JP2017186766A - 深礎杭および深礎杭に用いられる土留材 - Google Patents

深礎杭および深礎杭に用いられる土留材 Download PDF

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一慶 大木
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Nobuhide Asai
信秀 淺井
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Hiroshi Wada
浩 和田
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Abstract

【課題】コンクリート強度を低下させることなく、ライナープレート深礎工法により従来よりも小径化した深礎杭および深礎杭に用いられる土留材を提供する。【解決手段】本発明は、掘削された立坑Hにおいて複数の土留材12がリング状に構築されてなるリング状枠体11の内側空間11sにコンクリート14が充填された深礎杭10であって、土留材12は、所定形状および所定サイズの開口部20を有する本体3a〜3dと、開口部20において内側空間11sから立抗Hとリング状枠体11との間の余堀へ向かって斜め下方に傾斜した状態で本体3a〜3dに設けられた遮蔽板22と、を備えるようにする。【選択図】図4

Description

本発明は、深礎杭および深礎杭に用いられる土留材に関し、特に、先行掘削した後の立坑の壁面を保護するための土留材に関する。
従来、山間地に構築される送電鉄塔や橋脚等のフーチングを支持する深礎杭の施工においては、モルタルライニング工法またはライナープレートを用いたライナープレート深礎工法が実用化されている(例えば、特許文献1を参照。)。
モルタルライニング工法は、先行掘削した後の立坑の壁面の崩落を防止するため、その壁面にモルタルを直接吹き付けて土留め壁を形成し、その土留め壁の内側に鉄筋を施した後、そこにコンクリートを打設して深礎杭を構築する手法である。
ライナープレート深礎工法は、立抗を一定深さ掘削して掘り下げる毎に、立坑の壁面の崩落を防止するため、その壁面に沿ってライナー土留材を周方向に連結するように取り付け、それを繰り返すことによりライナープレートによるリング状枠体を形成する。ここで、立坑の壁面にリング状枠体を密着させる事が困難なため、ライナープレートの組立に必要な分だけ立坑の壁面とリング状枠体との間に一定の距離の隙間(以下、これを「余掘」という。)が生じる。立坑の壁面の崩落防止のため、この余掘には裏込めを随時注入する必要がある。そして、そのリング状枠体の内側空間に鉄筋を施し、そこにコンクリートを打設した後、深礎杭を構築する手法である。
モルタルライニング工法により構築した深礎杭では、立坑の壁面にモルタルを直接吹き付けて土留め壁を形成している。したがって、モルタルライニング工法による深礎杭では、深礎杭の底面に対する先端支持力に加えてモルタルが吹き付けられた深礎杭の周面に対する周面摩擦力をフーチングの鉛直荷重に対する全体支持力として考慮することが可能である。
一方、ライナープレート深礎工法により構築した深礎杭では、リング状枠体と立坑との間の余掘に対して注入用パイプによりモルタル等の裏込めを注入することによりグラウト充填するが、ライナープレートが複雑な形状の波形鋼板により構成されているため、モルタルが波形鋼板に十分に密着せず、余掘に対してグラウト充填が確実に行われているか否かを確認できないため、通常は周面摩擦力を期待できないと考えられている。
このため、ライナープレート深礎工法による深礎杭では、周面摩擦力を考慮することができず、深礎杭の底面に対する先端支持力だけをフーチングの鉛直荷重に対する全体支持力として考慮していた。従って、周面摩擦力を考慮できない分だけ深礎杭の直径が大径化してしまうことになり、コストが増大していた。
そこで、ライナープレートの一部に矩形状の開口部を複数設けた土留材(以下、これを「開口土留材」という。)を用いてリング状枠体を形成し、このリング状枠体の内側空間にコンクリートを注入し、開口土留材の開口部から余掘へコンクリートを流出させることにより立坑の壁面とリング状枠体との間にグラウト充填することが行われていた。この場合、注入用パイプが不要となり、余掘に対するグラウト充填を容易に実行することができる。
