以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[一実施形態]
(部品実装装置の構成)
図1〜図5を参照して、本発明の一実施形態による部品実装装置100の構成について説明する。
部品実装装置100は、図1に示すように、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの部品E(電子部品)を、プリント基板などの基板Pに実装する装置である。
また、部品実装装置100は、基台1と、搬送部2と、配置部3aおよび3bと、ヘッドユニット4aおよび4bとを備えている。なお、ヘッドユニット4aおよび4bは、それぞれ、本発明の「第1ヘッドユニット」および「第2ヘッドユニット」の一例である。
なお、本明細書では、基板Pの搬入出方向をX方向とし、水平面においてX方向と直交(交差)する方向をY方向とする。また、X方向およびY方向と直交する方向をZ方向(上下方向)とする。なお、X方向は、特許請求の範囲の「第1方向」の一例である。また、Y方向は、特許請求の範囲の「第2方向」の一例である。
搬送部2は、基板PをX方向に搬送するように構成されている。具体的には、搬送部2は、上流側(X1側)の図示しない搬送路から基板Pを搬入し、下流側(X2側)に搬送するように構成されている。また、搬送部2は、部品Eが実装された基板Pを下流側(X1側)の図示しない搬送路に搬出するように構成されている。
搬送部2は、搬入部21と、第1実装ステージ22と、第2実装ステージ23とを含む。搬入部21と、第1実装ステージ22と、第2実装ステージ23とは、搬入出方向(X方向)の上流側(X1側)から下流側(X2側)に向かって、この順に配置されている。なお、第1実装ステージ22は、本発明の「第1基板搬送部」の一例である。また、第2実装ステージ23は、本発明の「第2基板搬送部」の一例である。
搬入部21は、上流側の図示しない搬送路から基板Pを受け取る(搬入する)ように構成されている。搬入部21は、下流側の第1実装ステージ22に基板Pを受け渡すように構成されている。また、搬入部21は、基板Pを待機させるバッファコンベアとして機能する。
搬入部21は、X方向に延びる一対のコンベア21aを有する。一対のコンベア21aは、基板PをX1側から受け入れてX2側に受け渡すように、基板PをX2方向に搬送するように構成されている。また、一対のコンベア21aは、基板PのY方向の長さに応じて、Y方向の間隔が調整可能に構成されている。
第1実装ステージ22は、搬入出方向の下流側(X2側)において、搬入部21に隣接して配置されている。第1実装ステージ22は、上流側の搬入部21から基板Pを受け取るように構成されている。第1実装ステージ22では、基板Pが保持された状態で、基板Pに部品Eを実装する作業が行われる。また、第1実装ステージ22では、部品Eの実装時には、図示しない基板固定機構により基板Pが固定される。第1実装ステージ22は、第1実装ステージ22における実装作業の完了後、基板Pを第2実装ステージ23に受け渡すように構成されている。
第1実装ステージ22は、X方向に延びる一対のコンベア22aを有する。一対のコンベア22aは、基板PをX1側から受け入れて、基板PをX2側に受け渡すように、基板PをX2方向に搬送するように構成されている。また、一対のコンベア22aは、基板PのY方向の長さに応じて、Y方向の間隔が調整可能に構成されている。
また、第1実装ステージ22は、図3に示すように、Y方向に延びる一対の固定レール1cを介して、Y方向に移動可能に支持されている。これにより、第1実装ステージ22は、X方向に基板Pを搬送可能で、かつ、基板Pを保持した状態で、X方向と直交するY方向に基板Pを移動可能に構成されている。また、第1実装ステージ22は、Y軸モータ221によりボールネジ軸222が回転されることによって、ボールネジ軸222に沿ってY方向に移動される。
また、第1実装ステージ22は、基板Pの受け取りおよび受け渡しが可能な搬送位置Paと、搬送位置Paに対して基板PをY1側に配置されたテープフィーダ31に近付けた実装位置Pbとの間で、Y方向に基板Pを移動可能に構成されている。
