JP2005001179A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録媒体に形成する画像の解像度を変化することなく、回転多面鏡の回転速度を安定させつつ、プロセス速度を変更することである。
【解決手段】画像形成部18を備える画像形成装置10において、制御部111の制御により、感光体ドラム2のプロセス速度を変更し、そのプロセス速度に基づいて、回転多面鏡の各面による主走査周期のn(nはn≧2を満たす整数)倍の周期の強制発光信号を強制発光信号発生手段6に発生させ、その強制発光信号に基づく周期の基準位置信号を基準位置信号生成手段7に生成させ、その基準位置信号に基づく周期のビデオ信号をビデオ信号発生手段5に発生させる。
【選択図】 図1
【解決手段】画像形成部18を備える画像形成装置10において、制御部111の制御により、感光体ドラム2のプロセス速度を変更し、そのプロセス速度に基づいて、回転多面鏡の各面による主走査周期のn(nはn≧2を満たす整数)倍の周期の強制発光信号を強制発光信号発生手段6に発生させ、その強制発光信号に基づく周期の基準位置信号を基準位置信号生成手段7に生成させ、その基準位置信号に基づく周期のビデオ信号をビデオ信号発生手段5に発生させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体に画像を形成する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザプリンタ、デジタル複写機などのレーザ方式の画像形成装置において、画像データを光源から出射される光信号に変換し、その光信号の露光により感光体ドラム上の帯電された表面に潜像を形成し、さらにトナー像として現像し、そのトナー像を記録媒体に加熱及び加圧して転写させて画像形成している。この現像及び転写のプロセスの速度は、感光体ドラムの回転速度(副走査速度)により決定される。
【0003】
また、プロセス速度の制御のために、画像形成装置には、強制発光手段、回転多面鏡、光センサが設けられる。画像データの光信号は、回転多面鏡の各鏡面で反射されて感光体ドラムに露光される。画像データの光信号の露光とともに、強制発光手段により生成された強制発光信号に基づいて、強制的に光信号が発生されて回転多面鏡で反射され、光センサにより検出して主走査位置の基準位置信号が生成される。基準位置信号によりプロセス速度が制御される。
【0004】
プロセス速度は、記録媒体の厚さ及び材料などにより最適な速度が異なる。よって、プロセス速度の変更を要求される場合がある。例えば、基準位置信号のオン信号を所定の割合で間引くことにより、プロセス速度を低下させる構成が考えられていた(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
図7を参照して、従来の光源が2つある場合のプロセス速度の変更例を説明する。図7は、従来のプロセス速度の変更時の各信号を示すタイミングチャートであり、(a)は普通紙印刷における各信号を示すタイミングチャートであり、(b)は厚紙印刷における各信号を示すタイミングチャートである。画像データは、主走査方向の各ライン番号1,2,3…の順に区切られ、奇数番号のデータがビデオ信号S1として変換され、偶数番号のデータがビデオ信号S2に変換される。回転多面鏡は、A,B,C,D,E,Fの6面で、A,B,C,D,E,F,A…の順に各ラインの光信号が反射されるように回転する。
【0006】
図7(a)に示すように、普通紙を印刷する場合、ビデオ信号S1及びS2の信号が2つの光源に入力され、各光源から出力された光信号が回転多面鏡の鏡面に順に反射されて感光体ドラムに入射され、奇数番号及び偶数番号の2ラインずつトナー像が現像される。そして、強制発光手段に入力される強制発光信号は、各ラインのデータの区切ごとにオンされ、その強制発光信号に基づいて強制発光された光が回転多面鏡の面A,B,C,D,E,F…に順に反射され、その反射光が光センサにより受光されて基準位置信号が各ラインのデータの区切ごとにオンされて出力される。
【0007】
図7(b)に示すように、厚紙を印刷し、感光体ドラムの回転速度(プロセス速度)を1/2にする場合、先ず基準位置信号のオン信号数が1/2に間引かれる。この間引かれた基準位置信号に対応して、ビデオ信号S1及びS2の周期も1/2になる。よって、その強制発光された光は、回転多面鏡のA,C,E…のように一つおきに反射され、基準位置信号のオン信号間隔も2倍になり、プロセス速度が1/2倍にされる。
【0008】
また、記録媒体に形成する画像の解像度を変化させる構成も考えられている。例えば、プロセス速度を変化させることなく、強制発光信号のオン信号を所定の割合で間引くことにより、解像度を変化させる構成が考えられていた(例えば、特許文献2参照)。これは、強制発光される光信号のオン信号同士の間隔が広がるので、その光信号の受光による基準位置信号とのオン信号の間隔も広がり、ビデオ信号も間引かれ、プロセス速度は変化していないために解像度を変化させることができる。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−65212号公報
【特許文献2】
特開2001−212999号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1のように基準位置信号のオン信号を間引く構成によれば、基準位置信号を間引く回路を新たに設ける必要があり、装置が複雑化し、製造及び部品コストが高くなるおそれがあった。
【0011】
また、特許文献2によれば、記録媒体に形成する画像の解像度を変化させてしまい、解像度を一定にできないという問題があった。
他にも、回転多面鏡の回転速度を変更する方法も考えられるが、回転速度を大幅に変更する場合、回転多面鏡の回転速度が、安定回転速度域から外れるおそれがあった。
【0012】
本発明の課題は、記録媒体に形成する画像の解像度を変化することなく、回転多面鏡の回転速度を安定させつつ、プロセス速度を変更することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、副走査方向に回転して画像データの像を記録媒体に転写する感光体ドラムと、光源及び回転多面鏡を有し前記感光体ドラムの主走査方向に光信号を露光する主走査手段と、前記画像データに基づきビデオ信号を発生するビデオ信号発生手段と、光センサを有し主走査位置の基準となる基準位置信号を生成する基準位置信号生成手段と、前記光センサの検出対象の光信号発生のための強制発光信号を発生する強制発光信号発生手段とを備え、前記ビデオ信号及び前記強制発光信号に基づいて前記主走査手段により光信号が出力される画像形成装置において、
前記回転多面鏡の各面による主走査周期のn(nはn≧2を満たす整数)倍の周期の前記強制発光信号を前記強制発光信号発生手段に発生させ、その強制発光信号に基づく周期の前記基準位置信号を前記基準位置信号生成手段に生成させ、その基準位置信号に基づく周期の前記ビデオ信号を前記ビデオ信号発生手段に発生させて、変更前と同じ解像度の像を前記感光体ドラムに形成する制御部を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、回転多面鏡の各面による主走査周期のn倍の周期の強制発光信号を発生させ、その強制発光信号に基づく周期の基準位置信号を生成させ、その基準位置信号に基づく周期のビデオ信号を発生させて、そのビデオ信号に基づいて感光体ドラムに、変更前と同一解像度の像が形成される。このため、感光体ドラムの主走査方向に光信号を露光する主走査速度と、感光体ドラムの副走査速度とを整合して、記録媒体に画像形成する画像の解像度を変更することなく、副走査速度を変更することができる。また、回転多面鏡の回転速度を変化させない又はその変化幅を小さくすることができるので、回転多面鏡の回転速度を安定回転速度領域から外すことなく、回転多面鏡を安定して回転させることができる。また、基準位置信号を間引くためのハードウェア構成を必要としないので、装置の簡略化及び低コスト化を図ることができる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記感光体ドラムのプロセス速度を変更し、そのプロセス速度に基づいて、前記強制発光信号の周期を前記主走査周期のn倍に変更することを特徴とする。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、感光体ドラムのプロセス速度を変更し、そのプロセス速度に基づいて、強制発光信号の周期を主走査周期のn倍に変更するので、感光体ドラムの主走査方向に光信号を露光する主走査速度と、プロセス速度とを整合して、記録媒体に画像形成する画像の解像度を変更することなく、プロセス速度を変更することができる。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記プロセス速度を1/nに変更した場合に、前記強制発光信号の周期をn倍に変更することを特徴とする。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、プロセス速度を1/nに変更した場合に、強制発光信号の周期をn倍に変更し、回転多面鏡の回転速度を変化させないので、回転多面鏡の回転速度を安定回転速度領域から外すことなく、回転多面鏡を安定して回転させることができる。
