以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[一実施形態]
(被実装物作業装置の構成)
図1〜図6を参照して、本発明の一実施形態による被実装物作業装置100の構成について説明する。
被実装物作業装置100は、図1〜図3に示すように、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの部品E(電子部品)を、プリント基板などの被実装物Pに実装する部品実装装置である。
被実装物Pは、図4(A)〜(C)に示すように、1つの水平被作業面(水平被実装面)P1と、水平被作業面P1に対して傾斜した複数(4つ)の傾斜被作業面(傾斜被実装面)P2を有する基板である。複数の傾斜被作業面P2は、水平被作業面P1のY方向の両側に設けられた一対の傾斜被作業面P2aおよびP2bと、水平被作業面P1のX方向の両側に設けられた一対の傾斜被作業面P2cおよびP2dとにより構成されている。傾斜被作業面P2a、P2b、P2cおよびP2dは、それぞれ、水平被作業面P1に向けて下がるように傾斜が形成されている。すなわち、被実装物Pは、周囲を取り囲む傾斜被作業面P2a、P2b、P2cおよびP2dに対して、水平被作業面P1が下方に凹むような形状を有する基板である。
1つの水平被作業面P1および複数の傾斜被作業面P2には、それぞれ、後述する基板認識カメラ7により撮像される位置認識マーク(フィデューシャルマーク)FMが付されている。また、1つの水平被作業面P1および複数の傾斜被作業面P2は、共に、後述するヘッドユニット4により部品Eが実装される平坦面である。また、水平被作業面P1は、後述する被実装物搬送部2による搬送方向への搬送状態で、水平面(XY平面)と平行となる被実装物Pの被作業面である。
図1〜図3に示すように、被実装物作業装置100は、水平被作業面P1および傾斜被作業面P2を有する被実装物Pを搬送して実装する装置である。
被実装物作業装置100は、基台1と、被実装物搬送部2と、被実装物保持部3と、ヘッドユニット4と、支持部5と、一対のレール部6と、部品認識カメラ7と、基板認識カメラ8と、高さ計測部9と、制御装置10(図6参照)とを備えている。なお、ヘッドユニット4は、請求の範囲の「作業部」の一例である。また、制御装置10は、請求の範囲の「制御部」の一例である。
基台1のY2側の端部には、複数のテープフィーダ11を配置するためのフィーダ配置部12が設けられている。また、基台1のY1側の端部には、フィーダ配置部12が設けられておらず、テープフィーダ11が配置されていない。
テープフィーダ11は、複数の部品Eを所定の間隔を隔てて保持したテープが巻き回されたリール11a(図3参照)を保持している。テープフィーダ11は、リール11aを回転させて部品Eを保持するテープを送出することにより、先端から部品Eを供給するように構成されている。
各テープフィーダ11は、フィーダ配置部12に設けられた図示しないコネクタを介して制御装置10に電気的に接続された状態で、フィーダ配置部12に配置されている。これにより、各テープフィーダ11は、制御装置10からの制御信号に基づいて、リール11aからテープを送出するとともに、部品Eを供給するように構成されている。この際、各テープフィーダ11は、ヘッドユニット4の実装作業に応じて、部品Eを供給するように構成されている。
被実装物搬送部2は、被実装物Pを搬入し、搬送方向(X方向)に搬送し、搬出するように構成されている。被実装物作業装置100では、被実装物搬送部2により、単一の搬送路が形成されている。
ここで、図1〜図3に示すように、被実装物Pは、被実装物保持部材90に保持された状態で、被実装物搬送部2により搬送される。被実装物保持部材90は、板形状を有する被実装物Pの搬送用の部材である。板形状を有する被実装物保持部材90は、上面(Z1側の面)に微粘着性の接着層が形成されている。被実装物保持部材90は、被実装物Pが接着層に接着されることにより、上面上に着脱可能に被実装物Pを保持して固定するように構成されている。また、被実装物保持部材90の下面(Z2側の面)には、被実装物保持部3が保持するための単一の被保持部90aが設けられている。被保持部90aは、被実装物保持部材90の下面から下方(Z2方向)に向けて突出するように形成されている。被実装物Pは、被実装物保持部材90を介して被実装物保持部3により保持される。
被実装物搬送部2は、上流側搬送部21と、中央搬送部22と、下流側搬送部23とを含んでいる。
上流側搬送部21は、搬送方向(X方向)の上流側(X1側)に設けられた搬送部である。上流側搬送部21は、図示しない搬送路から実装前の被実装物Pを搬入するとともに、搬入された被実装物Pを中央搬送部22まで搬送するように構成されている。上流側搬送部21は、一対のコンベア部211を有している。一対のコンベア部211は、共に、搬送方向(X方向)に延びるように形成されている。また、一対のコンベア部211は、所定の間隔を隔てて、搬送方向と直交する方向(Y方向)に互いに対向するように配置されている。また、一対のコンベア部211は、搬送方向と直交する方向(Y方向)の間隔を調整可能に構成されている。具体的には、Y1側のコンベア部211が搬送方向と直交する方向に移動可能に構成されており、Y2側のコンベア部211が固定されている。これにより、被実装物Pの大きさに応じて、一対のコンベア部211の間の幅(Y方向の幅)を調整することが可能である。
また、一対のコンベア部211は、共に、コンベアガイド211aと、コンベアベルト211bとを含んでいる。上流側搬送部21は、一対のコンベアベルト211bにより被実装物保持部材90のY方向の両端部を下方から支持することにより、Y方向の両側から被実装物Pを支持するように構成されている。そして、上流側搬送部21は、一対のコンベアベルト211bによりY方向の両側から被実装物Pを支持した状態で、コンベアベルト211bが図示しない駆動モータにより駆動(回転)されることにより、被実装物Pを搬送方向(X方向)に搬送するように構成されている。
中央搬送部22は、上流側搬送部21と下流側搬送部23との間に設けられた搬送部である。中央搬送部22は、実装前の被実装物Pを上流側搬送部21から受け取り、受け取った被実装物Pを下流側搬送部23まで搬送するように構成されている。中央搬送部22は、一対のコンベア部221を有している。一対のコンベア部221は、共に、搬送方向(X方向)に延びるように形成されている。また、一対のコンベア部221は、所定の間隔を隔てて、搬送方向と直交する方向(Y方向)に互いに対向するように配置されている。
また、一対のコンベア部221は、共に、コンベアガイド221aと、コンベアベルト221bとを含んでいる。中央搬送部22は、一対のコンベアベルト221bにより被実装物保持部材90のY方向の両端部を下方から支持することにより、Y方向の両側から被実装物Pを支持するように構成されている。そして、中央搬送部22は、一対のコンベアベルト221bによりY方向の両側から被実装物Pを支持した状態で、コンベアベルト221bが図示しない駆動モータにより駆動(回転)されることにより、被実装物Pを搬送方向に搬送するように構成されている。
ここで、本実施形態では、一対のコンベア部221は、搬送方向と直交する方向(Y方向)に互いに独立して移動可能に構成されている。被実装物作業装置100では、一対のコンベア部221が搬送方向と直交する方向に移動されることにより、被実装物搬送部2から被実装物保持部3に被実装物Pを受け渡す動作が行われる。また、被実装物作業装置100では、一対のコンベア部221が搬送方向と直交する方向に移動されることにより、被実装物搬送部2により被実装物保持部3から被実装物Pを受け取る動作が行われる。この受け渡す動作および受け取る動作の詳細については、後述する。
