(2)前記色ずれ検出手段(501,図6)は、前記調整の値(Δlen)が第1閾値(LenL)未満であると、次回の色ずれ補正を行うまでの時間(Time)を延長(2×Time)する(図7の27,29,31,図10の101)、上記(1)に記載のカラー画像形成装置。
(3)第1閾値(LenL)を各非基準色毎(LenL-c,m,y)に設定する手段(10);を更に備える上記(2)に記載のカラー画像形成装置。これによれば、各非基準色毎の色ずれ補正の大略の実行頻度を、色毎(LenL-c,m,y)の第1閾値(LenL)により調整することができる。
(4)前記色ずれ検出手段(501,図6)は、前記調整の値(Δlen)が、第1閾値(LenL)より高い第2閾値(LenH)以上であると、次回の色ずれ検出を行うまでの時間(Time)を短縮((1/2)×Time)する(図10の103)、上記(2)又は(3)に記載のカラー画像形成装置。これによれば色毎に、色ずれ補正を実行する時間間隔が、色ずれ量が第1閾値(LenL)以上第2閾値(LenH)未満の範囲となる間隔に自動的に収束し、各色の色ずれ抑制効果が高い。
(4a)第1閾値(LenL)および第2閾値(LenH)を非基準色毎(LenL-c,m,y;LenH-c,m,y)に設定する手段(10);を更に備える上記(4)に記載のカラー画像形成装置。これによれば、各非基準色毎の許容色ずれ範囲を、非基準色毎の第1閾値(LenL-c,m,y)および第2閾値(LenH-c,m,y)で設定することができる。
(5)カラー画像形成装置は更に、該装置の内部温度を検出する温度センサ(217)を備え;前記色ずれ検出手段(501,図6)は、前回の色ずれ検出時より該内部温度が第3閾値(Temp)以上変化すると色ずれ検出を行う(図9,図10);上記(1)乃至(4)のいずれか1つに記載のカラー画像形成装置。これによれば、装置温度の変化による色ずれが効果的に抑制される。
(6)前記色ずれ検出手段(501,図6)は、前記内部温度の変化に対応して色ずれ検出を行ったときの調整の値(Δlen)が第4閾値(LenL)より小さいと第3閾値(Temp)を大きくする(図8の47,49,51,図10の107)、上記(5)に記載のカラー画像形成装置。これによれば、温度変化による色ずれ量の変化が少ないと、すなわち温度依存性が低いと、自動的に色ずれ検出を開始する温度変化量が大きく変更されるので、温度変化対応の色ずれ補正頻度が低くなり、ユーザの印刷を待たせることが少なくなる。
(7)前記色ずれ検出手段(501,図6)は、前記調整の値(Δlen)が、第4閾値(LenL)より高い第5閾値(LenH)以上であると、第3閾値(Temp)を小さくする(図10の109)、上記(6)に記載のカラー画像形成装置。これによれば、温度依存性が高くなると、あるいは上記(6)により色ずれ検出を開始する温度変化量が過大に変更されると、自動的に色ずれ検出を開始する温度変化量が下げられるので、温度変化対応の色ずれ補正の信頼性が高い。
(7a)第4閾値(LenL)および第5閾値(LenH)を非基準色毎(LenL-c,m,y;LenH-c,m,y)に設定する手段(10);を更に備える上記(7)に記載のカラー画像形成装置。これによれば、各非基準色毎の温度変化対応の許容色ずれ範囲を、非基準色毎の第4閾値(LenL-c,m,y)および第5閾値(LenH-c,m,y)で設定することができる。
(7b)第4閾値(LenL)は第1閾値(LenL)と同一、第5閾値(LenH)は第2閾値(LenH)と同一である上記(7a)に記載のカラー画像形成装置。
(8)第3閾値(Temp)は各非基準色毎(Temp-c,m,y)にある、上記(5)乃至(7b)のいずれか1つに記載のカラー画像形成装置。
(9)前記画像形成装置は、主電源スイッチ(メインSW)のオフからオンへの切り換わりにより、該画像形成装置各部に、画像形成指示を待つ待機モードの、該画像形成指示に応答して動作するための待機電圧を供給し、待機モードが設定時間継続すると省エネモードの、待機電圧は遮断し待機モードに復帰するための電圧を供給する電源装置(514,540)を備え;前記色ずれ検出手段(501,図6)は、前記待機モードの期間に前記色ずれ検出を行う;上記(1)乃至(8)のいずれか1つに記載のカラー画像形成装置。
(10)前記色ずれ検出手段(501,図6)は、前記主電源スイッチのオフからオンへの切り換わり直後から設定時間(15分)以上経過しかつ待機モードのとき、又はそれより前の前記機内温度が設定量(3°C)以上変化しかつ待機モードのときに、前記色ずれ検出を行う、上記(9)に記載のカラー画像形成装置。
(11)前記色ずれ検出手段(501,図6)は、画像形成を行う動作モードおよび前記休止モードの間も、前記次回の色ずれ補正を行うまでの時間情報(Time,Δtime),温度情報(ΔTemp)および閾値(LenL,LenH,Temp)を、メモリに不揮発保持する、上記(9)又は(10)に記載のカラー画像形成装置。
(12)上記(1)乃至(11)に記載の画像形成装置は、転写ベルト(208),該転写ベルトに沿って配列された複数の、感光体ドラムを含む電子写真方式の各色作像装置,各感光体ドラムに画像光を投射して露光するレーザ露光器(512),各感光体ドラムに形成された各顕像画像を前記転写ベルトの同一位置に転写する1次転写手段(205),用紙を前記転写ベルトに向けて送給する給紙手段(209〜212,215),前記用紙に前記転写ベルトの顕像画像を転写する2次転写手段(213)、および、顕像画像が転写された前記用紙に、該顕像画像を固定する定着手段(214)、を備える、カラーレーザプリンタである。
(13)各色作像装置は、k(黒),c(シアン),m(マゼンタ)およびy(イエロー)の作像装置であり、前記前記色ずれ補正手段(501,図6)は、k,cおよびmの少なくとも1つ(ずれ補正要の色)の色ずれ補正タイミングになると、前記転写ベルト(208)にkおよび「ずれ補正要の色」のパターンを形成して、kに対する「ずれ補正要の色」の書込み位置ずれ量を検出し該位置ずれ量を低減する方向に、「ずれ補正要の色」の画像書込み位置を補正する、上記(12)に記載のカラーレーザプリンタ。
