JP2017223732A - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】画素片を挿入又は抜去することなく、1ドットの幅を一定とすることが可能な画像形成装置を提供すること。
【解決手段】本発明は、感光体の表面におけるレーザ光の走査速度が一定ではない画像形成装置であって、軸上像高の前記走査速度に対する各軸外像高の前記走査速度のずれ量を示す部分倍率特性情報に基づき、主走査方向の位置に応じた変倍率で画像データを変倍する変倍手段と、前記変倍した画像データに対するパルス幅変調処理を行うパルス幅変調手段と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
【選択図】図6
【解決手段】本発明は、感光体の表面におけるレーザ光の走査速度が一定ではない画像形成装置であって、軸上像高の前記走査速度に対する各軸外像高の前記走査速度のずれ量を示す部分倍率特性情報に基づき、主走査方向の位置に応じた変倍率で画像データを変倍する変倍手段と、前記変倍した画像データに対するパルス幅変調処理を行うパルス幅変調手段と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
【選択図】図6
Description
本発明は、電子写真方式の画像形成装置におけるレーザ光の書き込み技術に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、感光体を露光するための光学走査ユニットを有する。光学走査ユニットは、画像データに基づいてレーザ光を出射し、そのレーザ光を回転多面鏡で反射し、走査レンズを透過させることで、感光体を照射し露光する。光学走査ユニットは、回転多面鏡を回転させることにより感光体の表面に形成したレーザ光のスポットを移動させる走査を行うことで、感光体に潜像を形成する。
通常、走査レンズには所謂fθ特性を有するレンズが用いられる。fθ特性とは、回転多面鏡が等角速度で回転している時に感光体の表面のレーザ光のスポットが感光体の表面上を等速で移動するようにレーザ光を感光体の表面に結像させる光学的特性である。このようなfθ特性を有する走査レンズを用いることにより、適切な露光を行うことができる。ただし、fθ特性を有する走査レンズは、比較的大きくコストも高い。そのため、画像形成装置の小型化やコストダウンを目的として、走査レンズ自体を使用しない、もしくは、fθ特性を有さない走査レンズを使用することが考えられている。
fθ特性を有さない走査レンズを用いた電子写真方式の画像形成装置には、感光体の表面のレーザ光のスポットが感光体の表面上を等速で移動しないため、主走査領域の端部と中央とで1ドットの幅が異なってしまうという問題がある。
この問題に対し、特許文献1は、fθ特性を有さないレンズを用いた電子写真方式の画像形成装置において、感光体の表面上に形成するドットが一定の幅となるよう、一走査する間に画素片を挿入又は抜去する技術を開示する。ここでいう画素片とは、1画素を所定の整数値で分割した1画素未満の単位を意味している。これにより、端部における1ドットの幅と、中央における1ドットの幅とを揃えることが可能となる。
しかしながら、特許文献1に記載の技術には、主走査方向の位置に応じて挿入又は抜去(以下、挿抜ともいう)する画素片の量が異なることに起因して、濃度表現に関して端部と中央との間で差が大きく異なってしまうという課題がある。
そこで本発明は、画素片を挿入又は抜去することなく、1ドットの幅を一定とすることが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、感光体の表面におけるレーザ光の走査速度が一定ではない画像形成装置であって、軸上像高の前記走査速度に対する各軸外像高の前記走査速度のずれ量を示す部分倍率特性情報に基づき、主走査方向の位置に応じた変倍率で画像データを変倍する変倍手段と、前記変倍した画像データに対するパルス幅変調処理を行うパルス幅変調手段と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、濃度表現に関して主走査領域の端部と中央との間で差がなく、かつ、1ドットの幅を一定とすることが可能な画像形成装置を提供することができる。
[実施例1]
<画像形成装置>
図1は、画像形成装置9の概略構成図である。光走査手段である光走査装置400内のレーザ駆動部300は、画像信号生成部100から出力される画像信号および制御部1から出力される制御信号に基づき、走査光(レーザ光)208を感光ドラム4に向けて発する。不図示の帯電手段により帯電された感光ドラム(感光体)4をレーザ光208で走査し、感光ドラム4の表面に潜像を形成する。そして不図示の現像手段により潜像にトナーを付着させ、潜像に対応したトナー像を形成する。トナー像は、給紙ユニット8から給送されローラ5で感光ドラム4と接触する位置に搬送された紙等の記録媒体に転写される。記録媒体に転写されたトナー像は、定着器6で記録媒体に熱定着され、排紙ローラ7を経て、機外に排出される。
<画像形成装置>
図1は、画像形成装置9の概略構成図である。光走査手段である光走査装置400内のレーザ駆動部300は、画像信号生成部100から出力される画像信号および制御部1から出力される制御信号に基づき、走査光(レーザ光)208を感光ドラム4に向けて発する。不図示の帯電手段により帯電された感光ドラム(感光体)4をレーザ光208で走査し、感光ドラム4の表面に潜像を形成する。そして不図示の現像手段により潜像にトナーを付着させ、潜像に対応したトナー像を形成する。トナー像は、給紙ユニット8から給送されローラ5で感光ドラム4と接触する位置に搬送された紙等の記録媒体に転写される。記録媒体に転写されたトナー像は、定着器6で記録媒体に熱定着され、排紙ローラ7を経て、機外に排出される。
<光走査装置>
図2は、本実施例に係る光走査装置400の断面図であり、図2(a)は主走査断面を、図2(b)は副走査断面を示している。
図2は、本実施例に係る光走査装置400の断面図であり、図2(a)は主走査断面を、図2(b)は副走査断面を示している。