【0019】
請求項4に記載の発明は、前記制御部は、前記プロセス速度を画像形成対象の記録媒体の特性に応じて変更することを特徴とする。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、プロセス速度を画像形成対象の記録媒体の特性に応じて自在に変更することができる。
【0021】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、
前記記録媒体は厚紙であることを特徴とする。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、記録媒体として、厚紙に画像形成することができる。
【0023】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記記録媒体はOHPシートであることを特徴とする。
【0024】
請求項6に記載の発明によれば、記録媒体として、OHPシートに画像形成することができる。
【0025】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記回転多面鏡の回転速度を一定にしつつ、前記強制発光信号の周期の変更を行うことを特徴とする。
【0026】
請求項7に記載の発明によれば、回転多面鏡の回転速度を一定にしつつ、強制発光信号の周期の変更を行うので、回転多面鏡の回転速度を安定回転速度領域から外すことなく、回転多面鏡をさらに安定して回転させることができる。また、回転多面鏡の回転速度を変更するためのハードウェア構成を必要としなく、装置の簡略化及び低コスト化を図ることができる。
【0027】
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記ビデオ信号の発生タイミングの基準となるドットクロック信号を発生するドットクロック信号発生手段を備え、
前記制御手段は、前記ドットクロック信号発生手段から発生される前記ドットクロック信号の周波数を一定にしつつ、前記強制発光信号の周期の変更を行うことを特徴とする。
【0028】
請求項8に記載の発明によれば、ドットクロック信号の周波数を一定にしつつ、強制発光信号の周期の変更を行うので、ドットクロック信号の周波数を変更するためのハードウェア構成を必要としなく、装置の簡略化及び低コスト化を図ることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0030】
先ず、図1〜図3を参照して本実施の形態の装置の特徴を説明する。図1は、本実施の形態の画像形成装置10の内部構成を示すブロック図である。図2は、画像形成装置10の画像形成部18の内部構成を示す図である。図3は、強制発光信号生成部6の内部構成を示すブロック図である。
【0031】
図1に示すように、本実施の形態の画像形成装置10は、各部を中央制御するCPU11と、操作者の操作入力を受付ける操作部12と、データを一時的に格納するRAM13と、データを表示する表示部14と、データを記憶する記憶部15と、外部機器との通信を行う通信部16と、原稿上の画像をスキャンするスキャナ部17と、画像データを画像形成する画像形成部18とを備えて構成され、各部がバス19により接続される。
【0032】
CPU11は、記憶部15に記憶されている各種プログラムの中から指定されたプログラムをRAM13のワークエリアに展開し、RAM13上のプログラムとの協働により各種制御を実行する。この構成における各種制御の主体を制御部111とする。ここでは、制御部111はソフトウェア的に設けられるものとして説明したが、ハードウェア的に設けられる構成でもよい。
【0033】
操作部12は、数字キーや各種機能キーを備える。そして、これらのキーが押下された場合には、その押下信号をCPU11へ出力する。なお、この操作部12は、表示部14と一体となったタッチパネルにより構成されることとしてもよい。表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)などで構成され、CPU11からの表示信号に従って、画面表示を行う。
【0034】
RAM13は、プログラムを展開するためのプログラムエリア、操作部12から入力されるデータやCPU11による各種処理結果などを保存するためのデータエリアなどが形成される。RAM13は、読み書き可能な半導体素子で構成される。記憶部15は、ROM、FROM、HDD(Hard Disk Drive)などにより構成され、各種プログラムや各種データ、画像データなどを記憶する。
【0035】
通信部16は、通信ネットワークと接続され、通信ネットワーク上の外部機器と通信をするネットワークカードなどにより構成される。通信ネットワークとは、例えばLAN(Local Area Network)であるが、これに限るものではなくWAN(Wide Area Network)などを含む構成でもよい。スキャナ部17は、光源とCCDなどの撮像素子と走査機構とを備え、原稿に光源からの光を反射させ、原稿を走査機構により走査してその反射光を撮像素子が読み取り、画像データに変換して出力する。また、このような反射型のスキャナに限るものでなく、透過型のスキャナでもよい。
【0036】
画像形成部18は、軸中心に副走査方向に回転して記録紙などの記録媒体にトナー像を転写するための感光体ドラム2と、感光体ドラム2に露光する光信号を主走査方向に移動させる主走査手段3と、画像データを一時記憶するラインバッファ4と、画像データを主走査方向のラインごとの発光強度制御信号としてのビデオ信号に変換するビデオ信号発生手段5と、強制発光のための強制発光信号を発生する強制発光信号発生手段6と、強制発光された強制光の反射光を受光して基準位置信号を生成する基準位置信号生成手段7と、ドットクロック信号を発生するドットクロック信号発生手段8とを備えて構成される。
【0037】
図2に示すように、主走査手段3は、光出力及び光出力制御を行う光出力手段31と、軸を中心として回転するとともに光出力手段31から出射された光信号を反射する回転多面鏡32とを備える。光出力手段31には、画像データの主走査方向の奇数番及び偶数番目のラインのビデオデータの光信号を発生する2つのLD(LASER Diode)33,34を備える。LD34は、偶数ラインのビデオ信号に加えて強制発光信号に基づく光信号の発生も行う。回転多面鏡32は、鏡面A,B,C,D,E,Fの6面を有し、鏡面A,B,C,D,E,F,A…の順に多ラインの光信号が反射されるように回転される。基準位置信号生成手段7は、光センサ71を有し、光センサ71により受光された強制光の光信号を基準位置信号に変換して出力する。なお、LDは2つの構成に限らず、2つより多いものとして構成してもよい。
【0038】
図3に示すように、強制発光信号発生手段6は、制御部111から強制発光信号発生に関するデータ及びその記憶先のアドレスを受信して、そのアドレスの領域にそのデータを記憶するレジスタ61と、基準位置信号生成手段7から出力された基準位置信号に基づいて、ドットクロック信号発生手段8から入力されたドットクロック信号をカウントするカウンタ62と、レジスタ61に記憶された強制発光信号発生に関するデータと、カウンタ62によりカウントされたドットクロック信号のカウント数とを比較して、その比較結果に基づく強制発光信号を出力する比較器63とを備えて構成される。また、強制発光信号発生手段6から出力される強制発光信号と、入力される基準位置信号とは、それぞれアンプ64,65により増幅される。
【0039】
次に、画像形成装置10の画像形成動作を説明する。先ず、スキャナ部17により読取られた画像データ、通信部16を介して外部機器から受信された画像データ、又は記憶部15に記憶された画像データは、制御部111により各種画像処理される。そして、図2に示すように、画像処理された多ビットの画像データはラインバッファ4に一時記憶される。ラインバッファ4に記憶された画像データは、ビデオ信号発生手段5により、強制発光信号発生手段6から出力されるカウント信号に基づくタイミングで、奇数ラインの画像データと偶数ラインの画像データとに分割されて読み出される。ビデオ信号発生手段5により、奇数ラインの画像データと偶数ラインの画像データとは、そのパルス幅又はパルス強度に応じて、発光強度制御を行うための奇数ライン及び偶数ラインの多階調のビデオ信号に変換される。
【0040】
奇数ライン及び偶数ラインのビデオ信号は光出力部31に入力され、奇数ラインのビデオ信号に対応する光信号がLD33から出力され、偶数ラインのビデオ信号に対応する光信号がLD34から出力される。回転多面鏡32の回転速度は、
