JP2007264391A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】擬似高解像度技術を用いて画像形成を行う場合における画像品質の安定化及び向上を図る。
【解決手段】基準点灯時間特定部104により、感光体ドラムの暗電位、中間感度、及びレーザビームの主走査方向の光量のばらつきを修正し、かつ、出力ディザ画像を原画像の解像度で擬似的に印刷するような時間に各ブロックの基準点灯時間が特定されると共に、区間生成部105は、基準点灯時間特定部104によって特定された各画素の基準点灯時間が、レーザビームの主走査方向において、濃度差が目立たない予め定められたレーザビーム点灯時間分だけ変化する毎に、出力ディザ画像を主走査方向に区切って複数区間を生成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ネットワークプリンタ、デジタル複合機、複写機、ファクシミリ装置等の画像形成装置に関するものである。
従来から、複写機等の画像形成装置では、例えば解像度が1200dpiの原画像を600dpiの再現能力しかないプリンタを用いて印刷する場合であっても、各画素のレーザビームの点灯時間を調節することで、擬似的に1200dpiの画像を再現する疑似高解像技術が適用されている。
図10は、特許文献1に示す技術を説明する図である。まず、パソコン等の機器から送信された原画像は、公知のディザ法を用いて、入力ディザ画像に変換される。この入力ディザ画像は複数のブロックに細分化され、各ブロックのディザパターンが、予め定められた入力ディザパターン(入力テンプレート)A,B,・・・のいずれに該当するか特定される。そして、特定された入力ディザパターンが、各入力ディザパターンA,B,・・・に対して予め定められた出力ディザパターン(出力テンプレート)A,B,・・・に変換され、入力ディザ画像が出力ディザパターンからなる出力ディザ画像に変換される。上記出力ディザパターンには、像担持体上で、ある画素と隣接する画素との間に画素を補間するようなレーザビームの点灯時間が対応付けられている。
図11は、出力ディザパターンA,Bと、出力ディザパターンA,Bに従ってレーザビームを点灯させた結果、画素が補間される様子を説明する図であり、(a)は出力ディザパターンA,Bを示し、(b)は補間された画素を示し、(c)はレーザビームの副走査方向に対する光量分布を示すグラフである。(c)に示すグラフは縦軸が強度を示し、横軸が副走査方向を示している。
(a),(b)において、600dpiラインと標記されたラインは、プリンタが実際にレーザビームを走査する走査線を示し、1200dpiラインと標記されたラインは補間される走査線を示している。図11(a)に示す出力ディザパターンA,Bは4×4の画素から構成され、右方向はレーザビームが走査される主走査であり、下方向は副走査方向となっている。出力ディザパターンAは、左上の第1行第1列、第2行第1列、第1行第2列、第2行第2列の4つの画素がレーザビームにより点灯される。出力ディザパターンBは、第2行第2列、第3行第2列、第1行第4列、第2行第4列の4つの画素がレーザビームにより点灯される。
また、(a),(b)に示す主走査方向のハッチングが施された矩形領域の主走査方向の幅は、レーザビームの点灯時間を示している。(b)に示す矩形領域の主走査方向の幅が(a)に示す矩形領域の主走査方向の幅より大きいため、出力ディザパターンBの方が、出力ディザパターンAよりもパルス点灯時間が長い。
(b)に示す出力ディザパターンBに含まれる第1行第4列、第2行第4列の画素を出力ディザパターンBと対応付けられた点灯時間及び出力パワーのレーザビームで露光すると、例えば(c)に示すように、第1行第4列の画素に対するレーザビームの強度の副走査方向に対する光量分布B1と、第2行第4列の画素に対するレーザビームの強度の副走査方向に対する光量分布B2とが重畳され、光量分布B3が得られる。この結果、(b)に示す第1行目の600dpiラインと第2行目の600dpiラインとの中間に位置する1200dpiライン上に画素が補間される結果、1200dpiの解像度を擬似的に再現することが可能となる。これにより、プリンタは、各出力ディザパターンと対応付けられたレーザビームの点灯時間に従って出力ディザ画像を露光すれば、600dpiの画像再現能力しかないにも拘わらず、1200dpiの解像度の画像を再現することが可能となる。