(14)前記2次転写手段(213)に向かう前記転写ベルト(208)の移動方向に沿って、y,m,cおよびkの作像装置がこの順に配列された、上記(13)に記載のカラーレーザプリンタ。
(15)上記(12)乃至(14)のいずれか1つに記載のカラーレーザプリンタ(200),光学系により投影される画像を表す画像データを発生する画像読み取り装置(300)、および、該画像読み取り装置が発生した画像データを、前記カラーレーザプリンタによる作像に適する画像データに変換して該カラーレーザプリンタに与える画像データ処理装置(510,IPP)、を備える画像形成装置。
(16)更に、外部から与えられる書画情報を前記レーザプリンタによる印刷に適合する画像データに変換するコントローラ(501)、を備える上記(12)乃至(15)のいずれか1つに記載のレーザプリンタ又は画像形成装置。
本発明の他の目的および特徴は、図面を参照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
図1に、本発明の一実施例の複合機能フルカラーデジタル複写機MF1の外観を示す。このフルカラー複写機は、大略で、自動原稿送り装置(ADF)120と、操作ボード10(図3)と、カラースキャナ300と、カラープリンタ200と、給紙バンク35の各ユニットで構成されている。機内のシステムコントローラ501(図3)には、パソコンPCが接続したLAN(Local Area Network)が接続されている。また、機内のファクシミリコントローラ506(図3)は、交換機PBXおよび公衆通信網PNを介して、ファクシミリ通信をすることが出来る。
プリンタ200には、転写ユニットがあり、該転写ユニットには、無端ベルトである転写ベルト208がある。転写ベルト208は、3つの支持ローラと1つのテンションローラに掛け廻されており、反時計廻りに回動駆動される。テンションローラの近くに、画像転写後に転写ベルト208上に残留する残留トナーを除去する転写体クリーニングユニットがある。
1つの支持ローラともう1つの支持ローラとの間の転写ベルト208には、その移動方向に沿って、Y(イエロー),M(マゼンタ),c(シアン)およびk(ブラック)色の作像用の作像ユニットが装備され、これらの中にある各感光体ドラム202に、転写ベルト208を挟んで対向して、転写ローラ205がある。前記作像装置の上方には、各色感光体ユニットの各感光体ドラムに画像形成のためのレーザ光を照射するレーザ露光ユニット512がある。感光体ドラム202を、帯電ローラ203が均一に帯電し、帯電面にレーザ露光ユニット512が画像信号で変調したレーザを投射する。これによって生じた静電潜像を、現像器204が現像してトナー像とする。このトナー像が転写ベルト208に転写される。
転写ベルト208の下方には、搬送ベルト213がある。搬送ベルト213は、転写ベルト208上のトナー像を、用紙すなわちシート上に転写する。トナー像を転写した用紙(転写紙)は、搬送ベルト213で定着ユニット214に送り出される。搬送ベルト213および定着ユニット214の下方に、表面に画像を形成した直後の用紙を、裏面にも画像を記録するために表裏を反転して送り出すシート反転ユニットである両面ドライブユニット221がある。
スタートスイッチ17(図4)が押されると、原稿自動搬送装置(ADF)120に原稿があるときは、それをスキャナ300のコンタクトガラス上に搬送してから、ADF120に原稿が無いときにはコンタクトガラス上に手置きの原稿を読むために直ちに、スキャナ300を駆動し、スキャナ300内の第1キャリッジおよび第2キャリッジを、読み取り走査駆動する。そして、第1キャリッジ上の光源からコンタクトガラスに光を発射するとともに原稿面からの反射光を第1キャリッジ上の第1ミラーで反射して第2キャリッジに向け、第2キャリッジ上のミラーで反射して結像レンズを通して読取りセンサであるCCDに結像する。読取りセンサで得た画像信号に基づいてY,M,C,K(Bk)各色記録データが生成される。
また、スタートスイッチが押されたときに、転写ベルト208の回動駆動が開始されるとともに、前記作像装置の各ユニットの作像準備が開始され、そして各色作像の作像シーケンスが開始されて、各色用の感光体ドラムに各色記録データに基づいて変調された露光レーザが投射され、各色作像プロセスにより、各色トナー像が転写ベルト208上に一枚の画像として、重ね転写される。このトナー画像の先端が搬送ベルト213に進入するときに同時に先端が搬送ベルト213に進入するようにタイミングをはかって用紙がレジストローラ対212すなわち給送ローラから転写ベルト213に送り込まれ、これにより転写ベルト208上のトナー像が用紙に転写する。転写ベルト208には、転写ローラ205によって、トナーを転写する電圧が印加される。トナー像が移った用紙は定着ユニット214に送り込まれ、そこでトナー像が用紙に定着する。
なお、上述の用紙は、給紙バンク35の給紙トレイ(給紙段又はカセットとも言う)209〜211の直近上方の給紙ローラの1つを選択回転駆動し、給紙バンク35に多段に備える給紙トレイ209〜211の1つからシートを繰り出し、分離ローラで1枚だけ分離して、縦配列の搬送コロユニットに入れ、上方に搬送してプリンタ200内の搬送路に導き、搬送路の搬送ローラ215でレジストローラ対212に搬送して用紙の先端をレジストローラ対212に突き当てて止めてから、前述のタイミングでレジストローラ対212および搬送ローラ215を回転駆動して搬送ベルト213に送り出されるものである。右側端の手差しトレイ上に用紙を差し込んで給紙することもできる。ユーザが手差しトレイ上に用紙を差し込んでいるときには、プリンタ200が手差しトレイ部の給紙ローラを回転駆動して手差しトレイ上のシートの一枚を分離して手差し給紙路に引き込み、同じくレジストローラ対212に突き当てて止める。