感光体ドラム2の回転速度を基準として、ビデオ信号の一ラインの光信号が一鏡面で反射されるように所定速度で制御される。このように奇数ライン及び偶数ラインの光信号は、所定速度で回転する回転多面鏡32の各鏡面A〜Fで各ラインごとに次々に反射される。奇数ライン及び偶数ラインの光信号の反射光は、図示しない光束を平行にするレンズ、反射させる鏡などの光学手段を介して感光体ドラム2に露光される。奇数ライン及び偶数ラインの光信号は、図2の画像有効領域に対応して露光される。
【0041】
また、強制発光信号発生手段6から強制発光信号が出力され、ビデオ信号発生手段5から出力された偶数ラインのビデオ信号と合成される。合成後のビデオ信号は、LD34から光信号として出力される。強制発光信号に対応する光信号は、図2の光センサ71の設置位置に出射されるように回転多面鏡32の鏡面で反射される。
【0042】
光センサ71で受光された強制光の光信号に基づいて、基準位置信号生成手段7により基準位置信号が出力され、強制発光信号発生手段6に入力される。強制発光信号発生手段6において、基準位置信号に基づいてカウンタ62によりカウントされたドットクロック信号のカウント数と、レジスタ61に記憶されたデータとが比較器63により比較され、その比較結果に基づいて強制発光信号が出力される。
【0043】
感光体ドラム2に露光される画像有効領域の光により、図示しない帯電器により帯電された感光体ドラム2の表面に潜像が形成され、図示しない現像器により現像材(トナー)が用いられてその潜像にトナー像が現像され、図示しない定着器の加熱及び加圧により、そのトナー像が記録媒体上に転写されて、画像データの画像が記録媒体に形成される。
【0044】
次いで、図4〜図6を参照して、本実施の形態におけるプロセス速度の変更時の画像形成装置10の動作について説明する。図4は、プロセス速度の1/2変更時の各信号を示すタイミングチャートであり、(a)は普通紙印刷における各信号を示すタイミングチャートであり、(b)は厚紙印刷における各信号を示すタイミングチャートである。図5は、発光制御における各信号を示すタイミングチャートであり、(a)は普通紙印刷における各信号を示すタイミングチャートであり、(b)は厚紙印刷における各信号を示すタイミングチャートである。図6は、ラインバッファ4のデータ読み出しを説明するための各信号を示すタイミングチャートであり、(a)は普通紙印刷における各信号を示すタイミングチャートであり、(b)は厚紙印刷における各信号を示すタイミングチャートである。
【0045】
ビデオ信号の光信号の出力タイミングは、基準位置信号を基準とする。このため、基準位置信号の周期を変更させることにより、感光体ドラム2の異なる副走査速度に対応することができる。プロセス速度は、画像データを記録媒体に画像形成する処理速度である。一方、副走査速度を決めるプロセス速度は、画像形成する記録媒体の種類、厚さなどの特性により要求される値が異なる。例えば、記録媒体として記録紙を用いる場合に比べて、OHPシートを用いる場合に、遅いプロセス速度が要求される。また、例えば、記録媒体として普通の厚さの記録紙を用いる場合に比べて、厚紙を用いる場合に、遅いプロセス速度が要求される。感光体ドラム2のトナー像を記録媒体上に転写するために、記録媒体への加熱開始から、その記録媒体が適温になるまでの時間が異なるからである。適温とは、トナー像を記録媒体に転写するために適切な温度である。
以下、一例として、記録媒体が普通紙の場合と、普通紙に比べて1/2のプロセス速度が要求される厚紙を用いる場合を説明する。また、回転多面鏡32の回転速度を一定とし、ドットクロック信号発生手段8から出力されるドットクロック信号の周期を一定とする。
【0046】
先ず、図4を参照して、記録媒体が普通紙の場合と、1/2のプロセス速度が要求される厚紙を用いる場合との画像形成のタイミングを説明する。図4(a)に示すように、記録媒体が普通紙の場合、奇数ラインのビデオ信号S1と、偶数ラインのビデオ信号S2とは、それぞれ1ラインごとの画像データ部分に区切られている。図4に示すビデオ信号S1,S2に付与されている文字は、回転多面鏡32の各鏡面A〜Fのうちのビデオ信号S1,S2の各ラインの光信号が反射される鏡面を示している。鏡面A〜Fに順にビデオ信号S1,S2の各ラインの光信号が反射される。
【0047】
また、強制発光信号は、その1周期がビデオ信号S1,S2の各ラインの画像データ期間を含み、回転多面鏡32の各鏡面で主走査を行う周期でオンにされて、強制発光信号発生手段6から出力される。この強制発光信号に対応して、基準位置信号も同周期で基準位置信号生成手段7から出力される。この基準位置信号を基準として、ビデオ信号S1,S2が発光制御信号発生手段5から出力される。
【0048】
図4(b)に示すように、記録媒体が厚紙の場合、感光体ドラム2の回転速度(プロセス速度)が1/2に変更される。その変更と同時に、強制発光信号のオン信号発生周期を2倍とするように強制発光信号発生手段6が制御される。つまり回転多面鏡32の2つの面で走査する時間あたりに一度強制発光が行われる周期となる。基準位置信号は強制発光を基準位置信号生成手段7により検知して生成されるので、基準位置信号の生成周期も2倍となる。そして、その基準位置信号を基準として、ビデオ信号発生手段5によりビデオ信号S1,S2の各ラインの画像データの光信号も、鏡面A〜Fの1つおきの鏡面に反射されるように、2ライン単位の出力間隔が大きくなる。
【0049】
このようにして、感光体ドラム2のプロセス速度が1/2に変更された場合に、単位時間あたりの主走査方向の走査量(ビデオ信号の光信号の画像データ部分の露光割合)も1/2になるので整合がとれ、感光体ドラム2上のトナー像の解像度は変更されない。
【0050】
次に、図5を参照して、強制発光信号制御部6における強制発光制御のタイミングを説明する。先ず、図5(a)に示すように、記録媒体が普通紙の場合を説明する。強制発光信号制御部6において、制御部111によりアクセス可能なレジスタ61の領域が参照され、そのアクセス可能な領域に、図2の画像有効領域の外の領域を示す値Xと、基準位置信号の周期Yとが記憶される。記録媒体が普通紙の場合、強制発光信号の周期と基準位置信号の周期とは、ともに周期Yとなる。
【0051】
カウンタ62において、基準位置信号の立ち上がりによりカウント数がリセットされ、ドットクロック信号発生手段8から出力されるドットクロック信号の立ち上がり回数がカウントされていく。カウンタ62においてカウント数がX−1になった場合(比較器63においてカウント数とX−1とが比較され、同一になった場合)、比較器63において強制発光信号がオンされる。このようにして生成された周期Yの強制発光信号が比較器63から出力される。
【0052】
例えば、操作部12を介する操作者の入力により、記録媒体が普通紙から厚紙に変更された場合、制御部111は、レジスタ61に記憶されている値XをX+Yに書き換える。すると、同様にして、基準位置信号の立ち上がりによりドットクロック信号の立ち上がり回数がカウントされていき、カウンタ62においてカウント数がX+Y−1になった場合(比較器63においてカウント数とX+Y−1とが比較され、同一になった場合)、比較器63において強制発光信号がオンされる。このようにして生成された周期2Yの強制発光信号が比較器63から出力される。また、周期2Yの強制発光信号に対応して、基準位置信号の周期も2Yとなる。
【0053】
次に、図6を参照して、ビデオ信号発生手段5によるラインバッファ4に記憶された画像データの読み出し手順について説明する。先ず、図6(a)を参照して、記録媒体が普通紙である場合を説明する。ビデオ信号発生手段5により、強制発光信号発生手段6のカウンタ62により基準位置信号の立ち上がりからカウント開始されたカウント数信号が、所定値N−1に達した場合に、読出許可信号が立ち下げられ、ラインバッファ4に記憶された画像データが並行に2ライン分読み出され、ビデオ信号S1,S2に変換される。読出許可信号は、ビデオ信号発生手段5の内部信号とし、その立ち下がりにより、ラインバッファ4に記憶された画像データの読み出しが許可されて読み出される信号である。ビデオ信号S1,S2への変換は、LD33に対応するビデオ信号S1のドットデータT0〜TXと、LD34に対応するビデオ信号S2のドットデータU0〜UXとに変換されて出力される。読み出しの終了とともに、読出許可信号が立ち上げられる。
【0054】
図6(b)に示すように、記録媒体が厚紙である場合、基準位置信号の周期が2倍となり、それに対応して、読出許可信号の生成間隔も広がり、2倍の周期となって生成される。プロセス速度が1/2倍になったことに対応して、ラインバッファ4に記憶された画像データの単位時間あたりの読み出し量も1/2となり、変換されるビデオ信号S1,S2と整合される。
【0055】
以上、回転多面鏡32の回転速度とドットクロック信号が一定の場合に、記録媒体に普通紙と厚紙とを用いて、そのプロセス速度比が1:1/2になる場合を説明したが、これに限るものではない。
【0056】