Y1側のコンベア部221には、Y1側のコンベア部221を搬送方向と直交する方向(Y方向)に移動させるための駆動機構部224が設けられている。駆動機構部224は、搬送方向と直交する方向に延びるボールネジ軸224aと、ボールネジ軸224aを回転させる駆動モータ224bとを含んでいる。また、Y1側のコンベア部221には、ボールネジ軸224aが係合(螺合)される図示しないボールナットが設けられている。Y1側のコンベア部221は、駆動モータ224bによりボールネジ軸224aが回転されることにより、ボールネジ軸224aと係合(螺合)するボールナットとともに、ボールネジ軸224aに沿って搬送方向と直交する方向に移動可能に構成されている。
Y2側のコンベア部221には、Y2側のコンベア部221を搬送方向と直交する方向(Y方向)に移動させるための駆動機構部225が設けられている。駆動機構部225は、搬送方向と直交する方向に延びるボールネジ軸225aと、ボールネジ軸225aを回転させる駆動モータ225bとを含んでいる。また、Y2側のコンベア部221には、ボールネジ軸225aが係合(螺合)される図示しないボールナットが設けられている。Y2側のコンベア部221は、駆動モータ225bによりボールネジ軸225aが回転されることにより、ボールネジ軸225aと係合(螺合)するボールナットとともに、ボールネジ軸225aに沿って搬送方向と直交する方向に移動可能に構成されている。
また、一対のコンベア部221には、クランプ機構部226(図2および図3参照)が設けられている。クランプ機構部226は、中央搬送部22の一対のコンベア部221において、被実装物Pを保持して固定するように構成されている。クランプ機構部226は、一対のコンベアガイド221aとの間に被実装物保持部材90のY方向の両端部を挟み込むこと(図8および図14参照)により、一対のコンベア部221において被実装物Pを保持して固定するように構成されている。なお、図2および図3では、被実装物保持部材90のY方向の両端部を挟み込む前の状態のクランプ機構部226を示している。クランプ機構部226による被実装物Pの固定は、水平被作業面P1への実装時に行われる。
下流側搬送部23は、搬送方向(X方向)の下流側(X2側)に設けられた搬送部である。下流側搬送部23は、実装後の被実装物Pを中央搬送部22から受け取り、図示しない搬送路に実装後の被実装物Pを搬出するように構成されている。下流側搬送部23は、一対のコンベア部231を有している。一対のコンベア部231は、共に、搬送方向(X方向)に延びるように形成されている。また、一対のコンベア部231は、所定の間隔を隔てて、搬送方向と直交する方向(Y方向)に互いに対向するように配置されている。また、一対のコンベア部231は、搬送方向と直交する方向(Y方向)の間隔を調整可能に構成されている。具体的には、Y1側のコンベア部231が搬送方向と直交する方向に移動可能に構成されており、Y2側のコンベア部231が固定されている。これにより、被実装物Pの大きさに応じて、一対のコンベア部231の間の幅(Y方向の幅)を調整することが可能である。
また、一対のコンベア部231は、共に、コンベアガイド231aと、コンベアベルト231bとを含んでいる。下流側搬送部23は、一対のコンベアベルト231bにより被実装物保持部材90のY方向の両端部を下方から支持することにより、Y方向の両側から被実装物Pを支持するように構成されている。そして、下流側搬送部23は、一対のコンベアベルト231bによりY方向の両側から被実装物Pを支持した状態で、コンベアベルト231bが図示しない駆動モータにより駆動(回転)されることにより、被実装物Pを搬送方向に搬送するように構成されている。
被実装物保持部3は、受け渡し位置M(図9参照)において被実装物搬送部2から被実装物Pを受け渡され、被実装物Pを保持するように構成されている。具体的には、被実装物保持部3は、被実装物保持部材90を介して被実装物Pを保持するように構成されている。
また、被実装物保持部3は、保持された被実装物Pを上下方向(Z方向)に移動させるように構成されている。また、被実装物保持部3は、保持された被実装物Pを傾斜させるように構成されている。また、被実装物保持部3は、保持された被実装物Pを回転させるように構成されている。被実装物保持部3は、被実装物Pを上下方向に移動させ、傾斜させ、または回転させることにより、被実装物Pの姿勢を調整可能に構成されている。これにより、たとえば、被実装物Pの傾斜被作業面P2(図4参照)が水平面(XY平面)と平行になるように、被実装物Pの姿勢を調整することが可能である。また、たとえば、被実装物Pの水平被作業面P1(図4参照)が水平面(XY平面)と平行になるように、被実装物Pの姿勢を調整することが可能である。
図5に示すように、被実装物保持部3は、第1軸機構部31、第2軸機構部32および第3軸機構部33の3つの軸機構部と、保持部34と、固定部35とを含んでいる。なお、図1〜図3および図8〜図14では、図5に示す被実装物保持部3を簡略化して図示している。
第1軸機構部31は、保持部34により保持された被実装物Pを上下方向に移動させるための上下軸機構部である。第1軸機構部31は、駆動モータ311と、ベルトプーリ機構部312と、ボールネジ軸313と、取付部314とを有している。
駆動モータ311は、ボールネジ軸313を回転させるための駆動力を発生するように構成されている。ベルトプーリ機構部312は、駆動モータ311により発生された駆動力(回転力)を、ボールネジ軸313に伝達するように構成されている。ボールネジ軸313は、ベルトプーリ機構部312を介して伝達された駆動モータ311の駆動力により、上下方向回りに回転するように構成されている。
取付部314は、第1軸機構部31に、第2軸機構部32、第3軸機構部33および保持部34を取り付けるための部材である。具体的には、取付部314のY1側には、第2軸機構部32が取り付けられている。また、第2軸機構部32のX2側には、第3軸機構部33および保持部34が取り付けられている。すなわち、取付部314に第2軸機構部32が取り付けられているとともに、第2軸機構部32を介して取付部314に第3軸機構部33および保持部34が取り付けられている。また、取付部314には、ボールネジ軸313と係合(螺合)されるボールナット314aが設けられている。
取付部314は、駆動モータ311によりボールネジ軸313が回転されることにより、ボールネジ軸313と係合(螺合)するボールナット314aとともに、ボールネジ軸313に沿って上下方向に移動可能に構成されている。これにより、第1軸機構部31は、取付部314とともに、第2軸機構部32、第3軸機構部33、保持部34および保持部34に保持された被実装物Pを上下方向(Z方向)に移動させるように構成されている。なお、図5では、取付部314が下端に配置された状態を示している。
第2軸機構部32は、保持部34により保持された被実装物Pを傾斜させるためのチルト軸機構部である。第2軸機構部32は、駆動モータ321と、ベルトプーリ機構部322と、回転軸部323とを有している。
駆動モータ321は、回転軸部323を回転させるための駆動力を発生するように構成されている。また、駆動モータ321は、正回転(時計回りの回転)および逆回転(反時計回りの回転)が可能に構成されている。ベルトプーリ機構部322は、駆動モータ321により発生された駆動力(回転力)を、回転軸部323に伝達するように構成されている。回転軸部323は、ベルトプーリ機構部322を介して伝達された駆動モータ321の駆動力により、搬送方向(X方向)と平行で回転軸部323中心を通る回転軸線A1(一点鎖線により示す)回りに回転するように構成されている。
