(2)前記レーザ駆動回路(23)は、前記周波数指示データ(NLD)に対応して、画素クロック(PCLK)の周波数が高いときにはレーザ光源の発光光量を大きくする(図7,図13);上記(1)に記載のレーザ露光装置。画素クロックの周波数が高い領域では、1ドット割り当て時間(クロック周期)が短く、しかも露光走査面(例えば感光体表面)に対してレーザビームが当たる角度が小さくなるので光量密度が低下するが、このときには本実施態様によりレーザ光源の発光光量を大きくするので、1ラインの中でのドット光量を等しくする事ができる。
(3)レーザ露光装置は更に、画素クロック(PCLK)の周波数が高いときにはレーザ光源の発光光量を大きくするための発光量指示データ(電圧指示データ/光量補償ゲイン)を格納するメモリ(77a)を備え(図16,図17);前記レーザ駆動回路(23)は、前記発光量指示データに対応して、画素クロック(PCLK)の周波数が高いときにはレーザ光源の発光光量を大きくする;上記(1)に記載のレーザ露光装置。これによれば、上記(2)と同様な作用効果が得られる。
(4)前記レーザ駆動回路(23)は、前記画素クロック(PCLK)の周波数を整数倍にしたPWMパルス生成用クロックを発生する周波数逓倍手段(61)、および、該PWMパルス生成用クロックに基づいて、前記画素クロック(PCLK)に同期して画像信号をPWMパルスに変換するPWM手段(66)、を含み、該PWMパルスにて前記レーザ光源の発光を制御する;上記(1)乃至(3)のいずれか1つに記載のレーザ露光装置。これによれば、ドット露光量をPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)で制御することができる。
(5)前記レーザ駆動回路(23)は、前記周波数指示データ(NLD)に対応して、画素クロック(PCLK)の周波数が高いときには前記画像信号のレベルを高く補正してから、補正したレベルをPWMパルスに変換する(図13);上記(4)に記載のレーザ露光装置。
(6)前記データ読み出し手段(72〜76)は、前記直線上の前記ドットの移動位置データを発生するアップ/ダウンカウンタ(76a)、および、前記ドットが前記直線上の移動範囲の中央点より前のときは前記アップ/ダウンカウンタをアップカウントとダウンカウントの一方に指定し、中央点以降のときは他方に指定するアップ/ダウン制御手段(72,82,83)を含み;前記メモリ手段(77a)は、前記一方のカウント期間の前記指示データ(NLD,DPHASE,電圧指示データ,光量補償ゲイン)のみを格納する;上記(1)乃至(5)のいずれか1つに記載のレーザ露光装置。これによればメモリに保持すべきデータ量が半減する。
(7)前記データ読み出し手段(72〜76)は、前記画素クロックの分周パルスをカウントする(図15の76b);上記(1)乃至(6)のいずれか1つに記載のレーザ露光装置。これによれば、分周比に対応してメモリに保持すべきデータ量が減少する。例えば分周比が1/2であると、データ量は1/2になる。
(8)前記画素クロック発生手段(46)は、前記可変周波数のパルス発生手段(21,41)が発生するパルス信号(VCLK)をカウントする第1および第2のカウント手段(51,49)および前記画素クロックを出力するクロックレベル保持手段(52)を含み、一方のカウント手段(51)が設定値をカウントすると前記クロックレベル保持手段(52)の保持レベルを切り換えるとともに他方のカウンタによる前記位相指示データ(DPHASE)対応値のカウントを開始し、該対応値をカウントすると前記クロックレベル保持手段(52)の保持レベルを切り換えるとともに前記一方のカウンタによる前記設定値のカウントを開始する;上記(1)乃至(7)のいずれか1つに記載のレーザ露光装置。
(9)上記(1)乃至(8)のいずれか1つに記載のレーザ露光装置(512);
前記レーザ露光装置の前記反射レーザビームが照射されこれにより画像信号に対応する静電潜像を形成する感光体(202);
前記静電潜像を、トナー像に顕像化する現像器(204);および、
前記トナー像を、直接に又は中間転写体を介してから、用紙に転写する転写手段(205,208,213);を備える画像形成装置。
(10)前記感光体(202)および現像器(204)はそれぞれ複数であって;前記レーザ露光装置(512)は、前記レーザ光源(31),画素クロック発生手段(46),周波数指示データ(NLD),位相指示データ(XDEPT)およびレーザ駆動回路(23)を複数系統有して各反射レーザビームを各感光体に投射し;前記転写手段(205,208,213)は、各現像器(204)が顕像化したトナー像を同一の用紙に重ねて転写する;上記(9)に記載の画像形成装置。
(11)画像形成装置は中間転写ベルト(208)を有し;前記複数の感光体は該中間転写ベルト(208)の移動方向にタンデムに分布し;前記転写手段(205,208,213)は、前記トナー像を前記中間転写ベルト(208)に転写する手段(205)および中間転写ベルトから用紙に転写する手段(213)を含む;上記(10)に記載の画像形成装置。
これによれば、fθレンズを省略した、ローコストでシンプルな、EMI(高調波ノイズ)たとえば縞模様が低減する、タンデムカラー画像形成装置を実現できる。
(12)前記感光体はBk,C,MおよびYの各色作像用の各感光体を含み;前記現像器(204)は各感光体にBk,C,MおよびYの各色トナー像を形成する;上記(10)又は(11)に記載のフルカラー画像形成装置。
