JP6611727B2 - 熱電デバイス及びシステム - Google Patents

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Description

相互参照
[0001] 本出願は、2014年3月25日に提出された米国仮特許出願第61/970,322号及び2014年6月17日に提出された米国仮特許出願第62/013,468号の優先権を主張するものであり、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
[0002] 15テラワットを超える熱が、毎年世界中で、主たる燃料として原油を必要とする熱機関によって環境へと損失される。これは、これらの機関が、原油の化学エネルギの約30乃至40%しか有効仕事へと変換しないためである。廃熱の発生は熱力学第二法則の回避できない結果である。
[0003] 「熱電効果」という用語は、ゼーベック効果、ペルティエ効果及びトムソン効果を含む。熱電効果に基づく固体冷却及び発電は、一般的に、発電及び熱ポンピングのためにゼーベック効果又はペルティエ効果を用いる。しかしながら、そのような従来の熱電デバイスの利用は、一般的にはその低い成績係数(COP)(冷却用途について)又は低い効率(発電用途について)によって制限される。
[0004] 熱電デバイス性能は、いわゆる熱電性能指数、Z=Sσ/kによって捕捉でき、ここで「S」はゼーベック係数、「σ」は電気伝導率、「k」は熱伝導率である。Zは一般的には熱電デバイスのCOP及び効率の指標として用いられる。つまり、COPはZに対応する。熱電デバイス性能の定量化のためには無次元性能指数ZTを用いることができ、ここで「T」はデバイスの高温側及び低温側の平均温度であり得る。
[0005] 従来の半導体熱電冷却器は、他の冷却技術と比較してそれらが提供する多くの長所にもかかわらず、低い性能指数に起因して、適用が幾分限定されている。冷却においては、性能指数が小さい従来の熱電材料からなる熱電デバイスの低効率は、効率的な熱電冷却の提供におけるこれらの熱電デバイスの適用を限定する。
[0006] 本開示は、熱電素子、デバイス及びシステムと、そのような素子、デバイス及びシステムを形成する方法と、を提供するものである。
[0007] 現在入手可能な熱電デバイスは存在しているが、本明細書において認められるのは、そのような熱電デバイスに関連した様々な限定である。例えば、現在入手可能な熱電デバイスには、可撓性でなく様々な形状の物体に適合し得ないものがあるかもしれず、伝熱のための表面積を最大化することが困難になっている。別の一例として、現在入手可能な熱電デバイスには、かなり厚く、より小型の熱電デバイスを必要とする電子機器における使用には適さないものがある。
[0008] 本開示は、熱電素子、デバイス及びシステムと、そのような熱電素子、デバイス及びシステムを形成する方法と、を提供する。本開示の熱電素子及びデバイスは、可撓性で、様々な形状、大きさ及び構成の物体に適合することができ、そのような素子及びデバイスを、消費者向け及び産業向けの場面など、様々な場面における使用に適したものにする。本開示の熱電素子及びデバイスは、廃熱を回収するための表面に適合し、廃熱の少なくとも一部を利用可能なエネルギに変換することができる。場合によっては、廃熱は化学的、電気的及び/又は機械的エネルギ変換プロセスの際に発生し得る。
[0009] 本開示の一態様においては、少なくとも約0.25の性能指数(ZT)を有する熱電素子を形成する方法は、(a)半導体基板と、半導体基板の第1の表面と電気的に連通する作用電極と、半導体基板の第2の表面と接触するエッチング液(例えば電解質)と、エッチング液の中にある対向電極と、を備え、半導体基板の第1及び第2の表面が金属性被覆を実質的に含まない、反応空間を提供することと;(b)(i)少なくとも約0.1mA/cmの電流密度で電流を半導体基板へと導くため、及び(ii)半導体基板の第2の表面をエッチング液でエッチングして半導体基板にホールのパターンを形成し、それにより少なくとも約0.25のZTを有する熱電素子を形成するために、電極及び対向電極を使用することと、を備え、ここで、エッチングは半導体基板とエッチング液との間で少なくとも約1ボルト(V)の電位で行われ、エッチングは25℃で少なくとも毎秒約1ナノメートル(nm)のエッチ速度を有する。いくつかの実施形態においては、電位は、作用電極、エッチング液及び対向電極の全域にわたり少なくとも約1ボルト(V)である。
[0010] いくつかの実施形態においては、電位は交流(AC)電圧である。いくつかの実施形態においては、電位は直流(DC)電圧である。
[0011] いくつかの実施形態においては、作用電極は第1の表面と接触する。いくつかの実施形態においては、作用電極は第1の表面とオーミック接触する。いくつかの実施形態においては、半導体基板は作用電極の一部である。
[0012] いくつかの実施形態においては、エッチ速度は少なくとも毎秒約10nmである。いくつかの実施形態においては、エッチ速度は少なくとも毎秒約100nmである。いくつかの実施形態においては、エッチ速度は少なくとも毎秒約1000nmである。
[0013] いくつかの実施形態においては、電流密度は少なくとも約1mA/cmである。いくつかの実施形態においては、電流密度は少なくとも約10mA/cmである。いくつかの実施形態においては、電流密度は約10mA/cm乃至50mA/cm、10mA/cm乃至30mA/cm、又は10mA/cm乃至20mA/cmである。いくつかの実施形態においては、電流密度は約100mA/cm以下又は50mA/cm以下である。いくつかの実施形態においては、半導体基板はこの電流密度で交流でエッチングされる。
[0014] いくつかの実施形態においては、作用電極はエッチング時、アノードである。いくつかの実施形態においては、方法は、(b)の後に、半導体基板を焼きなますことをさらに備える。いくつかの実施形態においては、方法は、(b)の前に、エッチング液を25℃よりも高い温度まで加熱することをさらに備える。いくつかの実施形態においては、半導体基板は金属触媒なしに(又はその助けを借りることなしに)エッチングされる。
[0015] いくつかの実施形態においては、ホールのパターンは無秩序なホールのパターンを含む。いくつかの実施形態においては、作用電極はエッチング液と接触しない。
[0016] いくつかの実施形態においては、エッチング液は酸を含む。いくつかの実施形態においては、酸は、HF、HCl、HBr及びHIからなる群から選択される。いくつかの実施形態においては、エッチング液はアルコール添加物を含む。いくつかの実施形態においては、エッチングは半導体基板を照明することなしに行われる。
[0017] いくつかの実施形態においては、ZTは、25℃で少なくとも0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1である。いくつかの実施形態においては、半導体基板はシリコンを備える。
[0018] 別の一態様においては、少なくとも約0.25の性能指数(ZT)を有する熱電素子を形成する方法は、(a)エッチング液(例えば電解質)を備えた反応空間の中に半導体基板を提供することと;(b)少なくとも約0.1mA/cmの電流密度で電流の流れを半導体基板へと誘導することと;(c)少なくとも約0.1mA/cmの電流密度で半導体基板をエッチングして半導体基板に無秩序なホールのパターンを形成し、それにより少なくとも約0.25のZTを有する熱電素子を形成するために、エッチング液を用いることと、を備え、ここで、エッチングは(i)金属触媒なしに、且つ(ii)半導体基板とエッチング液との間で少なくとも約1ボルト(V)の電位で行われ、エッチングは25℃で少なくとも毎秒約1ナノメートル(nm)のエッチ速度を有する。
[0019] いくつかの実施形態においては、電位は交流(AC)電圧である。いくつかの実施形態においては、電位は直流(DC)電圧である。
[0020] いくつかの実施形態においては、エッチ速度は少なくとも毎秒約10nmである。いくつかの実施形態においては、エッチ速度は少なくとも毎秒約100nmである。いくつかの実施形態においては、エッチ速度は少なくとも毎秒約1000nmである。
[0021] いくつかの実施形態においては、電流密度は少なくとも約1mA/cmである。いくつかの実施形態においては、電流密度は少なくとも約10mA/cmである。いくつかの実施形態においては、電流密度は約10mA/cm乃至50mA/cm、10mA/cm乃至30mA/cm、又は10mA/cm乃至20mA/cmである。いくつかの実施形態においては、電流密度は約100mA/cm以下又は50mA/cm以下である。いくつかの実施形態においては、半導体基板はこの電流密度で交流でエッチングされる。
[0022] いくつかの実施形態においては、エッチング液は酸を含む。いくつかの実施形態においては、酸は、HF、HCl、HBr及びHIからなる群から選択される。いくつかの実施形態においては、エッチング液はアルコール添加物を含む。いくつかの実施形態においては、エッチングは半導体基板を照明することなしに行われる。
[0023] いくつかの実施形態においては、方法は、(c)の後に、半導体基板を焼きなますことをさらに備える。いくつかの実施形態においては、方法は、(c)の前に、エッチング液を25℃よりも高い温度まで加熱することをさらに備える。いくつかの実施形態においては、半導体基板はシリコンを備える。
[0024] 本開示の別の一態様は、1つ以上のコンピュータプロセッサによる実行時に上記の又は本明細書の他の箇所に記載された方法のうちいずれかを実行する機械実行可能コードを備えたコンピュータ可読媒体を提供する。
[0025] 本開示の別の一態様は、1つ以上のコンピュータプロセッサと、これに結合されたメモリと、を備えたコンピュータ制御システムを提供する。メモリは、1つ以上のコンピュータプロセッサによる実行時に上記の又は本発明書の他の箇所に記載された方法のうちいずれかを実行する機械実行可能コードを備える。
[0026] 本開示の別の一態様においては、熱電デバイスは半導体基板を含む少なくとも1つの可撓性熱電素子を備えており、半導体基板の表面はX線光電子分光(XPS)によって測定したとき約1%未満の金属含有量を有し、可撓性熱電素子は25℃で少なくとも約0.25の性能指数(ZT)を有し、可撓性熱電素子は熱電素子の静的偏向によって測定したとき25℃で約1×10ポンド毎平方インチ(psi)以下のヤング率を有する。
[0027] いくつかの実施形態においては、半導体基板は、透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定したとき約0.1ナノメートル(nm)乃至50nmの表面粗さを有する。いくつかの実施形態においては、表面粗さは、TEMによって測定したとき約1nm乃至20nmである。いくつかの実施形態においては、表面粗さは、TEMによって測定したとき約1nm乃至10nmである。
[0028] いくつかの実施形態においては、金属含有量は、XPSによって測定したとき約0.001%以下である。いくつかの実施形態においては、ヤング率は、25℃で約800,000psi以下である。いくつかの実施形態においては、性能指数は、少なくとも約0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1である。
[0029] いくつかの実施形態においては、半導体基板はn型又はp型に化学ドープされている。いくつかの実施形態においては、半導体基板はシリコンを備える。
[0030] いくつかの実施形態においては、熱電素子はホールのパターンを含む。いくつかの実施形態においては、ホールのパターンは多分散である。いくつかの実施形態においては、ホールのパターンは無秩序なホールのパターンを含む。いくつかの実施形態においては、無秩序なホールのパターンは多分散である。
[0031] いくつかの実施形態においては、熱電素子はワイヤのパターンを含む。いくつかの実施形態においては、ワイヤのパターンは多分散である。いくつかの実施形態においては、ワイヤのパターンは無秩序なワイヤのパターンを含む。いくつかの実施形態においては、無秩序なワイヤのパターンは多分散である。
[0032] 本開示の別の一態様は、半導体基板を含む可撓性熱電素子を備えた電子機器を提供し、ここで、半導体基板の表面はX線光電子分光(XPS)によって測定したとき約1%未満の金属含有量を有し、可撓性熱電素子は25℃で少なくとも約0.25の性能指数(ZT)を有し、可撓性熱電素子は三点試験によって測定したとき20%未満の塑性変形で測定平面に対して少なくとも約10°の角度で屈曲する。
[0033] いくつかの実施形態においては、半導体基板は、透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定したとき約0.1ナノメートル(nm)乃至50nmの表面粗さを有する。いくつかの実施形態においては、表面粗さは、TEMによって測定したとき約1nm乃至20nmである。いくつかの実施形態においては、表面粗さは、TEMによって測定したとき約1nm乃至10nmである。
[0034] いくつかの実施形態においては、金属含有量は、XPSによって測定したとき約0.001%以下である。いくつかの実施形態においては、可撓性熱電素子は、測定平面に対して少なくとも約20°の角度で屈曲する。いくつかの実施形態においては、性能指数は、少なくとも約0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1である。
[0035] いくつかの実施形態においては、電子機器は、腕時計、健康又はフィットネス追跡デバイス、又は廃熱回収装置である。電子機器は、例えば、他の電子機器及び制御モジュールを含むより大きなシステムの一部であってもよい。
[0036] いくつかの実施形態においては、半導体基板はn型又はp型に化学ドープされている。いくつかの実施形態においては、半導体基板はシリコンを備える。
[0037] いくつかの実施形態においては、電子機器は複数の熱電素子を備える。複数の熱電素子の各々は、上記され又は本明細書の他の箇所に記載されたようなものであってもよい。いくつかの実施形態においては、複数の熱電素子は、n型及びp型に逆に化学ドープされている。
[0038] いくつかの実施形態においては、熱電素子はホールのパターンを含む。いくつかの実施形態においては、ホールのパターンは多分散である。いくつかの実施形態においては、ホールのパターンは無秩序なホールのパターンを含む。いくつかの実施形態においては、無秩序なホールのパターンは多分散である。
[0039] いくつかの実施形態においては、熱電素子はワイヤのパターンを含む。いくつかの実施形態においては、ワイヤのパターンは多分散である。いくつかの実施形態においては、ワイヤのパターンは無秩序なワイヤのパターンを含む。いくつかの実施形態においては、無秩序なワイヤのパターンは多分散である。
[0040] 本開示の別の一態様は、流体を導く流体流路と;流体流路の少なくとも一部に隣接する少なくとも1つの可撓性熱電素子を備える熱電デバイスと、を備えた発電システムを提供するものであり、ここで、可撓性熱電素子は25℃で約1×10ポンド毎平方インチ(psi)以下のヤング率を有し、可撓性熱電素子は流体流路と熱的に連通する第1の表面及びヒートシンクと熱的に連通する第2の表面を有し、熱電デバイスは熱が流体流路から熱電デバイスを通ってヒートシンクへと流れる際に発電を行う。
[0041] いくつかの実施形態においては、熱電デバイスは、n型及びp型に逆に化学ドープされた少なくとも2つの熱電素子を備える。いくつかの実施形態においては、ヤング率は25℃で約800,000psi以下である。
[0042] いくつかの実施形態においては、熱電素子は半導体材料を備える。いくつかの実施形態においては、半導体材料はシリコンを含む。
[0043] いくつかの実施形態においては、可撓性熱電素子は流体流路の形状に実質的に適合する。いくつかの実施形態においては、流体流路は管である。いくつかの実施形態においては、流体流路は円筒形である。
[0044] 本開示の追加的な態様及び長所は、当業者には、本開示の例示的な実施形態のみが示され記載されている以下の詳細な説明から容易に明らかになるであろう。理解されるであろう通り、本開示は、他の及び異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、いずれも本開示から逸脱することなく、様々な自明の点において変更可能である。したがって、図面及び説明は、限定的なものではなく、本質的に例示的なものと見なされるべきである。
参照による組み込み