回転軸部323のX2側の端部には、第3軸機構部33および保持部34が取り付けられている。第3軸機構部33および保持部34は、駆動モータ321により回転軸部323が回転されることにより、回転軸部323とともに回転軸線A1回りに回転可能に構成されている。これにより、第2軸機構部32は、第3軸機構部33、保持部34および保持部34に保持された被実装物Pを回転軸線A1回りに回転させて、YZ平面内で傾斜させる(図11参照)ように構成されている。具体的には、第2軸機構部32は、後述する回転軸線A2が上下方向と平行な状態を基準状態とした場合に、基準状態から搬送方向と直交するY1方向側またはY2方向側に、第3軸機構部33、保持部34および保持部34に保持された被実装物Pを傾斜させるように構成されている。この際、第2軸機構部32は、基準状態から搬送方向と直交するY1方向側またはY2方向側に、それぞれ、0度以上90度以下の角度範囲で、第3軸機構部33、保持部34および保持部34に保持された被実装物Pを傾斜可能に構成されている
第3軸機構部33は、保持部34により保持された被実装物Pを回転させるための回転軸機構部である。第3軸機構部33は、駆動モータ331と、ベルトプーリ機構部332とを有している。
駆動モータ331は、保持部34を回転させるための駆動力を発生するように構成されている。また、駆動モータ331は、正回転(時計回りの回転)および逆回転(反時計回りの回転)が可能に構成されている。ベルトプーリ機構部332は、駆動モータ331により発生された駆動力(回転力)を、保持部34に伝達するように構成されている。保持部34は、ベルトプーリ機構部332を介して伝達された駆動モータ331の駆動力により、保持部34中心を通り回転軸線A1と直交する回転軸線A2(一点鎖線により示す)回りに回転するように構成されている。これにより、第3軸機構部33は、保持部34および保持部34に保持された被実装物Pを回転軸線A2回りに回転させるように構成されている。
保持部34は、被実装物保持部材90を介して被実装物Pを保持して固定するように構成されている。保持部34による被実装物Pの固定は、傾斜被作業面P2への実装時に行われる。保持部34は、円柱形状を有する本体部341と、複数(3つ)の爪部342とを有している。複数(3つ)の爪部342は、本体部341の上面上に等角度間隔(120度間隔)で配置されている。また、複数の爪部342は、それぞれ、保持部34の回転の半径方向に移動可能に構成されている。
具体的には、被実装物保持部材90の被保持部90a(図1〜図3参照)を保持する場合には、複数の爪部342は、それぞれ、本体部341の上面上で保持部34の回転中心に向かう半径方向(すなわち、回転軸線A2に向かう方向)に移動する。この結果、複数の爪部342により被実装物保持部材90の被保持部90aが把持されるとともに、被実装物保持部材90を介して被実装物Pが被実装物保持部3により保持して固定される。
また、被実装物保持部材90の被保持部90a(図1〜図3参照)の保持を解除する場合には、複数の爪部342は、それぞれ、本体部341の上面上で保持部34の回転中心から離間する半径方向(すなわち、回転軸線A2から離間する方向)に移動する。この結果、複数の爪部342による被実装物保持部材90の被保持部90aの把持が解除されるとともに、被実装物保持部3による被実装物保持部材90を介した被実装物Pの保持が解除される。
固定部35は、被実装物保持部3を基台1に取り付けて固定するための部材である。被実装物保持部3は、図1〜図3に示すように、固定部35を介して、たとえばネジなどにより基台1に固定されている。また、被実装物保持部3は、被実装物搬送部2により形成される単一の搬送路の中央に対して、保持部34がY1側にずれた位置に固定されている。
また、基台1の中央部には、平面視で矩形形状を有する開口部1aが設けられている。基台1の開口部1aには、基台1の上面(Z1側の面)から下方(Z2方向)に向けて凹む凹形状を有する収容部1bが取り付けられている。被実装物保持部3は、少なくとも一部が収容部1b内に収容されるように配置されている。これにより、被実装物保持部3は、少なくとも一部が基台1の上面よりも下方に配置されている。この結果、被実装物保持部3を基台1の上面上に配置する場合に比べて、被実装物作業装置100が上下方向に大型化することを抑制することが可能になる。
図1〜図3に示すように、ヘッドユニット4は、支持部5および一対のレール部6を介して、基台1の上方位置に設けられている。また、ヘッドユニット4は、被実装物搬送部2、被実装物保持部3およびテープフィーダ11よりも上方(Z1方向)の位置に設けられており、水平方向に移動可能に構成されている。
ヘッドユニット4は、被実装物保持部3により保持された状態の被実装物Pに部品Eの実装作業を行うように構成されている。また、ヘッドユニット4は、被実装物搬送部2により保持された状態の被実装物Pに部品Eの実装作業を行うように構成されている。具体的には、ヘッドユニット4は、テープフィーダ11から供給される部品Eを吸着するとともに、吸着された部品Eを被実装物Pに実装するように構成されている。
ヘッドユニット4には、複数(6つ)の実装ヘッド41と、実装ヘッド41毎に設けられた複数(6つ)のボールネジ軸42と、ボールネジ軸42毎に設けられた複数(6つ)のZ軸モータ43と、実装ヘッド41毎に設けられた複数(6つ)のR軸モータ44(図6参照)とが設けられている。
複数の実装ヘッド41は、搬送方向(X方向)に沿って一列に配列されている。各実装ヘッド41の先端には、それぞれ、ノズル41a(図1および図3参照)が取り付けられている。実装ヘッド41は、図示しない負圧発生機によりノズル41aの先端部に発生された負圧によって、テープフィーダ11から供給される部品Eを吸着して保持することが可能に構成されている。
各ボールネジ軸42は、それぞれ、上下方向に延びるように形成されている。各Z軸モータ43は、それぞれ、対応するボールネジ軸42を回転させるように構成されている。また、各実装ヘッド41には、それぞれ、対応するボールネジ軸42に係合(螺合)されるボールナット41b(図3参照)が設けられている。実装ヘッド41は、Z軸モータ43によりボールネジ軸42が回転されることにより、ボールネジ軸42と係合(螺合)するボールナット41bとともに、ボールネジ軸42に沿って上下方向に移動可能に構成されている。これにより、実装ヘッド41は、部品Eの吸着や実装(装着)などを行うことが可能な下降した状態の高さ位置と、実装ヘッド41の水平方向の移動が可能な上昇した状態の高さ位置との間で上下方向に移動可能に構成されている。
各R軸モータ44は、それぞれ、対応する実装ヘッド41をノズル41aの中心軸回り(Z方向回り)に回転させるように構成されている。
支持部5は、ヘッドユニット4を搬送方向(X方向)に移動させるように構成されている。支持部5は、X方向に延びるボールネジ軸51と、ボールネジ軸51を回転させるX軸モータ52と、X方向に延びる図示しないガイドレールとを含んでいる。また、ヘッドユニット4には、ボールネジ軸51が係合(螺合)されるボールナット45(図3参照)が設けられている。ヘッドユニット4は、X軸モータ52によりボールネジ軸51が回転されることにより、ボールネジ軸51と係合(螺合)するボールナット45とともに、支持部5に沿って搬送方向(X方向)に移動可能に構成されている。