定着ユニット214で定着処理を受けて排出される用紙は、切換爪で排出ローラに案内して図示を省略した排紙トレイ上にスタックする。または、切換爪で両面ドライブユニットに案内して、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラで排紙トレイ上に排出する。一方、画像転写後の転写ベルト208上に残留する残留トナーは、図示を省略した転写体クリーニングユニットで除去し、再度の画像形成に備える。
プリンタ200は、上述の重ね合せ転写の色ずれ(色間ずれ)を防止するために、露光装置512によって各感光体ドラム202上の手前(図1において表面側:以下、フロントと表現)と奥(図1において裏面側:以下、リアと表現)に位置検出用のテストパターン(図2)を書き込み現像し、転写ベルト208上に転写し、転写ベルト208に転写したテストパタ−ンを、反射型光センサ216f(フロント側),216r(リア側)で読みとることによって、各感光体ドラム202に対する露光装置512の書き込み位置ずれ,傾き,倍率等を検知し、これらによる色ずれをなくすように、各感光体ドラムに対する露光装置512の書き込みのタイミング等を補正するように構成されている。機内温度を検出する温度センサ217が作像ユニット配列の間に配置されている。
図3に、図1に示す複合機能複写機MF1の電装系統のシステム構成を示す。電装システムは、画像形成装置の全体制御を行うシステムコントローラ501、コントローラ501に接続された、画像形成装置の操作ボード10、画像データを記憶するHDD503、アナログ回線を使用して外部との通信を行う通信コントロール装置インターフェースボード504、LANインターフェースボード505、汎用PICバスに接続された、FAXのコントロールユニット506、IEEE1394ボード、無線LANボード、USBボード等507と、PCIバスでコントローラに接続されたエンジン制御510、エンジン制御510に接続された、画像形成装置のI/Oを制御するI/Oボード513、及び、コピー原稿(画像)を読込むスキャナーボード(SBU:Sensor Board Unit)511、及び画像データが表わす画像光を感光体ドラム上に投射する(光書込みする)LDB(レーザダイオードボード)512等で構成される。
原稿を光学的に読み取る読取ユニット300は、原稿に対する原稿照明光源の走査を行い、CCD520に原稿像を結像する。原稿像すなわち原稿に対する光照射の反射光をCCD520で光電変換してR,G,B画像信号を生成する。
通信コントロール装置インターフェイスボード504は、装置に不具合が発生した場合に外部の遠隔地診断装置に即時に通報し、故障個所の内容,状況等をサービスマンが認識し早急に修理することを可能としている。また、それ以外に装置の使用状況等の発信にも使用されている。
図3に示すCCD520は、3ラインカラーCCDであり、EVENch(偶数画素チャンネル)/ODDch(奇数画素チャンネル)のR、G、B画像信号を生成し、SBUボードのアナログASIC(Application Specific IC)に入力する。SBUボード511にはアナログASIC及び,CCD、アナログASICの駆動タイミングを発生する回路を備えている。CCD520の出力は、アナログASIC内部のサンプルホールド回路により、サンプルホールドされその後、A/D変換され、R、G、Bの画像データに変換し、且つシェーディング補正し、そして出力I/F(インターフェイス)520で画像データバスを介して画像データ処理器IPP(Image Processing Processor;以下では単にIPPと記述)に送出する。
IPPは画像処理をおこなうプログラマブルな演算処理手段であり、分離生成(画像が文字領域か写真領域かの判定:像域分離),地肌除去,スキャナガンマ変換,フィルタ,色補正,変倍,画像加工,プリンタガンマ変換および階調処理を行う。SBUからIPPに転送された画像データは、IPPにて光学系およびデジタル信号への量子化に伴う信号劣化(スキャナ系の信号劣化)を補正され、フレームメモリ521に書き込まれる。
システムコントローラ501には、CPU及びシステムコントローラボードの制御を行うROM、CPUが使用する作業用メモリであるRAM,リチウム電池を内臓し、SRAMのバックアップと時計を内臓したNV−RAM及び、システムコントローラボードのシステバス制御、フレームメモリ制御、FIFO等のCPU周辺を制御するASIC及びそのインターフェース回路等が搭載されている。
システムコントローラ501は、スキャナアプリケーション,ファクシミリアプリケーション,プリンタアプリケーションおよびコピーアプリケーション等の複数アプリケーションの機能を有し、システム全体の制御を行う。操作ボード10の入力を解読して本システムの設定とその状態内容を操作ボードの表示部に表示する。
PCIバスには多くのユニットが接続されており、画像データバス/制御コマンドバスで、画像データと制御コマンドが時分割で転送される。
通信コントロール装置インターフェースボード504は、通信コントロール装置と、コントローラ501との通信インターフェースボードである。コントローラ501との通信は、全二重非同期シリアル通信で接続されている。通信コントロール装置522とは、RS−485インターフェース規格により、マルチドロップ接続されている。遠隔の管理システムとの通信は、この通信コントローラ装置インターフェースボード504を経由して実施される。
LANインターフェースボード505は、社内LANに接続されている。社内LANとコントローラ501との通信インターフェースボードであり、PHYチップを搭載している。LANインターフェースボード505とコントローラ501とは、PHYチップI/F及びI2CバスI/Fの標準的な通信インターフェースで接続されている。外部機器との通信はこのLANインターフェースボード505を経由して実施される。