[0045] 本明細書において言及されているすべての刊行物、特許、及び特許出願は、個々それぞれの刊行物、特許、又は特許出願が具体的に且つ個別に参照により組み込まれるものとして表示された場合と同一の範囲で、参照によって本明細書に組み込まれる。
[0046] 本発明の新規な特徴を、添付の特許請求の範囲に詳細に記載する。本発明の特徴及び長所のより良い理解は、本発明の理念が利用されている例示的な実施形態を記載した以下の詳細な説明と、添付の図面(本明細書においては「図(figure/FIG.)」とも称される)とを参照することによって得られるであろう。
[0047] 複数の素子を有する熱電デバイスを示す図である。 [0048] 本開示の一実施形態による熱電素子の概略斜視図である。 [0049] 本開示の一実施形態による図2の熱電素子の概略上面図である。 [0050] 本開示の一実施形態による図2及び3の熱電素子の概略側面図である。 [0051] 本開示の一実施形態による熱電素子の概略斜視上面図である。 [0052] 本開示の一実施形態による図5の熱電素子の概略斜視上面図である。 [0053] 本開示の一実施形態による、ワイヤのアレイを有する素子を備えた熱電デバイスの概略斜視図である。 [0054] 本開示の一実施形態による、ホールのアレイを有する素子を備えた熱電デバイスの概略斜視図である。 [0055] 本開示の一実施形態による、ベクトルVに対して垂直に配向されたホールのアレイを有する素子を備えた熱電デバイスの概略斜視図である。 [0056] 複数の熱電素子を備えた可撓性熱電デバイスを製造する方法を概略的に説明する図である。 [0057] 可撓性熱電材料を有する可撓性熱電デバイスを概略的に説明する図である。 [0058] ヒートシンク及び熱電デバイスを備えた熱回収システムを概略的に説明する図である。 [0059] 一体化された熱電デバイス及びヒートシンクを有する溶接可能なチューブ(weldable tube)を概略的に説明する図である。 [0060] 物体に巻き付けられた可撓性ヒートシンクを概略的に説明する図である。 [0060] 図14Aの側断面図である。 [0061] 一体化されたヒートシンクを有する可撓性熱電テープを概略的に説明する図である。 [0062] 上部及び下部相互接続と電気的に連通する熱電素子を有する電子機器を概略的に説明する図である。 [0063] ベビーモニタの概略斜視側面図である。 [0063] 図17Aのベビーモニタの角度をつけた概略側面図である。 [0063] 図17Aのベビーモニタの概略側面図である。 [0063] 図17Aのベビーモニタの概略上面図である。 [0064] ペースメーカの概略斜視側面図である。 [0064] 図18Aのペースメーカの概略側面図である。 [0064] 図18Aのペースメーカの概略上面図である。 [0065] ウェアラブル電子機器の概略斜視図である。 [0065] ユーザの手に隣接する図19Aのウェアラブル電子機器を概略的に説明する図である。 [0066] アイウェアの概略斜視図である。 [0067] 医療用デバイスの概略斜視図である。 [0067] ユーザの体に取り付けられた図21Aの医療用デバイスを概略的に説明する図である。 [0068] 車両排気系の一部としての熱回収システムを概略的に説明する図である。 [0069] ラジエータに設置された熱回収及び発電システムの概略斜視側面図である。 [0069] 図23Aの熱回収及び発電システムの概略側面図である。 [0070] 熱交換器に設置された熱回収及び発電システムの概略斜視側面図である。 [0070] 図24Aの熱回収及び発電システムの概略側面図である。 [0071] 熱電素子の製造など本明細書中に提供される様々な方法を実施するようにプログラムされあるいは構成されたコンピュータ制御システムを示す図である。 [0072] 熱電素子の走査電子顕微鏡(SEM)顕微鏡写真を示す図である。 [0072] 熱電素子におけるバルク及び多孔質シリコンを示すX線回折(XRD)プロットを示す図である。
[0073] 本明細書においては本発明の様々な実施形態が示され説明されているが、そのような実施形態が例としてのみ提供されていることは、当業者には自明であろう。当業者は、本発明から逸脱することなく、多数の変形、変更及び置換を考え付くかもしれない。本明細書に記載の本発明の実施形態には様々な代替案が用いられ得ることが理解されるべきである。
[0074] 「ナノ構造体」という用語は、本明細書において用いられるとき、概して、約1マイクロメートル(「ミクロン」)未満の大きさの、第1の軸に沿った第1の寸法(例えば幅)を有する構造体を指す。そのようなナノ構造体は、第1の軸に直交する第2の軸に沿って、数ナノメートル以下から数ミクロン、数ミリメートル以上までの第2の寸法を有し得る。場合によっては、寸法(例えば幅)は、約1000ナノメートル(「nm」)未満、又は500nm未満、又は100nm未満、又は50nm未満、又はそれよりも小さい。ナノ構造体は、基板材料に形成されたホールを含んでいてもよい。ホールは、ホールのアレイを有するメッシュを形成し得る。他の場合には、ナノ構造体は、ワイヤなどの棒状構造体、円筒又は箱状構造体を含み得る。棒状構造体は、円形、長円形、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形、七角形、八角形又は九角形、あるいは他の断面を有していてもよい。
[0075] 「ナノホール」という用語は、本明細書において用いられるとき、概して、充填された又は非充填の、約1000ナノメートル(「nm」)以下、又は500nm以下、又は100nm以下、又は50nm以下、又はそれよりも小さい幅又は直径を有するホールを指す。金属性材料、半導体材料、又は絶縁材料で満たされたナノホールは、「ナノ包有物」とも称され得る。
[0076] 「ナノワイヤ」という用語は、本明細書において用いられるとき、概して、約1000nm以下、又は500nm以下、又は100nm以下、又は50nm以下、又はそれよりも小さい幅又は直径を有するワイヤ又は他の細長の構造体を指す。
[0077] 「n型」という用語は、本明細書において用いられるとき、概して、n型ドーパントで化学的にドープされた(「ドープされた」)材料を指す。例えば、シリコンはリン又はヒ素を用いてn型にドープされ得る。
[0078] 「p型」という用語は、本明細書において用いられるとき、概して、p型ドーパントでドープされた材料を指す。例えば、シリコンはホウ素又はアルミニウムを用いてp型にドープされ得る。
[0079] 「金属性」という用語は、本明細書において用いられるとき、概して、金属性の性質を呈する物質を指す。金属性材料は1つ以上の元素金属を含み得る。
[0080] 「単分散」という用語は、本明細書において用いられるとき、概して、互いに類似した形状、大きさ(例えば幅、断面、体積)又は分布(例えば最近接距離、中心間距離)を有するフィーチャを指す。いくつかの例においては、単分散のフィーチャ(例えばホール、ワイヤ)は、互いに最大で約20%、15%、10%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.1%偏向した形状又は大きさを有する。場合によっては、単分散のフィーチャは実質的に単分散である。
[0081] 「エッチング材料」という用語は、本明細書において用いられるとき、概して、エッチング材料に隣接する基板(例えば半導体基板)のエッチングを促進する材料を指す。いくつかの例においては、エッチング材料は、酸化剤及び化学的腐食剤へのエッチング材料の曝露の際に、基板のエッチングに触媒作用を及ぼす。
[0082] 「エッチング層」という用語は、本明細書において用いられるとき、概して、エッチング材料を備えた層を指す。エッチング材料の例には、銀、白金、クロム、モリブデン、タングステン、オスミウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、銅、ニッケル及び他の金属(例えば貴金属)、又はこれらの任意の組み合わせ、もしくは、例えば銅、ニッケル、又はこれらの組み合わせといった、化学的酸化体の分解に触媒作用を及ぼし得る任意の非貴金属が含まれる。
[0083] 「エッチブロック材料」という用語は、本明細書において用いられるとき、概して、エッチブロック材料に隣接する基板のエッチングを阻止又は妨害する材料を指す。エッチブロック材料は、エッチング材料に関連した基板エッチ速度よりも低下されたか又は場合によっては大幅に低下された基板エッチ速度を提供し得る。「エッチブロック層」という用語は、本明細書において用いられるとき、概して、エッチブロック材料を備えた層を指す。エッチブロック材料は、エッチング材料のものよりも低いエッチ速度を有し得る。
[0084] 「反応空間」という用語は、本明細書において用いられるとき、概して、熱電デバイス又は熱電デバイスの構成要素の形成に適した任意の環境を指す。反応空間は、基板に隣接する材料膜又は薄膜の堆積、あるいはその材料膜又は薄膜の物理的特性の測定に適したものであり得る。反応空間はチャンバを含んでいてもよく、これは複数のチャンバを有するシステム内の1つのチャンバであってもよい。システムは、複数の流体的に分離(又は隔離)されたチャンバを含み得る。システムは複数の反応空間を含んでいてもよく、各反応空間は別の反応空間から流体的に分離されている。反応空間は、基板又は基板に隣接して形成された薄膜について測定を行うのに適したものであってもよい。
[0085] 「電流密度」という用語は、本明細書において用いられるとき、概して、基板の断面などの断面の単位面積当たりの電流(electric/electrical current)を指す。いくつかの例においては、電流密度は、半導体基板の表面の単位面積当たりの電流である。
[0086] 「隣接する」又は「に隣接する」という用語は、本明細書において用いられるとき、「の隣の」、「隣り合う」、「と接触する」、及び「に近接する」を含む。場合によっては、隣接する構成要素は、1つ以上の介在層によって互いに分離されている。1つ以上の介在層は、約10マイクロメートル(「ミクロン」)未満、1ミクロン未満、500ナノメートル(「nm」)未満、100nm未満、50nm未満、10nm未満、1nm未満、0.5nm未満、又はそれよりも小さい厚さを有し得る。例えば、第2の層に隣接する第1の層は、第2の層と直接接触していてもよい。別の一例として、第2の層に隣接する第1の層は、少なくとも第3の層によって第2の層から分離されていてもよい。
熱電素子、デバイス及びシステム
[0087] 本開示は、加熱及び/又は冷却用途、発電、消費者向け及び産業向け用途など、様々な用途に用いられ得る熱電素子、デバイス及びシステムを提供する。いくつかの例においては、熱電材料は、消費者向け電子機器(例えばスマートウォッチ、可搬型電子機器、及び健康/フィットネス追跡デバイス)において使用される。別の一例として、本開示の熱電材料は、熱損失が存在する場所など、産業向けの場面において用いられ得る。そのような場合には、熱は、熱電デバイスにより捕捉され、発電のために用いられ得る。
[0088] 本開示の熱電デバイスは、そのようなデバイスの全域にわたる温度勾配の適用の際に発電をするために用いられてもよい。そのような電力は、消費者向け電子機器など、様々な種類のデバイスに電気エネルギを提供するために用いられ得る。
[0089] 本開示の熱電デバイスは、様々な非限定的な長所及び利益を有し得る。場合によっては、熱電デバイスは、かなり高いアスペクト比と、ホール又はワイヤの均一性と、最適な熱電デバイス性能に適しているであろう性能指数ZTと、を有していてもよい。この性能指数に関して、Zは成績係数(COP)及び熱電デバイスの効率の指標であり得、Tは熱電デバイスの高温側と低温側との平均温度であり得る。いくつかの実施形態においては、熱電素子又は熱電デバイスの性能指数(ZT)は、25℃で少なくとも約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、又は3.0である。場合によっては、性能指数は25℃で約0.01乃至3、0.1乃至2.5、0.5乃至2.0又は0.5乃至1.5である。
[0090] 性能指数(ZT)は温度の関数であり得る。場合によっては、ZTは温度とともに増大する。例えば、25℃で0.5というZTを有する熱電は、100℃ではより大きなZTを有し得る。
[0091] 本開示の熱電デバイスは、各々がナノ構造体(例えばホール又はワイヤ)のアレイを備えた電極を有していてもよい。ナノ構造体のアレイは、複数のホール又はワイヤ(例えばナノワイヤ)などの細長の構造体を含み得る。ホール又はワイヤは、秩序立って均一な大きさ及び分布を有していてもよい。代替案としては、ホール又はワイヤは、秩序立っておらず均一な分布を有していなくてもよい。いくつかの例においては、ホール又はワイヤに関して何ら長距離秩序が存在しない。場合によっては、ホール又はワイヤは、無作為な方向に互いに交差していてもよい。パターン化された又は無秩序なパターンのナノ構造体(例えばホール又はワイヤ)を形成する方法は、本明細書中の他の箇所において提供される。
[0092] 本開示は、可撓性又は実質的に可撓性の熱電素子を提供する。可撓性材料は、塑性変形を経験することなしに、ある形状に適合されたり、捩じられたり、又は屈曲されたりし得る材料であってもよい。これは、熱源又はヒートシンクとの接触面積が重要である場面など、様々な場面において熱電素子が用いられることを可能にする。例えば、可撓性熱電素子は、この熱電素子を熱源又はヒートシンクに巻き付けることなどによって、熱源又はヒートシンクと効率的に接触し得る。
[0093] 熱電デバイスは1つ以上の熱電素子を含み得る。熱電素子は可撓性であってもよい。個々の熱電素子は、少なくとも1つの半導体基板を含んでいてもよく、これは可撓性であり得る。場合によっては、熱電素子の個々の半導体基板は、剛性ではあるがかなり薄い(例えば、500nm乃至1mm又は1マイクロメートル乃至0.5mm)ので、互いに隣接して配設されたときには可撓性熱電素子を提供する。同様に、熱電デバイスの個々の熱電素子は、剛性ではあるがかなり薄いので、互いに隣接して配設されたときには可撓性熱電デバイスを提供する。
[0094] 図1は、本開示のいくつかの実施形態による熱電デバイス100を示す。熱電デバイス100は、熱電デバイス100の第1の組の電極103と第2の組の電極104との間に配設されたn型101及びp型102の素子を含む。図示するように、第1の組の電極103は、隣接するn型101及びp型の素子を接続する。
[0095] 電極103及び104は、それぞれ高温側材料105及び低温側材料106と接触する。いくつかの実施形態においては、高温側材料105及び低温側材料106は、電気的には絶縁性であるが熱的には伝導性である。電極103及び104への電位の印加は電流の流れをもたらし、これが熱電デバイス100の全域にわたる温度勾配(ΔT)を生成する。温度勾配(ΔT)は、高温側材料105の第1の温度(平均)であるT1から低温側材料106の第2の温度(平均)であるT2まで広がっており、ここでT1>T2である。温度勾配は、加熱及び冷却目的で用いられ得る。
[0096] 熱電デバイス100のn型101及びp型102の素子は、例えばナノ構造体のような、数ナノメートル乃至数マイクロメートルの寸法を有する構造体から形成されていてもよい。状況によっては、ナノ構造体はホール又は包有物であり、これらはホールのアレイ(すなわちメッシュ)内に提供され得る。他の状況においては、ナノ構造体はナノワイヤのような棒状構造体である。場合によっては、棒状構造体は互いに横方向に離間している。
[0097] 場合によっては、n型101及び/又はp型102の素子は、温度勾配の方向に沿って配向されたワイヤ又はホールのアレイで形成される。つまり、ワイヤは第1の組の電極103から第2の組の電極104へと伸長する。他の場合には、n型101及び/又はp型102の素子は、温度勾配に対して約0°乃至90°角度を付けられた方向に沿って配向されたホールのアレイで形成される。一例においては、ホールのアレイは温度勾配に直交する。ホール又はワイヤは、場合によっては、数ナノメートル乃至数マイクロメートル程度の寸法を有する。場合によっては、ホールはナノメッシュを定義し得る。
[0098] 図2は、本開示の一実施形態によるホールのアレイ201(選択したホールが円で囲まれている)を有する熱電素子200の概略斜視図である。このホールのアレイは、本明細書においては「ナノメッシュ」と称され得る。図3及び4は、熱電素子200の概略上面図及び概略側面図である。素子200は、本明細書の他の箇所に記載されているように、n型又はp型の素子であり得る。ホールのアレイ201は、数ナノメートル以下から最大で数ミクロン、数ミリメートル又はそれより大きな幅を有し得る個々のホール201aを含む。いくつかの実施形態においては、ホールは、約1nm乃至500nm、又は5nm乃至100nm、又は10nm乃至30nmの幅(又は円形であれば直径)(「d」)を有する。ホールは、約数ナノメートル以下から最大で数ミクロン、数ミリメートル又はそれより大きな長さ(「L」)を有し得る。いくつかの実施形態においては、ホールは、約0.5ミクロン乃至1センチメートル、又は1ミクロン乃至500ミリメートル、又は10ミクロン乃至1ミリメートルの長さを有する。
