[実施例1]
<画像形成装置>
図1は、本実施例に係る画像形成装置の構成概略図である。光走査手段である光走査装置400内のレーザ駆動部300は、画像信号生成部100から出力された画像信号および制御部200から出力される制御信号に基づき、破線の矢印410で示す走査光(レーザ光)を感光ドラム500に向けて発する。そして、不図示の帯電手段により帯電された感光ドラム(感光体)500をレーザ光410で走査し、感光ドラム500の表面に潜像を形成する。そうして形成された潜像に不図示の現像手段によってトナーを付着させ、潜像に対応したトナー像を形成する。トナー像は、給紙ユニット900から給送されローラ600で感光ドラム500と接触する位置に搬送された紙等の記録媒体に転写される。記録媒体に転写されたトナー像は、定着器700で記録媒体に熱定着され、排紙ローラ800を経て、機外に排出される。
<光走査装置>
図2は、本実施例に係る光走査装置400の断面図であり、図2(a)は主走査断面を、図2(b)は副走査断面を示している。
本実施例において、光源401から出射したレーザ光(光束)410は、開口絞り402によって楕円形状に整形されてカップリングレンズ403に入射する。カップリングレンズ403を通過した光束は、略平行光に変換されて、アナモフィックレンズ404に入射する。なお、略平行光とは、弱収束光及び弱発散光を含むものである。アナモフィックレンズ404は、主走査断面内において正の屈折力を有しており、入射する光束を主走査断面内においては収束光に変換している。また、アナモフィックレンズ404は、副走査断面内において偏向器405の偏向面405aの近傍に光束を集光しており、主走査方向に長い線像を形成している。
そして、アナモフィックレンズ404を通過した光束は、偏向器(ポリゴンミラー)405の偏向面(反射面)405aにて反射される。反射面405aで反射した光束は、走査光として、結像レンズ406を透過し、感光ドラム500の表面に入射する。結像レンズ406は結像光学素子である。本実施例においては、単一の結像光学素子(結像レンズ406)のみで結像光学系が構成されている。結像レンズ406を通過(透過)した光束が入射する感光ドラム500の表面は、光束によって走査される被走査面407である。結像レンズ406によって被走査面407上で光束が結像し、所定のスポット状の像(スポット)を形成する。偏向器405を不図示の駆動部により矢印A方向に一定の角速度で回転させることにより、被走査面407上でスポットが主走査方向に移動し、被走査面407上に静電潜像を形成する。なお、主走査方向とは、感光ドラム500の表面に平行で且つ感光ドラム500の表面の移動方向に直交する方向である。副走査方向とは、主走査方向及び光束の光軸に直交する方向である。
ビームディテクト(以下、BDと称す)センサ409とBDレンズ408は、被走査面407上に静電潜像を書き込むタイミングを決定する同期用光学系である。BDレンズ408を通過した光束は、フォトダイオードを含むBDセンサ409に入射し検知される。BDセンサ409により光束を検知したタイミングに基づいて、書き込みタイミングの制御を行う。
光源401は、半導体レーザチップである。本実施例に係る光源401は1つの発光部を備えている構成である。しかしながら、光源401として、独立して発光制御可能な複数の発光部を備えていてもよい。複数の発光部を備える場合も、そこから発生する複数の光束は、それぞれカップリングレンズ403、アナモフィックレンズ404、偏向器405、結像レンズ406を経由して被走査面407へ到達する。被走査面407上では副走査方向にずれた位置に各光束に対応するスポットがそれぞれ形成される。
なお、上述した光源401、カップリングレンズ403、アナモフィックレンズ404、結像レンズ406、偏向器405等の各種光学部材は、筐体(光学箱)に収納される。
<結像レンズ>
図2に示すように、結像レンズ406は、入射面(第1面)406a及び出射面(第2面)406bの2つの光学面(レンズ面)を有する。結像レンズ406は、主走査断面内において、偏向面405aにて偏向された光束を、被走査面407上を所望の走査特性で走査させる構成となっている。また、結像レンズ406は、被走査面407上でのレーザ光410のスポットを所望の形状にする構成となっている。また、結像レンズ406により、副走査断面内においては、偏向面405aの近傍と被走査面407の近傍とが共役の関係となっている。これにより、面倒れを補償(偏向面405aが倒れた際の被走査面407上での副走査方向の走査位置ずれを低減すること)する構成となっている。
なお、本実施例に係る結像レンズ406は、射出成形によって形成されたプラスチックモールドレンズであるが、結像レンズ406としてガラスモールドレンズを採用してもよい。モールドレンズは、非球面形状の成形が容易であり、かつ大量生産に適しているため、結像レンズ406としてモールドレンズを採用することで、その生産性及び光学性能の向上を図ることができる。
結像レンズ406は、所謂fθ特性を有していない。つまり、偏向器405が等角速度で回転している時に、結像レンズ406を通過する光束のスポットを被走査面407上で等速に移動させるような走査特性を有していない。このように、fθ特性を有さない結像レンズ406を用いることにより、結像レンズ406を偏向器405に近接して(距離D1が小さい位置に)配置することが可能となる。また、fθ特性を有さない結像レンズ406は、fθ特性を有する結像レンズよりも、主走査方向(幅LW)及び光軸方向(厚みLT)に関して小さくできる。これにより、光走査装置400の筐体の小型化が可能になる。また、fθ特性を有するレンズの場合、主走査断面で見た時のレンズの入射面、出射面の形状に急峻な変化がある場合があり、そのような形状の制約によって良好な結像性能を得られない可能性がある。これに対して、fθ特性を有さない結像レンズ406では、主走査断面で見た時のレンズの入射面、出射面の形状に急峻な変化が少ない為、良好な結像性能を得ることができる。
