以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
(部品実装装置の構成)
図1〜図4を参照して、本発明の一実施形態による部品実装装置100の構成について説明する。なお、部品実装装置100は、請求の範囲の「被実装物作業装置」の一例である。
部品実装装置100は、図1〜図3に示すように、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの部品E(電子部品)を、プリント基板などの基板Pに実装するように構成されている。また、部品実装装置100は、水平被作業面P1および傾斜被作業面P2を有する基板Pを搬送して、基板Pに部品Eを実装する装置である。なお、基板Pは、請求の範囲の「被実装物」の一例である。
部品実装装置100は、図1および図2に示すように、基台1と、基板搬送部2と、基板保持ユニット3と、ヘッドユニット4と、支持部5と、一対のレール部6と、部品認識カメラ7と、基板認識カメラ8と、高さ計測部9と、制御装置10(図2参照)とを備えている。なお、基板保持ユニット3は、請求の範囲の「被実装物保持ユニット」の一例であり、ヘッドユニット4は、請求の範囲の「作業部」の一例である。また、基板認識カメラ8は、請求の範囲の「撮像部」の一例であり、高さ計測部9は、請求の範囲の「測定部」の一例である。
基板Pは、図3に示すように、1つの水平被作業面(水平被実装面)P1と、水平被作業面P1に対して傾斜した複数(4つ)の傾斜被作業面(傾斜被実装面)P2とを有している。複数の傾斜被作業面P2は、水平被作業面P1のY方向の両側と、水平被作業面P1のX方向の両側とに設けられている。複数の傾斜被作業面P2は、それぞれ、水平被作業面P1に向けて下がるように傾斜が形成されている。すなわち、基板Pは、周囲を取り囲む傾斜被作業面P2に対して、水平被作業面P1が下方に凹むような形状を有している。
水平被作業面P1および傾斜被作業面P2には、それぞれ、基板認識カメラ8により撮像される位置認識マーク(フィデューシャルマーク)が付されている。また、水平被作業面P1および傾斜被作業面P2は、共に、ヘッドユニット4により部品Eが実装される平坦面である。また、水平被作業面P1は、基板搬送部2による搬送方向(X方向)への搬送状態で、水平面(XY平面)と略平行となる基板Pの被作業面である。
図1に示すように、基台1のY2側の端部には、複数のテープフィーダ11を配置するためのフィーダ配置部12が設けられている。また、基台1のY1側の端部には、フィーダ配置部12が設けられておらず、テープフィーダ11が配置されていない。
テープフィーダ11は、複数の部品Eを所定の間隔を隔てて保持したテープが巻き回されたリール11a(図3参照)を保持している。テープフィーダ11は、リール11aを回転させて部品Eを保持するテープを送出することにより、先端から部品Eを供給するように構成されている。
各テープフィーダ11は、フィーダ配置部12に設けられた図示しないコネクタを介して制御装置10に電気的に接続された状態で、フィーダ配置部12に配置されている。これにより、各テープフィーダ11は、制御装置10からの制御信号に基づいて、リール11aからテープを送出するとともに、部品Eを供給するように構成されている。この際、各テープフィーダ11は、ヘッドユニット4の実装作業に応じて、部品Eを供給するように構成されている。
基板搬送部2は、基板Pを搬入し、搬送方向(X方向)に搬送し、搬出するように構成されている。また、基板搬送部2は、搬入された基板Pを基板保持ユニット3に受け渡すように構成されている。部品実装装置100では、基板搬送部2により、単一の搬送路が形成されている。
ここで、図1〜図3に示すように、基板Pは、載置部材90(治具)に保持された状態で、基板搬送部2により搬送される。載置部材90は、基板Pの搬送用の部材であって、板形状を有する。板形状を有する載置部材90には、上面(Z1側の面)に微粘着性の接着層が形成されている。載置部材90は、基板Pが接着層に接着されることにより、上面上に着脱可能に基板Pを保持して固定するように構成されている。また、載置部材90の下面(Z2側の面)には、基板保持ユニット3が保持するための単一の被保持部90aが設けられている。被保持部90aは、上面上に保持された基板Pの重心位置近傍に設けられている。被保持部90aは、載置部材90の下面から下方(Z2方向)に向けて突出するように形成されている。基板Pは、載置部材90を介して基板保持ユニット3により保持される。
基板搬送部2は、上流側搬送部21と、中央搬送部22と、下流側搬送部23とを含んでいる。
上流側搬送部21は、搬送方向(X方向)の上流側(X1側)に設けられた搬送部である。上流側搬送部21は、図示しない搬送路から実装前の基板Pを搬入するとともに、搬入された基板Pを中央搬送部22まで搬送するように構成されている。上流側搬送部21は、一対のコンベア部211を有している。上流側搬送部21は、一対のコンベア部211により、載置部材90の搬送方向と直交する方向(Y方向)の両端部を下方から支持することにより、搬送方向と直交する方向の両側から基板Pを支持しながら、搬送方向に基板Pを搬送するように構成されている。また、一対のコンベア部211は、搬送方向と直交する方向の間隔を調整可能に構成されている。具体的には、Y1側のコンベア部211が搬送方向と直交する方向に移動可能に構成されており、Y2側のコンベア部211が固定されている。これにより、基板Pの大きさ(Y方向の幅)に応じて、一対のコンベア部211の間の幅(Y方向の幅)を調整することが可能である。
中央搬送部22は、上流側搬送部21と下流側搬送部23との間に設けられた搬送部である。中央搬送部22は、実装前の基板Pを上流側搬送部21から受け取り、受け取った基板Pを下流側搬送部23まで搬送するように構成されている。また、中央搬送部22は、基板Pを基板保持ユニット3への受け渡し位置まで移動させるように構成されている。
中央搬送部22は、一対のコンベア部221を有している。中央搬送部22は、一対のコンベア部221により、載置部材90の搬送方向と直交する方向(Y方向)の両端部を下方から支持することにより、搬送方向と直交する方向の両側から基板Pを支持しながら、搬送方向に基板Pを搬送するように構成されている。また、一対のコンベア部221は、図示しない駆動モータにより、搬送方向と直交する方向に互いに独立して移動可能に構成されている。中央搬送部22は、一対のコンベア部221の間の幅(Y方向の幅)を維持しながら、一対のコンベア部221が搬送方向と直交する方向に移動されることにより、基板Pを搬送方向と直交する方向に移動するように構成されている。