このような疑似高解像技術では、像担持体の電位や光走査装置の光強度分布等の画像形成に関する様々な影響を受け、印字画像の画像品質が不安定になる。また、下記特許文献1では、主走査方向を区間に分割し、さらに解像度から決定される印字クロックをも分割することで、像担持体の電位や光走査装置の光強度分布を補正する画像形成装置が提案されている。
特開2005−178041号公報
上記特許文献1に示される画像形成装置によれば、像担持体の電位や光走査装置の光強度分布を補正できるが、主走査方向を区間に分割すると共に印字クロックを分割しているため、実際には1ドットパルス発光内で複数回の微少パルス発光をしている。これに対して、上記擬似高解像技術は、パルス発光時間とパルス発光位置を制御し、走査間に合成潜像を形成するものであるため、上記特許文献1の画像形成装置で適用されている技術では、疑似高解像を実現することができない。そのため、特許文献1に示される技術によっても、疑似高解像技術を用いた画像形成における画像品質の安定化及び向上を図ることはできない。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、擬似高解像度技術を用いて画像形成を行う場合における画像品質の安定化及び向上を図ることを目的とするものである。
本発明の請求項1に記載の発明は、再現可能な解像度よりも解像度の高い原画像を、擬似高解像度技術を用いて記録紙に印刷する画像形成装置であって、
原画像をディザ画像に変換して入力ディザ画像を生成する入力ディザ画像生成手段と、
前記入力ディザ画像を複数ブロックに区分して、各ブロックのディザパターンが、予め定められた入力ディザパターンのうち、いずれの入力ディザパターンに該当するかを特定する入力ディザパターン特定手段と、
前記原画像を当該原画像の解像度で擬似的に記録紙に印刷させるために、前記予め定められた入力ディザパターン毎に予め定められた出力ディザパターンを用いて、前記入力ディザパターン特定手段によってブロック毎に特定された前記入力ディザパターンを当該出力ディザパターンに変換して、出力ディザ画像を生成する出力ディザ画像生成手段と、
像担持体の暗電位の分布及び中間感度の分布、レーザビームの主走査方向に対する光量の分布、及び出力ディザパターンから、前記暗電位、前記中間感度、及び前記光量のバラツキを修正し、かつ、前記出力ディザ画像生成手段によって生成される出力ディザ画像を前記原画像の解像度で擬似的に印刷可能な各ブロックについてのレーザビーム点灯時間を示す基準点灯時間を特定する基準点灯時間特定手段と、
前記基準点灯時間特定手段によって特定された各ブロックの基準点灯時間が、前記レーザビームの主走査方向において、濃度差が目立たない予め定められたレーザビーム点灯時間分だけ変化する毎に前記各ブロックを区分けして複数の区間を生成する区間生成手段と、
前記区間生成手段によって生成された各区間の実点灯時間を算出する実点灯時間算出手段と
を備えるものである。
この構成によれば、上記基準点灯時間特定手段により、感光体ドラムの暗電位、中間感度、及びレーザビームの主走査方向の光量のばらつきを修正し、かつ、前記出力ディザ画像を前記原画像の解像度で擬似的に印刷する時間に各ブロックの基準点灯時間が特定されると共に、区間生成手段は、基準点灯時間特定手段によって特定された各画素の基準点灯時間が、レーザビームの主走査方向において、濃度差が目立たない予め定められたレーザビーム点灯時間分だけ変化する毎に、出力ディザ画像を主走査方向に区切って複数区間を生成するので、隣接する区間同士で大きな濃度差が発生せず、擬似高解像技術による原画像の再現性を高めることができ、画像品質の安定化及び向上を図ることができる。また、濃度差が目立たない予め定められたレーザビーム点灯時間分だけ各ブロックの基準点灯時間が変化しないと区間を生成しないので、当該基準点灯時間の変化が少ない場合には、擬似高解像度技術の画像形成に必要となる区間数が減り、各区間や各区間の実点灯時間等を記憶するために必要とされるメモリ容量を少なくすることができる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、前記実点灯時間算出手段は、前記区間生成手段によって生成された各区間を構成する各ブロックのレーザビーム点灯時間の平均値を、前記生成された各区間の実点灯時間とするものである。
