以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明では、搬送路5aにおける搬送方向をX方向とし、水平面内でX方向と直交する方向をY方向とし、水平面と直交する上下方向をZ方向とする。また、搬送方向の上流側をX1方向側とし、搬送方向の下流側をX2方向側とする。
[第1参考例]
(被実装物作業装置の構成)
図1〜図6を参照して、本発明の第1参考例による被実装物作業装置100の構成について説明する。
ここで、第1参考例では、図1に示すように、被実装物作業装置100は、平板形状を有する第1被実装物P1(図2参照)に対して、後述するヘッドユニット7により部品Eの実装作業が行われる第1被実装物作業領域1(二点鎖線により示す)と、第1被実装物P1に比べて立体的な形状を有する第2被実装物P2(図3参照)に対して、ヘッドユニット7により部品Eの実装作業が行われる第2被実装物作業領域2(二点鎖線により示す)とを備えている。つまり、被実装物作業装置100は、単純な形状を有する第1被実装物P1と複雑な形状を有する第2被実装物P2との両方に実装作業を行うことが可能な部品実装装置である。なお、被実装物作業装置100は、第1被実装物P1または第2被実装物P2上に配置されたはんだなどの接合部材上に、部品Eを実装する表面実装機である。また、部品Eは、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの電子部品である。
被実装物作業装置100では、第1被実装物作業領域1と、第2被実装物作業領域2とは、互いに異なる位置に配置されている。具体的には、第1被実装物作業領域1と、第2被実装物作業領域2とは、平面視で(Z方向から見て)、互いに重ならない位置に配置されている。
図2に示すように、第1被実装物P1は、たとえば、1つの被実装面P1aのみを有する片面被実装物である。また、たとえば、第1被実装物P1は、一の被実装面P1aと、一の被実装面P1aとは反対側に配置された被実装面P1aとの2つの被実装面P1aとを有する両面被実装物であってもよい。
第2被実装物P2は、どのような形状を有していてもよく、いくつの被実装面P2aを有していてもよい。図3では、第2被実装物P2の一例として、互いに交差する被実装面P2aを含む複数の被実装面P2aを有する第2被実装物P2を図示している。なお、図3に示す例に限られず、第2被実装物P2は、互いに交差する被実装面P2aを有していなくてもよい。
また、図3に示すように、被実装物作業装置100では、第2被実装物P2は、搬送用の載置部材90上に載置されている。第2被実装物P2は、載置部材90上に載置された状態で、搬送されるように構成されている。載置部材90は、第2被実装物P2が載置される被載置部90aと、被載置部90aの下部に設けられ、後述する第2被実装物保持部4に保持される被保持部90bとを有している。なお、図3では、矩形状の載置部材90を図示しているが、搬送可能であれば、載置部材90は、どのような形状を有していてもよい。
被実装物作業装置100は、第1被実装物保持部3と、第2被実装物保持部4と、搬送部5と、移載部6と、ヘッドユニット7と、ヘッド移動機構部8と、部品撮像部9と、マーク撮像部10と、制御部11とを備えている。なお、第1参考例では、第1被実装物作業領域1は、第1被実装物保持部3が配置されている領域であり、第2被実装物作業領域2は、第2被実装物保持部4が配置されている領域である。
第1被実装物保持部3は、第1被実装物作業領域1においてヘッドユニット7により第1被実装物P1に実装作業を行う際に、第1被実装物P1を保持するように構成されている。具体的には、図4に示すように、第1被実装物保持部3は、被実装物固定部31と、被実装物支持部32とを含んでいる。
被実装物固定部31は、第1被実装物作業領域1においてヘッドユニット7により第1被実装物P1に実装作業を行う際に、第1被実装物P1を固定するためのクランプ機構である。被実装物固定部31は、互いにY方向に離間した位置に配置される一対のクランプ部31aを有し、一対のクランプ部31aにより、第1被実装物P1のY方向の両端部を固定するように構成されている。また、被実装物固定部31の一対のクランプ部31aは、第1被実装物P1を固定しない退避位置と、第1被実装物P1を固定する固定位置との間で移動可能に構成されている。一対のクランプ部31aは、第1被実装物P1または第2被実装物P2が搬送される際には、退避位置に位置し、第1被実装物P1を固定する際には、固定位置に位置する。
被実装物支持部32は、第1被実装物作業領域1においてヘッドユニット7により第1被実装物P1に実装作業を行う際に、第1被実装物P1を下方(Z2方向)から支持するためのバックアップユニットである。被実装物支持部32は、複数のバックアップピン32aと、複数のバックアップピン32aが配置されるバックアップピン配置部32bとを有し、複数のバックアップピン32aにより、第1被実装物P1の下部を下方から支持するように構成されている。また、被実装物支持部32の複数のバックアップピン32aおよびバックアップピン配置部32bは、第1被実装物P1を支持しない退避位置と、第1被実装物P1を支持する支持位置との間で上下方向(Z方向)に沿って移動可能に構成されている。複数のバックアップピン32aおよびバックアップピン配置部32bは、第1被実装物P1または第2被実装物P2が搬送される際には、退避位置に位置し、第1被実装物P1を支持する際には、支持位置に位置する。