しかしながら、開口土留材の開口部を介してリング状枠体の内側空間から余掘へコンクリートを流出させることができるものの、やはり、開口土留材が複雑な形状の波形鋼板で構成されているため、グラウト充填が確実に行われているか否かの確認が出来ないと考えられる。
このような状況を改善し、グラウト充填を確実に行うため、図8(A)および(B)に示すように、波形鋼板の代わりに所謂エキスパンドメタル2を用いた土留材(以下、これを「エキスパンドメタルプレート」という。)1によりリング状枠体を構築することが考えられる。なお、エキスパンドメタル2は、菱形のメッシュ状に機械加工した金属板のことである。
エキスパンドメタルプレート1は、エキスパンドメタル2の金属板の四辺にLアングルからなるフランジ3が固定された構造物である。このエキスパンドメタルプレート1を用いてリング状枠体(図示せず)を構築すれば、エキスパンドメタル2における菱形状に形成された複数の開口部から余掘へ向かってコンクリートを大量に流出させることができる。この場合、エキスパンドメタル2の金属板がライナープレートの波形鋼板のような複雑な形状ではないので、余掘に対するグラウト充填が確実に行われると予想される。
特開平11−200369号公報
しかしながら、エキスパンドメタルプレート1により構築したリング状枠体を用いて余掘へコンクリートを流出させる際、エキスパンドメタル2の金属板に対する開口部の割合が大きいうえ、開口部に対して何ら遮蔽物が存在しないため、立坑の壁面の一部崩落が起きると、リング状枠体の内側空間に土砂が流入し、深礎杭内部にて作業している作業者の作業性が損なわれることがあった。また、内側空間に流入した土砂を排出する作業等が生じるため作業性を阻害していた。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、ライナープレート深礎工法による従来よりも小径化した深礎杭および深礎杭に用いられる土留材を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の深礎杭は、掘削された立坑において複数の土留材がリング状に構築されてなるリング状枠体の内側空間にコンクリートが充填された深礎杭であって、前記土留材は、所定形状および所定サイズの開口部を有する本体と、前記開口部において前記内側空間から前記立抗と前記リング状枠体との間の余掘へ向かって斜め下方に傾斜した状態で前記本体に設けられた遮蔽手段と、を備えることを特徴とする。
本発明において、前記開口部は、前記本体に1つ設けられ、前記遮蔽手段は、複数設けられ、前記開口部に対して一定間隔毎に配置された状態で前記本体に固定されていることを特徴とする。
本発明において、前記開口部は、前記本体に複数設けられ、前記遮蔽手段は、前記開口部を上方からそれぞれ覆うように前記開口部毎に前記本体と一体化されていることを特徴とする。
本発明の土留材は、所定形状および所定サイズの開口部を有する本体と、前記開口部において前記本体の内側から外側へ向かって斜め下方に傾斜した状態で前記本体に設けられた遮蔽手段と、を備えることを特徴とする。
本発明において、前記開口部は、前記本体に1つ設けられ、前記遮蔽手段は、複数設けられ、前記開口部に対して一定間隔毎に配置された状態で前記本体に固定されていることを特徴とする。
本発明において、前記開口部は、前記本体に複数設けられ、前記遮蔽手段は、前記開口部を上方からそれぞれ覆うように前記開口部毎に前記本体と一体化されていることを特徴とする。
本発明によれば、ライナープレート深礎工法による従来よりも小径化した深礎杭および深礎杭に用いられる土留材を実現することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る深礎杭の構成を示す略線的断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る深礎杭の平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る土留材の構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る土留材によるコンクリートの流出状態および土砂の非流入状態を