第2実装ステージ23は、搬入出方向の下流側(X2側)において、第1実装ステージ22に隣接して配置されている。第2実装ステージ23は、上流側の第1実装ステージ22から基板Pを受け取るように構成されている。第2実装ステージ23では、基板Pが保持された状態で、基板Pに部品Eを実装する作業が行われる。また、第2実装ステージ23では、部品Eの実装時には、図示しない基板固定機構により基板Pが固定される。第2実装ステージ23は、第2実装ステージ23における実装作業の完了後、下流側の図示しない搬送路に基板Pを受け渡す(搬出する)ように構成されている。なお、第2実装ステージ23は、第1実装ステージ22とは異なり、Y方向に基板Pを移動させない。
第2実装ステージ23は、X方向に延びる一対のコンベア23aを有する。一対のコンベア23aは、基板PをX1側から受け入れて、基板PをX2側に受け渡すように、基板PをX2方向に搬送するように構成されている。また、一対のコンベア23aは、基板PのY方向の長さに応じて、Y方向の間隔が調整可能に構成されている。
配置部3aおよび3bは、それぞれ、部品Eを供給するテープフィーダ31aおよび31bを配置可能に構成されている。配置部3aには、複数のテープフィーダ31aが配置されている。配置部3bには、複数のテープフィーダ31bが配置されている。配置部3aおよび3bは、それぞれ、基台1のY1方向の端部および基台1のY2方向の端部に設けられている。配置部3aは、搬送部2に対して、Y方向の一方側(Y1側)に配置されている。配置部3bは、搬送部2に対して、Y方向の他方側(Y1側)に配置されている。なお、テープフィーダ31aは、特許請求の範囲の「第1部品供給部」の一例である。また、テープフィーダ31bは、特許請求の範囲の「第2部品供給部」の一例である。
テープフィーダ31aおよび31bには、IC、トランジスタおよびコンデンサなどの部品Eを所定の間隔を隔てて保持した部品供給テープが巻き回されたリール(図示せず)を保持している。テープフィーダ31aおよび31bは、リールを回転させて部品Eを保持する部品供給テープを送出することにより、部品Eを供給するように構成されている。
ヘッドユニット4aおよび4bは、テープフィーダ31aおよび31bから供給される部品Eを吸着して第1実装ステージ22および第2実装ステージ23に保持された基板Pに実装可能に構成されている。
ヘッドユニット4aは、ヘッドユニット4bに対してテープフィーダ31a側(Y1側)に配置されている。ヘッドユニット4aは、配置部3aに配置されたテープフィーダ31aから供給される部品Eを、第1実装ステージ22に保持された基板Pに実装するように構成されている。ヘッドユニット4bは、ヘッドユニット4aに対してテープフィーダ31b側(Y2側)に配置されている。ヘッドユニット4bは、配置部3bに配置されたテープフィーダ31bから供給される部品Eを、第2実装ステージ23に保持された基板Pに実装するように構成されている。つまり、本実施形態では、ヘッドユニット4aは、第1実装ステージ22に保持された基板Pに対する部品Eの実装作業を担当する。また、本実施形態では、ヘッドユニット4bは、第2実装ステージ23に保持された基板Pに対する部品Eの実装作業を担当する。
ヘッドユニット4a(4b)は、搬送部2およびテープフィーダ31a(31b)よりも上方の位置に設けられており、搬送部2およびテープフィーダ31a(31b)の上方を水平方向(X方向およびY方向)に移動可能に構成されている。
具体的には、ヘッドユニット4a(4b)は、X方向に延びるユニット支持部材5a(5b)によりX方向に移動可能に支持されている。ヘッドユニット4a(4b)は、X軸モータ6a(6c)によりボールネジ軸6b(6d)が回転されることによって、ボールネジ軸6b(6d)に沿ってX方向に移動される。ユニット支持部材5a(5b)は、Y方向に延びる一対の固定レール1bを介して、一対の高架フレーム1aによりY方向に移動可能に支持されている。ユニット支持部材5a(5b)は、Y軸モータ7a(7c)によりボールネジ軸7b(7d)が回転されることによってY方向に、ボールネジ軸7b(7d)に沿って移動される。
また、ヘッドユニット4a(4b)には、図1および図2に示すように、部品吸着(取得)用の複数の吸着ノズル41が取り付けられている。複数の吸着ノズル41は、X方向に沿って配列されている。
ヘッドユニット4a(4b)には、基板認識カメラ42が設けられている。基板認識カメラ42は、部品Eの実装に先立って、上方から基板Pに付された図示しない位置認識マーク(フィデューシャルマーク)を撮像するように構成されている。この位置認識マークの撮像結果は、制御装置9により取得される。制御装置9は、取得された位置認識マークの撮像結果に基づいて、基板Pの位置および姿勢を取得する。
