以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
以下、図1〜図11を参照して、本発明の第1実施形態による表面実装機100の構造について説明する。なお、表面実装機100は、本発明の「部品実装装置」の一例である。
図1に示すように、第1実施形態による表面実装機100は、プリント基板1に部品を実装する装置である。表面実装機100は、X方向に延びる基板搬送コンベア2と、基板搬送コンベア2の上方をXY方向に移動可能なヘッドユニット3およびヘッドユニット4とを備えている。これらの基板搬送コンベア2とヘッドユニット3およびヘッドユニット4とは、それぞれ基台5上に配置されている。矢印Y1方向側に配置されたヘッドユニット3と矢印Y2方向側に配置されたヘッドユニット4とは、互いに向かい合うようにして、それぞれ基台5上において基板搬送コンベア2の上方に配置されている。また、基台5上には、基板搬送コンベア2の両側を挟むように、矢印Y1方向側と矢印Y2方向側とにそれぞれ2つの部品供給部5c(図1では1箇所のみ図示)が設けられている。部品供給部5cには、部品を供給するための複数のテープフィーダ6がX方向に並ぶように取り付けられている。ヘッドユニット3およびヘッドユニット4は、部品供給部5cに取り付けられたテープフィーダ6の部品取出部6aから部品を取得するとともに、基板搬送コンベア2上のプリント基板1に部品を実装する機能を有する。また、矢印Y1方向側の2つの部品供給部5cの間には、部品撮像装置5dが設けられている。同様に、矢印Y2方向側の2つの部品供給部5cの間には、部品撮像装置5dが設けられている。また、基台5上には、ヘッドユニット3およびヘッドユニット4の後述する実装ヘッド部90に交換可能に装着された吸着ノズル91を交換するためのノズル交換装置7と、ノズル清掃装置8と、不良部品を廃棄する部品廃棄箱9aおよび9bとが配置されている。なお、部品は、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの小型の電子部品である。なお、プリント基板1は、本発明の「基板」の一例である。また、ヘッドユニット3およびヘッドユニット4は、それぞれ、本発明の「第2ヘッドユニット」および「第1ヘッドユニット」の一例である。また、ノズル交換装置7およびノズル清掃装置8は、それぞれ、本発明の「ノズル交換部」および「ノズル清掃部」の一例である。また、部品廃棄箱9aおよび9bは、それぞれ、本発明の「部品廃棄部」の一例である。また、X方向およびY方向は、それぞれ、本発明の「第1方向」および「第2方向」の一例である。また、矢印Y1方向側および矢印Y2方向側は、それぞれ、本発明の「他方側」および「一方側」の一例である。以下、表面実装機100の具体的な構造を説明する。
基板搬送コンベア2は、図示しない搬送路から搬入されるプリント基板1をX方向に搬送し、所定の実装作業位置にプリント基板1を配置するとともに、実装作業が終了したプリント基板1を搬出する機能を有する。なお、第1実施形態では、図示しない搬送路によって基板搬送コンベア2の矢印X1方向側(上流側)からプリント基板1が搬入され、実装作業後、矢印X2方向側(下流側)の図示しない搬送路に搬出される。基板搬送コンベア2は、入口搬送装置10と、基板搬送装置20と、基板搬送装置30との3つの搬送装置から構成されており、入口搬送装置10、基板搬送装置20および基板搬送装置30は、矢印X1方向側(上流側)から矢印X2方向へこの順に配列されている。つまり、基板搬送コンベア2の矢印X1方向側の端部(入口搬送装置10の矢印X1方向側の端部)がプリント基板1の搬入位置であり、基板搬送コンベア2の矢印X2方向側の端部(基板搬送装置30の矢印X2方向側の端部)がプリント基板1の搬出位置である。なお、基板搬送装置20および基板搬送装置30は、それぞれ、本発明の「第1搬送装置」および「第2搬送装置」の一例である。
入口搬送装置10は、Y方向に対向する一対のコンベア部11および12を有し、基板搬送装置20は、Y方向に対向する一対のコンベア部21および22を有し、基板搬送装置30は、Y方向に対向する一対のコンベア部31および32を有する。プリント基板1は、これらの矢印Y1方向側の各コンベア部(11、21、および、31)と、矢印Y2方向側の各コンベア部(12、22、および、32)とよって両側を支持された状態でX方向に搬送するように構成されている。すなわち、矢印Y1方向側のレール2a(コンベア部11、21、および、31)と、矢印Y2方向側のレール2b(コンベア部12、22、および、32)との一対のレールによって挟まれる、X方向に延びる領域がプリント基板1の搬送経路である。なお、コンベア部21および22は、それぞれ、本発明の「第1コンベア部」および「第2コンベア部」の一例である。また、コンベア部31および32は、それぞれ、本発明の「第3コンベア部」および「第4コンベア部」の一例である。
また、基板搬送コンベア2の入口搬送装置10と、基板搬送装置20と、基板搬送装置30とは、各一対のコンベア部(11および12、21および22、31および32)のY方向の間隔(コンベア間隔D)を変更することにより、Y方向の幅の異なるプリント基板1を搬送することが可能なように構成されている。具体的には、図1に示すように、幅W1を有する長尺(大型)のプリント基板1aを実装作業位置P1に搬送することが可能に構成されている。また、図10に示すように、コンベア間隔Dを変更して、幅W2を有する小型のプリント基板1bを搬送することが可能に構成されている。また、入口搬送装置10は、矢印Y2方向側のコンベア部12が基台5に固定的に設置されている一方、矢印Y1方向側のコンベア部11がY方向に移動可能に設けられている。また、基板搬送装置20は、一対のコンベア部21および22が、それぞれY方向に独立して移動可能に構成されている。また、基板搬送装置30は入口搬送装置10と同様、矢印Y2方向側のコンベア部32が基台5に固定的に設置されている一方、矢印Y1方向側のコンベア部31がY方向に移動可能に設けられている。これにより、幅W1を有する大型のプリント基板1aを実装作業位置P1に配置する場合には、基板搬送装置20と基板搬送装置30との両方によって入口搬送装置10によって搬入される1つのプリント基板1aを保持し、矢印Y2方向側の部品供給部5c(テープフィーダ6)の近傍の実装作業位置P1で実装作業を行うことが可能である。また、幅W2を有する小型のプリント基板1bを実装する場合には、図5および図6に示すように、基板搬送装置20により入口搬送装置10によって搬入されるプリント基板1bを実装作業位置P2に移動して、実装作業位置P3でプリント基板1bを保持する基板搬送装置30とともに、2枚のプリント基板1bの実装作業を並行して行うことが可能なように構成されている。なお、プリント基板1aおよびプリント基板1bは、それぞれ、本発明の「基板」の一例である。
第1実施形態では、図1に示すように、矢印Y1方向側の部品供給部5cと矢印Y2方向側の部品供給部5cとの間の中間位置Lf1よりも、搬送経路上を搬送されるプリント基板1の中央位置Lcが矢印Y2方向側に所定の距離(図1の場合は距離Ds1)分だけずれるように搬送経路が配置されている。ここで、図2に示すように、部品供給部5cの設けられた位置と、部品供給部5c上に取り付けられた複数のテープフィーダ6の位置とは、平面的に見て略一致しているため、中間位置Lf1は、矢印Y1方向側のテープフィーダ6と矢印Y2方向側のテープフィーダ6との間の中心線上と考えてよい。また、搬送経路上を搬送されるプリント基板1の中央位置Lcは、矢印Y1方向側の各コンベア部11、21、および、31がX方向に一直線状に並んで配置されレール2aを構成するとともに、矢印Y2方向側の各コンベア部12、22、および、32がX方向に一直線状に並んで配置されレール2bを構成した状態における、レール2a(コンベア部11、21、および、31)とレール2b(コンベア部12、22、および、32)との間の中心線上と考えてよい。搬送経路上を搬送されるプリント基板1の中央位置Lcは、コンベア間隔D(プリント基板1のY方向の幅)に応じて変化する。具体的には、図1に示すように、コンベア間隔Dを大型のプリント基板1aの幅W1に一致させている場合には、中間位置Lf1と中央位置Lcとの間の距離は、Ds1となる。一方、図10に示すように、コンベア間隔Dを小型のプリント基板1bの幅W2に一致させている場合には、中間位置Lf1と中央位置Lcとの間の距離は、Ds2となる。第1実施形態では、コンベア間隔Dの大きさに関わらず、搬送経路上を搬送されるプリント基板1の中央位置Lcが、常に部品供給部5c間の中間位置Lf1よりも矢印Y2方向側にずれて配置されるように構成されている。
また、第1実施形態では、プリント基板1の搬送経路の矢印Y2方向側の側方端部(レール2b(コンベア部12、22、および、32))が、矢印Y2方向側の部品供給部5c(テープフィーダ6)の近傍に配置されている。すなわち、搬送経路の矢印Y2方向側の側方端部(レール2b)と矢印Y2方向側の部品供給部5cとの距離を小さくすることによって、矢印Y2方向側の部品供給部5c(テープフィーダ6)と基板搬送コンベア2に保持されるプリント基板1とを距離Db1まで接近させ、ヘッドユニット4の部品運搬に関わる時間を短縮することができるように構成されている。
図1に示すように、入口搬送装置10は、Y方向に対向する一対のコンベア部11および12と、コンベア部11および12の間隔(コンベア間隔)を調整するための一対のボールネジ軸13aおよび13b(図8参照)と、1つのスプライン軸14(図8参照)とを有している。図8に示すように、矢印Y1方向側のコンベア部11の上面には、プリント基板1を搬送するための搬送ベルト111と、X方向に延びるガイドレール112とが設けられている。搬送ベルト111は、ガイドレール112に沿うように設けられ、複数のプーリを介して、スプライン軸14にY方向に移動可能に嵌まり込むプーリ113に巻き掛けられている。同様に、矢印Y2方向側のコンベア部12の上面には、搬送ベルト(図示せず)と、X方向に延びるガイドレール122(図1参照)とが設けられている。コンベア部12の搬送ベルトも、搬送ベルト111と同様に、スプライン軸14と一体的に回転するように設けられたプーリ(図示せず)に巻き掛けられている。このスプライン軸14が図示しない搬送モータによって回転されることによって、コンベア部11の搬送ベルト111およびコンベア部12の搬送ベルトを送り、プリント基板1を搬送するように構成されている。また、ガイドレール112および122は、コンベア部11の搬送ベルト111およびコンベア部12の搬送ベルトによって搬送されるプリント基板1をX方向に搬送されるようにガイドしている。
また、図1に示すように、矢印Y2方向側のコンベア部12は、矢印Y2方向側のテープフィーダ6の近傍において基台5に固定的に設置され、矢印Y1方向側のコンベア部11は、Y方向に移動可能に設けられている。具体的には、矢印Y2方向側のコンベア部12は、Y方向に延びる一対のボールネジ軸13aおよび13bを軸受(図示せず)を介して回転可能に支持するとともに、矢印Y1方向側のコンベア部11には、図8に示すように、ボールネジ軸13aおよび13bとそれぞれ螺合するボールナット114が固定的に設けられている。一方、ボールネジ軸13aおよび13bの矢印Y2方向側の端部には、図7に示すように、それぞれプーリ15aおよび15bが連結されるとともに、互いにベルト15cが巻き掛けられている。これらのボールネジ軸13aおよび13bをベルト15cによって同期して回転させることにより、矢印Y1方向側のコンベア部11がボールナット114を介してY方向に移動するように構成されている。これにより、搬送されるプリント基板1の大きさ(Y方向の幅W1またはW2)に応じて、矢印Y1方向側のコンベア部11を移動させてコンベア間隔D(コンベア部11および12の間隔)を調整することが出来るように構成されている。なお、コンベア間隔Dの調整のためのボールネジ軸13aおよび13bの駆動は、基板搬送装置30に設けられた後述する駆動モータ34の駆動力が伝達されることにより行われる。