一対のレール部6は、基台1のX方向の両端部において基台1上に固定されている。また、一対のレール部6は、支持部5を搬送方向と直交する方向(Y方向)に移動させるように構成されている。一対のレール部6は、共にY方向に延びる一対のボールネジ軸61と、ボールネジ軸61毎に設けられた複数(2つ)のY軸モータ62とを含んでいる。各Y軸モータ62は、それぞれ、対応するボールネジ軸61を回転させるように構成されている。また、支持部5には、ボールネジ軸61が係合(螺合)される図示しないボールナットが設けられている。支持部5は、各Y軸モータ62により各ボールネジ軸61が同期して回転されることにより、各ボールネジ軸61と係合(螺合)するボールナットとともに、一対のレール部6に沿って搬送方向と直交する方向(Y方向)に移動可能に構成されている。
このような構成により、ヘッドユニット4は、基台1上を水平方向(X方向およびY方向)に移動可能に構成されている。これにより、ヘッドユニット4は、たとえばテープフィーダ11の上方に移動して、テープフィーダ11から供給される部品Eを吸着することが可能である。また、ヘッドユニット4は、たとえば被実装物保持部3に保持された状態の被実装物P、または被実装物搬送部2に保持された状態の被実装物Pの上方に移動して、吸着された部品Eを被実装物Pに実装することが可能である。
部品認識カメラ7は、テープフィーダ11の近傍の基台1の上面上に固定されており、部品Eの実装に先立って実装ヘッド41のノズル41aに吸着された部品Eを撮像するように構成されている。部品認識カメラ7は、実装ヘッド41のノズル41aに吸着された部品Eを、下方(Z2方向)から撮像するように構成されている。この撮像結果は、制御装置10により取得される。制御装置10は、実装ヘッド41のノズル41aに吸着された部品Eの撮像結果に基づいて、下方から見た部品Eの吸着状態(回転姿勢および実装ヘッド41のノズル41aに対する吸着位置)を認識し、補正するように構成されている。
基板認識カメラ8は、部品Eの実装に先立って被実装物Pに付された位置認識マークFMを撮像するように構成されている。位置認識マークFMは、被実装物Pの位置を認識するためのマークである。この位置認識マークFMの撮像結果は、制御装置10により取得される。そして、位置認識マークFMの撮像結果に基づいて、被実装物保持部3により保持された状態、または被実装物搬送部2により保持された状態の被実装物Pの正確な位置および姿勢を制御装置10により認識し、補正することが可能である。
また、基板認識カメラ8は、ヘッドユニット4に取り付けられている。具体的には、基板認識カメラ8は、ヘッドユニット4のY1側の側部において、X方向に並んだ実装ノズル配列の中央の位置に取り付けられている。これにより、基板認識カメラ8は、ヘッドユニット4とともに、基台1上を水平方向(X方向およびY方向)に移動可能に構成されている。また、基板認識カメラ8は、基台1上を水平方向に移動して、被実装物Pに付された位置認識マークFMを、被実装物Pの上方(Z1方向)から撮像するように構成されている。
高さ計測部9は、部品Eの実装に先立って被実装物Pにおける部品実装位置の高さ位置を計測するレーザ変位計により構成されている。高さ計測部9は、被実装物Pにおける部品実装位置にレーザ光を照射して、部品実装位置から反射された反射光を受光することにより、被実装物Pにおける部品実装位置の高さ位置を計測するように構成されている。この高さ位置の計測結果は、制御装置10により取得される。そして、高さ位置の計測結果に基づいて、被実装物Pにおける部品実装位置の高さ位置を制御装置10により認識し、補正することが可能である。
また、高さ計測部9は、ヘッドユニット4に取り付けられている。具体的には、高さ計測部9は、実装ヘッド42と基板認識カメラ8との間で、X方向に並んだ実装ノズル配列の略中央の位置に取り付けられている。これにより、高さ計測部9は、ヘッドユニット4とともに、基台1上を水平方向(X方向およびY方向)に移動可能に構成されている。また、高さ計測部9は、基台1上を水平方向に移動して、被実装物Pにおける部品実装位置の上方からレーザ光を照射するように構成されている。
図6に示すように、制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などを含み、被実装物作業装置100の動作を制御するように構成されている。具体的には、制御装置10は、被実装物搬送部2、被実装物保持部3、ヘッドユニット4、支持部5、一対のレール部6、部品認識カメラ7、基板認識カメラ8、高さ計測部9、およびテープフィーダ11などを予め記憶されたプログラムに従って制御して、被実装物Pに部品Eの実装を行うように構成されている。
(コンベア部の動作に係る制御装置の構成)
次に、図7(A)〜(C)を参照して、中央搬送部22の一対のコンベア部221の動作に係る制御装置10の構成について説明する。
図7(A)に示すように、制御装置10は、被実装物Pを搬送方向(X方向)に搬送する場合には、被実装物Pを搬入または搬出可能な位置に、中央搬送部22の一対のコンベア部221を位置決めする制御を行うように構成されている。具体的には、制御装置10は、上流側搬送部21の一対のコンベア部211の間の幅(Y方向の幅)または下流側搬送部23の一対のコンベア部231の間の幅と、中央搬送部22の一対のコンベア部221の間の幅とが略一致する位置に、中央搬送部22の一対のコンベア部221をY方向に移動させて、位置決めする制御を行うように構成されている。
また、図7(B)に示すように、制御装置10は、搬送方向と直交する方向に被実装物Pを移動させる場合には、中央搬送部22の一対のコンベア部221の間の幅(Y方向の幅)を維持しながら一対のコンベア部221を搬送方向と直交する方向に移動させる制御を行うように構成されている。すなわち、制御装置10は、Y1側のコンベア部221を移動させるY1側の駆動モータ225bと、Y2側のコンベア部221を移動させるY2側の駆動モータ225bとを同期させて、一対のコンベア部を搬送方向と直交する方向に移動させる制御を行うように構成されている。
また、図7(C)に示すように、制御装置10は、被実装物搬送部2から被実装物保持部3に被実装物Pを受け渡す動作を行う場合には、中央搬送部22の一対のコンベア部221の間の幅(Y方向の幅)が広がるように、一対のコンベア部221を搬送方向と直交する方向に移動させる制御を行うように構成されている。すなわち、制御装置10は、中央搬送部22の一対のコンベア部221が搬送方向と直交する方向に互いに離間するように、一対のコンベア部221を搬送方向と直交する方向に移動させる制御を行うように構成されている。
また、制御装置10は、被実装物搬送部2により被実装物保持部3から被実装物Pを受け取る動作を行う場合には、中央搬送部22の一対のコンベア部221の間の幅(Y方向の幅)が狭まるように、一対のコンベア部を搬送方向と直交する方向に移動させる制御を行うように構成されている。すなわち、制御装置10は、中央搬送部22の一対のコンベア部221が搬送方向と直交する方向に互いに近接するように、一対のコンベア部221を搬送方向と直交する方向に移動させる制御を行うように構成されている。
(被実装物の搬入から搬出までの動作に係る制御装置の構成)
次に、図8〜図14を参照して、被実装物Pの搬入から搬出までの動作に係る制御装置10の構成について説明する。
図8に示すように、まず、制御装置10は、搬入された被実装物Pを、中央搬送部22の一対のコンベア部221により搬送方向(X方向)に移動(搬送)させて、搬送方向の所定位置に位置決めする制御を行うように構成されている。これにより、被実装物Pが水平実装位置Nに位置決めされる。この際、たとえば、基板認識カメラ8または高さ計測部9により、被実装物Pまたは被実装物保持部材90のX2側の端部を検出し、被実装物Pを水平実装位置Nに位置決めすることが可能である。また、たとえば、中央搬送部22の下流側(X2側)に、ストッパ部材(図示せず)を設けて、被実装物Pを水平実装位置Nに位置決めすることが可能である。
