<実施形態1>
1.ワーク処理装置の説明
図1はワーク処理装置の平面図、図2はワーク処理装置の正面図、図3はワーク処理装置の側面図である。ワーク処理装置1は、立体形状をしたワーク200に対して、所定処理を行う装置である。立体形状をしたワーク200としては、例えば、ヘッドランプや補聴器などを例示することが出来る。所定処理は、ワーク200に対して半田ペーストを塗布する塗布処理や、電子部品5を搭載する実装処理である。
尚、以下の説明において、図1の左右方向(ワーク200の搬送方向)をX方向、図1の上下方向(ワーク200の搬送方向に対して直交する方向)をY方向とする。また、図2、3の上下方向(鉛直方向)をZ方向とする。
また、本明細書において、ワーク200は、「塗布処理や実装処理などの所定処理が行われる対象物」を指す。
ワーク処理装置1は、基台10と、ロボット20と、ヘッドユニット70と、ヘッドユニット70を基台10上において平面方向(XY方向)に移動させる移動装置80と、ワーク200を固定するベース100と、コントローラ150を含む。
図1に示すように、ロボット20は基台10上に固定されている。ロボット20は、図4に示すように、ロボット本体30と、ロボット本体30に取り付けられたクランプ装置50とを含む。クランプ装置50は、ワーク200を固定したベース100をクランプして保持する装置である。クランプ装置50は、ロボットハンドである。
ロボット20は、ワーク200をハンドリングして、ワーク200の向きや高さを調整する。具体的には、ヘッドユニット70による各処理(塗布処理、実装処理)が出来るように、ベース100を介してクランプ装置50に保持されたワーク200の処理面の向き、Z方向の位置(高さ)の調整を行う。尚、処理面とは、塗布処理や実装処理を行う面である。
ロボット本体30は、図4~図6に示すように、支柱31と、支柱31に沿ってZ方向にスライドするスライド部33と、モータM1を有している。支柱31には、Z方向に沿って、ボールねじ軸Lzが取り付けられている。ボールねじ軸Lzは、スライド部33に取り付けられたナットと共に、ボールねじ機構を構成している。モータM1は、ボールねじ機構の動力源であり、ベルト35を介してボールねじ軸Lzに連結されている。そのため、モータM1を駆動してボールねじ軸Lzを回転させると、ボールねじ機構の作用により、スライド部33が支柱31に沿ってZ方向にスライドすることが出来る。
また、ロボット本体30は、第1回転軸Ls1と、第1回転軸Ls1の先端に取り付けられた回転板41と、モータM2を有している。第1回転軸Ls1は、軸線が水平方向に沿った水平軸であり、スライド部33に固定されたプレート40に対して、軸受け37を介して回転可能に支持されている。モータM2のモータ軸は、ベルト38を介して第1回転軸Ls1に連結されている。そのため、モータM2を駆動させると、第1回転軸Ls1が回転し、回転板41が第1回転軸Ls1を中心に、S1方向に回転する。S1方向への回転を、チルトと呼ぶ。
またロボット本体30は、第2回転軸Ls2と、モータM3を有している。第2回転軸Ls2は、チルト角がゼロ度の状態で、鉛直な鉛直軸(Z方向の直線軸)であり、回転板41に対して軸受け43を介して回転可能に支持されている。第2回転軸Ls2の先端には、クランプ装置50が取り付けられている。モータM3のモータ軸はベルト45を介して第2回転軸Ls2に連結されている。そのため、モータM3を駆動させると、第2回転軸Ls2が回転し、クランプ装置50が第2回転軸Ls2を中心にS2方向に回転する。
上記のように、ロボット本体30は3つの駆動軸Lz、Ls1、Ls2を備えており、Z方向(上下方向)への移動と、S1方向及びS2方向への回転の3つの自由度を有している。そして、各モータM1~3を駆動させることで、クランプ装置50に対して、以下(1)~(3)の動きを独立又は複合的に行わせることが出来る。尚、自由度とは、ロボット1の運動の融通性を表す尺度であり、独立して行うことが出来る運動の数を意味する。一般に、駆動軸の数が、自由度の数となる。また、ハンドリングとは、処理対象のワーク200をクランプして移動したり、処理面の向きを変えたりすることである。
(1)Z方向への直線移動
(2)S1方向への回転(チルト)
(3)S2方向への回転
ベース100は、図7に示すように、ワーク200を固定するための固定部材であり、本例では、円盤形状をしている。図8は、ベース100を下方から見た図であり、ベース100の下面には、リング部材120が取り付けられている。
リング部材120は、ベース100の下面に、溶接等により固定されている。リング部材120は、環状(リング形状)である。リング部材120の内面121には、周方向の3等配の位置(すなわち120°間隔)に、溝部125A、125B、125Cを有している。
図5はクランプ装置50の斜視図、図9はクランプ装置の平面図、図10はクランプ装置50の断面図である。クランプ装置50は、空圧式であり、図5、図10に示すように、筒状をしたシリンダ本体51と、ピストン53と、結合部材54と、カム55と、可動部材61A~61Cと、ロック部材65A~65Cとを備える。