この構成によれば、各区間を構成する各ブロックのレーザビーム点灯時間の平均値が、生成された各区間の実点灯時間の実点灯時間となるので、各区間の実点灯時間等を記憶するために必要とされるメモリ容量を更に少なくすることができる。
請求項1に記載の発明によれば、隣接する区間同士で大きな濃度差が発生せず、擬似高解像度技術による原画像の再現性を高めることができ、画像品質の安定化及び向上を図ることができる。また、擬似高解像技術の画像形成に必要となる区間数が減り、各区間や各区間の実点灯時間等を記憶するために必要とされるメモリ容量を少なくすることができる。
請求項2に記載の発明によれば、各区間の実点灯時間等を記憶するために必要とされるメモリ容量を更に少なくすることができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態による画像形成装置の機械的構成を主に示す側面概略図である。本画像形成装置1は、本体部200と、本体部200の左側に配設された用紙後処理部300と、ユーザが種々の操作指令等を入力するための操作部400と、本体部200の上部に配設された原稿読取部500と、原稿読取部500の上方に配設された原稿給送部600とから構成される。
操作部400は、表示パネル401、スタートキー402及びテンキー403等を備える。表示パネル401は、タッチパネルから構成され、種々の操作画像を表示するとともに、ユーザが種々の操作指令を入力するための種々の操作ボタン等を表示する。この操作ボタンには、ユーザがフォントサイズを拡大する操作指令を入力するための拡大サイズ設定ボタンと、ユーザがフォントサイズを縮小する操作指令を入力するための縮小サイズ設定ボタンとが含まれている。スタートキー402は、ユーザが印刷実行指令等を入力するために用いられ、テンキー403は、印刷部数等を入力するために用いられる。
原稿給送部600は、原稿載置部601、原稿排出部602、給紙ローラ603及び原稿搬送部604、及びコンタクトガラス605等を備え、原稿読取部500は、スキャナ501等を備える。給紙ローラ603は、原稿載置部601にセットされた原稿を繰り出し、原稿搬送部604は、繰り出される原稿を1枚ずつ順にスキャナ501上に搬送する。
スキャナ501は搬送される原稿を順次読取り、読取られた原稿は原稿排出部602に排出される。また、スキャナ501は、コンタクトガラス605に載置された原稿を読取る場合は、A方向にスライドして原稿を読取る。
本体部200は、複数の給紙カセット201、複数の給紙ローラ202、転写ローラ203、感光体ドラム204、露光装置205、現像装置206、定着ローラ208、排出口209、排出トレイ210、及び記録紙搬送部211等を備える。
感光体ドラム204は、矢印方向に回転しながら帯電装置(図示省略)によって一様に帯電される。露光装置205は、原稿読取部500において読取られた原稿の画像データに基づいて生成された変調信号をレーザ光に変換して出力し、感光体ドラム204に各色別に静電潜像を形成する。現像装置206は、各色の現像剤を感光体ドラム204に供給して各色別のトナー像を形成する。
一方、給紙ローラ202は、記録紙が収納された給紙カセット201から記録紙を引き出し、記録紙搬送部211は、引き出された記録紙を転写ローラ203へと搬送する。転写ローラ203は、搬送された記録紙に感光体ドラム204上のトナー像を転写させる。トナー像が転写された記録紙は、記録紙搬送部211により定着ローラ208へと搬送され、定着ローラ208は、転写されたトナー像を加熱して記録紙に定着させる。その後、記録紙は、記録紙搬送部211により排出口209へと搬送され用紙後処理部300に搬入される。また、記録紙は、必要に応じて排出トレイ210へも排出される。
用紙後処理部300は、搬入口301、記録紙搬送部302、搬出口303及びスタックトレイ304等を備える。記録紙搬送部302は、排出口209から搬入口301に搬入された記録紙を順次搬送し、最終的に搬出口303からスタックトレイ304へ記録紙
を排出する。スタックトレイ304は、搬出口303から搬出された記録紙の集積枚数に応じて矢印方向に上下動可能に構成されている。
図2は、図1に示す画像形成装置1の電気的構成を示すブロック図である。本画像形成装は、原稿読取部10、通信インターフェイス(I/F)20、制御部30、画像メモリ40、操作表示部50、印刷部60、及び画像処理部100を備えている。
