JP6623999B2 - 車両の制動制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動二輪車両などの車両に適用される車両の制動制御装置に関する。
車両の前輪への制動力の付与によって同車両が減速している場合、同車両の後輪の接地荷重の低下に起因する後輪の浮き上がり、すなわちリアリフトが発生することがある。特許文献1には、前輪に制動力が付与されている状況下におけるリアリフトの発生を抑制する車両の制動装置の一例が記載されている。
特許文献1に記載の装置は、前輪に対して設けられている前輪ホイールシリンダとマスタシリンダとを繋ぐ液路に配置されている電磁弁を備えている。そして、リアリフトが発生する可能性が有ると判定されたことを条件に、同電磁弁を閉弁させたり開弁させたりするリアリフト抑制制御が開始される。すると、前輪ホイールシリンダ内の液圧の増大が抑制されるため、前輪に対する制動力の増大が抑制される。その結果、リアリフトの発生が抑制される。
特許第5014162号公報
ところで、リアリフト抑制制御が実施されている最中でも、運転者の制動操作量が増大されることがある。
また、リアリフト抑制制御としては、上記電磁弁を閉弁させる期間と、同電磁弁を閉弁させない期間とを交互に繰り返すことで、前輪に対する制動力の増大を抑制する制御が知られている。このようなリアリフト抑制制御の実施中に制動操作量が増大されると、マスタシリンダ内の液圧が増大するため、前輪ホイールシリンダ内の液圧が増大するようになる。しかしながら、この場合の前輪ホイールシリンダ内の液圧の増大速度は、リアリフト抑制制御の実施による電磁弁の駆動態様によって決まるため、マスタシリンダ内の液圧の増大速度よりも小さくなってしまう。マスタシリンダ内の液圧の増大速度は制動操作量の増大速度に応じた速度であるため、制動操作を行っている運転者が要求している車体減速度の変化速度と実際の車体減速度の変化速度とのずれが大きくなり、運転者のフィーリングの低下を招いてしまう。
本発明の目的は、リアリフトの発生を抑制しつつ、制動操作を行う運転者のフィーリングの低下を抑制することができる車両の制動制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するための車両の制動制御装置は、制動操作に応じた液圧が内部で発生するマスタシリンダと車両の前輪に対して設けられている前輪ホイールシリンダとを繋ぐ液路に配置されている電磁弁を備える車両に適用される装置であって、電磁弁の駆動を制御する電磁弁制御部と、車両の後輪の接地荷重の低下度合いの指標となるパラメータを取得する取得部と、を備えた制動制御装置を前提としている。この車両の制動制御装置において、電磁弁制御部は、制動操作によって前輪に制動力が付与されている場合、取得部によって取得されているパラメータが判定値に達したことを条件に、液路における同電磁弁よりもマスタシリンダ側と同電磁弁よりも前輪ホイールシリンダ側との差圧が規定差圧となるように電磁弁を駆動させるリアリフト抑制制御を開始する。
上記構成によれば、前輪に制動力が付与されている場合においてパラメータが判定値に達したときには、リアリフトが発生する可能性があると判断できるため、リアリフト抑制制御が開始される。このリアリフト抑制制御では、上記差圧が規定差圧となるように、電磁弁の駆動が制御される。これにより、差圧が規定差圧未満であるときには、前輪ホイールシリンダ内の液圧の増大が抑制されるため、前輪に対する制動力の増大が抑制される。これにより、後輪の接地荷重の低下を抑制することができる。一方、差圧が規定差圧に達すると、マスタシリンダ内の液圧の増大に連動するように前輪ホイールシリンダ内の液圧が増大されるようになる。すなわち、前輪ホイールシリンダ内の液圧の増大速度は、運転者の制動操作量の増大速度に応じた速度となる。そのため、制動操作を行っている運転者が要求している車体減速度の変化速度と、実際の車体減速度の変化速度との間にずれが生じにくい。したがって、リアリフトの発生を抑制しつつ、制動操作を行う運転者のフィーリングの低下を抑制することができるようになる。
なお、電磁弁は、同電磁弁に対して設定される差圧指令値が大きいほど、マスタシリンダ側から前輪ホイールシリンダ側にブレーキ液が流動しにくくなるように構成されていることがある。このような電磁弁がマスタシリンダと前輪ホイールシリンダとを繋ぐ液路に配置されている場合、差圧指令値が大きいほど上記差圧が大きくなりやすい。そこで、規定差圧に応じた差圧指令値を規定差圧指令値とした場合、電磁弁制御部は、リアリフト抑制制御では、規定差圧指令値よりも大きい初期指令値で差圧指令値を保持する状態を初期期間継続し、その後、規定差圧指令値で差圧指令値を保持することが好ましい。
上記構成によれば、リアリフト抑制制御の開始条件が成立すると、差圧指令値が初期指令値で保持される状態が継続される。このような状態が継続されることで、上記差圧を規定差圧まで増大させやすくなる。そして、このような状態が初期期間継続されると、差圧指令値が規定差圧指令値で保持されるようになる。これにより、上記差圧が過剰に大きくなることが抑制される。したがって、リアリフト抑制制御の実施中であっても制動操作量が増大されたときには、制動操作量の増大に合わせて前輪ホイールシリンダ内の液圧が増大されるようになり、車両の車体減速度の変化速度を、制動操作量の変化速度に応じた速度とすることができるようになる。
また、電磁弁制御部は、リアリフト抑制制御では、規定差圧指令値で差圧指令値を保持する状態を規定期間継続した後、規定差圧を小さくすることで差圧指令値を小さくするようにしてもよい。
上記構成によれば、リアリフト抑制制御の開始時の規定差圧を初期規定差圧とした場合、リアリフト抑制制御が実施されている最中に規定差圧を初期規定差圧よりも小さくすることができる。このように規定差圧が小さくなると、差圧指令値が小さくなる。すると、上記差圧が小さくなり、前輪ホイールシリンダ内の液圧がマスタシリンダ内の液圧に近づくようになる。そのため、規定差圧を初期規定差圧よりも小さくしない場合と比較し、前輪に対する制動力が大きくなる分、車両の車体減速度を、制動操作量に応じた値に近づけることができるようになる。
なお、上記車両の制動制御装置の一例では、制御部は、前輪ホイールシリンダ内の液圧を減少させる減圧と、電磁弁よりもマスタシリンダ側からブレーキ液を同前輪ホイールシリンダ内に供給して同前輪ホイールシリンダ内の液圧を増大させる増圧と、を行うアンチロックブレーキ制御(以下、「ABS制御」ともいう。)を実施するようになっている。この場合、制御部は、リアリフト抑制制御の実施中にABS制御の開始条件が成立したことを契機に同ABS制御を実施するとき、初回の減圧後における初回の増圧の開始時における上記差圧が、上記開始条件の成立時点の規定差圧と、上記初回の減圧による前輪ホイールシリンダ内の液圧の減少量との和に応じた値となるように、電磁弁を駆動させることが好ましい。