例えば、普通紙に対するプロセス速度比が0.45となることが要求される厚紙を用いる時にも同様に、感光体ドラム2の回転速度を0.45にし、強制発光信号及び基準位置信号の周期を1/2に変更し、ビデオ信号の周期を1/2にした上で、主走査速度(回転多面鏡32の回転速度)を0.9倍にする構成により実現できる。仮に強制発光信号の周期を変更しない場合には、主走査速度を0.45倍にする必要がある。よって、主副走査速度の整合がとれるとともに、回転多面鏡32の回転速度変更比を小さくすることができる。
【0057】
主走査速度を変更しない場合、強制発光信号の周期をI(I:2以上の整数)倍にすることにより、プロセス速度を1/I倍にすることができ、多様なプロセス速度に対応できる。また、回転多面鏡32の回転速度を変更する場合でも、強制発光信号の周期を変更した上で主走査速度を変更することにより、回転多面鏡32の回転速度の変更幅を小さくして、その回転速度が安定回転速度域を外れることを防ぐことができる。
【0058】
また、Iを2以上の整数に限らなくする構成としてもよい。この場合は、ドットクロック信号の周波数切換などを行う必要があり、そのための回路構成を構築する必要がある。このため、ハードウェアの変更をしないためには、Iを2以上の整数にすることが好ましい。
【0059】
以上、本実施の形態によれば、感光体ドラム2のプロセス速度を変更する場合、そのプロセス速度に応じて強制発光信号の周期を変更して発生させ、その強制発光信号に基づく周期の基準位置信号を生成させ、その基準位置信号に基づく周期のビデオ信号を発生させる。このため、主走査速度とプロセス速度とを整合して、記録媒体に画像形成する画像の解像度を変更することなく、プロセス速度を変更することができる。
【0060】
また、基準位置信号を間引くためのハードウェア構成を必要としないので、装置の簡略化及び低コスト化を図ることができる。これに関して、本実施の形態においてプロセス速度の変更は、制御部111からレジスタ61に記憶される強制発光信号の周期データをソフトウェア的に書き換えすることで対応でき、新たな回路構成は不要である。
【0061】
また、プロセス速度を画像形成対象の記録媒体の特性に応じて自在に変更することができる。また、回転多面鏡の回転速度を一定にしつつ、プロセス速度の変更を行うので、回転多面鏡の回転速度を安定回転速度領域から外すことなく、回転多面鏡を安定して回転させることができる。この場合、回転多面鏡の回転速度を変更するためのハードウェア構成を必要としなく、装置の簡略化及び低コスト化を図ることができる。
【0062】
たとえ、回転多面鏡の回転速度を変化させる場合でも、強制発光信号の周期の変更により、その回転速度の変化幅を小さくすることができ、回転多面鏡の回転速度を安定回転速度領域から外すことなく、回転多面鏡を安定して回転させることができる。この場合、回転速度を変更するためのハードウェア構成の簡略化及び低コスト化を図ることができる。
【0063】
また、ドットクロック信号の周波数を一定にしつつ、プロセス速度の変更を行うので、ドットクロック信号の周波数を変更するためのハードウェア構成を必要としなく、装置の簡略化及び低コスト化を図ることができる。たとえ、ドットクロック信号の周波数を変化させる場合でも、強制発光信号のオン信号の間引きにより、そのドットクロック信号の周波数の変化幅を小さくすることができ、ドットクロック信号の周波数を変更するためのハードウェア構成の簡略化及び低コスト化を図ることができる。
【0064】
なお、以上の各実施の形態における記述は、本発明に係る好適な画像形成装置の一例であり、これに限定されるものではない。
また、以上の各実施の形態における画像形成装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関して本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0065】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、回転多面鏡の各面による主走査周期のn倍の周期の強制発光信号を発生させ、その強制発光信号に基づく周期の基準位置信号を生成させ、その基準位置信号に基づく周期のビデオ信号を発生させて、そのビデオ信号に基づいて感光体ドラムに、変更前と同一解像度の像が形成される。このため、感光体ドラムの主走査方向に光信号を露光する主走査速度と、感光体ドラムの副走査速度とを整合して、記録媒体に画像形成する画像の解像度を変更することなく、副走査速度を変更することができる。また、回転多面鏡の回転速度を変化させない又はその変化幅を小さくすることができるので、回転多面鏡の回転速度を安定回転速度領域から外すことなく、回転多面鏡を安定して回転させることができる。また、基準位置信号を間引くためのハードウェア構成を必要としないので、装置の簡略化及び低コスト化を図ることができる。
【0066】
請求項2に記載の発明によれば、感光体ドラムのプロセス速度を変更し、そのプロセス速度に基づいて、強制発光信号の周期を主走査周期のn倍に変更するので、感光体ドラムの主走査方向に光信号を露光する主走査速度と、プロセス速度とを整合して、記録媒体に画像形成する画像の解像度を変更することなく、プロセス速度を変更することができる。
【0067】
請求項3に記載の発明によれば、プロセス速度を1/nに変更した場合に、強制発光信号の周期をn倍に変更するので、回転多面鏡の回転速度を変化させなくてもよく、回転多面鏡の回転速度を安定回転速度領域から外すことなく、回転多面鏡を安定して回転させることができる。
【0068】
請求項4に記載の発明によれば、プロセス速度を画像形成対象の記録媒体の特性に応じて自在に変更することができる。
【0069】
請求項5に記載の発明によれば、記録媒体として、厚紙に画像形成することができる。
【0070】
請求項6に記載の発明によれば、記録媒体として、OHPシートに画像形成することができる。
【0071】
請求項7に記載の発明によれば、回転多面鏡の回転速度を一定にしつつ、強制発光信号の周期の変更を行うので、回転多面鏡の回転速度を安定回転速度領域から外すことなく、回転多面鏡をさらに安定して回転させることができる。また、回転多面鏡の回転速度を変更するためのハードウェア構成を必要としなく、装置の簡略化及び低コスト化を図ることができる。
【0072】
請求項8に記載の発明によれば、ドットクロック信号の周波数を一定にしつつ、強制発光信号の周期の変更を行うので、ドットクロック信号の周波数を変更するためのハードウェア構成を必要としなく、装置の簡略化及び低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態の画像形成装置10の内部構成を示すブロック図である。
【図2】画像形成装置10の画像形成部18の内部構成を示す図である。
【図3】強制発光信号生成部6の内部構成を示すブロック図である。
【図4】プロセス速度の1/2変更時の各信号を示すタイミングチャートであり、(a)は普通紙印刷における各信号を示すタイミングチャートであり、(b)は厚紙印刷における各信号を示すタイミングチャートである。
【図5】発光制御における各信号を示すタイミングチャートであり、(a)は普通紙印刷における各信号を示すタイミングチャートであり、(b)は厚紙印刷における各信号を示すタイミングチャートである。
【図6】ラインバッファ4のデータ読み出しを説明するための各信号を示すタイミングチャートであり、(a)は普通紙印刷における各信号を示すタイミングチャートであり、(b)は厚紙印刷における各信号を示すタイミングチャートである。
【図7】従来のプロセス速度の変更時の各信号を示すタイミングチャートであり、(a)は普通紙印刷における各信号を示すタイミングチャートであり、(b)は厚紙印刷における各信号を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
100…画像形成装置
11…CPU
111…制御部
12…操作部
13…RAM
14…表示部
15…記憶部
16…通信部
17…スキャナ部
18…画像形成部
2…感光体ドラム
3…主走査手段
31…光出力手段
32…回転多面鏡
33,34…LD
4…ラインバッファ
5…ビデオ信号発生手段
6…強制発光信号発生手段
61…レジスタ
62…カウンタ
63…比較器
64,65…アンプ
7…基準位置信号生成手段
8…ドットクロック信号発生手段
19…バス
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体に画像を形成する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザプリンタ、デジタル複写機などのレーザ方式の画像形成装置において、画像データを光源から出射される光信号に変換し、その光信号の露光により感光体ドラム上の帯電された表面に潜像を形成し、さらにトナー像として現像し、そのトナー像を記録媒体に加熱及び加圧して転写させて画像形成している。この現像及び転写のプロセスの速度は、感光体ドラムの回転速度(副走査速度)により決定される。
【0003】
