JP5425157B2 - 簡易基礎用構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、簡易基礎の構築に使用される簡易基礎用構造体に関する。
近年、里山、河川敷、湿原等において、その自然環境を保護するとともに、自然環境を生かして公園や緑地等として利用するために、柵、橋、ベンチ、遊具等の構造物を構築することが行われている。構造物を構築する際には、構造物を地盤に定着させるための基礎が設けられる。基礎は、従来、地盤を掘削してできた穴に捨てコンクリートを打ち、この捨てコンクリート上に組まれた枠体内に生コンクリートを充填することによって形成される。
ところが、従来の基礎によれば、基礎の構築に際し、地盤の掘削、生コンクリートの搬入等のために大型の車両が、里山、河川敷、湿原等に進入し、植生、土壌等を損なうので、自然環境を保護するための公園化や緑地化が、却って自然環境の破壊に繋がり、本末転倒の結果を招来するという問題がある。また、従来の基礎によれば、基礎が不要になった場合に、基礎を撤去して里山、河川敷、湿原等を原状回復することが難しい。
そこで、地盤の掘削や捨てコンクリートの打設を要することなく、容易に施工現場で設置して構造物の基礎とすることができる簡易基礎が提案されている。
例えば、特許文献1には、4本のガイドスリーブを斜めに通した円筒状フォームを小さな穴に設置し、ガイドスリーブを通してパイルを打ち込み、そして円筒状フォームにコンクリート材料を注入し、固化させることによって形成される簡易基礎が提案されている。円筒状フォーム内のコンクリート材料には、ブラケットが埋め込まれ、このブラケットを介して構造物に接続される。
また、特許文献2には、地中に打ち込まれる打込み杭と、打込み杭が固定される胴部とを備えた簡易基礎が記載されている。胴部は、打込み杭を水平面に対して傾斜させた状態で案内して保持する筒状の案内部材と、案内部材の上部及び下部を支持する上下のフランジとを備える。この簡易基礎は、上フランジにより被支持体を支持する。また、複数の胴部で簡易基礎を構成する場合には、複数の胴部の上フランジを連結した上部連結板により被支持体が支持される。
米国特許第5039256号公報 特開2005−299214号公報
しかしながら、特許文献1の簡易基礎によれば、円筒状フォーム内をガイドスリーブが通っており、円筒状フォームの容量がかなり大きい。このため、円筒状フォームに注入するコンクリート材料として、比較的多量のものが必要とされる。
また、ガイドスリーブの位置が円筒状フォームに対して可変ではないので、簡易基礎を設置する位置や、設置する位置の地盤の状況に応じてパイルの打込み方向を変更することができない。したがって、例えば、簡易基礎を設置する位置の近傍に、他の構造物や岩等が存在する場合には、設置位置を変更するか、ガイドスリーブの位置や向きが異なる他の円筒状フォームを利用する必要がある。
また、特許文献2の簡易基礎によれば、ほぼ水平に配置される上フランジ又は上部連結板により被支持体の下端を支持するようにしている。したがって、例えば公園の街灯のように、単独で使用される被支持体の基礎として用いられる際には特に問題は生じない。ところが、例えば4本の支柱を有する構造物を4つの簡易基礎により支持する場合、各基礎の支持位置の高さが異なっていると、支柱を切断する等の加工を行って構造物の水平を出さなければならない。実際には、各基礎の支持位置の高さを揃えるのは容易ではないため、支柱の切断等を行って調整しているが、支柱を切断するためには支柱を構造物から分離した上で加工しなければならず、作業が煩雑になるという不都合がある。
本発明の目的は、かかる従来技術の問題点に鑑み、支柱の加工を不要又は最小限にすることができる簡易基礎用構造体を提供することにある。
本発明に係る簡易基礎用構造体は、支柱を支持する簡易基礎を構築するために使用される簡易基礎用構造体であって、前記支柱の下端部が挿入されて固定される柱状で中空の支柱固定部と、前記支柱固定部の側面に固定される杭保持部とを備え、前記杭保持部は、打込み杭を、所定の角度で地盤に打ち込まれるように案内し、かつ保持する案内保持部を備え、前記支柱固定部は、前記支柱の下端の位置を鉛直方向に調節可能な調節領域と、前記杭保持部を固定するための水平片とを備え、前記調節領域の下端は、前記支柱固定部の底面であり、該調節領域の上端は、該支柱固定部に前記支柱を固定した際に該支柱の必要強度が確保可能な上限位置であり、前記簡易基礎用構造体は、前記水平片の位置まで地中に埋設され、前記水平片は、前記調節領域の上端よりも上方に位置することを特徴とする。