原稿読取部10は、図1に示す原稿読取部500から構成され、コピー対象となる原稿の画像データを取得する。通信I/F20は、LANボート等から構成され、LANを介して接続されたコンピュータから送信される印刷対象となる画像データを受信する。
制御部30は、CPU,ROM,RAM等から構成され、画像形成装置1全体を制御する。画像メモリ40は、ハードディスク等の外部記憶装置から構成され、原稿読取部10により取得された画像データ、又は通信I/F20により受信された画像データを記憶する。
操作表示部50は、制御部30の制御の下、種々の操作画像を表示パネル401に表示する。印刷部60は、図1に示す転写ローラ203、感光体ドラム204、露光装置205、現像装置206等から構成され、画像処理部100により画像処理が施された画像データを記録紙に印刷する。
画像処理部100は、ASIC等から構成され、原稿読取部10により取得された原稿の画像データ及び通信I/F20により受信された画像データに対して所定の画像処理を施し、印刷部60に出力する。
特に本実施の形態では、画像処理部100は、入力ディザ画像生成部101、入力ディザパターン特定部102、出力ディザ画像生成部103、基準点灯時間特定部104、区間生成部105、区間点灯時間算出部106、入力ディザパターン記憶部107、出力ディザパターン記憶部108、基準点灯時間決定テーブル記憶部109、暗電位分布記憶部110、中間感度分布記憶部111、及び光量分布記憶部112を備えている。
入力ディザ画像生成部101は、制御部30によって指定された印刷対象となる1枚の原画像の画像データを画像メモリ40から読み出し、読み出した画像データに対して、組織的ディザ法等の公知のディザ法を用いて原画像の画像データをディザ画像に変換する。本実施形態では、原画像の画像データは、モノクロの多値画像であるものとする。また、入力ディザ画像生成部101により生成されるディザ画像を入力ディザ画像と呼ぶことにする。また、入力ディザ画像は2値画像であるものとする。
入力ディザパターン特定部102は、入力ディザ画像を所定行×所定列(例えば8×8)の合計64個の画素から構成される複数のブロックに区分し、各ブロックに現れるディザパターンが、入力ディザパターン記憶部107に記憶された複数種類の入力ディザパターンのうち、いずれの入力ディザパターンに該当するかを、公知のテンプレートマッチングにより特定する。なお、この処理の詳細は、US patent-5134495号公報に開示されている。
出力ディザ画像生成部103は、出力ディザパターン記憶部108を参照することにより、上記各ブロックに対して特定された入力ディザパターンを、各入力ディザパターン毎に予め定められた出力ディザパターンに変換し、出力ディザパターンから構成される出力ディザ画像を生成する。ここで、出力ディザパターンは、入力ディザパターンに対して解像度が例えば1/2であるが、この出力ディザパターンを感光体ドラム204に露光した場合、擬似的に入力ディザパターンの解像度を再現し得るようなディザパターンを有している。なお、この処理の詳細は、上記US patent-5134495号公報に開示されている。
基準点灯時間特定部104は、暗電位分布記憶部110、中間感度分布記憶部111、及び光量分布記憶部112を参照して、感光体ドラム204上での各ブロックの露光位置を特定し、特定した露光位置に対する感光体ドラム204の暗電位及び中間感度、並びにレーザビームの光量を特定する。そして、基準点灯時間特定部104は、特定した暗電位、中間感度、レーザビームの光量、及びブロックの出力ディザパターンから、上記各ブロックについてのレーザビーム点灯時間を定める基準点灯時間を、基準点灯時間決定テーブル記憶部109を参照することにより特定する。
区間生成部(区間生成手段)105は、出力ディザ画像生成部103によって生成された出力ディザ画像を、主走査方向に、各ブロックが1以上属してなる区間毎に分ける。すなわち、区間生成部105は、基準点灯時間特定部104によって特定される各ブロックの基準点灯時間が、レーザビームの主走査方向において、予め定められたレーザビーム点灯時間分だけ変化する毎に、当該主走査方向に並ぶブロックを区切ってグループ分けし、1以上のブロックからなる区間を複数生成する。この予め定められたレーザビーム点灯時間は、隣接する区間同士のレーザビーム点灯時間の差が、濃度差の目立たない程度の値となるように設定される。
