JP2016518707A - 熱電装置及び物品並びにその応用 - Google Patents

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Abstract

1つの態様において、熱電装置及び物品並びに熱電装置及び物品の様々な応用が本明細書に記載される。本明細書に記載のpn接合は、pn接合を提供するために少なくとも1つのn型層に結合される少なくとも1つのp型層と、p型層及びn型層の間に少なくとも部分的に配置される絶縁層とを備え、p型層はカーボンナノ粒子を含み、n型層はnドープしたカーボンナノ粒子を含む。一部の実施形態では、p型層のナノ粒子及び/又はn型層のナノ粒子は、電気的に分極したポリマーを含むポリマーマトリクスに配置される。一部の実施形態では、熱電物品は、断熱サポートと、断熱サポートの対向する側において熱電モジュールの面を提供するために断熱サポートの周り又は中を通る構造から形成される熱電モジュールとを備える。

Description

本発明は、熱電材料に関し、特に、熱電材料を組み込んだ装置、物品及び織物に関する。
(関連出願への相互参照)
本出願は、2013年3月14日に提出された米国仮特許出願第61/783,709号及び2013年4月4日に提出された米国仮特許出願第61/808,472号への米国特許法第119条(e)に基づく利益を主張し、これらは参照により全体が本明細書に組み込まれる。
熱エネルギは、電気の生成に広く用いられている。しかしながら、現在の方法による熱エネルギの電気エネルギへの変換効率は低く、約30〜40パーセントの範囲である。結果として、相当量の熱エネルギが、環境に流出して無駄になる。年間の世界的発電量について、電力の約15テラワットが環境に失われていると推測される。
熱電材料は、更なる発電量のために熱を捕捉することができる。熱電効率は、性能指数(Figure of Merit)、ZTにより定量化される。
より高いZT値を示す熱電材料は、より高い熱電効率を有する。適正なZT値を有する熱電材料の製作は、多くの場合、困難であり及び/又は高価である。例えば、ビスマスカルコゲニドは、0.7から1.0の範囲のZT値で優れた熱電特性を提供する。こうした材料は、交互にBiTe及びBiSe層の超格子構造を生成するようにナノ構造化されて、許容できる導電性及び悪い熱伝導性を有する材料を生じ得る。それにもかかわらず、こうした材料の製作は、時間がかかると共に高価であり得る。
更に、製作要件及び他の材料公差の結果として、多くの熱電材料は、集熱及び発電のために様々な装置に容易に組み込むのに役立たない。
1つの態様では、熱電装置が本明細書に記載され、一部の実施形態において、熱電装置は、現在の熱電材料の1つ以上の不都合を克服又は軽減することができる。本明細書に記載のpn接合は、pn接合を提供するために少なくとも1つのn型層に結合される少なくとも1つのp型層と、p型層及びn型層の間に少なくとも部分的に配置される絶縁層とを備え、p型層はカーボンナノ粒子を含み、n型層はnドープしたカーボンナノ粒子を含む。p型層のカーボンナノ粒子はpドープされ得る。p型層のナノ粒子及び/又はn型層のナノ粒子は、電気的に分極したポリマーを含むポリマーマトリクスに配置され得る。更に、絶縁層は、チタン酸バリウム(BaTiO)粒子、テルル化ビスマス粒子(BiTe)、他の無機粒子又はそれらの混合物等の圧電特性を示す電気的に分極した粒子又は電気的に分極したポリマーを含み得る。
本明細書に記載の装置の電気的に分極したポリマー及び/又は圧電性粒子は、非ランダムに配向された電気双極子及び/又は電気双極子領域を含み得る。更に、電気的に分極したポリマー及び/又は粒子は、熱電装置における電流フローの軸に平行に又は実質的に平行に配向される電気双極子場を示すと共に、圧電/焦電特性も示し得る。本明細書に記載の電気的に分極した合成物の圧電及び/又は焦電特性は、このような合成物を組み込んだ熱電装置が、温度勾配への暴露から生ずる電気出力に加えて、機械的変形から生ずる電気出力も提供することを可能にする。
一部の実施形態では、本明細書に記載の熱電装置は、複数のpn接合を提供する複数のn型層に結合される複数のp型層と、p型層及びn型層の間に少なくとも部分的に配置される絶縁層とを備え、少なくとも1つのp型層はカーボンナノ粒子を含み、少なくとも1つのn型層はnドープしたカーボンナノ粒子を含む。熱電コンポーネントのp型層、n型層及び/又は絶縁層は、電気的に分極したポリマーを含み得る。更に、p型層及びn型層は、その間に絶縁層を有する積層構成に配置され得る。
本明細書に更に記載されるように、pn接合が、p型層及びn型層の界面において形成され得る。一部の実施形態では、n型層と接触しているp型層によって形成されるpn接合において、界面遷移領域が存在する。界面遷移領域は、n型層のナノ粒子と混合したp型層のナノ粒子を含む。p型及びn型層のナノ粒子の混合は、異種構造のpn接合を提供することができる。代替的に、pn接合のp型層とn型層との間に金属中間層が配置され得る。更に、本明細書に記載の装置のpn接合は、本明細書に記載の分極したポリマーマトリクスの圧電及び/又は焦電特性に関係付けられる電圧出力用の整流器として機能し得る。
本明細書に記載の熱電装置の一部の実施形態では、pドープ及びnドープしたカーボンナノチューブを含むカーボンナノ粒子は、1つ以上の無機半導体ナノ粒子と置換され得る。一部の実施形態では、無機半導体ナノ粒子は、IV族材料、II/VI族材料又はIII/V族材料若しくはこれらの結合を含む。一部の実施形態では、無機半導体ナノ粒子は、量子ドット及び/又はナノワイヤを含む。一部の実施形態では、無機半導体ナノ粒子は、本明細書に記載の任意のカーボンナノ粒子と一致する寸法を有する。
別の態様では、本明細書には光起電コンポーネント及び熱電コンポーネントを備える光熱装置が記載され、熱電コンポーネントは、pn接合を提供するために少なくとも1つのn型層に結合される少なくとも1つのp型層と、p型層及びn型層の間に少なくとも部分的に配置される絶縁層とを備え、p型層はカーボンナノ粒子を含み、n型層はnドープしたカーボンナノ粒子を含む。一部の実施形態では、p型層のナノ粒子及び/又はn型層のナノ粒子は、電気的に分極したポリマーを含むポリマーマトリクスに配置される。更に、絶縁層は、圧電特性を示す電気的に分極した粒子又は電気的に分極したポリマーを含み得る。
更に、一部の実施形態では、熱電コンポーネントは、複数のpn接合を提供する複数のn型層に結合される複数のp型層と、p型層及びn型層の間に少なくとも部分的に配置される絶縁層とを備える。本明細書に記載のように、pn接合は、n型層のナノ粒子と混合したp型層のナノ粒子により形成される異種界面遷移領域を含み得る。更に、pn接合のp型層とn型層との間に金属中間層が配置され得る。
光熱装置は、光起電コンポーネントと熱電コンポーネントとの間に配置されるストークスシフト層を更に含み得る。ストークスシフト層は、熱電コンポーネントの隣辺に伝達される熱エネルギを生成することができる1つ以上のストークスシフト化学種を含む。一部の実施形態では、ストークスシフト化学種は、光起電コンポーネントを通過した電磁放射を吸収する。
更に、一部の実施形態では、1つ以上のストークスシフト化学種により放出される放射は、光起電コンポーネントにより吸収される。
別の態様では、熱電装置を作成する方法が本明細書に記載される。一部の実施形態では、熱電装置を作成する方法は、第1のポリマーマトリクスに配置されるカーボンナノ粒子を含む少なくとも1つのp型層を提供するステップと、第2のポリマーマトリクスに配置されるnドープしたカーボンナノ粒子を含む少なくとも1つのn型層を提供するステップと、p型層とn型層との間に絶縁層を配置するステップと、pn接合を提供するためにp型層及びn型層を結合するステップとを含む。第1のポリマーマトリクス及び/又は第2のポリマーマトリクスは、第1及び/又は第2のポリマーマトリクスにおける双極子領域の少なくとも部分的なアラインメントを提供するために電気的に分極され得る。更に、絶縁層は、絶縁層における双極子領域の少なくとも部分的なアラインメントを提供するために電気的に分極され得る。絶縁層の双極子領域は、圧電特性を示すBaTiO粒子等の離散粒子及び/又はポリマー材料の結晶性又は半結晶性領域を含み得る。分極処理(Poling)は、p型層及び/又はn型層の長さに沿って1つ以上の櫛形アレイを圧入すること及びアレイに分極処理電圧を印加することを含む。pn接合を提供するためにp型層及びn型層を結合することは、p型及びn型層の界面において異種界面遷移領域を形成し得る。代替的に、接合場所においてp型層とn型層との間に金属中間層が配置され得る。
本明細書に記載の方法の一部の実施形態では、複数のp型及びn型層が提供され、互いに結合されて、複数のpn接合の形態をもたらす。一部の実施形態では、p型層及びn型層が積層構成になるように、p型層とn型層の間に絶縁層が配置される。積層されたp型層、n型層及び/又は絶縁層のポリマーは、電気的に分極したポリマー又は電気的に分極した圧電性粒子を含み得る。
別の態様では、熱電装置を作成する方法が本明細書に記載される。一部の実施形態では、光熱装置を作成する方法は、光起電コンポーネントを提供するステップと、熱電コンポーネントを提供するステップと、光起電コンポーネント及び熱電コンポーネントを結合するステップとを含み、熱電コンポーネントは、pn接合を提供するために少なくとも1つのn型層に結合される少なくとも1つのp型層と、p型層及びn型層の間に少なくとも部分的に配置される絶縁層とを備え、p型層はカーボンナノ粒子を含み、n型層はnドープしたカーボンナノ粒子を含む。一部の実施形態では、熱電コンポーネントは、本明細書に記載の複数のpn接合を提供するために複数のn型層に結合される複数のp型層を含む。
一部の実施形態では、光熱装置を作成する方法は、光起電コンポーネントと熱電コンポーネントとの間にストークスシフト層を配置するステップを更に含む。
別の態様では、電磁エネルギを電気エネルギに変換する方法が本明細書に記載される。一部の実施形態では、電磁エネルギを電気エネルギに変換する方法は、光起電コンポーネント及び光起電コンポーネントに結合される熱電コンポーネントを含む装置を提供するステップを含み、熱電コンポーネントは、pn接合を提供するために少なくとも1つのn型層に結合される少なくとも1つのp型層と、p型層及びn型層の間に少なくとも部分的に配置される絶縁層とを備え、p型層はカーボンナノ粒子を含み、n型層はnドープしたカーボンナノ粒子を含む。電磁放射は、光起電コンポーネントが光電流を提供して、熱電コンポーネントの片側を加熱することにより吸収され、熱電コンポーネントを通して電圧を誘導する。更に、一部の実施形態では、熱電コンポーネントの少なくとも1つのp型層のナノ粒子及び/又は少なくとも1つのn型層のナノ粒子が、電気的に分極したポリマーマトリクスに配置される。更に、熱電コンポーネントの(複数の)絶縁層は、電気的に分極したポリマー及び/又は電気的に分極した圧電性粒子を含み得る。
一部の実施形態では、熱電コンポーネントの片側を加熱することは、光起電コンポーネントで生成された熱を熱電コンポーネントの片側に伝達することを含む。更に、一部の実施形態では、熱電コンポーネントの片側を加熱することは、光起電コンポーネントと熱電コンポーネントとの間にストークスシフト層を提供すること、熱及び電磁放射を生成するためにストークスシフト層で電磁放射を吸収すること、生成された熱を熱電コンポーネントの片側に伝達することを含む。一部の実施形態では、ストークスシフト層により生成された電磁放射は、光電流の生成用に光起電コンポーネントに伝達される。
更に別の態様では、熱電物品が本明細書に記載され、一部の実施形態において、この熱電物品は、現在の熱電物品の1つ以上の不都合を克服又は軽減することができる。例えば、一部の実施形態では、本明細書に記載の物品は、物品が平坦でない表面又は複雑な形態の表面に配置されることを含む場合に、熱エネルギを電気エネルギに効率的に変換するために使用され得る。一部の実施形態では、本明細書に記載の熱電物品は、衣服として使用され又は衣服に組み込まれ得る。また、本明細書に記載の物品は、携帯電話又はタブレット装置等の電子装置のためのカバーとしても使用され得る。更に、一部の実施形態では、本明細書に記載の物品は、共形的(conformal)な又は実質的に共形的な方式で人間のユーザの皮膚又は電子装置の表面に配置され又は接触されてもよく、熱電物品が人体又は電子装置により生成された余分な熱から電気エネルギを生成することを可能にする。
一部の実施形態では、本明細書に記載の物品は、断熱サポートと、断熱サポートの対向する側において熱電モジュールの面を提供するために断熱サポートの周り又は中を通る構造から形成される熱電モジュールとを備える。一部の実施形態では、熱電モジュールの構造は連続的である。連続構造は導電性であり得る。更に、連続構造は、pn接合を形成するn型層に結合されるp型層を含んでもよく、絶縁層はp型層及びn型層の間に部分的に配置される。更に、一部の実施形態では、熱電モジュールの面におけるp型層及びn型層は、断熱サポートの反対の側に実質的に平行である。更に、絶縁サポートの周り又はその中を通る熱電モジュール構造の一部は、熱電モジュールの少なくとも1つの面に実質的に垂直であり得る。
本明細書に記載の熱電モジュール構造のp型層はカーボンナノ粒子を含んでもく、一方で構造のn型層はnドープしたカーボンナノ粒子を含む。更に、p型層のカーボンナノ粒子はpドープされ得る。また、p型層のナノ粒子及び/又はn型層のナノ粒子は、電気的に分極したポリマーのポリマーマトリクスに配置され得る。更に、本明細書に記載の熱電モジュール構造の絶縁層は、チタン酸バリウム(BaTiO)粒子、テルル化ビスマス粒子(BiTe)、他の無機粒子又はそれらの混合物等の圧電特性を示す電気的に分極した粒子又は電気的に分極したポリマーを含み得る。
本明細書に記載の構造の電気的に分極したポリマー及び/又は圧電性粒子は、非ランダムに配向された電気双極子及び/又は電気双極子領域を含み得る。電気的に分極したポリマー及び/又は粒子は、熱電モジュールにおける電流フローの軸に平行に又は実質的に平行に配向される電気双極子場を示すと共に、圧電/焦電特性も示し得る。本明細書に記載の電気的に分極した合成物の圧電及び/又は焦電特性は、このような合成物を組み込んだ物品が、温度勾配への暴露から生ずる電気出力に加えて、機械的変形から生ずる電気出力も提供することを可能にする。
別の態様では、熱電織物が本明細書に記載される。一部の実施形態では、本明細書に記載の織物は本明細書に記載の熱電物品を含み、物品の断熱サポートは織物の1つ以上の繊維を含む。例えば、一部の実施形態では、本明細書に記載の織物は、1つ以上の断熱繊維と、断熱繊維の対向する側において熱電モジュールの面を提供するために断熱繊維の周りを通る又はそれを通過する構造から形成される熱電モジュールとを含む。
更に別の態様では、物品を作成する方法が本明細書に記載される。一部の実施形態では、物品を作成する方法は、断熱サポートを提供するステップと、断熱サポートの対向する側において熱電モジュールの面を提供するために断熱サポートの周り又は中に熱電モジュールの構造を通すステップとを含む。一部の実施形態では、熱電モジュールの構造は連続的である。更に、連続的な熱電モジュール構造は、pn接合を形成するn型層に結合されるp型層を含んでもよく、絶縁層はp型層及びn型層の間に部分的に配置される。更に、熱電モジュールの面におけるp型層及びn型層は、断熱サポートの反対の側に実質的に平行であり得る。更に、断熱サポートは、1つ以上の織物の繊維であり得る。
更に、断熱サポートの周り又は中に熱電モジュールの構造を通すステップは、熱電モジュールの少なくとも1つの面に実質的に垂直に熱電構造の一部を提供することを更に含み得る。更に、一部の実施形態では、物品の熱電モジュールは並列に接続され得る。
別の態様では、電気エネルギを生成する方法が本明細書に記載される。一部の実施形態では、熱エネルギを電気エネルギに変換する方法は、断熱サポートと断熱サポートの対向する側において熱電モジュールの面を提供するために断熱サポートの周り又は中を通る構造から形成される熱電モジュールとを備える物品を提供するステップを含む。熱エネルギは、熱電モジュールを横断して電圧を誘導するために熱電モジュールにより吸収される。更に、一部の実施形態では、物品の熱電モジュールは、物品の機械的変動又は応力に応じて電気エネルギの生成を可能にする圧電/焦電特性を示す。
こうした及び他の実施形態は、以下の詳細な説明により詳細に記載される。