本実施例において、光源401から出射したレーザ光(光束)208は、開口絞り402によって楕円形状に整形されてカップリングレンズ403に入射する。カップリングレンズ403を通過した光束は、略平行光に変換されて、アナモフィックレンズ404に入射する。なお、略平行光とは、弱収束光及び弱発散光を含むものである。アナモフィックレンズ404は、主走査断面内において正の屈折力を有しており、入射する光束を主走査断面内においては収束光に変換している。また、アナモフィックレンズ404は、副走査断面内において偏向器405の偏向面405aの近傍に光束を集光しており、主走査方向に長い線像を形成している。
アナモフィックレンズ404を通過した光束は、偏向器(ポリゴンミラー)405の偏向面(反射面)405aにて反射される。反射面405aで反射した光束は、走査光208(図1参照)として、結像レンズ406を透過し、感光ドラム4の表面に入射する。結像レンズ406は結像光学素子である。本実施例においては、単一の結像光学素子(結像レンズ406)のみで結像光学系が構成されている。結像レンズ406を通過(透過)した光束が入射する感光ドラム4の表面は、光束によって走査される被走査面407である。結像レンズ406によって被走査面407上で光束が結像し、所定のスポット状の像(スポット)を形成する。偏向器405を不図示の駆動部により矢印A方向に一定の角速度で回転させることにより、被走査面407上でスポットが主走査方向に移動し、被走査面407上に静電潜像を形成する。なお、主走査方向とは、感光ドラム4の表面に平行で且つ感光ドラム4の表面の移動方向に直交する方向である。副走査方向とは、主走査方向及び光束の光軸に直交する方向である。
光源401は、半導体レーザチップである。本実施例に係る光源401は1つの発光部11(図4参照)を備えている。しかしながら、光源401として、独立して発光制御可能な複数の発光部を備えていてもよい。複数の発光部を備える場合も、そこから発生する複数の光束は、それぞれカップリングレンズ403、アナモフィックレンズ404、偏向器405、結像レンズ406を経由して被走査面407へ到達する。被走査面407上では副走査方向にずれた位置に各光束に対応するスポットがそれぞれ形成される。なお、光走査装置400を構成する、光源401、カップリングレンズ403、アナモフィックレンズ404、結像レンズ406、偏向器405等の各種光学部材は、筐体(光学箱)400a(図1参照)に収納される。
<結像レンズ>
図2に示すように、結像レンズ406は、入射面(第1面)406a及び出射面(第2面)406bの2つの光学面(レンズ面)を有する。結像レンズ406は、主走査断面内において、偏向面405aにて偏向された光束を、被走査面407上を所望の走査特性で走査させる構成となっている。また、結像レンズ406は、被走査面407上でのレーザ光208のスポットを所望の形状にする構成となっている。また、結像レンズ406により、副走査断面内においては、偏向面405aの近傍と被走査面407の近傍とが共役の関係となっている。これにより、面倒れを補償(偏向面405aが倒れた際の被走査面407上での副走査方向の走査位置ずれを低減すること)する構成となっている。なお、本実施例に係る結像レンズ406は、射出成形によって形成されたプラスチックモールドレンズであるが、結像レンズ406としてガラスモールドレンズを採用してもよい。モールドレンズは、非球面形状の成形が容易であり、かつ、大量生産に適しているため、結像レンズ406としてモールドレンズを採用することで、その生産性及び光学性能の向上を図ることができる。
図2に示すように、結像レンズ406は、入射面(第1面)406a及び出射面(第2面)406bの2つの光学面(レンズ面)を有する。結像レンズ406は、主走査断面内において、偏向面405aにて偏向された光束を、被走査面407上を所望の走査特性で走査させる構成となっている。また、結像レンズ406は、被走査面407上でのレーザ光208のスポットを所望の形状にする構成となっている。また、結像レンズ406により、副走査断面内においては、偏向面405aの近傍と被走査面407の近傍とが共役の関係となっている。これにより、面倒れを補償(偏向面405aが倒れた際の被走査面407上での副走査方向の走査位置ずれを低減すること)する構成となっている。なお、本実施例に係る結像レンズ406は、射出成形によって形成されたプラスチックモールドレンズであるが、結像レンズ406としてガラスモールドレンズを採用してもよい。モールドレンズは、非球面形状の成形が容易であり、かつ、大量生産に適しているため、結像レンズ406としてモールドレンズを採用することで、その生産性及び光学性能の向上を図ることができる。
結像レンズ406は、所謂fθ特性、つまり、偏向器405が等角速度で回転している時に、結像レンズ406を通過する光束のスポットを被走査面407上で等速に移動させるような走査特性を有していない。このように、fθ特性を有さない結像レンズ406を用いることにより、結像レンズ406を偏向器405に近接して(距離D1が小さい位置に)配置することが可能となる。また、fθ特性を有さない結像レンズ406は、fθ特性を有する結像レンズよりも、主走査方向(幅LW)及び光軸方向(厚みLT)に関して小さくできる。これにより、光走査装置400の筐体400a(図1参照)の小型化が可能になる。また、fθ特性を有するレンズの場合、主走査断面で見た時のレンズの入射面、出射面の形状に急峻な変化がある場合があり、そのような形状の制約によって良好な結像性能を得られない可能性がある。これに対して、fθ特性を有さない結像レンズ406では、主走査断面で見た時のレンズの入射面、出射面の形状に急峻な変化が少ない為、良好な結像性能を得ることができる。このようなfθ特性を有さない結像レンズ406の走査特性は、以下の式(1)で表される。
式(1)では、偏向器405による走査角度(走査画角)をθ、光束の被走査面407上での主走査方向の集光位置(像高)をY[mm]、軸上像高における結像係数をK[mm]、結像レンズ406の走査特性を決定する係数(走査特性係数)をBとしている。なお、本実施例において、軸上像高は、光軸上の像高(Y=0=Ymin)を指し、走査角度θ=0に対応する。また、軸外像高は、中心光軸(走査角度θ=0の時)よりも外側の像高(Y≠0)を指し、走査角度θ≠0に対応する。さらに、最軸外像高とは、走査角度θが最大(最大走査画角)となる時の像高(Y=+Ymax、−Ymax)を指す。なお、被走査面407上の潜像を形成可能な所定の領域(走査領域)の主走査方向の幅である走査幅WはW=|+Ymax|+|−Ymax|で表される。所定の領域の中央が軸上像高で、端部が最軸外像高となる。