また、制御装置10は、水平実装位置Nに被実装物Pが位置決めされると、位置決めされた被実装物Pをクランプ機構部226により保持して固定する制御を行うように構成されている。すなわち、クランプ機構部226と一対のコンベアガイド221aとの間で被実装物保持部材90のY方向の両端部が挟み込みこまれる。これにより、被実装物保持部材90を介して被実装物Pが被実装物搬送部2により保持された状態になる。
そして、制御装置10は、被実装物搬送部2により保持された状態の被実装物Pの水平被作業面P1(図4参照)に対して、ヘッドユニット4により部品Eの実装作業を行わせるように構成されている。すなわち、被実装物搬送部2から被実装物保持部3に被実装物Pを受け渡す前に、被実装物Pの水平被作業面P1に対して、ヘッドユニット4により部品Eの実装作業が行われる。また、水平被作業面P1に対する実装作業の際、部品認識カメラ7による部品Eの撮像、基板認識カメラ8による位置認識マークFMの撮像、および被実装物Pにおける部品実装位置の高さ位置の高さ計測部9による計測が適宜行われる。
また、被実装物搬送部2から被実装物保持部3に被実装物Pを受け渡す前においては、被実装物保持部3に保持された状態の被実装物Pへの実装前に実装が可能な部品Eの実装作業が行われる。すなわち、被実装物Pを傾斜させた場合に実装した位置からの位置ずれが生じにくい小型の部品E(寸法が小さい部品Eや重量が小さい部品Eなど)の実装作業が行われる。
そして、制御装置10は、被実装物保持部3に保持された状態の被実装物Pへの実装前に実装が可能な部品Eの実装を終えると、クランプ機構部226による被実装物Pの保持を解除する制御を行うように構成されている。すなわち、クランプ機構部226と一対のコンベアガイド221aとの間での被実装物保持部材90のY方向の両端部の挟み込みが解除される。
そして、図9に示すように、制御装置10は、中央搬送部22の一対のコンベア部221の間の幅(Y方向の幅)を維持しながら、一対のコンベア部221を搬送方向と直交するY1方向に移動させて、搬送方向と直交する方向の所定位置に被実装物Pを位置決めする制御を行うように構成されている。これにより、被実装物Pが受け渡し位置Mに位置決めされる。なお、受け渡し位置Mは、被実装物Pを保持する被実装物保持部材90の単一の被保持部90aが、被実装物保持部3の単一の保持部34の略直上に配置される位置である。
そして、図10に示すように、制御装置10は、被実装物保持部3の第1軸機構部31により保持部34を上方向に移動させるとともに、保持部34により被実装物保持部材90の単一の被保持部90aを保持させる制御を行うように構成されている。この際、制御装置10は、一対のコンベア部221の搬送方向と直交する方向への移動時に、一対のコンベア部221と干渉しない状態の位置から、被実装物Pを保持可能な位置まで、保持部34を移動させる制御を行うように構成されている。また、この際、制御装置10は、一対のコンベア部221のコンベアベルト221bから被実装物保持部材90(被実装物P)を浮かせる位置まで、保持部34を移動させる制御を行うように構成されている。
そして、本実施形態では、制御装置10は、被実装物保持部3により被実装物Pを保持させた後、中央搬送部22の一対のコンベア部221の間の幅(Y方向の幅)が広がるように、一対のコンベア部221を搬送方向と直交する方向に移動させる制御を行うように構成されている。具体的には、制御装置10は、被実装物Pを支持可能な状態の位置から、被実装物保持部3に保持された状態の被実装物Pへの実装時に、被実装物Pおよび被実装物保持部3と干渉しない状態の位置まで、一対のコンベア部221を搬送方向と直交する方向に移動させる制御を行うように構成されている。これにより、被実装物保持部3により被実装物Pが保持され、被実装物搬送部2から被実装物保持部3に被実装物Pが受け渡される。なお、この際の中央搬送部22の一対のコンベア部221の間の幅(Y方向の幅)は、被実装物Pの搬送方向と直交する方向の幅よりも十分に大きい。
そして、本実施形態では、図11に示すように、制御装置10は、中央搬送部22の一対のコンベア部221の間の幅を被実装物Pの搬送方向と直交する方向の幅よりも十分に広げた状態で、被実装物保持部3により被実装物Pを傾斜させるとともに、ヘッドユニット4により被実装物Pの傾斜被作業面P2に部品Eの実装作業を行わせるように構成されている。この際、被実装物Pを、第1軸機構部31により上下方向に移動させ、第2軸機構部32により傾斜させ、または第3軸機構部33により回転させることにより、被実装物Pの傾斜被作業面P2(図4参照)が水平面(XY平面)と平行になるように被実装物Pの姿勢が調整される。そして、水平面と平行になるようにした状態で、各傾斜被作業面P2(P2a〜P2d)に対して、ヘッドユニット4により実装作業が行われる。また、傾斜被作業面P2に対する実装作業の際、部品認識カメラ7による部品Eの撮像、基板認識カメラ8による位置認識マークFMの撮像、および高さ計測部9による被実装物Pにおける部品実装位置の高さ位置の計測が適宜行われる。
そして、図12に示すように、制御装置10は、被実装物保持部3に保持された状態の被実装物Pへの実装(すなわち、傾斜被作業面P2への実装)を終えると、被実装物搬送部2により被実装物Pを受け取り可能な状態になるように被実装物保持部3の姿勢を調整するように構成されている。本実施形態では、制御装置10は、被実装物Pの水平被作業面P1が水平面(XY平面)と平行になるように、被実装物保持部3の姿勢を調整するように構成されている。
そして、本実施形態では、図12および図13に示すように、被実装物保持部3により被実装物Pを傾斜させた状態でヘッドユニット4により部品Eの実装作業を行わせた後、被実装物搬送部2により被実装物保持部3から被実装物Pを受け取る動作を行う場合に、中央搬送部22の一対のコンベア部221の間の幅(Y方向の幅)が狭まるように、一対のコンベア部221を搬送方向と直交する方向に移動させる制御を行うように構成されている。具体的には、制御装置10は、被実装物保持部3に保持された状態の被実装物Pへの実装時に、被実装物Pおよび被実装物保持部3と干渉しない状態の位置から、被実装物Pを支持可能な状態の位置まで、一対のコンベア部221を搬送方向と直交する方向に移動させる制御を行うように構成されている。
そして、制御装置10は、被実装物Pを支持可能な状態の位置まで一対のコンベア部221を移動させると、被実装物保持部材90(被実装物P)と一対のコンベア部221のコンベアベルト221bとが非接触の状態で、保持部34による被実装物保持部材90の被保持部90aの保持を解除させるとともに、被実装物保持部3の第1軸機構部31により保持部34を下方向に移動させる制御を行うように構成されている。この際、制御装置10は、被実装物Pを保持可能な位置から、一対のコンベア部221の搬送方向と直交する方向への移動時に、一対のコンベア部221と干渉しない状態の位置まで、保持部34を移動させる制御を行うように構成されている。これにより、被実装物搬送部2により被実装物保持部3から被実装物Pが受け取られる。
そして、図14に示すように、制御装置10は、中央搬送部22の一対のコンベア部221の間の幅(Y方向の幅)を維持しながら、一対のコンベア部221を搬送方向と直交するY2方向に移動させて、被実装物Pを搬入または搬出可能な位置に一対のコンベア部221を位置決めする制御を行うように構成されている。これにより、水平実装位置Nに被実装物Pが位置決めされる。