ピストン53は、シリンダ本体51の内部に位置している。シリンダ本体51の内部空間は、ピストン53により、2つの空気室F1、F2に区画されている。シリンダ本体51には、各空気室F1、F2に連通して、エアの供給経路Q1、Q2が設けられている。
カム55は、シリンダ本体51の軸線Lo上に位置している。尚、シリンダ本体51の軸線Loは、第2回転軸Ls2と一致する。カム55は、シリンダ本体51の上部壁52を貫通して上方に突出している。カム55は、結合部材54を介してピストン53に固定されている。
シリンダ本体51の2つの空気室F1、F2に供給経路Q1、Q2を通じて、エアを交互に供給することで、ピストン53及びカム55を、シリンダ本体51の軸線Loに沿った軸方向Lvに往復移動することが出来る。
カム55は、ピストン53の軸方向Lvの運動を利用して、ロック部材65A~65Cをシリンダ本体51の径方向Lrに変位させる機能を果たす。径方向Lrとは、シリンダ本体51の中心に接近する方向及び中心から拡がる方向である。
可動部材61A~61Cは、シリンダ本体51の上部であって、周方向の3等配の位置に配置されている。可動部材61は、径方向Lrに長いブロック状であり、シリンダ本体51に設けられたガイド溝59に沿って、シリンダ本体51の径方向Lrに移動可能である。
また、周方向の3等配の位置に配置された各可動部材61A、61B、61Cには、その上面に重ねてロック部材65A、65B、65Cが取り付けられている。
ロック部材65A、65B、65Cは、リング部材120の溝部125A、125B、125Cと対応している。
ロック部材65A、65B、65Cは、L字型に屈曲しており、先端部に爪部67を有している。
ロック部材65A、65B、65Cの爪部67は、リング部材120の各溝部125A、125B、125Cに嵌合可能である。尚、嵌合時における、溝部125A~125Cに対する爪部67の隙間は、周方向のたつきを抑えるため、小さいことが好ましい。
図10は、クランプ装置50のクランプ解放状態を示している。この状態では、ロック部材65Aの爪部67は、リング部材120の内面121よりも中心側(図10の左側)に位置しており、溝部125Aに対して非嵌合である。
図10の状態から、シリンダ本体51に供給経路Q2よりエアを供給して、カム55を突出方向(図10の上方向)に変位させると、可動部材61Aは、カム55の先端部に形成された作用部56Aの外面57を介して、径方向Lrの外向きに押される(図10の右方向)。これにより、ロック部材65Aは、径方向Lrの外向きに移動する。
ロック部材65Aが、図10に示す解放位置Kから、図11に示すロック位置Jに至ると、爪部67は、リング部材120の内面121に設けられた溝部125Aに対して嵌合して係止する。また同様に、ロック部材65Bの爪部67は、リング部材120の溝部125Bに嵌合して係止し、ロック部材65Cの爪部67は、リング部材120の溝部125Cに嵌合して係止する。
このように、エアの圧力を利用して、ロック部材65A~65Cが径方向Lrの外側に拡がるように変位し、各ロック部材65A~65Cの爪部67が、リング部材120の各溝部125A~125Cに嵌合して係止する。これにより、リング部材120は、内面121の3等配の位置を、3つのロック部材65A~65により、径方向Lrの外向きに押される状態となる。
以上により、リング部材120及びベース100全体を、クランプして保持することが出来る。そして、エアの圧力を保持することで、クランプした状態を保持できる。尚、クランプ状態において、ベース中心O1は第2回転軸Ls2とほぼ一致する。
ロボット本体30のモータM3を駆動し、第2回転軸Ls2を回転させることにより、クランプ装置50及びベース100をベース中心O1周りの回転させることが出来る。
ロボット20は、ワーク200に対して塗布処理や実装処理等の作業を行う前に、モータM2やモータM3を駆動して、処理面が移載ヘッド73~75や塗布ヘッド77と対向するように(処理面が上方を向き、かつ水平になるように)、ベース100に固定されたワーク200の向きを調整する。具体的には、Ls1軸を中心とするS1方向の角度、Ls2軸を中心とするS2方向の角度を調整する。
また、モータM1を駆動して、ワーク200の処理面がZ方向(上下方向)で所定高さとなるように、ベース100を介してクランプ装置50に固定されたワーク200のZ方向の位置を調整する。
ワーク処理装置1は、ヘッドユニット70と、ヘッドユニット70を基台10上において平面方向(XY方向)に移動させる移動装置80と、を含む。
ヘッドユニット70は、図2に示すように、ユニット本体71と、3本の移載ヘッド73~75と、塗布ヘッド77とを備えている。移載ヘッド73~75は、先端に負圧を生じさせることで、電子部品5を保持することが出来る。塗布ヘッド77は、先端に吐出孔を有しており、半田ペーストや、接着剤等を吐出する。
移載ヘッド73~75と、塗布ヘッド77は、ユニット本体71に対してX方向に並んで取り付けられている。移載ヘッド73~75及び塗布ヘッド77は、モータM6を駆動させることで、ユニット本体71に対して、Z方向に移動することが出来る。