ここで、結像係数Kは、結像レンズ406に平行光が入射する場合の走査特性(fθ特性)Y=fθにおけるfに相当する係数である。すなわち、結像係数Kは、結像レンズ406に平行光以外の光束が入射する場合に、fθ特性と同様に集光位置Yと走査角度θとを比例関係にするための係数である。
走査特性係数について補足すると、B=0の時の式(1)は、Y=Kθとなるため、従来の光走査装置に用いられるfθ特性を有する結像レンズの走査特性Y=fθに相当する。また、B=1の時の式(1)は、Y=Ktanθとなるため、撮像装置(カメラ)などに用いられるレンズの射影特性Y=ftanθに相当する。すなわち、式(1)において、走査特性係数Bを0≦B≦1の範囲で設定することで、射影特性Y=ftanθとfθ特性Y=fθとの間の走査特性を得ることができる。ここで、式(1)を走査角度θで微分すると、次式(2)に示すように走査角度θに対する被走査面407上での光束の走査速度が得られる。
さらに、式(2)を軸上像高における速度dY/dθ=Kで除すると、次式(3)に示すようになる。
式(3)は、軸上像高の走査速度に対する各軸外像高の走査速度のずれ量(部分倍率)を表現したものである。本実施例に係る光走査装置400は、B=0の場合以外においては、軸上像高と軸外像高とで光束の走査速度が異なっていることになる。
図3は、被走査面407上での走査位置をY=Kθの特性でフィッティングした際の、像高と部分倍率との関係を示している。本実施例では、式(1)に示した走査特性を結像レンズ406に与えたことで、図3に示すように、軸上像高から軸外像高に向かうにつれて部分倍率が大きくなっている。これは、軸上像高から軸外像高に向かうにつれて徐々に走査速度が速くなるためである。例えば部分倍率30%は、単位時間だけ光照射した場合、被走査面407での主走査方向の照射長が、1.3倍となることを意味している。従って、画像クロックの周期によって決めた一定の時間間隔で主走査方向の画素幅を決めると、軸上像高と軸外像高とで画素密度が異なってしまう。
また、像高Yが、軸上像高から離れて最軸外像高に近づくに連れて(像高Yの絶対値が大きくなる程)、徐々に走査速度が速くなる。従って、像高が軸上像高付近の時に単位長さを走査するのにかかる時間よりも、像高が最軸外像高付近の時に単位長さを走査するのにかかる時間の方が短い。
このように、上述のような光学構成を有する場合、主走査位置における部分倍率のばらつきが、良好な画質を維持する為に望ましくない影響を及ぼす可能性がある。そこで本実施例では、良好な画質を得る為に、部分倍率の補正を行う。
特に、偏向器405から感光ドラム4までの光路長が短くなる程、画角が大きくなるため、上述した軸上像高と最軸外像高との間における走査速度の差が大きくなる。発明者の鋭意検討によれば、最軸外像高における走査速度が軸上像高におけるそれの120%以上であるような走査速度の変化率が20%以上の光学構成となる。このような光学構成の場合、主走査位置による部分倍率および単位長さ辺りの総露光量のばらつきの影響を受け、良好な画質の維持が難しくなる。
なお、走査速度の変化率C(%)は、最も遅い走査速度をVmin、最も速い走査速度をVmaxとすると、C=((Vmax−Vmin)/Vmin)*100で表される値である。本実施例の光学構成では、軸上像高(主走査領域の中央)で最も遅い走査速度となり、最軸外像高(主走査領域の端部)で最も速い走査速度となる。
なお、画角が52°以上の光学構成の場合、走査速度の変化率が35%以上となることがわかっている。画角が52°以上となる条件としては以下に示す通りである。例えば、主走査方向に関してA4シートの短辺の幅の潜像を形成する光学構成の場合、走査幅W=214mm、走査画角が0°の時の偏向面405aから被走査面407までの光路長D2(図2参照)=125mm以下である。主走査方向に関してA3シートの短辺の幅の潜像を形成する光学構成の場合、走査幅W=300mm、走査画角が0°の時の偏向面405aから被走査面407までの光路長D2(図2参照)=247mm以下である。
本実施例では、図3に示すような特性を有する光学構成を備える画像形成装置において、部分倍率補正情報に基づく変倍処理を実行することで、露光用の画像データを生成する。部分倍率補正情報とは、主走査方向の位置に応じて部分倍率を補正する度合い(部分倍率補正率)から成る情報である。
例えば図3で部分倍率が0%となる中央における部分倍率補正率は1.00となり、この位置における変倍処理の倍率(変倍率)は100%(等倍)となる。また、部分倍率が35%となる端部における部分倍率補正率は、100[%]/(100[%]+35[%])=0.74となり、変倍率74%(入力画像を74%に縮小することを意味する)となる。
このように、本実施例では、予め画像データを走査速度の変化率に基づく変倍率で変倍処理した画像データを生成する。変倍処理後の画像データを用いて走査することで、fθ特性を有さない結像レンズを使用した画像形成装置において、良好な画質を得ることが可能となる。
<露光制御構成>
図4は、画像形成装置9における露光制御に関する構成を示す電気ブロック図である。画像信号生成部100は、CPU102による制御の元、種々の動作を行うように構成されており、CPU102と画像変調部101とはバス103により接続されている。画像信号生成部100は、不図示のホストコンピュータより印刷ジョブ等の情報を受け取り、画像データ(画像信号)に対応するVDO信号110を生成する。また、画像信号生成部100は画素幅補正手段としての機能も有する。制御部1は、画像形成装置9を制御し、また、輝度補正手段として作用し光源401の光量を制御する。レーザ駆動部300は、VDO信号110に基づいて電流を光源401に供給することにより、光源401を発光させる。
図4は、画像形成装置9における露光制御に関する構成を示す電気ブロック図である。画像信号生成部100は、CPU102による制御の元、種々の動作を行うように構成されており、CPU102と画像変調部101とはバス103により接続されている。画像信号生成部100は、不図示のホストコンピュータより印刷ジョブ等の情報を受け取り、画像データ(画像信号)に対応するVDO信号110を生成する。また、画像信号生成部100は画素幅補正手段としての機能も有する。制御部1は、画像形成装置9を制御し、また、輝度補正手段として作用し光源401の光量を制御する。レーザ駆動部300は、VDO信号110に基づいて電流を光源401に供給することにより、光源401を発光させる。