そして、制御装置10は、水平実装位置Nに被実装物Pが位置決めされると、位置決めされた被実装物Pをクランプ機構部226により保持して固定する制御を行うように構成されている。すなわち、クランプ機構部226と一対のコンベアガイド221aとの間で被実装物保持部材90のY方向の両端部が挟み込まれる。これにより、被実装物保持部材90を介して被実装物Pが被実装物搬送部2により保持された状態になる。
そして、制御装置10は、被実装物搬送部2により保持された状態の被実装物Pの水平被作業面P1(図4参照)に対して、ヘッドユニット4により部品Eの実装作業を行わせるように構成されている。すなわち、被実装物搬送部2により被実装物保持部3から被実装物Pを受け取った後に、被実装物Pの水平被作業面P1に対して、ヘッドユニット4により部品Eの実装作業が行われる。また、水平被作業面P1に対する実装作業の際、部品認識カメラ7による部品Eの撮像、基板認識カメラ8による位置認識マークFMの撮像、および被実装物Pにおける部品実装位置の高さ位置の高さ計測部9による計測が適宜行われる。
また、被実装物搬送部2により被実装物保持部3から被実装物Pを受け取った後においては、被実装物保持部3に保持された状態の被実装物Pへの実装後に実装すべき部品Eの実装作業が行われる。すなわち、被実装物Pを傾斜させた場合に実装した位置からの位置ずれが生じやすい大型の部品E(寸法が大きい部品Eや重量が大きい部品Eなど)の実装作業が行われる。
そして、制御装置10は、被実装物保持部3に保持された状態の被実装物Pへの実装後に実装すべき部品Eの実装を終えると、クランプ機構部226による被実装物Pの保持を解除する制御を行うように構成されている。すなわち、クランプ機構部226と一対のコンベアガイド221aとの間での被実装物保持部材90のY方向の両端部の挟み込みが解除される。
そして、制御装置10は、中央搬送部22から下流側搬送部23に実装後の被実装物Pを受け渡させるとともに、実装後の被実装物Pを下流側搬送部23により搬出させる制御を行うように構成されている。
(被実装物の搬入から搬出までの動作処理)
次に、主に図15を参照して、本実施形態の被実装物Pの搬入から搬出までの動作処理についてフローチャートに基づいて説明する。被実装物Pの搬入から搬出までの動作処理は、制御装置10により行われる。
図15に示すように、まず、ステップS1において、被実装物搬送部2の上流側搬送部21により、被実装物Pが搬入される。
そして、ステップS2において、被実装物Pの搬送方向の位置決めが行われる。すなわち、ステップS2では、搬入された被実装物Pが、中央搬送部22の一対のコンベア部221により搬送方向(X方向)に移動(搬送)されて、搬送方向の所定位置に位置決めされる。これにより、図8に示すように、被実装物Pが水平実装位置Nに位置決めされる。
そして、ステップS3において、被実装物Pの水平被作業面P1に対して、被実装物搬送部2から被実装物保持部3に被実装物Pを受け渡す前のヘッドユニット4による実装作業が行われる。この際、図8に示すように、被実装物Pがクランプ機構部226により保持して固定される。また、被実装物搬送部2から被実装物保持部3に被実装物Pを受け渡す前の実装作業では、比較的小型の部品Eが被実装物Pの水平被作業面P1に実装される。
そして、ステップS4において、被実装物Pの搬送方向と直交する方向の位置決めが行われる。すなわち、ステップS4では、中央搬送部22の一対のコンベア部221の間の幅(Y方向の幅)を維持しながら、一対のコンベア部221を搬送方向と直交するY1方向に移動させて、搬送方向と直交する方向の所定位置に被実装物Pが位置決めされる。これにより、図9に示すように、被実装物Pが受け渡し位置Mに位置決めされる。
そして、ステップS5において、被実装物保持部3による被実装物Pの保持が行われる。すなわち、ステップS5では、被実装物保持部3の第1軸機構部31により保持部34が上方に移動されるとともに、移動された保持部34により被実装物保持部材90の被保持部90aが保持される。
そして、ステップS6において、中央搬送部22の一対のコンベア部221の間の幅が広がるように、一対のコンベア部221が搬送方向と直交する方向に移動される。すなわち、ステップS6では、図10に示すように、被実装物保持部3に保持された状態の被実装物Pへの実装時に、被実装物Pおよび被実装物保持部3と干渉しない状態の位置まで、一対のコンベア部221が搬送方向と直交する方向に移動される。
そして、ステップS7において、被実装物Pの各傾斜被作業面P2(P2a〜P2d)への実装作業処理が行わる。この被実装物Pの各傾斜被作業面P2(P2a〜P2d)への実装作業処理は、後述する。
そして、ステップS8において、被実装物保持部3が被実装物Pを受け取り可能な状態になるように被実装物保持部3の姿勢が調整される。すなわち、ステップS8では、図12に示すように、被実装物Pの水平被作業面P1が水平面(XY平面)と平行になるように、被実装物保持部3の姿勢が調整される。
そして、ステップS9において、中央搬送部22の一対のコンベア部221の間の幅が狭まるように、一対のコンベア部221が搬送方向と直交する方向に移動される。すなわち、ステップS9では、図12および図13に示すように、被実装物Pを支持可能な状態の位置まで、一対のコンベア部221が搬送方向と直交する方向に移動される。
そして、ステップS10において、被実装物保持部3による被実装物Pの保持が解除される。すなわち、ステップS10では、図13に示すように、保持部34による被実装物保持部材90の被保持部90aの保持が解除されるとともに、第1軸機構部31により保持部34が下方に移動される。
そして、ステップS11において、中央搬送部22の一対のコンベア部221が、被実装物Pを搬出可能な位置に移動されて位置決めされる。これにより、図14に示すように、水平実装位置Nに被実装物Pが位置決めされる。
そして、ステップS12において、被実装物Pの水平被作業面P1に対して、被実装物搬送部2により被実装物保持部3から被実装物Pを受け取った後のヘッドユニット4による実装作業が行われる。この際、図14に示すように、被実装物Pがクランプ機構部226により保持して固定される。また、被実装物搬送部2により被実装物保持部3から被実装物Pを受け取った後の実装作業では、比較的大型の部品Eが被実装物Pの水平被作業面P1に実装される。
そして、ステップS13において、被実装物搬送部2の下流側搬送部23により、被実装物Pが搬出される。そして、被実装物Pの搬入から搬出までの動作処理が終了される。
(傾斜被作業面への実装作業処理)
次に、図16を参照して、本実施形態の傾斜被作業面P2への実装作業処理についてフローチャートに基づいて説明する。傾斜被作業面P2への実装作業処理は、制御装置10により行われる。
図16に示すように、まず、ステップS21において、ヘッドユニット4の実装ヘッド41により、テープフィーダ11から供給される部品Eが吸着される。
そして、ステップS22において、部品認識カメラ7により、実装ヘッド41に吸着された部品Eの吸着状態が下方から撮像される。この結果、実装ヘッド41に吸着された部品Eの吸着状態が認識される。
そして、ステップS23において、被実装物保持部3により、実装作業が行われる被実装物Pの傾斜被作業面P2が水平面(XY平面)と平行にされる。具体的には、ステップS23では、被実装物保持部3の保持部34に保持された被実装物Pが、第1軸機構部31により上下方向に移動され、第2軸機構部32により傾斜され、または第3軸機構部33により回転される。これにより、実装作業が行われる被実装物Pの傾斜被作業面P2が水平面(XY平面)と平行にされる。
そして、ステップS24において、部品Eを吸着した実装ヘッド42が水平移動可能な上昇した状態の高さ位置まで上昇される。
そして、ステップS25において、被実装物Pに向けて、ヘッドユニット4が水平方向に移動される。