HDD503は、システムのアプリケーションプログラムならびにプリンタ、作像プロセス機器の機器付勢情報を格納するアプリケーションデータベース、ならびに、読取り画像や書込み画像のイメージデータ、すなわち画像データ、ならびにドキュメントデータを蓄える画像データベースとして用いられる。物理インターフェース、電気的インターフェース共に、ATA/ATAPI−4に準拠したインターフェースでコントローラに接続されている。
操作ボード10には、CPU及びROM,RAM、LCD及びキー入力を制御するASIC(LCDC)が搭載されている。ROMには操作ボード10の入力読込み、及び表示出力を制御する、操作ボード10の制御プログラムが書き込まれている。RAMは、CPUで使用する作業用メモリである。システムコントローラ501との通信により、パネルを操作して使用者がシステム設定の入力を行う入力と、使用者にシステムの設定内容,状態を表示する、表示および入力の制御を行っている。
システムコントローラ501のワークメモリから出力されたブラック(B)、イエロー(Y)、シアン(C)、マデンタ(M)の各色の書き込み信号は、LDB(Laser Diode control Board)のB,Y,M、CのLD(Laser Diode)書き込み回路に入力される。LD書き込み回路でLD電流制御(変調制御)が行われ、各LDに出力される。
エンジン制御510は、画像形成の作像作成制御を主として行い、CPU及び、画像処理を行うIPP、複写およびプリントアウトを制御するため必要なプログラムを内蔵したROM、その制御に必要なRAM、及びNV―RAMを搭載している。NV−RAMにはSRAMと、電源OFFを検知して、EEPROMにストアするメモリを搭載している。また、他の制御を行なうCPUとの信号の送受信を行なう、シリアルインターフェースも備えているI/O ASICは、エンジン制御ボードが実装された、近くのI/O(カウンター、ファン、ソレノイド、モータ等)を制御するASICである。I/O制御ボード513とエンジン制御ボード510とは同期シリアルインターフェース接続されている。
I/O制御ボード513には、サブCPU517を搭載しており、Pセンサ、Tセンサ等のアナログ制御,用紙センサの検出信号を参照するジャム検出,用紙搬送制御も含む画像形成装置のI/O制御を行っている。インターフェース回路515は、各種センサ,アクチュエータ(モータ、クラッチ、ソレノイド)とのインターフェース回路である。
電源装置PSU514は、画像形成装置を制御する電源を供給するユニットである。メインSWのオン(閉)により、商用電源が供給される。その商用電源からAC制御回路540に商用ACが供給され、AC制御回路540により整流、平滑化のように制御されたAC制御出力を用いて、DC電源装置PSU 514は、各制御基板に必要なDC電圧を供給する。DC電源装置PSUにより生成される定電圧を用いて各制御部のCPUが動作している。AC制御回路540には、定着ヒータ214に通電し定着温度を一定に維持する通電制御を行う交流通電回路(ヒータドライバ)がある。メインSWのオフからオンへの切り換わりにより、AC制御回路540によって、ヒータドライバには商用交流が供給され、DC電源装置514には直流電圧が印加される。これが待機モードである。この状態でコピー又は印刷の指示があると、システムコントローラ501が、エンジン制御510にコピー又は印刷を指示し、エンジン制御510がこれを開始する。エンジン制御510がコピー又は印刷を実行している状態は動作モードであり、消費電力が大きい。
システムコントローラ501は、待機モードの間、後述の色ずれ補正の開始条件が成立したかを監視し、開始条件が成立すると色ずれ補正を行うが、色ずれ補正の必要がなく待機モードが操作ボード10に入力された設定時間が経過すると、AC制御回路540およびDC電源装置514を省エネモードに切り替える。すなわち、AC制御回路540ではヒータドライバへの交流供給を遮断し、DC電源装置514では、複写機MF1に対するユーザの直接のアクセス(操作ボード10入力又はコピー又は印刷のための操作)もしくは外部(パソコン又はファクシミリ)からの画像要求又は印刷要求を認知し動作モードに復帰する電源操作を行う復帰用電気回路に認知動作用の電圧を供給する待機電源回路を除くDC出力用の電源回路を、DC受電ラインから遮断する。これによりシステムコントローラ501の動作電圧が消滅する。復帰用電気回路は、省エネモードにおいてユーザ又は外部からのアクセスを認知すると、AC制御回路540およびDC電源装置514を、上記待機モードに設定する。これによりシステムコントローラ501に動作電圧が加わる。
図4に示す様に、操作ボード10には、液晶タッチパネル11のほかに、テンキー15,クリア/ストップキー16,スタートキー17,初期設定キー18,モード切換えキー19,テスト印刷キー20,電源キー21がある。また、図示は省略したが、液晶タッチパネル11の左側には、URL,メール文,ファイル名,フォルダ名等の入力,設定用ならびに短縮登録用の、平仮名を付記したアルファベットキーボードがある。
電源キー21は、省エネモードから画像印刷が可能な待機状態である待機モードに、またその逆への切換えを指示するための操作キーである。省エネモードが設定されている時に電源キー21が一回押されると、省エネモードから待機モードに切換る。待機モードであるときに電源キー21が一回押されると、待機モードから省エネモードに切換る。テスト印刷キー20は、設定されている印刷部数に関わらず1部だけを印刷し、印刷結果を確認するためのキーである。
初期設定キー18を押す事で、機械の初期状態を任意にカスタマイズする事が可能である。省エネモードへの移行時間を設定したり、「色ずれ補正」のタイミング決定に参照する閾値を設定したり、機械が収納している用紙サイズを設定したり、コピー機能のリセットキーを押したときに設定される状態を任意に設定可能である。初期設定キ−18が操作されると、各種初期値を設定するための「初期値設定」機能ならびに「ID設定」機能,「著作権登録/設定」機能および「使用実績の出力」機能等を指定するための選択ボタンが表示される。「初期値設定」機能の中に、「色ずれ補正」のパラメータ(閾値)の設定(変更)がある。