図1に示すように、第2被実装物保持部4は、第2被実装物作業領域2においてヘッドユニット7により第2被実装物P2に実装作業を行う際に、載置部材90を介して第2被実装物P2を保持するように構成されている。また、第2被実装物保持部4は、保持した第2被実装物P2を上下方向(Z方向)に沿って移動させるか、回転させるかまたは傾斜させるように構成されている。
具体的には、図5に示すように、第2被実装物保持部4は、昇降機構部41と、傾斜機構部42と、回転機構部43と、保持部44とを含んでいる。第2被実装物保持部4では、保持部44が回転機構部43に取り付けられており、回転機構部43が傾斜機構部42に取り付けられており、傾斜機構部42が昇降機構部41に取り付けられている。
昇降機構部41は、駆動モータ41aを有し、駆動モータ41aの駆動力により、保持部44により保持された第2被実装物P2を上下方向(Z方向)に沿って移動させるように構成されている。傾斜機構部42は、駆動モータ42aを有し、駆動モータ42aの駆動力により、水平方向に沿って延びる回転軸線A1周りに、保持部44により保持された第2被実装物P2を回転させるように構成されている。これにより、傾斜機構部42は、保持部44により保持された第2被実装物P2を傾斜させるように構成されている。回転機構部43は、駆動モータ43aを有し、駆動モータ43aの駆動力により、回転軸線A1に略直交する方向に延びる回転軸線A2周りに、保持部44により保持された第2被実装物P2を回転させるように構成されている。保持部44は、載置部材90を介して第2被実装物P2を保持するように構成されている。具体的には、保持部44は、複数の爪部44aを有し、複数の爪部44aにより、載置部材90の被保持部90bを保持して固定するように構成されている。
図1に示すように、搬送部5は、第1被実装物P1および第2被実装物P2を搬入、搬送および搬出するための単一の搬送路5aを構成している。第1参考例では、第1被実装物作業領域1(第1被実装物保持部3)は、搬送路5aに配置されている。また、第2被実装物作業領域2(第2被実装物保持部4)は、搬送路5aよりも外側に配置されている。
搬送部5は、互いにY方向に離間した位置に配置される一対のコンベア部51を有している。一対のコンベア部51は、それぞれ、コンベアベルトを有している。搬送部5は、一対のコンベア部51により、搬送対象物(第1被実装物P1または第2被実装物P2が載置された載置部材90)のY方向の両端部を下方から支持しながら、X方向に延びる搬送路5aに沿って、搬送対象物を搬送するように構成されている。
具体的には、搬送部5は、第1被実装物P1を搬入した場合には、搬入された第1被実装物P1を下流側(X2方向側)に搬送するとともに、実装停止位置B1で停止させる。実装停止位置B1は、ヘッドユニット7による実装作業を行うために第1被実装物P1を停止させる位置であって、第1被実装物作業領域1において第1被実装物保持部3が配置されている位置である。そして、搬送部5は、第1被実装物作業領域1におけるヘッドユニット7による実装作業後に、実装停止位置B1から第1被実装物P1をX2方向に搬送するとともに、搬出する。
また、搬送部5は、第2被実装物P2を搬入した場合には、搬入された第2被実装物P2を下流側(X2方向側)に搬送するとともに、移載停止位置B2で停止させる。移載停止位置B2は、移載部6による移載を行うために第2被実装物P2を停止させる位置であって、搬送路5aにおいて後述する移載部6の第1移載部分61が配置されている位置である。移載停止位置B2において停止された第2被実装物P2は、移載部6により、第2被実装物作業領域2に移載される。そして、第2被実装物P2は、第2被実装物作業領域2におけるヘッドユニット7による実装作業後に、移載部6により、移載停止位置B2に移載される(戻される)。そして、搬送部5は、移載停止位置B2から第1被実装物P1をX2方向に搬送するとともに、搬出する。
移載部6は、搬送部5とは別個に独立して設けられた装置であり、搬送部5から第2被実装物P2(載置部材90)を受け取り、第2被実装物作業領域2に移載するように構成されている。具体的には、移載部6は、搬送路5aにおいて移載停止位置B2に配置される第1移載部分61と、搬送路5aよりも外側に配置される第2移載部分62とを含んでいる。第1移載部分61は、搬送路5aにおいて、第1被実装物作業領域1(第1被実装物保持部3)とは異なる位置に配置されている。第1参考例では、第1移載部分61と、第2移載部分62と、第2被実装物作業領域2(第2被実装物保持部4)とは、Y2方向側からこの順にY方向に並んで配置されている。
図6に示すように、第1移載部分61は、搬送部5から第2被実装物P2(載置部材90)を受け取るように構成されている。具体的には、第1移載部分61は、搬送部5から第2被実装物P2(載置部材90)を受け取るために、上下方向(Z方向)に沿って移動可能に構成されている。より具体的には、第1移載部分61は、第2移載部分62に第2被実装物P2を受け渡す受け渡し位置(図8参照)と、搬送中の搬送対象物と接触しない退避位置との間で、上下方向(Z方向)に沿って移動可能に構成されている。第1移載部分61は、第1被実装物P1または第2被実装物P2が搬送される際には、退避位置に位置し、第1被実装物P1を受け渡す際には、受け渡し位置に位置する。また、第1移載部分61は、退避位置から受け渡し位置まで上方(Z1方向)に移動して、搬送部5の一対のコンベア部51により支持されている第2被実装物P2(載置部材90)を持ち上げることにより、搬送部5から第2被実装物P2(載置部材90)を受け取るように構成されている。