そして、ステップS26において、基板認識カメラ8により、実装作業が行われる被実装物Pの傾斜被作業面P2の位置認識マークFMが撮像される。この結果、被実装物保持部3により保持された状態の被実装物Pの位置が認識される。
そして、ステップS27において、高さ計測部9が被実装物Pにおける部品実装位置の上方位置に移動される。
そして、ステップS28において、高さ計測部9により、傾斜被作業面P2の高さが計測される。具体的には、ステップS28では、高さ計測部9により、実装作業が行われる被実装物Pの傾斜被作業面P2の部品実装位置の高さ位置が計測される。なお、傾斜被作業面P2の高さの計測は、部品Eの実装毎に行われる。
そして、ステップS29において、実装ヘッド41が部品実装位置の上方位置に移動される。そして、ステップS30において、実装ヘッド41により被実装物Pの部品実装位置に部品Eが実装される。ステップS29およびS30の処理では、ステップS22における部品認識カメラ7による撮像結果、ステップS26における基板認識カメラ8による撮像結果、およびステップS28における高さ計測部9による計測結果に基づいて、吸着された部品Eの姿勢や、部品実装位置(水平方向の位置、上下方向の位置)が適宜補正されて、部品Eが実装される。そして、傾斜被作業面P2への実装作業処理が終了される。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、搬送方向と直交する方向に互いに独立して移動可能に一対のコンベア部221を構成する。そして、搬送方向と直交する方向に移動されることにより、被実装物搬送部2から被実装物保持部3に被実装物Pを受け渡す動作が行われるように一対のコンベア部221を構成する。これにより、被実装物Pの幅に応じて一対のコンベア部221の間の幅を変更することができるので、幅が異なる被実装物Pを受け渡すことができる。また、一対のコンベア部221により搬送方向と直交する方向に被実装物Pを移動させて、被実装物Pを受け渡すことができる。また、一対のコンベア部221を搬送方向と直交する方向に互いに離間するように移動させて、被実装物Pを受け渡すことができる。これらの結果、一対のコンベア部221の駆動の自由度を向上させることができるので、一対のコンベア部221を駆動させて、被実装物搬送部2から被実装物保持部3への被実装物Pの受け渡しを適切に行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、被実装物搬送部2から被実装物保持部3に被実装物Pを受け渡す動作を行う場合に、被実装物保持部3により被実装物Pを保持させた後、一対のコンベア部221の間の幅が広がるように、一対のコンベア部221を搬送方向と直交する方向に移動させる制御を行うように制御装置10を構成する。これにより、片側のコンベア部221が固定されている場合と異なり、被実装物保持部3により被実装物Pを保持させた状態で一対のコンベア部221の間の幅を広げるだけで、被実装物搬送部2から被実装物保持部3に被実装物Pを受け渡すことができる。その結果、別途専用の被実装物受け渡し装置を設ける場合に比べて、簡単な構成で被実装物搬送部2から被実装物保持部3に被実装物Pを受け渡すことができる。
また、本実施形態では、上記のように、一対のコンベア部221の間の幅を広げた状態で、被実装物保持部3により被実装物Pを傾斜させるとともに、ヘッドユニット4により被実装物Pに作業を行わせるように制御装置10を構成する。これにより、被実装物保持部3により被実装物Pを傾斜させてヘッドユニット4により被実装物Pに作業を行う場合に、一対のコンベア部211を退避させておくことができるので、一対のコンベア部221が被実装物保持部3や被実装物Pと干渉することを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、被実装物保持部3により被実装物Pを傾斜させた状態でヘッドユニット4により作業を行わせた後、被実装物搬送部2により被実装物保持部3から被実装物Pを受け取る動作を行う場合に、一対のコンベア部221の間の幅が狭まるように、一対のコンベア部221を搬送方向と直交する方向に移動させる制御を行うように制御装置10を構成する。これにより、被実装物保持部3により被実装物Pを保持させた状態で一対のコンベア部221の間の幅を狭めるだけで、被実装物搬送部2により被実装物保持部3から被実装物Pを受け取ることができる。その結果、別途専用の被実装物受け取り装置を設ける場合に比べて、簡単な構成で被実装物搬送部2により被実装物保持部3から被実装物Pを受け取ることができる。したがって、被実装物搬送部2から被実装物保持部3への被実装物Pの受け渡し、および被実装物搬送部2による被実装物保持部3からの被実装物Pの受け取りの両方を、簡単な構成により行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、被実装物搬送部2から被実装物保持部3に被実装物Pを受け渡す動作を行う場合に、一対のコンベア部221により被実装物Pを搬送方向に移動させるとともに、一対のコンベア部221の間の幅を維持しながら一対のコンベア部221を搬送方向と直交する方向に移動させて、受け渡し位置Mに被実装物Pを位置決めする制御を行うように制御装置10を構成する。これにより、被実装物保持部3が搬送方向と直交する方向にずれた位置(本実施形態では、搬送路に対してY1方向にずれた位置)に配置されている場合にも、一対のコンベア部221を駆動させることにより、被実装物Pを受け渡し位置Mに容易に位置決めすることができる。
また、本実施形態では、上記のように、被実装物搬送部2から被実装物保持部3に被実装物Pを受け渡す前、および、被実装物搬送部2により被実装物保持部3から被実装物Pを受け取った後の両方の際に、被実装物搬送部2により保持された状態の被実装物Pの水平被作業面P1に対して、ヘッドユニット4により作業を行わせるように制御装置10を構成する。これにより、本実施形態のように被実装物保持部3よりも被実装物搬送部2の方が被実装物Pの保持力が大きい場合に、被実装物搬送部2により保持された状態の被実装物Pの水平被作業面P1に対してヘッドユニット4により実装作業を行うことによって、水平被作業面P1に対して精度良くヘッドユニット4による実装作業を行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、被実装物保持部材90に保持された状態で被実装物搬送部2により搬送されるとともに、被実装物保持部材90を介して被実装物保持部3により保持されるように被実装物Pを構成する。そして、被実装物保持部3が保持するための単一の被保持部90aを被実装物保持部材90に設ける。そして、被実装物保持部材90の単一の被保持部90aを保持するように被実装物保持部3を構成する。これにより、受け渡し位置Mにおいて被実装物搬送部2から被実装物保持部3に被実装物Pを受け渡す場合に、被実装物保持部3により単一の被保持部90aを保持するだけでよい。その結果、被実装物保持部3により複数の被保持部90aを保持する必要がある場合に比べて、被実装物保持部3と被保持部90aとの位置合わせを容易に行うことができるので、受け渡し位置Mにおいて被実装物搬送部2から被実装物保持部3に被実装物Pを容易に受け渡すことができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、被実装物に部品を実装する作業を行う部品実装装置としての被実装物作業装置に本発明が適用された例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、部品実装装置以外の被実装物作業装置に適用されてもよい。