液晶タッチパネル11には、各種機能キーならびにエンジン300およびコントローラボード400の動作状態を示すメッセージなどが表示される。液晶タッチパネル11には、「コピー」機能,「スキャナ」機能,「プリント」機能,「ファクシミリ」機能,「蓄積」機能,「編集」機能,「登録」機能およびその他の機能の選択用および実行中を表わす機能選択キー14が表示される。機能選択キー14で指定された機能に定まった入出力画面が表示され、例えば「複写」機能が指定されているときには、図4に示すように、機能キーならびに部数及び画像形成装置の状態を示すメッセージ12,13が表示される。オペレータが液晶タッチパネル11に表示されたキーにタッチすると、操作ボード10はオペレータ入力として読み込み、選択された機能を示すキーを、指定中を表す灰色に反転表示する。また、機能の詳細を指定しなければならない場合(例えばページ印字の種類等)はキーにタッチする事で詳細機能の設定画面がポップアップ表示される。このように、液晶タッチパネル11は、ドット表示器を使用している為、その時の最適な表示をグラフィカルに行う事が可能である。機能キー12の中には、印刷色指定キー「黒(BK)」,「フルカラー」,「自動色選択」,「青(C)」,「赤(M)」および「黄(Y)」指定キーがある。
図5には、操作ボード10の回路ブロックを示す。操作ボード10の電気制御系の主体は、システムコントローラ501およびエンジン制御510の各CPUとコミュニケーションし、操作ボード10の入力を読取り、操作ボード10上の表示を制御するCPU 1,このCPU 1の制御プログラムが格納されているROM 2,制御時にデータの一時格納等を行うためのRAM 3,液晶タッチパネル11の描画データを格納するVRAM 7,このVRAM 7に接続され液晶タッチパネル11の描画タイミング制御およびタッチ入力検知等を行う液晶表示コントローラ(LCDC)6,時刻データを発生する時計IC 5等がある。LCDC 6には、CFLの光源をバックライト9として有する液晶タッチパネル11が接続される。CPU 1には更に、CFLバックライト9を駆動するインバータ8,操作キー群15〜21のキーマトリクス,表示LEDのLEDマトリクスおよびそれらのLEDを駆動するLEDドライバ等が接続されている。また、CPU 1が接続されたデータバスには、画像処理モードおよび初期設定値記憶用の不揮発RAM(NVRAM)4が接続されている。
操作ボード10のCPU 1は、操作ボード10に対するユーザの操作に対応して、置数キーの押下の読込みと入力数字データの生成,スタートキーの押下の読込みと、スタート指示のコントローラ501への転送,用紙サイズの切換え入力の読取りなど、通常の複写機の操作読取りおよび表示出力の制御を行う。
NVRAM4の1メモリ領域に「判定パラメータテーブル」が割り当てられている。該テーブルは、次に示す21個のレジスタで構成される(図11〜16):
レジスタ記号 書込みデータ
Δtime c、Δtime m、Δtime y:前回補正の時刻(時間経過の始点)
Δtemp c、Δtemp m、Δtemp y:前回補正の温度(温度変化の始点)
Time c、Time m、Time y :補正間隔(経過時間の閾値)
Temp c、Temp m、Temp y :温度変化量の閾値(第2閾値)
Δlen c、Δlen m、Δlen y :色ずれ補正量(実績値)
LenL c、LenL m、LenL y:色ずれ量の下限閾値(間隔拡張判定用:第1,第4閾値)
LenH c、LenH m、LenH y:色ずれ量の上限閾値(間隔縮小判定用:第2,第5閾値)
なお、この明細書および添付図面上の上記レジスタ記号は、該レジスタのデータ(が表わす値)を意味する場合もある。
上記色ずれ量の下限閾値(本実施例では、第1閾値および第4閾値である)LenL c、LenL m、LenL yおよび上限閾値(本実施例では、第2閾値および第5閾値である)LenH c、LenH m、LenH yは、操作ボード10から入力(変更)できるものであり、「入力読取」でCPU 1が、操作キー群15〜21の中の初期設定キー18のオペレータ操作を読取ると、設定メニュー画面を液晶タッチパネル11に表示する。オペレータが設定メニュー画面上の「色ずれ補正のパラメータの設定」の項目を指定すると、CPU 1は、液晶タッチパネル11の表示面の一部に、上記「判定パラメータテーブル」の各レジスタのデータ名称と書き込み値を表示し、上記色ずれ量の下限閾値および上限閾値の各値表示領域には、データ値変更用のアップ,ダウンキーが付加表示される。ユーザは、アップ,ダウンキーをクリックして表示値を変更しそして実行キーをクリックすることにより、色ずれ量の下限閾値および上限閾値を変更することができる。なお、詳細は後述するが、レジスタΔtime c、Δtime m、Δtime yには、色ずれ補正をしたときの、時計IC5(図5)の現在時刻データが書き込まれ、レジスタΔtemp c、Δtemp m、Δtemp yには、色ずれ補正をしたときの機内温度(温度センサ217の検出温度)が書き込まれる。
図6に、図3に示すシステムコントローラ1による、色ずれ補正制御の概要を示す。メインSWのオフからオンの切り換わりによる待機モードへの移行、又はメインSWがオン継続中の省エネモードから待機モードへの復帰により、システムコントローラ1に動作電圧が加わる。このとき、省エネモードでも給電されてモード情報を保持するモードレジスタ(メモリの1領域)に省エネモードを表わす情報がないと、システムコントローラ1は、メインSWのオンによる電源オン(図6のステップ1)と判定して、初期化(ステップ2)を実行する。この初期化において、モードレジスタに「待機モード」を表わす情報を書き込む。なお、後に省エネモードに進むときにはその直前にモードレジスタに「省エネモード」を表わす情報を書き込む。以下においては、括弧内には、ステップという語を省略して、ステップNo.数字のみを記す。