上記構成によれば、リアリフト抑制制御の実施中にABS制御の開始条件が成立すると、ABS制御の実施によって前輪ホイールシリンダ内の液圧が調整されるようになる。すなわち、ABS制御が実施されると、まず始めに前輪ホイールシリンダ内の液圧が減少され、同減圧の終了後では、前輪ホイールシリンダ内にマスタシリンダ側からブレーキ液が供給され、同前輪ホイールシリンダ内の液圧が増大される。このようなABS制御での初回の増圧開始時では、マスタシリンダと前輪ホイールシリンダとの差圧が、上記開始条件の成立時点における規定差圧と初回の減圧時における前輪ホイールシリンダ内の液圧の減少量との和とほぼ等しい。
ここで、ABS制御の実施開始前にリアリフト抑制制御が実施されていた場合、ABS制御の実施中におけるマスタシリンダ内の液圧は、ABS制御の開始条件の成立時点での前輪ホイールシリンダ内の液圧と、同時点での規定差圧との和とほぼ等しいと想定される。また、ABS制御の減圧による前輪ホイールシリンダ内の液圧の減少量をABS減少量とした場合、減圧終了時点における前輪ホイールシリンダ内の液圧は、同減圧の開始時点の液圧からABS減少量を減じた差とほぼ等しいと想定される。したがって、上記構成のように、初回の増圧の開始時に、上記開始条件の成立時点における規定差圧と初回の減圧時におけるABS減少量との和に応じた値に上記差圧がなるように電磁弁を駆動させることにより、初回の増圧時に前輪ホイールシリンダ内の液圧を適切に増大させることができるようになる。すなわち、ABS制御時における前輪ホイールシリンダ内の液圧の制御性を高めることができる。
車両の制動制御装置の一実施形態である制御装置を備える自動二輪車両の制動装置を示す概略構成図。 前輪に対してアンチロックブレーキ制御を実施していないときに同制御装置が実行する処理ルーチンを説明するフローチャート。 (a)〜(c)は車両制動時にリアリフト抑制制御を実施する場合のタイミングチャート。 前輪に対してアンチロックブレーキ制御を実施するときに同制御装置が実行する処理ルーチンを説明するフローチャート。 別の実施形態の車両の制動制御装置である制御装置を備える自動二輪車両の減速時において、(a)〜(c)は車両制動時にリアリフト抑制制御を実施する場合のタイミングチャート。 別の実施形態の車両の制動制御装置である制御装置を備える自動二輪車両の減速時において、(a)〜(c)は車両制動時にリアリフト抑制制御を実施する場合のタイミングチャート。
以下、車両の制動制御装置を自動二輪車両の制動制御装置に具体化した一実施形態を図1〜図4に従って説明する。
図1には、本実施形態の制動制御装置の一例である制御装置30を備える自動二輪車両の制動装置10が図示されている。図1に示すように、制動装置10は、車両の前輪FWに対する制動力を調整するための前輪用液圧発生装置11fと、車両の後輪RWに対する制動力を調整するための後輪用液圧発生装置11rとを備えている。また、制動装置10は、制御装置30によって作動が制御されるブレーキアクチュエータ20を備えている。
前輪用液圧発生装置11fは、運転手によるブレーキレバー12fの操作に応じた液圧(以下、「前輪MC圧」ともいう。)が内部に発生する前輪マスタシリンダ13fを有している。後輪用液圧発生装置11rは、運転手によるブレーキペダル12rの操作に応じた液圧(以下、「後輪MC圧」ともいう。)が内部に発生する後輪マスタシリンダ13rを有している。
ブレーキアクチュエータ20には、前輪FWに対して設けられている前輪ホイールシリンダ15fと前輪マスタシリンダ13fとの間に配置されている前輪用液圧回路21fと、後輪RWに対して設けられている後輪ホイールシリンダ15rと後輪マスタシリンダ13rとの間に配置されている後輪用液圧回路21rとが設けられている。そして、ブレーキレバー12fが操作されると、前輪マスタシリンダ13fから前輪用液圧回路21fを介してブレーキ液が前輪ホイールシリンダ15f内に流入し、前輪ホイールシリンダ15f内の液圧である前輪WC圧が増大される。これにより、前輪FWに対する制動力が増大される。また、ブレーキペダル12rが操作されると、後輪マスタシリンダ13rから後輪用液圧回路21rを介してブレーキ液が後輪ホイールシリンダ15r内に流入し、後輪ホイールシリンダ15r内の液圧である後輪WC圧が増大される。これにより、後輪RWに対する制動力が増大される。
また、各液圧回路21f,21rにおいてマスタシリンダ13f,13rとホイールシリンダ15f,15rとを繋ぐ液路には、常開型の電磁弁の一例である保持弁22f,22rが配置されている。この保持弁22f,22rは、入力される電流値を調整することで開度を調整することができるように構成されている。すなわち、マスタシリンダ13f,13r内のMC圧が増大している状況下では、保持弁22f,22rに入力される電流値が大きいほど、保持弁22f,22rでは弁体を弁座に押し付けようとする力が大きくなるため、マスタシリンダ13f,13r側からホイールシリンダ15f,15r側にブレーキ液が流動しにくくなる。
また、各液圧回路21f,21rには、ホイールシリンダ15f,15rに液路を介して接続されているリザーバ23f,23rが設けられている。そして、各液圧回路21f,21rにおいてホイールシリンダ15f,15rとリザーバ23f,23rとの間には、常閉型の電磁弁である減圧弁24f,24rが配置されている。そのため、減圧弁24f,24rが開弁されているときには、ホイールシリンダ15f,15r内のブレーキ液をリザーバ23f,23r内に流出させることが可能となる。
また、各液圧回路21f,21rには、電動モータ25の駆動によって作動するポンプ26f,26rが設けられている。これらポンプ26f,26rは、リザーバ23f,23r内のブレーキ液を吸引し、液圧回路21f,21rにおけるマスタシリンダ13f,13rと保持弁22f,22rとを繋ぐ液路にブレーキ液を吐出する。
制御装置30には、前輪FWの回転速度である前輪速度VWFを検出する車輪速度センサ51fと、後輪RWの回転速度である後輪速度VWRを検出する車輪速度センサ51rと、ブレーキレバー12fが操作されているか否かを検出する前輪ブレーキスイッチ52fとが電気的に接続されている。