本明細書に記載の一実施形態による熱電装置又は熱電モジュールの側面拡大図を示す。 本明細書に記載の一実施形態による熱電装置又は熱電モジュールの斜視図を示す。 本明細書に記載の一部の実施形態によるポリマーマトリクスにおける様々なカーボンナノチューブ荷重に対するゼーベック係数値を示す。 本明細書に記載の一実施形態による光熱装置を示す。 本明細書に記載の一実施形態による熱電装置の側面拡大図を示す。 本明細書に記載の一実施形態による熱電装置又は熱電モジュールのpn接合の異種界面遷移領域を示す。 本明細書に記載の熱電装置又は熱電モジュールの分極ポリマー複合材料フィルムの電圧出力を示す。 本明細書に記載の一実施形態による熱電物品の平面図を示す。 線9−−9に沿って切り取った図8の物品の断面図である。 本明細書に記載の一実施形態による物品の斜視図を示す。
本明細書に記載の実施形態は、以下の詳細な説明、例示及び図面を参照することによって、より容易に理解され得る。しかしながら、本明細書に記載の要素、装置及び方法は、詳細な説明、例示及び図面に提示された特定の実施形態に限定されない。こうした実施形態は、本発明の原理の単なる例示であることを理解されたい。発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者には多くの修正及び適応が容易に明らかであろう。
更に、本明細書に開示の全ての範囲は、その中に包含される任意の及び全ての部分範囲を含むことを理解されたい。例えば、「1.0〜10.0」の規定範囲は、最小値1.0以上で開始し且つ最大値10.0以下で終わる任意の及び全ての部分範囲、例えば、1.0〜5.3、又は4.7〜10.0、又は3.6〜7.9を含むと考えられるべきである。
また、本明細書に記載の全ての範囲は、明示的に別段の定めをした場合を除き、範囲の端点を含むと考えられるべきである。例えば、「5〜10の間」の範囲は、一般に、端点5及び10を含むと考えられるべきである。
更に、「まで(up to)」という語句が量に関連して用いられる場合、その量は少なくとも検出可能な量であると理解されたい。例えば、特定の量「まで」の量が存在する材料は、検出可能な量から特定量まで及び特定量を含んで存在し得る。
(I.熱電装置)
1つの態様では、熱電装置が本明細書に記載される。本明細書に記載のpn接合は、pn接合を提供するために少なくとも1つのn型層に結合される少なくとも1つのp型層と、p型層及びn型層の間に少なくとも部分的に配置される絶縁層とを備え、p型層はカーボンナノ粒子を含み、n型層はnドープしたカーボンナノ粒子を含む。一部の実施形態では、p型層のカーボンナノ粒子はpドープされる。p型層のナノ粒子及び/又はn型層のナノ粒子は、電気的に分極したポリマーを含むポリマーマトリクスに配置され得る。更に、絶縁層は、圧電特性を示す電気的に分極した粒子又は電気的に分極したポリマーを含み得る本明細書に記載の装置の電気的に分極したポリマー及び/又は圧電性粒子は、非ランダムに配向された電気双極子及び/又は電気双極子領域を含み得る。更に、電気的に分極したポリマー及び/又は粒子は、熱電装置における電流フローの軸に平行に又は実質的に平行に配向される電気双極子場を示すと共に、圧電/焦電特性も示し得る。本明細書に記載の電気的に分極した合成物の圧電及び/又は焦電特性は、このような合成物を組み込んだ熱電装置が、温度勾配への暴露から生ずる電気出力に加えて、機械的変形から生ずる電気出力も提供することを可能にする。
更に、一部の実施形態では、本明細書における熱電装置のp型層、n型層又は絶縁層は、焦電場を示す。焦電場は、本発明の目的と矛盾しない任意の指向性を有し得る。例えば、焦電場は、装置の電流フローの軸に平行に又は実質的に平行に配向され得る。
一部の実施形態では、本明細書に記載の熱電装置は、複数のpn接合を提供する複数のn型層に結合される複数のp型層と、p型層及びn型層の間に少なくとも部分的に配置される絶縁層とを備え、少なくとも1つのp型層はカーボンナノ粒子を含み、少なくとも1つのn型層はnドープしたカーボンナノ粒子を含む。更に、p型層、n型層又は絶縁層は、電気的に分極したポリマーを含み得る。一部の実施形態では、本明細書に記載の熱電装置のp型層及びn型層は積層構成にされている。
本明細書に記載のように、p型層とn型層との接触により、pn接合が生成される。一部の実施形態では、n型層と接触しているp型層によって形成されるpn接合において、界面遷移領域が存在する。界面遷移領域は、p型層及びn型層の混合したナノ粒子を含む。p型及びn型層のナノ粒子の混合は、異種構造のpn接合を提供することができる。図6は、本明細書に記載の一実施形態による熱電装置又は熱電モジュールのpn接合の異種界面遷移領域を示す。
更に、pn接合のp型層とn型層との間に金属中間層が配置され得る。金属中間層は、本発明の目的と矛盾しない任意の金属から形成され得る。例えば、金属中間層は、金、白金、イリジウム、パラジウム、オスミウム、銀、ロジウム又はルテニウム又はこれらの合金を含む貴金属から形成され得る。また、金属中間層は、アルミニウム、ニッケル、銅、他の遷移金属又は遷移金属合金から形成され得る。更に、金属中間層は、グラファイト又はグラフェン等の金属特性を示す有機材料から形成されてもよい。
金属中間層は、ピン止め層(pinning layer)として作用し得る。一部の実施形態では、ピン止め層は、隣接するn型層及びp型層のフェルミ準位をピン止めする。更に、本明細書に記載のピン止め層は、n型層又はp型層にエネルギ的に適合され得る。
一部の実施形態では、本明細書に記載の熱電装置のpn接合は、装置の分極したポリマーの圧電及び/又は焦電特性に関係付けられる(複数の)電圧出力の整流器として作用し得る。図7は、本明細書に記載の熱電装置に用いられる分極した圧電フィルムの整流作用を示す。カーボンナノチューブを含む電気的に分極したPVDFフィルムが提供され、(エンジェルヘイル熱電対(angel hail thermocouple)及び薄い電力リード線に接続される)フィルムの自由に垂れている端部に取り付けられるコールドブロックにより10−6トルの真空系にぶら下げられた。ヒーターブロックがフィルムを支持しており、熱電対と共にコンピュータにより外部的に制御される加熱コイルを含んでいる。フィルムは、解放された既定の開始位置から振り子状に自由に揺れることが許された。揺れの減衰は、機械的特性及び圧電力と併せた熱電力を決定するために使用された。図7は、試験の結果を示す。図7の上段のグラフは、前後に揺れる単一分極のPVDFフィルムの電圧出力を示す。電圧出力の対称性が期待される。しかしながら、図7の下段のグラフは、pn接合を形成するために接触する分極したp型及びn型PVDFフィルムの電圧出力を示す。フィルムのペアの非対称電圧出力は、pn接合による整流作用の特徴である。このような整流作用は、そうでなければ機械的歪みの指向性適用においてランダムに打ち消される装置の様々な機械的歪みから生ずる本明細書に記載の熱電装置から電力を抽出するために利用され得る。
図1は、本明細書に記載の一実施形態による熱電装置の側面拡大図を示す。図1に示される熱電装置は、交互にn型層(2)に結合される2つのp型層(1)を備える。p型層(1)及びn型層(2)の交互の結合は、装置の反対側にpn接合(4)を有するz型構成を熱電装置に提供する。p型層(1)及びn型層(2)が積層構成になるように、p型層(1)とn型層(2)の界面間に絶縁層(3)が配置される。本明細書に記載のように、図1に提供された熱電装置は、装置の様々な構成要素の説明及び理解を容易にするために拡張状態とされている。しかしながら、一部の実施形態では、熱電装置は、拡張状態ではなく、絶縁層(3)がp型層(1)及びn型層(2)と接触している。
図1は、熱源に装置の一面を暴露することにより誘導される熱電装置を通じる電流フローを更に示す。熱的に生成された電流を外部負荷に印加するために、電気接点(X)が熱電装置に提供される。
図2は、本明細書に記載の一実施形態による熱電装置(200)を示しており、p型層(201)及びn型層(202)が積層構成になっている。p型層(201)及びn型層(202)は、積層構成において絶縁層(207)により分離されている。熱電装置(200)は、電気接点(204、205)により外部負荷に接続される。
次に熱電装置の様々な実施形態に含まれ得るコンポーネントを参照すると、本明細書に記載の熱電装置は、カーボンナノ粒子を含む少なくとも1つのp型層を備える。
一部の実施形態では、p型層のカーボンナノ粒子は、フラーレン、カーボンナノチューブ又はこれらの混合物を含む。一部の実施形態では、フラーレンは、1−(3−methoxycarbonyl)propyl−l−phenyl(6,6)C61(PCBM)を含む。一部の実施形態では、カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ(SWNT;single−walled carbon nanotube)、多層カーボンナノチューブ(MWNT;multi−walled carbon nanotube)、及びpドープした単層カーボンナノチューブ、pドープした多層カーボンナノチューブ又はこれらの混合物を含む。
一部の実施形態では、pドープした単層カーボンナノチューブ及び/又はpドープした多層カーボンナノチューブは、約0.1重量パーセントから約30重量パーセントの量のホウ素を含む。一部の実施形態では、pドープした単層カーボンナノチューブ及び/又はpドープした多層カーボンナノチューブは、約5重量パーセントから約25重量パーセント、又は約10重量パーセントから約20重量パーセントの量のホウ素を含む。一部の実施形態では、pドープした単層カーボンナノチューブ及び/又はpドープした多層カーボンナノチューブは、約0.1重量パーセントより少ない量のホウ素を含む。一部の実施形態では、pドープした単層カーボンナノチューブ及び/又はpドープした多層カーボンナノチューブは、酸素を含む。
一部の実施形態では、p型ドーパントが、単層及び/又は多層カーボンナノチューブの格子に組み込まれる。一部の実施形態では、p型ドーパントが、単層及び/又は多層カーボンナノチューブを取り囲む環境によりカーボンナノチューブに外部的に提供される。更に本明細書に記載のように、一部の実施形態では、p型層のカーボンナノチューブがポリマーマトリクスに配置される。一部の実施形態では、ポリマーマトリクスは、カーボンナノチューブの表面にpドーパントを提供することができる。一部の実施形態では、ポリマーマトリクスがカーボンナノチューブの表面にpドーパントを提供する場合、カーボンナノチューブは、ポリマーマトリクスに組み込まれる前にpドープされない。代替的に、一部の実施形態では、ポリマーマトリクスがカーボンナノチューブの表面にpドーパントを提供する場合、カーボンナノチューブは、ポリマーマトリクスに組み込まれる前にpドーパントを含む。更に、一部の実施形態では、アルカリ金属等のポリマーマトリクスに配置される化学種も、カーボンナノチューブに対するpドーパントとして作用し得る。
一部の実施形態では、p型層のカーボンナノ粒子は高アスペクト比を有する。本明細書で用いられる「アスペクト比」という用語は、カーボンナノ粒子の直径又は幅で割ったカーボンナノ粒子の長さを意味する。一部の実施形態では、p型層のカーボンナノ粒子は、約1から約10の範囲のアスペクト比を示す。一部の実施形態では、カーボンナノ粒子は、約10から約100,000の範囲のアスペクト比を表示する。一部の実施形態では、カーボンナノ粒子は、約10から約10,000、又は約5から約1000の範囲のアスペクト比を有する。
一部の実施形態では、カーボンナノチューブを含む、p型層のカーボンナノ粒子は、約1nmから約5mm、又は約10nmから約1mmの範囲の長さを有する。一部の実施形態では、カーボンナノ粒子は、約50nmから約500μm、約100nmから約100μm、又は約500nmから約10μmの範囲の長さを有する。一部の実施形態では、カーボンナノ粒子は、約200μmから約500μmの範囲の長さを有する。
一部の実施形態では、p型層のカーボンナノ粒子は、約1nmから約100nmの範囲の直径を有する。一部の実施形態では、カーボンナノ粒子は、約10nmから約80nm、又は約20nmから約60nmの範囲のアスペクト比を有する。一部の実施形態では、カーボンナノ粒子は、約100nmより大きく又は約1nmより小さな直径を有する。
一部の実施形態では、カーボンナノチューブを含む、p型層のカーボンナノ粒子は、マット構成で提供される。
一部の実施形態では、p型層は、約0.1重量パーセントから約100重量パーセントの範囲の量で本明細書に記載されたカーボンナノ粒子の1つ以上の種を含む。一部の実施形態では、p型層は、少なくとも約2重量パーセントの量のカーボンナノ粒子を含む。一部の実施形態では、p型層は、少なくとも約5重量パーセント又は少なくとも約10重量パーセントの量のカーボンナノ粒子を含む。一部の実施形態では、p型層は、約2重量パーセントから約50重量パーセントの量のカーボンナノ粒子を含む。一部の実施形態では、p型層は、約5重量パーセントから約30重量パーセントの量のカーボンナノ粒子を含む。
一部の実施形態では、本明細書に記載のp型層のカーボンナノ粒子荷重は、層の所望のゼーベック係数を参照して選択され得る。図3は、本明細書に記載の一部の実施形態によるp型層のポリフッ化ビニリデン(PVDF)マトリクスのSWNT荷重の関数としてゼーベック係数を示す。図3に示されるように、5重量パーセントから100重量パーセントの範囲のSWNT荷重が、p型層に対する所定範囲のゼーベック係数を提供する。
図3ではPVDFが参照されているが、p型層のマトリクスは他のポリマー種から形成され得る。本発明の目的と矛盾しない任意のポリマー材料が、p型層のポリマーマトリクスの製造に使用され得る。一部の実施形態では、ポリマーマトリクスは、限定されないが、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニル−三フッ化エチレン(PVDF−TrFE)、ポリフッ化ビニル−テトラフルオロエチレン(PVDF−TFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、又はこれらの混合物若しくは共重合体を含む半結晶ポリマーを含む。熱電装置のp型層で用いられるPVDF、PVDF−TFE及び/又はPVDF−TrFE の半結晶ポリマーは、β相の増量を示し得る。例えば、p型層のPVDF、PVDF−TFE及び/又はPVDF−TrFEは、1.5から2.5のβ/α相率を表示し得る。一部の実施形態では、β/α相率は、2から2.5である。本明細書で検討されるように、分極処理技術によりβ相結晶が作為的な方向に提供可能であり、それによりポリマーマトリクスの圧電及び焦電特性が向上する。
一部の実施形態では、p型層のポリマーマトリクスは、ポリアクリル酸(PAA)、ポリメタクリル酸(PMA)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)又はこれらの混合物若しくは共重合体を含む。一部の実施形態では、ポリマーマトリクスは、限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン又はこれらの混合物若しくは共重合体を含むポリオレフィンを含む。
一部の実施形態では、p型層のポリマーマトリクスは、1つ以上の共役ポリマーを含む。一部の実施形態では、共役ポリマーは、poly(3−hexylthiophene)(P3HT)、poly(3−octylthiophene)(P3OT)、及びpolythiophene(PTh)を含むチオフェンを含む。
一部の実施形態では、p型層のポリマーマトリクスは、1つ以上の半導体ポリマーを含む。一部の実施形態では、半導体ポリマーは、poly(phenylene vinylene)及びpoly(p−phenylene vinylene)(PPV)並びにこれらの誘導体等のフェニレンビニレンを含む。一部の実施形態では、半導体ポリマーは、ポリフルオレン、ナフタレン、及びこれらの誘導体を含み得る。一部の実施形態では、半導体ポリマーは、poly(2−vinylpyridine)(P2VP)、polyamides、poly(N−vinylcarbazole)(PVCZ)、polypyrrole(PPy)、及びpolyaniline(PAn)を含む。一部の実施形態では、半導体ポリマーは、poly[2,6−(4,4−bis−(2−ethylhexyl)−4H−cyclopenta[2,1−b;3,4−b’]dithiophene)−alt−4、7−(2,1,3−benzothiadiazole)](PCPDTBT)を含む。
一部の実施形態では、p型層は、本発明の目的と矛盾しない任意の所望の厚みを有し得る。一部の実施形態では、p型層は、少なくとも約10nm又は少なくとも約100nmの厚みを有する。一部の実施形態では、p型層は、少なくとも約500nm又は少なくとも約1μmの厚みを有する。一部の実施形態では、p型層は、少なくとも約5μm又は少なくとも約15μmの厚みを有する。一部の実施形態では、p型層は、約5nmから約50μmの範囲の厚みを有する。一部の実施形態では、p型層は、約50nmから約30μmの範囲の厚みを有する。一部の実施形態では、p型層は、約100nmから約20μmの範囲の厚みを有する。一部の実施形態では、p型層は、約10nmから約100nmの範囲の厚みを有する。