部品実装装置100では、搬入された基板Pが、中央搬送部22の一対のコンベア部221により搬送方向(X方向)に移動(搬送)されて、搬送方向の所定位置に位置決めされる。その後、基板Pが、一対のコンベア部221により搬送方向と直交する方向に移動されることにより、搬送方向と直交する方向の所定位置に位置決めされる。これにより、部品実装装置100では、基板Pが、基板保持ユニット3に基板Pを受け渡すための受け渡し位置まで移動される。
下流側搬送部23は、搬送方向(X方向)の下流側(X2側)に設けられた搬送部である。下流側搬送部23は、実装後の基板Pを中央搬送部22から受け取り、図示しない搬送路に実装後の基板Pを搬出するように構成されている。下流側搬送部23は、一対のコンベア部231を有している。下流側搬送部23は、一対のコンベア部231により、載置部材90の搬送方向と直交する方向(Y方向)の両端部を下方から支持することにより、搬送方向と直交する方向の両側から基板Pを支持しながら、搬送方向に基板Pを搬送するように構成されている。また、一対のコンベア部231は、搬送方向と直交する方向の間隔を調整可能に構成されている。具体的には、Y1側のコンベア部231が搬送方向と直交する方向に移動可能に構成されており、Y2側のコンベア部231が固定されている。これにより、基板Pの大きさ(Y方向の幅)に応じて、一対のコンベア部231の間の幅(Y方向の幅)を調整することが可能である。
基板保持ユニット3は、受け渡し位置において基板搬送部2から基板Pを受け渡され、基板Pを保持するように構成されている。具体的には、基板保持ユニット3は、載置部材90を介して基板Pを保持するように構成されている。
また、基板保持ユニット3は、保持された基板Pを上下方向(Z方向)に移動させるように構成されている。また、基板保持ユニット3は、保持された基板Pを傾斜させる(水平方向の回転軸周りに回動させる)ように構成されている。また、基板保持ユニット3は、保持された基板Pを回転させる(上下方向の回転軸周りに回動させる)ように構成されている。言い換えると、基板保持ユニット3は、基板Pを上下方向に移動させ、傾斜させ、または回転させることにより、基板Pの姿勢を調整可能に構成されている。これにより、たとえば、基板Pの傾斜被作業面P2が水平面(XY平面)と略平行になるように、基板Pの姿勢を調整することが可能である。また、たとえば、基板Pの水平被作業面P1が水平面と略平行になるように、基板Pの姿勢を調整することが可能である。なお、基板保持ユニット3の詳細な構成は、後述する。
図1〜図3に示すように、基台1の中央部には、平面視で略矩形形状を有する開口部1aが設けられている。基台1の開口部1aには、基台1の上面(Z1側の面)から下方(Z2方向)に向けて凹む凹形状を有する収容部1bが取り付けられている。基板保持ユニット3は、少なくとも一部が収容部1b内に収容されるように配置されている。これにより、基板保持ユニット3は、少なくとも一部が基台1の上面よりも下方に配置されている。この結果、基板保持ユニット3を基台1の上面上に配置する場合に比べて、部品実装装置100が上下方向に大型化することを抑制することが可能である。
また、部品実装装置100は、基板保持ユニット3を他のユニットと取り換え可能に構成されている。具体的には、部品実装装置100は、基板保持ユニット3を、略平坦形状の基板を下側から支持する基板バックアップユニット(図示せず)と取り換え可能に構成されている。
部品実装装置100は、基板保持ユニット3が取り付けられている場合には、たとえば図3に示すような水平被作業面P1および傾斜被作業面P2を有する基板Pに部品Eを実装するのに適した装置になる。また、部品実装装置100は、基板バックアップユニットが取り付けられている場合には、略平坦形状を有する基板に部品Eを実装するのに適した装置になる。
図1および図2に示すように、ヘッドユニット4は、支持部5および一対のレール部6を介して、基台1の上方位置に設けられている。また、ヘッドユニット4は、基板搬送部2、基板保持ユニット3およびテープフィーダ11よりも上方(Z1方向)の位置に設けられており、水平方向に移動可能に構成されている。
ヘッドユニット4は、基板保持ユニット3が取り付けられている場合には、基板保持ユニット3により保持された状態の基板Pに部品Eの実装作業を行うように構成されている。また、ヘッドユニット4は、基板バックアップユニットが取り付けられている場合には、基板バックアップユニットにより支持された状態の基板に部品Eの実装作業を行うように構成されている。具体的には、ヘッドユニット4は、テープフィーダ11から供給される部品Eを吸着するとともに、吸着された部品Eを基板Pに実装するように構成されている。
図2に示すように、ヘッドユニット4には、複数(6つ)の実装ヘッド41と、実装ヘッド41毎に設けられた複数(6つ)のボールネジ軸42と、ボールネジ軸42毎に設けられた複数(6つ)のZ軸モータ43と、実装ヘッド41毎に設けられた複数(6つ)のR軸モータとが設けられている。
複数の実装ヘッド41は、搬送方向(X方向)に沿って直線状に配列されている。各実装ヘッド41の先端には、それぞれ、ノズル41a(図2および図3参照)が取り付けられている。実装ヘッド41は、図示しない負圧発生機によりノズル41aの先端部に発生された負圧によって、テープフィーダ11から供給される部品Eを吸着して保持することが可能に構成されている。
各ボールネジ軸42は、それぞれ、上下方向に延びるように形成されている。各Z軸モータ43は、それぞれ、対応するボールネジ軸42を回転させるように構成されている。また、各実装ヘッド41には、それぞれ、対応するボールネジ軸42に係合(螺合)されるボールナット41b(図3参照)が設けられている。実装ヘッド41は、Z軸モータ43によりボールネジ軸42が回転されることにより、ボールネジ軸42と係合(螺合)するボールナット41bとともに、ボールネジ軸42に沿って上下方向に移動可能に構成されている。これにより、実装ヘッド41は、部品Eの吸着や実装(装着)などを行うことが可能な下降した状態の高さ位置と、実装ヘッド41の水平方向の移動が可能な上昇した状態の高さ位置との間で上下方向に移動可能に構成されている。各R軸モータは、それぞれ、対応する実装ヘッド41をノズル41aの中心軸周り(Z方向の回転軸周り)に回転させるように構成されている。