[0099] ホール201aは基板200aに形成されている。場合によっては、基板200aは、例えば炭素(例えば黒鉛又はグラフェン)、シリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ヒ化アルミニウムガリウム、シリサイド、シリコンゲルマニウム、テルル化ビスマス、テルル化鉛、酸化物(例えばSiO、ただし「x」はゼロより大きい数である)、窒化ガリウム及びテルル銀ゲルマニウムアンチモン(TAGS)含有合金などの固体材料である。例えば、基板200aは、IV族材料(例えばシリコン又はゲルマニウム)又はIII−V族材料(例えばヒ化ガリウム)であり得る。基板200aは、1つ以上の半導体を備える半導体材料で形成されていてもよい。半導体材料は、それぞれn型又はp型素子のためにn型又はp型にドープされ得る。
[00100] 場合によっては、ホール201aは、He、Ne、Ar、N、H、CO、O、又はこれらの組み合わせなどの気体で満たされている。他の場合には、ホール201aは真空下にある。代替的には、ホールは、半導体材料、絶縁(又は誘電)材料、又は気体(例えばHe、Ar、H、N、CO)で満たされ(例えば部分的に満たされ又は完全に満たされ)ていてもよい。
[00101] 素子200の第1の端部202及び第2の端部203は、シリコン又はシリサイドなどの半導体含有材料を有する基板と接触し得る。基板は、各端部202及び203における電極との電気的接触の提供を助けることができる。代替的には、基板は除外されてもよく、第1の端部202及び第2の端部203がそれぞれ第1の電極(図示しない)及び第2の電極(図示しない)と接触してもよい。
[00102] いくつかの実施形態においては、ホール201aは実質的に単分散である。単分散のホールは、実質的に同一の大きさ、形状及び/又は分布(例えば断面分布)を有し得る。他の実施形態においては、ホール201aは様々な大きさのホールの領域に偏在しているため、ホール201aは必ずしも単分散ではない。例えば、ホール201aは多分散であってもよい。多分散のホールは、互いに少なくとも約0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、又は50%偏向した形状、大きさ及び/又は配向を有し得る。状況によっては、デバイス200は、第1の直径を有する第1の組のホールと、第2の直径を有する第2の組のホールとを含む。第1の直径は第2の直径よりも大きい。他の場合には、デバイス200は、異なる直径を有する2組以上のホールを含む。
[00103] ホール201aは様々な充填配置を有し得る。場合によっては、ホール201aは、上面から見たとき(図3を参照)、六角形の密充填配置を有する。
[00104] いくつかの実施形態においては、ホールのアレイ201のホール201aは、約1nm乃至500nm、又は5nm乃至100nm、又は10nm乃至30nmの中心間距離を有する。場合によっては、中心間距離は、単分散のホール201aの場合にそうであり得るように、同一である。他の場合には、中心間距離は、様々な直径及び/又は配置を有するホールの群によって異なり得る。
[00105] ホール201の寸法(長さ、幅)及び充填配置、ならびに素子200の材料及びドーピング構成(例えばドーピング濃度)は、素子200及び素子200を有する熱電デバイスの所定の電気伝導率及び熱伝導率をもたらすように選択され得る。例えば、ホール201の直径及び充填構成は熱伝導率を最小化するように選択されてもよく、ドーピング濃度は素子200の電気伝導率を最大化するように選択されてもよい。
[00106] 基板200aのドーピング濃度は、少なくとも約1018cm−3、1019cm−3、1020cm−3、又は1021cm−3であり得る。いくつかの例においては、ドーピング濃度は、約1018乃至1021cm−3、又は1019乃至1020cm−3である。ドーピング濃度は、熱電素子としての使用に適した抵抗率を提供するように選択されてもよい。基板200aの抵抗率は、少なくとも約0.001ohm−cm、0.01ohm−cm、又は0.1ohm−cm、場合によっては約1ohm−cm以下、0.5ohm−cm以下、0.1ohm−cm以下であり得る。いくつかの例においては、基板200aの抵抗率は、約0.001ohm−cm乃至1ohm−cm、0.001ohm−cm乃至0.5ohm−cm、又は0.001ohm−cm乃至0.1ohm−cmである。
[00107] ホールのアレイ201は、少なくとも約1.5:1、又は2:1、又は5:1、又は10:1、又は20:1、又は50:1、又は100:1、又は1000:1、又は5,000:1、又は10,000:1、又は100,000:1、又は1,000,000:1、又は10,000,000:1、又は100,000,000:1、又はそれより大きいアスペクト比(例えば素子200の長さを個々のホール201aの幅で割ったもの)を有し得る。
[00108] ホール201は、秩序立って均一な大きさ及び分布を有していてもよい。代替案としては、ホール201は、秩序立っておらず均一な分布を有していなくてもよい。例えば、ホール201は無秩序であってもよく、したがってホールのパターン201には何ら長距離秩序が存在しない。
[00109] いくつかの実施形態においては、熱電素子はワイヤのアレイを含んでいてもよい。ワイヤのアレイは個々のワイヤを含み得るもので、これらは例えば棒状構造体である。
[00110] 素子200のホールのアレイの代替案として、ホールは秩序立っておらず均一な分布を有していなくてもよい。いくつかの例においては、ホールに関して何ら長距離秩序が存在しない。場合によっては、ホールは無作為な方向に互いに交差していてもよい。ホールは、ホールから様々な方向に突出する派生的なホールなどの交差ホールを含み得る。派生的なホールはさらなる派生的なホールを有していてもよい。ホールは、様々な大きさを有していてもよく、無作為且つ不均一であり得る様々な方向に沿って整列されてもよい。
[00111] 図5は、本開示の一実施形態による熱電素子500の概略斜視上面図である。図6は、熱電素子500の概略斜視上面図である。熱電素子500は、本明細書において提供されるデバイス、システム及び方法とともに用いられ得る。素子500は、個々のワイヤ501aを有するワイヤのアレイ501を含む。いくつかの実施形態においては、ワイヤは、約1nm乃至500nm、又は5nm乃至100nm、又は10nm乃至30nmの幅(又は円形であれば直径)(「d」)を有する。ワイヤは、約数ナノメートル以下から最大で数ミクロン、数ミリメートルまたはそれより大きな長さ(「L」)を有し得る。いくつかの実施形態においては、ワイヤは、約0.5ミクロン乃至1センチメートル、又は1ミクロン乃至500ミリメートル、又は10ミクロン乃至1ミリメートルの長さを有する。
[00112] いくつかの実施形態においては、ワイヤ501aは実質的に単分散である。単分散のワイヤは、実質的に同一の大きさ、形状及び/又は分布(例えば断面分布)を有し得る。他の実施形態においては、ワイヤ501aは様々な大きさのワイヤの領域に偏在しているため、ワイヤ501aは必ずしも単分散ではない。例えば、ワイヤ501aは多分散であってもよい。多分散のワイヤは、互いに少なくとも約0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、又は50%偏向した形状、大きさ及び/又は配向を有し得る。
[00113] いくつかの実施形態においては、ワイヤのアレイ501のワイヤ501aは、約1nm乃至500nm、又は5nm乃至100nm、又は10nm乃至30nmの中心間距離を有する。場合によっては、中心間距離は、単分散のワイヤ501の場合にそうであり得るように、同一である。他の場合には、中心間距離は、様々な直径及び/又は配置を有するワイヤの群によって異なり得る。
[00114] いくつかの実施形態においては、ワイヤ501aは、例えばシリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ヒ化アルミニウムガリウム、シリサイド合金、シリコンゲルマニウムの合金、テルル化ビスマス、テルル化鉛、酸化物(例えばSiO、ただし「x」はゼロより大きい数である)、窒化ガリウム及びテルル銀ゲルマニウムアンチモン(TAGS)含有合金のような半導体材料などの固体材料で形成されている。ワイヤ501aは、本明細書中に開示されている他の材料で形成されていてもよい。ワイヤ501aは、n型ドーパント又はp型ドーパントでドープされていてもよい。半導体材料のドーピング濃度は、少なくとも約1018cm−3、1019cm−3、1020cm−3、又は1021cm−3であり得る。いくつかの例においては、ドーピング濃度は、約1018乃至1021cm−3、又は1019乃至1020cm−3である。半導体材料のドーピング濃度は、熱電素子としての使用に適した抵抗率を提供するように選択されてもよい。半導体材料の抵抗率は、少なくとも約0.001ohm−cm、0.01ohm−cm、又は0.1ohm−cm、場合によっては約1ohm−cm以下、0.5ohm−cm以下、0.1ohm−cm以下であり得る。いくつかの例においては、半導体材料の抵抗率は、約0.001ohm−cm乃至1ohm−cm、0.001ohm−cm乃至0.5ohm−cm、又は0.001ohm−cm乃至0.1ohm−cmである。
[00115] いくつかの実施形態においては、ワイヤ501aは、素子500の第1の端部502及び第2の端部503で半導体基板に取り付けられる。半導体基板は、個々のワイヤ501aのn型又はp型のドーピング構成を有し得る。他の実施形態においては、ワイヤ501aは第1の端部502及び第2の端部503で半導体基板には取り付けられず、電極に取り付けられ得る。例えば、第1の電極(図示しない)が第1の端部502と電気的に接続してもよく、第2の電極が第2の端部503と電気的に接続してもよい。
[00116] 図6を参照すると、ワイヤ501a間の空間504は、真空又は様々な材料で満たされ得る。いくつかの実施形態においては、ワイヤは、二酸化シリコン、二酸化ゲルマニウム、酸化ガリウムヒ素(gallium arsenic oxide)、スピンオンガラス、及び例えば化学気相堆積又は原子層堆積などの気相堆積を用いて堆積された他の絶縁物といった電気的に絶縁性の材料によって、互いに横方向に離間している。他の実施形態においては、ワイヤは、真空、又はHe、Ne、Ar、N、H、CO、O、もしくはこれらの組み合わせなどの気体によって、互いに横方向に離間している。
[00117] ワイヤのアレイ501は、少なくとも約1.5:1、又は2:1、又は5:1、又は10:1、又は20:1、又は50:1、又は100:1、又は1000:1、又は5,000:1、又は10,000:1、又は100,000:1、又は1,000,000:1、又は10,000,000:1、又は100,000,000:1、又はそれより大きいアスペクト比(素子500の長さを個々のワイヤ501aの幅で割ったもの)を有し得る。場合によっては、素子500の長さと個々のワイヤ501aの長さとは、実質的に同一である。
[00118] 本明細書において提供される熱電素子は、冷却及び/又は加熱、及び場合によっては発電における使用のために熱電デバイスに組み込まれ得る。いくつかの例においては、デバイス100は発電デバイスとして用いられてもよい。一例においては、デバイス100は、デバイス100の電極及び熱電素子の全域にわたって温度勾配を提供することにより、発電のために用いられる。
[00119] 素子500のワイヤのアレイの代替案として、ワイヤは秩序立っておらず均一な分布を有していなくてもよい。いくつかの例においては、ワイヤに関して何ら長距離秩序が存在しない。場合によっては、ワイヤは無作為な方向に互いに交差していてもよい。ワイヤは、様々な大きさを有していてもよく、無作為且つ不均一であり得る様々な方向に沿って整列されてもよい。
[00120] 図7は、本開示の一実施形態による、n型素子701及びp型素子702を有する熱電デバイス700を示す。n型素子701及びp型素子702はそれぞれナノワイヤのようなワイヤのアレイを含む。ワイヤのアレイは複数のワイヤを含み得る。n型素子701はn型(又はnドープされた)ワイヤを含み、p型素子702はp型ワイヤを含む。ワイヤはナノワイヤ又は他の棒状構造体であってもよい。
[00121] 隣接するn型素子701とp型素子702とは、その端部で、電極703及び704を用いて互いに電気的に接続されている。デバイス700は、第1の熱的に伝導性で電気的に絶縁性の層705と、第2の熱的に伝導性で電気的に絶縁性の層706とを、素子701及び702の両端部に含む。
[00122] デバイス700は、電極703及び704と電気的に連通する端子707及び708を含む。端子707及び708間の電位の印加は、それぞれn型及びp型素子701及び702において電子の流れ及びホールを発生させ、これが素子701及び702の全域にわたる温度勾配を生成する。第1の熱的に伝導性で電気的に絶縁性の層705はデバイス700の低温側であり、第2の熱的に伝導性で電気的に絶縁性の層706はデバイス700の高温側である。低温側は高温側よりも冷たい(すなわち低い動作温度を有する)。
[00123] 図8は、本開示の一実施形態による、n型素子801及びp型素子802を有する熱電デバイス800を示す。n型素子801及びp型素子802は、それぞれn型及びp型の半導体基板に形成されている。各基板は、ナノホールのようなホールのアレイを含み得る。ホールのアレイは複数のホールを含み得る。個々のホールはn型又はp型素子の長さにわたっていてもよい。ホールは単分散であってもよく、その場合、ホールの寸法及び中心間距離は実質的に一定であり得る。場合によっては、ホールのアレイは、中心間距離及びホールの寸法(例えば幅又は直径)が異なり得るホールを含む。そのような場合には、ホールは単分散でなくてもよい。
[00124] 選択したn型素子801とp型素子802とは、その端部で、電極803及び804により電気的に接続されている。デバイス800は、第1の熱的に伝導性で電気的に絶縁性の層(「第1の層」)805と、第2の熱的に伝導性で電気的に絶縁性の層(「第2の層」)806とを、素子801及び802の両端部に含む。
[00125] デバイス800は、電極803及び804と電気的に連通する端子807及び808を含む。端子807及び808間の電位の印加は、それぞれn型及びp型素子801及び802において電子の流れ及びホールを発生させ、これが素子801及び802の全域にわたる温度勾配を生成する。第1の熱的に伝導性で電気的に絶縁性の層805はデバイス800の低温側であり、第2の熱的に伝導性で電気的に絶縁性の層806はデバイス800の高温側である。低温側は高温側よりも冷たい(すなわち低い動作温度を有する)。
[00126] 熱電デバイス800は、第2の熱的に伝導性で電気的に絶縁性の層806から第1の熱的に伝導性で電気的に絶縁性の層805まで温度勾配を有する。場合によっては、ホールは、第1の層805から第2の層806に向けられたベクトルに平行に配設される。他の場合には、ホールは、このベクトルに対して0°よりも大きい角度で配設される。例えば、ホールは、このベクトルに対して少なくとも約1°、10°、20°、30°、40°、50°、60°、70°、80°、又は90°の角度で配設されてもよい。
[00127] 図9はn型素子901及びp型素子902を有する熱電デバイス900を示し、これらの素子はn型及びp型素子の基板に形成されたホールを有している。ホールは、デバイス900の電極903及び904に直交するベクトル(「V」)に垂直に配向されている。
[00128] 本明細書において提供される熱電素子のワイヤ又はホールは、基板に形成され得るとともに、電極などの支持構造体に実質的に反平行に配向され得る。いくつかの例においては、ワイヤ又はホールは、支持構造体に対して0°より大きい、又は10°より大きい、又は20°より大きい、又は30°より大きい、又は40°より大きい、又は50°より大きい、又は60°より大きい、又は70°より大きい、又は80°より大きい、又は85°より大きい角度で配向される。一例においては、ワイヤ又はホールは、支持構造体に対して約90°の角度で配向される。電極は熱電デバイスの電極であってもよい。場合によっては、ワイヤ又はホールは、実質的に電極に平行に配向されていてもよい。