基板搬送装置20は、図1に示すように、矢印Y1方向側のコンベア部21および矢印Y2方向側のコンベア部22と、各コンベア部21および22のY方向への移動のための一対のボールネジ軸23aおよび23bと、各コンベア部21および22にそれぞれ設けられた搬送ベルト211および221(図2参照)を送るための1つのスプライン軸24とを有している。また、基板搬送装置20は、コンベア部21およびコンベア部22の両方をY方向に移動させるための駆動モータ25と、コンベア部21を付加的にY方向に移動させるための回転モータ26と、スプライン軸24を回転駆動することで搬送ベルト211、221上に搭載されるプリント基板1をX方向に搬送するための搬送モータ27とを有している。
図4に示すように、矢印Y1方向側のコンベア部21は、フレーム213から構成されている。このフレーム213は、X方向に延びるガイドレール212が設けられた梁部213aと、梁部213aの両端を支持する一対の柱部213bおよび213cと、柱部213bおよび213cにそれぞれ接続され、下端にスライダ214が設けられた一対の脚部213dおよび213eとを有する。コンベア部21は、スライダ214を介して、基台5上にY方向に延びるように設けられた一対のレール5a、5aに沿って移動可能に支持されている。
また、コンベア部21のフレーム213の矢印X1方向側の柱部213cには、スプライン軸24と回転方向に係止するとともにY方向に移動可能に嵌まるプーリ215がブラケット215aを介して取り付けられている。図8に示すように、複数のプーリを介して梁部213aの上端に沿って張り渡された搬送ベルト211がこのプーリ215に巻き掛けられていて、搬送モータ27によるスプライン軸24の回転によって搬送ベルト211が送られるように構成されている。
図8に示すように、コンベア部21には、フレーム213の脚部213dおよび213eに、それぞれボールネジ軸23aおよび23bと螺合するボールナット216、216が回転可能に設けられている。具体的には、図9に示すように、ボールナット216は、脚部213e(213d)に取り付けられたベアリング216bによって、ベアリングホルダ216aを介して回転可能に支持されている。このボールナット216のベアリングホルダ216aは、ボールナット216と、プーリ216cとに連結されていて、これらのボールナット216、ベアリングホルダ216aおよびプーリ216cが一体的に回転するように構成されている。図4に示すように、ベアリングホルダ216aに連結されたプーリ216cには、回転モータ26(サーボモータ)の出力軸に設けられたプーリ261と噛み合うベルト262が巻き掛けられていて、サーボモータが外力に対してその位置(回転角度位置)を保持することによってボールナット216(ベアリングホルダ216a、プーリ216c)を固定された状態に保持することが可能なように構成されている。この結果、ボールナット216が固定されている状態で駆動モータ25によりボールネジ軸23aおよび23bがボールナット216に対して回転することにより、コンベア部21がY方向に移動するように構成されている。また、回転モータ26により、ボールネジ軸23aおよび23bに対してボールナット216が回転されることによっても、コンベア部21がY方向に移動するように構成されている。すなわち、駆動モータ25および回転モータ26の両方を回転する場合、駆動モータ25および回転モータ26のそれぞれの回転方向の組み合わせ、および、駆動モータ25および回転モータ26のそれぞれの回転速度の制御により、コンベア部21とコンベア部22とを互いに独立にY方向に移動させることができる。さらに、コンベア部21の矢印Y1あるいは矢印Y2方向の移動速度を、コンベア部22の同方向の移動速度より大きく(コンベア部22の速度に同方向の速度を付加することになるので、例えば倍速度に)したり、逆に小さくする(コンベア部22の速度に逆方向の速度を付加することになるので、例えば停止も可能)ことができる。
図7に示すように、コンベア部22は、フレーム223から構成されている。このフレーム223は、X方向に延びるガイドレール222が設けられた梁部223aと、梁部223aの両端を支持する一対の柱部223bおよび223cと、柱部223bおよび223cにそれぞれ固定され、下端にスライダ224(図9参照)が設けられた一対の脚部223dおよび223e(図9参照)とを有する。図9に示すように、コンベア部22は、スライダ224を介して、基台5上にY方向に延びるように設けられた一対のレール5aに沿って移動可能に支持されている。
図7に示すように、コンベア部22のフレーム223の矢印X1方向側の柱部223cには、スプライン軸24(図2参照)とY方向に移動可能に嵌まるプーリ225(図2参照)がブラケット225aを介して取り付けられている。図2に示すように、複数のプーリを介して梁部223aの上端に沿って張り渡された搬送ベルト221が、このプーリ225に巻き掛けられていて、搬送モータ27によるスプライン軸24の回転によって搬送ベルト221が送られるように構成されている。
また、図9に示すように、矢印Y2方向側のコンベア部22のフレーム223の脚部223dおよび223eには、ボールネジ軸23aおよび23bと螺合するボールナット226が固定的に設けられている。矢印Y2方向側のコンベア部22は、一対のボールネジ軸23aおよび23bの回転によって、ボールナット226を介してY方向に移動するように構成されている。
図1に示すように、一対のボールネジ軸23aおよび23bは、Y方向に延びるように設けられ、搬送方向(X方向)に所定の間隔を隔てて配置されている。図9に示すように、ボールネジ軸23bは、矢印Y1方向側の端部を支持部材231bにより軸受233bを介して回転可能に支持され、矢印Y2方向側の端部近傍を支持部材232bにより軸受234bを介して回転可能に支持されている。同様に、ボールネジ軸23aは、矢印Y1方向側の端部を支持部材231aにより軸受233aを介して回転可能に支持され、矢印Y2方向側の端部近傍を支持部材232aにより軸受234aを介して回転可能に支持されている。また、図7に示すように、一対のボールネジ軸23aおよび23bの矢印Y2方向側の端部には、それぞれプーリ235aおよび235bが連結されている。プーリ235aおよび235bには、駆動モータ25の出力軸に連結されたプーリ252と噛み合うベルト253が巻き掛けられている。これにより、駆動モータ25の駆動力がベルト253を介して一対のボールネジ軸23aおよび23bに伝達され、一対のボールネジ軸23aおよび23bが同期して回転されるように構成されている。
図2に示すように、スプライン軸24は、矢印Y1方向側の端部近傍を支持部材241により軸受242を介して回転可能に支持されるとともに、矢印Y2方向側の端部を支持部材243により軸受244を介して回転可能に支持されている。また、スプライン軸24の矢印Y1方向側の端部には、プーリ245が連結されている。また、支持部材241には、スプライン軸24を回転させるための搬送モータ27が取り付けられている。搬送モータ27の出力軸に取り付けられたプーリ271と、スプライン軸24のプーリ245とには、搬送モータ27の駆動力を伝達するベルト272が巻き掛けられている。この搬送モータ27によりスプライン軸24を回転させることによって、コンベア部21のプーリ215およびコンベア部22のプーリ225を回転させ、両方の搬送ベルト211および221が同期して送られるように構成されている。これにより、基板搬送装置20に搭載されたプリント基板1がX方向に搬送されるように構成されている。このとき、梁部213aおよび223aに設けられたガイドレール212および222によってプリント基板1がガイドされるように構成されている。
図2に示すように、回転モータ26は、コンベア部21のフレーム213の矢印X1方向側の脚部213e(図4参照)にブラケット263(図4参照)を介して取り付けられている。図4に示すように、この回転モータ26の出力軸にプーリ261が連結されている。回転モータ26はエンコーダ26a(図11参照)を有するサーボモータであり、後述する制御装置101によって駆動制御されるように構成されている。
図7に示すように、一対のボールネジ軸23aおよび23bを回転駆動させる駆動モータ25は、基台5にブラケット251を介して取り付けられるとともに、出力軸にプーリ252が取り付けられている。駆動モータ25はエンコーダ25a(図11参照)を有するサーボモータであり、後述する制御装置101によって駆動制御されるように構成されている。
また、図5に示すように、基板搬送装置20は、搬送されるプリント基板1bを停止または通過させるストッパ28と、ストッパ28の近傍に設けられ、所定位置に配置されたプリント基板1を検出する基板検出センサ28aとを有している。これにより、基板搬送装置20は、コンベア部21および22上の所定位置にプリント基板1を配置することが可能となるように構成されている。また、各コンベア部21および22には、ガイドレール212および222の上面に、各コンベア部21および22が互いに向かい合う方向に突出する複数の係止部材212aおよび222aが設けられている。そして、図8に示すように、ガイドレール212および222の下側には、クランプ機構29(ガイドレール212側のクランプ機構29のみ図示)がそれぞれ設けられている。クランプ機構29は、支軸29bを中心に回動可能な一対の三角形状の支持板29aと、支持板29aに支持されたクランプ板29cと、両支持板29aを連結する連結部材29dとからなるリンク機構である。クランプ機構29は、図示しないエアシリンダによって支持板29aを支軸29bを中心に反時計方向に回動させてクランプ板29cを上昇させ、所定位置に配置されたプリント基板1を下方から押し上げて係止部材212a(222a)(図5参照)に押し付けるように構成されている。これにより、基板搬送装置20は、プリント基板1のY方向の両辺を、各コンベア部21および22に設けられた係止部材212aおよび222とクランプ機構29とによって挟み込むようにして保持する機能を有する。なお、図8ではプリント基板1をクランプ(保持)していない状態を示している。
このように、基板搬送装置20は、回転モータ26を停止した状態で駆動モータ25によりボールネジ軸23a(23b)を回転させることによって、コンベア部21および22を、間隔を保ったままY方向に同期させて移動させることが可能である。これにより、基板搬送装置20は、図10に示す基板搬送コンベア2上の搬送位置P4で入口搬送装置10から小型のプリント基板1bを搬入した後、プリント基板1をコンベア部21および22により保持したままY方向に移動して矢印Y1方向の部品供給部5c(テープフィーダ6)近傍の実装作業位置P2(図5参照)に配置することが可能である。
図5に示すように、基板搬送装置20の矢印Y1方向側のコンベア部21は、矢印Y2方向側の部品供給部5cから矢印Y1方向に距離Db1だけ離間した位置にある時のコンベア部22(図10参照)から最小幅のプリント基板1bのY方向幅の分だけ矢印Y1方向に取った位置と、矢印Y1方向側の部品供給部5cから距離Daだけ離間した位置との間でY方向に移動可能に構成されている。また、矢印Y2方向側のコンベア部22は、矢印Y2方向側の部品供給部5cから距離Db1だけ離間した位置(図10参照)と、矢印Y1方向側の部品供給部5cから矢印Y2方向に距離Daだけ離間した位置にある時のコンベア部21から、最小幅のプリント基板1bのY方向幅の分だけY2方向に取った位置との間でY方向に移動可能に構成されている。これにより、小型のプリント基板1bを図10に示す搬送位置P4(コンベア部22と矢印Y2方向側の部品供給部5cとの距離がDb1となる、矢印Y2方向側の部品供給部5c近傍の位置)と図5に示す実装作業位置P2(コンベア部21と矢印Y1方向側の部品供給部5cとの距離がDaとなる、矢印Y1方向側の部品供給部5c近傍の位置)との間でY方向に往復移動させることができる。なお、コンベア部22が搬送位置P4に配置された状態で、入口搬送装置10のコンベア部12と、基板搬送装置20のコンベア部22と、基板搬送装置30のコンベア部32とがX方向に一直線状に並ぶことにより、コンベア部22は基板搬送コンベア2のレール2bの一部としてプリント基板1(1b)をX方向に搬送可能となる。この時、入口搬送装置10のコンベア部11、基板搬送装置20のコンベア部21、および基板搬送装置30のコンベア部31もX方向に一直線状に並ぶ。