また、ヘッドユニット70には、ワーク認識カメラ79Aとレーザ変位センサ79Bが搭載されている。ワーク認識カメラ79Aは、ヘッドユニット71のうち図3の右側の側面において、撮影面を下方に向けている。
ワーク認識カメラ79Aは、クランプ装置50によってロボット20に保持されたワーク200を画像認識するために設けられている。画像認識結果はワーク200の位置検出に用いられる。検出したワーク200の位置を基準として、ワーク200に対する電子部品5の実装位置や半田ペーストの塗布位置等が決められる。
レーザ変位センサ79Bは、ヘッドユニット71のうち図3の左側の側面において、検出面を下方に向けている。レーザ変位センサ79Bは、反射型のセンサである。レーザ変位センサ79Bは、クランプ装置50によって保持されたベース100のベース上面101の高さを計測するために設けられている。また、それ以外に、ワーク処理面の高さを計測することも出来る。
尚、移載ヘッド73~75は、本発明の「処理ヘッド」の一例である。また、塗布ヘッド77は、本発明の「処理ヘッド」の一例である。また、ワーク認識カメラ79Aは、本発明の「検出部」の一例である。
移動装置80は、ヘッドユニット70を基台10上にて、X方向及びY方向に移動させる装置である。移動装置80は、図1、図2に示すように、Y方向に沿った一対のYビーム81と、Xビーム85と、第1直線軸83、第2直線軸87、モータM4、モータM5を備えている。
Xビーム85は、X方向に長い形状であり、Yビーム81に対して、X方向の両端をスライド可能に支持されている。第1直線軸83は、Yビーム81に取り付けられ、Y方向に沿っている。第1直線軸83は、例えば、ボールねじ軸である。第1直線軸83は、Xビーム85に取り付けられたボールナットと共にボールねじ機構を構成している。そのため、モータM4を駆動して、第1直線軸83を回転させると、ボールねじ機構の作用により、Yビーム81に対して、Xビーム85及びヘッドユニット70をY方向に移動させることが出来る。
ヘッドユニット70は、Xビーム85に対して、スライド可能に取り付けられている。第2直線軸87は、Xビーム85に取り付けられ、X方向に沿っている。第2直線軸87は、例えば、ボールねじである。第2直線軸87は、ヘッドユニット70に取り付けられたボールナットと共にボールねじ機構を構成している。そのため、モータM5を駆動して、第2直線軸87を回転させると、ボールねじ機構の作用により、Xビーム81に対して、ヘッドユニット70をX方向に移動させることが出来る。
このように移動装置80は、駆動源としてモータM4、モータM5を備えており、モータM4の駆動により、ヘッドユニット70及びXビーム85を基台10上においてY方向に移動することが出来、モータM5の駆動により、ヘッドユニット70を基台10上においてX方向に移動することが出来る。
尚、基台10上には、部品認識カメラ90が設置されおり、移載ヘッド73~75により保持された電子部品5を画像認識できるようになっている。
2.ワーク処理装置1の電気的構成
図12は、ワーク処理装置1の電気的構成を示すブロック図である。ワーク処理装置1は、コントローラ150を有している。コントローラ150は、演算処理部151、各種のデータを記憶する記憶部153を有する。
コントローラ150には、ヘッドユニット70、移動装置80、部品認識カメラ90、ワーク認識カメラ79A、レーザ変位センサ79B、ロボット本体30、クランプ装置50、表示操作パネル160、アラーム(警報器)170が接続されている。コントローラ150は、ヘッドユニット70、移動装置80、ロボット本体30、クランプ装置50を制御する。
3.クランプ装置50によるベース100のクランプ状態の確認
クランプ装置50は、3つのロック部材65A~65Cがロック位置Jに移動して、リング部材120の溝部125A~125Cに係合することで、ワーク200を固定したベース100をクランプする。
クランプ装置50によるベース100のクランプが不十分な場合、ロボット20でワーク200をハンドリングした時に、クランプ装置50からワーク200やベース100が脱落したり、位置ずれを起こす場合がある。そのため、ワーク処理装置1は、クランプ装置50によるベース100のクランプ状態(正常クランプ又はクランプ不良)を検出する機能を設けている。
具体的に説明すると、図9に示すように、クランプ装置50のロック部材65A~65Cの上面には、ロック確認用のマーク66が設けられている。マーク66は、一例として円形である。マーク66は他の形状でもよい。また、マーク66は、認識し易いように、色を付けるとよい。
また図7に示すように、ベース100には、3つの開口110A~110Cが設けられている。3つの開口110A~110Cは、溝部125A~125Cの内側に位置する。3つの開口110A~110Cは、ベース100を上下に貫通している。3つの開口110A~110Cは、ロック部材65A~65Cに付したマーク66の位置に対応している。具体的には、開口110とマーク66は、ロック部材65がロック位置Jに移動したときに、開口110の真下にマーク66が位置する関係となっている(図11参照)。