[00129] 図7乃至9のデバイスの代替案として、熱電デバイスはホール又はワイヤのアレイを備えた熱電素子を有していてもよく、個々のホール又はワイヤは異なる大きさ及び/又は分布を有し得る。ホール又はワイヤのアレイは、秩序立っていなくてもよく、均一な分布を有していなくてもよい。いくつかの例においては、ホール又はワイヤに関して何ら長距離秩序が存在しない。場合によっては、ホール又はワイヤは無作為な方向に互いに交差していてもよい。ホール又はワイヤは、他のホール又はワイヤから様々な方向に突出する派生的なホール又はワイヤなどの交差ホール又はワイヤを含み得る。ホール又はワイヤは、様々な大きさを有していてもよく、無作為且つ不均一であり得る様々な方向に沿って整列されてもよい。別の代替案として、熱電デバイスは、秩序立ったホール又はワイヤのアレイを備えた少なくとも1つの熱電素子(p型又はn型)と、無秩序なホール又はワイヤのアレイを備えた少なくとも1つの熱電素子(p型又はn型)と、を含んでいてもよい。無秩序なホール又はワイヤのアレイは、秩序立っておらず均一な分布を有していないホール又はワイヤを含み得る。
[00130] 本開示のホール又はワイヤは、最適化された熱電デバイス性能に適した表面粗さを有し得る。場合によっては、ホール又はワイヤの二乗平均粗さは、約0.1nm乃至50nm、又は1nm乃至20nm、又は1nm乃至10nmである。粗さは、透過型電子顕微鏡(TEM)、又は原子間力顕微鏡(AFM)もしく走査トンネル顕微鏡(STM)といった他の表面分析手法によって判定可能である。表面粗さは表面の襞により特徴付けられ得る。
熱電素子を形成する方法
[00131] 本開示は、熱電素子を形成する様々な方法を提供する。熱電素子は電気化学エッチングを用いて形成可能である。場合によっては、熱電素子はカソードエッチング又はアノードエッチングにより形成され、触媒を使用しない場合もある。熱電素子は金属触媒反応の使用なしに形成可能である。熱電素子は、エッチングされる基板表面上に金属性被覆を設けることなしに形成されてもよい。これは、純粋に電気化学的なアノードエッチングと、適当なエッチ液及び電解質とを用いても行われ得る。代替案として、熱電は、例えば2012年7月17日に提出されたPCT/US2012/047021、2013年1月17日に提出されたPCT/US2013/021900、2013年8月16日に提出されたPCT/US2013/055462、2013年10月29日に提出されたPCT/US2013/067346に記載されているように、適当なエッチ液及び電解質中での金属を触媒とする電気化学エッチングを用いて形成されてもよい。これらの文献の各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
[00132] 本明細書において認められるのは、熱電素子を形成するために触媒を使用しないことの様々な利益である。一例において、金属を触媒としないエッチングは、金属(又は金属性)触媒の必要をなくすことができ、これにより、エッチング後に熱電素子から金属触媒を除去するための浄化ステップを含め、処理ステップをより少なくすることが可能である。金属触媒は高価であり得るため、これはまた、製造コストの低減ももたらし得る。金属触媒は希少な及び/又は高価な金属性材料(例えば金、銀、白金、又はパラジウム)を含み得るもので、金属性触媒の使用を排除することは、熱電素子の形成のコストを有利に低減し得る。さらに、触媒を用いないプロセスは、より再生可能且つ制御可能であり得る。場合によっては、本明細書に記載の触媒を用いないプロセスは、熱電素子の比較的小さな生産規模から熱電素子の比較的大きな生産規模まで対応可能である。
[00133] 本開示は、消費者向け及び産業向け用途などの様々な用途において使用される熱電材料を形成する方法を提供する。いくつかの例においては、熱電材料は、消費者向け電子機器(例えばスマートウォッチ、可搬型電子機器、及び健康/フィットネス追跡デバイス)において使用される。別の一例として、本開示の熱電材料は、熱損失が存在する場所など、産業向けの場面において用いられてもよく、その熱は捕捉され発電のために用いられ得る。
[00134] 本開示は、可撓性又は実質的に可撓性の熱電材料を形成する方法を提供する。可撓性材料とは、塑性変形又は破壊を経験することなしに、測定平面に対して少なくとも約1°、5°、10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°、50°、60°、70°、80°、90°、100°、120°、130°、140°、150°、160°、170°、又は180°の角度で屈曲する材料であり得る。可撓性材料は、可撓性材料の所与の区域の全面に印加された力(すなわち圧力)により屈曲し得る。塑性変形は、例えば三点試験(例えばインストロン伸張)又は引張試験によって測定可能である。代替的又は追加的には、可撓性材料は、三点試験(例えばインストロン伸張)又は引張試験によって測定したとき約20%以下、15%以下、10%以下、5%以下、1%以下、又は0.1%以下の塑性変形で、測定平面に対して少なくとも約1°、5°、10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°、50°、60°、70°、80°、90°、100°、120°、130°、140°、150°、160°、170°、又は180°の角度で屈曲する材料であってもよい。可撓性材料は、かなりしなやかな材料であり得る。可撓性材料は、表面に適合又は成形することが可能な材料であってもよい。そのような材料は、消費者向け及び産業向けの場面など、様々な場面における使用のために用いられ得る。本明細書に記載の方法により形成された熱電素子は、様々な形状及び構成に形成され得る。そのような形状は、ユーザによって所望の通り、例えば所与の物体に適合するように、変更可能である。熱電素子は第1の形状を有していてもよく、ある形状又は構成に形成された後では、熱電素子は第2の形状を有していてもよい。熱電素子は、第2の形状から当初の形状へと変形されてもよい。
[00135] 本開示の一態様においては、熱電デバイス(又は材料)はアノードエッチングを用いて形成される。アノードエッチングは、エッチングされている基板との電気接続を提供する電気化学エッチングセル、基板と接触するエッチ液又は電解質を保持するための1つ以上の貯蔵部、及びエッチングプロセスの分析測定又は観測へのアクセスにおいて実施され得る。エッチ液及び/又は電解質は水溶液を備え得る。エッチ(又はエッチング)液及び/又は電解質は、塩基性、中性、又は酸性の溶液であり得る。エッチング液の例は、フッ化水素酸(HF)、塩酸(HCl)、臭化水素(HBr)、ヨウ化水素(HI)、又はこれらの組み合わせなどの酸を含む。エッチング液及び/又は電解質は、電気的に伝導性の溶液であってもよい。一例においては、エッチングセルは、電解質を含む溶液を収容する上部貯蔵部を含む。上部貯蔵部はエッチングされる基板に隣接して(例えばその上に)位置していてもよい。エッチングされる基板は、触媒材料であり得る1つ以上の金属性材料を実質的に含まないことが可能である。エッチングされる基板は金属性被覆を含まなくてもよい。いくつかの例においては、エッチングされる基板は、(例えば基板の表面上に)X線光電子分光(XPS)によって測定したとき約25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、0.01%未満、0.001%未満、0.0001%未満、0.00001%未満、又は000001%未満の金属含有量を有する。
[00136] エッチング液は、1つの酸(例えばHF)又は約70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下(重量パーセントとして)、場合によっては約1%以上、10%以上、20%以上、又は30%以上の濃度の複数の酸(重量で)を含み得る。いくつかの例においては、濃度は(重量で)約1%乃至60%、又は10%乃至50%、又は20%乃至45%である。エッチング液の残分(balance)は、溶剤(例えば水)と、アルコール、カルボン酸、ケトン及び/又はアルデヒドなどの添加剤とを含み得る。いくつかの例においては、添加剤は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、又はこれらの組み合わせなどのアルコールである。添加剤は、より低い電流密度のユーザを可能にし得ると同時に、無秩序なパターンを有するホールの実質的に均一な分布など、本開示の熱電素子における使用に適した特性を有するナノ構造体(例えばホール)を形成する。添加剤は、より低い電流密度のユーザを可能にすると同時に、2つ以上のホール間の距離の制御の増大など、本開示の熱電素子における使用に適した特性を有するナノ構造体(例えばホール)を形成する。添加剤は、より低い電流密度のユーザを可能にすると同時に、2つ以上のホール間の最大で約5nmという距離など、本開示の熱電素子における使用に適した特性を有するナノ構造体(例えばホール)を形成する。添加剤は、より低い電流密度のユーザを可能にすると同時に、2つ以上のホール間の最大で約20nmという距離など、本開示の熱電素子における使用に適した特性を有するナノ構造体(例えばホール)を形成する。添加剤は、より低い電流密度のユーザを可能にすると同時に、2つ以上のホール間の最大で約100nmという距離など、本開示の熱電素子における使用に適した特性を有するナノ構造体(例えばホール)を形成する。
[00137] 電流は、エッジ接触又は裏面側接触を用いて基板へ及び/又は基板を通って、溶液/電解質を通って、及び対向電極へと供給され得る。対向電極は、上部貯蔵部と電気的に連通していてもよく、場合によっては上部貯蔵部内に位置していてもよい。場合によっては、対向電極は、基板の上側と隣接又は接触する。エッチングセルの本体は、エッチング液又は電解質に対して不活性な材料(例えばPTFE、PFA、ポリプロピレン、HDPE)から作製されてもよい。エッジ接触又は裏面側接触は、基板上の金属接触を含んでいてもよく、あるいは適当な電解質を用いた液体接触であってもよい。対向電極は、適当な電極材料から構成されたワイヤ又はメッシュを含み得る。エッチングセルは、溶液の運動を維持するための機械的パドル又は超音波撹拌機を含んでいてもよく、あるいはセル全体が高速回転され、回転され又は揺さぶられてもよい。いくつかの例においては、エッチングの前及び/又は最中に溶液を撹拌することは、エッチング均一性の向上をもたらし得る。これは、エッチングの最中に電解質が循環されることを可能にし得る。別の一例においては、エッチングセルは、1つ以上の再循環貯蔵部及びエッチチャンバを1つ以上の溶液/電解質とともに含んでいてもよい。
[00138] 一例においては、非パターン化基板が、5つまで又はそれより多くの電極接続を備えた反応空間内にロードされる。電極のうち1つは、基板の裏面側(作用電極)とオーミック接触し、且つ腐食剤電解質から隔離される。電極のうち1つは、基板の裏面側(作用電極)とオーミック接触していてもよく、且つ腐食剤電解質と接触していなくてもよい。別の1つの電極(対向電極)は、電解質中に潜没され得るが基板と直接接触していなくてもよく、電解質を通じて基板の作用電極へ電流を供給するために用いられてもよい。別の1つの電極(参照電極)は、電解質中に浸漬され、場合によってはフリットを用いて作用電極及び対向電極の両方から隔離されるとともに、公知又は所定の参照基準を用いてエッチングセルの作動電位を検知するために用いられる。別の2つ以上の電極は、外部電界を確立するために、反応空間の外側に配置されてもよい。場合によっては、少なくとも2つの電極(1つの作用電極及び1つの対向電極)が必要とされる。
[00139] 反応空間は多くの方式で用いられ得る。あるアプローチでは、反応空間は、基板の裏面側を介し適当な電解質を通じてアノード電流を流すことにより、2電極構成で用いられ得る。電解質は、例えば、水などの希釈液を含む混合液、又はフッ化水素酸などの含フッ素試薬、又は過酸化水素などの酸化剤であってもよい。電解質は界面活性剤及び/又は改質剤を含み得る。作用電位は、アノード酸化の最中に、3電極構成の対向電極を用いて検知可能である。アノード酸化は、DC又はAC外界の存在下で、反応空間の外側に配置された電極を用いて行われ得る。
[00140] アノードエッチングにおいては、半導体の電圧/電流支援エッチングの結果、電圧/電流に応じた速度での半導体のエッチングがもたらされ得る。エッチ速度、エッチ深さ、エッチ形態、孔密度、孔構造、内部表面積及び表面粗さは、電圧/電流、エッチング液/電解質組成物及び他の添加剤、圧力/温度、前面/裏面側照明、及びかき混ぜ/撹拌によって制御可能である。これらは、結晶方位、ドーパント型、抵抗率(ドーピング濃度)、及び半導体の成長法(例えばフロートゾーン又はチョクラルスキ)によっても制御可能である。半導体の抵抗率は、少なくとも約0.001ohm−cm、0.01ohm−cm、又は0.1ohm−cm、場合によっては約1ohm−cm以下、0.5ohm−cm以下、0.1ohm−cm以下であってもよい。いくつかの例においては、半導体の抵抗率は、約0.001ohm−cm乃至1ohm−cm、0.001ohm−cm乃至0.5ohm−cm、又は0.001ohm−cm乃至0.1ohm−cmである。
[00141] 電圧/電流制御を用いた半導体基板のエッチングの最中には、ポテンシャル又はバイアス(例えば直流バイアス)が下地電極を用いて基板に印加される。その結果、半導体基板がエッチングされ得る。アノードエッチングの結果として、半導体の熱伝導率は顕著に低下し得る。いくつかの例においては、印加バイアスを用いることによって多孔率(質量損失)が制御及び調節可能であり、したがって熱特性及び電気特性が制御され得る。他の例においては、特定のエッチング液/電解質組成物及び/又は添加剤を用いることによって、多孔率が制御され得る。さらに他の例においては、先に挙げた変数のうち任意の数を用いることによって、多孔率が制御され得る。
[00142] 半導体基板は、場合によってはパターン化されておらず、場合によってはパターン化されている。パターン化されていないエッチングにおいては、基板はセル内で直接エッチングされる。パターン化されたエッチングにおいては、エッチングを妨害するブロッキング層が最初に半導体の上に配置され、その後特定の箇所で除去されてもよい。この層は、任意の適当な手法(例えば化学気相堆積、スピンコーティング、酸化)で形成され得るとともに、後のステップにおいて所望の箇所で適当なマスク(例えばフォトリソグラフィ)を用いて除去され得る(例えばプラズマエッチング、反応性イオンエッチング、スパッタリング)。代替的には、ブロッキング層は、直接堆積されてもよい(例えばディップペンリソグラフィ、インクジェット印刷、ステンシルを通したスプレー塗布)。その後、アノードエッチングの最中に、ブロッキング層のパターンのネガティブレプリカが基板に転写される。
[00143] エッチングは、適当なエッチング液/電解質の存在下で、半導体基板に電位(「ポテンシャル」)を印加することによって実施され得る。ポテンシャルは、接地などの基準に対して、例えば少なくとも約+0.01V、+0.02V、+0.03V、+0.04V、+0.05V、+0.06V、+0.07V、+0.08V、+0.09V、+0.1V、+0.2V、+0.3V、+0.4V、+0.5V、+0.6V、+0.7V、+0.8V、+0.9V、+1.0V、+2.0V、+3.0V、+4.0V、+5.0V、+10V、+20V、+30V、+40V、又は+50Vであり得る。いくつかの例においては、ポテンシャルは、基準に対して約+0.01V乃至+20V、+0.1V乃至+10V、又は+0.5V乃至+5Vである。いくつかの例においては、ポテンシャルは、約+0.01V乃至+0.05V、+0.06V乃至+0.1V、+0.2V乃至+0.5V、+0.6V乃至+1.0V、+2.0V乃至+5.0V、+10V乃至+20V、+20V乃至+30V、+30V乃至+40V、又は+40V乃至+50Vの範囲に及び得る。いくつかの例においては、ポテンシャルは、約+0.5V乃至+5V、又は+1V乃至+5Vである。