本発明の簡易基礎用構造体を用いて簡易基礎を構築する際には、簡易基礎用構造体が地盤に設けられた穴に配置される。そして、打込み杭が、杭保持部の案内保持部により案内されて地盤に打ち込まれ、保持される。
その後、支柱固定部に対し、簡易基礎により支持される支柱の下端部が挿入され、固定される。その際、必要に応じて、支柱の下端部の挿入量を加減することにより、支柱の鉛直方向の位置が調節される。ただしこの調節は、支柱の下端が上述の調節領域内に位置する範囲内で行われる。このため、支柱の下端部を切断等することにより支柱の長さを調整する必要はない。したがって、本発明によれば、支柱の加工を不要又は最小限にすることができる。
また、支柱の下端の位置を鉛直方向に調節可能な調節領域の上端は、支柱固定部に支柱を固定した際に支柱の必要強度が確保可能な上限位置であるため、支柱の下端の位置の調節が調節領域内で行われることにより、支柱固定部に支柱を固定した際の支柱の必要強度を確実に確保することができる。
また、支柱固定部は、杭保持部を固定するための水平片を備え、簡易基礎用構造体は、水平片の位置まで地中に埋設され、水平片は、調節領域の上端よりも上方に位置する。
これによれば、支柱固定部に固定された支柱に対し、支柱を倒す方向の外力が作用した場合でも、支柱の下端から十分離れた上方位置において、簡易基礎用構造体の埋設箇所の地面に対する抗力が水平片の下面によって生じるので、支柱固定部が、杭保持部によって確実に支持される。したがって、支柱固定部に固定された支柱に必要とされる支持強度を確実に確保することができる。
また、本発明においては、前記杭保持部を複数備え、隣接する該杭保持部の固定位置が、前記支柱固定部の軸線方向において異なるようにしてもよい。これによれば、例えば次のような場合に、打込み杭の相互干渉を回避することができる。
すなわち、隣接する杭保持部として相互に対称的な形状のものを支柱固定部に取り付けたり、隣接する同一形状の杭保持部を相互に対称となるように支柱固定部に取り付けたりすることによって、両杭保持部の案内保持部における打込み杭の案内角度が等しく、案内の向きのみが異なる場合がある。この場合、両杭保持部の固定位置が支柱固定部の軸線方向において同一であるとすれば、両案内保持部により案内される各打込み杭が相互に交差し、干渉するおそれがある。
この点、本発明によれば、支柱固定部の軸線方向における両杭保持部の固定位置が異なるので、このような相互干渉を回避することができる。したがって、例えば、簡易基礎を設置する位置の近傍に、他の構造物や岩等が存在する場合には、そのような構造物や岩等と干渉するおそれがある打込み杭に係る杭保持部を、隣接する杭保持部と相互に対称となるように支柱固定部に取り付けて、その打込み杭の案内方向を変更することにより、その打込み杭と岩等との干渉を回避することができる。
また、本発明においては、前記支柱固定部に対する支柱の下端部の固定は、該支柱固定部の内壁と該支柱の下端部との間に充填されるコンクリートを用いて行われるようにしてもよい。これによれば、支柱固定部の内壁と支柱の下端部との間にコンクリート材料を注入し、支柱を適切な位置に保持しながら固化させることにより、支柱の下端部を、精度良くかつ確実に支柱固定部に対して固定することができる。
さらに、本発明においては、前記支柱固定部に対する支柱の下端部の固定は、該支柱固定部の内壁及び該支柱の下端部に設けられた貫通孔に通されるボルトとこれに螺合するナットを用いて行われるようにしてもよい。この場合、ボルトを通すために支柱固定部や支柱下端部に設ける貫通孔の位置を適宜選択することにより、支柱固定部に対する支柱の位置を容易に調整することができる。