支持部5は、ヘッドユニット4を搬送方向(X方向)に移動させるように構成されている。支持部5は、X方向に延びるボールネジ軸51と、ボールネジ軸51を回転させるX軸モータ52と、X方向に延びる図示しないガイドレールとを含んでいる。また、ヘッドユニット4には、ボールネジ軸51が係合(螺合)されるボールナット45(図3参照)が設けられている。ヘッドユニット4は、X軸モータ52によりボールネジ軸51が回転されることにより、ボールネジ軸51と係合(螺合)するボールナット45とともに、支持部5に沿って搬送方向(X方向)に移動可能に構成されている。
一対のレール部6は、共にY方向に延びるように形成されており、基台1のX方向の両端部において基台1上に固定されている。また、一対のレール部6は、支持部5を搬送方向と直交する方向(Y方向)に移動させるように構成されている。一対のレール部6は、共にY方向に延びる一対のボールネジ軸61と、ボールネジ軸61毎に設けられた複数(2つ)のY軸モータ62とを含んでいる。各Y軸モータ62は、それぞれ、対応するボールネジ軸61を回転させるように構成されている。また、支持部5には、ボールネジ軸61が係合(螺合)される図示しないボールナットが設けられている。支持部5は、各Y軸モータ62により各ボールネジ軸61が同期して回転されることにより、各ボールネジ軸61と係合(螺合)するボールナットとともに、一対のレール部6に沿って搬送方向と直交する方向(Y方向)に移動可能に構成されている。
このような構成により、ヘッドユニット4は、基台1上を水平方向(X方向およびY方向)に移動可能に構成されている。これにより、ヘッドユニット4は、たとえばテープフィーダ11の上方に移動して、テープフィーダ11から供給される部品Eを吸着することが可能である。また、ヘッドユニット4は、たとえば基板保持ユニット3に保持された状態の基板Pの上方に移動して、吸着された部品Eを基板Pに実装することが可能である。
部品認識カメラ7は、テープフィーダ11の近傍の基台1の上面上に固定されており、部品Eの実装に先立って実装ヘッド41のノズル41aに吸着された部品Eを撮像するように構成されている。部品認識カメラ7は、実装ヘッド41のノズル41aに吸着された部品Eを、下方(Z2方向)から撮像するように構成されている。この撮像結果は、制御装置10により取得される。制御装置10は、実装ヘッド41のノズル41aに吸着された部品Eの撮像結果に基づいて、下方から見た部品Eの吸着状態(回転姿勢および実装ヘッド41のノズル41aに対する吸着位置)を認識するように構成されている。また、制御装置10は、部品Eの吸着状態の認識結果に基づいて、部品Eの回転姿勢および実装時の部品実装位置座標位置(XY座標位置)を補正するように構成されている。
基板認識カメラ8は、部品Eの実装に先立って基板Pに付された位置認識マークを撮像するように構成されている。位置認識マークは、基板Pの位置を認識するためのマークである。この位置認識マークの撮像結果は、制御装置10により取得される。制御装置10は、位置認識マークの撮像結果に基づいて、基板保持ユニット3により保持された状態の基板Pの正確な位置および姿勢を認識するように構成されている。また、制御装置10は、基板Pの位置および姿勢の認識結果に基づいて、実装時の部品実装位置座標位置(XY座標位置)を補正するように構成されている。
また、基板認識カメラ8は、ヘッドユニット4に取り付けられている。具体的には、基板認識カメラ8は、ヘッドユニット4のY1側の側部において、X方向に並んだ実装ノズル配列の中央の位置に取り付けられている。これにより、基板認識カメラ8は、ヘッドユニット4とともに、基台1上を水平方向(X方向およびY方向)に移動可能に構成されている。また、基板認識カメラ8は、基台1上を水平方向に移動して、基板Pに付された位置認識マークを、基板Pの上方(Z1方向)から撮像するように構成されている。また、基板認識カメラ8は、基板保持ユニット3の後述する保持部34を撮影可能に構成されている。
高さ計測部9は、部品Eの実装に先立って基板Pにおける部品実装位置の高さ位置を計測するレーザ変位計により構成されている。高さ計測部9は、基板Pにおける部品実装位置にレーザ光を照射して、部品実装位置から反射された反射光を受光することにより、基板Pにおける部品実装位置の高さ位置を計測するように構成されている。この高さ位置の計測結果は、制御装置10により取得される。制御装置10は、高さ位置の計測結果に基づいて、基板Pにおける部品実装位置の高さ位置を認識するように構成されている。また、制御装置10は、基板Pにおける部品実装位置の高さ位置の認識結果に基づいて、実装時の実装ヘッド41の下降量を補正するように構成されている。
また、高さ計測部9は、ヘッドユニット4に取り付けられている。具体的には、高さ計測部9は、実装ヘッド42と基板認識カメラ8との間で、X方向に並んだ実装ノズル配列の略中央の位置に取り付けられている。これにより、高さ計測部9は、ヘッドユニット4とともに、基台1上を水平方向(X方向およびY方向)に移動可能に構成されている。また、高さ計測部9は、基台1上を水平方向に移動して、基板Pにおける部品実装位置の上方からレーザ光を照射するように構成されている。
制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などを含み、部品実装装置100の動作を制御するように構成されている。具体的には、制御装置10は、基板搬送部2、基板保持ユニット3、ヘッドユニット4、支持部5、一対のレール部6、部品認識カメラ7、基板認識カメラ8、高さ計測部9、およびテープフィーダ11などを予め記憶されたプログラムに従って制御して、基板Pに部品Eの実装を行うように構成されている。
(基板保持ユニットの構成)
次に、図4を参照して、基板保持ユニット3の詳細な構成について説明する。図4に示すように、基板保持ユニット3は、昇降機構部31と、傾斜機構部32と、回転機構部33と、保持部34と、固定部35とを含んでいる。なお、図1〜図3、図5、図7および図10では、図4に示す基板保持ユニット3を簡略化して図示している。
昇降機構部31は、上下方向に延びる軸線A1(一点鎖線により示す)に沿って、保持部34(基板P)を上下方向に移動させるための上下軸機構部である。昇降機構部31は、駆動モータ311と、ベルトプーリ機構部312と、ボールネジ軸313と、取付部314とを有している。
駆動モータ311は、ボールネジ軸313を回転させるための駆動力を発生するように構成されている。ベルトプーリ機構部312は、駆動モータ311により発生された駆動力(回転力)を、ボールネジ軸313に伝達するように構成されている。ボールネジ軸313は、ベルトプーリ機構部312を介して伝達された駆動モータ311の駆動力により、軸線A1周りに回転するように構成されている。なお、軸線A1は、ボールネジ軸313の中心を通る軸線である。