基板搬送装置30は、矢印Y2方向側にずれて配置された搬送経路上のプリント基板1をY方向には移動させることなくX方向に搬送して実装作業位置(P1またはP3)に配置するように構成されている。図3に示すように、基板搬送装置30は、Y方向に対向する一対のコンベア部31および32と、コンベア部31および32の間隔(コンベア間隔D)を調整するための一対のボールネジ軸33aおよび33b(図5参照)と、ボールネジ軸33a(33b)および入口搬送装置10のボールネジ軸13a(13b)を回転駆動させる駆動モータ34と、各コンベア部31および32に設けられた搬送ベルト311および321を送るための1つのスプライン軸35および搬送モータ36とを有している。
図8に示すように、矢印Y1方向側のコンベア部31は、フレーム313から構成されている。このフレーム313は、X方向に延びるガイドレール312が設けられた梁部313aと、所定の間隔を空けて梁部313aを支持する一対の柱部313bおよび313cと、柱部313bおよび313cにそれぞれ固定され、下端にスライダ314が設けられた一対の脚部313dおよび313eとを有する。コンベア部31は、脚部313dおよび313eの下端にそれぞれ取り付けられたスライダ314を介して、基台5上にY方向に延びるように設けられた一対のレール5b、5bに沿って移動可能に支持されるように構成されている。コンベア部31のフレーム313には、スプライン軸35と回転方向に係止するとともにY方向に移動可能に嵌まるプーリ315が、ブラケット315aを介して取り付けられている。このプーリ315には、複数のプーリを介して梁部313aの上端に沿って張り渡された搬送ベルト311が巻き掛けられていて、スプライン軸35の回転によって搬送ベルト311が送られるように構成されている。
また、矢印Y1方向側のコンベア部31の脚部313dおよび313eには、一対のボールネジ軸33aおよび33bとそれぞれ螺合するボールナット326が固定的に設けられている。これらのボールネジ軸33aおよび33bを同期して回転させることにより、矢印Y1方向側のコンベア部31がボールナット326を介してY方向に移動するように構成されている。これにより、基板搬送装置30は、搬送されるプリント基板1の大きさ(Y方向の幅)に応じて矢印Y1方向側のコンベア部31を移動させることによって、コンベア部31および32のコンベア間隔D(図1参照)を調整することができるように構成されている。
図7に示すように、矢印Y2方向側のコンベア部32は、フレーム323から構成されている。このフレーム323は、X方向に延びるガイドレール322が設けられた梁部323aと、所定の間隔を空けて梁部323aを支持する一対の支持部323bおよび323cとを有する。コンベア部32の一対の支持部323bおよび323cは、基台5に固定的に設置されている。一対の支持部323bおよび323cは、それぞれ一対のボールネジ軸33aおよび33bを軸受(図示せず)を介して回転可能に支持(図3参照)しているとともに、スプライン軸35(図3参照)を回転させるための搬送モータ36(図3参照)をブラケット361を介して支持している。また、梁部323aには、ブラケット351を介してスプライン軸35(図3参照)が回転可能に支持されている。図3に示すように、スプライン軸35にはプーリ325が一体的に回転するように設けられている。このプーリ325には、複数のプーリを介して梁部323aの上端に沿って張り渡された搬送ベルト321が巻き掛けられていて、スプライン軸35の回転によって搬送ベルト321が送られるように構成されている。
各コンベア部31および32は、それぞれの搬送ベルト311および321上にプリント基板1を載せた状態でスプライン軸35の回転に基づき搬送ベルト311および321を同期させて送ることにより、プリント基板1をX方向に搬送するように構成されている。このとき、梁部313aおよび313bに設けられたガイドレール312および322によってプリント基板1がガイドされるように構成されている。
図3に示すように、一対のボールネジ軸33aおよび33bは、それぞれ矢印Y1方向側の端部を基台5に設けられた支持部材331aおよび331bにより軸受(図示せず)を介して回転可能に支持されている。図7に示すように、一対のボールネジ軸33aおよび33bの矢印Y2方向側の端部には、それぞれプーリ333aおよび333bが設けられている。これらのプーリ333aおよび333bには、ボールネジ軸33aおよび33bを回転駆動するための駆動モータ34の出力軸に連結されたプーリ341と噛み合うベルト342が巻き掛けられている。
駆動モータ34は、基台5に取り付けられたブラケット343により支持されている。また、矢印X1方向側のボールネジ軸33bのプーリ333bと入口搬送装置10の矢印X2方向側のボールネジ軸13aのプーリ15aとの間には、さらにもう1つのベルト37が巻き掛けられ、さらに上述したように、プーリ15aとプーリ15bとの間には、ベルト15cが巻き掛けられている。これにより、基板搬送装置30の一対のボールネジ軸33aおよび33bと、入口搬送装置10の一対のボールネジ軸13aおよび13bとが、共通の駆動モータ34によって同期して回転されるように構成されている。この結果、ボールネジ軸33a(33b)の回転によって移動する基板搬送装置30のコンベア部31のY方向の位置と、ボールネジ軸13a(13b)の回転によって移動する入口搬送装置10のコンベア部11のY方向の位置とは、常に一致するように構成されている。なお、基板搬送装置30の固定側のコンベア部32と入口搬送装置10の固定側のコンベア部12とのY方向の位置も一致するように配置されている。したがって、入口搬送装置10のコンベア間隔Dと、基板搬送装置30のコンベア間隔Dとは、常に一致するように構成されている。
第1実施形態では、基板搬送装置30のコンベア部31から矢印Y1方向側の部品供給部5cまでの最小となる距離Dc1が、基板搬送装置20のコンベア部21から矢印Y1方向側の部品供給部5cまでの最小となる距離Daよりも大きくなるように構成されている。すなわち、図1に示すように、基板搬送装置30のコンベア部31(入口搬送装置10のコンベア部11)は、矢印Y1方向側の部品供給部5cとの最小となる距離Dc1までY1方向に移動可能に構成されている。基板搬送装置30のコンベア部31は、矢印Y1方向側のコンベア部21を矢印Y1方向側の部品供給部5cとの最小となる距離Daまで移動可能な基板搬送装置20と比較して、矢印Y1方向側の移動可能範囲が狭くなるように構成され、距離Dc1の方が距離Daより大きくなるよう構成されている。これにより、基板搬送装置30のY方向の最大幅は、距離Dc1と距離Daとの差に略等しい距離Ddの分だけ基板搬送装置20のY方向の最大幅よりも小さくなるように構成されている。これにより、基台5上には、基板搬送装置30(コンベア部31)の矢印Y1方向側に、基板搬送装置20側のスペースより距離Dd分だけ大きな距離Dc1のスペースが形成されるように構成されている。第1実施形態では、この距離Dd分だけ大きな距離Dc1のスペースを形成することにより、ノズル交換装置7と、ノズル清掃装置8と、部品廃棄箱9aとを基板搬送装置30(コンベア部31)の矢印Y1方向側の位置に配置することが可能なように構成されている。
また、図1に示すように、基板搬送装置30は、搬送されるプリント基板1を停止または通過させる2つのストッパ381および382と、ストッパ381および382の近傍にそれぞれ設けられ、所定位置に配置されたプリント基板1を検出する基板検出センサ383および384とを有している。矢印X1方向側のストッパ381は、大型のプリント基板1a(図1参照)を搭載する場合に用いられる。この際、基板搬送装置20と基板搬送装置30との両方によってプリント基板1aが保持される。また、矢印X2方向側のストッパ382は、小型のプリント基板1b(図5参照)を搭載する場合に用いられる。これにより、基板搬送装置30は、コンベア部31および32上の所定位置にプリント基板1(1aまたは1b)を配置することが可能となるように構成されている。また、各コンベア部31および32には、ガイドレール312および322の上面に、互いに向かい合う方向に突出する複数の係止部材312aおよび322aが設けられるとともに、ガイドレール312および322の下側に、クランプ機構39(図8参照)が設けられている。これにより、基板搬送装置30は、プリント基板1のY方向の両辺を、各コンベア部31(32)に設けられた係止部材312a(322a)(図5参照)とクランプ機構39とによって挟み込むようにして保持する機能を有する。なお、クランプ機構39の構成は、基板搬送装置20の各コンベア部21(22)に設けられたクランプ機構29と同様である。
また、図8に示すように、基板搬送装置20の一対のボールネジ軸23aおよび23bの間の位置には、基板支持装置40aが配置されている。基板搬送装置30の一対のボールネジ軸33aおよび33bの間の位置には、基板支持装置40bが配置されている。
基板支持装置40a(40b)は、昇降可能な支持板41a(41b)を有する。また、支持板41a(41b)の表面上には、磁石が内蔵され取り外し可能な固定具60にクランク状の支持具61を介して取り付けられたバックアップピン62が、上方(矢印Z1方向)に向けて配置されている(図8のみ表示)。バックアップピン62は、実装作業開始前に、予め支持板41a(41b)上の、実装対象のプリント基板1の大きさに応じた位置に複数配置される。実装作業時には、基板支持装置40a(40b)は、基板搬送装置20(基板搬送装置30)にクランプされ実装作業位置に配置されたプリント基板1にバックアップピン62が当接するまで支持板41a(41b)を上昇させるように構成されている。これにより、基板支持装置40a(40b)は、部品搭載時にヘッドユニット3およびヘッドユニット4の吸着ノズル91により加えられる押圧力に対して、バックアップピン62により下側からプリント基板1を支持するように構成されている。
図1に示すように、矢印Y1方向側のヘッドユニット3と、矢印Y2方向側のヘッドユニット4とは、それぞれ同一構成を有し、互いに対向するように配置されている。また、ヘッドユニット3およびヘッドユニット4は、それぞれX方向に延びるヘッドユニット支持部71aおよび71bに沿ってX方向に移動可能に構成されている。具体的には、図1に示すように、ヘッドユニット支持部71aは、X方向に延びるボールネジ軸72aと、ボールネジ軸72aを回転させるサーボモータ73aと、X方向のガイドレール(図示せず)とを有している。また、ヘッドユニット3は、ボールネジ軸72aが螺合されるボールナット3aを有している。同様に、ヘッドユニット支持部71bは、X方向に延びるボールネジ軸72bと、ボールネジ軸72bを回転させるサーボモータ73bと、X方向のガイドレール(図示せず)とを有している。また、ヘッドユニット4は、ボールネジ軸72bが螺合されるボールナット4aを有している。ヘッドユニット3およびヘッドユニット4は、それぞれ、サーボモータ73aおよび73bによりボールネジ軸72aおよび72bが回転されることにより、ヘッドユニット支持部71aおよび71bに対してX方向に移動するように構成されている。
また、これらのヘッドユニット支持部71aおよび71bは、基台5上に基板搬送コンベア2を跨ぐように設けられたY方向に延びるそれぞれフレーム部材である一対の固定レール部80に沿って、それぞれY方向に移動可能に構成されている。具体的には、一対の固定レール部80は、それぞれ、ヘッドユニット支持部71aおよび71bの両端部をY方向に移動可能に支持するガイドレール81と、固定レール部80の内部にY方向に沿って配列された複数の永久磁石からなる固定子(図示せず)とを有している。また、ヘッドユニット支持部71aおよび71bのそれぞれの両端には、界磁コイルからなる可動子(図示せず)が固定子の近傍に配置されるように設けられている。つまり、各ヘッドユニット支持部71aおよび71bに設けられた可動子(界磁コイル)と、一対の固定レール部80に設けられた共通の固定子(永久磁石)とにより、リニアモータが構成されている。ヘッドユニット支持部71aおよび71bは、可動子(界磁コイル)に供給される電流を制御することによって、ガイドレール81に沿ってY方向に移動するように構成されている。このような構成により、ヘッドユニット3およびヘッドユニット4は、それぞれ基台5上方をXY方向に移動することが可能なように構成されている。