コントローラ150の演算処理部151は、クランプ装置50がベース100をクランプすると、その後、クランプ確認のため、マーク66を撮影する。具体的には、ヘッドユニット70に搭載されたワーク認識カメラ79Aを、図11に示すように、開口110の上方に移動して、ロック部材65に付されたマーク66を撮影する。
マーク66の撮影は、3つのロック部材65A~65Cに付した全マーク66について行ってもいいし、そのうち1つのみでもい。ここでは、ロック部材65Aのマーク66のみ撮影する。
ロック部材65Aがロック位置Jまで移動している場合(ロック時)、画像Pは、図13Aに示すように、マーク66の中心が、開口110の中心にほぼ重なる画像となる。一方、ロック部材65Aがロック位置Jまで移動していない場合(ロック不良時)、画像Pは、図13Bに示すように、マーク66の位置が、開口110の中心からずれた画像になる。
そのため、コントローラ150は、マーク66を撮影した画像Pから、クランプ装置50によるベース100のクランプ状態(正常クランプ又はクランプ不良)を判断することが出来る。具体的には、図13Bに示すように、ロック時のマーク66の位置を基準として、撮影したマーク66の位置のずれ量Dを求め、それを許容値と比較することで、ロック部材65Aは、ロックかロック不良か、ロック状態を判断することが出来る。
コントローラ150は、ロック部材65Aがロックであれば、クランプ装置50は正常クランプと判断し、ロック部材65Aがロック不良であれば、クランプ不良と判断する。
コントローラ150は、クランプ装置50はクランプ不良(ロック部材65Aのロック不良)であると判断した場合、アラーム170を鳴らす又は表示操作パネル160にエラーメッセージを表示するなど、異常を報知するとよい。
また、図14に示すように、コントローラ150は、ワーク認識カメラ79Aにロック状態の検出と共に、ヘッドユニット70に搭載したレーザ変位センサ79Bにより、レーザ変位センサ79Bの計測基準位置Soからベース100の上面101までの距離Sを計測する。基台10の上面に対するヘッドユニット70の高さや、レーザ変位センサ79Bの高さはデータ管理されている。そのため、距離Sの計測により、基台10の上面を基準面としたベース上面101の高さHを求めることが出来る。
コントローラ150は、ベース100の上面101の高さHを求めると、基準高さHoと比較して、高さの差ΔHを算出する。
基準高さHoは、3つのロック部材65A~65Cがリング部材120の各溝部125A~125Cに、正しくロックしている時のベース100の上面101の高さである。
ベース100が傾いた状態でクランプしている場合や、ロックが浅くベース下面がクランプ装置50から浮いている場合、ベース上面101の高さHは、基準高さHoからずれる。
コントローラ150は、高さの差ΔHが許容値より小さい場合、正常クランプと判断し、高さ方向の位置の差ΔHが許容値より大きい場合、クランプ不良と判断する。
ロック部材65の位置だけでなく、ベース上面101の高さHを検出することで、クランプ装置50によるベース100のクランプ状態を、より正確に判断することが出来る。
尚、ベース100の上面101の高さHは、1か所のみの計測でもよいが、ベース100上の複数箇所(例えば周方向の3か所)計測することが望ましい。複数箇所の計測結果から、ベース100の平行度を計測することも出来る。
3.ロボット20に対するワーク200の移載と、ワーク200に対する塗布処理及び実装処理
ヘッドユニット70に搭載した2本の移載ヘッド73、75は、電子部品5の移載用として使用されるだけでなく、ワーク200の移載も行う。ワーク200はベース100に固定された状態で、図外の搬送装置により、基台10上に設置された搬送位置15に搬入される(図1参照)。
ヘッドユニット70は、搬送位置15の上方に移動した後、2本の移載ヘッド73、75を所定高さまで下降させつつ、ベース100の両端を吸着し、その後、2本の移載ヘッド73、75を上昇させることで、ワーク200を固定したベース100を、搬送位置15から取り出すことが出来る(図15参照)。
その後、ヘッドユニット70を基台10上にて移動して、ワーク200を固定したベース100を水平に保ちつつ、ロボット20の上方に移動させた後、2本の移載ヘッド73、75をZ方向に移動して、ワーク200を固定したベース100を所定高さ(クランプ装置50がベース100をクランプできる高さ)まで下降させる。
ベース100が所定高さまで下降したら、負圧によるベース100の保持を解き、その後、クランプ装置50にエアを供給してロック部材65A~65Cを解放位置Kからロック位置Jに移動させることで、ワーク200を固定したベース100をクランプ装置50によりクランプすることが出来る。尚、クランプ時、ロボット本体30の第2回転軸Ls2は鉛直(チルト角ゼロ)であり、ベース100は水平な状態で、クランプ装置50にクランプされる。