(13)更に、外部から与えられる書画情報を画像データに変換するコントローラ(501);および、前記画像データを前記画像形成装置(200)による画像形成に適合する画像信号に変換する画像データ処理装置(510,IPP);を備える、上記(9)乃至(12)のいずれか1つに記載の画像形成装置(200)。
(14)上記(8)乃至(12)のいずれか1つに記載の画像形成装置(200);光学系により投影される画像を表す画像データを発生する画像読み取り装置(300);および、前記画像データを前記画像形成装置(200)による画像形成に適合する画像信号に変換して前記画像形成装置(200)に与える画像データ処理装置(510,IPP);を備える複写装置。
(15)更に、外部から与えられる書画情報を画像データに変換して前記画像データ処理装置(510,IPP)に与えるコントローラ(501);を備える上記(14)に記載の複写装置。
本発明の他の目的および特徴は、図面を参照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
図1に、本発明の一実施例の複合機能フルカラーデジタル複写機MF1の外観を示す。このフルカラー複写機は、大略で、自動原稿送り装置(ADF)120と、操作ボード10(図4)と、カラースキャナ300と、カラープリンタ200と、給紙バンク400の各ユニットで構成されている。機内のシステムコントローラ501(図4)には、パソコンPCが接続したLAN(Local Area Network)が接続されている。また、機内のファクシミリコントローラ506(図4)は、交換機PBXおよび公衆通信網PNを介して、ファクシミリ通信をすることが出来る。
プリンタ200には、転写ユニットがあり、該転写ユニットには、無端ベルトである転写ベルト208がある。転写ベルト208は、3つの支持ローラと1つのテンションローラに掛け廻されており、反時計廻りに回動駆動される。テンションローラの近くに、画像転写後に転写ベルト208上に残留する残留トナーを除去する転写体クリーニングユニットがある。
1つの支持ローラともう1つの支持ローラとの間の転写ベルト208には、その移動方向に沿って、上流側からBk(ブラック),C(シアン),M(マゼンタ)およびY(イエロー)の各色作像用の作像ユニットが装備され、これらの中にある各感光体ドラム202に、転写ベルト208を挟んで対向して、転写ローラ205がある。前記作像装置の上方には、各色感光体ユニットの各感光体ドラムに画像形成のためのレーザ光を照射する光書込ユニット512がある。感光体ドラム202を、帯電ローラ203が均一に帯電し、帯電面に光書込ユニット512が画像信号で変調したレーザを投射する。これによって生じた静電潜像を、現像器204が現像してトナー像とする。このトナー像が転写ベルト208に転写される。
転写ベルト208の下方には、搬送ベルト213がある。搬送ベルト213は、転写ベルト208上のトナー像を、用紙すなわちシート(転写紙)上に転写する。トナー像を転写した用紙は、搬送ベルト213で定着ユニット214に送り出される。搬送ベルト213および定着ユニット214の下方に、表面に画像を形成した直後の用紙を、裏面にも画像を記録するために表裏を反転して送り出すシート反転ユニットである両面ドライブユニット221がある。
操作ボード10(図4)のスタートスイッチが押されると、原稿自動搬送装置(ADF)120に原稿があるときは、それをスキャナ300のコンタクトガラス上に搬送してから、ADF120に原稿が無いときにはコンタクトガラス上に手置きの原稿を読むために直ちに、スキャナ300を駆動し、スキャナ300内の第1キャリッジおよび第2キャリッジを、読み取り走査駆動する。そして、第1キャリッジ上の光源からコンタクトガラスに光を発射するとともに原稿面からの反射光を第1キャリッジ上の第1ミラーで反射して第2キャリッジに向け、第2キャリッジ上のミラーで反射して結像レンズを通して読取りセンサであるCCDに結像する。読取りセンサで得た画像信号に基づいてBk,C,M,Y各色記録データが生成される。
また、スタートスイッチが押されたときに、転写ベルト208の回動駆動が開始されるとともに、前記作像装置の各ユニットの作像準備が開始され、そして各色作像の作像シーケンスが開始されて、各色用の感光体ドラムに各色記録データに基づいて変調された露光レーザが投射され、各色作像プロセスにより、各色トナー像が転写ベルト208上に一枚の画像として、重ね転写される。このトナー画像の先端が搬送ベルト213に進入するときに同時に先端が搬送ベルト213に進入するようにタイミングをはかって用紙がレジストローラ対212すなわち給送ローラから転写ベルト213に送り込まれ、これにより転写ベルト208上のトナー像が用紙に転写する。転写ベルト208には、転写ローラ205によって、トナーを転写する電圧が印加される。トナー像が移った用紙は定着ユニット214に送り込まれ、そこでトナー像が用紙に定着する。
なお、上述の用紙は、給紙バンク400の給紙トレイ(給紙段又はカセットとも言う)209〜211の直近上方の給紙ローラの1つを選択回転駆動し、給紙バンク400に多段に備える給紙トレイ209〜211の1つからシートを繰り出し、分離ローラで1枚だけ分離して、縦配列の搬送コロユニットに入れ、上方に搬送してプリンタ200内の搬送路に導き、搬送路の搬送ローラ215でレジストローラ対212に搬送して用紙の先端をレジストローラ対212に突き当てて止めてから、前述のタイミングでレジストローラ対212および搬送ローラ215を回転駆動して搬送ベルト213に送り出されるものである。右側端の手差しトレイ上に用紙を差し込んで給紙することもできる。ユーザが手差しトレイ上に用紙を差し込んでいるときには、プリンタ200が手差しトレイ部の給紙ローラを回転駆動して手差しトレイ上のシートの一枚を分離して手差し給紙路に引き込み、同じくレジストローラ対212に突き当てて止める。