本発明の一実施形態に係る簡易基礎用構造体を示す斜視図である。 図1の簡易基礎用構造体における1つの杭保持部を示す説明図である。 図1の簡易基礎用構造体の支柱固定部に支柱を固定した状態を示す断面図である。 図1の簡易基礎用構造体の支柱固定部における支柱の下端位置の調節領域を示す図である。 図1の簡易基礎用構造体に採用し得る他の支柱固定部に支柱を固定した状態を示す断面図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る簡易基礎用構造体を示す斜視図である。この簡易基礎用構造体は、構造物の支柱を支持する簡易基礎を構築するために使用される。図1に示すように、簡易基礎用構造体1は、構造物の支柱Pが固定される支柱固定部2と、支柱固定部2の側面に固定される杭保持部3とを備える。
支柱固定部2は、支柱Pの下端部を挿入して固定できるように、柱状で中空の形態を有する。各杭保持部3は、打込み杭Sを、所定の角度で地盤に打ち込まれるように案内し、かつ保持する案内保持部4を備える。打込み杭Sは、打込み完了後、案内保持部4に固定される。
構造物の支柱Pとしては、柵、橋、遊具、木道、照明器具、東屋等の支柱が該当する。支柱Pの下端部を支柱固定部2に固定するために、支柱固定部2と該下端部との間に充填されるコンクリートが用いられる。支柱固定部2は、横断面が正方形状を有しており、その4つの側面に4つの杭保持部3がそれぞれ固定される。
4つの杭保持部3は、鉛直上方から見た場合、支柱固定部2の中心軸線について4回対称となっている。ただし、隣接する杭保持部3の固定位置は、支柱固定部2の軸線方向において、異なっている。相互に対向する位置に位置する杭保持部3同士の固定位置は同じである。
図2は、簡易基礎用構造体1の支柱固定部2に固定された1つの杭保持部3を示す。図2に示すように、杭保持部3は、支柱固定部2にボルト31とナット32で固定される。杭保持部3は、2つの案内孔41及び42を有する案内保持部4と、案内保持部4の外周面に設けられた断面がL字状の一対の固定片51及び52とを備える。
案内孔41及び42は、1本の打込み杭Sを地中に打ち込む際に、打込み杭Sを地中に所定の角度で傾斜させて打ち込めるように案内する役割を果たす。案内孔41及び42は、互いに異なる角度で傾斜し、交差して、その一部が重なり合っている。この案内孔41及び42の中心軸線L1及びL2が交差する交差点Xは、打込み杭Sが挿入される側の開口端である挿入口4aに位置している。このように交差点Xを挿入口4aに設けることにより、2つの案内孔41及び42の挿入口を1つにまとめることができる。
これにより、打込み杭Sが挿入されていない案内孔41及び42にゴミが詰まることがなく、案内保持部4の美観を保つことができる。また、交差点Xを案内保持部4の挿入口4aと突出口4bの間の中央部分に設けた場合に比べ、2つの案内孔41及び42のなす角θが比較的小さい場合であっても、各案内孔41及び42を隔てる中間壁の面積を十分に確保することができ、案内保持部4の小型化を図ることができる。
なお、交差点Xを挿入口4aの近傍部分に設けてもよい。これによっても、交差点Xを挿入口4aと突出口4bの間の中央部分に設けた場合に比べ、案内孔41及び42を隔てる中間壁の面積を十分に確保し、案内保持部4の小型化を図ることができる。
案内保持部4には、挿入口4a側に位置させて、ネジ孔4cが設けられている。このネジ孔4cは、2つの案内孔41及び42のうちいずれの案内孔41及び42に打込み杭Sが挿入された場合でも、ネジ孔4cにボルト6aを螺着させることにより、ボルト6aの先端で打込み杭Sを案内孔41及び42の内壁に押し付けて固定できる個所に設定されている。
このようにネジ孔4cを構成することにより、ネジ孔4cが1つで済むため、案内孔41及び42毎にネジ孔4cを案内保持部4に複数設けた場合に比べ、打込み杭Sを挿入する案内孔41及び42を変更する度に、ボルト6aを螺着させるネジ孔を変更する必要がなく、作業効率が向上する。また、いずれの案内孔41及び42に打込み杭Sを挿入した場合でも、ボルト6aを同じネジ孔4cに螺着させればよいので、ボルト6aを螺着させるネジ孔を間違えることを防止できる。
支柱固定部2は、その軸線方向に平行な垂直片21と、軸線方向に直交する水平片22とを4つの側面にそれぞれ備える。垂直片21及び水平片22には、2つの貫通孔21a及び22aがそれぞれ設けられている。なお、図2においては、支柱固定部2の4つの側面のうち1つの側面のみを示しており、他の3つの側面に設けられた垂直片21、水平片22、及び杭保持部3については図示を省略している。