取付部314は、昇降機構部31に、傾斜機構部32、回転機構部33および保持部34を取り付けるための部材である。具体的には、取付部314のY1側には、傾斜機構部32が取り付けられている。また、傾斜機構部32のX2側には、回転機構部33および保持部34が取り付けられている。すなわち、取付部314に傾斜機構部32が取り付けられているとともに、傾斜機構部32を介して取付部314に回転機構部33および保持部34が取り付けられている。また、取付部314には、ボールネジ軸313と係合(螺合)されるボールナット314aが設けられている。
取付部314は、駆動モータ311によりボールネジ軸313が回転されることにより、ボールネジ軸313と係合(螺合)するボールナット314aとともに、ボールネジ軸313に沿って上下方向に移動可能に構成されている。これにより、昇降機構部31は、取付部314とともに、傾斜機構部32、回転機構部33、保持部34および保持部34に保持された基板Pを上下方向(Z方向)に移動させるように構成されている。なお、図4では、取付部314が下端に配置された状態を示している。
傾斜機構部32は、昇降機構部31に取り付けられており、軸線A2(一点鎖線により示す)周りに回転させることにより、保持部34により保持された基板Pを傾斜させるためのチルト軸回転機構部である。軸線A2は、水平方向に延びる軸線である。つまり、傾斜機構部32は、保持部34(基板P)を略水平面である部品実装装置100本体の基準面に対して傾斜させるように構成されている。本実施形態では、軸線A2は、搬送方向に略平行な方向に延びるチルト軸線であって、昇降機構部31に対する傾斜機構部32の取付方向(Y方向)および軸線A1に対して略直交する方向に延びる軸線である。また、軸線A2は、複数の実装ヘッド41の配列方向(X方向)と略平行な方向に延びる軸線である。また、傾斜機構部32は、駆動モータ321と、ベルトプーリ機構部322と、回転軸部323とを有している。
駆動モータ321は、回転軸部323を回転させるための駆動力を発生するように構成されている。また、駆動モータ321は、正回転(時計周りの回転)および逆回転(反時計周りの回転)が可能に構成されている。ベルトプーリ機構部322は、駆動モータ321により発生された駆動力(回転力)を、減速させて回転軸部323に伝達するように構成されている。回転軸部323は、ベルトプーリ機構部322を介して伝達された駆動モータ321の駆動力により、軸線A2周りに回転するように構成されている。なお、軸線A2は、回転軸部323中心を通る軸線である。
回転軸部323のX2側の端部には、回転機構部33および保持部34が取り付けられている。回転機構部33および保持部34は、駆動モータ321により回転軸部323が回転されることにより、回転軸部323とともに軸線A2周りに回転可能に構成されている。これにより、傾斜機構部32は、回転機構部33、保持部34および保持部34に保持された基板Pを軸線A2周りに回転させて、YZ平面内で傾斜させるように構成されている。
具体的には、傾斜機構部32は、後述する軸線A3が上下方向(Z方向)と略平行な状態を基準状態とした場合に、基準状態から搬送方向と直交するY1方向側またはY2方向側に、回転機構部33、保持部34および保持部34に保持された基板Pを傾斜させるように構成されている。この際、傾斜機構部32は、基準状態から搬送方向と直交するY1方向側またはY2方向側に、それぞれ、0度以上90度以下の角度範囲で、回転機構部33、保持部34および保持部34に保持された基板Pを傾斜可能に構成されている。
回転機構部33は、傾斜機構部32に取り付けられており、保持部34により保持された基板Pを軸線A3(一点鎖線により示す)周りに回転させるための回転軸機構部である。軸線A3は、軸線A2(チルト軸線)に対して略直交する方向に延びる軸線である。つまり、回転機構部33は、保持部34(基板P)が傾斜機構部32により傾斜された傾斜面と略直交する回転軸周りに保持部34(基板P)を回転させるように構成されている。また、軸線A3は、保持部34中心を通る軸線であって、傾斜機構部32により回転機構部33および保持部34が傾斜されるのとともに、傾斜される。また、回転機構部33は、駆動モータ331と、ベルトプーリ機構部332とを有している。
駆動モータ331は、保持部34を回転させるための駆動力を発生するように構成されている。また、駆動モータ331は、正回転(時計周りの回転)および逆回転(反時計周りの回転)が可能に構成されている。ベルトプーリ機構部332は、駆動モータ331により発生された駆動力(回転力)を、減速させて保持部34に伝達するように構成されている。保持部34は、ベルトプーリ機構部332を介して伝達された駆動モータ331の駆動力により、軸線A3周りに回転するように構成されている。これにより、回転機構部33は、保持部34とともに、保持部34に保持された基板Pを軸線A3周りに回転させるように構成されている。
保持部34は、回転機構部33に取り付けられており、載置部材90を介して基板Pを保持して固定するように構成されている。保持部34は、円柱形状を有する本体部341と、複数(3つ)の爪部342とを有している。複数(3つ)の爪部342は、本体部341の上面上に等角度間隔(120度間隔)で配置されている。また、複数の爪部342は、それぞれ、保持部34の回転の半径方向に移動可能に構成されている。また、図8に示すように、保持部34の上面(Z1側の面)には、マーク343が設けられている。つまり、保持部34の基板認識カメラ8により撮影される部分には、基板認識カメラ8により認識されるマーク343が設けられている。また、マーク343は、爪部342の間に等角度間隔に配置されている。なお、マーク343は、請求の範囲の「位置認識部」の一例である。
複数の爪部342は、載置部材90の被保持部90a(図2および図3参照)を保持する場合には、それぞれ、本体部341の上面上で保持部34の回転中心に向かう半径方向(すなわち、軸線A3に向かう方向)に移動する。この結果、複数の爪部342により載置部材90の被保持部90aが把持されるとともに、載置部材90を介して基板Pが基板保持ユニット3により保持して固定される。