また、第1移載部分61は、受け取った第2被実装物P2(載置部材90)を第2移載部分62に受け渡すように構成されている。具体的には、第1移載部分61は、受け取った第2被実装物P2(載置部材90)を第2移載部分62に受け渡すために、第2被実装物P2(載置部材90)をY方向に沿って搬送するように構成されている。より具体的には、第1移載部分61は、互いにX方向に離間した位置に配置される一対のコンベア部61a(図1参照)を有している。一対のコンベア部61aは、それぞれ、コンベアローラを有している。なお、一対のコンベア部61aは、コンベアローラに限られず、コンベアベルトを有していてもよい。第1移載部分61は、一対のコンベア部61aにより、第2被実装物P2が載置された載置部材90のX方向の両端部を下方から支持しながら、Y方向に沿って第2被実装物P2(載置部材90)を搬送するように構成されている。これにより、受け渡し位置に配置された第1移載部分61は、搬送部5よりも上方(Z1方向)において、搬送部5を越えるように、第2移載部分62に第2被実装物P2(載置部材90)を受け渡すように構成されている。なお、第2移載部分62は、受け渡し位置に配置された第1移載部分61と略同じ高さ位置に配置されている。
第2移載部分62は、第1移載部分61から第2被実装物P2(載置部材90)を受け取り、第2被実装物作業領域2に第2被実装物P2(載置部材90)を移載するように構成されている。具体的には、第2移載部分62は、互いにX方向に離間した位置に配置される一対のコンベア部62a(図1参照)を有している。一対のコンベア部62aは、それぞれ、コンベアローラを有している。なお、一対のコンベア部62aは、コンベアローラに限られず、コンベアベルトを有していてもよい。第2移載部分62は、一対のコンベア部62aにより、第2被実装物P2が載置された載置部材90のX方向の両端部を下方から支持しながら、Y方向に沿って第2被実装物P2(載置部材90)を搬送するように構成されている。具体的には、第2移載部分62は、保持停止位置B3(図1参照)まで第2被実装物P2(載置部材90)を搬送するように構成されている。保持停止位置B3は、第2被実装物保持部4による保持を行うために第2被実装物P2(載置部材90)を停止させる位置であって、第2被実装物作業領域2において第2被実装物保持部4が配置されている位置である。これにより、第2移載部分62は、第2被実装物作業領域2に第2被実装物P2(載置部材90)を移載するように構成されている。
また、第2移載部分62の一対のコンベア部62aは、X方向に移動することにより、X方向における一対のコンベア部62aの間の幅を調整可能に構成されている。これにより、第2被実装物保持部4により保持された第2被実装物P2(載置部材90)が回転または傾斜される際に、回転または傾斜される第2被実装物P2(載置部材90)に接触しない位置まで、一対のコンベア部62aを退避させることが可能である。また、X方向における幅が異なる載置部材90を移載する場合には、X方向における載置部材90の幅に応じて、X方向における一対のコンベア部62aの間の幅を調整することが可能である。なお、X方向における幅が異なる載置部材90を移載する場合には、第2移載部分62の一対のコンベア部62aと同様に、第1移載部分61の一対のコンベア部61aを、X方向における一対のコンベア部61aの間の幅を調整可能に構成してもよい。
また、第2移載部分62は、第2被実装物作業領域2におけるヘッドユニット7による実装作業後に、第2被実装物保持部4から第2被実装物P2を受け取るとともに、第1移載部分61に第2被実装物P2を受け渡すように構成されている。そして、第1移載部分61は、第2移載部分62から受け取った第2被実装物P2を搬送部5に受け渡すように構成されている。
ヘッドユニット7は、部品Eを吸着することにより保持するとともに、保持された部品Eを第1被実装物P1または第2被実装物P2に実装する作業を行うように構成されている。被実装物作業装置100では、Y方向の両側(Y1側およびY2側)に、第1被実装物P1または第2被実装物P2に実装される部品Eを供給する複数のテープフィーダ100aが配置されている。ヘッドユニット7は、テープフィーダ100aから供給される部品Eを吸着して保持するように構成されている。具体的には、ヘッドユニット7は、複数(6つ)のヘッド(実装ヘッド)71を含んでいる。複数のヘッド71の各々は、真空発生装置(図示せず)に接続されており、真空発生装置から供給される負圧によって、先端に装着されたノズル(図示せず)に部品Eを吸着して保持することが可能なように構成されている。また、ヘッドユニット7は、第1被実装物P1または第2被実装物P2の実装位置において部品Eの保持(吸着)を解除することにより、第1被実装物P1または第2被実装物P2に部品Eを実装するように構成されている。
ヘッド移動機構部8は、搬送状態の第1被実装物P1または第2被実装物P2よりも上方において、ヘッドユニット7を水平面内(X−Y平面内)で移動させるように構成されている。具体的には、ヘッド移動機構部8は、X軸移動機構部81と、一対のY軸移動機構部82とを含んでいる。
