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の絶対変位量及び相対変位量が正確に算出されるので、前記事業者は直ちに橋梁の被災状況を推定することができる。
これらの各手段によって行われる情報処理が、CPU、RAM、ROM等で構成される制御手段402によって制御される。
4.橋梁通行可否判定の処理フロー
図7を参照して、本発明の橋梁通行可否判定システム100による橋梁通行可否判定の処理フローを説明する。
図1図示の形態において、橋梁200における橋桁201と、橋桁201の端部に隣接している構造物である橋台202とに、それぞれ設置されている第一の橋桁側計測ノード301及び第二の橋桁側計測ノード303と、第一の構造物側計測ノード302の加速度計測手段311であるMEMS加速度センサは、それぞれの計測ノードの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の前記振動による加速度値を計測する処理を行う(S101)。
計測された各振動による加速度値は、IEEE802.11規格の無線通信網500aを介してデータ中継ノード305へ送信される。
中継ノード305は、携帯電話通信網又は衛星通信網の通信ネットワーク500bを介して、前記各振動による加速度値を橋梁監視サーバ装置400へ転送する処理を行う(S102)。
橋梁監視サーバ装置400が前記各振動による加速度値を受信すると(S103)、判定手段408を構成する加速度判定部408aは、第一の橋桁側計測ノード301及び第二の橋桁側計測ノード303と、第一の構造物側計測ノード302の各加速度計測手段311が計測したそれぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の前記振動による加速度値が、加速度DB403cに記憶されている前記加速度値についての閾値を超えているか否かの判定処理を行う(S104)。
また、前記加速度値についての判定処理と並行して、積分値算出手段404は、第一の橋桁側計測ノード301及び第二の橋桁側計測ノード303と、第一の構造物側計測ノード302の各加速度計測手段311が計測したそれぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の前記振動による加速度値を取得して、当該加速度値を2回積分する処理を行う(S105)。
上記S104において、加速度判定部408aは、加速度計測手段311が計測した前記各振動による加速度値のうち、一の振動による加速度値が当該加速度値についての閾値を超えた場合、橋梁200への通行不可と判定する。
判定手段408の加速度判定部408aが橋梁200への通行不可と判定した場合、アラート情報生成手段409は、地震動の検知に関するアラート情報を生成する処理を行う(S106)。当該アラート情報には、橋梁名、計測ノードのID、当該計測ノードが計測した前記振動による加速度値、当該加速度値についての閾値等が含まれる。生成された前記アラート情報は、事業者側端末600に送信される(S107)。また、前記アラート情報は、橋梁DB403a、計測ノードDB403b、加速度DB403cに記憶される(S108)。
事業者側端末600では、図8、図9図示のような地震動の検知に関するアラート情報が表示される。当該地震動の検知に関するアラート情報により、事業者は地震動の検知範囲に位置する橋梁200を素早く把握することができる。
前記加速度値についての判定処理と並行して行われる上記S105の積分処理において、積分値算出手段404は、上述した数式1及び数式2を用いて、橋桁201及び橋台202それぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の前記振動による加速度値を2回積分する処理を行う。
積分値補正手段405であるSINCフィルタは、積分値算出手段404が行った2回積分処理によって算出された橋桁201及び橋台202それぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の前記振動による加速度値の積分値から、上述した数式3及び数式4を用いて、前記振動による加速度値の低周波数成分を除去するフィルタ処理を行う(S109)。
絶対変位量算出手段406は、前記SINCフィルタによって前記フィルタ処理された橋桁201及び橋台202それぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の積分値に基づいて、橋桁201及び橋台202それぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の絶対変位量である、第一の橋桁側計測ノード301及び第二の橋桁側計測ノード303と第一の構造物側計測ノード302それぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の絶対変位量を算出する処理を行う(S110)。