一部の実施形態では、p型層は、本発明の目的と矛盾しない任意の所望の長さを有し得る。一部の実施形態では、p型層は、少なくとも約1μm又は少なくとも約10μmの長さを有する。一部の実施形態では、p型層は、少なくとも約100μm又は少なくとも約500μmの長さを有する。一部の実施形態では、p型層は、少なくとも約1mm又は少なくとも約10mmの長さを有する。一部の実施形態では、p型層は、約1μmから約100mmの範囲の長さを有する。一部の実施形態では、p型層は、約10μmから約500mmの範囲の長さを有する。
一部の実施形態では、p型層は、290Kの温度で少なくとも約5μV/Kのゼーベック係数を有する。一部の実施形態では、p型層は、290Kの温度で少なくとも約10μV/Kのゼーベック係数を有する。一部の実施形態では、p型層は、290Kの温度で少なくとも約15μV/K又は少なくとも約20μV/Kのゼーベック係数を有する。一部の実施形態では、p型層は、290Kの温度で少なくとも約30μV/Kのゼーベック係数を有する。一部の実施形態では、p型層は、290Kの温度で約5μV/Kから約35μV/Kの範囲のゼーベック係数を有する。一部の実施形態では、p型層は、290Kの温度で少なくとも約10μV/K又は少なくとも約30μV/Kの範囲のゼーベック係数を有する。
本明細書に記載のように、一部の実施形態では、p型層のゼーベック係数は、カーボンナノ粒子の同一性及び荷重により変化し得る。一部の実施形態では、例えば、p型層のゼーベック係数は、p型層の単層カーボンナノチューブ荷重に反比例する。
少なくとも1つのp型層に加えて、本明細書に記載の熱電装置は、複数のnドープしたカーボンナノ粒子を含む少なくとも1つのn型層を含む。
一部の実施形態では、nドープしたカーボンナノ粒子は、フラーレン、カーボンナノチューブ又はこれらの混合物を含む。一部の実施形態では、フラーレンは、1−(3−methoxycarbonyl)propyl−l−phenyl(6,6)C61(PCBM)を含む。一部の実施形態では、nドープしたカーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ又はこれらの混合物を含む。
一部の実施形態では、カーボンナノチューブを含む、n型層のカーボンナノ粒子は、マット構成で提供される。
一部の実施形態では、nドープした単層カーボンナノチューブ及び/又はnドープした多層カーボンナノチューブは、約0.1重量パーセントから約30重量パーセントの範囲の量の窒素を含む。一部の実施形態では、nドープした単層カーボンナノチューブ及び/又はnドープした多層カーボンナノチューブは、約5重量パーセントから約25重量パーセント、又は約10重量パーセントから約20重量パーセントの量の窒素を含む。一部の実施形態では、nドープした単層カーボンナノチューブ及び/又はnドープした多層カーボンナノチューブは、約0.1重量パーセントより少ない量の窒素を含む。一部の実施形態では、nドープした単層カーボンナノチューブ及び/又はnドープした多層カーボンナノチューブは、脱酸素化ナノチューブを含む。
一部の実施形態では、n型ドーパントが、単層及び/又は多層カーボンナノチューブの格子に組み込まれる。一部の実施形態では、n型ドーパントが、単層及び/又は多層カーボンナノチューブを取り囲む環境によりカーボンナノチューブに外部的に提供される。更に本明細書に記載のように、一部の実施形態では、n型層のカーボンナノチューブがポリマーマトリクスに配置される。一部の実施形態では、ポリマーマトリクスは、カーボンナノチューブの表面にnドーパントを提供することができる。一部の実施形態では、ポリマーマトリクスがカーボンナノチューブの表面にnドーパントを提供する場合、カーボンナノチューブは、ポリマーマトリクスに組み込まれる前にnドープされない。一部の実施形態では、ポリマーマトリクスがカーボンナノチューブの表面にnドーパントを提供する場合、カーボンナノチューブは、ポリマーマトリクスに組み込まれる前にnドープされる。
一部の実施形態では、n型層のnドープしたカーボンナノ粒子は高アスペクト比を有する。一部の実施形態では、n型層のnドープしたカーボンナノ粒子は、約1から約10の範囲のアスペクト比を示す。一部の実施形態では、nドープしたカーボンナノ粒子は、約10から約100,000の範囲のアスペクト比を表示する。一部の実施形態では、nドープしたカーボンナノ粒子は、約10から約10,000、又は約5から約1000の範囲のアスペクト比を有する。
一部の実施形態では、カーボンナノチューブを含む、n型層のカーボンナノ粒子は、約1nmから約5mm、又は約10nmから約1mmの範囲の長さを有する。一部の実施形態では、nドープしたカーボンナノ粒子は、約50nmから約500μm、約100nmから約100μm、又は約500nmから10μmの範囲の長さを有する。一部の実施形態では、nドープしたカーボンナノチューブは、約200pmから約500μmの範囲の長さを有する。
一部の実施形態では、n型層のカーボンナノ粒子は、約1nmから約100nmの範囲の直径を有する。一部の実施形態では、nドープしたカーボンナノ粒子は、約10nmから約80nm、又は約20nmから約60nmの範囲のアスペクト比を有する。一部の実施形態では、nドープしたカーボンナノ粒子は、約100nmより大きく又は約1nmより小さな直径を有する。
一部の実施形態では、n型層は、n型層の総重量に基づいて、約0.1重量パーセントから約100重量パーセントの範囲の量で本明細書に記載されたnドープしたカーボンナノ粒子の1つ以上の種を含み得る。一部の実施形態では、n型層は、少なくとも約2重量パーセントの量のnドープしたカーボンナノ粒子を含む。一部の実施形態では、n型層は、少なくとも約5重量パーセント又は少なくとも約10重量パーセントの量のnドープしたカーボンナノ粒子を含む。一部の実施形態では、n型層は、約2重量パーセントから約50重量パーセントの量のnドープしたカーボンナノ粒子を含む。一部の実施形態では、n型層は、約5重量パーセントから約30重量パーセントの量のnドープしたカーボンナノ粒子を含む。一部の実施形態では、p型層と同様に、n型層のカーボンナノ粒子荷重は、層の所望のゼーベック係数を参照して決定され得る。
本明細書に記載のように、n型層は、nドープしたカーボンナノ粒子が配置されるポリマーマトリクスを更に含む。n型層のポリマーマトリクスは、p型層に関して本明細書に記載された任意のポリマー種を含み得る。例えば、n型層のポリマーマトリクスは、限定されないが、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル−三フッ化エチレン(PVDF−TrFE)、ポリフッ化ビニル−テトラフルオロエチレン(PVDF−TFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、又はこれらの混合物若しくは共重合体を含む半結晶ポリマーを含む。熱電装置のn型層で用いられるPVDF、PVDF−TFE及び/又はPVDF−TrFEの半結晶ポリマーは、β相の増量を示し得る。例えば、n型層のPVDF、PVDF−TFE及び/又はPVDF−TrFEは、1.5から2.5のβ/α率を表示し得る。一部の実施形態では、β/α率は、2から2.5である。本明細書で検討されるように、分極処理技術によりβ相結晶が作為的な方向に提供可能であり、それによりマトリクスの圧電及び焦電特性が向上する。
一部の実施形態では、n型層は、本発明の目的と矛盾しない任意の所望の厚みを有し得る。一部の実施形態では、n型層は、少なくとも約1nmの厚みを有する。一部の実施形態では、n型層は、少なくとも約10nm又は少なくとも約100nmの厚みを有する。一部の実施形態では、n型層は、少なくとも約500nm又は少なくとも約1μmの厚みを有する。一部の実施形態では、n型層は、少なくとも約5μm又は少なくとも約15μmの厚みを有する。一部の実施形態では、n型層は、約5nmから約50μmの範囲の厚みを有する。一部の実施形態では、n型層は、約50nmから約30μmの範囲の厚みを有する。一部の実施形態では、n型層は、約100nmから約20μmの範囲の厚みを有する。
一部の実施形態では、n型層は、本発明の目的と矛盾しない任意の所望の長さを有し得る。一部の実施形態では、n型層は、少なくとも約1μm又は少なくとも約10μmの長さを有する。一部の実施形態では、n型層は、少なくとも約100μm又は少なくとも約500μmの長さを有する。一部の実施形態では、n型層は、少なくとも約1mm又は少なくとも約10mmの長さを有する。一部の実施形態では、n型層は、約1μmから約100mmの範囲の長さを有する。一部の実施形態では、n型層は、約10μmから約500mmの範囲の長さを有する。一部の実施形態では、n型層は、隣接するp型層と同一の広がりを持つ又は実質的に同一の広がりを持つ長さを有する。
一部の実施形態では、n型層は、290Kの温度で少なくとも約−5μV/Kのゼーベック係数を有する。一部の実施形態では、n型層は、290Kの温度で少なくとも約−10μV/Kのゼーベック係数を有する。一部の実施形態では、n型層は、290Kの温度で少なくとも約−15μV/K又は少なくとも約−20μV/Kのゼーベック係数を有する。一部の実施形態では、n型層は、290Kの温度で少なくとも約−30μV/Kのゼーベック係数を有する。一部の実施形態では、n型層は、290Kの温度で約−5μV/Kから約−35μV/Kの範囲のゼーベック係数を有する。一部の実施形態では、n型層は、290Kの温度で少なくとも約−10μV/K又は少なくとも約−30μV/Kの範囲のゼーベック係数を有する。
一部の実施形態では、n型層のゼーベック係数は、nドープしたカーボンナノ粒子の同一性及び荷重により変化し得る。一部の実施形態では、例えば、n型層のゼーベック係数は、n型層のカーボンナノ粒子荷重に反比例する。
本明細書に記載の熱電装置の一部の実施形態では、pドープ及びnドープしたカーボンナノチューブを含むカーボンナノ粒子は、1つ以上の無機半導体ナノ粒子と置換され得る。一部の実施形態では、無機半導体ナノ粒子は、IV族材料、II/VI族材料又はIII/V族材料若しくはこれらの結合を含む。一部の実施形態では、無機半導体ナノ粒子は、量子ドット及び/又はナノワイヤを含む。一部の実施形態では、無機半導体材料には、本明細書に記載のp層及びn層でそれぞれ使用されるpドーパント又はnドーパントが提供される。
一部の実施形態では、本明細書に記載の熱電装置は、少なくとも1つのp型層と少なくとも1つのn型層との間に配置される絶縁層も含む。一部の実施形態では、絶縁層は、電気的に絶縁している。一部の実施形態では、絶縁層は、電気的に絶縁し且つ熱的に絶縁している。一部の実施形態では、熱電装置は、複数のp型及びn型層の間に配置される複数の絶縁層を含む。一部の実施形態では、絶縁層は、本明細書に記載の熱電装置のp型層及びn型層が積層構成に配置されることを可能にする。
一部の実施形態では、絶縁層は、1つ以上のポリマー材料を含む。本発明の目的と矛盾しない任意のポリマー材料が、絶縁層の製造に使用され得る。ポリマー絶縁層は、限定されないが、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル−三フッ化エチレン(PVDF−TrFE)、ポリフッ化ビニル−テトラフルオロエチレン(PVDF−TFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、又はこれらの混合物若しくは共重合体を含む半結晶ポリマーを含む。熱電装置の絶縁層で用いられるPVDF、PVDF−TFE及び/又はPVDF−TrFEの半結晶ポリマーは、β相の増量を示し得る。例えば、絶縁層のPVDF、PVDF−TFE及び/又はPVDF−TrFEは、1.5から2.5のβ/α率を表示し得る。一部の実施形態では、β/α率は、2から2.5である。本明細書で検討されるように、分極処理技術によりβ相結晶を作為的な方向に提供可能であり、それにより絶縁層の圧電及び焦電特性が向上する。
一部の実施形態では、絶縁層は、ポリアクリル酸(PAA;polyacrylic acid)、ポリメタクリル酸(PMA;polymethacrylate)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA;polymethylmethacrylate)又はこれらの混合物若しくは共重合体を含む。一部の実施形態では、絶縁層は、限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン又はこれらの混合物若しくは共重合体を含むポリオレフィンを含む。
ポリマー絶縁層は、圧電特性を示す粒子を更に含み得る。例えば、ポリマー絶縁層は、BaTiOの粒子、BiTe粒子、他の無機圧電性粒子又はこれらの混合物を含み得る。BaTiO粒子、BiTe粒子及び/又は他の無機粒子は、本発明の目的と矛盾しない任意のサイズ及び/又は形状を有し得る。BaTiO粒子及びBiTe粒子は、20nmから500nmの範囲の粒度分布を示し得る。更に、圧電性粒子は、本発明の目的と矛盾しない任意の荷重で絶縁層のポリマーに分散され得る。一部の実施形態では、BaTiOの粒子、BiTe粒子及び/又は他の無機圧電性粒子は、絶縁層の総重量に基づいて、5−80重量パーセント又は10−50重量パーセントの量で絶縁層に存在するナノ粒子である。本明細書に記載のように、絶縁層の圧電性粒子は、本明細書に記載の熱電装置の圧電及び/又は焦電特性を更に向上させるために電気的に分極され得る。
代替的に、絶縁層は、無機又はセラミック材料から形成され得る。一部の実施形態では、絶縁層は、遷移金属酸化物粒子を含む、金属酸化物粒子から形成される。また、適切な金属酸化物粒子は、圧電特性も示し得る。一実施形態では、例えば、絶縁層は、電気的に分極され得るBaTiO粒子から形成される。
絶縁層は、本発明の目的と矛盾しない任意の所望の厚みを有し得る。一部の実施形態では、絶縁層は、少なくとも約50nmの厚みを有する。一部の実施形態では、絶縁層は、少なくとも約75nm又は少なくとも約100nmの厚みを有する。一部の実施形態では、絶縁層は、少なくとも約500nm又は少なくとも約1μmの厚みを有する。一部の実施形態では、絶縁層は、少なくとも約5μm又は少なくとも約15μmの厚みを有する。一部の実施形態では、絶縁層は、約5nmから約50μmの範囲の厚みを有する。一部の実施形態では、絶縁層は、約50nmから約30μmの範囲の厚みを有する。一部の実施形態では、絶縁層は、約100nmから約20μmの範囲の厚みを有する。
絶縁層は、本発明の目的と矛盾しない任意の所望の長さを有し得る。一部の実施形態では、絶縁層は、絶縁層が間に配置されるp型及びn型層の長さと実質的に一致する長さを有する。一部の実施形態では、絶縁層は、少なくとも約1μm又は少なくとも約10μmの長さを有する。一部の実施形態では、絶縁層は、少なくとも約100μm又は少なくとも約500μmの長さを有する。一部の実施形態では、絶縁層は、少なくとも約1mm又は少なくとも約10μmの長さを有する。一部の実施形態では、絶縁層は、約1μmから約100μmの範囲の長さを有する。一部の実施形態では、絶縁層は、約10μmから約500mmの範囲の長さを有する。
一部の実施形態では、本明細書に記載の熱電装置は、複数のp型層及び複数のn型層を含む。一部の実施形態では、熱電装置は、本発明の目的と矛盾しない任意の数のp型層及びn型層を含み得る。一部の実施形態では、p型層及びn型層は、絶縁層によって分離されて、交互に且つ積層構成で順序付けられる。一部の実施形態では、熱電装置は、少なくとも3つのp型層及び少なくとも3つのn型層を含む。一部の実施形態では、熱電装置は、少なくとも5つのp型層及び少なくとも5つのn型層を含む。一部の実施形態では、熱電装置は、少なくとも10のp型層及び少なくとも10のn型層を含む。一部の実施形態では、熱電装置は、少なくとも15のp型層及び少なくとも15のn型層を含む。一部の実施形態では、熱電装置は、少なくとも100のp型層及び少なくとも100のn型層を含む。一部の実施形態では、熱電装置は、少なくとも1000のp型層及び少なくとも1000のn型層を含む。
一部の実施形態では、1つ以上のp型層及び1つ以上のn型層を含む本明細書に記載の熱電装置は、織物の形態を有する。一部の実施形態では、織物は柔軟性があり、熱電装置を異なる表面形状及び/又は形態を有する様々な基板に適用することを可能にする。一部の実施形態では、例えば、熱電装置は、湾曲した及び/又は他の平坦でない基板に適用される。