矢印Y1方向側のヘッドユニット3は、一対の固定レール部80とヘッドユニット支持部71aとによって、移動範囲A1の範囲でXY方向に移動可能に構成されている。また、矢印Y2方向側のヘッドユニット4は、一対の固定レール部80とヘッドユニット支持部71bとによって、移動範囲A2の範囲でXY方向に移動可能に構成されている。
また、ヘッドユニット3およびヘッドユニット4には、それぞれ、X方向に列状に配置された10本の実装ヘッド部90が設けられている。各実装ヘッド部90には、先端(下端)に部品吸着および搭載を行うための吸着ノズル91(図2参照)が、下方に突出するようにして交換可能に取り付けられている。また、実装ヘッド部90には、それぞれ、吸着ノズル91の先端に負圧状態を発生させる負圧発生器(図示せず)と、吸着ノズル91を上下方向(Z方向)に移動させるサーボモータなどの昇降装置(図示せず)とが設けられている。各実装ヘッド部90の吸着ノズル91は、先端に負圧状態を発生させることによって、テープフィーダ6から供給される部品を先端に吸着および保持することが可能である。10本の実装ヘッド部90は、それぞれ個別に負圧状態の発生、解除および正圧状態の発生を切り替えることが可能に構成されている。
また、各々の実装ヘッド部90の吸着ノズル91は、昇降装置(図示せず)によりヘッドユニット3(ヘッドユニット4)に対して上下方向(Z方向)に移動させることによって、吸着ノズル91が上昇位置に位置した状態で部品の搬送などを行うとともに、吸着ノズル91が下降位置に位置した状態で部品のテープフィーダ6からの吸着およびプリント基板1への実装を行うように構成されている(図3参照)。また、実装ヘッド部90は、XY方向ノズル交換装置7の上方位置において、吸着ノズル91を下降位置に移動させた状態でノズル交換装置7と協働し、吸着ノズル91を実装ヘッド部90から取り外すとともに、ノズル交換装置7に保持された別の吸着ノズル91を取り付けることによって、吸着ノズル91を交換することが可能なように構成されている。また、実装ヘッド部90は、サーボモータなどのノズル回転装置(図示せず)により、吸着ノズル91自体をその軸を中心として回転可能に構成されている。これにより、表面実装機100では、部品を搬送する途中に吸着ノズル91を回転させることにより、ノズルの先端に保持された部品の姿勢(水平面内の向き)を調整することが可能である。
また、図1に示すように、ヘッドユニット3の矢印X1方向側の側部およびヘッドユニット4の矢印X2方向側の側部には、それぞれ、基板撮像装置93が取り付けられている。基板撮像装置93は、CCDエリアカメラで構成されており、撮像方向をヘッドユニット3(ヘッドユニット4)から下方(矢印Z2方向)に向けて取り付けられている。この基板撮像装置93は、部品搭載時に、プリント基板1の表面に設けられた基板マーク(図示せず)を撮像することにより部品の装着位置の基準点を取得するように構成されている。そして、この基板マークの撮像画像に基づいて、部品の装着位置および装着方向が演算され認識されるように構成されている。
図1に示すように、大型(長尺)のプリント基板1aの部品実装時には、ヘッドユニット3およびヘッドユニット4が後述する制御装置101に制御されて、実装作業位置P1に配置された1つのプリント基板1aへの部品実装を行う。また、図5に示すように、小型のプリント基板1bの部品実装時には、ヘッドユニット3およびヘッドユニット4がそれぞれ実装作業位置P2およびP3に配置されたプリント基板1bに対して部品の搭載を行うことが可能である。部品実装時には、図5に示すように、ヘッドユニット3は、矢印Y1方向側のテープフィーダ6の部品取出部6aとプリント基板1bの上方とを往復移動するため、基板搬送装置20が矢印Y1方向側のテープフィーダ6の近傍(距離Daとなる位置)の実装作業位置P2までプリント基板1bを近づけることによって、実装作業に要する時間を短縮化することが可能である。一方、ヘッドユニット4は、矢印Y2方向側のテープフィーダ6の部品取出部6aとプリント基板1bの上方とを往復移動するため、矢印Y2方向側のテープフィーダ6(部品供給部5c)の近傍(距離Db1となる位置)の実装作業位置P3にプリント基板1bが搬送されることによって、実装作業に要する時間を短縮化することが可能である。第1実施形態では、基板搬送コンベア2のレール2b(コンベア部12、22および32)が、矢印Y2方向側のテープフィーダ6(部品供給部5c)の近傍(距離Db1となる位置)の位置に配置されているため、搬送経路上の実装作業位置P1(大型のプリント基板1aの場合)および実装作業位置P3(小型のプリント基板1bを基板搬送装置30が保持する場合)にプリント基板1(1a、1b)を配置する場合には、Y方向には移動させることなくプリント基板1(1a、1b)を矢印Y2方向側のテープフィーダ6の近傍に配置することが可能なように構成されている。
表面実装機100の動作は、図11に示す制御装置101によって制御されている。制御装置101は、主制御部102、駆動制御部103、画像処理部104、バルブ制御部105および記憶部106を含んでいる。また、制御装置101は、液晶表示装置などの表示ユニット107と、キーボードなどの入力ユニット108とを備えている。
主制御部102は、論理演算を実行するCPUなどから構成されている。主制御部102は、記憶部106のROMに記憶されているプログラムに従って、駆動制御部103を介してヘッドユニット3、ヘッドユニット4、基板搬送コンベア2の入口搬送装置10、基板搬送装置20および基板搬送装置30などの動作を制御するとともに、画像処理部104を介して2つの部品撮像装置5dとヘッドユニット3およびヘッドユニット4の基板撮像装置93とをそれぞれ制御するように構成されている。また、主制御部101は、バルブ制御部105を介して、ヘッドユニット3およびヘッドユニット4にそれぞれ設けられた負圧発生器を制御することにより、吸着ノズル91による部品の吸着動作を制御するように構成されている。また、主制御部102は、記憶部106に記憶された基板データ106aを読み出し、実装対象のプリント基板1(1a、1b)の大きさ(幅W1、W2)や基板マーク位置を取得するように構成されている。そして、主制御部102は、取得したプリント基板1(1a、1b)の大きさに基づいて、入口搬送装置10、基板搬送装置20および基板搬送装置30のコンベア間隔Dを調整させ、さらにストッパ28、381、382、クランプ機構29、39、および基板支持装置40a、40bの各昇降モータ等の作動制御を行うように構成されている。
駆動制御部103は、主制御部102から出力される制御信号に基づいて、ヘッドユニット3およびヘッドユニット4の各部のモータ(X方向に移動するためのサーボモータ73aおよび73b(X軸モータ)、Y方向に移動するための界磁コイル(Y軸モータ)、10本の実装ヘッド部90の吸着ノズル91をそれぞれ上下方向に移動させるための昇降装置のサーボモータ(Z軸モータ)、10本の吸着ノズル91をそれぞれR軸方向(各吸着ノズルの中心軸回りの回転方向)に回転移動させるためのノズル回転装置のサーボモータ(R軸モータ))の駆動を制御するように構成されている。また、駆動制御部103は、主制御部102から出力される制御信号に基づいて、基板搬送コンベア2の各部のモータ(入口搬送装置10および基板搬送装置30の駆動モータ34、基板搬送装置20の駆動モータ25、基板搬送装置20の回転モータ26、および、入口搬送装置10、基板搬送装置20および基板搬送装置30のそれぞれの搬送モータ(27および36)などの駆動を制御するように構成されている。なお、これらのサーボモータのエンコーダ(25a、26a、34a)からの信号は、駆動制御部103を介して主制御部102に入力される。
画像処理部104は、主制御部102から出力される制御信号に基づいて、部品撮像装置5dおよび基板撮像装置93から所定のタイミングで撮像信号の読み出しを行うとともに、読み出した撮像信号に所定の画像処理を行うことにより、部品や基板マークを認識するのに適した画像データを生成するように構成されている。これらの画像データは主制御部102に出力され、部品の画像データに基づいて各吸着ノズル91に吸着された部品の吸着良否判定(実装位置補正や実装方向補正を行えば、正しい装着ができる吸着状態であるか否か)や、吸着ノズル91による部品の吸着位置ずれおよび吸着方向ずれの算出と実装位置および実装方向の補正とが行われるように構成されている。また、主制御部102により、基板マークの画像データに基づいて基準点および基板方向が取得され、この基準点および基板方向に基づいて各部品の基板位置に基づく実装位置および実装方向の補正値が算出されるように構成されている。
記憶部106は、CPUを制御するプログラムなどを記憶するROM(Read Only Memory)および装置の動作中に種々のデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)などから構成されている。また、記憶部106には、実装対象となるプリント基板1(1a、1b)の寸法、基準マーク位置などの基板データ106aや、実装対象となる部品に関わる各種データ、実装位置および実装方向データ等、所定の実装済みプリント基板1(1a、1b)の製造を行うための実装プログラム(図示せず))が記憶されている。実装時には、これらのデータが主制御部102により読み出されるとともに、読み出されたデータに基づいて実装作業が行われるように構成されている。
また、図1に示すように、矢印Y1方向側の2つの部品供給部5cの間と、矢印Y2方向側の2つの部品供給部5cの間とにそれぞれ設けられた部品撮像装置5dは、それぞれ、吸着ノズル91に吸着された部品を撮像するためのラインセンサを使用した部品撮像装置である。これらの部品撮像装置5dは、基台5上に固定的に設けられ、吸着ノズル91の下面と対向するように、撮像方向を上方(矢印Z1方向)に向けて取り付けられている。これにより、ヘッドユニット3(ヘッドユニット4)の各10本の吸着ノズル91に部品を吸着した状態でヘッドユニット3(ヘッドユニット4)が部品撮像装置5dの上方をX方向に移動することにより、ヘッドユニット3(ヘッドユニット4)にX方向に並んで配置された10本の吸着ノズル91に保持された部品の下面を下方向から順次撮像することが可能になる。この部品撮像装置5dにより撮像された部品の撮像画像に基づいて、吸着ノズル91に保持された部品の部品認識(吸着ノズル91に対する吸着部品の位置ずれ、方向ずれの検知)を行うことが可能なように構成されている。
テープフィーダ6は、複数の部品を所定の間隔を隔てて保持したテープが巻き回されたリール(図示せず)を保持している。このテープフィーダ6は、リールを回転させることにより部品を保持するテープを送り出すことによって、テープフィーダ6の先端の部品取出部6a(図1参照)から部品を供給するように構成されている。図2および3に示すように、各テープフィーダ6は、基台5に設けられた部品供給部5cに固定されるとともに、部品供給部5cに設けられた図示しないコネクタを介して制御装置101に電気的に接続されるように構成されている。これにより、部品供給部5cにセットされた複数のテープフィーダ6の各々は、制御装置101からの制御信号に基づいて、ヘッドユニット3およびヘッドユニット4によるプリント基板1への部品実装動作と、リールからテープを送り出す部品供給動作とを同期させるように構成されている。
図1に示すように、ノズル交換装置7は、基板搬送装置30(コンベア部31)の矢印Y1方向側に配置され、基台5に設けられた支持部材7a(図3参照)によって支持されている。ノズル交換装置7には、複数のノズル格納部7bが設けられ、複数種類の吸着ノズル91を保持している。制御装置101は、ヘッドユニット3またはヘッドユニット4をノズル交換装置7の上方に位置させるとともに、実装ヘッド部90に装着された吸着ノズル91を下降させる。この状態でノズル交換装置7は、吸着ノズル91が格納されていないノズル格納部7bに吸着ノズル91を格納することが可能なように構成されている。また、制御装置101は、実装ヘッド部90の先端に吸着ノズル91が装着されていない状態で、吸着ノズル91が格納されたノズル格納部7bに実装ヘッド部90の先端部を下降させる。この状態でノズル交換装置7は、実装ヘッド部90の先端部に別の吸着ノズル91を装着することが可能なように構成されている。