X軸移動機構部81は、ヘッドユニット7が取り付けられており、ボールねじ軸機構により、ヘッドユニット7をX方向に移動させるように構成されている。一対のY軸移動機構部82は、X軸移動機構部81が取り付けられており、ボールねじ軸機構により、X軸移動機構部81およびヘッドユニット7をY方向に移動させるように構成されている。これにより、ヘッドユニット7は、テープフィーダ100aと、第1被実装物作業領域1に配置された第1被実装物P1との間で移動可能であるとともに、テープフィーダ100aと、第2被実装物作業領域2に配置された第2被実装物P2との間で移動可能に構成されている。
部品撮像部9は、部品Eの実装作業に先立ってヘッド71に吸着された部品Eを撮像する部品認識用のカメラである。部品撮像部9は、被実装物作業装置100の基台の上面上に固定されており、部品Eの下方(Z2方向)から、ヘッド71に吸着された部品Eを撮像するように構成されている。部品撮像部9による部品Eの撮像画像に基づいて、制御部11は、部品Eの吸着状態(回転姿勢およびヘッド71に対する吸着位置)を取得(認識)するように構成されている。
マーク撮像部10は、部品Eの実装作業に先立って被実装物(P1またはP2)に付された位置認識マーク(図示せず)を撮像するマーク認識用のカメラである。位置認識マークは、被実装物(P1またはP2)の位置を認識するためのマークである。マーク撮像部10による位置認識マークの撮像画像に基づいて、制御部11は、被実装物(P1またはP2)の正確な位置および姿勢を取得(認識)するように構成されている。また、マーク撮像部10は、ヘッドユニット7に取り付けられており、ヘッドユニット7とともに、搬送状態の第1被実装物P1または第2被実装物P2よりも上方において、水平面内(X−Y平面内)で移動可能に構成されている。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などを含み、被実装物作業装置100の動作を制御する制御回路である。制御部11は、第1被実装物保持部3と、第2被実装物保持部4と、搬送部5と、移載部6と、ヘッドユニット7と、ヘッド移動機構部8と、部品撮像部9と、マーク撮像部10とを生産プログラムに従って制御することにより、第1被実装物P1または第2被実装物P2への実装作業を行うように構成されている。
(実装処理)
次に、図7〜図14を参照して、被実装物作業装置100による実装処理をフローチャートに基づいて説明する。フローチャートの各処理は、制御部11により行われる。
図7に示すように、まず、ステップS1において、第2被実装物P2の実装作業であるか否かが判断される。第2被実装物P2の実装作業であると判断される場合には、ステップS2に進む。そして、ステップS2〜S9において、第2被実装物P2の搬入、実装および搬出が行われる。また、第2被実装物P2の実装作業ではない(第1被実装物P1の実装作業である)と判断される場合には、ステップS10に進む。そして、ステップS10〜12およびS9において、第2被実装物P2の搬入、実装および搬出が行われる。まず、ステップS2〜S9における第2被実装物P2の搬入、実装および搬出について説明する。
まず、ステップS2では、図8に示すように、搬送部5により、装置外から、載置部材90上に載置された第2被実装物P2が搬入されるとともに、移載停止位置B2まで搬送される。
次に、ステップS3では、図9に示すように、搬送部5から移載部6の第1移載部分61に第2被実装物P2(載置部材90)が受け渡される。ステップS3では、第1移載部分61が退避位置から受け渡し位置まで上方(Z1方向)に移動することにより、搬送部5から第1移載部分61に第2被実装物P2(載置部材90)が受け渡される。そして、ステップS3では、第1移載部分61により第2被実装物P2(載置部材90)をY方向に沿って搬送することにより、搬送部5を越えるように、第1移載部分61から第2移載部分62に第2被実装物P2(載置部材90)が受け渡される。
次に、ステップS4では、図10に示すように、移載部6の第2移載部分62により、第2被実装物P2(載置部材90)が保持停止位置B3まで搬送される。これにより、ステップS4では、第2被実装物P2(載置部材90)が第2被実装物作業領域2に移載される。
次に、ステップS5では、保持停止位置B3において、第2被実装物保持部4の保持部44により、第2被実装物P2(載置部材90の被保持部90b)が保持される。
次に、ステップS6では、図11に示すように、第2移載部分62の一対のコンベア部62aが、互いに離間するようにX方向に移動される。これにより、ステップS6では、第2移載部分62の一対のコンベア部62aが退避される。
次に、ステップS7では、ヘッドユニット7により、第2被実装物保持部4の保持部44により保持された第2被実装物P2の各被実装面P2aに部品Eが実装される。ステップS7では、第2被実装物P2の各被実装面P2aがヘッドユニット7により実装可能な姿勢および位置になるように、第2被実装物保持部4により、第2被実装物P2が上下方向に沿って移動されるか、回転されるかまたは傾斜される。たとえば、第2被実装物P2の各被実装面P2aが水平面と略平行になるように、第2被実装物P2が回転または傾斜される。また、たとえば、第2被実装物P2の各被実装面P2aがヘッドユニット7により実装可能な高さ位置になるように、第2被実装物P2が上下方向に沿って移動される。第2被実装物作業領域2における第2被実装物P2への実装動作が完了すると、第2被実装物保持部4により、第2被実装物P2(載置部材90)が、第2移載部分62により受け取り可能な所定の位置に配置される。そして、第2移載部分62の一対のコンベア部62aを互いに近接するようにX方向に移動させることにより、第2移載部分62の一対のコンベア部62aにより、所定の位置に配置された第2被実装物P2(載置部材90)が受け取られる。