その後、コントローラ150は、上記したように、ワーク認識カメラ79Aでロック部材65Aの上面に付したマーク66を撮影し、得られた画像Pからマーク66の位置を検出する。また、併せて、レーザ変位センサ79Bでベース上面101の高さHを計測する。そして、マーク66の位置情報とベース上面101の高さHのデータから、クランプ装置50によるベース100のクランプ状態を確認する。
正常クランプである場合、ロボット20は、モータM2やモータM3を駆動して、ワーク200の処理面が水平になるように、ワーク200の向きを調整する。また、モータM1を駆動して、ワーク200の処理面がZ方向(上下方向)で所定高さとなるように、ベース100の上下方向の位置を調整する。
ヘッドユニット70は、ワーク200の向きや高さの調整終了後、ワーク200の処理面に向けて、塗布ヘッド77を下降させつつ、ヘッド先端から半田ペーストを吐出する。これにより、ワーク200の処理面(例えば、上面)に対して、半田ペーストを塗布することが出来る。
また、ヘッドユニット70は、塗布処理の終了後、移載ヘッド73~75を用いて、ワーク200の処理面(例えば、上面)に対して、電子部品5の実装処理を行う。すなわち、ヘッドユニット70は、基台10上に設置された部品供給部11の上方に移動して、移載ヘッド73~75を用いて、部品供給部11から電子部品5を取り出す。
次に、ヘッドユニット70は、ワーク200の上方に移動し、その後、移載ヘッド73~75を所定高さまで下降させつつ、電子部品5がワーク200の高さに至るタイミングに合わせて負圧による電子部品5の保持を解く。これにより、ワーク200の処理面に、電子部品5を搭載することができる(実装処理)。
塗布処理、実装処理の終了後、ロボット20は、クランプ装置50によるベース100の保持を解除する。その後、作業を終えたワーク200はベース100と共に、ヘッドユニット70の2本の移載ヘッド73、75により、搬送位置15に戻され、図外の搬送装置により搬出される。
4.効果説明
本構成によれば、クランプ装置50によるベース100のクランプ状態(正常クランプ又はクランプ不良)を確認することが出来る。そのため、ワーク200をハンドリングした時に、クランプ装置50からベース100やワーク200が脱落したり、位置ずれを起こすことを抑制できる。また、ワーク認識カメラ79Aで撮影したマーク66の位置からロック部材65のロック状態を判断するので、ロック状態を検出するセンサ等が不要である。
<実施形態2>
実施形態1では、ロック部材65A~65Cの上面に設けたマーク66を、ワーク認識カメラ79Aで撮影するため、ベース100に開口110A~110Cを設けた。ベース100に固定したワーク200が、開口110A~110Cに重なると、マーク66を撮影することが出来ない。
図16は、実施形態2のクランプ装置250の平面図、図17は、図16のA-A線断面図である。クランプ装置250は、実施形態1のクランプ装置50と比較して、ロック部材265A~265Cに連動プレート270A~270Cを設けている点が相違している。連動プレートが本発明の「連動部材」の一例である。
連動プレート270A~270Cは、クランプ装置50の径方向Lrに長い板状の部材である。図17に示すように、連動プレート270Aは、可動部材61Aとロック部材265Aの間に挟まれており、ボルトBによりロック部材265Aと共に可動部材61Aに固定されている。連動プレート270A~270Cは、ロック部材265Aと連動して一体的に移動する。
図16、図17に示すように、連動プレート270A~270Cの先端部は、ベース100の外周105から外方に突出する突出部271である。突出部271は、少なくとも、ロック部材265A~265Cがロック位置Jにある時に、ベース100の外周105から外方に突出する。連動プレート270A~270Cの突出部271の上面には、マーク66が設けられている。
図17に示すように、クランプ装置50がベース100をクランプした後、ワーク認識カメラ79Aを、突出部271に付したマーク66の上方に移動して、マーク66を撮影する。
撮影により得られた画像からマーク66の位置を認識することで、コントローラ150は、クランプ装置50によるベース100のクランプ状態を確認することが出来る。
具体的には、ロック部材65がロック位置Jまで移動している場合のマーク66の位置を基準として、その位置からのずれ量を計測することで、ロック部材65がロックかロック不良か、ロック状態を確認することが出来る。従って、クランプ装置50の3つのロック部材65A~65Cによる、ベース100のクランプ状態(正常クランプ又はクランプ不良)を確認することが出来る。
実施形態2では、ベース100の外側にマーク66が位置するから、ベース100に大型のワーク200が固定されていても、クランプ装置50によるベース100のクランプ状態を確認することが出来る。
<実施形態3>
実施形態1では、ロック部材65A~65Cの上面に設けたマーク66を、ワーク認識カメラ79Aで撮影した。そして、撮影した画像Pからマーク66の位置を認識して、クランプ装置50によるベース100のクランプ確認を行った。