[00144] エッチングは、電気の流れ(「電流」)を半導体基板に対して又は半導体基板を通じて印加し又は生成することにより、場合によっては適当なエッチング液/電解質の存在下で、実施され得る。電流は、基板へのポテンシャルの印加時に、基板に印加され得る。電流は、例えば、少なくとも約+0.01ミリアンプ毎正方形センチメートル(mA/cm)、+0.1mA/cm、+0.2mA/cm、+0.3mA/cm、+0.4mA/cm、+0.5mA/cm、+0.6mA/cm、+0.7mA/cm、+0.8mA/cm、+0.9mA/cm、+1.0mA/cm、+2.0mA/cm、+3.0mA/cm、+4.0mA/cm、+5.0mA/cm、+6.0mA/cm、+7.0mA/cm、+8.0mA/cm、+9.0mA/cm、+10mA/cm、+20mA/cm、+30mA/cm、+40mA/cm、+50mA/cm、+60mA/cm、+70mA/cm、+80mA/cm、+90mA/cm、+100mA/cm、+200mA/cm、+300mA/cm、+400mA/cm、+500mA/cm、+600mA/cm、+700mA/cm、+800mA/cm、+900mA/cm、+1000mA/cmの電流密度を有し得る。いくつかの例においては、電流密度は、約0.01mA/cm乃至20mA/cm、0.05mA/cm乃至10mA/cm、又は0.01mA/cm乃至5mA/cmの範囲に及ぶ。いくつかの例においては、電流密度は、約+0.1mA/cm乃至+0.5mA/cm、+0.6乃至+1.0mA/cm、+1.0mA/cm乃至+5.0mA/cm、+5.0mA/cm乃至+10mA/cm、+10mA/cm乃至+20mA/cm、+20mA/cm乃至+30mA/cm、+30mA/cm乃至+40mA/cm、+40mA/cm乃至+50mA/cm、+50mA/cm乃至+60mA/cm、+60mA/cm乃至+70mA/cm、+70mA/cm乃至+80mA/cm、+80mA/cm乃至+90mA/cm、+90mA/cm乃至+100mA/cm、+10mA/cm乃至+200mA/cm、+20mA/cm乃至+300mA/cm、+300mA/cm乃至+400mA/cm、+40mA/cm乃至+500mA/cm、+500mA/cm乃至+600mA/cm、+600mA/cm乃至+700mA/cm、+700mA/cm乃至+800mA/cm、+800mA/cm乃至+900mA/cm、又は+900mA/cm乃至+1000mA/cmの範囲に及ぶ。いくつかの例においては、電流密度は、約1mA/cm乃至30mA/cm、5mA/cm乃至25mA/cm、又は10mA/cm乃至20mA/cmである。そのような電流密度は、約+0.5V乃至+5V、又は+1V乃至+5Vのポテンシャルなど、本明細書に記載されているポテンシャルによって達成され得る。
[00145] 電位(又は電圧)は、例えば電圧計を用いて測定可能である。電圧計は基板に並列であってもよい。例えば、電圧計は、基板の2面の間の電位、又は溶液中の作用電極と対向電極との間の電位を測定することができる。電流密度は電流計を用いて測定可能である。電流計は電源及び基板に直列であってもよい。例えば、電流計は、基板の裏面側に接続され得る。
[00146] 本開示の熱電素子は、ナノ構造体(例えばホール又はワイヤ)のアレイを提供するように選択されたエッチング時間に形成され得る。エッチング時間は、1秒乃至2日、1分乃至1日、1分乃至12時間、10分乃至6時間、又は30分乃至3時間の範囲に及び得る。いくつかの例においては、エッチング時間は、30分乃至6時間、又は1時間乃至6時間である。場合によっては、エッチング時間は、少なくとも約1秒、10秒、30秒、1分、2分、3分、4分、5分、10分、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、12時間、又は1日であり得る。そのようなエッチング時間は、本開示の印加電圧及び/又は電流と組み合わせて用いられ得る。
[00147] 場合によっては、半導体基板に印加されるバイアスは、半導体基板におけるナノ構造の密度及び場所を含め、半導体基板のエッチ速度、エッチ深さ、エッチ形態、孔密度、孔構造、内部表面積及び表面粗さを調節するために、エッチングの最中に変更されてもよい。別の場合には、エッチング液/電解質組成物及び/又は添加剤がエッチングの最中に変更されてもよい。さらに他の場合には、圧力/温度又は照明又はかき混ぜ/撹拌が変更されてもよい。代替的には、所望のエッチング特性を得るために、こうした可変のもののうち1つよりも多くが同時に変更され得る。
[00148] 基板がエッチングされている期間中には、電位は一定であっても、変動しても、又はパルス状であってもよい。一例においては、電位はエッチング期間中一定である。別の一例においては、電位はエッチング期間中、パルス状にオン及びオフに、又は正から負になる。別の一例においては、電位はエッチング期間中変動し、例えば第1の値から、第1の値よりも小さい又は大きい第2の値へと徐々に変動する。電位はその後、第2の値から第1の値へと変動し、といった具合に続いてもよい。さらに別の一例においては、バイアス/電流は、正弦波/三角/任意波形に従って揺動され得る。場合によっては、バイアス/電流は、少なくとも約1Hz、10Hz、1000Hz、5000Hz、10000Hz、50000Hz、又は100000Hzの周波数でパルス化され得る。
[00149] バイアス及び/又は電流はDC又はAC、又はDCとACとの組み合わせであってもよい。ACバイアス及び/又は電流をDCオフセットとともに使用することは、DCバイアス/電流を用いたエッチ速度の制御と、ACバイアス/電流を用いたイオンの制御とを提供し得る。ACバイアス/電流は、エッチ速度を交互に速めたり遅らせたりすることができ、又は多孔率/表面粗さを増大/減少させることができ、又は形態及び構造を周期的もしくは非周期的に変更することができる。ACバイアス/電流の振幅及び周波数は、エッチ速度、エッチ深さ、エッチ形態、孔密度、孔構造、内部表面積及び表面粗さを調節するために用いられ得る。
[00150] 状況によっては、エッチングの最中の半導体基板への電位の印加は、所与のエッチ速度をもたらし得る。いくつかの例においては、基板は、25℃で、少なくとも約0.1ナノメートル(nm)/秒(s)、0.5nm/s、1nm/s、2nm/s、3nm/s、4nm/s、5nm/s、6nm/s、7nm/s、8nm/s、9nm/s、10nm/s、20nm/s、30nm/s、40nm/s、50nm/s、60nm/s、70nm/s、80nm/s、90nm/s、100nm/s、200nm/s、300nm/s、400nm/s、500nm/s、600nm/s、700nm/s、800nm/s、900nm/s、1000nm/s、又は10,000nm/sの測度でエッチングされ得る。他の場合には、エッチ速度は、圧力/温度、溶液/電解質組成物及び/又は添加剤、照明、かき混ぜ/撹拌の変化とともに増加/減少されてもよい。
[00151] 印加電位又は電流密度を用いたエッチングの最中の半導体基板の多孔率は、様々な用途に適した熱電素子を提供可能な多孔率(質量損失)を有する基板を提供し得る。いくつかの例においては、多孔率は、少なくとも約0.01%、0.1%、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、又は60%である。多孔率は、約0.01%乃至99.99%、0.1%乃至60%、又は1%乃至50%であり得る。
[00152] 基板は、様々な用途に適した熱電素子となるように選択された厚さを有し得る。厚さは、少なくとも約100ナノメートル(nm)、500nm、1マイクロメートル(ミクロン)、5ミクロン、10ミクロン、100ミクロン、500ミクロン、1ミリメートル(mm)、又は10mmであってもよい。いくつかの例においては、厚さは約500nm乃至1mm、1ミクロン乃至0.5mm、又は10ミクロン乃至0.5mmである。
[00153] エッチングは、基板の厚さ全体を貫通するまで完全に実施されてもよく、又は任意の深さで中止されてもよい。完全エッチングは、下地となるエッチングされていない基板を有さない自立したナノ構造材料をもたらす。不完全エッチングは、下地となるエッチングされていない基板の上にナノ構造材料の層をもたらす。ナノ構造層は、少なくとも約10ナノメートル(nm)、20nm、30nm、40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、90nm、100nm、200nm、300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、1マイクロメートル(μm)、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、1ミリメートル(mm)、2ミリメートル(mm)、3ミリメートル(mm)、4ミリメートル(mm)、5ミリメートル(mm)、6ミリメートル(mm)、7ミリメートル(mm)、8ミリメートル(mm)、9ミリメートル(mm)、10ミリメートル(mm)又はそれより大きい厚さを有し得る。
[00154] ナノ構造層は基板上に残されてもよく、又は多くの方式で基板から分離されてもよい。層は基板から機械的に(例えばダイヤモンド鋸、スクライビング及び割断、レーザ切断、剥離を用いて)分離され得る。代替的には、層は、層のベースのエッチングの前線における電解研磨条件に影響を与えることによって、基板から分離され得る。これらの条件は、圧力の変化、温度の変化、溶液組成物の変化、電解質組成物の変化、添加剤の使用、照明、かき混ぜ、及び/又は撹拌によって、あるいは十分な期間(例えば約1日よりも長く)待機することによって、達成され得る。場合によっては、層が基板に依然として弱く付着するように、部分的又は不完全な分離が所望され得る。これは、通常のエッチング条件と電解研磨との間で変化することによって達成されてもよい。その場合、完全な分離は後のステップで達成され得る。
[00155] エッチングの後、材料は、機能的に活性又は非活性の表面をもたらすように化学的に変質され得る。例えば、材料は、化学的に非活性の表面、又は電子的に非活性の表面、又は生物学的に非活性の表面、又は熱的に安定な表面、又は上記のものの組み合わせをもたらすように変質されてもよい。これは、様々な方法、例えば熱酸化、熱シラン化、熱炭化、ヒドロシリル化、グリニヤール試薬、エレクトログラフティングを用いて達成され得る。場合によっては、所望の又は所定の特性の組み合わせを有する表面を得るために、上記の方法のうち1つ以上が用いられてもよい。
[00156] 変質の後、材料のボイドに完全に又は部分的に充填材料が内填されてもよい。例えば、充填材料は、電気的に伝導性であってもよく、又は熱的に絶縁性であってもよく、又は機械的に強化するものであってもよく、又は上記のものの組み合わせであってもよい。適当な充填材料は、以下の群のうち1つ以上を含み得る:絶縁物、半導体、半金属、金属、ポリマ、気体、又は真空。充填は、様々な方法、例えば原子層堆積、化学気相堆積、薬液槽又は重合槽からの堆積、電気化学堆積、溶媒和充填材料の蒸発を伴うドロップキャスティング又はスピンコーティング又は浸漬を用いて達成され得る。場合によっては、所望の特性の組み合わせを有する充填材料を得るために、上記の方法のうち1つ以上が用いられてもよい。
[00157] 充填の後、材料は、キャッピング材料で封止されてもよい。例えば、キャッピング材料は気体、又は液体、又はその両方に対して不透過性であり得る。適当な充填材料は、以下の群のうち1つ以上を含み得る:絶縁物、半導体、半金属、金属又はポリマ。キャッピングは、様々な方法、例えば原子層堆積、化学気相堆積、薬液槽又は重合槽からの堆積、電気化学堆積、溶媒和充填材料の蒸発を伴うドロップキャスティング又はスピンコーティング又は浸漬を用いて達成され得る。場合によっては、所望の又は所定の特性の組み合わせを有するキャッピング材料を得るために、上記の方法のうち1つ以上が用いられてもよい。
[00158] エッチングの後、材料は、適当なすすぎ溶液(例えば水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、ヘキサン類など)で洗浄され、乾燥(例えば送風乾燥、蒸発乾燥、オーブン/炉乾燥、真空乾燥、臨界点乾燥、又は空気乾燥)されてもよい。すすぎ溶液は乾燥のモードに応じて選択され得る。
[00159] アノードエッチングの後、半導体の熱特性及び電気特性は、熱及び時間の適用を通じて半導体ナノ構造(孔又はホールの形態、密度、構造、内部表面積及び表面粗さ)を粗大化すること又は焼きなますことによって、さらに制御又は調節され得る。半導体の熱特性及び電気特性を制御するために、約1秒乃至1週間の期間にわたり、約50℃乃至1500℃、又は100℃乃至1300℃の温度が用いられ得る。場合によっては、期間は少なくとも約1秒、10秒、30秒、1分、2分、3分、4分、5分、10分、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、12時間、又は1日である。焼きなましは、真空(例えば約1×10−10トル乃至<760トルの圧力)で又は適当な気体(例えばヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン、水素、窒素、フォーミングガス、一酸化炭素、二酸化炭素、酸素、水蒸気、空気、メタン、エタン、プロパン、六フッ化硫黄及びこれらの混合)の存在下で実施され得る。気体は不活性ガスであってもよい。焼きなましは、部分的に又は完全にエッチングされた基板、エッチングされていない基板上の完全に分離されたエッチングされた層、エッチングされていない基板上の部分的に分離されたエッチングされた層、又はエッチングされていない基板上の分離されていないエッチングされた層について実施され得る。場合によっては、エッチングされていない基板上の層が焼きなましされるときに、半導体粗大化が、層をエッチングされていない基板から分離するように進行してもよい。これは、層分離をもたらすのに便利であり得る。
[00160] 電気的接点は、標準的な堆積手法(例えばシルクスクリーニング、インクジェット堆積、塗装、散布、浸漬コーティング、はんだ付け、金属スパッタリング、金属蒸発)を用いて、ナノ構造材料上に又はこれに隣接して堆積され得る。これらは、適当な密着層(例えばチタン、クロム、ニッケル又はこれらの組み合わせ)を有する/有さない金属接点(例えば金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、ガリウム、鉛含有はんだ、無鉛はんだ又はこれらの組み合わせ)であってもよい。代替的には、これらはシリサイド接点(例えばチタンシリサイド、コバルトシリサイド、ニッケルシリサイド、パラジウムシリサイド、白金シリサイド、タングステンシリサイド、モリブデンシリサイドなど)であってもよい。バリア層(例えば白金、パラジウム、窒化タングステン、窒化チタン、窒化モリブデンなど)が、シリコンと接点との間、又は接点層の間、又は各層の間の相互拡散を防止するために挿入されてもよい。他の例においては、これらは金属接点及びシリサイド接点の両方の組み合わせであってもよい。シリサイド接点は、金属接点と基板との間の接触抵抗を低減するために提供され得る。シリサイドの例には、タングステンシリサイド、二ケイ化チタン及びニッケルシリサイドが含まれる。その後の焼きなましステップは、接点を形成するとともにその特性を向上させるために用いられ得る。例えば、焼きなましは接触抵抗を低減させることができ、これはオーミック接触を提供し得る。
[00161] 電気的接点が形成された後、材料は、p型及びn型の熱電素子(又は脚)からなる熱電デバイスへと組み立てられ得る。熱電デバイスは電気的には直列に接続され熱的には互いに並列のp型及びn型脚を含んでいてもよい。これらは、電気的に絶縁性で熱的に伝導性の剛性板(例えば窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭化シリコン、窒化シリコンなど)の上に構築されてもよく、脚の間には金属相互接続(例えば銅、アルミニウム、金、銀など)により提供される電気接続を有する。別の一例においては、熱電材料は、可撓性の絶縁材料(例えばポリイミド、ポリエチレン、ポリカーボネートなど)の上に組み立てられてもよい。脚の間の電気接続は、可撓性材料上に一体化された金属相互接続を介して提供される。結果として得られる熱電は、シート状、ロール状又はテープ状であり得る。所望の大きさの熱電材料がシート、ロール又はテープから切り出されてデバイスへと組み立てられてもよい。
[00162] 本明細書において提供される処理条件(例えば印加電圧及び電流密度)は、例えば、25℃で約0.01乃至3、0.1乃至2.5、0.5乃至2.0又は0.5乃至1.5のZTを有する熱電素子など、本開示の熱電素子及びデバイスに強化又は向上された特性を提供する配向及び構成を有するナノ構造体(例えばホール)の形成等の様々な予期せぬ利益を有する。そのような処理条件は、基板におけるナノ構造体のアレイの形成をもたらし得る。ナノ構造体のアレイは無秩序なパターンを有していてもよい。そのような処理条件は、可撓性熱電素子又はデバイスの形成をもたらし得る。