また、相対変位量算出手段407は、前記SINCフィルタによって前記フィルタ処理された橋桁201及び橋台202それぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の前記振動による加速度値の積分値に基づいて、橋桁201及び橋台202それぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の相対変位量である、上述した相対変位量a)乃至h)を算出する処理を行う(S111)。
判定手段408を構成する絶対変位判定部408bは、絶対変位量算出手段406が算出した橋桁201及び橋台202それぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の絶対変位量が、絶対変位量DB403dに記憶されている前記絶対変位量についての閾値を超えているか否かの判定処理を行う(S112)。
絶対変位判定部408bは、絶対変位量算出手段406が算出した第一の橋桁側計測ノード301及び第二の橋桁側計測ノード303と、第一の構造物側計測ノード302それぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の絶対変位量のうち、一の絶対変位量が当該絶対変位量についての閾値を超えた場合、橋梁200への通行不可と判定する。
また、判定手段408を構成する相対変位判定部408cは、相対変位量算出手段407が算出した橋桁201及び橋台202それぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の相対変位量が、相対変位量DB403eに記憶されている前記相対変位量についての閾値を超えているか否かの判定処理を行う(S113)。
相対変位判定部408cは、相対変位量算出手段407が算出した上記a)乃至h)の相対変位量のうち、一の相対変位量が当該相対変位量についての閾値を超えた場合、橋梁200への通行不可と判定する。
判定手段408の絶対変位判定部408b又は相対変位判定部408cが橋梁200への通行不可と判定した場合、アラート情報生成手段409は、橋梁200の異常に関するアラート情報を生成する処理を行う(S114)。当該アラート情報には、橋梁名、計測ノードのID、橋桁201及び橋台202それぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の絶対変位量、相対変位量及びこれら変位量についての閾値等が含まれる。生成された前記アラート情報は、事業者側端末600に送信される(S115)。また、前記アラート情報は、橋梁DB403a、計測ノードDB403b、絶対変位量DB403d、相対変位量DB403eに記憶される(S116)。
事業者側端末600では、図8、図9図示のような地震動の検知に関するアラート情報が表示された状態から図10図示のような橋梁200の異常に関するアラート情報が表示される。当該橋梁200の異常に関するアラート情報により、前記地震動の検知に関するアラート情報に引き続いて、どの橋梁がどの程度の被災状況なのかを速やかに把握し、橋梁200の通行可否判定を迅速に行うことができる。
特に本発明では、目視点検では把握できない地震発生中における橋桁200及び橋台202それぞれの橋軸方向、橋軸直角方向及び鉛直方向の絶対変位量及び相対変位量が正確に算出されるので、前記事業者は直ちに橋梁の被災状況を推定することができる。
以上、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々の形態に変更可能である。
100 橋梁通行可否判定システム
200 橋梁
201 橋桁
202 橋台
300 計測ノード
301 第一の橋桁側計測ノード
302 第一の構造物側計測ノード
303 第二の橋桁側計測ノード
304 第二の構造物側計測ノード
305 データ中継ノード
310 情報送信手段
311 加速度計測手段
312 情報受信手段
313 情報転送手段
400 橋梁監視サーバ装置
401 情報送受信手段
402 制御手段
403 記憶手段
403a 橋梁データベース
403b 計測ノードデータベース
403c 加速度データベース
403d 絶対変位量データベース
403e 相対変位量データベース
404 積分値算出手段
405 積分値補正手段
406 絶対変位量算出手段
407 相対変位量算出手段
408 判定手段
408a 加速度判定部
408b 絶対変位判定部
408c 相対変位判定部
409 アラート情報生成手段
500a 無線通信網
500b 通信ネットワーク
500c 通信ネットワーク
600 事業者側端末