上記初期化(2)では、レジスタΔtime c,Δtime m,Δtime y、Δtemp c,Δtemp m,Δtemp y、Time c,Time m,Time y、Temp c,Temp m,Temp y、および、Δlen c,Δlen m,Δlen y、を初期化する。すなわち、前回時刻レジスタΔtime c,Δtime m,Δtime yには時計IC5の現在時刻を書き込み、前回温度レジスタΔtemp c,Δtemp m,Δtemp yには温度センサ217の現在の検出温度すなわち機内温度を書き込み、補正間隔レジスタTime c,Time m,Time yには、一律に15分を書き込み、温度変化閾値レジスタTemp c,Temp m,Temp yには、一律に3°Cを書き込み、そして、色ずれ補正量レジスタΔlen c,Δlen m,Δlen yはクリアする。
次にレジスタFlc(コントローラ501の内部メモリの1領域)に、メインSWオン直後の、初期色ずれ補正要を表わす「1」(高レベルH)を書き込む(3)。次に、上記初期化時から機内温度が3°C以上の変化がなく、15分が経過した待機モードのときには、レジスタFlcをクリアして(6,8)、c,m,y色全ての色ずれ補正である「c,m,y色ずれ補正1」(9)を実行する。その内容は図7を参照して後述する。15分が経過する前に機内温度が3°C以上変化した待機モードのときには、レジスタFlcをクリアして(6,7,10)、c,m,y色全ての色ずれ補正である「c,m,y色ずれ補正2」(11)を実行する。その内容は図8を参照して後述する。その後は、「c,m,y色ずれ補正1」(9)又は「c,m,y色ずれ補正2」(11)で設定された各色の色ずれ補正開始条件にしたがって、色ずれ補正要否を各色c,m,y毎に判定して(12〜13)、色ずれ補正要と判定した色(c,m,yの1つ,2つ又は全て)の色ずれ補正を行う(15)。この色ずれ補正(15)で、補正結果の補正量に基づいて次の該当色の補正開始条件(Time,Temp)を定める。そして、以後は、メインSWがオフするまで、ステップ4,5,12〜15,4のループを循環して、色毎に色ずれ補正要否を判定して色ずれ補正要の色の色ずれ補正を行う。
図7に、メインSWオン直後の初期化時から機内温度が3°C以上の変化がなく、15分が経過した待機モードのときに実行する「c,m,y色ずれ補正1」(9)の内容を示す。ここではまず、「全色プロセスコントロール」(21)で、c,m,yおよびkの帯電,露光,現像および転写等、作像条件をすべて基準値に設定して、転写ベルト208上のリアr又はフロントfに、K(Bk),Y,CおよびM像を形成して、光センサ20r又は20fで像濃度を検出して、それが基準値となるように、帯電ローラ印加電圧,露光強度および現像バイアスを調整し設定する。そして次に、「全色テストパターンの形成と計測」(22)を実行する。すなわち、前記「全色プロセスコントロール」(21)で設定した作像条件(パラメータ)で、転写ベルト208上に、図2に示すように、リアr,フロントfのそれぞれに、スタートマークMsr,Msfならびに8セットのテストパターンを形成する。すなわち、リアには、ブラックBkのスタートマークMsrを先頭に、マークピッチdの4ピッチ4dの空きの後に、8セットのマークセットを、転写ベルト10の1周長以内に、セットピッチ(定ピッチ)7d+A+cで順次形成する。この実施例では、スタートマークを含めて8セット、合計65個のマークが、転写ベルト10の1周長以内に形成する。
第1マークセットは、主走査方向x(転写ベルト208の幅方向)に平行な次の直交マーク群、
ブラックBkの第1直交マークAkr,
イエローYの第2直交マークAyr,
シアンCの第3直交マークAcr、および、
マゼンタMの第4直交マークAmr、
ならびに、主走査方向xに対して45゜の角度をなす次の斜交マーク群、
Bkの第1斜交マークBkr,
Yの第2斜交マークByr,
Cの第3斜交マークBcr、および、
Mの第4斜交マークBmr、
を含んでいる。第2〜8マークセットの内容は、第1マークセットと同じである。フロントにも、上述のリアのテストパターンと同じテストパターンを同時に同じく形成する。これらのテストパターンに含まれる各マークに付した記号の、末尾のrはリア側のものであることを、fはフロント側のものであることを、示す。
これらのマークを、光センサ216r,216fで検出して、マーク検出信号をデジタルデータすなわちマーク検出データに変換して読み込む。そして、各マークの中心点の、転写ベルト208上の位置(分布)を算出する。更に、リア側8セットの平均パターン(マーク位置の平均値群)と、同様なフロント側8セットの平均パターンを算出する。平均パターンを算出すると、平均パターンにもとづいてK(Bk),Y,CおよびM作像ユニットのそれぞれによる作像のずれ量を算出し(23)、算出したずれ量に基づいてずれをなくするための補正量を算出して、算出したc,m,y各色の補正量を、色ずれ補正量レジスタΔlen c,Δlen m,Δlen yに書込む(24)。そして算出した補正量分の、各色の色ずれ補正を行う(25)。
次に、各色の色ずれ補正量に基づいて、各色の次回の色ずれ補正開始条件を調整する(26〜31)。すなわち、色ずれ補正量レジスタΔlen cのデータすなわちc色の今回の色ずれ補正量Δlen cが、c色宛ての下限閾値レジスタLenL cの下限閾値(第1閾値)LenL c未満であると、補正間隔レジスタTime cの補正間隔データTime cを、該データが表わす値の2倍の値(30分)に書き換える(26,27)。色ずれ補正量Δlen cが下限閾値LenL c以上のときには、補正間隔データTime cは書換え(変更)しない。同様に、m色の今回の色ずれ補正量Δlen mが、m色宛ての下限閾値(第1閾値)LenL m未満であると、補正間隔データTime mを、該データが表わす値の2倍の値(30分)に書き換える(28,29)。色ずれ補正量Δlen mが下限閾値LenL m以上のときには、補正間隔データTime mは書換えしない。また同様に、y色の今回の色ずれ補正量Δlen yが、y色宛ての下限閾値(第1閾値)LenL y未満であると、補正間隔データTime yを、該データが表わす値の2倍の値(30分)に書き換える(30,31)。色ずれ補正量Δlen yが下限閾値LenL y以上のときには、補正間隔データTime yは書換えしない。