図18、図19は、実施形態3のクランプ装置350の側面図である。クランプ装置350は、クランプ装置50と同様に上面にロック部材365を有している。また、シリンダ本体351の外周面に、近接センサ370を設けている。近接センサ370は、検出対象(具体的にはロック部材365)の接近を非接触で検出するセンサである。近接センサ370は、本発明の「検出部」の一例である。
図18に示すように、ロック部材365がロック位置Jに移動すると、近接センサ370の真上にロック部材365の先端が位置し、近接センサ370の検出領域に入る。このとき、近接センサ370の出力は、Hight(検出状態)となる。
図19に示すように、ロック部材365がロック位置Jまで移動していない場合、ロック部材365の先端は、近接センサ370の検出領域から外れる。このとき、近接センサ370の出力は、Low(非検出状態)となる。
従って、近接センサ370の出力から、ロック部材365がリング部材120の溝部125に対してロックしているか否か、ロック状態を確認できる。そのため、クランプ装置350のクランプ確認を行うことが出来る。
<実施形態4>
実施形態1では、クランプ装置50によるベース100のクランプ状態を確認するため、以下の2つの測定を行った。
(1)ロック部材65A~Cに付したマーク66の撮影
(2)ベース上面101の高さHの計測
マーク66の撮影とベース上面101の高さHの計測を同時に行うと、クランプ状態の確認時間を短くすることが出来る。実施形態4は、マーク66の撮影とベース上面101の高さHの計測を同時に行うことで、クランプ状態の確認時間の短縮化を図る。
図20は、ベース100とヘッドユニット70との位置関係を示す平面図である。ベース100に固定されるワーク500Aは、平面視が概ね正方形の中サイズであり、連動プレート270Aに付したマーク66の真上にワーク認識カメラ79Aが位置するようにヘッドユニット70を移動した時に、レーザ変位センサ79Bの光軸Lc(図14参照)は、ワーク500Aに対して平面視で重ならず、ベース上面101に位置する。そのため、ワーク認識カメラ79Aによるマーク66の撮影と、レーザ変位センサ79Bによるベース上面101の高さHの計測を同時に行うことが出来る。
図21は、ベース100とヘッドユニット70との位置関係を示す平面図である。ベース100に固定されるワーク500Bは、平面視が台形の大サイズであり、連動プレート270Aに付したマーク66の真上にワーク認識カメラ79Aが位置するようにヘッドユニット70を移動した時に、レーザ変位センサ79Bの光軸Lcが、ワーク500Bに対して平面視で重なる。そのため、図21の位置関係のままでは、ワーク認識カメラ79Aによるマーク66の撮影と同時に、レーザ変位センサ79Bによるベース上面101の高さHの計測を行うことは出来ない。
図22は、図21に対して、ベース100の回転角度θの調整とヘッドユニット70の位置調整(X方向、Y方向の位置調整)を行った時の平面図である。具体的には、クランプ装置50とベース100を、図21に示す初期位置R0からS2方向に角度θだけ回転させた後、連動プレート270Aに付したマーク66の真上にワーク認識カメラ79Aが位置するようにヘッドユニット70の位置を移動している。
図22に示すように、ベース100の回転により、連動プレート270Aに付したマーク66の真上にワーク認識カメラ79Aが位置するようにヘッドユニット70を移動した時に、レーザ変位センサ79Bの光軸Lcに対するワーク500Bの重なりが解消する場合がある。
このように、図21の位置関係のままでは、ワーク認識カメラ79Aによるマーク66の撮影と同時に、レーザ変位センサ79Bによるベース上面101の高さHの計測を行うことが出来ない場合でも、ベース100を回転させることで、同時測定が出来る場合がある。尚、クランプ装置50及びベース100の回転(ベース中心O1周りの回転)は、ロボット本体30のモータM3を駆動し、第2回転軸Ls2を回転させることにより、行うことが出来る。
実施形態4では、図外の生産管理装置で、作業対象であるワーク500A~Dの種類ごとに、以下の4項目についてデータを計算で求めておき、そのデータを、コントローラ150の記憶部153に記憶する(図23参照)。
(a)初期位置Roでの同時測定の可否
(b)初期位置Roで同時測定できない場合、ベースの回転による同時測定の可否
(c)その回転角θ
(d)ヘッドユニット70の測定位置Pの座標(X、Y)のデータ
初期位置Roとは、ベース100の回転方向に関する初期位置である。この例では、図21に示すように、連動プレート270Aに付したマーク66が、ベース100の基準軸(具体的にはY軸)と重なる位置を初期位置Roとする。また、ヘッドユニット70の測定位置Pの座標(X、Y)は、基台上の所定の基準点を基準としたヘッドユニット100の中心の座標である。
尚、ベース100の初期位置Roからの回転角θやヘッドユニット70の測定位置Pの座標(X、Y)のデータは、下記より算出できる。
(1)クランプ装置のサイズ、基台上における位置の情報
(2)マークのサイズ、クランプ装置に対する位置の情報
(3)ベースのサイズ