次に、ステップS8では、図12に示すように、移載部6の第1移載部分61および第2移載部分62により、搬送部5に第2被実装物P2(載置部材90)が移載される。ステップS8では、まず、第2移載部分62により第2被実装物P2がY方向に沿って搬送されることにより、第2移載部分62から第1移載部分61に第2被実装物P2(載置部材90)が受け渡される。次に、第1移載部分61により第2被実装物P2がY方向に沿って搬送されるとともに、第1移載部分61が受け渡し位置から退避位置まで下方(Z2方向)に移動されることにより、第1移載部分61から搬送部5に第2被実装物P2(載置部材90)が受け渡される。これらの結果、第2被実装物作業領域2から搬送部5に第2被実装物P2(載置部材90)が移載される。移載された第2被実装物P2は、移載停止位置B2に配置されている。
次に、ステップS9では、搬送部5により、移載停止位置B2に配置された第2被実装物P2がX方向に沿って搬送されるとともに、搬出される。そして、第2被実装物P2の実装処理が終了される。
次に、ステップS10〜12およびS9における第1被実装物P1の搬入、実装および搬出について説明する。
まず、ステップS10では、図14に示すように、搬送部5により、装置外から、第1被実装物P1が搬入されるとともに、実装停止位置B1まで搬送される。
次に、ステップS11では、第1被実装物保持部3の被実装物固定部31および被実装物支持部32により、実装停止位置B1に配置された第1被実装物P1が保持される。ステップS11では、被実装物固定部31が退避位置から固定位置まで移動されることにより、被実装物固定部31の一対のクランプ部31aにより、第1被実装物P1のY方向の両端部が固定される。また、ステップS11では、被実装物支持部32が退避位置から支持位置まで上方に移動されることにより、被実装物支持部32の複数のバックアップピン32aにより、第1被実装物P1の下部が下方から支持される。
次に、ステップS12では、ヘッドユニット7により、第1被実装物保持部3の被実装物固定部31および被実装物支持部32により保持された第1被実装物P1の被実装面P1aに部品Eが実装される。ステップS12では、実装停止位置B1において第1被実装物P1が固定された状態で、水平面と略平行な状態にある第1被実装物P1の被実装面P1aに部品Eが実装される。
次に、ステップS9では、搬送部5により、実装停止位置B1に配置された第1被実装物P1がX方向に沿って搬送されるとともに、搬出される。そして、第1被実装物P1の実装処理が終了される。
(第1参考例の効果)
第1参考例では、以下のような効果を得ることができる。
第1参考例では、上記のように、第1被実装物作業領域1と、第2被実装物作業領域2とを設ける。これにより、被実装物作業装置100の第1被実装物作業領域1において、平板形状を有する(単純な形状を有する)第1被実装物P1に対する実装作業を行うことができるとともに、同じ被実装物作業装置100の第2被実装物作業領域2において、第1被実装物P1に比べて立体的な形状を有する(複雑な形状を有する)第2被実装物P2に対する実装作業を行うことができる。その結果、1つの被実装物作業装置100において、単純な形状を有する第1被実装物P1と複雑な形状を有する第2被実装物P2との両方に実装作業を行うことができる。また、同じヘッドユニット7を用いて、単純な形状を有する第1被実装物P1と複雑な形状を有する第2被実装物P2との両方に実装作業を行うことができるので、1つの被実装物作業装置100において、単純な形状を有する第1被実装物P1と複雑な形状を有する第2被実装物P2との両方に実装作業を行う場合にも、装置構成が複雑化することを抑制することができる。
また、第1参考例では、上記のように、被実装物作業装置100が、第1被実装物作業領域1においてヘッドユニット7により第1被実装物P1に実装作業を行う際に、第1被実装物P1を保持する第1被実装物保持部3と、第2被実装物作業領域2においてヘッドユニット7により第2被実装物P2に実装作業を行う際に、第2被実装物P2を保持するとともに、保持した第2被実装物P2を上下方向に沿って移動させるか、回転させるかまたは傾斜させる第2被実装物保持部4と、を備える。そして、第1被実装物作業領域1が、第1被実装物保持部3が配置されている領域であり、第2被実装物作業領域2が、第2被実装物保持部4が配置されている領域である。これにより、第1被実装物保持部3により第1被実装物P1を保持することにより、第1被実装物作業領域1において、第1被実装物P1に対する実装作業を安定して行うことができる。また、第2被実装物保持部4により第2被実装物P2を保持することにより、第2被実装物作業領域2において、第2被実装物P2に対する実装作業を安定して行うことができる。また、第2被実装物保持部4により、第2被実装物P2を上下方向に沿って移動させるか、回転させるかまたは傾斜させることにより、複雑な形状(立体的な形状)を有する第2被実装物P2であっても、実装作業を容易に行うことができる。
また、第1参考例では、上記のように、第1被実装物作業領域1と第2被実装物作業領域2とを、互いに異なる位置に配置する。これにより、第1被実装物作業領域1に配置されている第1被実装物保持部3と第2被実装物作業領域2に配置されている第2被実装物保持部4とを互いに異なる位置に配置することができる。その結果、第1被実装物保持部3と第2被実装物保持部4とが同じ位置に配置される場合に比べて、第1被実装物保持部3を配置する空間および第2被実装物保持部4を配置する空間を容易に確保することができる。