部品実装装置100には、2つの部品認識カメラ8aおよび8bが設けられている。部品認識カメラ8aは、配置部3a(Y1側の配置部)の近傍において、基台1の上面上に固定されている。部品認識カメラ8bは、配置部3b(Y2側の配置部)の近傍において、基台1の上面上に固定されている。部品認識カメラ8aおよび8bは、部品Eの実装に先立って、下方から吸着ノズル41に吸着された部品Eを撮像するように構成されている。この部品Eの撮像結果は、制御装置9により取得される。制御装置9は、取得された部品Eの撮像結果に基づいて、吸着ノズル41に吸着された部品Eの回転姿勢および吸着位置を取得する。
また、部品実装装置100は、図2に示すように、制御装置9を備えている。制御装置9は、CPU(Central Processing Unit)を含み、部品実装装置100の各部の動作を制御するように構成されている。
(第1実装ステージにおける実装作業に関する構成)
ここで、本実施形態では、制御装置9は、図4および図5に示すように、テープフィーダ31aに近付くY1方向への基板Pの移動途中、および、テープフィーダ31aから離間するY2方向への基板Pの移動途中に、ヘッドユニット4aによる実装作業を行わせるように構成されている。つまり、制御装置9は、搬送位置Paから実装位置Pbへの基板Pの移動途中、および、実装位置Pbから搬送位置Paまでの基板Pの移動途中に、ヘッドユニット4aによる実装作業を行わせるように構成されている。
具体的には、制御装置9は、ヘッドユニット4aによる移動途中の基板Pへの部品Eの実装時には、第1実装ステージ22によるY方向(Y1方向またはY2方向)への移動途中の基板Pの移動を停止させる制御を行うように構成されている。制御装置9は、基板Pの停止時に、基板認識カメラ42により基板Pに付された位置認識マークを撮像する制御と、ヘッドユニット4aの吸着ノズル41に吸着された部品Eを基板Pに実装する制御とを行うように構成されている。
また、本実施形態では、制御装置9は、ヘッドユニット4aによる移動途中の基板Pへの部品Eの実装後に、Y方向(Y1方向またはY2方向)への基板Pの移動を再開する制御を行うように構成されている。そして、制御装置9は、ヘッドユニット4aによるテープフィーダ31aからの部品Eの取得(吸着)と並行して、第1実装ステージ22によるY方向への基板Pの移動を行わせるように構成されている。
具体的には、制御装置9は、基板P上からテープフィーダ31a上へのヘッドユニット4aの移動、ヘッドユニット4aの吸着ノズル41によるテープフィーダ31aから供給される部品Eの吸着、テープフィーダ31a上から基板P上へのヘッドユニット4aの移動、部品認識カメラ8による吸着ノズル41に吸着された部品Eの撮像などの部品Eの取得に係る実装準備と並行して、第1実装ステージ22によるY方向への基板Pの移動を行わせるように構成されている。
これらの結果、制御装置9は、Y方向(Y1方向またはY2方向)への基板Pの移動途中に、ヘッドユニット4aによる実装作業を行わせる場合に、間欠的な基板の移動動作を第1実装ステージ22により行わせるように構成されている。
また、制御装置9は、図4に示すように、テープフィーダ31aに近付くY1方向への基板Pの移動途中に、ヘッドユニット4aによる基板Pへの実装作業を行わせる場合に、ヘッドユニット4aとヘッドユニット4bとが干渉しない位置Pc(図4(A2)参照)から、ヘッドユニット4aによる基板Pへの部品Eの実装を開始するように構成されている。
制御装置9は、ヘッドユニット4aの動作領域と、ヘッドユニット4bの動作領域とに基づいて、ヘッドユニット4aとヘッドユニット4bとが干渉しない位置を取得するように構成されている。たとえば、制御装置9は、Y1側のヘッドユニット4aが最もY2側の部品Eの実装する際のヘッドユニット4aの位置と、Y2側のヘッドユニット4bが最もY1側の部品Eの実装する際のヘッドユニット4bの位置とが干渉しないY方向の位置(一点鎖線により示す)を基板Pが越えた位置を、ヘッドユニット4aとヘッドユニット4bとが干渉しない位置Pcとして取得することが可能である。なお、位置Pcは、ヘッドユニット4aとヘッドユニット4bとが干渉しない位置のうち、最もY2側の位置である。