このような、fθ特性を有さない結像レンズ406の走査特性は、以下の式(1)で表される。
上記式(1)では、偏向器405による走査角度(走査画角)をθ、光束の被走査面407上での主走査方向の集光位置(像高)をY[mm]、軸上像高における結像係数をK[mm]、結像レンズ406の走査特性を決定する係数(走査特性係数)をBとしている。なお、本実施例において、軸上像高は、光軸上の像高(Y=0=Ymin)を指し、走査角度θ=0に対応する。また、軸外像高は、中心光軸(走査角度θ=0の時)よりも外側の像高(Y≠0)を指し、走査角度θ≠0に対応している。さらに、最軸外像高とは、走査角度θが最大(最大走査画角)となる時の像高(Y=+Ymax、−Ymax)を指す。なお、被走査面407上の潜像を形成可能な所定の領域(走査領域)の主走査方向の幅である走査幅WはW=|+Ymax|+|−Ymax|で表される。所定の領域の中央部が軸上像高で端部が最軸外像高となる。
ここで、結像係数Kは、結像レンズ406に平行光が入射する場合の走査特性(fθ特性)Y=fθにおけるfに相当する係数である。すなわち、結像係数Kは、結像レンズ406に平行光以外の光束が入射する場合に、fθ特性と同様に集光位置Yと走査角度θとを比例関係にするための係数である。
走査特性係数について補足すると、B=0の時の上記式(1)は、Y=Kθとなるため、従来の光走査装置に用いられるfθ特性を有する結像レンズの走査特性Y=fθに相当する。また、B=1の時の上記式(1)は、Y=Ktanθとなるため、撮像装置(カメラ)などに用いられるレンズの射影特性Y=ftanθに相当する。すなわち、上記式(1)において、走査特性係数Bを0≦B≦1の範囲で設定することで、射影特性Y=ftanθとfθ特性Y=fθとの間の走査特性を得ることができる。
ここで、上記式(1)を走査角度θで微分すると、次の式(2)に示すように走査角度θに対する被走査面407上での光束の走査速度が得られる。
さらに、上記式(2)を軸上像高における速度dY/dθ=Kで除すると、次の式(3)のようになる。
上記式(3)は、軸上像高の走査速度に対する各軸外像高の走査速度のずれ量(部分倍率)を表現したものである。本実施例に係る光走査装置400は、B=0の場合以外においては、軸上像高と軸外像高とで光束の走査速度が異なっていることになる。
図3は、被走査面407上での走査位置をY=Kθの特性でフィッティングした際の、像高と部分倍率との関係を示している。本実施例においては、上記式(1)に示した走査特性を結像レンズ406に与えたことで、図3に示すように、軸上像高から軸外像高に向かうにつれて部分倍率が大きくなっている。これは、軸上像高から軸外像高に向かうにつれて徐々に走査速度が速くなるためである。例えば部分倍率30%は、単位時間だけ光照射した場合、被走査面407での主走査方向の照射長が、1.3倍となることを意味している。従って、画像クロックの周期によって決めた一定の時間間隔で主走査方向の画素幅を決めると、軸上像高と軸外像高とで画素密度が異なってしまうことになる。
また、像高Yが、軸上像高から離れて最軸外像高に近づくに連れて(像高Yの絶対値が大きくなる程)、徐々に走査速度が速くなる。これにより、被走査面407上の像高が軸上像高付近の時に単位長さ分を走査するのにかかる時間よりも、像高が最軸外像高付近の時に単位長さ分を走査するのにかかる時間の方が短くなる。これは、光源401の発光輝度が一定の場合、像高が軸上像高付近の時の単位長さ辺りの総露光量よりも、像高が最軸外像高付近の時の単位長さ辺りの総露光量の方が少なくなることを意味する。つまり、1dotあたり同じ濃度の画像を印字しようとした場合、軸上像高付近の画像に対し、最軸外像高付近の画像の濃度は落ちることになる。
このように、上述のような光学構成を有する場合、主走査方向に関する部分倍率、及び、単位長さ辺りの総露光量のばらつきが、良好な画質を維持する為に望ましくない影響を及ぼす可能性がある。そこで本実施例では、良好な画質を得る為に、上述した部分倍率の補正と、単位長さ当たりの画像濃度を補正するための濃度補正とを行う。
特に、偏向器405から感光ドラム500までの光路長が短くなる程、画角が大きくなるため、上述した軸上像高と最軸外像高との間における走査速度の差が大きくなる。一般的に、最軸外像高における走査速度が軸上像高におけるそれの120%以上であるような走査速度の変化率が20%以上の光学構成となる。このような光学構成の場合、主走査方向に関する部分倍率、及び、単位長さ辺りの総露光量のばらつきの影響を受け良好な画質の維持が難しくなる。
なお、走査速度の変化率C(%)は、最も遅い走査速度をVmin、最も速い走査速度をVmaxとすると、C=((Vmax−Vmin)/Vmin)*100で表される値である。本実施例の光学構成では、軸上像高(走査領域の中央部)で最も遅い走査速度となり、最軸外像高(走査領域の端部)で最も速い走査速度となる。
なお、画角が52°以上の光学構成の場合、走査速度の変化率が35%以上となることがわかっている。画角が52°以上となる条件としては以下に示す通りである。例えば、主走査方向に関してA4シートの短辺の幅の潜像を形成する光学構成の場合、走査幅W=214mm、走査画角が0°の時の偏向面405aから被走査面407までの光路長D2(図2参照)=125mm以下である。主走査方向に関してA3シートの短辺の幅の潜像を形成する光学構成の場合、走査幅W=300mm、走査画角が0°の時の偏向面405aから被走査面407までの光路長D2(図2参照)=247mm以下である。このような光学構成を有する画像形成装置では、以下に説明する本実施例の構成を採用することで、fθ特性を有さない結像レンズを使用した場合であっても、良好な画質を得ることが可能となる。
<露光制御>