また、プロセス速度の制御のために、画像形成装置には、強制発光手段、回転多面鏡、光センサが設けられる。画像データの光信号は、回転多面鏡の各鏡面で反射されて感光体ドラムに露光される。画像データの光信号の露光とともに、強制発光手段により生成された強制発光信号に基づいて、強制的に光信号が発生されて回転多面鏡で反射され、光センサにより検出して主走査位置の基準位置信号が生成される。基準位置信号によりプロセス速度が制御される。
【0004】
プロセス速度は、記録媒体の厚さ及び材料などにより最適な速度が異なる。よって、プロセス速度の変更を要求される場合がある。例えば、基準位置信号のオン信号を所定の割合で間引くことにより、プロセス速度を低下させる構成が考えられていた(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
図7を参照して、従来の光源が2つある場合のプロセス速度の変更例を説明する。図7は、従来のプロセス速度の変更時の各信号を示すタイミングチャートであり、(a)は普通紙印刷における各信号を示すタイミングチャートであり、(b)は厚紙印刷における各信号を示すタイミングチャートである。画像データは、主走査方向の各ライン番号1,2,3…の順に区切られ、奇数番号のデータがビデオ信号S1として変換され、偶数番号のデータがビデオ信号S2に変換される。回転多面鏡は、A,B,C,D,E,Fの6面で、A,B,C,D,E,F,A…の順に各ラインの光信号が反射されるように回転する。
【0006】
図7(a)に示すように、普通紙を印刷する場合、ビデオ信号S1及びS2の信号が2つの光源に入力され、各光源から出力された光信号が回転多面鏡の鏡面に順に反射されて感光体ドラムに入射され、奇数番号及び偶数番号の2ラインずつトナー像が現像される。そして、強制発光手段に入力される強制発光信号は、各ラインのデータの区切ごとにオンされ、その強制発光信号に基づいて強制発光された光が回転多面鏡の面A,B,C,D,E,F…に順に反射され、その反射光が光センサにより受光されて基準位置信号が各ラインのデータの区切ごとにオンされて出力される。
【0007】
図7(b)に示すように、厚紙を印刷し、感光体ドラムの回転速度(プロセス速度)を1/2にする場合、先ず基準位置信号のオン信号数が1/2に間引かれる。この間引かれた基準位置信号に対応して、ビデオ信号S1及びS2の周期も1/2になる。よって、その強制発光された光は、回転多面鏡のA,C,E…のように一つおきに反射され、基準位置信号のオン信号間隔も2倍になり、プロセス速度が1/2倍にされる。
【0008】
また、記録媒体に形成する画像の解像度を変化させる構成も考えられている。例えば、プロセス速度を変化させることなく、強制発光信号のオン信号を所定の割合で間引くことにより、解像度を変化させる構成が考えられていた(例えば、特許文献2参照)。これは、強制発光される光信号のオン信号同士の間隔が広がるので、その光信号の受光による基準位置信号とのオン信号の間隔も広がり、ビデオ信号も間引かれ、プロセス速度は変化していないために解像度を変化させることができる。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−65212号公報
【特許文献2】
特開2001−212999号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1のように基準位置信号のオン信号を間引く構成によれば、基準位置信号を間引く回路を新たに設ける必要があり、装置が複雑化し、製造及び部品コストが高くなるおそれがあった。
【0011】
また、特許文献2によれば、記録媒体に形成する画像の解像度を変化させてしまい、解像度を一定にできないという問題があった。
他にも、回転多面鏡の回転速度を変更する方法も考えられるが、回転速度を大幅に変更する場合、回転多面鏡の回転速度が、安定回転速度域から外れるおそれがあった。
【0012】
本発明の課題は、記録媒体に形成する画像の解像度を変化することなく、回転多面鏡の回転速度を安定させつつ、プロセス速度を変更することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、副走査方向に回転して画像データの像を記録媒体に転写する感光体ドラムと、光源及び回転多面鏡を有し前記感光体ドラムの主走査方向に光信号を露光する主走査手段と、前記画像データに基づきビデオ信号を発生するビデオ信号発生手段と、光センサを有し主走査位置の基準となる基準位置信号を生成する基準位置信号生成手段と、前記光センサの検出対象の光信号発生のための強制発光信号を発生する強制発光信号発生手段とを備え、前記ビデオ信号及び前記強制発光信号に基づいて前記主走査手段により光信号が出力される画像形成装置において、
前記回転多面鏡の各面による主走査周期のn(nはn≧2を満たす整数)倍の周期の前記強制発光信号を前記強制発光信号発生手段に発生させ、その強制発光信号に基づく周期の前記基準位置信号を前記基準位置信号生成手段に生成させ、その基準位置信号に基づく周期の前記ビデオ信号を前記ビデオ信号発生手段に発生させて、変更前と同じ解像度の像を前記感光体ドラムに形成する制御部を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、回転多面鏡の各面による主走査周期のn倍の周期の強制発光信号を発生させ、その強制発光信号に基づく周期の基準位置信号を生成させ、その基準位置信号に基づく周期のビデオ信号を発生させて、そのビデオ信号に基づいて感光体ドラムに、変更前と同一解像度の像が形成される。このため、感光体ドラムの主走査方向に光信号を露光する主走査速度と、感光体ドラムの副走査速度とを整合して、記録媒体に画像形成する画像の解像度を変更することなく、副走査速度を変更することができる。また、回転多面鏡の回転速度を変化させない又はその変化幅を小さくすることができるので、回転多面鏡の回転速度を安定回転速度領域から外すことなく、回転多面鏡を安定して回転させることができる。また、基準位置信号を間引くためのハードウェア構成を必要としないので、装置の簡略化及び低コスト化を図ることができる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記感光体ドラムのプロセス速度を変更し、そのプロセス速度に基づいて、前記強制発光信号の周期を前記主走査周期のn倍に変更することを特徴とする。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、感光体ドラムのプロセス速度を変更し、そのプロセス速度に基づいて、強制発光信号の周期を主走査周期のn倍に変更するので、感光体ドラムの主走査方向に光信号を露光する主走査速度と、プロセス速度とを整合して、記録媒体に画像形成する画像の解像度を変更することなく、プロセス速度を変更することができる。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記プロセス速度を1/nに変更した場合に、前記強制発光信号の周期をn倍に変更することを特徴とする。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、プロセス速度を1/nに変更した場合に、強制発光信号の周期をn倍に変更し、回転多面鏡の回転速度を変化させないので、回転多面鏡の回転速度を安定回転速度領域から外すことなく、回転多面鏡を安定して回転させることができる。
【0019】
請求項4に記載の発明は、前記制御部は、前記プロセス速度を画像形成対象の記録媒体の特性に応じて変更することを特徴とする。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、プロセス速度を画像形成対象の記録媒体の特性に応じて自在に変更することができる。
【0021】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、
前記記録媒体は厚紙であることを特徴とする。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、記録媒体として、厚紙に画像形成することができる。
【0023】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記記録媒体はOHPシートであることを特徴とする。
【0024】
請求項6に記載の発明によれば、記録媒体として、OHPシートに画像形成することができる。
【0025】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記回転多面鏡の回転速度を一定にしつつ、前記強制発光信号の周期の変更を行うことを特徴とする。
【0026】
請求項7に記載の発明によれば、回転多面鏡の回転速度を一定にしつつ、強制発光信号の周期の変更を行うので、回転多面鏡の回転速度を安定回転速度領域から外すことなく、回転多面鏡をさらに安定して回転させることができる。また、回転多面鏡の回転速度を変更するためのハードウェア構成を必要としなく、装置の簡略化及び低コスト化を図ることができる。
【0027】