画像信号生成部100は、画像形成のための画像信号の出力の準備が整った段階で、シリアル通信113を介して、印刷開始を指示する信号を制御部1に送信する。制御部1は、印刷の準備が整った段階で、用紙先端の位置情報を通知するための副走査同期信号であるTOP信号112と、用紙左端の位置情報を通知するための主走査同期信号であるBD信号111とを画像信号生成部100に送信する。画像信号生成部100は、これら2種類の同期信号を受信すると、所定のタイミングで画像信号であるVDO信号110をレーザ駆動部300に送信する。
制御部1は、CPU2と、8ビットのデジタル信号をアナログ信号に変換するDAコンバータ21と、レギュレータ22とを内蔵したIC3を有し、レーザ駆動部300とともに輝度補正手段として作用する。
レーザ駆動部300は、メモリ304と、電圧を電流に変換するVI変換回路306と、レーザドライバIC9とを有し、光源401のレーザダイオードである発光部11へ駆動電流を供給する。メモリ304には、主走査方向における各像高に対応する部分倍率から成る情報である部分倍率特性情報などが保存されている。CPU2の制御に基づき、メモリ304に格納された値は、シリアル通信307を介してIC3に通知される。メモリ304に格納された発光部11に供給する補正電流の情報に従って、IC3はレギュレータ22から出力される電圧23(VrefH)を調整する。電圧23はDAコンバータ21の基準電圧となる。IC3は、DAコンバータ21の入力データを設定し、BD信号111に同期して、輝度補正用のアナログ電圧(以下、輝度補正アナログ電圧と称す)312を出力する。主走査区間内で増加ないし減少する輝度補正アナログ電圧312は、後段のVI変換回路306で電流313(Id)に変換され、レーザドライバIC9に出力される。
レーザドライバIC9は、VDO信号110に応じて、電流ILを発光部11に流すか、ダミー抵抗10に流すかを切換回路14により切り換えることで、光源401の発光のON/OFFを制御する。発光部11に供給するレーザ電流IL(第3電流)は、定電流回路15で設定した電流Ia(第1電流)からVI変換回路306によって出力される電流Id(第2電流)を差し引いた電流となる。定電流回路15を流れる電流Iaは、レーザドライバIC9の内部回路によりフィードバック制御され、発光部11の光量をモニタリングする目的で光源401に設けたフォトディテクタ12が検知する輝度が所定輝度となるように自動調整される。この自動調整は所謂APC(Auto Power Controlの略称)である。電流Iaの自動調整による発光部11の輝度調整は、主走査毎の印刷領域外でBD信号を検知するために発光部11を発光させている間に実施する。可変抵抗13の値は、発光部11が所定輝度で発光している場合に、所定の電圧がレーザドライバIC9に入力されるように、工場組立て時に調整される。
図5(a)は、記録媒体1ページ分に相当する画像形成動作を行った際の上記2種類の同期信号(TOP信号、BD信号)と画像信号とのタイミングチャートである。図中左から右に向かって時間が経過する。TOP信号112の「HIGH」は、記録媒体の先端が所定の位置に到達したことを表す。画像信号生成部100は、TOP信号112の「HIGH」を受信すると、BD信号111に同期して、VDO信号110を出力する。このVDO信号110に基づいて、光源401が発光し感光ドラム4に潜像を形成する。
なお、図5(a)では簡略化の為、VDO信号110が複数のBD信号111を跨いで連続的に出力されているように記載している。しかしながら、実際には、VDO信号110はBD信号111が出力されてから次のBD信号111が出力されるまでの間のうちの所定の期間に出力される(図5(b)参照)。
<部分倍率補正>
次に、上述した部分倍率を補正するための方法について説明する。その説明に先立ち、部分倍率の要因及び補正原理について、図5(b)を用いて説明する。図5(b)は、BD信号111とVDO信号110とのタイミングチャート、及び、被走査面407上の潜像により形成したドットイメージを示す図である。図中左から右に向かって時間が経過する。
次に、上述した部分倍率を補正するための方法について説明する。その説明に先立ち、部分倍率の要因及び補正原理について、図5(b)を用いて説明する。図5(b)は、BD信号111とVDO信号110とのタイミングチャート、及び、被走査面407上の潜像により形成したドットイメージを示す図である。図中左から右に向かって時間が経過する。
画像信号生成部100は、BD信号111の立ち上がりエッジを受信すると、感光ドラム4の左端から所定の距離だけ離れた位置に潜像を形成できるよう、所定タイミング後にVDO信号110を出力する。そして、VDO信号110に基づき光源401が発光し、被走査面407上にVDO信号110に応じた潜像を形成する。
ここでは、VDO信号110に基づき、軸上像高及び最軸外像高において同じ期間だけ光源401を発光させてドット形状の潜像を形成した場合について説明する。なお、ドットのサイズは600dpiの1ドット(主走査方向42.3umの幅)に相当するものとする。光走査装置400は、上述したように、被走査面407上の中央(軸上像高)に比べて、端部(最軸外像高)の走査速度は速い特性の光学構成を備える。図5(b)において、補正前では、軸上像高の潜像dot2に比べて、最軸外像高の潜像dot1が主走査方向に肥大する。そこで本実施例では、部分倍率補正として、主走査方向の位置に応じてVDO信号110の周期や時間幅を補正する。即ち、部分倍率補正により、最軸外像高の発光時間間隔を軸上像高の発光時間間隔と比べて短くすることで、最軸外像高におけるドットサイズを小さくして潜像dot3のようにし、軸上像高における潜像dot4と同等のサイズにする。このような部分倍率補正によって、主走査方向に関して、実質的に等間隔に各画素に対応するドット形状の潜像を形成することができる。
次に、本実施例に係る部分倍率補正、すなわち軸上像高から軸外像高に移るに従って増加する部分倍率に応じた変倍率での変倍処理について、図6から図9を用いて詳細に説明する。
<画像変調部>