区間点灯時間算出部106は、区間生成部105によって生成された各区間に属する各ブロックの基準点灯時間の代表値(平均値、中央値等)を算出し、この算出した代表値を各区間における1画素の実点灯時間とする。
入力ディザパターン記憶部107は、予め定められた複数種類の入力ディザパターンを記憶している。出力ディザパターン記憶部108は、各入力ディザパターンに対して予め定められたディザパターンである出力ディザパターンを記憶する。ここで、出力ディザパターンは、記録紙に印刷する画像の解像度を擬似的に原画像の解像度で印刷するために各入力ディザパターンに対して予め定められたディザパターンを有している。なお、出力ディザパターンの詳細については上記US patent-5134495号公報に開示されている。
基準点灯時間決定テーブル記憶部109は、基準点灯時間特定部104が基準点灯時間を特定する際に用いられる基準点灯時間決定テーブルを記憶している。基準点灯時間決定テーブルは、暗電位、中間感度、レーザビームの光量、及び出力ディザパターンに対する基準点灯基準時間を記憶する4次元のテーブルである。ここで、基準点灯時間決定テーブルは、暗電位、中間感度、及びレーザビームの光量のバラツキを修正し、かつ、出力ディザ画像を原画像の解像度で擬似的に印刷することができるように予め定められた基準点灯時間を記憶している。
暗電位分布記憶部110は、感光体ドラム204の暗電位分布を記憶している。図4(a)は暗電位分布記憶部110が記憶する暗電位分布の一例を示したグラフである。図4(a)に示すグラフは、感光体ドラム204の主走査方向のある1ラインにおける暗電位分布を示し、縦軸が暗電位を示し、横軸が感光体ドラム204の主走査方向の位置を示している。また、図4(a)に示すグラフの左側の端点は、感光体ドラム204の画像形成領域の主走査方向の左端の暗電位を示し、右側の端点は、感光体ドラム204の右端の暗電位を示している。図4(a)に示すように、暗電位は位置が左端から右端に向かうにつれて増大していることが分かる。なお、暗電位分布記憶部110は、このような暗電位分布を複数ライン分記憶している。また、この暗電位分布は、実験等により予め得られたものである。
中間感度分布記憶部111は、感光体ドラム204の中間感度分布を記憶している。図4(b)は中間感度分布記憶部111が記憶する中間感度分布の一例を示したグラフであ
る。図4(b)に示すグラフは、図4(a)に示す暗電位分布と同一ライン上の中間感度分布を示し、縦軸が中間感度を示し、横軸が上記ライン上の位置を示している。また、図4(b)に示すグラフの左側の端点は感光体ドラム204の画像形成領域の主走査方向の左端の中間感度を示し、右側の端点は感光体ドラム204の画像形成領域の主走査方向の右端の中間感度を示している。なお、中間感度分布記憶部111は、複数ライン分の中間感度分布を記憶している。また、この中間感度分布は実験等により予め得られたものである。
光量分布記憶部112は、レーザビームの主走査方向における光量分布を記憶している。図4(c)は光量分布記憶部112が記憶するレーザビームの主走査方向の光量分布を示したグラフであり、縦軸は光量を示し、横軸は主走査方向の位置(像高)を示している。また、図4(c)に示すグラフの左側の端点は感光体ドラム204の画像形成領域の主走査方向の左端の位置に照射されるレーザビームの光量を示し、右側の端点は感光体ドラム204の画像形成領域の主走査方向の右端のレーザビームの光量を示している。図4(c)のグラフに示すように、光量は主走査方向に左端から中央部に向かうにつれて増大し、中央部から右端に向かうにつれて減少していることが分かる。なお、この光量分布は実験的に予め得られたものである。ここで、この光量のばらつきは、レーザビームを感光体ドラムへと導く、fθレンズ等の光学系の特性に応じて生じるものである。
一定の光量を感光体ドラム204に与えた場合、暗電位が低い位置と暗電位が高い位置との露光後の電位を比べると、暗電位が低い位置の方が、暗電位が高い位置よりも電位が低くなる。従って、一定濃度の画像を得るためには、暗電位が低い位置の点灯時間を暗電位が高い位置の点灯時間よりも短くすればよい。
また、一定の光量を感光体ドラム204に与えた場合、中間感度が低い位置と中間感度が高い位置との露光後の電位を比べると、中間感度が低い位置の方が、中間感度が高い位置よりも電位が高くなる。従って、一定濃度の画像を得るためには、中間感度が低い位置の点灯時間を中間感度が高い位置の点灯時間よりも長くすればよい。