また、第1参考例では、上記のように、被実装物作業装置100が、第1被実装物P1および第2被実装物P2を搬入、搬送および搬出するための搬送路5aを構成する搬送部5を備える。そして、第1被実装物作業領域1を、搬送路5aに配置する。これにより、第1被実装物作業領域1が搬送路5aよりも外側に配置されている場合と異なり、搬送部5により搬送路5aに沿って第1被実装物P1を搬送するだけで、第1被実装物P1を第1被実装物作業領域1に配置することができる。その結果、第1被実装物P1が装置内に搬入されてから第1被実装物作業領域1に配置されるまでに要する時間を短縮することができる。この効果は、第1被実装物P1の生産量が第2被実装物P2の生産量に比べて多い場合に、特に有効である。
また、第1参考例では、上記のように、第2被実装物作業領域2を、搬送路5aよりも外側に配置する。これにより、第1被実装物保持部3が配置されている搬送路5aよりも外側に第2被実装物保持部4を配置することができるので、搬送路5aよりも外側において第2被実装物保持部4を配置する空間を容易に確保することができる。また、第2被実装物保持部4を搬送路5aに配置しない分だけ、搬送路5aにおける配置空間を大きくすることができるので、搬送路5aにおいて第1被実装物保持部3を配置する空間を容易に確保することができる。
また、第1参考例では、上記のように、被実装物作業装置100が、搬送部5から第2被実装物P2を受け取り、第2被実装物作業領域2に移載する移載部6を備える。これにより、第2被実装物作業領域2が搬送路5aよりも外側に配置されている場合にも、搬送部5により装置内に搬入された第2被実装物P2を、移載部6により第2被実装物作業領域2に容易に移動させることができる。
また、第1参考例では、上記のように、移載部6が、搬送路5aに配置されるとともに、上下方向に移動可能に構成され、搬送部5から第2被実装物P2を受け取る第1移載部分61と、搬送路5aよりも外側に配置されるとともに、第1移載部分61から第2被実装物P2を受け取り、第2被実装物作業領域2に第2被実装物P2を移載する第2移載部分62と、を含む。そして、第1移載部分61と第2移載部分62と第2被実装物作業領域2とを、搬送路5aにおける搬送方向と直交する方向に並んで配置する。これにより、第1移載部分61と第2移載部分62とにより、搬送部5を回避するように、搬送部5から第2被実装物作業領域2まで第2被実装物P2を移載することができる。また、第1移載部分61と第2移載部分62と第2被実装物作業領域2とを、搬送路5aにおける搬送方向と直交する方向に並んで配置することにより、搬送部5から第2被実装物作業領域2までの距離を短くすることができるので、搬送部5から第2被実装物作業領域2まで第2被実装物P2を移載することに要する時間を短縮することができる。
また、第1参考例では、上記のように、第1移載部分61を、搬送路5aにおいて、第1被実装物作業領域1と異なる位置に配置する。これにより、配置空間が小さい搬送路5aであっても、搬送路5aにおいて、第1被実装物保持部3および移載部6の第1移載部分61を配置する空間を容易に確保することができる。
また、第1参考例では、上記のように、ヘッドユニット7による第2被実装物P2への実装作業後に、第2移載部分62により第2被実装物P2を受け取るとともに、第2移載部分62により第1移載部分61に第2被実装物P2を受け渡し、第1移載部分61により搬送部5に第2被実装物P2を受け渡すように被実装物作業装置100を構成する。これにより、移載部6の第1移載部分61および第2移載部分62により、第2被実装物作業領域2から搬送部5に第2被実装物P2を容易に移載することができる。
[第2参考例]
次に、図15および図16を参照して、第2参考例について説明する。この第2参考例では、上記第1参考例と異なり、搬送路において、第1被実装物作業領域に移載部の第1移載部分が配置されている例について説明する。なお、上記第1参考例と同一の構成については、図中において同じ符号を付して図示し、その説明を省略する。
(被実装物作業装置の構成)
本発明の第2参考例による被実装物作業装置200は、図15に示すように、第1被実装物保持部103を備える点で、上記第1参考例の被実装物作業装置100と相違する。
第2参考例では、第1被実装物保持部103は、搬送路5aにおいて、移載部6の第1移載部分61と略同じ位置に配置されている。具体的には、第1被実装物保持部103は、X方向に互いに離間して配置される第1移載部分61の一対のコンベア部61aの間に形成された空間に配置されている。この結果、第2参考例では、第1移載部分61が、搬送路5aにおいて、第1被実装物作業領域101に配置されているとともに、第1被実装物作業領域101(第1被実装物保持部103)と第2被実装物作業領域2(第2被実装物保持部4)とが、Y方向に並んで配置されている。また、第2参考例では、移載停止位置B2と実装停止位置B4とは、略同じ位置である。
また、第2参考例では、図16に示すように、第1被実装物保持部103は、被実装物固定部131を含んでいる。被実装物固定部131は、第1被実装物作業領域101においてヘッドユニット7により第1被実装物P1に実装作業を行う際に、第1被実装物P1を固定するためのクランプ機構である。被実装物固定部131は、互いにY方向に離間した位置に配置される一対のクランプ部131aを有し、一対のクランプ部131aにより、第1被実装物P1のY方向の両端部を固定するように構成されている。