杭保持部3の固定片51及び52には、垂直片21及び水平片22の貫通孔21a及び22aに対応させて、2つの貫通孔51a及び52aがそれぞれ設けられている。
支柱固定部2の垂直片21に杭保持部3の固定片51を、水平片22に固定片52を重ね合わせ、貫通孔21a、22a、51a及び52aにボルト31をそれぞれ挿入してナット32で締め付けることにより、杭保持部3が支柱固定部2に取り付けられる。なお、四角柱型の支柱固定部2に取り付ける杭保持部3の数は、4つに限らず、支柱固定部2に固定される支柱Pの重心の位置等を考慮し、支柱固定部2を支持するために必要十分な数に適宜変更可能である。
ところで、簡易基礎用構造体1を用いて簡易基礎を構築する地盤の状況や、その簡易基礎の近傍における他の構築物の状況に対応するために、隣接する杭保持部3として、相互に対称的な形状のものを取り付ける場合や、隣接する同一形状の杭保持部3を相互に対称となるように取り付ける場合がある。この場合、隣接する杭保持部3の両案内保持部4による打込み杭Sの水平面に対する案内角度は等しく、向きのみが異なることになる。
その場合、支柱固定部2の軸線方向における両杭保持部3の固定位置が同じであるとすれば、両杭保持部3の案内保持部4により案内される各打込み杭Sが相互に干渉するおそれがある。この点、本実施形態においては、上述のように、隣接する杭保持部3の固定位置が、支柱固定部2の軸線方向において異なるので、そのような打込み杭Sの相互干渉は回避される。
図3は、支柱固定部2に対し、支柱Pの下端部を挿入して固定した状態を示す断面図である。ただし、図3において、杭保持部3については図示を省略している。
図3に示すように、支柱Pは、支柱固定部2に対し、ボルト71、ナット72及びコンクリート73により固定される。ボルト71は、支柱固定部2の対向する2つの側壁に設けられた貫通孔、及びこれらの間の支柱Pに設けられた貫通孔に挿入され、先端側にナット72が螺合される。コンクリート73は、支柱Pと支柱固定部2の側壁との間に充填される。
図4は、支柱固定部2における支柱Pの下端位置の調節領域を示す。支柱Pを支柱固定部2に挿入して固定する際、支柱Pの下端の位置は、図4中示される調節領域A内で鉛直方向に調節することができる。調節領域Aの下端は、支柱固定部2の底面であり、調節領域Aの上端は、支柱固定部2に支柱Pを固定した際に支柱Pの必要強度が確保可能な上限位置である。したがって、支柱Pを支柱固定部2に固定する際に、支柱Pの下端が調節領域A内に位置するように行うことにより、支柱固定部2に固定された支柱Pの必要強度が確実に確保される。
杭保持部3(図2)を固定するための4つの水平片22はいずれも、調節領域Aの上端よりも上方に位置する。これにより、支柱固定部2が、杭保持部3によって確実に支持される。
支柱Pを支持する簡易基礎を構築するに際しては、まず、支柱固定部2とこれに固定された4つの杭保持部3とで構成される簡易基礎用構造体1が、土壌に掘られた穴に配置され、水平片22の位置まで地中に埋設される。このとき、簡易基礎を構築する箇所の近傍における他の構築物等の状況に対応して打込み杭Sの案内方向を変更するために、隣接する杭保持部3として、相互に対称的な形状のものを取り付けたり、隣接する同一形状の杭保持部3を相互に対称となるように取り付けたりしてもよい。
次に、4本の打込み杭Sがそれぞれ、各案内保持部4の2つの案内孔41及び42のうちのいずれか一方に挿入され、地中に打ち込まれる。このとき、打込み杭Sが岩等と接触して途中までしか打ち込めない場合には、その打込み杭Sを引き抜いて、他方の案内孔41又は42に挿入し、地中に打ち込むことができる。
次に、支柱Pの下端部が、支柱固定部2に挿入され、ボルト71とナット72により支柱固定部2に取り付けられる。このとき、支柱固定部2及び支柱Pに対し、ボルト71を通すための貫通孔が設けられる。支柱固定部2及び支柱Pのうちの一方の貫通孔については、予め設けられていてもよい。
貫通孔を設ける位置は、支柱Pが鉛直方向に対して正確に位置決めされるように選択される。例えば、支柱Pが支える構造物についての水平出しが正確に行われるように選択される。ただし、貫通孔の位置の選択は、支柱Pが支柱固定部2に固定されたときに必要な支柱Pの強度が得られるように、支柱Pの下端が、上述の調節領域A内に位置するように行われる必要がある。