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る土留材の構成を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る土留材を余掘側から見たときの構成を示す略線的斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係る土留材をリング状枠体の内側空間側から見たときの構成を示す略線的斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係る土留材によるコンクリートの流出状態および土砂の非流入状態を示す断面図である。 従来の深礎杭を構成するエキスパンドメタルを用いた土留材の構成を示す図である。
以下、本発明の第1および第2の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する第1および第2の実施の形態は例示であり、本発明の範囲において、種々の形態をとり得る。
<第1の実施の形態>
図1および図2に示すように、第1の実施の形態における深礎杭10は、円柱状に掘削された立坑Hに構築される杭である。この深礎杭10は、複数の土留材12が互いに連結されてなるリング状枠体11と、そのリング状枠体11の内側空間11sに打設して固化されたコンクリート14と、リング状枠体11と立抗Hとの間の余掘にグラウト充填して固化された裏込め材14aとを備えている。
リング状枠体11は、複数の土留材12を水平方向および鉛直方向に互いに連結することにより構築された円筒状部材である。内側空間11sは、立坑Hの底面とリング状枠体11の内周面とによって形成された空間であり、その内側空間11sには、鉄筋が施され、更に、その後、コンクリート14が打設される。
図9(A)および(B)との対応部分に同一符号を付した図3(A)乃至(C)に示すように、土留材12は、リング状枠体11を形成するための金属製部材からなる1要素であり、これが水平方向および鉛直方向に互いに連結される。
ここで、図3(A)に示すように、水平方向とは、土留材12の長手方向すなわち図中矢印ab方向であり、鉛直方向とは土留材12の短手方向すなわち図中矢印cd方向である。また、図3(B)に示すように、リング状枠体11の外側、すなわち、土留材12に対して立坑Hとリング状枠体11との間の余掘の方向(以下、これを「余掘方向」という。)を図中矢印e方向とし、土留材12に対してリング状枠体11の内側空間11sの方向(以下、これを「内側空間方向」という。)を図中矢印f方向とする。
土留材12は、フランジ3a〜3d、仕切板4、および、複数の遮蔽板22を備えている。フランジ3a〜3dは、例えば、Lアングルからなる。フランジ3a、3bは、水平方向(矢印ab方向)に互いに所定の間隔を空けて対向配置されている。フランジ3c、3dは、鉛直方向(矢印cd方向)に互いに所定の間隔を空けて対向配置されている。フランジ3a、3bの鉛直上方端部に対して、フランジ3cの水平方向の両端部が固定され、フランジ3a、3bの鉛直下方端部に対して、フランジ3dの水平方向の両端部が固定されている。
フランジ3a、3bには、鉛直方向に沿って複数の貫通孔3ah、3bhが形成されている。これら複数の貫通孔3ahおよび3bhは、ボルトおよびナットにより他の土留材12と水平方向に互いに連結される際に用いられる。また、フランジ3c、3dには、水平方向に沿って複数の貫通孔3ch、3dh(図示せず)が形成されている。これら複数の貫通孔3chおよび3dhは、ボルトおよびナットにより他の土留材12と鉛直方向に互いに連結される際に用いられる。なお、土留材12を鉛直方向に連結する際には補強リングを介して連結しても良い。
フランジ3a、3bの間隔は、フランジ3c、3dの間隔よりも長く設定されている。したがって、土留材12は、フランジ3a〜3dにより囲まれた長方形状の開口部20を有している。但し、開口部20は長方形状に限る必要はなく、正方形状その他種々の形状であってもよい。
仕切板4は、開口部20を2つに仕切る平坦な金属板である。仕切板4は、フランジ3a、3b間のほぼ中央に配設され、その仕切板4の矢印cd方向の両端部がフランジ3cおよび3dに固定されている。かくして、開口部20は、フランジ3a、3c、3dおよび仕切板4に囲まれた一方側開口部20aとフランジ3b、3c、3dおよび仕切板4に囲まれた他方側開口部20bとに仕切られている。この場合、フランジ3a〜3dは開口部20を構成する本願発明の「本体」に相当し、フランジ3a〜3dおよび仕切板4は一方側開口部20a、他方側開口部20bを構成する本願発明の「本体」に相当する。