図6は、画像変調部101の機能ブロック図である。本実施例に係る部分倍率補正では、入力画像データに対し、部分倍率に応じて決まる変倍率による変倍処理を、主走査方向の区間毎に行う。そして、区間毎に変倍処理された画像データに対し、濃度変換処理、ハーフトーン処理、パルス幅変調処理(以下PWM処理という)の一連の画像処理が行われる。PWM処理直後の画像データはパラレル信号であり、最終的にはシリアル信号に変換されて、VDO信号110としてレーザ駆動部300へ送られる。このように本実施例では、fθ特性を有さない結像レンズを用いることで生じる主走査方向の走査速度の変化を考慮し、予め部分倍率に応じた変倍率で変倍処理した画像データを生成する。この画像データを用いて画像を形成することで、主走査方向の位置にかかわらず、1ドットの幅を一定にすることができる。
図6は、画像変調部101の機能ブロック図である。本実施例に係る部分倍率補正では、入力画像データに対し、部分倍率に応じて決まる変倍率による変倍処理を、主走査方向の区間毎に行う。そして、区間毎に変倍処理された画像データに対し、濃度変換処理、ハーフトーン処理、パルス幅変調処理(以下PWM処理という)の一連の画像処理が行われる。PWM処理直後の画像データはパラレル信号であり、最終的にはシリアル信号に変換されて、VDO信号110としてレーザ駆動部300へ送られる。このように本実施例では、fθ特性を有さない結像レンズを用いることで生じる主走査方向の走査速度の変化を考慮し、予め部分倍率に応じた変倍率で変倍処理した画像データを生成する。この画像データを用いて画像を形成することで、主走査方向の位置にかかわらず、1ドットの幅を一定にすることができる。
変倍処理部120は、不図示のホストコンピュータから受信した画像信号(多値パラレル8ビットの信号)128に対し、CPU102からバス103を介して受信する部分倍率特性情報に基づく、主走査方向の位置によって異なる変倍率を用いた変倍処理を行う。なお、変倍処理の詳細については図8を用いて後述する。濃度変換処理部121は、変倍処理部120にて変倍処理された画像信号129に対し、適正な濃度で印刷するための濃度補正テーブルを用いて、濃度変換処理を行う。ハーフトーン処理部122は、濃度変換処理部121にて濃度変換された画像信号130に対し、ディザ法によるハーフトーン処理を行い、多値パラレル4ビットの画像信号131を出力する。
PWM処理部123は、ハーフトーン処理部122にてハーフトーン処理された画像信号131をPWM処理するためのテーブルを有し、このテーブルを用いてPWM処理を行う。PWM処理部123はPWM処理を行うことにより、画像信号を画像形成装置9で印刷するためのレーザのON/OFFに相当する情報に変換する。本実施例ではPWM処理として、1画素を16分割する構成、すなわち1画素を16ビットで表現することを想定して話を進める。もちろん1画素を32分割する等、その他の数の画素片に分割する構成としても良い。
パラレル−シリアル変換処理部(以下、PS変換処理部と称す)124は、PWM処理部123から入力したパラレル16ビットの画像信号132をシリアル信号に変換し、後段のレーザ駆動部300にVDO信号110として出力する。PLL部127は、1画素に相当するクロック(VCLK)125の周波数を16倍に逓倍したクロック(VCLKx16)126をPS変換処理部124に供給する。
図7は、ハーフトーン処理およびPWM処理について説明する図である。
図7(a)は、ハーフトーン処理およびPWM処理が行われた後の画像データ(スクリーン)の一例であり、主走査3画素、副走査3画素の200線のマトリクス153で濃度表現を行なうものである。図中の白い部分が光源401を発光させない(オフ)部分で、黒い部分が光源401を発光させる(オン)部分である。図7(a)に示すものとは異なるマトリクス153が階調毎に設けられており、黒い部分と白い部分との面積の比率で階調を表現する。つまり、マトリクス153の黒い部分の面積が増えるほど、階調が上がる(濃度が濃くなる)。本実施例において1つの画素157は、被走査面407で600dpiの1ドットを形成するために画像データを区切る単位である。
図7(b)は、PS変換のために16個の画素片に分割された1画素の一例を示す。図示するように1画素は1画素の1/16の幅の画素片16個で構成され、画素片毎に光源401を発光のオン・オフを切り替えられる。つまり、1画素で16ステップの階調を表現可能である。
<変倍処理>
変倍処理部120の動作について、図8を用いて説明する。なお、以下では、変倍処理の手法として線形補間法を用いる場合について説明する。
変倍処理部120の動作について、図8を用いて説明する。なお、以下では、変倍処理の手法として線形補間法を用いる場合について説明する。
図8(a)は、線形補間処理を説明する図である。入力画素801、802および出力画素803が図8(a)に示すような位置関係にある場合、線形補間処理において、出力画素803の画素値cは、以下の式(4)で導出される。
式(4)において、aは出力画素803近傍(左側)の入力画素801の画素値、bは出力画素803近傍(右側)の入力画素802の画素値、Laは図中の符号804で示すように入力画素801、802に対する出力画素803の位相である。ここで、入力画素801の主走査方向の位置をxa、入力画素802の主走査方向の位置をxb、出力画素803の主走査方向の位置をxとすると、位相Laは、以下の式(5)で導出される。
式(4)、式(5)に示すように、変倍処理後の出力画素803と、出力画素803近傍の変倍処理前の入力画素801、802との位置関係に応じて、入力画素801、802の画素値に対して重みづけすることで、出力画素803の画素値cを導出する。
図8(b)は、変倍処理部120の機能ブロック図である。座標演算部805は、入力される画像信号128に対し、入力画素のカウント数、および、入力画素の主走査方向の画素数に基づき、主走査方向の位置、および、副走査方向の位置を導出する。また、座標演算部805は、バス103を介して受信する部分倍率特性情報に基づき、出力画素の主走査方向の位置(xとする)を導出する。そして、座標演算部805は、出力画素の主走査方向の位置xに基づき、出力画素近傍の入力画素の主走査方向の位置xa、xbを導出し、その位置にある入力画素の画素値a、bを導出する。さらに、座標演算部805は、出力画素の主走査方向の位置xと出力画素近傍の入力画素の主走査方向の位置xa、xbとに基づき、式(5)を用いて位相Laを導出する。
補間処理部806は、座標演算部805が導出した出力画素近傍の入力画素の画素値a、bと位相Laとに基づき、式(4)を用いて出力画素の画素値cを導出し、画像信号129を濃度変換処理部121に出力する。