一部の実施形態では、本明細書に記載の構造を有する熱電装置は、290Kの温度で少なくとも約25μV/Kのゼーベック係数を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載の構造を有する熱電装置は、290Kの温度で少なくとも約30μV/K又は少なくとも約50μV/Kのゼーベック係数を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載の構造を有する熱電装置は、290Kの温度で少なくとも約75μV/K又は少なくとも約100μV/Kのゼーベック係数を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載の構造を有する熱電装置は、290Kの温度で少なくとも約150μV/K又は少なくとも約175μV/Kのゼーベック係数を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載の構造を有する熱電装置は、290Kの温度で少なくとも約200μV/Kのゼーベック係数を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載の構造を有する熱電装置は、290Kの温度で約25μV/Kから約250μV/Kの範囲のゼーベック係数を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載の構造を有する熱電装置は、290Kの温度で約50μV/Kから約150μV/Kの範囲のゼーベック係数を有する。
一部の実施形態では、本明細書に記載の熱電装置は、少なくとも0.5のZTを有する。一部の実施形態では、本明細書に記載の熱電装置は、少なくとも約0.7又は少なくとも約0.8のZTを有する。一部の実施形態では、本明細書に記載の熱電装置は、少なくとも約1又は少なくとも約1.5のZTを有する。一部の実施形態では、本明細書に記載の熱電装置は、約0.5から約2、又は約0.8から約1.5の範囲のZTを有する。一部の実施形態では、本明細書に記載の熱電装置は、約1から約1.3の範囲のZTを有する。一部の実施形態では、本明細書に記載の熱電装置は、約1から10の範囲のZTを有する。
(II.光熱装置)
別の態様では、光起電コンポーネント及び熱電コンポーネントを備える光熱装置が本明細書に記載される。熱電コンポーネントは、第I部で記載された任意の熱電装置を含み得る。例えば、一部の実施形態では、熱電コンポーネントは、pn接合を提供するために少なくとも1つのn型層に結合される少なくとも1つのp型層と、p型層及びn型層の間に少なくとも部分的に配置される絶縁層とを備え、p型層は複数のカーボンナノ粒子を含み、n型層は複数のnドープしたカーボンナノ粒子を含む。一部の実施形態では、熱電コンポーネントの(複数の)p型層、(複数の)n型層及び/又は(複数の)絶縁層は、電気的に分極したポリマーを含む。一部の実施形態では、pn接合は、接合を形成するp型層及びn型層の間に配置される金属中間層を含む。更に、一部の実施形態では、熱電コンポーネントは、複数のpn接合を提供する複数のn型層に結合される複数のp型層、及びp型層及びn型層の間に少なくとも部分的に配置される絶縁層を備える。
図4は、本明細書に記載の一実施形態による光熱装置を示す。図4に示される光熱装置(400)は、熱電コンポーネント(402)に結合される光起電コンポーネント(401)を備える。熱電コンポーネントは、熱電装置に関して本明細書に記載された任意の構造を含み得る。
更に、光起電コンポーネントは、放射透過性の第1の電極(404)、少なくとも1つの感光層(405)、励起子ブロック層(406)及び第2の放射透過性電極(407)を備える。光熱装置の一部の実施形態では、熱電コンポーネントに隣接する光起電コンポーネントの電極は、非放射透過性である。
本明細書に記載の実施形態によれば、放射透過性の第1の電極及び第2の電極は、放射透過性の伝導性酸化物を含む。
一部の実施形態では、放射透過性の伝導性酸化物は、インジウムスズ酸化物(ITO;indium tin oxide)、ガリウムインジウムスズ酸化物(GITO;gallium indium tin oxide)、及び亜鉛インジウムスズ酸化物(ZITO;zinc indium tin oxide)を含み得る。一部の実施形態では、放射透過性の第1及び第2の電極は、ポリアニリン(PANI;polyanaline)及びその化学的親類等の放射透過性のポリマー材料を含み得る。一部の実施形態では、放射透過性の第1及び第2の電極は、ZnO:Alを含む。
一部の実施形態では、3,4−polyethylenedioxythiophene(PEDOT)が、第1及び/又は第2の電極に関する適切な放射透過性のポリマー材料であり得る。一部の実施形態では、放射透過性の第1及び/又は第2の電極は、可視電磁放射を少なくとも部分的に通すことができる厚みを有するカーボンナノチューブ層を含み得る。
別の実施形態では、放射透過性の第1及び/又は第2の電極は複合材料を含んでもよく、複合材料はポリマー相に分散されたナノ粒子相を含む。一実施形態では、ナノ粒子相は、カーボンナノチューブ、フラーレン、又はこれらの混合物を含み得る。更なる実施形態では、放射透過性の第1及び/又は第2の電極は、可視電磁放射を少なくとも部分的に通すことができる厚みを有する金属層を含み得る。一部の実施形態では、金属層は、元素的に純金属又は合金を含み得る。放射透過性の第1の電極として使用するのに適した金属は、高仕事関数金属を含み得る。
一部の実施形態では、放射透過性の第1及び第2の電極は、約10nmから約1μmの範囲の厚みを有し得る。一部の実施形態では、放射透過性の第1及び第2の電極は、約100nmから約900nmの範囲の厚みを有し得る。一部の実施形態では、放射透過性の第1及び第2の電極は、約200nmから約800nmの範囲の厚みを有し得る。更なる実施形態では、放射透過性の第1及び第2の電極は、約1μmより大きな厚みを有し得る。
一部の実施形態では、放射透過性の第1及び第2の電極は、互いに独立して構築される。一部の実施形態では、放射透過性の第1及び第2の電極は、互いを参照して構築される。
一部の実施形態では、光起電コンポーネントの少なくとも1つの感光層は、有機組成物を含む。一部の実施形態では、感光有機層は、約30nmから約1μmの範囲の厚みを有する。他の実施形態では、感光有機層は、約80nmから約800nmの範囲の厚みを有する。更なる一部の実施形態では、感光有機層は、約100nmから約300nmの範囲の厚みを有する。
本明細書に記載の実施形態によれば、感光有機層は、後で電子と正孔に解離し得る励起子を生み出すために電磁放射が吸収される少なくとも1つの光活性領域を含む。一部の実施形態では、光活性領域は、ポリマーを含み得る。一実施形態では、感光有機層の光活性領域で用いるのに適したポリマーは、poly(3−hexylthiophene)(P3HT)、poly(3−octylthiophene)(P3OT)、及びpolythiophene(PTh)を含むチオフェン等の共役ポリマーを含み得る。
一部の実施形態では、感光有機層の光活性領域で用いるのに適したポリマーは、半導体ポリマーを含み得る。一実施形態では、半導体ポリマーは、poly(phenylene vinylene)及びpoly(p−phenylene vinylene)(PPV)並びにこれらの誘導体等のフェニレンビニレンを含む。他の実施形態では、半導体ポリマーは、ポリフルオレン、ナフタレン、及びこれらの誘導体を含み得る。更なる実施形態では、感光有機層の光活性領域で用いられる半導体ポリマーは、poly(2−vinylpyridine)(P2VP)、polyamides、poly(N−vinylcarbazole)(PVCZ)、polypyrrole(PPy)、及びpolyaniline(PAn)を含む。
一部の実施形態によれば、光活性領域は、小分子を含み得る。一実施形態では、感光有機層の光活性領域で用いるのに適した小分子は、クマリン6、クマリン30、クマリン102、クマリン110、クマリン153、及びクマリン480Dを含み得る。別の実施形態では、小分子は、メロシアニン540を含み得る。更なる実施形態では、小分子は、9,10−dihydrobenzo[a]pyrene−7(8H)−one、7−methylbenzo[a]pyrene、pyrene、benzo[e]pyrene、3,4−dihydroxy−3−cyclobutene−1,2−dione、及び1,3−bis[4−(dimethylamino)phenyl−2,4−dihydroxycyclobutenediylium dihydroxideを含み得る。
一部の実施形態では、励起子の解離は、隣接するドナー材料及びアクセプタ材料の間に形成される有機層におけるヘテロ接合で促進される。本明細書に記載の一部の実施形態では、有機層は、ドナー材料及びアクセプタ材料の間に形成される少なくとも1つのバルクヘテロ接合を含む。他の実施形態では、有機層は、ドナー材料及びアクセプタ材料の間に形成される複数のバルクヘテロ接合を含む。
有機材料の文脈において、ドナー及びアクセプタという用語は、2つの接触するが異なる有機材料の最高被占分子軌道(HOMO;highest occupied molecular orbital)及び最低空分子軌道(LUMO;lowest unoccupied molecular orbital)のエネルギレベルの相対位置を意味する。これは、無機n型層及びp型層をそれぞれ生成するために使用され得るドーパントの型を意味する無機の文脈におけるこうした用語の使用とは対照的である。有機の文脈において、他方に接触する一方の材料のLUMOエネルギレベルが低ければ、その材料がアクセプタである。そうでなければ、それはドナーである。外部バイアスがない場合、ドナー−アクセプタ接合における電子がアクセプタ材料の中に移動し、且つ正孔がドナー材料の中に移動することがエネルギ的に好ましい。
本明細書に記載の一部の実施形態によれば、感光有機層における光活性領域は、ポリマー複合材料を含む。一実施形態では、ポリマー複合材料は、ポリマー相に分散されるナノ粒子相を含み得る。光活性領域のポリマー相を生成するのに適したポリマーは、poly(3−hexylthiophene)(P3HT)及びpoly(3−octylthiophene)(P3OT)を含むチオフェン等の共役ポリマーを含み得る。
一部の実施形態では、ポリマー複合材料のポリマー相に分散されるナノ粒子相は、少なくとも1つのカーボンナノ粒子を含む。カーボンナノ粒子は、フラーレン、カーボンナノチューブ又はこれらの混合物を含み得る。一実施形態では、ナノ粒子相で用いるのに適したフラーレンは、1−(3−methoxycarbonyl)propyl−l−phenyl(6,6)C61 (PCBM)を含み得る。一部の実施形態によれば、ナノ粒子相で用いられるカーボンナノチューブは、単層ナノチューブ、多層ナノチューブ、又はこれらの混合物を含み得る。
本明細書に記載の一部の実施形態では、ポリマー複合材料におけるポリマー対ナノ粒子比は、約1:10から約1:0.1の間である。一部の実施形態では、ポリマー複合材料におけるポリマー対ナノ粒子比は、約1:4から約1:0.4の間である。一部の実施形態では、ポリマー複合材料におけるポリマー対ナノ粒子比は、約1:2から約1:0.6の間である。一実施形態では、例えば、poly(3−hexylthiophene)対PCBMの比率は、約1:1から約1:0.4の間である。
更なる実施形態では、ポリマー相に分散されるナノ粒子相は、少なくとも1つのナノウィスカを含む。本明細書で用いられるナノウィスカとは、複数のカーボンナノ粒子から形成される結晶性カーボンナノ粒子を意味する。一部の実施形態では、ナノウィスカは、ポリマー複合材料を含む感光有機層をアニーリングすることにより生成され得る。一部の実施形態によれば、ナノウィスカを形成することができるカーボンナノ粒子は、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、及びフラーレンを含み得る。一実施形態では、ナノウィスカは、結晶性PCBMを含む。一部の実施形態では、感光有機層のアニーリングは、ポリマー相におけるナノ粒子相の分散を更に増加し得る。
ポリマー相及びナノ粒子相を含む光活性領域の実施形態では、ポリマー相はドナー材料として作用し、ナノ粒子相はアクセプタ材料として作用し、それにより励起子の正孔及び電子への分離のためのヘテロ接合を形成する。ナノ粒子がポリマー相中に分散される実施形態では、有機層の光活性領域は、複数のバルクヘテロ接合を含む。一部の実施形態では、感光有機層の光活性領域におけるドナー材料は、ポルフィリン、フタロシアニン及びこれらの誘導体を含む有機金属化合物を含み得る。更なる実施形態では、感光有機層の光活性領域におけるアクセプタ材料は、ペリレン、ナフタレン及びこれらの誘導体を含み得る。
一部の実施形態では、光起電コンポーネントの少なくとも1つの感光層は、無機組成物を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載の感光無機層は、様々な合成物を有し得る。一部の実施形態では、本明細書に記載の光起電コンポーネントの感光無機層は、IV族半導体材料、(CdTe等)II/VI族半導体材料、III/V族半導体材料、又はこれらの結合若しくは混合物を含む無機合成物を含む。一部の実施形態では、感光無機層は、IV族、II/VI族、又はIII/V族の二元、三元又は四元系を含む。一部の実施形態では、感光無機層は、CIGS(copper indium gallium selenide)等のI/III/VI材料を含む。一部の実施形態では、感光無機層は、多結晶シリコン(Si)を含む。一部の実施形態では、感光無機層は、微結晶、ナノ結晶、及び/又はプロト結晶(protocrystalline)シリコンを含む。一部の実施形態では、感光無機層は、多結晶CZTS(copper zinc tin sulfide)を含む。一部の実施形態では、感光無機層は、微結晶、ナノ結晶、及び/又はプロト結晶CZTSを含む。一部の実施形態では、CZTSは、CuZnSnSを含む。一部の実施形態では、CZTSは、セレニウム(Se)を更に含む。一部の実施形態では、CZTSは、ガリウム(Ga)を更に含む。
一部の実施形態では、本明細書に記載の光起電コンポーネントの感光無機層は、アモルファス材料を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの感光無機層は、アモルファスシリコン(a−Si)を含む。一部の実施形態では、感光無機層のアモルファスシリコンは、不動態化されていない又は実質的に不動態化されていない。一部の実施形態では、感光無機層のアモルファスシリコンは、水素で不動態化される(a−Si:H)。一部の実施形態では、感光無機層のアモルファスシリコンは、ハロゲンで不動態化され又は非ハロゲン不動態化される。一部の実施形態では、例えば、感光無機層のアモルファスシリコンは、Si:Fを含まないか又は実質的に含まない。一部の実施形態では、代替的に、感光無機層のアモルファスシリコンは、フッ素不動態化される(a−Si:F)。
一部の実施形態では、1つ以上のヘテロ接合は、ドーピングにより本明細書に記載の感光無機層において確立され得る。一部の実施形態では、感光無機層の一領域がpドーパントでドープされ、感光無機層の別の領域がヘテロ接合を提供するためにnドーパントでドープされる。感光無機層の材料が本質的にp型である一部の実施形態では、感光無機層の領域がヘテロ接合を提供するためにnドーパントでドープされ得る。感光無機層の材料が本質的にn型である一部の実施形態では、感光無機層の領域がヘテロ接合を提供するためにpドーパントでドープされ得る。
一部の実施形態では、ドーピングに適した感光層に対する本明細書に記載の任意の無機材料が、感光層における1つ以上のヘテロ接合を確立するためにドープされる。一部の実施形態では、例えば、水素不動態化アモルファスシリコンは、1つ以上のヘテロ接合を確立するためにp型及び/又はn型ドーパントでドープされる。更に、一部の実施形態では、本明細書に記載の感光無機層のIV族、III/V族及び/又はII/VI族半導体材料は、1つ以上のヘテロ接合を提供するためにp型及び/又はn型ドーパントでドープされ得る。
一部の実施形態では、本明細書に記載の光起電コンポーネントは、n型領域、真性領域、及びp型領域を含む少なくとも1つの感光無機層を含む。一部の実施形態では、n型領域は、nドープした無機半導体から成る。一部の実施形態では、p型領域は、pドープした無機半導体から成る。一部の実施形態では、真性領域は、ドープしていない無機半導体から成る。