たとえば、取得されたヘッドユニット4aとヘッドユニット4bとが干渉しない位置Pcが搬送位置PaよりもY1方向側である場合(図4(A2)に示す場合)には、制御装置9は、ヘッドユニット4aとヘッドユニット4bとが干渉しない位置Pcまで、第1実装ステージ22により基板PをY1方向に移動させた後、ヘッドユニット4aによる基板Pへの部品Eの実装を開始する。
また、たとえば、ヘッドユニット4aとヘッドユニット4bとが干渉しない位置Pcが搬送位置Paと同じ位置である場合には、制御装置9は、第1実装ステージ22により基板PをY1方向に移動させることなく、搬送位置Paからヘッドユニット4aによる基板Pへの部品Eの実装を開始する。
また、本実施形態では、制御装置9は、図5に示すように、テープフィーダ31aから離間するY2方向への基板Pの移動途中に、ヘッドユニット4aによる基板Pへの実装作業を行わせる場合に、ヘッドユニット4aとヘッドユニット4bとが干渉しない位置Pd(図5(B4)参照)まで、ヘッドユニット4aによる基板Pへの部品Eの実装を行わせるように構成されている。
ヘッドユニット4aとヘッドユニット4bとが干渉しない位置Pdは、ヘッドユニット4aとヘッドユニット4bとが干渉しない位置Pcと同様に、ヘッドユニット4aの動作領域と、ヘッドユニット4bの動作領域とに基づいて、取得することが可能である。すなわち、制御装置9は、Y1側のヘッドユニット4aが最もY2側の部品Eの実装する際のヘッドユニット4aの位置と、Y2側のヘッドユニット4bが最もY1側の部品Eの実装する際のヘッドユニット4bの位置とが干渉しないY方向の位置(一点鎖線により示す)を基板Pが越えた位置を、ヘッドユニット4aとヘッドユニット4bとが干渉しない位置Pdとして取得することが可能である。なお、位置Pdは、ヘッドユニット4aとヘッドユニット4bとが干渉しない位置のうち、最もY2側の位置である。
また、本実施形態では、制御装置9は、残り実装部品点数に基づいて、テープフィーダ31aから離間するY2方向への第1実装ステージ22による基板Pの移動を開始する制御を行うように構成されている。つまり、制御装置9は、残り実装部品点数に基づいて、搬送位置Paに基板Pを引き返す動作を開始する制御を行うように構成されている。
具体的には、基板Pが実装位置Pbに位置する場合には、実装位置Pbから、テープフィーダ31aから離間するY2方向への第1実装ステージ22による基板Pの移動が開始される。
また、基板Pが実装位置Pbよりも手前(Y2方向側)に位置する場合には、その位置から、テープフィーダ31aから離間するY2方向への第1実装ステージ22による基板Pの移動が開始される。この場合、実装位置Pbに到達する前に、搬送位置Paに基板Pを引き返す動作が開始される。
具体的には、まず、制御装置9は、実装位置Pbまたはその手前の位置からヘッドユニット4aとヘッドユニット4bとが干渉しない位置Pdまでの基板Pの移動に要する移動時間を取得する。そして、制御装置9は、取得された移動時間内に実装可能な実装部品点数を取得する。そして、制御装置9は、残り実装部品点数が、取得された移動時間内に実装可能な実装部品点数になるタイミングで、テープフィーダ31aから離間するY2方向への第1実装ステージ22による基板Pの移動を開始する制御を行う。これにより、実装位置Pbまたはその手前の位置から搬送位置Paまでの移動途中に、第1実装ステージ22における実装作業を確実に完了させることが可能になる。
次に、図4を参照して、テープフィーダ31aに近付くY1方向への基板Pの移動途中に、ヘッドユニット4aによる実装作業を行わせる例について説明する。図4では、実装位置Pbまで基板Pが到達する場合を例に説明する。
まず、図4(A1)に示すように、第1実装ステージ22において、図示しない基板固定機構により基板Pが固定される。本実施形態では、基板Pは、第1実装ステージ22において固定された状態で、移動される。そして、搬送位置Paからテープフィーダ31aに近付くY1方向に向かって、第1実装ステージ22による基板Pの移動が開始される。