図4は、上述のfθ特性を有さない結像レンズを採用した光学構成を有する画像形成装置における、露光制御を担う部分の詳細を示すブロック図である。画像信号生成部100は、画像変調部101、CPU102、及びCPUバス103で構成され、不図示のホストコンピュータより印字情報を受け取り、画像データ(画像信号)に対応するVDO信号を生成する。また、画像信号生成部100は、ドットサイズ補正手段としての機能も有する。画像信号生成部100が有する機能は、CPU102が、ROM等(不図示)に格納されたプログラムに従って画像変調部101を制御することで実現される。制御部200は、画像形成装置全体の制御を司るほか、濃度を補正するために光源401の光量調整を行う。レーザ駆動部300は、上述のVDO信号に基づいて電流を光源401に供給することにより、光源401を発光させる。
画像信号生成部100は、画像形成のための画像信号の出力の準備が整った段階で、シリアル通信110を通じて、制御部200に印字開始の指示を送る。当該指示を受けて制御部200は、印字準備が整い次第、副走査同期信号であるTOP信号と、主走査同期信号であるBD信号とを画像信号生成部100に送る。上記2種類の同期信号を受け取った画像信号生成部100は、所定タイミングで上述のVDO信号をレーザ駆動部300に出力する。
制御部200のCPU201は、メモリ301を読み出し可能であり、メモリ301は、図3に示した像高における変倍率を示す部分倍率特性情報を格納している。
図5は、記録媒体1ページ分に相当する画像形成動作を行った際の上記2種類の同期信号と、画像信号とのタイミングチャートである。図5において、左から右に向かって時間が経過する。TOP信号の「HIGH」は、記録媒体の先端が所定の位置に到達したことを表す。画像信号生成部100は、TOP信号の「HIGH」を受信すると、BD信号に同期して、VDO信号を出力する。このVDO信号に基づいて、光源401が発光し感光ドラム500に潜像が形成される。
なお、図5では、簡略化の為、VDO信号が複数のBD信号を跨いで連続的に出力されているように図示している。しかしながら、実際には、VDO信号はBD信号が出力されてから次のBD信号が出力されるまでの間のうちの所定の期間に出力されるものである。
<部分倍率の補正>
次に、部分倍率の補正方法について説明する。その説明に先立ち、部分倍率の要因及び補正原理について説明する。図6は、BD信号とVDO信号とのタイミング、及び、被走査面407上の潜像により形成したドットイメージを示す図である。
画像信号生成部100は、受信したBD信号の立ち上がりエッジで、感光ドラム500の左端から所定の距離だけ離れた指定位置に潜像を形成できるよう、所定タイミング後にVDO信号を送信する。そして、VDO信号に基づき光源401が発光し、被走査面407上にVDO信号に応じた潜像が形成される。
以下では、VDO信号に基づき、軸上像高及び最軸外像高において同じ期間だけ光源401を発光させてドットの潜像を形成した場合について説明する。ここで、ドットのサイズは600dpiの1ドット(主走査方向42.3um)に相当する。光走査装置400は、上述したように、被走査面407上の中央部(軸上像高)に比べて、端部(最軸外像高)の走査速度は速いという特性の光学構成を有する。図6において、補正前では、軸上像高の潜像(ドット1)に比べて、最軸外像高の潜像(ドット2)が主走査方向に肥大している。そこで本実施例では、部分倍率補正として、主走査方向の位置に応じてVDO信号の周期や時間幅を補正する。即ち、最軸外像高における発光時間間隔を軸上像高の発光時間間隔と比べて短くし、最軸外像高におけるドットサイズを小さくして潜像(ドット2’)のようにし、軸上像高の潜像(ドット1)と同等のサイズに補正している。このような部分倍率補正によって、主走査方向に関して、実質的に等間隔に各画素に対応するドット形状の潜像を形成することができる。
<画像変調部の構成>
図7は、本実施例に係る画像変調部101の内部構成を示すブロック図である。
ハーフトーン処理部122は、ホストコンピュータ(不図示)から受信した多値パラレル8ビットの画像信号に対しスクリーンを用いたディザ法などによるハーフトーン処理を行う。これにより、ホストコンピュータから受信した画像信号は、画像形成装置で濃度表現可能な画像信号(ここでは、多値パラレル4ビットの画像信号)に変換される。ハーフトーン処理部122には、各像高に応じた濃度補正値に対応する複数のスクリーンが格納されている。ハーフトーン処理部122は、スクリーン切替処理部121から出力される制御信号143に基づき、複数のスクリーンの中から、1走査内の画像出力位置(像高)に応じたスクリーンを選択し、当該選択したスクリーンを用いてハーフトーン処理を行う。
PWM変換処理部123は、入力されるハーフトーン処理後の多値パラレル4ビットの画像信号に対するパルス幅変調処理(以下、PWM変換処理)を行い、また、そのためのPWM変換テーブルを格納している。PWM変換処理部123において、PWM変換処理を行うことにより、画像信号を画像形成装置で印字するためのレーザのON/OFFに相当する情報に変換する。ここではPWM変換処理として、1画素を16分割する構成、すなわち1画素を16ビットに変換する処理を行うことを想定して説明する。もちろん1画素を32分割やその他の分割数にする構成としても良い。
PS変換部124は、パラレル−シリアル変換部であり、PWM変換処理部123から入力したパラレル16ビットの信号129をシリアル信号に変換する。
画素片挿抜制御部125は、入力されたシリアル信号130に対する、1/16画素単位での画素の挿入または抜去の制御処理を行う。画素片挿抜処理については、図8を用いて後述する。
PLL部127は、1画素に相当するクロック(VCLK)の周波数を16倍に逓倍したクロック(VCLK×16)を生成し、PS変換部124および画素片挿抜制御部125に供給する。
<画素片挿抜処理>
図8は、PS変換部124から出力されるシリアル信号に対して、画素片が挿抜される様子を説明する図であり、図8(a)は画素片を挿入して画像を伸ばす例を、図8(b)は画素片を抜去して画像を短くする例を示している。