制御装置30は、CPU及びメモリなどで構築されるマイクロコンピュータと、各弁22f,22r,24f,24rを駆動するための駆動回路と、電動モータ25を駆動するための駆動回路とを有している。そして、制御装置30は、アンチロックブレーキ制御(以下、「ABS制御」という。)などの制動制御の実施時には、保持弁22f,22r及び減圧弁24f,24rの駆動を適宜制御する。したがって、本実施形態では、制御装置30が、保持弁22fを制御する「制御部」の一例として機能する。
ところで、前輪FWに制動力が付与されていると、後輪RWの接地荷重が低下することがある。このように後輪RWの接地荷重が低下すると、後輪RWの浮き上がり、すなわちリアリフトが発生するおそれがある。本実施形態では、前輪FWに制動力が付与されている状況下でリアリフトが発生する可能性があると判断したときには、前輪ホイールシリンダ15f内の前輪WC圧PwcFの増大を抑制するリアリフト抑制制御を実施するようにしている。
リアリフトが発生する可能性があるか否かの判定は、後輪RWの接地荷重の低下度合いの指標となるパラメータを取得することで実現することができる。すなわち、取得したパラメータが判定値に達したときに、リアリフトが発生する可能性があると判断することができる。
なお、後輪RWの接地荷重は、車両の車体減速度DVSが大きいほど小さくなりやすい。また、後輪RWの接地荷重は、車体減速度DVSが未だ小さくても、車体減速度DVSの増大速度である車体減速度増大速度DDVSが大きいほど小さくなりやすい。そのため、本実施形態では、車体減速度DVS及び車体減速度増大速度DDVSが、後輪RWの接地荷重の低下度合いの指標となる「パラメータ」の一例として制御装置30で演算される。この点で、本実施形態では、制御装置30が、パラメータの一例である車体減速度DVSや車体減速度増大速度DDVSを取得する「取得部」の一例として機能する。
ここで、車体減速度DVS及び車体減速度増大速度DDVSの取得方法の一例について説明する。すなわち、制御装置30は、各車輪速度センサ51f,51rによって検出されている前輪FWの前輪速度VWF及び後輪RWの後輪速度VWRの少なくとも1つの車輪速度に基づいて車両の車体速度VSを演算する。そして、制御装置30は、このように演算した車体速度VSを時間微分することで車体減速度DVSを導出する。また、制御装置30は、このように演算した車体減速度DVSを時間微分することで車体減速度増大速度DDVSを導出する。なお、車両の前後減速度を検出するセンサが車両に搭載されている場合には、同センサによって検出されたセンサ値を車体減速度DVSとして取得するとともに、同センサ値を時間微分した値を車体減速度増大速度DDVSとして取得するようにしてもよい。
また、前輪FWに対するABS制御は、前輪FWのスリップの検出を条件に、すなわち車両の車体速度VSから前輪FWの車輪速度VWを減じた差であるスリップ量が判定値以上になったことを条件に開始される。すなわち、制御装置30は、前輪WC圧PwcFを減少させる減圧と、保持弁22fよりも前輪マスタシリンダ13f側からブレーキ液を前輪ホイールシリンダ15f内に供給して前輪WC圧PwcFを増大させる増圧とを繰り返す。ABS制御の実施中ではポンプ26fの作動が継続される。そして、ABS制御の減圧では、保持弁22fが閉弁され、減圧弁24fが開弁される。また、ABS制御の増圧では、減圧弁24fが閉弁され、保持弁22fの開度が制御される。
次に、図2を参照し、運転者によるブレーキレバー12fの操作によって前輪FWに制動力が付与されていることが検知されたことを契機に制御装置30が実行を開始する処理ルーチンを説明する。例えば、制動装置10は、前輪ブレーキスイッチ52fによってブレーキレバー12fが操作されていることを検出したことを契機に、本処理ルーチンの実行を開始することができる。
図2に示すように、本処理ルーチンにおいて、制御装置30は、リアリフト抑制制御の開始条件が成立しているか否かを判定する(ステップS11)。本実施形態では、制御装置30は、以下に示す2つの条件の何れか一方が成立したときに、リアリフト抑制制御の開始条件が成立したと判断するようにしている。
(条件1)車体減速度DVSが、判定値の一例である車体減速度判定値DVSTH以上であること。なお、車体減速度判定値DVSTHは、車体減速度DVSを基にリアリフトが発生する可能性があるか否かを判定できるような値に設定されている。
(条件2)車体減速度増大速度DDVSが、判定値の一例である車体減速度増大速度判定値DDVSTH以上であること。なお、車体減速度増大速度判定値DDVSTHは、車体減速度増大速度DDVSを基にリアリフトが発生する可能性があるか否かを判定できるような値に設定されている。
条件1及び条件2の双方が成立していない場合、リアリフト抑制制御の開始条件が成立していないと判断できるため(ステップS11:NO)、制御装置30は、ABS制御の開始条件が成立しているか否かを判定する(ステップS12)。例えば、制御装置30は、車両の車体速度VSから前輪速度VWFを減じた差を前輪FWのスリップ量SlpFとして導出し、このスリップ量SlpFがスリップ量判定値以上であるときに、ABS制御の開始条件が成立したと判断することができる。
ABS制御の開始条件が成立している場合(ステップS12:YES)、制御装置30は、本処理ルーチンを終了する。一方、ABS制御の開始条件が成立していない場合(ステップS12:NO)、制御装置30は、その処理を後述するステップS20に移行する。
その一方で、ステップS11において、上記条件1及び条件2の少なくとも1つの条件が成立している場合、リアリフト抑制制御の開始条件が成立していると判断できるため(YES)、制御装置30は、ステップS12と同様に、ABS制御の開始条件が成立しているか否かを判定する(ステップS13)。すなわち、本実施形態では、リアリフト抑制制御よりもABS制御の方が優先的に実施されるようになっている。そのため、ABS制御の開始条件が成立している場合(ステップS13:YES)、制御装置30は、本処理ルーチンを終了する。
一方、ABS制御の開始条件が成立していない場合(ステップS13:NO)、制御装置30は、リアリフト抑制制御を実施する。本リアリフト抑制制御では、前輪マスタシリンダ13fと前輪ホイールシリンダ15fとを繋ぐ液路における保持弁22fよりも前輪マスタシリンダ13f側と保持弁22fよりも前輪ホイールシリンダ15f側との差圧、すなわち前輪マスタシリンダ13fと前輪ホイールシリンダ15fとの差圧が規定差圧DPとなるように、保持弁22fが制御される。具体的には、リアリフト抑制制御は以下に示す3つの制御モードを有しており、各制御モードが順番に実施される。保持弁22fに対して設定される差圧指令値に相当する電流値であって且つ保持弁22fのソレノイドに入力される電流値のことを「差圧指令電流値Ino」というものとする。この場合、各制御モードのうち、最初に実施される第1の制御モードでは、差圧指令電流値Inoが初期指令値に相当する初期指令電流値InoBで保持される。初期指令値は、規定差圧DPに応じた差圧指令値である規定差圧指令値よりも大きい値である。そのため、初期指令電流値InoBは、規定差圧指令値に相当する差圧指令電流値である規定指令電流値InoAよりも大きい。