以下、本実施例に係る部分倍率特性情報に基づく変倍処理について、図8(c)及び図8(d)を用いて詳細に説明する。
図8(c)は、変倍処理のための部分倍率補正情報の一例を示す図であり、部分倍率特性情報と部分倍率補正情報との対応関係を示している。本実施例に係る部分倍率特性情報は、図3に示したような特性グラフより得られる主走査方向の区間ごとの部分倍率から成る情報である。ここでは、主走査方向を25区間に分割し、部分倍率特性情報808は、各区間に対応する部分倍率を有する。なお、部分倍率特性情報の作成の際、主走査方向の区間の分割数および当該区間の幅を主走査の位置に応じて任意に設定して良い。細かい区間で分割された部分倍率特性情報を用いることで、より高精度の変倍処理が可能となる。一方、部分倍率補正情報809は、座標演算部805が部分倍率に基づき導出する部分倍率補正率から成る情報であり、25個に分割された各区間に対応する部分倍率補正率を有する。この部分倍率補正率に基づき、出力画素の主走査方向の位置が導出される。
図8(d)は、図8(c)に示した部分倍率補正情報を用いる変倍処理の一例を示す図である。ここでは、部分倍率補正率が0.74、0.78となる位置(端部)における変倍処理を示している。図8(d)に示すように、出力画素間の距離をdとすると、dは以下の式(6)で表される。
例えば、部分倍率補正率が0.74となる区間における出力画素間の距離810は、1.35(d=1/0.74)となる。同様に、この区間の隣の部分倍率補正率が0.78となる区間における出力画素間の距離815は、1.28(d=1/0.78)となる。このように、主走査方向の区間によって異なる部分倍率補正率に基づき、出力画素間の距離dを導出できる。なお、出力画素間の距離dは、入力画素間の距離を1とした場合の大きさである。主走査方向にn番目(nは自然数)の出力画素の位置をxとすると、xは、出力画素間の距離dを用いて以下の式(7)で表される。
式(7)において、d[k]は、主走査方向にk番目の出力画素に対する出力画素間距離であり、詳細には主走査方向にk番目の出力画素と主走査方向にk−1番目の出力画素との間の距離である。式(6)で示すように、dは、主走査方向の区間に応じて値が更新されることになる。
出力画素近傍の入力画素の主走査方向の位置xa、xbは、出力画素の主走査方向の位置xを用いて、以下の式(8)、式(9)で表される。
式(8)に示すように、出力画素の位置xの小数点以下を切り捨てることで、出力画素近傍(左側)の入力画素の位置xaを導出する。また、入力画素間の距離を1としているので、式(9)に示すようにxaに1加算することで、出力画素近傍(右側)の入力画素の位置xbを導出する。このように導出した出力画素の位置xと、入力画素の位置xa、xbとに基づき、式(5)を用いて、補間処理で用いる位相Laを導出し、式(4)を用いて出力画素の画素値cを導出する。
以上の計算により、例えば、図8(d)において部分倍率補正率が0.74となる区間の出力画素814の画素値は、入力画素812、813の画素値と、位相811の値Laとに基づき、式(4)を用いて導出できる。同様に、部分倍率補正情報が0.78となる区間の出力画素819の画素値も、入力画素817、818の画素値と、位相816の値Laとに基づき、式(4)を用いて導出できる。
以上のように、本実施例では、主走査方向に沿って設定する区間に応じて、出力画素間の距離dの値を更新しながら出力画素の主走査方向の位置と画素値とを導出する。これにより、当該区間毎に適切な変倍率で変倍処理を実行することが可能となる。
なお、本実施例では、変倍処理の手法として、線形補間法を用いる場合について説明しているが、キュービック法などの他の手法を用いてもよい。
<効果の説明>
図9は、本実施例に係る変倍処理による部分倍率補正の効果を説明するための画像イメージを示す図である。
図9は、本実施例に係る変倍処理による部分倍率補正の効果を説明するための画像イメージを示す図である。
変倍処理部120は、区間毎の部分倍率補正率から成る部分倍率補正情報809に基づく変倍処理を、入力画像データ901に対して実行する。図示するように、中央から端部にかけて部分倍率補正率は小さくなるので、式(6)や図8(d)で示したように端部に近づくほど画素間距離は長くなる。従って、区間毎の出力する画素の数は、端部に近づくほど減るため、変倍処理後の画像データ902においては、端部に近づくほど画像が縮小されることとなる。
一方、上述したように、fθ特性を有さない画像形成装置における主走査では、主走査方向の位置が端部に近づくほど走査速度が増加する。従って、変倍処理後の画像データ902に基づく主走査では、出力画像データ(走査イメージ)903で示すように主走査方向の位置が端部に近づくほど画像は拡大される。このように、走査速度の変化率を考慮して予め変倍した画像データを生成し、該生成した画像データに基づく主走査を実行することで、主走査位置によって1ドットの幅が変わらない画像形成が可能となる。
また、本実施例では、PS変換後のシリアル信号110を追加ないし削除するような処理(すなわち、1画素を16個に分割した画素片を挿抜する処理)は一切行われない。そのため、主走査方向の区間毎の部分倍率によらず、1画素あたりの階調数は常に16となり、一律16階調での濃度表現が可能となる。従って、従来の部分倍率補正の手法のような画素片を挿抜することが不要であるため、主走査領域の端部と中央とで画素片の挿抜量が異なることに起因して生じる、濃度表現の差をなくすことが可能となり、画像劣化の抑制につながる。
なお、本実施例では、変倍処理を実行する画像信号(多値パラレル8ビットの信号)のカラーモードは、RGB、CMYKなどの特定のモードに限定されない。
また、本実施例では、ハーフトーン処理前の画像データに対する変倍処理を実行しているが、ハーフトーン処理後の画像データに対して変倍処理を実行してもよい。
[実施例2]
本実施例では、変倍処理による部分倍率補正を実行する際、変倍処理後の画像データに対するハーフトーン処理をより効果的に実行するために適用するスクリーン処理について説明する。
本実施例では、変倍処理による部分倍率補正を実行する際、変倍処理後の画像データに対するハーフトーン処理をより効果的に実行するために適用するスクリーン処理について説明する。