次に、支柱Pと支柱固定部2の側壁との間にコンクリート材料が充填される。コンクリート材料が固化してコンクリート73になるまでの間、支柱Pは水平面に垂直となるように、又は所定の方向へ向くようにして保持される。コンクリート材料が固化すると、支柱Pの下端部が、支柱固定部2に対して完全に固定される。これにより、簡易基礎の構築が完了する。同様にして、簡易基礎用構造体1を用い、構造物の他の各支柱Pを支持する簡易基礎を構築することができる。
本実施形態によれば、支柱固定部2に対し、支柱Pの下端部を挿入して固定するようにしたので、該下端部の挿入量を加減することにより、支柱Pの鉛直方向の位置を容易に調整しながら簡便に簡易基礎を構築することができる。このため、支柱Pの下端部を切断等することにより支柱の長さを調整する必要がないので、支柱Pの加工を不要又は最小限にすることができる。
また、支柱Pの下端部の位置の調節が調節領域A内で行われるようにしたので、支柱固定部2に支柱Pを固定した際の支柱Pの必要強度を確実に確保することができる。また、水平片22が、調節領域Aの上端よりも上方に位置するようにしたので、支柱固定部2を、杭保持部3によって確実に支持することができる。したがって、支柱固定部2に支柱Pを固定した際に支柱Pに必要とされる支持強度を確実に確保することができる。
また、支柱固定部2の側面に固定される杭保持部3のうち、隣接する杭保持部3の固定位置が、支柱固定部2の軸線方向において異なるようにしたので、隣接する杭保持部3として、相互に対称的な形状のものを用いる場合や、隣接する同一形状の杭保持部3を相互に対称となるように固定する場合でも、打込み杭Sの相互干渉を回避することができる。したがって、簡易基礎を構築する土壌の状況や、該簡易基礎近傍の他の構築物の状況等に応じ、機動的に、杭保持部3の形態を、これらの状況に適合させることができる。
また、支柱固定部2に対する支柱Pの下端部の固定に際し、支柱固定部2と該下端部との間に充填されるコンクリート73を用いるようにしたので、支柱Pの下端部を、精度良くかつ確実に支柱固定部2に対して固定することができる。
また、支柱固定部2に対する支柱P下端部の固定に際し、ボルト71を用いるようにしたので、ボルト71を通すために支柱固定部2や支柱Pに設ける貫通孔の位置を適宜選択することにより、支柱固定部2に対する支柱Pの挿入量を容易に調整することができる。このとき、支柱Pへの貫通孔の加工は、支柱の切断のように構造物から支柱を取り外すことなく行うことができるので、加工作業は容易である。
また、各杭保持部3にそれぞれ傾斜角度の異なる2つの案内孔41及び42が設けられているので、2つの案内孔41及び42のうちのいずれか一方に打込み杭Sを挿入して地中に打ち込んだときに、打込み杭Sが地中で岩等と接触し、地中深く打ち込めない場合には、その打込み杭Sを引抜いて、他方の案内孔41又は42に挿入して再度、打込みを試行することができる。これにより、打込み杭Sを岩等との接触を回避させて打ち込むことができる可能性が高まる。したがって、案内孔を1つしか備えず、岩等と接触する度に杭保持部3を交換する場合に比べ、作業効率を高めることができる。
また、案内孔41及び42は、その一部が重なり合うように構成されているので、2つの案内孔41及び42を備えるにも拘らず、案内保持部4をコンパクトに構成することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、上述においては、支柱固定部2と支柱Pとの固定を、ボルト71及びナット72とコンクリート73により行うようにしているが、図4のように、コンクリート73のみで行うようによしてもよい。なお、図4に示した支柱固定部2は、底面が、下方に頂点を有する四角錘形状のものとなっている。
また、上述においては、支柱固定部2と支柱Pとを固定するために、通常のコンクリート73を用いているが、このコンクリート73に代えて、レジンコンクリート等の他の固定用の材料や部材を用いてもよい。また、支柱固定部2として、断面が正方形である角柱状のものを用いているが、この代わりに、断面が円形である円柱状のものや、断面が正多角形である多角柱状のものを用いてもよい。