[00163] 図10は、複数の熱電素子を備えた可撓性熱電デバイスを製造する方法を概略的に図示する。例えば本明細書の他の箇所に記載された無触媒アプローチ(例えばアノードエッチング)を用いて処理されたp型又はn型のシリコン基板は、両面をチタン、ニッケル、クロム、タングステン、アルミニウム、金、白金、パラジウム、又はこれらの任意の組み合わせなどの適当な接点材料で被覆されている。基板はその後、少なくとも約250℃、300℃、350℃、400℃、450℃、500℃、550℃、600℃、650℃、700℃、750℃、800℃、850℃、900℃、950℃、又は1000℃の温度まで加熱され、例えばダイヤモンドカッタ、ワイヤソー、又はレーザカッタを用いて複数の小片に切り分けられる。
[00164] 次に、金属化操作において、切断された基板の個々の小片は、約30センチメートル(cm)の幅を有するボトムテープ及びトップテープの上に置かれる。テープは、例えばポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はこれら及び他のポリマの共重合体、混合物及び複合体などの高分子材料で形成されていてもよい。
[00165] 次に、個々の小片は、所与のテープの全域にわたって個々の小片との並列接続を形成するために、はんだ被覆される。テープはその後、1つ以上のローラ(2つのローラが図示されている)を通じて結合される。テープの間に個々の小片を封止するのを助けるために、熱的に伝導性の接着剤が作業台のまわりに提供されてもよい。
[00166] 本明細書において提供される方法に従って形成される熱電素子、デバイス及びシステムは、様々な物理的特性を有していてもよい。本開示の熱電デバイスの性能は、熱電素子のホール及び/又はワイヤの特性及び特徴に関係し得る。場合によっては、最適なデバイス性能は、透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定したとき個々のホール又はワイヤが約0.1nm乃至50nm、又は1nm乃至20nm、又は1nm乃至10nmの表面粗さを有する、ホール又はワイヤを備えた素子について達成され得る。場合によっては、熱電素子は、X線光電子分光(XPS)によって測定したとき約0.000001%以下、0.00001%以下、0.0001%以下、0.001%以下、0.01%以下、0.1%以下、1%以下、5%以下、10%以下、15%以下、20%以下、又は25%以下の残留金属含有量を有し得る。
[00167] 本開示の熱電素子は、最適化された熱電デバイス性能に適した表面粗さを有し得る。場合によっては、ホール又はワイヤの二乗平均粗さは、約0.1nm乃至50nm、又は1nm乃至20nm、又は1nm乃至10nmである。粗さは、透過型電子顕微鏡(TEM)、又は原子間力顕微鏡(AFM)もしくは走査トンネル顕微鏡(STM)といった他の表面分析手法によって判定可能である。表面粗さは表面の襞により特徴付けられ得る。
熱電素子の使用
[00168] 本開示の熱電素子、デバイス及びシステムは、様々な場面における使用のため又は様々な用途のために用いられ得る。場面には、制限なしに、健康管理、消費者向け、及び産業向けの場面が含まれ得る。そのような用途には、制限なしに、可撓性ヒートシンクを備えた可撓性熱電テープ、体熱を電源とするウェアラブル電子機器、発電用の廃熱回収装置(例えば車両又は化学プラントの廃熱回収装置)が含まれる。
[00169] ヒートシンクは、熱回収又は放熱を補助し得る。ヒートシンクは1つ以上のヒートフィンを含んでいてもよく、これらは増大された伝熱面積を提供するように大きさを決められるとともに配置され得る。
[00170] 図11は、可撓性熱電デバイス1101を示す。可撓性熱電デバイス1101は直列構成(例えば図1を参照)の熱電素子1102を含み得る。可撓性熱電デバイスは、25℃で約30×10ポンド毎平方インチ(psi)以下、20×10psi以下、10×10psi以下、5×10psi以下、2×10psi以下、1×10psi以下、900,000psi以下、800,000以下、700,000以下、600,000以下、500,000以下、400,000、300,000、又は200,000psi以下のヤング率を有し得る。ヤング率は熱電素子の静的偏向によって測定可能である。ヤング率は引張試験によって測定可能である。
[00171] 場合によっては、可撓性熱電デバイスは、ヒートシンク及び電気的相互接続とともに用いられ得る。デバイスは、テープ状、フィルム状又はシート状の形状であってもよい。デバイスは実質的に平坦且つ可撓性であってもよく、これはデバイスが表面とのより大きな接触表面積を有することを可能にする。
[00172] ヒートシンクは任意の可撓性材料であり得、これは低い内部熱抵抗を提供するのに十分な程度に熱的に伝導性であるとともに、柔軟に屈曲するのに十分な程度に薄くてもよい。場合によっては、ヒートシンクは約0.1ミリメートル(mm)乃至100mm、又は1mm乃至10mmの厚さを有し得る。ヒートシンクは、本明細書において提供される熱電素子を、マトリクス又は基板内に又はこれと接触して含み得る。マトリクス又は基板は、ポリマ箔、エラストマ系ポリマ、セラミック箔、半導体箔、絶縁体箔、絶縁された金属箔又はこれらの組み合わせであってもよい。効果的な熱伝達のために環境に呈される表面積を増大させるべく、マトリクス又は基板は、ディンプル、襞、ピン、フィン又はリブによってパターン化されていてもよい。
[00173] 図12は、ヒートシンク1201と、ヒートシンク1201に隣接する熱電材料を備えた熱電デバイス1202とを示す。熱電材料は本明細書に開示される熱電素子を含んでいてもよい。熱電デバイス1202は、例えば管又は電子機器(例えばコンピュータプロセッサ)などの物体と嵌合するために用いられ得る嵌合表面1203に隣接している。熱電材料は可撓性で成形面の形状に適合可能であってもよい。ヒートシンク1201は、ヒートシンク1201が物体に固定されることを可能にする取付部材1204を含んでいてもよい。
[00174] 一体化された又は独立した熱電デバイスを備えたヒートシンクは、温度勾配をもたらし得る表面を有する物体など、他の物体とともに用いられ得る。例えば、ヒートシンクは、産業向けの場面など様々な場面において用いられ得るチューブとともに用いられてもよい。図13は、一体化された熱電デバイス及びヒートシンクを備えた溶接可能なチューブ1301を示す。低温側ヒートシンク1302はチューブ1301の外部に位置しており、高温側ヒートシンク1303はチューブ1301の内部に位置している。チューブ1301は、金属性材料又は金属含有材料で形成されていてもよい。熱電材料を備えた熱電デバイス1304は、チューブの外部、チューブと低温側ヒートシンクとの間に配設されている。
[00175] 図14A及び14Bは、例えば高温又は低温流体を運ぶ管であり得る物体1402に巻き付けられた可撓性ヒートシンク1401を示す。図14Bは図14Aの側断面図である。ヒートシンクは、本明細書において提供される熱電素子を含み得る熱電デバイス層1403の中に、熱電素子を含んでいてもよい。物体1402は、熱電デバイス層1403の片面に隣接して位置し得る高温又は低温表面を有し得る。熱電デバイス層の反対の面は、表面よりも高温又は低温の環境に隣接して位置していてもよく、それによって温度差を提供する。熱電素子は、本明細書に記載のように電気的に連通していてもよく(例えば図1を参照)、熱電デバイス層1403の一端の電気ワイヤ1404a及び1404bと電気的に連通していてもよい。
[00176] 代替案として、ヒートシンクは熱電デバイス層から分離されていてもよい。熱電デバイス層は、物体に巻き付けられることが可能なテープの形状であってもよい。ヒートシンクはその後熱電デバイス層に適用されてもよい。
[00177] 熱電デバイスは、両面がヒートシンクに取り付けられるか、又は片面のみがヒートシンクに取り付けられるか、又はいずれの面もヒートシンクに取り付けられなくてもよい。熱電デバイスは、両面が接着剤で被覆されるか、又は片面のみが接着剤で被覆されるか、又はいずれの面も接着剤で被覆されなくてもよい。接着剤は、熱電デバイスが物体及び/又は1つ以上のヒートシンクにしっかりと結合されることを可能にし得る。接着剤は十分に熱的に伝導性であってもよい。
[00178] ヒートシンク基板又はマトリクスは、低い熱抵抗を呈するように十分に薄い、任意の可撓性で電気的に絶縁性の材料であり得る。例には、ポリマ箔(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリイミドなど);エラストマ系ポリマ箔(例えばポリジメチルシラザン、ポリイソプレン、天然ゴムなど);織物(例えば従来の布、繊維ガラスマットなど);セラミック、半導体、又は絶縁体箔(例えばガラス、シリコン、炭化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素など);絶縁された金属箔(例えば陽極酸化アルミニウム又はチタン、被覆銅又は鋼など);又はこれらの組み合わせが含まれる。基板は、エラストマ材料が用いられるときには、可撓性且つ伸縮性であり得る。
[00179] 図15は、一体化されたヒートシンクを有する可撓性熱電テープを示す。テープは、可撓性ヒートシンク1501と、ヒートシンクに隣接する熱電材料1502とを含む。ヒートシンク1501はディンプルのパターンを含み、これは伝熱のための増加された表面積をもたらし得る。テープは、熱電材料1502の電極に結合された電気ワイヤを含み得る。ワイヤはテープの一端に位置していてもよい。
[00180] テープは、平面的又は非平面的な物体など、様々な物体に適用可能である。一例においては、テープは管に巻き付けられる。テープはロールから供給され、ロールから物体に適用されてもよい。
[00181] 本開示の熱電素子、デバイス及びシステムは、電気的相互接続とともに用いられてもよい。電気的相互接続は、低い電気抵抗を呈するように十分に薄い、任意の可撓性で電気的に伝導性の材料であり得る。例には、金属及びその合金及び金属間化合物(例えばアルミニウム、チタン、ニッケル、クロム、ニクロム、タンタル、ハフニウム、ニオブ、ジルコニウム、バナジウム、タングステン、インジウム、銅、銀、白金、金など)、シリサイド(例えばチタンシリサイド、ニッケルシリサイド、クロムシリサイド、タンタルシリサイド、ハフニウムシリサイド、ジルコニウムシリサイド、バナジウムシリサイド、タングステンシリサイド、銅シリサイド)、導電性セラミックス(例えば窒化チタン、窒化タングステン、窒化タンタルなど)、又はこれらの組み合わせが含まれる。熱電素子は、可撓性となるように十分に薄い材料などの可撓性基板で形成されていてもよい。そのような材料の例には、テルル化ビスマス、テルル化鉛、ハーフホイスラー、スクッテルダイト、シリコン、及びゲルマニウムが含まれる。いくつかの例においては、熱電素子は、可撓性となるように十分に薄くされ得るナノ構造半導体(例えばシリコン)で形成されている。ナノ構造半導体は、約100マイクロメートル(ミクロン)以下、10ミクロン以下、1ミクロン以下、0.5ミクロン以下、又は0.1ミクロン以下の厚さを有し得る。図16は、上部相互接続1602及び下部相互接続1603とともに用いられる熱電素子1601を有する電子機器を示す。熱電素子1601は、上部相互接続1602及び下部相互接続1603の少なくとも一部の間に位置していてもよい。相互接続部1602及び1603と熱電素子1601とは、基板1604上に配設されていてもよい。相互接続部1602及び1603は、直線状のパターン1605又はジグザグのパターン1606を有し得る。
[00182] 場合によっては、用いられる構成材料の組み合わせに応じて、可撓性熱電デバイスは、室温、室温付近、又は実質的に室温を下回る温度、又は実質的に室温を上回る温度の条件で最適に用いられ得る。熱電素子のためのナノ構造半導体の選択は、少なくとも約−273℃から1000℃を超えるまでに及ぶ広い温度範囲の全域にわたってデバイスの効果的な動作を可能にし得る。
[00183] さらに、電力定格に応じて、相互接続パターンは変更されてもよい。例えば、デバイスの大きさが固定されている場合には、熱電素子が平行な直線鎖状に接続されていると、出力電流が最大化され得る。別の一例として、熱電素子がジグザグのパターンで接続されていると(図16を参照)、出力電流が半分にされ、出力電圧が倍化し得る。多くの相互接続パターンが可能である。また、特定の相互接続セグメントのオン/オフを切り替えるため、相互接続ネットワークを再経路指定するため、又は出力電圧もしくは電流を上昇/下降させるために、外部の回路又はスイッチが用いられてもよい。
[00184] いくつかの実施形態においては、本明細書において提供される熱電素子、デバイス及びシステムは、ウェアラブル電子機器内で又はこれと共に用いられ得る。そのようなウェアラブル電子機器は、少なくとも部分的には体熱を電源とし得る。例えば、熱電デバイスはシャツ又はジャケットの裏地に設けられてもよく、これによってユーザの体と外部環境との間の温度差を利用して発電を助けることが可能である。これは、電子機器(例えばウェアラブル電子機器又は可搬型デバイス)に直接的に電力を提供するため、又は電子機器の再充電可能バッテリを充電するために用いられ得る。
[00185] 熱電材料は、電子回路に電力供給する目的で体熱を電気に変換する装置内に集積されてもよい。装置は、スマートウォッチ、スマートグラス、装用型又はインイヤ型メディアプレーヤ、消費者向け健康モニタ(歩数計又はベビーモニタなど)、補聴器、医療用デバイス(心拍数モニタ、血圧モニタ、脳活動(EEG)モニタ、心臓活動(EKG)モニタ、パルスオキシメータ、インスリンモニタ、インスリンポンプ、ペースメーカ、装着可能な除細動器など)を含むがこれらに限定されないウェアラブル電子機器と一体化され得る。装置は、スマートフォン(例えばApple(登録商標)のiPhone(登録商標))又はラップトップコンピュータを含むがこれらに限定されない可搬型電子機器などの電子機器に電力供給するために用いられ得る独立した装置であってもよい。装置は、スマート衣服、スマートジュエリ(例えばブレスレット、バングル、指輪、イヤリング、ボタン、ネックレス、リストバンド、又はアンクレット)を含むがこれらに限定されない電子的に増強された衣類又は装身具内に一体化されてもよい。装置は電力の供給源として用いられてもよく、少なくとも約1μW、10μW、100μW、1mW、10mW、20mW、30mW、40mW、50mW、100mW、又は1W、場合によっては1μW乃至10mWを生成する。これは、他の供給源(例えばバッテリ、コンデンサ、スーパーコンデンサ、太陽電池パネル、運動エネルギ、又は壁から再充電可能)によって増強又は支援され得る。
[00186] 一例においては、装置は、集熱器と、放熱器と、熱流の主たる経路の途中に設置されるようにこれらの間に挟まれた熱電デバイスとを含む。別の一例においては、装置は、電力管理回路(例えば昇圧トランス、直流(DC)−DCコンバータ、トリクル充電回路など)又は電力貯蔵部(バッテリ、コンデンサ、スーパーコンデンサなど)と一体化されてもよい。また別の一例においては、装置はさらに、センサ、データ記憶部、通信及び/又は表示回路、及びマイクロプロセッサシステムと一体化されてもよい。
[00187] 集熱器は、ユーザの体から熱を吸収するとともに熱を熱電デバイスに向けることができる。集熱器は、目的に適う任意の形態をとり得るとともに、体からの熱を吸収し熱を熱電デバイスへと向けるように十分に熱的に伝導性であり得る。場合によっては、集熱器はスラブ、板、リング、又は環である。集熱器は、熱的に伝導性の金属、セラミック、又はプラスチックで形成されていてもよい。一例においては、集熱器は金属性の帯である。別の一例においては、集熱器はヒートパイプと一体化されていてもよい。集熱器は、物理的な挿入、緩い又はきついクランピング、摩擦、又は接着剤によって体に保持されてもよい。
[00188] 場合によっては、放熱器は、熱電デバイスから熱を除去するとともに熱を環境に放出することができる。放熱器は、例えばスラブ、板、リング、又は環など、任意の形状、形態又は構成を有し得る。放熱器は、熱電デバイスから熱を除去するとともにそれを環境に放出するように十分に熱的に伝導性であり得る。場合によっては、放熱器は、熱的に伝導性の金属、セラミック、又はプラスチックで形成される。一例においては、放熱器は金属性のヒートシンクである。別の一例においては、放熱器はヒートパイプと一体化されていてもよい。
[00189] 熱電デバイスは、熱を電気に変換することができ、剛性、半剛性又は可撓性であり得る。場合によっては、可撓性熱電デバイスの使用により、装置の製造及び組み立てを単純化することができる。一例においては、これは可撓性熱電デバイスの1つ以上の層であってもよく、熱的に伝導性の接着剤、機械的な予備成形又は機械的なクランピングを用いて集熱器と放熱器との間に取り付けられてもよい。