そして、図4(A2)に示すように、ヘッドユニット4aとヘッドユニット4bとが干渉しない位置Pcまで、第1実装ステージ22により基板PがY1方向に移動される。この際、図4(A1)から図4(A2)に示す移動と並行して、基板P上からテープフィーダ31a上へのヘッドユニット4aの移動、ヘッドユニット4aの吸着ノズル41によるテープフィーダ31aから供給される部品Eの吸着、テープフィーダ31a上から基板P上へのヘッドユニット4aの移動、部品認識カメラ8aによる吸着ノズル41に吸着された部品Eの撮像などの実装準備が行われる。これにより、ヘッドユニット4aとヘッドユニット4bとが干渉しない位置Pcから、迅速に、ヘッドユニット4aによる基板Pへの部品Eの実装を開始させることが可能である。
そして、ヘッドユニット4aとヘッドユニット4bとが干渉しない位置Pcにおいて、第1実装ステージ22が停止して、基板PのY1方向への移動が停止される。そして、基板Pが停止された状態で、ヘッドユニット4aによる基板Pへの部品Eの実装が行われる。具体的には、基板Pが停止された状態で、基板認識カメラ42による基板Pに付された位置認識マークの撮像が行われるとともに、ヘッドユニット4aの吸着ノズル41に吸着された部品Eの基板Pへの実装が行われる。
そして、位置Pcにおけるヘッドユニット4aによる基板Pへの部品Eの実装後、図4(A3)に示すように、第1実装ステージ22の移動による基板PのY1方向への移動が再開される。この際、再開された基板PのY1方向への移動と並行して、上記した実装準備が行われる。
そして、図4(A4)に示すように、たとえば基板Pの上方にヘッドユニット4aが到達すると、第1実装ステージ22による基板PのY1方向への移動が再び停止される。そして、基板Pが停止された状態で、ヘッドユニット4aによる基板Pへの部品Eの実装が再び行われる。
そして、図4(A4)に示す位置におけるヘッドユニット4aによる基板Pへの部品Eの実装後、図4(A5)に示すように、第1実装ステージ22の移動が再開して、基板PのY1方向への移動が再開される。この際、再開された基板PのY1方向への移動と並行して、上記した実装準備が行われる。以後、基板Pが実装位置Pbに到達するまで、第1実装ステージ22による間欠的な基板Pの移動動作と、ヘッドユニット4aによる基板Pへの部品Eの実装作業とが継続される。
そして、図4(A6)に示すように、基板Pが実装位置Pbに到達すると、第1実装ステージ22による基板PのY1方向への移動が完了する。その後、実装位置Pbにおいて、ヘッドユニット4aによる実装作業が行われる。
次に、図5を参照して、テープフィーダ31aから離間するY2方向への基板Pの移動途中に、ヘッドユニット4aによる実装作業を行わせる例について説明する。図5では、実装位置Pbから基板Pが移動を開始する場合を例に説明する。
まず、図5(B1)に示すように、実装位置Pbからテープフィーダ31aから離間するY2方向に向かって、第1実装ステージ22による基板Pの移動が開始される。この際、残り部品実装点数に基づいて、第1実装ステージ22による基板Pの移動が開始される。
そして、図5(B2)に示すように、たとえば基板Pの上方にヘッドユニット4aが到達すると、第1実装ステージ22による基板PのY2方向への移動が停止される。この際、図5(B1)から図5(B2)に示す移動と並行して、上記した実装準備が行われる。そして、基板Pが停止された状態で、ヘッドユニット4aによる基板Pへの部品Eの実装が行われる。
そして、図5(B2)に示す位置におけるヘッドユニット4aによる基板Pへの部品Eの実装後、図5(B3)に示すように、第1実装ステージ22の移動による基板PのY2方向への移動が再開される。この際、再開された基板PのY2方向への移動と並行して、上記した実装準備が行われる。
そして、図5(B4)に示すように、たとえば基板Pの上方にヘッドユニット4aが到達すると、第1実装ステージ22による基板PのY2方向への移動が再び停止される。そして、基板Pが停止された状態で、ヘッドユニット4aによる基板Pへの部品Eの実装が再び行われる。
そして、図5(B4)に示す位置におけるヘッドユニット4aによる基板Pへの部品Eの実装後、図5(B5)に示すように、第1実装ステージ22の移動による基板PのY1方向への移動が再開される。この際、再開された基板PのY1方向への移動と並行して、上記した実装準備が行われる。以後、基板Pがヘッドユニット4aとヘッドユニット4bとが干渉しない位置Pdに到達するまで、第1実装ステージ22による間欠的な基板Pの移動動作と、ヘッドユニット4aによる基板Pへの部品Eの実装作業とが継続される。また、ヘッドユニット4aとヘッドユニット4bとが干渉しない位置Pdに到達するまでに、基板Pへの部品Eの実装作業が完了される。