また、感光体ドラム204の暗電位及び中間感度を一定とした場合、一定濃度の画像を得るためには、レーザビームの光量が高い位置の点灯時間に対して、レーザビームの光量が低い位置の点灯時間を長くすればよい。
従って、図4に示すように主走査方向を例えば3つの区間に区切った場合、区間Aでは中間感度が高く、光量及び暗電位が低く、区間Bでは光量が高く、中間感度及び暗電位は中間程度、区間Cでは、光量及び中間感度が低く、暗電位が高い。そのため、基準点灯時間テーブルが記憶する基準点灯時間は、上述した感光体ドラム204の特性から、一定濃度の画像を得るために、区間A、区間B、区間Cの順で点灯時間を短く設定するような時間に設定される。
図5は、図4に示す特性を有する画像形成装置1により露光される出力ディザパターンを示した図であり、(a)は区間Aに対する点灯時間を示し、(b)は区間Bに対する点灯時間を示し、(c)は区間Cに対する点灯時間を示している。
区間Aは、区間B,Cに対して点灯時間が短く設定されているため、(a)に示すように、各画素の主走査方向の幅が、区間B,Cの場合に比べて短くなっていることが分かる。区間Bは、区間A,Cに対して中間の点灯時間が設定されているため、(b)に示すように、各画素の主走査方向の幅が、区間Aより長く、区間Cより短くなっていることが分かる。更に、区間Cは、区間A,Bに対して点灯時間が長く設定されているため、(c)に示すように、各画素の主走査方向の幅が、区間A,Bの場合に比べて長くなっていることが分かる。
次に、本画像形成装置1による擬似高解像度技術を用いた画像形成時の処理を説明する。図3は、本画像形成装置1による擬似高解像度技術を用いた画像形成時の処理を示すフローチャートである。まず、ステップS1において、入力ディザ画像生成部101は、制御部30の制御の下、画像メモリ40から1枚の原画像の画像データを読み出し、入力ディザ画像を生成する。
入力ディザパターン特定部102は、ステップS2において、入力ディザ画像を複数のブロックに分割し、ステップS3において、各ブロックに対応する入力ディザパターンを特定する。ステップS4において、出力ディザ画像生成部103は、各ブロックに対して特定された入力ディザパターンに対応する出力ディザパターンを特定し、出力ディザ画像を生成する。
ステップS5において、基準点灯時間特定部104は、各ブロックの感光体ドラム204上での露光位置を特定し、特定した露光位置に対する感光体ドラム204の暗電位、中間感度、及びレーザビームの光量を、暗電位分布記憶部110、中間感度分布記憶部111、及び光量分布記憶部112を参照して特定し、特定した暗電位、中間感度、レーザビームの光量、及び出力ディザパターンから各ブロックの基準点灯時間を、基準点灯時間決定テーブル記憶部109を参照して特定する。
図6は、出力ディザ画像を構成する各ブロックと露光位置との関係を示した図であり、(a)は出力ディザ画像に設定されたブロックを示し、(b)は感光体ドラム204を示している。本実施の形態では、図6に示すように感光体ドラム204の周面に等しい間隔で主走査方向(長手方向)に例えば8本の直線を引くことで得られるラインL1〜L8上の各々に設定されたn個のサンプル点P1〜Pnに対して予め測定された暗電位及び中間感度が暗電位分布記憶部110及び中間感度分布記憶部111に記憶されているものとする。
ここで、制御部30は、1枚の出力ディザ画像のうち、先頭の1ラインが図6(b)に示すラインL1上に露光されるように感光体ドラム204及び露光装置205を制御する。従って、基準点灯時間特定部104は、露光対象となる画素の座標から感光体ドラム204の露光位置を特定することができる。(a)に示す左上のブロックBL1の露光位置が、(b)に示す領域BL1´であるとすると、基準点灯時間特定部104は、感光体ドラム204上に存在するサンプル点の中から、領域BL1´の中心に対して最短距離に位置するラインL1上のサンプル点P1を特定する。そして、特定したラインL1上のサンプル点P1の暗電位、中間感度、及びレーザビームの光量を暗電位分布記憶部110、中間感度分布記憶部111、及び光量分布記憶部112を参照して特定する。