[00190] 場合によっては、装置はブレスレット又は指輪の形をとり得る。別の実装形態においては、装置は眼鏡枠の形をとり得る。また別の実装形態においては、装置は接着剤又は取り付けストラップを用いて人間の胸部、背中又は胴体に適用されるパッチの形をとり得る。さらに別の実装形態においては、装置は埋め込み可能なフィルム、ディスク又は板の形をとり得る。装置は、少なくとも約1mV、2mV、3mV、4mV、5mV、10mV、20mV、30mV、40mV、50mV、100mV、200mV、300mV、400mV、500mV、1V、2V、3V、4V、5V又は10V、場合によっては約10mV乃至10Vの電圧で、少なくとも約1マイクロワット(μW)、10μW、100μW、1mW、10ミリワット(mW)、20mW、30mW、40mW、50mW、100mW、又は1ワット(W)、場合によっては1μW乃至10mWの熱電デバイスからの出力電力を提供し得る。状況によっては、より低い電圧が、DC−DCコンバータ及び関連する電力管理回路を用いて、少なくとも約1V、2V、2.1V、2.2V、2.3V、2.35V、2.4V、2.45V、2.5V、3V、3.1V、3.2V、3.3V、3.4V、3.5V、3.6V、3.7V、3.8V、3.9V、4V、4.1V、4.2V、4.3V、4.4V、4.5V、又は5.0Vに変換されてもよく、回路に直接的に電力供給するため又はバッテリなどの電力貯蔵ユニットをトリクル充電するために用いられる。断続的な身体接触、電力出力の低下又は電力消費の増加時に予備電力を提供するために、バッテリのような補助電源も装置内に含まれ得る。装置は、情報を測定、記憶及び表示するための一組のセンサ、表示及び通信回路、及びマイクロプロセッサも含んでいてもよい。
[00191] 図17A乃至17Dは、ベビーモニタの様々な図を示す。ベビーモニタは、少なくとも部分的には、赤ちゃんの体熱などの体熱により電力供給され得る。ベビーモニタは、帯又はベルト1701と、集熱器及び放熱器と一体化されたバックル又はハーネス部分1702と、熱電材料、電力管理エレクトロニクス及びエネルギ貯蔵部、センサ、(例えば別の電子機器との無線通信のための)通信インタフェース及びコンピュータプロセッサを備えた熱電デバイスとを含む。
[00192] 図18A乃至18Dは、体熱により電力供給されるペースメーカシステムの様々な図を示す。システムは、ペースメーカ1801と、本開示の熱電デバイスを備えた埋め込み可能な熱電モジュール1802と、電源リード1803とを含む。熱電モジュール1802は、例えばフィルム状、ディスク状又は板状であってもよい。
[00193] 図19A及び19Bは、体熱により電力供給されユーザにより(例えばジュエリとして)装着可能であり得る電子機器を概略的に図示する。デバイスは、互いに電気的に連通可能なセンサ表示部、通信インタフェース及びコンピュータプロセッサを有する制御モジュール1902を備えている。デバイス1901は、放熱器1903と、熱電材料を有する熱電デバイス1904と、集熱器1905と、電力管理エレクトロニクス及びエネルギ貯蔵システムを有する電力モジュール1906と、をさらに備える。エネルギ貯蔵システムは、再充電可能バッテリなどのバッテリであってもよい。熱電デバイス1904は制御モジュール1902と電気的に連通し得る。制御モジュール1902への電力は、少なくとも部分的には熱電デバイス1904によって直接的に制御モジュール1902に提供されてもよく、あるいは場合によっては、電力モジュール1906内のエネルギ貯蔵システムを充電するために用いられてもよい。図19Bはユーザの手1907の周りに配設されたデバイス1901を示す。
[00194] 図20は、少なくとも部分的に体熱から発生された電力で動作するように構成され得るアイウェア2001を示す。アイウェア2001は、互いに電気的に連通可能なセンサ、通信インタフェース及びコンピュータプロセッサを含む制御モジュール2002を備える。アイウェア2001は、放熱器2003と、熱電デバイス2004と、集熱器2005と、電力管理エレクトロニクス及びエネルギ貯蔵システムを有する電力モジュール2006と、をさらに備える。熱電デバイス2004は制御モジュール2002と電気的に連通可能である。制御モジュール2002への電力は、少なくとも部分的には熱電デバイス2004によって直接的に制御モジュール2002に提供されてもよく、あるいは場合によっては、その後制御モジュール2002に電力を提供し得る電力モジュール2006内のエネルギ貯蔵システムを充電するために用いられてもよい。
[00195] 制御モジュール2002は、アイウェア2001のガラス2007のうち少なくとも一方などにおいて、ユーザに対してコンテンツを提示するように構成されていてもよい。コンテンツは、テキストメッセージ及び電子メール、地理的なナビゲーション情報、ネットワークコンテンツ(例えばWorldWideWebからのコンテンツ)、及びドキュメント(例えばテキストドキュメント)などの電子通信を含み得る。
[00196] 図21A及び21Bは、少なくとも部分的に体熱から発生された電力で動作するように構成され得る医療用デバイス2101を示す。医療用デバイス2101は、本明細書の他の箇所に記載されているように、制御モジュールと電力モジュールとを備える。医療用デバイス2101は、一方の表面上の放熱器2102及び反対の表面上の集熱器2103と、放熱器と集熱器との間の熱電材料を有する熱電デバイス2104と、をさらに備える。熱電デバイス2104は、制御モジュール及び電力モジュールと電気的に連通可能である。図21Bは、ユーザの体2105に隣接して配設された医療用デバイス2101を示す。
[00197] 場合によっては、熱電デバイスを有するデバイスの使用の最中に、物体(例えばユーザの体)からの熱が、集熱器から放熱器への温度勾配(高温から低温へ)を生成する。集熱器は熱を回収し、放熱器は熱を放出する。温度勾配は、集熱器と放熱器との間の熱電デバイスを用いて電力を発生するために使用され得る。
[00198] 本明細書において提供される熱電素子、デバイス及びシステムは、車両廃熱を電気(又は電力)に変換するために熱電材料を用いる装置内など、車両廃熱回収において用いられ得る。装置は、エンジンブロック、熱交換器、ラジエータ、触媒コンバータ、マフラ、排気管、暖房及び/又は空調ユニットなど車両の客室内の様々な構成要素を含むがこれらに限定されない自動車に一般的な構成要素、あるいはタービンブロック、エンジンブロック、交換器、ラジエータ、反応チャンバ、煙突及び排気を含むがこれらに限定されない産業施設に一般的な構成要素と一体化され得る。装置は、車両への電力の供給源又は車両の電気的構成要素(例えばラジオ、暖房又は空調ユニット、又は制御システム)として用いられてもよく、少なくとも約1W、2W、3W、4W、5W、6W、7W、8W、9W、10W、20W、30W、40W、50W、60W、70W、80W、90W、100W、200W、300W、400W、500W、600W、700W、800W、900W、1000W、又は5000Wの電力、場合によっては約100W乃至1000Wの電力を発生する。装置からの電力は、別の電源によって増強又は支援され得る。例えば、自動車に関しては、電力は、バッテリ、交流発電機、回生制動、又は車両再充電ステーションからの電力により増強又は支援され得る。別の一例として、産業又は商業施設に関しては、電力は、バッテリ、発電機、電力系統、タービンブロック、エンジンブロック、熱交換器、ラジエータ、反応チャンバ、煙突及び排気、及び/又は例えば太陽光電力、風電力、波電力、及び地熱電力のうち1つ以上などの再生可能エネルギ源のうち1つ以上からの電力によって増強又は支援され得る。
[00199] 可撓性熱電デバイスは管に巻き付けられてもよく、この管を通って高温流体が流され得る。被包された管はさらに、熱伝達を増大させるためにヒートシンクと一体化されてもよい。高温流体は、高温排気、湯、高温油、高温空気などであり得る。被包された管の上に低温流体が流されてもよい。低温流体は、低温排気、冷水、低温油、低温空気などであり得る。被包された管はハウジングの中に封入されてもよく、冷却材は、冷却材流体が周囲環境から隔離されるべきである場合には、このハウジングを通って流される。被包された管は、却材流体が周囲空気又は水である場合には、環境に露出されてもよい。
[00200] 一実装形態においては、熱から発電する装置は、発電する管被包(power generating pipe wrapping)である。高温流体(高温排気など)は、熱電デバイスで被包された管の内部を通過する。熱電デバイスの高温側は、熱伝達を向上させるために、チューブの外部表面に物理的又は化学的に結合されていてもよい。熱電デバイスの低温側は、熱伝達を向上させるために、ヒートシンクと物理的又は化学的に結合されていてもよい。低温流体(例えば空気又は水)が、高温流体から熱を抽出するために、被包された管に対して押圧されてもよい。熱流の経路内に散在する熱電デバイスは、熱を電気に変換することができ、少なくとも約1W、2W、3W、4W、5W、6W、7W、8W、9W、10W、20W、30W、40W、50W、60W、70W、80W、90W、100W、200W、300W、400W、500W、600W、700W、800W、900W、1000W、又は5000W、場合によっては約100W乃至1000Wの出力電力を提供する。所望の場合には、より低い電圧が、DC−DCコンバータ及び関連する電力管理回路を用いて、少なくとも約1V、2V、2.1V、2.2V、2.3V、2.35V、2.4V、2.45V、2.5V、3V、3.1V、3.2V、3.3V、3.4V、3.5V、3.6V、3.7V、3.8V、3.9V、4V、4.1V、4.2V、4.3V、4.4V、4.5V、又は5.0Vに変換されてもよく、回路に直接的に電力供給するため又はバッテリなどの電力貯蔵ユニットをトリクル充電するために用いられる。
[00201] 別の一実装形態においては、熱から発電する装置は、発電する排気管(power generating exhaust pipe)である。高温流体(高温排気ガスなど)が、熱電デバイスで被包された管の内部を通過可能である。熱電デバイスの高温側は、熱伝達を向上させるために、チューブの外部表面に物理的又は化学的に結合されていてもよい。熱電デバイスの低温側は、熱伝達を向上させるために、ヒートシンクと物理的又は化学的に結合されていてもよい。管の表面積をさらに増大させて熱伝達を向上させるために、管の内部表面はディンプル、襞、ピン、フィン又はリブにより成形されていてもよい。管は、例えば鋼、アルミニウムなど、容易に溶接可能、押出可能、機械加工可能又は成形可能な材料から作製され得る。低温流体(例えば空気又は水)が、高温流体から熱を抽出するために、被包された管に対して押圧されてもよい。熱流の経路内に散在する熱電デバイスは、熱を電気に変換することができ、少なくとも約1W、2W、3W、4W、5W、6W、7W、8W、9W、10W、20W、30W、40W、50W、60W、70W、80W、90W、100W、200W、300W、400W、500W、600W、700W、800W、900W、1000W、又は5000W、場合によっては約100W乃至1000Wの出力電力を提供する。所望の場合には、より低い電圧が、DC−DCコンバータ及び関連する電力管理回路を用いて、少なくとも約1V、2V、2.1V、2.2V、2.3V、2.35V、2.4V、2.45V、2.5V、3V、3.1V、3.2V、3.3V、3.4V、3.5V、3.6V、3.7V、3.8V、3.9V、4V、4.1V、4.2V、4.3V、4.4V、4.5V、又は5.0Vに変換されてもよく、回路に直接的に電力供給するため又はバッテリなどの電力貯蔵ユニットをトリクル充電するために用いられる。
[00202] さらに別の一実装形態においては、熱から発電する装置は、排気管又は任意の高温表面に設置される個別の発電ユニットである。高温表面は、熱電デバイスを含む装置と接触して設置され得る。嵌合面が設けられてもよく、この嵌合面は任意の適当な手法(例えばボルト止め、ストラップ締め、溶接、蝋付け、又ははんだ付け)を用いて高温表面に物理的に密着して取り付けられ得る。熱電デバイスの高温側は、熱伝達を向上させるために、嵌合面の反対の面に物理的又は化学的に結合されていてもよい。熱電デバイスの低温側は、熱伝達を向上させるために、ヒートシンクと物理的又は化学的に結合されていてもよい。低温流体(空気など)が、高温表面から熱を抽出するために、ユニットに対して押圧されてもよい。熱流の経路内に散在する熱電デバイスは、熱を電気に変換することができ、少なくとも約1W、2W、3W、4W、5W、6W、7W、8W、9W、10W、20W、30W、40W、50W、60W、70W、80W、90W、100W、200W、300W、400W、500W、600W、700W、800W、900W、1000W、又は5000W、場合によっては約100W乃至1000Wの出力電力を提供する。所望の場合には、より低い電圧が、DC−DCコンバータ及び関連する電力管理回路を用いて、少なくとも約1V、2V、2.1V、2.2V、2.3V、2.35V、2.4V、2.45V、2.5V、3V、3.1V、3.2V、3.3V、3.4V、3.5V、3.6V、3.7V、3.8V、3.9V、4V、4.1V、4.2V、4.3V、4.4V、4.5V、又は5.0Vに変換されてもよく、回路に直接的に電力供給するため又はバッテリなどの電力貯蔵ユニットをトリクル充電するために用いられる。
[00203] 図22は、車両排気からの熱電電力回収(thermoelectric power recovery)を概略的に図示する。熱回収のための装置は様々な箇所に設置可能であり、例えば触媒コンバータ2202の周りに締結されたり、インライン形式2203で溶接されたり、及び/又は排気管2201の少なくとも一部に巻き付けられたりする2204。
[00204] 使用の際、排気ガスは、マニホルド2205から管2201を通ってマフラ2206へと導かれる。排気ガス中の廃熱は、廃熱からの発電が可能な1つ以上の熱回収のための装置を使用して発電するために用いられ得る。
[00205] 別の一実装形態においては、熱から発電する装置は、発電ラジエータユニットである。高温流体(湯又は蒸気、高温油など)が、熱電デバイスで被包された一連の管の内部を通過可能である。熱電デバイスの高温側は、熱伝達を向上させるために、チューブの外部表面に物理的又は化学的に結合されていてもよい。熱電デバイスの低温側は、熱伝達を向上させるために、ヒートシンクと物理的又は化学的に結合されていてもよい。低温流体(空気など)が、高温流体から熱を抽出するために、被包された管に対して押圧されてもよい。熱流の経路内に散在する熱電デバイスは、熱を電気に変換することができ、少なくとも約1W、2W、3W、4W、5W、6W、7W、8W、9W、10W、20W、30W、40W、50W、60W、70W、80W、90W、100W、200W、300W、400W、500W、600W、700W、800W、900W、1000W、又は5000W、場合によっては約100W乃至1000Wの出力電力を提供する。所望の場合には、より低い電圧が、DC−DCコンバータ及び関連する電力管理回路を用いて、少なくとも約1V、2V、2.1V、2.2V、2.3V、2.35V、2.4V、2.45V、2.5V、3V、3.1V、3.2V、3.3V、3.4V、3.5V、3.6V、3.7V、3.8V、3.9V、4V、4.1V、4.2V、4.3V、4.4V、4.5V、又は5.0Vに変換されてもよく、回路に直接的に電力供給するため又はバッテリなどの電力貯蔵ユニットをトリクル充電するために用いられる。
[00206] 図23A及び23Bは、ラジエータ2301に設置された熱回収及び発電のための装置を示し、これは、冷却ファン2304に加え、高温流体出口2303と流体連通する高温流体入口2302を備える。ラジエータ2301は車両の一部であり得る。ラジエータの高温管は、少なくとも部分的に、可撓性ヒートシンクを有する可撓性熱電デバイスを備えた熱回収装置2305によって被包されている。可撓性熱電デバイスは、本明細書中に開示されている熱電素子を含んでいてもよい。
[00207] 使用の際、高温流体は、高温流体入口2302から高温流体出口2303へと導かれる。流体中の廃熱は、廃熱からの発電が可能な熱回収のための装置2305を使用して発電するために用いられ得る。