(4)ワークのサイズ、ベース上における位置の情報
(5)ヘッドユニットのサイズ、基台上における位置の情報
(6)ワーク認識カメラ及びレーザ変位計のヘッドユニットに対する位置情報
図24は、クランプ装置50のロック確認シーケンスのフローチャート図である。ロック確認シーケンスは、S10~S150の15ステップから構成されている。
ロック確認シーケンスは、ワーク500A~500Dを固定したベース100を、搬送位置15からロボット20の頭上に移動してクランプ装置50にクランプした後、コントローラ150により実行される。
コントローラ150の演算処理部151は、クランプ装置50に対するベース100のクランプ動作が完了すると、ベース100に固定されている作業対象のワーク500について、マーク66と高さHの同時測定が可能であるか、否かの判定を行う(S10)。また、初期位置Roでの同時測定が不可な場合、ベース100の回転により、マーク66と高さHの同時測定が可能であるか、否かの判定を行う(S20)。S10、S20の判定は、ワーク500の種類を、記憶部153に記憶された図23のデータに参照することで、判断できる。
ベース100に固定されている作業対象のワークが500Aの場合、初期位置Roで同時測定が可能であることから、演算処理部151は、S10の判定処理でYESの判定をする。その後、S100に移行して、演算処理部151は、ヘッドユニット70を同時測定位置Paに移動する。同時測定位置Paの座標(Xa、Ya)は、記憶部153に記憶された図23のデータに参照することで、取得出来る。
同時測定位置Paでは、図20に示すように、連動プレート270Aに付したマーク66の真上にワーク認識カメラ79Aが位置する。また、レーザ変位センサ79Bの光軸Lcがワーク500Aに対して平面視で重ならず、べース上面101に位置する。
次に、S110に移行して、演算処理部151は、レーザ変位センサ79Bによるベース上面101の高さHの計測と、ワーク認識カメラ79Aによるマーク66の撮影と、を同時に行う。
次に、S120に移行して、演算処理部151は、レーザ変位センサ79Bにより計測したベース上面101の高さHが、正常か判断する。高さHの良否の判断は、基準高さHoとの差ΔHを許容値と比較することで行うことが出来る。
高さHは正常と判断した場合(S120:YES)、S130に移行して、演算処理部151は、ワーク認識カメラ79Aにより撮影したマーク66の位置が、正常か判断する。マーク66の位置の良否の判断は、撮影したマーク66の位置のずれ量Dを求め、それを許容値と比較することで行うことが出来る。
ベース上面101の高さH、マーク66の位置ともに、正常な場合(S120、S130:YES)、クランプ装置50によるベース100のクランプ状態は、正常クランプであると判断され、シーケンスは終了する。
一方、ベース上面101の高さH又はマーク66の位置が、異常な場合(S120、S130:NO)、クランプ装置50はクランプ不良と、判断される。この場合、演算処理部151はアラーム170を鳴らして、ワーク処理装置1を停止する処理を実行する。アラーム170を鳴らすことで、作業者に、クランプ不良であることを、知させることが出来る。これにて、シーケンスは終了する。
ベース100に固定されている作業対象のワークが500Bの場合、初期位置Roでの同時測定は不可であるが、ベース100の回転により同時測定が可能である。そのため、S10ではNO判定、S20ではYES判定となる。その後、S90に移行して、演算処理部151は、ロボット本体30のモータM3を駆動し、第2回転軸Ls2を回転させることにより、ベース100を初期位置Roから回転させる。ベース100の回転角θbは、記憶部153に記憶した図23のデータを参照することで、取得できる。
その後、S100に移行して、演算処理部151は、ヘッドユニット70を同時測定位置Pbに移動する。同時測定位置Pbの座標(Xb、Yb)は、記憶部153に記憶された図23のデータに参照することで、取得出来る。
同時測定位置Pbでは、図22に示すように、連動プレート270Aに付したマーク66の真上にワーク認識カメラ79Aが位置する。また、レーザ変位センサ79Bの光軸Lcはワーク500Bに対して平面視で重ならず、ベース上面101に位置する。
次に、S110に移行して、演算処理部151は、レーザ変位センサ79Bによるベース上面の高さHの計測と、ワーク認識カメラ79Aによるマーク66の撮影と、を同時に行う。
それ以降の処理は、ワーク500Aの場合と同様であり、演算処理部151は、S120で、レーザ変位センサ79Bにより計測したベース上面101の高さHが、正常か判断する。また、S130で、ワーク認識カメラ79Aにより撮影したマーク66の位置が、正常か判断する。
ベース上面101の高さH、マーク66の位置ともに、正常な場合(S120、S130:YES)、クランプ装置50によるベース100のクランプ状態は、正常クランプ、と判断される。
一方、ベース上面101の高さH又はマーク66の位置が、異常な場合(S120、S130:NO)、クランプ装置50は、クランプ不良、と判断される。この場合、演算処理部151はアラーム170を鳴らして、ワーク処理装置1を停止する処理を実行する。