定着ユニット214で定着処理を受けて排出される用紙は、切換爪で排出ローラに案内して図示を省略した排紙トレイ上にスタックする。または、切換爪で両面ドライブユニットに案内して、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラで排紙トレイ上に排出する。一方、画像転写後の転写ベルト208上に残留する残留トナーは、図示を省略した転写体クリーニングユニットで除去し、再度の画像形成に備える。
図2に、光書込みユニット512の概要を拡大して示し、図3には、光書込みユニット512のレーザ光源の配置の概要を示す。図2はポリゴンミラーの正面図を示すが、図3は平面図を示す。図3上のLDB(Bk,C,M,Y)はLD制御板(レーザダイオード)であり、LD制御板上の後述のレーザ駆動回路23(bk,c,m,y;図7)によって、LD(レーザダイオード)31(bk,c,m,y)が点灯付勢される。LD31が発生するレーザ光は、コリメートレンズ32(bk,c,m,y)で平行光(レーザビーム)に矯正され、シリンドリカルレンズ33(bk,c,m,y)でスポット形状を矯正されてから、ポリゴンミラー34ybkおよび34mcに投射される。レーザ偏向器は2段ポリゴン形式である。ポリゴンミラーが図3上で時計方向(実線矢印)に一定速度で回転することにより、反射レーザビームが一点鎖線矢印の方向に振られる。これが等角速度走査である。本実施例はfθレンズを備えないので、詳細は後述するが、等角速度走査を等速度走査に変換するために、画素クロック周波数を、図9に示すように、像高0(走査ライン長の中央点)で低くして、像高が増すにつれて(ライン上の走査点がライン端部に近づくに従い)、階段状に高くしてゆく。
ポリゴンミラーで反射されたレーザビーム(反射レーザビーム:露光走査ビーム)は、図2に一点鎖線で示す行路を経て感光体ドラム202に投射され、各ドラムの表面を軸方向(図2の紙面に垂直な方向)に露光走査する。これが光書込みの主走査である。38(bk,c,m,y)は、主走査同期検知回路の光センサである。ハーフミラー39(bk,c,m,y)が、反射レーザビームの一部を光センサ38(bk,c,m,y)に向けて反射する。残りのレーザビームが、ハーフミラー39を透過して感光体ドラムを照射する。主走査同期検知回路は、各センサ38(bk,c,m,y)のレーザビーム検出信号と、後述する画素クロックPCLK(bk,c,m,y)に基づいて、センサがレーザビームを検出してから最初に発生する画素クロックに同期して有意レベル(本実施例では低レベルL)に切り換わって、それから設定数の画素クロックの発生後に無意レベル(本実施例では高レベルH)に復帰する主走査同期信号XDETP(bk,c,m,y)を発生する。主走査同期信号XDETPの繰り返し発生間隔が主走査のライン周期になる。主走査同期信号XDETPを基準として、詳細は後述するが、画素クロックがカウントされカウントデータが走査ライン上の走査位置(ドット露光位置)を表す。
図4に、図1に示す複合機能複写機MF1の電装系統のシステム構成を示す。電装システムは、画像形成装置の全体制御を行うシステムコントローラ501、コントローラ501に接続された、画像形成装置の操作ボード10、画像データを記憶するHDD503、アナログ回線を使用して外部との通信を行う通信コントロール装置インターフェースボード504、LANインターフェースボード505、汎用PICバスに接続された、FAXのコントロールユニット506、IEEE1394ボード、無線LANボード、USBボード等507と、PCIバスでコントローラに接続されたエンジン制御510、エンジン制御510に接続された、画像形成装置のI/Oを制御するI/Oボード513、及び、コピー原稿(画像)を読込むスキャナーボード(SBU:Sensor Board Unit)511、及び画像データが表わす画像光を感光体ドラム上に投射する(光書込みする)光書込ユニット512等で構成される。
原稿を光学的に読み取る読取ユニット300は、原稿に対する原稿照明光源の走査を行い、CCD520に原稿像を結像する。原稿像すなわち原稿に対する光照射の反射光をCCD520で光電変換してR,G,B画像信号を生成する。
通信コントロール装置インターフェイスボード504は、装置に不具合が発生した場合に外部の遠隔地診断装置に即時に通報し、故障個所の内容,状況等をサービスマンが認識し早急に修理することを可能としている。また、それ以外に装置の使用状況等の発信にも使用されている。
図4に示すCCD520は、3ラインカラーCCDであり、EVENch(偶数画素チャンネル)/ODDch(奇数画素チャンネル)のR、G、B画像信号を生成し、SBUボードのアナログASIC(Application Specific IC)に入力する。SBUボード511にはアナログASIC及び,CCD、アナログASICの駆動タイミングを発生する回路を備えている。CCD520の出力は、アナログASIC内部のサンプルホールド回路により、サンプルホールドされその後、A/D変換され、R、G、Bの画像データに変換し、且つシェーディング補正し、そして出力I/F(インターフェイス)520で画像データバスを介して画像データ処理器IPP(Image Processing Processor;以下では単にIPPと記述)に送出する。