図8(a)は、部分倍率を8%増やす例を示している。100個の連続する画素片群に対し、均等又は略均等な間隔で、計8個の画素片を挿入することで、部分倍率を8%増やすように画素幅を変更して潜像を主走査方向に伸ばすことができる。図8(b)は、部分倍率を7%減らす例を示している。100個の連続する画素片群に対し、均等又は略均等な間隔で、計7個の画素片を抜去することで、部分倍率を7%減らすように画素幅を変更して潜像を主走査方向に短くすることができる。このように部分倍率補正では、主走査方向の長さが1画素未満の画素片の挿抜によって画素幅を変更することにより、画像データの各画素に対応するドットの潜像を主走査方向に関して実質的に等間隔に形成できるようにする。なお、主走査方向に関して実質的に等間隔とは、部分倍率補正を行った結果、画素間隔に多少のバラつきがあってもよく、各画素が完全に等間隔に配置されている必要がないことを意味している。要は、所定の像高範囲の中で平均的に画素間隔が等間隔となっていればよい。
上述したように、均等又は略均等な間隔で画素片を挿入又は抜去する場合、隣り合う2つの画素同士で画素を構成する画素片の数を比較すると、画素を構成する画素片数の差は0又は1となる。このため、元の画像データと比較した時の主走査方向の画像濃度のバラつきを抑えられるので、良好な画質を得ることができる。また、画素片を挿入、又は、抜去する位置は、主走査方向に関して、全ての走査線(ライン)において同じ位置としてもよいし、走査線毎に位置をずらしてもよい。
また既に述べたように、走査速度は像高Yの絶対値が大きくなるほど速くなる。このため部分倍率補正では、像高Yの絶対値が大きくなるほど画像が短くなるよう(1画素の長さが短くなるよう)画素片の挿入及び/又は抜去を行う。このようにして、主走査方向に関して実質的に等間隔に各画素に対応する潜像を形成し、適切に部分倍率を補正することができる。
<ハーフトーン処理及びPWM変換処理>
図9は、本実施例におけるハーフトーン処理、及び、PWM変換処理について説明する図である。
図9(a)はハーフトーン処理を行った場合の出力結果の例を示す図である。本実施例では、主走査3画素、副走査3画素の200線のマトリクス153で濃度表現を行うものとする。図9(a)中の白い部分が光源401を発光させない(オフ)部分で、黒い部分が光源401を発光させる(オン)部分である。マトリクス153は階調毎に設けられており、矢印で示す順に階調が上がっていく(濃度が濃くなる)。
また、図9(b)は、図9(a)に比べて、出力する画像の濃度が薄くなるスクリーンを使用してハーフトーン処理を行った場合の出力結果の例を示す。
また、図9(c)は、図9(b)に比べて、出力する画像の濃度が薄くなるスクリーンを使用してハーフトーン処理を行った場合の出力結果の例を示す。
ハーフトーン処理部122は、入力される8ビットの画像データに対し、図9(a)から図9(c)に示すように複数の濃度に変換可能なスクリーンを用いてハーフトーン処理を行い、4ビットの画像データを出力する。また、図9(a)から図9(c)のハーフトーン処理は、スクリーン切替処理部121の制御により1走査内で像高に応じて切り替え可能である。
図9(d)は、PWM変換処理部123がPWM変換処理を行う際に用いるルックアップテーブル(以下、PWM_LUT)の一例を示す図である。本実施例における1つの画素157は、被走査面407で600dpiの1ドットを形成するために画像データを区切る単位である。
部分倍率補正する前の状態において、1画素は1画素の1/16の幅の画素片16個で構成され、画素片毎に光源401による発光のオン・オフを切り替えられる。つまり、1画素で16ステップの階調を表現可能である。図9(d)において、縦軸の値はハーフトーン処理部122から入力される4ビットの画像データ、つまり0から15のいずれかの値を表している。PWM変換処理部123は、この4ビットの画像データを、図9(d)に示すPWM_LUTを用いて16ビットの画像データに変換し出力する。例えば入力画像データが“1”の場合には、”0000000110000000”が出力される。入力画像データが“13”の場合には、“0111111111111110”が出力される。
本実施例では、図9(a)から図9(c)に示すように、3つのスクリーンを使用する場合について説明するが、スクリーンの数は3つに限らない。スクリーンの数が多ければ多いほど、より細かな濃度の調整が可能となる。
<入力から出力までのイメージ図>
図10は、画像変調部101に入力される8ビットの画像データに対して実行される処理の様子を示す図である。具体的には、ハーフトーン処理部122及びPWM変換処理部123における処理後、PS変換部124から出力した画像データの例について説明している。
図10(a)はハーフトーン処理部122に入力される多値パラレル8ビットの画像信号の一例を示す図である。各画素は8ビットの濃度情報を有し、画素150の濃度情報はF0h、画素151の濃度情報は80h、画素152の濃度情報は60h、白地部の濃度情報は00hとなっている。
図10(b)はスクリーンの一例を示す。このスクリーンは図9の説明で上述した通り、200線で中央から成長するスクリーンである。
図10(c)は、図9(a)で示すように成長するスクリーンを使用した処理後のパラレル4ビットの画像データに対して、PWM変換処理を施した後の画像信号(パラレル16ビットの信号129)のイメージ図である。上述したように各画素157は、16個の画素片で構成されている。
図10(d)は、図9(c)で示すように成長するスクリーンを使用した処理後のパラレル4ビットの画像データに対して、PWM変換処理を施した後の画像信号(パラレル16ビットの信号129)のイメージ図である。図10(d)を図10(c)と比較すると、図10(d)に示す画像データは濃度が薄くなっている事が分かる。
<像高に応じて異なる出力濃度、及び、像高に応じた濃度補正値の導出>
以下、像高に応じて異なる出力濃度、及び、像高に応じた濃度補正値の導出方法について、図11を用いて説明する。