また、被実装物固定部131の一対のクランプ部131aは、第1被実装物P1を固定しないとともに、第1移載部分61に第2被実装物P2を受け渡す際に、第1移載部分61により移動される第2被実装物P2(載置部材90)に接触しない退避位置と、第1被実装物P1を固定する固定位置との間で移動可能に構成されている。具体的には、一対のクランプ部131aは、X方向に沿って延びる回転軸線A3周りに回動することにより、退避位置と固定位置との間で移動可能に構成されている。また、一対のクランプ部131aは、固定位置から退避位置に回動することにより、Y方向における一対のクランプ部131aの間の幅が大きくなるように構成されている。一対のクランプ部131aは、第1被実装物P1または第2被実装物P2が搬送される際および第2被実装物P2が移載部6の第1移載部分61により移動される際には、退避位置に位置し、第1被実装物P1を固定する際には、固定位置に位置する。
したがって、被実装物作業装置200では、第1移載部分61は、被実装物固定部131を退避位置に退避させた状態で、搬送部5から移載部6の第1移載部分61により第2被実装物P2を受け取るとともに、受け渡し位置まで上方(Z1方向)に移動するように構成されている。また、第2参考例では、受け渡し位置に配置された第1移載部分61は、搬送部5および退避位置に配置された一対のクランプ部131aよりも上方(Z1方向)において、搬送部5および退避位置に配置された一対のクランプ部131aを越えるように、第2被実装物P2(載置部材90)を、第2移載部分62に受け渡すように構成されている。
なお、第2参考例のその他の構成は、上記第1参考例と同様である。
(第2参考例の効果)
第2参考例では、以下のような効果を得ることができる。
第2参考例では、上記のように、第1移載部分61を、搬送路5aにおいて、第1被実装物作業領域101に配置する。これにより、移載部の第1移載部分61と第1被実装物作業領域101とが搬送路5aにおいて異なる位置に配置されている場合に比べて、搬送路5aを短くすることができるので、その分、被実装物作業装置200を小型化することができる。
また、第2参考例では、上記のように、第1被実装物保持部103が、第1被実装物作業領域101においてヘッドユニット7により第1被実装物P1に実装作業を行う際に、第1被実装物P1を固定するための被実装物固定部131を含んでいる。そして、被実装物固定部131を退避させた状態で、搬送部5から移載部6の第1移載部分61により第2被実装物P2を受け取るように被実装物作業装置200を構成する。これにより、移載部の第1移載部分61が搬送部5から第2被実装物P2を受け取る際に、第1被実装物保持部103の被実装物固定部131が、移載動作を阻害することを防止することができる。
なお、第2参考例のその他の効果は、上記第1参考例と同様である。
[一実施形態]
次に、図17を参照して、一実施形態について説明する。この一実施形態では、上記第1および第2参考例と異なり、第1被実装物作業領域および第2被実装物作業領域の両方が搬送路に配置されている例について説明する。なお、上記第1参考例と同一の構成については、図中において同じ符号を付して図示し、その説明を省略する。
(被実装物作業装置の構成)
本発明の一実施形態による被実装物作業装置300は、図17に示すように、第2被実装物保持部4が搬送路5aに配置されており、移載部6が設けられていない点で、上記第1参考例の被実装物作業装置100と相違する。この結果、一実施形態では、第2被実装物作業領域202は、搬送路5aに配置されているとともに、第1被実装物作業領域1(第1被実装物保持部3)と第2被実装物作業領域202(第2被実装物保持部4)とが、X方向に並んで配置されている。また、一実施形態では、保持停止位置B5は、搬送路5aに配置されている。
なお、一実施形態のその他の構成は、上記第1参考例と同様である。
(一実施形態の効果)
一実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
一実施形態では、上記のように、第2被実装物作業領域202を、搬送路5aに配置する。これにより、第2被実装物作業領域202が搬送路5aよりも外側に配置されている場合と異なり、搬送路5aから搬送路5aよりも外側に配置された第2被実装物作業領域202まで第2被実装物P2を移載する装置を設ける必要が無い。その結果、被実装物作業装置300の構成を簡素化することができる。また、搬送路5aから搬送路5aよりも外側に配置された第2被実装物作業領域まで第2被実装物P2を移載する必要が無い分、第2被実装物作業領域が搬送路5aよりも外側に配置されている場合に比べて、第2被実装物P2が装置内に搬入されてから第2被実装物作業領域202に配置されるまでに要する時間を短縮することができる。
なお、一実施形態のその他の効果は、上記第1参考例と同様である。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1および第2参考例並びに一実施形態では、ヘッドユニットが、はんだなどの接合部材上に部品を実装する実装ヘッドを含んでいる例を示したが、本発明はこれに限られない。
たとえば、ヘッドユニットが、被実装物を検査するためのプローブヘッドを含んでいてもよい。この場合、第1被実装物作業領域は、単純な形状を有する第1被実装物に対して、ヘッドユニットにより検査作業が行われる領域であり、第2被実装物作業領域は、複雑な形状を有する第2被実装物に対して、ヘッドユニットにより検査作業が行われる領域である。これにより、1つの被実装物作業装置において、プローブヘッドにより、単純な形状を有する第1被実装物と複雑な形状を有する第2被実装物との両方を検査することが可能である。