次に、基準点灯時間特定部104は、ブロックBL1に対して特定された出力テンプレートと、ラインL1上のサンプル点P1の暗電位、中間感度、及びレーザビームの光量からブロックBL1に対する基準点灯時間を特定する。基準点灯時間特定部104は、以上のような処理をブロックBL2等の残りのブロックに対して実行し、各ブロックに対する基準点灯時間を特定する。
図7は、基準点灯時間特定部104によって特定される基準点灯時間の一例を示した表である。この表から分かるように、基準点灯時間特定部104は、例えば、あるブロックに対して特定された暗電位、中間感度、及びレーザビームの光量が270V、100V、及び0.8μJ/cmであり、かつ、当該ブロックの出力ディザパターンが1である場合、当該ブロックの基準点灯時間を3.0nsと特定する。
また、基準点灯時間特定部104は、例えば、あるブロックに対して特定された暗電位、中間感度、及びレーザビームの光量が270V、120V、及び0.8μJ/cmであり、かつ、当該ブロックの出力ディザパターンが2である場合、当該ブロックの基準点灯時間を3.5nsと特定する。
図3に示すステップS6において、区間生成部105は、S5で基準点灯時間特定部104によって特定された各ブロックの基準点灯時間に基づいて、レーザビームの主走査方向に複数の区間を生成する。図8は、区間生成部105による区間生成における各ブロックの基準点灯時間と像高との関係を示す図である。図8に示すように、区間生成部105は、S5で基準点灯時間特定部104によって特定された各ブロックの基準点灯時間に基づいて、当該各ブロックの基準点灯時間が、レーザビームの主走査方向において、予め定められたレーザビーム点灯時間分α(上述)だけ変化する毎に、各ブロック(出力ディザ画像)を当該主走査方向に複数のグループに分けて区切り、複数の区間を生成する。区間生成部105は、各ブロックの基準点灯時間の変化に基づいて区間を生成するため、生成される区間は整数のブロックで構成される。このように区間生成部105が区間を生成することにより、基準点灯時間の変化の大きい領域では区間が密に生成され(区間A,B)、基準点灯時間の変化が緩やかな領域では区間が疎に生成される(区間C,D)。
S7において、区間点灯時間算出部106は、区間生成部105によって生成された上記各区間に対する基準点灯時間である区間点灯時間を算出する。図9は、区間点灯時間算出部106が、実点灯時間を算出する処理を示す図である。例えば、区間点灯時間算出部106は、区間1に属するブロックBL1〜BL4の基準点灯時間が、各々T1,T2,T3,T4に特定されているとすると、T1〜T4の平均値を算出し、算出した平均値を区間1に対する区間点灯時間として算出する。
ステップS8において、印刷部60は、制御部30の制御の下、ステップS7で算出された区間点灯時間を実点灯時間として採用して出力ディザ画像を露光し、記録紙に画像を形成する。
以上説明したように、本画像形成装置1によれば、入力ディザパターン特定部102は、原画像をディザ画像に変換することで得られる入力ディザ画像を複数のブロックに区分し、各ブロックのディザパターンがどの入力ディザパターンに該当するかを特定する。
出力ディザ画像生成部103は、各ブロックに対して特定された入力ディザパターンを各入力ディザパターンに対して予め定められた出力ディザパターンに変換する。
基準点灯時間特定部104は、感光体ドラムの暗電位分布、及び中間感度分布、レーザビームの主走査方向に対する光量分布、並びに出力ディザパターンから各ブロックの基準点灯時間を特定する。
区間生成部105は、各ブロックに対して特定された基準点灯時間を基に、各ブロックの基準点灯時間が、レーザビームの主走査方向において、予め定められたレーザビーム点灯時間分(隣接する区間同士のレーザビーム点灯時間の差が、濃度差の目立たない程度の値)だけ変化する毎に、当該主走査方向に並ぶブロックを区切ってグループ分けし、1以上のブロックからなる区間を複数生成する。
区間点灯時間算出部106は区間点灯時間(各区間についての基準点灯時間)を算出し、印刷部60は、制御部30の制御の下、当該区間点灯時間を実点灯時間として、出力ディザ画像を露光する。
これにより、隣接する区間同士では大きな濃度差が発生せず、擬似高解像技術による原画像の再現性を高めることができると共に、擬似高解像技術の画像形成に必要となる区間数が減るため、各区間や各区間の実点灯時間等の記憶に必要となるメモリ容量を少なくすることができる。