また、載置部材90の被保持部90aの保持を解除する場合には、複数の爪部342は、それぞれ、本体部341の上面上で保持部34の回転中心から離間する半径方向(すなわち、軸線A3から離間する方向)に移動する。この結果、複数の爪部342による載置部材90の被保持部90aの把持が解除されるとともに、基板保持ユニット3による載置部材90を介した基板Pの保持が解除される。
固定部35は、基板保持ユニット3を基台1に取り付けて固定するための部材である。基板保持ユニット3は、図1〜図3に示すように、固定部35を介して、たとえばネジなどにより基台1に固定される。
ここで、本実施形態では、部品実装装置100は、部品実装装置100本体の基準面に対する傾斜機構部32の傾斜角度に基づいて、傾斜機構部32の傾斜角度(チルト角度)のキャリブレーションが行われるように構成されている。具体的には、高さ計測部9により部品実装装置100本体の基準面に対する傾斜機構部32(保持部34)の傾斜角度が測定される。そして、高さ計測部9の測定結果に基づいて、傾斜機構部32の傾斜角度のキャリブレーションが行われるように構成されている。詳しくは、図5に示すように、高さ計測部9により保持部34の複数の位置における高さ計測部9との距離が測定されて、部品実装装置100本体の基準面に対する傾斜機構部32の傾斜角度が測定されるように構成されている。
また、本実施形態では、部品実装装置100は、回転機構部33(保持部34)の基準回転角度に対する回転機構部33の回転角度に基づいて、回転機構部33の回転角度のキャリブレーションが行われるように構成されている。具体的には、基板認識カメラ8により保持部34の上面(Z1側の面)が撮像されて、複数のマーク343が認識される。そして、複数のマーク343の認識結果に基づいて、回転機構部33の回転角度のキャリブレーションが行われるように構成されている。
また、本実施形態では、部品実装装置100は、保持部34の回転中心位置が測定されて、基板保持ユニット3の平面位置(XY位置)のキャリブレーションが行われるように構成されている。また、部品実装装置100は、保持部34の上下方向(Z方向)の複数の高さ位置に対する保持部34の回転中心位置が測定されて、昇降機構部31の上下方向(Z方向)の軸線のキャリブレーションが行われるように構成されている。詳細には、基板認識カメラ8により保持部34の上面(Z1側の面)が撮像されて、複数のマーク343が認識される。そして、複数のマーク343の認識結果に基づいて、保持部34の回転中心位置が測定される。保持部34の回転中心位置の測定結果に基づいて、昇降機構部31のキャリブレーションが行われるように構成されている。
また、本実施形態では、部品実装装置100は、基板保持ユニット3(昇降機構部31、傾斜機構部32および回転機構部33)の少なくとも傾斜角度のキャリブレーションを含むキャリブレーションが定期的に行われるように構成されている。たとえば、所定の時間毎、稼働時間毎、または、基板Pの生産(実装)枚数毎に、基板保持ユニット3(昇降機構部31、傾斜機構部32および回転機構部33)のキャリブレーションが行われる。
(傾斜角キャリブレーション処理)
図5および図6を参照して、傾斜角キャリブレーション処理について説明する。傾斜角キャリブレーション処理は、制御装置10により行われる。
図6のステップS1において、高さ計測部9を保持部34の高さ計測位置に水平移動(XY方向に移動)させる。ステップS2において、基板保持ユニット3を保持部34の高さ計測位置に上下移動(Z方向に移動)させる。また、この際、保持部34の傾斜角度(チルト角度)を基板保持ユニット3の0点(初期位置)に回動させる。
ステップS3において、図5に示すように、保持部34の上面の複数の箇所の高さが計測されて、保持部34の上面の傾き角度が算出される。具体的には、高さ計測部9が位置される上記複数の箇所の間の水平方向の移動距離と、この複数の箇所におけるそれぞれの測定された高さとに基づいて、保持部34の上面の傾き角度が算出される。つまり、高さ計測部9は水平移動するヘッドユニット4に設けられており、略水平な部品実装装置100本体の基準面に平行に移動して計測位置に位置決めされるので、部品実装装置100本体の基準面に対する保持部34の上面の傾き角度の算出ができるものである。
図6のステップS4において、算出した保持部34の上面の傾き角度に基づいて、保持部34の上面が水平になるようにチルト角(傾斜角)を補正して回動させる。たとえば、水平面に対してθだけ傾いていた場合、−θ回動させる。ステップS5において、図5に示すように、保持部34の上面の複数の箇所の高さが計測されて、保持部34の上面の傾き角度が算出される。
図6のステップS6において、算出された傾き角度が公差の範囲以内であるか否かが判断される。傾き角度が公差の範囲外であればステップS4に戻る。傾き角度が公差の範囲以内であれば、現在の保持部34の傾斜角度(チルト角度)を基板保持ユニット3の0点(初期位置)として、傾斜角キャリブレーション処理が終了される。
(回転角キャリブレーション処理)
図7〜図9を参照して、回転角キャリブレーション処理について説明する。回転角キャリブレーション処理は、制御装置10により行われる。
図9のステップS11において、基板認識カメラ8を保持部34のマーク343(図8参照)計測位置(撮影位置)に水平移動(XY方向に移動)させる。ステップS12において、基板保持ユニット3を保持部34のマーク343計測位置に上下移動(Z方向に移動)させる。また、この際、保持部34の回転角度を基板保持ユニット3の0点(初期位置)に回動させる。
ステップS13において、図7に示すように、保持部34の上面の複数のマーク343が計測(撮影)されて、保持部34の回転角度が算出される。具体的には、複数のマーク343の位置が認識されて、保持部34の基準回転角度に対する回転角度が算出される。たとえば、図8に示すように、保持部34のX2方向に対する、基準回転角度からの回転角度Δαが算出される。
図9のステップS14において、算出した保持部34の回転角度に基づいて、保持部34が基準回転角度になるように回転角度を補正して回動させる。たとえば、X2方向に対してΔαだけ回転していた場合、−Δα回動させる。ステップS15において、図7に示すように、保持部34の上面の複数のマーク343が計測されて、保持部34の回転角度が算出される。
図9のステップS16において、算出された回転角度が公差の範囲以内であるか否かが判断される。回転角度が公差の範囲外であればステップS14に戻る。回転角度が公差の範囲以内であれば、現在の保持部34の回転角度を基板保持ユニット3の0点(初期位置)として、回転角キャリブレーション処理が終了される。
(昇降機構部キャリブレーション処理)