なお、第2実装ステージ23では、ヘッドユニット4aによる第1実装ステージ22に保持された基板Pの実装作業と並行して、ヘッドユニット4bによる第2実装ステージ23に保持された基板Pの実装作業が行われている。
そして、図5(B6)に示すように、基板Pが搬送位置Paに到達すると、基板PのY2方向への移動が完了する。そして、第2実装ステージ23に保持された基板Pが装置外に搬出されるとともに、第1実装ステージ22に保持された基板Pが第2実装ステージ23に受け渡される。
次に、図6を参照して、実装作業における第1実装ステージ22の状態遷移を説明する。各部の動作は、制御装置9により制御される。なお、以下の説明において、(1)〜(14)の符号は、参照する図面の符号と対応する。
図6に示すように、まず、(1)第1実装ステージ22への基板Pの搬入(受け渡し)が完了されるとともに、第1実装ステージ22において基板Pが固定される。
そして、(2)第1実装ステージ22がY1方向に移動されることによって、搬送位置Paからテープフィーダ31aに近付くY1方向への基板Pの移動が開始される。そして、ヘッドユニット4aとヘッドユニット4bとの干渉範囲外まで、基板PがY1方向に移動される。この際、第1実装ステージ22による基板PのY1方向への移動と並行して、上記した実装準備が行われる。
そして、実装タイミング(たとえば、基板Pの上方にヘッドユニット4aが到達したタイミング)であるか否かが判断される。
そして、(3)実装タイミングであると判断される場合には、(4)第1実装ステージ22による基板PのY1方向への移動が停止される。そして、基板Pが停止された状態で、ヘッドユニット4aによる基板Pへの部品Eの実装が行われる。
そして、非実装タイミング(たとえば、ヘッドユニット4aによる基板Pへの部品Eの実装後のタイミング)であるか否かが判断される。(5)非実装タイミングであると判断される場合には、(2)テープフィーダ31aに近付くY1方向への基板Pの移動が再開される。この際、再開された基板PのY1方向への移動と並行して、上記した実装準備が行われる。以後、(2)〜(5)の動作が繰り返されることによって、第1実装ステージ22による間欠的な基板Pの移動動作と、ヘッドユニット4aによる基板Pへの部品Eの実装作業とが繰り返される。
また、基板Pの移動停止時には、引き返しタイミング(たとえば、残り実装部品点数が、引き返しの移動時間内に実装可能な実装部品点数になるタイミング)であるか否かが判断される。(6)引き返しタイミングであると判断される場合には、基板Pが実装位置Pbに到達する前であっても、搬送位置Paに基板Pを引き返す動作が開始される。そして、テープフィーダ31aから離間するY2方向への基板Pの移動途中に、後述する(8)〜(11)の動作が繰り返されることによって、第1実装ステージ22による間欠的な基板Pの移動動作と、ヘッドユニット4aによる基板Pへの部品Eの実装作業とが繰り返される。
また、基板Pが実装位置Pbに到達する前に引き返しタイミングにならない場合には、(7)基板Pが実装位置Pbまで移動されて(到達して)、(4)基板Pの移動が停止される。この場合、基板Pが停止された状態で、実装位置Pbにおいて、ヘッドユニット4aによる基板Pへの部品Eの実装作業が行われる。
そして、実装位置Pbにおいて、引き返しタイミングであるか否かが判断される。(6)引き返しタイミングであると判断される場合には、実装位置Pbから搬送位置Paに基板Pを引き返す動作が開始される。
つまり、(8)第1実装ステージ22がY2方向に移動されることによって、実装位置Pbからテープフィーダ31aから離間するY2方向への基板Pの移動が開始される。そして、実装タイミングであるか否かが判断される。
そして、(9)実装タイミングであると判断される場合には、(10)第1実装ステージ22による基板PのY2方向への移動が停止される。そして、基板Pが停止された状態で、ヘッドユニット4aによる基板Pへの部品Eの実装が行われる。
そして、非実装タイミングであるか否かが判断される。(11)非実装タイミングであると判断される場合には、(8)テープフィーダ31aから離間するY2方向への基板Pの移動が再開される。この際、再開された基板PのY2方向への移動と並行して、上記した実装準備が行われる。以後、(8)〜(11)の動作が繰り返されることによって、第1実装ステージ22による間欠的な基板Pの移動動作と、ヘッドユニット4aによる基板Pへの部品Eの実装作業とが繰り返される。