また、各制御モードのうち、2番目に実施される第2の制御モードでは、差圧指令値が規定差圧指令値で保持される。すなわち、差圧指令電流値Inoが規定指令電流値InoAで保持される。なお、第2の制御モードでは、規定差圧指令値は変わらない、すなわち規定指令電流値InoAは変わらない。
そして、各制御モードのうち、3番目に実施される第3の制御モードでは、規定差圧DPを小さくすることで規定差圧指令値が徐々に減少される。これにより、差圧指令電流値Inoが徐々に減少される。
すなわち、リアリフト抑制制御において、制御装置30は、リアリフト抑制制御の開始条件が成立した時点からの経過時間に相当するタイマTが第1タイマ判定値TTH1を超えているか否かを判定する(ステップS14)。この第1タイマ判定値TTH1は、第1の制御モードの実施の継続時間である初期期間の時間的に長さに相当する判定値である。例えば、リアリフトが発生するような制動操作が行われた際における前輪MC圧の増大態様の規範モデルではタイマTが第1タイマ判定値TTH1に達した時点で上記差圧が規定差圧DPと等しくなるように、第1タイマ判定値TTH1が設定されている。
そして、タイマTが第1タイマ判定値TTH1以下である場合(ステップS14:NO)、第1の制御モードの実施期間であると判断できるため、制御装置30は、差圧指令電流値Inoを初期指令電流値InoBと等しくする、すなわち第1の制御モードを実施する(ステップS15)。続いて、制御装置30は、その処理を後述するステップS19に移行する。
一方、タイマTが第1タイマ判定値TTH1を超えている場合(ステップS14:YES)、第1の制御モードの実施期間が既に終了していると判断できるため、制御装置30は、第1タイマ判定値TTH1よりも大きい第2タイマ判定値TTH2をタイマTが超えているか否かを判定する(ステップS16)。この第2タイマ判定値TTH2から第1タイマ判定値TTH1を減じた差が第2の制御モードの実施の継続時間である規定期間に相当するように、第2タイマ判定値TTH2が設定されている。
そして、タイマTが第2タイマ判定値TTH2以下である場合(ステップS16:NO)、第2の制御モードの実施期間であると判断できるため、制御装置30は、差圧指令電流値Inoを規定指令電流値InoAと等しくする、すなわち第2の制御モードを実施する(ステップS17)。続いて、制御装置30は、その処理を後述するステップS19に移行する。
一方、タイマTが第2タイマ判定値TTH2を超えている場合(ステップS16:YES)、第2の制御モードの実施期間が既に終了していると判断できるため、制御装置30は、規定差圧DPを徐々に小さくすることで差圧指令電流値Inoを徐々に「0」に近づける除変処理を行う、すなわち第3の制御モードを実施する(ステップS18)。続いて、制御装置30は、その処理を次のステップS19に移行する。
ステップS19において、制御装置30は、タイマTを更新する。続いて、制御装置30は、その処理を次のステップS20に移行する。
ステップS20において、制御装置30は、リアリフト抑制制御の終了条件が成立しているか否かを判定する。本実施形態では、以下に示す3つの条件のうち少なくとも1つの条件が成立しているときに、制御装置30はリアリフト抑制制御の終了条件が成立していると判断することができる。
(条件3)運転者によるブレーキレバー12fの操作が終了したことを検出すること。
(条件4)ステップS18の処理によって差圧指令電流値Inoが「0」と等しくなったこと。
(条件5)第3の制御モードの継続時間が所定時間に達したこと。
そして、条件3〜5のうち何れの条件も成立していない場合、リアリフト抑制制御の終了条件が成立していないと判断できるため(ステップS20:NO)、制御装置30は、その処理を前述したステップS13に移行する。一方、条件3〜5のうち少なくとも1つの条件が成立している場合、リアリフト抑制制御の終了条件が成立していると判断できるため(ステップS20:YES)、制御装置30は、タイマTを「0」にリセットする(ステップS21)。その後、制御装置30は、本処理ルーチンを終了する。
次に、図4を参照し、前輪FWに対してABS制御を実施するに際して保持弁22fの開閉を制御するために制御装置30が実行を開始する処理ルーチンを説明する。なお、本処理ルーチンは、予め設定された制御サイクル毎に実行される。
図4に示すように、本処理ルーチンにおいて、制御装置30は、ABS制御を実施している最中であるか否かを判定する(ステップS101)。ABS制御を実施している場合(ステップS101:YES)、制御装置30は、ABS制御の終了条件が成立しているか否かを判定する(ステップS102)。終了条件が成立している場合(ステップS102:YES)、制御装置30は、本処理ルーチンを一旦終了する。一方、終了条件が成立していない場合(ステップS102:NO)、制御装置30は、その処理を後述するステップS108に移行する。
その一方で、ステップS101においてABS制御を実施していない場合(NO)、制御装置30は、ABS制御の開始条件が成立しているか否かを判定する(ステップS103)。開始条件が成立していない場合(ステップS103:NO)、制御装置30は、本処理ルーチンを一旦終了する。一方、開始条件が成立している場合(ステップS103:YES)、制御装置30は、現時点、すなわち開始条件の成立時点における規定差圧DPをメモリに記憶する(ステップS104)。ここでメモリに記憶される規定差圧DPは、開始条件の成立時点での差圧指令電流値Inoに応じた値である。続いて、制御装置30は、ABS制御の開始時点、すなわち初回の減圧の開始時点における前輪WC圧PwcFを、車両の車体減速度DVSに基づいて推定演算してメモリに記憶する(ステップS105)。この場合、前輪WC圧PwcFは、車体減速度DVSが大きいほど大きくなる。
そして、制御装置30は、メモリに記憶した、初回の減圧の開始時点における前輪WC圧PwcFと規定差圧DPとを基に、初回の減圧の開始時点における前輪MC圧PmcFを推定演算してメモリに記憶する(ステップS106)。例えば、初回の減圧の開始時点における前輪WC圧PwcFと規定差圧DPとを加算した和を、初回の減圧の開始時点における前輪MC圧PmcFとして導出することができる。もちろん、当該和(=PwcF+DP)にオフセット値を加算又は減算した値を前輪MC圧PmcFとするようにしてもよい。続いて、制御装置30は、ABS制御の減圧の継続時間に相当する減圧時間タイマTaに「0」をセットし(ステップS107)、その処理を次のステップS108に移行する。