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記ビデオ信号の発生タイミングの基準となるドットクロック信号を発生するドットクロック信号発生手段を備え、
前記制御手段は、前記ドットクロック信号発生手段から発生される前記ドットクロック信号の周波数を一定にしつつ、前記強制発光信号の周期の変更を行うことを特徴とする。
【0028】
請求項8に記載の発明によれば、ドットクロック信号の周波数を一定にしつつ、強制発光信号の周期の変更を行うので、ドットクロック信号の周波数を変更するためのハードウェア構成を必要としなく、装置の簡略化及び低コスト化を図ることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0030】
先ず、図1〜図3を参照して本実施の形態の装置の特徴を説明する。図1は、本実施の形態の画像形成装置10の内部構成を示すブロック図である。図2は、画像形成装置10の画像形成部18の内部構成を示す図である。図3は、強制発光信号生成部6の内部構成を示すブロック図である。
【0031】
図1に示すように、本実施の形態の画像形成装置10は、各部を中央制御するCPU11と、操作者の操作入力を受付ける操作部12と、データを一時的に格納するRAM13と、データを表示する表示部14と、データを記憶する記憶部15と、外部機器との通信を行う通信部16と、原稿上の画像をスキャンするスキャナ部17と、画像データを画像形成する画像形成部18とを備えて構成され、各部がバス19により接続される。
【0032】
CPU11は、記憶部15に記憶されている各種プログラムの中から指定されたプログラムをRAM13のワークエリアに展開し、RAM13上のプログラムとの協働により各種制御を実行する。この構成における各種制御の主体を制御部111とする。ここでは、制御部111はソフトウェア的に設けられるものとして説明したが、ハードウェア的に設けられる構成でもよい。
【0033】
操作部12は、数字キーや各種機能キーを備える。そして、これらのキーが押下された場合には、その押下信号をCPU11へ出力する。なお、この操作部12は、表示部14と一体となったタッチパネルにより構成されることとしてもよい。表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)などで構成され、CPU11からの表示信号に従って、画面表示を行う。
【0034】
RAM13は、プログラムを展開するためのプログラムエリア、操作部12から入力されるデータやCPU11による各種処理結果などを保存するためのデータエリアなどが形成される。RAM13は、読み書き可能な半導体素子で構成される。記憶部15は、ROM、FROM、HDD(Hard Disk Drive)などにより構成され、各種プログラムや各種データ、画像データなどを記憶する。
【0035】
通信部16は、通信ネットワークと接続され、通信ネットワーク上の外部機器と通信をするネットワークカードなどにより構成される。通信ネットワークとは、例えばLAN(Local Area Network)であるが、これに限るものではなくWAN(Wide Area Network)などを含む構成でもよい。スキャナ部17は、光源とCCDなどの撮像素子と走査機構とを備え、原稿に光源からの光を反射させ、原稿を走査機構により走査してその反射光を撮像素子が読み取り、画像データに変換して出力する。また、このような反射型のスキャナに限るものでなく、透過型のスキャナでもよい。
【0036】
画像形成部18は、軸中心に副走査方向に回転して記録紙などの記録媒体にトナー像を転写するための感光体ドラム2と、感光体ドラム2に露光する光信号を主走査方向に移動させる主走査手段3と、画像データを一時記憶するラインバッファ4と、画像データを主走査方向のラインごとの発光強度制御信号としてのビデオ信号に変換するビデオ信号発生手段5と、強制発光のための強制発光信号を発生する強制発光信号発生手段6と、強制発光された強制光の反射光を受光して基準位置信号を生成する基準位置信号生成手段7と、ドットクロック信号を発生するドットクロック信号発生手段8とを備えて構成される。
【0037】
図2に示すように、主走査手段3は、光出力及び光出力制御を行う光出力手段31と、軸を中心として回転するとともに光出力手段31から出射された光信号を反射する回転多面鏡32とを備える。光出力手段31には、画像データの主走査方向の奇数番及び偶数番目のラインのビデオデータの光信号を発生する2つのLD(LASER Diode)33,34を備える。LD34は、偶数ラインのビデオ信号に加えて強制発光信号に基づく光信号の発生も行う。回転多面鏡32は、鏡面A,B,C,D,E,Fの6面を有し、鏡面A,B,C,D,E,F,A…の順に多ラインの光信号が反射されるように回転される。基準位置信号生成手段7は、光センサ71を有し、光センサ71により受光された強制光の光信号を基準位置信号に変換して出力する。なお、LDは2つの構成に限らず、2つより多いものとして構成してもよい。
【0038】
図3に示すように、強制発光信号発生手段6は、制御部111から強制発光信号発生に関するデータ及びその記憶先のアドレスを受信して、そのアドレスの領域にそのデータを記憶するレジスタ61と、基準位置信号生成手段7から出力された基準位置信号に基づいて、ドットクロック信号発生手段8から入力されたドットクロック信号をカウントするカウンタ62と、レジスタ61に記憶された強制発光信号発生に関するデータと、カウンタ62によりカウントされたドットクロック信号のカウント数とを比較して、その比較結果に基づく強制発光信号を出力する比較器63とを備えて構成される。また、強制発光信号発生手段6から出力される強制発光信号と、入力される基準位置信号とは、それぞれアンプ64,65により増幅される。
【0039】
次に、画像形成装置10の画像形成動作を説明する。先ず、スキャナ部17により読取られた画像データ、通信部16を介して外部機器から受信された画像データ、又は記憶部15に記憶された画像データは、制御部111により各種画像処理される。そして、図2に示すように、画像処理された多ビットの画像データはラインバッファ4に一時記憶される。ラインバッファ4に記憶された画像データは、ビデオ信号発生手段5により、強制発光信号発生手段6から出力されるカウント信号に基づくタイミングで、奇数ラインの画像データと偶数ラインの画像データとに分割されて読み出される。ビデオ信号発生手段5により、奇数ラインの画像データと偶数ラインの画像データとは、そのパルス幅又はパルス強度に応じて、発光強度制御を行うための奇数ライン及び偶数ラインの多階調のビデオ信号に変換される。
【0040】
奇数ライン及び偶数ラインのビデオ信号は光出力部31に入力され、奇数ラインのビデオ信号に対応する光信号がLD33から出力され、偶数ラインのビデオ信号に対応する光信号がLD34から出力される。回転多面鏡32の回転速度は、
感光体ドラム2の回転速度を基準として、ビデオ信号の一ラインの光信号が一鏡面で反射されるように所定速度で制御される。このように奇数ライン及び偶数ラインの光信号は、所定速度で回転する回転多面鏡32の各鏡面A〜Fで各ラインごとに次々に反射される。奇数ライン及び偶数ラインの光信号の反射光は、図示しない光束を平行にするレンズ、反射させる鏡などの光学手段を介して感光体ドラム2に露光される。奇数ライン及び偶数ラインの光信号は、図2の画像有効領域に対応して露光される。
【0041】
また、強制発光信号発生手段6から強制発光信号が出力され、ビデオ信号発生手段5から出力された偶数ラインのビデオ信号と合成される。合成後のビデオ信号は、LD34から光信号として出力される。強制発光信号に対応する光信号は、図2の光センサ71の設置位置に出射されるように回転多面鏡32の鏡面で反射される。
【0042】
光センサ71で受光された強制光の光信号に基づいて、基準位置信号生成手段7により基準位置信号が出力され、強制発光信号発生手段6に入力される。強制発光信号発生手段6において、基準位置信号に基づいてカウンタ62によりカウントされたドットクロック信号のカウント数と、レジスタ61に記憶されたデータとが比較器63により比較され、その比較結果に基づいて強制発光信号が出力される。
【0043】
感光体ドラム2に露光される画像有効領域の光により、図示しない帯電器により帯電された感光体ドラム2の表面に潜像が形成され、図示しない現像器により現像材(トナー)が用いられてその潜像にトナー像が現像され、図示しない定着器の加熱及び加圧により、そのトナー像が記録媒体上に転写されて、画像データの画像が記録媒体に形成される。
【0044】
次いで、図4〜図6を参照して、本実施の形態におけるプロセス速度の変更時の画像形成装置10の動作について説明する。図4は、プロセス速度の1/2変更時の各信号を示すタイミングチャートであり、(a)は普通紙印刷における各信号を示すタイミングチャートであり、(b)は厚紙印刷における各信号を示すタイミングチャートである。図5は、発光制御における各信号を示すタイミングチャートであり、(a)は普通紙印刷における各信号を示すタイミングチャートであり、(b)は厚紙印刷における各信号を示すタイミングチャートである。図6は、ラインバッファ4のデータ読み出しを説明するための各信号を示すタイミングチャートであり、(a)は普通紙印刷における各信号を示すタイミングチャートであり、(b)は厚紙印刷における各信号を示すタイミングチャートである。