IPPは画像処理をおこなうプログラマブルな演算処理手段であり、分離生成(画像が文字領域か写真領域かの判定:像域分離),地肌除去,スキャナガンマ変換,フィルタ,色補正,変倍,画像加工,プリンタガンマ変換および階調処理を行う。SBUからIPPに転送された画像データは、IPPにて光学系およびデジタル信号への量子化に伴う信号劣化(スキャナ系の信号劣化)を補正され、フレームメモリ521に書き込まれる。
システムコントローラ501には、CPU及びシステムコントローラボードの制御を行うROM、CPUが使用する作業用メモリであるRAM,リチウム電池を内臓し、SRAMのバックアップと時計を内臓したNV−RAM及び、システムコントローラボードのシステバス制御、フレームメモリ制御、FIFO等のCPU周辺を制御するASIC及びそのインターフェース回路等が搭載されている。
システムコントローラ501は、スキャナアプリケーション,ファクシミリアプリケーション,プリンタアプリケーションおよびコピーアプリケーション等の複数アプリケーションの機能を有し、システム全体の制御を行う。操作ボード10の入力を解読して本システムの設定とその状態内容を操作ボードの表示部に表示する。
PCIバスには多くのユニットが接続されており、画像データバス/制御コマンドバスで、画像データと制御コマンドが時分割で転送される。
通信コントロール装置インターフェースボード504は、通信コントロール装置と、コントローラ501との通信インターフェースボードである。コントローラ501との通信は、全二重非同期シリアル通信で接続されている。通信コントロール装置522とは、RS−485インターフェース規格により、マルチドロップ接続されている。遠隔の管理システムとの通信は、この通信コントローラ装置インターフェースボード504を経由して実施される。
LANインターフェースボード505は、社内LANに接続されている。社内LANとコントローラ501との通信インターフェースボードであり、PHYチップを搭載している。LANインターフェースボード505とコントローラ501とは、PHYチップI/F及びI2CバスI/Fの標準的な通信インターフェースで接続されている。外部機器との通信はこのLANインターフェースボード505を経由して実施される。
HDD503は、システムのアプリケーションプログラムならびにプリンタ、作像プロセス機器の機器付勢情報を格納するアプリケーションデータベース、ならびに、読取り画像や書込み画像のイメージデータ、すなわち画像データ、ならびにドキュメントデータを蓄える画像データベースとして用いられる。物理インターフェース、電気的インターフェース共に、ATA/ATAPI−4に準拠したインターフェースでコントローラに接続されている。
操作ボード10には、CPU及びROM,RAM、LCD及びキー入力を制御するASIC(LCDC)が搭載されている。ROMには操作ボード10の入力読込み、及び表示出力を制御する、操作ボード10の制御プログラムが書き込まれている。RAMは、CPUで使用する作業用メモリである。システムコントローラ501との通信により、パネルを操作して使用者がシステム設定の入力を行う入力と、使用者にシステムの設定内容,状態を表示する、表示および入力の制御を行っている。
システムコントローラ501のワークメモリから出力されたBk,C,M,Yの各色の書込み信号(画像DATA)は、光書込みユニット512(図5)に入力される。光書込みユニット512(図5)で書込み信号に基づくLD電流制御(PWM制御)が行われ、各LDが書込み信号に対応して付勢(駆動;通電)される。
エンジン制御510は、画像形成の制御すなわち作像制御を主として行い、CPU及び、画像処理を行うIPP、複写およびプリントアウトを制御するため必要なプログラムを内蔵したROM、その制御に必要なRAM、及びNV―RAMを搭載している。NV−RAMにはSRAMと、電源OFFを検知して、EEPROMにストアするメモリを搭載している。また、他の制御を行なうCPUとの信号の送受信を行なう、シリアルインターフェースも備えているI/O ASICは、エンジン制御ボードが実装された、近くのI/O(カウンター、ファン、ソレノイド、モータ等)を制御するASICである。I/O制御ボード513とエンジン制御ボード510とは同期シリアルインターフェース接続されている。
I/O制御ボード513には、サブCPU517を搭載しており、Pセンサ、Tセンサ等のアナログ制御,用紙センサの検出信号を参照するジャム検出,用紙搬送制御も含む画像形成装置のI/O制御を行っている。インターフェース回路515は、各種センサ,アクチュエータ(モータ、クラッチ、ソレノイド)とのインターフェース回路である。
電源装置PSU514は、画像形成装置を制御する電源を供給するユニットである。メインSWのオン(閉)により、商用電源が供給される。その商用電源からAC制御回路540に商用ACが供給され、AC制御回路540により整流、平滑化のように制御されたAC制御出力を用いて、DC電源装置PSU 514は、各制御基板に必要なDC電圧を供給する。DC電源装置PSUにより生成される定電圧を用いて各制御部のCPUが動作している。AC制御回路540には、定着ヒータ214に通電し定着温度を一定に維持する通電制御を行う交流通電回路(ヒータドライバ)がある。メインSWのオフからオンへの切り換わりにより、AC制御回路540によって、ヒータドライバには商用交流が供給され、DC電源装置514には直流電圧が印加される。これが待機モードである。この状態でコピー又は印刷の指示があると、システムコントローラ501が、エンジン制御510にコピー又は印刷を指示し、エンジン制御510がこれを開始する。エンジン制御510がコピー又は印刷を実行している状態は動作モードであり、消費電力が大きい。