図11(a)は、上述した部分倍率補正を行い、かつ、像高に応じた濃度補正を行わない場合の例を示す。ここでいう部分倍率補正とは、軸上像高において1画素(42.3μm)分主走査するのに必要な期間T3を基準に、軸上像高から軸外像高にかけて、部分倍率の増加分だけ1画素分に対応する期間を短くする補正である。このとき、輝度(光源401から出力されるレーザ光量)はP3で一定であり、軸上像高から、軸外像高に移るに従って、1画素に対する照射時間が短くなる。具体的に、図3に示す像高に応じた部分倍率を例に挙げて説明すると、1画素に対し同じ値を画像変調部101が出力しても、軸上像高に対し中間像高で0.87倍、最軸外像高で0.74倍と照射時間が短くなる。従って、最終的に画像形成装置によって出力される画像の出力濃度は、軸上像高から離れるほど薄くなってしまう。
本実施例では、上述の像高に応じて出力濃度が異なってくる問題に対処するために、ハーフトーン処理部122及びスクリーン切替処理部121によって像高に応じた濃度補正を行う。
図11(b)は、像高に応じた部分倍率毎の濃度補正をどのようにするかを規定するテーブルである。このテーブルは、部分変倍率1101と、濃度減少率1102と、濃度補正値1103という3つの項目を有する。
部分変倍率1101は、像高に応じた部分変倍率を示す。図11(b)の例では、軸上像高の部分変倍率を0パーセントとした場合に、最軸外像高の部分変倍率が35%である。つまり、軸上像高での走査速度に対し、最軸外像高では走査速度が35%速いことを意味する。
濃度減少率1102は、1画素あたり同じ値で画像出力した場合の濃度比率を示し、部分変倍率1101の各値に対応付けられる値である。濃度減少率1102は、以下の式(4)により算出可能である。
濃度減少率=100/(100+部分変倍率)・・・式(4)
濃度補正値1103は、濃度をどの程度補正して出力すれば良いかを示す比率(割合)であり、部分変倍率1101の各値に対応付けられる値である。図11(b)の例では、最軸外像高の部分変倍率は35%であり、この場合、軸上像高に対し135%の濃度に補正する必要がある。従って、濃度補正値1103は、以下の式(5)により算出可能である。
濃度補正値=(1/濃度減少率)/135・・・式(5)
最軸外像高の濃度補正値を100%にする理由は、最も画像が薄くなってしまう最軸外像高においても濃度が高い画像を出力可能とする必要があるためである。このようにすることで、例えば画像変調部101からの1画素の出力値が“1111111111111111”(16ビットは全て1)の場合に、最軸外像高でも十分な濃度で印字できるようになる。
制御部200は、画像変調部101から出力される1画素の出力値が“1111111111111111”(16ビットは全て1)等の場合に、最軸外像高でも十分な濃度で印字できるよう光量を濃度補正値に基づき調整する。
<処理フロー>
以下、本実施例に係る画像形成装置、即ちfθ特性を有する走査レンズを用いない画像形成装置が実行する濃度補正処理について、図12及び図13を用いて説明する。
図12は、本実施例に係る画像形成装置が実行する濃度補正処理のフローチャートである。なお、図12に示す各手順は、画像形成装置のCPU102及びCPU201がROM等の記憶装置に格納されている制御プログラムを実行することにより実行される。
ステップS1201において、CPU102は、部分倍率特性情報を取得する。部分倍率特性情報について、詳細は後述する(図13参照)。この部分倍率特性情報を取得する処理は、レーザ駆動部300のメモリ301(図4参照)に記憶されている光走査装置400に対する部分倍率特性情報を読み出すことにより行われる。具体的には、制御部200のCPU201がシリアル通信111を介してメモリ301から部分倍率特性情報を読み出し、当該読み出した部分倍率特性情報を画像信号生成部100のCPU102に送ることにより行われる。
ステップS1202において、CPU102は、ステップS1201で取得した部分倍率特性情報に基づき濃度補正値を導出する。濃度補正値の導出方法は、上述したように式(5)により算出しても良いし、或いは、図11(b)に示したようなテーブルを用いても良い。
ステップS1203において、CPU102は、ハーフトーン処理部122に、濃度補正値に応じたスクリーンを設定する。詳細には、CPU102は、濃度補正用データとして、ステップS1202で導出した濃度補正値に応じたスクリーンを作成し、ハーフトーン処理部122に渡す。例えば、最軸外像高に対する、図9(a)に示すように濃く出力するためのスクリーンが作成され、軸上像高に対する、図9(c)に示すように図9(a)よりも薄く出力するためのスクリーンが作成される。
ステップS1204において、CPU102は、ステップS1201で取得した部分倍率特性情報に基づき、ステップS1203で作成した複数のスクリーンのうち、像高に応じてどのスクリーンを使用するかを切り替えるための情報を作成する。当該情報をスクリーン切替情報と呼ぶ。そして、CPU102は、当該作成したスクリーン切替情報に従ってスクリーン切替処理部121を設定する。
尚、メモリ301に記憶される部分倍率特性情報は光走査装置400を組み立て後に、当該組み立てた光走査装置毎に測定することで取得しても良いし、或いは、光走査装置間のバラツキが少ない場合は個別に測定せずに代表的な特性情報として取得しても良い。また、経年変化により光走査装置400に対する部分倍率特性情報が変化することを考え、装置内において部分倍率特性情報を定期的に測定し直しても良い。また、さらに精度を重視する場合は、部分倍率特性情報をジョブ毎に測定し直してもよい。つまり、図12に示す一連の処理を実行する前に、部分倍率特性情報を再測定により更新する。
<スクリーンの切り替え>
図13は、図3に示す特性に基づき作成された部分倍率特性情報を用いて、図12の処理を行った場合に、スクリーンがどのように切り替えられるのかを示す図である。