遮蔽手段としての遮蔽板22は、平坦な長方形のフラットバー状に形成された金属製の板状部材からなり、一方側開口部20aにおいて一定間隔毎に複数配置されている。この場合、遮蔽板22の矢印a方向の一端部がフランジ3aに固定され、遮蔽板22の矢印b方向の他端部が仕切板4に固定されている。また、遮蔽板22は、他方側開口部20bにおいても一定間隔毎に複数配置され、遮蔽板22の矢印a方向の一端部が仕切板4に固定され、遮蔽板22の矢印b方向の他端部がフランジ3bに固定されている。
これらの遮蔽板22は、図3(B)に示すように、リング状枠体11の内側空間方向(矢印f方向)から余掘方向(矢印e方向)に向かって斜め下方に傾斜した状態で固定されている。具体的には、遮蔽板22は、矢印ef方向に沿った仮想線から約45度斜め下方に傾斜した傾斜角度に固定されている。但し、この傾斜角度は、0度以上90度までの傾斜角度範囲の中で45度よりも大きくなる程、遮蔽板22が開口部20に近接し、開口部20が遮蔽板22により遮蔽されることになる。このため、リング状枠体11の内側空間11sからコンクリート14の流動体14r(図4)が余掘へ流出し難くなると同時に、立坑Hの側壁の土砂dsがリング状枠体11の内側空間11sに流入し難くなる。
一方、傾斜角度が45度よりも小さくなる程、遮蔽板22が開口部20から離間し、開口部20が遮蔽板22により遮蔽されることなく大きく開放される。このため、リング状枠体11の内側空間11sからコンクリート14の流動体14rが余掘へ流出し易くなると同時に、立坑Hの側壁の土砂dsがリング状枠体11の内側空間11sに流入し易くなる。
したがって、遮蔽板22の傾斜角度は、コンクリート14の流動体14rを余掘へ流出する速度と、立坑Hの側壁の土砂dsがリング状枠体11の内側空間11sに流入する量とを考慮すると遮蔽板22の設置角度は30°〜50°が適しているといえるが、コンクリート14に含まれる骨材の大きさや流動性などから適宜設定することが可能である。
以上の構成において、図4に示すように、リング状枠体11は、立坑Hの中で複数の土留材12が互いに水平方向および垂直方向に連結されたことにより形成され、そのリング状枠体11の内側空間11sに鉄筋が施された後、その内側空間11sにコンクリート14の流動体14rが流し込まれる。
この場合、複数の遮蔽板22は、リング状枠体11の内側空間方向(矢印f方向)から余掘方向(矢印e方向)に向かって斜め下方に傾斜した状態で固定されているため、リング状枠体11の内側空間11sに流し込まれたコンクリート14の流動体14rを余掘へ向かって導出する導出板として機能する。
これにより、リング状枠体11の内側空間11sに流し込まれたコンクリート14の流動体14rは、その内側空間11sを充填しながら、土留材12の遮蔽板22と遮蔽板22との間の開口部20から余掘へ向かって流出する。この結果、コンクリート14の流動体14rは、内側空間11sに充填されると同時に、立坑の壁面Hとリング状枠体11の外周面との間の余掘に対しても充填されていく。
このとき、土留材12は、従来のライナープレートのような複雑な形状の波形鋼板ではなく、単に複数の遮蔽板22が一定間隔毎に整列した状態で配置されているだけの単純な形状であるため、余掘に対してグラウト充填が確実に行われたと予想される。
また、開口部20に設けられた複数の遮蔽板22がリング状枠体11の内側空間方向(矢印f方向)から余掘方向(矢印e方向)に向かって斜め下方に傾斜した状態で固定されているため、立坑の側壁Hが崩落して鉛直上方から鉛直下方に向かって土砂dsが流れ落ちたときでも、土留材12の板状部材11によりリング状枠体11の内側空間11sに土砂dsが流入することを防止することができる。
かくして複数の土留材12により形成したリング状枠体11を用いれば、そのリング状枠体11の内側空間11sにコンクリート14を打設する事に伴って流動体14rにより立坑の壁面Hとリング状枠体11の外周面との間の余掘に対しても充填されていくと同時に、内側空間11sに側壁Hの土砂dsを流入させることなく、余掘を流動体14で確実に充填し、深礎杭1を構築することができる。この結果、余掘に対しても流動体14rが確実に充填されるので、深礎杭1は、周面摩擦力についてもフーチングの鉛直荷重に対する全体支持力として考慮できるようになり、小径化することが可能となる。