一部の実施形態では、本明細書に記載の光起電コンポーネントは、多接合構造を含む。一部の実施形態では、光起電コンポーネントは、複数の感光無機層を含み、各層がn型領域、真性領域、及びp型領域を含む。一部の実施形態では、光起電コンポーネントは、2つの感光無機層を含み、各層がn型領域、真性領域、及びp型領域を含み、それにより二重接合装置を提供する。一部の実施形態では、光起電コンポーネントは、3つの感光無機層を含み、各層がn型領域、真性領域、及びp型領域を含み、それにより三重接合装置を提供する。各々がn型領域、真性領域及びp型領域を含む複数の感光無機層を含む一部の実施形態では、複数の無機層は、無機層の間に1つ以上のヘテロ接合が形成されるように互いに隣接している。一部の実施形態では、例えば、光起電コンポーネントは、第1のn型領域、第1の真性領域、及び第1のp型領域を含む第1の感光無機層と、第2のn型領域、第2の真性領域、及び第2のp型領域を含む第2の感光無機層とを含み、第1のp型領域は第2のn型領域に隣接し又は第1のn型領域は第2のp型領域に隣接している。一部の実施形態では、本明細書に記載の光電子装置は、単一接合構造を含む。当業者には知られているように、一部の実施形態では、本明細書に記載の多接合装置の構造において第1、第2及び/又は第3の感光無機層の間にトンネル接合が配置され得る。
一部の実施形態では、光起電コンポーネントは、複数の感光有機層を含む。
複数の感光層が光起電コンポーネントに存在する一部の実施形態では、感光層の吸収プロファイルは、重複しない又は実質的に重複しない。複数の感光層が光起電コンポーネントに存在する一部の実施形態では、感光層の吸収プロファイルは、少なくとも部分的に重複する。一部の実施形態では、太陽スペクトルの1つ以上の領域を捕捉するために複数の感光層が光起電コンポーネントにおいて使用され得る。
一部の実施形態では、光起電コンポーネントの励起子ブロック層(EBL)は、光生成励起子を解離界面の付近の領域に制限して、感光層/電極界面において寄生励起子がクエンチすることを防ぐように作用し得る。励起子が拡散し得る経路を限定することに加えて、EBLは、電極の析出中に取り込まれる物質に対する拡散障壁として更に作用し得る。一部の実施形態では、EBLは、さもなければ光起電装置を動作不能にし得るピンホール又は短絡不良を埋めるのに十分な厚みを有し得る。
本明細書に記載の一部の実施形態によれば、EBLは、ポリマー複合材料を含み得る。一実施形態では、EBLは、3,4−polyethylenedioxythiophene:polystyrenesulfonate(PEDOT:PSS)に分散されるカーボンナノ粒子を含む。別の実施形態では、EBLは、poly(vinylidene chloride)及びその共重合体に分散されるカーボンナノ粒子を含む。PEDOT:PSS及びpoly(vinylidene chloride)を含むポリマー相に分散されるカーボンナノ粒子は、単層ナノチューブ、多層ナノチューブ、フラーレン、又はこれらの混合物を含み得る。更なる実施形態では、EBLは、電子の通過を妨げつつ正孔の輸送を許可することができる仕事関数エネルギを有する任意のポリマーを含み得る。
一部の実施形態では、EBLは、放射透過性の第1の電極と光活性アセンブリの有機感光層との間に配置されてもよい。光電子装置が複数の感光有機層を含む一部の実施形態では、例えば、EBLは、感光有機層の間に配置され得る。
一部の実施形態では、光起電コンポーネントは、1つ以上のアップコンバータ及び/又はダウンコンバータを含む。当業者には理解されるように、アップコンバータは、励起状態を生成するために材料により吸収される電磁放射のものよりも大きなエネルギを有する電磁放射を放出することができる材料である。一部の実施形態で使用するのに適したアップコンバータは、赤外線放射を吸収して、本明細書に記載の光起電コンポーネントの感光有機層により吸収されることができる波長で可視光を放出し得る。
一部の実施形態では、アップコンバータは、少なくとも1つのランタニド系元素を含む材料を含み得る。一部の実施形態では、アップコンバータ材料は、少なくとも1つのランタニド系元素を含むナノ粒子を含み得る。本明細書に記載の一部の実施形態によるアップコンバータ材料で用いるのに適したランタニド系元素は、エルビウム、イッテルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、又はこれらの混合物を含む。一部の実施形態では、アップコンバータ材料は、エルビウム、イッテルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、又はこれらの混合物のイオンでドープされる金属酸化物及び金属硫化物を含む。他の実施形態では、光ファイバーが、エルビウム、イッテルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、又はこれらの混合物のイオンで直接ドープされてもよい。
他の実施形態では、アップコンバータ材料は、有機化学種を含み得る。有機アップコンバータ材料は、HN及び4−dialkylamino−1、8−naphthalimides、並びに多分岐ナフタルイミド誘導体TPA−NA1、TPA−NA2及びTPA−NA3等の1,8−naphthalimide誘導体及び化合物を含み得る。また、有機アップコンバータ材料は、4−(dimethylamino)cinnamonitrile(cis and trans)、trans−4−[4−(dimethylamino)styryl]−1−methylpyridinium iodide、4−[4−(dimethylamino)styryl]pyridine、4−(diethylamino)benzaldehyde diphenylhydrazone、trans−4−[4−(dimethylamino)styryl]−1−methylpyridinium p−toluenesulfonate、2−[ethyl[4−[2−(4−nitrophenyl)ethenyl]phenyl]amino]ethanol、4−dimethylamino−4’−nitrostilbene、Disperse Orange 25、Disperse Orange 3、及びDisperse Red 1も含み得る。
更なる実施形態では、アップコンバータ材料は、量子ドットを含み得る。一部の実施形態によれば、量子ドットは、セレン化カドミウム(CdSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、及びセレン化亜鉛(ZnSe)等のIII/V及びII/VI半導体材料を含み得る。また、アップコンバータ材料は、量子ドットのコアシェル構造も含み得る。
本明細書で提供されたものに加えて、本明細書に記載の一部の実施形態は、クロム等の遷移金属を含む追加のアップコンバータ材料を考慮する。
一部の実施形態では、光起電コンポーネントは、参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開2009/0173372及び2009/0301565に記載されたものと一致する構造を有する。
図4を再度参照すると、光熱装置(400)は、光起電コンポーネント(401)と熱電コンポーネント(402)との間に配置されるストークスシフト(Stokes shift)層(403)を更に含む。一部の実施形態では、ストークスシフト層は、熱電コンポーネントの隣辺に伝達される熱エネルギを生成することができる1つ以上のストークスシフト化学種を含む。一部の実施形態では、ストークスシフト化学種は、光起電コンポーネント(401)を通過した電磁放射を吸収する。更に、一部の実施形態では、1つ以上のストークスシフト化学種により放出される放射は、光起電コンポーネント(401)により吸収される。
本発明の目的と矛盾しない任意のストークスシフト材料が、ストークスシフト層に組み込むために使用され得る。一部の実施形態では、吸収及び放出プロファイルに従って適切なストークスシフト材料が選択される。一部の実施形態では、ストークスシフト材料の吸収プロファイルは、光起電コンポーネントの感光層の吸収プロファイルと重複しない。一部の実施形態では、ストークスシフト材料の吸収プロファイルは、光起電コンポーネントの感光層の吸収プロファイルと少なくとも部分的に重複する。更に、一部の実施形態では、ストークスシフト材料は、光起電コンポーネントの感光層の吸収プロファイルと少なくとも部分的に重複する放出プロファイルを有する。
一部の実施形態では、ストークスシフト材料は、電磁スペクトルの近紫外領域における放射を吸収することができる。一部の実施形態では、例えば、ストークスシフト材料は、約300nmから約400nmの範囲の波長を有する放射を吸収する。
一部の実施形態では、ストークスシフト材料は色素を含む。本発明の目的と矛盾しない任意の色素が使用されてもよい。一部の実施形態では、例えば、色素は、クマリン、クマリン誘導体、ピレン、及びピレン誘導体の1つ以上を含む。一部の実施形態では、ストークスシフト材料は、紫外線励起フルオロフォアを含む。本明細書に記載の一部の実施形態で用いるのに適した色素の非限定的な例示は、メトキシクマリン、ダンシル色素、ピレン、Alexa Fluor 350、アミノメチルクマリンアセテート(AMCA;aminomethylcoumarin acetate)、Marina Blue色素、Dapoxyl色素、ジアルキルアミノクマリン、ビマン(bimane)色素、ヒドロキシクマリン、Cascade Blue色素、Pacific Orange色素、Alexa Fluor 405、Cascade Yellow色素、Pacific Blue色素、PyMPO、及びAlexa Fluor 430を含む。
一部の実施形態では、ストークスシフト材料は蛍光体を含む。本発明の目的と矛盾しない任意の蛍光体が使用されてもよい。一部の実施形態では、例えば、蛍光体は、ハロリン酸塩蛍光体及び三リン酸の1つ以上を含む。本明細書に記載の一部の実施形態で用いるのに適した蛍光体の非限定的な例示は、Ca(PO(F,Cl):Sb3+、Mn2+、Eu:Y、及びTb3+、Ce3+:LaPOを含む。一部の実施形態では、蛍光体は、蛍光体粒子を含む。一部の実施形態では、蛍光体粒子は、液体中に懸濁され得る。
(III.熱電装置を作成する方法)
別の態様では、熱電装置を作成する方法が本明細書に記載される。一部の実施形態では、熱電装置を作成する方法は、複数のカーボンナノ粒子を含む少なくとも1つのp型層を提供するステップと、複数のnドープしたカーボンナノ粒子を含む少なくとも1つのn型層を提供するステップと、p型層とn型層との間に絶縁層を配置するステップと、pn接合を提供するためにp型層及びn型層を結合するステップとを含む。一部の実施形態では、p型層のカーボンナノ粒子は第1のポリマーマトリクスに配置され、n型層のカーボンナノ粒子は第2のポリマーマトリクスに配置され、第1のポリマーマトリクス及び/又は第2のポリマーマトリクスは電気的に分極される。分極処理は、本発明の目的と矛盾しない任意の方式で行われ得る。一部の実施形態では、例えば、分極処理は、p型層及び/又はn型層の長さに沿って1つ以上の櫛形アレイを圧入すること及びアレイに分極処理電圧を印加することを含む。一部の実施形態では、熱電装置の(複数の)絶縁層は、圧電特性を示す電気的に分極した粒子又は電気的に分極したポリマーを含む。
更に、一部の実施形態では、本明細書に記載の熱電装置を作成する方法は、接合を提供するp型層及びn型層の間に金属中間層を配置するステップを更に含む。金属中間層は、本明細書に記載の任意の構造を有し得る。
更に、一部の実施形態では、複数のp型及びn型層が提供され、互いに結合されて、複数のpn接合の形態をもたらす。一部の実施形態では、p型層及びn型層の間に絶縁層が配置される。更に、熱電装置を作成する方法の一部の実施形態では、p型層及びn型層は積層構成に配置される。p型層及びn型層は、pn接合を提供するために金属接触により結合され得る。一部の実施形態では、例えば、p層は、本明細書に記載の熱電装置のpn接合を提供するために金属接触によりn層に結合される。
(IV.光熱装置を作成する方法)
別の態様では、光熱装置を作成する方法が本明細書に記載される。一部の実施形態では、光熱装置を作成する方法は、光起電コンポーネントを提供するステップと、熱電コンポーネントを提供するステップと、光起電コンポーネント及び熱電コンポーネントを結合するステップとを含む。熱電コンポーネントは、本明細書に記載の任意の熱電装置の構造を有し得る。例えば、一部の実施形態では、熱電コンポーネントは、pn接合を提供するために少なくとも1つのn型層に結合される少なくとも1つのp型層と、p型層及びn型層の間に少なくとも部分的に配置される絶縁層とを備え、p型層は複数のカーボンナノ粒子を含み、n型層は複数のnドープしたカーボンナノ粒子を含む。更に、(複数の)p型層、(複数の)n型層及び/又は(複数の)絶縁層は、電気的に分極したポリマーを含み得る。一部の実施形態では、pn接合は、接合を形成するp型層及びn型層の間に配置される金属中間層を含む。更に、一部の実施形態では、熱電コンポーネントは、本明細書に記載の複数のpn接合を提供するために複数のn型層に結合される複数のp型層を含む。
一部の実施形態では、光熱装置を作成する方法は、光起電コンポーネントと熱電コンポーネントとの間にストークスシフト層を配置するステップを更に含む。
(V.電磁エネルギを変換する方法)
別の態様では、電磁エネルギを電気エネルギに変換する方法が本明細書に記載される。一部の実施形態では、電磁エネルギを電気エネルギに変換する方法は、光起電コンポーネント及び光起電コンポーネントに結合される熱電コンポーネントを備える装置等の第II部に記載された装置を提供することを含み、熱電コンポーネントは、pn接合を提供するために少なくとも1つのn型層に結合される少なくとも1つのp型層と、p型層及びn型層の間に少なくとも部分的に配置される絶縁層とを備え、p型層は複数のカーボンナノ粒子を含み、n型層は複数のnドープしたカーボンナノ粒子を含む。電磁放射は、光起電コンポーネントが光電流を提供して、熱電コンポーネントの片側を加熱することにより吸収され、熱電コンポーネントを通して電圧を誘導する。更に、一部の実施形態では、熱電コンポーネントの少なくとも1つのp型層のナノ粒子及び/又は少なくとも1つのn型層のナノ粒子が、電気的に分極したポリマーマトリクスに配置される。一部の実施形態では、熱電コンポーネントの(複数の)絶縁層は、圧電特性を示す電気的に分極した粒子又は電気的に分極したポリマーを含む。
一部の実施形態では、熱電コンポーネントの片側を加熱することは、光起電コンポーネントで生成された熱を熱電コンポーネントの片側に伝達することを含む。更に、一部の実施形態では、熱電コンポーネントの片側を加熱することは、光起電コンポーネントと熱電コンポーネントとの間にストークスシフト層を提供すること、熱及び電磁放射を生成するためにストークスシフト層で電磁放射を吸収すること、及び生成された熱を熱電コンポーネントの片側に伝達することを含む。一部の実施形態では、ストークスシフト層により生成された電磁放射は、光電流の生成用に光起電コンポーネントに伝達される。
(VI.熱電物品及び織物)
別の態様では、熱電物品が本明細書に記載される。更に別の態様では、熱電織物が本明細書に記載される。一部の実施形態では、物品及び/又は織物が平坦でない又は複雑な表面に配置されることを含む場合に、本明細書に記載の物品及び/又は織物は、熱エネルギを電気エネルギに効率的に変換するために使用され得る。例えば、一部の実施形態では、本明細書に記載の物品又は織物は、衣服又は電子装置のカバーとして使用され又はそれに組み込まれ得る。更に、本明細書に記載の物品又は織物は、共形に又は実質的に共形に、人間ユーザの皮膚又は電子装置の表面に配置され又はそれと接触し得る。
一部の実施形態では、本明細書に記載の物品は、断熱サポートと、断熱サポートの対向する側において熱電モジュールの面を提供するために断熱サポートの周り又は中を通る構造から形成される熱電モジュールとを含む。熱電モジュールは、第I部に記載された熱電装置の構造を有し得る。一部の実施形態では、熱電モジュールの構造は、連続的であり且つ導電性である。更に、一部の実施形態では、熱電モジュールは、サポートの中又は上に配置される1つ以上の電気接点を介する場合を含み、断熱サポートに電気的に接続される。更に、電気接点は、電気ダイオードを含み得る。
更に、熱電モジュールの連続構造は、pn接合を形成するn型層に結合されるp型層を含み、絶縁層はp型層及びn型層の間に部分的に配置される。一部の実施形態では、本明細書に記載の連続構造のp型層及びn型層は積層構成にされている。更に、熱電モジュールの面におけるp型層及びn型層は、断熱サポートの反対の側に実質的に平行であり得る。更に、絶縁サポートの周り又は中を通る熱電モジュール構造の一部は、熱電モジュールの少なくとも1つの面に実質的に垂直であり得る。
更に、連続的な熱電モジュール構造のp型層は、nドープしたカーボンナノ粒子を含むn型層を有するカーボンナノ粒子を含み得る。p型層のカーボンナノ粒子はpドープされ得る。p型層のナノ粒子及び/又はn型層のナノ粒子は、電気的に分極したポリマーを含むポリマーマトリクスを含む、ポリマーマトリクスに配置され得る。