本実施例では、まず、画像データを走査速度の変化率に基づく変倍率で変倍処理した画像データを生成する。さらに、その変倍処理した画像データに対し、主走査方向の位置に応じたスクリーン角度から成るスクリーン角度情報に基づくスクリーン処理を実行し、スクリーン処理後の画像データに基づいて露光する。これにより、端部と中央との間で生じるスクリーン角度の差を抑制できる。
図10(a)は、ハーフトーン処理で使用するスクリーンの一例であり、212線、45度のスクリーンである。一般的に、スクリーン処理では閾値テーブルを用いて、使用するスクリーンの線数と角度とが決定される。
図10(a)のスクリーンに対し、fθ特性を有さない画像形成装置において、ハーフトーン処理後の画像データに基づき主走査方向の位置に応じて異なる走査速度で主走査が行われると、図10(b)に示すようにスクリーン角度が変化してしまう。特に、端部と中央との間でスクリーン角度に大きな差が生じることとなる。そのため、本実施例では、主走査方向の位置に応じて、スクリーン角度を調整する。
図10(c)は、図3に示す部分倍率特性を有する画像形成装置が本実施例に係るスクリーン処理で使用する、スクリーン角度情報のグラフである。スクリーン角度情報とは、部分倍率特性情報に基づき導出される情報であり、主走査方向の位置に応じたスクリーン角度kから成る情報である。スクリーン角度kは、部分倍率を用いて以下の式(10)で表される。
式(10)において、αは基準となるスクリーン角度、具体的には部分倍率が0%となる中央(軸上像高)におけるスクリーン角度である。例えば、部分倍率が0%となる中央においてスクリーン角度が45度のスクリーン処理を実行する場合を考える。この場合、部分倍率が35%となる端部におけるスクリーン角度は、式(10)を用いて53.3°(=tan-1(tan45[°]×1.35)と導出できる。
以下、本実施例におけるハーフトーン処理にて実行される、軸上像高から軸外像高に向かうにつれて増加する部分倍率に基づいてスクリーン角度を調整する処理について、図11から図14を用いて説明する。なお、以下の説明において、実施例1と共通する内容については、説明を簡略化または割愛する。
図11は、本実施例に係る画像変調部101の機能ブロック図である。図示するように、画像変調部101が、ハーフトーン処理部122に代えて無理数スクリーン処理部1101を備える点で、本実施例は実施例1と相違する(図6参照)。
無理数スクリーン処理部1101は、濃度変換処理部121にて濃度変換された画像信号130に対し、無理数スクリーンを使用したディザ法によるハーフトーン処理を行う。このとき、無理数スクリーン処理部1101は、CPU102からバス103を介して受信する部分倍率特性情報に基づき、主走査方向の位置に応じてスクリーン角度を調整しながらハーフトーン処理を行う。
<無理数スクリーン処理部によって実行される処理>
無理数スクリーン処理部1101によって実行される処理について、図12を用いて説明する。
無理数スクリーン処理部1101によって実行される処理について、図12を用いて説明する。
図12(a)は、無理数スクリーン処理を説明する図である。無理数スクリーン処理とは、画素空間(xy空間)上の入力画素の座標から、スクリーン空間(uv空間)上の座標を導出し、当該座標に対応する閾値を導出し、当該閾値との比較による量子化を行う、ハーフトーン処理である。ここで、スクリーン空間(uv空間)上の座標とは、スクリーン角度αに応じた1網点を定義するための閾値テーブルのアドレスである。このように、無理数スクリーン処理では、スクリーン角度αを自由に設定したスクリーン処理が可能となる。スクリーン空間上の座標は、以下の式(11)、式(12)で導出される。
式(11)、(12)において、fはスクリーン周期[radian per dot]であり、以下の式(13)で表される。
すなわち、(x,y)の座標系を角度αだけ回転させ、さらにスクリーン線数の周期に変換することで、スクリーン空間上の座標(閾値テーブルのアドレス)を導出する。
図12(b)は、無理数スクリーンの閾値テーブルの一例を示す図である。閾値テーブルはアドレス(u,v)に対する閾値を保持する。例えば、図12(b)に示す閾値テーブルは、アドレス(u,v)に対して5段階の閾値A〜E(ただしA<B<C<D<Eとする)保持しており、この閾値テーブルを用いると、中心から離れるほどドットが成長するスクリーンを形成できる。なお、閾値の段階は、ハーフトーン画像の階調数に応じて設定すればよい。
図12(c)は、無理数スクリーン処理部1101の機能ブロック図である。座標演算部1201は、画像信号130に対し、入力画像データの座標(x,y)を導出する演算処理を実行する。
スクリーン角度導出部1202は、バス103を介して受信する部分倍率特性情報に基づき、式(10)を用いて主走査方向の位置に応じたスクリーン角度を導出する。
座標変換部1203は、座標演算部1201から入力される入力画像データの座標(x,y)とスクリーン角度導出部1202から入力されるスクリーン角度αとに基づき、式(11)、式(12)を用いて閾値テーブルのアドレス(u,v)を導出する。
閾値導出部1204は、座標変換部1203が導出したアドレス(u,v)に基づき、スクリーン閾値テーブルを用いて、量子化のための閾値を導出する。
量子化処理部1205は、無理数スクリーン処理部1101に入力された画像信号130(多値パラレル8ビットの信号)に対し、入力画像データの画素値を閾値導出部1204で導出した閾値と比較して変換する量子化処理を実行する。そして、量子化処理部1205は、量子化処理によって生成した画像信号131を出力する。
図12(c)は、無理数スクリーン処理のためのスクリーン角度情報の一例を示す図であり、部分倍率特性情報とスクリーン角度情報との対応関係を示している。部分倍率特性情報は、図3に示したような特性グラフより得られる主走査方向の区間毎の部分倍率から成る情報である。ここでは、主走査方向を25区間に分割し、部分倍率特性情報1206は、各区間に対応する部分倍率を有する。
部分倍率特性情報1206に基づき、スクリーン角度導出部1202は、スクリーン角度情報1207を導出する。スクリーン角度情報1207は、スクリーン角度導出部1202が部分倍率に基づいて導出するスクリーン角度から成る情報であり、25個に分割された各区間に対応するスクリーン角度を有する。
<効果の説明>
図13は、fθ特性を有する走査レンズを用いない構成において変倍処理による部分倍率補正を実行する際に、本実施例に係る部分倍率特性情報に基づく無理数スクリーン処理を実行した場合のスクリーン角度の変化について説明する図である。