これらの書換え処理を終えると、前回時刻レジスタΔtime c,Δtime m,Δtime yには時計IC5の現在時刻を書き込み(32)、前回温度レジスタΔtemp c,Δtemp m,Δtemp yには温度センサ217の現在の検出温度すなわち機内温度を書き込む(33)。
図8に、メインSWオン直後の初期化時から15分が経過する前に機内温度に3°C以上の変化があり、しかも待機モードのときに実行する「c,m,y色ずれ補正2」(11)の内容を示す。ここで実行するステップ41〜45,52および53の内容は、上述の図7に示すステップ21〜25,32,33の内容と同じである。
しかしここでは、各色の今回の色ずれ補正量に基づく、各色の次回の色ずれ補正開始条件の調整(46〜51)の内容が異なる。すなわち、色ずれ補正量レジスタΔlen cのデータすなわちc色の今回の色ずれ補正量Δlen cが、c色宛ての下限閾値レジスタLenL cの下限閾値(第4閾値)LenL c未満であると、温度変化閾値レジスタTemp cの温度変化閾値(第3閾値)データTemp cを、該データに3°Cを加えた値(6°C)を表すものに書き換える(46,47)。色ずれ補正量Δlen cが下限閾値LenL c以上のときには、温度変化閾値データTemp cは書換え(変更)しない。同様に、色ずれ補正量データΔlen mが、m色宛ての下限閾値(第4閾値)LenL m未満であると、温度変化閾値(第3閾値)Temp mを、該データに3°Cを加えた値(6°C)を表すものに書き換える(48,49)。色ずれ補正量Δlen cが下限閾値LenL c以上のときには、温度変化閾値Temp mは書換え(変更)しない。また同様に、色ずれ補正量データΔlen yが、y色宛ての下限閾値(第4閾値)LenL y未満であると、温度変化閾値(第3閾値)Temp yを、該データに3°Cを加えた値(6°C)を表すものに書き換える(50,51)。色ずれ補正量Δlen yが下限閾値LenL y以上のときには、温度変化閾値Temp yは書換え(変更)しない。
図9に、図6に示すc,m,y各色の色ずれ補正要否判定(12,13,14)の内容を示す。「c色ずれ補正要否判定」(12)では、前回のc色の色ずれ補正からの経過時間が補正間隔データTime c以上になったか判定して(61)、経過時間がTime c以上なっていると、レジスタRRr cに、色ずれ補正後に補正量対応で補正時間間隔を変更する態様の色ずれ補正を指定する10進数の1を表わすデータを書込む(61,62)。経過時間がTime c未満であったときには、前回のc色の色ずれ補正からの機内温度の変化量が、温度変化閾値(第3閾値)Temp c以上になったか判定して(63)、該温度変化量がTemp c以上になっていると、レジスタRRr cに、色ずれ補正後に補正量対応で温度変化閾値(第3閾値)を変更する態様の色ずれ補正を指定する10進数の2を表わすデータを書込む(63,64)。温度変化量がTemp c未満であったときには、レジスタRRr cをクリアする(65)。すなわち10進数の0を表わすデータに書き換える。「m色ずれ補正要否判定」(13)および「y色ずれ補正要否判定」(14)の内容も、「c色ずれ補正要否判定」(12)の内容と同様であり、「c色ずれ補正要否判定」(12)の内容の上記説明のcをm又はyと変更したものとなる。
図10に、図6に示す「要と判定した色の色ずれ補正」(15)の内容を示す。ここでは、レジスタRRr c,m,yに、10進数の1又は2を表わすデータが書き込まれた色(c,m又はy)を、色ずれ補正要の色と定めて(91)、色ずれ補正要の色とK(Bk)のテストパターンを転写ベルト208に形成して、センサ216f,216rを用いて各色テストパターンの位置を計測して(92)、k(Bk)に対する他の色i(i:c,m,yのうちテストパターンを形成した色)の位置ずれ量すなわち色ずれ量を算出する(93)。次に、色iの色ずれ量対応の色ずれ補正量を算出して、補正量レジスタΔlen iに書き込んで(95)、色iの色ずれ補正を行う(95)。
次に、この色ずれ補正をc色に実施したときには、「c色の判定条件の更新」(98)を行う(97,98)。これにおいては、c色の色ずれ補正が、補正時間間隔を変更する態様の指定(RRr cのデータが1)か、あるいは温度変化閾値を変更する態様の指定(RRr cのデータが2)かに応じて(99)、前者である場合は、c色の今回の色ずれ補正量Δlen cがc色に宛てた下限閾値(第1閾値)LenL cより小さいときは、補正間隔レジスタTime cの補正間隔データTime cを、該データが表わす値の2倍の値に書き換える(100,101)。今回の色ずれ補正量Δlen cがc色に宛てた上限閾値(第2閾値)LenH cより大きいときは、補正間隔レジスタTime cの補正間隔データTime cを、該データが表わす値の1/2の値に書き換える(102,103)。ただし、1/2の値が15分未満になるときには、15分に書き換える(104,105)。今回の色ずれ補正量Δlen cが下限閾値(第1閾値)LenL c以上かつ上限閾値(第2閾値)LenH−c未満のときには、補正間隔データTime cは書換え(変更)しない。