ステップS108において、制御装置30は、ABS制御の減圧を行っているか否かを判定する。減圧を行っている場合(ステップS108:YES)、制御装置30は、減圧時間タイマTaを更新する、すなわちカウントアップする(ステップS109)。そして、制御装置30は、保持弁22fに対する差圧指令電流値Inoを閉弁時指令電流値InoCと等しくし、すなわち保持弁22fを閉弁させ(ステップS110)、本処理ルーチンを一旦終了する。
一方、減圧を行っていない場合(ステップS108:NO)、制御装置30は、ABS制御の増圧を行っているか否かを判定する(ステップS111)。増圧を行っていない場合(ステップS111:NO)、制御装置30は、その処理を前述したステップS110に移行する。一方、増圧を行っている場合(ステップS111:YES)、制御装置30は、本処理ルーチンを前回実行したときには増圧を行っていたか否かを判定する(ステップS112)。増圧を行っていた場合(ステップS112:YES)、制御装置30は、予め設定されている増圧のルールに従って差圧指令電流値Inoを設定する(ステップS120)。続いて、制御装置30は、設定した差圧指令電流値Inoと、減圧の終了時点における前輪WC圧PwcFとを基に現時点の前輪WC圧PwcFを推定演算し、この現時点の前輪WC圧PwcFを減圧の開始時点における前輪WC圧PwcFとしてメモリに記憶する(ステップS121)。例えば、差圧指令電流値Inoに応じた差圧と、減圧の終了時点における前輪WC圧PwcFとの和を、現時点の前輪WC圧PwcFとすることができる。その後、制御装置30は、本処理ルーチンを一旦終了する。
その一方で、ステップS112において、増圧を行っていなかった場合(NO)、制御装置30は、最新の減圧時間タイマTa(すなわち、減圧の継続時間)と、減圧開始時における前輪WC圧PwcFとを基に、前輪WC圧の減少量ΔPwcFを推定演算する(ステップS113)。前輪WC圧の減少量ΔPwcFは、減圧時間タイマTaが大きいほど大きくなり、減圧の開始時点における前輪WC圧PwcFが大きいほど大きくなる。続いて、制御装置30は、演算した前輪WC圧の減少量ΔPwcFと、減圧の開始時点における前輪MC圧PmcFとを基に、減圧の終了時点における前輪WC圧PwcFを推定演算する(ステップS114)。例えば、減圧の開始時点における前輪MC圧PmcFから前輪WC圧の減少量ΔPwcFを減じた差を、減圧の終了時点における前輪WC圧PwcFとすることができる。
そして、制御装置30は、ステップS106で推定した前輪MC圧PmcFと、減圧の終了時点における前輪WC圧PwcFとの差圧を演算する(ステップS115)。続いて、制御装置30は、推定した前輪WC圧の減少量ΔPwcFと、ABS制御の開始直前の規定差圧DP(すなわち、ABS制御の開始条件の成立時点における規定差圧DP)とを基に圧力Press2を演算する(ステップS116)。例えば、減少量ΔPwcFと規定差圧DPとの和を圧力Press2とすることができる。また、当該和(=ΔPwcF+DP)に所定のオフセット値を加算した値を圧力Press2とするようにしてもよい。
そして、制御装置30は、減圧時間タイマTaに「0」をセットする(ステップS117)。続いて、制御装置30は、差圧指令電流値Inoに、圧力Press2に相当する電流値InoDをセットする(ステップS118)。この電流値InoDは、圧力Press2が大きいほど大きい値となる。その後、制御装置30は、本処理ルーチンを一旦終了する。
次に、図3に示すタイミングチャートを参照し、運転者のブレーキレバー12fの操作によって前輪FWに対する制動力が増大される際の作用について効果とともに説明する。
図3(a),(b),(c)に示すように、車両走行中に運転者がブレーキレバー12fの操作を開始すると、前輪マスタシリンダ13f内の前輪MC圧PmcFが増大し始める。すると、前輪ホイールシリンダ15f内にブレーキ液が供給され、前輪WC圧PwcFもまた増大される。これにより、前輪FWに対する制動力が増大し、車両の車体減速度DVSが大きくなる。そして、第1のタイミングt11で車体減速度DVSが車体減速度判定値DVSTHに達し、リアリフト抑制制御の開始条件が成立すると、リアリフト抑制制御が開始される。
すなわち、第1のタイミングt11からは、第1の制御モードによって、保持弁22fに対する差圧指令電流値Inoが初期指令電流値InoBで保持される。ABS制御の実施時において保持弁22fを保持させるために保持弁22fに入力される差圧指令電流値Inoを閉弁時指令電流値InoCとした場合、この初期指令電流値InoBは、規定指令電流値InoAよりも大きく、且つ閉弁時指令電流値InoCよりも小さい。
ブレーキレバー12fの操作量が増大されている場合、前輪マスタシリンダ13fから前輪ホイールシリンダ15fに向けてブレーキ液が流れている。そのため、差圧指令電流値Inoを規定指令電流値InoAで保持するようにした場合、保持弁22fでは、開度は小さくできるものの、保持弁22fを通過するブレーキ液の流速によって閉弁に到らないことがある。この点、本実施形態では、差圧指令電流値Inoが初期指令電流値InoB(>InoA)で保持されるため、前輪マスタシリンダ13f側から前輪ホイールシリンダ15f側に保持弁22fを介してブレーキ液が流れていても、保持弁22fの開度をより小さくすることができる。すなわち、前輪ホイールシリンダ15f内の前輪WC圧PwcFを保持しやすくなる。これにより、前輪MC圧PmcFと前輪WC圧PwcFとの差圧を規定差圧DPまで早期に大きくすることができる。
そして、第1の制御モードの実施によって前輪WC圧PwcFが保持されている状態で、タイマTが第1タイマ判定値TTH1に達すると、前輪MC圧PmcFと前輪WC圧PwcFとの差圧が規定差圧DPあたりまで既に大きくなっていると予測することができる。そのため、タイマTが第1タイマ判定値TTH1に達した第2のタイミングt12で、制御モードが第1の制御モードから第2の制御モードに切り替わる。そのため、第2のタイミングt12からは、差圧指令電流値Inoが規定指令電流値InoAで保持されるようになる。