図13は、fθ特性を有する走査レンズを用いない構成において変倍処理による部分倍率補正を実行する際に、本実施例に係る部分倍率特性情報に基づく無理数スクリーン処理を実行した場合のスクリーン角度の変化について説明する図である。
図13(a)は、部分倍率が0%となる中央における無理数スクリーン処理を説明する図である。ここでは、スクリーン角度を45°する。
図13(b)は、走査前の部分倍率が35%となる端部における無理数スクリーン処理を説明する図である。本実施例により、端部においては、式(10)を用いて導出したスクリーン角度が53.3%のスクリーンを使用することとなる。
図13(c)は、図13(b)で示した無理数スクリーンに対し、fθ特性を有さない走査レンズを用いて主走査を行った後のスクリーンを示す図である。図13(c)に示すように、fθ特性を有さない走査レンズを用いる場合、端部において走査前後のスクリーン角度が変化する。従って、本実施例のように走査前のスクリーン角度を部分倍率特性情報に基づき主走査位置に応じて変化させることで、走査後のスクリーン角度を一定にすることが可能となる。
図14は、部分倍率特性情報に基づく無理数スクリーン処理を実行した場合のスクリーン角度とスクリーン形状との変化について説明する図である。
図14(a)に示すように、スクリーンの角度だけでなくスクリーンの形状を部分倍率特性情報に基づき主走査方向の位置に応じて変更しても良い。例えば、スクリーンの縦横比を主走査方向の位置に応じて調整しても良い。これにより、図14(b)のように走査後のスクリーンを図13(a)で示した中央におけるスクリーンと同等にすることが可能となる。
以上のように、部分倍率特性情報に基づき、主走査方向の位置に応じた変倍率で画像データを変倍処理し、さらに主走査方向の位置に応じたスクリーン角度でスクリーン処理を実行する。これにより、主走査領域の端部と中央との間で生じる濃度表現の差をなくすだけでなく、ハーフトーン処理の精度も向上することが可能なる。その結果、fθ特性を有する走査レンズを用いない画像形成装置において、さらなる画質劣化の抑制が可能となる。
なお、本実施例では、ハーフトーン処理前の画像データに対する変倍処理を実行しているが、ハーフトーン処理後の画像データに対して変倍処理を実行してもよい。
[その他の実施例]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
9・・・画像形成装置
120・・・変倍処理部
123・・・PWM処理部
120・・・変倍処理部
123・・・PWM処理部
Claims (9)
- 感光体の表面におけるレーザ光の走査速度が一定ではない画像形成装置であって、
軸上像高の前記走査速度に対する各軸外像高の前記走査速度のずれ量を示す部分倍率特性情報に基づき、主走査方向の位置に応じた変倍率で画像データを変倍する変倍手段と、
前記変倍した画像データに対するパルス幅変調処理を行うパルス幅変調手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。 - 感光体の表面におけるレーザ光の走査速度が一定ではない画像形成装置であって、
軸上像高の前記走査速度に対する各軸外像高の前記走査速度のずれ量を示す部分倍率特性情報に基づき、主走査方向の位置に応じた変倍率で画像データを変倍する変倍手段と、
前記変倍した画像データに対するハーフトーン処理を行うハーフトーン処理手段と、
前記ハーフトーン処理した画像データに対するパルス幅変調処理を行うパルス幅変調手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。 - 感光体の表面におけるレーザ光の走査速度が一定ではない画像形成装置であって、
画像データに対するハーフトーン処理を行うハーフトーン処理手段と、
軸上像高の前記走査速度に対する各軸外像高の前記走査速度のずれ量を示す部分倍率特性情報に基づき、主走査方向の位置に応じた変倍率で、前記ハーフトーン処理した画像データを変倍する変倍手段と、
前記変倍した画像データに対するパルス幅変調処理を行うパルス幅変調手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記ハーフトーン処理手段は、前記部分倍率特性情報に基づき、主走査方向の位置に応じたスクリーン角度でハーフトーン処理を実行することを特徴とする請求項2または3に記載の画像形成装置。
- 前記ハーフトーン処理は、無理数スクリーン処理であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記ハーフトーン処理手段は、前記部分倍率特性情報に基づき、主走査方向の位置に応じて用いるスクリーンの形状を変えることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
- 感光体の表面におけるレーザ光の走査速度が一定ではない画像形成装置によって実行される画像形成方法であって、
軸上像高の前記走査速度に対する各軸外像高の前記走査速度のずれ量を示す部分倍率特性情報に基づき、主走査方向の位置に応じた変倍率で画像データを変倍するステップと、
前記変倍した画像データに対するパルス幅変調処理を行うステップと、
を有することを特徴とする画像形成方法。 - 感光体の表面におけるレーザ光の走査速度が一定ではない画像形成装置によって実行される画像形成方法であって、
軸上像高の前記走査速度に対する各軸外像高の前記走査速度のずれ量を示す部分倍率特性情報に基づき、主走査方向の位置に応じた変倍率で画像データを変倍するステップと、
前記変倍した画像データに対するハーフトーン処理を行うステップと、
前記ハーフトーン処理した画像データに対するパルス幅変調処理を行うステップと、
を有することを特徴とする画像形成方法。 - 感光体の表面におけるレーザ光の走査速度が一定ではない画像形成装置によって実行される画像形成方法であって、
画像データに対するハーフトーン処理を行うステップと、
軸上像高の前記走査速度に対する各軸外像高の前記走査速度のずれ量を示す部分倍率特性情報に基づき、主走査方向の位置に応じた変倍率で、前記ハーフトーン処理した画像データを変倍するステップと、
前記変倍した画像データに対するパルス幅変調処理を行うステップと、
を有することを特徴とする画像形成方法。
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