システムコントローラ501は、待機モードの間、後述の色ずれ補正の開始条件が成立したかを監視し、開始条件が成立すると色ずれ補正を行うが、色ずれ補正の必要がなく待機モードが操作ボード10に入力された設定時間が経過すると、AC制御回路540およびDC電源装置514を省エネモードに切り替える。すなわち、AC制御回路540ではヒータドライバへの交流供給を遮断し、DC電源装置514では、複写機MF1に対するユーザの直接のアクセス(操作ボード10入力又はコピー又は印刷のための操作)もしくは外部(パソコン又はファクシミリ)からの画像要求又は印刷要求を認知し動作モードに復帰する電源操作を行う復帰用電気回路に認知動作用の電圧を供給する待機電源回路を除くDC出力用の電源回路を、DC受電ラインから遮断する。これによりシステムコントローラ501の動作電圧が消滅する。復帰用電気回路は、省エネモードにおいてユーザ又は外部からのアクセスを認知すると、AC制御回路540およびDC電源装置514を、上記待機モードに設定する。これによりシステムコントローラ501に動作電圧が加わる。
操作ボード10には、液晶タッチパネルのほかに、テンキー,クリア/ストップキー,スタートキー,初期設定キー,モード切換えキー,テスト印刷キー,電源キー等がある。また、液晶タッチパネルの左側には、URL,メール文,ファイル名,フォルダ名等の入力,設定用ならびに短縮登録用の、平仮名を付記したアルファベットキーボードがある。
液晶タッチパネルには、各種機能キーならびにエンジン300およびコントローラ501の動作状態を示すメッセージなどが表示される。液晶タッチパネルには、「コピー」機能,「スキャナ」機能,「プリント」機能,「ファクシミリ」機能,「蓄積」機能,「編集」機能,「登録」機能およびその他の機能の選択用および実行中を表わす機能選択キーが表示される。機能選択キーで指定された機能に定まった入出力画面が表示され、例えば「複写」機能が指定されているときには、機能キーならびに部数及び画像形成装置の状態を示すメッセージが表示される。オペレータが液晶タッチパネルに表示されたキーにタッチすると、操作ボード10はオペレータ入力として読み込み、選択された機能を示すキーを、指定中を表す灰色に反転表示する。また、機能の詳細を指定しなければならない場合(例えばページ印字の種類等)はキーにタッチする事で詳細機能の設定画面がポップアップ表示される。このように、液晶タッチパネル11は、ドット表示器を使用している為、その時の最適な表示をグラフィカルに行う事が可能である。機能キー12の中には、印刷色指定キー「黒(Bk)」,「フルカラー」,「自動色選択」,「青(C)」,「赤(M)」および「黄(Y)」指定キーがある。
図5に、光書込みユニット512の画像書込制御部の構成を示す。マゼンタM,シアンC,イエローYおよびブラックBkの各色画信号宛ての印字画像制御部25m,25c,25yおよび25Bkは、エンジン制御510のCPUの命令により画像書込制御部全体の制御をし、エンジン制御510のI/OASICから出力される画像信号M,C,YおよびBk(画像DATAm,c,y,bk)をレーザ駆動回路23m,23c,23yおよび23Bkに転送する。以下においては、記述を簡単にするために、色成分区分符号m,c,yおよびbkを省略して要素符号を示す。
基準クロック発生回路21は、主走査画素単位の周期のクロック信号である画素同期クロックPCLKを生成するに用いる基準クロックFREFを発生して、位相同期回路22に送る。位相同期回路22は、光センサ38のレーザビーム検出信号に基づいて主走査同期検知回路が発生する各色別の主走査同期信号XDETPを制御信号として用いて、基準クロック発生回路21から送られる基準クロックFREFに基づいて画素同期クロックPCLKを発生して、印字画像制御部25およびレーザ駆動回路23に与える。
印字画像制御部25は、エンジン制御510が与える制御データを保持して画像書込制御部512の各部に出力すると共に、画像データ枠(用紙面)にトリム領域を設定したり、画像枠(画像面)に任意の枠線を重ねあわせるなどの画像加工処理をエンジン制御510の内部のCPUが指定する内容により行う。すなわちエンジン制御510が与える用紙サイズ,トリム領域データおよび境界線書込有無に基いて、到来する画像信号の用紙上の印字位置を、主走査カウント(画素同期パルスのカウント)と副走査カウント(ライン同期パルスのカウント)で追跡し、トリム領域に割当てられる画像信号の出力を停止又は非記録信号への変換を行い、境界線書込有の場合は更に、トリム領域のエッジの内側の数画素の画像信号を、線書込信号に変換する(トリム境界線の書込)。
また、この実施例では、印字画像制御部25が、レーザビームの等角速度走査を露光ドットの等速度走査に変換するための、画素クロック周波数変調の周波数指示データNLDおよび位相指示データDPHASEを、主走査ドット位置(ライン上露光ドット位置)に対応してメモリ77(図8)から読み出して、位相同期回路22に与える。また、周波数指示データNLDは、主走査ドット位置に対応してレーザビーム光量を補正するためにレーザ駆動回路23にも与える。
レーザ駆動回路23は、印字画像制御部25から送られる画像信号(画像DATA)を、位相同期回路22からくる画素クロックPCLK(画素同期パルス)に同期した、PWM駆動信号に変換して、駆動信号に基づきLD31に通電する。ポリゴンモータ制御回路24は、基準クロックFREFに基づいて、ポリゴンモータ35ybk,35mcを所定の回転速度にPLL(Phase Locked Loop)制御する。