すると、保持弁22fの開度が、第2のタイミングt12以前よりも大きくなりやすくなるため、第2のタイミングt12以降でも前輪MC圧PmcFが増大されている場合には前輪WC圧PwcFもまた増大される。しかも、この場合、前輪WC圧PwcFと前輪MC圧PmcFとの差圧が規定差圧DPで維持されるように、前輪WC圧PwcFが増大される。そのため、ブレーキレバー12fの操作量がゆっくりと大きくなっているときには、前輪MC圧PmcFの増大速度が小さいため、前輪WC圧PwcFの増大速度もまた小さい。一方、ブレーキレバー12fの操作量が急激に大きくなっているときには、前輪MC圧PmcFの増大速度が大きいため、前輪WC圧PwcFの増大速度もまた大きい。このように差圧指令電流値Inoを規定指令電流値InoAで保持することで、前輪MC圧PmcFと前輪WC圧PwcFとの差圧が過剰に大きくなることを抑制できる。
すなわち、リアリフト抑制制御が実施されると、前輪WC圧PwcFと前輪MC圧PmcFとの差圧が規定差圧DP未満であるときには、例えば第1のタイミングt11から第2のタイミングt12までの期間のように前輪WC圧PwcFが保持される。そのため、前輪FWに対する制動力の増大が抑制され、後輪RWの接地荷重の増大を抑制することができる。これにより、リアリフトの発生を抑制することができる。
そして、前輪WC圧PwcFと前輪MC圧PmcFとの差圧が規定差圧DPに達すると、例えば第2のタイミングt12以降のように前輪MC圧PmcFの増大に連動するように前輪WC圧PwcFが増大されるようになる。すなわち、前輪WC圧PwcFの増大速度は、運転者によるブレーキレバー12fの操作量の増大速度に応じた速度となる。そのため、制動操作を行っている運転者が要求している車体減速度の増大速度と、実際の車体減速度DVSの増大速度との間にずれが生じにくい。したがって、リアリフトの発生を抑制しつつ、制動操作を行う運転者のフィーリングの低下を抑制することができる。
なお、リアリフト抑制制御の開始条件が成立した時点で設定された規定差圧DPのことを初期規定差圧DPFとした場合、差圧指令電流値Inoを規定指令電流値InoAで保持している場合、前輪WC圧PwcFは、前輪MC圧PmcFから初期規定差圧DPFを減じた差と等しい。つまり、保持弁22fの駆動によって、車体減速度DVSの増大を制限していることとなる。
そこで、タイマTが第2タイマ判定値TTH2に達する第3のタイミングt13で、制御モードが第2の制御モードから第3の制御モードに切り替わる。そのため、第3のタイミングt13からは、規定差圧DPが初期規定差圧DPFから徐々に減少される。その結果、差圧指令電流値Inoが、規定指令電流値InoAから徐々に減少される。すると、規定差圧DPの減少に応じ、前輪WC圧PwcFと前輪MC圧PmcFとの差圧が徐々に小さくなる。すなわち、前輪WC圧PwcFが徐々に増大される。そのため、規定差圧DPを初期規定差圧DPFで保持する場合と比較し、前輪FWに対する制動力が大きくなる分、車両の車体減速度DVSを、ブレーキレバー12fの操作量に応じた車体減速度に近づけることができる。
なお、図3に示す例にあっては、リアリフト抑制制御の第3の制御モードの実施中の第4のタイミングt14で前輪FWに対するABS制御が開始される。すると、ブレーキアクチュエータ20では、電動モータ25の駆動によってポンプ26f,26rが作動し、保持弁22fが閉弁され、減圧弁24fが開弁される。そして、前輪WC圧PwcFが基準量だけ減圧されると、減圧弁24fが閉弁され、その後、保持弁22fの閉弁が解除されることで、前輪WC圧PwcFが増圧されることとなる。
本実施形態で実施されるリアリフト抑制制御では、前輪WC圧PwcFと前輪MC圧PmcFとの差圧が規定差圧DPとなるように差圧を制御している。そのため、ABS制御の開始直前での差圧を精度良く推定することができる。したがって、ABS制御による最初の前輪WC圧PwcFの減圧の終了時点である第5のタイミングt15における上記差圧を精度良く推定することができる。
具体的には、ABS制御の実施の開始時点、すなわちABS制御による初回の減圧の開始時点における前輪WC圧PwcFが、その時の車体減速度DVSを発生させるブレーキ液圧として車体減速度DVSに基づいて推定される。また、このように推定したABS制御の開始時点における前輪WC圧PwcFと、ABS制御の開始条件が成立した時点での規定差圧DPとに基づいて、ABS制御の開始時点における前輪MC圧PmcFが演算される。そして、同減圧の継続時間を基に前輪WC圧の減少量ΔPwcFを演算し、ABS制御による初回の減圧の終了時点である第5のタイミングt15における前輪WC圧PwcFが、初回の減圧の開始時点における前輪WC圧PwcFから当該減少量ΔPwcFを減じることで導出される。こうして推定演算した減圧の終了時点における前輪WC圧PwcFを前輪MC圧PmcFから減算することで、増圧の制御開始タイミングでは、前輪WC圧PwcFと前輪MC圧PmcFとの差圧を精度良く推定することができる。
これにより、ABS制御による最初の前輪WC圧PwcFの増圧の開始タイミングである第6のタイミングt16では、保持弁22fに対する差圧指令電流値Inoを適切な値に設定することができる。その結果、ABS制御による最初の前輪WC圧PwcFの増圧時にあっては、前輪WC圧PwcFが急激に増大したり、前輪WC圧PwcFがなかなか増大しなかったりする事象が生じにくい。
さらに、ABS制御の開始条件が成立した時点における規定差圧DPに、ABS制御の初回の減圧による前輪WC圧PwcFの減少量ΔPwcFを加算した値である圧力Press2を求め、第6のタイミングt16での保持弁22fに対する差圧指令電流値Inoが、圧力Press2に相当する電流値InoDに設定される。この場合、初回の増圧制御の開始時点における前輪MC圧PmcFと前輪WC圧PwcFとの差圧と、差圧指令電流値Inoに応じた差圧とが互いに等しくなる。こうすることで、第6のタイミングt16から増圧を行うに際し、差圧指令電流値Inoを減少させた分に等しく前輪WC圧PwcFが増大するようになり、差圧指令電流値Inoによって前輪WC圧PwcFの増大量を正確に制御することができる。
ここで、ABS制御による前輪WC圧PwcFの増圧時に前輪WC圧PwcFが急激に増大すると、後輪RWの接地荷重が再び低下し、リアリフトの発生する可能性が再び生じることとなる。この点、本実施形態では、ABS制御による前輪WC圧PwcFの増圧時における前輪WC圧PwcFの急激な増大を抑制できるため、ABS制御中ではリアリフトが発生しにくい。したがって、ABS制御の実施中では、車両挙動の安定性の低下を抑制しつつ、車両の減速度が小さくなることを抑制できる。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記実施形態では、リアリフト抑制制御の実施中でタイマTが第2タイマ判定値TTH2に達すると、規定差圧DPを徐々に小さくするようにしているが、リアリフト抑制制御の実施中に規定差圧DPを変更しないようにしてもよい。この場合、タイマTが第2タイマ判定値TTH2以上になっても、規定差圧DPが初期規定差圧DPFで保持されるため、差圧指令電流値Inoが減少されない。