図10〜図13を参照して、昇降機構部キャリブレーション処理について説明する。昇降機構部キャリブレーション処理は、制御装置10により行われる。
図12のステップS21において、基板認識カメラ8を保持部34のマーク343(図8参照)計測位置(撮影位置)に水平移動(XY方向に移動)させる。ステップS22において、基板保持ユニット3を保持部34のマーク343計測位置に上下移動(Z方向に移動)させる。この際、図10に示す第1高さ位置に、保持部34が移動される。
ステップS23において、図11および図13に示すように、保持部34の回転中心算出処理が行われる。なお、詳細については、後述する。
図12のステップS24において、算出した保持部34の回転中心位置がマシンパラメータとして記憶される。ステップS25において、基板保持ユニット3を保持部34のマーク343計測位置に上下移動(Z方向に移動)させる。この際、図10に示す第2高さ位置に、保持部34が移動される。
ステップS26において、図11および図13に示すように、保持部34の回転中心算出処理が行われる。図12のステップS27において、算出した保持部34の回転中心位置がマシンパラメータとして記憶される。
ステップS28において、基板保持ユニット3を保持部34のマーク343計測位置に上下移動(Z方向に移動)させる。この際、図10に示す第3高さ位置に、保持部34が移動される。ステップS29において、図11および図13に示すように、保持部34の回転中心算出処理が行われる。図12のステップS30において、算出した保持部34の回転中心位置がマシンパラメータとして記憶される。その後、昇降機構部キャリブレーション処理が終了される。
上記のように、複数の高さ位置において、保持部34の回転中心位置を測定することにより、昇降機構部31の上下方向に対する駆動軸の傾きを取得することが可能である。これにより、保持部34の高さ位置(Z方向の位置)に基づいて水平方向(XY方向)の誤差を算出することができるので、水平方向の位置を補正することにより、精度よく部品Eを基板Pに実装することが可能である。
図13を参照して、図12のステップS23、ステップS26およびステップS29の保持部の回転中心算出処理について説明する。
図13のステップS31において、保持部34を基準回転角度位置(0度)に回動させる。ステップS32において、図10に示すように、保持部34の上面の複数のマーク343が計測(撮影)される。図13のステップS33において、図11に示すように、基準回転角度位置(0度)における保持部34の中心位置が計測される。具体的には、複数のマーク343の位置が認識されて、保持部34の中心位置が算出される。
図13のステップS34において、保持部34を基準回転角度位置+90度に回動させる。ステップS35において、図10に示すように、保持部34の上面の複数のマーク343が計測(撮影)される。図13のステップS36において、図11に示すように、基準回転角度位置+90度における保持部34の中心位置が計測される。
図13のステップS37において、保持部34を基準回転角度位置+180度に回動させる。ステップS38において、図10に示すように、保持部34の上面の複数のマーク343が計測(撮影)される。図13のステップS39において、図11に示すように、基準回転角度位置+180度における保持部34の中心位置が計測される。
図13のステップS40において、保持部34を基準回転角度位置+270度に回動させる。ステップS41において、図10に示すように、保持部34の上面の複数のマーク343が計測(撮影)される。図13のステップS42において、図11に示すように、基準回転角度位置+270度における保持部34の中心位置が計測される。
図13のステップS43において、図11に示すように、4つの角度位置(0度、90度、180度、270度)における保持部34の中心位置に基づいて、保持部34の回転中心位置が算出される。たとえば、4つの角度位置の保持部34の中心位置の中心点(重心点または外接円の中心点)が保持部34の回転中心位置として算出される。
(部品実装処理)
次に、図14を参照して、基板Pに対する部品Eの実装処理について説明する。実装処理は、制御装置10により行われる。
図14のステップS51において、基板Pが貼り付けられた治具(載置部材90)が保持部34により把持される。ステップS52において、ヘッドユニット4の実装ヘッド41により、テープフィーダ11から供給される部品Eが吸着される。
ステップS53において、基板保持ユニット3を駆動して、実装作業が行われる基板Pの装着面(水平被作業面P1または傾斜被作業面P2)が水平面(XY平面)と略平行にされる。具体的には、ステップS53では、基板保持ユニット3の保持部34に保持された基板Pが、昇降機構部31により上下方向に移動され、傾斜機構部32により傾斜され、または回転機構部33により回転される。これにより、実装作業が行われる基板Pの装着面(水平被作業面P1または傾斜被作業面P2)が水平面(XY平面)と略平行にされる。なお、基板Pの被作業面が既に水平面と略平行である場合には、ステップS53の処理は行う必要はない。
ステップS54において、部品Eを吸着した実装ヘッド42が水平移動可能な上昇した状態の高さ位置まで上昇される。ステップS55において、高さ計測部9を高さ計測位置まで水平移動(XY移動)させる。具体的には、高さ計測部9が配置されたヘッドユニット4が水平方向に移動される。
ステップS56において、高さ計測部9により、部品装着高さが計測される。具体的には、ステップS56では、高さ計測部9により、実装作業が行われる基板Pの装着面(水平被作業面P1または傾斜被作業面P2)の部品実装位置の高さ位置が計測される。
ステップS57において、実装ヘッド41が部品実装位置の上方位置に水平移動される。ステップS58において、実装ヘッド41により基板Pの部品実装位置に部品Eが実装される。その後、基板Pに予定された全ての部品Eの実装が終了するまで、ステップS52〜S58の処理が適宜行われる。その後、部品実装処理が終了される。