熱電モジュールの電気的に分極したポリマーは、非ランダムに配向された電気双極子及び/又は電気双極子領域を含み得る。更に、電気的に分極したポリマーは、熱電モジュールにおける電流フローの軸に平行に又は実質的に平行に配向される電気双極子場を示すと共に、圧電/焦電特性も示し得る。電気的に分極したポリマー合成物の圧電及び/又は焦電特性は、このような合成物を組み込んだ物品が、温度勾配への暴露から生ずる電気出力に加えて、機械的変形から生ずる電気出力も提供することを可能にする。
更に、熱電モジュール構造の絶縁層は、チタン酸バリウム(BaTiO)粒子、テルル化ビスマス粒子(BiTe)、他の無機粒子又はそれらの混合物等の圧電特性を示す電気的に分極した粒子又は電気的に分極したポリマーを含み得る。
更に、一部の実施形態では、本明細書における熱電モジュール構造のp型層、n型層又は絶縁層は、焦電場を示す。焦電場は、本発明の目的と矛盾しない任意の指向性を有し得る。例えば、焦電場は、構造の電流フローの軸に平行に又は実質的に平行に配向され得る
本明細書に記載のように、p型層とn型層との接触により、pn接合が生成される。一部の実施形態では、n型層と接触しているp型層によって形成されるpn接合において、界面遷移領域が存在する。一部の実施形態では、界面遷移領域は、p型層及びn型層の混合したナノ粒子を含む。p型及びn型層のナノ粒子の混合は、異種構造のpn接合を提供することができる。
更に、pn接合のp型層とn型層との間に金属中間層が配置され得る。金属中間層は、本発明の目的と矛盾しない任意の金属から形成され得る。例えば、金属中間層は、金、白金、イリジウム、パラジウム、オスミウム、銀、ロジウム又はルテニウム又はこれらの合金を含む貴金属から形成され得る。また、金属中間層は、アルミニウム、ニッケル、銅、他の遷移金属又は遷移金属合金から形成され得る。更に、金属中間層は、グラファイト又はグラフェン等の金属特性を示す有機材料から形成されてもよい。
金属中間層は、ピン止め層として作用し得る。一部の実施形態では、ピン止め層は、隣接するn型層及びp型層のフェルミ準位をピン止めする。更に、本明細書に記載のピン止め層は、n型層又はp型層にエネルギ的に適合され得る。
更に、一部の実施形態では、熱電モジュールのpn接合は、モジュールの分極したポリマーの圧電及び/又は焦電特性に関係付けられる(複数の)電圧出力の整流器として作用し得る。
更に、本明細書に記載のように、物品の断熱サポートは、織物の1つ以上の繊維であり得る。従って、別の態様では、熱電織物が提供される。例えば、織物は、1つ以上の断熱繊維と、断熱繊維の対向する側において熱電モジュールの面を提供するために断熱繊維の周り又は中を通る構造から形成される熱電モジュールとを含む。熱電モジュールは、本明細書に記載の任意の構造又は特性を有し得る。更に、一部の実施形態では、熱電モジュールは、所望の剛性又は柔軟性を織物に提供するために選択されるサイズを有し、それにより織物と人体の表面又は電子装置の表面等の表面との間の柔軟な又は共形的な接触を可能にする。
更に、織物は、本発明の目的と矛盾しない任意の断熱繊維を含み得る。例えば、一部の実施形態では、断熱繊維は、熱的に絶縁された植物繊維、動物繊維、又は合成繊維を含む。一部の実施形態では、断熱繊維は、羊毛、生糸、綿、亜麻、黄麻、大麻、モダール、リヨセル、セルロース、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリアミド、アラミド、アクリル、ナイロン、スパンデックス、及びこれらの結合の1つ以上を含む。また、他の断熱繊維が使用されてもよい。
更に、本明細書に記載の熱電織物は、本発明の目的と矛盾しない任意の布地又は織物構造又は構成を有し得る。一部の実施形態では、例えば、本明細書に記載の織物は、織り又は編み構成を有する。このような実施形態では、織物の断熱繊維は、織物の縦糸又は横糸を形成し得る。例えば、断熱繊維は織物の横糸方向に配置され、熱電モジュールの構造は縦糸方向に断熱繊維の中又は周りを通され得る。更に、一部の実施形態では、本明細書に記載の織物は、1つ以上の列又は行に配置されて、複数の断熱繊維の中又は周りを通過する複数の熱電モジュール構造を含み、繊維も1つ以上の列又は行に配置され得る。断熱繊維の列又は行は、熱電モジュール構造の列又は行に垂直であり得る。
更に、このような列又は行は、連続的である必要はなく、その代わり、織物が開口領域及び閉鎖領域を含むように、不連続的であり得る。開口領域により、断熱繊維の対向する側の間及び/又は織物の対向する側の間の湿気及び/又は空気の交換が可能になる。閉鎖領域により、織物又は織物の繊維の対向する側の間の湿気及び/又は空気のこのような交換を防ぎ又は抑制することが可能になる。本明細書に記載の織物は、本発明の目的と矛盾しない開口及び閉鎖領域の任意の組み合わせを有し得る。例えば、一部の実施形態では、本明細書に記載の織物は、約10パーセントから約50パーセントの開口領域及び約50パーセントから約90パーセントの閉鎖領域を含む。他の構成も可能である。
熱電織物の対向する側又は断熱サポートの対向する側は、織物又は物品の「高温」側及び「低温」側を形成し得る。本明細書における参照のため、織物又は物品の高温側はより高い温度を有する側を含み、低温側はより低い温度を有する側を含み得る。例えば、織物又は物品の高温側は、携帯電話等の電子装置の表面又は着用者の皮膚等の熱い又は暖かい表面に対して配置される側であり、低温側は外部環境に露出している。他の場合には、外部環境に露出した側は、織物又は物品の高温側である。
更に、本明細書に記載の物品又は織物の熱電モジュールの面は、本発明の目的と矛盾しない任意の方式で織物又は物品の対向する側に配置され得る。一部の実施形態では、例えば、熱電モジュール構造の面は、熱モジュールの正の(又は負の)出力が全て高温側にある又は全て低温側にあるように、全て同じ方式で配置される。代替的に、他の実施形態では、熱電モジュール構造の面は、熱電モジュールの正の(又は負の)出力の一部が高温側にあり、一方で熱電モジュールの他の正の(又は負の)出力が低温側にあるように、異なる方式で配置され得る。一部の実施形態では、このような構成は、織物又は物品のどちらの側が所与の時間に低温側又は高温側であるかに関わらず、本明細書に記載の物品又は織物が電気エネルギを提供することを可能にする。
一般に、熱電モジュールにより提供される電気エネルギは、1つ以上の電気接点を介して外部回路へと移され得る。電気接点は、本明細書に記載の断熱サポートの表面又は内部に配置され得る。例えば、一部の実施形態では、1つ以上の金属線が、断熱サポートの表面及び/又は内部に配置される。本発明の目的と矛盾しない任意の金属線が使用されてもよい。一部の実施形態では、例えば、金属線は銅を含む。
更に、本明細書に記載の物品又は織物は、熱電モジュールから電荷を取り除くための1つ以上の電気バス又は他の外部接点も含み得る。例えば、熱電モジュールの1つの行又は列が、(外部環境が相対的に低温である)低温−高温環境で電気エネルギを生成するように構成されてもよく、一方で熱電モジュールの別の行又は列が(外部環境が相対的に高温である)高温−低温環境で電気エネルギを生成するように構成されてもよい。一部のこのような実施形態では、別個の行又は列が、異なって及び/又は別個に又は独立して電気的に接続され得る。代替的に、他の実施形態では、熱電モジュールの全てが織物又は物品の高温及び低温側に対して同じ方向を有するような場合に、織物又は物品の熱電モジュールの全てが電気的に平行に接続され得る。
更に、本明細書に記載の物品又は織物は、それぞれ携帯電話又はバッテリ等、電子装置及び/又はエネルギ貯蔵媒体への電気的接続を含み得る。従って、本明細書に記載の物品又は織物は、電子装置又はバッテリに直接的に電力を供給し又は充電するために使用され得る。
次に、図面を参照して一部の実施形態が更に説明される。図8は、本明細書に記載の一実施形態による熱電物品の平面図を示す。図9は、線9−−9に沿って切り取った図8の物品の断面図である。
図8及び9に示された熱電物品又は織物(100)は、断熱サポート(110)と、断熱サポート(110)の対向する側において熱電モジュール(120)の面(121、122)を提供するために断熱サポート(110)の周り又は中を通る構造から形成される熱電モジュール(120)とを含む。一部の実施形態では、断熱サポート(110)は、1つ以上の織物の繊維である。このような実施形態では、断熱サポート(110)は横糸方向(図8のd)に配置され、熱電モジュール(120)は縦糸方向(図8のd)に配置され得る。更に、このような配置は、開口領域(150)及び閉鎖領域を有する織物(100)を提供することができる。
図1及び2に示されるように、熱電モジュール(120)の構造は、2つの屈曲点(123)を含む連続構造であり、この構造は断熱サポート(110)の周り又は中で湾曲され又は折り曲げられている。更に、熱電モジュール(120)の面(121、122)におけるp型層及びn型層(図示せず)は、断熱サポート(110)の対向する側(111、112)に実質的に平行であり得る。更に、図8及び9の実施形態では、断熱サポート(110)の周り又は中を通る熱電モジュール(120)の構造の部分(124)が、熱電モジュール(120)の面(121、122)の少なくとも1つに実質的に垂直である。
図10は、本明細書に記載の一実施形態による物品又は織物(100)の斜視図を示す。図10に示されるように、物品又は織物(100)は、低温側(130)及び高温側(140)を有し得る。図10の実施形態における低温側(130)は熱電モジュール構造(120)の面(121)に対応し、高温側(140)は断熱サポート(110)の対向する側(112)にある熱電モジュール構造(120)の面(122)に対応する。しかしながら、本明細書に記載のように、他の配置も可能である。
図1は、本明細書に記載の一実施形態による熱電モジュール又は熱電装置の側面拡大図を示す。図1に示される熱電モジュールは、交互にn型層(2)に結合される2つのp型層(1)を備える。p型層(1)及びn型層(2)の交互の結合は、モジュールの反対側にpn接合(4)を有するz型構成を熱電モジュールに提供する。p型層(1)及びn型層(2)が積層構成になるように、p型層(1)とn型層(2)の界面間に絶縁層(3)が配置される。本明細書に記載のように、図1に提供された熱電モジュールは、モジュールの様々な構成要素の説明及び理解を容易にするために拡張状態とされている。しかしながら、一部の実施形態では、熱電モジュールは拡張状態ではなく、絶縁層(3)がp型層(1)及びn型層(2)と接触している。熱電モジュールは、交互にn型層(2)に結合される所望の数のp型層(1)を含み得る。
図1は、熱源にモジュールの一面を暴露することにより誘導される熱電モジュールを通じる電流フローを更に示す。電気接点(X)が、熱的に生成された電流を外部負荷に印加するために熱電モジュールに提供される。
図2は、本明細書に記載の一実施形態による熱電モジュール(200)を示しており、p型層(201)及びn型層(202)が積層構成になっている。p型層(201)及びn型層(202)は、積層構成において絶縁層(207)により分離されている。熱電モジュール(200)は、電気接点(204、205)により外部負荷に接続される。
次に本明細書に記載の熱電物品又は織物の様々な実施形態に含まれ得るコンポーネントを参照すると、本明細書に記載の物品又は織物は、断熱サポート又は断熱繊維を備える。本発明の目的と矛盾しない任意の断熱サポート又は繊維が使用されてもよい。一部の実施形態では、例えば、断熱サポートは、羊毛、生糸、綿、亜麻、黄麻、大麻、モダール、リヨセル、セルロース、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、アラミド、アクリル、ナイロン、スパンデックス、及びこれらの結合の1つ以上を含む天然又は合成繊維を含む。一部の実施形態では、断熱サポートは、無機材料を含む。無機材料は、金属酸化物等の酸化物又はガラス繊維等のガラスを含み得る。一部の実施形態では、無機材料は、セラミック材料を含む。無機材料は、シリカ、チタニア、ジルコニア、及び酸化亜鉛の1つ以上を含み得る。
更に、本明細書に記載の物品の断熱サポートは、本発明の目的と矛盾しない任意の構造を有し得る。例えば、一部の実施形態では、断熱サポートは、ネット又はメッシュ構造を有する。不織構造を含む他の構造も使用され得る。
また、本明細書に記載の物品又は織物は、熱電モジュール構造も含む。本発明の目的と矛盾しない熱電モジュールの任意の構造が使用されてもよい。一部の実施形態では、例えば、本明細書に記載の物品又は織物の熱電モジュールは、pn接合を提供するn型層に結合されるp型層と、p型及びn型層の間に配置される絶縁層とを備える。一部の実施形態では、熱電モジュールのp型及びn型層はカーボンナノ粒子を含む。
一部の実施形態では、p型層のカーボンナノ粒子は、フラーレン、カーボンナノチューブ又はこれらの混合物を含む。一部の実施形態では、フラーレンは、1−(3−methoxycarbonyl)propyl−l−phenyl(6,6)C61(PCBM)を含む。一部の実施形態では、カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ(SWNT)、多層カーボンナノチューブ(MWNT)、及びpドープ単層カーボンナノチューブ、pドープ多層カーボンナノチューブ又はこれらの混合物を含む。
一部の実施形態では、pドープ単層カーボンナノチューブ及び/又はpドープ多層カーボンナノチューブは、約0.1重量パーセントから約30重量パーセントの量のホウ素を含む。一部の実施形態では、pドープ単層カーボンナノチューブ及び/又はpドープ多層カーボンナノチューブは、約5重量パーセントから約25重量パーセント、又は約10重量パーセントから約20重量パーセントの量のホウ素を含む。更に、pドープ単層カーボンナノチューブ及び/又はpドープ多層カーボンナノチューブは、酸素を含み得る。
p型ドーパントが、単層及び/又は多層カーボンナノチューブの格子に組み込まれ得る。一部の実施形態では、p型ドーパントが、単層及び/又は多層カーボンナノチューブを取り囲む環境によりカーボンナノチューブに外部的に提供される。更に本明細書に記載のように、p型層のカーボンナノチューブがポリマーマトリクスに配置され得る。一部の実施形態では、ポリマーマトリクスは、カーボンナノチューブの表面にpドーパントを提供することができる。一部の実施形態では、ポリマーマトリクスがカーボンナノチューブの表面にpドーパントを提供する場合、カーボンナノチューブは、ポリマーマトリクスに組み込まれる前にpドープされない。代替的に、カーボンナノチューブは、ポリマーマトリクスへの組み込み前にpドーパントを含む。更に、一部の実施形態では、アルカリ金属等のポリマーマトリクスに配置される化学種も、カーボンナノチューブに対するpドーパントとして作用し得る。
一部の実施形態では、p型層のカーボンナノ粒子は高アスペクト比を有する。本明細書で用いられる「アスペクト比」という用語は、カーボンナノ粒子の直径又は幅で割ったカーボンナノ粒子の長さを意味する。一部の実施形態では、p型層のカーボンナノ粒子は、約1から約10、又は約10から約100,000の範囲のアスペクト比を示す。
一部の実施形態では、カーボンナノチューブを含む、p型層のカーボンナノ粒子は、約1nmから約5mm、又は約10nmから約1mmの長さを有する。一部の実施形態では、カーボンナノ粒子は、約50nmから約500μmの範囲の長さを有する。更に、p型層のカーボンナノ粒子は、約1nmから約100nmの範囲の直径を有し得る。
一部の実施形態では、カーボンナノチューブを含む、p型層のカーボンナノ粒子は、マット構成又は不織構成で提供される。
一部の実施形態では、p型層は、約0.1重量パーセントから約100重量パーセントの範囲の量で本明細書に記載されたカーボンナノ粒子の1つ以上の種を含む。一部の実施形態では、p型層は、少なくとも約2重量パーセント又は少なくとも約10重量パーセントの量のカーボンナノ粒子を含む。一部の実施形態では、p型層は、約2重量パーセントから約50重量パーセント、又は約5重量パーセントから約15重量パーセントの範囲の量のカーボンナノ粒子を含む。
p型層のカーボンナノ粒子荷重は、層の所望のゼーベック係数を参照して選択され得る。一部の実施形態では、5重量パーセントから100重量パーセントの範囲のSWNT荷重が、p型層に対する所定範囲のゼーベック係数を提供する。図3は、例えば、本明細書に記載の一部の実施形態によるp型層のポリフッ化ビニリデン(PVDF)マトリクスのSWNT荷重の関数としてゼーベック係数を示す。図3に示されるように、5重量パーセントから100重量パーセントの範囲のSWNT荷重が、p型層に対する所定範囲のゼーベック係数を提供する。また、一部の実施形態では、p型層のナノ粒子荷重は、所望の浸透限界を参照して決定され得る。