図中の部分倍率特性情報1300は、図12のステップS1201で取得した部分倍率特性情報の具体例である。本例では最大35%の部分変倍が発生するため、軸上像高で部分変倍率が0%、最軸外像高に近づくにつれて部分変倍率が大きくなり、最軸外像高で部分変倍率が35%となっている。
符号1301は、部分倍率特性情報1300に応じて導出される理想的な濃度補正値である。濃度補正値は上述した通り、ステップS1202において導出される。
符号1302は、ハーフトーン処理部122が十分な数のスクリーンを持つことが可能な場合に、部分倍率特性情報1300に応じてどのスクリーンが使用されるのかを示す。この場合、印字領域内で、像高毎の部分倍率特性情報1300に対応する十分な数のスクリーンを用意できる。従って、スクリーン切替処理部121は、像高に応じた理想的な濃度補正値に対応する好適なスクリーンを使用するよう、スクリーンの切り替え指示をハーフトーン処理部122に送ることとなる。このようなスクリーンの切り替え処理が行われるよう、CPU102は、十分な数(本例では23個)のスクリーンと、スクリーン切替情報とを作成する。当該作成されたスクリーンはハーフトーン処理部122に渡され、また、当該作成されたスクリーン切替情報に従って、スクリーン切替処理部121は設定される。
また、符号1303は、符号1302と違い、ハーフトーン処理部122が十分な数のスクリーンを持つことができない場合に、部分倍率特性情報1300に応じてどのスクリーンが使用されるのかを示す。作成するスクリーンの数が増加すると、スクリーン作成に必要な回路規模も比例的に増大するため、ハーフトーン処理部122が十分な数のスクリーンを持つようにすることは、装置の大型化及びコストの増大を引き起こす。符号1303は、このようなことが原因で十分な数のスクリーンを用意できない場合の対処法を示している。
ここではハーフトーン処理部122がスクリーンを3つしか持てない場合を例に挙げて説明する。濃度補正値1301のうち最大値と最小値との差は26(=100−74)%である。本例では、使用可能なスクリーンの数を3つとしているため、約8.7(=26/3)%区切りの濃度補正値範囲内の像高を1つのスクリーンで処理するように、3つのスクリーンを作成する。
詳細に説明すると、像高1の領域に対する理想的な濃度補正値は100%、像高2の領域に対する理想的な濃度補正値は96%、像高3の領域に対する理想的な濃度補正値は90%である。従って、濃度補正値が8.7%区切り内に収まる像高1の領域及び像高2の領域を1つのスクリーンで処理することとなる。またこのとき、像高1における濃度補正値は100%、像高2における濃度補正値は96%であるため、像高1と像高2とを合わせた領域における濃度補正値はこれらの値の平均を取って98%と算出され、1つ目のスクリーンが作成される。そして、当該作成された1つ目のスクリーンは、ハーフトーン処理部122に渡される。
同様に、像高3から像高5に亘る領域における濃度補正値は87%と算出され、2つ目のスクリーンが作成されて、ハーフトーン処理部122に渡される。同様に、像高6から像高18に亘る領域における濃度補正値は77%と算出され、3つ目のスクリーンが作成されて、ハーフトーン処理部122に渡される。像高19から像高23の領域においても同様、複数の像高に共通する濃度補正値が、各像高の濃度補正値の平均を取ることで算出される。
このように、作成されたスクリーンは、ハーフトーン処理部122に設定される(図12のステップS1203)。そして、像高に応じたスクリーンの切り替えを行うよう、スクリーン切替処理部121に対する設定が行われる(図12のステップS1204)。
なお、上述の方法は、十分な数のスクリーンを用意できない場合の濃度補正値の算出方法の一例である。当然、他の方法を用いても良く、例えば像高及び像高毎の濃度補正値から重み付け演算を行うことで、作成すべきスクリーンに対する濃度補正値を算出しても良い。
以上説明したように、fθ特性を有する走査レンズを用いない場合でも、像高に応じた部分倍率補正、及び、像高に応じた濃度補正を行うことにより、適切な画像を出力することが可能となる。
また、上述の説明では、部分倍率特性情報1300を用いて理想的な濃度補正値1301を導出したが、部分倍率特性情報1300に応じた理想的な濃度補正値を予めレーザ駆動部300を用いて測定することで取得しても良い。レーザ駆動部300での測定により濃度補正値が予め導出・格納されている場合は、ステップS1202における上述の処理の代わりに、CPU102が濃度補正値情報をROM等から読み出すことで、本実施例を実現することができる。
[実施例2]
実施例1では、ハーフトーン処理部122が複数のスクリーンを持ち、像高に応じて使用するスクリーンを切り替えることにより濃度補正を行った。本実施例では、PWM変換処理部123が複数のPWM_LUTを持ち、像高に応じて使用するPWM_LUTを切り替えることにより濃度補正を行う。即ち、本実施例では、実施例1とは別の手段による像高に応じた濃度補正を行う。
特に、スクリーンを使用するハーフトーン処理においては、スクリーンの参照画素数が多くなるほど回路規模が大きくなり、持てるスクリーンの数に制約が出る可能性がある。本実施例に係る濃度補正手段を採用することにより、参照画素数が多いスクリーンを使用する場合と比較してより小さな回路で本発明の画像形成装置を実現する事が可能となる。
尚、以下の説明において、実施例1と共通する内容については、説明を簡略化または割愛する。
<画像変調部の構成>
図14は、本実施例に係る画像変調部101の内部構成を示すブロック図である。実施例1(図7参照)と比較すると、本実施例では、スクリーン切替処理部121が無くなり、PWM_LUT切替処理部142が追加されている。
PWM変換処理部123には、各像高に応じた濃度補正値に対応する複数のPWM_LUTが格納されている。また、PWM変換処理部123は、PWM_LUT切替処理部142から出力される制御信号144に基づき、複数のPWM_LUTの中から1走査内の画像出力位置(像高)に応じたPWM_LUTを選択し、当該選択したPWM_LUTを用いた変換を行う。