また、上述においては、調節領域Aの下端の位置を、支柱固定部2の下端の位置としているが、支柱固定部2に底面が存在しない場合には、支柱Pの下端を、支柱固定部2の下端よりも下方に位置させることを排除するものではない。
また、上述においては、案内保持部4として、2つの案内孔41及び42を備えたもの用いているが、案内孔の数は、2つに限らず、3つ以上でもよい。
また、上述においては、案内孔41及び42の中心軸線L1及びL2の交差点Xは挿入口4aに位置しているが、この代わりに、突出口4b又は突出口4bの近傍に位置するようにしてもよい。これによっても、案内保持部4の小型化を図り、作業効率を向上できるとともに、案内孔41及び42間を隔てる中間壁の面積を十分確保することができる。
なお、この場合、複数の挿入口4aが形成されることになるが、打込み杭Sが挿入されない方の挿入口4aにはキャップを取り付けることにより美観を保つことができる。また、この場合には、交差点Xの位置にネジ孔4cを配置してもよい。
また、交差点Xは、案内保持部4の挿入口4aと突出口4bの間の中央部分に配置してもよい。これによっても、案内保持部4の小型化を図り、作業効率を向上させることができる。この場合、案内孔41及び42間を隔てる中間壁が打込み杭Sを案内するために適切な面積を得られるように挿入口4aと突出口4bとの間の距離を設定すればよい。また、この場合にも、交差点X上にネジ孔4cを配置してもよい。
また、上述においては、断面がL字状の一対の固定片51及び52を杭保持部3に設けたが、このような固定片は、支柱固定部2への取り付け個所に合わせて適宜形状を変更することができる。また、杭保持部3の支柱固定部2への取り付けは、ボルト31とナット32を用いることなく、溶接で行うようにしてもよい。
また、杭保持部3は、打込み杭Sを固定するためのネジ孔4cを1つのみ備えるが、この代わりに、ネジ孔4cを、案内孔41及び42毎に1つずつ又は複数設けてもよい。これによっても、案内保持部4の小型化を図り、作業効率を向上させることができる。
1…簡易基礎用構造体、2…支柱固定部、3…杭保持部、4a…挿入口(開口端)、4…案内保持部、4b…突出口(開口端)、4c…ネジ孔、22…水平片、41,42…案内孔、71…ボルト、72…ナット、73…コンクリート、A…調節領域、P…支柱、S…打込み杭、X…交差点、L1,L2…中心軸線。

Claims (4)

  1. 支柱を支持する簡易基礎を構築するために使用される簡易基礎用構造体であって、
    前記支柱の下端部が挿入されて固定される柱状で中空の支柱固定部と、
    前記支柱固定部の側面に固定される杭保持部とを備え、
    前記杭保持部は、打込み杭を、所定の角度で地盤に打ち込まれるように案内し、かつ保持する案内保持部を備え、
    前記支柱固定部は、前記支柱の下端の位置を鉛直方向に調節可能な調節領域と、前記杭保持部を固定するための水平片とを備え、
    前記調節領域の下端は、前記支柱固定部の底面であり、該調節領域の上端は、該支柱固定部に前記支柱を固定した際に該支柱の必要強度が確保可能な上限位置であり、
    前記簡易基礎用構造体は、前記水平片の位置まで地中に埋設され、
    前記水平片は、前記調節領域の上端よりも上方に位置することを特徴とする簡易基礎用構造体。
  2. 前記杭保持部を複数備え、隣接する該杭保持部の前記支柱固定部への固定位置が、前記支柱固定部の軸線方向において異なることを特徴とする請求項1に記載の簡易基礎用構造体。
  3. 前記支柱固定部に対する支柱の下端部の固定は、該支柱固定部の内壁と該支柱の下端部との間に充填されるコンクリートを用いて行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の簡易基礎用構造体。
  4. 前記支柱固定部に対する支柱の下端部の固定は、該支柱固定部の内壁及び該支柱の下端部に設けられた貫通孔に通されるボルトとこれに螺合するナットを用いて行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の簡易基礎用構造体。
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