以上の構成によれば、土留材12を複数連結して形成したリング状枠体11を用いることにより、側壁Hの土砂dsをリング状枠体11の内側空間11sに流入させることなくコンクリート14の流動体14rで余掘を確実に充填できるので、内側空間11sでの作業者の作業性を損なわせることなく従来よりも小径化した深礎杭10を構築することができる。
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態においては、図5乃至図8を参照しながら説明する。第2の実施の形態においては、第1の実施の形態における土留材12に代えて、図5(A)〜(C)に示すような土留材30を用いたことが相違点であり、その土留材30を用いてリング状枠体51(図8)を構築し、立坑Hに深礎杭50を構築した以外は第1の実施の形態と同様である。したがって、第1の実施の形態との共通部分の説明については省略し、第1の実施の形態とは異なる土留材30の構成および土留材30により形成されたリング状枠体51により得られる効果についてのみ説明する。
図5(A)〜(C)乃至図8に示すように、土留材30についても、土留材12と同様に、リング状枠体51を形成するための金属製部材であり、これが水平方向および鉛直方向に互いに連結される。
土留材30は、フランジ30a〜30d、5枚の仕切板4、および、パネル31〜36を備えている。フランジ30a〜30dは、Lアングルからなり、フランジ3a〜3dと基本構成は同一である。
5枚の仕切板4は、フランジ30a、30b間を均等に6分割するように配置され、それら5枚の仕切板4の矢印cd方向の両端部がフランジ30cおよび30dに固定されている。
パネル31〜36は、フランジ30a、30b間を5枚の仕切板4により6分割した各領域にそれぞれ固定された薄板状の金属性パネル部材である。この場合、パネル31は、フランジ30a、30c、30dおよび左から1枚目の仕切板4に対して固定され、パネル32は、左から1枚目の仕切板4、フランジ30c、30dおよび左から2枚目の仕切板4に対して固定され、……、パネル36は、左から5枚目の仕切板4、および、フランジ30c、30d、30bに対して固定されている。
これらパネル31乃至36は全て同一の構成であるため、ここでは便宜上、パネル31の構成についてのみ説明し、それ以外のパネル32〜36については説明を省略する。パネル31は、縦長の長方形状を有する本体31aからなり、その本体31aの表面には鉛直方向に所定間隔毎に配置された複数の開口部40を備えている。開口部40は、本体31aの表面を水平方向に切り欠くことにより形成される。
図6および図7に示すように、パネル31は、本体31aに切り欠かれた複数の開口部40と、開口部40と開口部40との間の本体31aの部分が当該開口部40を上方から覆うような形状に塑性変形された複数の遮蔽部42とを備えている。遮蔽手段としての遮蔽部42は、図5(B)に示すように、リング状枠体51の内側空間方向(矢印f方向)から余掘方向(矢印e方向)に向かって斜め下方に傾斜した状態で設けられている。なお、複数の遮蔽部42は、開口部40と開口部40との間の塑性変形された本体31aと一体化された一部分である。ただし、これに限る物ではなく、複数の遮蔽部42が、本体31aとは別部材の遮蔽板として設けられ、複数の開口部40を上方から覆うように本体31aに直接固定されるようにしてもよい。
具体的には、遮蔽部42は、矢印ef方向に沿った仮想線から約45度程度だけ斜め下方に傾斜した傾斜角度に設定されている。但し、この傾斜角度は、0度以上90度までの傾斜角度範囲の中で第1の実施の形態と同様に、コンクリート14の流動体14rを余掘へ流出する速度と、立坑の側壁の土砂がリング状枠体51の内側空間51sに流入する量とに応じて適宜設定することが可能である。
以上の構成において、図8に示すように、リング状枠体51は、立坑Hの中で複数の土留材30が互いに水平方向および垂直方向に連結されたことにより形成され、そのリング状枠体51の内側空間51sに鉄筋が施された後、その内側空間51sにコンクリート14の流動体14rが流し込まれる。