・上記実施形態では、リアリフト抑制制御の実施中における制御モードの切り替えのタイミングをタイマTによって決定するようにしているが、これに限らず、他の方法で制御モードの切り替えを行うようにしてもよい。例えば、前輪MC圧PmcFを検出するセンサを制動装置10が備えている場合、第1の制御モードの実施中での前輪MC圧PmcFの増大量が規定差圧DPに応じた値に達したタイミングで、制御モードを第1の制御モードから第2の制御モードに切り替えるようにしてもよい。
・初期指令電流値InoBを可変させてもよい。例えば、車体減速度増大速度DDVSが大きいほど、前輪MC圧PmcFの増大速度が大きいと予測することができる。そして、前輪MC圧PmcFの増大速度が大きいほど、前輪マスタシリンダ13fから前輪マスタシリンダ13fに向かうブレーキ液の流速が大きくなりやすい。すなわち、前輪MC圧PmcFの増大速度が大きいほど、保持弁22fの開度を小さくしにくくなる。そこで、車体減速度DVSが車体減速度判定値DVSTHに達したことを契機にリアリフト抑制制御を開始する場合にあっては、車体減速度DVSが車体減速度判定値DVSTHに達した時点の車体減速度増大速度DDVSが大きいほど、初期指令電流値InoBを大きくするようにしてもよい。
・リアリフト抑制制御では、図5に示すように、第1の制御モードを実施している状況下で制御モードの切り替え条件が成立したときには、制御モードを、第2の制御モードではなく第3の制御モードに切り替えるようにしてもよい。すなわち、図5(a),(b),(c)に示すように、第1のタイミングt21でリアリフト抑制制御の開始条件が成立すると、第1の制御モードによって差圧指令電流値Inoが初期指令電流値InoBで保持される。そして、第2のタイミングt22でタイマTが第1タイマ判定値TTH1に達すると、第3の制御モードによって、規定差圧DPが徐々に減少されることで、差圧指令電流値Inoが、規定指令電流値InoAから徐々に減少されるようになる。このように第3の制御モードが実施されている期間では、前輪WC圧PwcFは前輪MC圧PmcFの増大速度よりもやや速く増大されるようになる。そのため、ブレーキレバー12fの操作量が増大しても、車体減速度DVSがなかなか大きくならない事象が生じにくい。したがって、リアリフトの発生を抑制しつつ、制動操作を行う運転者のフィーリングの低下を抑制することができる。
・リアリフト抑制制御では、同制御の開始時点から差圧指令電流値Inoを規定指令電流値InoAで保持するようにしても、前輪WC圧PwcFの増大を制限することができるのであれば、図6に示すように、同制御の開始時点から差圧指令電流値Inoを規定指令電流値InoAで保持させるようにしてもよい。すなわち、図6(a),(b),(c)に示すように、第1のタイミングt31でリアリフト抑制制御の開始条件が成立すると、差圧指令電流値Inoを規定指令電流値InoAで保持する状態が開始される。第1のタイミングt31から第2のタイミングt32までの期間のように、前輪MC圧PmcFの増大速度が大きいときには、前輪マスタシリンダ13fから前輪ホイールシリンダ15fに向けて流れるブレーキ液の量が多いため、保持弁22fの開度は小さくなるものの、保持弁22fを閉弁させるには到らない。その結果、前輪WC圧PwcFは増大されるものの、前輪WC圧PwcFの増大速度が前輪MC圧PmcFの増大速度よりも小さくなる。これにより当該差圧が徐々に大きくなる。
そして、前輪MC圧PmcFの増大速度が小さくなると、前輪マスタシリンダ13fから前輪ホイールシリンダ15fに向けて流れるブレーキ液の量が少なくなるため、保持弁22fの開度が小さくなりやすくなる。やがて第2のタイミングt32で当該差圧が規定差圧DPに達すると、第2のタイミングt32以降では、当該差圧が規定差圧DPで保持されるようになる。この状態でブレーキレバー12fの操作量が増大し、前輪MC圧PmcFが増大されると、前輪WC圧PwcFは、上記差圧が規定差圧DPで保持されるように増大するようになる。したがって、リアリフトの発生を抑制しつつ、制動操作を行う運転者のフィーリングの低下を抑制することができる。
・制動装置は、ブレーキペダル12rが操作されたときに、後輪RWに対する制動力だけではなく、前輪FWに対する制動力をも増大させることのできる、いわゆる連動ブレーキを備えた構成であってもよい。このような制動装置を備える車両には、前輪FWに対して、前輪用液圧回路21fに繋がっている第1の前輪ホイールシリンダと、後輪用液圧回路21rに繋がっている第2の前輪ホイールシリンダとが設けられている。また、後輪用液圧回路21rには、後輪マスタシリンダ13rと後輪ホイールシリンダ15rとを繋ぐ液路に配置されている保持弁と、後輪マスタシリンダ13rと第2の前輪ホイールシリンダとを繋ぐ液路に配置されている保持弁とが設けられている。そして、ブレーキペダル12rが操作されている状態でリアリフト抑制制御の開始条件が成立した場合には、後輪マスタシリンダ13rと第2の前輪ホイールシリンダとの差圧が規定差圧となるように、後輪マスタシリンダ13rと第2の前輪ホイールシリンダとを繋ぐ液路に配置されている保持弁に入力させる差圧指令電流値を調整するようにしてもよい。
・保持弁22fは、常閉型の電磁弁であってもよい。この場合、初期指令電流値InoBは、規定指令電流値InoAよりも小さい値に設定されることとなる。
・保持弁22fは、オンとオフとの二位置型の電磁弁であってもよい。この場合、リアリフト抑制制御では、保持弁22fを開弁させる期間と保持弁22fを閉弁させる期間との比率を調整することにより、後輪マスタシリンダ13rと第2の前輪ホイールシリンダとの差圧が規定差圧となるように、保持弁22fを駆動させることができる。
・判定値の一例である車体減速度判定値DVSTHや車体減速度増大速度判定値DDVSTHを、車両の走行する路面の状態(すなわち、路面の勾配やμ値など)によって可変させるようにしてもよい。
・前輪FWに対して制動力が付与されているか否かの判定を、前輪ブレーキスイッチ52fからの検出信号を用いる方法とは異なる他の方法で行うようにしてもよい。例えば、車両の車体減速度DVSの増大速度が制動判定速度以上であるときに、前輪FWに制動力が付与されていると判定するようにしてもよい。