ベース100に固定されている作業対象のワークが500Cの場合、ワーク500Bと同様に、初期位置Roでの同時測定は不可であるが、ベース100の回転により同時測定が可能である。そのため、ワーク500Bと同様の手順(S10、S20、S90~S140)で、クランプ装置50によるベース100のクランプ確認が行われる。尚、ワーク500Cは、ワーク500Bとクランプ確認の手順は同じで、ベース100の回転角度θのみ異なるだけであることから、ベース100やヘッドユニットとの位置関係を示す図は省略し、図23中に、同時回転の可否、回転角度θ、測定位置Pの座標のデータのみ示している。
ベース100に固定されている作業対象のワークが500Dの場合、ベース100が初期位置Roにある状態では同時測定は不可であり、また、ベース100を初期位置Roから回転して位置を調整しても、同時測定は不可である。そのため、S10ではNO判定、S20ではNO判定となる。
その後、S30に移行して、演算処理部151は、ヘッドユニット70を、図25に示す第1測定位置Pd1に移動する。第1測定位置Pd1の座標(Xd1、Yd1)は、記憶部153に記憶された図23のデータに参照することで、取得出来る。
第1測定位置Pd1では、図25に示すように、レーザ変位センサ79Bの光軸Lcがワーク500Dに対して平面視で重ならず、ベース上面101に位置する。
その後、S40に移行して、演算処理部151は、レーザ変位センサ79Bによるベース上面101の高さHの計測を行う。
その後、S50に移行して、演算処理部151は、レーザ変位センサ79Bにより計測したベース上面101の高さHが、正常か判断する。
ベース上面101の高さHが正常な場合(S50:YES)、S60に移行して、演算処理部151は、ヘッドユニット70を、図26に示す第2測定位置Pd2に移動する。第2測定位置Pd2の座標(Xd2、Yd2)は、記憶部153に記憶された図23のデータに参照することで、取得出来る。
第2測定位置Pd2では、図26に示すように、ワーク認識カメラ79Aが連動プレート270Aに付したマーク66の真上に位置する。
その後、S70に移行して、演算処理部151は、ワーク認識カメラ79Aによるマーク66の撮影を行う。
その後、S80に移行して、演算処理部151は、ワーク認識カメラ79Aにより撮影したマーク66の位置が、正常か判断する。
マーク66の位置が正常な場合(S80:YES)、クランプ装置50によるベース100のクランプ状態は、正常クランプ、と判断される。
一方、ベース上面101の高さH又はマーク66の位置が、異常な場合(S50、S80:NO)、クランプ装置50は、クランプ不良、と判断される。この場合、演算処理部151はアラーム170を鳴らして、ワーク処理装置1を停止する処理を実行する。
実施形態4では、マーク66の撮影とベース上面101の高さHの測定を同時に行うので、クランプ装置50によるベース100のクランプ状態の確認時間を短くすることが出来る。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施形態1では、ロボット20の一例として、3つの駆動軸Lz、Ls1、Ls2を備え、3つの自由度を持つ装置を例示した。ロボット20は、実施形態1の例に限定されるものではなく、多関節ロボットでもよい。また、自由度も3に限定されるものではない。4以上でもよい。
(2)実施形態1では、ワーク200を配置したベース100をロボット20に移動する作業を、移載ヘッド73~75を用いて行った例を示した。この作業は、移載ヘッド73~75とは別に設けられた専用の移載装置で行うようにしてもよい。また、ワーク処理装置1は、ワーク200に対して、塗布処理か実装処理のいずれかのみを行うものでもよい。
(3)実施形態3では、近接センサ370をシリンダ本体351の外周面に取り付け例を示した。図27に示すように、シリンダ本体351を回転可能に支持する回転板41に、近接センサ370を、ブラケット390を介して取り付けてもよい。シリンダ本体351の回転時、回転板41は非回転なので、回転板41に近接センサ370を取り付けた方が、センサ370から引き出した配線が周囲の部品に絡まることを抑制できる。
(4)実施形態1、2では、ロック部材65や連動プレート270に付したマーク66をヘッドユニット70に搭載したワーク認識カメラ79Aで撮影した。マーク66の撮影は、ワーク認識カメラ79Aとは別の専用のカメラで、行うようにしてもよい。専用のカメラは、ヘッドユニット70に搭載されていてもいいし、基台10に対して移動可能な別の装置に搭載されていてもよい。
(5)実施形態1、2では、マーク66の位置情報とベース上面101の高さHの情報から、クランプ装置50によるベース100のクランプ状態を判断したが、マーク66の位置情報だけで、クランプ状態を判断してもよい。
(6)実施形態1~4では、クランプ装置50、350を空圧式としたが、油圧式など、流体の圧力により作動する装置であれば、適宜適用することが出来る。