複数の遮蔽部42は、リング状枠体51の内側空間方向(矢印f方向)から余掘方向(矢印e方向)に向かって斜め下方に傾斜した状態で本体31aと一体に固定されているため、リング状枠体51の内側空間51sに流し込まれたコンクリート14の流動体14rを余掘へ向かって導出する導出部として機能する。
これにより、リング状枠体51の内側空間51sに流し込まれたコンクリート14の流動体14rは、その内側空間51sを充填しながら、土留材30の遮蔽部42と遮蔽部42との間の開口部40から余掘へ向かって流出する。この結果、コンクリート14の流動体14rは、内側空間51sに充填されると同時に、立坑Hの壁面とリング状枠体51の外周面との間の余掘に対しても充填されていく。
このとき、土留材30は、従来のライナープレートのような複雑な形状の波形鋼板ではなく、平坦な本体31aの表面に複数の遮蔽部42が一定間隔毎に整列した状態で配置されているだけの単純な形状であるため、余掘に対してグラウト充填が確実に行われたと予想される。
以上の構成によれば、土留材30を複数連結して形成したリング状枠体51を用いることにより、側壁Hの土砂dsをリング状枠体51の内側空間51sに流入させることなくコンクリート14の流動体14rで余掘を確実に充填できるので、内側空間11sでの作業者の作業性を損なわせることなく従来よりも小径化した深礎杭50を構築することができる。
<他の実施の形態>
なお、上述した第1および第2の実施の形態においては、土留材12を全て用いて水平方向および鉛直方向に連結したリング状枠体11を形成し、土留材30を全て用いて水平方向および鉛直方向に連結したリング状枠体51を形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、土留材12および土留材30を半分ずつ、もしくは所定の割合で用いてリング状枠体を形成するようにしてもよい。
1 エキスパンドメタルプレート
2 エキスパンドメタル
3、3a〜3d フランジ
4 仕切板
10、50 深礎杭
12、30 土留材
11、51 リング状枠体
11s、51s 内側空間
14 コンクリート
14a 裏込め材
14r 流動体
20、40 開口部
20a 一方側開口部
20b 他方側開口部
22 遮蔽板(遮蔽手段)
31〜36 パネル
31a 本体
42 遮蔽部(遮蔽手段)
H 立坑
ds 土砂

Claims (6)

  1. 掘削された立坑において複数の土留材がリング状に構築されてなるリング状枠体の内側空間にコンクリートが充填された深礎杭であって、
    前記土留材は、
    所定形状および所定サイズの開口部を有する本体と、
    前記開口部において前記内側空間から前記立抗と前記リング状枠体との間の余堀へ向かって斜め下方に傾斜した状態で前記本体に設けられた遮蔽手段と、
    を備えることを特徴とする深礎杭。
  2. 前記開口部は、前記本体に1つ設けられ、
    前記遮蔽手段は、複数設けられ、前記開口部に対して一定間隔毎に配置された状態で前記本体に固定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の深礎杭。
  3. 前記開口部は、前記本体に複数設けられ、
    前記遮蔽手段は、前記開口部を上方からそれぞれ覆うように前記開口部毎に前記本体と一体化されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の深礎杭。
  4. 所定形状および所定サイズの開口部を有する本体と、
    前記開口部において前記本体の内側から外側へ向かって斜め下方に傾斜した状態で前記本体に設けられた遮蔽手段と、
    を備えることを特徴とする土留材。
  5. 前記開口部は、前記本体に1つ設けられ、
    前記遮蔽手段は、複数設けられ、前記開口部に対して一定間隔毎に配置された状態で前記本体に固定されている
    ことを特徴とする請求項4に記載の土留材。
  6. 前記開口部は、前記本体に複数設けられ、
    前記遮蔽手段は、前記開口部を上方からそれぞれ覆うように前記開口部毎に前記本体と一体化されている
    ことを特徴とする請求項4に記載の土留材。
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