ノズル清掃装置8は、ノズル交換装置7と基板搬送装置30(コンベア部31)との間の位置に配置されている。ノズル清掃装置8は、ヘッドユニット3(ヘッドユニット4)の各実装ヘッド部90に装着された吸着ノズル91に対応するように、複数の孔部8aが設けられている。この孔部8aに吸着ノズル91が配置された状態で、ノズル清掃装置8は、負圧発生器により吸着ノズル91に正圧を供給することによって、吸着ノズル91に接続する空気経路(図示せず)および吸着ノズル91内の異物が排出され、この異物を収納保持するように構成されている。
第1実施形態では、これらのノズル交換装置7およびノズル清掃装置8は、ヘッドユニット3の移動範囲A1およびヘッドユニット4の移動範囲A2の双方の範囲内に配置されており、ヘッドユニット3およびヘッドユニット4で共用されるように構成されている。これらのノズル交換装置7、ノズル清掃装置8は、基板搬送装置30(コンベア部31)の矢印Y1方向側に形成された距離Dd分のスペースに配置されている。第1実施形態では、プリント基板1をY方向に移動させない分(距離Ddの分)だけ基板搬送装置30のY方向の幅を基板搬送装置20のY方向の幅よりも小さくしてスペースを形成することによって、ノズル交換装置7、ノズル清掃装置8をヘッドユニット3およびヘッドユニット4の双方の移動範囲(A1およびA2)内に配置するように構成されている。
部品廃棄箱9aは、ノズル交換装置7と矢印Y1方向側のテープフィーダ6との間に配置されている。この部品廃棄箱9aも、基板搬送装置30(コンベア部31)の矢印Y1方向側に形成された距離Dd分のスペースに配置されている。また、部品廃棄箱9bは、基板搬送装置30の矢印Y2方向側に配置されている。これらの部品廃棄箱9aおよび9bは、部品撮像装置5dにより撮像された部品の撮像画像に基づいて部品の吸着良否判定が行われた結果、主制御部102により吸着不良と判定された部品が吸着ノズル91から廃棄されるように構成されている。
次に、図5、図6、図10、図12および図13を参照して、本発明の第1実施形態による表面実装機100のプリント基板1の搬送動作および実装動作について詳細に説明する。なお、以下では、小型のプリント基板1bを搬送し、個々のプリント基板1bについてヘッドユニット3およびヘッドユニット4の両方を用いて部品搭載を行う例について説明する。つまり、1つのプリント基板1bについて、ヘッドユニット3が前半の部品搭載を行うとともに、ヘッドユニット4が後半の部品搭載を行う。
図12に示すように、基板検出センサ28a、383、384の全てにおいてプリント基板1(1b)が検出されない状態のタイミングT1において、主制御部102により、搬入されるプリント基板1bのY方向側の幅に一致するように、入口搬送装置10、基板搬送装置20および基板搬送装置30のコンベア間隔Dの調整が行われる。具体的には、主制御部102により記憶部106から読み出された基板データ106aに基づき、搬送されるプリント基板1bのY方向側の幅W2が取得される。このプリント基板1bのY方向側の幅W2に基づいて、駆動モータ34が駆動されて入口搬送装置10および基板搬送装置30の矢印Y1方向側のコンベア部11および31が同期して移動する。また、回転モータ26が駆動されて基板搬送装置20の矢印Y1方向側のコンベア部21が移動する。これにより、入口搬送装置10、基板搬送装置20および基板搬送装置30のコンベア間隔Dが全てプリント基板1bの幅W2に一致する。すなわち、コンベア部11、21および31がY方向全て同じ位置となり、コンベア部12、22および32がY方向全て同じ位置となって一つの搬送経路を形成し、幅W2のプリント基板1bをX方向に搬送可能となる。
タイミングT2において、主制御部102により、1枚目のプリント基板1bが基板搬送装置20に搬入される。具体的には、入口搬送装置10の図示しない搬送モータが駆動されるとともに、基板搬送装置20の搬送モータ27が駆動され、各搬送ベルト(111、211および221など)が送られることにより、プリント基板1bが基板搬送装置20上の所定位置まで矢印X2方向に搬送(搬入)される。搬入されたプリント基板1bは、基板搬送装置20のストッパ28によって所定位置で停止されるとともに、プリント基板1bが所定位置に到達したことが、基板検出センサ28aによって検出(基板有)される。なお、基板搬送コンベア2によるプリント基板1bの搬入が行われている間(タイミングT2〜T4)に、実装プログラムに基づいて、ヘッドユニット3およびヘッドユニット4の各実装ヘッド部90の吸着ノズル91がノズル交換装置7を用いて必要な吸着ノズル91に交換される。ノズル交換が終了すると、ヘッドユニット3およびヘッドユニット4はプリント基板1bがそれぞれの実装作業位置P2およびP3に配置されるまで待機する。
タイミングT3において、主制御部102により、基板搬送装置20のクランプ機構29が駆動され、プリント基板1bが係止部材212a(222a)とクランプ機構29とによって挟み込むようにして保持される。また、入口搬送装置10の搬送ベルト(111など)が送られ、2枚目のプリント基板1bが入口搬送装置10に搬入される。
タイミングT4において、主制御部102により駆動モータ25が駆動され、基板搬送装置20の両コンベア部21および22が同期して矢印Y1方向に移動され、矢印Y1方向側のコンベア部21(プリント基板1b)が矢印Y1方向側のテープフィーダ6の近傍の実装作業位置P2(図5参照)に配置される。
タイミングT5において、主制御部102により、実装作業位置P2に配置されたプリント基板1bのヘッドユニット3による部品実装作業が実施される。部品実装作業に先立って、基板支持装置40aの支持板41aが上昇されることにより、バックアップピン62がプリント基板1bの下面を支持する。また、ヘッドユニット3がプリント基板1bの上方に移動して、プリント基板1bの図示しない基板マークを、基板撮像装置93により撮像する。これにより、部品の装着位置の基準点が取得される。
さらに、ヘッドユニット3が所定のテープフィーダ6の部品取出部6aの上方に移動されて、実装対象の部品がテープフィーダ6から取り出される。具体的には、部品取出部6aの上方から吸着ノズル91を下降させるとともに、所定のタイミングで吸着ノズル91の先端に負圧が供給される。これにより、テープフィーダ6上の部品が吸着ノズル91により吸着および保持される。また、この後テープフィーダ6は、次の部品が部品取出部6aに配置されるまで、テープ送りを実施する。部品の吸着後、部品を保持した吸着ノズル91が上昇し、ヘッドユニット3が部品撮像装置5dの上方をX方向に移動することにより吸着ノズル91に保持された部品の撮像が行われる。その後、ヘッドユニット3は、プリント基板1bの上方の、基板マークを基準とした部品装着位置に移動を開始する。このとき、撮像された部品の画像データに基づいて、主制御部102により部品認識が行われ、各吸着ノズル91に吸着された部品の吸着良否判定が行われるとともに、吸着位置ずれ量(XY方向ずれ量、およびR方向ずれ量)が取得されて部品装着位置の補正が行われる。これにより、ヘッドユニット3が補正された部品装着位置に移動するとともに、吸着ノズル91がノズル回転装置により回転して、部品の装着角度の補正が行われる。そして、ヘッドユニット3がプリント基板1bの補正後の装着位置に移動された後、吸着ノズル91が下降されて部品がプリント基板1bに装着される。
一方、吸着不良と判定された場合には、ヘッドユニット3が部品廃棄箱9aの上方に移動して、吸着ノズル91から部品が廃棄される。タイミングT5では、以上の処理が繰り返し行われることにより、実装作業位置P2において部品のプリント基板1bへの実装作業が行われる。
タイミングT5でヘッドユニット3による部品実装作業が終了すると、タイミングT6では、主制御部102により駆動モータ25がタイミングT4とは逆方向に駆動され、基板搬送装置20の両コンベア部21および22が同期して移動されて、プリント基板1bを矢印Y2方向側の搬送位置P4(図10参照)に移動させる。このとき、基板搬送装置20の両コンベア部21および22が搬送位置P4に配置されることにより、基板搬送装置20から基板搬送装置30へのプリント基板1bの搬送が可能になるとともに、入口搬送装置10から基板搬送装置20への2枚目のプリント基板1bの搬送(搬入)が可能となる。
タイミングT7において、主制御部102により、基板搬送装置20のクランプ機構29がタイミングT3とは逆方向に駆動され、プリント基板1bが係止部材212a(222a)およびクランプ機構29から解放されて、コンベア部21の搬送ベルト211およびコンベア部22の搬送ベルト221によって支持される。
タイミングT8において、1枚目のプリント基板1bが基板搬送装置20から基板搬送装置30に搬送される。具体的には、基板搬送装置20の搬送モータ27が駆動され、搬送ベルト211および221が送られるとともに、基板搬送装置30の搬送モータ36が駆動され、搬送ベルト311および321が送られることにより、プリント基板1bが基板搬送装置30上の実装作業位置P3に向かって矢印X2方向に搬送される。また、基板搬送装置20からプリント基板1bが搬出されることにより、搬送モータ27の駆動が停止されるとともに、基板検出センサ28aの出力が「基板無」に変わる。
タイミングT9において、基板搬送装置30ではプリント基板1bの矢印X2方向への搬送が継続される。タイミングT10では、2枚目のプリント基板1bが基板搬送装置20に搬入される。具体的には、入口搬送装置10の図示しない搬送モータが駆動され、入口搬送装置10上の2枚目のプリント基板1bが矢印X2方向に送られるとともに、基板搬送装置20の搬送モータ27が駆動されることにより、2枚目のプリント基板1bが基板搬送装置20上の所定位置まで矢印X2方向に搬送(搬入)される。図10に示すように、搬入されたプリント基板1bは、基板搬送装置20のストッパ28によって所定位置で停止されるとともに、プリント基板1bが所定位置に到達したことが、基板検出センサ28aによって検出(基板有)される。また、基板搬送装置30上の1枚目のプリント基板1bも、基板搬送装置30のストッパ382によって停止されるとともに、プリント基板1bが実装作業位置P3に到達したことが、基板検出センサ384によって検出(基板有)される。
タイミングT11において、主制御部102により、基板搬送装置30のクランプ機構39が駆動され、実装作業位置P3に配置された1枚目のプリント基板1bが係止部材312a(322a)とクランプ機構39とによって保持されるとともに、基板搬送装置20のクランプ機構29が駆動され、2枚目のプリント基板1bが係止部材212a(222a)とクランプ機構29とによって保持される。
タイミングT12において、実装作業位置P3に配置された1枚目のプリント基板1bのヘッドユニット4による部品実装作業(後半)が実施される。部品実装作業に先立って、基板支持装置40bの支持板41bが上昇されることにより、バックアップピン62がプリント基板1bの下面を支持する。なお、ヘッドユニット4による部品実装作業の詳細は、タイミングT5のヘッドユニット3による部品実装作業と同様である。なお、ヘッドユニット3による部品実装作業とヘッドユニット4による部品実装作業を同時並行的に実施することにより、実装効率が向上する。しかし、2枚目のプリント基板1bを実装作業位置P2まで移動させるのに時間が掛かるので、ヘッドユニット4による部品実装作業の開始を先行させるとともに、搭載部品点数を多くし、その分ヘッドユニット3による搭載部品点数を少なくし部品実装作業時間を短くしている。これにより、1枚目のプリント基板1bおよび2枚目のプリント基板1bの両方が同時に矢印X2方向に搬送可能となるタイミングまでに要する時間を短くできている。すなわち、基板搬送装置20によるプリント基板1bのY方向の移動(タイミングT4およびT6)に要する時間に対応して、ヘッドユニット3による搭載部品点数を少なくすることにより、ヘッドユニット4側での待機時間を短縮し、実装効率を高めることが可能である。