たとえば、本発明は、被実装物にはんだなどの粘性材を塗布する作業を行う粘性材塗布装置としての被実装物作業装置に適用されてもよい。この場合、上記実施形態のヘッドユニットの代わりに、被実装物に粘性材を塗布するための粘性材塗布ユニットを粘性材塗布装置に設ける。そして、被実装物保持部により保持された被実装物を傾斜させて、粘性材塗布ユニットにより被実装物に粘性材を塗布する作業を行うようにすればよい。この場合、粘性材塗布ユニットは、請求の範囲の「作業部」の一例である。
また、本発明は、被実装物上のはんだなどの粘性材をリフローさせる作業を行うリフロー装置としての被実装物作業装置に適用されてもよい。この場合、上記実施形態のヘッドユニットの代わりに、被実装物上の粘性材をリフローさせるためにレーザ光を照射するレーザ光照射ユニットをリフロー装置に設ける。そして、被実装物保持部により保持された被実装物を傾斜させて、レーザ光照射ユニットによりレーザ光を照射して被実装物上の粘性材をリフローさせる作業を行うようにすればよい。この場合、レーザ光照射ユニットは、請求の範囲の「作業部」の一例である。
また、本発明は、可視光や、赤外光、X線などを用いて被実装物を検査する作業を行う被実装物検査装置としての被実装物作業装置に適用されてもよい。この場合、上記実施形態のヘッドユニットの代わりに、可視光や、赤外光、X線などを被実装物に照射して撮影する検査ユニットを被実装物検査装置に設ける。そして、被実装物保持部により保持された被実装物を傾斜させて、検査ユニットにより可視光や、赤外光、X線などを照射して被実装物を撮影して検査する作業を行うようにすればよい。この場合、検査ユニットは、請求の範囲の「作業部」の一例である。
また、上記実施形態では、被実装物が、平坦な被作業面(水平被作業面および傾斜被作業面)を有した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、被実装物が、平坦でない被作業面(曲面としての被作業面)を有していてもよい。また、平坦な被作業面と、平坦でない被作業面との両方を有していてもよい。
また、上記実施形態では、被実装物が、1つの水平被作業面と、4つの傾斜被作業面とを有した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、被実装物が、2以上の水平被作業面を有していてもよい。また、本発明では、被実装物が、1つまたは4つ以外の複数の傾斜被作業面を有していてもよい。
また、上記実施形態では、被実装物が、被実装物保持部材を介して被実装物搬送部により搬送され、被実装物保持部により保持された例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、搬送可能であれば、被実装物が、被実装物搬送部により直接的に搬送されてもよい。また、本発明では、保持可能であれば、被実装物が、被実装物保持部により直接的に保持されてもよい。
また、上記実施形態では、被実装物保持部が、被実装物を上下方向に移動させ、傾斜させ、回転させるように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、被実装物保持部は、少なくとも被実装物を傾斜させることが可能に構成されていればよい。
また、上記実施形態では、被実装物保持部により被実装物を保持させた後、一対のコンベア部の間の幅が広がるように、一対のコンベア部を搬送方向と直交する方向に移動させる制御を制御装置が行った例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、被実装物保持部により被実装物を保持させる前に、一対のコンベア部の間の幅が広がるように、一対のコンベア部を搬送方向と直交する方向に移動させる制御を制御装置が行ってもよい。たとえば、被実装物搬送部(一対のコンベア部)から被実装物保持部に対して、被実装物を受け渡すための専用の受け渡し装置が設けられる場合には、被実装物保持部により被実装物を保持させる前であって、受け渡し装置に被実装物を受け渡す際に、一対のコンベア部の間の幅が広がるように、一対のコンベア部を搬送方向と直交する方向に移動させる制御を制御装置が行ってもよい。
また、上記実施形態では、制御装置が、被実装物搬送部から被実装物保持部に被実装物を受け渡す前、および、被実装物搬送部により被実装物保持部から被実装物を受け取った後の両方の際に、被実装物の水平被作業面に対してヘッドユニットにより部品の実装作業を行わせた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御装置が、被実装物搬送部から被実装物保持部に被実装物を受け渡す前、または、被実装物搬送部により被実装物保持部から被実装物を受け取った後の少なくともいずれか一方の際に、被実装物の水平被作業面に対してヘッドユニットにより部品の実装作業を行わせるように構成されてもよい。
また、上記実施形態では、被実装物搬送部により保持された状態で、被実装物の水平被作業面に対して実装作業が行われ、被実装物保持部により保持された状態で、被実装物の傾斜被作業面に対して実装作業が行われた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、被実装物保持部により保持された状態で、被実装物の水平被作業面および被実装物の傾斜被作業面の両方に対して実装作業が行われてもよい。
また、上記実施形態では、被実装物保持部材に単一の被保持部が設けられた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、被実装物保持部材に複数の被保持部が設けられてもよい。
また、上記実施形態では、把持することにより、被実装物を保持するように被実装物保持部が構成された例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、把持以外の方法により、被実装物を保持するように被実装物保持部が構成されてもよい。たとえば、負圧により被実装物を吸着することにより、被実装物を保持するように被実装物保持部が構成されてもよい。
また、上記実施形態では、基台の一方側(Y2側)の端部にのみ、フィーダ配置部が設けられるとともに、テープフィーダが配置された例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、基台の両側(Y方向の両側)の端部に、フィーダ配置部がそれぞれ設けられるとともに、テープフィーダがそれぞれ配置されていてもよい。
また、上記実施形態では、傾斜被作業面の高さの計測が、部品の実装毎に行われることにより、傾斜被作業面における部品実装位置毎の高さ位置が取得された例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、傾斜被作業面における部品実装位置毎の高さ位置が取得可能であれば、傾斜被作業面の高さの計測が、部品の実装毎に行われなくともよい。たとえば、傾斜被作業面が平坦面の場合には、以下の方法により、傾斜被作業面における部品実装位置毎の高さ位置が取得されてもよい。すなわち、まず、傾斜被作業面における3箇所以上の複数箇所の高さが高さ計測部により計測される。そして、傾斜被作業面における複数箇所の高さ計測結果に基づいて、最小二乗平面(最小二乗法により求められる平面)が制御装置により算出される。そして、算出された最小二乗平面に基づいて、傾斜被作業面における部品実装位置毎の高さ位置が制御装置により取得されてもよい。
上記実施形態では、説明の便宜上、制御装置の処理動作を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御装置の処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。