また、ヘッドユニットが、被実装物に形成されたスルーホールに挿入されるリード部品を被実装物に挿入するための挿入ヘッドを含んでいてもよい。この場合、第1被実装物作業領域は、単純な形状を有する第1被実装物に対して、ヘッドユニットにより挿入作業が行われる領域であり、第2被実装物作業領域は、複雑な形状を有する第2被実装物に対して、ヘッドユニットにより挿入作業が行われる領域である。これにより、1つの被実装物作業装置において、挿入ヘッドにより、単純な形状を有する第1被実装物と複雑な形状を有する第2被実装物との両方にリード部品を挿入することが可能である。また、リード部品を挿入する場合には、スルーホールに挿入されたリード部品のリードを折り曲げるクリンチ作業、スルーホールに挿入されたリード部品のリードを切断するカット作業、または、リード部品のリードに塗布されたはんだなどの接合部材を加熱するスポットリフロー作業がさらに行われてもよい。
また、ヘッドユニットが、被実装物にはんだなどの接合部材の塗布するための塗布ヘッドを含んでいてもよい。この場合、第1被実装物作業領域は、単純な形状を有する第1被実装物に対して、ヘッドユニットにより塗布作業が行われる領域であり、第2被実装物作業領域は、複雑な形状を有する第2被実装物に対して、ヘッドユニットにより塗布作業が行われる領域である。これにより、1つの被実装物作業装置において、塗布ヘッドにより、単純な形状を有する第1被実装物と複雑な形状を有する第2被実装物との両方に接合部材を塗布することが可能である。
また、ヘッドユニットが、実装ヘッド、プローブヘッド、挿入ヘッドおよび塗布ヘッドのうちの少なくとも2種類のヘッドを含んでいてもよい。たとえば、ヘッドユニットが実装ヘッドと塗布ヘッドとを含んでいてもよい。この場合、1つの被実装物作業装置において、塗布ヘッドにより塗布した接合部材上に、実装ヘッドにより部品を実装することが可能である。
また、上記第1および第2参考例並びに一実施形態では、第1被実装物作業領域(第1被実装物保持部)と第2被実装物作業領域(第2被実装物保持部)とが、互いに異なる位置に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1被実装物作業領域(第1被実装物保持部)と第2被実装物作業領域(第2被実装物保持部)とが、略同じ位置に配置されていてもよい。
また、上記第1および第2参考例並びに一実施形態では、第2被実装物が載置部材に載置された状態で、搬送される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、載置部材に載置されることなく第2被実装物自体が直接的に搬送されてもよい。
また、上記第1および第2参考例では、第1被実装物作業領域(第1被実装物保持部)が搬送路に配置されるとともに、第2被実装物作業領域(第2被実装物保持部)が搬送路よりも外側に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第2被実装物作業領域(第2被実装物保持部)が搬送路に配置されるとともに、第1被実装物作業領域(第1被実装物保持部)が搬送路よりも外側に配置されていてもよい。
また、上記第1および第2参考例では、移載部が、2つの移載機構(第1移載部分および第2移載部分)により、搬送部から第2被実装物作業領域まで第2被実装物(載置部材)を移載する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、移載部が、1つまたは3つ以上の移載機構により、搬送部から第2被実装物作業領域まで第2被実装物を移載してもよい。
また、上記第1および第2参考例では、移載部の第1移載部分が、搬送部よりも上方において、搬送部を越えるように、第2被実装物(載置部材)を、第2移載部分に受け渡す例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、移載部の第1移載部分が、搬送部から第2被実装物(載置部材)を受け取った後、搬送部よりも下方において、搬送部をくぐるように、第2被実装物(載置部材)を、第2移載部分に受け渡してもよい。
また、上記第1および第2参考例では、移載部の第2移載部分の一対のコンベア部が、第2被実装物保持部により保持された第2被実装物(載置部材)が回転または傾斜される際に、回転または傾斜される第2被実装物(載置部材)に接触しない位置まで、一対のコンベア部を退避させる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、移載部の第2移載部分の一対のコンベア部が、第2被実装物保持部により保持された第2被実装物(載置部材)が回転または傾斜される際に、回転または傾斜される第2被実装物(載置部材)に接触しなければ、一対のコンベア部を退避させなくてもよい。
また、上記一実施形態では、被実装物固定部の一対のクランプ部が、固定位置から退避位置に回動することにより、Y方向における一対のクランプ部の間の幅が大きくなるように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、被実装物固定部の一対のクランプ部が、固定位置から退避位置にスライド移動することにより、Y方向における一対のクランプ部の間の幅が大きくなるように構成されていてもよい。