なお、本実施の形態では、像担持体として感光体ドラム204を例に挙げて説明したが、タンデム型の画像形成装置を採用する場合は、像担持体は転写ベルトとなる。また、原画像の解像度と、擬似的に高解像とされる解像度の数値関係は特に限定されず、原画像の解像度が画像形成装置1の再現可能な画像度より高ければ、本発明は適用可能である。
本発明の実施の形態による画像形成装置の機械的構成を主に示す側面概略図である。 図1に示す画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。 本画像形成装置による動作を示すフローチャートである。 (a)は暗電位分布記憶部が記憶する暗電位分布の一例を示したグラフであり、(b)は中間感度分布記憶部が記憶する中間感度分布の一例を示したグラフであり、(c)は光量分布記憶部が記憶するレーザビームの主走査方向の光量分布を示したグラフである。 図4に示す特性を有する画像形成装置により露光される出力ディザパターンを示した図であり、(a)は区間Aに対する点灯時間を示し、(b)は区間Bに対する点灯時間を示し、(c)は区間Cに対する点灯時間を示している。 出力ディザ画像を構成する各ブロックと露光位置との関係を示した図であり、(a)は出力ディザ画像に設定されたブロックを示し、(b)は感光体ドラム204を示している。 基準点灯時間特定部によって特定される基準点灯時間の一例を示した表である。 区間生成部による区間生成における各ブロックの基準点灯時間と像高との関係を示す図である。 区間点灯時間算出部が、区間点灯時間を算出する処理を示す図である。 疑似高解像技術を説明する図である。 出力ディザパターンA,Bと、出力ディザパターンA,Bに従ってレーザビームを点灯させた結果、画素が補間される様子を説明する図であり、(a)は出力テンプレートA,Bを示し、(b)は補間された画素を示し、(c)はレーザビームの副走査方向に対する光量分布を示すグラフである。(c)に示すグラフは縦軸がビーム強度を示し、横軸が副走査方向を示している。
符号の説明
1 画像形成装置
101 入力ディザ画像生成部
102 入力ディザパターン特定部
103 出力ディザ画像生成部
104 基準点灯時間特定部
105 区間生成部
106 区間点灯時間算出部
107 入力ディザパターン記憶部
108 出力ディザパターン記憶部
109 基準点灯時間決定テーブル記憶部
110 暗電位分布記憶部
111 中間感度分布記憶部
112 光量分布記憶部

Claims (2)

  1. 再現可能な解像度よりも解像度の高い原画像を、擬似高解像度技術を用いて記録紙に印刷する画像形成装置であって、
    原画像をディザ画像に変換して入力ディザ画像を生成する入力ディザ画像生成手段と、
    前記入力ディザ画像を複数ブロックに区分して、各ブロックのディザパターンが、予め定められた入力ディザパターンのうち、いずれの入力ディザパターンに該当するかを特定する入力ディザパターン特定手段と、
    前記原画像を当該原画像の解像度で擬似的に記録紙に印刷させるために、前記予め定められた入力ディザパターン毎に予め定められた出力ディザパターンを用いて、前記入力ディザパターン特定手段によってブロック毎に特定された前記入力ディザパターンを当該出力ディザパターンに変換して、出力ディザ画像を生成する出力ディザ画像生成手段と、
    像担持体の暗電位の分布及び中間感度の分布、レーザビームの主走査方向に対する光量の分布、及び出力ディザパターンから、前記暗電位、前記中間感度、及び前記光量のバラツキを修正し、かつ、前記出力ディザ画像生成手段によって生成される出力ディザ画像を前記原画像の解像度で擬似的に印刷可能な各ブロックについてのレーザビーム点灯時間を示す基準点灯時間を特定する基準点灯時間特定手段と、
    前記基準点灯時間特定手段によって特定された各ブロックの基準点灯時間が、前記レーザビームの主走査方向において、濃度差が目立たない予め定められたレーザビーム点灯時間分だけ変化する毎に前記各ブロックを区分けして複数の区間を生成する区間生成手段と、
    前記区間生成手段によって生成された各区間の実点灯時間を算出する実点灯時間算出手段と
    を備える画像形成装置。
  2. 前記実点灯時間算出手段は、前記区間生成手段によって生成された各区間を構成する各ブロックのレーザビーム点灯時間の平均値を、前記生成された各区間の実点灯時間とする請求項1に記載の画像形成装置。
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