図6に、1色分の位相同期回路22の構成を示す。本実施例では位相同期回路22は、周波数指示データNLDが指定する、基準クロックFREFのN(整数)倍の周波数の周波数逓倍パルスVCLKを発生するPLL回路41、および、該周波数逓倍パルスVCLKを分周(基本では1/8に分周)して、位相指示データDPHASEが指定する位相の画素クロックPCLKを発生する位相制御分周器46で構成される。
PLL回路41は、周波数逓倍パルスVCLKを1/N分周器45で分周した分周パルスと、基準クロックFREFとの位相差を位相比較器42で算出し、LPF(ローパスフィルタ)43で位相差を積分して、VCO(電圧制御可変周波数発振器)で積分値に対応する、位相差が零となる周波数および位相に周波数逓倍パルスVCLKを制御する。周波数逓倍パルスVCLKの周波数を変えるには、NLD[12:0]の値(N又は1/N)を変化させれば良い。
位相制御分周器46には、画素クロックPCLKのH期間およびL期間を規定するための第1および第2カウンタ51,49がある。第1カウンタ51は、ラインの先頭を表すライン同期信号である主走査同期信号XDETP(Lパルス)および第2カウンタ49のカウントオーバ信号(キャリー信号:Hパルス)を反転したLパルスによってクリアされて、それから周波数逓倍パルスVCLKを4パルスカウントアップするとカウントオーバ信号(キャリー信号:Hパルス)を発生して画素クロックPCLK出力用のフリップフロップ52をリセットする。第2カウンタ49は、第1カウンタ49のキャリー信号Hの反転信号でクリアされ、該キャリー信号Hの立下りエッジ点で、加算器48の加算値をカウント値にロードして、その値から画素クロックPCLKの到来数をカウントダウンして、残値が0になると(加算値分のカウントアップが完了すると)、カウントオーバ信号(キャリー信号:Hパルス)を発生して画素クロックPCLK出力用のフリップフロップ52をセットしカウンタ51をクリアする。加算器48には、周波数逓倍パルスVCLKを、基本分周比1/8に分周するための、L期間値4と、0〜3の数値を指定する位相指示データDPHASE[1:0]が与えられており、第1カウンタ49のキャリー信号Hの立下りエッジ点で両者の加算演算を開始して、加算値を加算器48内の出力ラッチ(フリップフロップ)に更新ラッチ(更新保持)する。なお、この更新ラッチのタイミングは、第1カウンタ49のキャリー信号Hの立下りエッジ点で第2カウンタ49が加算値をロードするタイミングの後になるので、位相指示データDPHASE[1:0]の更新(後述するが、画素クロックPCLKの1周期または整数倍の周期)に対して、位相の変化は画素クロックの1周期分遅くなる。
上述の、第1および第2のカウンタ51,49の動作により、画素クロックPCLKは、そのH期間は、第1カウンタ51のカウントアップ期間である周波数逓倍パルスVCLKの4周期で一定であるが、L期間は、該4周期+位相指示データが表わす値(0〜3)の周期となり、位相指示データによるL期間の制御により、画素クロックPCLKの位相が制御される。なお、加算器48を省略して、位相指示データDPHASEを、4+0〜3を表わすものに変更してもよい。また、加算器48を加減算器として、位相指示データDPHASEを、0,+1,+2,−1,−2を表すものとするか、加算器48を省略して、位相指示データDPHASEを、2,3,4,5,6を表すものとしてもよい。この場合には、画素クロックPCLKの立ち上がりの位相を、周波数逓倍パルスVCLKの4周期(PCLKの半周期)の範囲内で早めたり、遅くしたりする事ができる。
なお、PLL回路41は、位相制御回路22bk,22c,22m,22yのそれぞれに備えているが、それらを共通に使用する1個とすることができる。位相制御分周器46は、Bk,C,M,Yの各色で、画素クロックPCLKの位相を色毎に個別に調整しうるように、位相制御回路22bk,22c,22m,22yのそれぞれに備えるのが好ましい。位相制御分周器46は、第1カウンタ51のキャリー信号をフリップフロップ52のセット入力端に、第2カウンタ49のキャリー信号をリセット入力端に印加するように、接続を変更してもよい。この場合には、画素クロックPCLKのL期間が周波数逓倍パルスVCLKの4周期で一定で、H期間が位相指示データDPHASEによって、周波数逓倍パルスVCLKの4周期+0〜3周期の範囲内で調整される。
図7に、LD31に通電するレーザ駆動回路23の構成の概要を示す。感光体ドラムを露光するLD31とその出力光の一部の光量(光パワー)を検出するフォトダイオードPDとが、APC(Automatic Power Controller)駆動用のレーザ発光器として1パッケージに組込まれている。
本実施例では、画素クロックPCLKと同期した、画像DATA[4:0](記録指示濃度)に対応するデューティのPWMパルスPWMを、LDドライバ71に与えて、PWMのH期間(又はL期間)の間、光量基準信号に相当する電圧指示レベルVCONTにフォトダイオードPDの光量検出信号のレベルが合致するように、LD31の通電レベルを制御する。画像DATA[4:0]は、通常(fθレンズを用いる従来例;PWM周期が一定)のレーザ露光に用いる記録濃度階調表現のものであるが、本実施例ではPWM周期(画素クロックPCLKの周期)が変わるので、該周期が変化する分の誤差を防止するために、PLL回路61によって、画素クロックPCLKの周波数のM倍のPWMパルス発生用のカウントクロックを発生する。したがってPWMパルス発生用のカウントクロックの周波数は、画素クロックPCLKの周波数の変化と同じ比率で変化する。