すなわち、タイミングT12では、ヘッドユニット4による1枚目のプリント基板1bの部品搭載が先行して実施されるとともに、この部品搭載と並行して、基板搬送装置20の両コンベア部21および22が同期して移動され、2枚目のプリント基板1bが矢印Y1方向側のヘッドユニット3による実装作業位置P2に移動される。
タイミングT13では、図5および図6に示すように、実装作業位置P2に配置された2枚目のプリント基板1bのヘッドユニット3による部品実装作業が開始される。一方、1枚目のプリント基板1bのヘッドユニット4による部品実装作業(後半)が完了する。
タイミングT14において、基板搬送装置30上の実装作業位置P3に配置されたプリント基板1bのクランプが解除される。これにより、基板搬送装置30から1枚目のプリント基板1bを矢印X2方向に搬出することが可能となる。また、ヘッドユニット3による2枚目のプリント基板1bの実装作業は継続される。
タイミングT15では、基板搬送装置30の搬送モータ36が駆動され、搬送ベルト311および321が送られることにより、1枚目のプリント基板1bが矢印X2方向に搬送され基板搬送装置30からの搬出が開始される。また、ヘッドユニット3による2枚目のプリント基板1bの実装作業(前半)が完了する。
タイミングT16では、基板搬送装置20の両コンベア部21および22が同期して移動され、2枚目のプリント基板1bを矢印Y2方向側の搬送位置P4に移動させる。これにより、基板搬送装置20から基板搬送装置30へのプリント基板1bの搬送が可能になる。また、1枚目のプリント基板1bの基板搬送装置30からの搬出が継続される。
タイミングT17では、基板搬送装置20上の搬送位置に配置された2枚目のプリント基板1bのクランプが解除される。また、1枚目のプリント基板1bの基板搬送装置30からの搬出が完了し、基板検出センサ384の出力が「基板無」に変わる。
タイミングT18では、2枚目のプリント基板1bが基板搬送装置20から基板搬送装置30に搬送される。具体的には、基板搬送装置20の搬送モータ27が駆動されるとともに、基板搬送装置30の搬送モータ36が駆動され、プリント基板1bが基板搬送装置30上の実装作業位置P3に向かって矢印X2方向に搬送される。また、基板搬送装置20からプリント基板1bが搬出されることにより、搬送モータ27の駆動が停止されるとともに、基板検出センサ28aの出力が「基板無」に変わる。
これ以降、タイミングT9〜T18が繰り返されることにより、プリント基板1bの搬入と、ヘッドユニット3による実装作業(前半)と、ヘッドユニット4による実装作業(後半)と、プリント基板1bの搬出とが繰り返される。
その後、図13に示すように、最終のプリント基板1bのヘッドユニット3による実装作業が完了すると、タイミングT19において、最終のプリント基板1bが基板搬送装置20から基板搬送装置30に搬送される。具体的には、基板搬送装置20の搬送モータ27が駆動され、プリント基板1bが基板搬送装置30上の実装作業位置P3に向かって矢印X2方向に搬送される。また、基板搬送装置20からプリント基板1bが搬出されることにより、搬送モータ27の駆動が停止されるとともに、基板検出センサ28aの出力が「基板無」に変わる。
最終のプリント基板1bが基板搬送装置20から基板搬送装置30へと搬送されると、タイミングT20において、主制御部102により記憶部106から読み出された基板データ106aに基づき、次の実装対象となるプリント基板1のY方向側の幅が取得される。また、回転モータ26が駆動されて、基板搬送装置20の矢印Y1方向側のコンベア部21が移動する。これにより、基板搬送装置20のコンベア間隔Dが次の実装対象となるプリント基板1の幅に一致するように調整される。
その後、最終のプリント基板1bのヘッドユニット4による実装作業が完了すると、タイミングT21において、搬送モータ36が駆動され、最終のプリント基板1bが基板搬送装置30から搬出される。また、基板搬送装置30からプリント基板1bが搬出されると、基板検出センサ384の出力が「基板無」に変わる。
その後、タイミングT22において、駆動モータ34が駆動されて、入口搬送装置10および基板搬送装置30の矢印Y1方向側のコンベア部11および31が同期して移動する。これにより、入口搬送装置10および基板搬送装置30のコンベア間隔Dが、次の実装対象となるプリント基板1のY方向側の幅に一致するように調整される。以上のようにして、表面実装機100のプリント基板1の搬送動作および実装動作が行われる。
第1実施形態では、上記のように、矢印Y2方向側にずれるように配置された搬送経路上の位置から矢印Y1方向側の部品供給部5cに向けて、プリント基板1をY方向に移動可能に基板搬送装置20を構成し、矢印Y2方向側にずれて配置された搬送経路上のプリント基板1をY方向には移動させることなくX方向に搬送して実装作業位置に配置するように基板搬送装置30を構成することによって、小型のプリント基板1bに部品を実装する場合には、基板搬送装置20によりプリント基板1bを矢印Y1方向側の部品供給部5cに近い実装作業位置P2に移動させることができるとともに、基板搬送装置30により矢印Y2方向側にずれた搬送経路上の実装作業位置P3にプリント基板1bを搬送することができる。これにより、矢印Y2方向側の部品供給部5cにプリント基板1bを近づけ、かつ、矢印Y1方向側の部品供給部5cに別のプリント基板1bを近づけた状態で、それぞれのプリント基板1bに部品を実装することが可能である。この場合、基板搬送装置30をY方向にプリント基板1bを移動可能なように構成する必要がないので、基板搬送装置30の構成が複雑化するのを抑制することができる。また、平面的に見て、矢印Y2方向側の部品供給部5cと矢印Y1方向側の部品供給部5cとの間の中間位置Lf1よりも搬送経路上を搬送されるプリント基板1の中央位置Lcが矢印Y2方向側にずれるように搬送経路を配置することによって、搬送経路自体が矢印Y2方向側の部品供給部5cに近い位置に配置されるので、搬入したプリント基板1をそのまま矢印Y2方向側の部品供給部5cに近い位置に配置することができる。これにより、搬送経路上に搬入したプリント基板1をY方向に移動させなくても、プリント基板1を矢印Y2方向側の部品供給部5cに近い実装作業位置(P1またはP3)に配置することができるので、長尺のプリント基板1において、プリント基板1の搬入から実装の開始までの間に基板搬送装置20(コンベア部21および22)を移動させる必要がなく、その結果、実装作業に要する時間を短縮することができる。これらの結果、第1実施形態では、基板搬送装置30の構造が複雑化するのを抑制しながら、実装作業に要する時間を短縮することができる。
なお、上記特許文献1においては、実装の終了後から基板の搬出までの間に基板搬送装置(基板搬送保持装置)を部品供給部に近づけた位置と装置中央(搬送経路上の下流側にアンローダが配置される位置)との間で移動させる分だけ実装作業に要する時間が増加してしまうという問題点があるが、第1実施形態では、搬送経路自体および基板搬送装置30が矢印Y2方向側の部品供給部5cに近い位置に配置されるので、長尺のプリント基板1においても、また小型のプリント基板1bにおいても、部品の実装後直ちにプリント基板1(1b)を下流機へ搬出できるので、実装作業に要する時間を短縮することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、基板搬送装置20のコンベア部21およびコンベア部22を、それぞれY方向に移動可能に構成するとともに、コンベア間隔Dを変更可能に構成し、基板搬送装置30のコンベア部32を、矢印Y2方向側に固定的に設置するとともに、コンベア部31を、コンベア部32よりも矢印Y1方向側の位置に、Y方向に移動可能に構成することにより、コンベア間隔Dを変更可能に構成することによって、基板搬送装置20は、コンベア部21および22により、コンベア間隔Dを変更するとともにY方向にプリント基板1を移動させることができるとともに、基板搬送装置30は、コンベア部31により、コンベア間隔Dを変更することができる。これにより、小型のプリント基板1bに部品を実装する場合には、基板搬送装置20と基板搬送装置30とにそれぞれプリント基板1bを保持させて、矢印Y2方向側および矢印Y1方向側の各部品供給部5cに近づけた実装作業位置(P2およびP3)でそれぞれ実装作業を行うことができる。また、コンベア部32を固定的に設置するとともにコンベア部31をコンベア部32よりも矢印Y1方向側の位置に配置することによって、搬送されるプリント基板1の大きさが変わっても矢印Y2方向側のコンベア部32の位置が変わらないため、基板搬送装置30に保持されるプリント基板1を、常に矢印Y2方向側の部品供給部5cに近い位置に配置することができる。これにより、搬送されるプリント基板1の大きさによらず、常に矢印Y2方向側の部品供給部5cに近い実装作業位置P3で実装作業を行うことができるので、ヘッドユニット4の各実装ヘッド部90による部品の搬送距離を短くでき、実装作業に要する時間を短縮することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、基板搬送装置30のコンベア部31が基板搬送装置20のコンベア部21の移動可能範囲よりも狭い範囲でY方向に移動可能に構成されることにより、基板搬送装置30のコンベア部31から矢印Y1方向側の部品供給部5cまでの最小となる距離Dc1を、基板搬送装置20のコンベア部21から矢印Y1方向側の部品供給部5cまでの最小となる距離Daよりも大きくなるように構成することによって、Y方向の最大幅とした基板搬送装置30と矢印Y1方向側の部品供給部5cとの間に、基板搬送装置20の側より距離Dd分だけ大きな、距離Dc1のスペースを設けることができる。この基板搬送装置30と矢印Y1方向側の部品供給部5cとの間の大きなスペースに、ノズル交換装置7、ノズル清掃装置8および部品廃棄箱9aなどの機器を配置することができる一方、基板搬送装置20のコンベア部21と矢印Y1方向側の部品供給部5cまでの距離は小さな距離Daとすることができる。これにより、基板搬送装置20において小型のプリント基板1bを矢印Y1方向に、基板搬送装置30においてプリント基板1bを矢印Y2方向に、それぞれ移動可能に構成する場合と異なり、機器を配置した状態で表面実装機100全体(特にY方向の幅)を小型化することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、コンベア部32を、搬送経路の矢印Y2方向側の部品供給部5c近傍の位置(距離Db1となる位置)において固定的に設置し、コンベア部21をコンベア部31と、コンベア部22をコンベア部32と、それぞれY方向において同じ位置に位置させることにより、搬送経路が形成される(図10参照)ように構成し、搬送経路の矢印Y2方向側の端部を、平面的に見て、矢印Y2方向側の部品供給部5c近傍(距離Db1となる位置)に位置するように構成することによって、基板搬送装置30のコンベア部32と、コンベア部31とにより、矢印Y2方向側の部品供給部5c近傍の位置(実装作業位置P3)にプリント基板1bを搬送することができるので、実装ヘッド部90による部品の搬送距離を短くでき、基板搬送装置30が保持するプリント基板1bに対する実装作業に要する時間を短縮することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、ノズル交換装置7、ノズル清掃装置8および部品廃棄箱9aを、平面的に見て、基板搬送装置30のコンベア部31と矢印Y1方向側の部品供給部5cとの間のスペースに配置することによって、基板搬送装置30のY方向の最大幅と基板搬送装置20のY方向の最大幅との差分(距離Dd)だけ大きな、基板搬送装置30と矢印Y1方向側の部品供給部5cとの間の距離Dc1のスペースに、必要に応じた大きさのノズル交換装置7、ノズル清掃装置8、あるいは部品廃棄箱9aの一部あるいは全てを配置することができる。特に、搬送経路の矢印Y2方向側の端部となるコンベア部32を、平面的に見て、矢印Y2方向側(一方側)の部品供給部5c近傍に位置させる場合には、ノズル交換位置、ノズル清掃位置および部品廃棄位置の、これら全ての位置と、ヘッドユニット4の吸着ノズル91で部品吸着する位置である、矢印Y2方向側の部品供給部5cの部品取出部6aとを、互いに近づけることができる。この結果、実装作業中のノズル交換、ノズル清掃あるいは部品廃棄のいずれかの後、部品吸着のため再びヘッドユニット4を矢印Y2方向側の部品供給部5cの部品取出部6aに移動させるに際し、移動距離を短縮することができるので、作業に要する時間を短縮することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、ノズル交換装置7およびノズル清掃装置8を、ヘッドユニット3の移動範囲A1およびヘッドユニット4の移動範囲A2の両方の範囲内に配置することによって、ノズル交換装置7およびノズル清掃装置8を、ヘッドユニット3およびヘッドユニット4の両方で共用することができる。これにより、ヘッドユニット3用およびヘッドユニット4用にそれぞれ別個にノズル交換装置およびノズル清掃装置を設け、基板搬送装置20および30の周囲に別途スペースを設けてそれぞれ配置する場合と比較して、表面実装機100を小型化することができる。