・制動装置10を備える車両は、前輪に対する制動力が増大されるとリアリフトが発生する可能性があるものであれば、自動二輪車両以外の他の車両であってもよい。例えば、このような他の車両としては、例えば、自動3輪車両(2つの前輪と1つの後輪とを有する車両と、1つの前輪と2つの後輪とを有する車両との双方を含む。)、全地形型車両(ATV:All Terrain Vehicle)を挙げることができる。
次に、上記実施形態及び別の実施形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記制御部は、前記リアリフト抑制制御では、差圧指令値を前記規定差圧指令値よりも大きい初期指令値に保持する状態を初期期間継続し、その後、前記規定差圧を小さくすることで差圧指令値を小さくするようにしてもよい。
上記構成によれば、リアリフト抑制制御の開始条件が成立すると、差圧指令値が初期指令値で保持される状態が継続される。このような状態が継続されることで、上記差圧を規定差圧まで増大させやすくなる。そして、このような状態が初期期間継続されると、規定差圧が小さくされ、差圧指令値が小さくなる。すると、前輪ホイールシリンダ内の液圧は、マスタシリンダ内の液圧の増大速度よりもやや速く増大されるようになる。そのため、制動操作量を増大しても、車体減速度がなかなか大きくならない事象が生じにくい。したがって、リアリフトの発生を抑制しつつ、制動操作を行う運転者のフィーリングの低下を抑制することができるようになる。
(ロ)前記制御部は、前記リアリフト抑制制御では、差圧指令値を前記規定差圧指令値で保持するようにしてもよい。
上記構成によれば、リアリフト抑制制御の実施によって差圧指令値が規定差圧指令値で保持されると、前輪ホイールシリンダ内の液圧、前輪に対する制動力が増大されにくくなるため、リアリフトの発生を抑制することができる。こうした前輪ホイールシリンダ内の液圧の増大の抑制によって上記差圧が規定差圧に達すると、前輪ホイールシリンダ内の液圧の増大速度が、マスタシリンダ内の液圧の増大速度とほぼ等しくなる。したがって、リアリフトの発生を抑制しつつ、制動操作を行う運転者のフィーリングの低下を抑制することができるようになる。
13f…前輪マスタシリンダ、15f…前輪ホイールシリンダ、22f…電磁弁の一例である保持弁、30…制御装置(制御部及び取得部)、FW…前輪、RW…後輪、DDVS…車体減速度増大速度、DDVSTH…車体減速度増大速度判定値、DVS…車体減速度、DVSTH…車体減速度判定値、DP…規定差圧、Ino…差圧指令値に相当する差圧指令電流値、InoA…規定差圧指令に相当する規定指令電流値、InoB…初期指令値に相当する初期指令電流値、PmcF…前輪MC圧。

Claims (4)

  1. 制動操作に応じた液圧が内部で発生するマスタシリンダと車両の前輪に対して設けられている前輪ホイールシリンダとを繋ぐ液路に配置されている電磁弁を備える車両に適用され、
    前記電磁弁の駆動を制御する制御部と、車両の後輪の接地荷重の低下度合いの指標となるパラメータを取得する取得部と、を備えた車両の制動制御装置において、
    前記制御部は、前記前輪ホイールシリンダ内の液圧を減少させる減圧と、前記電磁弁よりも前記マスタシリンダ側からブレーキ液を同前輪ホイールシリンダ内に供給して同前輪ホイールシリンダ内の液圧を増大させる増圧と、を行うアンチロックブレーキ制御を実施するようになっており、
    前記電磁弁は、同電磁弁に対して設定される差圧指令値が大きいほど、前記マスタシリンダ側から前記前輪ホイールシリンダ側にブレーキ液が流動しにくくなるように構成されており、
    前記制御部は、制動操作によって前輪に制動力が付与されている場合、前記取得部によって取得されている前記パラメータが判定値に達したことを条件に、前記液路における同電磁弁よりも前記マスタシリンダ側と同電磁弁よりも前記前輪ホイールシリンダ側との差圧が規定差圧となるように前記差圧指令値を設定して前記電磁弁を駆動させるリアリフト抑制制御を開始し、
    前記規定差圧となる差圧指令値は、前記アンチロックブレーキ制御の実施時において前記電磁弁を用いて前記前輪ホイールシリンダ内の液圧を保持する際の差圧指令値よりも小さい
    ことを特徴とする車両の制動制御装置。
  2. 制動操作に応じた液圧が内部で発生するマスタシリンダと車両の前輪に対して設けられている前輪ホイールシリンダとを繋ぐ液路に配置されている電磁弁を備える車両に適用され、
    前記電磁弁の駆動を制御する制御部と、車両の後輪の接地荷重の低下度合いの指標となるパラメータを取得する取得部と、を備えた車両の制動制御装置において、
    前記制御部は、制動操作によって前輪に制動力が付与されている場合、前記取得部によって取得されている前記パラメータが判定値に達したことを条件に、前記液路における同電磁弁よりも前記マスタシリンダ側と同電磁弁よりも前記前輪ホイールシリンダ側との差圧が規定差圧となるように前記電磁弁を駆動させるリアリフト抑制制御を開始し、
    前記電磁弁は、同電磁弁に対して設定される差圧指令値が大きいほど、前記マスタシリンダ側から前記前輪ホイールシリンダ側にブレーキ液が流動しにくくなるように構成されており、
    前記規定差圧に応じた差圧指令値を規定差圧指令値とした場合、
    前記制御部は、前記リアリフト抑制制御では、前記規定差圧指令値よりも大きい初期指令値で差圧指令値を保持する状態を初期期間継続し、その後、前記規定差圧指令値で差圧指令値を保持する
    ことを特徴とする車両の制動制御装置。
  3. 前記制御部は、前記リアリフト抑制制御では、前記規定差圧指令値で差圧指令値を保持する状態を規定期間継続した後、前記規定差圧を小さくすることで差圧指令値を小さくする
    請求項2に記載の車両の制動制御装置。
  4. 前記制御部は、前記前輪ホイールシリンダ内の液圧を減少させる減圧と、前記電磁弁よりも前記マスタシリンダ側からブレーキ液を同前輪ホイールシリンダ内に供給して同前輪ホイールシリンダ内の液圧を増大させる増圧と、を行うアンチロックブレーキ制御を実施するようになっており、
    前記制御部は、
    前記リアリフト抑制制御の実施中に前記アンチロックブレーキ制御の開始条件が成立したことを契機に同アンチロックブレーキ制御を実施するとき、
    初回の前記減圧の後の初回の前記増圧の開始時における前記差圧が、前記開始条件の成立時点の前記規定差圧と、前記初回の減圧による前記前輪ホイールシリンダ内の液圧の減少量との和に応じた値となるように、前記電磁弁を駆動させる
    請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の車両の制動制御装置。
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