【0045】
ビデオ信号の光信号の出力タイミングは、基準位置信号を基準とする。このため、基準位置信号の周期を変更させることにより、感光体ドラム2の異なる副走査速度に対応することができる。プロセス速度は、画像データを記録媒体に画像形成する処理速度である。一方、副走査速度を決めるプロセス速度は、画像形成する記録媒体の種類、厚さなどの特性により要求される値が異なる。例えば、記録媒体として記録紙を用いる場合に比べて、OHPシートを用いる場合に、遅いプロセス速度が要求される。また、例えば、記録媒体として普通の厚さの記録紙を用いる場合に比べて、厚紙を用いる場合に、遅いプロセス速度が要求される。感光体ドラム2のトナー像を記録媒体上に転写するために、記録媒体への加熱開始から、その記録媒体が適温になるまでの時間が異なるからである。適温とは、トナー像を記録媒体に転写するために適切な温度である。
以下、一例として、記録媒体が普通紙の場合と、普通紙に比べて1/2のプロセス速度が要求される厚紙を用いる場合を説明する。また、回転多面鏡32の回転速度を一定とし、ドットクロック信号発生手段8から出力されるドットクロック信号の周期を一定とする。
【0046】
先ず、図4を参照して、記録媒体が普通紙の場合と、1/2のプロセス速度が要求される厚紙を用いる場合との画像形成のタイミングを説明する。図4(a)に示すように、記録媒体が普通紙の場合、奇数ラインのビデオ信号S1と、偶数ラインのビデオ信号S2とは、それぞれ1ラインごとの画像データ部分に区切られている。図4に示すビデオ信号S1,S2に付与されている文字は、回転多面鏡32の各鏡面A〜Fのうちのビデオ信号S1,S2の各ラインの光信号が反射される鏡面を示している。鏡面A〜Fに順にビデオ信号S1,S2の各ラインの光信号が反射される。
【0047】
また、強制発光信号は、その1周期がビデオ信号S1,S2の各ラインの画像データ期間を含み、回転多面鏡32の各鏡面で主走査を行う周期でオンにされて、強制発光信号発生手段6から出力される。この強制発光信号に対応して、基準位置信号も同周期で基準位置信号生成手段7から出力される。この基準位置信号を基準として、ビデオ信号S1,S2が発光制御信号発生手段5から出力される。
【0048】
図4(b)に示すように、記録媒体が厚紙の場合、感光体ドラム2の回転速度(プロセス速度)が1/2に変更される。その変更と同時に、強制発光信号のオン信号発生周期を2倍とするように強制発光信号発生手段6が制御される。つまり回転多面鏡32の2つの面で走査する時間あたりに一度強制発光が行われる周期となる。基準位置信号は強制発光を基準位置信号生成手段7により検知して生成されるので、基準位置信号の生成周期も2倍となる。そして、その基準位置信号を基準として、ビデオ信号発生手段5によりビデオ信号S1,S2の各ラインの画像データの光信号も、鏡面A〜Fの1つおきの鏡面に反射されるように、2ライン単位の出力間隔が大きくなる。
【0049】
このようにして、感光体ドラム2のプロセス速度が1/2に変更された場合に、単位時間あたりの主走査方向の走査量(ビデオ信号の光信号の画像データ部分の露光割合)も1/2になるので整合がとれ、感光体ドラム2上のトナー像の解像度は変更されない。
【0050】
次に、図5を参照して、強制発光信号制御部6における強制発光制御のタイミングを説明する。先ず、図5(a)に示すように、記録媒体が普通紙の場合を説明する。強制発光信号制御部6において、制御部111によりアクセス可能なレジスタ61の領域が参照され、そのアクセス可能な領域に、図2の画像有効領域の外の領域を示す値Xと、基準位置信号の周期Yとが記憶される。記録媒体が普通紙の場合、強制発光信号の周期と基準位置信号の周期とは、ともに周期Yとなる。
【0051】
カウンタ62において、基準位置信号の立ち上がりによりカウント数がリセットされ、ドットクロック信号発生手段8から出力されるドットクロック信号の立ち上がり回数がカウントされていく。カウンタ62においてカウント数がX−1になった場合(比較器63においてカウント数とX−1とが比較され、同一になった場合)、比較器63において強制発光信号がオンされる。このようにして生成された周期Yの強制発光信号が比較器63から出力される。
【0052】
例えば、操作部12を介する操作者の入力により、記録媒体が普通紙から厚紙に変更された場合、制御部111は、レジスタ61に記憶されている値XをX+Yに書き換える。すると、同様にして、基準位置信号の立ち上がりによりドットクロック信号の立ち上がり回数がカウントされていき、カウンタ62においてカウント数がX+Y−1になった場合(比較器63においてカウント数とX+Y−1とが比較され、同一になった場合)、比較器63において強制発光信号がオンされる。このようにして生成された周期2Yの強制発光信号が比較器63から出力される。また、周期2Yの強制発光信号に対応して、基準位置信号の周期も2Yとなる。
【0053】
次に、図6を参照して、ビデオ信号発生手段5によるラインバッファ4に記憶された画像データの読み出し手順について説明する。先ず、図6(a)を参照して、記録媒体が普通紙である場合を説明する。ビデオ信号発生手段5により、強制発光信号発生手段6のカウンタ62により基準位置信号の立ち上がりからカウント開始されたカウント数信号が、所定値N−1に達した場合に、読出許可信号が立ち下げられ、ラインバッファ4に記憶された画像データが並行に2ライン分読み出され、ビデオ信号S1,S2に変換される。読出許可信号は、ビデオ信号発生手段5の内部信号とし、その立ち下がりにより、ラインバッファ4に記憶された画像データの読み出しが許可されて読み出される信号である。ビデオ信号S1,S2への変換は、LD33に対応するビデオ信号S1のドットデータT0〜TXと、LD34に対応するビデオ信号S2のドットデータU0〜UXとに変換されて出力される。読み出しの終了とともに、読出許可信号が立ち上げられる。
【0054】
図6(b)に示すように、記録媒体が厚紙である場合、基準位置信号の周期が2倍となり、それに対応して、読出許可信号の生成間隔も広がり、2倍の周期となって生成される。プロセス速度が1/2倍になったことに対応して、ラインバッファ4に記憶された画像データの単位時間あたりの読み出し量も1/2となり、変換されるビデオ信号S1,S2と整合される。
【0055】
以上、回転多面鏡32の回転速度とドットクロック信号が一定の場合に、記録媒体に普通紙と厚紙とを用いて、そのプロセス速度比が1:1/2になる場合を説明したが、これに限るものではない。
【0056】
例えば、普通紙に対するプロセス速度比が0.45となることが要求される厚紙を用いる時にも同様に、感光体ドラム2の回転速度を0.45にし、強制発光信号及び基準位置信号の周期を1/2に変更し、ビデオ信号の周期を1/2にした上で、主走査速度(回転多面鏡32の回転速度)を0.9倍にする構成により実現できる。仮に強制発光信号の周期を変更しない場合には、主走査速度を0.45倍にする必要がある。よって、主副走査速度の整合がとれるとともに、回転多面鏡32の回転速度変更比を小さくすることができる。
【0057】
主走査速度を変更しない場合、強制発光信号の周期をI(I:2以上の整数)倍にすることにより、プロセス速度を1/I倍にすることができ、多様なプロセス速度に対応できる。また、回転多面鏡32の回転速度を変更する場合でも、強制発光信号の周期を変更した上で主走査速度を変更することにより、回転多面鏡32の回転速度の変更幅を小さくして、その回転速度が安定回転速度域を外れることを防ぐことができる。
【0058】
また、Iを2以上の整数に限らなくする構成としてもよい。この場合は、ドットクロック信号の周波数切換などを行う必要があり、そのための回路構成を構築する必要がある。このため、ハードウェアの変更をしないためには、Iを2以上の整数にすることが好ましい。
【0059】
以上、本実施の形態によれば、感光体ドラム2のプロセス速度を変更する場合、そのプロセス速度に応じて強制発光信号の周期を変更して発生させ、その強制発光信号に基づく周期の基準位置信号を生成させ、その基準位置信号に基づく周期のビデオ信号を発生させる。このため、主走査速度とプロセス速度とを整合して、記録媒体に画像形成する画像の解像度を変更することなく、プロセス速度を変更することができる。
【0060】
また、基準位置信号を間引くためのハードウェア構成を必要としないので、装置の簡略化及び低コスト化を図ることができる。これに関して、本実施の形態においてプロセス速度の変更は、制御部111からレジスタ61に記憶される強制発光信号の周期データをソフトウェア的に書き換えすることで対応でき、新たな回路構成は不要である。
【0061】