また、干渉境界(ヘッドユニット4aとヘッドユニット4bとが干渉しない位置Pd)において、基板Pへの部品Eの実装作業が未完了である場合には、(10)第1実装ステージ22による基板PのY2方向への移動が停止される。そして、干渉境界において、実装作業が完了するまで、ヘッドユニット4aによる基板Pへの部品Eの実装が行われる。
そして、(13)実装作業が完了されると、(8)テープフィーダ31aから離間するY2方向への基板Pの移動が再開される。その後、(14)搬送位置Paに基板Pが到達されるとともに、第1実装ステージ22において基板Pの固定が解除される。その後、第1実装ステージ22から、下流側の第2実装ステージ23に基板Pが受け渡される。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、テープフィーダ31aに近付くY方向の一方側(Y1側)への基板Pの移動途中、および、テープフィーダ31aから離間するY方向の他方側(Y2側)への基板Pの移動途中に、ヘッドユニット4aによる基板Pへの実装作業を行わせる制御装置9を設ける。これにより、Y方向への基板Pの全ての移動経路の移動が完了するまでヘッドユニット4aが待機している場合と異なり、第1実装ステージ22によるY方向への基板Pの移動途中において並行してヘッドユニット4aによる実装作業を行うことができるので、基板作業に要する時間を短縮することができる。
また、本実施形態では、上記のように、ヘッドユニット4aによる基板Pへの部品Eの実装時に、第1実装ステージ22によるY方向(Y1方向またはY2方向)への移動途中の基板Pの移動を停止させ、ヘッドユニット4aによる基板Pへの部品Eの実装後に、Y方向への基板Pの移動を再開するように、間欠的な基板Pの移動動作を第1実装ステージ22により行わせるように制御装置9を構成する。これにより、基板Pを移動させながら部品Eを実装する場合と異なり、基板Pを停止させた状態で部品Eを実装することができるので、ヘッドユニット4aの待機時間を短くしながら、基板Pに部品Eを精度良く実装することができる。
また、本実施形態では、上記のように、ヘッドユニット4aによるテープフィーダ31aからの部品Eの取得と並行して、第1実装ステージ22によるY方向(Y1方向またはY2方向)への基板Pの移動を行わせるように制御装置9を構成する。これにより、実装作業のうちのヘッドユニット4aによるテープフィーダ31aからの部品Eの取得と、第1実装ステージ22によるY方向への基板Pの移動とが並行して行われるので、その分、基板作業に要する時間を短縮することができる。
また、本実施形態では、上記のように、部品実装装置100に、第1実装ステージ22にX方向に隣接して配置される第2実装ステージ23と、第1実装ステージ22に対してY方向の他方側(Y2側)に配置されたテープフィーダ31bから供給される部品Eを、第2実装ステージ23により保持された基板Pに実装するヘッドユニット4bと、を設ける。これにより、ヘッドユニット4aだけでなく、ヘッドユニット4bによっても部品Eを基板Pに実装することができるので、基板作業に要する時間をより一層短縮することができる。また、本構成では、ヘッドユニット4aとヘッドユニット4bとは、互いに異なる部品供給部(テープフィーダ31aおよびテープフィーダ31b)から部品Eが供給されるとともに、互いに異なる基板搬送部(第1実装ステージ22および第2実装ステージ23)に保持された基板Pに実装を行うので、ヘッドユニット4aの動作領域とヘッドユニット4bの動作領域とが重なりにくい。その結果、ヘッドユニット4aとヘッドユニット4bとの2つのヘッドユニットを用いて基板Pに実装を行う場合にも、ヘッドユニット4aとヘッドユニット4bとが干渉することを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、テープフィーダ31aに近付くY方向の一方側への基板Pの移動途中に、ヘッドユニット4aによる基板Pへの実装作業を行わせる場合に、ヘッドユニット4aとヘッドユニット4bとが干渉しない位置から、ヘッドユニット4aによる基板Pへの部品Eの実装を開始するように制御装置9を構成する。これにより、ヘッドユニット4aとヘッドユニット4bとが干渉する位置からヘッドユニット4aによる基板Pへの部品Eの実装が開始される場合と異なり、ヘッドユニット4aとヘッドユニット4bとが干渉することを防止しつつ、基板作業に要する時間を短縮することができる。