p型層のマトリクスは、ポリマーホストとカーボンナノ粒子の結合によっても形成され得る。本発明の目的と矛盾しない任意のポリマーホスト材料が、p型層のポリマーマトリクスの製造に使用され得る。一部の実施形態では、ポリマーマトリクスは、限定されないが、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニル−三フッ化エチレン(PVDF−TrFE)、ポリフッ化ビニル−テトラフルオロエチレン(PVDF−TFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、又はこれらの混合物若しくは共重合体を含む半結晶ポリマーを含む。熱電モジュールのp型層で用いられるPVDF、PVDF−TFE及び/又はPVDF−TrFEの半結晶ポリマーは、β相の増量を示し得る。例えば、p型層のPVDF、PVDF−TFE及び/又はPVDF−TrFEは、1.5から2.5のβ/α相率を表示し得る。一部の実施形態では、β/α相率は、2から2.5である。本明細書で検討されるように、分極処理技術によりβ相結晶が作為的な方向に提供可能であり、それにより、織物又は物品が受ける機械的変動又は応力から生ずる電気エネルギを得るためのポリマーマトリクスの圧電及び焦電特性が向上する。
一部の実施形態では、p型層のポリマーマトリクスは、ポリアクリル酸(PAA)、ポリメタクリル酸(PMA)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)又はこれらの混合物若しくは共重合体を含む。また、ポリマーマトリクスは、限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン又はこれらの混合物若しくは共重合体を含むポリオレフィンを含む。
一部の実施形態では、p型層のポリマーマトリクスは、poly(3−hexylthiophene)(P3HT)、poly(3−octylthiophene)(P3OT)、及びpolythiophene(PTh)等のチオフェンを含む、1つ以上の共役ポリマーを含む。
一部の実施形態では、p型層のポリマーマトリクスは、1つ以上の半導体ポリマーを含む。半導体ポリマーは、poly(phenylene vinylene)及びpoly(p−phenylene vinylene)(PPV)並びにこれらの誘導体等のフェニレンビニレンを含み得る。一部の実施形態では、半導体ポリマーは、ポリフルオレン、ナフタレン、及びこれらの誘導体を含む。一部の実施形態では、半導体ポリマーは、poly(2−vinylpyridine)(P2VP)、polyamides、poly(N−vinylcarbazole)(PVCZ)、polypyrrole(PPy)、及びpolyaniline(PAn)を含む。一部の実施形態では、半導体ポリマーは、poly[2,6−(4,4−bis−(2−ethylhexyl)−4H−cyclopenta[2,1−b;3,4−b’]dithiophene)−alt−4、7−(2,1,3−benzothiadiazole)](PCPDTBT)を含む。
p型層は、本発明の目的と矛盾しない任意の所望の厚みを有し得る。p型層は、少なくとも約10nm又は少なくとも約100nmの厚みを有し得る。一部の実施形態では、p型層は、少なくとも約500nm又は少なくとも約1μmの厚みを有する。一部の実施形態では、p型層は、約5nmから約50μmの範囲の厚みを有する。
一部の実施形態では、p型層は、本発明の目的と矛盾しない任意の所望の長さを有し得る。一部の実施形態では、p型層は、少なくとも約1μm又は少なくとも約10μmの長さを有する。一部の実施形態では、p型層は、約1μmから約100mmの範囲の長さを有する。
一部の実施形態では、p型層は、290Kの温度で少なくとも約5μV/K又は少なくとも約10μV/Kのゼーベック係数を有する。一部の実施形態では、p型層は、290Kの温度で少なくとも約15μV/K又は少なくとも約30μV/Kのゼーベック係数を有する。一部の実施形態では、p型層は、290Kの温度で約5μV/Kから約35μV/Kの範囲のゼーベック係数を有する。
本明細書に記載のように、p型層のゼーベック係数は、カーボンナノ粒子の同一性及び荷重により変化し得る。例えば、p型層のゼーベック係数は、p型層の単層カーボンナノチューブ荷重に反比例し得る。
少なくとも1つのp型層に加えて、本明細書に記載の熱電モジュールは、複数のnドープしたカーボンナノ粒子を含む少なくとも1つのn型層を含む。一部の実施形態では、nドープしたカーボンナノ粒子は、フラーレン、カーボンナノチューブ又はこれらの混合物を含む。一部の実施形態では、フラーレンは、1−(3−methoxycarbonyl)propyl−l−phenyl(6,6)C61(PCBM)を含む。一部の実施形態では、nドープしたカーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ又はこれらの混合物を含む。
一部の実施形態では、カーボンナノチューブを含む、p型層のカーボンナノ粒子は、マット構成又は不織形態で提供される。
nドープした単層カーボンナノチューブ及び/又はnドープした多層カーボンナノチューブは、約0.1重量パーセントから約30重量パーセントの範囲の量の窒素を含み得る。一部の実施形態では、nドープした単層カーボンナノチューブ及び/又はnドープした多層カーボンナノチューブは、脱酸素化ナノチューブを含む。
n型ドーパントが、単層及び/又は多層カーボンナノチューブの格子に組み込まれ得る。一部の実施形態では、n型ドーパントが、単層及び/又は多層カーボンナノチューブを取り囲む環境によりカーボンナノチューブに外部的に提供される。n型層のカーボンナノチューブはポリマーマトリクスに配置されてもよく、ポリマーマトリクスはカーボンナノチューブの表面にnドーパントを提供し得る。一部の実施形態では、カーボンナノチューブは、マトリクスへの組み込み前にnドープされない。他の実施形態では、カーボンナノチューブは、マトリクスへの組み込み前にnドープされる。
一部の実施形態では、n型層のnドープしたカーボンナノ粒子は高アスペクト比を有する。一部の実施形態では、n型層のnドープしたカーボンナノ粒子は、約1から約10の範囲のアスペクト比を示す。一部の実施形態では、nドープしたカーボンナノ粒子は、約10から約100,000の範囲のアスペクト比を表示する。
一部の実施形態では、カーボンナノチューブを含む、n型層のカーボンナノ粒子は、約1nmから約5mm、又は約10nmから約1mmの長さを有する。一部の実施形態では、nドープしたカーボンナノ粒子は、約50nmから約500μmの範囲の長さを有する。更に、一部の実施形態では、n型層のカーボンナノ粒子は、約1nmから約100nmの直径を有する。
n型層は、約0.1重量パーセントから約100重量パーセントの範囲の量で本明細書に記載されたnドープしたカーボンナノ粒子の1つ以上の種を含む。一部の実施形態では、n型層は、少なくとも約2重量パーセント又は少なくとも約5重量パーセントの量のnドープしたカーボンナノ粒子を含む。一部の実施形態では、n型層は、少なくとも約10重量パーセントの量のnドープしたカーボンナノ粒子を含む。一部の実施形態では、n型層は、約2重量パーセントから約50重量パーセント、又は約5重量パーセントから約15重量パーセントの範囲の量のnドープしたカーボンナノ粒子を含む。p型層と同様に、n型層のカーボンナノ粒子荷重は、層の所望のゼーベック係数を参照して決定され得る。また、n型層のナノ粒子荷重は、所望の浸透限界を参照して決定され得る。
本明細書に記載のように、n型層は、nドープしたカーボンナノ粒子が配置されるポリマーマトリクスを更に含み得る。n型層のポリマーマトリクスは、p型層に関して本明細書に記載された任意のポリマー種を含み得る。例えば、n型層のポリマーマトリクスは、限定されないが、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル−三フッ化エチレン(PVDF−TrFE)、ポリフッ化ビニル−テトラフルオロエチレン(PVDF−TFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、又はこれらの混合物若しくは共重合体を含む半結晶ポリマーを含む。熱電モジュールのn型層で用いられるPVDF、PVDF−TFE及び/又はPVDF−TrFEの半結晶ポリマーは、β相の増量を示し得る。例えば、n型層のPVDF、PVDF−TFE及び/又はPVDF−TrFEは、1.5から2.5のβ/α率を表示し得る。一部の実施形態では、β/α率は、2から2.5である。本明細書で検討されるように、分極処理技術によりβ相結晶が作為的な方向に提供可能であり、それにより、織物又は物品が受ける機械的変動又は応力から生ずる電気エネルギを得るためのマトリクスの圧電及び焦電特性が向上する。
n型層は、本発明の目的と矛盾しない任意の所望の厚みを有し得る。一部の実施形態では、n型層は、少なくとも約1nmの厚みを有する。一部の実施形態では、n型層は、少なくとも約10nm又は少なくとも約100nmの厚みを有する。一部の実施形態では、n型層は、約5nmから約50μmの範囲の厚みを有する。
n型層は、本発明の目的と矛盾しない任意の所望の長さを有し得る。一部の実施形態では、n型層は、少なくとも約1μm又は少なくとも約10μmの長さを有する。一部の実施形態では、n型層は、少なくとも約100μm又は少なくとも約500μmの長さを有する。一部の実施形態では、n型層は、約1μmから約100mmの範囲の長さを有する。一部の実施形態では、n型層は、隣接するp型層と同一の広がりを持つ又は実質的に同一の広がりを持つ長さを有する。
また、n型層は、290Kの温度で少なくとも約−5μV/K又は少なくとも約−10μV/Kのゼーベック係数を有し得る。一部の実施形態では、n型層は、290Kの温度で少なくとも約−15μV/K又は少なくとも約−20μV/Kのゼーベック係数を有する。一部の実施形態では、n型層は、290Kの温度で少なくとも約−30μV/Kのゼーベック係数を有する。一部の実施形態では、n型層は、290Kの温度で約−5μV/Kから約−35μV/Kの範囲のゼーベック係数を有する。
n型層のゼーベック係数は、nドープしたカーボンナノ粒子の同一性及び荷重により変化し得る。例えば、n型層のゼーベック係数は、n型層のカーボンナノ粒子荷重に反比例し得る。
本明細書に記載の熱電モジュールの一部の実施形態では、pドープ及びnドープしたカーボンナノチューブを含むカーボンナノ粒子は、1つ以上の無機ナノ粒子と置換され得る。一部の実施形態では、無機ナノ粒子は、IV族半導体材料、II/VI族半導体材料又はIII/V族半導体材料若しくはこれらの結合を含む。一部の実施形態では、無機半導体ナノ粒子は、量子ドット及び/又はナノワイヤを含む。真性無機半導体材料には、本明細書に記載のp層及びn層でそれぞれ使用されるpドーパント又はnドーパントが提供され得る。
本明細書に記載の熱電モジュールは、p型層とn型層との間に配置される絶縁層も含む。一部の実施形態では、絶縁層は、電気的に絶縁している。一部の実施形態では、絶縁層は、電気的に絶縁し且つ熱的に絶縁している。一部の実施形態では、熱電モジュールは、複数のp型及びn型層の間に配置される複数の絶縁層を含む。絶縁層は、本明細書に記載の熱電装置のp型層及びn型層が積層構成に配置されることを可能にし得る。
一部の実施形態では、絶縁層は、1つ以上のポリマー材料を含む。本発明の目的と矛盾しない任意のポリマー材料が、絶縁層の製造に使用され得る。ポリマー絶縁層は、限定されないが、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル−三フッ化エチレン(PVDF−TrFE)、ポリフッ化ビニル−テトラフルオロエチレン(PVDF−TFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、又はこれらの混合物若しくは共重合体を含む半結晶ポリマーを含む。熱電モジュールの絶縁層で用いられるPVDF、PVDF−TFE及び/又はPVDF−TrFEの半結晶ポリマーは、β相の増量を示し得る。例えば、絶縁層のPVDF、PVDF−TFE及び/又はPVDF−TrFEは、1.5から2.5のβ/α率を表示し得る。一部の実施形態では、β/α率は、2から2.5である。本明細書で検討されるように、分極処理技術によりβ相結晶を作為的な方向に提供可能であり、それにより絶縁層の圧電及び焦電特性が向上する。
一部の実施形態では、絶縁層は、ポリアクリル酸(PAA)、ポリメタクリル酸(PMA)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)又はこれらの混合物若しくは共重合体を含む。一部の実施形態では、絶縁層は、限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン又はこれらの混合物若しくは共重合体を含むポリオレフィンを含む。
ポリマー絶縁層は、圧電特性を示す粒子も含み得る。例えば、ポリマー絶縁層は、BaTiOの粒子、BiTe粒子、他の無機圧電性粒子又はこれらの混合物を含み得る。BaTiO粒子、BiTe粒子及び/又は他の無機粒子は、本発明の目的と矛盾しない任意のサイズ及び/又は形状を有し得る。BaTiO粒子及びBiTe粒子は、20nmから500nmの範囲の粒度分布を示し得る。更に、圧電性粒子は、本発明の目的と矛盾しない任意の荷重で絶縁層のポリマーに分散され得る。一部の実施形態では、BaTiOの粒子、BiTe粒子及び/又は他の無機圧電性粒子は、5−80重量パーセント又は10−50重量パーセントの量で絶縁層に存在するナノ粒子である。本明細書に記載のように、絶縁層の圧電性粒子は、本明細書に記載の熱電モジュールの圧電及び/又は焦電特性を更に向上させるために電気的に分極され得る。
代替的に、一部の実施形態では、絶縁層は、無機又はセラミック材料から形成され得る。一部の実施形態では、絶縁層は、遷移金属酸化物粒子を含む、金属酸化物粒子から形成される。また、適切な金属酸化物粒子は、圧電特性も示し得る。一実施形態では、例えば、絶縁層は、電気的に分極され得るBaTiO粒子から形成される。
絶縁層は、本発明の目的と矛盾しない任意の所望の厚みを有し得る。一部の実施形態では、絶縁層は、少なくとも約50nmの厚みを有する。一部の実施形態では、絶縁層は、少なくとも約75nm又は少なくとも約100nmの厚みを有する。一部の実施形態では、絶縁層は、約5nmから約50μmの範囲の厚みを有する。
絶縁層は、本発明の目的と矛盾しない任意の所望の長さを有し得る。一部の実施形態では、絶縁層は、絶縁層が間に配置されるp型及びn型層の長さと実質的に一致する長さを有する。一部の実施形態では、絶縁層は、少なくとも約1μm又は少なくとも約10μmの長さを有する。一部の実施形態では、絶縁層は、少なくとも約100μm又は少なくとも約500μmの長さを有する。絶縁層は、約1μmから約100μmの範囲の長さを有し得る。
一部の実施形態では、本明細書に記載の熱電モジュールは、複数のp型層及び複数のn型層を含む。熱電モジュールは、本発明の目的と矛盾しない任意の数のp型層及びn型層を含み得る。一部の実施形態では、p型層及びn型層は、絶縁層によって分離されて、交互に且つ積層構成で順序付けられる。一部の実施形態では、熱電モジュールは、少なくとも3つのp型層及び少なくとも3つのn型層を含む。一部の実施形態では、熱電モジュールは、少なくとも5つのp型層及び少なくとも5つのn型層を含む。一部の実施形態では、熱電モジュールは、少なくとも10のp型層及び少なくとも10のn型層を含む。一部の実施形態では、熱電モジュールは、少なくとも15のp型層及び少なくとも15のn型層を含む。一部の実施形態では、熱電モジュールは、少なくとも100のp型層及び少なくとも100のn型層を含む。一部の実施形態では、熱電モジュールは、少なくとも1000のp型層及び少なくとも1000のn型層を含む。
1つ以上のp型層及び1つ以上のn型層を含む本明細書に記載の熱電モジュールは、織物の形態を有し得る。織物は柔軟性があり、熱電モジュールを異なる表面形状及び/又は形態を有する様々な基板又はサポートに適用することを可能にする。一部の実施形態では、例えば、熱電モジュールは、湾曲した及び/又は他の平坦でない基板に適用される。更に、熱電モジュールの柔軟性織物の性質により、図8−10に示されたようにモジュールの折り曲げが可能になる。