(第2実施形態)
次に、図14を参照して、本発明の第2実施形態による表面実装機400について説明する。この第2実施形態では、基板搬送コンベア2を矢印Y2方向側の部品供給部5cの近傍に配置し、ノズル交換装置7およびノズル清掃装置8を基板搬送装置30の矢印Y1方向側のスペースに配置した上記第1実施形態と異なり、ノズル交換装置407a、407bおよびノズル清掃装置408a、408bを基板搬送装置420および430よりもY方向の外側(両側)に配置し、基板搬送コンベア402を矢印Y1方向側の部品供給部405cと矢印Y2方向側の部品供給部405cとの中心線Lf2よりも、基板搬送コンベア402の中心線Lcが、矢印Y2方向側にずれた位置で、かつ、矢印Y2方向側の部品供給部405cからは離間した位置に配置した例について説明する。なお、基板搬送装置420および基板搬送装置430は、それぞれ、本発明の「第1搬送装置」および「第2搬送装置」の一例である。また、ノズル交換装置407aおよび407bは、それぞれ、本発明の「ノズル交換部」の一例である。また、ノズル清掃装置408a、408bは、それぞれ、本発明の「ノズル清掃部」の一例である。
図14に示すように、第2実施形態では、表面実装機400の基板搬送コンベア402は、基板搬送装置430と、基板搬送装置420と、出口搬送装置410との3つの搬送装置から構成されており、基板搬送装置430、基板搬送装置420および出口搬送装置410は、矢印X1方向側(上流側)からこの順に配列されている。出口搬送装置410は、Y方向に対向する一対のコンベア部411および412を有し、基板搬送装置420は、Y方向に対向する一対のコンベア部421および422を有し、基板搬送装置430は、Y方向に対向する一対のコンベア部431および432を有する。プリント基板1の搬送経路は、矢印Y1方向側のレール402a(コンベア部411、421、および、431)を矢印Y1方向側の端部とし、矢印Y2方向側のレール402b(コンベア部412、422、および、432)を矢印Y2方向側の端部とした、一対のレール402aおよび402bによって挟まれるX方向に延びる領域である。
第2実施形態では、矢印Y1方向側の部品供給部405cと矢印Y2方向側の部品供給部405cとの間の中間位置Lf2よりも、搬送経路上を搬送されるプリント基板1の中央位置Lcが矢印Y2方向側にずれるように搬送経路が配置されている。なお、上記第1実施形態と同様、搬送経路上を搬送されるプリント基板1の中央位置Lcは、コンベア間隔Dに応じて変化する。プリント基板1の中央位置Lcは、コンベア間隔Dが最大の場合に部品供給部405c間の中間位置Lf2と同じか、コンベア間隔Dの大きさによらず、常に中央位置Lcが部品供給部405c間の中間位置Lf2よりも矢印Y2方向側にずれるように配置されている。
また、搬送経路の矢印Y2方向側の端部に相当するレール402b(コンベア部412、422、および、432)は、矢印Y2方向側の部品供給部405c(テープフィーダ6)から距離Db2だけ離れた位置に配置されている。なお、コンベア部422およびコンベア部432は、それぞれ、本発明の「第2コンベア部」および「第4コンベア部」の一例である。
出口搬送装置410の矢印Y1方向側のコンベア部411は、Y方向に移動可能に設けられるとともに、矢印Y2方向側のコンベア部412は、基板搬送コンベア402のレール402bの一部として固定的に設けられている。これにより、矢印Y1方向側のコンベア部411をY方向に移動させて、コンベア間隔Dをプリント基板1の幅に一致させることが可能なように構成されている。
基板搬送装置420の一対のコンベア部421および422は、それぞれY方向に独立して移動可能(図14の二点鎖線参照)に構成されている。矢印Y1方向側のコンベア部421は、矢印Y2方向側の部品供給部405cから矢印Y1方向に距離Db2だけ離間した位置にある時のコンベア部422から、最小幅のプリント基板1bのY方向幅だけ矢印Y1方向に取った位置と、矢印Y1方向側の部品供給部405c(テープフィーダ6)から距離Dc2だけ離間した位置との間で移動可能に構成されている。また、矢印Y2方向側のコンベア部422は、矢印Y2方向側の部品供給部405c(テープフィーダ6)から距離Db2だけ離間した位置と、矢印Y1方向側の部品供給部405cから矢印Y2方向に距離Dc2だけ離間した位置にある時のコンベア部421から、最小幅のプリント基板1bのY方向幅だけ矢印Y2方向に取った位置との間で移動可能に構成されている。これにより、基板搬送装置420は、矢印Y2方向側に配置された基板搬送コンベア402の搬送経路上の位置(プリント基板1の矢印Y2方向側端部の、矢印Y2方向側の部品供給部405cからの距離がDb2)からプリント基板1をY1方向に移動させて、プリント基板1の矢印Y1方向側端部の位置を、矢印Y1方向側の部品供給部405c(テープフィーダ6)から距離Dc2だけ離間した位置まで近づけることが可能なように構成されている。また、一対のコンベア部421および422をY方向に相対的に移動させることにより、コンベア間隔Dをプリント基板1の幅に一致させるように調整することが可能なように構成されている。なお、基板搬送装置420のその他の構成は、上記第1実施形態の基板搬送装置20と同様である。なお、コンベア部421は、本発明の「第1コンベア部」の一例である。
基板搬送装置430は、矢印Y2方向側にずれて配置された搬送経路上のプリント基板1をY方向には移動させることなくX方向に搬送して実装作業位置に配置するように構成されている。また、基板搬送装置430の矢印Y1方向側のコンベア部431は、Y方向に移動可能に設けられるとともに、矢印Y2方向側のコンベア部432は、基板搬送コンベア402のレール402bの一部として固定的に設置されている。これにより、基板搬送装置430は、矢印Y1方向側のコンベア部431をY方向に移動させて、コンベア間隔Dをプリント基板1の幅に一致させることが可能なように構成されている。ここで、第2実施形態では、矢印Y1方向側のコンベア部431は、基板搬送装置420のコンベア部421と略同一の範囲でY1方向に移動可能に構成されている。すなわち、基板搬送装置430のコンベア部431と、基板搬送装置420のコンベア部421とは、矢印Y1方向側の部品供給部405cとの距離Dc2までY1方向に移動可能(図14の二点鎖線参照)に構成されている。このため、第2実施形態では、基板搬送装置430のY方向の幅は、基板搬送装置420のY方向の幅と略等しい。なお、基板搬送装置430のその他の構成は、上記第1実施形態の基板搬送装置30と同様である。また、コンベア部431は、本発明の「第3コンベア部」の一例である。
また、矢印Y1方向側のレール402aは、基板搬送装置420のコンベア部421および基板搬送装置430のコンベア部431を矢印Y1方向に最も近づけた状態(図14の二点鎖線参照)において、矢印Y1方向側の部品供給部405c(テープフィーダ6)と距離Dc2だけ離間するように構成されている。この距離Dc2のスペースには、X方向、基板搬送装置430側にノズル交換装置407a、ノズル清掃装置408aが配置されるとともに、X方向、基板搬送装置420側に部品廃棄箱409aが配置され、X方向、基板搬送装置420と基板搬送装置430との境界部に部品撮像装置405dが配置されている。なお、部品廃棄箱409aは、本発明の「部品廃棄部」の一例である。
また、基板搬送コンベア402のレール402b(基板搬送装置420のコンベア部422および基板搬送装置430のコンベア部432)と矢印Y2方向側の部品供給部405c(テープフィーダ6)との距離Db2だけ離間したスペースには、X方向、基板搬送装置430側にノズル交換装置407b、ノズル清掃装置408bが配置されるとともに、X方向、基板搬送装置420側に部品廃棄箱409bが配置され、X方向、基板搬送装置420と基板搬送装置430との境界部に部品撮像装置405dが配置されている。なお、部品廃棄箱409bは、本発明の「部品廃棄部」の一例である。
第2実施形態では、これらのノズル交換装置407a、ノズル清掃装置408aおよび部品廃棄箱409aは、矢印Y1方向側のヘッドユニット3の移動範囲A1の範囲内に配置され、矢印Y2方向側のヘッドユニット4の移動範囲A2の範囲外に配置されている。また、ノズル交換装置407b、ノズル清掃装置408bおよび部品廃棄箱409bは、ヘッドユニット3の移動範囲A1の範囲外に配置され、ヘッドユニット4の移動範囲A2の範囲内に配置されている。このように、第2実施形態では、ヘッドユニット3用のノズル交換装置407a、ノズル清掃装置408aおよび部品廃棄箱409aと、ヘッドユニット4用のノズル交換装置407b、ノズル清掃装置408bおよび部品廃棄箱409bとが、それぞれ別個に設けられている。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、上記のように、矢印Y2方向側にずれるように配置された搬送経路上の位置から矢印Y1方向側の部品供給部405cに向けて、プリント基板1をY方向に移動可能に基板搬送装置420を構成し、矢印Y2方向側にずれて配置された搬送経路上のプリント基板1をY方向には移動させることなくX方向に搬送して実装作業位置に配置するように基板搬送装置430を構成することによって、小型のプリント基板1bに部品を実装する場合には、搬送方向下流側(矢印X2方向側)の基板搬送装置420によりプリント基板1bを矢印Y1方向側の部品供給部405cに近い実装作業位置に移動させることができるとともに、搬送方向上流側(矢印X1方向側)の基板搬送装置430により矢印Y2方向側にずれた搬送経路上の実装作業位置にプリント基板1bを搬送することができる。これにより、基板搬送装置430側において矢印Y2方向側の部品供給部405cにプリント基板1bを近づけた状態でヘッドユニット4を使い、かつ、基板搬送装置420側において矢印Y1方向側の部品供給部405cに別のプリント基板1bを近づけた状態でヘッドユニット3を使い、それぞれのプリント基板1bに部品を実装することが可能である。この場合、基板搬送装置430をY方向にプリント基板1bを移動可能なように構成する必要がないので、基板搬送装置430の構成が複雑化するのを抑制することができる。
また、平面的に見て、矢印Y2方向側の部品供給部405cと矢印Y1方向側の部品供給部405cとの間の中間位置Lf2よりも搬送経路上を搬送されるプリント基板1の中央位置Lcが矢印Y2方向側にずれるように搬送経路を配置することによって、搬送経路自体が矢印Y2方向側の部品供給部405cに近い位置に配置されるので、搬入したプリント基板1をそのまま矢印Y2方向側の部品供給部405cに近い位置に配置することができる。これにより、搬送経路上に搬入したプリント基板1をY方向に移動させなくても、プリント基板1を矢印Y2方向側の部品供給部405cに近い実装作業位置に配置することができるので、プリント基板1の搬入から実装の開始までの間に基板搬送装置420(コンベア部421および422)を移動させる必要がなく、その結果、実装作業に要する時間を短縮することができる。これらの結果、基板搬送装置430の構造が複雑化するのを抑制しながら、実装作業に要する時間を短縮することができる。但し、第2実施形態では、プリント基板1の搬送経路を矢印Y2方向側の部品供給部405cの近傍(距離Db1)に配置した第1実施形態と異なり、部品撮像装置405d、ノズル交換装置407b、ノズル清掃装置408bおよび部品廃棄箱409bを配置するために矢印Y2方向側の距離Db2だけ間隔を広げるように配置しているため、第1実施形態と比較してヘッドユニット4の移動距離は長くなる。