<ハーフトーン処理及びPWM変換処理>
図15は、本実施例におけるハーフトーン処理、及び、PWM変換処理について説明する図である。
図15(a)は、図9(a)と同様の、ハーフトーン処理を行った場合の出力結果の例を示す図である。
図15(b)は、図9(d)に示したPWM_LUTと同一である。
図15(c)は、図15(b)と比較して、出力する画像の濃度が薄くなるPWM変換処理を行う際に用いるPWM_LUTの一例を示す。
図15(d)は、図15(c)と比較して、出力する画像の濃度が薄くなるPWM変換処理を行う際に用いるPWM_LUTの一例を示す。
<処理フロー>
以下、本実施例に係る画像形成装置、即ちfθ特性を有する走査レンズを用いない画像形成装置が実行する濃度補正処理について、図16及び図17を用いて説明する。
図16は、本実施例に係る画像形成装置が実行する濃度補正処理のフローチャートである。なお、図16に示す各手順は、画像形成装置のCPU102及びCPU201がROM等の記憶装置に格納されている制御プログラムを実行することにより実行される。
ステップS1601において、CPU102は、部分倍率特性情報を取得する。
ステップS1602において、CPU102は、ステップS1601で取得した部分倍率特性情報に基づき濃度補正値を導出する。
ステップS1603において、CPU102は、PWM変換処理部123に、濃度補正値に応じたPWM_LUTを設定する。詳細には、CPU102は、濃度補正用データとして、ステップS1602で導出した濃度補正値に応じたPWM_LUTを作成し、PWM変換処理部123に渡す。例えば、最軸外像高に対する、図15(b)に示すような濃く出力するためのPWM_LUTが作成され、軸上像高に対する、図15(d)に示すような図15(b)より薄く出力するためのPWM_LUTが作成される。
ステップS1604において、CPU102は、ステップS1601で取得した部分倍率特性情報に基づき、ステップS1603で作成した複数のPWM_LUTのうち、像高に応じてどのPWM_LUTを使用するかを切り替えるための情報を作成する。当該情報をPWM_LUT切替情報と呼ぶ。そして、CPU102は、当該作成したPWM_LUT切替情報に従ってPWM_LUT切替処理部142を設定する。
<PWM_LUTの切り替え>
図17は、図3に示す特性に基づき作成された部分倍率特性情報を用いて、図16の処理を行った場合に、PWM_LUTがどのように切り替えられるのかを示す図である。
図中の部分倍率特性情報1300は、図16のステップS1601で取得した部分倍率特性情報の具体例であり、符号1301は、部分倍率特性情報1300に応じて図16のステップS1602で導出した理想的な濃度補正値である。
符号1702は、PWM変換処理部123が十分な数のPWM_LUTを持つことが可能な場合に、部分倍率特性情報1300に応じてどのPWM_LUTが使用されるのかを示す。この場合、印字領域内で、像高毎の部分倍率特性情報1300に対応する十分な数のPWM_LUTを用意できる。従って、PWM_LUT切替処理部142は、像高に応じた理想的な濃度補正値に対応する好適なPWM_LUTを使用するよう、PWM_LUTの切り替え指示をPWM変換処理部123に送ることとなる。このようなPWM_LUTの切り替え処理が行われるよう、CPU102は、十分な数(本例では23個)のPWM_LUTと、PWM_LUT切替情報とを作成する。当該作成されたPWM_LUTはPWM変換処理部123に渡され、また、当該作成されたPWM_LUT切替情報に従ってPWM_LUT切替処理部142は設定される。
また、符号1703は、符号1702と違い、PWM変換処理部123が十分な数のPWM_LUTを持つことができない場合に、部分倍率特性情報1300に応じてどのPWM_LUTが使用されるのかを示す。作成するPWM_LUTの数が増加すると、PWM_LUT作成に必要な回路規模も比例的に増大するため、PWM変換処理部123が十分な数のPWM_LUTを持つようにすることは、装置の大型化及びコストの増大を引き起こす。符号1703は、このようなことが原因で十分な数のPWM_LUTを用意できない場合の対処法を示している。
ここではPWM変換処理部123がPWM_LUTを3つしか持てない場合を例に挙げて説明する。濃度補正値1301のうち最大値と最小値との差は26(=100−74)%である。本例では、使用可能なPWM_LUTの数を3つとしているため、約8.7(=26/3)%区切りの濃度補正値範囲内の像高を1つのPWM_LUTで処理するように、3つのPWM_LUTを作成する。
詳細には、像高1の領域に対する理想的な濃度補正値は100%、像高2の領域に対する理想的な濃度補正値は96%、像高3の領域に対する理想的な濃度補正値は90%である。従って、濃度補正値が8.7%区切り内に収まる像高1の領域及び像高2の領域を1つのPWM_LUTで処理する事となる。またこのとき、像高1における濃度補正値は100%、像高2における濃度補正値は96%であるため、像高1と像高2とを合わせた領域における濃度補正値はこれらの値の平均を取って98%と算出され、1つ目のPWM_LUTが作成される。そして、当該作成された1つ目のPWM_LUTは、PWM変換処理部123に渡される。
同様に、像高3から像高5に亘る領域における濃度補正値は87%と算出され、2つ目のPWM_LUTが作成されて、PWM変換処理部123に渡される。同様に、像高6から像高18に亘る領域における濃度補正値は77%と算出され、3つ目のPWM_LUTが作成されて、PWM変換処理部123に渡される。像高19から像高23の領域においても同様、複数の像高に共通する濃度補正値が、各像高の濃度補正値の平均を取ることで算出される。
このように、作成されたPWM_LUTは、PWM変換処理部123に設定される(図16のステップS1603)。そして、像高に応じたPWM_LUTの切り替えを行うよう、PWM_LUT切替処理部142に対する設定が行われる(図16のステップS1604)。