また、プロセス速度を画像形成対象の記録媒体の特性に応じて自在に変更することができる。また、回転多面鏡の回転速度を一定にしつつ、プロセス速度の変更を行うので、回転多面鏡の回転速度を安定回転速度領域から外すことなく、回転多面鏡を安定して回転させることができる。この場合、回転多面鏡の回転速度を変更するためのハードウェア構成を必要としなく、装置の簡略化及び低コスト化を図ることができる。
【0062】
たとえ、回転多面鏡の回転速度を変化させる場合でも、強制発光信号の周期の変更により、その回転速度の変化幅を小さくすることができ、回転多面鏡の回転速度を安定回転速度領域から外すことなく、回転多面鏡を安定して回転させることができる。この場合、回転速度を変更するためのハードウェア構成の簡略化及び低コスト化を図ることができる。
【0063】
また、ドットクロック信号の周波数を一定にしつつ、プロセス速度の変更を行うので、ドットクロック信号の周波数を変更するためのハードウェア構成を必要としなく、装置の簡略化及び低コスト化を図ることができる。たとえ、ドットクロック信号の周波数を変化させる場合でも、強制発光信号のオン信号の間引きにより、そのドットクロック信号の周波数の変化幅を小さくすることができ、ドットクロック信号の周波数を変更するためのハードウェア構成の簡略化及び低コスト化を図ることができる。
【0064】
なお、以上の各実施の形態における記述は、本発明に係る好適な画像形成装置の一例であり、これに限定されるものではない。
また、以上の各実施の形態における画像形成装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関して本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0065】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、回転多面鏡の各面による主走査周期のn倍の周期の強制発光信号を発生させ、その強制発光信号に基づく周期の基準位置信号を生成させ、その基準位置信号に基づく周期のビデオ信号を発生させて、そのビデオ信号に基づいて感光体ドラムに、変更前と同一解像度の像が形成される。このため、感光体ドラムの主走査方向に光信号を露光する主走査速度と、感光体ドラムの副走査速度とを整合して、記録媒体に画像形成する画像の解像度を変更することなく、副走査速度を変更することができる。また、回転多面鏡の回転速度を変化させない又はその変化幅を小さくすることができるので、回転多面鏡の回転速度を安定回転速度領域から外すことなく、回転多面鏡を安定して回転させることができる。また、基準位置信号を間引くためのハードウェア構成を必要としないので、装置の簡略化及び低コスト化を図ることができる。
【0066】
請求項2に記載の発明によれば、感光体ドラムのプロセス速度を変更し、そのプロセス速度に基づいて、強制発光信号の周期を主走査周期のn倍に変更するので、感光体ドラムの主走査方向に光信号を露光する主走査速度と、プロセス速度とを整合して、記録媒体に画像形成する画像の解像度を変更することなく、プロセス速度を変更することができる。
【0067】
請求項3に記載の発明によれば、プロセス速度を1/nに変更した場合に、強制発光信号の周期をn倍に変更するので、回転多面鏡の回転速度を変化させなくてもよく、回転多面鏡の回転速度を安定回転速度領域から外すことなく、回転多面鏡を安定して回転させることができる。
【0068】
請求項4に記載の発明によれば、プロセス速度を画像形成対象の記録媒体の特性に応じて自在に変更することができる。
【0069】
請求項5に記載の発明によれば、記録媒体として、厚紙に画像形成することができる。
【0070】
請求項6に記載の発明によれば、記録媒体として、OHPシートに画像形成することができる。
【0071】
請求項7に記載の発明によれば、回転多面鏡の回転速度を一定にしつつ、強制発光信号の周期の変更を行うので、回転多面鏡の回転速度を安定回転速度領域から外すことなく、回転多面鏡をさらに安定して回転させることができる。また、回転多面鏡の回転速度を変更するためのハードウェア構成を必要としなく、装置の簡略化及び低コスト化を図ることができる。
【0072】
請求項8に記載の発明によれば、ドットクロック信号の周波数を一定にしつつ、強制発光信号の周期の変更を行うので、ドットクロック信号の周波数を変更するためのハードウェア構成を必要としなく、装置の簡略化及び低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態の画像形成装置10の内部構成を示すブロック図である。
【図2】画像形成装置10の画像形成部18の内部構成を示す図である。
【図3】強制発光信号生成部6の内部構成を示すブロック図である。
【図4】プロセス速度の1/2変更時の各信号を示すタイミングチャートであり、(a)は普通紙印刷における各信号を示すタイミングチャートであり、(b)は厚紙印刷における各信号を示すタイミングチャートである。
【図5】発光制御における各信号を示すタイミングチャートであり、(a)は普通紙印刷における各信号を示すタイミングチャートであり、(b)は厚紙印刷における各信号を示すタイミングチャートである。
【図6】ラインバッファ4のデータ読み出しを説明するための各信号を示すタイミングチャートであり、(a)は普通紙印刷における各信号を示すタイミングチャートであり、(b)は厚紙印刷における各信号を示すタイミングチャートである。
【図7】従来のプロセス速度の変更時の各信号を示すタイミングチャートであり、(a)は普通紙印刷における各信号を示すタイミングチャートであり、(b)は厚紙印刷における各信号を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
100…画像形成装置
11…CPU
111…制御部
12…操作部
13…RAM
14…表示部
15…記憶部
16…通信部
17…スキャナ部
18…画像形成部
2…感光体ドラム
3…主走査手段
31…光出力手段
32…回転多面鏡
33,34…LD
4…ラインバッファ
5…ビデオ信号発生手段
6…強制発光信号発生手段
61…レジスタ
62…カウンタ
63…比較器
64,65…アンプ
7…基準位置信号生成手段
8…ドットクロック信号発生手段
19…バス
Claims (8)
- 副走査方向に回転して画像データの像を記録媒体に転写する感光体ドラムと、光源及び回転多面鏡を有し前記感光体ドラムの主走査方向に光信号を露光する主走査手段と、前記画像データに基づきビデオ信号を発生するビデオ信号発生手段と、光センサを有し主走査位置の基準となる基準位置信号を生成する基準位置信号生成手段と、前記光センサの検出対象の光信号発生のための強制発光信号を発生する強制発光信号発生手段とを備え、前記ビデオ信号及び前記強制発光信号に基づいて前記主走査手段により光信号が出力される画像形成装置において、
前記回転多面鏡の各面による主走査周期のn(nはn≧2を満たす整数)倍の周期の前記強制発光信号を前記強制発光信号発生手段に発生させ、その強制発光信号に基づく周期の前記基準位置信号を前記基準位置信号生成手段に生成させ、その基準位置信号に基づく周期の前記ビデオ信号を前記ビデオ信号発生手段に発生させて、変更前と同じ解像度の像を前記感光体ドラムに形成する制御部を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御部は、前記感光体ドラムのプロセス速度を変更し、そのプロセス速度に基づいて、前記強制発光信号の周期を前記主走査周期のn倍に変更することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記プロセス速度を1/nに変更した場合に、前記強制発光信号の周期をn倍に変更することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記プロセス速度を画像形成対象の記録媒体の特性に応じて変更することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
- 前記記録媒体は厚紙であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記記録媒体はOHPシートであることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記回転多面鏡の回転速度を一定にしつつ、前記強制発光信号の周期の変更を行うことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記ビデオ信号の発生タイミングの基準となるドットクロック信号を発生するドットクロック信号発生手段を備え、
前記制御手段は、前記ドットクロック信号発生手段から発生される前記ドットクロック信号の周波数を一定にしつつ、前記強制発光信号の周期の変更を行うことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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2003
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