画素クロックPCLKのLからHへの立上り点でPWMパルス発生器66のフリップフロップ68がセットされて、そのQ出力(PWMパルス)がHとなる。このHの立上り点でPWMパルス発生器66のカウンタ67が画像DATA[4:0]をロードしてその値から、PWMパルス発生用のカウントクロックのカウントダウンを開始して、画像DATA[4:0]の値分のカウントクロックを計数するとカウントオーバ信号(キャリー信号)Hを発生し、このHへの立上り点でフリップフロップ68がリセットされてそのQ出力(PWMパルス)がLに反転する。このLが、画素クロックPCLKが再度Hに立ち上がるまで継続する。
ところで、ライン走査全長の中央点(像高0)では、画素クロックPCLKの周期(PWMパルス周期)は長く、ライン端部に近づくにしたがって短くなるので、ライン端部に近づくにしたがって1ドット露光割り当て時間が減少し、1ドット露光量が低下する。また、fθレンズを用いていないので、ポリゴンミラーが反射したレーザビームは、ライン走査全長の中央点では感光体面に直交するが、ライン端部に近づくにしたがって(画素クロックPCLKの周波数の上昇とともに)、感光体面に対する角度が90度より小さくなって行き、感光体面での反射が増大して感光体に対するレーザビーム照射光量が低下する。これらの光量低下を補うために、本実施例では、画素クロックPCLKの周波数を定める周波数指示データNLDM[12:0]を、データ変換器(増幅器;ルックアップテーブルでもよい)69で、上記光量低下を補償する、光量基準信号に相当する電圧指示データに変換し、変換したデータをD/Aコンバータ70でアナログ電圧VCONTに変換して、LDドライバ71に印加する。LDドライバ71は、PWMのH期間(又はL期間)の間、光量基準信号に相当する電圧指示レベルVCONTに、フォトダイオードPDの光量検出信号のレベルが合致するように、LD31の通電レベルを制御する。これによって、LDが、画像DATA[4:0]対応の光量の発光をする。
なお、位相同期回路22のPLL回路41が発生する周波数逓倍パルスVCLKを、上述のPWMパルス発生に不足のない高周波数に変更してPWMパルス発生器66のカウンタ67にカウントパルスとして与えて、レーザ駆動回路23のPLL回路61は、省略することもできる。
図8に、印字画像制御部25の、上述の周波数指示データNLD[12:0]および位相指示データDPHASE[1:0]を保持して、反射レーザビームのライン走査の、ライン上走査位置に対応する各データを、位相同期回路22およびレーザ駆動回路23に出力する回路部分を示す。半導体メモリを用いた等角/等速変換テーブル77には、主走査同期信号XDETPを発生するためのLD発光用の初期値データ(周波数指示データNLD[12:0]および位相指示データDPHASE[1:0])、ならびに、ポリゴンミラーの反射レーザビームの1ライン走査区間の中の、感光体ドラム202の軸方向xの画像形成有効領域相当の有効走査領域(有効区間)の始端(主走査xの有効始点)および終端(主走査xの有効終点)の間(各端を含む)の各露光ドット位置に宛てた周波数指示データNLD[12:0]および位相指示データDPHASE[1:0]が、格納されている。本実施例では、位相指示データDPHASE[1:0]は2ビットでビット数が少ないので、該データをそのまま等角/等速変換テーブル77に格納している。しかし、周波数指示データNLD[12:0]は、13ビットとビット数が多いので、格納ビット数を低減するために、隣接する走査ドットの、先行走査ドットのデータに対する後行走査ドットのデータの差を表わす6ビット以下の差分データに圧縮して格納している。この圧縮データは、テーブル77から読出されたとき、復号器78によって元の13ビットデータNLD[12:0]に復元されてPLL回路41およびデータ変換器69に出力される。
テーブル77の、1ライン走査区間の中の上記有効走査領域の中の走査ドット位置対応のデータ読み出しアドレスを、アドレスカウンタ76が指定する。アドレスカウンタ76のカウント値1以上のカウントデータに対応するテーブル77上のアドレスに、上記有効走査領域の各露光ドット宛ての周波数指示データNLDおよび位相指示データDPHASEが格納されているが、アドレスカウンタ76のカウント値0のカウントデータに対応するテーブル77上のアドレスには、主走査同期信号XDETPを発生するためのLD発光用の、初期値データ(周波数指示データNLDおよび位相指示データDPHASE)が格納されている。
レーザ露光走査を開始するとき、アドレスカウンタ76が初期化されてそのカウントデータが0値データとなるので、テーブル77から主走査同期信号XDETPを発生するためのLD発光用の初期値データ(周波数指示データNLDおよび位相指示データDPHASE)が読み出される。基準クロック発生回路21および位相同期回路22が付勢されて、カウンタ51が0から4までカウントアップし、4にカウントアップするとキャリー信号を発生してフリップフロップ52をリセットしかつカウンタ49をクリアし、そしてカウンタ51のカウント値を0にして再カウントを開始する。カウンタ49は、カウンタ51のキャリー信号が消えると加算器48の加算値をロードして加算値分のカウントを開始し、加算値分のカウントを終了するとキャリー信号を発生してフリップフロップ52をセットしかつカウンタ51をクリアする。このキャリー信号が消えるとカウンタ51がカウント値0からカウントアップを開始する。このような循環によって、画素クロックPCLK(フリップフロップ52のQ出力)が発生する。ポリゴンミラーの回転速度が設定速度に立ち上がって安定すると、印字画像制御部25が、画像DATA[4:0]を、発光指示レベルに設定する。これにより反射レーザビームが発生し等角速度で振れる。反射レーザビームがセンサ38に達したときに走査同期信号XDETP(Lパルス)が発生する。このXDETPによってカウンタ51がクリアされて、XDETP(Lパルス)が消える(Hに立ち上がる)とカウンタ51が0からのカウントアップを開始するので、これによって画素クロックPCLKは、ライン先頭(38の位置)で、走査同期信号XDETPに同期したものとなる。