以上説明したように、fθ特性を有する走査レンズを用いない場合でも、像高に応じた部分倍率補正、及び、本実施例に特徴的な像高に応じた濃度補正を行う事により、適切な画像を出力する事が可能となる。
[実施例3]
実施例1ではスクリーンの切り替えによる濃度調整について、実施例2ではPWM_LUTの切り替えによる濃度調整について説明している。スクリーンの切り替えによる濃度調整と、PWM_LUTの切り替えによる濃度調整とでは、処理方法が異なるため、理想的な濃度に調整する場合にも最終的な画質に若干の差が出る。また、スクリーンの切り替えによる濃度調整と、PWM_LUTの切り替えによる濃度調整とのどちらを使用した方が良い画質になるかは、画像形成装置のエンジンによっても変わってしまう。そこで本実施例では、スクリーンの切り替えによる濃度調整と、PWM_LUTの切り替えによる濃度調整との両方を使用した濃度補正方法について説明する。
<画像変調部の構成>
図18は、本実施例に係る画像変調部101の内部構成を示すブロック図である。図18から分かるように、画像変調部101は、スクリーン切替処理部121、及び、PWM_LUT切替処理部142を備える。
<スクリーンの切り替え、及び、PWM_LUTの切り替え>
以下、本実施例に係る画像形成装置、即ちfθ特性を有する走査レンズを用いない画像形成装置が実行する濃度補正処理について、図19及び図20を用いて説明する。
図19は、本実施例に係る画像形成装置が実行する濃度補正処理のフローチャートである。なお、図19に示す各手順は、画像形成装置のCPU102及びCPU201がROM等の記憶装置に格納されている制御プログラムを実行することにより実行される。
処理フローとしては、以下のような、図12の処理と、図16の処理とを組み合わせたものとなる。
ステップS1901において、CPU102は、部分倍率特性情報を取得する。
ステップS1902において、CPU102は、ステップS1901で取得した部分倍率特性情報に基づき濃度補正値を導出する。
ステップS1903において、CPU102は、ハーフトーン処理部122に、濃度補正値に応じたスクリーンを設定する。
ステップS1904において、CPU102は、スクリーン切替処理部121にスクリーン切替情報を設定する。
ステップS1905において、CPU102は、PWM変換処理部123に、濃度補正値に応じたPWM_LUTを設定する。
ステップS1906において、CPU102は、PWM_LUT切替処理部142にPWM_LUT切替情報を設定する。
ここで、ステップS1903で作成されるスクリーン、及び、ステップS1905で作成されるPWM_LUTについて、図20を用いて一例を説明する。ただし以下に示す例では、ハーフトーン処理部122はスクリーンを3つしか持てないが、PWM変換処理部123はPWM_LUTを十分に持てることを前提としている。
符号2001は、ハーフトーン処理部122が十分な数のスクリーンを持つことができない場合に、各像高においてどのスクリーンが使用されるのかを示す。濃度補正値1301のうち最大値と最小値との差は26(=100−74)%である。本例では、使用可能なスクリーンの数を3つとしているため、約8.7(=26/3)%区切りの濃度補正値範囲内の像高を1つのスクリーンで処理するように、3つのスクリーンを作成する。この点は実施例1と同様である。しかし、本実施例では実施例1と異なり、像高1と像高2とを合わせた領域における濃度補正値は100%と導出されて、1つ目のスクリーンが作成される。また、像高3から像高5に亘る領域における濃度補正値は90%と導出されて、2つ目のスクリーンが作成される。さらに、像高6から像高18に亘る領域における濃度補正値は81%と導出されて、3つ目のスクリーンが作成される。このように、スクリーンを作成する際、同一のスクリーンを適用する複数の像高に亘る一領域に対する濃度補正値は、当該一領域の範囲内の像高が有する濃度補正値のうち最も大きい濃度補正値が用いられる。
符号2002は、符号2001に示すようなスクリーンによる濃度調整を加味して、各像高においてどのPWM_LUTが使用されるのかを示す。ここで、理想的な濃度補正値をX、スクリーンによる濃度補正値をYとすると、スクリーンで処理する各像高の領域に対するPWM_LUTで調整する濃度は、以下の式(6)で算出できる。
各像高の領域に対するPWM_LUTによる濃度補正値=(X*100)/Y・・・式(6)
上記式(6)により、例えば、2つ目のスクリーンを使用する像高3、像高4、像高5の領域に対するPWM_LUTによる濃度補正値はそれぞれ、以下のように計算できる。
即ち、像高3の領域に対するPWM_LUTによる濃度補正値は、100(=(90*100)/90)[%]である。また、像高4の領域に対するPWM_LUTによる濃度補正値は、約97(=(87*100)/90)[%]である。さらに、像高5の領域に対するPWM_LUTによる濃度補正値は、約93(=(84*100)/90)[%]である。
このように、各像高において使用するスクリーンに応じて、PWM_LUTによる濃度補正値を算出する。
以上説明したように、fθ特性を有する走査レンズを用いない場合でも、像高に応じた部分倍率補正、及び、本実施例に特徴的な像高に応じた濃度補正を行う事により、適切な画像を出力する事が可能となる。
特に、スクリーンの切り替えによる濃度調整と、PWM_LUTの切り替えによる濃度調整とを組み合わせる事で、適切な画質で出力できる可能性が高まる。
なお、端部付近において主走査方向の走査速度が速過ぎることや、プリンタエンジンにて設定されている光量が少ないことが理由で、所望の画質を得られない場合がある。このような場合、主走査方向に関する端部でも十分な濃度で印字できるよう、プリンタエンジンの光量制御部にて光源のパワーを調整して光量を上げた状態にし、その上で上述のスクリーンやPWM_LUTを作成すれば良い。
[その他の実施例]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。