なお、長尺のプリント基板1aへの部品実装時には、矢印Y1方向側の部品供給部405cの部品取出部6aから部品供給を受けるヘッドユニット3と、矢印Y2方向側の部品供給部405cの部品取出部6aから部品供給を受けるヘッドユニット4の両方が交互に使用される。小型のプリント基板1bへの部品実装時には、搬送方向上流側(X1方向側)の基板搬送装置430の実装位置にある小型のプリント基板1bには、矢印Y2方向側の部品供給部405cの部品取出部6aから部品供給を受けるヘッドユニット4が実装に使用され、搬送方向下流側(X2方向側)の基板搬送装置420の実装位置にある小型のプリント基板1bには、矢印Y1方向側の部品供給部405cの部品取出部6aから部品供給を受けるヘッドユニット3が実装に使用される。このため、長尺のプリント基板1aより小型のプリント基板1bの実装頻度が高い場合には、距離Dc2のスペースに配置されるノズル交換装置407a、ノズル清掃装置408a、および部品廃棄箱409aは、ヘッドユニット3の移動範囲A1内において矢印X2方向の基板搬送装置420側に配置すると、ヘッドユニット3の移動距離を短くできる。但し、全てを矢印X2方向の基板搬送装置420側に配置できない場合には、使用頻度の高い機器を基板搬送装置420側に配置する。同様に、距離Db2のスペースに配置されるノズル交換装置407b、ノズル清掃装置408b、および部品廃棄箱409bは、ヘッドユニット4の移動範囲A2内において矢印X1方向の基板搬送装置430側に配置すると、ヘッドユニット4の移動距離を短くできる。但し、全てを矢印X1方向の基板搬送装置430側に配置できない場合には、使用頻度の高い機器を基板搬送装置430側に配置する。なお、距離Dc2のスペースに配置される使用頻度の高い部品撮像装置405dは、基板搬送装置420と基板搬送装置430との境界部より矢印X2方向に偏位させて配置することで、実装効率を向上させることができる。
また、第2実施形態では、基板搬送装置430を基板の搬入位置側(矢印X1方向側)としており、長尺のプリント基板1のみでなく小型のプリント基板1bにおいても、プリント基板1の搬入から実装の開始までの間に基板搬送装置430はプリント基板1をクランプするのみであり、プリント基板1をY方向に移動することはない。その結果、実装作業に要する時間を短縮することができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。例えば、上記第1実施形態と同様に、ヘッドユニット4による部品実装作業の開始を先行させるとともに、搭載部品点数を多くし、その分ヘッドユニット3による搭載部品点数を少なくし部品実装作業時間を短くすることにより、基板搬送装置430に位置する1枚目および基板搬送装置420に位置する2枚目の、両プリント基板1b、1bを同時に矢印X2方向に搬送可能となるタイミングまでに要する時間を短くできている。すなわち、基板搬送装置420によるプリント基板1bのY方向の移動に要する時間に対応して、ヘッドユニット3による搭載部品点数を少なくすることにより、ヘッドユニット4側での待機時間を短縮し、実装効率を高めることが可能である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、Y方向両側の部品供給部5c(405c)間の中間位置Lf1(Lf2)よりも、搬送経路上を搬送されるプリント基板1の中央位置Lcが常に矢印Y2方向側にずれるように搬送経路を配置した例を示したが、本発明はこれに限らず、搬送経路上を搬送されるプリント基板1の中央位置Lcが、Y方向両側の部品供給部5c間の中間位置Lf1よりも矢印Y1方向側にずれるように搬送経路を配置してもよい。
また、上記第1実施形態では、搬送経路の矢印Y2方向側の端部(レール2b)を矢印Y2方向側の部品供給部5cの近傍(距離Db1)に配置し、上記第2実施形態では、搬送経路の矢印Y2方向側の端部(レール402b)を矢印Y2方向側の部品供給部405cから距離Db2だけ離間した位置に配置した例を示したが、本発明はこれに限らず、搬送経路の矢印Y2方向側の端部(レール2b)は、Y方向の両側の部品供給部5c間の中間位置Lf1よりも、搬送経路上を搬送されるプリント基板1の中央位置Lcが、コンベア間隔Dによらず常に矢印Y2方向側にずれる位置に配置すれば、距離Db1およびDb2以外の距離だけ離間した位置に配置してもよい。たとえば、搬送経路の矢印Y2方向側の端部(レール2b)を、矢印Y2方向側の部品供給部5cからの距離Db1よりもさらに近づけるように配置してもよいし、距離Db1と距離Db2との間の距離だけ離間する位置に配置してもよい。なお、基板搬送コンベアを部品供給部に近づけるほど、搬送されるプリント基板とテープフィーダ(部品供給部)とが近づき、ヘッドユニット3あるいは4の部品吸着のための移動距離を減らすことができるため、部品実装時の作業効率を向上させることができる。
また、上記第1実施形態では、基板搬送装置20によりプリント基板1bを矢印Y1方向側の部品供給部5cの近傍(距離Da)まで移動可能に構成し、上記第2実施形態では、基板搬送装置420によりプリント基板1bを矢印Y1方向側の部品供給部405cから距離Dc2だけ離間した位置まで移動可能に構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、基板搬送装置20は、プリント基板1bを矢印Y1方向側の部品供給部5cからの距離Daよりもさらに近づけるように配置してもよいし、距離Daと距離Dc2との間の距離だけ離間する位置までプリント基板1bを移動可能なように構成してもよい。
また、上記第1実施形態では、基板搬送装置30の矢印Y1方向側のコンベア部31をY方向に移動可能に構成し、矢印Y2方向側のコンベア部32を固定的に設置した例を示したが、本発明はこれに限らず、基板搬送装置30は、矢印Y1方向側のコンベア部を固定的に設置し、矢印Y2方向側のコンベア部をY方向に移動可能に構成してもよい。
また、上記第1実施形態では、ノズル交換装置7およびノズル清掃装置8を、ヘッドユニット3の移動範囲A1およびヘッドユニット4の移動範囲A2の双方の範囲内に配置した一方、部品廃棄箱9aおよび9bをそれぞれの移動範囲内に1つずつ配置し、上記第2実施形態では、ヘッドユニット3およびヘッドユニット4のそれぞれの移動範囲内にノズル交換装置(407a、407b)、ノズル清掃装置(408a、408b)および部品廃棄箱(409a、409b)を1つずつ配置した例を示したが、本発明はこれに限らず、図15の第1変形例に示すように、ヘッドユニット3の移動範囲A1およびヘッドユニット4の移動範囲A2の双方の範囲内に、ノズル交換装置、ノズル清掃装置および部品廃棄箱を配置してもよい。
図15に示すように、この第1変形例の表面実装機500のノズル交換装置507、ノズル清掃装置508および部品廃棄箱509は、ヘッドユニット3の移動範囲A1と、ヘッドユニット4の移動範囲A2との双方の移動範囲内に1つずつ配置されている。ノズル清掃装置508および部品廃棄箱509は、基板搬送装置30(コンベア部31)の矢印Y1方向側において、X方向に並ぶように配置されている。また、ノズル交換装置507は、ノズル清掃装置508および部品廃棄箱509の矢印Y1方向側に配置されている。これらのノズル交換装置507、ノズル清掃装置508および部品廃棄箱509は、基板搬送装置30の矢印Y1方向側に形成された距離Dd分のスペースに配置されている。これにより、各1つのノズル交換装置507、ノズル清掃装置508および部品廃棄箱509をヘッドユニット3およびヘッドユニット4の共用とすることができる。この結果、上記第2実施形態のようにヘッドユニット毎にノズル交換装置、ノズル清掃装置および部品廃棄箱を設ける必要がないため、表面実装機500全体の大きさをさらに小型化することが可能である。なお、ノズル交換装置507、ノズル清掃装置508および部品廃棄箱509は、それぞれ、本発明の「ノズル交換部」、「ノズル清掃部」および「部品廃棄部」の一例である。
また、上記実施形態では、制御装置101の主制御部102によって、表面実装機100の各部(入口搬送装置10、基板搬送装置20および基板搬送装置30の各々)の制御を行うように構成したが、本発明はこれに限らず、表面実装機に制御装置を設けることなく、ネットワークを介して表面実装機と接続されたホストコンピュータにより表面実装機の各部を制御するように構成してもよい。この場合には、表面実装機には、ホストコンピュータからの制御信号に基づいて各サーボモータなどを制御する駆動制御部を少なくとも設けておけばよい。また、表面実装機の制御装置の記憶部を、ホストコンピュータ側に設けるように構成してもよい。
また、上記第1実施形態では、基板搬送装置20を、駆動モータ25により一対のボールネジ軸23aおよび23bを回転駆動することによってコンベア部21および22をY方向に移動可能とするとともに、回転モータ26によりコンベア部21のボールナット216を回転駆動することにより、コンベア部21のみを移動可能とした例を示したが、本発明はこれに限らず、図16の第2変形例に示すように、第1ボールネジ軸によってY方向に移動可能に構成された可動台上に一対のコンベア部を設けるとともに、第2ボールネジ軸によって一方側のコンベア部のみを移動可能に構成してもよい。
図16に示すように、この第2変形例の表面実装機の基板搬送装置20に代替する基板搬送装置620は、図示しない駆動モータによって回転駆動される第1ボールネジ軸623と、第1ボールネジ軸623によってY方向に移動可能に構成された可動台620aと、可動台620a上に設けられた一対のコンベア部621および622と、図示しない回転モータにより回転駆動される第2ボールネジ軸624とを有している。可動台620aは、基台5上にY方向に延びるように設けられたレール5aに沿ってY方向に移動可能に支持されている。また、可動台620aには、第1ボールネジ軸623に螺合するボールナット620bが固定的に設けられていて、第1ボールネジ軸623の回転によって可動台620aがY方向に移動するように構成されている。可動台620a上には、矢印Y2方向側端部にコンベア部622が固定的に設置されている。また、可動台620a上には、Y方向に延びるようにレール620cが設けられており、コンベア部621をY方向に移動可能に支持している。第2ボールねじ軸624は、可動台620a上で、コンベア部622と支持部620dとにより回転可能に支持されている。また、コンベア部621には、第2ボールネジ軸624に螺合するボールナット621aが固定的に設けられていて、第2ボールネジ軸624の回転によってコンベア部621がY方向に移動するように構成されている。この第2変形例では、図示しない駆動モータによって第1ボールネジ軸623を回転駆動することによって可動台620aを移動させ、コンベア部621および622の両方をY方向に移動させることが可能である。また、図示しない回転モータによって第2ボールネジ軸624を回転駆動することによって、第2ボールネジ軸624と螺合するボールナット621aが設けられたコンベア部621のみをY方向に移動させることが可能である。この第2変形例のように基板搬送装置を構成することによっても、コンベア部621のみを移動させてコンベア間隔Dを調整するとともに、コンベア部621および622の両方を移動させてプリント基板1をY方向に移動させることが可能である。なお、基板搬送装置620、コンベア部621および622は、それぞれ、本発明の「第1搬送装置」、「第1コンベア部」および「第2コンベア部」の一例である。
なお、第1実施形態、および図15に示す第1変形例において、入口搬送装置10を配置した例を示したが、これを廃止し、表面実装機100の上流側に配置される基板搬送コンベアから直接、基板搬送装置20(620)のコンベア部21および22(621および622)でプリント基板1を受け取るようにしても良い。同様に、第2実施形態における出口搬送装置410を廃止し、表面実装機400の下流側に配置される基板搬送コンベアへ、基板搬送装置420のコンベア部421および422から直接プリント基板1を引き渡すようにしても良い。