JP6614454B2 - 構造物の支持構造 - Google Patents
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Description
本発明は、地盤に埋設された複数の杭と、前記杭の上部に支持された構造物と、を備えた構造物の支持構造であって、前記杭の上端部および前記構造物の下端部は、充填材を介して配置されるとともに、鉛直方向において相対変位可能に配置されていることを特徴とする。
また、水平方向の揺れに対しては、杭の上端部、充填材、および構造物の下端部が一体となって抵抗し、構造物を十分に支持することができる。
図1に示すように、本発明に係る構造物の支持構造1は、地盤Gに埋設された複数の杭2と、この杭2の上部に支持された構造物と、を備えている。以下の説明では、構造物として、ラーメン高架橋3およびその基礎であるフーチング6を例に挙げて説明する。また、鉛直方向において、ラーメン高架橋3側を上方、杭2側を下方とする。
スラブ4の上面には、図示しない軌道スラブおよび線路が敷設されている。なお、線路は単線であっても複線であってもよい。
フーチング6は直方体状をなしている。フーチング6は、地盤を一定深さに掘り起こした部分に配設されている。
柱状部6aの下端部6bは、錐状に形成されている。図示の例では、下端部6bは円錐状に形成されている。
なお、柱状部6aは、フーチング6と別体に形成されていてもよい。また、柱状部6aは、多角柱状をなしていてもよい。また、柱状部6aの下端部6bは角錐状に形成されていてもよい。また、柱状部6aは、柱5と同軸に配置されていなくてもよい。
鋼管2aの上端部には、鋼管2aの中空部を鉛直方向に仕切る仕切り板2cが設けられている。仕切り板2cは金属製の板材である。ソイルセメント2bは、鋼管2aの中空部のうち、仕切り板2cよりも下方に位置する部分に充填されている。なお、仕切り板2cは、金属以外の材質であってもよい。
杭2の上端部には、中心軸が鉛直方向に沿う有底筒状部2dが形成されている。有底筒状部2dは、鋼管2aの上端部の内周面と、仕切り板2cの上面と、により画成されている。有底筒状部2dの内径は、柱状部6aの外径よりも大きく形成されている。なお、有底筒状部2dは、多角筒状に形成されていてもよい。
すなわち、図2に示すように、杭2の有底筒状部2d内に、フーチング6の柱状部6aが配置され、有底筒状部2dと柱状部6aとの間に充填材7が充填されている。充填材7として細骨材である砂が充填されている。充填材7としては、流動性を備えた材料が好ましい。なお、細骨材としては砂に限られず、同程度の粒子径を備えた材料であれば、例えば人工骨材や再生骨材等のその他の材料であってもよい。
なお、有底筒状部2dの内周面と、柱状部6aの外周面と、の間の水平方向の距離は、全周にわたって均等でなくてもよい。また、柱状部6aの下端部6bが、仕切り板2cの上面に当接していてもよい。
図3に示すように、例えば地震による断層のずれにより、フーチング6を支持する複数の杭2の間で鉛直方向の断層変位が発生した場合には、水平方向の一方側に位置する杭2が地盤とともに隆起し、これによりフーチング6が上昇する。
この際、フーチング6の柱状部6aの外周面と、杭2の有底筒状部2dの内周面とは、鉛直方向に相対変位可能に配置されている。このため、柱状部6aがフーチング6とともに上昇することで、水平方向の他方側に位置する柱状部6a、およびフーチング6が、他方側に位置する杭2の有底筒状部2dに対して上方に向けて相対変位する。これにより、他方側の柱状部6aに大きな引抜力が加えられることがなく、また、フーチング6にも大きな力が発生せず、ラーメン高架橋3の損傷を抑えることができる。
この際、前述の通り、フーチング6の柱状部6aは、杭2の有底筒状部2dに対して鉛直方向において相対変位可能となっているので、柱状部6aが有底筒状部2dに対して一時的に上昇することで、鉛直方向の揺れから受ける力を逃がすことができる。このため、大きな引抜力が柱状部6aに加えられることが無く、杭2および柱状部6aの損傷を抑えることができる。
また揺れに対する対策としては、杭の上端部にダンパ等の減衰装置を設置して構造物の損傷を低減させる対策が挙げられる。
また、前記従来の対策では、いずれも部品や減衰装置等の費用のほか、施工の工数が増えることにより、施工費の高騰を招くといった懸念があった。一方、本実施形態の構造物の支持構造1では、杭2とフーチング6との接続部分を単純な構成とすることができ、施工費の高騰を招くこともない。
また、水平方向の揺れに対しては、杭2の上端部、充填材7、およびフーチング6の下端部が一体となって抵抗し、構造物を十分に支持することができる。
また、本発明の構造物の支持構造1では、フーチング6の下端部の柱状部6aが、杭2の上端部に形成された有底筒状部2dの内側に、有底筒状部2dに対して半径方向に間隔をおいて配置されているので、全ての水平方向の揺れに対して構造物を十分に支持することができる。
例えば、上記実施形態においては、充填材7は細骨材である構成を示したが、このような構成に限られない。細骨材よりも粒子の大きな砕石や礫といった粗骨材を用いてもよいし、例えば樹脂やウレタンといったその他の流動性を備えた材料であってもよい。これらの場合には、充填材の材料としての選択肢が増えるため、充填材を容易に手配することができる。
また、杭の上端部に立設された一対の平板の間に、構造物の下端部に立設された平板が配置されることで、杭の上端部と、構造物の下端部と、が水平方向に対向配置される構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、フーチング6の柱状部6aと杭2の数が等しい構成について示したが、このような態様に限られない。例えば複数の杭の有底筒状部に対して、フーチングの柱状部を間欠的に配置し、柱状部が配置されない杭の上端部が、フーチングを直接に支持している構成であってもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
2 杭
2d 有底筒状部
3 ラーメン高架橋(構造物)
6 フーチング(構造物)
6a 柱状部
6b 柱状部の下端部
7 充填材
Claims (2)
- 地盤に埋設された複数の杭と、前記杭の上部に支持された構造物と、を備えた構造物の支持構造であって、
前記構造物は、ラーメン高架橋のフーチングであり、
前記杭の上端部および前記構造物の下端部は、充填材を介して配置されるとともに、鉛直方向において相対変位可能に配置され、
前記杭の上端部には、中心軸が鉛直方向に沿う有底筒状部が形成され、
前記構造物の下端部には、中心軸が鉛直方向に沿う柱状部が形成され、
前記有底筒状部の内側に前記柱状部が配置され、前記有底筒状部と前記柱状部との間に前記充填材が配置され、
前記柱状部の下端部は、錐状に形成されていることを特徴とする構造物の支持構造。 - 前記充填材は、細骨材であることを特徴とする請求項1に記載の構造物の支持構造。
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