(実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、部品実装装置100本体の基準面に対する傾斜機構部32の傾斜角度に基づいて、傾斜機構部32の傾斜角度のキャリブレーションが行われるように構成する。これにより、保持部34および傾斜機構部32を含む基板保持ユニット3の組み立て誤差や、部品実装装置100への組み付け誤差などに起因する傾斜機構部32の傾斜角度の誤差が補正されるので、保持部34を基準面に対して精度よく傾斜させることができる。また、基板Pを作業位置に傾斜移動させる場合の基準位置をキャリブレーションにより精度よく設定することができる。その結果、基板Pを保持する保持部34を基準面に対して傾斜させて作業を行う場合でも基板Pに対して精度よく作業を行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、高さ計測部9の測定結果に基づいて、傾斜機構部32の傾斜角度のキャリブレーションが行われるように構成する。これにより、部品実装装置100本体の基準面に対する傾斜機構部32の傾斜角度を容易に測定することができるので、傾斜機構部32の傾斜角度のキャリブレーションを容易に行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、高さ計測部9により保持部34の複数の位置における高さ計測部9との距離が測定されて、保持部34の基準面に対する傾斜角度が測定されるように構成する。これにより、保持部34の複数の位置と高さ計測部9との距離の差を測定することができるので、保持部34の基準面に対する傾斜角度を容易に測定することができる。
また、本実施形態では、上記のように、部品実装装置100本体の基準面を、略水平面にする。これにより、略水平面を基準として保持部34を傾斜するように傾斜機構部32の傾斜角度をキャリブレーションすることができる。
また、本実施形態では、上記のように、回転機構部33の基準回転角度に対する回転機構部33の回転角度に基づいて、回転機構部33の回転角度のキャリブレーションが行われるように構成する。これにより、保持部34および回転機構部33を含む基板保持ユニット3の組み立て誤差や、部品実装装置100への組み付け誤差などに起因する回転機構部33の回転角度の誤差がキャリブレーションにより補正されるので、保持部34を基準回転角度に対して精度よく回転させることができる。その結果、基板Pを保持する保持部34を回転させて作業を行う場合でも基板Pに対して精度よく作業を行うことができる。また、複数の爪部342の回転角度位置を載置部材90の被保持部90aが把持される位置に正確に合せることができるので、爪部342で確実に載置部材90の被保持部90aを把持することができる。
また、本実施形態では、上記のように、保持部34の回転中心位置が測定されて、基板保持ユニット3の平面位置のキャリブレーションが行われるように構成する。これにより、保持部34の回転中心位置の測定により、基板保持ユニット3の駆動の基準となる平面位置の誤差を容易に測定することができるので、基板保持ユニット3を補正して精度よく駆動させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、保持部34の上下方向(Z方向)の複数の高さ位置に対する保持部34の回転中心位置が測定されて、昇降機構部31の上下方向の軸線のキャリブレーションが行われるように構成する。これにより、保持部34および昇降機構部31を含む基板保持ユニット3の組み立て誤差や、部品実装装置100への組み付け誤差などに起因する昇降機構部31の上下方向の軸線の誤差がキャリブレーションにより補正されるので、基板Pを保持する保持部34を昇降させて作業を行う場合でも基板Pに対して精度よく作業を行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、基板認識カメラ8の撮影結果に基づいて、基板保持ユニット3のキャリブレーションが行われるように構成する。これにより、基板認識カメラ8の撮影結果に基づいて、基板保持ユニット3の駆動の基準となる平面位置の誤差を容易に測定することができるので、基板保持ユニット3を補正して精度よく駆動させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、基板認識カメラ8により保持部34の複数のマーク343が撮像されて、認識されることにより、基板保持ユニット3の平面位置のキャリブレーションが行われるように構成する。これにより、保持部34の複数のマーク343を認識することにより、基板保持ユニット3の駆動状態を容易に認識することができる。
また、本実施形態では、上記のように、基板保持ユニット3の少なくとも傾斜角度のキャリブレーションを含むキャリブレーションが定期的に行われるように構成する。これにより、基板保持ユニット3の駆動により誤差が生じた場合でも、少なくとも傾斜角度のキャリブレーションを含むキャリブレーションが定期的に行われるので、基板Pに対して常に精度よく作業を行うことができる。
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、被実装物に部品を実装する作業を行う部品実装装置を本発明の被実装物作業装置に適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、部品実装装置以外の被実装物作業装置に適用されてもよい。
たとえば、本発明は、被実装物にはんだなどの粘性材を塗布する作業を行う粘性材塗布装置としての被実装物作業装置に適用されてもよい。この場合、上記実施形態のヘッドユニットの代わりに、被実装物に粘性材を塗布するための粘性材塗布ユニットを粘性材塗布装置に設ける。そして、被実装物保持ユニットにより保持された被実装物を傾斜させて、粘性材塗布ユニットにより被実装物に粘性材を塗布する作業を行うようにすればよい。この場合、粘性材塗布ユニットは、請求の範囲の「作業部」の一例である。
また、本発明は、被実装物上のはんだなどの粘性材をリフローさせる作業を行うリフロー装置としての被実装物作業装置に適用されてもよい。この場合、上記実施形態のヘッドユニットの代わりに、被実装物上の粘性材をリフローさせるためにレーザ光を照射するレーザ光照射ユニットをリフロー装置に設ける。そして、被実装物保持ユニットにより保持された被実装物を傾斜させて、レーザ光照射ユニットによりレーザ光を照射して被実装物上の粘性材をリフローさせる作業を行うようにすればよい。この場合、レーザ光照射ユニットは、請求の範囲の「作業部」の一例である。
また、本発明は、可視光や、赤外光、X線などを用いて被実装物を検査する作業を行う被実装物検査装置としての被実装物作業装置に適用されてもよい。この場合、上記実施形態のヘッドユニットの代わりに、可視光や、赤外光、X線などを被実装物に照射して撮影する検査ユニットを被実装物検査装置に設ける。そして、被実装物保持ユニットにより保持された被実装物を傾斜させて、検査ユニットにより可視光や、赤外光、X線などを照射して被実装物を撮影して検査する作業を行うようにすればよい。この場合、検査ユニットは、請求の範囲の「作業部」の一例である。