後者である場合すなわちc色の色ずれ補正が、温度変化閾値を変更する態様の指定(RRr cのデータが2)であった場合は、c色の今回の色ずれ補正量Δlen cがc色に宛てた下限閾値(第4閾値)LenL cより小さいときは、温度変化閾値レジスタTemp cの温度変化閾値(第3閾値)データTemp cを、該データが表わす値に3°Cを加えた値を表わすものに書き換える(106,107)。今回の色ずれ補正量Δlen cがc色に宛てた上限閾値(第4閾値)LenH cより大きいときは、温度変化閾値(第3閾値)データTemp cを、該データが表わす値より3°Cを減算した値を示すものに書き換える(108,109)。ただし、減算した値が3°C未満になるときには、3°Cに書き換える(110,111)。今回の色ずれ補正量Δlen cが下限閾値(第4閾値)LenL c以上かつ上限閾値(第4閾値)LenH−c未満のときには、温度変化閾値(第3閾値)データTemp cは書換え(変更)しない。
次にレジスタRRc−cをクリアして(112)、前回時刻レジスタΔtime cには現在時刻を書込み(113)、前回温度レジスタΔtemp cには現在の機内温度を書込む(114)。
色ずれ補正をm色にも実施したときには、「m色の判定条件の更新」(116)を行い(115,116)、色ずれ補正をy色にも実施したときには、「y色の判定条件の更新」(118)を行う(117,118)。「m色の判定条件の更新」(116)および「y色の判定条件の更新」(118)の内容は、上述の「c色の判定条件の更新」(98)の内容と同様であり、「c色の判定条件の更新」(98)の上述の内容説明のcをm又はyと置換したものとなる。
次に上述の色ずれ補正制御の概要を、具体的に説明する。本実施例では、システムコントローラ501が、「初期化」(2)で、待機中の色ずれ補正のタイミングの初期値として、前回色ずれ補正からの補正時間間隔(Time c,m,y)を15分に、そして前回色ずれ補正からの温度変化閾値(第3閾値)Temp c,m,yを3°Cに設定する。操作ボード10からのユーザ設定による色ずれ量の下限閾値(第1閾値および第4閾値)LenL−c,m,yは50μmに、上限閾値(第2閾値および第5閾値)LenH−c,m,yは100μmに設定されているとする(図11)。
メインSWオン直後(図6の1〜3の直後)の待機モードにおいて、15分の経過が3℃の変化より先であった場合、まず非基準色c,m,y全ての色ずれ補正(図6の9:図7)が行われ、補正量レジスタΔlen c,m,yにこの時の色ずれ補正量が書き込まれる(図7の24)。記憶された色ずれ補正量がそれぞれΔlen c=30μm 、Δlen m=55μm 、Δlen y=80μm であり、下限閾値(第1閾値)がLenL c=LenL m=LenL y=50μm と設定されていた場合、下限閾値(第1閾値)を超えない色ずれ量はシアンcとなる。そこでシアンcの次回色ずれ補正時間Time cを15分から30分に書き換える。すなわち、シアンcは次回15分後の色ずれ補正は行わず、1回飛ばしの30分後に行うように設定する(図12)。この動作により、非基準色c,m,yを各色別に色ずれ補正までの間隔時間が設定されるので、経過時間をリセットする。すなわち、Δtime c、Δtime m、Δtime yに現在時刻を書き込む。また、温度変化量もリセットする。すなわち、Δtemp c、Δtemp m、Δtemp yに現在温度を書き込む。
なお、複写機構成上、各非基準色の色ずれ量の度合いが異なる可能性が高いので、ユーザは、操作ボード10を使用して、下限閾値(第1閾値および第4閾値)LenL c,m,yおよび上限閾値(第2閾値および第5閾値)LenH c,m,yを非基準色ごとに設定できるようにしている。例えば下限閾値(第1閾値,第4閾値)を、LenL c=50μm 、LenL m=60μm 、LenL y=70μm と設定できる(図13)。こうなると上記色ずれ補正量の結果では、Time c= Time m= 30分となる(図14)。また、30分後のシアンの色ずれ量Δlen cが下限閾値(第1閾値)LenL c=30μm 未満であれば、Temp c=30分が60分に変更される。以後同様に色ずれ量が下限閾値(第1閾値)を下回っていけばTemp c=60分から120分,240分,・・・と変更される。しかし、例えばシアンcの色ずれ量Δlen cが上限閾値(第2閾値)LenH−c=100μm 以上になった場合、Time c=30分であったとすると、Time c=30分は15分に変更される(図15)。Time c=15分であったら、そのまま15分とする。
仮に、前回色ずれ補正時から15分経過しないうちに、機内温度の変化が3℃以上となった場合、例えば、図16の状態になった時、まず最初は、非基準色c,m,y全ての色ずれ補正(図6の11:図8)が行われる。あとは上記時間間隔のときと同じで、例えばシアンの色ずれ量Δlen cが下限閾値(第4閾値)LenL cを下回ったら、Temp cを2倍の6℃とする。また逆にTemp c=6℃の状態でシアンcの色ずれ量Δlen cが上限閾値(第5閾値)LenH cを上回ったら、Temp c=6℃を3℃に戻す。
上述の、非基準色c,m,y全ての色ずれ補正(図6の9:図7)、又は、非基準色c,m,y全ての色ずれ補正(図6の11:図8)を実行した後は、複写機MF1が待機モードにある間、上述の色ずれ補正要否判定(図6の12〜14:内容は図9)が実質的に定周期で繰り返される。ユーザ指示に応じて画像形成を行う動作モードの間および省エネモードの間は、色ずれ補正要否判定(図6の12〜14)は実行しない。そして、補正要否判定(図6の12〜14)でいずれかの色の色ずれ補正要になると、すなわちレジスタRR c,m,yの少なくとも1つに、10進数の1又は2を表すデータを書込むと、要と判定した色の色ずれ補正(図6の15:内容は図10)が実行される。
なお、上記実施例では、基準色をK(Bk)としているが、Y,M又はCを基準色として、K(Bk)の色ずれ補正を行うようにすることもできる。また、上記実施例は各色作像ユニットをタンデム配列した電子写真方式の複写機であるが、タンデム配列ではなくても、転写媒体に顕像を転写しえる他の方式の電子写真方式の画像形成装置や、電子写真方式ではなくても、用紙搬送ベルトに顕像を形成できる画像形成装置(たとえばインクジェットプリンタ)にも、本発明は同様に適用できる。