また、本実施形態では、上記のように、テープフィーダ31aから離間するY方向の他方側への基板Pの移動途中に、ヘッドユニット4aによる基板Pへの実装作業を行わせる場合に、ヘッドユニット4aとヘッドユニット4bとが干渉しない位置まで、ヘッドユニット4aによる基板Pへの部品Eの実装を行わせるように制御装置9を構成する。これにより、ヘッドユニット4aとヘッドユニット4bとが干渉しない位置を越えて、ヘッドユニット4aによる基板Pへの部品Eの実装が行われる場合と異なり、ヘッドユニット4aとヘッドユニット4bとが干渉することを防止しつつ、基板作業に要する時間を短縮することができる。
また、本実施形態では、上記のように、テープフィーダ31aから離間するY方向の他方側への基板Pの移動途中に、ヘッドユニット4aによる基板Pへの実装作業を行わせる場合に、残り実装部品点数に基づいて、テープフィーダ31aから離間するY方向への第1実装ステージ22による基板Pの移動を開始する制御を行うように制御装置9を構成する。これにより、残り実装部品点数を考慮して、テープフィーダ31aから離間するY方向への第1実装ステージ22による基板Pの移動が開始されるので、テープフィーダ31aから離間するY方向への基板Pの移動が完了するまでに、確実に、ヘッドユニット4aによる基板Pへの実装作業を完了することができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、テープフィーダ(第1部品供給部)に近付くY1方向(第2方向)への基板の移動途中、および、テープフィーダから離間するY2方向(第2方向)への基板の移動途中の両方の移動途中に、ヘッドユニットによる実装作業を行わせる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1部品供給部に近付く第2方向への基板の移動途中、および、第1部品供給部から離間する第2方向への基板の移動途中の少なくともいずれか一方の移動途中に、第1ヘッドユニットによる実装作業を行わせればよい。
また、上記実施形態では、ヘッドユニット(第1ヘッドユニット)による基板への部品の実装時には、第1実装ステージ(第1基板搬送部)によるY方向(第2方向)への移動途中の基板の移動を停止させる制御を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1ヘッドユニットによる基板への部品の実装時に、第1基板搬送部による第2方向への移動途中の基板の移動を停止させなくてもよい。すなわち、第1基板搬送部によって第2方向へ基板を移動させながら、第1ヘッドユニットによる基板への部品の実装を行ってもよい。
また、上記実施形態では、第2実装ステージ(第2基板搬送部)が、搬入出方向の下流側(X2側)において、第1実装ステージ(第1基板搬送部)に隣接して配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2基板搬送部が、搬入出方向の上流側において、第1基板搬送部に隣接して配置されてもよい。
また、上記実施形態では、2つのヘッドユニットと、2つの実装ステージを用いて基板への部品の実装を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、3つ以上のヘッドユニットと、3つ以上の実装ステージを用いて基板への部品の実装を行ってもよい。
また、上記実施形態では、部品供給部として、テープフィーダを用いた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、部品供給部として、テープフィーダ以外を用いてもよい。たとえば、部品供給部として、大型部品が配置される部品供給トレイを用いてもよい。
上記実施形態では、説明の便宜上、制御装置の処理動作を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御装置の処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。