また、上記実施形態では、基板(被実装物)が、平坦な被作業面(水平被作業面および傾斜被作業面)を有した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、被実装物が、平坦でない被作業面(曲面としての被作業面)を有していてもよい。また、平坦な被作業面と、平坦でない被作業面との両方を有していてもよい。
また、上記実施形態では、保持部を傾斜させる基準面を略水平面とした例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、保持部を傾斜させる基準面を略水平面以外にしてもよい。たとえば、基準面を鉛直面としてもよい。
また、上記実施形態では、傾斜機構部により回転機構部が支持されている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、回転機構部により傾斜機構部が支持されていてもよい。また、昇降機構部により傾斜機構部および回転機構部が支持された例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、傾斜機構部および回転機構部により昇降機構部が支持されていてもよい。
また、上記実施形態では、基板(被実装物)が、載置部材を介して基板搬送部により搬送され、基板保持ユニット(被実装物保持ユニット)により保持された例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、搬送可能であれば、被実装物が、基板搬送部により直接的に搬送されてもよい。また、本発明では、保持可能であれば、被実装物が、被実装物保持ユニットにより直接的に保持されてもよい。
また、上記実施形態では、基板保持ユニット(被実装物保持ユニット)により保持された状態で、基板(被実装物)の水平被作業面および傾斜被作業面の両方に対して実装作業が行われた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、被実装物保持ユニットにより保持された状態で、被実装物の水平被作業面および傾斜被作業面の両方に対して実装作業が行われなくともよい。たとえば、被実装物保持ユニットにより保持された状態で、被実装物の傾斜被作業面に対してのみ実装作業が行われてもよい。
また、上記実施形態では、把持することにより、基板(被実装物)を保持するように基板保持ユニット(被実装物保持ユニット)が構成された例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、把持以外の方法により、被実装物を保持するように被実装物保持ユニットが構成されてもよい。たとえば、負圧により被実装物を吸着することにより、被実装物を保持するように被実装物保持ユニットが構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、部品実装装置(被実装物作業装置)が、基板保持ユニット(被実装物保持ユニット)と、基板バックアップユニットとを取り換え可能に構成された例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、被実装物作業装置が、被実装物保持ユニットと、基板バックアップユニット以外のユニットとを取り換え可能に構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、基台の一方側(Y2側)の端部にのみ、フィーダ配置部が設けられるとともに、テープフィーダが配置された例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、基台の両側(Y方向の両側)の端部に、フィーダ配置部がそれぞれ設けられるとともに、テープフィーダがそれぞれ配置されていてもよい。
また、上記実施形態では、1つのレーンに沿って、基板(被実装物)が搬送されて作業が行われる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、2つ以上のレーンに沿って、被実装物が搬送されて作業が行わる構成であってもよい。
また、上記実施形態では、保持部のマークを設けて位置認識部とした例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、保持部の特徴点(たとえば、爪部など)を位置認識部としてもよい。
また、上記実施形態では、基板保持ユニット(被実装物保持ユニット)のキャリブレーション処理を部品実装装置(被実装物作業装置)に設けられた制御装置により行う構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、被実装物保持ユニットのキャリブレーション処理を被実装物作業装置の外部に設けられた制御装置により行ってもよい。
また、上記実施形態では、昇降機構部のキャリブレーションを行う際に、3つの高さ位置において、保持部の回転中心を算出する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、昇降機構部のキャリブレーションを行う際に、2つまたは4つ以上の高さ位置において、保持部の回転中心を算出してもよい。
また、上記実施形態では、昇降機構部のキャリブレーションを行う際に、保持部の4つの回転位置に基づいて保持部の回転中心を算出する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、保持部の2、3または5以上の回転位置に基づいて保持部の回転中心を算出してもよい。
また、上記実施形態では、被実装物として基板を用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、部品が実装される被実装物として基板以外を用いてもよい。
また、上記実施形態では、高さ計測部(測定部)がレーザ変位計により構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、高さを計測する測定部をレーザ変位計以外により構成してもよい。たとえば、測定部をステレオカメラにより構成して高さを計測してもよい。
上記実施形態では、説明の便宜上、制御装置の処理動作を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御装置の処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。