600a 本社端末
600b 支社端末
600c 管制センター端末
600d 管理事務所端末

Claims (8)

  1. 橋梁における橋桁と、当該橋桁の端部に隣接している構造物とにそれぞれ設置されている橋桁側計測ノード及び構造物側計測ノードと、
    前記橋桁側計測ノードと、前記構造物側計測ノードが計測する前記橋桁及び前記構造物それぞれの振動による加速度値を取得して、当該加速度値から、前記橋桁及び前記構造物の状態を推定し、前記橋梁への通行可否を判定する橋梁監視サーバ装置とが、
    通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続されてなる橋梁通行可否判定システムであって、
    前記橋梁監視サーバ装置は、
    前記橋桁側計測ノードと、前記構造物側計測ノードのそれぞれから取得した前記加速度値を2回積分し、前記橋桁側計測ノードと、前記構造物側計測ノードそれぞれの前記振動による加速度値の積分値を算出する積分値算出手段と、
    前記算出されたそれぞれの積分値から、前記加速度値の低周波数成分を除去するSINCフィルタと、
    前記低周波数成分が除去されたそれぞれの積分値に基づいて、前記構造物側計測ノードを基準とした前記橋桁側計測ノードの相対変位量又は前記橋桁側計測ノードを基準とした前記構造物側計測ノードの相対変位量を算出する相対変位量算出手段と、
    前記算出された相対変位量と、予め定められている前記相対変位量の閾値とを比較して、前記橋梁への通行可否を判定する判定手段とを備え、
    前記橋桁側計測ノードは、橋軸が延びる方向に交差する方向で少なくとも2個配置した第一の橋桁側計測ノードと第二の橋桁側計測ノードとを備えてなり、
    前記SINCフィルタは、前記加速度値の全周波数成分に対して遅延時間を一定にして前記算出されたそれぞれの積分値から、前記加速度値の低周波数成分を除去する
    ことを特徴とする橋梁通行可否判定システム。
  2. 前記構造物側計測ノードが設置される前記構造物は橋台である
    ことを特徴とする請求項1記載の橋梁通行可否判定システム。
  3. 前記構造物側計測ノードは、橋軸が延びる方向に交差する方向で少なくとも2個配置した第一の構造物側計測ノードと第二の構造物側計測ノードとを備えてなる
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の橋梁通行可否判定システム。
  4. 前記橋梁監視サーバ装置は、
    前記低周波数成分が除去されたそれぞれの積分値に基づいて、定められた基準点に対する前記橋桁側計測ノードと、前記構造物側計測ノードそれぞれの絶対変位量を算出する処理を行う絶対変位量算出手段をさらに備えており、
    前記判定手段は、
    前記算出された絶対変位量と、予め定められている前記絶対変位量の閾値とを比較して、前記橋梁への通行可否を判定する
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の橋梁通行可否判定システム。
  5. 前記橋桁側計測ノードと前記構造物側計測ノードは、それぞれMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)加速度センサを備えており、これを用いて、前記橋桁及び前記構造物それぞれの振動による加速度値を計測する
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の橋梁通行可否判定システム。
  6. 前記橋桁側計測ノードと、前記構造物側計測ノードと、前記橋梁監視サーバ装置との間の通信ネットワークを介した相互に通信可能な接続は、
    データ中継ノードを介して行われており、
    前記橋桁側計測ノードと、前記構造物側計測ノードと、前記データ中継ノードとが、IEEE802.11規格の無線通信網によってリアルタイムで相互に通信可能に接続されている
    ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の橋梁通行可否判定システム。
  7. 前記データ中継ノードは、携帯電話通信網又は衛星通信網のいずれかの通信ネットワークを選択して、前記橋桁側計測ノードと、前記構造物側計測ノードから取得した前記加速度値を前記橋梁監視サーバ装置へ転送する情報転送手段
    を備えていることを特徴とする請求項記載の橋梁通行可否判定システム。
  8. 前記情報転送手段は、前記携帯電話通信網の混雑時に前記橋梁監視サーバ装置への通信を前記衛星通信網に自動で切替える通信ネットワーク切替機能を備えている
    ことを特徴とする請求項7記載の橋梁通行可否判定システム。
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