[00208] 別の一実装形態においては、熱から発電する装置は、発電交換器ユニットである。高温流体(例えば湯又は蒸気、もしくは高温油)が、熱電デバイスで被包された一連の管の内部を通過可能である。熱電デバイスの高温側は、熱伝達を向上させるために、チューブの外部表面に物理的又は化学的に結合されていてもよい。熱電デバイスの低温側は、熱伝達を向上させるために、ヒートシンクと物理的又は化学的に結合されていてもよい。低温流体(例えば冷水又は低温油)が、高温流体から熱を抽出するために、被包された管に対して噴出されてもよい。熱流の経路内に散在する熱電デバイスは、熱を電気に変換することができ、少なくとも約1W、2W、3W、4W、5W、6W、7W、8W、9W、10W、20W、30W、40W、50W、60W、70W、80W、90W、100W、200W、300W、400W、500W、600W、700W、800W、900W、1000W、又は5000W、場合によっては約100W乃至1000Wの出力電力を提供する。所望の場合には、より低い電圧が、DC−DCコンバータ及び関連する電力管理回路を用いて、少なくとも約1V、2V、2.1V、2.2V、2.3V、2.35V、2.4V、2.45V、2.5V、3V、3.1V、3.2V、3.3V、3.4V、3.5V、3.6V、3.7V、3.8V、3.9V、4V、4.1V、4.2V、4.3V、4.4V、4.5V、又は5.0Vに変換されてもよく、回路に直接的に電力供給するため又はバッテリなどの電力貯蔵ユニットをトリクル充電するために用いられる。
[00209] 図24A及び24Bは、熱交換器2401に設置された熱回収及び発電のための装置を示し、この装置は、高温流体出口2403と流体連通する高温流体入口2402と、低温流体出口2405と流体連通する低温流体入口2404と、を備えている。熱交換器2401は、低温流体流を導くためのバッフル2406と、可撓性熱電デバイスで被包された高温管2407とをさらに含む。
[00210] 使用の際、高温流体(例えば蒸気)は高温流体入口2402から高温流体出口2403へと導かれ、低温流体(例えば液水)は低温流体入口2404から低温流体出口2405へと導かれる。高温流体は高温管2407を通って流れ、低温流体入口2404から低温流体出口2405へと導かれる低温流体に熱を放熱する。流体中の廃熱は、高温管2407に巻き付けられた可撓性熱電デバイスを使用して発電するために用いられ得る。
コンピュータ制御システム
[00211] 本開示は、熱電素子の製造など、本開示の様々な方法を実行するようにプログラムされ又は構成されたコンピュータ制御システムを提供する。図25は、本開示の熱電デバイスの形成を容易にするようにプログラムされ又は構成されたコンピュータシステム(本明細書においては「システム」とも称される)2501を示す。システム2501は、本明細書に記載の方法を実行するようにプログラムされ又は構成され得る。システム2501は中央演算処理装置(CPU、本明細書においては「プロセッサ」及び「コンピュータプロセッサ」とも称される)2505を含み、これはシングルコア又はマルチコアプロセッサ、もしくは並列処理のための複数のプロセッサであってもよい。システム2501は、メモリ2510(例えばランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、フラッシュメモリ)、電子記憶ユニット2515(例えばハードディスク)、1つ以上の他のシステムと通信する通信インタフェース2520(例えばネットワークアダプタ)、及びキャッシュ、他のメモリ、データ記憶部及び/又は電子表示アダプタなどの周辺機器2525も含む。メモリ2510、記憶ユニット2515、インタフェース2520及び周辺機器2525は、通信バス(実線)を通じてマザーボードなどのCPU2505と通信する。記憶ユニット2515は、データを記憶するデータ記憶ユニット(又はデータリポジトリ)であってもよい。システム2501は、通信インタフェース2520の助けを借りて、コンピュータネットワーク(「ネットワーク」)2530に動作可能に接続される。ネットワーク2530は、インターネット、インターネット及び/又はエクストラネット、もしくはインターネットと通信するイントラネット及び/又はエクストラネットであり得る。ネットワーク2530は、場合によっては、電気通信及び/又はデータネットワークである。ネットワーク2530は、クラウドコンピューティングなどの分散コンピューティングを可能にし得る1つ以上のコンピュータサーバを含んでいてもよい。ネットワーク2530は、場合によっては、システム2501の助けを借りてピアツーピアネットワークを実装してもよく、これは、システム2501に接続されたデバイスがクライアント又はサーバとして機能することを可能にし得る。
[00212] システム2501は、本開示の熱電素子及びデバイスを形成する処理システム2535と通信する。処理システム2535は、熱電素子を形成すること及び熱電素子から熱電デバイス(例えば熱電テープ)を形成することなど、本明細書において提供された熱電デバイスを形成するための様々な動作を実行するように構成され得る。処理システム2535は、ネットワーク2530を通じて、又は直接(例えば有線、無線)接続によって、システム2501と通信可能である。一例においては、処理システム2535は電気化学エッチングシステムである。別の一例においては、処理システム2535はドライボックスである。
[00213] 処理システム2535は、基板2540から熱電素子を形成するための反応空間を含み得る。反応空間は電解質で満たされていてもよく、エッチング(例えばカソード又はアノードエッチング)のための電極を含んでいてもよい。
[00214] 本明細書に記載された方法は、システム2501の電子記憶位置、例えばメモリ2510又は電子記憶ユニット2515に記憶された機械(又はコンピュータプロセッサ)実行可能コード(又はソフトウェア)として実装され得る。使用の際、コードはプロセッサ2505によって実行され得る。いくつかの例においては、コードは、記憶ユニット2515から検索され、プロセッサ2505による容易なアクセスのためにメモリ2510に記憶されてもよい。状況によっては、電子記憶ユニット2515は除外されてもよく、機械実行可能な命令はメモリ2510に記憶される。
[00215] コードは、予めコンパイルされて、コードを実行するように適合されたプロセッサを有する機械と共に使用されるように構成されてもよく、又はランタイム中にコンパイルされてもよい。コードはプログラミング言語で供給されてもよく、このプログラミング言語は、コードが予めコンパイルされた又はコンパイル済みの状態で(as−compiled fashion)実行されることを可能にするように選択され得る。
[00216] システム2501など、本明細書において提供されたシステム及び方法の態様は、プログラミングにおいて具現化され得る。この技術の様々な態様は、一般的には一種の機械可読媒体において扱われ又は具現化される機械(又はプロセッサ)実行可能コード及び/又は関連するデータの形をした「製品」又は「製造物品」と考えられてもよい。機械実行可能コードは、メモリ(例えば読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)又はハードディスクなどの電子記憶ユニットに記憶され得る。「記憶」型の媒体は、コンピュータ、プロセッサもしくは同様のものの有形メモリ、又はその関連するモジュールのうち、任意のもの又はすべて、例えば様々な半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブ等を含んでいてもよく、これらはソフトウェアプログラミングのためにいつでも非一時的記憶を提供し得る。ソフトウェアの全部又は一部は、時にはインターネット又は様々な他の電気通信ネットワークを通じて通信されてもよい。そのような通信は、一例として、1つのコンピュータ又はプロセッサから別の1つのコンピュータ又はプロセッサへ、例えば管理サーバ又はホストコンピュータからアプリケーションサーバのコンピュータプラットフォームへのソフトウェアのローディングを可能にし得る。したがって、ソフトウェア素子を担持し得る別の種類の媒体は、ローカルデバイス間の物理インタフェースの間で、有線で及び光地上線を通じて、及び様々なエアリンクを介して用いられるような、光波、電波及び電磁波を含む。そのような波、例えば有線又は無線リンク、光リンク又は同様のものを搬送する物性素子もまた、ソフトウェアを担持する媒体と見なされ得る。本明細書において用いられるとき、非一時的な有形「記憶」媒体に限定されない限りは、コンピュータ又は機械「可読媒体」などの用語は、命令を実行のためにプロセッサに提供することに携わる任意の媒体を指す。
[00217] よって、コンピュータ実行可能コードなどの機械可読媒体は、有形記憶媒体、搬送波媒体又は物理的な伝送媒体を含むがこれらに限定されない多くの形をとり得る。不揮発性記憶媒体は、光又は磁気ディスク、例えば任意のコンピュータ又は類似のものの中にある記憶デバイスのうちいずれか、例えば図面に示されるデータベースなどを実装するために用いられ得るようなものを含む。揮発性記憶媒体は、そのようなコンピュータプラットフォームのメインメモリなどのダイナミックメモリを含む。有形伝送媒体は、同軸ケーブル;コンピュータシステム内のバスを備えたワイヤを含む銅ワイヤ及び光ファイバを含む。搬送波伝送媒体は、電気もしくは電磁気信号、又は無線周波数(RF)及び赤外線(IR)データ通信の際に生成されるもののような音波又は光波の形をとり得る。したがって、コンピュータ可読媒体の一般的な形は、例えば:フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD−ROM、DVD又はDVD−ROM、任意の他の光媒体、パンチカード紙テープ、ホールのパターンを有する任意の他の物理的記憶媒体、RAM、ROM、PROM及びEPROM、FLASH−EPROM、任意の他のメモリチップもしくはカートリッジ、データもしくは命令を運ぶ搬送波、そのような搬送波を運ぶケーブルもしくはリンク、又はコンピュータによってプログラミングコード及び/又はデータを読み出され得る任意の他の媒体を含む。コンピュータ可読媒体のこうした形のうち多くが、1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行のためにプロセッサへと搬送することに関係し得る。
[00218] 本明細書に記載の方法は、本明細書に提供された方法を実行する機械実行可能コードを備えた記憶位置を有するコンピュータシステムと、その機械実行可能コードを実行するプロセッサとの助けを借りて自動化され得る。
実施例1
[00219] 熱電素子は、約10%乃至50%(重量で)HFの濃度でフッ化水素酸を備えたエッチング液を有する反応チャンバ内に半導体基板を提供することにより形成される。半導体基板は、半導体基板が約0.001ohm−cm乃至0.1ohm−cmの抵抗率を有するようなドーパント濃度を有する。エッチング液は約25℃の温度である。作用電極は基板の裏面側と接触し、対向電極は基板の前面側を向いてエッチング液中に潜没される。対向電極は基板と接触しない。次に、約10mA/cm乃至20mA/cmの電流密度を強制する(force)ために電源が用いられ、これが作用電極と対向電極との間に約1Vの電位をもたらす。印加電位及び電流の流れは、約1時間の期間にわたり維持される。これが基板に無秩序なホールのパターンを形成する。
実施例2
[00220] 実施例1に記載された方法に従って熱電素子が形成される。図26A及び26Bは、熱電素子のSEM顕微鏡写真及びXRDスペクトルをそれぞれ示す。SEM顕微鏡写真は、以下の条件下で取得される:5キロボルト(kV)及び5ミリメートルの作動距離。SEM顕微鏡写真は、シリコンにおける無秩序なホールのパターンを示す。XRDスペクトルは2つのピークを示す。より背の高いピーク(左)は多孔質シリコンのものであり、より小さいピーク(右)はバルクシリコンのものである。
[00221] 本明細書において提供されたデバイス、システム及び方法は、例えばZhang他の米国特許第7,309,830号、Fukutani他の米国特許公開第2006/0032526号、Boukai他の米国特許公開第2009/0020148号、Boukai他の米国特許出願第13/550,424号、2012年7月17日に提出されたPCT/US2012/047021号、2013年1月17日に提出されたPCT/US2013/021900号、2013年8月25日に提出されたPCT/US2013/055462号、及び2013年10月29日に提出されたPCT/US2013/067346号に記載のデバイス、システム及び/又は方法のような、他のデバイス、システム及び方法と組み合わせられるか又はこれらにより変更されてもよい。これらの文献の各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
[00222] 本明細書においては本発明の好適な実施形態が示され説明されているが、そのような実施形態が例としてのみ提供されていることは、当業者には自明であろう。本発明が本明細書において提供された具体的な例により限定されることは意図されていない。本発明は前述の明細書を参照して記載されているが、本明細書における記載及び説明は、限定的な意味で解釈されることを意図したものではない。当業者は、本発明から逸脱することなく、多数の変形、変更及び置換を考え付くであろう。また、本発明のすべての態様は、様々な条件及び変数に依存する本明細書に記載の具体的な描写、構成又は相対的な比率には限定されないことが理解されなければならない。本明細書に記載の本発明の実施形態の様々な代替案が本発明の実施にあたって採用されてもよいことが理解されるべきである。したがって、本発明は、任意のそのような代替案、変更、変形又は均等物もカバーすべきものと考えられる。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義すること、ならびに、それによってこれらの特許請求の範囲内の方法及び構造及びその均等物がカバーされることが意図されている。

Claims (18)

  1. 少なくとも約0.25の性能指数(ZT)を有する熱電素子としての使用のための半導体基板を加工する方法であって、
    (a)半導体基板と、前記半導体基板の第1の表面と電気的に連通する作用電極と、前記半導体基板の第2の表面と接触するエッチング液と、前記エッチング液の中にある対向電極と、を備え、前記半導体基板の前記第1及び第2の表面が金属性被覆を実質的に含まない、反応空間を提供することと;
    (b)少なくとも約0.1mA/cmの電流密度で電流を前記半導体基板へと導くため、及び(ii)前記半導体基板の前記第2の表面を前記エッチング液でエッチングして前記半導体基板にホールのパターンを形成し、それにより少なくとも約0.25の前記ZTを有する前記熱電素子としての使用のための前記半導体基板を加工するために、前記作用電極及び対向電極を用いることと、
    を備え、
    前記エッチングは前記半導体基板と前記エッチング液との間で少なくとも約1ボルト(V)の電位で行われ、
    前記エッチングは25℃で少なくとも毎秒約1ナノメートル(nm)のエッチ速度を有する、方法。
  2. 前記作用電極は前記第1の表面と接触する、請求項1の方法。
  3. 前記作用電極は前記第1の表面とオーミック接触する、請求項2の方法。
  4. 前記エッチ速度は少なくとも毎秒約10nmである、請求項1の方法。
  5. 前記電流密度は少なくとも約1mA/cmである、請求項1の方法。
  6. 前記電流密度は約50mA/cm以下である、請求項5の方法。
  7. 前記作用電極は前記エッチング時、アノードである、請求項1の方法。
  8. (b)の後に、前記半導体基板を焼きなますことをさらに備える、請求項1の方法。
  9. (b)の前に、前記エッチング液を25℃よりも高い温度まで加熱することをさらに備える、請求項1の方法。
  10. 前記半導体基板は金属触媒なしにエッチングされる、請求項1の方法。
  11. 前記ホールのパターンは無秩序なホールのパターンを含む、請求項1の方法。
  12. 前記作用電極は前記エッチング液と接触しない、請求項1の方法。
  13. 前記エッチング液は酸を含む、請求項1の方法。
  14. 前記酸は、HF、HCl、HBr及びHIからなる群から選択される、請求項13の方法。
  15. 前記エッチング液はアルコール添加物を含む、請求項13の方法。
  16. 前記エッチングは前記半導体基板を照明することなしに行われる、請求項1の方法。
  17. 前記ZTは25℃で少なくとも0.5である、請求項1の方法。
  18. 前記ホールのパターンは前記熱電素子が25℃で約30×10 ポンド毎平方インチ(psi)以下のヤング率を有することを可能にする、請求項1の方法。
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