本明細書に記載の構造を有する熱電装置は、290Kの温度で少なくとも約25μV/Kのゼーベック係数を有し得る。一部の実施形態では、本明細書に記載の熱電モジュールは、290Kの温度で少なくとも約30μV/K又は少なくとも約50μV/Kのゼーベック係数を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載の熱電モジュールは、290Kの温度で少なくとも約75μV/K又は少なくとも約100μV/Kのゼーベック係数を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載の熱電モジュールは、290Kの温度で少なくとも約150μV/K又は少なくとも約175μV/Kのゼーベック係数を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載の熱電モジュールは、290Kの温度で少なくとも約200μV/Kのゼーベック係数を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載の熱電モジュールは、290Kの温度で約25μV/Kから約250μV/Kの範囲のゼーベック係数を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載の熱電モジュールは、290Kの温度で約50μV/Kから約150μV/Kの範囲のゼーベック係数を有する。
本明細書に記載の熱電モジュールは、少なくとも0.5のZTを有し得る。一部の実施形態では、本明細書に記載の熱電モジュールは、少なくとも約0.7又は少なくとも約0.8のZTを有する。一部の実施形態では、本明細書に記載の熱電モジュールは、少なくとも約1又は少なくとも約1.5のZTを有する。一部の実施形態では、本明細書に記載の熱電モジュールは、約0.5から約2.5、約0.5から約2、又は約0.8から約1.5の範囲のZTを有する。一部の実施形態では、本明細書に記載の熱電モジュールは、約1から約1.3の範囲のZTを有する。一部の実施形態では、本明細書に記載の熱電モジュールは、約1から10の範囲のZTを有する。
(VII.熱電物品を作成する方法)
別の態様では、物品を作成する方法が本明細書に記載される。本明細書に記載の物品を作成する方法は、第VI部に記載された任意の物品又は織物を作成するために使用され得る。
一部の実施形態では、物品を作成する方法は、断熱サポートを提供するステップと、断熱サポートの対向する側において熱電モジュールの面を提供するために断熱サポートの周り又は中に熱電モジュールの構造を通すステップとを含む。断熱サポート及び熱電モジュール構造は、第VI部に記載された任意の断熱サポート及び熱電モジュール構造を含み得る。一部の実施形態では、例えば、熱電モジュールの構造は連続的である。更に、連続構造は、pn接合を形成するn型層に結合されるp型層を含んでもよく、絶縁層はp型層及びn型層の間に部分的に配置される。更に、一部の実施形態では、熱電モジュールの面におけるp型層及びn型層は、断熱サポートの反対の側に実質的に平行である。更に、断熱サポートは、1つ以上の織物の繊維であり得る。
更に、本明細書に記載の方法の一部の実施形態では、断熱サポートの周り又は中に熱電モジュールの構造を通すステップは、熱電モジュールの少なくとも1つの面に実質的に垂直に構造の一部を提供することを更に含む。
更に、一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、1つ以上の電気接続を提供するステップと、(複数の)電気接続に熱電モジュールを電気的に接続するステップとを更に含む。電気接続は、第VI部に記載された任意の電気接続を含み得る。例えば、一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、断熱サポートの1つ以上の電気接点を介する場合を含み、熱電モジュールを電気的に並列に接続するステップを更に含む。
本明細書に記載の方法の様々なステップは、本発明の目的と矛盾しない任意の方式で行われ得る。一部の実施形態では、例えば、方法のステップは、3Dプリント、ピエゾプリント、スプレープリント、及び射出プリントの1つ以上を使用して実行される。このようなプリント方法は、例えば、必要に応じて、1つ以上の電気接続を提供するために使用され得る。
(VIII.電気エネルギを生成する方法)
別の態様では、電気エネルギを生成する方法が本明細書に記載される。一部の実施形態では、電気エネルギを生成する方法は、断熱サポートと断熱サポートの対向する側において熱電モジュールの面を提供するために断熱サポートの周り又は中を通る構造から形成される熱電モジュールとを備える物品を提供するステップを含む。熱エネルギは、熱電モジュールを横断して電圧を誘導するために熱電モジュールにより吸収される。更に、一部の実施形態では、物品の熱電モジュールは、物品の機械的変動又は応力に応じて電気エネルギの生成を可能にする圧電/焦電特性を示す。第VI部に記載された物品は、本明細書に記載の方法で使用されてもよい。
こうした及び他の実施形態は、以下の非限定的な例示により更に示される。
例1.熱電装置
第1のp型層は、17.5mlのジメチルアクリルアミド(DMA)が添加された35mgの単層カーボンナノチューブ(SWNT)を提供することにより製作された。結果として生じた混合物は、1時間の間、高エネルギ超音波処理された。全固形物ベースで混合物のSWNT20重量パーセントになる量の、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)が混合物に加えられた。結果として生じたSWNT/PVDF/DMA混合物は、1時間にわたり、高エネルギ超音波処理された。
75mmx45mmの寸法を有するスライドガラスがメタノールで消毒されて、90°Cでホットプレートに配置された。SWNT/PVDF/DMA混合物はスライドに均一に注がれて、DMAは蒸発させられた。乾燥したSWNT/PVDFフィルムは、アニーリングのため12時間にわたり100°Cでオーブンに入れられた。その後、スライドがオーブンから取り除かれて、SWNT/PVDFフィルム上にメタノールが注がれた。SWNT/PVDFフィルムは、スライドガラスから慎重に取り除かれ、脱イオン水で洗われて乾燥させられた。
第2のp型層が、上述の手順に従って作成された。更に、n型層が上述の手順に従って作成されたが、nドープしたカーボンナノチューブがDMA及びPVDFと結合された点が異なる。
2つの絶縁層が、以下の手順に従って作成された。600mgのポリプロピレン(PP)が、0.025mlのDMA対1mgのポリプロピレン粉末の比率でDMAに加えられた。結果として生じた混合物は、PP粉末がDMAに溶解されるまで超音波処理された。75mmx45mmの寸法を有するスライドガラスがメタノールで消毒されて、90°Cでホットプレートに配置された。PP/DMA混合物はスライドに均一に注がれて、DMAは蒸発させられた。結果として生じたPPフィルム上にメタノールが注がれて、PPフィルムはスライドガラスから慎重に取り除かれた。
2つのp型層、n型層及び2つの絶縁層は、続いて、図5に示された熱電装置を提供するように結合された。結果として生じた熱電装置は、装置の様々なコンポーネントの例示のために図5において拡張された。
本発明の様々な実施形態は、本発明の様々な目的の履行として記載されている。こうした実施形態は、本発明の原理の単なる例示であることを理解されたい。発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者には多くの修正及びその適応が容易に明らかであろう。

Claims (57)

  1. pn接合を提供するために少なくとも1つのn型層に結合される少なくとも1つのp型層と、
    前記p型層及び前記n型層の間に少なくとも部分的に配置される絶縁層と
    を備え、前記p型層は第1のポリマーマトリクスに配置されるカーボンナノ粒子を含み、前記n型層は第2のポリマーマトリクスに配置されるnドープしたカーボンナノ粒子を含み、前記第1のポリマーマトリクス、前記第2のポリマーマトリクス及び絶縁層の少なくとも1つが電気的に分極したポリマーを含む、熱電装置。
  2. 前記電気的に分極したポリマーは、複数の非ランダムに配向された電気双極子又は電気双極子領域を含む、請求項1に記載の熱電装置。
  3. 前記電気的に分極したポリマーは、電気双極子場、圧電特性、焦電特性又はこれらの組み合わせを示す、請求項1に記載の熱電装置。
  4. 前記電気双極子場は、前記装置における電流フローの軸に平行に又は実質的に平行に配向される、請求項3に記載の熱電装置。
  5. 前記絶縁層は、電気的に分極した圧電性粒子を含む、請求項1に記載の熱電装置。
  6. 前記圧電性粒子は、無機粒子を含む、請求項5に記載の熱電装置。
  7. 前記無機粒子は、チタン酸バリウム、テルル化ビスマス又はこれらの混合物を含む、請求項6に記載の熱電装置。
  8. 前記圧電性粒子は、ポリマーマトリクスに分散される、請求項5に記載の熱電装置。
  9. 前記ポリマーマトリクスは、電気的に分極されない、請求項8に記載の熱電装置。
  10. 前記p型層、前記n型層又は両方が、焦電場を示す、請求項1に記載の熱電装置。
  11. 前記焦電場は、前記装置における電流フローの軸に平行に又は実質的に平行に配向される、請求項10に記載の熱電装置。
  12. 前記電気的に分極したポリマーは、半結晶ポリマーを含む、請求項1に記載の熱電装置。
  13. 前記電気的に分極したポリマーは、フッ素重合体を含む、請求項1に記載の熱電装置。
  14. 前記フッ素重合体は、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル−三フッ化エチレン、ポリフッ化ビニル−テトラフルオロエチレン、又はこれらの混合物を含む、請求項13に記載の熱電装置。
  15. 前記フッ素重合体は、1.5−2.5のβ/α相率を示す、請求項14に記載の熱電装置。
  16. 前記p型層のナノ粒子は5−95重量パーセントの量で前記第1のポリマーマトリクスに存在し、前記n型層のナノ粒子は5−95重量パーセントの量で前記第2のポリマーマトリクスに存在する、請求項1に記載の熱電装置。
  17. 前記pn接合は、界面遷移領域を含む、請求項1に記載の熱電装置。
  18. 前記界面遷移領域は、前記p型層のカーボンナノ粒子及び前記n型層のカーボンナノ粒子の異種混合物を含む、請求項17に記載の熱電装置。
  19. 複数のpn接合を提供する複数のn型層に結合される複数のp型層と、前記p型層及び前記n型層の間に少なくとも部分的に配置される絶縁層とを備える、請求項1に記載の熱電装置。
  20. 前記p型層のカーボンナノ粒子は、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、フラーレン又はこれらの混合物を含む、請求項1に記載の熱電装置。
  21. 前記p型層のカーボンナノ粒子は、ホウ素を含む、請求項20に記載の熱電装置。
  22. 前記ホウ素は、約0.1重量パーセントから約30重量パーセントの範囲の量で前記カーボンナノ粒子に存在する、請求項21に記載の熱電装置。
  23. 前記n型層のnドープしたカーボンナノ粒子は、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、フラーレン又はこれらの混合物を含む、請求項1に記載の熱電装置。
  24. 前記nドープしたカーボンナノ粒子は、窒素を含む、請求項23に記載の熱電装置。
  25. 前記窒素は、約0.1重量パーセントから約30重量パーセントの範囲の量で前記カーボンナノ粒子に存在する、請求項24に記載の熱電装置。
  26. 前記絶縁層は、電気的に絶縁したポリマー材料を含む、請求項1に記載の熱電装置。
  27. 前記電気的に絶縁したポリマー材料は、ポリオレフィン、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル−三フッ化エチレン(PVDF−TrFE)、ポリフッ化ビニル−テトラフルオロエチレン(PVDF−TFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、又はこれらの混合物若しくは共重合体から成るグループから選択される、請求項26に記載の熱電装置。
  28. 前記p型層のカーボンナノ粒子はpドープした無機ナノ粒子で置換され、前記n型層のnドープしたカーボンナノ粒子はnドープした無機ナノ粒子で置換される、請求項1に記載の熱電装置。
  29. 少なくとも0.5のZTを有する、請求項15に記載の熱電装置。
  30. 第1のポリマーマトリクスに配置されるカーボンナノ粒子を含む少なくとも1つのp型層を提供するステップと、
    第2のポリマーマトリクスに配置されるnドープしたカーボンナノ粒子を含む少なくとも1つのn型層を提供するステップと、
    前記p型層及び前記n型層の間に絶縁層を配置するステップと、
    pn接合を提供するために前記p型層及び前記n型層を結合するステップと
    を含み、前記第1のポリマーマトリクス、第2のポリマーマトリクス及び絶縁層の少なくとも1つが電気的に分極される、熱電装置を作成する方法。
  31. 前記絶縁層は、電気的に分極した圧電性粒子を含む、請求項30に記載の方法。
  32. 前記圧電性粒子は、無機粒子を含む、請求項31に記載の方法。
  33. 前記無機粒子は、チタン酸バリウム、テルル化ビスマス又はこれらの混合物を含む、請求項32に記載の方法。
  34. 前記圧電性粒子は、ポリマーマトリクスに分散される、請求項31に記載の方法。
  35. 前記ポリマーマトリクスは、電気的に分極されない、請求項34に記載の方法。
  36. 断熱サポートと、
    前記断熱サポートの対向する側において熱電モジュールの面を提供するために前記断熱サポートの周り又は中を通る構造から形成される熱電モジュールと
    を含む、物品。
  37. 前記熱電モジュールの前記構造は連続的である、請求項36に記載の物品。
  38. 連続的な前記構造は、pn接合を形成するn型層に結合されるp型層を含み、絶縁層が前記p型層及び前記n型層の間に部分的に配置される、請求項37に記載の物品。
  39. 前記熱電モジュールの前記面におけるp型層及びn型層は、前記断熱サポートの前記対向する側に実質的に平行である、請求項38に記載の物品。
  40. 前記断熱サポートは、織物の1つ以上の繊維である、請求項36に記載の物品。
  41. 前記断熱サポートの周り又はその中を通る前記熱電モジュール構造の一部が、少なくとも1つの前記熱電モジュールの面に実質的に垂直である、請求項36に記載の物品。
  42. 連続的な前記構造は、導電性である、請求項37に記載の物品。
  43. 前記熱電モジュールは、電気的に並列に接続される、請求項36に記載の物品。
  44. 1つ以上の繊維と、
    前記繊維の対向する側において熱電モジュールの面を提供するために前記繊維の周り又は中を通る構造から形成される熱電モジュールと
    を含む、織物。
  45. 前記熱電モジュールの構造は連続的である、請求項44に記載の織物。
  46. 連続的な前記構造は、pn接合を形成するn型層に結合されるp型層を含み、絶縁層が前記p型層及び前記n型層の間に部分的に配置される、請求項45に記載の織物。
  47. 前記熱電モジュールの前記面におけるp型層及びn型層は、前記繊維の前記対向する側に実質的に平行である、請求項46に記載の織物。
  48. 断熱サポートを提供するステップと、
    前記断熱サポートの対向する側において熱電モジュールの面を提供するために前記断熱サポートの周り又は中に熱電モジュールの構造を通すステップと
    を含む、物品を作成する方法。
  49. 前記熱電モジュールの前記構造は連続的である、請求項48に記載の方法。
  50. 連続的な前記構造は、pn接合を形成するn型層に結合されるp型層を含み、絶縁層が前記p型層及び前記n型層の間に部分的に配置される、請求項49に記載の方法。
  51. 前記熱電モジュールの前記面におけるp型層及びn型層は、前記断熱サポートの前記対向する側に実質的に平行である、請求項50に記載の方法。
  52. 前記断熱サポートは、織物の1つ以上の繊維である、請求項48に記載の方法。
  53. 前記断熱サポートの周り又は中に熱電モジュールの構造を通すステップは、少なくとも1つの前記熱電モジュールの面に実質的に垂直に前記構造の一部を提供することを更に含む、請求項48に記載の方法。
  54. 連続的な前記構造は、導電性である、請求項49に記載の方法。
  55. 前記熱電モジュールを電気的に並列に接続するステップを更に含む、請求項48に記載の方法。
  56. 断熱サポートと、前記断熱サポートの対向する側において熱電モジュールの面を提供するために前記断熱サポートの周り又は中を通る構造から形成される熱電モジュールとを備える物品を提供するステップと、
    電圧を発生させるために前記熱電モジュールに沿って温度勾配を誘導するステップと
    を含む、電気エネルギを生成する方法。
  57. 前記熱電モジュールの圧電応答を介して電圧を発生させるために前記物品に1つ以上の機械的応力を受けさせるステップを更に含む、請求項56に記載の方法。
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