走査同期信号XDETPによって、印字画像制御部25mの主走査カウンタ72がクリアされて、XDETP(Lパルス)が消える(Hに立ち上がる)と、主走査カウンタ72は、画素クロックPCLKのカウントアップを開始する。したがって主走査カウンタ72のカウントデータは、センサ38を基点とする、1ライン上の露光ドット位置を表す。この露光ドット位置が上記有効走査領域の始点に達すると第1比較器73の出力がLからHに切り換わる。露光ドット位置が上記有効走査領域の終点に達すると第2比較器74の出力がHからLに切り換わるので、露光ドット位置が上記有効走査領域にある間のみ、比較器73と74の出力がともにHであり、この有効走査領域に反射レーザビーム走査がある間、アンドゲート75aを通して画素クロックPCLKがアドレスカウンタ76のカウントパルス入力端CKに加わる。アドレスカウンタ76のクリア入力端CL(Lレベル入力がクリア動作レベル)には、アンドゲート75bを通して走査同期信号XDETP(Lパルス)ならびに比較器73,74の出力L(有効走査領域の外)がクリア指示信号として与えられ、それがLの間アドレスカウンタ76はクリア状態を維持し、出力カウントデータは、0値を表すものであり、これによってテーブル77は、主走査同期信号XDETPを発生するためのLD発光用の、初期値データ(周波数指示データNLDおよび位相指示データDPHASE)を出力する。印字画像制御部25は、アンドゲート75aが画素クロックPCLKを出力している間、印字用の画像DATAをレーザ駆動回路に出力するが、アンドゲート75aがゲートオフ(画素クロックPCLKの出力停止)になると、主走査カウンタ72のカウントデータがセンサ38の直前位置になったときに、走査同期信号XDETPを発生するためのLD発光用(センサ38の光検出用)の発光データ(画像DATA)をレーザ駆動回路23に出力する。
図9に、反射レーザビームの1ライン露光走査の間の画素クロックPCLKの周波数の変化を、模式的に示す。横軸が1ラインの走査領域、縦軸が1ライン上の露光ドット走査位置に対応してテーブル77から読み出される周波数指示データNLDによって制御された画素クロック周波数である。横軸上の「像高0」は、感光体ドラム202の軸方向xの中央位置に相当する。
図10に、主走査xと副走査yで規定されるレーザ走査領域と画素クロック周波数の変化を示す。副走査yは、この実施例では感光体ドラム202の回転による感光体の移動方向である。XDETPが主走査同期信号であり、XPSTAが副走査の開始信号であり、XFGATEが、副走査の画像有効領域信号である。
図11に、PLL回路41が発生する周波数逓倍パルスVCLKおよび位相指示データと画素クロックPCLKとの関係を示す。位相指示デ−タDPHASE[1:0]が数値0を表わす00b(2ビットともに2値の「0」)の場合は、位相補正無しであり、画素クロックPCLKは、H,L期間ともにVCLK4周期の、VCLKの1/8の周波数のデューティが50%のパルスである。10進数値の1を表わす01b(下位ビットが2値の「1」、上位ビットが2値の「0」)の場合は、画素クロックPCLKのLからHへの立ち上がりを、周波数逓倍パルスVCLKの1周期分遅らせる。すなわち先行の画像クロックPCLKのL期間を周波数逓倍パルスVCLKの1周期分長くする。10bの場合は、周波数逓倍パルスVCLKの2周期分遅らせる。位相指示デ−タDPHASE[1:0]は、画素クロックPCLKに同期して更新され、次のPCLKの立ち上がりエッジに反映される。位相指示デ−タが00bの場合は、PCLKはVCLKの8倍の周期となるが、補正デ−タが01bの場合は、VCLKの1周期分、立ち上がりエッジの位相が遅れる。
画像DATAは本実施例では5bitデータであるが、何ビットデータでも良い。ただし本実施例では1画素クロックの期間にPWMによる階調制御によって記録濃度を多値表現するので、画像DATAは2ビット以上とする。PWMによる記録濃度制御をしない場合には、画像DATAは1ビットでよい。逆に、1ビットの画像DATAのみを対象にするときには、PLL回路61およびPWMパルス発生器66を省略し、1ビット画像DATAをそのままLDドライバ71に入力するレーザ駆動回路を用いる。
画素クロックPCLKの位相調整は、結果として画素クロックPLCKの周期(周波数)を微小調整していることになる。DPHASE[1:0]で、1ドット以下の周波数調整を行っている。すなわち、周波数の粗調はNLD[12:0]で行い、微調はDPHASE[1:0]で行っている。
図9に示すように、像高0では、画素クロック周波数を低い値に設定し、露光走査がライン端部に進むにつれて(像高が増すにつれて)、画素クロック周波数が階段状に増加する。これに伴なって、LDドライバ71に与えられるLD駆動の光量基準電圧VCONTが、図12に示すように、画素クロック周波数が高くなるに従い高く切り換えられる。以上により、fθレンズを用いないが、感光体ドラム表面に対する、ポリゴンミラーが反射するレーザビームのライン走査による露光ドットは、等速走査(主走査方向で均一幅)となり、しかも、画像DATAが同一値であると、ライン全長に渡って露光ドットの光量が実質的に一定になる。